次の説明は、Qi規格から知られるような電力伝達手法を利用する、無線電力伝達システムに適用できる本発明の実施形態に焦点を合わせる。しかし、本発明は、この用途に限定されず、多くの他の無線電力伝達システムに適用されることが、理解されるだろう。
図1は、本発明のいくつかの実施形態による、電力伝達システムの例を示す。電力伝達システムは、送電装置インダクタ/インダクタ103を含む(又は、結合された)送電装置101を備える。システムは、受電装置コイル/インダクタ107を含む(又は、結合された)受電装置105をさらに備える。
システムは、送電装置101から受電装置105への無線誘導電力伝達を提供する。具体的には、送電装置101は、送電装置インダクタ103によって磁束として伝播される、無線誘導電力伝達信号(電力伝達信号又は誘導電力伝達信号とも呼ばれる)を生成する。電力伝達信号は、通常、約70kHz〜約150kHzの周波数を有し、しばしばQi互換システムに対しては、通常、95kHz〜115kHzの範囲である。送電装置インダクタ103及び受電装置コイル107は緩く結合され、したがって、受電装置コイル107は送電装置101から電力伝達信号(の少なくとも一部)をピックアップする。したがって、電力は、送電装置インダクタ103から受電装置コイル107への無線誘導結合器を介して、送電装置101から受電装置105へ伝達される。電力伝達信号という用語は、送電装置インダクタ103と受電装置コイル107との間の誘導信号/磁場(磁束信号)を指すのに主に使用されるが、等価性によって、この用語が、送電装置インダクタ103に提供されたか、又は受電装置コイル107によってピックアップされた電気信号に対する基準として考えられ、使用されてもよいことが理解されるであろう。
システムは、相当な電力レベルを伝達するように設けられ、具体的には、送電装置は、多くの実施形態において、500mW、1W、5W、又は50Wを超過する電力レベルを支持する。例えば、Qi対応用途に対して、電力伝達は、低電力用途に対して1〜5W出力領域に通常あり、例えばキッチン用途などの高電力用途に対して100Wを超過し、且つ1000W超まである。
図2は、図1のシステムの特定例のシステムアーキテクチャをもう少し詳細に示す。この例において、送電装置101の出力回路は、送電装置インダクタ103を含む、共振タンク又は共振回路201を含む(図2において、送電装置インダクタ103は、明確さのために共振回路201の外部に示されるが、この一部と見られる)。送電装置101の共振回路201は、送電装置共振回路201とも呼ばれる。共振回路201は通常、直列又は並列共振回路であり、特に送電装置インダクタ103に並列に(又は直列に)結合された共振コンデンサから成る。電力伝達信号は、適切な駆動周波数(通常は、20〜200kHzの周波数範囲)を有する駆動信号を生成するドライバ203から、出力共振回路を駆動することによって生成される。
同様に、受電装置105の入力回路は、受電装置インダクタ107(図2において、受電装置インダクタ107は、明確さのために共振回路205の外部に示されるが、この一部と見られる)を含む、共振回路又は共振タンク205を含む。受電装置105の共振回路205は、受電装置共振回路205又は受電装置共振回路とも呼ばれる。受電装置共振回路205は通常、直列又は並列共振回路であり、特に送電装置インダクタ107に並列に(又は直列に)結合された共振コンデンサから成る。受電装置共振回路205は、受信された電力伝達信号すなわち受電装置共振回路205によって提供された誘起信号を、外部負荷209に提供される電力に変換する電力変換装置207に結合される(当業者によく知られているように、通常AD/DC変換を行うことによって)。
負荷は例えばバッテリであり、電力提供はバッテリを充電するためである。別の例のように、負荷は別個のデバイスであり、電力提供はこのデバイスに電力供給するためである。
システムにおいて、送電装置共振回路201の共振回路201は、固定共振回路ではなく、駆動周波数に合わせられるように制御することができる可変共振回路である。具体的には、送電装置共振回路201は、それが駆動周波数に一致する共振周波数を有するように適合され、すなわち、共振周波数が、駆動周波数に収束するか、又は実質的に駆動周波数と同じであるように制御される。このようなシナリオは、確かに送電装置101及び受電装置105の両方の共振周波数が駆動周波数と同じであるように設定される共振領域における動作に対して非常に有利である。これは、電力伝達効率を向上させるばかりでなく、負荷変調に基づく通信も向上させる。具体的には、それは、共振周波数及び駆動周波数における差に起因する、いわゆる相互変調効果を除去又は減らす。
特定の手法において、共振回路201の(共振する)構成要素のうちの少なくとも1つに対する動的状態変化は、サイクルの断片で一時的に遅くされる(潜在的に完全に停止されることを含む)。手法は、後に、より詳細に説明される。
図2のドライバ203は、共振回路に(ひいては、共振コンデンサ(図2に示されない)及び送電装置インダクタ103に)印加される、変動する(及び、通常はAC)電圧駆動信号を生成する。いくつかの実施形態において、送電装置共振回路201は直列共振回路であり、電圧駆動信号はコンデンサ及びインダクタに渡って印加される。いくつかの実施形態において、ドライバ203は送電コイル103に直接的に(又は間接的に)結合され、電圧駆動信号は送電コイル103に提供される。
したがって、システムにおいて、ドライバ203は、送電装置共振回路201/送電コイル103に送られる駆動信号を生成し、送電コイル103に、受電装置105に電力を提供する電力伝達信号を生成させる。駆動信号は、駆動周波数と呼ばれる所与の周波数を有するように生成され、すなわち、駆動周波数は駆動信号の周波数である。
ドライバ203は、送電装置インダクタ103に送られる、電流及び電圧を生成する。ドライバ203は通常、DC電圧から交流信号を生成するインバータの形態における駆動回路である。ドライバ203の出力は通常、スイッチブリッジのスイッチの適切な切り替えによって駆動信号を生成するスイッチブリッジである。図3は、ハーフブリッジスイッチブリッジ/インバータを示す。スイッチS1及びS2は、それらが決して同時に閉じられないように制御される。交互に、S2が開かれている間S1は閉じられ、S1が開かれている間S2は閉じられる。スイッチは、所望の周波数で開閉され、それによって、出力において交流信号を生成する。通常、インバータの出力は、共振コンデンサを介して送電装置インダクタに接続される。図4は、フルブリッジスイッチブリッジ/インバータを示す。スイッチS1及びS2は、それらが決して同時に閉じられないように制御される。スイッチS3及びS4は、それらが決して同時に閉じられないように制御される。交互に、S2及びS3が開かれている間スイッチS1及びS4は閉じられ、S1及びS4が開かれている間S2及びS3は閉じられ、それによって、出力において方形波信号を生成する。スイッチは所望の周波数で開閉される。
上の説明は、左及び右ブリッジの位相が180°異なり、最大出力電力又は最大デューティサイクルを提供する場合に対応する。しかし、他のシナリオにおいて、ブリッジハーフは、部分的に位相が異なり、S2及びS4の両方、又はS1及びS3の両方が同時に閉じられる結果をもたらす。この状態において、ブリッジ電圧はゼロになり、したがって、手法は最大値から出力電力又はデューティサイクルを減少させるのに使用される。
その結果、ドライバ203は、所与の駆動周波数で駆動信号を生成し、この信号を送電装置共振回路201に適用する。送電装置共振回路201は、誘導性インピーダンス及び容量性インピーダンスによって形成される。
図1及び図2のシステムにおいて、共振周波数を制御する特に有利な仕方が提供される。その手法において、送電装置は、駆動信号の少なくとも複数のサイクル(しかし、全サイクルに対してではない)のそれぞれの断片的時間間隔に対して、送電装置共振回路201の容量性インピーダンス及び誘導性インピーダンスの少なくとも一方に対する状態変化を遅くすることによって、送電装置共振回路201の共振周波数を駆動周波数に合わせるための機能性を備える。したがって、手法は、反応性インピーダンスの少なくとも1つの状態変化を遅くすることによって、駆動周波数に近づくように共振周波数を制御する。状態変化を遅くすることは、状態変化を遅くすることが適用されなかった場合に、考えられるよりも駆動周波数に近くなるように、事実上の共振周波数が減らされる結果をもたらす。
具体的には、共振回路は、自由に共振する場合、誘導性及び反応性インピーダンスに対応する共振周波数を有する。この周波数は、共振回路の固有共振周波数と呼ばれる。したがって、固有共振周波数は、誘導性及び反応性インピーダンスのみを備える共振回路の共振周波数に対応する。状態変化を遅くすることは、対応するサイクルを延長し、それに応じて、共振回路が動作している周波数を減少させる。この減少した周波数は、共振回路の事実上の共振周波数と呼ばれる。
したがって、システムにおいて、送電装置共振回路は、それらが自由に振動するようにされている場合、容量性及び誘導性インピーダンスの共振周波数に対応する固有共振周波数を有する。しかし、状態変化を遅くすることは、インピーダンスが自由に振動するようにされている場合、状態変化の速度に対してインピーダンスの少なくとも1つの状態変化の速度を減少させる。したがって、状態変化を遅くすることは、自由に振動する容量性及び誘導性インピーダンスに対してサイクル時間を延長する。サイクル時間の増加は、共振周波数の減少に対応し、ひいては、状態変化を遅くすることに起因し、送電装置共振回路は、固有共振周波数より低い事実上の共振周波数で振動するだろう。
したがって、手法において、送電装置共振回路201は、容量性インピーダンス及び誘導性インピーダンスによって与えられる固有周波数で自由に振動するようにさせるのではなく、共振は、サイクルの一部に対して遅くされた(具体的には停止された)インピーダンスの(少なくとも1つの)状態変化によって制御される。これは、送電装置共振回路201の減少した事実上の共振周波数をもたらす。したがって、送電装置共振回路201は、インピーダンスによって、すなわち、以下の式
(ここで、L、Cは、送電装置共振回路201の組み合わされたインダクタンス、静電容量を表す)
よりも低い周波数によって与えられた固有共振周波数より低い事実上の共振周波数を有するように制御される。
図5は、いくつかの、及び通常はすべてのサイクルの断片的時間間隔で状態変化を遅くするように、事実上の共振周波数が低くなる、送電装置の要素を示す。
例において、送電装置は、共振回路を形成する誘導性インピーダンス501及び容量性インピーダンス503を備える。
特定の例において、誘導性インピーダンス501は、インダクタに直接的に対応するが、他の実施形態において、誘導性インピーダンス501は、少なくとも部分的な誘導性インピーダンスを有する、すなわち、誘導性リアクタンス構成要素を有する、又は言い換えれば、正の虚数部を持つ複素インピーダンスを有する、任意の、例えば、1ポート/2端子要素であることが理解されるだろう。したがって、誘導性インピーダンス501は、端子における電圧が、構成要素/回路を通る電流の導関数に少なくとも一部分依存する、線形2端子回路又は(同等の)構成要素である。
同様に、特定の例において、容量性インピーダンス503は、コンデンサに直接的に対応するが、他の実施形態において、容量性インピーダンス503は、少なくとも部分的な容量性インピーダンスを有する、すなわち、容量性リアクタンス構成要素を有する、又は言い換えれば、負の虚数部を持つ複素インピーダンスを有する、任意の、例えば、1ポート/2端子要素であることが理解されるだろう。したがって、容量性インピーダンス503は、端子において回路/構成要素を通る電流が、端子の電圧の導関数に少なくとも一部分依存する、線形2端子回路又は(同等の)構成要素である。
ほとんどの実施形態において、誘導性及び容量性インピーダンス501、503の抵抗部は通常、リアクタンス構成要素に比べて、よりはるかに小さく、しばしば無視できるほどであることが理解されるだろう。これは、振動が比較的非減衰であることを確実にすることになり、すなわち、それは、共振回路に対して比較的高いQを提供することになる。
明確且つ簡潔にするために、次の説明は、(理想的な)インダクタ501であり、具体的には図1及び図2の送電装置インダクタ103である、誘導性インピーダンス、及び、理想的なコンデンサ503である容量性インピーダンスに焦点を合わせることになる。しかし、インダクタ501への任意の言及は、必要に応じて誘導性インピーダンス又はリアクタンス(送電装置コイル103を含んでいる)への言及に置き換えられ、コンデンサ503への任意の言及は、必要に応じて容量性インピーダンス又はリアクタンスへの言及に置き換えられることが理解されるだろう。簡潔にするために、インダクタ501及びコンデンサ503の一対は、共振する構成要素とも呼ばれるだろう。
インダクタ501及びコンデンサ503は、共振構成において一緒に結合される。例において、インダクタ501及びコンデンサ503は、直列共振において結合されるが、他の実施形態において、それらは並列共振構成において結合されることが理解されるだろう。
インダクタ501及びコンデンサ503は、インダクタ501及びコンデンサ503のみを備える共振回路の共振周波数に対応する固有共振周波数を表すことになる。よく知られているように、このような回路に対する共振周波数は、以下の式によって表される。
(ここで、Lはインダクタ501のインダクタンスで、Cはコンデンサ503の静電容量である)
しかし、図5のシステムにおいて、送電装置は、コンデンサ503及び/又はインダクタ501に対する状態変化を遅くすることによって、送電装置共振回路に対する共振周波数を制御するように設けられる、共振修正回路505をさらに備える。共振修正回路505は、送電装置共振回路の一部と考えられ得る(又は、この完全に外部にあるか部分的に外部にあると考えられる)。共振修正回路505は、図5において、インダクタ501とコンデンサ503との間に直列に結合された単一の2端子要素として示されるけれども、これはただの一例にすぎず、他の実施形態において他の構成が使用されることも理解されることとなる。例えば、図5の例における共振修正回路505は、2端子のみを有するが、他の実施形態において、共振修正回路505は、より多くの端子を有し、例えば、ドライバ203に対する電力供給レールを含む、回路の他の部分に接続されることが理解されることとなる。
共振修正回路505は、インダクタ501及びコンデンサ503のうちの一方又は両方に対する状態変化を遅くすることによって、共振周波数を修正するように設けられる。インダクタ501及びコンデンサ503の状態は、構成要素に対する電流エネルギー値によって表されると考えられ、具体的には、インダクタ501の電流
及びコンデンサ503の電圧
に対応すると考えられる。
コンデンサ及びインダクタによって形成された従来の共振回路において、共振は、コンデンサ(エネルギーは電位エネルギーとして保存される)とインダクタ(エネルギーは磁位エネルギーとして保存される)との間を行ったり来たりするエネルギー流に起因する、連続的且つ周期的な位相変化によって達成される。このようなシステムにおける状態変化の速度及びエネルギー流は、コンデンサ及びインダクタの値によって与えられ、これは、以下の式の固有共振周波数における振動をもたらす。
しかし、図5のシステムにおいて、共振回路は、単にフリーラン振動を行わせるのではなく、むしろ、共振修正回路505は、サイクルのいくつか、及び通常はサイクルのすべての断片的時間間隔の間中、インダクタ501及びコンデンサ503のうちの少なくとも一方に対する状態変化の速度を落とす。
したがって、状態変化は、コンデンサ503及びインダクタ501のみを備えるフリーラン共振回路の状態変化に対して、断片的時間間隔の間中遅くされる。サイクル内の少なくとも別の時間間隔に対して、状態変化は遅くされない(又は、少なくとも遅くすることは、より低率においてである)。
具体的に、状態変化は、コンデンサ503とインダクタ501との間でエネルギー流を妨げることによって遅くされる(インダクタ501からコンデンサ503へ、コンデンサ503からインダクタ501へ、又は、インダクタ501からコンデンサ503へとコンデンサ503からインダクタ501への両方で、エネルギー流を遅くすることによって)。共振回路において、正の電流は、共振サイクルの半分の期間でインダクタ501からコンデンサ503へ流れ、共振サイクルの他の半分の期間でコンデンサ503からインダクタ501へ流れる。多くの実施形態において、エネルギー流を遅くすることは、共振する構成要素間で流れる電流を妨げることによって達成される。多くの実施形態において、共振修正回路505は、例えば、コンデンサ503から離れてインダクタ501の電流(の一部又はすべて)を流すことによって(コンデンサ503から離れて負と正との電流の両方を潜在的に流すことを含む)、インダクタ501からコンデンサ503への電流を妨げるように設けられる。他の実施形態において、共振修正回路505は、例えば、断片的時間間隔の間中、インダクタ501からコンデンサ503を接続解除することによって(また、それによって、インダクタを渡る電圧をゼロに設定し、すなわち、電流と電圧との両方はインダクタに対してゼロに設定される)、コンデンサ503からインダクタ501への電流を妨げるように設けられる。
これらの例において、したがって、共振する構成要素間を流れる電流は、断片的時間間隔(のみ)の間、減少させられるか又は完全に防止されさえする。この断片的時間間隔の間中、構成要素のうちの少なくとも1つの状態変化は、遅くされるか又は完全に停止されることとなる。これが、多数のサイクル、特にあらゆるサイクルの間中で行われるなら、その影響は、共振回路がまるでフリーラン共振回路構成に対して固有共振周波数よりも低い周波数で共振するかのように挙動することとなるだろう。
共振修正回路505は、このようにして、事実上の共振周波数を、固有共振周波数よりも低くなるように、制御且つ調整する。実際の事実上の共振周波数は、図5のシステムにおいて、断片的時間間隔のタイミング/持続時間を変化させることができる、共振修正回路505によって制御される。したがって、断片的時間間隔が長くなるほど、状態変化を遅くする効果は大きくなり、こうして、事実上の共振周波数は低くなることとなる。
サイクル時間は、容量性インピーダンス及び誘導性インピーダンスのうちの少なくとも一方のエネルギー状態変化が遅くされる少なくとも第1の断片的時間間隔、及び、エネルギー状態変化が遅くされない少なくとも第2の断片的時間間隔に分けられる。特定の例において、サイクルは、動作がサイクルごとに2度行われるので(ゼロ交差/半期までに1度)、容量性インピーダンス及び誘導性インピーダンスのうちの少なくとも一方のエネルギー状態変化が遅くされる、2つの第1の断片的時間間隔、及び、エネルギー状態変化が遅くされない、2つの第2の断片的時間間隔を備える。
説明的な例のように、第2の断片的時間間隔において、インピーダンスのうちの一方から流れるすべてのエネルギーは、例えば(場合によっては寄生的な)抵抗構成要素において、他のインピーダンスに行くことになる(任意の潜在的損失を除いては)。しかし、第1の断片的時間間隔の間中、インピーダンスのうちの一方から流れるエネルギーの少なくともいくつかは、他のインピーダンスから遠くに逸らされる。特に、第2の断片的時間間隔において、インピーダンスのうちの一方のすべての電流は、他のインピーダンスに行くことになる(任意の潜在的損失を除いては)。しかし、第1の断片的時間間隔の間中、インピーダンスのうちの一方からの電流の少なくともいくつかは、他のインピーダンスから遠くに逸らされる。したがって、第1の断片的時間間隔において、2つのインピーダンスにおける電流は同じではなく、電流の少なくともいくつかは遠くに逸らされる。
別の例のように、第2の断片的時間間隔において、構成要素間のエネルギー流は、例えば(場合によっては寄生的な)抵抗構成要素において、インピーダンスのうちの一方から流れるすべてのエネルギーが他のインピーダンスに行く状態で(任意の潜在的損失を除いては)、可能とされる。しかし、第1の断片的時間間隔の間中、エネルギー流は制限且つ低減される。例えば、最大エネルギー流は導入され、具体的に最大電流の流れが掛けられる。特定の例として、インピーダンス間の任意のエネルギー流は、第1の断片的時間間隔の間中抑えられ、例えば、容量性及び誘導性インピーダンスは、互いから接続解除される(例えば、誘導性インピーダンスを渡る電流がゼロの時点で)。
したがって、システムにおいて、容量性及び誘導性インピーダンスのうちの少なくとも一方のエネルギー状態変化は、断片的時間間隔中抑制されるが、サイクルの少なくとも1つの他の時間間隔中抑制されない。
特に、エネルギー流は、断片的時間間隔の開始の直前、断片的時間間隔の直後には抑制されていない可能性があるが、断片的時間間隔の間は抑制されている。したがって、状態変化を遅くすることが、断片的時間間隔において、しかし、断片的時間間隔の直前でも直後でもないときにおいて起こる。したがって、状態変化を遅くすることは、断片的時間間隔の開始時間に開始し、断片的時間間隔中(すなわち、サイクル時間よりも短い時間中)に行われ、断片的時間間隔の終了時に停止する。
断片的時間間隔のタイミングの制御は、持続時間並びに正確な開始時間及び終了時間の両面において、個々の実施形態の特定の嗜好及び要件に依存することが理解されるだろう。
しかし、特定の手法において、送電装置共振回路201は、送電装置共振回路201を駆動する駆動信号に基づいて制御され、それによって、動作周波数及び送電装置共振周波数が、自動的に互いに結び付けられ/ロックされることを本質的に可能にする。実際に、事実上の送電装置共振周波数が、直接従うように自動的且つ本質的に適合されている状態で、システムが駆動信号の動作/駆動周波数を単に適合させることができるように、この手法は、自動的且つ本質的に、動作周波数及び送電装置共振周波数が実質的に同じであることを可能にする。この手法は、具体的には、送電装置共振回路201の事実上の共振のそれぞれのサイクルは、駆動信号の対応するサイクルと同じ持続時間を有することを確実にし得る。加えて、この手法は、このことが、極めて低いさらなる複雑性及び極めて低い制御オーバーヘッドで達成されることを可能にする。
図5の特定の例示的なシステムにおいて、このようにして、共振修正回路505は、所望の共振周波数を提供するように単に単独で制御されるだけではない。むしろ、共振修正回路505の動作は、共振回路201の駆動と、ひいては電力伝達システムの電力伝達及び一般的動作と、緊密に統合される。
具体的に、図5のシステムにおいて、ドライバ203は、タイミング信号を生成し、これを共振修正回路505に送る。タイミング信号は、断片的時間間隔が開始、終了、又はしばしばその両方であるべき時を示す遷移を含む(無視される他の遷移がある可能性がある)。共振修正回路505は、断片的時間間隔をそれらの遷移に合わせるように設けられる。遷移は通常、通常は信号レベルにおける変化などの、信号パラメータにおける変化である。しかし、いくつかのシナリオにおいて、遷移は、例えば、信号の位相又は周波数、又は信号の(部分的な)信号成分における変化などの、別の信号パラメータにおける変化である。
したがって、タイミング信号の遷移は、断片的時間間隔のタイミングを制御し、具体的には、開始時間、終了時間、又は開始時間と終了時間との両方を制御する。共振修正回路505は、タイミング信号からの断片的時間間隔の開始時間及び/又は終了時間を適宜設定する。通常、タイミング信号は、エネルギー流の妨害を作動/停止することができる、すなわち、状態変化を遅くすることを作動/停止することができる、共振修正回路505のスイッチを制御するのに使用される、スイッチ信号である。タイミング信号は、共振修正回路505によって検出することができ、これによって、電流妨害のスイッチの入り切りのためのスイッチを直接的又は間接的に制御するのに使用される、遷移を含む。共振修正回路505は、通常、対応する遷移とほぼ同じ時間(例えば、サイクル期間の1/50内)に、遅くすることの入り切りを切り替えることによって、開始時間又は終了時間を遷移と合わせる。
したがって、システムにおいて、ドライバ203は、断片的時間間隔のタイミングの少なくとも一部を制御する。さらに、ドライバ203は、結果的に断片的時間間隔が駆動信号に同期されるように、タイミング信号を制御するように設けられる。具体的に、ドライバは、タイミング信号を生成し、これを駆動信号に時間同期させる、同期装置507を備える。
具体的には、後に特定の例で説明されるように、開始時間及び/又は終了時間は、駆動信号の個々のサイクル内の事象の時間に対して、固定された時間オフセットを有するように生成される。極値が発生するとき(局所又は大域(サイクル内)の最大値又は最小値)、遷移が発生するとき(例えば、方形駆動信号のエッジ)、又は、スイッチ回路のスイッチが切り替わるとき(図3又は図4の例に対応するスイッチブリッジなどの)、事象は、具体的には信号レベル閾値を跨ぐ駆動信号である(例えば、ゼロ交差においてなどの)。したがって、開始時間及び/又は終了時間は、このような事象の時刻に対して固定された時間オフセットを有するように制御される。したがって、サイクルにおける事象のタイミングが変われば(例えば、駆動信号のサイクルの周波数/期間における変化に起因して)、制御された開始及び/又は終了時間は、それに応じて変わることになる。
多くの実施形態において、開始及び終了時間のうちの一方は、駆動信号を生成するスイッチ回路のスイッチ時間に関して、固定された時間オフセットを有するように制御されるが、その一方で、他の時間は、閾値を跨ぐ容量性インピーダンス503及び誘導性インピーダンス501のうちの少なくとも一方の信号の時刻に対して、固定された時間オフセットを有するように制御される。
例えば、ダイオードとスイッチとは、直列に結合され、容量性インピーダンス503から遠くに電流を向けるのに使用される(例えば、容量性インピーダンス503を短絡させることによって、又は、容量性インピーダンス503と誘導性インピーダンス501との間の接続をレール電圧(例えば、ゼロの)に短絡させることによって)。この配置では、コンデンサの(又は、接続点の)電圧がダイオードに対応する閾値を跨ぐとき、それが導電を始めるように、スイッチが、開いている可能性がある。したがって、開始時間は、信号が閾値を跨ぐことによって与えられる。しかし、終了時間は、駆動信号を生成するフルブリッジのスイッチ用のスイッチ時間に対して、固定された時間オフセットを有するように決定される。したがって、この時間は、駆動信号の生成に直接結び付けられた時間である。したがって、駆動信号の期間が、1つのサイクルから次のサイクルに延びる場合、共振修正回路505は、同じサイクル内でも、この変化に自動的に適合する。
したがって、多くの実施形態において、断片的時間間隔のタイミングは、駆動信号に緊密に結び付けられる。この結び付けは、共振回路201の駆動と共振回路201の事実上の共振との間の緊密な対応を提供する。駆動信号とタイミング信号との結び付けは、具体的には、共振周波数が、駆動信号の動作周波数と同じ周波数であるように自動的にロックされることを可能にする。確かに、同期装置507は、共振回路201の各サイクル時間が駆動信号の対応するサイクルでのサイクル時間と同じであるように、タイミング信号、ひいては断片的時間間隔を同期させ得る。したがって、ドライバによって断片的時間間隔を制御し、且つ駆動信号に基づいている手法は、共振周波数が、駆動信号と常に同じであるシステムを提供することができる。確かに、それぞれの個々のサイクル時間の個々の期間でさえ、同じであるように制御され得る。
この手法は、低複雑性を可能にするだけでなく、例えば、共振回路201(インダクタ又はコンデンサの電流又は電圧)のいずれの信号の測定又は検出も必要とせず、周波数が同一であることを自動的に保証することもできる。
送電装置共振周波数と駆動周波数とを合わせる手法は、いくつかの利点を提供する。特に、この手法は、相互変調を低減し、また多くの実施形態において、防ぐ。この手法は、多くの実施形態において、向上した電力伝達も提供し、具体的には、電力伝達効率を向上させる。通常、電力伝達効率は、送電装置共振周波数(送電装置共振回路の共振周波数)、受電装置共振周波数(送電装置共振回路の共振周波数)、及び駆動信号の動作周波数が、互いに近くなればなるほど、高くなる。説明された手法は、動作周波数と送電装置共振周波数とが、それらが、受電装置共振周波数に関して変えられることを可能にしながら、結び合わされることを可能にする。
図6は、共振修正回路505が、コンデンサ503の状態変化を遅くするように設けられている、図5の送電装置の例を示す。この例では、共振修正回路505は、断片的時間間隔の間、コンデンサ503から遠くに、インダクタ501からの電流を逸らすように設けられている。逸らすことは、コンデンサ503と並列に結合されており、且つこれを短絡させるように設けられている、スイッチ601によって達成される。したがって、共振修正回路505は、制御可能なスイッチによって実装される。
この例では、断片的時間間隔の間、スイッチ601が閉じられる。スイッチ601の開閉は、特定の例では、ドライバ203によって生成されたタイミング信号の遷移によって制御され、且つ、スイッチ信号に適宜同期される。スイッチが閉じているとき、インダクタ501を通って流れており、そうでなければ、コンデンサ503を充電又は放電すると考えられる電流は、その代わりに、スイッチ601を通して逸らされる。したがって、コンデンサ503を短絡させることによって、電流は、コンデンサ503を迂回し、したがって、コンデンサを充電しない。この例では、スイッチ601は、コンデンサ503の電圧がゼロであることに対応する時刻に閉じるように設けられている。この時間において、インダクタ501を通る実質的な電流がある(確かに、電流は、最大レベルであることになる)。しかし、スイッチを短絡させることによって、この電流は、もうコンデンサ503を通って流れないが、その代わりに、スイッチ601を通って流れるようになる。したがって、コンデンサ503の短絡は、電圧がゼロに維持される、すなわち、コンデンサ503の状態が一定に保たれるのを確実にする。
スイッチ601が、コンデンサ503から、正の電流及び負の電流の両方を逸らす電流分磁路を、適宜形成することに留意されたい。
ある持続時間後、すなわち、断片的時間間隔の終了時に、スイッチが再び開かれ、それにより、インダクタを通って流れる電流が、今度は、コンデンサ503の中に(又はそこから)流れることをもたらす。結果として、コンデンサ503は、充電を開始し、コンデンサ電圧は、それに応じて変わる。このことは、インダクタから「見られる」ようなコンデンサ503の事実上の静電容量が、上げられる結果をもたらし、ひいては、共振周波数が下げられる結果をもたらす。結果としてもたらされた事実上の共振周波数は、長くなった持続時間を有する断片的時間間隔のタイミングに左右されることになり、下げられた事実上の共振周波数をもたらす。
具体的には、駆動信号の期間の一部でコンデンサを短絡させることによって、事実上の静電容量が上げられることになる。
この影響を示すために、平均電流
で、時間t2の間、電圧U1(t2)へと充電されるコンデンサC1が考えられる。電圧U1(t2)は、以下の式のように表される。
代わりに、C1よりも小さな値を有するが、0からt1まで短絡され、t1からt2までの時間間隔において充電される別のコンデンサC2を考えると、このコンデンサは、電圧U1(t2)と同じ以下の式の平均電流
で充電される。C2に対し、電圧は、以下の式のように決定され得る。
U1(t2)とU2(t2)とがt2において同じである場合、C1は、以下の式によって表され得る。
言い換えれば、コンデンサC2の値は、より小さいが、時間t2において、両方のコンデンサが、同じ電圧に充電されている。時間t2において、コンデンサC2は、インダクタを、コンデンサC1と同じ電圧に暴露している。したがって、短絡の影響は、インダクタによって「見られる」ような、コンデンサの事実上の(又は見かけの)静電容量を上げることである。
図7には、図6の回路における信号の例が提供されている。この例では、インダクタ501のインダクタンスは、Lp=200uHであり、コンデンサ503のその静電容量は、Cp=8.2nFであり、以下の式の固有共振周波数をもたらす。
この例では、上部曲線は、駆動信号を示している。
以上のように、サイクルごとに、スイッチ601が、第1の断片的時間間隔中(コンデンサ電圧の正のゼロ交差の際)、また、第2の断片的時間間隔中(コンデンサ電圧の負のゼロ交差の際)、コンデンサ503を短絡させるように設けられている。各断片的時間間隔において、電圧は、これにより、約1μ秒間、一定に保たれる。この時間の間、コンデンサ503の電圧は、変わらない。同様に、インダクタ501を通る電流もまた、インダクタ501が電圧に暴露されていないことにより、変わりづらい(電流は、最大値でほとんど一定である)。
以上のように、事実上の共振周波数が下げられ、確かに、この例では、約102kHzの事実上の共振周波数が達成されている。
正にその事実上の共振周波数は、断片的時間間隔の持続時間を調整するだけで設定され得る。持続時間が長ければ長いほど、周波数は、低くなる。
さらに、駆動信号パルス間の持続時間が、一定に保たれている場合、駆動信号の動作周波数は、駆動信号パルスの持続時間が変わることによって変えられる可能性があることが分かる。しかし、このことは、タイミング信号の右エッジが同様に変わることを直接もたらすことになり、タイミング信号の左エッジを、コンデンサのゼロ交差に結合された状態に保つことによって、このことは、断片的時間間隔が相応して変わることをもたらす。したがって、共振周波数は、駆動信号動作周波数に直接従うことになり、本質的に同じであることになる。
したがって、この手法は、駆動周波数と送電装置共振周波数とを、これらが、事実上、ほぼ同一であるように、効果的に結び合わせる。
この手法は、特に、多くの無線電力伝達システムにおける負荷通信を向上させる。確かに、図5及び図6のシステムは、受電装置105からメッセージを受信するように設けられている負荷変調メッセージ受信装置509を備え、そこでは、メッセージが電力伝達システムにおいて負荷変調される。この例では、負荷変調は、少なくとも部分的に、変動する負荷によって行われる。多くの実施形態において、負荷変調は、受電装置コイルに並列であるコンデンサのスイッチの入り切りを行う受電装置によって行われる。
物理的レベルにおいて、受電装置105から送電装置101への通信チャネルは、通信キャリアとして電力伝達信号を使って実装されている。受電装置105は、受電装置コイル107の負荷を変調することによって、データメッセージを伝送する。受電装置105は、例えば、受電装置コイル107に並列に結合されたコンデンサを接続、接続解除することによってこのことを行い、それにより、共振、ひいては、受電装置105の負荷特性を変える。これらの変化は、送電装置側での電力伝達信号における対応する変動、具体的には、送電装置インダクタ103の電流及び電圧における変動をもたらす。これらの変化は、送電装置101によって直接又は間接に検出され、受電装置105からの負荷変調データを復調するのに使用される。
具体的には、負荷変調は、例えば、駆動信号電流/電圧の振幅及び/又は位相における変化によって、送電装置インダクタ103の電流/電圧における変化によって、及び/又は、共振回路の電流/電圧の変化によって、検出される。別の例として、負荷変調は、ドライバ203への(具体的には、インバータ/スイッチブリッジへの)電源の電流における変化によって検出される。
受電装置105は、電力伝達信号にデータを、適宜、負荷変調することができ、次に、送電装置101が、そのデータを復調することができる。この手法は、例えば、Qi無線電力規格とも呼ばれている、http://www.wirelesspowerconsortium.com/downloads/wireless−power−specification−part−1.htmlを介して入手可能な、「ワイヤレスパワーコンソーシアムによって出版された、System description、Wireless power Transfer、Volume I:Low Power、 Part 1:Interface Definition、Version 1.0 July 2010」における、特にchapter 6:Communications Interfaceにおける(又は、規格の後のバーションにおける)、Qiについて記述されたものに対応する。
負荷変調は、具体的には、電力伝達を適合させるのに使用され、特に、受電装置105から受信された電力制御メッセージに基づき、伝送された電力レベルを絶えず適合させる電力制御ループを実装するのに使用される。電力制御メッセージは、負荷変調によって伝えられる。
したがって、負荷変調は、例えば、送電装置インダクタ電流における変動をもたらし、当業者に知られているように、これは、測定され復調される。したがって、この例では、送電装置は、変動する反応性負荷によって電力伝達信号上に負荷変調されたメッセージを検出するためのメッセージ受信装置509を備える。
しかし、相互変調歪(駆動周波数と送電装置共振周波数とが異なることに起因する)は、負荷変調通信を低下させる可能性がある。高Q共振回路を考えると、ドライバ203が、送電装置共振周波数に等しい周波数の信号を印加する場合、減衰の存在下でも、振動が、極めて長い時間、持続する可能性がある。この場合、極めて高い電流が、回路を通って流れる。しかし、ドライバ203が、共振周波数とは異なる周波数の信号を印加する場合、システムは、それほどうまく共振しないことになり、よりはるかに低い電流の流れをもたらす。事実、後者の場合、回路内の電流信号及び電圧信号は、2つの周波数、すなわち、駆動周波数及び共振周波数を含むことになり、共振周波数は、共振回路のより高いQ値でより顕著になる。電流信号及び電圧信号における2つの周波数は、相互変調と呼ばれているビート周波数に導く。負荷変調によって引き起こされる振幅変調に依存する無線電力伝達システムでは、このことは、確実な通信を、不可能ではないにしろ、難しくする可能性がある。
しかし、これは、駆動信号の駆動周波数に一致するように送電装置共振回路を制御することによって、効果的に低減される。特定の手法は、例えば、駆動信号への断片的時間間隔の同期/整合を介して、駆動信号と共振周波数とを結び付けることによって、相互変調歪軽減をもたらし、それにより、動作周波数と共振周波数とが一緒にロックされることを可能にする。
述べられたように、メッセージ受信装置509は、電力伝達信号の負荷変調を検出するように設けられている。メッセージ受信装置509によって行われた復調は、送電装置コイル103を通るコイル又は送電装置コイル103の電圧のサンプルに基づいている。したがって、メッセージ受信装置509は、送電装置コイル103を通る電流、及び送電装置コイル103の電圧のうちの少なくとも一方をサンプリングするように設けられているサンプラ511に結合されている。
サンプラ511は、通常、周期的に繰り返す時間であるサンプル時間で関連の信号(コイル電流又はコイル電圧)をサンプリングするように設けられる。サンプル時間は、等価的に、時刻と呼ばれてもよく、すなわち、この用語は、信号がサンプリングされる時間を指す。サンプル時間及びサンプル瞬間という用語が、サンプルのタイミングを指し、また、サンプル持続時間が、通常、瞬間的と考えられるほど十分に短いことがあるが(Diracパルスサンプリングに対応する)、この用語が、この特定のシナリオに限定されることが意図されてはいないことが理解されるであろう。確かに、実際には、瞬間的サンプリングを行うことは可能ではなく、すべてのサンプルは、時間間隔に渡って信号を反映することになる。しかし、通常、このような持続時間は、取るに足らないほど十分に短く、例えば、このような持続時間は、数ナノ秒ほどであり、サンプルは、瞬間的と考えられ得る。
それにも関わらず、説明された手法が、瞬間的と考えられない個々のサンプリング持続時間でも使用されることが理解されるであろう。例えば、サンプルは、わずかにより長い時間間隔に渡る、例えば1〜10マイクロ秒に渡る平均信号値又は統合信号値として生成される。このような場合、サンプル時間(又は、等価的にサンプル瞬間)という用語は、例えば、開始時間、終了時間又は中心時間など、このような間隔に固定された時間を指す。さらに、当業者は、サンプリング理論、並びにサンプル時間延長の影響、補正及び扱いを承知しているであろう(例えば、サンプル持続時間延長が、例えば、対応する1/sinc(f)フィルタによって補正されるsinc(f)周波数成形を適用することなど)。したがって、サンプル時間/瞬間において瞬間的であるサンプリングに焦点を合わせることになる以下で、これらがさらに説明されることはない。
さらに、以下の説明は、コイル電流のサンプルに基づいている復調に焦点を合わせることになる。しかし、説明される原理が、コイル電圧のサンプルに基づく復調にも等しく適用されることを、当業者は、理解するであろう。
したがって、特定の例では、サンプラ511は、それぞれのサンプル時間にコイル電流のサンプルを生成する。これらのサンプルは、負荷変調されたデータを復調することに進むメッセージ受信装置509に送られる。負荷変調は、コイル電流における変化をもたらし、ひいては、サンプル値が、受電装置における負荷変調読み込みの開始によって決まることになる。例えば、受電装置が、負荷変調をもたらすように、入り切りを切り替えられる抵抗負荷を使用する場合、サンプル値は、変調読み込みのスイッチが入れられているか否かに応じて異なることになる(理論上)。様々なデータシンボルは、適宜、負荷変調の様々なパターンに関連付けられ、ひいては、コイル電流における様々な変動や様々なサンプル値をもたらす。メッセージ受信装置509は、適宜、受信されたサンプル値を様々なデータシンボルに対応するパターンと比較して、サンプル値のパターンに最も酷似しているパターンに関連付けられたシンボルとして、シンボルを復号する。
正にその復調手法は、個々の実施形態の特定の要件及び嗜好によって決まることになる。例えば、メッセージ受信装置509は、当業者によく知られているような、ローパスフィルタ、整合フィルタなどを使用する。
サンプリングは、通常、個々のデータシンボル及びビットの持続時間に対して相対的に高いサンプル率又はサンプル頻度で行われる。多くの実施形態において、1つのサンプルは、電力伝達信号のサイクルごとに生成され、すなわち、サンプル率は、駆動周波数に対応するように制御される。さらに、サンプル率が送電装置共振周波数に対応してさらに設定されるように、駆動周波数は、送電装置共振周波数に結び付けられる。
しかし、優れた通信性能を達成するための重要且つ決定的なパラメータは、サンプルのタイミングであり、具体的には、共振回路の動作及び信号に対するサンプルのタイミングである。特に、通信性能を最適化するために、具体的には誤り率を下げるために、サンプルが、変調負荷の様々な状態に対してサンプリングされた電流(又は、電圧)値間の最大差を反映することが重要であり、すなわち、変調負荷の様々な状態に対するサンプル値間の差が可能な限り大きいことが重要である。この差は、変調深さとも呼ばれている(又は、より一般的には、変調深さという用語は、様々なビット/シンボルに対するインダクタ電流(サンプル)における差を指す)。
しかし、動作を複雑にしているのは、変調深さが、サイクル中の様々なサンプリング時間で変わってくるという事実である。例えば、すべてのサンプルが、インダクタ電流に関するゼロ交差に対応する時刻に生成される場合、様々な変調負荷状態には何の違いもない。したがって、サンプリング時間が、最適な又は少なくとも適切な時点であることが重要である。具体的には、サイクル内で適切なサンプル時間を選択することが重要である。
しかし、適切な時点で信号をサンプリングするようにサンプラ511を制御することは、簡単な問題ではない。例えば、1つの手法は、ピーク検出電流を使って、ピークコイル電流を検出してから、この値を使用することであると考えられる。しかし、このような手法は、複雑性と、もしかすると費用を増大させるさらなる(通常、少なくとも部分的にアナログの)回路網を必要とする。さらに、例えば、検出されたピークの時間に設定されるようにサンプル時間を制御することを求めるピーク検出ループを実行しようとすることは、最適以下の性能をもたらす傾向にある。特に、それは、通常、実質的なジッタを導入するサンプル時間を不正確に及び/又は遅く適合させる結果をもたらし、ノイズの多いサンプルの結果をもたらす傾向にある。
図5及び図6のシステムでは、サンプル時間は、断片的時間間隔のタイミングに応答して制御される。具体的には、送電装置101は、サンプラ511に結合されており、且つ、断片的時間間隔の開始時間及び終了時間のうちの少なくとも一方に応答してサンプル時間を制御するように設けられているサンプル時間制御装置513を備える。したがって、この手法では、サンプリング時間は、状態変化を遅くすることが始まる又は終わる時間に応答して決定される。この手法は、したがって、共振回路の共振周波数を制御するための特定の手法と、負荷変調の復調を制御するための特定の手法との間で相互運用することに基づいている。
特定の例では、サンプル時間制御装置513は、それが、共振修正回路505にも提供されるタイミング信号をそこから受信するドライバ203にさらに結合されている。このタイミング信号は、特定の例では、図6のスイッチ601を制御するスイッチ信号であり、すなわち、このタイミング信号は、コンデンサ503の短絡を制御するタイミング信号である。タイミング信号は、具体的には、開いているスイッチ601に対応する1つの状態と、閉じられているスイッチに対応する1つの状態との2つの考えられる状態を有する。したがって、タイミング信号は、スイッチを直接制御し、ひいては、断片的時間間隔の開始及び終了を制御する。具体的には、タイミング信号は、断片的時間間隔のそれぞれ開始時間の遷移、終了時間の遷移を持つ。
この例では、サンプル時間制御装置513は、断片的時間間隔のタイミングに基づき、具体的には、タイミング信号の遷移に基づき、サンプリング時間/瞬間を制御する。したがって、サンプル時間は、断片的時間間隔の開始時間及び/又は終了時間に対して決定される。図5及び図6の手法では、断片的時間間隔は、動作を制御し、具体的には、共振回路の共振が、断片的時間間隔によって制御される。したがって、共振のサイクルのタイミングは、断片的時間間隔のタイミングによって、したがって、断片的時間間隔のタイミングに対して、サンプリング時間を決めることによって、制御され、サンプルタイミングは、サイクル内に正確に位置付けられ得る。言い換えれば、断片的時間間隔の開始時間及び/又は終了時間に対してサンプル時間を決定することによって、修正されたサイクル内の所望の時点にあるようにサンプル時間を制御することが可能である。例えば、多くの実施形態において、送電装置コイル103のピーク電流のサンプリングは、断片的時間間隔の開始時間又は終了時間に関して特定の時間オフセットを有するサンプル時間を設定することによって、達成され得る。
この手法は、図8に示されている信号によって、例示される。この例では、送電装置共振回路の固有共振周波数は、140kHzであり、駆動周波数は、110kHzである。断片的時間間隔により、固有共振周波数は、駆動周波数に一致する事実上の共振周波数に、すなわち110kHzに下げられている。受電装置共振回路の共振周波数は、例では、105kHzである。
この例では、信号801は、送電装置コイル103の電圧に対応する。信号803は、ドライバ203のフルブリッジインバータの右脚用のタイミング信号に対応する。信号805は、送電装置コイル103を通るコイル電流icoilに対応する。信号805は、コイル電流に直接対応する電圧(測定値によって生成された)として示されている(特定の例では、1V=1Aの場合)。
示されているように、コイル電圧及びコイル電流は、コイル電圧及びコイル電流が、一定に保たれている断片的時間間隔がその後に続く、共振回路の固有共振周波数に対応するサイクルを表す(又は、インバータのスイッチが切られている可能性がある(例えば、S1及びS3の両方、又はS2及びS4の両方が同時にオフである)断片的時間間隔の間、ほぼ一定であり、送電装置コイル103のゼロ電圧、及び定コイル電流の結果をもたらすか、又は、それは、送電装置コイル103の低電圧(10Vの例における)、及びコイル電流における小さな変化をもたらすことにおいてである。特定の例では、小さな変化は、完全にオフであることから、10Vの駆動電圧を提供することに切り替わるインバータに相当する、断片的時間間隔中の信号801に見ることができる)。
この例では、断片的時間間隔は、フルブリッジインバータの切り替えに同期され、具体的には、断片的時間間隔の終了時間が、信号803の低から高への遷移と同じ時間に起こる。
この例では、断片的時間間隔は、送電装置コイル103の電圧801のゼロ交差の時間に始まるように設けられている。したがって、断片的時間間隔は、時間間隔が送電装置コイル103の電圧のゼロ交差(正の電圧から負の電圧へ)に開始時間を有し、ドライバ201のフルブリッジインバータの右脚のスイッチが切られている時間に終了時間を有するように形成されている。1つのサイクルにおける断片的時間間隔の例は、図8において、垂直線807によって示されている。
システムでは、サンプル時間は、サンプル時間制御装置513によって、断片的時間間隔の開始時間及び/又は終了時間に対して決定される。特定の例では、スイッチ601には、スイッチ601が開閉するときを制御するスイッチタイミング信号と、ひいては断片的時間間隔用のタイミングが、提供される。この信号は、タイミング信号の遷移に基づくサンプル時間を決定するように進めるサンプル時間制御装置513にも送られる。
図8に示されているように、特定の例における断片的時間間隔は、断片的時間間隔の間、インダクタ及びコンデンサの開始を凍結する。したがって、断片的時間間隔の間は、実質的に変化が起こらない。しかし、断片的時間間隔の外側では、共振回路が自由に共振するのが許される。さらに、断片的時間間隔がゼロ検出に応答して開始され、共振する構成要素の開始が断片的時間間隔中、一定に保たれるので、共振動作の各サイクルは、標準の共振するサイクル(サイクル時間が、固有共振周波数の対応物に等しい)及び断片的時間間隔によって形成される。したがって、断片的時間間隔が長くなればなるほど、事実上のサイクル時間が長くなり、事実上の共振周波数が低くなる。
さらに、断片的時間間隔の外側の動作は、共振する構成要素によって固定されており、事実上の共振周波数における変動は、断片的時間間隔の持続時間における変動によって引き起こされる。したがって、断片的時間間隔のタイミングがサンプリング時間を制御するのに使用されるシステムでは、例えばピーク値など、各サイクルにおける信号の所望の時点に対応するように、サンプリング時間を設定することが可能である。
特定の例として、タイミングの瞬間は、断片的時間間隔の終了時間又は断片的時間間隔の開始時間と同一であるように設定される。確かに、この例では、共振回路の状態は、送電装置コイル103の電圧のゼロ交差に対応する時間に凍結されている。しかし、このことは、最大コイル電流の時刻にも対応する。したがって、断片的時間間隔の開始時間において、コイル電流は、最大レベルであり、したがって、サンプリングが断片的時間間隔の開始時間に行われるような断片的時間間隔のタイミングに同期されたサンプリングは、サンプリングがピークコイル電流である結果をもたらすことになる。このことは、ピーク検出回路網など、任意のさらなる機能性を必要とすることなく、達成され得る。
さらに、共振回路の状態が断片的時間間隔の間凍結されることから、断片的時間間隔の開始における電流値が、断片的時間間隔全体を通して維持されることになり、確かに、断片的時間間隔の終了時のコイル電流は、依然として最大電流である。したがって、サンプル時間制御装置513は、サンプリング瞬間を、断片的時間間隔の終了時間と同時に起こるように代替的に決定し、このことは、ピーク電流測定値の結果をさらにもたらすことになる。
多くの実施形態において、サンプル時間制御装置513は、断片的時間間隔内にあるようにサンプリング時間を決定するように適宜設けられる。このことは、多くの実施形態(図8によって表されている実施形態など)において、最大値のコイル電流のサンプリングの結果をもたらすことになる。確かに、図8の例では、断片的時間間隔内のコイル電流のいずれのサンプリングも、信号809によって示されるような最大電流サンプリングの結果をもたらすことになる。
したがって、いくつかの実施形態において、サンプリングは、断片的時間間隔の開始時間及び終了時間のうちの少なくとも一方と同期され、具体的には、開始時間及び終了時間のうちの少なくとも一方と同時に起こるように同期される。例えば、サンプル時間制御装置513は、スイッチ信号803が、低い値から高い値に遷移するときに電流信号をサンプリングするように、サンプラ511を制御する。
多くの実施形態において、サンプル時間制御装置513は、断片的時間間隔内にあるようにサンプル時間を決定するように設けられる。このことは、多くのシナリオにおいて、特に有利な性能を提供する。具体的には、この間隔の間状態変化がより遅くなることにより、サンプル時間変動、例えばジッタに対する感度が相当に下げられることになる。確かに、状態変化が完全に凍結される実施形態では、システムは、断片的時間間隔内で起こるジッタに対して無感応である可能性がある。
特定の例として、サンプル時間制御装置513は、断片的時間間隔の開始時間と終了時間との間の中ほどとして、すなわち、断片的時間間隔の中心時間において、サンプル時間を決定するように設けられる(断片的時間間隔の周期的性質により、現在の断片的時間間隔の終了時間が、前の断片的時間間隔の終了時間から高精度に決定され得ることが理解されるであろう)。このような実施形態において、かなりの程度のジッタ、及び/又は延長されたサンプリング持続時間は、通常、それが、断片的持続時間を超えて延びない限り、許容可能であることになる。
したがって、説明された例では、負荷変調メッセージの復調は、図6の例に示されているように、共振回路の状態が、例えば、共振コンデンサの短絡によってロック/凍結されている、断片的時間間隔内のコイル電流(又は、いくつかの実施形態では、コイル電圧)のサンプルに基づいている。
この例では、コイル電流のサンプリングは、これにより、サンプリングが、コイル電流のピーク値になる結果を自動的にもたらす。さらに、コイル電流が、断片的時間間隔の間、最大であるだけでなく、ほぼ一定であるために、この手法は、ジッタに非常に無感応である傾向になる。
サンプリング時間の正確なタイミングが、個々の実施形態の優先度及び要件に左右されることが理解されるであろう。
しかし、多くの実施形態において、サンプル時間制御装置513は、断片的時間間隔の終了時間に応答して、サンプル時間を制御するように設けられているのが有利である。確かに、多くの実施形態において、終了時間のみが、考慮されることがある。このことは、多くの実施形態において、実際的な動作及び実装形態を提供する。
例えば、いくつかの実装形態において、断片的時間間隔の開始は、送電装置コイル103の電圧のゼロ交差によって引き起こされ、具体的には、このことは、接地に直接電流を伝導させるために(それによってコンデンサを迂回するために)、コンデンサとインダクタとの開始の交差点からのダイオードによって達成される。しかし、このことは、いくつかの実施形態において、検出するのが実際的ではない可能性があり、したがって、サンプル時間制御装置513が、開始時間の情報を提供するのが難しいことがある。しかし、終了時間は、ドライバ出力ブリッジの1つ又は複数のスイッチの切り替えによって決定され、ひいては、終了時間の情報は、断片的時間間隔の終了時間を表すタイミング信号としてスイッチ信号を使用するだけで、提供され得る。
確かに、多くの実施形態において、電流サンプルが断片的時間間隔の終了時間に対して生成されるように、このようなタイミング信号が、サンプラ511用のサンプリング制御信号として、直接使用される。このことは、効率的でさらに低複雑性の実装形態を提供する。
しかし、多くの実施形態において、サンプル時間制御装置513は、終了時間に先行するように、サンプル時間を設定するように設けられる。具体的には、サンプル時間制御装置513は、時間オフセットだけ終了時間に先行するように、サンプリング時間を決定する。いくつかの実施形態において、時間オフセットは、すべてのサイクルにおいて適用されている固定された、例えば所定の時間オフセットである。
例えば、サンプル時間制御装置513は、断片的時間間隔の終了時間の例えば1μ秒前(又は、例えば、さらに短く、例えば50ナノ秒)に起こるように、サンプル時間を決定するように設けられる。このことは、サンプリング時間が、断片的時間間隔内で行われることを確実にし、ひいては、ジッタ(通常、ずれよりもかなり低いようになる)に対する感度を下げることがある。さらに、多くの実際的な実装形態において、ドライバ203のスイッチの切り替えは、場合によっては、サンプリング結果の価値を下げることがある、さらなるノイズ及び/又は遷移影響の結果をもたらす。したがって、早期のサンプリングは、サンプリング性能を向上させ、サンプルへのこのような切り替えノイズの影響を低減する。
正確な時間オフセットは、個々の用途の嗜好及び要件に左右される。しかし、多くのシナリオにおいて、ずれは、ゼロ(ほぼ終了時間におけるサンプリングに対応する)から、駆動信号の半分のサイクル時間までであることが有利である。しかし、多くの実施形態において、時間オフセットは、例えば、終了時間の前のサイクル時間の1/5又は1/10からなど、終了時間により近いように選択される。
多くの実施形態において、時間オフセットは、例えば、断片的時間間隔の持続時間に応じて設定され、ひいては、送電装置共振回路の固有共振周波数と、事実上の共振周波数との間の差を反映する。
例えば、いくつかの実施形態において、サンプリングがそれだけ終了時間に先行する時間オフセットは、事実上の共振周波数が最大値であるときの断片的時間間隔の持続時間の半分として決定される。言い換えれば、時間オフセットは、それらが、それに対してシステムが設計されている最小値であるときの断片的時間間隔の持続時間の半分として選択される。このような実施形態において、サンプリングは、それらが最小値であるときの断片的時間間隔の中ほどで適宜行われる。より長い断片的時間間隔では(すなわち、より低い事実上の共振周波数では)、サンプリングは、断片的時間間隔の中ほどではないが、終了時間により近いことになる。しかし、通常、ジッタなどは、決定された時間オフセットよりもかなり少なく、ひいては、これは、性能に影響を及ぼしそうにない。したがって、サンプル時間を決定するための単純な手法は、性能を低下させることなく使用され得る。
例えば、電力伝達パラメータに対してQi規格に従う実施形態の場合など、多くの実施形態において、適切な時間オフセットは、200ナノ秒以上且つ5μ秒以下であるのが有利であり、また多くの実施形態において、2μ秒又は1μ秒以下であるのが有利である。このことは、ほとんどの実施形態において、起こり得る事実上の共振周波数の範囲で、ジッタが断片的時間間隔内に含まれるようになることを確実にするのに十分であるずれの結果をもたらし、またこのことは、開始時間及び終了時間の両方に対するサンプリングへのドライバの切り替えの影響を低減する。
いくつかの実施形態において、サンプル時間制御装置513は、開始時間、場合によっては、断片的時間間隔の開始時間のみに応答して、サンプル時間を制御するように設けられる。
例えば、いくつかの実施形態において、サンプル時間制御装置513に送られたタイミング信号は、断片的時間間隔の開始時間に対応する遷移を備え、サンプル時間制御装置513は、開始時間(具体的には、タイミング信号における対応する遷移)に対する時間オフセットによって与えられる時間として、サンプル時間を決定するように設けられる。
時間オフセットは、通常、固定された、具体的には所定の時間オフセットである。例えば、サンプル時間制御装置513は、新しい断片的時間間隔の開始を示す遷移の例えば1m秒後に行われるように、サンプリングを制御するように設けられる。
この手法は、多くの実施形態において、極めて低い複雑性の結果をもたらす。例えば、断片的時間間隔の開始が、ドライバ203のインバータのスイッチの切り替えと同時に起こる実施形態では、サンプル時間制御装置513は、適切な値まで、対応するスイッチ信号を遅延させるだけであり、この遅延された信号を、サンプルトリガ信号として使用する。したがって、このような実施形態は、断片的時間間隔のサンプリング時間が同期される信号が、サンプリングの瞬間の前に起こる(ひいては、前の断片的時間間隔を考慮するか、又はこの断片的時間間隔タイミングを推定する必要がない)という利点を利用する。
確かに、この手法は、場合によっては、開始時間がスイッチ用のタイミング信号と直接合わせられていないときにも使用される。例えば、タイミング信号は、コイル電圧のゼロ交差の検出に応答して生成される。コンデンサの短絡が、ダイオードが導電を始めることによってである、いくつかの実施形態において(図6の例に対応する)、ダイオードを通る電流が検知され、断片的時間間隔の開始時間を示すタイミング信号を生成するのに使用される。
時間オフセットは、具体的には、終了時間に対する時間オフセットに関して説明された値と同様の値を有する(すなわち、この考慮の多くは、同じく、開始時間に関連した時間オフセットに対称的に適用されることになる)。
いくつかの実施形態において、サンプル時間制御装置513は、開始時間及び終了時間の両方に応答してサンプル時間を決定するように設けられる。したがって、このような実施形態において、サンプル時間は、断片的時間間隔の持続時間にも左右される。
例えば、サンプル時間は、開始時間及び終了時間の両方に対する特定の内部時刻として決定される。例えば、サンプル時間は、開始時間と終了時間との間の中ほどであるように決定される。このことは、サンプル時間が断片的時間間隔の中央に位置付けられるのに対応し、ひいては、断片的時間間隔の2つの端に対称なマージンを提供する。それぞれ、開始時間、終了時間に対する時間オフセット間の他の断片が、他の実施形態において使用されることが理解されるであろう。
いくつかの実施形態において、サンプル時間制御装置513は、内部間隔が開始時間及び終了時間に応答して決定される、断片的時間間隔の内部間隔に属するように、サンプル時間を決定する。例えば、内部間隔は、開始時間の例えば1μ秒後から、終了時間の例えば1μ秒前まで及ぶように決定される。次に、サンプル時間制御装置513は、この間隔内でサンプル時間を自由に選択するように設けられる(又は、例えば、他の要因又はパラメータに応答して)。
先の説明は、状態変化が断片的時間間隔の間、事実上止められる(例えば、状態変化が、フリーラン振動において起こると考えられる状態変化の2%よりも少ない、例えば、コイル電流における変化がフリー振動で起こると考えられる変化の2%よりも少ない)シナリオに焦点を合わせた。このことは、多くの実施形態で有利であり、具体的には、断片的時間間隔内の様々な時点で取られるサンプル間の差がほとんどないか又は無である結果をもたらす。
しかし、他の実施形態において、状態変化が完全に止められるよりむしろ遅くされる場合があることが理解されるであろう。例えば、図6のコンデンサ503を短絡させるよりもむしろ、第2のコンデンサは、コンデンサ503に並行してスイッチが入れられる。このことは、遅くすることになるが、止めない/凍結しないことになり、コンデンサ503としての共振回路の状態変化は、依然として課されることになるが、電流の一部が第2のコンデンサに逸らされるようになるにつれてより低い電流で課されることになる。
このような状態変化を遅くすることは、コイル電流が、断片的時間間隔中の時間に、最大値に凍結されずにむしろ低下する結果をもたらすことになる。しかし、多くの実施形態において、このようなコイル電流における変化は、許容可能であり、この手法は、従来の手法に渡って利点をなおも提供する。
例えば、いくつかの実施形態において、コンデンサ503より5倍大きな第2のコンデンサが、断片的時間間隔の間スイッチが入れられる。このことは、固有共振周波数から事実上の共振周波数を低減することになる。さらに、断片的時間間隔中、コイル電流における変化が6倍に遅くされ、それにより、電流値のずっとゆっくりした低下をもたらす。サンプル時間制御装置513は、例えば、スイッチ入れの例えば500ナノ秒後に、サンプリングをトリガすることによって、サンプル時間を、並列コンデンサのスイッチ入れに同期させる。コイル電流がわずかに低下した可能性があるが、コイル電流は、ピーク値に依然として近く、負荷変調に適した値を提供する。さらに、スイッチノイズ又はジッタによって生じたノイズに対する感度が実質的に下げられる。さらに、ピーク検出(又は、他のコイル電流依存の)回路網が何も必要ではない。
先の説明は、断片的時間間隔内のサンプリングの有利であることが多い手法に焦点を合わせたが、このことがこの手法にとって不可欠ではないことも理解されるであろう。多くの実施形態において、サイクルの他の時間でサンプリングすることは、実際には有利である。
確かに、多くの実施形態において、断片的時間間隔の終了時間後の短い時間間隔(例えば、最長50〜500ナノ秒)内にサンプリングすることは有利である。このような手法は、サンプリングが、例えばインバータのスイッチ用のスイッチ信号の単なる遅延によって、例えば制御され得る低複雑性の動作を提供する。さらに、この手法は、サンプリングが、インバータにおける切り替えと同時ではないことを確実にし、これにより、いくつかの用途及び実施形態において、サンプル内のスイッチノイズを低減する。この手法は、ピーク値が生じた直後のサンプリングをもたらすが、このことは、しばしば、有利である。確かに、コイル電流における変化が最小値に近く(ピーク時に導関数がゼロである)、これにより、電流値(より重要には、変調負荷ごとの電流間の差)における低下が小さくなることになる、時点で遅延が導入される。
別の例として、いくつかの実施形態において、断片的時間間隔の開始時間前の短い時間間隔(例えば、最長50〜500ナノ秒)内にサンプリングすることが有利である。このような手法は、例えば、前の断片的時間間隔の開始時間から開始時間を推定することによって達成される。この手法は、サンプリングが、インバータにおける切り替えと同時ではないことを確実にし、これにより、いくつかの用途及び実施形態において、サンプル内のスイッチノイズを低減する。さらに、この手法は、ピーク値に極めて近いサンプリングをもたらし、断片的時間間隔中、サンプリングを変動にあまり感応しないようにすることになる。この手法は、特に、状態変化が遅くされているが、断片的時間間隔の間止められることのない実施形態に適している可能性がある。
先の本文は、共振修正回路が、断片的時間間隔の間、容量性インピーダンス503から遠くに誘導性インピーダンス501からの電流を逸らすことによって、容量性インピーダンス503に関する状態変化を遅くするように設けられているという例に焦点を合わせた。しかし、他の実施形態において、共振修正回路505は、断片的時間間隔の間、容量性インピーダンス503から誘導性インピーダンス501への電流の流れを遮断することによって、誘導性インピーダンス501に関する状態変化を遅くするように設けられる。
例えば、図9は、図5のシステムの別の実施形態を示す。この例では、共振修正回路は、断片的時間間隔の間、容量性インピーダンスから誘導性インピーダンスへの電流の流れ(具体的には、電流の流れの変化率)を妨げることによって、又は同等に、誘導性インピーダンスのコンデンサによって掛けられた電圧を下げることによって、誘導性インピーダンスに関する状態変化を遅くするように設けられている。具体的には、この例では、共振修正回路は、断片的時間間隔の間、容量性インピーダンスから誘導性インピーダンスへの電流の流れを遮断することによって、又は同等に、インダクタ電圧をゼロに設定することによって、誘導性インピーダンスに関する状態変化を遅くするように設けられている。
この例では、コンデンサ503からインダクタ501への電流は、インダクタ501と直列であるスイッチ901によって遮断される。この例では、ドライバ203は、共振サイクルの一部で、コンデンサ503とインダクタ501との間の結合を事実上切るように設けられている。ドライバ203は、スイッチ901を駆動信号に同期させ、原則として、図6の例に対して説明されているように動作する。確かに、図6の例では、スイッチ601は、コンデンサ503を通る電流をゼロであるように制御することによって、コンデンサ503の電圧をゼロに凍結するように設けられている。図9の例では、スイッチ901は、コンデンサ503からインダクタ501を接続解除し、そうしてインダクタへのコンデンサの電圧の影響を取り除くことによって、インダクタ501を通る電流をゼロに凍結するように設けられている。したがって、電流と電圧の役割が入れ替えられるとき、コンデンサとインダクタとの動作が同じであるということを考えると、2つの手法は同等である。確かに、インダクタ電流とコンデンサ電圧とに関する曲線が、それぞれ、コンデンサ電圧、インダクタ電流と入れ替えられる場合、図7の信号が、図9の例にも適用される可能性がある。
提供された例では、コンデンサ503及びインダクタ501の両方の状態変化が、断片的時間間隔中、遅くされるか、又は実質的に凍結されることにも留意されたい。確かに、図6の例では、断片的時間間隔中、コンデンサ503に達する電流は何もなく、電圧は、ゼロで一定である。しかし、このことはまた、インダクタ501の電圧をゼロに設定し、ひいては、インダクタ電流がほぼ一定であり、すなわち、インダクタ501に関する状態変化がほぼない。同様に、図8の例では、断片的時間間隔中、コンデンサ503から何も電流が流れることができず、したがって、コンデンサ503の電圧がほぼ一定になり、すなわち、コンデンサ501に関する状態変化がほぼない。
先の例では、断片的時間間隔の開始は、それぞれ、インダクタ電圧、コンデンサ電流のゼロ交差と同期されていた(具体的にはそれに合わせられていた)。特に、断片的時間間隔の開始時間は、それぞれ、コンデンサ電圧、インダクタ電流のゼロ交差と合わせられている。このことは、コンデンサ503とインダクタ501との間の電流の流れが、断片的時間間隔の間完全にゼロに低減される場合、注目すべき利点をもたらす。しかし、いくつかの実施形態において、電流の流れにおけるより緩やかな低減が使用されてもよいことが理解されるであろう。
状態変化、またコンデンサ503とインダクタ501との間のエネルギー流を遅くすることが、共振する構成要素間の電流の流れを完全に防ぐよりもむしろ低減することによって達成されることが、理解されるであろう。低減された電流は、例えば、マイクロコントローラによってリアルタイムで制御される可能性のある、例えば電流調節回路を通して達成される。
しかし、別の例として、低減は、例えば断片的時間間隔の間追加のコンデンサ又はインダクタを含むことによって達成される。例えば、図10の例では、追加の電流低減コンデンサ1001が、図6のスイッチと直列に挿入されている。断片的時間間隔中、スイッチ601は、コンデンサ503を短絡させないが、電流低減コンデンサ1001を並列に挿入する。このことは、断片的時間間隔の間、電流の一部が、電流低減コンデンサ1001に流れ込み、それにより、コンデンサ503の状態変化を低減するにつれて、低減されるコンデンサ503への電流、そうしてコンデンサ503がインダクタに掛ける電圧をもたらす(電流低減コンデンサ1001は、コンデンサ503と一緒に充電、放電される)。
インダクタ501用の対応する例が、図11に示されている。この例では、電流低減インダクタ1101が、インダクタ501と直列に挿入されており、スイッチ1103は、電流低減インダクタ1101と並列に結合されている。この例では、スイッチ1103は、断片的時間間隔中開いており、事実上のインダクタンスが上がる結果をもたらす。したがって、インダクタを通る電流変化が、断片的時間間隔の間低減される(コンデンサ503が掛ける電圧が、この時インダクタ501及び1101に渡って分けられ、そうして、コンデンサ503がインダクタ501に掛ける結果として生じた電圧が低減されるのにつれて)。断片的時間間隔の終了時に、スイッチ1103が閉じられ、それにより、電流低減インダクタ1101を短絡させる。
以下では、さらに、ドライバ203が、駆動信号を生成するための切り替えブリッジ/インバータを備えるシステムに関連して、システムの動作が、説明されることになる。切り替えブリッジは、具体的には、図3及び図4の例に対応するハーフブリッジ又はフルブリッジである。
この例では、ドライバ203は、タイミング信号をさらに生成し、断片的時間間隔を直接制御する遷移を持つ。具体的には、信号は、断片的時間間隔の開始時間に対応する時間(且つ、例えばサイクル時間の1/50の範囲で、通常ほぼ同一である)において、断片的時間間隔の終了時間に対応する時間(且つ、例えばサイクル時間の1/50の範囲で、通常ほぼ同一である)において、又は断片的時間間隔の開始時間及び終了時間の両方に対応する時間(且つ、例えばサイクル時間の1/50の範囲で、通常ほぼ同一である)において起こる遷移を持つように生成される。
さらに、この例では、ドライバ203は、スイッチブリッジのスイッチを制御するスイッチ信号のうちの1つ(又は複数)に、タイミング信号を同期させるように設けられている。したがって、駆動信号が、スイッチブリッジ内のスイッチの切り替えによって生成されるにつれて、タイミング信号の、ひいては断片的時間間隔のスイッチ信号への同期が、駆動信号への同期ももたらす。
図12は、図1及び図2の誘導電力伝達システムの例の要素の電気モデルの例を示す。
送電装置共振回路201は、構成要素Cp、Lp(コンデンサ503、インダクタ501に対応する)によって表されている。ドライバは、Vpによって表されており、スイッチブリッジは、特定の例ではFETであるスイッチM1〜M4によって形成されている。受電装置共振回路205は、構成要素Cs、Lsによって表されている。コンデンサCdは、可動コイルを使って受電装置の位置を突き止める送電装置を有効にする1MHzの共振をもたらす(例えば、Qi無線電力規格(バージョン1.0)において説明されている原理に従って)。コンデンサCm及びスイッチSmは、受電装置105による負荷変調に相当する。ダイオードD7〜D10、C1及びR1は、受電装置105(整流をもたらすダイオードを備える)の負荷に相当する。
この例では、スイッチS1が適切なデューティサイクルで開閉されるとき、事実上の静電容量は自然に、コンデンサ503(Cp)の静電容量よりも大きくなる。送電装置の事実上の共振周波数が、固有共振周波数よりも低いことが望まれる場合、スイッチS1は、Cpの電圧が負から正に、及び/又は正から負にゼロ電圧を移した直後の短い期間、閉じられる。このことは、スイッチS、次にインダクタ501を通る電流、最後にコンデンサの電圧を制御する駆動信号及びタイミング信号を最初に示す、図13に示されている(図7に対応する)。駆動信号は、それぞれ、周波数f0、93kHzのデューティサイクルD、10%で共振回路に印加され、すなわち、駆動信号は、93kHzの動作周波数を有する。この例では、共振タンクの固有共振周波数fnは、100kHzである。したがって、共振回路(Vの符号(左、右))の電圧は、フリーラン共振回路に対し、電流ip(t)に遅れをとるはずであり、それが、容量性モード動作中であることを意味する。しかし、図12のシステムでは、スイッチS1は、電圧V(左、右)と電流ip(t)との最初の調和が、同位相であるようにコンデンサCpを短絡させ、送電装置が共振して動作することを意味する。したがって、この共振は、適切なデューティサイクルでスイッチS1を閉じることによって、電圧V(Cp)のゼロ交差の事象の直後に、コンデンサCpの電圧が上がる(又は下がる)ことを禁じることによって、達成される。このことは、コンデンサCpから遠くに、インダクタからの電流を事実上逸らす。
多くの実施形態において、図12の例よりも実際的になる手法の例が、図14に提供されている。図14のこの例では、さらなる柔軟性を提供する図12のタイミングの単純化が、達成される。
図14の例では、スイッチは、一方がある方向に流れる電流に短絡をもたらし、もう一方が他の方向に流れる電流に短絡をもたらす2つの電流迂回路に取って代わられている。この例では、各電流迂回路は、電流がその路用のある方向にのみ確実に流れることができるようにする整流器(具体的にはダイオード)を含む。
この例では、共振タンクを通る正の電流は、ここで、D6/M6によって分流され、負の電流は、D5/M5によって分流される。ダイオードD5及びD6は、M5及びM6のボディダイオードが導電するのを防ぐ。スイッチ/FET M6は、スイッチ/FET M4と全く同じ信号によって制御され、すなわち、この例では、断片的時間間隔のタイミングを制御するためのスイッチ信号は、スイッチブリッジのスイッチのうちの1つ用のスイッチ信号と全く同じである。確かに、断片的時間間隔の開始時間及び終了時間のうちの少なくとも一方は、駆動信号を生成する切り替えブリッジのスイッチのうちの1つの切り替えと同期されるだけはなく、それと同時に起こる。
確かに、スイッチM4が導電しているとき、電圧V(Cp)は、負から正へ共振している。この電圧が正になると、スイッチM6がすでにオン状態にあることから、ダイオードD6は、すぐに導電を始める。このように、ip(t)を通る電流は、複雑なタイミング制御の必要なしに、コンデンサCpからD6/M6に向かって自然に整流する。このことは、図15にさらに示される。
M5/D5の第2の路に対して同様の状況が起こる。確かに、この例では、スイッチM5用の制御スイッチ信号は、M3の切り替えと同時に起こるように直接生成される。
この例では、電流迂回路(D5/M5及びD6/M6)のそれぞれは、適宜、スイッチ及び整流器の両方を備える。このことは、断片的時間間隔のより柔軟なタイミングを可能にする。
具体的には、スイッチ及び整流器の両方の使用は、送電装置が、断片的時間間隔の開始時間及び終了時間のうちの一方をタイミング信号における遷移に合わせるが、もう一方は、整流器によって自動的に生成される、すなわち、それが、導電性状態と非導電性状態との間で切り替わる整流器によって決定される、ことを可能にする。
図14の例では、コンデンサの電圧が負である時間の間、スイッチが導電性状態に切り替えられる。しかし、ダイオードD6のせいで、D6/M6の電流迂回路は、電流を何も伝導せず、ひいては、コンデンサ503から電流(負又は正)を何も逸らさない。したがって、スイッチM6におけるオンに切り替えの正確なタイミングは、これが、電流が遠くに逸らされる断片的時間間隔の開始を制定しないために、不適切である。
しかし、コンデンサ503の電圧のゼロ交差の直後に、ダイオードD6は、導電し始めることになる(電圧が十分な順方向バイアスを提供するのに十分高くなるとすぐに)。したがって、ダイオードD6が非導電性状態から導電性状態に切り替わると、電流迂回路は、コンデンサ503から遠くにインダクタ501からの電流を逸らせることを始める。したがって、断片的時間間隔の開始は、非導電性状態から導電性状態に切り替わるダイオードによって制御され、スイッチM6が切り替わるときに左右されない。したがって、断片的時間間隔の開始時間は、タイミング信号に合わせられないことがある。
電流迂回路は、スイッチM6が開状態に切り替えられるまで、電流を逸らし続けることになる(ダイオードD6の前方方向に、インダクタから流れる電流がある限り)。したがって、断片的時間間隔の終了時間は、タイミング信号の遷移と、ひいてはスイッチM4用のスイッチ信号の遷移と合わせられる。
したがって、図14の例では、図15に示されているように、送電装置は、断片的時間間隔の開始時間を、整流器(ダイオードD6)が、非導電性状態から導電性状態に切り替わるのに合わせる一方、終了時間は、タイミング信号における遷移に、ひいてはスイッチ信号における遷移に合わせられるように設けられている。確かに、電流迂回路のスイッチと、スイッチブリッジのスイッチとの両方で、同じスイッチ信号が使用される。
他の実施形態において、整流器が、導電性状態から非導電性状態に切り替わるときに、断片的時間間隔を終了する可能性があることを含み、例えば、整流器が導電性状態に切り替わるのに応答して、断片的時間間隔の終了を制御するのに、同じ原理が適用されることが理解されるであろう。このような実装形態は、例えば、コンデンサからの電流を逸らすことに代わって、例えば、インダクタへの電流の遮断が採用されるときに有用である。
この手法は、いくつかの特定の利点を有する。確かに、この手法は、コンデンサ電圧の及び/又はインダクタ電流のゼロ交差への断片的時間間隔の開始の自動同期を可能にする。したがって、この手法は、構成要素が容易に短絡又は接続解除される時間に、断片的時間間隔の開始を自動的に合わせ、それにより、より低い複雑性の実施形態を可能にする。
別の重要な利点は、この手法が、駆動信号、及びスイッチブリッジ用スイッチ信号を生成する際にさらなる柔軟性をもたらす点にある。具体的には、断片的時間間隔が、スイッチ信号の1つのエッジにのみ同期されるにつれて、もう一方のエッジは、自由に変更され得る(理にかなった範囲内で)。このことは、具体的には、デューティサイクルが変更されることを可能にし、ひいては、ドライバが、信号の例えば、動作周波数又は振幅レベルを変えることなく、生成された電力伝達信号の電力レベルを動的に変えることを可能にする。
確かに、この手法は、駆動信号のより単純化された生成を可能にする。具体的には、駆動信号がアクティブである比較的短い時間間隔(すなわち、図15の最初の曲線においてのように)の間のみ、スイッチブリッジ(それぞれ、M1/M4、M2/M3)の対応するスイッチにおける切り替えの代わりに、スイッチのすべては、50%のデューティサイクルで、ほぼ方形波の信号によって操作され得る。次に、これらの駆動信号間の相対位相差によって、駆動信号のデューティサイクルが生成される。しかし、エッジのうちの1つのみが、断片的時間間隔のタイミングを制御することから、このことは、断片的時間間隔に影響を及ぼさない。
さらに、この手法は、第1の受電装置105及び動作周波数が、本質的に、同じ値と一緒にロックされることをさらに確実にする。具体的には、このことは、共振回路201の振動が、事実上、駆動信号のサイクルごとに再び開始されるという事実に起因する。
図14の例では、システムにおける電圧レベルが、通常、断片的時間間隔を制御するスイッチ(すなわち、スイッチM5及びM6)が、通常、2つの特別なパルストランスを使って実装される、高電圧レベルシフタを通して駆動されることを必要とすることに留意されたい。
しかし、このことは、図16のシステムにおいて部分的に回避される(具体的には、高電圧レベルシフタが、スイッチM6に対して回避され得る)。この例では、2つの電流迂回路が、インダクタ501とコンデンサ503との交差点と、切り替えブリッジへの電源用の電力レールとの間に結合されている。
図16のシステムの動作は、図14の例と同様であり、逸らされている電流用の電源へ戻る異なる路を提供するだけである。しかし、重要な違いは、スイッチM5、M6が、それぞれ、電圧レール、インバータ用の、すなわち固定電圧への接地へと参照される(referenced to)点である。このことは、例えば、これらがMOSFETとして実装されているとき、実質的に、スイッチの駆動を容易にする。この例では、スイッチM6は、M4と同じスイッチ信号によって直接駆動されるMOSFETによって実装され得る。しかし、M5を実装するMOSFETは、このMOSFETのソースの電圧が負の電圧値を有するようになることから、依然として、パルストランスを必要とすると考えられる。
図17は、図16のシステムの修正形態を示す。この例では、電圧レールへの電流迂回路、すなわち、D5/M5を備える電流迂回路は、完全に取り除かれている。このシステムは、ゼロ交差の半分に対してのみ、断片的時間間隔を導入するが(すなわち、サイクル当たり1回のみのゼロ交差)、事実上の共振周波数の効果的な調整を提供することが分かっている。
したがって、図17のシステムでは、電流迂回路は、直列構成で結合されたスイッチ及び整流器を備え、電流迂回路の片端は、インダクタとコンデンサとの間の交差点に結合されており、電流迂回路のもう一方の端は、切り替えブリッジ用の接地供給レールに結合されている。システムでは、整流器は、断片的時間間隔の開始時間を、整流器が、非導電性状態から導電性状態に切り替わる時間に合わせる一方、断片的時間間隔の終了時間は、切り替えブリッジのスイッチM4の切り替えに合わせられる。
この手法は、送電装置の共振周波数を、それが駆動信号に一致するように適合させるための非常に低い複雑性の手法を可能にする。この手法は、具体的には、駆動信号の周波数が、送電装置共振回路の共振周波数と常に同じであり、逆もまた同様である、自動システムを提供することができる。
動作周波数及び送電装置共振周波数のロッキングを示すために、図18のシステムが検討される。この例は、インダクタ501(L)及びコンデンサ503(C)を備える共振回路を駆動するドライバ203を示す。ドライバが、ステップ電圧を共振回路に印加する場合、ドライバは、よく知られている共振周波数
において振動することを始める。これらの振動は、システム中を走る電流I(描線)、またインダクタ501とコンデンサ503との間の交差点における電圧V(破線)に見ることができる。減衰の存在下で、振動は、しばらくすると消滅し、コンデンサ503が、ドライバ203のステップ電圧に充電される安定状態に導く。実際には、共振回路は、高Q値、すなわち低減衰を有し、振動が、共振周波数の多くの期間で続くことを意味する。
ドライバ203が、共振周波数に等しい周波数の信号を印加する場合、振動は、減衰がある場合でも、無期限に留まる可能性がある。この場合、非常に高い電流が回路中を走る可能性がある。しかし、ドライバ203が、共振周波数と異なる周波数の信号を印加する場合、システムは、それほどうまく「揺れ」ないようになり、よりはるかに低い電流が回路中を走る結果をもたらす。事実、後者の場合、回路内の電流信号及び電圧信号は、2つの周波数、すなわち、駆動周波数と共振周波数とを含むことになり、この場合、共振周波数は、共振タンク回路のより高いQ値でより顕著になる。電流信号及び電圧信号における2つの周波数は、それらの振幅におけるビート周波数に導き、これは、時には、2つの周波数間の相互変調とも(不正確には)呼ばれる。システムの受電側の負荷変調を通して達成されるような振幅変調に頼る無線電力伝達システムでは、このことが、確実な通信を、不可能ではないにしろ、困難にする可能性がある。したがって、ある場合には不可欠ではないにしろ、共振周波数に等しい周波数においてシステムを操作することは有利である。
共振周波数における振動サイクルの完了後、SW1又はSW2のいずれかのスイッチを閉じることによって、その周波数におけるさらなる振動が阻止されることになる。言い換えれば、回路内の電流信号及び電圧信号の変化状態は、この例では、ゼロに減速されることになる。駆動信号の次のサイクルの開始時に再びスイッチを開くと、まるで駆動信号が初めて印加されたかのように、共振周波数における振動を再び始めさせる。このことは、電流信号又は電圧信号の位相が、駆動信号の位相に一致するようにリセットされることを意味する。言い換えれば、回路におけるサイクルの周波数は、事実上、駆動周波数と等しくなるが、それらは、もはや正弦波形を有さない。図19では、左側は、電流の負−正ゼロ交差時にSW1を閉じることに対して結果として生じた波形を示しており、右側の図は、電圧の負−正ゼロ交差時にSW2を閉じることに対して結果として生じた波形を示している。描線の波形は、電流を表し、破線の波形は、電圧を表し、点線は、駆動信号、この場合は方形波を表す。
駆動周波数と共振周波数との間の差に基づいて、システムは、1サイクルに1度とは対照的に、数サイクルに1度、スイッチを操作することによって、電流信号及び電圧信号におけるビートを、事実上抑えるようにも働くことに留意されたい。例えば、駆動周波数が共振周波数に近づく場合、ビートの周波数は、上がり、結果として生じた振幅の変化は、複数のサイクルを構築する。数サイクルごとに位相をリセットすることは、その場合、スイッチを操作することから起こる可能性がある、システムにおける潜在的損失を低減しながら、十分なレベルにおいて負荷変調ベースの通信に対する感度を保つのに十分である。
スイッチの動作を同期させることは、例えば、様々な異なる実施形態に関して先に説明された仕方など、多くの仕方で達成され得る。スイッチを開くことは、方形波又はパルス波駆動信号のエッジ、例えば立ち上がりエッジと最も容易に同期される。スイッチを閉じる場合、電流信号又は電圧信号の負−正ゼロ交差をトリガする測定システムが、タンク回路に加えられ得る。当業者であれば、この機能性を果たす多くの種類の回路を設計することができるであろう。
受電装置のより大きな(横の)位置決め許容誤差を達成するための有利な実装形態である、並行して複数のタンク回路を駆動する1つのドライバを備える無線送電システムの場合、共振周波数においてシステムを操作することは、不可能ではないにしろ、困難である。この理由は、無線電力システムを実装するのに使用されている構成要素のインダクタンス値及び静電容量値における自然な広がりによるものであり、各共振タンク回路は、通常、異なる共振周波数を有する。各共振タンク回路のQ値を制限することによって、共振周波数における電流信号成分及び電圧信号成分は、駆動周波数における信号成分に対して小さく保たれ得る。このことは、振幅変調に基づく通信が可能であり続けるように、振幅におけるビートを抑制状態に保つ。しかし、この手法の欠点は、電力伝達の効率を標準に保つためには、低Q値が比較的高い結合を必要とすることにある。言い換えれば、低Q値は、システムの送電部分と受電部分との間の長い距離を許さない。
上に説明されたようなフリーラン振動を阻止することによって、システムにおける様々な周波数−駆動周波数とともに複数の共振タンク回路の様々な共振周波数−間のビートの抑制が保たれ得て、振幅変調による通信を可能にし得る。言い換えれば、よりはるかに長い距離に位置付けられている受電装置からの振幅通信を復調することのできる、高Qマルチコイル又はアレイベースの送電装置を実現することが可能になる。
先の例は、示された特定の実装形態又は実施形態を有するが、この手法が、確かに、以下のさらなる一般的指示に示されるように、これらの特定の例に限定されないことが理解されるであろう。
いくつかの実施形態において、ドライバは、駆動信号を生成するための切り替えブリッジを備え、ドライバは、断片的時間間隔の開始時間及び終了時間のうちの少なくとも一方を、切り替えブリッジのスイッチ用のスイッチ信号の遷移に同期させるように設けられている。
このことは、多くのシナリオにおいて向上した性能を提供し、特に、非常に効率的で且つ実際的な実装形態を可能にする。低複雑性だが正確な制御が、多くの実施形態において達成され得る。
いくつかの実施形態において、送電装置は、断片的時間間隔での開始時間及び終了時間のうちの少なくとも一方を、駆動信号を生成するスイッチ回路用のスイッチ時刻に対して固定された時間オフセットを有するように決定するように設けられている。
具体的には、遷移は、駆動信号を生成するスイッチ回路(切り替えブリッジなど)用のスイッチ時刻に対する第1の固定された時間オフセットを有するように生成され、周波数修正回路は、時間間隔の開始時間及び/又は終了時間を、遷移に対して第2の固定された時間オフセットを有するように設定する。
固定されたずれは、駆動信号の少なくとも複数のサイクルのそれぞれにおいて適用される。
いくつかの実施形態において、周波数修正回路は、スイッチ及び整流器を備え、周波数修正回路は、開始時間及び終了時間のうちの一方を遷移に合わせ、且つ開始時間及び終了時間のうちのもう一方を、整流器が、非導電性状態と導電性状態との間で切り替わるのに合わせるように、設けられている。
このことは、特に低い複雑性で且つ効果的な制御を提供する。具体的には、このことは、多くのシナリオにおいて、状態変化を遅くするための適切な時間、具体的には適切なゼロ交差などへの自動適合を可能にする。
様々なパラメータに応答した開始時間及び終了時間の整合は、さらなる柔軟性を提供し、特に、具体的にはデューティサイクルなど、駆動信号の制御パラメータのさらなる柔軟性を可能にする。
いくつかの実施形態において、周波数修正回路は、断片的時間間隔の間、容量性インピーダンスから遠くに誘導性インピーダンスからの電流を逸らすことによって、容量性インピーダンスに関する状態変化を遅くするように設けられる。
このことは、容易にされ、通常、低複雑性の実装形態を可能にしながら、特に効果的な性能を提供する。
いくつかの実施形態において、周波数修正回路は、誘導性共振からの電流を、容量性インピーダンスから遠くに逸らすように設けられた電流迂回路を備え、電流迂回路は、電流迂回路を接続、接続解除するためのスイッチを備え、周波数修正回路は、スイッチの切り替えをタイミング信号に合わせるように設けられている。
このことは、容易にされ、通常低複雑性の実装形態を可能にしながら、特に効果的な性能を提供する。
いくつかの実施形態において、周波数修正回路は、直列構成で結合されたスイッチ及び整流器を備え、周波数修正回路は、開始時間及び終了時間のうちの一方を遷移に合わせ、且つ、開始時間及び終了時間のうちのもう一方を、整流器が、非導電性状態と導電性状態との間で切り替わるのに同期させるように設けられている。
このことは、特に複雑性が低く効果的な制御を提供する。具体的には、このことは、多くのシナリオにおいて、状態変化を遅くするための適切な時間、具体的には適切なゼロ交差などへの自動適合を可能にする。
様々なパラメータに応答した開始時間及び終了時間の整合は、さらなる柔軟性を提供し、特に、具体的にはデューティサイクルなど、駆動信号の制御パラメータのさらなる柔軟性を可能にする。
多くの実施形態において、断片的時間間隔の開始時間は、整流器が、非導電性状態から導電性状態に切り替わるのに合わせられ、終了時間は、タイミング信号によって制御される。
いくつかの実施形態において、電流迂回路の第1の端は、誘導性インピーダンスと容量性インピーダンスとの間の交差点に結合されている。
このことは、効果的でさらに容易にされた動作を可能にする特に有利な実装形態を提供する。多くの実施形態において、この手法は、具体的には、必要とされる専用の構成要素の個数など、周波数修正回路の複雑性を軽減する。
いくつかの実施形態において、電流迂回路の第2の端は、電圧供給レールに結合されている。
このことは、効果的でさらに容易にされた動作を可能にする特に有利な実装形態を提供する。多くの実施形態において、この手法は、具体的には、必要とされる専用の構成要素の個数など、周波数修正回路の複雑性を軽減する。多くの実施形態において、このことは、電流迂回路を接続、接続解除するためのスイッチの駆動を容易にする。
いくつかの実施形態において、ドライバは、駆動信号を生成する切り替えブリッジを備え、ドライバは、切り替えブリッジのスイッチ用のスイッチ信号の遷移と同時に起こるように、タイミング信号の遷移を同期させるように設けられている。
このことは、向上した性能及び/又は単純化された実装形態を提供する。同期は、具体的には、言うなれば例えば、駆動信号用の期間の1/50の範囲で、スイッチ信号の遷移に、タイミング信号の遷移を時間合わせする。
いくつかの実施形態において、電流迂回路は、直列構成において結合されたスイッチ及び整流器を備え、電流迂回路の第1の端は、誘導性インピーダンスと容量性インピーダンスとの間の交差点に結合されており、電流迂回路の第2の端は、切り替えブリッジ用の接地供給レールに結合されており、送電装置は、整流器が、非導電性状態から導電性状態に切り替わる時間に、断片的時間間隔の開始時間を合わせ、且つ、切り替えブリッジのスイッチの切り替えに、断片的時間間隔の終了時間を合わせるように設けられている。
このことは、特に有利な性能及び/又は実装形態を提供する。
明らかにするための上の説明は、様々な機能回路、ユニット及びプロセッサに関連して、本発明の実施形態を説明してきたことが理解されるであろう。しかし、様々な機能回路、ユニット又はプロセッサ間の機能性のいずれの適切な分散も、本発明から逸脱することなく使用されてもよいことが明らかであろう。例えば、別個のプロセッサ又は制御装置によって果たされるように示されている機能性は、同じプロセッサ又は制御装置によって果たされてもよい。したがって、特定の機能ユニット又は回路への言及は、厳格な論理又は物理的構造若しくは編成を示すよりむしろ説明された機能性を提供するための適切な手段への言及としてのみ見られるべきである。
本発明は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせを含む適切な形態で実装され得る。本発明は、任意選択で、少なくとも部分的に、1つ又は複数のデータプロセッサ及び/又はデジタル信号プロセッサ上で実行するコンピュータソフトウェアとして、実装されてもよい。本発明の実施形態の要素及び構成要素は、いずれの適切な仕方でも、物理的に、機能的に、且つ論理的に実装されてもよい。確かに、機能性は、1つのユニットにおいて、複数のユニットにおいて、又は他の機能ユニットの一部として実装される。したがって、本発明は、1つのユニットにおいて実装されてもよく、又は、様々なユニット、回路、及びプロセッサ間に、物理的且つ機能的に分散されてもよい。
本発明は、いくつかの実施形態に関連して説明されてきたが、本明細書に明示された特定の形態に限定されることが意図されてはいない。むしろ、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ制限される。それに加え、特徴は、特定の実施形態に関連して説明されているように見えるが、当業者であれば、説明された実施形態の様々な特徴が、本発明に従って組み合わされてもよいことを認識するであろう。特許請求の範囲において、comprising(備える)という用語は、他の要素又はステップの存在を排除するものではない。
さらに、個々に挙げられているが、複数の意味、要素、回路又は方法ステップが、例えば、1つの回路、ユニット又はプロセッサによって実施される。それに加え、個々の特徴が、様々な請求項に含まれるが、これらは、場合によっては、組み合わされるのが有利であり、様々な請求項への包含は、特徴の組み合わせが、実現可能及び/又は有利ではないことを暗示してはいない。また、請求項の1つの範疇への特徴の包含は、この範疇への限定を暗示するものではなく、むしろ、特徴が、必要に応じて、他の請求項範疇に等しく適用可能であることを示す。さらに、特許請求の範囲における特徴の順番は、特徴が稼働される必要のあるいずれの特定の順番も暗示するものではなく、特に、方法請求項における個々のステップの順番は、ステップがこの順番で行われなければならないことを暗示するものではない。むしろ、ステップは、いずれの適切な順番でも行われる。それに加え、単数形引用は、複数形を排除するものではない。したがって、「a」、「an」、「第1の」、「第2の」などへの言及は、複数形を排除するものではない。特許請求の範囲における参照記号は、単に、明快な例として提供され、多少なりとも特許請求の範囲を制限するとして解釈されるべきではない。