JP6527498B2 - シリコーンゴム成形体の劣化抑制方法、劣化抑制剤および害虫忌避材 - Google Patents

シリコーンゴム成形体の劣化抑制方法、劣化抑制剤および害虫忌避材 Download PDF

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Description

本発明は、シリコーンゴム成形体の劣化、特に硬度低下を抑制するシリコーンゴム成形体の劣化抑制方法、劣化抑制剤および害虫忌避材に関する。
従来、蚊、ハエ類などの飛翔害虫に対して、忌避成分として揮散性の天然精油や、その組成成分を用いることが検討されている。例えば、特許文献1には、有効成分としてオレンジ油、カシア油等の天然精油を担体に保持させ、閉鎖空間に常温蒸散させることにより害虫の飛来及び吸血行動を抑制させることが記載されている。
一方、ゴムの成形体に害虫忌避成分を担時させ、これを身体などに装着することにより、害虫の飛来を防止する製剤が知られている。特に、シリコーンゴムは、耐薬品性、ガス透過性、伸縮性に優れることから、身体等に装着して用いるのに適している。
シリコーンゴム成形体に薬剤、特に精油等の香料を含有させたものとして、例えば、特許文献2には、シリコーンゴム成形品を香料に浸漬させた香料含浸シリコーンゴム成形品が記載されている。
しかし、精油や香料等の芳香性成分を含有したシリコーンゴム成形体は、芳香性成分等の影響を受けやすく、経時的にシリコーンゴムが劣化(特に硬度が低下)するという問題がある。
特開2002−173407号公報 特開平8−311216号公報
本発明の課題は、シリコーンゴム成形体の劣化抑制方法、劣化抑制剤および害虫忌避材を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った結果、以下の構成からなる解決手段を見出し、本発明を完成するに至った。
(1)シリコーンゴム成形体に、シリコーンゴム劣化成分と共に、シトロネラールを含有させることを特徴とする、シリコーンゴム成形体の劣化抑制方法。
(2)前記シリコーンゴム劣化成分が芳香性成分及び/又は害虫忌避成分である(1)に記載の劣化抑制方法。
(3)シトロネラールを有効成分とする、シリコーンゴム成形体の劣化抑制剤。
(4)シトロネラールを含むシリコーンゴム成形体の劣化抑制剤および害虫忌避成分をシリコーンゴム成形体に担持させたことを特徴とする害虫忌避材。
種々の精油や香料成分等の芳香性成分や害虫忌避成分がシリコーンゴムを劣化させるものであり、本発明によれば、これらのシリコーンゴムを劣化させる成分と共に、シトロネラールをシリコーンゴム成形体に含有させることにより、シリコーンゴム成形体の劣化(硬度低下等)を有効に抑制することができる。
また、精油や香料成分等の害虫忌避成分と共に、シトロネラールを含有する劣化抑制剤をシリコーンゴム成形体に担持させることにより、シリコーンゴム成形体の劣化(硬度低下等)を抑制した害虫忌避材を提供することができる。
<シリコーンゴム成形体の劣化抑制方法>
本発明に係るシリコーンゴムの劣化抑制方法は、シリコーンゴム成形体に、シリコーンゴム劣化成分と共に、シトロネラールを含有させるものである。すなわち、シトロネラールは劣化抑制剤の有効成分として機能する。
シリコーンゴム成形体は、シリコーンゴムを成形加硫して得られるものであり、種々の形態に成形して使用される。使用するシリコーンゴムとしては、耐薬品性、ガス透過性等に優れ、シリコーンゴム劣化成分やシトロネラールを保持しうるものであり、特に香料等の芳香性成分の保持・発散に優れる。
使用するシリコーンゴム成形体は、特に制限されないが、ゴム硬度が65度以下であるのが好ましい。ゴム硬度は、硬度計(例えば、デュロメータ・タイプA)を用いて測定することができる。
シリコーンゴムは、室温硬化型、加熱硬化型、縮合タイプ、付加タイプ等のいずれもが使用可能である。シリコーンゴムの成形は、通常、シリコーンコンパウンドまたは液状シリコーンに、イオウ等の加硫剤、シリカ等の添加剤等を添加して加硫成形される。
なお、シリコーンゴム成形体に含有される後述の芳香性成分及び/又は害虫忌避成分の揮散量は、シリコーンゴムの架橋密度を調整したり、添加剤として用いるシリコーンオイルその他の添加量を調整したりすることでコントロールすることができる。
シリコーンゴム成形体には、他の種類のゴム、例えばフッ素系ゴム等が含まれていてもよい。
シリコーンゴム成形体を劣化させるシリコーンゴム劣化成分(以下、劣化成分と略称することがある)とは、シリコーンゴム成形体を浸漬したとき、未浸漬品に対する硬度が低くなるもの、特に後述の実施例に記載の条件において硬度維持率が90%未満となるものをいう。
上記劣化成分としては、例えば、実施例で使用した1,8−シネオール、リナロール等の香料成分、ラベンダー油、ハッカ油などの精油、およびこれらの混合品等が挙げられるが、これらのみに限定されるものではなく、シリコーンゴム成形体の硬度を90%未満に低下させる全ての薬剤が含まれる。例えば、上記劣化成分以外にも、テルピネオール、ゲラニオール、ジヒドロミルセノール、ボルネオール、メントール、シトロネロール、ネロール、エチルリナロール、チモール、オイゲノール等も劣化成分として挙げられる。これらは、単独で使用される他、任意に組み合わせて使用されることがある。
また、飛翔害虫忌避成分として知られている香料成分、例えば、ベンジルベンゾエート、シンナミルフォーメート、ゲラニルフォーメート等のエステル、リモネン、メントン、カルボン、プレゴン、カンファー、ダマスコン、シトラール、ネラール、ペリラアルデヒド等のモノテルペン、フェニルエチルアルコール、ジフェニルオキサイド、インドールアロマ等を適宜添加してもよい。さらには、上記香料成分を含む種々の精油類、例えば、ジャスミン油、ネロリ油、ベルガモット油、オレンジ油、ゼラニウム油、プチグレン油、レモン油、レモングラス油、シナモン油、ユーカリ油、レモンユーカリ油、タイム油等も劣化成分となりうる。尚、本発明において劣化抑制の有効成分であるシトロネラールは害虫忌避成分として知られている。
シリコーンゴム成形体に、上記劣化成分と共に、シトロネラールを含有させることにより、後述の実施例に記載の条件において、シリコーンゴム成形体の硬度を、未浸漬品に対して90%以上維持することができ、硬度が低下して劣化するのを抑制することができる。なお、シトロネラールを単独でシリコーンゴム成形体に含有させた場合であっても、同様に90%以上の硬度を維持することができる。
使用するシトロネラールは、シトロネラール油であっても構わないし、シトロネラールを含有する精油、例えばシトロネラ油やレモンバーム油等を使用してもよい。
シトロネラールは香料成分であり、通常、調合香料の構成成分として、他の香料構成成分と混合して使用される。従って、シリコーンゴム成形体に調合香料を含有させる際に、調合香料に劣化成分が配合されていたとしても、当該調合香料にシトロネラールを配合することにより、シリコーンゴム成形体の劣化を抑制することができる。
シリコーンゴム成形体に、シリコーンゴム劣化成分と共に、シトロネラールを含有させるには、従来公知の方法を適宜採用することができる。例えば、シリコーンゴム成形体の表面積が大きい場合は、薬液分注方式や塗布方式によって担持させる。ゴム成形体の表面積が小さい場合は、多数個のゴム成形体を密閉容器に入れ、これに必要に応じて溶剤と共に上記薬剤を加えて噴霧または滴下し、ゴム成形体に浸透させる。さらに、上記薬剤の液中にゴム成形体を浸漬させたりすればよい。
その際、シリコーンゴム劣化成分とシトロネラールは、同時に、または別々に塗布、噴霧、滴下、浸漬などを行えばよい。
シリコーンゴム成形体に対するシリコーンゴム劣化成分とシトロネラールの配合量は、使用用途、使用期間、シリコーンゴム成形体の種類やその仕様等によって適宜決定すればよい。
一般には、シトロネラールの配合量は、シリコーンゴム劣化成分によるシリコーンゴム成形体の劣化を抑制するのに充分な量である。具体的には、シトロネラールのシリコーンゴム成形体への配合量は、共存する劣化成分の含有量に基づいて決定されるが、通常、シリコーンゴム成形体の総量に対してシトロネラールが0.25質量%以上含有されていればよい。
<害虫忌避材>
次に、シリコーンゴム成形体に害虫忌避成分を担持させた害虫忌避材について説明する。害虫忌避成分としては、それ自体で害虫忌避作用を有するシトロネラール単独またはシトロネラールを含む精油、例えばシトロネラ油やレモンバーム油等であってもよく、あるいは他の害虫忌避成分と共にシトロネラールを含有するものであってもよい。シトロネラールを含有することにより、害虫忌避材の使用中にシリコーンゴム成形体が劣化して、硬度が低下し、成形体の断裂などの不具合が生じるのを抑制することができる。
シトロネラールと共に使用可能な害虫忌避成分としては、例えば、ベンジルベンゾエート、シンナミルフォーメート、ゲラニルフォーメート等の他のエステル、リモネン、メントン、カルボン、プレゴン、カンファー、ダマスコン、シトラール、ネラール、ペリラアルデヒド等のモノテルペン、フェニルエチルアルコール、ジフェニルオキサイド、インドールアロマ等が挙げられる。さらには、上記香料成分を含む種々の精油類、例えば、ジャスミン油、ネロリ油、ベルガモット油、オレンジ油、ゼラニウム油、プチグレン油、レモン油、レモングラス油、シナモン油、ユーカリ油、レモンユーカリ油、タイム油等も使用可能である。
また、上記以外にも例えば、p−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート、o−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート、p−tert−ペンチルシクロヘキシルアセテート、トリシクロデセニルアセテート、ベンジルアセテート、フェニルエチルアセテート、スチラリルアセテート、アニシルアセテート、シンナミルアセテート、テルピニルアセテート、ジヒドロテルピニルアセテート、リナリルアセテート、エチルリナリルアセテート、シトロネリルアセテート、ゲラニルアセテート、ネリルアセテート、ボルニルアセテート、イソボルニルアセテートも使用可能である。さらに、アリルヘキサノエート、アリルヘプタノエート、アリルオクタノエート、アリルイソブチルオキシアセテート、アリルn−アミルオキシアセテート、アリルシクロヘキシルアセテート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、アリルシクロヘキシルオキシアセテート、アリルフェノキシアセテート等が挙げられる。
本発明の害虫忌避材には、本発明の効果に支障を来たさない限りにおいて、他の成分を配合してもよい。他の成分としては、例えば、殺虫成分、消臭成分、除菌・抗菌成分等が挙げられる。殺虫成分としては、例えば、エムペントリン、プロフルトリン、トランスフルトリン、メトフルトリン等の揮散性ピレスロイド等が挙げられる。消臭成分としては、例えば、イネ、ツバキ、イチョウ、モクセイ、クワ、ミカン、キントラノオ、カキノキ等から選ばれる植物抽出物が挙げられる。これら成分は、単独又は組み合わせて使用することができる。
また、本発明の害虫忌避材には、必要に応じ、溶剤、界面活性剤、可溶化剤、分散剤、安定化剤、pH調整剤、着色剤等を適宜配合してもよい。また、害虫忌避成分を、例えば、マイクロカプセル化したり、サイクロデキストリン化することにより、害虫忌避成分の安定化を図ったり、揮散性を調節することも可能である。
また必要に応じて、揮散調整のためへキシレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコールを適宜配合することができる。
本発明の害虫忌避材の調製に用いる溶剤としては、例えば、水、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、ノルマルパラフィンやイソパラフィン等の炭化水素系溶剤等が挙げられる。界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン高級アルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体等の非イオン系界面活性剤、ラウリルアミンオキサイド、ステアリルアミンオキサイド、ラウリル酸アミドプロピルジメチルアミンオキサイド等の高級アルキルアミンオキサイド系界面活性剤等が挙げられる。これら成分は単独又は組み合わせて使用することができる。
上記の害虫忌避成分を、シリコーンゴムを含有する硬度が65度以下のゴム成形体に添加し、所定の処理を行ってシリコーンゴム成形体に害虫忌避成分を保持させることで、本発明の害虫忌避材が得られる。そして、本発明の害虫忌避材を用いることにより、飛翔害虫等の害虫の忌避効果が得られる。なお、本発明の害虫忌避材は、飛翔害虫の忌避に限定されるものではなく、ゴキブリやダニ類に対しても優れた忌避効果を示すことができる。
害虫忌避成分をシリコーンゴム成形体に添加する方法としては、従来公知の方法を適宜採用することができる。例えば、シリコーンゴム成形体の表面積が大きい場合は、害虫忌避成分を薬液分注方式や塗布方式によって担持させる。ゴム成形体の表面積が小さい場合は、多数個のシリコーンゴム成形体を密閉容器に入れ、これに害虫忌避成分を必要に応じて溶剤と共に加えて噴霧又は滴下し、シリコーンゴム成形体に浸透させるなどの方法が採用可能である。
本発明の害虫忌避材における害虫忌避成分の配合量は、当該害虫忌避材の使用用途、使用期間、シリコーンゴム成形体の種類やその仕様等によって適宜決定すればよい。例えば、1回あたり8〜12時間使用する害虫忌避材の場合では、シリコーンゴム成形体に10〜100mg程度の害虫忌避成分を配合することが好ましい。15〜30日使用する害虫忌避材の場合では、シリコーンゴム成形体に100〜6000mg程度の害虫忌避成分を配合することが好ましい。
本発明の害虫忌避材の使用形態としては、例えば、リング、リストバンド、時計バンド等の身体に装着するものが挙げられる。そのため、シリコーンゴム成形体は伸縮性を有しているのが好ましい。この場合、リング、リストバンド、時計バンドの一部に小片状の害虫忌避材を収納する収納部を形成し、害虫忌避材を取替え可能にしてもよい。なお、この場合、シリコーンゴム成形体が皮膚に直接触れないというメリットを有する。
また、本発明の害虫忌避材は、害虫を忌避しようとする空間に設置することができ、例えば、単に置いたり吊り下げたりするような形態であってもよい。こうすることによって、シリコーンゴム成形体から害虫忌避材が徐々に揮散して空間に広がり、忌避効果が得られる。この場合、シリコーンゴム成形体を、例えば花びらの形状、植物の形状、動物の形状、立体的形状、人形などの意匠性に富んだ形状に成形加工して用いてもよい。また、錠剤、顆粒剤、粉剤などの形状で用いて、害虫を忌避しようとする空間に直接散布してもよく、容器や袋体などに入れて静置していてもよい。
このようにして得られた本発明の害虫忌避材は、玄関、台所、トイレ、リビングルーム、寝室などの室内、倉庫、車中等の空間に置いたり、庭先、屋外で、手首や足首等の各部位やベビーカー等に必要に応じて1〜5個装着して使用することにより、アカイエカ、チカイエカ、ヒトスジシマカ等の蚊類、蚋、ユスリカ類、ハエ類、コバエ類(ショウジョウバエ類、ノミバエ類等)、チョウバエ類、イガ類等の飛翔害虫に対し、所定の期間に亘って優れた害虫忌避効果を発揮する。そして、害虫忌避成分が芳香性成分である場合には初期の香調が変質することなく所定期間持続し、しかも、本発明の害虫忌避材は担体として使用するシリコーンゴム成形体が害虫忌避成分によって硬度低下等の劣化が抑制されているので、長時間にわたって使用することができる。
以下、試験例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの試験例に限定されるものではない。
(試験例1)
液状シリコーンに加硫剤を加えて加硫成形した寸法が幅2mm×厚み2.5mmで低硬度(狙い硬度:30度)のシリコーンゴム成形体(試験検体1)を準備した。前記シリコーンゴム成形体を容量が500mLのガラス容器に入れ、このガラス容器に表1に示す薬剤を満たし、試験検体1を薬剤に浸漬させた。これを温度50℃の恒温室で3日間保管した後、硬度計(CamCom社製のTIRE DUROMETER TYPE A)を用いて、試験検体1の硬度を測定した。対照として、薬剤を浸漬していない試験検体(未浸漬品)も同様にして、温度50℃の恒温室で3日間保管した後、硬度を測定した。
試験結果を表1に示す。表1において、硬度維持率は、式:{(薬剤に浸漬後の試験検体の硬度)/(未浸漬品の硬度)}×100により求めたものである。
Figure 0006527498

表1から明らかなように、ラベンダー油、1,8−シネオール、リナロール、ハッカ油では、シリコーンゴム成形体の硬度維持率は約78〜53%の範囲であるのに対して、シトロネラールでは、硬度は100%を維持しており、劣化はまったく認められなかった。
また、ハッカ油とラベンダー油の1:1(重量比)の混合物では、硬度維持率は約76%であるのに対して、ハッカ油とラベンダー油とシトロネラールの1:1:1(重量比)の混合物では、硬度維持率は97.8%であり、劣化が明らかに抑制されていた。
(試験例2)
液状シリコーンに加硫剤を加えて加硫成形した高硬度(狙い硬度:60度)のシリコーンゴム成形体(試験検体2)を用いて、試験例1と同様の試験を実施した結果、シトロネラールによる劣化抑制効果が確認された。

Claims (3)

  1. シリコーンゴム成形体に、シリコーンゴム劣化成分と共に、シトロネラールを含有させることを特徴とするシリコーンゴム成形体の劣化抑制方法であって、
    シリコーンゴム劣化成分が、1,8−シネオール、リナロール、テルピネオール、ゲラニオール、ジヒドロミルセノール、ボルネオール、メントール、シトロネロール、ネロール、エチルリナロール、チモール、オイゲノール、ベンジルベンゾエート、シンナミルフォーメート、ゲラニルフォーメート、リモネン、メントン、カルボン、プレゴン、カンファー、ダマスコン、シトラール、ネラール、ペリラアルデヒド、フェニルエチルアルコール、ジフェニルオキサイド、インドールアロマ、p−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート、o−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート、p−tert−ペンチルシクロヘキシルアセテート、トリシクロデセニルアセテート、ベンジルアセテート、フェニルエチルアセテート、スチラリルアセテート、アニシルアセテート、シンナミルアセテート、テルピニルアセテート、ジヒドロテルピニルアセテート、リナリルアセテート、エチルリナリルアセテート、シトロネリルアセテート、ゲラニルアセテート、ネリルアセテート、ボルニルアセテート、イソボルニルアセテート、アリルヘキサノエート、アリルヘプタノエート、アリルオクタノエート、アリルイソブチルオキシアセテート、アリルn−アミルオキシアセテート、アリルシクロヘキシルアセテート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、アリルシクロヘキシルオキシアセテートおよびアリルフェノキシアセテートからなる群より選択される少なくとも1種の成分、またはこれらの成分を少なくとも1種含む精油類であるシリコーンゴム成形体の劣化抑制方法。
  2. シトロネラールを有効成分とする、シリコーンゴム成形体の劣化抑制剤。
  3. 請求項2に記載の劣化抑制剤およびシトロネラール以外の害虫忌避成分をシリコーンゴム成形体に担持させたことを特徴とする害虫忌避材であって、
    シリコーンゴム成形体の総量に対して、劣化抑制剤がシトロネラールに換算して0.25質量%以上含有されている害虫忌避材。
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