JP6529822B2 - トリプタン系化合物を含有する口腔内崩壊錠 - Google Patents

トリプタン系化合物を含有する口腔内崩壊錠 Download PDF

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本発明は、トリプタン系化合物を含有する口腔内崩壊錠に関する。
頭痛の症状の中でも多く見られる病態に、片頭痛という疾患がある。片頭痛の症状としては、頭の片側又は両側に拍動を伴って長時間痛みが持続し、ひどい時は吐き気や嘔吐を伴うこともある。このような片頭痛の原因ははっきりとは判明していないが、ホルモンバランスのくずれなどによって、頭部の血管が拡張するために片頭痛が生じると考えられている。
片頭痛の治療や予防について、ゾルミトリプタン、リザトリプタン、エレトリプタン、スマトリプタンなどのトリプタン系化合物が、有効な片頭痛治療や予防の有効成分として知られている(例えば、特許文献1など)。トリプタン系化合物は、セロトニン受容体(5−HT受容体)、特に、脳血管に存在する5−HT1B受容体と5−HT1D受容体という2つの受容体に作用することによって、血管が広がってしまっている片頭痛の状態を改善できると考えられている。
また、トリプタン系化合物は、片頭痛が始まった時に服用する機会が多いため、トリプタン系化合物を含む医薬製剤の剤型としては、携帯し易く、片頭痛が始まった時すぐに服用できる口腔内崩壊錠が望まれている。例えば、特許文献2及び3には、コハク酸スマトリプタン又はゾルミトリプタンといったトリプタン系化合物を含む口腔内崩壊錠が開示されている(特許文献2の実施例3及び特許文献3の実施例26参照)。
口腔内崩壊錠は、口腔内で速やかに溶解または崩壊させて服用できる錠剤であり、適切な崩壊性を有する必要がある。そこで、特許文献2及び3に開示のトリプタン系化合物を含む口腔内崩壊錠では、クロスポピドンを崩壊剤として含有することで、口腔内における適切な崩壊性が確保されている。
特表平05−502679号公報 特表2010−540588号公報 特開2009−114113号公報
しかしながら、特許文献2及び3に開示のトリプタン系化合物を含有する口腔内崩壊錠は、錠剤中でトリプタン系化合物から類縁物質(N−オキシド体)が生成するとの問題がある。
このため、トリプタン系化合物を含有する口腔内崩壊錠において、錠剤中でのトリプタン系化合物の類縁物質の生成を抑制することが望まれている。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、従来よりも錠剤中のトリプタン系化合物の安定性に優れたトリプタン系化合物含有の口腔内崩壊錠を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に鑑みて鋭意検討を行った結果、トリプタン系化合物を含む口腔内崩壊錠における崩壊剤として従来使用されてきたクロスポピドンに、類縁物質(N−オキシド体)生成の要因があることを突き止め、デンプン由来の崩壊剤を使用し、かつ、クロスポピドンを含まないようにすることで、口腔内崩壊錠として適切な崩壊性が確保されるとともに、類縁物質(N−オキシド体)の生成が抑制されることを見出した。
すなわち、本発明の一態様に係る口腔内崩壊錠は、トリプタン系化合物とデンプン由来の崩壊剤とを含み、かつ、クロスポビドンを含まないことを特徴とする。
また、上記口腔内崩壊錠において、前記デンプン由来の崩壊剤が、部分アルファ化デンプン及びトウモロコシデンプンから選択される少なくとも1つであることが好ましい。
さらに、上記口腔内崩壊錠において、前記デンプン由来の崩壊剤の含有率が、口腔内崩壊錠中5〜40質量%の範囲内であることが好ましい。
また、上記口腔内崩壊錠において、前記デンプン由来の崩壊剤として、部分アルファ化デンプンを1〜20質量%含むことが好ましい。
さらに、上記口腔内崩壊錠において、前記デンプン由来の崩壊剤として、部分アルファ化デンプンとトウモロコシデンプンとを、1:1〜1:20の質量比で含むことが好ましい。
上記口腔内崩壊錠において、前記トリプタン系化合物が、ゾルミトリプタン、リザトリプタン、エレトリプタン、スマトリプタン及びこれらの薬学的に許容される塩からなる群から選択される化合物であることが好ましい。
本発明によれば、錠剤中のトリプタン系化合物の安定性に優れた、トリプタン系化合物含有の口腔内崩壊錠を提供することができる。
実施例1、2および比較例1にかかる錠剤におけるゾルミトリプタンの類縁物質(N−オキシド体)の生成量(%)の経時変化を示す図である。 実施例3、4および比較例2にかかる錠剤おけるリザトリプタン安息香酸塩の類縁物質(N−オキシド体)の生成量(%)の経時変化を示す図である。
以下、本発明に係る実施形態について説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
本実施形態の口腔内崩壊錠は、トリプタン系化合物とデンプン由来の崩壊剤とを含み、かつ、クロスポビドンを含まないことを特徴とする。
このような構成により、類縁物質であるN−オキシド体の生成が抑制され、製剤として安定な、トリプタン系化合物を含有する口腔内崩壊錠を得ることができる。よって、本実施形態の口腔内崩壊錠は、比較的長期間保存しても有効成分を安定に保つことが可能であるため、産業利用上非常に有用である。
本実施形態の口腔内崩壊錠において主薬となるトリプタン系化合物は、片頭痛等の治療・予防のための有効成分として知られている公知の化合物である。
なかでも、本実施形態の口腔内崩壊錠では、主薬(有効成分)として、ゾルミトリプタン、リザトリプタン、エレトリプタン、スマトリプタン及びこれらの薬学的に許容される塩からなる群から選択される化合物を使用することが好ましい。これらのトリプタン系化合物を用いた場合、本発明の効果がより発揮されると考えられる。
ゾルミトリプタンは、化学名(S)−4−[[3−[2−(ジメチアミノエチル)]−lH−インドール−5−イル]メチル]−2−オキサゾリジノンであり、リザトリプタンは、化学名3−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−5−(1H −1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)インドールであり、エレトリプタンは、化学名:(+)−(R)−3−(1−メチルピロリドン−2−イルメチル)−5−(2−フェニルスルフォニルエチル)−1H−インドールであり、スマトリプタンは、化学名:3−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−N−メチルインドール−5−メタンスルホンアミドある。
これらのトリプタン系化合物の薬理的に許容される塩としては、例えば、薬理的に許容される酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩、アミノ酸付加塩等があげられる。
本実施形態の口腔内崩壊錠におけるトリプタン系化合物の配合量は、ヒト患者に対するトリプタン系化合物の日用量が、通常、1〜70mg(1回に又は分割して)程度となるような配合量にすることが好ましい。
よって、本実施形態のトリプタン系化合物の口腔内崩壊錠剤には1〜20mgの主薬が含まれ、これを必要に応じて一回につき1錠もしくは2錠以上ヒト患者に投与することができる。なお、各患者にとって適切な実際の用量は、その患者の年齢、体重及び症状などによって適宜設定することが可能である。
次に、本実施形態において、「クロスポビドンを含まない」とは、口腔内崩壊錠の中に実質的にクロスポビドンが含まれていないことを意味し、より具体的には、クロスポビドンの含有率が錠剤内に0.1質量%以下であることを指す。クロスポビドンを含む場合(クロスポビドンが錠剤内に0.1質量%を超えて含まれる場合)、本実施形態の主薬であるトリプタン系化合物の類縁物質(N−オキシド体)が生成されてしまい、口腔内崩壊錠中のトリプタン系化合物量の安定性が悪くなる。クロスポビドンの含有率が錠剤内に0.1質量%以下であって、実質的に含有されていなければ、前記類縁物質の生成は抑制され、長期保存してもトリプタン系化合物の安定性が良好な口腔内崩壊錠を得ることが可能となる。
また、本実施形態の口腔内崩壊錠は、崩壊剤としてデンプン由来の崩壊剤を含有することを特徴とする。デンプン由来の医薬製剤の崩壊剤として使用できるものであれば特に限定なく用いることができるが、具体的には、例えば、部分アルファ化デンプン、トウモロコシデンプン、アルファ化デンプン、バレイショデンプン、ヒドロキシプロピルスターチ等が挙げられる。
なかでも、デンプン由来の崩壊剤として、部分アルファ化デンプン又はトウモロコシデンプンのうち少なくとも一方を含んでいることが好ましい。
それにより、本実施形態における錠剤中のトリプタン系化合物の安定性向上の効果がより確実に得られるといった利点がある。
本実施形態の口腔内崩壊錠におけるデンプン由来の崩壊剤の含有率(配合率)は、口腔内崩壊錠中において、5〜40質量%の範囲内であることが好ましく、15〜30質量%の範囲内であることがさらに好ましい。デンプン由来の崩壊剤の含有率が5〜40質量%の範囲内であれば、優れた崩壊性及び硬度を有するといった利点がある。デンプン由来の崩壊剤の含有率が5質量%未満となると、崩壊性の遅延及び硬度低下、加温・加湿条件下での崩壊遅延を起こすおそれがある。一方、デンプン由来の崩壊剤の含有率が40質量%を超えると、加温・加湿条件下での硬度低下等を起こす場合がある。
より好ましい実施態様としては、口腔内崩壊錠において、前記デンプン由来の崩壊剤として、部分アルファ化デンプンを1〜20質量%含むことが望ましく、2〜10質量%含むことがより望ましい。それにより、口腔内崩壊錠における崩壊性や硬度により優れると考えられる。
また、別の好ましい実施態様としては、口腔内崩壊錠において、前記デンプン由来の崩壊剤として、部分アルファ化デンプンとトウモロコシデンプンとを両方含み、かつ、部分アルファ化デンプンとトウモロコシデンプンの配合比が、1:1〜1:20の質量比であることが望ましく、1:2〜1:10の質量比であることがより望ましい。それにより、口腔内崩壊錠において優れた崩壊性や硬度がより確実に得られると考えられる。
本実施形態の口腔内崩壊錠には、上記成分以外にも、薬学的に許容される添加剤を本発明の効果を損なわない範囲内で、必要に応じて適宜配合することができる。
具体的な添加剤としては、例えば、乳糖、D−マンニトール、エチルセルロース、軽質無水ケイ酸、微結晶性セルロース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウム及びグリシンのような賦形剤;上記以外の崩壊剤(クロスポビドンを除く);アステルパーム、等の甘味料;I−メントール、ヨーグルトミクロン、パイナップルミクロン、ペパーミントミクロン、レモンミクロンなどの香料;黄色三二酸化鉄、酸化チタン、三二酸化鉄等の着色剤・遮光剤;ステアリン酸マグネシウム、ベヘン酸グリセリル及びタルクのような滑沢剤;ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の水溶性高分子、ショ糖、ゼラチン等の顆粒化結合剤等を配合することができる。
本実施形態のトリプタン系化合物を含有する口腔内崩壊錠は、5−HT受容体、及び特に5−HT1B/1D受容体の選択的アゴニストに関する疾患の治療及び/又は予防のために有効に用いることができる。そのような疾患としては、片頭痛、反復性片頭痛、高血圧、うつ、嘔吐、不安、摂食障害、肥満、薬物乱用、群発頭痛、疼痛、慢性発作性片頭痛及び血管障害に付随する頭痛等が包含される。
次に、本実施形態のトリプタン系化合物を含有する口腔内崩壊錠の製造方法としては、特に限定されず、公知の方法を利用することができ、例えば、上述した口腔内崩壊錠を構成する各成分を混合後、錠剤として成形する方法等が挙げられる。
具体例としては、次に示す方法により、口腔内崩壊錠を製造することができる。まず、崩壊剤、賦形剤、着色剤、遮光剤等を含む顆粒成分を用い、公知の流動層造粒法により造粒物(顆粒)を得る。そして、得られた顆粒を整粒機等を用いて整粒し、整粒末を得る。次に、賦形剤、甘味料、香料、着色剤、遮光剤、滑沢剤等を含む打錠用成分と、原薬であるトリプタン系化合物と、上記整粒末とを、ボーレコンテナミキサー等を用いて混合し、打錠用顆粒末を得る。そして、打錠用顆粒末を打錠し、錠剤を得る。
打錠は圧縮成形によって行うことが好ましく、例えば、錠剤の成形に使用する打錠用臼、打錠用上杵及び下杵を用い、油圧式ハンドプレス機、単発式打錠機又はロータリー式打錠機等を利用することができる。打錠圧力は、製造する口腔内崩壊錠としての錠剤重量に応じて、適宜設定することができる。
本実施形態の口腔内崩壊錠の形状は、特に限定されないが、円盤状、ドーナツ状、多角形板状、球状、楕円状等の形状とすることが可能である。
上記のようにして得られた本実施形態の口腔内崩壊錠は、崩壊試験法(第十六改正日本薬局方)での崩壊時間が60秒以内、さらには30秒以内であること、及び、錠剤硬度計により測定された硬度が20N以上、さらには40N以上であることが好ましい。なお、本発明でいう口腔内崩壊錠には、第十六改正日本薬局方に記載された口腔内で速やかに溶解または崩壊させて服用できる口腔内崩壊錠だけでなく、速崩壊錠も含まれる。
崩壊試験法については、第十六改正日本薬局方に記載の崩壊試験方法に準じて行うことが可能である。また、硬度については、例えば、ERWEKA社製の錠剤硬度計TBH425等を用いて測定することができる。
以下に、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜6、比較例1および2)
下記表1に、実施例1〜6、比較例1および2に示す錠剤の処方を示す。表1に示す通り、実施例1、2、5、および6、並びに、比較例1では、原薬であるトリプタン系化合物としてゾルミトリプタンを使用し、実施例3および4、ならびに比較例2では、原薬であるトリプタン系化合物として、リザトリプタン安息香酸塩を使用した。
Figure 0006529822
実施例1〜6、比較例1および2の錠剤は、次に示す方法により製造した。すなわち、まず、表1に示す顆粒成分を用い、流動層造粒法により、造粒物(顆粒)を得た。次に、得られた顆粒を整粒機(株式会社パウレック製の湿式乾式整粒機(クワドロコーミル)「QC−197S」)を用いて整粒し、整粒末を得た。そして、前記整粒末、原薬、及び打錠用成分を、ボーレコンテナミキサー(コトブキ技研工業株式会社製の「LM−20」)を用いて混合し、打錠用顆粒末を得た。そして、前記打錠用顆粒末を、ロータリー式打錠機(株式会社菊水製作所社製の「VIRG0512SS2AZ」)を用いて打錠し、目的の錠剤を得た。
なお、実施例1〜2、および比較例1では、78.5MPaの打錠圧力で、直径7.0mm、1錠の重さ135mgとなるように打錠し、実施例3では、98.1MPaの打錠圧力で、直径8.0mm、1錠の重さ180mgとなるように打錠し、実施例4および比較例2では、117.7MPaの打錠圧力で直径9.0mm、1錠の重さ270mgとなるように打錠し、これにより得られた実施例1〜4、比較例1および2の錠剤について、以下のようにして、トリプタン系化合物の安定性試験を実施した。
(安定性試験1)
上記で得られたゾルミトリプタンを含む実施例1、2及び比較例1の錠剤を、温度40℃、湿度75%の環境下で、PE瓶(開放)で一定期間保存した。
そして、実施例1の錠剤では、0箇月、0.25箇月、1箇月、1.5箇月経過後の錠剤について、それぞれ類縁物質であるN−オキシド体の生成量を調べた。実施例2では、0箇月、0.125箇月、0.25箇月、0.5箇月、2箇月経過後の錠剤について、比較例1では、0箇月、0.25箇月、0.5箇月、1箇月経過後の錠剤について、それぞれN−オキシド体の生成量を調べた。
ゾルミトリプタンの類縁物質(N−オキシド体)の生成量は、UPLC分析法により測定した。そして、ゾルミトリプタンの類縁物質の生成量を、UPLCのゾルミトリプタンに由来する全ピーク面積中の類縁物質のピーク面積の割合(%)で表した。本測定に使用した試料溶液、および、UPLCの測定条件は以下の通りである。
〔試料溶液〕:
錠剤1錠を投入した50mLの褐色遠沈管に、水2.5mLを加えて錠剤を崩壊させた後、さらにアセトニトリル2.5mLを加えて10分間振とうさせた。前記褐色遠沈管中の液を、ADVANTEC製のDISMIC(登録商標)25HPにてろ過し、初流1mLを除いた残りのろ液を試料溶液とした。
〔UPLC測定条件〕:
測定波長:225nm(検出器:紫外可視吸光光度計)
カラム:内径2.1mm、長さ100mmのステンレス管に1.7μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリカゲルを充填したもの。
カラム温度:30℃
移動相A:水1000mLに蟻酸アンモニウム1.26gを加え、n−プロピルアミンを1mL加えたもの。
移動相B:アセトニトリル
注入量:2μL
流量:0.4mL/分
以上の結果を表2および図1に示す。なお、表2中の各数値の単位は(%)である。
Figure 0006529822
図1および表2に示されるように、デンプン由来の崩壊剤(部分アルファ化デンプンおよび/またはトウモロコシデンプン)を含み、且つ、クロスポビドンを含まない実施例1および2の錠剤は、クロスポビドンを崩壊剤として含む比較例1の錠剤と比べて、経時での類縁物質の生成量が極めて少なく、トリプタン系化合物(ゾルミトリプタン)の安定性に優れることが認められた。
(安定性試験2)
上記で得られたリザトリプタン安息香酸塩を含む実施例3、4及び比較例2の錠剤を、温度70℃、湿度なりゆきの環境下で、PE瓶(密閉)で一定期間保存した。
そして、それぞれの錠剤において、0日、3日、6日、9日経過後の錠剤について、それぞれ類縁物質であるN−オキシド体の生成量を調べた。
リザトリプタンの類縁物質(N−オキシド体)の生成量は、HPLC分析法により測定した。そして、リザトリプタンの類縁物質の生成量を、HPLCのリザトリプタンに由来する全ピーク面積中の類縁物質のピーク面積の%で表した。本測定に使用した試料溶液、および、HPLCの測定条件は以下の通りである。
〔試料溶液〕:
錠剤1錠を投入した10mLの褐色遠沈管に、水/アセトニトリル/トリフルオロ酢酸混合液(840:160:1)を加えて、10分間振とうさせて、前記錠剤を崩壊させた。前記褐色遠沈管中の液を、孔径が0.45μmのMERCK製のMillex−LHにてろ過し、初流5mLを除いた残りのろ液を試料溶液とした。
〔HPLC測定条件〕:
測定波長:280nm(検出器:紫外線吸光光度計)
カラム:内径4.6mm、長さ25cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリカゲルを充填したもの。
カラム温度:30℃
移動相A:水/アセトニトリル/トリフルオロ酢酸(840:160:1)
移動相B:アセトニトリル/トリフルオロ酢酸(1000:1)
注入量:20μL
流量:1mL/分
以上の結果を表3および図2に示す。なお、表3中の各数値の単位は(%)である。
Figure 0006529822
表3および図2に示されるように、デンプン由来の崩壊剤(部分アルファ化デンプンおよびトウモロコシデンプン)を含み、且つ、クロスポビドンを含まない実施例3および4の錠剤は、クロスポビドンを崩壊剤として含む比較例2の錠剤と比べて、経時での類縁物質の生成量が極めて少なく、トリプタン系化合物(リザトリプタン)の安定性に優れることが認められた。
(錠剤の硬度および崩壊性試験)
実施例1、5および6で得られた錠剤について、硬度および崩壊性を試験した。具体的には、実施例1、5、6について、58.8MPa、68.6MPa、78.5MPaの打錠圧力(打圧)にて打錠を行って得られる各錠剤の硬度(N)、崩壊時間(sec)を測定した。硬度については、錠剤硬度計(ERWEKA社製の錠剤硬度計TBH425)を用いて、n=5で測定し、平均値を採用した。崩壊性については、崩壊試験方法(第十六改正日本薬局方)に基づいて、n=3で測定し、平均値を採用した。
結果を表4示す。
Figure 0006529822
表4に示すように、実施例1、5、および6の錠剤は、いずれも、デンプン由来の崩壊剤の含有率が5〜40質量%の範囲内で、部分アルファ化デンプンの含有率が1〜20質量%の範囲内で、部分アルファ化デンプンとトウモロコシデンプンの質量比が、1:1〜1:20の範囲内のものである。これら実施例1、5、および6の錠剤はいずれも、40N以上の高い硬度を有し、且つ、30秒以内と短い時間で崩壊し、口腔内崩壊錠として優れた特性を有するものであると認められた。
なお、実施例2〜4の錠剤も、実施例1、5、および6の錠剤と同様に、デンプン由来の崩壊剤を5〜40質量%含有しており、口腔内崩壊錠として適切な硬度および崩壊性を有する。
(考察)
以上の結果から明らかなように、本発明の口腔内崩壊錠は錠剤中のトリプタン系化合物の安定性が非常に良好であることが示された。一方、従来、崩壊剤として使用されていたクロスポビドンを使用した比較例では、比較的早い段階でトリプタン系化合物の類縁物質であるN−オキシド体が生成してしまい、トリプタン系化合物の安定性に劣る錠剤であった。
さらに、デンプン由来の崩壊剤の含有率、特に、部分アルファ化デンプンの配合割合及び/または部分アルファ化デンプンとトウモロコシデンプンとの質量比を所定の範囲とすることにより、より優れた崩壊性や硬度を有する口腔内崩壊錠が得られることも確認された。

Claims (5)

  1. トリプタン系化合物とデンプン由来の崩壊剤とを含み、かつ、クロスポビドンを含まず、前記デンプン由来の崩壊剤として、部分アルファ化デンプンを1〜20質量%含むことを特徴とする口腔内崩壊錠。
  2. 前記デンプン由来の崩壊剤が、さらにトウモロコシデンプンを含む、請求項1に記載の口腔内崩壊錠。
  3. 前記デンプン由来の崩壊剤の含有率が、口腔内崩壊錠中5〜40質量%の範囲内である、請求項1又は2に記載の口腔内崩壊錠。
  4. 前記デンプン由来の崩壊剤として、部分アルファ化デンプンとトウモロコシデンプンとを、1:1〜1:20の質量比で含む、請求項2又は3に記載の口腔内崩壊錠。
  5. 前記トリプタン系化合物が、ゾルミトリプタン、リザトリプタン、エレトリプタン、スマトリプタン及びこれらの薬学的に許容される塩からなる群から選択される化合物である、請求項1〜のいずれかに記載の口腔内崩壊錠。
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