JP6530523B2 - ワイヤレスネットワークにおいて閉ループ情報をスケジューリングするための方法 - Google Patents

ワイヤレスネットワークにおいて閉ループ情報をスケジューリングするための方法 Download PDF

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Description

本明細書において説明される構成は一般に、マルチホップワイヤレスネットワークにおける1つまたは複数の送信の送信スケジュールを決定するための方法およびデバイスに関する。
産業オートメーションは、産業プロセスの機械化されたシステムを独立に操作および監視するために、制御システムを使用することを指す。産業オートメーション部門は近年大きな成長を示しており、世界市場は2011年には〜1500億米ドル規模であり、これは2017年までに2000億ドルを超えて成長すると予想されている。
従来、有線通信が、その信頼性のある専用のインフラストラクチャにより、しかし設備と保守の大きなコストを伴って、産業オートメーション部門に用いられていた。ワイヤレスの解決法は、有線の解決法を低コストで代替するものであるので、産業オートメーションへの応用においてますます人気が高まっている。
現在、ワイヤレス技術は主に、オートメーションピラミッドの様々な層における監視および開ループ制御の用途に使用されている。開ループの制御はフィードバックを利用しない。したがって、制御メッセージは送出されるが、コントローラに応答は返されない。これは、コントローラへのフィードバックを含む閉ループ制御とは対照的である。したがって、閉ループ制御は双方向通信を必要とする。
閉ループ制御の用途にワイヤレス技術を使用することは、レイテンシ、信頼性、およびスケーラビリティの点での現在の解決法の限界により制約されている。その上、双方向の情報の流れ、サイクルタイムなどの、閉ループ制御の特殊性が、プロトコル設計に対する様々な課題を生み出す。
産業オートメーションは一般に、プロセスオートメーションおよびファクトリーオートメーションに分けられる。プロセスオートメーションは、高度に変化する原材料を安定した品質の完成品に変換する、製造作業に関係する。プロセスオートメーションは、連続的なプロセスであり、アナログコントローラ(たとえば、比例積分微分(PID)コントローラ)を伴う。プロセスオートメーションの典型的な用途は、鉄鋼、化学、石油、および他の同様の産業における流体の監視と制御とを含む。
一方、ファクトリーオートメーションは、高品質の設計された部品を最終的な製品構成へと組み立てることを扱う。ファクトリーオートメーションは個別のプロセスであり、デジタルコントローラ(たとえば、プログラマブル論理コントローラ(PLC))を伴う。ファクトリーオートメーションの典型的な例は、自動車、包装、家電機器、および他の同様の産業のための組立ラインプロセスを含む。
ファクトリーオートメーションおよびプロセスオートメーションに対するネットワーキング要件には、いくつかの重要な違いがある。前者は星形トポロジー環境を備えるが、後者はメッシュトポロジーからなる。両方に対して(パケット送達率に関して)99.999%もの非常に高い信頼性が必要とされるが、ファクトリーオートメーションに対するレイテンシの要件は、プロセスオートメーションと比較するとはるかに厳しい。通常、ファクトリーオートメーションは(サイクルタイムに関して)2〜10msのレイテンシを必要とする。しかしながら、プロセスオートメーションは、(サイクルタイムに関して)20〜30msのオーダーのエンドツーエンドのレイテンシを必要とする。さらに、プロセスオートメーションは、最高で100〜150個のデバイスに対するサポートを伴う、高いスケーラビリティを必要とする。
したがって、低レイテンシ(約20〜30msのサイクルタイム)および非常に高いスケーラビリティ(99.999%のパケット送達率)が高いスケーラビリティ(最高で100〜150個のデバイス)とともに必要とされる、メッシュトポロジー環境(たとえば、プロセスオートメーション)における閉ループ制御動作のための新しいワイヤレス解決法が必要である。
以下において、図面を参照して実施形態が説明される。
単純なトポロジーに対するマルチホップスケジューリングの実例を示す図。 図1の構成のためのマルチホップスケジューリングの間のシグナリングの交換を示す図。 より複雑なトポロジーに対するマルチホップスケジューリングの実例を示す図。 ノード2が機能停止した状況に対する図3のトポロジーを示す図。 図4のトポロジーに対する送信スケジュールを示す図。 シグナリングスロットフレーム、データスロットフレーム、およびオーバープロビジョニングされたスロットフレームに対する全体的な構造を示す図。 低電力の有損失ネットワーク(RPL)上でのルーティングを使用した、生成されたトポロジーおよびルーティングツリーの生成の1つの事例を示す図。 DeAMONおよびDecentralised Traffic Aware Scheduling(DeTAS)プロトコルのパケット失敗率を示す図。 DeAMONおよびDeTASのパケットドロップ率を示す図。 DeAMONおよびDeTASのスロットフレーム利用率を示す図。 シングルセルの閉ループネットワークを示す図。 ENCLOSEの全体的なフレーム構造を示す図。 ENCLOSEにおけるアップリンクおよびダウンリンクのスロット構造を示す図。 アップリンク送信失敗の場合に再送信を解決する方法を示す図。 ダウンリンク送信失敗の場合に再送信を解決する方法を示す図。 シミュレーションされたトポロジーの実例を示す図。 様々なセル半径におけるENCLOSEおよびWISAのSNR閾値に対してPDRを示す図。 閾値SNRの異なる値に対するENCLOSEのために必要なNCフレームの数を示す図。 様々なペイロードサイズおよび物理層設計に対してENCLOSEのサイクルタイムがどのように変化するかを示す図。 ある構成によるネットワークを示す図。 ある構成による集中型の双方向スケジューリングの実例を提供する図。 より大きなトポロジーに対する構築されたスケジュールを示す図。 ある構成によるダウンリンク(DL)送信をスケジューリングするための方法を示す図。 ある構成によるアップリンク(UL)送信をスケジューリングする方法を示す図。 ネットワークの中のすべてのノードに対する別個のコマンドメッセージを伴う図21のトポロジーのための集中型の双方向スケジューリングの実例を提供する図。 ある構成による分散型の双方向スケジューリング機構の段階を示す図。 ある構成による分散型のスケジューリングを示す図。 ある構成によるより大きなトポロジーに対する分散型のスケジューリングを示す図。 ある構成によるより大きなトポロジーに対する分散型のスケジューリングを示す図。 分散型のネットワークにおける再送信を調整するためのスケジュールと信号とを示す図。 分散型のネットワークにおける再送信を調整するためのスケジュールと信号とを示す図。 ある構成の性能評価を示す図。 ある構成によるワイヤレスノードの例を示す図。 ある構成による中心ノードを示す図。
第1の構成によれば、マルチホップワイヤレスネットワークにおける第1の子ノードから第1の親ノードへの1つまたは複数の送信のための送信スケジュールを決定するための方法が提供され、各ノードは対応する親ノードに対する子ノードであり、各子ノードは対応する親ノードを介して、シンクノードに向けられるメッセージを送信するように構成され、この方法は、第1の親ノードが、ネットワークの中のノード間の送信のためのスケジューリングされるタイムスロットを示す信号をリッスンし、信号が検出される場合にスケジューリングされる送信の記録を更新することと、第1の親ノードへの1つまたは複数のメッセージの各々の送信のためのタイムスロットを指定する予備的なスケジュールを第1の子ノードから受信することと、スケジューリングされる送信の記録に基づいて、スケジューリングされる送信の記録の中のいずれかのスケジューリングされる送信と競合するであろうスケジューリングされる送信を予備的なスケジュールが含むかどうか、または、予備的なスケジュールの長さがスケジューリングされる送信の記録の中のいずれの他のスケジューリングされる送信とも競合することなく低減され得るかどうかを、決定することと、競合があるであろうという決定、または予備的なスケジュールの長さが競合なしで低減され得るという決定に応じて、スケジューリングされる送信の記録の中のスケジューリングされる送信のいずれとも競合することなく、スケジューリングされるタイムスロットの数を最小にするスケジューリングされるタイムスロットのセットを決定することによって、第1の子ノードのための更新されたスケジュールを決定することと、更新されたスケジュールを第1の子ノードに割り当てるために更新されたスケジュールを第1の子ノードに送信することとを備える。
本明細書において説明される構成は、マルチホップワイヤレスネットワークにおいてシンクノードへと他のノードから向けられる通信をスケジューリングする分散された手段を提供する。スケジュールを他のノードに割り当てる他のメッセージをリッスンすることによって、各ノードは、ノードのエリアの中のスケジューリングされる送信の固有のローカル記録を作成することが可能である。このことは、各ノードが予備的なスケジュールを決定することを可能にする。とはいえ、ノードの親ノードは、スケジューリングされるローカル送信に関する追加の情報を有するであろう。したがって、ノードは、ノードが他のスケジューリングされる送信とのコリジョン/競合をもたらさないということの確認のために、予備的なスケジュールを親ノードに送信する。親ノードが各子ノードのスケジューリングに関与するので、互いに競合し得るスケジュールを子ノードが提案しているかどうかをより良好に決定することが可能である。
シンクノードは、ワイヤレスノードのネットワークを制御する制御ノードであり得る。したがって、スケジューリングする方法は、制御ノードとワイヤレスノードとの間の双方向通信のアップリンク部分を形成し得る。制御ノードは、ダウンリンク通信を1つまたは複数のノードに送信することができ、ダウンリンク通信に応じて、1つまたは複数のノードは、本明細書において説明される方法を介して応答することができる。
スケジュールの長さが低減され得ると決定することは、競合しない送信をより早くスケジューリングすることによってすべての既知の送信の端末間のレイテンシが低減され得ると決定することであり得る。
各ノードは、記録を記憶するためのメモリと、他のノードとワイヤレスに通信するためのワイヤレス送受信機と、本明細書において説明されるステップを実行するためのコントローラとを備え得る。
各ノードは、ネットワークにおいて上流(シンクノードのより近く)に位置する親ノードを有する。親ノードはシンクノードであり得る。
予備的なスケジュールは、子ノードによって維持されているスケジューリングされる送信の対応する記録に基づき得る。
各スケジュールは、所与の送信にタイムスロットと周波数チャネルの両方を割り当て得る。スケジュールは、ネットワークの中の別の送信の受信者の通信範囲内でその別の送信と同じチャネル上で、および同じタイムスロットの間に送信をスケジューリングすると、その別の送信と競合することがある。
方法はさらに、競合がないであろうという決定、または競合なしでは予備的なスケジュールの長さが低減され得ないという決定に応じて、予備的なスケジュールの割り当てを認めるために信号を第1の子ノードに送信することを備え得る。
この確認は、提案されるスケジュールが受け入れられるという単純な指示であることがあり、または、提案されるスケジュールを再確認するために(および割り当てられたスケジュールを近くのノードにブロードキャストするために)提案されるスケジュール自体を含むことがある。提案されるスケジュールを確認に含めることは、割り当てられるスケジュールを近くのノードに知らせる。
有利には、更新されるスケジュールを決定することは、スケジューリングされる送信の記録の中のいずれのスケジューリングされる送信との競合も回避しながら、別の送信と同じタイムスロットの間に少なくとも1つの送信をスケジューリングすることを備え得る。これは、ネットワーク内での並列送信を可能にする。並列送信は、同じタイムスロットの間にスケジューリングされる同時の送信であり、2つの送信が互いに通信範囲の外側または異なるチャネル上にある場合に、および、2つの送信が同じ送信ノードと受信ノードとに関与しない場合に、スケジューリングされ得る。
有利には、方法はさらに、スケジュールを別のノードに割り当てる信号を子ノードのうちの1つが送信するのを第1の親ノードが傍受したことに応じて、第1の親ノードが、割り当てられるスケジュールを第1の親ノードの対応する親ノードに知らせるためにメッセージをその対応する親ノードに送信することを備える。このことは、第1の親ノードと同じローカルネットワーク知識を対応する親ノードに与え、これにより、親ノードが競合を回避するように送信をスケジューリングすることをより可能にする。
有利には、方法はさらに、第1の親ノードが、第1の子ノードから予備的なスケジュールを受信する前に、第1の親ノードの対応する親ノードから構築コマンドを受信することと、構築コマンドが、予備的なスケジュールを構築するように第1の親ノードに命令し、対応する親ノードの任意の他の子に対する第1の親ノードに割り当てられる相対的なスケジューリング優先順位を含む、構築コマンドの受信に応じて、構築コマンドを第1の親ノードのすべての子ノードに転送することと、転送される構築コマンドは第1の親ノードの各子ノードに対する対応するスケジューリング優先順位を含む、を備える。
構築コマンドは、相対的なスケジューリング優先順位を各子ノードに提供し、これにより、スケジューリングプロセスの間に子ノードと親ノードの間で送信されるスケジューリング信号の間での競合を防ぐ。
有利には、方法はさらに、第1の親ノードが、その子ノードのすべてがスケジュールを割り当てられているかどうかを決定することと、その子ノードのすべてがスケジュールを割り当てられているという決定に応じて、第2の予備的なスケジュールを決定することと、第2の予備的なスケジュールが、第1の親ノードから第1の親ノードの対応する親ノードへのメッセージの送信のためのものである、第2の予備的なスケジュールを対応する親ノードに送信するためのシグナリングタイムスロットを決定することと、シグナリングタイムスロットが、第1の親ノードに割り当てられるスケジューリング優先順位に基づいて決定される、シグナリングタイムスロットの間に、予備的なスケジュールを対応する親ノードに送信することと、予備的なスケジュールが承認されることの確認、または対応する親ノードによって割り当てられる代替のスケジュールのいずれかを、対応する親ノードから受信することとを備え得る。
したがって、すべての子ノードがスケジューリングされると、第1の親ノードは固有の送信をスケジューリングすることに進み得る。これは同じ機構を利用し、親ノードは承認のために固有の予備的なスケジュール(第2の予備的なスケジュール)を対応する親に送信する。第2の予備的なスケジュールを決定することは、シグナリングタイムスロットの決定の前、後、または間に行われ得る。
有利には、第2の予備的なスケジュールは、スケジューリングされる送信の記録の中のスケジューリングされる送信のいずれとも競合することなく、スケジューリングされるタイムスロットの数を最小にするスケジューリングされるタイムスロットのセットを決定することを備え得る。これは、スケジューリングされるタイムスロットの総数を最小にするように、様々な利用可能な周波数チャネルに割り当てられるタイムスロットのセットを決定することを伴い得る。これは、各々の利用可能なチャネル上で最も早い可能なタイムスロットを選ぶことを伴い得る。
さらなる構成によれば、マルチホップワイヤレスネットワークの中の第1のノードのための送信スケジュールを決定するための方法が提供され、各ノードは対応する親ノードに対する子ノードであり、各子ノードは対応する親ノードを介して、シンクノードに向けられるメッセージを送信するように構成され、この方法は、第1のノードが、ネットワークの中のノード間の送信のためのスケジューリングタイムスロットを示す信号をリッスンし、信号が検出される場合にスケジューリングされる送信の記録を更新することと、第1のノードの対応する親ノードへの1つまたは複数のメッセージの各々の送信をスケジューリングするかどうかを決定することと、スケジューリングするという決定に応じて、対応する親ノードへの1つまたは複数のメッセージの各々の送信のためのタイムスロットを指定する予備的なスケジュールを決定することと、予備的なスケジュールがスケジューリングされる送信の記録に基づく、承認のために予備的なスケジュールを対応する親ノードに送信することと、対応する親ノードからの応答に基づいて割り当てられるスケジュールを設定することとを備える。
したがって、各ノードは、予備的なスケジュールを決定し、このスケジュールを利用することに対する親ノードからの許可を要求し得る。親ノードは、予備的なスケジュールを受け入れること、または別のスケジュールを設定することによって応答し得る。割り当てられるスケジュールが設定されると、第1のノードは、割り当てられるスケジュールに従って送信することに進み得る。第1のノードは、割り当てられるスケジュールを利用し始めるまで、所定の数のシグナリング/スケジューリングタイムスロットの間待機し得る。
有利には、予備的なスケジュールを決定することは、スケジューリングされる送信の記録の中のスケジューリングされる送信のいずれとも競合することなく、スケジューリングされるタイムスロットの数を最小にするスケジューリングされるタイムスロットのセットを決定することを備え得る。スケジューリングされるタイムスロットの数を最小にすることは、最も早い競合しないタイムスロットを選択することを伴い得る。最も早い競合しないタイムスロットは、1つまたは複数の利用可能な周波数チャネルにまたがって選択され得る。
有利には、応答は、予備的なスケジュールが対応する親ノードによって承認されたこと、または、対応する親ノードによって第1のノードに割り当てられる新しいスケジュールを予備的なスケジュールが提供することのいずれかを、示し得る。この指示は承認であることがあり、この場合、競合は親ノードにより見出されず、またはこの指示は更新されたスケジュールであることがあり、この場合、競合を回避するか送信のレイテンシを減らすかのいずれかである新しいスケジュールが見出される。予備的なスケジュールの承認は単純な指示もしくは承認であることがあり、または、第1のノードへと戻る予備的なスケジュールの再送信であることがある。
有利には、方法はさらに、第1のノードの対応する子ノードから、スケジュールを別のノードに割り当てる信号を第1のノードが傍受したことに応じて、第1のノードが、割り当てられるスケジュールを対応する親ノードに知らせるために、メッセージを第1のノードの対応する親ノードに送信することを備え得る。このことは、親ノードがその子ノードの各々に対するローカルにスケジューリングされる送信のすべてを認識するように、親ノードがローカルのスケジューリングされる送信を知らされることを可能にする。
有利には、第1のノードは、第1のノードが子ノードを有しないという決定および対応する親ノードからの構築コマンドの受信、または、第1のノードが1つまたは複数の子ノードを有し、第1のノードの1つまたは複数の子ノードの各々にスケジュールが割り当てられているという決定に応じて、第1のノードの対応する親ノードへの1つまたは複数のメッセージの送信をスケジューリングすると決定し得る。
したがって、シンクノードは、ノードにスケジュールを構築するように命令する構築コマンドを送出し得る。各ノードは、構築コマンドを(もしあれば)その子ノードに渡し得る。ノードがリーフノードである場合(子ノードを有しない場合)、ノードは構築コマンドを受信するとスケジューリングを開始する。ノードが子を有する場合、ノードは、その子の各々がスケジュールを割り当てられるとスケジューリングを開始する。これは、リーフノードからシンクノードまでスケジュールを構築する、分散型の順次的な方法を提供する。
有利には、方法はさらに、第1のノードが、スケジューリングするという決定に応じて、記録の中の他のスケジューリングされる送信との競合を回避する予備的なスケジュールを送信するためのシグナリングタイムスロットを決定することを備えることがあり、予備的なスケジュールはシグナリングタイムスロットの間に送信される。ノードはまた、近くのノードに割り当てられるシグナリングタイムスロットを記録し、競合を回避するようにシグナリングをスケジューリングし得る。
有利には、方法はさらに、承認のための対応する親ノードへ予備的なスケジュールの送信がネットワークの中の別の送信と衝突したことの検出に応じて、第1のノードが、スケジューリングされる送信の記録によれば空いている次のシグナリングタイムスロットの間に予備的なスケジュールを再送信することを備え得る。空いている次のシグナリングタイムスロットは、第1のノードにより利用され得るがスケジューリングされる送信の記録によれば他の送信との競合を回避するような、次のシグナリングタイムスロットである。
有利には、予備的なスケジュールを送信するためのシグナリングタイムスロットは、対応する親ノードから受信された構築コマンドにおいて第1のノードに割り当てられる優先順位に基づいて決定されることがあり、この優先順位は、対応する親ノードの他の子ノードに対するスケジューリング優先順位を示す。
有利には、方法はさらに、構築コマンドが受信されたことと、第1のノードが1つまたは複数の子ノードを有することとに応じて、第1のノードがさらなる構築コマンドを子ノードの各々に送信することを備え得る。
一構成によれば、構築コマンドは、次の利用可能な構築タイムスロットを備え、方法はさらに、第1のノードが、構築タイムスロットが記録の中のいずれのスケジューリングされる送信との競合も回避するようにスケジューリング優先順位に基づいて、次の利用可能な構築タイムスロットを備える構築コマンドを送信するための構築タイムスロットを決定することを備え、さらなる構築コマンドは構築タイムスロットの間に送信される。
さらなる構築コマンドは、新しい次の利用可能な構築タイムスロットと、第1のノードの各子ノードに割り当てられる優先順位とを含み得る。優先順位は、ノードIDおよび/またはシンクノードからの各子ノードの距離に基づいて決定され得る。
有利には、方法はさらに、第1のノードが、対応する親ノードとの通信リンク品質、第1のノードにより送信されるようにスケジューリングされる送信の総数、およびシンクノードまでの距離のうちの1つまたは複数に基づいて、オーバープロビジョニングされるタイムスロットの数を決定することを備えることがあり、オーバープロビジョニングされるタイムスロットは、失敗した送信を再送信するために第1のノードにより使用されるためのものである。リンク品質は、予想送信カウント(ETX:Expected Transmission Count)または通信リンク品質の任意の他の尺度に関して測定され得る。
有利には、第1のノードは、ある数のオーバープロビジョニングされるタイムスロットが必要とされないという決定に応じて、オーバープロビジョニングされるタイムスロットの数を減らすための要求を対応する親に送信し、より多数のオーバープロビジョニングされるタイムスロットが必要とされるという決定に応じて、オーバープロビジョニングされるタイムスロットの数を増やすための要求を対応する親に送信し、オーバープロビジョニングされるタイムスロットの数を変更することに対する承認を対応する親から受信したことに応じて、その承認に従ってオーバープロビジョニングされるタイムスロットの数を変更する。したがって、第1のノードは、オーバープロビジョニングされるタイムスロットの増大または減少を要求し得る。親ノードは、親ノードの別の子ノードが変更を要求したかどうかということと、1つまたは複数のオーバープロビジョニングされるタイムスロットを別の子ノードに割り振り直すことによって両方の要求が満たされ得るかどうかということとを決定し得る。
有利には、方法はさらに、第1のノードが、対応する親ノードとの通信リンクが失敗したという決定に応じて、近隣ノードが第1のノードの新しい親ノードになることを要求するための要求を近隣ノードに送信することと、この要求が、対応する親ノードと第1のノードとの間で以前に割り当てられた送信のスケジュールを含む、近隣ノードからの応答に基づいて、近隣ノードへの送信のための新しい割り当てられたスケジュールを設定することとを備え得る。
通信リンクが失敗したと決定することは、対応する親ノードが第1のノードと通信することが不可能であると、または、通信リンク品質が閾値のリンク品質を下回っていると決定することを意味し得る。近隣ノードは、スケジュールが近隣ノードへの送信のために割り振り直される場合、ローカル知識に従って、以前に割り当てられたスケジュールが競合を引き起こすかを決定することができ、競合がない場合、以前に割り当てられたタイムスロット(および/またはチャネル)の使用の確認を送信することができ、または、競合がある場合、新しいタイムスロット(および/またはチャネル)を割り当てることができる。第1のノードはまた、対応する親ノードが機能停止したかどうか、または低いリンク品質を有するかどうかに関する情報を送信することもできる。
さらなる構成によれば、ワイヤレスネットワークの中の他のノードとワイヤレスに通信するように構成されるワイヤレス送受信機と、メモリと、上で説明された方法のいずれかを実行するようにワイヤレスノードを制御するように構成されるコントローラとを備える、ワイヤレスノードが提供される。
上の構成は、ワイヤレスノードから中心(制御/シンク)ノードへのメッセージのスケジューリングに関する。以下の構成は、中心(制御/シンク)ノードからワイヤレスノードへのメッセージのスケジューリング(ダウンリンクスケジューリング)に関する。これらの2つの方法は、双方向送信のためのスケジューリング機構を形成するために組み合わされ得る。
マルチホップワイヤレスネットワークにおける第1のノードから1つまたは複数の子ノードの第1のセットへの1つまたは複数の送信のための送信スケジュールを決定するための方法であって、各ノードが対応する親ノードに対する子ノードであり、各子ノードがその対応する親ノードを介してシンクノードから発するメッセージを受信するように構成され、この方法は、第1のノードの親ノードが、ネットワークの中のノード間の送信のためのスケジューリングされるタイムスロットを示す信号をリッスンし、信号が検出される場合にスケジューリングされる送信の記録を更新することと、1つまたは複数の子ノードの第1のセットの各々への送信のための1つまたは複数のタイムスロットを指定する予備的なスケジュールを第1のノードから受信することと、スケジューリングされる送信の記録に基づいて、スケジューリングされる送信の記録の中のいずれかのスケジューリングされる送信と競合するであろうスケジューリングされる送信を予備的なスケジュールが含むかどうか、または、スケジューリングされる送信の記録の中のいずれの他のスケジューリングされる送信とも競合することなく予備的なスケジュールの長さが低減され得るかどうかを、決定することと、競合があるであろうという決定、または予備的なスケジュールの長さが競合なしで低減され得るという決定に応じて、スケジューリングされる送信の記録の中のスケジューリングされる送信のいずれとも競合することなく、スケジューリングされるタイムスロットの数を最小にするスケジューリングされるタイムスロットのセットを決定することによって、第1の子ノードのための更新されたスケジュールを決定することと、更新されたスケジュールを第1のノードに割り当てるために更新されたスケジュールを第1のノードに送信することとを備える。
本明細書において説明される構成は、マルチホップワイヤレスネットワークの中のノードへの制御ノードから発する通信をスケジューリングする分散された手段を提供する。スケジュールを他のノードに割り当てる他のメッセージをリッスンすることによって、各ノードは、エリアの中のスケジューリングされる送信の固有のローカル記録を作成することが可能である。このことは、各ノードが予備的なスケジュールを決定することを可能にする。とはいえ、ノードの親ノードは、スケジューリングされるローカル送信に関する追加の情報を有するであろう。したがって、ノードは、ノードが他のスケジューリングされる送信とのコリジョン/競合をもたらさないということの確認のために、予備的なスケジュールを親ノードに送信する。親ノードが各子ノードのスケジューリングに関与するので、互いに競合し得るスケジュールを子ノードが提案しているかどうかをより良好に決定することが可能である。
各ノードは、記録を記憶するためのメモリと、他のノードとワイヤレスに通信するためのワイヤレス送受信機と、本明細書において説明されるステップを実行するためのコントローラとを備え得る。
各ノードは、ネットワークにおいて上流(シンクノードのより近く)に位置する親ノードを有する。親ノードはシンクノードであり得る。
有利には、方法はさらに、競合がないであろうという決定、または競合なしでは予備的なスケジュールの長さが低減され得ないという決定に応じて、予備的なスケジュールの割り当てを確認するために信号を第1のノードに送信することを備え得る。
各スケジュールは、所与の送信にタイムスロットと周波数チャネルの両方を割り当て得る。スケジュールは、ネットワークの中の別の送信の受信者の通信範囲内でその別の送信と同じチャネル上で、および同じタイムスロットの間に送信をスケジューリングすると、その別の送信と競合することがある。
有利には、更新されるスケジュールを決定することは、別の送信と同じタイムスロットの間に少なくとも1つの送信をスケジューリングしながら、スケジューリングされる送信の記録の中のいずれのスケジューリングされる送信との競合も回避することを備え得る。これは、ネットワーク内での並列送信を可能にする。並列送信は、同じタイムスロットの間にスケジューリングされる同時の送信であり、2つの送信が互いに通信範囲の外側または異なるチャネル上にある場合に、および、2つの送信が同じ送信ノードと受信ノードとに関与しない場合に、スケジューリングされ得る。
さらなる構成によれば、マルチホップワイヤレスネットワークにおいて第1のノードのための送信スケジュールを決定するための方法が提供され、各ノードが対応する親ノードに対する子ノードであり、各子ノードがその対応する親ノードを介してシンクノードから発する1つまたは複数のメッセージを受信するように構成され、この方法は、第1のノードが、ネットワークの中のノード間の送信のためのスケジューリングされるタイムスロットを示す信号をリッスンし、信号が検出される場合にスケジューリングされる送信の記録を更新することと、第1のノードの1つまたは複数の子ノードの各々への対応するメッセージの送信をスケジューリングするかどうかを決定することと、1つまたは複数の子ノードの各々に対して、それぞれの子ノードへの送信のための対応するタイムスロットを指定する予備的なスケジュールを決定することと、予備的なスケジュールがスケジューリングされる送信の記録に基づく、承認のために予備的なスケジュールを第1のノードの対応する親ノードに送信することと、対応する親ノードからの応答に基づいて割り当てられるスケジュールを設定することとを備える。
したがって、各ノードは、予備的なスケジュールを決定し、このスケジュールを利用することに対する親ノードからの許可を要求し得る。親ノードは、予備的なスケジュールを受け入れること、または別のスケジュールを設定することによって応答し得る。割り当てられるスケジュールが設定されると、第1のノードは、割り当てられるスケジュールに従って送信することに進み得る。第1のノードは、割り当てられるスケジュールを利用し始めるまで、所定の数のシグナリング/スケジューリングタイムスロットの間待機し得る。
有利には、予備的なスケジュールを決定することは、スケジューリングされる送信の記録の中のスケジューリングされる送信のいずれとも競合することなく、スケジューリングされるタイムスロットの数を最小にするスケジューリングされるタイムスロットのセットを決定することを備える。スケジューリングされるタイムスロットの数を最小にすることは、最も早い競合しないタイムスロットを選択することを伴い得る。最も早い競合しないタイムスロットは、1つまたは複数の利用可能な周波数チャネルにまたがって選択され得る。
有利には、応答は、予備的なスケジュールが対応する親ノードによって承認されたこと、または、対応する親ノードによって第1のノードに割り当てられる新しいスケジュールを予備的なスケジュールが提供することのいずれかを、示し得る。この指示は承認であることがあり、この場合、競合は親ノードにより見出されず、またはこの指示は更新されたスケジュールであることがあり、この場合、競合を回避するか送信のレイテンシを減らすかのいずれかである新しいスケジュールが見出される。予備的なスケジュールの承認は単純な指示もしくは承認であることがあり、または、第1のノードへと戻る予備的なスケジュールの再送信であることがある。
有利には、第1のノードは、第1のノードが第1のノードの1つまたは複数の子ノードに転送することが必要とされる対応する親ノードから第1のノードへの1つまたは複数のスケジューリングされる送信を指定するスケジュールの、対応する親ノードからの受信に応じて、1つまたは複数の子ノードの各々への送信をスケジューリングすると決定し得る。したがって、第1のノードは、1つまたは複数の子ノードへの送信が必要とされることを示す、親ノードからのスケジュールの受信に応じて、スケジューリングを開始し得る。したがって、スケジュールは次第に構築されることがあり、各ノードがスケジュールを割り当てられた後で、ノードが、スケジューリングを開始するように子ノードに促すために、このスケジュールを子ノードに知らせる。
有利には、方法はさらに、第1のノードが、スケジューリングするという決定に応じて、記録の中の他のスケジューリングされる送信との競合を回避する予備的なスケジュールを送信するためのシグナリングタイムスロットを決定することを備えることがあり、予備的なスケジュールはシグナリングタイムスロットの間に送信される。このシグナリングタイムスロットは、予備的なスケジュールを親ノードに送信するための時間を割り振り得る。同時に、シグナリングタイムスロットはまた、割り当てられるスケジュールを第1のノードの子ノードに送信するための時間を割り振り得る。ノードはまた、近くのノードに割り当てられるシグナリングタイムスロットを記録し、競合を回避するようにシグナリングをスケジューリングし得る。
有利には、方法は、承認のための対応する親ノードへ予備的なスケジュールの送信がネットワークの中の別の送信と衝突したことの検出に応じて、第1のノードが、スケジューリングされる送信の記録によれば空いている次のシグナリングタイムスロットの間に予備的なスケジュールを再送信することを備え得る。空いている次のシグナリングタイムスロットは、第1のノードにより利用され得るがスケジューリングされる送信の記録によれば他の送信との競合を回避するような、次のシグナリングタイムスロットである。
有利には、予備的なスケジュールを送信するためのシグナリングタイムスロットは、対応する親ノードによって第1のノードに割り当てられる優先順位に基づいて決定されることがあり、この優先順位は、対応する親ノードの他の子ノードに対するスケジューリング優先順位を示す。この優先順位は、親ノードに割り当てられるスケジュールとともに、親ノードによって第1のノードに送信され得る。
有利には、シグナリングタイムスロットは、対応する親ノードによって第1のノードに通信される次の利用可能なシグナリングタイムスロットに基づいて決定され得る。次の利用可能なシグナリングタイムスロットを設けることによって、親ノードはこうして、スケジューリングの間に子ノードが競合する送信を回避するのを助けることができる。
有利には、方法はさらに、第1のノードが、送信スケジュールが第1のノードに割り当てられることに応じて、割り当てられるスケジュールを1つまたは複数の子ノードの各々に送信することと、対応する割り当てられる優先順位を1つまたは複数の子ノードの各々に送信することとを備え得る。これは、第1のノードによる送信と競合する送信を各子ノードが回避することを助けるだけではなく、各子ノードが固有のスケジューリングを実行する必要があるかどうかを各子ノードが決定することを可能にする。同時に、割り当てられる優先順位は、子ノード間のシグナリングの競合を回避するのを助ける。
有利には、1つまたは複数の子ノードの各々の対応する割り当てられる優先順位は、1つまたは複数の子ノードの各々に割り当てられる固有のノードIDに基づいて第1のノードによって決定されることがあり、各々の固有のノードのIDはシンクノードからのそれぞれの子ノードの距離に基づく。固有のIDは、初期化段階の間に各ノードに割り当てられ得る。
有利には、方法はさらに、スケジューリングされる送信の記録に基づいて予備的なアップリンクスケジュールを決定することによって、シンクノードへの送信のためのアップリンクスケジュールを決定することと、予備的なアップリンクスケジュールを対応する親ノードに送信することと、対応する親ノードからの応答に基づいて割り当てられるアップリンクスケジュールを設定することとを備え得る。このアップリンクスケジューリングは、シンクノードへのスケジューリング送信に関して上で論じられたものと同じ方式で決定され得る。したがって、2つの方法が、双方向送信スケジュール(たとえば、閉ループの適用例のための)を形成するための手段を形成するために組み合わされ得る。
有利には、方法はさらに、第1のノードが、他のノード間の通信をリッスンすることと、他のノード間の通信が意図される受信者により受信に失敗したかどうかを決定することと、通信が失敗したという決定に応じて、失敗した通信を意図される受信者に送信することを試みることとを備える。このことは、アップリンク送信の間とダウンリンク送信の間のいずれかにドロップした通信を解決することを助ける。ドロップした送信を解決することに関するさらなる構成が、以下で論じられる。
さらなる構成によれば、ワイヤレスネットワークの中の他のノードとワイヤレスに通信するように構成されるワイヤレス送受信機と、メモリと、上で説明された方法のいずれかを実行するようにワイヤレスノードを制御するように構成されるコントローラとを備える、ワイヤレスノードが提供される。
さらなる構成によれば、マルチホップワイヤレスネットワーク内で閉ループ通信をスケジューリングするためのコンピュータで実施される方法が提供され、このワイヤレスネットワークは、制御ノードと複数のスレーブノードとを備え、スレーブノードは、制御ノードからのダウンリンク通信と制御ノードに向かうアップリンク通信とを中継するように構成され、制御ノードは、1つまたは複数のシンクノードの第1のセットへのダウンリンク方向のダウンリンク通信を送信するように構成され、第1のセットの中の各シンクノードはダウンリンク通信にアップリンク応答を送信するように構成され、方法は、制御ノードから始まりネットワークのダウンリンク方向に向かって、ノードごとに順次的にノード上でダウンリンク送信をスケジューリングすることと、アップリンク送信をスケジューリングすることとを備え、アップリンク送信は、第1のセットの各スレーブノードがダウンリンク通信を受信することと対応するアップリンク応答が送信されることとの間の時間差を最小にするスレーブノード順序で、ノードごとにノード上でスケジューリングされる。
この方法は、双方向通信をスケジューリングする集中型の手段を提供する。アップリンク通信とダウンリンク通信との時間差を最小にすることによって、方法は、各スレーブノードが制御ノードに報告を返すための遅延を最小にする。
方法は、制御ノードによって実施されることがあり、または制御ノードに接続されるコンピュータによって実施されることがある。方法はさらに、スケジューリングされる送信をネットワークの中のノードに通信することを備え得る。
アップリンク送信およびダウンリンク送信は、スケジュールの中の他の送信との競合を回避するようにスケジューリングされる。このスケジュールは、上で説明された分散型のスケジューリングと同様の方式で順次的に構築される。
アップリンク送信をスケジューリングすることは、スケジューリングすべき次のタイムスロットを選択することと、アップリンクスケジューリングがまだ実行されていない第1のセットの中のスレーブノードの各々に対して、選択されたタイムスロットと、スレーブノードが対応するダウンリンク通信を受信するようにスケジューリングされるタイムスロットとの間のタイムスロット差を決定することと、タイムスロット差が最小であるスレーブノードを選択することと、選択されたスレーブノードのためのアップリンク送信をスケジューリングすることと、残りのタイムスロットおよびスレーブノードについて上のステップを繰り返すこととを備え得る。
上のスケジューリング機構は、失敗した送信を考慮しないことがある。したがって、失敗した送信に対処するための以下の方法が提案される。
ある構成によれば、ワイヤレスネットワーク内での双方向通信を支援するための方法が提供され、ワイヤレスネットワークは、中心ノードと、中心ノードのワイヤレス通信範囲内にある複数の外側ノードとを備え、方法は、第1の外側ノードが、中心ノードから第2の外側ノードへのダウンリンク通信と第2の外側ノードから中心ノードへのアップリンク応答とをリッスンすることと、ダウンリンク通信またはアップリンク応答が意図される受信者により受信に失敗したかどうかを決定することと、ダウンリンク通信またはアップリンク応答が意図される受信者により受信に失敗したという決定に応じて、第1の外側ノードが失敗した通信を意図される受信者へ送信すべきかどうかを決定することと、第1の外側ノードが失敗した通信を意図される受信者へ送信すべきであるという決定に応じて、失敗した通信を意図される受信者に送信することとを備える。
この構成は、近隣ノードが2つの他のノードの間での失敗した送信を支援することを可能にするために、協調的なマルチユーザダイバーシティを利用する。
この方法は、ダウンリンクスケジューリングおよびアップリンクスケジューリングにおいて実施され得る。意図される受信者は、ダウンリンク通信では第2の外側ノードであり、アップリンク応答では中心ノードであり得る。アップリンク応答をリッスンすることは、アップリンク応答が送信されたことを必ずしも意味せず、それは、ダウンリンク通信が失敗した場合には、アップリンク応答が送信されないからである。リッスンは明白に、述べられた送信に対するものではなく、失敗した可能性のあるあらゆるダウンリンクまたはアップリンク送信に対するものである。
この構成は、ネットワークの中の各ノードが中心ノードの直接の通信範囲内にある1層のシナリオにおいて実装されることがあり、または、制御ノードがハブノードと外側ノード(上で論じられた)との間でメッセージを中継する親ノードである複数層(マルチホップ)のシナリオにおいて実装されることがある。
有利には、ダウンリンク通信またはアップリンク応答が意図される受信者により受信に失敗したかどうかを決定することは、アップリンク応答が第2の外側ノードから受信されなかったことを示す信号が中心ノードから受信されたかどうかを決定することを備え得る。中心ノードは、アップリンク応答が指定された時間枠内で成功裏に受信されなかった場合、この信号を出し得る。これは、ダウンリンク通信が失敗したこと(および、よって第2の外側ノードが応答しなかったこと)またはアップリンク応答が失敗したこと(および、よって中心ノードが応答を受信しなかったこと)のいずれかを示し得る。
有利には、第1の外側ノードは、アップリンク通信が第1の外側ノードによって検出されたこと、および、アップリンク応答が第2の外側ノードから受信されなかったことを示す信号を中心ノードから第1の外側ノードが受信したことに応じて、アップリンク応答が失敗したと決定し得る。アップリンク応答が送信されたが、アップリンク応答が受信されなかったことを示す信号を中心ノードがまだ送出しているので、第1の外側ノードは、アップリンク応答が失敗したと決定することができる。
有利には、第1の外側ノードは、アップリンク応答が第1の外側ノードによって検出されなかったこと、および、アップリンク応答が第2の外側ノードから受信されなかったことを示す信号を第1の外側ノードが中心ノードから受信したことに応じて、ダウンリンク通信が失敗したと決定することができる。
有利には、第1の外側ノードが失敗した通信を意図される受信者に送信すべきかどうかを決定することは、コンテンション期間の間待機することと、コンテンション期間の長さが第1の外側ノードと第2の外側ノードとの間の通信リンクの強さに基づく、他の外側ノードがアップリンク応答を送信することを意図していることを示す信号を任意の他の外側ノードからコンテンション期間の間に受信したことに応じて、第1の外側ノードが失敗した通信を送信すべきではないと決定することとを備え得る。
したがって、失敗した送信を傍受する各外側ノードが、その固有の優先順位に基づいて、失敗した送信に支援を提供するためのコンテンションを経験することが可能である。各外側ノードは、第1の外側ノードと第2の外側ノードとの間の通信リンクの強さ(または品質)に基づいて、その固有の優先順位を決定することができる。これは、信号が強いほど、第1の外側ノードが失敗した送信を成功裏に受信したこと、またはそれを成功裏に再送信できることの可能性が高いからである。代替的に、優先順位は、第1の外側ノードと中心ノードとの間の通信リンクの強さに基づき得る。通信リンクの強さは、信号対雑音比、または2つのノード間の信号の強さの任意の他の指標であり得る。
有利には、第1の外側ノードが失敗した通信を意図される受信者に送信すべきかどうかを決定することは、他の外側ノードがアップリンク応答を送信することを意図していることを示す信号がいずれの他の外側ノードからもコンテンション期間の間に受信されなかったことに応じて、第1の外側ノードが失敗した通信を送信すべきであると決定することを備え得る。
有利には、失敗した通信を送信することは、アップリンク応答が失敗したという決定に応じて、アップリンク応答が失敗したことと、第1の外側ノードがアップリンク応答を送信することを意図していることとを、中心ノードに知らせる信号を送信することを備える。このことは、失敗がアップリンクの失敗であったことと、中心ノードがアップリンク応答の再送信を受信することを予期すべきであることとを、中心ノードに知らせる。このことはまた、再送信のためのタイムスロットを中心ノードが割り当てることを可能にする。
有利には、アップリンク応答が失敗したことを中心ノードに知らせる信号を第1の外側ノードが送信することは、第1の外側ノードがアップリンク応答を送信するためのタイムスロットを要求することを備えることがあり、要求の承認の受信に応じて、第1の外側ノードは、アップリンク応答を中心ノードに送信する。この承認は、再送信のためのスケジューリングされるタイムスロットを含み得る。
有利には、第1の外側ノードは、ダウンリンク通信を第2の外側ノードに送信することについての第1の外側ノードに対する要求を中心ノードから第1の外側ノードが受信したことに応じて、ダウンリンク通信が失敗したことと、第1の外側ノードが失敗した送信を送信すべきであることとを、決定し得る。この場合、中心ノードは、ダウンリンク通信を再送信するための第1の外側ノードからの支援を要求することができる。この要求は、再送信のためのスケジューリングされるタイムスロットを含み得る。
有利には、方法はさらに、第1の外側ノードが、ダウンリンク通信を送信することについての中心ノードから第1の外側ノードへの要求の受信に応じて、第1の外側ノードがダウンリンク通信を第2の外側ノードに送信することを意図していることの確認を中心ノードに送信することを備え得る。このことは、中心ノードが送信に備えることを助け、2つのノードがそれらの送信を同期することを可能にする。
有利には、失敗した通信を意図される受信者に送信することは、ダウンリンク送信が失敗したという決定に応じて、ダウンリンク送信を第2のノードに送信すること、または、アップリンク送信が失敗したという決定に応じて、アップリンク応答を中心ノードに送信することを備え得る。
有利には、ダウンリンク通信を第2のノードに送信することは、中心ノードがダウンリンク通信を第2の外側ノードに送信することと同調して、ダウンリンク通信を第2の外側ノードに送信することを備える。「同調して」とは、中心ノードと同時に、または同期して、を意味する。同時に送信することによって、信号がブーストされ、第2の外側ノードがダウンリンク通信を受信することがより簡単になる。
有利には、アップリンク応答を中心ノードに送信することは、中心ノードがダウンリンク通信を使用してアップリンク応答を復号することを可能にするために、ダウンリンク通信とともに符号化された形式で、アップリンク応答を中心ノードに送信することを備える。ダウンリンク応答とともにアップリンク応答を符号化することは、中心ノードがコーディング利得を利用することによってより効果的にアップリンク応答を受信することを可能にする。
有利には、アップリンク応答は、ダウンリンク通信およびアップリンク応答に対してXOR演算を実行することによって、ダウンリンク通信とともに符号化される。XOR演算は排他的OR演算である。XORは可換性であるので、これはいずれの順序でも実行され得る。このことは、中心ノードが、符号化されたメッセージおよびダウンリンク通信に対するXOR演算を実行することによって復号することを可能にする。
有利には、アップリンク応答を中心ノードに送信することは、第2の外側ノードがアップリンク応答を中心ノードに送信することと同調して、アップリンク応答を中心ノードに送信することを備え得る。このことは信号を強くするのを助ける。第1の外側ノードおよび第2の外側ノードは、ダウンリンク通信を使用して符号化されたメッセージを同時に送信し得る。
さらなる構成によれば、ワイヤレスネットワーク内の閉ループ通信のための方法が提供され、ワイヤレスネットワークは、中心ノードと、中心ノードのワイヤレス通信範囲内の複数の外側ノードとを備え、方法は、中心ノードが、ダウンリンク通信を第1の外側ノードに送信することと、第1の期間、第1の外側ノードからのアップリンク応答をリッスンすることと、第1の期間の間にアップリンク応答が第1の外側ノードから受信されなかったことに応じて、アップリンク応答が第1の外側ノードから受信されなかったことをノードのすべてに知らせる信号を送信することと、第2の期間にわたって、いずれかの他の外側ノードが第1の外側ノードからのアップリンク応答を傍受したことを示す信号をリッスンすることと、いずれかの他の外側のノードが第1の外側ノードからのアップリンク応答を傍受したことを示す信号が第2の期間の間に受信されたことに応じて、アップリンク応答を中心ノードに送信するように他の外側ノードに命令することと、いずれかの他の外側ノードがアップリンク応答を傍受したことを示す信号が第2の期間の間に受信されなかったことに応じて、少なくとも1つの外側ノードへのダウンリンク情報の再送信の支援についての要求を第2の外側ノードに送信することと、近隣ノードからの要求の承認の受信に応じて、近隣の外側ノードと同調してダウンリンク情報を第1の外側ノードに再送信することとを備える。
さらなる構成によれば、中心ノードにアップリンク応答を送信するように他の外側ノードに命令することは、ダウンリンク通信を使用して符号化された形式でアップリンク応答を送信するように他の外側ノードに命令することを備え、方法は、中心ノードが、アップリンク応答が符号化された形式で他の外側ノードから受信されたことに応じて、ダウンリンク通信を使用してアップリンク応答を復号することを備える。符号化された形式は、アップリンク応答およびダウンリンク通信に対してXOR演算を使用して符号化されているアップリンク応答であり得る。復号することは、符号化された信号およびダウンリンク通信に対してXOR演算を実行することを備え得る。
有利には、支援についての要求を第2の外側ノードに送信することは、中心ノードと第2の外側ノードとの間の通信リンクの強さに基づいて、ネットワークの中のノードから第2の外側ノードを選択することを備える。通信リンクの強さは、信号対雑音比、または2つのノード間の信号の強さの任意の他の指標であり得る。
有利には、方法はさらに、中心ノードが、それぞれのダウンリンク通信を複数の外側ノードに送信することと、第1の期間、複数の外側ノードの各々からのそれぞれのアップリンク応答をリッスンすることと、第1の期間の間にアップリンク応答が複数の外側ノードのいずれからも受信されなかったことに応じて、アップリンク応答が受信されなかった各外側ノードをノードのすべてに知らせる信号を送信することとを備えることがあり、この信号は、アップリンク応答が受信されなかった各外側ノードに相対的な優先順位を割り当てる。これは、複数の同時再送信の試みの間での競合を防ぐのを助けることができる。
一構成では、中心ノードおよび外側ノードはマルチホップネットワークの一部を形成し、ダウンリンク通信を第1の外側ノードに送信することが、中心ノードの親ノードからダウンリンク通信を受信することと、ダウンリンク通信を第1の外側ノードに中継することとを備え、方法はさらに、中心ノードが、アップリンク応答が第1の期間の間に第1の外側ノードから受信されなかったことに応じて、しかし、アップリンク応答が第1の外側ノードから受信されなかったことをノードのすべてに知らせる信号を送信する前に、親ノードからの再送信を実行するためのタイムスロットを要求することと、要求を認めるメッセージを親ノードから受信したことに応じて、要求されるタイムスロットの間に方法の残りを実行することと、代替的なタイムスロットを提供するメッセージを親ノードから受信したことに応じて、代替的なタイムスロットの間に方法の残りを実行することとを備える。
このことは、マルチホップのシナリオにおいて再送信の試みがスケジューリングされることを可能にする。これは、本明細書において説明されるマルチホップスケジューリング機構のいずれにおいても実施され得る。
有利には、方法は、中心ノードが、外側ノードのうちの1つからの再送信を実行するためのタイムスロットに対する第2の要求を受信したことに応じて、タイムスロットに対する第2の要求が他の送信と競合するであろうかどうかを決定することと、競合しないであろうという決定に応じて、第2の要求が認められることの確認を外側ノードのうちの1つに送信することと、競合があるであろうという決定に応じて、第2の要求が認められることの確認を外側ノードのうちの1つに送信することとを備え得る。外側ノードは、優先順位の順番で要求し得る。
有利には、タイムスロットに対する第2の要求が他の送信と競合するであろうかどうかを決定することは、タイムスロットに対する第2の要求を、中心ノードによって受信された再送信タイムスロットに対する他の要求と比較することを備え得る。
有利には、方法は、中心ノードが、第2の要求を受信したことに応じて、親ノードへの再送信での転送のために、追加のタイムスロットに対する要求を送信することを備え得る。
さらなる構成によれば、ワイヤレスネットワークの中の他のノードとワイヤレスに通信するように構成されるワイヤレス送受信機と、メモリと、上で説明された方法のいずれかを実行するようにワイヤレスノードを制御するように構成されるコントローラとを備える、ワイヤレスノードが提供される。
マルチホップスケジューリング
信頼性の高い低レイテンシの通信は、多くの産業用制御システムおよびファクトリーオートメーションへの応用の基本的な要件である。歴史的には、有線通信が、その専用のインフラストラクチャの非常に高い信頼性により、しかし残念ながら設備および保守の非常に大きな費用を伴って、この分野に用いられてきた。しかしながら、近年ではワイヤレス技術が、時間同期チャネルホッピング(TSCH:Time Synchronized Channel Hopping)などの多数の新規の機構を組み込むことによって、性能の基準を満たすほど成熟している。
TSCHは、チャネルホッピングを介して通信の信頼性の改善を達成し、同じ周波数帯域において動作する外部干渉を回避する。チャネルホッピングは、送信が行われるチャネルを定期的に切り替えることによって、コリジョンのリスクを分散するのを助ける。TSCHはまた、ネットワークノードを同期することによって、無線のデューティ比とエネルギー消費とを低く保つ。
著名な例がIEEE 802.15.4であり、これはワイヤレスパーソネルエリアネットワークのデファクト規格であり、最近IEEE 802.15.4e MACにおいてTSCHを採用した。そのチャネルおよび空間ダイバーシティにより、同じ時間、周波数、または空間的な近傍において発生する複数のワイヤレス送信を正確にスケジューリングすることによって競合を回避することができるスケジューリング機構がなくても、これまでにない信頼性が達成されることが可能である。
Internet Protocol version 6 over the TSCH MAC(6TiSCH)規格が、開発中のInternet Engineering Task Force(IETF)規格である。802.15.4eは、新興の6TiSCH規格のためのデファクトのリンク層技法であり、これは低電力ワイヤレスネットワークに対してIPv6ネットワーキング能力を提供する。802.15.4e規格は、スケジュールがどのように構築されるかを指定しない。したがって、6TiSCHワイヤレスネットワークにおけるスケジューリングのために、いくつかの技法およびアルゴリズムが提案されている。
6TiSCHワイヤレスネットワークにおけるスケジューリングは、集中型の方式と非集中型/分散型の方式の両方で起こり得るが、集中型の手法は(トラフィックおよびトポロジーに関して)かなり静的なネットワークにのみ適している。さらに、集中型のスケジューリングのスケーラビリティは、ノード密度がより高いネットワークでは困難になる。したがって、現実的な観点からは、非集中型/分散型のスケジューリング技法が、はるかにより魅力的である。
第1の構成によれば、DeAMONが提供され、DeAMONは6TiSCHワイヤレスネットワークにおける非集中型の適応マルチホップスケジューリングのための新規の技法である。DeAMONは、追加のシグナリングを引き起こすことなくトラフィックの認識を実現する、トラフィック認識スケジューリングプロトコルである。DeAMONは、順次的なスケジュールを構築し、送信を並列化する能力を提供する。その上、DeAMONは、最適なオーバープロビジョニングを通じたMAC層の再送信を提供する。DeAMONはまた、ネットワークのトポロジー変化に適応する能力を有する。
性能評価は、DeAMONが既存のスケジューリングプロトコルと比較して高い信頼性と低いレイテンシとを達成することを実証している。
DeAMONは、最新の6TiSCHスケジューリングプロトコルと比較して大きく異なる。重要な構造上の違いは次のように述べられる。
a)分散されたスケジューリング−DeAMONでは、ネットワークの中のノードは、経路計算エンジンのような中心のエンティティの助けなしでスケジュールを構築する。
b)シグナリングなしでのトラフィック認識−DeAMONはトラフィック認識スケジューリングプロトコルである。しかしながら、最新の集中型または分散型のトラフィック認識スケジューリングプロトコルとは異なり、DeAMONは、追加のシグナリングと引き換えにこの機能を実現するものではない。
c)順次的なスケジューリング−DeAMONでは、スケジュールは順次的に構築される。スケジュールは、リーフノード(子のないノード)から開始し、ルートノードに向かって展開する。順次的なスケジューリングは、レイテンシを最小にしてリソース利用率を改善する。
d)最適なオーバープロビジョニング−DeAMONは、ネットワークの中の脆弱なリンク/ノードに、最適化された方式でいくつかのバックアップスロットを割り振る。そのようなオーバープロビジョニングは、スケジュールを乱しレイテンシを増やすことなくMAC層の再送信が考慮されることを確実にする。
e)OTF更新−リソースのオーバープロビジョニングされるプールの効率的な利用を確実にするために、オンザフライ(OTF)の機構が導入されている。この機構は、各ノードのためのバックアップスロットを動的に更新するので、リソースの効率的な利用を維持する。
f)ルーティングにより支援されるスケジューリングの再構成−DeAMONは、スケジュール再構成機構を通じて動的なトポロジーの変化に適応する能力を有する。この機構は、ネットワーク層により援助され、トポロジーの変化がスケジュールを乱さないことを確実にする。
g)並列送信−DeAMONは、競合しない送信を並列化する機会を利用する。この手法は、より高速な収束を確実にするだけではなく、ネットワークにおけるエンドツーエンドのレイテンシも低減する。
DeAMONは、以下の原理に基づいて動作する。
1.リソースプール全体が、シグナリングスロット、データスロット、およびいくつかのオーバープロビジョニングされるスロットへと区分される。
2.1ホップの近隣情報の知識をネットワークの中のあらゆるノードが入手可能である。
3.ルーティングツリーが低電力の有損失ネットワーク(RPL)(または6TiSCHプロトコルスタックに適合する任意の他のルーティングプロトコル)のルーティングを使用して構築されており、ツリーの中の各ノードが固有のランクを割り当てられている。
4.各親ノードが、それに関連付けられる子ノードの数を知っている。
5.ネットワークの中の各ノードが、固有のIDも割り当てられ、固有のIDはシンクノードからリーフノードへと単調に増大する。
6.初期のネットワーク容量設計がネットワークの中のノードの数に基づいて最初は実行される。
7.ネットワークにおけるシグナリングが特定のチャネルオフセットにて行われる。ノードは、起動すると、情報をシグナリングするためのこれらのチャネルをスキャンする。
DeAMONは、ノードによって生成され受信されるトラフィックに基づいてスケジュールを構築するトラフィック認識スケジューリングプロトコルである。Qがネットワークの中のノードの集合を表記するものとする。gkおよびGkがノードkに対するローカルトラフィックインジケータおよびグローバルトラフィックインジケータをそれぞれ表記するものとする。ローカルトラフィックインジケータは、スロットフレームの中のノードによって生成されるトラフィックを表記する。ノードのグローバルトラフィックインジケータは、そのすべての子ノードのローカルトラフィックインジケータとグローバルトラフィックインジケータの合計(ノードによって生成されるパケットの数と、ノードにより転送されなければならないパケットの数との合計)である。
図1は、単純なトポロジーに対するマルチホップスケジューリングの実例を示す。ネットワークは、3つの層またはランク(Rにより表される)にまたがって分布する5つのノードを備える。各ノードは、通信範囲内の他のノードとワイヤレスに通信することが可能である。各ノードは、図の中の各ノードの内側に表示されているノード自身の固有のノード識別子(ノードID)を割り当てられる。
第1の層の中のノードはシンクノードである。シンクノードは実質的に、通常の動作の間の(スケジューリングの外側の)すべての通信の最終的な行先である。すなわち、ネットワークにおけるすべての送信は、ネットワークを通ってシンクノードに向けられ、シンクノードはネットワークにおけるすべての通信のハブとして活動する。送信は、マルチホップシステムを介して中間(中継)ノードによってネットワークを通じて転送される。シンクノードは、転送されたメッセージを受信し、送信に基づいて処理を実行することが可能であることがあり、および/または、たとえばインターネットを介して、さらなるデバイスもしくはネットワークにメッセージを転送することができる。
各層は、シンクノードと通信することが必要とされるホップ(中継送信)の最小の数を表す。したがって、同じ層の中のノードは、シンクノードからの最小のホップ距離が同じである。この場合、ノード2および3は、シンクノード(ノード1)と直接通信しており、したがって、シンクノードから1ホップ離れている。ノード4および5は、ノード2および3とそれぞれ直接通信しているが、シンクノードからは通信範囲の外にある。したがって、ノード4および5は、下の層の中のノードのみを介して、シンクノードと通信することができる。ノード4および5はしたがって、シンクノードから2ホップ離れている。
各ノードの隣の括弧の中の数字は、ローカルトラフィックインジケータ(そのノードから発することになるパケットの数)を示す。この場合、ノード3および4は各々、2つの送信すべきパケットを有するが、ノード2および5は各々、1つのパケットを有する。
シンク/ルートノードはBuildコマンドを開始し、これは、ネットワークの中のノードがスケジュールを構築することの誘因となる。Buildコマンドは専用のチャネルオフセット上で送信され得る。Buildコマンドを受信するあらゆるノードが、コマンドを自身の子ノードに転送する。
構築コマンドがネットワークの全体で転送されると、各ノードがその送信スケジュールを決定するために、ノード間で信号が交換される。スケジュールが各ノードに対して決定されると、ネットワークの中のノードは、分散されたスケジュールに従って送信し得る。
したがって、全体で3つのスケジュールが決定される。まず、構築コマンドの送信の間のコリジョンを避けるために、構築スケジュールが決定される。次いで、ノードが最終的な送信スケジュールを構築するためにスケジュール情報を交換する際のコリジョンを避けるために、シグナリングスケジュールが決定される。
構築コマンドの転送の間、あらゆる親ノードが優先順位を自身の子ノードに割り当てる。優先順位の概念は、優先順位が割り当てられているノードのランク、トラフィック、またはIDに基づき得る。
優先順位情報は、Buildコマンドに埋め込まれ、(Buildコマンドを転送するための)構築スケジュールの中のシグナリングスロットを競合しないように自身の子ノードに割り当てるために、親ノードによって使用される。
図1に示されるトポロジーでは、Buildコマンドの転送のための構築スケジュールも図示されている。ノード1は、特定のチャネルオフセットwb上の第1のタイムスロットb0を選択し、Buildコマンドをノード2および3に送信する。その上、ノードIDに基づいて、ノード1はまた、ノード2および3に優先権を割り当てる。この場合、ノードIDがより大きいノードが、ノードIDがより小さいノードよりも優先される。したがって、Buildコマンドを自身の子ノードに転送するために、それぞれ、ノード3はタイムスロットb1を選択するが、ノード2はタイムスロットb2を選択する。
全体的なスケジューリングプロセスはいくつかの規則に従い、これらの規則は次のように説明される。DeAMONの重要な特徴は順次的なスケジューリングであり、すなわちスケジュールはリーフノードから開始する。
規則1:
任意のノードk∈Q(k≠シンク)は、Buildコマンドを受信すると、kがリーフノードである場合(すなわち、子ノードを有しない場合)にのみ、スケジュールを構築することを開始する。
親ノードの子ノードは、メッセージをシンクノードに送信するために親ノードに送信しなければならないノードである。親ノードは(シンクノードでなければ)次いで、メッセージを自身の親ノードに転送する。したがって、子ノードを有しないノードはリーフノードであり、それは、そのことがネットワークトポロジーの分岐の終わりを表すからである。
スケジューリングの間、各ノードは、1ホップの近隣(各ノードが直接通信することができるノード)の知識に基づいて、固有の送信スケジュールを決定する。図1のトポロジーは、ネットワークの中の各ノードに対する以下の1ホップ近隣情報を有する。
ノード4:[2]
ノード2:[4,1]
ノード5:[3]
ノード3:[5,1]
ノード1:[2,3]
角括弧の中の数字は、所与のノードの通信範囲内にあるノードを示す。
規則2:
任意のノードk∈Qは、kのローカル知識によればkが競合を見出さないような、利用可能なチャネルオフセット上の最小限の可能なタイムスロットを選択する。
規則1は、DeAMONの重要な特徴である順次的なスケジューリングを確実にする。さらに規則2は、最小限のレイテンシを引き起こすような方式でスケジュールが構築されることを確実にする。加えて、規則2は、後で論じられるように、並列送信の機会を提供する。
次に、送信スケジュールを構築するためのシグナリングの交換が説明される。
図2は、図1の構成に対するマルチホップスケジューリングの間のシグナリング交換を示す。実線の矢印は、あるノードから別のノードに向けられる送信を図示する。点線の矢印は、対応する送信が近隣ノードにより傍受されていることを示す。
ノード4および5はリーフノードであるので、それらがスケジューリングを開始する。各ノードは、送信スケジュールを単独で提案するために、そのローカルネットワーク(その1ホップの近隣)の知識と、ローカルのスケジューリングされる送信について各ノードが有し得るあらゆる知識とを、利用する。これは親ノードに送信され、親ノードは、提案されるスケジュールが受け入れ可能である(他のスケジューリングされる送信と競合しない)ことを認めるために、または、提案されるスケジュールが別のスケジュールと競合する場合、提案されるスケジュールがノードに対する代替的なスケジュールを提案することを認めるために、ローカルネットワークおよびローカル送信スケジュールについての自身固有の知識を利用する(以下の規則3を参照)。
規則1および規則2に基づいて、ノード4は、チャネルオフセットw0上のタイムスロットt0およびt1を選択し、シグナリングスロットs0においてRequest−for−Slots(RFS)メッセージをそのデフォルトの親(ノード2)に送信する。ノード4は送信すべきパケットが2つあるので2つのタイムスロットを要求するであろうことに留意されたい。ノード2は、規則3により割振りを確認するために、Assign(ASG)メッセージを用いて応答する。
規則3:
任意の親ノードk’∈Qは、RFSメッセージを受信すると、競合がないことを見出す場合にのみ、要求される割振りを認める。それ以外の場合、k’は、規則2に基づいて更新された割振りを用いて応答する。
ノード2はノード4による要求の割振りについて競合を見出さないので、ノード2はノード4のためのチャネルオフセットw0上でのタイムスロットt0およびt1を認める。
ノード5もリーフノードであり、ノード4の通信範囲の外側にあるので、ノード5はRFSメッセージをそのデフォルトの親(ノード3)に送信し、規則2により、シグナリングスロットs1の中のチャネルオフセットw0上のタイムスロットt0を選ぶ。シグナリングスロットフレームの詳細な設計は後で説明される。
ノード3は競合を見出さないので、要求された割振りを認める。ノード2および3の近隣であるノード1は、ASGメッセージを傍受し、それぞれの割振りの記録をとる。そのような記録は、N×Wの2次元行列の形式で維持され、ここでNはスロットフレームの中のタイムスロットの最大の数であり、Wはデータ送信のためのチャネルオフセットの最大の数を示す。各エントリは、そのタイムスロットにおけるそのチャネルを通じた送信をスケジューリングされるノードを示す。
ノード4および5をスケジューリングした後で、ノード2および3は、自身をいつスケジューリングできるかを決定することができる。この場合にはノード3はノード2よりも優先される(および構築コマンドからこのことを認識している)ので、ノード3はシグナリングスロットs1においてRFSメッセージをデフォルトの親(ノード1)に送信する。
ノード3は3つの送信タイムスロットを必要とし(G3=3)、2つはノード3から発するパケットのためのものであり、1つはノード5から受信されるパケット上での転送のためのものである。ノード3はチャネルオフセットw0上のタイムスロットt0を割り振ったので、コリジョンを引き起こすことなくこのタイムスロットを自身に割り振ることはできない。したがって、ノード3は、規則2により、チャネルオフセットw0上のタイムスロットt1、t2およびt3を要求する。ノード1は競合を見出さないので、ASGメッセージを送信することによって要求された割振りを認める。
ノード2が次いで、シグナリングタイムスロットs2の間に自身のスケジューリングを実行する。ノード2はノード3のための割振りを傍受するので、ノード3のためにスケジューリングされるタイムスロットを認識している。この場合、ノード2は3つのタイムスロットを必要とする(G2=3)。したがって、ノード2はシグナリングスロットs2においてRFSメッセージを送信し、規則2により、チャネルオフセットw0上のタイムスロットt4、t5およびt6を要求する。ノード1は競合を見出さないので、ASGメッセージを用いて応答し、要求された割振りを認める。これにより、図1の下に図示された送信スケジュールが完了する。
図1に示される送信スケジュールはノードのすべてのための送信を含むが、実際には、各ノードは、各ノード自体のための送信スケジュールと、各ノードの子ノードおよび各ノードがシグナリングを傍受する任意のノードのための送信スケジュールとを知っているだけである。各ノードは各ノードに直接関連する送信スケジュールだけを知っていればよいので、これは受け入れられる。
上で言及された規則1〜3は、DeAMONの基本的な動作をとらえている。しかしながら、性能を改善するために追加の規則が利用され得る。
図3は、より複雑なトポロジーのためのマルチホップスケジューリングの実例を示す。
図3は以下の近隣情報を有する:
ノード9:[8,5]
ノード8:[7,5]
ノード5:[9,8,2,4]
ノード6:[3]
ノード7:[4]
ノード4:[7,5,2,1]
ノード3:[6,1]
ノード2:[5,4,1]
ノード1:[4,2,3]
規則4:
任意のノードk∈Q(k≠シンク)は、自身よりもランクが高いノードj∈QからASGメッセージを傍受すると、ローカル知識を更新し、kがjのデフォルトの親である場合にのみ、この情報をデフォルトの親に転送する。
言い換えると、ノードがその子ノードのうちの1つが割り当て(ASG)メッセージを送信するのを傍受する場合、ノードはASGメッセージにおいてスケジューリングされるタイムスロットに基づいてローカル知識を更新し、この情報をRFS送信において自身の親に送信するものとする。このことは、ノードkの親ノードがノードkと同じローカル送信の知識を有することを確実にするのを助けるので、ノードkは子ノードjが関与する送信との競合を回避するように、送信をより良好にスケジューリングすることができる。
規則5:
任意の親ノードk’∈Q(k’≠シンク)は、RFSメッセージを受信すると、規則3に基づいて要求される割振りを認め、ローカル知識に基づいて並列送信の可能性を認める。
したがって、各親ノードは、並列送信をスケジューリングすることによってレイテンシを減らすために、(割り当てられるタイムスロット自体を傍受すること、または子ノードからの傍受された信号に関する情報を受信することのいずれかからの)ローカル知識を利用する。
前のように、シンク/ルートノードは、スケジュール構築段階を誘引するBuildコマンドを送信する。ノード1は、チャネルオフセットwb上のタイムスロットb0を選択し、Buildコマンドを子ノードに送信する。その上、ノード1はまた、Buildコマンドに優先順位情報を埋め込む。この場合、優先順位はノードIDに基づいて割り当てられる。優先順位情報に基づいて、ノード4、3、および2は、Buildコマンドを転送するためのタイムスロットb1、b2およびb3を選択する。
各親ノードはまた、近隣ノードからの傍受されたメッセージに基づいて(Buildコマンドを転送するための)次の利用可能なタイムスロットを子ノードに知らせることに留意されたい。これは、Buildコマンドを転送するときに異なる層の間での競合を回避するのを助ける。
たとえば、ノード4は、ノード2および3に出された構築コマンドを傍受するので、それらがそれらの優先順位に基づいてタイムスロットb2およびb3を割り当てられることを知っている。したがって、ノード4は、次の利用可能な構築タイムスロットがb3であると決定する。ノード4は、Buildコマンドをノード7に転送するとき、次の利用可能な構築タイムスロットがb4であることをノード7に知らせる。
ノード2は、ノード4からノード7へのメッセージを傍受する。したがって、ノード2は、次の利用可能な構築タイムスロットb5をノード5に割り当てる。同じことがネットワークの中の残りのノードに関して当てはまる。ノード3はノード4を傍受できないので、ノード3はノード6のための次の利用可能な構築タイムスロットはb4であると考えていることに留意されたい。しかしながら、ノードのこれらの2つのセットは通信範囲の外側にあり、したがってノード6およびノード7は互いに干渉することなく同時にBuildコマンドを送信することが可能であるので、上記のことは受け入れられる。しかしながら、今の場合、ノード6および7はリーフノードであるので、Buildコマンドを転送しない。
Buildコマンドを受信した後で、リーフノード(ノード6、7、8、および9)は、規則1〜2に従ってスケジュールを構築するのを開始する。最初に、ノード9(ノード8よりも優先されるので)、7、および6が、チャネルオフセットw0上のタイムスロットt0を選択するRFSメッセージを、シグナリングスロットs0においてそれぞれのデフォルトの親に送信する。デフォルトの親は、規則3に基づいて要求される割振りを認める。前のように、近隣ノードは、ASGメッセージを傍受し、ノードのためのそれぞれの割振りの記録をとる。
後で、このノード8は、シグナリングスロットs1において、ノード5である親ノードからのチャネルオフセットw0上のタイムスロットt1を要求する。同様に、ノード4は、シグナリングスロットs1において、ノード1からのチャネルオフセットw0上のタイムスロットt1とt2とを要求する。ノード4およびノード5は互いに送信範囲内にあるので、コリジョンがシグナリングスロットs1においてノード5で発生し、これはノード8の要求を成功しないものにする。一方で、ノード1はノード8の送信範囲の外側にあるので、ノード4からRFSの受信に成功する。ノード1は、競合を見出さないので、ノード4の要求された割振りを認める。
後で論じられるシグナリング規則に基づいて、ノード8はシグナリングスロットs2においてRFSメッセージを再送信し、チャネルオフセットw1上のタイムスロットt1を要求すると仮定する。ノード5は競合を見出さないので、ASGメッセージを通じて要求された割振りを認める。
同様に、シグナリング規則に基づいて、ノード3は、シグナリングスロットs2において、ノード4のための割振りを傍受したことに基づいて、チャネルオフセットw0上のタイムスロットt3およびt4を要求する。ノード3はノード1の最も優先順位の高い子ノードではない(ノード2がより高い優先順位を有する)ので、シグナリングスロットs2が選択される。したがって、ノード2は、ノード2のシグナリングとの競合を回避するために1つのシグナリングスロットの間待機する。ノード1は競合を見出さないので、ノード3のための要求された割振りを認める。
ノード5は、その子ノードをスケジューリングした後で、シグナリングスロットs3において、ノード2からの利用可能なチャネルオフセットw0およびw1(2つの利用可能なチャネルオフセット)上のタイムスロットt2と、t3と、t4とを要求する。ノード2は、ノード4および3のための割振りを傍受するので、代わりに、ASGメッセージにおいて、チャネルオフセットw1上のタイムスロットt2、t3およびt4をノード5に割り振る。ノード5はw0またはw1のいずれかのための要求を送信し、それは、両方のチャネルオフセットが同じ最も早い利用可能なタイムスロットを提供するからである。
これまでに構築されたスケジュールに基づいて、ノード2は、ノード1からのチャネルオフセットw0上のタイムスロットt5、t6、t7およびt8を要求する。競合がないので、ノード1はこの割振りを認めることができるが、そのような割振りは並列送信の機会を逃す可能性があることに留意されたい。エンドツーエンドのレイテンシを減らすために、競合しない送信を並列化することが特に重要である。したがって、規則4〜5がプロトコル動作において再導入される。
規則4により、ノード2は、ノード5からの傍受されたASGメッセージ(ノード9および8に宛てられた)に基づいて、ノード1へのRFSメッセージに追加の情報を埋め込む。この追加の情報は、任意の傍受されたスケジューリングされたタイムスロットを詳述する。したがって、ノード1は、増強されたローカル知識を持つようになり、ノード9および8のための割振りを認識するようになる。加えて、ノード1は、ノード7、6、および3のための割振りを知っている。したがって、ノード1は、ノード2のための並列送信の機会を見出し、規則5により、チャネルオフセットw1上のタイムスロットt0およびチャネルオフセットw0上のタイムスロットt5、t6、およびt7の更新された割振りを伴う、ASGメッセージ(ノード2からのRFSに応答した)を用いて応答する。これによりスケジュールは完了する。
すべてのノードがスケジューリングされた後で、ノードは、それぞれの送信スケジュールに従ったデータ段階の間に送信する前に、スケジューリング段階(これは事前に定義された数のシグナリングタイムスロットを有する)の終了まで待機する。
DeAMONのプロトコルの態様をカバーする疑似コードが表1において与えられる。
最適なオーバープロビジョニング
大半の集中型および分散型のスケジューリング技法において、MAC層の再送信は考慮されない。そのような再送信は、低いリンク品質が原因で発生することがあり、スロットフレームにおいて追加のスロットを必要とすることがあり、これはスケジュールを乱すだけではなく、レイテンシをより大きくする。DeAMONでは、ネットワークの中のノードのためにスロットをオーバープロビジョニングすることによって、最適な方式でいくつかのバックアップスロットを割り振る。
リソースプール全体が、シグナリングスロット、データスロット、およびオーバープロビジョニングされるスロットへと区分されていることを思い出されたい。オーバープロビジョニングされるスロットの数を決定する際、全体のトラフィック、リンク品質(予想送信カウント(ETX)により測定される)、およびシンクノードへの近さという、3つの要因を考慮する。
ETXはリンク品質のインジケータである。各ノードは、スケジュールを構築する前に、何らかのプローブパケットを通じてデフォルトの親へのETXを測定する。さらに、シンクのより近くに位置するノードはたくさんのより集約されたトラフィックを搬送するので、再送信が起こりやすい。
DeAMONでは、ノードkは、
であるような
によってオーバープロビジョニングされるスロットの数Δkを計算し、ここで、Rkはランクを表し、Gkはノードkのグローバルトラフィックインジケータを表し、Ekはノードkとデフォルトの親との間のリンクのETXを表し、これは、平均リンク成功確率の逆数として計算される。さらに、σ1、σ2、およびσ3はスケーリング定数である。Nは、データ送信段階において利用可能なタイムスロットの最大の数である。
オーバープロビジョニングされるスロットは、データスロットに対する要求とともに要求され得る。デフォルトの親は、規則1〜5に従って、これらのスロットを同様の方式で割り振ることができる。代替的に、リソースのオーバープロビジョニングされるプールを使用するための、コンテンションベースの機構が利用され得る。各ノードがリソースの公平な割り当てを得ることを確実にするために、式(1)に基づく優先順位ベースの機構が実装され得る。
オーバープロビジョニングされるリソースを効率的に利用するために、オンザフライ(OTF)機構の使用が、各ノードのためのオーバープロビジョニングされるスロットを動的に更新するために提案される。6TiSCH規格は最近、ネットワーク統計を収集する6TiSCH動作サブレイヤ(6top)を定義した。6topの一番上の層は、TSCHスケジュールを管理するためにネットワーク統計を使用することができる。OTFモジュールは6topサブレイヤの一番上に位置する。DeAMONでは、OTFモジュールの役割は、ネットワークの中の各ノードのためのオーバープロビジョニングされるリソースを監視し、動的に更新することである。オーバープロビジョニングされるスロットの動的な更新のためのアルゴリズムが表2に示されている。
トポロジー変化のもとでのスケジュールの再構成
実際には、ツリートポロジーは静的なままではなく、変化が起こることがある。トポロジー変化の最も顕著な例の1つは、低いリンク品質、または親ノードのバッテリーが切れることのいずれかにより発生する、親の切り替わりである。そのような親の変更は、そうしなければパケット喪失が発生するので、スケジュールの再構成を必要とする。スケジュールの再構成はスケジュールを再び構築することとは異なることに留意されたい。
802.15.4eネットワークでは、更新のルーティングは特定のスロットで行われる。したがって、RPL関連のシグナリングはシグナリングスロットフレーム内の特定のシグナリングスロットで行われると仮定する。このプロセスを図4および図5の助けを借りて例示しており、ここでノード5はノード2からノード4への親の切替えを実行する。
図4は、ノード2が機能停止した状況での図3のトポロジーを示す。図5は、図4のトポロジーの送信スケジュールを示す。一番上のスケジュールは、親の切替えの前のスケジュールである。中間のスケジュールおよび一番下のスケジュールは、2つの異なるシナリオ(以下で論じられる)に対する、親の切替えの後の新しいスケジュールに関連する。
このシナリオでは、ノード2は機能停止し、ノード5の親としてもはや活動することができない。したがって、ノード5がノード2からノード4への親の切替えを実行する。ノード5がシグナリングスロットにおいてノード4に接続しているとき、ノード5はまた、前のデフォルトの親、割り振られたスロット、および親の切替えの原因(すなわち、ノード2が活動していないこと、または低いリンク品質)をノード4に知らせる。これは、RPL制御メッセージのオプションフィールドを使用して達成され得る。
考慮すべき2つのケースがある。
・ケース1:ノード2が活動しておらず、ノード4の近傍にある。この場合、ノード4はローカル知識に基づいてノード2のスケジュールを認識している可能性が高い。ノード4は、規則1〜5に基づいて、まずこれらの以前に割り振られたスロットをノード5に割り振る。ノード5は、ノード5の以前に割り振られたスロットのうちの1つ、すなわちチャネルオフセットw1上のタイムスロットt2で競合を見出すので、図4の一番下に示されるように、更新された割振り、すなわちチャネルオフセットw1上のタイムスロットt3、t4およびt5を用いて応答する。次に、ノード4は、ノード5からのトラフィックを転送するために追加のスロットを必要とする。ノード2は活動していないので、ノード4は、潜在的な競合についてのローカル知識に基づいて、ノード2に割り振られたスロットを再使用する。ノード4は、ノード2の以前に割り振られたスロットのうちの1つ、すなわちチャネルオフセットw1上のタイムスロットt0で競合を見出すので、図5に示されるように、チャネルオフセットw0上のタイムスロットt6、t7およびt8を使用する。
・ケース2:ノード2が活動しており、ノード4の近傍にある。この場合、ノード4がローカル知識に基づいてノード2のスケジュールを認識している可能性が高い。ノード4は、規則1〜5に基づいて、まずこれらの以前に割り振られたスロットをノード5に割り振る。ノード5は、ノード5の以前に割り振られたスロットのうちの1つ、すなわちチャネルオフセットw1上のタイムスロットt2で競合を見出すので、図4の一番下に示されるように、更新された割振り、すなわちチャネルオフセットw1上のタイムスロットt3、t4およびt5を用いて応答する。次に、ノード4はノード5からトラフィックを転送するために追加のスロットを必要とする。ノード2は活動しているが、ノード5のトラフィックを転送しないので、ノード4は、潜在的な競合についてのローカル知識に基づいて、ノード2に割り振られた空のスロットを再使用する。したがって、図5に示されるように、ノード4はチャネルオフセットw0上のタイムスロットt6、t7およびt8を使用し、一方、ノード2は自身のデータ送信のためにチャネルオフセットw1上のタイムスロットt0を使用する。
・ケース3:ノード2は活動しており/活動しておらず、ノード4の近傍にない。この場合、ノード4はノード2のスケジュールの部分的な知識を有していることがあり、または知識を有していないことがある。ノード4は、前に説明されたのと同様の方式でスロットをノード5に割り振るが、ローカル知識に基づいて、ノード5のデータを転送するための追加の空のスロットを見出す。
ルーティングの更新は、スケジュールを構築する間に利用されたものと同様の、後で論じられるシグナリング規則に従う。
シグナリング規則
データ送信のためのスケジュールの構築の間に利用される規則1〜5と同様にシグナリングメッセージも、以下で説明されるいくつかの規則に従う。
規則S1:
スケジュール構築のためのシグナリングは厳密に順次的であり、すなわち、親ノードはその子ノードのすべてをスケジューリングするまで、スロットを要求しない。
規則1によれば、シグナリングスロットは、リーフノードからシンクに直接接続されるノードへと順次的に埋められることに留意されたい。
規則S2:
任意のノードk∈Q(k≠シンク、k≠リーフノード)は、その子ノードのすべてをスケジューリングした後で、その親ノードjにRFSメッセージを送信する前に、kがjの最も優先順位の高い子ノードではない場合にのみ、少なくとも1つのタイムスロットの間待機する。
規則S2は、親ノードの複数の子ノードの間でのシグナリングスロット上でのコリジョンの可能性を最小にする。優先順位はスケジュール構築段階の間に各子ノードに割り当てられることを思い出されたい。
規則S3:
任意のノードk∈Q(k≠シンク)は、シグナリングスロットにおけるコリジョンを検出すると、ランダムなバックオフの後で決定されるシグナリングスロットにおいて、要求されるチャネルオフセットが1だけインクリメントされたRFSメッセージを再送信する。
ノードは、RFSメッセージに対する応答を受信しない場合、シグナリングスロットにおいてコリジョンが発生したと推測する。規則S3に基づいて、ノードはRFSメッセージを再送信し、前と同様の、しかし次の利用可能なチャネルオフセットを伴うタイムスロットを要求する。
異なるチャネルオフセットの使用は、データ送信の間のコリジョンの可能性を最小にする。その上、シグナリングスロットにおいてコリジョンを検出した後で、ノードは、RFSメッセージを再送信する前にランダムなバックオフをとり、これは[1,…,Ms]個のスロットにおいて均一に分布している(Msは固定された数の事前に定義されたタイムスロットを表す事前に定義された閾値である)。
シグナリングスロットフレーム、データスロットフレーム、およびオーバープロビジョニングされるスロットフレームの構造
図6は、シグナリングスロットフレーム、データスロットフレーム、およびオーバープロビジョニングされるスロットフレームの全体的な構造を示す。図に示されるように、シグナリングスロットフレームは、データスロットフレームとオーバープロビジョニングされるスロットフレームとに先行する。シグナリングスロットフレームは、ルーティング更新と、メッセージ交換のスケジューリングとの両方のために使用される。シグナリングスロットフレーム、データスロットフレーム、およびオーバープロビジョニングされるスロットフレームへのリソースプール全体の区分は、実装固有の問題であり、本出願の焦点ではない。
シグナリングのコスト
分散型のスケジューリングプロトコルは、近隣から近隣へのシグナリングに基づいてスケジューリング機能を実現する。DeAMONのシグナリングコストが、非集中型のトラフィック認識スケジューリング(DeTAS:Decentralised Traffic Aware Scheduling)プロトコルおよび代替的なTSCHプロトコルであるWaveという、2つの代替的な方法と比較される。
シグナリングコストは、スケジュールを構築するために必要とされるシグナリングメッセージの総数として定義される。これは、スケジュールの構築を誘引するための初期シグナリングと、トラフィック関連情報と、要求/応答のスケジューリングと、任意の他のプロトコル固有のメッセージ交換とを含む。以下の表はこの比較を示し、ここでトポロジー1および2はそれぞれ、図1および図3に示されるトポロジーを指す。
表3に示されるように、DeAMONは他の分散型のスケジューリングプロトコルと比較して、シグナリングコストを大きく減らす。
DeAMON:性能評価
DeAMONの性能は、システムレベルのシミュレーションによる検討を通じて評価される。ある密度を有するあるエリア内のポアソン分布するノードを考える。ネットワーク層において、RPLが実装され、ルーティングツリーが生成される。
図7は、生成されるトポロジーおよびRPLを使用するルーティングツリーの生成の1つの実例を示す。様々なタイプのネットワーク情報が、スケジューリングアルゴリズムを実装するためのルーティングツリーから導出される。
図8は、DeAMONおよびDeTASのパケット失敗率を示す。図9は、DeAMONおよびDeTASのパケットドロップ率を示す。結果により示されるように、DeAMONは、最適なオーバープロビジョニングによりDeTASより性能が優れている。この性能の向上は、悪いチャネル条件のもとでは特に重大である。CDFは累積分布関数を表す。
図10は、DeAMONおよびDeTASのスロットフレーム利用率を示す。結果により示されるように、DeAMONは、順次的なスケジューリングと、送信を並列化する能力により、DeTASと比較してはるかに高いリソースの利用率を実現する。チャネル占有率は直接、エンドツーエンドのレイテンシにつながり、DeAMONがDeTASと比較してはるかに小さいエンドツーエンドのレイテンシを招くことが容易に推測され得る。
DeAMONの重要な利点が次のように述べられる:
・DeAMONの非集中型/分散型の性質が、大きなネットワーク(ノード密度が大きいネットワーク)に対してスケーラブルな動作をもたらす。
・DeAMONは完全に6TiSCHプロトコルスタックに準拠しており、より高い層における修正を必要としない。6top、IEEE 802.15e、およびオンザフライ(OTF)帯域幅の確保などの、スタックの他の標準化された構成要素とシームレスにインターフェースする。
・他の分散型のスケジューリングプロトコルと比較すると、DeAMONはシグナリングコストが小さい。これは、ノードレベルのデューティサイクルおよびネットワークレベルの存続時間の改善に直接つながる。
・DeAMONは干渉しない送信を並列化することによって高いスループットを実現する。
・DeAMONはリソースの効率的な利用を確実にし、他の分散型のスケジューリングプロトコルと比較してエンドツーエンドのレイテンシを最小にする。
・DeAMONはネットワークにおけるトポロジー変化に適応し、スケジュールを再び構築する代わりにスケジュールを再構成し、これはシグナリングオーバーヘッドの低減を確実にするだけではなく、動的な環境における高い信頼性ももたらす。
・バックアップスロットにより、DeAMONはMAC層の再送信を効率的に処理する。これは、厳しい環境における高い信頼性も保証する。
星形トポロジーにおける閉ループ制御スケジューリング
このセクションは、第2の構成による、星形トポロジー環境における閉ループ動作のためのネットワークコーディングを用いた拡張されたワイヤレスインターフェース(ENCLOSE:Enhanced wireless interface with Network coding for Closed-loop Operation in Star-topology Environments)という名称の新しいワイヤレス解決法を提案する。これは、ファクトリーオートメーションのシナリオにおける閉ループ制御のための新しい解決法である。ENCLOSEは、IEEE 802.15.1(Bluetooth(登録商標))仕様に基づく拡張された物理(PHY)層を使用する。その上、ENCLOSEは、時分割多元接続(TDMA)および周波数分割複信(FDD)に基づく、特別な媒体アクセス制御(MAC)フレーム構造を採用し、これは、必要とされるレイテンシおよびスケーラビリティの境界内での閉ループ制御動作を保証する。
必要とされる信頼性の要件を達成するために、ENCLOSEは、ネットワークコーディングに基づいて、新しい協調的なマルチユーザダイバーシティ技法を実装する。ENCLOSEはまた、干渉軽減のために適応的な周波数ホッピング技法を採用する。最後に、しかし特に、ENCLOSEはチャネルコーディングおよび多重接続性の拡張を受け入れ、これが、TRLのワイヤレス制御研究戦略において特定されるような、非常に高い信頼性を達成することを可能にする重要な事柄である。
ENCLOSEは、星形トポロジー環境における閉ループ制御動作のために特別に設計されている。ENCLOSEの重要な特徴が以下の通り述べられる。
a)拡張されたPHY層−PHY層の設計は、あらゆる通信プロトコルの達成可能なレイテンシに対して大きな影響がある。ENCLOSEは、拡張データレート(EDR:enhanced data rate)機能を伴う802.15.1仕様に基づくPHY層を採用する。このことは、前述の想定されるレイテンシ要件のもとでのMACフレーム構造の最適化を可能にする。
b)閉ループ制御−閉ループ制御アルゴリズムは周期的に実行される。「サイクルタイム」は、産業オートメーションにおける特性の尺度である。その上、閉ループ動作はメッセージの双方向の流れを伴う。したがって、アップリンク/ダウンリンクの共同設計が重要になる。ENCLOSEは、閉ループ制御の特殊性に取り組むように特別に設計されている。
c)協調的なマルチユーザダイバーシティ−協調的なマルチユーザダイバーシティは、非常に高い信頼性を達成することを可能にする重要な事柄である。ENCLOSEは、アップリンクとダウンリンクの両方における協調的なマルチユーザダイバーシティを利用するために新しい手法を採用する。
d)ネットワークコーディング方式−ネットワークコーディングは、ワイヤレス通信において小さいレイテンシと高い信頼性とを達成することを可能にする別の重要な事柄である。ENCLOSEは、異なるネットワークコーディング方式を採用し、アップリンク/ダウンリンク動作に対して最適なものを動的に選択する。
e)最適化されたフレーム構造−ENCLOSEは、WISAから想起されるMACフレーム構造を採用する。しかしながら、MACフレーム構造は、レイテンシの目標とネットワークコーディング動作とを考慮してさらに拡張および最適化される。
f)適応的な周波数ホッピング−WISAと同様に、ENCLOSEは、フレームごとのチャネルホッピングを採用する。そのような周波数ホッピングは、マルチパスフェージングと外部干渉とを軽減するためにきわめて重要である。周波数ホッピング方式が静的であるWISAとは異なり、ENCLOSEは適応的な周波数ホッピング方式を採用し、利用可能なチャネルのリストは動的に更新される。そのような適応的な周波数ホッピングは、厳しいワイヤレス環境における動作に対してENCLOSEをはるかに堅牢にする。
g)シームレスな拡張−TRLのワイヤレス制御戦略の重要な要素の1つは、非常に高い信頼性を達成するための階層化された手法である。ENCLOSEは、ネットワークコーディングの拡張を備える第1の層を採用する。しかしながら、ENCLOSEは、新しいチャネルコーディングと多重接続性の拡張とをそれぞれ備える、第2および第3の層とシームレスに統合するように設計されている。
ENCLOSE:システム設計およびプロトコル動作
ENCLOSEのシステム設計およびプロトコル動作が次のように説明される。ENCLOSEアクセスポイントが複数のスレーブデバイス(センサまたはアクチュエータ)の動作を扱う、シングルセルのシナリオを考える。
図11は、シングルセルの閉ループネットワークを示す。このシナリオでは、中心アクセスポイントがネットワークの中の各スレーブデバイス(スレーブノード)の通信範囲内にある。したがって、スレーブデバイスの任意の1つまたは複数へとアクセスポイントによって向けられるコマンドが出され得る。選ばれたスレーブデバイスは次いで、アクセスポイントに直接応答することができる。
図11において、
1.ENCLOSEワイヤレスアクセスポイント(または基地局)は、オートメーションシステムのプログラマブル論理コントローラ(PLC)に接続される。
2.ENCLOSEアクセスポイントは、複数のアンテナを装備するが、スレーブデバイス(センサまたはアクチュエータ)は、単一のアンテナしか装備しない。
3.ENCLOSEアクセスポイントは、ダウンリンクおよびアップリンクにおける同時の送信と受信とを実行することが可能である。
4.プロトコル動作の用語では、ダウンリンクはアクセスポイントからスレーブデバイスへの通信を指し、アップリンクはスレーブデバイスからアクセスポイントへの通信を指す。
PHY層の設計
ENCLOSEのPHY層は、IEEE 802.15.1仕様に基づく。しかしながら、ENCLOSEは、Bluetooth core specification version 2.0において最初に発表された、拡張データレート(EDR)機能を採用する。EDR機能は、ガウシアン周波数偏移変調(GFSK)と位相偏移変調(PSK)の組合せを、π/4−差動四位相偏移変調(DQPSK)および8−差動位相偏移変調(DPSK)という2つの変種とともに使用する。DQPSK変調技法およびDPSK変調技法が使用されるとき、EDRモードはそれぞれ、最高で2Mbpsおよび3Mbpsの名目データレートを提供する。
他のシステムでは、PHY層のデータレートは1Mbpsに制限され、これはあるペイロードのためのタイムスロット継続時間において最終的な限界を設定する。ENCLOSEにおけるEDRモードは、タイムスロット継続時間をさらに減らすことの、したがってシステムのレイテンシを改善することの可能性をもたらす。
ENCLOSEアクセスポイントは、2,4GHzのISM帯域において動作し、80MHzの帯域幅全体を利用する。ターゲットセルの半径は5〜50メートルであり、送信電力はそれに従って、必要とされる信号対干渉および雑音比(SINR)に基づいて決定される。
MAC層の設計
ENCLOSEのMAC層は、TDMA、FDD、および周波数ホッピング(後で論じられる)に基づく。
図12は、ENCLOSEの全体的なフレーム構造を示す。ダウンリンクフレームは22個のタイムスロットに分割される。ダウンリンク送信は常に、同期の目的でスケジューリングされる。しかしながら、アップリンク送信は、デバイスが送信すべきデータを有するときにのみ行われる。ダウンリンクと同様に、アップリンクフレームも22個のタイムスロットに分割される。アップリンクとダウンリンクの両方において、フレーム当たり2つのタイムスロットが、同期および周波数ホッピング関連情報のために確保される。各デバイスは、フレーム当たり20個の(使用可能な)タイムスロットのうちの1つにおいて送信することができる。セル当たり最高で120個のデバイスをサポートするために、各デバイスは6つのアップリンクグループのうちの1つの部分である。各アップリンクグループは、ダウンリンクにおいて使用される周波数とは異なる別個の周波数を使用する。加えて、後で論じられるように、アップリンクとダウンリンクの両方において使用されるネットワークコーディングフレームがある。ネットワークコーディングフレームは、アップリンク周波数とダウンリンク周波数の両方と異なる周波数を使用する。8つの周波数が、フレーム境界において同期してホッピングする。
タイムスロットの継続時間は、PHY層のデータ送信レートおよび送信されるべき情報の量に依存する。表が、様々なネットペイロードサイズに対する、最小の必要とされるタイムスロット継続時間の比較を示している。タイムスロット継続時間はフレーム継続時間を規定するので、システムのエンドツーエンドのレイテンシを決定することに留意されたい。
他のシステムにおけるタイムスロット継続時間は、8バイトの最大のネットペイロードに対応する64μsに設定され得る。これらの8バイトのうちで、1バイトだけがセンサ/アクチュエータ関連情報である。ENCLOSEでは、タイムスロット継続時間の低減は、データレートを増大させるEDRの組込みにより可能である。さらに、ネットペイロードは、大きなレイテンシを招くことなく増大され得る。ネットペイロードの増大は、非常に高い信頼性を達成するのに有益であり、たとえば、堅牢なチャネルコーディング技法が利用されることが可能であり、または、マルチユーザダイバーシティもしくは多重接続性に関する追加の情報が埋め込まれることが可能である。
したがって、ENCLOSEでは、16〜24バイトのネットペイロードが目標であり、これは、WISAにおける、8バイトおよび16バイトのネットペイロードに対するそれぞれ2.048msおよび4.096msのフレーム継続時間と比較して、PHY層における達成可能なデータレートに応じた0.94〜2.11msのフレーム継続時間につながる。
図13は、ENCLOSEにおけるアップリンクおよびダウンリンクのスロット構造を示す。ダウンリンクでは、アクセスポイントが(2つの単一のタイムスロットを統合することによって)ダブルスロットを作成する。ダブルスロット内に含まれる(最小限の)情報の内訳は次の通りである。
・8/16ビットのプリアンブルおよび同期情報
・2ビットのセル識別子
・4ビットのダウンリンクスロット数
・12バイトのデータ(12個のデバイスのための)
・32ビットの巡回冗長検査(誤り検出のための)
・8ビットのガードインターバル
・Xビットの追加の情報(任意選択)
アップリンクでは、各デバイスは、割り当てられる(単一の)タイムスロットのうちの1つにおいてデータを送信する。アップリンクスロット内に含まれる(最小限の)情報の内訳は次の通りである。
・8/16ビットのプリアンブルおよび同期情報
・2ビットのセル識別子
・3ビットのアップリンクグループ
・2バイトのデータ
・32ビットの巡回冗長検査(誤り検出のための)
・8ビットのガードインターバル
・Xビットの追加の情報(任意選択)
ダウンリンクでは、スレーブデバイスをアドレス指定するための追加の情報も使用され得る。スレーブデバイスのアドレス指定は、コントローラが固有のコマンドを各デバイスに送信する場合には重要になり得る。
MAC層の動作
閉ループ制御アルゴリズムは周期的に実行される。制御サイクルの周期はサイクルタイムと呼ばれ、これは産業オートメーションにおける特性の尺度である。サイクルタイムは、コントローラがコマンド信号をすべてのスレーブデバイスに送信することに成功し、各スレーブデバイスから応答を受信するのにかかる、総時間として定義される。
ENCLOSEのMAC層動作は、2つの段階に分けられる。第1の段階(段階1)では、ダウンリンクおよびアップリンクの送信は、コントローラとスレーブデバイスとの間で行われる。ENCLOSEでは、ダウンリンク送信は常に、フレームおよびスロットの同期の目的でアクティブである。ダウンリンクの中の各ダブルタイムスロットは、最高で12個のスレーブデバイスのためのデータを含むので、アップリンクフレーム当たり2つのアップリンクタイムスロットにマッピングする。各スレーブデバイスは、6つのアップリンクグループのうちの1つの上の割り当てられたアップリンクタイムスロットのうちの1つにおいて、データを送信する。ダウンリンクフレームおよびアップリンクフレームは、送信と受信の転換時間を見込んで、わずかに千鳥状にされる。ENCLOSEアクセスポイントは、ダウンリンク送信とアップリンク送信とをスケジューリングするために、あらゆるスケジューリングアルゴリズム(たとえば、ラウンドロビン)を実装することができる。
協調的なマルチユーザダイバーシティ
閉ループ制御の適用例は、パケット送達率に関して、99.999%もの非常に高い信頼性を必要とする。ワイヤレス技術の信頼性はしばしば、送信の失敗をもたらす干渉およびマルチパスフェージング事象により損なわれる。この問題を乗り越える1つの手法は、MAC層の再送信を通じたものである。しかしながら、チャネルのコヒーレンス時間が送信時間より長い場合、再送信は有用ではなく、これは、ENCLOSEおよびWISAのような低レイテンシのワイヤレス解決法において通常当てはまる。その上、時間ダイバーシティ技法は追加のレイテンシを招く。
協調的なマルチユーザダイバーシティは、前述の目標となる信頼性を達成することを可能にする重要な事柄である。ENCLOSEは、異なるネットワークコーディング技法に基づいて、アップリンクとダウンリンクの両方において、協調的なマルチユーザダイバーシティを取り込むための新しい手法を採用する。
普通は、星形トポロジーでは、コントローラおよびすべてのスレーブデバイスが互いに通信範囲内にある。協調的なマルチユーザダイバーシティを達成するために、ENCLOSEは、フェージングまたは干渉を受けるノードのためのリレーとして活動することを異なるノードに対して要求し、したがって、アップリンクおよび/またはダウンリンクにおける再送信を必要とする。中継ノードは、実際には、(送信していないときに媒体をリッスンするので)コントローラからのダウンリンク情報または近隣ノードからのアップリンク情報の復号に成功したノードである。
中継ノードを活用することによって、受信ノードにおける送信の成功の要件を満たす、協調的なマルチユーザダイバーシティの利益が達成される。性能の向上を大きくするために、ENCLOSEは、ネットワークコーディングをマルチユーザダイバーシティ技法と統合する。ネットワークコーディングの背後の基本的な考え方は、ノードにおいて送信の前にパケットを符号化することである。
ENCLOSEのためのMAC層動作の第2の段階(段階2)は、マルチユーザダイバーシティおよびネットワークコーディング技法を通じてあらゆる送信の失敗を扱い、次のように説明される。
段階2の最初において、アクセスポイントは、どのスレーブデバイスが再送信する必要があるかについての情報を含む、グループ肯定応答(G−ACK)を送信する。アクセスポイントはまた、再送信を要求するスレーブデバイスをある順序で整理する。G−ACKは、ネットワークコーディングフレームの最初の2つの使用可能なスロット(ダブルスロット)上で送信される。
アクセスポイントにより検出されるような、アップリンクにおける送信の失敗は、区別されなければならない2つの可能なシナリオにおいて発生し得る。
シナリオ1:第1のシナリオでは、スレーブデバイスからのアップリンク送信は、アクセスポイントからのダウンリンク送信の成功の後で失敗した。
シナリオ2:第2のシナリオでは、スレーブデバイスからのアップリンク送信は、ダウンリンクの失敗が原因で失敗し、すなわち、スレーブデバイスはコントローラ(アクセスポイント)からコマンドを何も受信しなかった。
ENCLOSEでは、各スレーブデバイスは、M個の最強の近隣デバイスに関する情報リストを保持する。ここでの近傍という概念は、アップリンク送信の間のスレーブデバイスにおける受信信号対雑音比(SNR)に関するものである。とはいえ、2つのデバイス間の近さまたは接続の強さを測定する代替的な方法が利用されることがある。そのような情報は、アクセスポイントからG−ACKをリッスンした後でリレーとして活動するためのノードの適格性を決定するために、ノードにより使用される。
シナリオ1
図14は、アップリンク送信の失敗の場合の再送信を解決する方法を示す。5つのスレーブデバイス(S1〜S5)が中心アクセスポイント(AP)に接続される。この場合、APはスレーブデバイスS4およびS5の各々にダウンリンクにおいて送信しているが、スレーブデバイスS4およびS5からの送信はアップリンクにおいて失敗している。APは、S4およびS5からの送信が予想されることを明示するG−ACKを出す。この場合、G−ACKにおいてS4はS5に先行する(S4が優先される)。
アクセスポイントからG−ACKを受信した後、各スレーブデバイスは、再送信を要求するデバイスのいずれかが近隣情報リストにおいて存在するかどうかを確認する。S4からのアップリンク送信が、近隣のスレーブデバイスS1およびS3により成功裏に復号され、S1がS3よりも高いSNRで受信している場合を考える。同様に、S5からのアップリンク送信が近隣のスレーブデバイスS2およびS3により成功裏に復号され、S2がS3よりも高いSNRで受信していると仮定する。さらに、S5からS3への受信SNRはS4からS3への受信SNRより低い。
まず、S4による再送信の場合を考える。この場合、S1とS3の両方が中継ノードとして潜在的に活動することができ、それは、S1とS3のそれぞれのリストにおいて、S4が失敗した送信を伴う最も強い近隣であるからである。しかしながら、S1はより高いSNRで受信したので、S1はS3よりも優先される。優先順位のそのような概念は、受信SNRに基づく優先タイマーを通じて実現され得る。
言い換えると、優先順位は、送信に失敗したスレーブデバイスと送信を傍受したスレーブデバイスとの間の接続の強さに基づいて決定され得る。優先タイマーは接続の強さに基づいて割り当てられることがあり、タイマーの長さは接続の強さに反比例する。これは、より強い接続を伴うスレーブデバイスが、その近隣のスレーブデバイスの相対的な優先順位(または接続の相対的な強さ)についての知識を有していなくても、最初に信号を再送信することを意味する。
G−ACKを受信した後で、スレーブデバイスS1は、ネットワークコーディングフレーム上の次のタイムスロットにおいて、(優先タイマーに従ってある期間待機した後で、ここでこの期間の長さはスレーブデバイスの優先順位に反比例する)S4のIDとともにE−RTS(ENCLOSE Request−to−Send)メッセージを送信する。E−RTSメッセージは、別のスレーブデバイスがS4からアップリンク送信の受信に成功したことをアクセスポイントに通知する。アクセスポイントは、同じタイムスロットにおいてE−CTS(ENCLOSE Clear−to−Send)メッセージを用いて応答する。そのようなE−RTS/E−CTSメッセージの交換は、進行中の送信を他のスレーブデバイスに通知し、したがって、これらのデバイスは、E−RTSまたはE−CTSメッセージにおいて告知される継続時間の間、送信するのを控える。
E−RTS/E−CTSの交換に続くスロットにおいて、中継ノード(S1)は、ネットワークコーディングされたメッセージ(NC−M)をコントローラおよびS4に送信する。XCをコントローラからのダウンリンクコマンドを表記するものとする。同様に、XS4をS4からのアップリンクメッセージを表記するものとする。中継ノードは、異なるダウンリンクタイムスロットおよびアップリンクタイムスロットにおいてXCとXS4とを成功裏に復号したことに留意されたい。したがって、これは
を作り出し、ここで
はXOR演算を示す。コントローラはすでにXCを知っているので、
を実行することによってXS4を復号する。ネットワークコーディングのそのような現実化は、「シンプルネットワークコーディング」(SNC)と名付けられ、動作を完了するために2つのタイムスロットを要する。スレーブデバイスS5のための再送信手順は、S2が中継ノードとして活動する状態で、同様に記述され得る。
シナリオ2
図15は、ダウンリンク送信の失敗の場合の再送信を解決する方法を示す。この場合、APは、S4へのダウンリンク送信が失敗した(および、したがってS4が応答しなければならないことをS4が知らなかった)ので、S4からアップリンク送信を受信しない。再び、アクセスポイントは、S4が応答することをアクセスポイントが予想していることを述べるG−ACKを出す。この場合、G−ACKは、アップリンク送信が必要とされるあらゆるデバイスの最高の優先順位をS4に割り当てる。
G−ACKを送信した後で、アクセスポイントは、S4からの送信が傍受された(上で論じられたシナリオ1)場合にE−RTSが潜在的な中継ノードから受信され得るタイムアウト期間を設定する。このシナリオでは、アップリンクはダウンリンクの失敗により失敗したので、S4からの送信は発生せず、したがって、どの適格なノードもリレーとして活動できない。設定されたタイムアウト期間の後で、アクセスポイントは、S4がダウンリンクを正しく受信しなかったと結論付ける。したがって、アクセスポイントは、ダウンリンクにおいて再送信しなければならない。
ダウンリンク送信をより堅牢にするために、協調的な手法が採用される。アクセスポイントは、ダウンリンク送信のための中継ノードを選択する。適切な中継ノードの選択は、アップリンク送信の間に(段階1において)受信SNRに基づいて行われ得る。
アクセスポイントは、SNR(または接続の強さの何らかの他のインジケータ)に関してN個の最強のノードのリストを保持する。(S1であると想定される)中継ノードを選択した後で、アクセスポイントは、S4のIDと選択された中継ノード(S1)の宛先アドレスとを含む、E−RTSメッセージを送信する。このE−RTSメッセージは、S4のための中継ノードとして活動することをS1に通知する。したがって、S1はE−CTSメッセージを用いて応答する。
E−RTS/E−CTSのハンドシェイクに続くタイムスロットにおいて、アクセスポイントとS1の両方が同時に、コマンド信号XCをS4に送信する。スレーブデバイスS4は、組み合わされた受信メッセージに対してXNOR演算(XORの逆)を実行する。
XNOR演算は、アクセスポイントと中継ノード(S1)の両方が同じメッセージを送信する場合にのみ、受信されるメッセージが成功裏に復号され、それ以外の場合には廃棄されることを、確実にする。ネットワークコーディングのそのような現実化は、「協調的な物理層ネットワークコーディング」(CPNC:cooperative physical layer network coding)と名付けられ、動作を完了するのに2つのタイムスロットを要する。
コントローラからのダウンリンクメッセージの復号に成功した後で、S4は対応するアップリンクメッセージを送信する。アップリンク送信は、割り振られたアップリンクグループ上の以前に割り当てられたタイムスロットにおいて行われ得る。S4のための割り当てられたタイムスロットがE−RTS/E−CTSの交換のためのタイムスロットに先行する場合、アクセスポイントは(6つのアップリンクフレームのうちの1つの上で)新しいタイムスロットを割り振る。そのような情報は、E−RTS/E−CTSメッセージへと埋め込まれ得る。最後に、アクセスポイントがダウンリンク送信のための複数の中継ノードも選択できることに言及することが重要である。
ENCLOSEのためのMAC層動作の段階2は、再送信を要求するすべてのデバイスが成功するまで続く。シナリオ1では、S4とS1の両方がXS4をコントローラに送信するような、E−RTS/E−CTSの交換後の別の可能性があり得る。このようにして、コントローラは、協調による利益とともにS4のアップリンク送信を受信する。
制御メッセージのフォーマット
様々な制御メッセージのフォーマットおよび各メッセージ内に含まれる最小限の情報が次のように説明される。
G−ACK
・2ビットのセル識別子
・3ビットのメッセージタイプ
・210ビットのメッセージ(最高で30個のスレーブデバイスのID)
・32ビットの巡回冗長検査(誤り検出のための)
・8ビットのガードインターバル
・Xビットの追加の情報(任意選択)
E−RTS/E−CTS
・2ビットのセル識別子
・3ビットのメッセージタイプ
・7ビットの宛先アドレス
・7ビットのソースアドレス
・Xビットのメッセージ(ネットワークコーディング情報のための)
・5ビットのアップリンクスロット数
・3ビットのアップリンクフレームグループ
・8ビットの巡回冗長検査(誤り検出のための)
・8ビットのガードインターバル
NC−M
・2ビットのセル識別子
・3ビットのメッセージタイプ
・7ビットの宛先アドレス1
・7ビットの宛先アドレス2
・7ビットのソースアドレス
・Xビットのメッセージ(ネットワークコーディング情報のための)
・8ビットの巡回冗長検査(誤り検出のための)
・8ビットのガードインターバル
適応的な周波数ホッピング
ENCLOSEは、マルチパスフェージングを撲滅し、外部干渉を軽減するために、フレームごとの周波数ホッピングを採用する。ENCLOSEでは、外部干渉の固定された源を特定することによって利用可能なチャネルのリストを動的に更新する、適応的な周波数ホッピング方式が採用される。これは、Wi−Fiシステムのような固定された外部干渉源の存在下で性能を改善するのを助ける。
周波数ホッピングシーケンスの詳細な設計が、次のように説明される。80MHzの利用可能な帯域幅が、各々1MHzの10個のチャネルを各々含む、8つのサブバンドへと区分される。任意の時間におけるアップリンク送信またはダウンリンク送信に割り振られるチャネルは、割り振られるサブバンドとサブバンド内のチャネルとの関数であり、実際の周波数へと変換される。
以下の目的で周波数ホッピングシーケンスを設計する。
・アップリンクおよびダウンリンクは周波数が広く離隔されていなければならない。したがって、ENCLOSEでは、複信の離隔は4サブバンド、すなわち40MHzである。
・アクセスポイント上でのハードウェアの複雑さを減らすために、6つのアップリンクチャネルが、適当な周波数の離隔を伴って同じサブバンドに属していなければならない。
・ネットワークコーディングに割り振られるチャネルは、アップリンクとダウンリンクの両方から広く離隔されていなければならない。したがって、ENCLOSEでは、ネットワークコーディングフレームのためのチャネルの離隔は、アップリンクチャネルとダウンリンクチャネルの両方から20MHzである。
送信の各サイクルにおいて、チャネル周波数は次のように計算され、ここで、第1項および第2項はそれぞれ、サブバンドおよびチャネルに対応する。
上の式において、kは送信サイクルを示し、RFNは再送信フレーム数を示す。
ENCLOSEアクセスポイントは、信号対干渉および雑音比(SINR)を査定することによって干渉を特定する。各送信サイクルの最初において、アクセスポイントは、SINRが低いチャネルをブラックリストに入れて除外することによって、利用可能なチャネルのリストを更新する。
ENCLOSE:性能評価
ENCLOSEの性能は、システムレベルのシミュレーションの検討を通じて査定されている。アクセスポイントが原点に位置し、最高で120個のスレーブデバイスがアクセスポイントのカバレッジ半径内にランダムに分布する、星形トポロジーのシナリオが生成される。チャネルモデルは、大規模な経路損失と、対数正規シャドウイングと、レイリーフェージングとを考慮する。モンテカルロシミュレーションが実行され、ENCLOSEの性能が様々なシナリオにおいて評価された。
図16は、シミュレートされるトポロジーの実例を示す。アクセスポイントは、ネットワークの中心の菱形として示されている。スレーブノード(円として示されている)は、アクセスポイントの通信範囲内に、アクセスポイントの周りでランダムに分布している。
ENCLOSEの信頼性は、パケット送達率(PDR)に関して評価され、WISA(Wireless Interface for Sensor and Actuators)という名称の代替的なシステムに対してPDRをベンチマーク評価する。
図17は、PDRを、様々なセル半径におけるENCLOSEおよびWISAのSNR閾値に対して示す。SNR閾値は、送信の成功のために必要とされる最小のSNRを表す。アクセスポイントのために3dBmの固定された送信電力が利用され、スレーブデバイスのために2dBmが利用される。
SNRの計算は、距離に依存する経路損失と、シャドウイングにより生じる不変の8dBの損失と、干渉による平均で10dBの損失と、−114dBm/Hzの不変の雑音電力(チャネル帯域幅=1MHz)とを考慮する。5メートルのセル半径に対して、ENCLOSEとWISAの両方が、最高で35dBの閾値SNRに対して100%のPDRをもたらす。しかしながら、WISAは、セル半径が増大するにつれて、およびSNR要件が厳しくなるにつれて、PDRの性能は激しい劣化を経験する。15メートルのセル半径に対して、ENCLOSEは、最高で25dBのSNRに対して100%のPDRをもたらす。一方、WISAは、最高でわずか17dBのSNRに対して100%のPDRをもたらす。同様に、20メートルのセル半径に対して、ENCLOSEは、最高で22dBのSNRに対して100%のPDRをもたらす。しかしながら、WISAは、最高でわずか10dBのSNRに対して100%のPDRをもたらす。PDRの性能評価は、ENCLOSEがよりはるかに大きなカバレッジを提供することが可能であることを明らかにする。加えて、ENCLOSEは、非常に高いSNR要件を満たすので、悪いワイヤレス環境においてはるかに堅牢である。
次に、ENCLOSEのレイテンシが異なるシナリオにおいて評価される。
図18は、異なる値の閾値のSNRに対する、ENCLOSEにおいて必要とされるNCフレームの数を示す。20dBのSNR閾値に対して、ENCLOSEは1つのNCフレームしか必要としない。はるかに厳しい25dBのSNR要件に対して、ENCLOSEは2〜5個のNCフレームを必要とする。SNR要件が25dBを超える非常に悪いワイヤレス条件のもとでは、ENCLOSEは7〜12個のNCフレームを必要とする。
タイムスロットサイズおよびフレームサイズはPHY層の設計および最大のペイロードサイズに依存するので、レイテンシの限度は様々なシナリオについて評価される。
図19は、様々なペイロードサイズおよび物理層の設計に対してENCLOSEのサイクルタイムがどのように変化するかを示す。この場合、閾値SNRは25dBに設定される。結果は、タイムスロット当たり16バイトのペイロードおよび3MbpsのPHY層設計に対して、ENCLOSEが3〜5msの最小のサイクルタイムを招くことを示している。2MbpsのPHY層設計における同様のペイロードサイズに対して、ENCLOSEは4.25〜8.5msのレイテンシを招く。ペイロードの24バイトが3MbpsのPHY層設計を通じて送信される場合、同様の性能が達成される。さらに、ペイロードの24バイトが2MbpsのPHY層設計を通じて送信される場合、レイテンシは10msを超える。
メッシュトポロジーにおける閉ループ制御スケジューリング
本明細書において説明される構成は、プロセスオートメーションなどのメッシュトポロジー環境における閉ループ制御のために、GALLOP(GenerAlised cLosed−Loop cOntrol in Process automation)と名付けられる新しいワイヤレス解決法を提供する。GALLOPは、IEEE 802.15.1仕様に基づく物理(PHY)層を採用する。
構成は、時分割多元接続(TDMA)と、周波数分割複信(FDD)と、双方向マルチホップスケジューリングアルゴリズムとを利用する、特別な媒体アクセス制御(MAC)プロトコルに基づき、これは、要求されるレイテンシおよびスケーラビリティの範囲内での閉ループ動作を保証する。必要とされる信頼性の要件を達成するために、GALLOPは、ネットワークコーディングに基づいて、チャネルホッピングと新しいマルチユーザダイバーシティとを実装する。最後に、しかし特に、GALLOPは、チャネルコーディングおよび多重接続性の拡張を受け入れ、これは非常に高い信頼性を達成することを可能にする重要な事柄である。
双方向TDMAスケジューリングは、水中音響センサネットワークに対して可能である。そのようなネットワークは伝播遅延が長く、利用可能な帯域幅が小さいので、2つのノードが同時に互いに対して送信することと、他方のノードからのメッセージが後続のタイムスロットにおいて受信されることを可能にするために伝播遅延を依存することとが可能である。そのような方法は、従来のワイヤレスセンサおよびアクチュエータネットワークに拡張可能であるが、ノード間の大きな送信遅延に依存する。その上、そのような方法は、大きな送信遅延時間が過度に長いサイクルタイムを引き起こすので、閉ループの動作に適していない。
双方向通信はまた、時分割複信(TDD)を介して可能である。アップリンク通信およびダウンリンク通信は、異なる段階へと分割され得る。高い信頼性を達成するために、協調的な通信が利用されることがあり、複数のノードはそれらが受信するデータを中継する。送信のためのタイムスロットは、ノード間で均等に分割される。各ノードは、すべてのタイムスロットの間の送信をリッスンし、送信のためのタイムスロットの間に、傍受したあらゆるメッセージを送信し得る。
この方法は、TDDを実装し、スケジューリングされるノードの数に基づいてフレームサイズを変化させる。したがって、固定長のフレームを必要とするTDMAスケジューリングにおける実装形態に対しては、その方法は適していない。そのような方法の性能は、ネットワークの中のノードの密度とともに激しく劣化する。加えて、可変のフレームサイズは、たとえばファクトリー/プロセスオートメーションのシナリオにおいて、その方法を閉ループ制御に対して不適当なものにする。
本明細書において説明される構成はGALLOPを利用し、これは、メッシュトポロジー環境における閉ループ制御動作のために特別に設計されている。GALLOPの重要な特徴は次のように述べられる。
a.拡張された物理(PHY)層−PHY層の設計は、あらゆる通信プロトコルの達成可能なレイテンシに対して大きな影響がある。GALLOPは、拡張データレート(EDR)機能を伴う802.15.1仕様に基づくPHY層を採用する。このことは、前述の想定されるレイテンシ要件のもとでのMACフレーム構造の最適化を可能にする。
b.双方向スケジューリング−閉ループ制御アルゴリズムは周期的に実行される。「サイクルタイム」は産業オートメーションにおける特性の尺度である。その上、閉ループ動作はメッセージの双方向の流れを伴う。したがって、アップリンク/ダウンリンクの共同設計が重要になる。GALLOPは、閉ループ制御の特殊性に取り組むように特別に設計されている。閉ループ動作を達成するために、GALLOPは、集中型と分散型の両方で、新しい双方向のマルチホップTDMAスケジューリングアルゴリズムを実装する。スケジューリングアルゴリズムは、エンドツーエンドのレイテンシを最小にしながら非常に高いスケーラビリティをもたらすように設計されている。
c.協調的なマルチユーザダイバーシティ−協調的なマルチユーザダイバーシティは、非常に高い信頼性を達成することを可能にする重要な事柄である。GALLOPは、マルチホップネットワークの中のアップリンクとダウンリンクの両方において、協調的なマルチユーザダイバーシティを利用するための新しい手法を採用する。
d.機会主義的なネットワークコーディング−ネットワークコーディングは、ワイヤレス通信において低いレイテンシと高い信頼性とを達成することを可能にする別の重要な事柄である。GALLOPは、アップリンクとダウンリンクの両方において、ネットワークコーディングの機会を活用する。
e.周波数ホッピング−周波数ホッピングは、マルチパスフェージングと外部干渉とを軽減する際にきわめて重要である。GALLOPは、タイムスロットレベルおよびフレームレベルにおけるチャネルホッピングの形式の周波数ホッピングを採用する。
GALLOP:システム設計およびプロトコル動作
構成のためのシステム設計およびプロトコル動作が次のように説明される。アクセスポイントがマルチホップの方式で複数のスレーブデバイス(センサまたはアクチュエータ)の動作を扱うシナリオを考える。構成は、上で説明されたDeAMONシステムと同様のアップリンクスケジューリングと、上で説明されたENCLOSEから適応される再送信スケジューリングとを利用する。
図20は、構成に従ったネットワークを示す。ネットワークは、ワイヤレスアクセスポイント110と、いくつかのスレーブデバイス120とを備える。ワイヤレスアクセスポイント110は、システムコントローラ115に接続される。アクセスポイント110およびスレーブデバイス120の各々が、単一のアンテナのみを装備する。
アクセスポイント110およびスレーブデバイス120の各々は、ネットワーク内のノードである。各ノードは、その送信範囲内の他のノードとワイヤレスに通信することが可能である。各ノードは、自身固有のノード識別子(ノードID)を割り当てられる。一構成では、ノードIDは、アクセスポイントからリーフノード(ワイヤレスネットワークの外側の端にあるノード)へと単調に増大する。
ワイヤレスアクセスポイント110(AP)(基地局または局としても知られている)は、近くのスレーブデバイス120(センサまたはアクチュエータなど)にワイヤレスに接続する。ネットワークはマルチホップネットワークであるので、メッセージは、アクセスポイント110から遠く離れて位置しているスレーブデバイス120に、近くのスレーブデバイス120によって転送される。ノード間の各送信は「ホップ」であると見なされる。したがって、メッセージは、最終的な宛先に到達するまで、ノード間で「ホップ」することによってネットワークを通過することができる。
各スレーブデバイス120(ノード)は1ホップの近隣情報を有する。すなわち、各スレーブデバイス120は、スレーブデバイス120の通信範囲内にある他のスレーブデバイスを特定する情報を記憶する。各デバイスは、近隣デバイスからの送信の受動的なリッスンを通じて、それぞれの1ホップの近隣情報を決定することができる。
プロトコル動作の用語では、ダウンリンクはアクセスポイント110からスレーブデバイス120への通信(アクセスポイントから離れて移動する通信)を指し、アップリンクはスレーブデバイス120からアクセスポイント110に向かう通信(アクセスポイントに向かって移動する通信)を指す。
PHY層の設計
PHY層は、Bluetooth core specifications version 2.0において初めて発表された、IEEE 802.15.1(Bluetooth)仕様および拡張データレート(EDR)機能に基づく。EDR機能は、ガウシアン周波数偏移変調(GFSK)と位相偏移変調(PSK)の組合せを、π/4−差動四位相偏移変調(DQPSK)および8−差動位相偏移変調(DPSK)という2つの変種とともに使用する。
EDRモードは、DQPSK変調技法およびDPSK変調技法が使用されるとき、それぞれ、最高で2Mbpsおよび3Mbpsの名目データレートを提供する。構成においてEDRモードを利用することは、タイムスロット継続時間を減らす可能性を、したがってシステムのレイテンシ改善する可能性をもたらす。一構成では、アクセスポイントは、2.4GHz ISM帯域において動作し、80MHzの帯域幅全体を利用する。
MAC層の設計
MAC層は、TDMA、周波数分割複信(FDD)、および周波数ホッピング(後で論じられる)に基づく。各々1MHzの固定された数のアップリンクチャネルとダウンリンクチャネルとを仮定する。各チャネルはMACフレームに対応し、MACフレームは固定された数のタイムスロットを有する。アップリンクチャネルおよびダウンリンクチャネルに加えて、固定された数のシグナリングチャネルとネットワークコーディングチャネルとを仮定する。タイムスロットの継続時間は、PHY層のデータ送信レートおよび送信されるべき情報の量に依存する。
表5は、様々なネットペイロードサイズに対する最小の必要とされるタイムスロット継続時間の比較を示す。タイムスロット継続時間はフレーム継続時間を規定するので、システムのエンドツーエンドのレイテンシを決定することに留意されたい。
MAC層の動作
閉ループ制御は、制御信号がスレーブデバイスに送信されることと、フィードバック信号がスレーブデバイスからコントローラに戻されることとを伴う。閉ループ制御アルゴリズムは周期的に実行される。制御サイクルの周期はサイクルタイムと呼ばれ、これは産業オートメーションにおける特性の尺度である。サイクルタイムは、コントローラがコマンド信号をすべてのスレーブデバイスに送信するのに成功し、各スレーブデバイスから応答を受信するのにかかる総時間として定義される。
閉ループ制御機能をサポートするために、(i)集中型の方法、および(ii)分散型の方法という、双方向スケジューリングのための2つの異なる構成が提案される。
集中型の双方向スケジューリング
集中型のスケジューリングの場合、コントローラはネットワークトポロジーのグローバルな知識を有する。
図21は、ある構成による集中型の双方向スケジューリングの実例を提供する。ネットワークトポロジーは図21の下部に示されており、アップリンクスケジュールおよびダウンリンクスケジュールは図21の上部に示されている。
各ノードは固有のノードIDを割り当てられている。一構成では、ノードIDは制御ノードからの距離に基づいて割り当てられ、より近いノードがより小さなノードIDを割り当てられる。ノードIDの割り当ては、ネットワークの初期化の間に実行され得る。たとえば、制御ノードは、ノードIDに対する要求とともに制御ノードへ応答するようにネットワークの中のすべてのノードに要求する、メッセージを送出し得る。コントローラが次いで、最初に来たものが最初にサービスされるという方式でノードIDを設定し、最初に応答したノードが最も小さいノードIDを与えられる。最も近いノードが最も早く応答するので(制御ノードへのメッセージがより少数のノードを通って中継される必要があるので)、最も近いノードがより小さいノードIDを割り当てられる。あらゆる競合を解決するために、同時に応答するノードに対してランダムなバックオフが実行される。
ネットワークは、制御ノード(C)および5つのスレーブデバイス(2〜6)という6つのノードを含む。ネットワークは、制御ノードまでのノードの最小のホップ距離に基づいて、層またはランク(R)へと分割される。
制御ノードは第1の層を占有する。ノード2および3は制御ノードの通信距離の中にある。したがって、制御ノードまでの最小のホップ距離は1である。したがって、ノード2および3は第2の層を占有する。
ノード4および6はノード2の通信範囲内にあるが、ノード5はノード3の通信範囲内にある。したがって、ノード4、5、および6は、制御ノードから2ホップ離れているので第3の層を占有する(あらゆるメッセージがノード2とノード3のいずれかを介して中継される必要がある)。
したがって、ネットワークは、以下の1ホップの近隣情報を有する:
ノードC:[2,3]
ノード2:[C,4,6]
ノード3:[C,5]
ノード4:[2,6]
ノード5:[3]
ノード6:[2,4]
所与のノードのダウンリンクであり、所与のノードへの通信の範囲内にあるノードは、「子ノード」と呼ばれる。この所与のノードは子ノードの「親ノード」である。
現在の構成の集中型のスケジューリング機構では、スケジュールはネットワークトポロジー全体の知識に基づいて集中的に決定される。スケジュールは、制御ノードの中のコントローラによって、または制御ノードに接続されるコントローラによって決定され得る。
スケジューリングを実行するコントローラはネットワークトポロジーを認識している。これは、各ノードのための1ホップ近隣情報の形式で記憶され得る。トポロジー情報は事前に定義されることがあり、または、各ノードが1ホップの近隣を決定しこれをコントローラに報告する初期化ステップの間に決定されることがある。
制御情報に応じて、集中型のスケジューリングに対して2つの異なるケースが区別される。
・ケース1:第1のケースでは、コントローラがネットワークの中のすべてのノードに対する単一のコマンドメッセージを有する。
・ケース2:第2のケースでは、コントローラがネットワークの中のすべてのノードに対して別個のコマンドメッセージを有する。
ケース1
スケジューラの主な目標はサイクルタイムを最小にすることである。コントローラはまず、ダウンリンクチャネル(WD)上で順次的に(制御ノードから始めて結果を得る)、ダウンリンク情報(コマンドメッセージ)をスケジューリングする。
コントローラは、制御ノードから外側に向かって、ダウンリンクチャネルを順次的にスケジューリングする。したがって、コントローラは、制御ノードからの距離の順序で、または少なくとも、制御ノードからのホップ距離の順序でダウンリンクチャネルをスケジューリングし、制御ノードが最初にスケジューリングされ、次いで第2の層の中のノード、次いで第3の層の中のノード、というようにスケジューリングされる。
一構成では、ノードはノードIDの順序でスケジューリングされる。上で論じられたように、ノードIDは制御ノードからの距離に基づいて割り当てられ得る。
その上、コントローラは、サイクルタイムを減らすために、競合しない送信を並列化する。競合しない送信は、互いに通信範囲の外側にある、または異なるチャネル上で動作する送信であり得る。たとえば、アップリンク送信およびダウンリンク送信は、異なる周波数チャネル上で送信され得る。アップリンクチャネルおよびダウンリンクチャネルの各々が、近隣の送信の並列化を可能にするために複数の周波数チャネルへと分けられ得る。
現在のシナリオでは、第1のタイムスロット(t0)は、制御ノードとノード2との間の送信に割り当てられる(第2のノードが最小のノードIDを有するので)。第2のタイムスロット(t1)は、制御ノードからノード3への送信に割り当てられる。第3のタイムスロット(t2)は、ノード2からノード4への、およびノード3からノード5への送信に割り当てられる。これらの同時の送信は、ノード3およびノード5がノード2およびノード4から通信距離の外側にあるので発生し得る。最後に、第4のタイムスロット(t3)は、ノード2からノード6への送信に割り当てられる。この場合のダウンリンクスケジュールは、4つのタイムスロットを占有する。
ダウンリンク情報をスケジューリングした後で、コントローラは、アップリンクチャネル(WU)上でアップリンクをスケジューリングすることを開始する。アップリンクスケジューリングの間に、コントローラは、∇により表記される、所与のノードへのダウンリンク送信とその所与のノードからのアップリンク送信との間のタイムスロットの差分を最小にすることを狙う。これは、コマンドメッセージを送信した後でノードから応答を受信するための、コントローラの最小限の可能な遅延を確実にするために行われる。
たとえば、ノード2は、ダウンリンクにおいて最初にスケジューリングされたノードであったので、アップリンクスケジューリングにおいて優先される。ダウンリンクと同様に、コントローラは、サイクルタイムを減らすために、競合しない送信を並列化する。この場合、全体のサイクルタイムは10個のタイムスロットに等しい。
図22は、より大きなトポロジーに対する構築スケジュールを示す。この場合、サイクルタイムは16個のタイムスロットに等しい。このトポロジーでは、制御ノードは3つの子ノード(ノード2、3、および4)を有する。これらの各々が1つの子ノード(それぞれノード5、6、および7)を有する。これらのうちの1つが2つの子ノード(ノード8および9)を有する。
集中型の双方向スケジューリングのための疑似コードが表6に与えられる。
図23は、ある構成によるダウンリンク(DL)送信をスケジューリングするための方法を示す。最初に、ネットワークトポロジーが取り出され、ノードQの集合の中の第1のノード(k)の第1の子ノード(gk)が選択される(310)。ネットワークトポロジーは、ネットワークの中の各ノード(k)に対する各子ノード(gk)のノードIDを含む。
次いで、ノードkから子ノードgkへの送信のためのタイムスロットが設定される(320)。これは、メッセージがノードkによって受信された後の最も早い利用可能な競合しないタイムスロットとなるようにスケジューリングされる。競合する送信がすでにスケジューリングされているタイムスロットは、この通信のスケジューリングの目的に対しては禁止される(すなわち、受信ノード(この場合、子ノードgk)の範囲内の同じチャネル上で別の通信がスケジューリングされている場合)。ノードkが再送信のためのメッセージを受信した時間よりも前に位置するタイムスロットも禁止される。
次いで、ノードkのすべての子ノードgkへのすべての通信がスケジューリングされたかどうかが決定される(330)。されていない場合、次のコードが選択され(gkが1だけ増やされ)(340)、方法は、次の子ノードへの送信をスケジューリングするためにステップ320に戻る。このシナリオはネットワークの中の各ノードに同じメッセージを送信しているので(ケース1)、1つだけのメッセージが各ノードに送信される必要がある。
すべての子ノードへの通信がスケジューリングされている場合、すべてのノードからの通信がスケジューリングされているかどうか(最後のノードQに到達しているかどうか)が決定される(350)。されていない場合、次のノードが選択され(kが1だけ増やされ)(360)、方法はステップ320に戻る。ネットワークの中のすべてのノードへの送信がスケジューリングされている場合、方法はアップリンク送信をスケジューリングすることに移る(370)。
当然、所与のノードkが子ノードを有しない場合、ステップ320はスキップされ、方法は集合Qの中の次のノードを選択することに移る。
図24は、ある構成によるアップリンク送信をスケジューリングする方法を示す。この方法は図23の方法からの続きである。
まず、ダウンリンクスケジュールが受信され、スケジュールtの中の次のタイムスロットが選択される(410)。このタイムスロットは、ダウンロードスケジュールの後の最初の空のタイムスロットである。
次いで、アップリンクスケジューリングを要求する各ノードに対して、タイムスロットtとそのノードのためのダウンリンクタイムスロットとの間の差分∇が計算される(420)。ダウンリンクタイムスロットは、所与のノードがダウンリンクスケジュールにおいてメッセージを受信することがスケジューリングされている最初のタイムスロットである。代替的に、ダウンリンクタイムスロットは、所与のノードが自身に向けられた通信(所与のノードが転送しなければならない、異なるノードに向けられた通信ではなく)を受信するようにスケジューリングされているタイムスロットであり得る。
最大の∇を有するノードkが、アップリンク送信のスケジューリングのために選択される(430)。アップリンク送信は次いで、現在のタイムスロットtから始まるタイムスロットにおいて、選択されたノードから制御ノードまでスケジューリングされる(440)。ノードが制御ノードから1ホップ離れている場合、タイムスロットtにおいて、1つだけの送信がスケジューリングされる必要がある。複数のホップが次いで制御ノードに到達することが要求される場合、タイムスロットtに後続するタイムスロットが、中継通信をスケジューリングするために使用される。任意のアップリンク送信がスケジューリングされるように、それらはいずれの前にスケジューリングされた送信とも競合してはならない(たとえば、受信ノードは同じタイムスロットの中の同じチャネル上の別の通信の通信範囲内にあってはならない)。
次いで、すべての要求されるアップリンク(UL)送信がスケジューリングされたかどうかが決定される(450)。されていない場合、次のタイムスロットが選択され(t=t+1)、方法はステップ420に戻る。すべてのアップリンク送信がスケジューリングされている場合、スケジューリングは終了する(470)。このスケジュールは次いで、送信を支援するためにネットワークの中のノードの各々に出力され得る。
MAC層の再送信を考慮するための様々な機構が利用され得る。一構成では、コントローラは余剰のスロットを脆弱なリンクに割り振る。ある構成による代替的な再送信の方法が、分散型のスケジューリングについて後で論じられる。これは、本明細書において説明される集中型のスケジューリング機構に等しく組み込まれ得る。
2つのスケジュールが図21に示されている。上のスケジュールは、(同時の競合しない送信が起こり得る限り)各通信リンクが固有のタイムスロットをスケジューリングさせるシナリオのためのものである。下のスケジュールは、各ノードがメッセージをすべての子ノードに一度にブロードキャストする構成のためのものである。このシナリオではすべての子ノードが同じ制御メッセージを受信しているので、個々の送信を各子ノードに送信する必要はない。
このスケジューリング方法は、図23に示されるのと同様の方法で機能し得るが、ステップ320および330は、すべての子ノードへのブロードキャスト送信に対して可能な最も早い競合しないタイムスロットをスケジューリングする単一のステップにより置き換えられる。
上で論じられたように、集中型のスケジューリング機構は2つの方法で実装され得る。上の議論は、同じメッセージがすべてのスレーブデバイスに送信されるシナリオに関する。これは、ネットワークの中の各ノードがダウンリンク段階において1つのメッセージしか受信する必要がないことを意味する。第2のシナリオでは、特定のメッセージが各ノードに送信され得る。これは、コントローラが別個のタイムスロットにおいてスレーブデバイスへのメッセージをスケジューリングする必要があることを意味する。ブロードキャストのシナリオ(ケース1)が図21に示されている。
図21のスケジュールから、いずれの通信リンクに沿っても1つだけの送信がダウンリンク段階においてスケジューリングされることがわかり得る。これは、同じメッセージがすべてのノードに送信されているからである。
ケース2
ケース2は、コントローラがダウンリンクにおいて別個の送信をスケジューリングすることを除き、ケース1と同様の手法に従う。
図25は、ネットワークの中のすべてのノードに対して別個のコマンドメッセージを伴う、図2のトポロジーに対する集中型の双方向スケジューリングの実例を提供する。
図25の下部に示されるネットワークトポロジーは、図21に示されるものと同じである。このトポロジーに対する別個の送信のスケジュールは、図21の上部に示されている。
別個のメッセージがネットワークの中の各スレーブデバイスに送信され、コントローラは各スレーブデバイスに対して1つのメッセージを送信しなければならない。同様に、ネットワークの中の各中間ノードは、そのダウンリンクにあるノードの各々にメッセージを中継しなければならない。
したがって、図25のトポロジーでは、制御ノードはノード2に3つのメッセージを送信するようにスケジューリングされる。これは、ノード2に対する1つの制御メッセージ、ならびにノード2の子ノード(ノード4および6)に対する制御メッセージを含む。ノード4および6が子ノードを有する場合には、追加のメッセージがスケジューリングされる必要があるであろう。ノード2は、ノード4およびノード6に関連メッセージを中継するようにスケジューリングされる。上で論じられたように、次いでアップリンク段階がスケジューリングされ得る。
図23のスケジューリング方法はまた、別個のメッセージングシナリオにおいて使用され得る。唯一の違いは、各子ノードがステップ320および330において自身へと1つのメッセージをスケジューリングさせるのではなく、子ノードがさらなるメッセージを中継する必要があるかどうかに基づいて、複数のメッセージが同じ子ノードにスケジューリングされ得るということである。
このシナリオにおけるスケジュールはより長いが、これは、個別のコマンドがネットワークの中の各ノードへ送信されることを可能にする。
ブロードキャスト制御メッセージとノード固有の制御メッセージの組合せも利用され得ることに留意されたい。たとえば、ノード4と6の両方に向けられるメッセージがスケジューリングされ得るが、ネットワークの中の残りのノードに対しては固有の制御メッセージがスケジューリングされ得る。これにより、同じコマンド/メッセージを受信することになるノードに対して、可能であれば、スケジュールのサイズが低減されることが可能になる。
各メッセージは、最終的にメッセージが向けられるノードの詳細を含み得る。これは、メッセージのヘッダに含まれ得る。これに加えて、各メッセージはまた、送信の意図される受信者(続いて送信を最終的な宛先に中継し得る)を含み得る。
上の構成はノードIDの順序に従ってダウンリンクチャネルをスケジューリングするが、代替的な構成では、ダウンリンク方向により多数のノードを有するノードは、スケジューリングにおいて優先される。たとえば、図2および図5のネットワークトポロジーでは、ノード2は2つの子ノードを有するのに対してノード3は1つしか有しないので、(ノードIDとは無関係に)ノード2はノード3よりも優先され得る。
一般に、集中型のスケジューリング解決法はスケーラブルではない。特に動的な環境のもとでは、トポロジー情報を取得することのオーバーヘッドが重大である。したがって、実践的な観点からは、分散型の解決法がはるかに望ましい。
分散型の双方向スケジューリング
分散型の場合、中心のスケジューリングエンティティはなく、ネットワークトポロジーのグローバルな知識は入手可能ではない。ネットワークの中のノードは、近隣対近隣の情報交換およびスケジューリングネゴシエーションを通じて、スケジュールに合意する。分散型のスケジューリングアルゴリズムは様々な段階へと分けられ、これらは以下で説明される。
図26は、ある実施形態による、分散型の双方向スケジューリング機構の段階を示す。
分散型のスケジューリング機構はいくつかの段階に分割される。第1の段階において、ダウンリンク送信がスケジューリングされる(510)。第2の段階において、スケジュールに従ってコマンドメッセージがダウンリンクに送信される(520)。第3の段階はアップリンクスケジューリングである(530)。アップリンクスケジューリングはダウンリンク送信の後に発生しなければならず、それは、スケジュールがノード自体によって決定されているからである。したがって、ノードは、最初の制御メッセージを受信しないと、応答がどのようなものであり得るかを知らない。
第4の段階は、アップリンクスケジュールに従ったアップリンク送信である(540)。最後の段階は、あらゆるドロップした送信を解決することを伴う(550)。これは、問題がダウンリンク送信における失敗であったか、またはアップリンク送信における失敗であったかを決定することと、すべてのメッセージが成功裏に送達されたことを確実にするためにドロップした送信を繰り返すこととを含み得る。
図27は、ある構成による分散型の双方向スケジューリングを示す。簡潔にするために、図21および図25と同じトポロジーが利用される。
上のスケジュールは、ダウンリンクスケジュールを構築するための第1の段階の間のシグナリングを図示する。この後に、ユニキャストメッセージングおよびブロードキャストメッセージングという2つのシナリオに対するダウンリンクスケジュールが続く。この後に、アップリンクスケジュールを構築するためのシグナリングのスケジュールが続く。最後に、アップリンクスケジュールが図示されている。
まず、コントローラがネットワークの中のすべてのノードに対して単一のコマンドメッセージを有するシナリオを考える。
分散型のスケジューリングは、ノードのスケジュールについての情報をノードが交換することを必要とし、システムは、スケジューリングの間の信号の衝突を回避するように、および、ダウンリンク送信の間の競合する通信を回避するのを助けるように設けられなければならない。したがって、ダウンリンクスケジューリングの間、各ノードはダウンリンクシグナリングチャネル(WS D)からスケジューリングタイムスロットを割り当てられ、そのスケジューリングタイムスロットの間に、ノードはダウンリンクチャネル(WD)への送信をスケジューリングするためのダウンリンクスケジューリングを実行するために信号を送信し得る。
所与のノードに対するスケジューリングタイムスロットの間、ノードは、ダウンリンク送信のためのスケジューリングされるタイムスロットを選ぶために、ローカルネットワークについての自身の知識を利用する。とはいえ、ノードはローカルネットワークおよびスケジュール全体について不完全な見方を有することがあるので、エリアにおける他の送信と競合し得る送信をスケジューリングする可能性がある。これを避けるために、ノードは、request for slots(RFS)メッセージを親ノードに送信する。親ノードは、提案されるタイムスロットの間の送信がいずれかの近隣の送信と干渉するであろうかどうかを決定するために、ローカルネットワークおよびスケジュールについての自身の知識を使用する。親ノードは次いで、提案されたスケジューリングされる送信が許容されることを認めるために割り当て(ASG)メッセージを送信し、または、ローカルネットワークについての自身の知識に基づいて代替のタイムスロットを割り振る。これは、競合する送信をノードがスケジューリングするのを回避するのを助ける。
各ノード(制御ノードを含む)は、次の規則に従って送信をスケジューリングする。
・規則1D:任意のノードkが、そのローカル知識によれば競合を見出さないような、利用可能なチャネル上の最小限の可能なタイムスロットを選択する。
・規則2D:任意の親ノードk’が、request for slots(RFS)メッセージを受信すると、競合を見出さない場合、および要求される割振りがそのローカル知識によれば最小限の可能なレイテンシをもたらす場合、要求される割振りを認める。それ以外の場合、親ノードは、規則1Dおよび最小限の可能なレイテンシをもたらすための要件に基づいて割り当てられる、更新された割振りを用いて応答する。
・規則S1D:任意の親ノードk’が、そのローカル知識に基づいて、競合しないシグナリングスロットをその子ノードに割り当てる。
・規則S2D:任意のノードkが、シグナリングスロット上でのコリジョンを検出すると、そのローカル知識に基づいて、次の利用可能なシグナリングスロットにおいてRFSメッセージを再送信する。
一実装形態では、利用可能なチャネル上の最小限の可能なタイムスロットは、利用可能なチャネルのうちの1つまたは複数で利用可能なタイムスロットの最も早いセットである。
スケジューリング機構は制御ノードにおいて開始する。コントローラは、ダウンリンクシグナリングチャネル(WS D)の第1のスロットs0を選ぶ。送信がまだスケジューリングされていない場合、コントローラは、そのスケジュールが別のノードのスケジュールと競合するかどうかを決定するために、何の信号も送信する必要がない。したがって、制御ノードは、ダウンリンク送信のためのタイムスロットを選択し、選択されたタイムスロットについての情報を子ノードにブロードキャストする。
前に論じられたように、コントローラは、別個のタイムスロットにおいて、またはブロードキャスト方式のいずれかで、子ノードをスケジューリングすることができるので、タイムスロットt0およびt1(ノード2および3への別々の送信のための)、またはタイムスロットt0のみ(ノード2と3の両方への同時のブロードキャスト送信のための)のいずれかを選ぶ。
さらに、コントローラは、シグナリング優先順位を子ノードに割り当て、シグナリングスロットにアクセスするためにこのスケジューリング情報を伝える。優先順位情報を伝えるための1つの方法は、子ノードのMACアドレスまたはIDを、優先順位の順序でMACヘッダに埋め込むことである。この構成では、優先順位はノードIDに基づいて割り当てられる。したがって、ノード2はノード3よりも優先される。
シグナリングスロットs0において受信される情報に基づいて、ノード2は、ノード2が最高の優先順位を有すると決定する。したがって、ノード2は第2のシグナリングスロットs1を選び、Request−for−Slots(RFS)メッセージをデフォルトの親(制御ノード)に送信する。ノード2は、(どれだけの子ノードを有するかに従って)単一のタイムスロットと複数のタイムスロットのいずれかを要求することができる。これは、ブロードキャストスケジューリングが実装されているか別個のスケジューリングが実装されているかに依存する。
別個のスケジューリングが実装されている場合、ノード2は、タイムスロットt0において制御ノードからメッセージを受信する予定であることと、制御ノードからの競合する送信がタイムスロットt0およびt1の間に発生するようにスケジューリングされていることとを、認識するであろう。したがって、ノード2は、ノード4および6への別々の送信のために、次の利用可能なタイムスロット(t2およびt3)を選ぶであろう。
ブロードキャストスケジューリングのシナリオでは、ノード2は、t0においてメッセージを受信する予定であるが現在はt1の間に競合する送信がスケジューリングされていないことを、認識するであろう。したがって、ノード2は、すべての子ノードへのブロードキャスト送信のためにタイムスロットt1を選ぶであろう。
RFSに基づいて、この場合はコントローラであるデフォルトの親は、提案されるスケジュールがすでにスケジューリングされている別の送信と競合するかどうかを決定する。この場合、競合がないので、制御ノードは、規則2Dにより、割振りを認めるための割り当て(ASG)メッセージを用いて応答する。
したがって、ノード2は、提案されるダウンリンク送信をスケジューリングし、スケジュールを子ノードに送信する。さらに、ノード2は、シグナリングスロットにアクセスするための優先順位を子ノードに割り当て、この情報を次の利用可能なシグナリングスロット情報(この場合はs3である)とともに伝える。次の利用可能なシグナリングスロットがどれであるかを子ノードに知らせることは重要であり、それは、子ノードのアップリンクで発生しているシグナリングについての知識を子ノードが有しないからである。したがって、これが伝えられなかった場合、子ノードは、ノード3と同じ時間に、スロットs2においてシグナリングを開始し、これはノード2および/または3におけるコリジョンを引き起こし得る。
同様に、シグナリングスロットs0において受信された情報に基づいて、ノード3は、ノード3が2番目に高い優先順位を有すると決定する。したがって、ノード3は、第2のシグナリングスロットs2を選び、タイムスロットを要求し優先順位を子ノードに割り当てるRFSメッセージを送信する。
ノード3は1つのタイムスロットを要求する。この場合、ノード3はノード2からの送信の範囲外にある。したがって、ノード3はノード2に対してスケジューリングされる送信を認識していない。したがって、親ノードへのRFSメッセージングは、競合する送信を避けるのを助ける。
子ノードへの別々の送信が利用されるシナリオでは、ノード3は、t0およびt1において競合する送信が制御ノードによってスケジューリングされることを認識するであろう。したがって、ノード3は、次の利用可能なタイムスロットt2を選び、RFSメッセージを介してこれを制御ノードに通信するであろう。制御ノードは、ノード2がt2において送信するようにスケジューリングされていることを認識しているが、ノード2および3は通信範囲外にあるので、それらは競合することなく同じスロットにおいて送信することができる。したがって、制御ノードは、ノード3がt2においてノード5への送信をスケジューリングできることを認めるために、割り当て(ASG)メッセージを送信する。
ブロードキャストメッセージが利用されているシナリオでは、ノード3は、制御ノードがt0においてダウンリンク送信をスケジューリングされていることを認識するであろう。ノード2のためのスケジューリングされる送信についての知識がないと、ノード3は、ノード3へのノード2の送信のためにt1を選ぶであろう。これは、RFSメッセージ内の制御ノードに報告されるだろう。ノード2およびノード3は互いに通信範囲の外側にあるので、制御ノードは、この提案されるスケジュールを受け入れ、割り当てメッセージを出すであろう。
ノード3からのダウンリンク送信がスケジューリングされると、ノード3は、次のシグナリングスロットs3をノード5に割り当てる。ノード4および5は同じシグナリングスロット(s3)を割り当てられるが、ノード3および5はノード2および4の通信範囲の外側にあるので競合はないことに留意されたい。
この場合、ノード3はノード2の通信範囲の外側にあることに留意されたい。しかしながら、そうではない場合、ノード3は、シグナリングスロットs1において受信された情報により、タイムスロットt2またはt4を選ぶであろう。さらに、ノード3は、規則S1Dに基づいてシグナリングスロットs5をノード5に割り当てたであろう。
リーフノード(子ノードを有しないノード)に到達すると、各リーフノードは、スケジュールすべき子ノードを有しないことを近隣ノードに知らせる。スケジューリングすべき子ノードを有しないことを近隣ノードに知らせるために、ノード4はシグナリングスロットs3を使用するが、ノード5および6はそれぞれシグナリングスロットs3およびs4を使用する。シグナリングメッセージのフォーマットが後で論じられる。最後に、シグナリングスロット上でのコリジョンの場合、ノードは規則S2DによりRFSメッセージを再送信する。
次に、ネットワークの中のすべてのノードに対してコントローラが別個のコマンドメッセージを有するシナリオを説明する。そのような場合に分散型のスケジュールを構築することは、コントローラにおける完全なネットワーク接続性情報を、またはネットワークの中の各ノードにおける部分的なネットワーク接続性情報を必要とすることに留意されたい。この仮定に基づいて、DLスケジュールを構築する提案される方法は、すべてのネットワークノードに対する別個のコマンドメッセージを送信するために拡張され得る。
第2の段階は、ダウンリンクデータ送信のものである。シグナリング交換を完了した後で、ダウンリンクデータ送信が、構築されたダウンリンクスケジュールにより開始する。閉ループサイクルはダウンリンクデータ送信とともに開始することに留意されたい。したがって、ダウンリンクシグナリング段階の継続時間はサイクルタイムに影響しない。ダウンリンクデータ送信を完了した後で、コントローラは、アップリンクスケジュールプロセスを開始するためのBuildコマンドを、ダウンリンクスケジュールを使用して送信することができる。
第3の段階は、アップリンクスケジュールを構築するためのシグナリングのものである。この段階の継続時間はサイクルタイムに影響するので、シグナリングオーバーヘッドを最小にすることが望ましい。DeAMONシステムは、GALLOPにおけるアップリンクスケジューリングに適応される。協調的なマルチユーザダイバーシティを組み込むための、新規の拡張も提案される。
ダウンリンクの場合とは異なり、DeAMONベースの手法に従うアップリンクスケジューリングでは、ノードはデフォルトの親からのタイムスロットを要求する。DeAMONでは、優先順位は、ノードのランク、トラフィック、およびIDに応じて各ノードに割り当てられる。同じ優先順位の概念がGALLOPに拡張され得る。代替的に、ダウンリンクシグナリング段階の間に取得される優先順位情報が、ネットワークの中のノードによって採用され得る。スケジュール構築段階は、順次的にリーフノードから開始する。スケジューリングプロセスの全体が、以下のように述べられるいくつかの規則に従う。
規則1U:任意のノードkが、Buildコマンドを受信すると、それがリーフノードである場合にのみ、アップリンクスケジューリングプロセスを開始する。
規則2U:規則1Dと同じであるが、アップリンクの場合に対するものである。
規則1Uおよび2Uに従い、ノード6および5が(アップリンクチャネルの)タイムスロットt0を選び、Request−for−Slots(RFS)メッセージを、シグナリングスロットs0においてデフォルトの親に送信する。この場合にノード2および3であるデフォルトの親は、次のように述べられる規則3Uにより、割振りを認めるために割り当て(ASG)メッセージを用いて応答する。
規則3U:任意の親ノードk’が、RFSメッセージを受信すると、そのローカル知識によれば競合を見出さない場合にのみ、要求される割振りを認める。それ以外の場合、親ノードは規則2Uに基づいて更新された割振りを用いて応答する。
近隣ノードは、ASGメッセージを傍受し、タイムスロット割振りの記録を保持する。ノード4はノード6に対するASGメッセージを傍受したので、ノード4はタイムスロットt1を選び、次のシグナリングスロットs1においてRFSメッセージをノード2に送信する。同様に、ノード5をスケジューリングした後で、ノード3は、シグナリングスロットs1において、コントローラからタイムスロットt1およびt2を要求する。それぞれのデフォルトの親が競合を見出さないので、それらは要求された割振りを認める。子ノードをスケジューリングした後で、ノード2は、ローカル知識に基づいて、シグナリングスロットs2においてコントローラからタイムスロットt2、t3およびt4を要求する。しかしながら、タイムスロットt2はすでにノード3に割り振られているので、コントローラは、タイムスロットt3、t4およびt5を割り当てることによって、更新された割振りを用いて応答する。
最後に、並列送信を可能にするために、以下の2つの規則を導入する。
規則4U:任意のノードkが、ランクが自身よりも低いノードjからASGメッセージを傍受すると、ローカル知識を更新し、kがjのデフォルトの親である場合にのみ、このASGメッセージをデフォルトの親に転送する。
規則5U:任意の親ノードk’が、RFSメッセージを受信すると、規則3Uに基づいて、およびそのローカル知識に基づく並列送信の可能性に基づいて、要求された割振りを認める。
第4の段階は、アップリンクデータ送信のものである。シグナリング交換を完了した後で、アップリンクデータ送信は、構築されたアップリンクスケジュールにより開始する。全体のサイクルタイムは、集中型の場合の10個のタイムスロットと比較して、13個のタイムスロットに等しいことに留意されたい。しかしながら、このサイクルタイムは、MAC層の再送信がない理想的なシナリオに対するものである。
図28は、ある構成による、より大きなトポロジーのための分散されたスケジューリングを示す。
GALLOPの第5の段階は、あらゆるMAC層の再送信を扱うためのものである。ENCLOSEと同様に、GALLOPは、マルチユーザダイバーシティ手法をMAC層の再送信に採用する。マルチユーザダイバーシティは、必要とされる信頼性の要件を満たすための重要な技法である。各親ノードは、子ノードのあらゆる送信を扱うことを担う。ENCLOSEでは、コントローラのみが、どのノードが再送信を必要とするかに関する情報を含むグループ肯定応答(G−ACK)メッセージを送信する。しかしながら、GALLOPでは、G−ACKは、各親ノードによって送信される必要がある。子ノードのいずれもが再送信する必要がない場合、G−ACKは送信されない。親はまた、再送信を要求する子ノードをある順序で並べる。送信の失敗は2つの異なるシナリオにおいて起こり得ることに留意されたい。
・シナリオ1:第1のシナリオでは、ノードからのアップリンク送信が親ノードによるダウンリンク情報の送信の成功の後に失敗した。
・シナリオ2:第2のシナリオでは、ノードからのアップリンク送信がダウンリンクの機能停止により失敗し、すなわちノードは親ノードからコマンドを何も受信しなかった。
GALLOPでは、各ノードは、M個の最強の近隣ノードに関する情報リストを保持する。ここでの近隣の概念は、アップリンク送信の間のノードにおける受信信号対雑音比(SNR)に関するものである。そのような情報は、親ノードからのG−ACKをリッスンした後で、中継ノードとして活動するためのノードの適格性を決定するためにノードにより使用される。
ENCLOSEとは異なり、GALLOPにおける再送信手順は、各親ノードがG−ACKを送信する必要がある(予想される応答が受信されない場合)という事実により複雑になる。したがって、効率的な分散型のスケジューリング機構が、前述のマルチユーザダイバーシティ手法を用いて再送信をスケジューリングするために必要である。
図29は、分散型のネットワークにおいて再送信を構成するためのスケジュールと信号とを示す。
再送信手順は次のように説明される。
規則S1R:任意の親ノードk’が、再送信のためのタイムスロットを要求するための子ノードからのRFSメッセージを受信すると、デフォルトの親ノードが制御ノードではない場合にのみ、デフォルトの親からのタイムスロットも要求する。
規則S2R:再送信スケジュールの構築のためのシグナリングが厳密に順次的であり、すなわちいずれの親ノードも子ノードのすべてをスケジューリングするまでスロットを要求しない。
まず、シナリオ1のための再送信手順を説明する。ノード4からノード2への送信が失敗した、すなわちノード2がスケジューリングされるタイムスロットにおいてノード4から何も受信しなかったと仮定する。ノード2は、シグナリングスロットs0上で、RFSメッセージを送信することによって、親ノードからネットワークコーディングチャネルの5つのタイムスロットt0〜t4を要求する。親ノードは、要求される割振りにおいて何も競合を検出しないので、ASGメッセージを用いて応答する。
再送信のためのタイムスロットを要求するためのシグナリング手順は、アップリンクスケジュールを構築するために利用されるものと同様の手法に従う。再送信プロセスは順次的な手法に従い、アップリンクスケジュールを構築する際に利用されるものと同じ優先順位の概念が、タイムスロットを要求するために使用される。
ノード2は、G−ACKを近隣ノードに送信するためにタイムスロットt0を使用する。シナリオ1の場合、アップリンク送信はダウンリンクの受信に成功した後で失敗した。したがって、どの近隣ノードもノード4からのアップリンク送信をリッスンした可能性が高い。ノード6がどの他の近隣ノードからの送信よりも高いSNRでノード4からのアップリンク送信を成功裏に復号したと仮定する。G−ACKをノード2からリッスンした後で、ノード6がG−RTS(GALLOP Request−to−Send)をタイムスロットt1において送信する。このメッセージは、あらゆる他のノードがノード4からのアップリンク送信の受信に成功したことをノード2に通知する。したがって、ノード2は、同じタイムスロットにおいて、G−CTS(GALLOP Clear−to−Send)メッセージを用いて応答する。
G−RTS/G−CTSの交換を傍受するノードは、それらの中で告知される継続時間の間、送信するのを控える。タイムスロットt2において、ノード6は、ネットワークコーディングされたメッセージ(NC−M)をノード2およびノード4に送信する。X2をノード2からのダウンリンクコマンドを表記するものとする。同様に、X4をノード4からのアップリンクメッセージを表記するものとする。中継ノードは異なるダウンリンクスロットおよびアップリンクスロットにおいてX2およびX4の復号に成功したことに留意されたい。したがって、これは
を作り出し、ここで
はXOR演算を示す。ノード2はすでにX2を知っているので、
を実行することによってX4を復号する。ネットワークコーディングのそのような実現は、「シンプルネットワークコーディング」(SNC)と名付けられる。
最後に、タイムスロットt3において、ノード2はこのメッセージをコントローラに転送する。しかしながら、ノード2がコントローラに直接接続されない場合、ノード2は、規則S1RおよびS2Rにより、シグナリング段階の間に追加のタイムスロットを要求したであろう。中継ノードは必ずしも、G−ACKを送信する親の子ノードである必要はないことに留意されたい。近隣の任意のノードがリレーとして活動することができる。
次に、シナリオ2のための再送信手順を説明する。G−ACKを送信した後で、ノード2は、ノード4からの送信がアップリンクにおいて成功した場合にG−RTSが潜在的な中継ノードから受信され得る、タイムアウト期間を設定する。このシナリオでは、アップリンクはダウンリンクの機能停止により失敗したので、ノード4からの送信は発生せず、したがって、適格性のあるノードがリレーとして活動できない。設定されたタイムアウト期間の後で、ノード2は、ノード4がダウンリンクを正しく受信しなかったと結論付ける。したがって、ノード2はダウンリンクにおいて再送信しなければならない。ダウンリンク送信をより堅牢にするために、協調的な手法が採用される。ノード2は、ダウンリンク送信のための中継ノードを選択する。適切な中継ノードの選択は、アップリンク送信の間に(段階4において)受信SNRに基づいて行われ得る。各ノードは、SNRに関してN個の最強のノードのリストを保持する。中継ノード(ノード6であると仮定される)を選択した後で、ノード2は、ノード4のIDとノード6の宛先アドレスとを含む、G−RTSメッセージを送信する。このG−RTSメッセージは、ノード4のための中継ノードとして活動することをノード6に通知する。したがって、ノード6はG−CTSメッセージを用いて応答する。G−RTS/G−CTSハンドシェイクに続くタイムスロット、すなわちt2において、ノード2とノード6の両方が同時に、コマンド信号X2をノード4に送信し、ノード4は組み合わされた受信メッセージに対してXNOR演算(XORの逆)を実行する。
XNOR演算は、親ノードと中継ノード(ノード6)の両方が同じメッセージを送信する場合にのみ、受信されたメッセージの復号に成功し、それ以外の場合には受信されたメッセージが廃棄されることを、確実にする。ネットワークコーディングのそのような実現は、「協調的な物理層ネットワークコーディング」(CPNC)と名付けられる。タイムスロットt3において、ノード4はアップリンクメッセージを送信する。最後に、タイムスロットt4において、ノード2はこのメッセージをコントローラに転送する。シナリオ1またはシナリオ2についての知識が演繹的に入手可能ではないので、ノード2は5つのタイムスロットを要求したことに留意されたい。しかしながら、シナリオ1では、タイムスロットt4は使用されず、コントローラであるノード2に親ノードは、ノード2からのG−CTSまたはG−RTSをリッスンした場合、シナリオ1とシナリオ2を区別することに基づいてローカル知識を更新することができる。
GALLOPはまた、ネットワークコーディングの機会主義的な使用を活用する。たとえば、シナリオ1の場合、図26において説明されるように、ノード2は、
となるようにノード4から受信された送信を符号化することができ、ここで
はXOR演算を示す。コントローラはすでにXCを知っているので、
を実行することによってX4を復号する。そのようなネットワークコーディング動作は、送信の誤り確率を下げる。
アップリンクにおいて使用されるシグナリング手法に従って、複数の親ノードからの再送信手順は並列に進行できることに留意されたい。そのような並列送信は、エンドツーエンドのレイテンシを減らす。GALLOPの第5段階は、すべての再送信が成功するまで続く。ダウンリンクおよびアップリンクと同様に、シグナリング段階は再送信段階に先行することに留意されたい。
加えて、アップリンクスケジューリングの間、以下のシグナリング規則も利用される。
規則S1U:アップリンクスケジュール構築のためのシグナリングが厳密に順次的であり、すなわちいずれの親ノードも子ノードのすべてをスケジューリングするまでスロットを要求しない。
規則S2U:任意のノードk∈Q(k≠シンク、k≠リーフノード)が、子ノードのすべてをスケジューリングした後で、kがjの最も優先順位の高い子ノードではない場合にのみ、RFSメッセージを親ノードに送信する前に少なくとも1つのタイムスロットの間待機する。
規則S3U:任意のノードk∈Q(k≠シンク)が、シグナリングスロットにおけるコリジョンを検出すると、ランダムなバックオフの後で決定されるシグナリングスロットにおいて、要求されるチャネルオフセットが1だけインクリメントされたRFSメッセージを再送信する。
シグナリングメッセージのフォーマット
異なるシグナリングメッセージのフォーマットおよび各メッセージ内に含まれる最小限の情報が次のように説明される。
RFS
・7ビットのソースノードアドレス
・7ビットの宛先ノードアドレス
・4ビットのメッセージタイプ
・S*ceil(log2(S))ビットのタイムスロット識別子;S=フレームの中のタイムスロットの総数
・N_ch*ceil(log2(N_ch))ビットのチャネル識別子;N_ch=チャネルの総数
・32ビットの巡回冗長検査(誤り検出のための)
・8ビットのガードインターバル
・Xビットの追加の情報(任意選択)
ASG
・7ビットのソースノードアドレス
・7ビットの宛先ノードアドレス
・4ビットのメッセージタイプ
・S*ceil(log2(S))ビットのタイムスロット識別子;S=フレームの中のタイムスロットの総数
・N_ch*ceil(log2(N_ch))ビットのチャネル識別子;N_ch=チャネルの総数
・32ビットの巡回冗長検査(誤り検出のための)
・8ビットのガードインターバル
・Xビットの追加の情報(任意選択)
G−ACK
・7ビットのソースノードアドレス
・4ビットのメッセージタイプ
・Yビットのメッセージ(再送信を要求する子ノードのID)
・32ビットの巡回冗長検査(誤り検出のための)
・8ビットのガードインターバル
・Xビットの追加の情報(任意選択)
G−RTS/G−CTS
・4ビットのメッセージタイプ
・7ビットの宛先アドレス
・7ビットのソースアドレス
・Xビットのメッセージ(ネットワークコーディング情報のための)
・8ビットの巡回冗長検査(誤り検出のための)
・8ビットのガードインターバル
ネットワークコーディングされるメッセージ(NC−M)
・4ビットのメッセージタイプ
・7ビットの宛先アドレス1
・7ビットの宛先アドレス2
・7ビットのソースアドレス
・Xビットのメッセージ(ネットワークコーディング情報のための)
・8ビットの巡回冗長検査(誤り検出のための)
・8ビットのガードインターバル
DLシグナリングメッセージ
・4ビットのメッセージタイプ
・7ビットのソースアドレス
・ceil(log2(S))ビットのタイムスロットの個数;S=フレームの中のタイムスロットの総数
・Yビットのメッセージ(スケジューリングされる子ノードのID)
・Xビットのメッセージ(次の利用可能なシグナリングスロット)
・8ビットの巡回冗長検査(誤り検出のための)
・8ビットのガードインターバル
周波数ホッピング
周波数ホッピングは、マルチパスフェージングと外部干渉とを軽減するのに、したがって、必要とされる信頼性の要件を達成するのに重要である。GALLOPでは、周波数ホッピングの2つの異なる方法を採用する。80MHzの利用可能な帯域幅が、各々1MHzの異なるチャネルへと区分される。利用可能なチャネルのセットは、アップリンクチャネル、ダウンリンクチャネル、シグナリングチャネル、およびネットワークコーディングチャネルへと区分される。
タイムスロット化されるチャネルホッピング
この場合、チャネルホッピングがタイムスロットレベルで実行される。アップリンク、ダウンリンク、シグナリング、または再送信に関連するタイムスロットのための実際のチャネルは、次の式に従って計算され、
ここでASNは絶対的なスロットの数であり、Ch_Offはチャネルオフセットであり、N_chはチャネルの総数を示す。
フェーズスロット化されるチャネルホッピング
この場合、チャネルホッピングがフェーズごとに実行される。アップリンク、ダウンリンク、シグナリング、または再送信に関連するタイムスロットのための実際のチャネルは、次の式に従って計算され、
ここでAPNは絶対的なフェーズの数であり、Ch_Offはチャネルオフセットであり、N_chはチャネルの総数を示す。広帯域の離隔を確実にするために、アップリンク、ダウンリンク、シグナリング、およびネットワークコーディングのフェーズの各々が20MHzだけ離隔されるので、Ch_Offはそれに従ってインクリメントされる。
GALLOP:性能評価
システムレベルのシミュレーションによる検討を通じてGALLOPの性能を評価する。ネットワークノードはある平均密度でエリアにポアソン分布していると仮定する。一般性を失うことなく、RPLがネットワーク層において動作していると仮定する。各ノードは、シンクノードからのユークリッド幾何学的距離に基づくランクを割り当てられる。ノードのペアの間の、周波数選択的なレイリーフェージングチャネルを考慮する。様々なトポロジーに対してモンテカルロシミュレーションを行い、様々なシナリオにおける性能を評価する。
ここで関心の対象である重要な性能の尺度はGALLOPのサイクルタイム(エンドツーエンドのレイテンシ)であり、それはマルチユーザダイバーシティ技法の信頼性はENCLOSEの文脈において広く評価されているからである。
図30は、ある構成の性能評価を示す。まず、GALLOPのサイクルタイムは閾値のSNRが増大するにつれて増大することに注意する。これは、送信の成功のための厳しい要件による、より多くの再送信が原因である。第2に、GALLOPは、コントローラから少なくとも5〜8ホップにわたって分布する、ネットワークの中の最高で100〜130個のノードに対して、閾値のSNRに応じた10〜30msのサイクルタイムの要件を満たすことが可能であることに注意する。
メッシュオートメーション環境における閉ループ制御の最も厳しい要件を満たすことに加えて、GALLOPは次の重要な利点をもたらす。
・GALLOPは、その分散型の性質によりプロセスオートメーション環境に対してスケーラブルな解決法を提供する。
・GALLOPは、ダウンリンクとアップリンクの両方において競合しない送信を並列化することによって、高いスループットをもたらす。
・GALLOPは、アップリンクとダウンリンクの両方における順次的なスケジューリングおよび並列送信により、ワイヤレスリソースの高い利用率をもたらす。
・GALLOPは、ハイブリッドのファクトリー/プロセスオートメーション環境において、ENCLOSEとともにシームレスに展開され得る。
・GALLOPは、ネットワークのための単一のコマンドメッセージ、または、コントローラによる個々のノードのための複数の別個のコマンドメッセージのいずれかに適合するので、汎用的なプロセスオートメーションへの応用をサポートする。
本明細書において説明される方法およびシステムは、ワイヤレスネットワークデバイスにおいて実装され得る。
図31Aは、ある構成によるワイヤレスノードの例を示す。これは、本明細書において説明されるワイヤレスノードまたはスレーブデバイスのいずれかの機能を実行することが可能である。
ワイヤレスノード600は、ワイヤレスネットワークインターフェース610と、アンテナ615と、メモリ630と、コントローラ620とを備える。ワイヤレスインターフェース610は、他のワイヤレスデバイスと通信するためにアンテナ615を介してワイヤレス信号を送信して受信するように構成される。コントローラ620は、本明細書において説明される機能を実行するためにワイヤレスノード600を制御するように構成される。
メモリ630は、コントローラ620によって実行されると、データを送信し、受信し、処理するために本明細書において説明されるステップをコントローラ620に行わせる、コンピュータ実行可能コードを記憶する。メモリ630は、傍受される送信、メッセージ、および/またはスケジューリングされる送信の記録を備え得る。
図31Bは、ある構成による中心ノードを示す。中心ノードは、ワイヤレスネットワークの外部のデバイスとの通信のために有線ネットワークインターフェース640を有することを除き、ワイヤレスノード600と同じである。このことは、中心ノードがシンクノードの機能を実行すること(ネットワークから出ていく送信を中継すること)または制御ノードの機能を実行すること(スレーブデバイスのネットワークを制御してスレーブデバイスの応答を中継するための命令を受信することによって)を可能にする。
いくつかの構成が説明されてきたが、これらの構成は単なる例として提示されたものであり、本発明の範囲を限定することは意図されていない。実際に、本明細書において説明される新規のデバイスおよび方法は、様々な他の形式で具現化されることがあり、さらに、本明細書において説明されるデバイス、方法、および製品の形態における様々な省略、置換、および変更が、本発明の趣旨から逸脱することなく行われ得る。添付の特許請求の範囲およびその均等物は、本発明の範囲および趣旨に該当するような形式または変更を包含することが意図される。

Claims (15)

  1. マルチホップワイヤレスネットワークにおいて第1のノードから1つまたは複数の子ノードの第1のセットへの1つまたは複数の送信のための送信スケジュールを決定するための方法であって、各ノードが対応する親ノードに対する子ノードであり、各子ノードが対応する親ノードを介して、シンクノードから発するメッセージを受信するように構成され、
    前記方法は、前記第1のノードの親ノードが、
    前記ネットワークの中のノード間の送信のためのスケジューリングされるタイムスロットを示す信号をリッスンし、信号が検出される場合、スケジューリングされる送信の記録を更新することと、
    1つまたは複数の子ノードの前記第1のセットの各々の子ノードへの送信のための1つまたは複数のタイムスロットを指定する予備的なスケジュールを前記第1のノードから受信することと、
    スケジューリングされる送信の前記記録に基づいて、前記予備的なスケジュールが、スケジューリングされる送信の前記記録の中のいずれかのスケジューリングされる送信と競合するであろう任意のスケジューリングされる送信を含むかどうか、または、前記予備的なスケジュールの長さがスケジューリングされる送信の前記記録の中のいずれの他のスケジューリングされる送信とも競合することなく低減され得るかどうかを、決定することと、
    競合があるであろうという決定、または前記予備的なスケジュールの前記長さが競合なしで低減され得るという決定に応じて、
    スケジューリングされる送信の前記記録の中の前記スケジューリングされる送信のいずれとも競合することなく、スケジューリングされるタイムスロットの数を最小にするスケジューリングされるタイムスロットのセットを決定することによって、前記第1のノードのための更新されたスケジュールを決定することと、
    前記更新されたスケジュールを前記第1のノードに送信して前記更新されたスケジュールを前記第1のノードに割り当てることと
    を備える、方法。
  2. 競合がないであろうという決定、または競合なしでは前記予備的なスケジュールの前記長さが低減され得ないという決定に応じて、信号を前記第1のノードに送信して前記予備的なスケジュールの割り当てを認めることをさらに備える、請求項1に記載の方法。
  3. マルチホップワイヤレスネットワークにおいて第1のノードのための送信スケジュールを決定するための方法であって、各ノードが対応する親ノードに対する子ノードであり、各子ノードが対応する親ノードを介して、シンクノードから発する1つまたは複数のメッセージを受信するように構成され、
    前記方法は、前記第1のノードが、
    前記ネットワークの中のノード間の送信のためのスケジューリングされるタイムスロットを示す信号をリッスンし、信号が検出される場合、スケジューリングされる送信の記録を更新することと、
    前記第1のノードの1つまたは複数の子ノードの各々への対応するメッセージの送信をスケジューリングするかどうかを決定することと、
    前記1つまたは複数の子ノードの各々に対して、前記それぞれの子ノードへの送信のための対応するタイムスロットを指定する予備的なスケジュールを決定することと、ここにおいて、前記予備的なスケジュールがスケジューリングされる送信の前記記録に基づく、 承認のために前記予備的なスケジュールを前記第1のノードの前記対応する親ノードに送信することと、
    前記対応する親ノードからの応答に基づいて、割り当てられるスケジュールを設定することと
    を備える、方法。
  4. 前記予備的なスケジュールを決定することが、スケジューリングされる送信の前記記録の中の前記スケジューリングされる送信のいずれとも競合することなく、スケジューリングされるタイムスロットの数を最小にするスケジューリングされるタイムスロットのセットを決定することを備える、請求項3に記載の方法。
  5. 前記応答が、前記予備的なスケジュールが前記対応する親ノードによって承認されたことを示し、または、前記対応する親ノードによって前記第1のノードに割り当てられる新しいスケジュールを提供する、請求項3または4に記載の方法。
  6. 前記第1のノードが前記第1のノードの前記1つまたは複数の子ノードに転送するよう要求される前記対応する親ノードから前記第1のノードへの1つまたは複数のスケジューリングされる送信を指定するスケジュールを前記対応する親ノードから受信したことに応じて、前記第1のノードが前記1つまたは複数の子ノードの各々への送信をスケジューリングすると決定する、請求項3から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記第1のノードが、スケジューリングするという決定に応じて、前記記録の中の他のスケジューリングされる送信との競合を回避する前記予備的なスケジュールを送信するためのシグナリングタイムスロットを決定することをさらに備え、前記予備的なスケジュールが前記シグナリングタイムスロットの間に送信される、請求項3から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記第1のノードが、承認のための前記対応する親ノードへの前記予備的なスケジュールの前記送信が前記ネットワークの中の別の送信と衝突したことの検出に応じて、スケジューリングされる送信の前記記録によれば空いている次のシグナリングタイムスロットの間に前記予備的なスケジュールを再送信することを備える、請求項7に記載の方法。
  9. 前記予備的なスケジュールを送信するための前記シグナリングタイムスロットが、前記対応する親ノードによって前記第1のノードに割り当てられる優先順位に基づいて決定され、前記優先順位が、前記対応する親ノードの他の子ノードに対するスケジューリング優先順位を示す、請求項7または8に記載の方法。
  10. 前記シグナリングタイムスロットが、前記対応する親ノードによって前記第1のノードに通信される次の利用可能なシグナリングタイムスロットに基づいて決定される、請求項9に記載の方法。
  11. 前記第1のノードが、送信スケジュールが前記第1のノードに割り当てられることに応じて、前記割り当てられるスケジュールを前記1つまたは複数の子ノードの各々に送信することと、対応する割り当てられる優先順位を前記1つまたは複数の子ノードの各々に送信することとをさらに備える、請求項7から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記1つまたは複数の子ノードの各々ための前記対応する割り当てられる優先順位が、前記1つまたは複数の子ノードの各々に割り当てられる固有のノードIDに基づいて前記第1のノードによって決定され、各々の固有のノードIDが、前記シンクノードからの前記それぞれの子ノードの距離に基づく、請求項11に記載の方法。
  13. スケジューリングされる送信の前記記録に基づいて予備的なアップリンクスケジュールを決定することによって前記シンクノードへの送信のためのアップリンクスケジュールを決定することと、前記予備的なアップリンクスケジュールを前記対応する親ノードに送信することと、前記対応する親ノードからの応答に基づいて割り当てられるアップリンクスケジュールを設定することとをさらに備える、請求項3から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記第1のノードが、
    他のノード間の通信をリッスンすることと、
    他のノード間の通信が意図される受信者によって受信に失敗したかどうかを決定することと、
    通信が失敗したという決定に応じて、前記失敗した通信を意図される受信者に送信するのを試みることと
    をさらに備える、請求項3から12のいずれか一項に記載の方法。
  15. ワイヤレスノードであって、
    ワイヤレスネットワークの中の他のノードとワイヤレスに通信するように構成されるワイヤレス送受信機と、
    メモリと、
    請求項1から14のいずれか一項に記載の方法を実行するように前記ワイヤレスノードを制御するように構成されるコントローラと
    を備える、ワイヤレスノード。
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