JP6527323B2 - フラックスシート、フラックス、ヒューズエレメント、ヒューズ素子、保護素子、短絡素子及び切替素子 - Google Patents

フラックスシート、フラックス、ヒューズエレメント、ヒューズ素子、保護素子、短絡素子及び切替素子 Download PDF

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Description

本発明は、電流経路上に実装され、定格を超える電流が流れた時の自己発熱、あるいは発熱体の発熱により溶断し当該電流経路を遮断するヒューズエレメントに関し、特に速断性に優れたヒューズエレメント、及びこれを用いたヒューズ素子、保護素子、短絡素子、切替素子並びにこれらに用いられるフラックスシート及びフラックスに関する。
従来、定格を超える電流が流れた時に自己発熱により溶断し、当該電流経路を遮断するヒューズエレメントが用いられている。ヒューズエレメントとしては、例えば、ハンダをガラス管に封入したホルダー固定型ヒューズや、セラミック基板表面にAg電極を印刷したチップヒューズ、銅電極の一部を細らせてプラスチックケースに組み込んだねじ止め又は差し込み型ヒューズ等が多く用いられている。
特開2011−82064号公報
しかし、上記既存のヒューズエレメントにおいては、リフローによる表面実装ができない、電流定格が低く、また大型化によって定格を上げると速断性に劣る、といった問題点が指摘されている。
また、リフロー実装用の速断ヒューズ素子を想定した場合、リフローの熱によって溶融しないように、一般的には、ヒューズエレメントには融点が300℃以上のPb入り高融点ハンダが溶断特性上好ましい。しかしながら、RoHS指令等においては、Pb含有ハンダの使用は、限定的に認められているに過ぎず、今後Pbフリー化の要求は、強まるものと考えられる。
すなわち、ヒューズエレメントとしては、リフローによる表面実装が可能でヒューズ素子への実装性に優れること、定格を上げて大電流に対応可能であること、定格を超える過電流時には速やかに電流経路を遮断する速溶断性を備えることが求められる。
そこで、本発明は、表面実装が可能であり、ヒューズ素子等の定格の向上と速溶断性とを両立できるヒューズエレメント、ヒューズ素子、保護素子、短絡素子及び切替素子並びにこれらに用いるフラックスシート及びフラックスを提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明に係るフラックスシートは、ヒューズ素子の可溶導体に搭載されるフラックスシートであって、絶縁体にフラックスが含浸され、上記絶縁体は、比重が上記可溶導体の比重以下である。
また、本発明に係るフラックスは、ヒューズ素子の可溶導体上及び/又は上記可溶導体下に塗布されたフラックスであって、液体保持性を有する絶縁体片が添加され、上記絶縁体片の比重が上記可溶導体の比重以下である流動体又は半流動体のフラックスである。
また、本発明に係るヒューズエレメントは、可溶導体と、比重が上記可溶導体の比重以下である絶縁体にフラックスを含浸させたフラックスシートとを有し、上記可溶導体上及び/又は上記可溶導体下に上記フラックスシートを搭載したものである。
また、本発明に係るヒューズエレメントは、可溶導体と、比重が上記可溶導体の比重以下であり液体保持性を有する絶縁体片を添加した流動体又は半流動体のフラックスとを有し、上記可溶導体上及び/又は上記可溶導体下に上記フラックスを塗布したものである。
また、本発明に係るヒューズ素子は、可溶導体と、比重が上記可溶導体の比重以下である絶縁体にフラックスを含浸させたフラックスシートとを有し、上記可溶導体上及び/又は上記可溶導体下に上記フラックスシートを搭載し、上記可溶導体に流れる過電流により上記可溶導体が溶断するものである。
また、本発明に係るヒューズ素子は、可溶導体を有し、上記可溶導体上及び/又は上記可溶導体下に、比重が上記可溶導体の比重以下であり液体保持性を有する絶縁体片を含有した流動体又は半流動体のフラックスが塗布され、上記可溶導体に流れる過電流により上記可溶導体が溶断するものである。
また、本発明に係る保護素子は、絶縁基板と、上記絶縁基板上又は上記絶縁基板内部に形成された発熱体と、上記絶縁基板上に形成された第1及び第2の電極と、上記発熱体と電気的に接続する第3の電極と、上記第1の電極から上記第3の電極を介し上記第2の電極に跨って接続する可溶導体と、比重が上記可溶導体の比重以下である絶縁体にフラックスを含浸させたフラックスシートとを有し、上記可溶導体上及び/又は上記可溶導体下に上記フラックスシートを搭載し、上記発熱体の通電発熱により上記可溶導体を溶断させ上記第1及び第2の電極間を遮断するものである。
また、本発明に係る保護素子は、絶縁基板と、上記絶縁基板上又は上記絶縁基板内部に形成された発熱体と、上記絶縁基板上に形成された第1及び第2の電極と、上記発熱体と電気的に接続する第3の電極と、上記第1の電極から上記第3の電極を介し上記第2の電極に跨って接続する可溶導体とを有し、上記可溶導体上及び/又は上記可溶導体下に、比重が上記可溶導体の比重以下であり液体保持性を有する絶縁体片を含有した流動体又は半流動体のフラックスが塗布され、上記発熱体の通電発熱により上記可溶導体を溶断させ上記第1及び第2の電極間を遮断するものである。
また、本発明に係る短絡素子は、絶縁基板と、上記絶縁基板上又は上記絶縁基板内部に形成された発熱体と、上記絶縁基板上に近接して形成された第1及び第2の電極と、上記発熱体と電気的に接続する第3の電極と、上記第1の電極から上記第3の電極に跨って接続する可溶導体と、比重が上記可溶導体の比重以下である絶縁体にフラックスを含浸させたフラックスシートとを有し、上記可溶導体上及び/又は上記可溶導体下に上記フラックスシートを搭載し、上記発熱体の通電発熱により上記可溶導体を溶断させ上記第1及び第2の電極間の短絡と上記第1及び第3の電極間の遮断を行うものである。
また、本発明に係る短絡素子は、絶縁基板と、上記絶縁基板上又は上記絶縁基板内部に形成された発熱体と、上記絶縁基板上に近接して形成された第1及び第2の電極と、上記発熱体と電気的に接続する第3の電極と、上記第1の電極から上記第3の電極に跨って接続する可溶導体とを有し、上記可溶導体上及び/又は上記可溶導体下に、比重が上記可溶導体の比重以下であり液体保持性を有する絶縁体片を含有した流動体又は半流動体のフラックスが塗布され、上記発熱体の通電発熱により上記可溶導体を溶断させ上記第1及び第2の電極間の短絡と上記第1及び第3の電極間の遮断を行うものである。
また、本発明に係る切替素子は、絶縁基板と、上記絶縁基板上又は上記絶縁基板内部に形成された第1及び第2の発熱体と、上記絶縁基板上に近接して形成された第1及び第2の電極と、上記第1の電極に隣接して形成され上記第1の発熱体と電気的に接続する第3の電極と、上記第1の電極から上記第3の電極に跨って接続する第1の可溶導体と、上記第2の発熱体と電気的に接続し上記第2の電極に隣接して形成された第4の電極と、上記第4の電極に隣接して形成された第5の電極と、上記第2の電極から上記第4の電極を介し上記第5の電極に跨って接続する第2の可溶導体と、
比重が上記第1及び第2の可溶導体の比重以下である絶縁体にフラックスを含浸させたフラックスシートとを有し、上記第1及び第2の可溶導体上及び/又は上記第1及び第2の可溶導体下に上記フラックスシートを搭載し、上記第2の発熱体の通電発熱により上記第2の可溶導体を溶断させ、上記第2及び第5の電極間を遮断し、上記第1の発熱体の通電発熱により上記第1の可溶導体を溶断させ、上記第1及び第2の電極間を短絡するものである。
また、本発明に係る切替素子は、絶縁基板と、上記絶縁基板上又は上記絶縁基板内部に形成された第1及び第2の発熱体と、上記絶縁基板上に近接して形成された第1及び第2の電極と、上記第1の電極に隣接して形成され上記第1の発熱体と電気的に接続する第3の電極と、上記第1の電極から上記第3の電極に跨って接続する第1の可溶導体と、上記第2の発熱体と電気的に接続し上記第2の電極に隣接して形成された第4の電極と、上記第4の電極に隣接して形成された第5の電極と、上記第2の電極から上記第4の電極を介し上記第5の電極に跨って接続する第2の可溶導体とを有し、上記第1及び第2の可溶導体上及び/又は上記第1及び第2の可溶導体下に、比重が上記第1及び第2の可溶導体の比重以下であり液体保持性を有する絶縁体片を含有した流動体又は半流動体のフラックスが塗布され、上記第2の発熱体の通電発熱により上記第2の可溶導体を溶断させ、上記第2及び第5の電極間を遮断し、上記第1の発熱体の通電発熱により上記第1の可溶導体を溶断させ、上記第1及び第2の電極間を短絡するものである。
本発明に係るフラックスシートは、絶縁体にフラックスを含浸させることで、可溶導体上及び/又は可溶導体下でフラックスを保持し、フラックスの流出、偏在を抑えることができる。
また、本発明に係るフラックスは、液体保持性を有する絶縁体片を含有させることで、可溶導体上及び/又は可溶導体下でフラックスを保持し、フラックスの流出、偏在を抑えることができる。
また、本発明に係るヒューズエレメントは、絶縁体にフラックスを含浸させることで、可溶導体上及び/又は可溶導体下でフラックスを保持し、フラックスの流出、偏在を抑えることができる。
また、本発明に係るヒューズエレメントは、フラックスに液体保持性を有する絶縁体片を含有させることで、可溶導体上及び/又は可溶導体下でフラックスを保持し、フラックスの流出、偏在を抑えることができる。
また、本発明に係るヒューズ素子は、絶縁体にフラックスを含浸させることで、可溶導体上及び/又は可溶導体下でフラックスを保持し、フラックスの流出、偏在を抑えることができる。
また、本発明に係るヒューズ素子は、フラックスに液体保持性を有する絶縁体片を含有させることで、可溶導体上及び/又は可溶導体下でフラックスを保持し、フラックスの流出、偏在を抑えることができる。
また、本発明に係る保護素子は、絶縁体にフラックスを含浸させることで、可溶導体上及び/又は可溶導体下でフラックスを保持し、フラックスの流出、偏在を抑えることができる。
また、本発明に係る保護素子は、フラックスに液体保持性を有する絶縁体片を含有させることで、可溶導体上及び/又は可溶導体下でフラックスを保持し、フラックスの流出、偏在を抑えることができる。
また、本発明に係る短絡素子は、絶縁体にフラックスを含浸させることで、可溶導体上及び/又は可溶導体下でフラックスを保持し、フラックスの流出、偏在を抑えることができる。
また、本発明に係る短絡素子は、フラックスに液体保持性を有する絶縁体片を含有させることで、可溶導体上及び/又は可溶導体下でフラックスを保持し、フラックスの流出、偏在を抑えることができる。
また、本発明に係る切替素子は、絶縁体にフラックスを含浸させることで、可溶導体上及び/又は可溶導体下でフフラックスを保持し、フラックスの流出、偏在を抑えることができる。
また、本発明に係る切替素子は、フラックスに液体保持性を有する絶縁体片を含有させることで、可溶導体上及び/又は可溶導体下でフラックスを保持し、フラックスの流出、偏在を抑えることができる。
図1は、本発明が適用されたヒューズエレメントの断面図であり、図1(A)が、可溶導体上にフラックスシートを有する場合を説明する断面図であり、図1(B)が、可溶導体下にフラックスシートを有する場合を説明する断面図であり、図1(C)が、可溶導体上下にそれぞれフラックスシートを有する場合を説明する断面図である。 図2は、本発明が適用されたヒューズエレメントの平面図である。 図3(A)は、本発明が適用されたフラックスシートの一例を示す断面図であり、図3(B)は、フラックスシートの変形例を示す断面図であり、図3(C)は、フラックスシートの他の変形例を示す断面図である。 図4(A)は、本発明が適用されたヒューズエレメントの変形例としてフラックスシートが楕円形である場合を示す平面図であり、図4(B)は、本発明が適用されたヒューズエレメントの変形例としてフラックスシートが円形である場合を示す平面図である。 図5は、本発明が適用されたヒューズエレメントの変形例を示す断面図であり、図5(A)が、可溶導体上に絶縁体片含有フラックスを塗布した場合を説明する断面図であり、図5(B)が、可溶導体下に絶縁体片含有フラックスを塗布した場合を説明する断面図であり、図5(C)が、可溶導体上下にそれぞれ絶縁体片含有フラックスを塗布した場合を説明する断面図である。 図6(A)は、本発明が適用されたヒューズエレメントの変形例として絶縁体片含有フラックスを楕円形に塗布した場合を示す平面図であり、図6(B)は、本発明が適用されたヒューズエレメントの変形例として絶縁体片含有フラックスを円形に塗布した場合を示す平面図である。 図7は、本発明が適用されたヒューズ素子を示す断面図であり、図7(A)が、可溶導体上にフラックスシートを搭載した場合を説明する断面図であり、図7(B)が、可溶導体上及び可溶導体下にそれぞれフラックスシートを搭載した場合を説明する断面図である。 図8は、本発明が適用されたヒューズ素子を、カバー部材を外して示す平面図である。 図9は、本発明が適用されたヒューズ素子の可溶導体が溶融した状態を示す断面図である。 図10(A)は、本発明が適用されたヒューズ素子の可溶導体が溶断する前の回路図であり、図10(B)は、本発明が適用されたヒューズ素子の可溶導体が溶断した後の回路図である。 図11は、本発明が適用されたヒューズ素子の変形例を示す断面図であり、図11(A)が、可溶導体上にフラックスシートを搭載した場合を説明する断面図であり、図11(B)が、可溶導体上及び可溶導体下にそれぞれフラックスシートを搭載した場合を説明する断面図である。 図12は、本発明が適用されたヒューズ素子の他の変形例を示す断面図であり、図12(A)が、可溶導体上に絶縁体片含有フラックスを塗布した場合を説明する断面図であり、図12(B)が、可溶導体上及び可溶導体下にそれぞれ絶縁体片含有フラックスを塗布した場合を説明する断面図である。 図13は、本発明が適用された保護素子の断面図であり、図13(A)が、可溶導体上にフラックスシートを搭載した場合を説明する断面図であり、図13(B)が、可溶導体上及び可溶導体下にそれぞれフラックスシートを搭載した場合を説明する断面図である。 図14(A)は、本発明が適用された保護素子をカバー部材を外して示す平面図であり、図14(B)は、本発明が適用された保護素子の可溶導体が溶断する前の回路図である。 図15は、本発明が適用された保護素子の可溶導体が溶融した状態を示す断面図である。 図16(A)は、本発明が適用された保護素子の可溶導体が溶断した状態でカバー部材を外して示す平面図であり、図16(B)は、本発明が適用された保護素子で可溶導体が溶断した後の回路図である。 図17は、本発明が適用された保護素子の変形例を示す断面図であり、図17(A)が、可溶導体上にフラックスシートを搭載した場合を説明する断面図であり、図17(B)が、可溶導体上及び可溶導体下にそれぞれフラックスシートを搭載した場合を説明する断面図である。 図18は、本発明が適用された保護素子の他の変形例を示す断面図であり、図18(A)が、可溶導体上に絶縁体片含有フラックスを塗布した場合を説明する断面図であり、図18(B)が、可溶導体上及び可溶導体下にそれぞれ絶縁体片含有フラックスを塗布した場合を説明する断面図である。 図19は、本発明が適用された短絡素子をカバー部材を外して示す平面図である。 図20は、本発明が適用された短絡素子の断面図であり、図20(A)が、可溶導体上にフラックスシートを搭載した場合を説明する断面図であり、図20(B)が、可溶導体上及び可溶導体下にそれぞれフラックスシートを搭載した場合を説明する断面図である。 図21は、本発明が適用された短絡素子の可溶導体が溶融した状態を示す断面図である。 図22(A)は、本発明が適用された短絡素子の可溶導体が溶断する前の回路図であり、図22(B)は、本発明が適用された短絡素子の可溶導体が溶断した後の回路図である。 図23は、本発明が適用された短絡素子の変形例を示す断面図であり、図23(A)が、可溶導体上にフラックスシートを搭載した場合を説明する断面図であり、図23(B)が、可溶導体上及び可溶導体下にそれぞれフラックスシートを搭載した場合を説明する断面図である。 図24は、本発明が適用された短絡素子の他の変形例を示す断面図であり、図24(A)が、可溶導体上に絶縁体片含有フラックスを塗布した場合を説明する断面図であり、図24(B)が、可溶導体上及び可溶導体下にそれぞれ絶縁体片含有フラックスを塗布した場合を説明する断面図である。 図25は、本発明が適用された短絡素子の他の変形例を示す平面図である。 図26は、本発明が適用された短絡素子の他の変形例を示す断面図であり、図26(A)が、可溶導体上にフラックスシートを搭載した場合を説明する断面図であり、図26(B)が、可溶導体上及び可溶導体下にそれぞれフラックスシートを搭載した場合を説明する断面図である。 図27は、本発明が適用された短絡素子の他の変形例を示す断面図であり、図27(A)が、2つの可溶導体上にそれぞれフラックスシートを搭載した場合を説明する断面図であり、図27(B)が、2つの可溶導体上及び2つの可溶導体下にそれぞれフラックスシートを搭載した場合を説明する断面図である。 図28は、本発明が適用された短絡素子の他の変形例を示す断面図であり、図28(A)が、可溶導体上にフラックスシートを搭載した場合を説明する断面図であり、図28(B)が、可溶導体上及び可溶導体下にそれぞれフラックスシートを搭載した場合を説明する断面図である。 図29は、本発明が適用された短絡素子の他の変形例を示す断面図であり、図29(A)が、2つの可溶導体上にそれぞれフラックスシートを搭載した場合を説明する断面図であり、図29(B)が、2つの可溶導体上及び2つの可溶導体下にそれぞれフラックスシートを搭載した場合を説明する断面図である。 図30は、本発明が適用された短絡素子の他の変形例を示す断面図であり、図30(A)が、可溶導体上に絶縁体片含有フラックスを塗布した場合を説明する断面図であり、図30(B)が、可溶導体上及び可溶導体下にそれぞれ絶縁体片含有フラックスを塗布した場合を説明する断面図である。 図31は、本発明が適用された切替素子をカバー部材を外して示す平面図である。 図32は、本発明が適用された切替素子の断面図であり、図32(A)が、可溶導体上にフラックスシートを搭載した場合を説明する断面図であり、図32(B)が、可溶導体上及び可溶導体下にそれぞれフラックスシートを搭載した場合を説明する断面図である。 図33は、本発明が適用された切替素子の可溶導体が溶断する前の回路図である。 図34は、本発明が適用された切替素子の可溶導体が溶断した後の回路図である。 図35は、本発明が適用された切替素子の可溶導体が溶融した状態を示す断面図である。 図36は、本発明が適用された切替素子をカバー部材を外して示す平面図であり、第1の可溶導体よりも早く第2の可溶導体が溶融した状態を説明する図である。 図37は、本発明が適用された切替素子をカバー部材を外して示す平面図であり、第1の可溶導体と第2の可溶導体がともに溶融した状態を説明する図である。 図38は、本発明が適用された切替素子の変形例を示す断面図であり、図38(A)が、可溶導体上にフラックスシートを搭載した場合を説明する断面図であり、図38(B)が、可溶導体上及び可溶導体下にそれぞれフラックスシートを搭載した場合を説明する断面図である。 図39は、本発明が適用された切替素子の他の変形例を示す断面図であり、図39(A)が、2つの可溶導体上にまとめて絶縁体片含有フラックスを塗布した場合を説明する断面図であり、図39(B)が、2つの可溶導体上及び2つの可溶導体下にそれぞれまとめて絶縁体片含有フラックスを塗布した場合を説明する断面図である。 図40は、本発明が適用された切替素子の他の変形例を示す断面図であり、図40(A)が、2つの可溶導体上にそれぞれフラックスシートを個別に搭載した場合を説明する断面図であり、図40(B)が、2つの可溶導体上及び2つの可溶導体下にそれぞれフラックスシートを個別に搭載した場合を説明する断面図である。 図41は、本発明が適用された切替素子の他の変形例を示す断面図であり、図41(A)が、2つの可溶導体上にそれぞれフラックスシートを個別に搭載した場合を説明する断面図であり、図41(B)が、2つの可溶導体上及び2つの可溶導体下にそれぞれフラックスシートを個別に搭載した場合を説明する断面図である。 図42は、本発明が適用された切替素子の他の変形例を示す断面図であり、図42(A)が、2つの可溶導体上にそれぞれ個別に絶縁体片含有フラックスを塗布した場合を説明する断面図であり、図42(B)が、2つの可溶導体上及び2つの可溶導体下にそれぞれ個別に絶縁体片含有フラックスを塗布した場合を説明する断面図である。
以下、本発明が適用されたヒューズエレメント、ヒューズ素子、保護素子、短絡素子並びに切替素子及びこれらに用いられるフラックスシート並びにフラックスについて、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。また、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることがある。具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
[ヒューズエレメント]
先ず、本発明が適用されたヒューズエレメントについて説明する。本発明が適用されたヒューズエレメント1は、後述するヒューズ素子、保護素子、短絡素子及び切替素子にも用いられ、定格を超える電流が通電することによって自己発熱(ジュール熱)により溶断し、あるいは発熱体の発熱により溶断されるものである。ヒューズエレメント1は、鉛を主成分とする高融点ハンダや融点の異なる3層以上の金属層が積層されたものである。例えば融点の異なる3層以上の金属積層体の場合、図1(A),図1(B),図1(C)に示すように、高融点金属層2と、高融点金属層2よりも融点の低い低融点金属層3と、フラックスシート5とを有し、例えば、図2に示すように、略矩形板状に形成されている。高融点金属層2と、低融点金属層3とは、可溶導体6を構成する。
[可溶導体]
高融点金属層2は、例えば、Ag、Cu又はAg若しくはCuを主成分とする合金が好適に用いられ、ヒューズエレメント1をリフロー炉によって絶縁基板上に実装を行う場合においても溶融しない高い融点を有する。
低融点金属層3は、例えばSn又はSnを主成分とする合金で「Pbフリーハンダ」と一般的に呼ばれる材料が好適に用いられる。低融点金属層3の融点は、必ずしもリフロー炉の温度よりも高い必要はなく、200℃程度で溶融してもよい。
ヒューズエレメント1は、融点の異なる3層以上の金属層が積層されて形成されることにより、ヒューズ素子、保護素子、短絡素子及び切替素子の絶縁基板への実装性に優れ、また、ヒューズエレメント1が用いられた各素子の外部回路基板への実装性を向上させることができる。また、ヒューズエレメント1は、各素子において、定格の向上と速溶断性とを実現できる。
すなわち、ヒューズエレメント1は、高融点金属層2を備えることにより、リフロー炉等の外部熱源によって低融点金属層3の融点以上の高熱環境に短時間曝された場合にも、溶断や変形が防止され、初期遮断や初期短絡又は定格の変動に伴う溶断特性の低下を防止することができる。したがって、ヒューズエレメント1は、ヒューズ素子等の各素子の絶縁基板への実装や、ヒューズ素子等の各素子の外部回路基板への実装をリフロー実装により効率よく実現することができ、実装性を向上させることができる。
また、ヒューズエレメント1は、低抵抗の高融点金属層2が積層されて構成されているため、従来の鉛系高融点ハンダを用いた可溶導体に比べ、導体抵抗を大幅に低減することがでる。更に、低融点金属層3と高融点金属層2を積層することで、ヒューズエレメント1の溶融温度を300〜400℃程度に低減することができ、融点1085℃のダンベル形状の銅箔エレメントで構成される同一サイズの従来のチップヒューズ等に比して、電流定格を大幅に向上させることができる。また、同じ電流定格をもつ従来のチップヒューズよりも薄型化を図ることができ、速溶断性に優れる。
[フラックスシート]
ヒューズエレメント1は、可溶導体6の高融点金属層2又は低融点金属層3の酸化防止と、溶断時の酸化物除去及びハンダの流動性向上のために、図2に示すように、可溶導体6の最外層の全面にわたってフラックスシート5を搭載している。
なお、フラックスシート5は、図1(A)に示すように、可溶導体6上に搭載される以外に、図1(B)に示すように、可溶導体6下に搭載、すなわち可溶導体6の下面に接するように構成してもよい。なお、フラックスシート5を可溶導体6下に搭載する場合であって、ヒューズエレメント1を下向きに各素子の基板に接続する場合には、可溶導体6の下面に接続しろを確保する必要がある。このため、フラックスシート5は、可溶導体6の下面の面積よりも小さくすることが好ましく、接続部分を開口させたシート体であってもよい。
また、フラックスシート5は、図1(A)及び図1(B)で説明した以外に、図1(C)に示すように、可溶導体6上及び可溶導体6下にそれぞれ搭載するようにしてもよい。可溶導体6の上下にそれぞれフラックスシート5を搭載することで、より安定した溶断時の酸化物除去及びハンダの流動性向上を期待することができる。なお、図1(C)に示すフラックスシート5は、可溶導体6の上下それぞれが図1(A)及び図1(B)で説明したものと同様であるため説明を省略する。
フラックスシート5は、図3(A),図3(B),図3(C)に示すように、流動体又は半流動体のフラックス7をシート状の支持体8に含浸、保持させたものであり、例えば不織布やメッシュ状の生地にフラックス7を含浸させたもの、あるいはヒューズエレメント1の最外層に塗布したフラックス7上に不織布やメッシュ状の生地を配置し、フラックス7を含浸させたものである。フラックスシート5は、液体保持性を有する支持体8によって流動体又は半流動体のフラックス7を保持することができる。
ここで、支持体8は、フラックスシート5を可溶導体6上及び/又は可溶導体6下に搭載して用いることから、可溶導体6の溶断等、電気的な特性に影響を与えることが無いように絶縁体を用いる。支持体8を形成する材料としては、その構造によって各種の材料を用いることができるが、例えば、樹脂、ガラス等の絶縁体が好適である。
具体的な構造の一例として、フラックスシート5は、図3(A)において、多孔質の支持体8にフラックス7を含浸させたものである。多孔質とは、図3(A)に示すようにシートの上下方向に貫通する孔が多数設けられた構造体であったり、スポンジ状の構造体であってもよい。すなわち、フラックスシート5は、多孔質体、スポンジ体等の空隙を多数有する構造体とすることで、液体保持性を向上させ、フラックス7を可溶導体6上及び/又は可溶導体6下の所望の位置に保持することができる。
また、フラックスシート5は、図3(B)において、不織布やメッシュ状の生地である支持体8にフラックス7を含浸させたものである。生地とは、図3(B)に示すように繊維状の構造体である。すなわち、フラックスシート5は、繊維状の構造体によって、液体保持性を向上させ、フラックス7を可溶導体6上及び/又は可溶導体6下の所望の位置に保持することができる。
また、フラックスシート5は、図3(C)において、針状及び短繊維状の支持体8をフラックス7と混練して乾燥形成したものである。針状及び短繊維状とは、後述のフラックスの説明で詳述する。フラックスシート5は、針状及び短繊維状の構造体によって、液体保持性を向上させ、フラックス7を可溶導体6上及び/又は可溶導体6下の所望の位置に保持することができる。
ここで、支持体8は、フラックス7を保持する、液体保持性を有する各種の絶縁体を用いることができるが、少なくとも、ヒューズエレメント1やこれを用いた各素子の実装温度まで、可溶導体6上にフラックス7を保持する必要がある。従って、支持体8は、その形状を維持することができる程度の耐熱性が必要であり、ヒューズエレメント1やこれを用いた各素子の実装温度を超える温度では変形若しくは溶融し流動性を持つようになる材料を用いることができる。すなわち、実装温度を超えるような可溶導体6の溶断時の温度では、フラックス7を可溶導体6上に保持する必要がもはやなくなるため、フラックス7とともに支持体8が溶融し流動することとなる。支持体8が溶融又は流動性を有することで、可溶導体6の溶断時に支持体8が残置することが無くなり、絶縁特性を向上させることができる。
より具体的に、支持体8は、300℃以上の温度で変形もしくは溶融し流動性を持つ材料を用いることが好ましい。
また、支持体8は、比重が可溶導体6の比重以下とすることが好ましい。可溶導体6の溶断時に、溶融導体がまとまるために支持体8を軽くする必要があるからである。すなわち、支持体8の比重が可溶導体6よりも比重が大きいと、溶融導体を支持体8が圧迫するため、溶融導体がまとまりにくくなり、ヒューズエレメント1としての溶断特性を悪化させる恐れがあるからである。
可溶導体6の体積中、低融点金属層3がその体積の大半を占めることから、支持体8の比重は、低融点金属層3の比重以下とすることが好ましく、より具体的に 比重は5g/cm3以下の材料を用いることが好ましい。
フラックスシート5は、図2に示すように、可溶導体6の表面積よりも広い面積を有する。これにより、可溶導体6は、フラックスシート5によって完全に被覆され、溶融により体積が膨張した場合にも、確実にフラックス7による酸化除去、及び濡れ性の向上による速溶断を実現することができる。また、フラックスシート5は、図1(B),図1(C)に示すように、可溶導体6の下面に搭載する場合に、可溶導体6の表面積よりも狭い面積を有する。これにより、可溶導体6は、フラックスシート5によって下面を被覆されるとともに、各素子の基板への接続しろを確保することが可能となる。
なお、フラックスシート5は、図4(A)、図4(B)に示すように、円形又は楕円形の形状としてもよい。このようなフラックスシート5は、例えば、可溶導体6の表面積よりも十分に大きなシートをパンチ加工等を用いることで円形又は楕円形の形状を得ることができる。
フラックスシート5は、円形又は楕円形とした場合に、少なくとも円又は楕円の直径が矩形の可溶導体6の短辺よりも大きいことが好ましい。また、フラックスシート5を搭載する位置は、可溶導体6の溶断部に円又は楕円の中心が重なる位置とすることが好ましい。
フラックスシート5を可溶導体6上及び/又は可溶導体6下に搭載することにより、ヒューズエレメント1の実装時における熱処理工程においてもフラックスを可溶導体6の全面にわたって保持することができ、可溶導体6の低融点金属層3(例えばハンダ)の濡れ性を高めるとともに、低融点金属層3が溶解している間の酸化物を除去し、高融点金属(例えばAg)への浸食作用を用いて速溶断性を向上させることができる。
また、フラックスシート5を可溶導体6上及び/又は可溶導体6下に搭載することにより、可溶導体6の最外層の高融点金属層2の表面に、Snを主成分とするPbフリーハンダ等の酸化防止膜を形成した場合にも、当該酸化防止膜の酸化物を除去することができ、高融点金属層2の酸化を効果的に防止し、速溶断性を維持、向上することができる。
[絶縁体片含有フラックス]
また、フラックスシート5と略同様の効果を得るために、シート状の支持体8に流動体又は半流動体のフラックス7を含浸させずに、流動体又は半流動体のフラックス7に針状又は短繊維の絶縁体片10を混練して含有させた、絶縁体片含有フラックス9を可溶導体6上及び/又は可溶導体6下に塗布するようにしてもよい。
絶縁体片含有フラックス9は、図5(A)に示すように、流動体又は半流動体のフラックス7と、針状又は短繊維の絶縁体片10によって構成されている。
フラックス7は、上述したフラックスシート5に含浸させるフラックスと同様のものを用いることができる。
絶縁体片10は、針状又は短繊維の絶縁体である。絶縁体片10は、例えば、ガラス繊維や不織布を短繊維状に細かく分離したものを用いることができる。絶縁体片10は、個々の長さをフラックス7の流動性に影響を与えない範囲の長さとし、フラックス7に混ぜ合わせたときに互いに絡まりあい、若しくは表面張力によって互いの間でフラックス7を保持できるように所定の表面積を有する構造とする。
なお、絶縁体片10は、針状又は短繊維にその形状は限定されず、例えば、かぎ状の構造を有し、かぎ状の構造によって互いに絡まりあうような構造であってもよい。また、絶縁体片10は、単一な形状のものに限られず、個々に形状や長さが異なるようにしてもよい。
絶縁体片含有フラックス9は、図5(A)に示すように、可溶導体6上に塗布される以外に、図5(B)に示すように、可溶導体6下に塗布、すなわち可溶導体6の下面に塗布するように構成してもよい。なお、絶縁体片含有フラックス9を可溶導体6下に塗布する場合であって、ヒューズエレメント1を下向きに各素子の基板に接続する場合には、可溶導体6の下面に接続しろを確保する必要がある。このため、絶縁体片含有フラックス9は、可溶導体6の下面の面積よりも小さく塗布することが好ましく、接続部分を避けて塗布することが好ましい。
また、絶縁体片含有フラックス9は、図5(A)及び図5(B)で説明した以外に、図5(C)に示すように、可溶導体6上及び可溶導体6下にそれぞれ塗布するようにしてもよい。可溶導体6の上下にそれぞれ絶縁体片含有フラックス9を塗布することで、より安定した溶断時の酸化物除去及びハンダの流動性向上を期待することができる。なお、図5(C)に示す絶縁体片含有フラックス9は、可溶導体6の上下それぞれが図5(A)及び図5(B)で説明したものと同様であるため説明を省略する。
上述した絶縁体片10を含有する絶縁体片含有フラックス9は、図6(A)や図6(B)に示すように、可溶導体6に円形又は楕円形に塗布することによって、フラックスシート5と同等にフラックス7を保持することができるとともに、フラックスシート5と比較して、シート作成、シート搭載工程を簡略化することができ、従前の可溶導体にフラックスを塗布する製造工程を変更することなく実施可能である。
なお、絶縁体片含有フラックス9は、溶断時の酸化物除去及びハンダの流動性向上の観点で、可溶導体6上及び/又は可溶導体6下の全面に渡って矩形状に塗布する方がより好ましい。ただし、可溶導体6下の各素子への接続部分には、絶縁体片含有フラックス9を塗布せずに、接続しろを残すようにする必要がある点は、図1(B),図1(C)で説明した場合と同様であることは言うまでもない。
[ヒューズエレメントの積層構造]
ヒューズエレメント1は、一対の高融点金属層2の間に設けられる内層を低融点金属層3とし、外層を高融点金属層2とすることにより、ヒューズ素子等の各素子が組み込まれた電気系統に異常に高い電圧が瞬間的に印加されるサージへの耐性(耐パルス性)を向上することができる。すなわち、ヒューズエレメント1は、可溶導体6が例えば100Aの電流が数msec流れたような場合にまで溶断してはならない。この点、極短時間に流れる大電流は導体の表層を流れることから(表皮効果)、ヒューズエレメント1は、可溶導体6の外層として抵抗値の低いAgメッキ等の高融点金属層2が設けられているため、サージによって印加された電流を流しやすく、自己発熱による溶断を防止することができる。したがって、ヒューズエレメント1は、従来のハンダ合金からなるヒューズに比して、大幅にサージに対する耐性を向上させることができる。
なお、上述したヒューズエレメント1は、可溶導体6の低融点金属層3の体積を高融点金属層2の体積よりも大きくすることが好ましい。ヒューズエレメント1は、低融点金属層3の体積を多くすることにより、効果的に高融点金属層2の浸食による短時間での溶断を行うことができる。
[製造方法]
ヒューズエレメント1は、低融点金属層3の表面に高融点金属2をメッキ技術を用いて成膜して可溶導体6を形成し、可溶導体6上及び/又は可溶導体6下にフラックスシート5を搭載することにより製造できる。
可溶導体6は、例えば、長尺状のハンダ箔の表面にAgメッキを施すことにより効率よく製造でき、使用時には、サイズに応じて切断することで、容易に用いることができる。
また、可溶導体6は、低融点金属層3を構成する低融点金属箔と高融点金属層2を構成する高融点金属箔とを貼りあわせることにより製造してもよい。可溶導体6は、例えば、圧延した2枚のCu箔、或いはAg箔の間に、同じく圧延した低融点金属層3を構成するハンダ箔を挟み、積層してプレスすることにより製造できる。この場合、低融点金属箔は、高融点金属箔よりも柔らかい材料を選択することが好ましい。これにより、厚みのばらつきを吸収して低融点金属箔と高融点金属箔とを隙間なく密着させることができる。また、低融点金属箔はプレスによって膜厚が薄くなるため、予め厚めにしておくとよい。プレスにより低融点金属箔が可溶導体の端面よりはみ出した場合は、切り落として形を整えることが好ましい。
その他、可溶導体6は、蒸着等の薄膜形成技術や、他の周知の積層技術を用いることによっても、低融点金属層3と高融点金属層2とが積層された可溶導体6を形成することができる。
なお、可溶導体6は、一方の高融点金属層2を最外層としたときに、さらに当該最外層の高融点金属層2の表面に図示しない酸化防止膜を形成してもよい。可溶導体6は、最外層の高融点金属層2がさらに酸化防止膜によって被覆されることにより、例えば高融点金属層2としてCuメッキやCu箔を形成した場合にも、Cuの酸化を防止することができる。したがって、可溶導体6は、Cuの酸化によって溶断時間が長くなる事態を防止することができ、短時間で溶断することができる。
また、可溶導体6は、高融点金属層2としてCu等の安価だが酸化しやすい金属を用いることができ、Ag等の高価な材料を用いることなく形成することができる。
高融点金属の酸化防止膜は、低融点金属層3と同じ材料を用いることができ、例えばSnを主成分とするPbフリーハンダを用いることができる。また、酸化防止膜は、高融点金属層2の表面に錫メッキを施すことにより形成することができる。その他、酸化防止膜は、Auメッキやプリフラックスによって形成することもできる。
次いで、可溶導体6上にフラックスシート5を搭載する工程について説明する。まず、フラックスシート5は、可溶導体6の面積よりも十分に大きな支持体8にフラックス7を含浸させ、オーブン等によって加熱しフラックス7の溶剤分を乾燥させて固化することによってマザーシートを作成し、このマザーシートから所望の大きさに切断することで作成することができる。なお、マザーシートを作成せずに、直接フラックスシート5を作成することもできる。この場合には、フラックスシート5の切り出し工程を省略することができる。
次いで、切り出したフラックスシート5を可溶導体6を完全に覆い隠すように、可溶導体6上に搭載する。なお、可溶導体6上にフラックスシート5を仮固定する固定剤として少量の液体フラックス7を滴下又は塗布しフラックスシート5を載置し、乾燥することで、可溶導体6上にフラックスシート5を搭載することができる。また、可溶導体6下にフラックスシート5を搭載する場合には、可溶導体6の下面を上方に向けた状態で、可溶導体6の下面の表面積より小さいフラックスシート5を搭載する。なお、可溶導体6下にフラックスシート5を仮固定する固定剤として少量の液体フラックス7を滴下又は塗布しフラックスシート5を載置し、乾燥することで、可溶導体6下にフラックスシート5を搭載することができる。なお、可溶導体6上及び可溶導体6下にそれぞれフラックスシート5を搭載する場合には、可溶導体6の片面ごとにフラックスシート5を搭載するようにしてもよいが、2つのフラックスシート5の一方又は両方を仮固定し、後述する各素子のカバー部材を接着する際の加熱によって固定剤を乾燥するようにしてもよい。
また、可溶導体6上にフラックスシート5を搭載する他の例について説明する。可溶導体6の面積よりも十分に大きなマザー支持体から、フラックスシート5の大きさに応じた支持体8を切り出す。次に、可溶導体6上にフラックス7を塗布又は滴下した後に、フラックス7を乾燥させる前に、切り出した支持体8を載置する。支持体8は、液体保持性を有するため、フラックス7を吸収して、フラックス7と一体化する。その後、乾燥工程を経てフラックス7の溶剤分を乾燥させて固化することで、フラックスシート5が形成される。また、可溶導体6下にフラックスシート5を搭載する場合には、可溶導体6の下面を上方に向けた状態で、可溶導体6の下面にフラックス7を塗布又は滴下した後に、フラックス7を乾燥させる前に、可溶導体6の下面の表面積より小さく切り出した支持体8を載置する。支持体8は、液体保持性を有するため、フラックス7を吸収して、フラックス7と一体化する。その後、乾燥工程を経てフラックス7の溶剤分を乾燥させて固化することで、可溶導体6の下面にフラックスシート5が形成される。
この工程を用いることで、フラックスシート5をあらかじめ製造する工程を省略することができ、通常のフラックス7の塗布工程の後に支持体8を載置するだけで、ヒューズエレメント1を製造することができ、煩雑な製造工程を必要とすることはない。
また、可溶導体6上にフラックスシート5を搭載しない場合の例、すなわち、絶縁体片含有フラックス9を用いる場合について説明する。可溶導体6上には、流動性又は半流動性を有する絶縁体片含有フラックス9を塗布又は滴下し、可溶導体6上に絶縁体片含有フラックス9が広がることによって、フラックスシート5と略同等の構成及び効果を得ることができる。また、可溶導体6下に絶縁体片含有フラックス9を塗布する場合には、可溶導体6の下面を上方に向けた状態で、可溶導体6の下面に絶縁体片含有フラックス9を塗布又は滴下し、可溶導体6の下面に絶縁体片含有フラックス9が広がることによって、フラックスシート5と略同等の構成及び効果を得ることができる。
この工程を用いることで、フラックスシート5をあらかじめ製造する工程を省略することができ、通常のフラックス7の塗布工程と同様の工程を用いて絶縁体片含有フラックス9を塗布するだけで、ヒューズエレメント1を製造することができ、煩雑な製造工程を必要とすることはない。
次いで、上述したヒューズエレメント1を用いたヒューズ素子、保護素子、短絡素子、切替素子について説明する。なお、以下の説明では、ヒューズエレメント1を用いた各素子について説明するが、ヒューズエレメント1及びその変形例を各素子に用いてもよいのは勿論である。また、以下では、ヒューズエレメント1で説明したものと略同等の要素について同じ符号を付して説明を省略する。
[ヒューズ素子(自己発熱遮断)]
本発明が適用されたヒューズ素子80は、図7(A)に示すように、絶縁基板81と、絶縁基板81に設けられた第1の電極82及び第2の電極83と、第1及び第2の電極82,83間にわたって実装され、定格を超える電流が通電することによって自己発熱により溶断し、第1の電極82と第2の電極83との間の電流経路を遮断するヒューズエレメント1と、絶縁基板81上でヒューズエレメント1をカバーするカバー部材89とを備える。ヒューズエレメント1は、可溶導体6と可溶導体6上及び/又は可溶導体6下に搭載されたフラックスシート5から構成される。
絶縁基板81は、たとえば、アルミナ、ガラスセラミックス、ムライト、ジルコニアなどの絶縁性を有する部材によって方形状に形成される。その他、絶縁基板81は、ガラスエポキシ基板、フェノール基板等のプリント配線基板に用いられる材料を用いてもよい。
絶縁基板81の相対向する両端部には、第1、第2の電極82,83が形成されている。第1、第2の電極82,83は、それぞれ、AgやCu配線等の導電パターンによって形成され、表面に適宜、酸化防止対策としてSnメッキ、Ni/Auメッキ、Ni/Pdメッキ、Ni/Pd/Auメッキ等の保護層86が設けられている。また、第1、第2の電極82,83は、絶縁基板81の表面81aより、キャスタレーションを介して裏面81bに形成された第1、第2の外部接続電極82a,83aと連続されている。ヒューズ素子80は、裏面81bに形成された第1、第2の外部接続電極82a,83aを介して、回路基板の電流経路上に実装される。
第1及び第2の電極82,83は、ハンダ等の接続材料88を介してヒューズエレメント1の可溶導体6が接続されている。上述したように、ヒューズエレメント1は、可溶導体6が高融点金属層2を備えることにより高温環境に対する耐性が向上されているため実装性に優れ、接続材料88を介して第1及び第2の電極82,83間に搭載された後、リフローはんだ付け等により容易に接続することができる。
[可溶導体]
可溶導体6については、上述したヒューズエレメント1で説明したものと略同等のものを用いるため、説明及び層構造について図示を省略している。以下の全ての実施の形態においても同様とする。
[フラックスシート]
ヒューズ素子80は、高融点金属層2又は低融点金属層3の酸化防止と、溶断時の酸化物除去及びハンダの流動性向上のために、図7(A)に示すように、可溶導体6上の最外層の全面にわたるフラックスシート5を搭載している。なお、フラックスシート5については、上述したヒューズエレメント1で説明したものと略同等のものを用いるため、説明及び内部構造について図示を省略している。また、フラックスシート5を可溶導体6下に搭載することは、図7(B)に示すように、上述したヒューズエレメント1にて説明した場合と適用可能であるが、可溶導体6上にフラックスシート5を搭載する例についてのみ説明を行い、詳細な図示及び説明を省略する。以下の全ての実施の形態においても同様とする。
フラックスシート5は、流動体又は半流動体のフラックス7をシート状の支持体8に含浸、保持させたものであり、例えば不織布やメッシュ状の生地にフラックス7を含浸させたもの、あるいは可溶導体6の最外層に塗布したフラックス7の上に不織布やメッシュ状の生地を配置し、フラックス7を含浸させたものである。
図8に示すように、フラックスシート5は、可溶導体6の表面積よりも広い面積を有することが好ましい。これにより、可溶導体6は、フラックスシート5によって完全に被覆され、溶融により体積が膨張した場合にも、確実にフラックス7による酸化除去、及び濡れ性の向上による速溶断を実現することができる。
フラックスシート5を可溶導体6上に搭載することにより、ヒューズエレメント1の実装時やヒューズ素子80の実装時における熱処理工程においてもフラックス7を可溶導体6の全面にわたって保持することができ、ヒューズ素子80の実使用時において、低融点金属層3(例えばハンダ)の濡れ性を高めるとともに、第1、第2の低融点金属が溶解している間の酸化物を除去し、高融点金属(例えばAg)への浸食作用を用いて速溶断性を向上させることができる。
また、フラックスシート5を配置することにより、可溶導体6の最外層の高融点金属層2の表面に、Snを主成分とするPbフリーハンダ等の酸化防止膜を形成した場合にも、当該酸化防止膜の酸化物を除去することができ、高融点金属層2の酸化を効果的に防止し、速溶断性を維持、向上することができる。
[カバー部材]
ヒューズ素子80は、ヒューズエレメント1が設けられた絶縁基板81の表面81a上に、内部を保護するとともに溶融したヒューズエレメント1の飛散を防止するカバー部材89が取り付けられている。
カバー部材89は、各種エンジニアリングプラスチック、セラミックス等の絶縁性を有する部材により形成することができる。ヒューズ素子80は、ヒューズエレメント1がカバー部材89によって覆われるため、過電流によるアーク放電の発生を伴う自己発熱遮断時においても、溶融金属がカバー部材89によって捕捉され、周囲への飛散を防止できる。
また、カバー部材89は、天面89aから絶縁基板81に向かって、少なくともフラックスシート5の側面まで延在する突起部89bを有している。カバー部材89は、突起部89bにより、フラックスシート5の側面が移動規制を受けるため、フラックスシート5の位置ずれを防ぐことが可能となる。すなわち、突起部89bは、フラックスシート5の大きさよりも所定のクリアランスを保持した大きさで、フラックスシート5を保持すべき位置に対応して設けられる。なお、突起部89bは、フラックスシート5の側面を周回して覆う壁面としてもよいし、部分的に突起するものであってもよい。
また、カバー部材89は、フラックスシート5と天面89aの間に所定の間隔をあけた構成とされている。図9に示すように、可溶導体6が溶融した際に、溶融した溶融導体がフラックスシート5を押し上げるためのクリアランスが必要だからである。
従って、カバー部材89は、カバー部材89の内部空間の高さ(天面89aまでの高さ)は、絶縁基板81の表面81a上の溶融した可溶導体6の高さ(複数の溶融導体に分断される場合にはその溶融導体のうち最も高くなる高さ)と、フラックスシート5の厚さの和よりも大きくなるように構成されている。
[実装状態]
次いで、ヒューズ素子80の実装状態について説明する。ヒューズ素子80は、図7に示すように、可溶導体6が、絶縁基板81の表面81aから離間して実装されている。
一方、可溶導体を絶縁基板の表面へ印刷により形成するなど、可溶導体が絶縁基板の表面と接するヒューズ素子においては、第1、第2の電極間において可溶導体の溶融金属が絶縁基板上に付着しリークが発生する。例えばAgペーストをセラミック基板へ印刷することにより可溶導体を形成したヒューズ素子においては、セラミックとAgが焼結されて食い込んでしまい、第1、第2の電極間に残留してしまう。そのため、当該残留物によって第1、第2の電極間にリーク電流が流れ、電流経路を完全には遮断することができない。
この点、ヒューズ素子80においては、絶縁基板81とは別に単体で可溶導体6を形成し、かつ絶縁基板81の表面81aから離間して実装させている。したがって、ヒューズ素子80は、可溶導体6の溶融時にも溶融金属が絶縁基板81へ食い込むこともなく第1、第2の電極82,83上に引き込まれ、確実に第1、第2の電極82,83間を絶縁することができる。
なお、ヒューズ素子80は、上述したように可溶導体6を第1、第2の電極82,83上にリフローハンダ付けによって接続することができるが、その他にも、ヒューズ素子80は、可溶導体6を超音波溶接によって第1、第2の電極82,83上に接続してもよい。
次いで、ヒューズ素子80は、図8に示すように、フラックスシート5が、可溶導体6を完全に覆い隠すように可溶導体6上に搭載する。なお、可溶導体6上に仮固定する固定剤として少量の液体フラックス7を滴下又は塗布しフラックスシート5を載置することでフラックスシート5を可溶導体6上に固定する。
次いで、接着剤84を介して絶縁基板81上にカバー部材89が接着される。カバー部材89の突起部89bは、フラックスシート5の搭載位置に対して所定のクリアランスがあるため、フラックスシート5と干渉することはない。
[回路図]
このようなヒューズ素子80は、図10(A)に示す回路構成を有する。ヒューズ素子80は、第1、第2の外部接続電極82a,83aを介して外部回路に実装されることにより、当該外部回路の電流経路上に組み込まれる。ヒューズ素子80は、可溶導体6に所定の定格電流が流れている間は、自己発熱によっても溶断することがない。そして、ヒューズ素子80は、定格を超える過電流が通電すると可溶導体6が自己発熱によって溶断し、第1、第2の電極82,83間を遮断することにより、当該外部回路の電流経路を遮断する(図10(B))。
このとき、ヒューズ素子80は、上述したように、可溶導体6が高融点金属層2よりも融点の低い低融点金属層3が積層されているため、過電流による自己発熱により、高融点金属層2を浸食し始める。したがって、ヒューズ素子80は、可溶導体6の低融点金属層3による高融点金属層2の浸食作用を利用することにより、高融点金属層2が溶融温度よりも低い温度で溶融され、速やかに溶断することができる。
加えて、図9に示すように、可溶導体6の溶融金属は、第1及び第2の電極82,83の物理的な引き込み作用により左右に分断されることから、速やかに、かつ確実に、第1及び第2の電極82,83間の電流経路を遮断することができる。
[製造方法]
ヒューズ素子80の製造方法は、上述で説明したヒューズエレメント1に関する製造方法を用いることができる。従って、ヒューズエレメント1に関する製造方法の説明は割愛する。
まず、絶縁基板81の相対向する両端部に、第1、第2の電極82,83を、それぞれ、AgやCu配線等をスクリーン印刷等によってパターンニングし、表面に適宜、酸化防止及び電極喰われ対策としてSn、Ni/Au、Ni/Pd、Ni/Pd/Au等の保護層86をメッキ加工によって形成することでベース部分を製造する。
次に、絶縁基板81の表面81a側で、第1、第2の電極82,83上にハンダペースト等の接続材料88を塗布し、第1、第2の電極82,83にわたってヒューズエレメント1の可溶導体6部分を接続する。これにより、第1、第2の電極82,83上に、ヒューズエレメント1すなわち可溶導体6が搭載される。
次に、絶縁基板81の表面81a側に所定の範囲で接着剤84を塗布した後に、カバー部材89を接着することで、ヒューズエレメント1がカバーされ、ヒューズ素子80が完成する。
ここで、ヒューズ素子80におけるヒューズエレメント1の搭載方法については、ヒューズエレメント1の製造工程を、ヒューズ素子80の製造工程の内部に分割して取り込むようにしてもよい。
具体的には、ヒューズエレメント1のフラックスシート5を可溶導体6に接着する前、若しくは可溶導体6の表面に絶縁体片含有フラックス9を塗布する前に、可溶導体6単体を、第1、第2の電極82,83上に搭載して接続した後に、可溶導体6上にフラックスシート5をフラックス7等の固定剤を用いて仮固定するようするか、若しくは可溶導体6単体を、第1、第2の電極82,83上に搭載して接続した後に、絶縁体片含有フラックス9を塗布するようにしてもよい。この場合、カバー部材89を接着する工程で、加熱を行うことで、接着剤84を硬化させるとともに、フラックスシート5を固定することができる。
ヒューズ素子80の製造方法にヒューズエレメント1の製造方法を取り込むことで、あらかじめヒューズエレメント1を製造しておく必要が無くなり、ヒューズ素子80の製造工程をヒューズエレメント1の製造工程と一体化することができるため、生産性の向上が期待できる。
なお、ヒューズ素子80の製造方法にヒューズエレメント1の製造方法を取り込む場合であっても、カバー部材89を接着する工程が最後になることは説明するまでもない。
[ヒューズ素子の変形例1]
次に、ヒューズ素子80の変形例1を説明する。ヒューズ素子80は、図11(A)に示すように、フラックスシート5を、フラックスシート85aに置換したものを用いるようにしてもよい。図11(A)に示すヒューズ素子80は、フラックスシート85a以外の部分については、特に変更はないものとする。
フラックスシート85aは、流動体又は半流動体のフラックス7をシート状の支持体8に含浸、保持させたものであり、例えば不織布やメッシュ状の生地にフラックス7を含浸させたもの、あるいは可溶導体6の最外層に塗布したフラックス7の上に不織布やメッシュ状の生地を配置し、フラックス7を含浸させたものである。フラックスシート85aは、液体保持性を有する支持体8によって流動体又は半流動体のフラックス7を保持することができる。
ヒューズ素子80の変形例1で示す構造を用いる場合、上述で説明した、ヒューズ素子80の製造方法において、可溶導体6単体を第1、第2の電極82,83上に搭載して接続した後に、可溶導体6上に流動体又は半流動体のフラックス7を塗布又は滴下し、フラックス7上にシート状の支持体8を載置することで製造することができる。
また、ヒューズ素子80の変形例1で示す構造を用いる場合、図11(B)に示すように、フラックスシート85aを可溶導体6下にも搭載することができる。また、可溶導体6下のみにフラックスシート85aを搭載するようにしてもよいことは言うまでもない。
[ヒューズ素子の変形例2]
次に、ヒューズ素子80の変形例を説明する。ヒューズ素子80は、図12(A)に示すように、フラックスシート5を、絶縁体片含有フラックス85bに置換したものを用いるようにしてもよい。図12(A)に示すヒューズ素子80は、絶縁体片含有フラックス85b以外の部分については、特に変更はないものとする。
絶縁体片含有フラックス85bは、シート状の支持体8に流動体又は半流動体のフラックス7を含浸させずに、流動体又は半流動体のフラックス7に針状又は短繊維の絶縁体片10を混練して含有させ可溶導体6に塗布したものである。絶縁体片含有フラックス85bは、液体保持性を有する絶縁体片10によって流動体又は半流動体のフラックス7を可溶導体6上に保持することができる。
ヒューズ素子80の変形例2で示す構造を用いる場合、上述で説明した、ヒューズ素子80の製造方法において、可溶導体6単体を第1、第2の電極82,83上に搭載して接続した後に、針状又は短繊維の絶縁体片10を混練して含有させた絶縁体片含有フラックス9を可溶導体6上に塗布することで製造することができる。
また、ヒューズ素子80の変形例2で示す構造を用いる場合、図12(B)に示すように、絶縁体片含有フラックス85bを可溶導体6下にも塗布することができる。また、可溶導体6下のみに絶縁体片含有フラックス85bを塗布するようにしてもよいことは言うまでもない。
[保護素子(発熱体による発熱遮断及び自己発熱遮断)]
次いで、ヒューズエレメント1を用いた保護素子について説明する。なお、以下の説明において、上述したヒューズエレメント1及びヒューズ素子80と同様の部材については同じ符号を付してその詳細を省略する。
本発明が適用された保護素子90は、図13(A),図14(A)に示すように、絶縁基板91と、絶縁基板91に積層され、絶縁部材92に覆われた発熱体93と、絶縁基板91の両端に形成された第1の電極94及び第2の電極95と、絶縁基板91上に発熱体93と重畳するように積層され、発熱体93に電気的に接続された発熱体引出電極96と、両端が第1、第2の電極94,95にそれぞれ接続され、中央部が発熱体引出電極96に接続されたヒューズエレメント1と、絶縁基板91上でヒューズエレメント1をカバーするカバー部材97とを備える。ヒューズエレメント1は、可溶導体6と可溶導体6上及び/又は可溶導体6下に搭載されたフラックスシート5から構成される。なお、可溶導体6下に搭載されたフラックスシート5については、図13(B)に図示する。
絶縁基板91は、上記絶縁基板81と同様に、たとえば、アルミナ、ガラスセラミックス、ムライト、ジルコニアなどの絶縁性を有する部材によって方形状に形成される。その他、絶縁基板91は、ガラスエポキシ基板、フェノール基板等のプリント配線基板に用いられる材料を用いてもよい。
絶縁基板91の相対向する両端部には、第1、第2の電極94,95が形成されている。第1、第2の電極94,95は、それぞれ、AgやCu配線等の導電パターンによって形成されている。また、第1、第2の電極94,95は、絶縁基板91の表面91aより、キャスタレーションを介して裏面91bに形成された第1、第2の外部接続電極94a,95aと連続されている。保護素子90は、裏面91bに形成された第1、第2の外部接続電極94b,95bが保護素子90が実装される回路基板に設けられた接続電極に接続されることにより、回路基板上に形成された電流経路の一部に組み込まれる。
発熱体93は、通電すると発熱する導電性を有する部材であって、たとえばニクロム、W、Mo、Ru等又はこれらを含む材料からなる。発熱体93は、これらの合金あるいは組成物、化合物の粉状体を樹脂バインダ等と混合してペースト状にしたものを、絶縁基板91上にスクリーン印刷技術を用いてパターン形成して、焼成する等によって形成することができる。
また、保護素子90は、発熱体93が絶縁部材92によって被覆され、絶縁部材92を介して発熱体93と対向するように発熱体引出電極96が形成される。発熱体引出電極96はヒューズエレメント1の可溶導体6が接続され、これにより発熱体93は、絶縁部材92及び発熱体引出電極96を介して可溶導体6と重畳される。絶縁部材92は、発熱体93の保護及び絶縁を図るとともに、発熱体93の熱を効率よく可溶導体6へ伝えるために設けられ、例えばガラス層からなる。
なお、発熱体93は、絶縁基板91に積層された絶縁部材92の内部に形成してもよい。また、発熱体93は、絶縁基板91の第1、第2の電極94,95が形成された表面と反対側の裏面91bに形成してもよく、あるいは、絶縁基板91の表面91aに第1、第2の電極94,95と隣接して形成してもよい。また、発熱体93は、絶縁基板91の内部に形成してもよい。
また、発熱体93は、一端が発熱体引出電極96と接続され、他端が発熱体電極99と接続されている。発熱体引出電極96は、絶縁基板91の表面91a上に形成されるとともに発熱体93と接続された下層部96aと、発熱体93と対向して絶縁部材92上に積層されるとともにヒューズエレメント1の可溶導体6と接続される上層部96bとを有する。これにより、発熱体93は、発熱体引出電極96を介してヒューズエレメント1の可溶導体6と電気的に接続されている。なお、発熱体引出電極96は、絶縁部材92を介して発熱体93に対向配置されることにより、可溶導体6を溶融させるとともに、溶融導体を凝集しやすくすることができる。
また、発熱体電極99は、絶縁基板91の表面91a上に形成され、キャスタレーションを介して絶縁基板91の裏面91bに形成された発熱体給電電極99aと連続されている。
保護素子90は、第1の電極94から発熱体引出電極96を介して第2の電極95に跨ってヒューズエレメント1の可溶導体6が接続されている。可溶導体6は、ハンダ等の接続材料100を介して第1、第2の電極94,95及び発熱体引出電極96上に搭載された後、リフローはんだ付け等により容易に接続することができる。
上述したように、ヒューズエレメント1は、可溶導体6が高融点金属層2を備えることにより高温環境に対する耐性が向上されているため実装性に優れ、接続材料100を介して第1、第2の電極94,95及び発熱体引出電極96上に搭載された後、リフローはんだ付け等により容易に接続することができる。
なお、第1、第2の電極94,95、発熱体引出電極96及び発熱体電極99は、例えばAgやCu等の導電パターンによって形成され、適宜、表面にSnメッキ、Ni/Auメッキ、Ni/Pdメッキ、Ni/Pd/Auメッキ等の保護層98が形成されている。これにより、表面の酸化を防止するとともに、可溶導体6の低融点金属層3や可溶導体6の接続用ハンダ等の接続材料100による第1、第2の電極94,95及び発熱体引出電極96の浸食を抑制することができる。
また、第1、第2の電極94,95には、上述した可溶導体6の溶融導体やヒューズエレメント1の接続材料100の流出を防止するガラス等の絶縁材料からなる流出防止部102が形成されている。
また、保護素子90は、可溶導体6が発熱体引出電極96と接続されることにより、発熱体93への通電経路の一部を構成する。したがって、保護素子90は、可溶導体6が溶融し、外部回路との接続が遮断されると、発熱体93への通電経路も遮断されるため、発熱を停止させることができる。
[フラックスシート]
また、保護素子90は、高融点金属層2又は低融点金属層3の酸化防止と、溶断時の酸化物除去及びハンダの流動性向上のために、図14(A)に示すように、可溶導体6上の最外層の全面にフラックスシート5を搭載している。フラックスシート5は、流動体又は半流動体のフラックス7をシート状の支持体8に含浸、保持させたものであり、例えば不織布やメッシュ状の生地にフラックス7を含浸させたものである。
フラックスシート5は、可溶導体6の表面積よりも広い面積を有することが好ましい。これにより、可溶導体6は、フラックスシート5によって完全に被覆され、溶融により体積が膨張した場合にも、確実にフラックス7による酸化物除去、及び濡れ性の向上による速溶断を実現することができる。
フラックスシート5を配置することにより、ヒューズエレメント1の実装時や保護素子90の実装時における熱処理工程においてもフラックス7を可溶導体6の全面にわたって保持することができ、保護素子90の実使用時において、低融点金属層3(例えばハンダ)の濡れ性を高めるとともに、第1、第2の低融点金属が溶解している間の酸化物を除去し、高融点金属(例えばAg)への浸食作用を用いて速溶断性を向上させることができる。
また、フラックスシート5を配置することにより、最外層の高融点金属層2の表面に、Snを主成分とするPbフリーハンダ等の酸化防止膜を形成した場合にも、当該酸化防止膜の酸化物を除去することができ、高融点金属層2の酸化を効果的に防止し、速溶断性を維持、向上することができる。
また、図13(B)に示すように、フラックスシート5を可溶導体6下にも搭載することができる。また、可溶導体6下のみにフラックスシート5を搭載するようにしてもよいことは言うまでもない。
[カバー部材]
ヒューズ素子90は、ヒューズエレメント1が設けられた絶縁基板91の表面91a上に、内部を保護するとともに溶融したヒューズエレメント1の飛散を防止するカバー部材97が取り付けられている。
カバー部材97は、各種エンジニアリングプラスチック、セラミックス等の絶縁性を有する部材により形成することができる。ヒューズ素子90は、ヒューズエレメント1がカバー部材97によって覆われるため、過電流によるアーク放電の発生を伴う自己発熱遮断時においても、溶融金属がカバー部材97によって捕捉され、周囲への飛散を防止できる。
また、カバー部材97は、天面97aから絶縁基板81に向かって、少なくともフラックスシート5の側面まで延在する突起部97bを有している。カバー部材97は、突起部97bにより、フラックスシート5の側面が移動規制を受けるため、フラックスシート5の位置ずれを防ぐことが可能となる。すなわち、突起部97bは、フラックスシート5の大きさよりも所定のクリアランスを保持した大きさで、フラックスシート5を保持すべき位置に対応して設けられる。なお、突起部97bは、フラックスシート5の側面を周回して覆う壁面としてもよいし、部分的に突起するものであってもよい。
また、カバー部材97は、フラックスシート5と天面97aの間に所定の間隔をあけた構成とされている。図15に示すように、可溶導体6が溶融した際に、溶融した溶融導体がフラックスシート5を押し上げるためのクリアランスが必要だからである。
従って、カバー部材97は、カバー部材97の内部空間の高さ(天面97aまでの高さ)は、絶縁基板91の表面91a上の溶融した可溶導体6の高さ(複数の溶融導体に分断される場合にはその溶融導体のうち最も高くなる高さ)と、フラックスシート5の厚さの和よりも大きくなるように構成されている。
[実装状態]
次いで、ヒューズエレメント1の実装状態について説明する。ヒューズ素子90は、図13(A)及び図15に示すように、可溶導体6が、絶縁基板91の表面91aから離間して実装されている。
一方、可溶導体を絶縁基板の表面へ印刷により形成するなど、可溶導体が絶縁基板の表面と接するヒューズ素子においては、第1、第2の電極間において可溶導体の溶融金属が絶縁基板上に付着しリークが発生する。例えばAgペーストをセラミック基板へ印刷することにより可溶導体を形成したヒューズ素子においては、セラミックとAgが焼結されて食い込んでしまい、第1、第2の電極間に残留してしまう。そのため、当該残留物によって第1、第2の電極間にリーク電流が流れ、電流経路を完全には遮断することができない。
この点、ヒューズ素子90においては、絶縁基板91とは別に単体で可溶導体6を形成し、かつ絶縁基板91の表面91aから離間して実装させている。したがって、ヒューズ素子90は、可溶導体6の溶融時にも溶融金属が絶縁基板91へ食い込むこともなく第1、第2の電極94,95,発熱体引出電極96上に引き込まれ、確実に第1、第2の電極94,95間を絶縁することができる。
なお、ヒューズエレメント1は、上述したように可溶導体6を第1、第2の電極94,95、発熱体引出電極96上にリフローハンダ付けによって接続することができるが、その他にも、ヒューズエレメント1は、可溶導体6を超音波溶接によって第1、第2の電極94,95,発熱体引出電極96上に接続してもよい。
次いで、フラックスシート5の実装状態について説明する。ヒューズ素子90は、図13(A)に示すように、フラックスシート5が、可溶導体6を完全に覆い隠すように可溶導体6上に搭載する。なお、可溶導体6上に仮固定する固定剤として少量の液体フラックス7を滴下又は塗布しフラックスシート5を載置することでフラックスシート5を可溶導体6上に固定する。
次いで、接着剤103を介して絶縁基板91上にカバー部材97が接着される。カバー部材97の突起部97bは、フラックスシート5の搭載位置に対して所定のクリアランスがあるため、フラックスシート5と干渉することはない。
[回路図及び溶断工程]
本発明が適用された保護素子90は、図14(B)に示すような回路構成を有する。すなわち、保護素子90は、発熱体引出電極96を介して第1、第2の外部接続端子94a,95a間にわたって直列接続された可溶導体6と、可溶導体6の接続点となる発熱体引出電極96を介して通電して発熱させることによって可溶導体6を溶融する発熱体93とからなる回路構成である。そして、保護素子90は、第1、第2の電極94,95及び発熱体電極99が、それぞれ第1、第2の外部接続端子94a,95a及び発熱体給電端子99aが外部回路基板に接続される。これにより、保護素子90は、ヒューズエレメント1の可溶導体6が第1、第2の電極94,95を介して外部回路の電流経路上に直列接続され、発熱体93が発熱体電極99を介して外部回路に設けられた電流制御素子と接続される。
このような回路構成からなる保護素子90は、外部回路の電流経路を遮断する必要が生じた場合に、外部回路に設けられた電流制御素子によって発熱体93が通電される。これにより、保護素子90は、発熱体93の発熱により、外部回路の電流経路上に組み込まれた可溶導体6が溶融され、図16(A)及び図16(B)に示すように、可溶導体6の溶融導体が、濡れ性の高い発熱体引出電極96及び第1、第2の電極94,95に引き寄せられることにより可溶導体6が溶断される。これにより、ヒューズエレメント1は、確実に第1の電極94〜発熱体引出電極96〜第2の電極95の間を溶断させ(図16(B))、外部回路の電流経路を遮断することができる。また、可溶導体6が溶断することにより、発熱体93への給電も停止される。
このとき、ヒューズエレメント1は、上述したように、可溶導体6が高融点金属層2よりも融点の低い低融点金属層3が積層されているため、過電流による自己発熱により、高融点金属層2を浸食し始める。したがって、ヒューズエレメント1は、可溶導体6の低融点金属層3による高融点金属層2の浸食作用を利用することにより、高融点金属層2が溶融温度よりも低い温度で溶融され、速やかに溶断することができる。
[製造方法]
保護素子90の製造方法は、上述で説明したヒューズエレメント1に関する製造方法及びヒューズ素子80に関する製造方法を用いることができる。なお、以下では、保護素子90の製造方法として、ヒューズエレメント1を絶縁基板91上に搭載する部分のみを説明し、他の工程の詳細な説明は割愛する。
まず、絶縁基板91の表面91a側で、第1、第2の電極94,95,発熱体引出電極96上にハンダペースト等の接続材料100を塗布し、第1、第2の電極94,95,発熱体引出電極96にわたってヒューズエレメント1の可溶導体6部分を接続する。これにより、第1、第2の電極94,95,発熱体引出電極96上に、ヒューズエレメント1すなわち可溶導体6が搭載される。
次に、絶縁基板91の表面91a側に所定の範囲で接着剤103を塗布した後に、カバー部材97を接着することで、ヒューズエレメント1がカバーされ、保護素子90が完成する。
ここで、保護素子90におけるヒューズエレメント1の搭載方法については、ヒューズエレメント1の製造工程を、保護素子90の製造工程の内部に分割して取り込むようにしてもよい。
具体的には、ヒューズエレメント1のフラックスシート5を可溶導体6に接着する前、若しくは可溶導体6の表面に絶縁体片含有フラックス9を塗布する前に、可溶導体6単体を、第1、第2の電極94,95,発熱体引出電極96上に搭載して接続した後に、可溶導体6上にフラックスシート5をフラックス7等の仮固定する固定剤を用いて接着するようするか、若しくは可溶導体6単体を、第1、第2の電極82,83上に搭載して接続した後に、絶縁体片含有フラックス9を塗布するようにしてもよい。
ヒューズエレメント1の製造方法に保護素子90の製造方法を取り込むことで、あらかじめヒューズエレメント1を製造しておく必要が無くなり、ヒューズエレメント1の製造工程を保護素子90の製造工程と一体化することができるため、生産性の向上が期待できる。
なお、ヒューズエレメント1の製造方法を保護素子90の製造方法の内部に取り込む場合であっても、カバー部材97を接着する工程が最後になることは説明するまでもない。
[保護素子の変形例1]
次に、保護素子90の変形例1を説明する。保護素子90は、図17(A)に示すように、フラックスシート5を、フラックスシート104aに置換したものを用いるようにしてもよい。図17(A)に示す保護素子90は、フラックスシート104a以外の部分については、特に変更はないものとする。
フラックスシート104aは、流動体又は半流動体のフラックス7をシート状の支持体8に含浸、保持させたものであり、例えば不織布やメッシュ状の生地にフラックス7を含浸させたもの、あるいは可溶導体6の最外層に塗布したフラックス7の上に不織布やメッシュ状の生地を配置し、フラックス7を含浸させたものである。フラックスシート104aは、液体保持性を有する支持体8によって流動体又は半流動体のフラックス7を保持することができる。
保護素子90の変形例1で示す構造を用いる場合、上述で説明した、保護素子90の製造方法において、可溶導体6単体を第1、第2の電極94,95,発熱体引出電極96上に搭載して接続した後に、可溶導体6上に流動体又は半流動体のフラックス7を塗布又は滴下し、フラックス7上にシート状の支持体8を載置することで製造することができる。
また、保護素子90の変形例1で示す構造を用いる場合、図17(B)に示すように、フラックスシート104aを可溶導体6下にも搭載することができる。また、可溶導体6下のみにフラックスシート104aを搭載するようにしてもよいことは言うまでもない。
[保護素子の変形例2]
次に、保護素子90の変形例2を説明する。保護素子90は、図18(A)に示すように、フラックスシート5を、絶縁体片含有フラックス104bに置換したものを用いるようにしてもよい。図18(A)に示す保護素子90は、絶縁体片含有フラックス104b以外の部分については、特に変更はないものとする。
絶縁体片含有フラックス104bは、シート状の支持体8に流動体又は半流動体のフラックス7を含浸させずに、流動体又は半流動体のフラックス7に針状又は短繊維の絶縁体片10を混練して含有させ可溶導体6に塗布し乾燥させたものである。絶縁体片含有フラックス104bは、液体保持性を有する絶縁体片10によって流動体又は半流動体のフラックス7を可溶導体6上に保持することができる。
保護素子90の変形例2で示す構造を用いる場合、上述で説明した、保護素子90の製造方法において、可溶導体6単体を第1、第2の電極94,95,発熱体引出電極96上に搭載した後に、針状又は短繊維の絶縁体片10を混練して含有させた絶縁体片含有フラックス104bを可溶導体6上に塗布することで製造することができる。
また、保護素子90の変形例2で示す構造を用いる場合、図18(B)に示すように、絶縁体片含有フラックス104bを可溶導体6下にも塗布することができる。また、可溶導体6下のみに絶縁体片含有フラックス104bを塗布するようにしてもよいことは言うまでもない。
[保護素子の変形例3]
なお、保護素子90は、必ずしも、発熱体93を絶縁部材92によって被覆する必要はなく、発熱体93が絶縁基板91の内部に設置されてもよい。絶縁基板91の材料として熱伝導性に優れたものを用いることにより、発熱体93をガラス層等の絶縁部材92を介した場合と同等に加熱することができる。
[保護素子の変形例4]
また、保護素子90は、上述したように発熱体93を絶縁基板91の表面91a側に形成する他にも、発熱体93が絶縁基板91の裏面91b側に設置されてもよい。発熱体93を絶縁基板91の裏面91bに形成することにより、絶縁基板91内に形成するよりも簡易な工程で形成することができる。なお、この場合、発熱体93上には、絶縁部材92が形成されると抵抗体の保護や実装時の絶縁性確保と言う意味で好ましい。
[短絡素子(発熱体による発熱短絡)]
次いで、ヒューズエレメント1を用いた短絡素子について説明する。図19に、短絡素子110の平面図を示し、図20(A)に、短絡素子110の断面図を示す。短絡素子110は、絶縁基板111と、絶縁基板111に設けられた発熱体112と、絶縁基板111に、互いに隣接して設けられた第1の電極113及び第2の電極114と、第1の電極113と隣接して設けられるとともに、発熱体112に電気的に接続された第3の電極115と、第1、第3の電極113,115間にわたって設けられることにより電流経路構成し、発熱体112からの加熱により、第1、第3の電極113,115間の電流経路を溶断するとともに、溶融導体を介して第1、第2の電極113,114を短絡させるヒューズエレメント1と、絶縁基板91上でヒューズエレメント1をカバーするカバー部材116とを備える。ヒューズエレメント1は、可溶導体6と可溶導体6上及び/又は可溶導体6下に搭載されたフラックスシート5から構成される。なお、可溶導体6下に搭載されたフラックスシート5については、図20(B)に図示する。
絶縁基板111は、たとえば、アルミナ、ガラスセラミックス、ムライト、ジルコニアなどの絶縁性を有する部材を用いて略方形状に形成されている。絶縁基板111は、その他にも、ガラスエポキシ基板、フェノール基板等のプリント配線基板に用いられる材料を用いてもよいが、ヒューズ溶断時の温度に留意する必要がある。
発熱体112は、絶縁基板111上において絶縁部材118に被覆されている。また、絶縁部材118上には、第1〜第3の電極113〜115が形成されている。絶縁部材118は、発熱体112の熱を効率よく第1〜第3の電極113〜115へ伝えるために設けられ、例えばガラス層からなる。発熱体112は、第1〜第3の電極113〜115を加熱することにより、溶融導体を凝集しやすくさせることができる。
第1〜第3の電極113〜115は、AgやCu配線等の導電パターンによって形成されている。第1の電極113は、一方側において第2の電極114と隣接して形成されるとともに、絶縁されている。第1の電極113の他方側には第3の電極115が形成されている。第1の電極113と第3の電極115とは、ヒューズエレメント1の可溶導体6が接続されることにより導通され、短絡素子110の電流経路を構成する。また、第1の電極113は、絶縁基板111の側面に臨むキャスタレーションを介して絶縁基板111の裏面111bに設けられた第1の外部接続端子113aと接続されている。また、第2の電極114は、絶縁基板111の側面に臨むキャスタレーションを介して絶縁基板111の裏面111bに設けられた第2の外部接続端子114aと接続されている。
また、第3の電極115は、絶縁基板111あるいは絶縁部材118に設けられた発熱体引出電極120を介して発熱体112と接続されている。また、発熱体112は、発熱体電極121及び絶縁基板111の側縁に臨むキャスタレーションを介して、絶縁基板111の裏面111bに設けられた発熱体給電端子121aと接続されている。
第1及び第3の電極113,115は、ハンダ等の接続材料117を介してヒューズエレメント1の可溶導体6が接続されている。上述したように、ヒューズエレメント1は、可溶導体6が高融点金属層2を備えることにより高温環境に対する耐性が向上されているため実装性に優れ、接続材料117を介して第1及び第3の電極113,115間に搭載された後、リフローはんだ付け等により容易に接続することができる。なお、ヒューズエレメント1は、可溶導体6の最下層に設けられた低融点金属層3を接続材料として用いて、第1、第3の電極113,115に接続してもよい。
また、第1〜第3の電極113,114,115は、CuやAg等の一般的な電極材料を用いて形成することができるが、少なくとも第1、第2の電極113,114の表面上には、Ni/Auメッキ、Ni/Pdメッキ、Ni/Pd/Auメッキ等の保護層129が、公知のメッキ処理により形成されていることが好ましい。これにより、第1、第2の電極113,114の酸化を防止し、溶融導体を確実に保持させることができる。また、短絡素子110をリフロー実装する場合に、ヒューズエレメント1の可溶導体6を接続するハンダあるいはヒューズエレメント1の可溶導体6の外層を形成する第1又は第2の低融点金属層3,4が溶融することにより第1の電極113を溶食(ハンダ食われ)することを防ぐことができる。
また、第1〜第3の電極113〜115には、上述した可溶導体6の溶融導体やヒューズエレメント1の接続材料117の流出を防止するガラス等の絶縁材料からなる流出防止部126が形成されている。
[フラックスシート]
また、短絡素子110は、高融点金属層2又は低融点金属層3の酸化防止と、溶断時の酸化物除去及びハンダの流動性向上のために、図19に示すように、可溶導体6上の最外層の全面にフラックスシート5を搭載している。フラックスシート5は、流動体又は半流動体のフラックス7をシート状の支持体8に含浸、保持させたものであり、例えば不織布やメッシュ状の生地にフラックス7を含浸させたものである。
フラックスシート5は、可溶導体6の表面積よりも広い面積を有することが好ましい。これにより、可溶導体6は、フラックスシート5によって完全に被覆され、溶融により体積が膨張した場合にも、確実にフラックス7による酸化物除去、及び濡れ性の向上による速溶断を実現することができる。
フラックスシート5を配置することにより、ヒューズエレメント1の実装時や短絡素子110の実装時における熱処理工程においてもフラックス7を可溶導体6の全面にわたって保持することができ、短絡素子110の実使用時において、低融点金属層3(例えばハンダ)の濡れ性を高めるとともに、低融点金属が溶解している間の酸化物を除去し、高融点金属(例えばAg)への浸食作用を用いて速溶断性を向上させることができる。
また、フラックスシート5を配置することにより、可溶導体6の最外層の高融点金属層2の表面に、Snを主成分とするPbフリーハンダ等の酸化防止膜を形成した場合にも、当該酸化防止膜の酸化物を除去することができ、高融点金属層2の酸化を効果的に防止し、速溶断性を維持、向上することができる。
また、図20(B)に示すように、フラックスシート5を可溶導体6下にも搭載することができる。また、可溶導体6下のみにフラックスシート5を搭載するようにしてもよいことは言うまでもない。
[カバー部材]
短絡素子110は、ヒューズエレメント1が設けられた絶縁基板111の表面111a上に、内部を保護するとともに溶融したヒューズエレメント1の飛散を防止するカバー部材116が取り付けられている。
カバー部材116は、各種エンジニアリングプラスチック、セラミックス等の絶縁性を有する部材により形成することができる。短絡素子110は、ヒューズエレメント1がカバー部材116によって覆われるため、過電流によるアーク放電の発生を伴う自己発熱遮断時においても、溶融金属がカバー部材116によって捕捉され、周囲への飛散を防止できる。
また、カバー部材116は、天面116aから絶縁基板111に向かって、少なくともフラックスシート5の側面まで延在する突起部116bを有している。カバー部材116は、突起部116bにより、フラックスシート5の側面が移動規制を受けるため、フラックスシート5の位置ずれを防ぐことが可能となる。すなわち、突起部116bは、フラックスシート5の大きさよりも所定のクリアランスを保持した大きさで、フラックスシート5を保持すべき位置に対応して設けられる。なお、突起部116bは、フラックスシート5の側面を周回して覆う壁面としてもよいし、部分的に突起するものであってもよい。
また、カバー部材116は、フラックスシート5と天面116aの間に所定の間隔をあけた構成とされている。図21に示すように、可溶導体6が溶融した際に、溶融した溶融導体がフラックスシート5を押し上げるためのクリアランスが必要だからである。
従って、カバー部材116は、カバー部材116の内部空間の高さ(天面116aまでの高さ)は、絶縁基板111の表面111a上の溶融した可溶導体6の高さ(複数の溶融導体に分断される場合にはその溶融導体のうち最も高くなる高さ)と、フラックスシート5の厚さの和よりも大きくなるように構成されている。
[短絡素子の回路]
以上のような短絡素子110は、図22(A),図22(B)に示すような回路構成を有する。すなわち、短絡素子110は、第1の電極113と第2の電極114とが、正常時には絶縁され(図22(A))、発熱体112の発熱により可溶導体6が溶融すると、当該溶融導体を介して短絡するスイッチ123を構成する(図22(B))。そして、第1の外部接続端子113aと第2の外部接続端子114aは、スイッチ123の両端子を構成する。また、可溶導体6は、第3の電極115及び発熱体引出電極120を介して発熱体112と接続されている。
そして、短絡素子110は、電子機器等に組み込まれることにより、スイッチ123の両端子113a、114aが、当該電子機器の電流経路と接続され、当該電流経路を導通させる場合に、スイッチ123を短絡させ、当該電子部品の電流経路を形成する。
例えば、短絡素子110は、電子部品の電流経路上に設けられた電子部品とスイッチ123の両端子113a,114aとが並列に接続され、並列接続されている電子部品に異常が生じると、発熱体給電端子121aと第1の外部接続端子113a間に電力が供給され、発熱体112が通電することにより発熱する。この熱により可溶導体6が溶融すると、溶融導体は、図21に示すように、第1、第2の電極113,114上に凝集する。第1、第2の電極113,114は隣接して形成されているため、第1、第2の電極113,114上に凝集した溶融導体が結合し、これにより第1、第2の電極113,114が短絡する。すなわち、短絡素子110は、スイッチ123の両端子間が短絡され(図22(B))、異常を起こした電子部品をバイパスするバイパス電流経路を形成する。なお、可溶導体6が溶断することにより第1、第3の電極113,115間が溶断されるため、発熱体112への給電も停止される。
[製造方法]
短絡素子110の製造方法は、上述で説明したヒューズエレメント1に関する製造方法、ヒューズ素子80及び保護素子90に関する製造方法を用いることができる。なお、以下では、短絡素子110の製造方法として、ヒューズエレメント1を絶縁基板111上に搭載する部分のみを説明し、他の工程の詳細な説明は割愛する。
まず、絶縁基板111の表面111a側で、第1,第3の電極113,115上にハンダペースト等の接続材料117を塗布し、第1,第3の電極113,115の間にヒューズエレメント1の可溶導体6部分を接続する。これにより、第1,第3の電極113,115上に、ヒューズエレメント1の可溶導体6が搭載される。
次に、絶縁基板111の表面111a側に所定の範囲で接着剤128を塗布した後に、カバー部材116を接着剤128により接着することで、ヒューズエレメント1がカバーされ、短絡素子110が完成する。カバー部材116の突起部116bは、フラックスシート5の搭載位置に対して所定のクリアランスがあるため、フラックスシート5と干渉することはない。
ここで、短絡素子110におけるヒューズエレメント1の搭載方法については、ヒューズエレメント1の製造工程を、短絡素子110の製造工程の内部に分割して取り込むようにしてもよい。
具体的には、ヒューズエレメント1のフラックスシート5を可溶導体6に接着する前に、可溶導体6単体を、第1,第3の電極113,115上に搭載して接続し、可溶導体6上にフラックスシート5をフラックス7等の仮固定する固定剤を用いて接着するようにしてもよい。他の例としては、可溶導体6単体を、第1,第3の電極113,115上に搭載して接続し、可溶導体6上に絶縁体片含有フラックス9を塗布し、乾燥させるようにしてもよい。更に他の例としては、可溶導体6単体を、第1,第3の電極113,115上に搭載して接続し、可溶導体6上にフラックス7を滴下又は塗布し、フラックス7を乾燥させる前にフラックス7上に液体保持性を有する支持体8を載置しフラックス7を吸収させ、その後にフラックス7を乾燥させるようにしてもよい。
ヒューズエレメント1の製造方法に短絡素子110の製造方法を取り込むことで、あらかじめヒューズエレメント1を製造しておく必要が無くなり、ヒューズエレメント1の製造工程を短絡素子110の製造工程と一体化することができるため、生産性の向上が期待できる。
なお、ヒューズエレメント1の製造方法を短絡素子110の製造方法の内部に取り込む場合であっても、カバー部材116を接着する工程が最後になることは説明するまでもない。
[短絡素子の変形例1]
次に、短絡素子110の変形例1を説明する。短絡素子110は、図23(A)に示すように、フラックスシート5を、フラックスシート119aに置換したものを用いるようにしてもよい。図23(A)に示す短絡素子110は、フラックスシート119a以外の部分については、特に変更はないものとする。
フラックスシート119aは、流動体又は半流動体のフラックス7をシート状の支持体8に含浸、保持させたものであり、例えば不織布やメッシュ状の生地にフラックス7を含浸させたもの、あるいは可溶導体6の最外層に塗布したフラックス7の上に不織布やメッシュ状の生地を配置し、フラックス7を含浸させたものである。フラックスシート119aは、液体保持性を有する支持体8によって流動体又は半流動体のフラックス7を保持することができる。
短絡素子110の変形例1で示す構造を用いる場合、上述で説明した、短絡素子110の製造方法において、可溶導体6単体を第1,第3の電極113,115上に搭載して接続した後に、可溶導体6上に流動体又は半流動体のフラックス7を塗布又は滴下し、フラックス7上にシート状の支持体8を載置することで製造することができる。
また、図23(B)に示すように、フラックスシート119aを可溶導体6下にも搭載することができる。また、可溶導体6下のみにフラックスシート119aを搭載するようにしてもよいことは言うまでもない。
[短絡素子の変形例2]
次に、短絡素子110の変形例2を説明する。短絡素子110は、図24(A)に示すように、フラックスシート5を、絶縁体片含有フラックス119bに置換したものを用いるようにしてもよい。図24(A)に示す短絡素子110は、絶縁体片含有フラックス119b以外の部分については、特に変更はないものとする。
絶縁体片含有フラックス119bは、シート状の支持体8に流動体又は半流動体のフラックス7を含浸させずに、流動体又は半流動体のフラックス7に針状又は短繊維の絶縁体片10を混練して含有させ可溶導体6に塗布したものである。絶縁体片含有フラックス119bは、液体保持性を有する絶縁体片10によって流動体又は半流動体のフラックス7を可溶導体6上に保持することができる。
短絡素子110の変形例2で示す構造を用いる場合、上述で説明した、短絡素子110の製造方法において、可溶導体6単体を第1,第3の電極113,115上に搭載した後に、針状又は短繊維の絶縁体片10を混練して含有させた絶縁体片含有フラックス119bを可溶導体6上に塗布することで製造することができる。
また、図24(B)に示すように、絶縁体片含有フラックス119bを可溶導体6下にも塗布することができる。また、可溶導体6下のみに絶縁体片含有フラックス119bを塗布するようにしてもよいことは言うまでもない。
[短絡素子の変形例3]
なお、短絡素子110は、必ずしも、発熱体112を絶縁部材118によって被覆する必要はなく、発熱体112が絶縁基板111の内部に設置されてもよい。絶縁基板111の材料として熱伝導性に優れたものを用いることにより、発熱体112をガラス層等の絶縁部材118を介した場合と同等に加熱することができる。
[短絡素子の変形例4]
また、短絡素子110は、上述したように発熱体112を絶縁基板111上の第1〜第3の電極113〜115の形成面側に形成する他にも、発熱体112が絶縁基板111の第1〜第3の電極113〜115の形成面と反対の面に設置されてもよい。発熱体112を絶縁基板111の裏面111bに形成することにより、絶縁基板111内に形成するよりも簡易な工程で形成することができる。なお、この場合、発熱体112上には、絶縁部材118が形成されると抵抗体の保護や実装時の絶縁性確保と言う意味で好ましい。
[短絡素子の変形例5]
さらに、短絡素子110は、発熱体112が絶縁基板111の第1〜第3の電極113〜115の形成面上に設置されるとともに、第1〜第3の電極113〜115に併設されてもよい。発熱体112を絶縁基板111の表面に形成することにより、絶縁基板111内に形成するよりも簡易な工程で形成することができる。なお、この場合も、発熱体112上には、絶縁部材118が形成される事が好ましい。
[短絡素子の変形例6]
また、短絡素子110は、図25及び図26(A)に示すように、第2の電極114と隣接する第4の電極124及び第2、第4の電極114,124間にわたって搭載される第2の可溶導体6bを形成してもよい。第2の可溶導体6bは、可溶導体6と同じ構成を有する。また、短絡素子110の変形例6以降において、第2の可溶導体6bと区別するために、可溶導体6を第1の可溶導体6aとして図示及び説明を行う。
[フラックスシート]
また、短絡素子110は、高融点金属層2又は低融点金属層3の酸化防止と、溶断時の酸化物除去及びハンダの流動性向上のために、図25及び図26(A)に示すように、第1の可溶導体6a及び第2の可溶導体6b上の最外層の全面にフラックスシート5を搭載している。フラックスシート5は、流動体又は半流動体のフラックス7をシート状の支持体8に含浸、保持させたものであり、例えば不織布やメッシュ状の生地にフラックス7を含浸させたものである。
フラックスシート5は、第1の可溶導体6a及び第2の可溶導体6bの合計表面積よりも広い面積を有することが好ましい。これにより、第1の可溶導体6a及び第2の可溶導体6bは、フラックスシート5によって完全に被覆され、溶融により体積が膨張した場合にも、確実にフラックス7による酸化物除去、及び濡れ性の向上による速溶断を実現することができる。
フラックスシート5を配置することにより、ヒューズエレメント1の実装時や短絡素子110の実装時における熱処理工程においてもフラックス7を第1の可溶導体6a及び第2の可溶導体6bの全面にわたって保持することができ、短絡素子110の実使用時において、低融点金属層3(例えばハンダ)の濡れ性を高めるとともに、第1、第2の低融点金属が溶解している間の酸化物を除去し、高融点金属(例えばAg)への浸食作用を用いて速溶断性を向上させることができる。
また、フラックスシート5を配置することにより、第1の可溶導体6a及び第2の可溶導体6bの最外層の高融点金属層2の表面に、Snを主成分とするPbフリーハンダ等の酸化防止膜を形成した場合にも、当該酸化防止膜の酸化物を除去することができ、高融点金属層2の酸化を効果的に防止し、速溶断性を維持、向上することができる。
また、図26(B)に示すように、フラックスシート5を第1の可溶導体6a及び第2の可溶導体6b下にも搭載することができる。また、第1の可溶導体6a及び第2の可溶導体6b下のみにフラックスシート5を搭載するようにしてもよいことは言うまでもない。
[短絡素子の変形例7]
なお、短絡素子110は、図27(A)に示すように、フラックスシート5を第1の可溶導体6a、第2の可溶導体6bのそれぞれに分割して個別に搭載してもよい。
また、図27(B)に示すように、フラックスシート5を第1の可溶導体6a及び第2の可溶導体6b下にもそれぞれ個別に搭載することができる。また、第1の可溶導体6a及び第2の可溶導体6b下のみにフラックスシート5をそれぞれ個別に搭載するようにしてもよいことは言うまでもない。
[短絡素子の変形例8]
また、短絡素子110は、図28(A)に示すように、第1の可溶導体6aと第2の可溶導体6bのそれぞれにフラックス7を塗布した後、不織布やメッシュ状の生地からなる保持体8を第1の可溶導体6aと第2の可溶導体6b上にわたって載置してもよい。
また、図28(B)に示すように、フラックスシート5を第1の可溶導体6a及び第2の可溶導体6b下にも搭載することができる。また、第1の可溶導体6a及び第2の可溶導体6b下のみにフラックスシート5を搭載するようにしてもよいことは言うまでもない。
[短絡素子の変形例9]
また、短絡素子110は、図29(A)に示すように、第1の可溶導体6aと第2の可溶導体6bのそれぞれにフラックス7を塗布した後、不織布やメッシュ状の生地からなる保持体8を第1の可溶導体6aと第2の可溶導体6bとに対応させて分割し、第1の可溶導体6aと第2の可溶導体6b上にそれぞれ個別に載置してもよい。
また、図29(B)に示すように、フラックスシート5を第1の可溶導体6a及び第2の可溶導体6b下にもそれぞれ個別に搭載することができる。また、第1の可溶導体6a及び第2の可溶導体6b下のみにフラックスシート5をそれぞれ個別に搭載するようにしてもよいことは言うまでもない。
[短絡素子の変形例10]
また、短絡素子110は、図30(A)に示すように、第1の可溶導体6aと第2の可溶導体6bに、流動体又は半流動体のフラックス7に絶縁体片10を混練した絶縁体片含有フラックス119bを塗布してもよい。
また、図30(B)に示すように、絶縁体片含有フラックス119bを第1の可溶導体6a及び第2の可溶導体6b下にもそれぞれ個別に塗布することができる。また、第1の可溶導体6a及び第2の可溶導体6b下のみに絶縁体片含有フラックス119bをそれぞれ個別に塗布するようにしてもよいことは言うまでもない。
図26〜図30に示す短絡素子110においても、第1、第2の電極113,114は、第3、第4の電極115,124よりも広い面積を有することが好ましい。これにより、短絡素子110は、より多くの溶融導体を第1、第2の電極113,114上に凝集させることができ、第1、第2の電極113,114間を確実に短絡させることができる。
[切替素子]
次いで、ヒューズエレメント1を用いた切替素子について説明する。図31に切替素子130の平面図及び図32(A)に切替素子130の断面図を示す。切替素子130は、絶縁基板131と、絶縁基板131に設けられた第1の発熱体132及び第2の発熱体133と、絶縁基板131に、互いに隣接して設けられた第1の電極134及び第2の電極135と、第1の電極134と隣接して設けられるとともに、第1の発熱体132に電気的に接続された第3の電極136と、第2の電極135と隣接して設けられるとともに、第2の発熱体133に電気的に接続された第4の電極137と、第4の電極137に隣接して設けられた第5の電極138と、第1、第3の電極134,136間にわたって設けられることにより電流経路を構成し、第1の発熱体132からの加熱により、第1、第3の電極134,136間の電流経路を溶断する第1の可溶導体6aと、第2の電極135から第4の電極137を経て第5の電極138にわたって設けられ、第2の発熱体133からの加熱により、第2、第4、第5の電極135,137,138間の電流経路を溶断する第2の可溶導体6bと、第1の可溶導体6a及び第2の可溶導体6b上に搭載されたフラックスシート5と、絶縁基板131上に内部を保護するカバー部材139とを備える。なお、ヒューズエレメント1は、第1の可溶導体6a及び第2の可溶導体6bと、第1の可溶導体6a及び第2の可溶導体6b上並びに/又は第1の可溶導体6a及び第2の可溶導体6b下に搭載されたフラックスシート5から構成される。なお、第1の可溶導体6a及び第2の可溶導体6b下に搭載されたフラックスシート5については、図32(B)に図示する。
絶縁基板131は、たとえば、アルミナ、ガラスセラミックス、ムライト、ジルコニアなどの絶縁性を有する部材によって方形状に形成される。その他、絶縁基板131は、ガラスエポキシ基板、フェノール基板等のプリント配線基板に用いられる材料を用いてもよい。
第1、第2の発熱体132,133は、上述した発熱体93と同様に、通電すると発熱する導電性を有する部材であって、発熱体93と同様に形成することができる。また、第1の可溶導体6a及び第2の可溶導体6bは、上述した可溶導体6と同じ構成を有する。
また、第1、第2の発熱体132,133は、絶縁基板131上において絶縁部材140に被覆されている。第1の発熱体132を被覆する絶縁部材140上には、第1、第3の電極134,136が形成され、第2の発熱体133を被覆する絶縁部材140上には、第2、第4、第5の電極135,137,138が形成されている。第1の電極134は、一方側において第2の電極135と隣接して形成されるとともに、絶縁されている。第1の電極134の他方側には第3の電極136が形成されている。第1の電極134と第3の電極135とは、第1の可溶導体6aが接続されることにより導通され、切替素子130の電流短絡経路を構成する。また、第1の電極134は、絶縁基板131の側面に臨むキャスタレーションを介して絶縁基板131の裏面131bに設けられた第1の外部接続端子134aに接続されている。
また、第3の電極136は、絶縁基板131あるいは絶縁部材140に設けられた第1の発熱体引出電極141を介して第1の発熱体132と接続されている。また、第1の発熱体132は、第1の発熱体電極142及び絶縁基板131の側縁に臨むキャスタレーションを介して、絶縁基板131の裏面131bに設けられた第1の発熱体給電端子142aと接続されている。
第2の電極135の第1の電極134と隣接する一方側と反対の他方側には、第4の電極137が形成されている。また、第4の電極137の第2の電極135と隣接する一方側と反対の他方側には、第5の電極138が形成されている。第2の電極135、第4の電極137及び第5の電極138は、第2の可溶導体6bと接続されている。また、第2の電極135は、絶縁基板131の側面に臨むキャスタレーションを介して絶縁基板131の裏面131bに設けられた第2の外部接続端子135aと接続されている。
また、第4の電極137は、絶縁基板131あるいは絶縁部材140に設けられた第2の発熱体引出電極143を介して第2の発熱体133と接続されている。また、第2の発熱体133は、第2の発熱体電極144及び絶縁基板131の側縁に臨むキャスタレーションを介して、絶縁基板131の裏面131bに設けられた第2の発熱体給電端子144aと接続されている。
さらに、第5の電極138は、絶縁基板131の側面に臨むキャスタレーションを介して絶縁基板131の裏面に設けられた第5の外部接続端子138aと接続されている。
切替素子130は、第1の電極134から第3の電極136に跨って第1の可溶導体6aが接続され、第2の電極135から第4の電極137を介して第5の電極138に跨って第2の可溶導体6bが接続されている。第1、第2の可溶導体6a,6bは、上述した可溶導体6と同様に、高融点金属層2を備えることにより高温環境に対する耐性が向上されているため実装性に優れ、ハンダ等の接続材料145を介して第1〜第5の電極134〜138上に搭載された後、リフローはんだ付け等により容易に接続することができる。
なお、第1〜第5の電極134〜138は、CuやAg等の一般的な電極材料を用いて形成することができるが、少なくとも第1、第2の電極134,135の表面上には、Ni/Auメッキ、Ni/Pdメッキ、Ni/Pd/Auメッキ等の保護層149が、公知のメッキ処理により形成されていることが好ましい。これにより、第1、第2の電極134,135の酸化を防止し、溶融導体を確実に保持させることができる。また、切替素子130をリフロー実装する場合に、第1、第2の可溶導体6a,6bを接続するハンダあるいは第1、第2の可溶導体6a,6bの外層を形成する低融点金属が溶融することにより第1、第2の電極134,135を溶食(ハンダ食われ)することを防ぐことができる。
また、第1〜第5の電極134〜138には、上述した第1、第2の可溶導体6a,6bの溶融導体や第1、第2の可溶導体6a,6bの接続材料145の流出を防止するガラス等の絶縁材料からなる流出防止部147が形成されている。
[フラックスシート]
また、切替素子130は、高融点金属層2又は低融点金属層3の酸化防止と、溶断時の酸化物除去及びハンダの流動性向上のために、図31及び図32(A)に示すように、第1、第2の可溶導体6a,6b上の最外層の全面にフラックスシート5を搭載している。フラックスシート5は、流動体又は半流動体のフラックス7をシート状の支持体8に含浸、保持させたものであり、例えば不織布やメッシュ状の生地にフラックス7を含浸させたものである。
フラックスシート5は、第1、第2の可溶導体6a,6bの合計表面積よりも広い面積を有することが好ましい。これにより、第1、第2の可溶導体6a,6bは、フラックスシート5によって完全に被覆され、溶融により体積が膨張した場合にも、確実にフラックス7による酸化物除去、及び濡れ性の向上による速溶断を実現することができる。
フラックスシート5を配置することにより、ヒューズエレメント1の実装時や切替素子130の実装時における熱処理工程においてもフラックス7を第1、第2の可溶導体6a,6bの全面にわたって保持することができ、切替素子130の実使用時において、低融点金属層3(例えばハンダ)の濡れ性を高めるとともに、第1、第2の低融点金属が溶解している間の酸化物を除去し、高融点金属(例えばAg)への浸食作用を用いて速溶断性を向上させることができる。
また、フラックスシート5を配置することにより、第1、第2の可溶導体6a,6bの最外層の高融点金属層2の表面に、Snを主成分とするPbフリーハンダ等の酸化防止膜を形成した場合にも、当該酸化防止膜の酸化物を除去することができ、高融点金属層2の酸化を効果的に防止し、速溶断性を維持、向上することができる。
また、図32(B)に示すように、フラックスシート5を第1の可溶導体6a及び第2の可溶導体6b下にも搭載することができる。また、第1の可溶導体6a及び第2の可溶導体6b下のみにフラックスシート5を搭載するようにしてもよいことは言うまでもない。
[カバー部材]
切替素子130は、ヒューズエレメント1が設けられた絶縁基板131の表面131a上に、内部を保護するとともに溶融したヒューズエレメント1の飛散を防止するカバー部材139が取り付けられている。
カバー部材139は、各種エンジニアリングプラスチック、セラミックス等の絶縁性を有する部材により形成することができる。切替素子130は、ヒューズエレメント1がカバー部材139によって覆われるため、過電流によるアーク放電の発生を伴う自己発熱遮断時においても、第1、第2の可溶導体6a,6b等の溶融金属がカバー部材139によって捕捉され、周囲への飛散を防止できる。
また、カバー部材139は、天面139aから絶縁基板131に向かって、少なくともフラックスシート5の側面まで延在する突起部139bを有している。カバー部材139は、突起部139bにより、フラックスシート5の側面が移動規制を受けるため、フラックスシート5の位置ずれを防ぐことが可能となる。すなわち、突起部139bは、フラックスシート5の大きさよりも所定のクリアランスを保持した大きさで、フラックスシート5を保持すべき位置に対応して設けられる。なお、突起部139bは、フラックスシート5の側面を周回して覆う壁面としてもよいし、部分的に突起するものであってもよい。
また、カバー部材139は、フラックスシート5と天面139aの間に所定の間隔をあけた構成とされている。図35に示すように、第1、第2の可溶導体6a,6bが溶融した際に、溶融した溶融導体がフラックスシート5を押し上げるためのクリアランスが必要だからである。
従って、カバー部材139は、カバー部材139の内部空間の高さ(天面139aまでの高さ)は、絶縁基板131の表面131a上の溶融した第1、第2の可溶導体6a,6bの高さ(複数の溶融導体に分断される場合にはその溶融導体のうち最も高くなる高さ)と、フラックスシート5の厚さの和よりも大きくなるように構成されている。
[切替素子回路]
以上のような切替素子130は、図33に示すような回路構成を有する。すなわち、切替素子130は、第1の電極134と第2の電極135とが、正常時には絶縁され、第1、第2の発熱体132,133の発熱により第1、第2の可溶導体6a,6bが溶融すると、当該溶融導体を介して短絡するスイッチ150を構成する。そして、第1の外部接続端子134aと第2の外部接続端子135aは、スイッチ150の両端子を構成する。
また、第1の可溶導体6aは、第3の電極136及び第1の発熱体引出電極141を介して第1の発熱体132と接続されている。第2の可溶導体6bは、第4の電極137及び第2の発熱体引出電極143を介して第2の発熱体133と接続され、さらに第2の発熱体電極144を介して第2の発熱体給電端子144aと接続されている。すなわち、第2の可溶導体6b及び第2の可溶導体6bが接続される第2の電極135、第4の電極137及び第5の電極138は、切替素子130の作動前においては第2の可溶導体6bを介して第2の電極135と第5の電極138との間を導通させ、第2の可溶導体6bが溶断されることにより第2の電極135と第5の電極138との間を遮断する保護素子として機能する。
そして、切替素子130は、第2の発熱体給電端子144aより第2の発熱体133に通電されると、図34に示すように、第2の発熱体133の発熱により第2の可溶導体6bが溶融し、第2、第4、第5の電極135,137,138にそれぞれ凝集する。これにより第2の可溶導体6bを介して接続されていた第2の電極135と第5の電極138とに亘る電流経路が遮断される。また、切替素子130は、第1の発熱体給電端子142aより第1の発熱体132に通電されると、第1の発熱体132の発熱により第1の可溶導体6aが溶融し、第1、第3の電極134,136にそれぞれ凝集する。これにより、切替素子130は、図35に示すように、第1の電極134と第2の電極135とに凝集した第1、第2の可溶導体6a,6bの溶融導体が結合することにより、絶縁されていた第1の電極134と第2の電極135とを短絡させる。すなわち切替素子130は、スイッチ150を短絡させ、第2、第5の電極135,138間にわたる電流経路を、第1、第2の電極134,135間にわたる電流経路に切り替えることができる。
このとき、第1、第2の可溶導体6a,6bは、上述したように、高融点金属層2よりも融点の低い低融点金属層3が積層されているため、第1、第2の発熱体132,133の発熱により、高融点金属層2を浸食し始める。したがって、第1、第2の可溶導体6a,6bは、低融点金属層3による高融点金属層2の浸食作用を利用することにより、高融点金属層2が溶融温度よりも低い温度で溶融され、速やかに溶断することができる。
なお、第1の発熱体132への通電は、第1の可溶導体6aが溶断することにより第1、第3の電極134,136間が遮断されるため、停止され、第2の発熱体133への通電は、第2の可溶導体6bが溶断することにより、第2、第4の電極135,137間及び第4、第5の電極137,138間が遮断されるため、停止される。
[第2の可溶導体の先溶融]
ここで、リチウムイオンバッテリー等の保護回路に用いる場合の切替素子130は、第2の可溶導体6bが第1の可溶導体6aよりも先行して溶融することが好ましい。短絡を先に行うとバッテリーセルの短絡事故のリスクがある為である。切替素子130は、第1の発熱体132と第2の発熱体133とが、別々に発熱されることから、通電のタイミングとして第2の発熱体133を先に発熱させ、その後に第1の発熱体132を発熱させることで、図36に示すように、第2の可溶導体6bを第1の可溶導体6aよりも先行して溶融させ、図37に示すように、確実に第1、第2の電極134,135上に、第1、第2の可溶導体6a,6bの溶融導体を凝集、結合させ、第1、第2の電極134,135を短絡させることができる。
また、切替素子130は、第2の可溶導体6bを、第1の可溶導体6aよりも幅狭に形成することにより、第2の可溶導体6bを第1の可溶導体6aよりも先に溶断するようにしてもよい。第2の可溶導体6bを幅狭に形成することにより、溶断時間を短くすることができるため、第2の可溶導体6bが第1の可溶導体6aよりも先行して溶融させることができる。
また、バックアップ回路の切替に用いる場合の切替素子130は、逆に第1の可溶導体6aが第2の可溶導体6bよりも先行して溶融することが好ましい。遮断を先に行うとシステムの停止リスクがある為である。
[電極面積]
また、切替素子130は、第1の電極134の面積を第3の電極136よりも広くし、第2の電極135の面積を第4、第5の電極137,138よりも広くすることが好ましい。溶融導体の保持量は、電極面積に比例して多くなるため、第1、第2の電極134,135の面積を第3、第4、第5の電極136,137,138よりも広く形成することにより、より多くの溶融導体を第1、第2の電極134,135上に凝集させることができ、第1、第2の電極134,135間を確実に短絡させることができる。
[製造方法]
切替素子130の製造方法は、上述で説明したヒューズエレメント1、ヒューズ素子80、保護素子90及び短絡素子110に関する製造方法を用いることができる。なお、以下では、切替素子130の製造方法として、ヒューズエレメント1を絶縁基板131上に搭載する部分のみを説明し、他の工程の詳細な説明は割愛する。
まず、絶縁基板131の表面131a側で、第1〜第5の電極134〜138上にハンダペースト等の接続材料145を塗布し、第1〜第5の電極134〜138にわたってヒューズエレメント1の第1、第2の可溶導体6a,6b部分を接続する。これにより、第1〜第5の電極134〜138上に、ヒューズエレメント1の第1、第2の可溶導体6a,6bが適宜搭載される。
次に、絶縁基板131の表面131a側に所定の範囲で接着剤151を塗布した後に、カバー部材139を接着することで、ヒューズエレメント1がカバーされ、切替素子130が完成する。カバー部材139の突起部139bは、フラックスシート5の搭載位置に対して所定のクリアランスがあるため、フラックスシート5と干渉することはない。
ここで、切替素子130におけるヒューズエレメント1の搭載方法については、ヒューズエレメント1の製造工程を、切替素子130の製造工程の内部に分割して取り込むようにしてもよい。
具体的には、ヒューズエレメント1のフラックスシート5を可溶導体6に接着する前に、第1、第2の可溶導体6a,6bの単体を、それぞれ第1〜第5の電極134〜138上に適宜搭載して接続し、第1、第2の可溶導体6a,6b上にフラックスシート5をフラックス7等の固定剤を用いて仮固定するようにしてもよい。他の例としては、第1、第2の可溶導体6a,6bの単体を、それぞれ第1〜第5の電極134〜138上に適宜搭載して接続し、第1、第2の可溶導体6a,6b上に絶縁体片含有フラックス9を塗布し、乾燥させるようにしてもよい。更に他の例としては、第1、第2の可溶導体6a,6b単体を、第1〜第5の電極134〜138上に搭載して接続し、第1、第2の可溶導体6a,6b上にフラックス7を滴下又は塗布し、フラックス7を乾燥させる前にフラックス7上に液体保持性を有する支持体8を載置しフラックス7を吸収させ、その後にフラックス7を乾燥させるようにしてもよい。
切替素子130の製造方法にヒューズエレメント1の製造方法を取り込むことで、あらかじめヒューズエレメント1を製造しておく必要が無くなり、ヒューズエレメント1の製造工程を切替素子130の製造工程と一体化することができるため、生産性の向上が期待できる。
なお、ヒューズエレメント1の製造方法を切替素子130の製造方法の内部に取り込む場合であっても、カバー部材139を接着する工程が最後になることは説明するまでもない。
[切替素子の変形例1]
次に、切替素子130の変形例1を説明する。切替素子130は、図38(A)に示すように、フラックスシート5を、フラックスシート148aに置換したものを用いるようにしてもよい。図38(A)に示す切替素子130は、フラックスシート148a以外の部分については、特に変更はないものとする。
フラックスシート148aは、流動体又は半流動体のフラックス7をシート状の支持体8に含浸、保持させたものであり、例えば不織布やメッシュ状の生地にフラックス7を含浸させたもの、あるいは第1、第2の可溶導体6a,6bの最外層に塗布したフラックス7の上に不織布やメッシュ状の生地を配置し、フラックス7を含浸させたものである。フラックスシート148aは、液体保持性を有する支持体8によって流動体又は半流動体のフラックス7を保持することができる。
切替素子130の変形例1で示す構造を用いる場合、上述で説明した、切替素子130の製造方法において、第1、第2の可溶導体6a,6b単体を第1〜第5の電極134〜138上に搭載して接続した後に、第1、第2の可溶導体6a,6b上に流動体又は半流動体のフラックス7を塗布又は滴下し、フラックス7上にシート状の支持体8を載置することで製造することができる。
また、図38(B)に示すように、フラックスシート148aを第1の可溶導体6a及び第2の可溶導体6b下にも搭載することができる。また、第1の可溶導体6a及び第2の可溶導体6b下のみにフラックスシート148aを搭載するようにしてもよいことは言うまでもない。
[切替素子の変形例2]
次に、切替素子130の変形例2を説明する。切替素子130は、図39(A)に示すように、フラックスシート5を、絶縁体片含有フラックス148bに置換したものを用いるようにしてもよい。図39(A)に示す切替素子130は、絶縁体片含有フラックス148b以外の部分については、特に変更はないものとする。
絶縁体片含有フラックス148bは、シート状の支持体8に流動体又は半流動体のフラックス7を含浸させずに、流動体又は半流動体のフラックス7に針状又は短繊維の絶縁体片10を混練して含有させ第1、第2の可溶導体6a,6bに塗布したものである。絶縁体片含有フラックス148bは、液体保持性を有する絶縁体片10によって流動体又は半流動体のフラックス7を第1、第2の可溶導体6a,6b上に保持することができる。
切替素子130の変形例2で示す構造を用いる場合、上述で説明した、切替素子130の製造方法において、第1、第2の可溶導体6a,6b単体を第1〜第5の電極134〜138上に搭載した後に、針状又は短繊維の絶縁体片10を混練して含有させた絶縁体片含有フラックス148bを第1、第2の可溶導体6a,6b上に塗布することで製造することができる。
また、図39(B)に示すように、絶縁体片含有フラックス148bを第1の可溶導体6a及び第2の可溶導体6b下にも塗布することができる。また、第1の可溶導体6a及び第2の可溶導体6b下のみに絶縁体片含有フラックス148bを塗布するようにしてもよいことは言うまでもない。
[切替素子の変形例3]
なお、切替素子130は、必ずしも、第1、第2の発熱体132,133を絶縁部材140によって被覆する必要はなく、第1、第2の発熱体132,133が絶縁基板131の内部に設置されてもよい。絶縁基板131の材料として熱伝導性に優れたものを用いることにより、第1、第2の発熱体132,133は、ガラス層等の絶縁部材140を介した場合と同等に加熱することができる。
[切替素子の変形例4]
また、切替素子130は、第1、第2の発熱体132,133が絶縁基板131の第1〜第5の電極134,135,136,137,138の形成面と反対の裏面131bに設置されてもよい。第1、第2の発熱体132,133を絶縁基板131の裏面131bに形成することにより、絶縁基板131内に形成するよりも簡易な工程で形成することができる。なお、この場合、第1、第2の発熱体132,133上には、絶縁部材140が形成されると抵抗体の保護や実装時の絶縁性確保と言う意味で好ましい。
[切替素子の変形例5]
また、切替素子130は、図40(A)に示すように、フラックスシート5を第1の可溶導体6a、第2の可溶導体6bのそれぞれに対応するようにそれぞれ個別に搭載するようにしてもよい。
また、図40(B)に示すように、フラックスシート5を第1の可溶導体6a及び第2の可溶導体6b下にもそれぞれ個別に搭載することができる。また、第1の可溶導体6a及び第2の可溶導体6b下のみにフラックスシート5をそれぞれ個別に搭載するようにしてもよいことは言うまでもない。
[切替素子の変形例6]
また、切替素子130は、図41(A)に示すように、フラックスシート5を第1の可溶導体6a、第2の可溶導体6bのそれぞれに対応するように個別に設ける際に、第1の可溶導体6aと第2の可溶導体6b上にそれぞれ流動体又は半流動体のフラックス7を滴下又は塗布し、フラックス7を乾燥させる前に、液体保持性を有する保持体8を第1の可溶導体6aと第2の可溶導体6b上に対応するように分割して載置するようにしてもよい。フラックス7を乾燥させた後には、図40と同様にフラックスシート5が分割して形成されることとなる。
また、図41(B)に示すように、フラックスシート5を第1の可溶導体6a及び第2の可溶導体6b下にもそれぞれ個別に搭載することができる。また、第1の可溶導体6a及び第2の可溶導体6b下のみにフラックスシート5をそれぞれ個別に搭載するようにしてもよいことは言うまでもない。
[切替素子の変形例7]
また、切替素子130は、図42(A)に示すように、第1の可溶導体6aと第2の可溶導体6bに、流動体又は半流動体のフラックス7に絶縁体片10を混練した絶縁体片含有フラックス148cを塗布してもよい。
また、図42(B)に示すように、絶縁体片含有フラックス148cを第1の可溶導体6a及び第2の可溶導体6b下にもそれぞれ個別に塗布することができる。また、第1の可溶導体6a及び第2の可溶導体6b下のみに絶縁体片含有フラックス148cをそれぞれ個別に塗布するようにしてもよいことは言うまでもない。
1 ヒューズエレメント、2 高融点金属層、3 低融点金属層、5 フラックスシート、6 可溶導体、7 フラックス、8 保持体、9 絶縁体片含有フラックス、10 絶縁体片、80 ヒューズ素子、81 絶縁基板、81a 表面、81b 裏面、82 第1の電極、83 第2の電極、84 接着剤、85a フラックスシート(変形例)、85b 絶縁体片含有フラックス、86 保護層、88 接続材料(ハンダペースト)、89 カバー部材、89a 天面、89b 突起部、90 保護素子、91 絶縁基板、91a 表面、91b 裏面、92 絶縁部材、93 発熱体、94 第1の電極、94a 第1の外部接続端子、95 第2の電極、95a 第2の外部接続端子、96 発熱体引出電極、96a 下層部、96b 上層部、97 カバー部材、97a 天面、97b 突起部、98 保護層、99 発熱体電極、99a 発熱体給電端子、100 接続材料(ハンダペースト)、102 流出防止部、103 接着剤、104a フラックスシート(変形例)、104b 絶縁体片含有フラックス(変形例)、110 短絡素子、111 絶縁基板、111b 裏面、112 発熱体、112a 発熱体給電端子、113 第1の電極、113a 第1の外部接続端子、114 第2の電極、114a 第2の外部接続端子、115 第3の電極、118 絶縁部材、116 カバー部材、116a 天面、116b 突起部、117 接続材料(ハンダペースト)、119a フラックスシート(変形例)、119b 絶縁体片含有フラックス(変形例)、120 発熱体引出電極、121 発熱体電極、121a 発熱体給電端子、123 スイッチ、124 第4の電極、126 流出防止部、128 接着剤、129 保護層、130 切替素子、131 絶縁基板、131b 裏面、132 第1の発熱体、132a 第1の発熱体給電端子、133 第2の発熱体、133a 第2の発熱体給電端子、134 第1の電極、134a 第1の外部接続端子、135 第2の電極、135a 第2の外部接続端子、136 第3の電極、137 第4の電極、138 第5の電極、138a 第5の外部接続端子、139 カバー部材、139a 天面、139b 突起部、140 絶縁部材、141 発熱体電極、142 発熱体引出電極、142a 発熱体給電端子、145 接続材料(ハンダペースト)、147 流出防止部、148a フラックスシート(変形例)、148b 絶縁体片含有フラックス(変形例)、148c 絶縁体片含有フラックス(変形例)、149 保護層、150 スイッチ、151 接着剤

Claims (38)

  1. ヒューズ素子の可溶導体に搭載されるフラックスシートであって、
    絶縁体にフラックスが含浸され、上記絶縁体は、比重が上記可溶導体の比重以下であるフラックスシート。
  2. 上記絶縁体は、多孔質構造である請求項1に記載のフラックスシート。
  3. 上記絶縁体は、布状の繊維である請求項1に記載のフラックスシート。
  4. 上記布状の繊維は、ガラス繊維である請求項3に記載のフラックスシート。
  5. 上記絶縁体にフラックスを含浸し、溶剤分を乾燥させ固形化した後に、所望のサイズに切断した請求項1〜4のいずれか1項に記載のフラックスシート。
  6. 上記絶縁体は、円形又は楕円形である請求項1〜5のいずれか1項に記載のフラックスシート。
  7. 当該フラックスシートは、ヒューズ素子の可溶導体上及び/又は上記可溶導体下に搭載され、
    上記絶縁体は、ヒューズ素子の実装温度を超える温度で変形もしくは溶融し流動性を持つ請求項1〜6のいずれか1項に記載のフラックスシート。
  8. 上記絶縁体は、300℃以上の温度で変形もしくは溶融し流動性を持つ請求項7に記載のフラックスシート。
  9. 上記絶縁体は、比重が5g/cm以下である請求項1〜8のいずれか1項に記載のフラックスシート。
  10. ヒューズ素子の可溶導体上及び/又は上記可溶導体下に塗布されたフラックスであって、
    液体保持性を有する絶縁体片が添加され、上記絶縁体片の比重が上記可溶導体の比重以下である流動体又は半流動体のフラックス。
  11. 上記絶縁体片は、多孔質構造である請求項10に記載のフラックス。
  12. 上記絶縁体片は、繊維である請求項10に記載のフラックス。
  13. 上記繊維は、ガラス繊維である請求項12に記載のフラックス。
  14. 当該フラックスは、ヒューズ素子の可溶導体上に塗布され、
    上記絶縁体片は、上記ヒューズ素子の実装温度を超える温度で変形もしくは溶融し流動性を持つ請求項10〜13のいずれか1項に記載のフラックス。
  15. 上記絶縁体片は、300℃以上の温度で変形もしくは溶融し流動性を持つ請求項14に記載のフラックス。
  16. 上記絶縁体片は、比重が5g/cm以下である請求項10〜15のいずれか1項に記載のフラックス。
  17. 可溶導体と、
    比重が上記可溶導体の比重以下である絶縁体にフラックスを含浸させたフラックスシートとを有し、
    上記可溶導体上及び/又は上記可溶導体下に上記フラックスシートを搭載したヒューズエレメント。
  18. 上記フラックスシートの面積が、上記可溶導体の面積よりも広い請求項17に記載のヒューズエレメント。
  19. 上記絶縁体は、当該ヒューズエレメントの実装温度を超える温度で変形もしくは溶融し流動性を持つ請求項17又は請求項18に記載のヒューズエレメント。
  20. 上記絶縁体は、300℃以上の温度で変形もしくは溶融し流動性を持つ請求項19に記載のヒューズエレメント。
  21. 上記絶縁体は、比重が5g/cm以下である請求項17〜20のいずれか1項に記載のヒューズエレメント。
  22. 可溶導体と、
    比重が上記可溶導体の比重以下であり液体保持性を有する絶縁体片を添加した流動体又は半流動体のフラックスとを有し、
    上記可溶導体上及び/又は上記可溶導体下に上記フラックスを塗布したヒューズエレメント。
  23. 上記絶縁体片は、当該ヒューズエレメントの実装温度を超える温度で変形もしくは溶融し流動性を持つ請求項22に記載のヒューズエレメント。
  24. 上記絶縁体片は、300℃以上の温度で変形もしくは溶融し流動性を持つ請求項23に記載のヒューズエレメント。
  25. 上記絶縁体は、比重が5g/cm以下である請求項22〜24のいずれか1項に記載のヒューズエレメント。
  26. 可溶導体と、
    比重が上記可溶導体の比重以下である絶縁体にフラックスを含浸させたフラックスシートとを有し、
    上記可溶導体上及び/又は上記可溶導体下に上記フラックスシートを搭載し、
    上記可溶導体に流れる過電流により上記可溶導体が溶断するヒューズ素子。
  27. 可溶導体を有し、
    上記可溶導体上及び/又は上記可溶導体下に、比重が上記可溶導体の比重以下であり液体保持性を有する絶縁体片を含有した流動体又は半流動体のフラックスが塗布され、
    上記可溶導体に流れる過電流により上記可溶導体が溶断するヒューズ素子。
  28. 絶縁基板と、
    上記絶縁基板上又は上記絶縁基板内部に形成された発熱体と、
    上記絶縁基板上に形成された第1及び第2の電極と、
    上記発熱体と電気的に接続する第3の電極と、
    上記第1の電極から上記第3の電極を介し上記第2の電極に跨って接続する可溶導体と、
    比重が上記可溶導体の比重以下である絶縁体にフラックスを含浸させたフラックスシートとを有し、
    上記可溶導体上及び/又は上記可溶導体下に上記フラックスシートを搭載し、
    上記発熱体の通電発熱により上記可溶導体を溶断させ上記第1及び第2の電極間を遮断する保護素子。
  29. 上記絶縁基板上で、上記可溶導体と上記フラックスシートをカバーするカバー部材を有し、
    上記カバー部材の内部空間の高さが上記可溶導体の溶融後の高さと上記フラックスシートの厚さの和よりも高い請求項28に記載の保護素子。
  30. 上記カバー部材の内部空間にフラックスシートの移動を制限する突起を有する請求項29記載の保護素子。
  31. 上記可溶導体と上記フラックスシートを複数有する請求項28〜30のいずれか1項に記載の保護素子。
  32. 上記フラックスシートの面積が、上記可溶導体の面積よりも広い請求項28〜31のいずれか1項に記載の保護素子。
  33. 絶縁基板と、
    上記絶縁基板上又は上記絶縁基板内部に形成された発熱体と、
    上記絶縁基板上に形成された第1及び第2の電極と、
    上記発熱体と電気的に接続する第3の電極と、
    上記第1の電極から上記第3の電極を介し上記第2の電極に跨って接続する可溶導体とを有し、
    上記可溶導体上及び/又は上記可溶導体下に、比重が上記可溶導体の比重以下であり液体保持性を有する絶縁体片を含有した流動体又は半流動体のフラックスが塗布され、
    上記発熱体の通電発熱により上記可溶導体を溶断させ上記第1及び第2の電極間を遮断する保護素子。
  34. 絶縁基板と、
    上記絶縁基板上又は上記絶縁基板内部に形成された発熱体と、
    上記絶縁基板上に近接して形成された第1及び第2の電極と、
    上記発熱体と電気的に接続する第3の電極と、
    上記第1の電極から上記第3の電極に跨って接続する可溶導体と、
    比重が上記可溶導体の比重以下である絶縁体にフラックスを含浸させたフラックスシートとを有し、
    上記可溶導体上及び/又は上記可溶導体下に上記フラックスシートを搭載し、
    上記発熱体の通電発熱により上記可溶導体を溶断させ上記第1及び第2の電極間の短絡と上記第1及び第3の電極間の遮断を行う短絡素子。
  35. 絶縁基板と、
    上記絶縁基板上又は上記絶縁基板内部に形成された発熱体と、
    上記絶縁基板上に近接して形成された第1及び第2の電極と、
    上記発熱体と電気的に接続する第3の電極と、
    上記第1の電極から上記第3の電極に跨って接続する可溶導体とを有し、
    上記可溶導体上及び/又は上記可溶導体下に、比重が上記可溶導体の比重以下であり液体保持性を有する絶縁体片を含有した流動体又は半流動体のフラックスが塗布され、
    上記発熱体の通電発熱により上記可溶導体を溶断させ上記第1及び第2の電極間の短絡と上記第1及び第3の電極間の遮断を行う短絡素子。
  36. 絶縁基板と、
    上記絶縁基板上又は上記絶縁基板内部に形成された第1及び第2の発熱体と、
    上記絶縁基板上に近接して形成された第1及び第2の電極と、
    上記第1の電極に隣接して形成され上記第1の発熱体と電気的に接続する第3の電極と、
    上記第1の電極から上記第3の電極に跨って接続する第1の可溶導体と、
    上記第2の発熱体と電気的に接続し上記第2の電極に隣接して形成された第4の電極と、
    上記第4の電極に隣接して形成された第5の電極と、
    上記第2の電極から上記第4の電極を介し上記第5の電極に跨って接続する第2の可溶導体と、
    比重が上記第1及び第2の可溶導体の比重以下である絶縁体にフラックスを含浸させたフラックスシートとを有し、
    上記第1及び第2の可溶導体上及び/又は上記第1及び第2の可溶導体下に上記フラックスシートを搭載し、
    上記第2の発熱体の通電発熱により上記第2の可溶導体を溶断させ、上記第2及び第5の電極間を遮断し、
    上記第1の発熱体の通電発熱により上記第1の可溶導体を溶断させ、上記第1及び第2の電極間を短絡する切替素子。
  37. 絶縁基板と、
    上記絶縁基板上又は上記絶縁基板内部に形成された第1及び第2の発熱体と、
    上記絶縁基板上に近接して形成された第1及び第2の電極と、
    上記第1の電極に隣接して形成され上記第1の発熱体と電気的に接続する第3の電極と、
    上記第1の電極から上記第3の電極に跨って接続する第1の可溶導体と、
    上記第2の発熱体と電気的に接続し上記第2の電極に隣接して形成された第4の電極と、
    上記第4の電極に隣接して形成された第5の電極と、
    上記第2の電極から上記第4の電極を介し上記第5の電極に跨って接続する第2の可溶導体とを有し、
    上記第1及び第2の可溶導体上及び/又は上記第1及び第2の可溶導体下に、比重が上記第1及び第2の可溶導体の比重以下であり液体保持性を有する絶縁体片を含有した流動体又は半流動体のフラックスが塗布され、
    上記第2の発熱体の通電発熱により上記第2の可溶導体を溶断させ、上記第2及び第5の電極間を遮断し、
    上記第1の発熱体の通電発熱により上記第1の可溶導体を溶断させ、上記第1及び第2の電極間を短絡する切替素子。
  38. 上記第1及び第2の可溶導体上に、上記フラックスが個別に塗布されている請求項37に記載の切替素子。
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