JP6657419B2 - ワイヤレス誘導電力伝送 - Google Patents

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Description

本発明は、誘導電力伝送に関し、排他的ではないが、特に、ワイヤレス電力伝送システム用のQi規格に適合する要素を使用して誘導電力伝送を提供する電力送信器に関する。
今日のほとんどのシステムは、外部電源から給電されるために、専用電気接点を必要とする。しかし、これは実用的ではない傾向があり、ユーザがコネクタを物理的に挿入するか又は物理的な電気接点を確立することを必要とする。通常、電力要件も著しく異なり、現在、ほとんどのデバイスにはそれ専用の電源が設けられ、典型的なユーザは、それぞれが特定のデバイス専用である多数の様々な電源を有する。内蔵電池の使用によって、使用時に電源に有線接続する必要はないが、これは、電池が再充電(又は交換)を必要とするため、部分的な解決策しか提供しない。電池の使用は更に、デバイスの重量を大幅に増加し、また、デバイスのコスト及びサイズを増加させる可能性がある。
ユーザエクスペリエンスを大幅に向上させるために、電力が電力送信器デバイス内の送信器インダクタから個々のデバイス内の受信器コイルへと誘導的に伝送されるワイヤレス電源を使用することが提案されている。
磁気誘導を介する電力伝送は、よく知られている概念であり、主に、一次送信器インダクタと二次受信器コイルとの間に密結合を有するトランスに応用されている。2つのデバイス間で一次送信器インダクタと二次受信器コイルとを離すことによって、これらデバイス間のワイヤレス電力伝送は、疎結合トランスの原理に基づいて可能となる。
このような構成は、任意の電線又は物理的な電気的接続を作る必要なく、デバイスへのワイヤレス電力伝送を可能にする。実際に、このような構成は、外部から再充電又は給電されるためには、デバイスを送信器インダクタに隣接して又はその上に置くだけでよいことを可能にする。例えば電力送信器デバイスに水平面が取り付けられ、給電されるためにはデバイスがその上に置かれるだけでよい。
更に、このようなワイヤレス電力伝送構成は、電力送信器デバイスが様々な電力受信器デバイスと共に使用可能であるようにデザインされることが有利である。特にQi規格と知られているワイヤレス電力伝送アプローチが規定され、現在、更に開発されている。このアプローチは、Qi規格に適合する電力送信器デバイスが、こちらもQi規格に適合する電力受信器デバイスと共に、これらのデバイスが同じ製造業者からのものである必要なく又は互いに対して専用である必要なく、使用されることを可能にする。Qi規格は更に、(例えば特定の電力排出に応じて)特定の電力受信器デバイスに動作を適応させる幾つかの機能を含む。
Qi規格は、ワイヤレスパワーコンソーシアムによって開発され、詳細な情報は、当該コンソーシアムのウェブサイト:http://www.wirelesspowerconsortium.com/index.htmlを参照されたい。ここに、規定された規格の文書が具体的に記載されている。
例えばQiといった多くのワイヤレス電力伝送システムは、電力受信器から電力送信器への通信をサポートするので、電力受信器が電力送信器に、当該電力送信器が特定の電力受信器又は電力受信器によって経験された特定の条件に適応することを可能にする情報を提供することができる。
多くのシステムにおいて、当該通信は、電力伝送信号の負荷変調による。具体的に、当該通信は、電力受信器が負荷変調を行うことによって実現される。負荷変調では、電力受信器によって二次受信器コイルに印加される負荷が変化させられて電力信号が変調される。結果として生じる電気的特性の変化(例えば送信器インダクタの電流の変動)が電力送信器によって検出及び復号(復調)される。
Qiにおける負荷変調の応用の詳細な情報は、例えばQiワイヤレス電力規格(バージョン1.0)の第1部の第6章を参照されたい。
電力受信器から電力送信器への負荷変調通信に加えて、電力送信器から電力受信器への通信をサポートすることも提案されている。当該通信は、メイン電力信号を変調することによって実施されるように提案されている。しかし、多くのシナリオでは、当該アプローチは最適動作を提供しない。代案として、別の通信リンクを使用して、具体的には別の通信コイルを使用して、電力送信器から電力受信器まで通信チャネルを設けることも提案されている。
具体的には、メイン電力伝送コイルとは別の第2のコイルを駆動することによって、通信搬送波を生成することが提案されている。通信搬送波はデータを表すために振幅変調される。更に、通信搬送波は、メイン電力伝送信号とは異なる周波数帯で動作するように生成されるので、通信搬送波と信号との干渉が低減される。
通信搬送波は、電力送信器から電力受信器へのデータ通信を提供することに加えて、電力受信器から電力送信器への通信にも使用される。この通信は、メイン電力伝送信号を使用する電力受信器から電力送信器への通信に加えての通信であってよい。例えば電力受信器は、待機フェーズ又は初期化フェーズ中は、通信搬送波を使用して電力送信器と通信する一方で、電力伝送モード中は、通信は、メイン電力伝送信号の負荷変調を使用して達成される。例えば電力受信器は、最初に、通信搬送波を使用して電力伝送初期化及び構成メッセージを送信し、次に、伝送動作中はメイン電力伝送信号を負荷変調することによって、電力制御メッセージを送信する。通信搬送波を使用する電力受信器から電力送信器への通信は、具体的には、通信搬送波を負荷変調することによって達成される。
Qi規格の開発の責任を担うワイヤレスパワーコンソーシアム(WPC)は、コードレス台所電化製品用のインターフェース規格を開発するために、キッチンワークグループを設立した。キッチンワークグループは、キッチンシナリオに適したワイヤレス電力伝送のアプローチを開発することを目的とする。当該シナリオでは、誘導電源が調理台の中に置かれ、コードレス電化製品が調理台の上に置かれる。
この新しいインターフェース規格は、台所電化製品のコードレス動作を可能にすることを目的とし、台所電化製品と誘導電源との機械的及び電気的インターフェースを規定する。当該インターフェース規格は、取り扱いが簡単で、きれいにすることが簡単で、しまうことが簡単であるコードレス電化製品の新しいクラスを可能とすることを目的としている。新しい規格は、電力受信器への直接の電力伝送をサポートし、電力受信器は次に負荷に給電することができる(誘導電力伝送(IPT)と呼ばれる)。当該規格は更に、適切な加熱要素中に渦電流を誘導することにより、当該要素を直接的及び誘導的に加熱する電力伝送信号の提供(誘導加熱(IH)と呼ばれる)もサポートする。
コードレス電化製品の種類を特定し、電力伝送を制御するために、コードレス電化製品と誘導電源との間、即ち、電力送信器と電力受信器との間に通信チャネルが確立される。この通信チャネルを使用して、例えばモータの速度制御、加熱電化製品の温度制御、調理容器の圧力測定、煮過ぎ防止等を可能にする電力制御ループが提供される。
キッチンワークグループでは、近距離無線通信(NFC)アプローチと非常によく似た極短距離通信アプローチを使用する通信機能を実現することが提案されている。具体的には、13.56MHzの同じ周波数で動作し、電力送信器から電力受信器(NFCのタグに相当)への通信に振幅変調を、電力受信器から電力送信器への通信に負荷変調を使用するアプローチが提案されている。
当該アプローチは、通信範囲が数センチメートルに制限される近接効果を使用することに基づいている。当該短距離は、通信のための電力要件を低減し、電力送信器の通信コイルと電力受信器の補完的通信コイルとの結合された且つ1対1の関係を可能にする。当該短距離は更に、(例えば他の電力受信器が近くにある場合)データ通信が電力送信器と電力受信器との間で行われないリスクを低減する点で追加の安心を提供する。
このアプローチは、一次電力伝送及び通信に別々の通信コイルを使用することに基づいている。したがって、通信搬送波が別の通信コイルによって生成される。通信搬送波は、電力送信器によってAM変調されるか又は電力受信器によって負荷変調される。
別々の通信搬送波及び通信コイルを使用するアプローチは、高電力応用に特に魅力的である。通常、高電力信号の変調は低電力信号の変調よりも難しい傾向がある。特に、負荷変調は高電力信号では非実用的である傾向があり、具体的には著しい損失をもたらす。キッチンワークグループは高電力応用向けのシステムをデザインしているため、別々の通信搬送波及び通信コイルが導入されている。
通信搬送波は、通信に加えて、電力受信器への電力伝送も可能にする。したがって、通信搬送波は二次電力伝送信号である。二次電力伝送信号は、具体的には電力伝送の初期化フェーズ及び構成フェーズ中に幾つかの回路(特に初期化及び通信回路)に給電するように使用される。この電力は、大抵、比較的低レベル、例えば1W未満に保たれるが、メイン電力伝送の電力レベルはずっと高い。
通信搬送波を介した電力の提供、具体的には、メイン電力伝送路及び二次電力伝送路の実現は、多くのシナリオにおいて非常に有利である。具体的には、メイン電力伝送信号がアクティブであることを必要とすることなく、初期化回路、構成回路、通信回路及び制御回路といった幾つかの回路が起動及び給電されることを可能にする。
例えばキッチンワークグループは、電化製品/電力受信器が電力送信器とインタラクトするための標準NFCタグ/受信器を含むことを想定している。このようなシステムでは、電化製品の存在が電力送信器によって検出されると、電化製品内のNFCタグを起動するために、通信フロントエンドが通信搬送波を生成し、電力伝送は、電力送信器及び電化製品の通信コイルを介して達成される。電力送信器は、識別子リクエストをNFCタグに送信する。検出されると、NFCタグは、電力リクエスト及び制御エラーを決定するために、電力受信器の残りの部分とのインターフェースをポーリングする。次に、NFCタグは、通信搬送波を負荷変調することによってデータを送信する。電力送信器は次に、メイン送信電力コイルを使用してメイン電力伝送信号を生成することによって、電力リクエスト及び制御エラーの受信を確認し、これにより、電力チャネルを介してメイン電力がコードレス電化製品に提供される。
したがって、通信搬送波は、通信に加えて、コードレス電化製品に少量の補助電力を提供するためにも使用することができる。この少量の電力は、コードレス電化製品自体が(まだ)使用されていない場合、コードレス電化製品のユーザインターフェースを起動するために使用される。補助電力チャネルがあることによって、例えばコードレス電化製品のユーザインターフェースを起動するためにメイン電力チャネルを使用する必要がなく、システム全体の待機損失が著しく低減される。
しかし、電力伝送信号の役割も果たすための通信搬送波の要件は、幾つかの問題点ももたらす。具体的には、通信搬送波の駆動信号の電力の増加が必要となる。補助電源の典型的な要件は、受信電力の200〜1000mWの範囲内である。このような大量の電力は、通常、例えばNFCシステムに通常使用されるものよりも高い電力レベル用の回路が必要となる。別の問題は、より高い電力レベルの信号に対してAM変調が行われなければならないことであり、これは、多くのシステムでは、損失が増加し、したがって、効率が下がる。
具体的には、AM変調は、しばしば、出力電力段への電圧供給を制御することによって達成される。しかし、より高い電力レベルを提供するためには、これは、通常、より高い損失を伴う。
AM変調を使用する際の特に重大な問題は、振幅変動をどのように制御するか、具体的には、変調に使用される相対的な振幅レベルをどのように正確に制御するか、である。変動の設定が小さ過ぎると、通信性能が低減し(エラーが増える)、設定が大き過ぎると、搬送波によって提供される電力伝送の効率といった他の性能指標が影響を受ける。
したがって、改良されたアプローチがあれば有利である。具体的には、動作の向上、電力伝送の向上、柔軟性の増加、実施の容易さ、動作の容易さ、通信の向上、複雑さの低減、電力損失の低減、AM変調を使用する際の振幅変動制御の向上及び/若しくは容易さ、並びに/又は、性能の向上を可能にするアプローチがあれば有利である。
したがって、本発明は、好適には、上記欠点の1つ以上を単独で又は任意の組み合わせで軽減、緩和又は排除することを目的とする。
本発明の一態様によれば、誘導信号を介して電力受信器に電力をワイヤレスに提供する電力送信器が提供される。電力送信器は、駆動信号に応じて誘導信号を生成する可変共振回路であって、誘導性インピーダンス及び容量性インピーダンスを含み、可変共振周波数を有する、上記可変共振回路と、可変共振回路用の駆動信号を生成するドライバと、データ値に応じて可変共振周波数を変化させることによって、電力受信器にデータ値を送信するための誘導信号を振幅変調する変調器とを含み、誘導性インピーダンスは、誘導信号を生成する送信器コイルを含み、可変共振回路は、駆動信号の少なくとも幾つかのサイクルの部分時間間隔の間、容量性インピーダンス及び誘導性インピーダンスの少なくとも一方の状態変化を遅くすることによって可変共振周波数を制御する共振修正回路を含み、変調器は、データ値に応じて部分時間間隔の持続時間を適応させる。
本発明は、多くのワイヤレス電力伝送システムにおいて、性能を向上させる。本発明は、多くのシナリオにおいて、通信を容易にし、及び/又は、向上させ、具体的には、振幅変調を用いる電力送信器から電力受信器へのデータの送信中の動作を向上させる。多くの実施形態において、当該アプローチは、電力レベルを増加することを可能にする一方で、低複雑度及び低コスト回路を依然として使用することを可能にする。例えば当該アプローチは、低電力IC(例えば標準的な通信IC)を非線形電力増幅器と共に使用することを可能にする一方で、非ゼロ復帰(NRZ)振幅変調を含む様々な振幅変調アプローチを依然として提供する。
可変共振回路は、変調器によって生成される制御信号に応じて誘導性及び/又は容量性インピーダンスの値を変化させる。変調器は、共振周波数における変化が変調スキームによって必要とされる誘導信号(誘導通信信号とも呼ぶ)の振幅変化をもたらすように、受信器に送信されるデータ値に応じて制御信号を生成する。
可変共振回路は、制御信号に応じて可変インピーダンスを変化させる共振修正回路を含む。変調器及び共振修正回路は、振幅変調スキームをデータ値に適用したことによりもたらされる振幅変動にマッチするように共振周波数を変化させる。
共振修正回路は、例えば可変インピーダンスを、様々な共振周波数に対応する様々なインピーダンス間で切り替えるスイッチを含む。各共振周波数は、振幅変調によって使用される振幅レベルに対応する。共振修正回路は、制御信号に応じて可変共振周波数を切り替える。変調器は、現在のデータ値の通信プトロコルによって必要とされる振幅レベルに対応する共振周波数に対応するインピーダンスが選択されるように、様々なインピーダンス間で可変インピーダンスを切り替えるスイッチ信号となるように制御信号を生成する。
幾つかの実施形態では、変調器は、データ値に応じて、1セットの所定の共振周波数間で可変共振周波数を切り替える。多くの実施形態では、当該周波数のセットは2つの周波数からなる。
共振修正回路のアプローチは、多くの実施形態において特に有利な動作を提供し、具体的には、振幅変調を提供するための可変共振周波数が、効率的である上に、複雑度が低く、容易に実現できる適応を提供する。
上記アプローチは、振幅変動の制御において非常に効率的であり、具体的には、多くのシナリオにおいて、変調度の制御を向上させる。振幅変調は、部分時間間隔の持続時間を正確に制御することによる実効共振周波数の非常に正確な制御によって制御される。実際に、多くの実施形態において、実効共振周波数、従って、振幅変調の振幅レベルは、部分時間間隔を開始する及び/又は終了するスイッチのための駆動信号のタイミングを制御することによって制御される。具体的には、多くの実施形態において、上記アプローチは、実効共振周波数が、単に、部分時間間隔を開始する又は終了するスイッチを制御する駆動信号の周波数と一致する、つまり、同じであることを可能にする。上記アプローチは、特に振幅変動、具体的には、変調度が、共振部品の正確な部品の数値とは実質的に無関係であることを可能にする。したがって、共振回路部品の公差及びドリフトが自動的に相殺される。
これにより、共振周波数、従って、振幅レベルをより正確に且つ確実に設定することができる。したがって、デザインは、部品の最悪の事態を反映する必要がないため、しばしば、安全マージンを大幅に下げることができることにより、変調度を大幅に低く設定することができる。これは、多くの応用において、電力伝送を向上させる。
状態変化の緩慢化は、容量性インピーダンス及び誘導性インピーダンスだけを含む共振回路に対する緩慢化である。当該回路は、状態変化が遅くされることによりもたらされる実効共振周波数よりも高い(自走)共振周波数(固有共振周波数と呼ぶ)を有する。
状態変化の緩慢化は、修正された(実効)インピーダンスをもたらす。容量性インピーダンス及び誘導性インピーダンスは、通常、直列又は並列共振構成で結合される。上記状態は、具体的にはエネルギー状態であり、特に容量性インピーダンスに亘る電圧及び/又は誘導性インピーダンスを流れる電流である。
部分時間間隔は、駆動信号の期間の半分未満の持続時間を有する。開始時間及び終了時間は、通常、(その中に部分時間間隔がある)各サイクルの時間インスタント/イベントに対する時間インスタントである。例えば開始時間及び終了時間は、駆動信号のゼロ交差に対して考えられる。
部分時間間隔は、具体的には、駆動信号の複数のサイクル(しかし、必ずしも全部の又は連続するサイクルではない)において生じ、駆動信号の1サイクルのサイクル/期間未満の持続時間を有する時間間隔である。
容量性インピーダンスは、通常はコンデンサであり、誘導性インピーダンスは通常はインダクタである。しかし、幾つかの実施形態では、容量性インピーダンス及び/又は誘導性インピーダンスは更に例えば抵抗成分も含む。
共振周波数は、通常、部分時間間隔の持続時間が長いほど、次第に低減される。共振修正回路は、(容量性インピーダンス及び誘導性インピーダンスだけからなる共振回路において容量性インピーダンス及び誘導性インピーダンスが振動する周波数に相当する)容量性インピーダンス及び誘導性インピーダンスの固有共振周波数を低減する。実効共振周波数は、多くの実施形態において、変調器が、例えば部分時間間隔の開始時間及び/又は終了時間を変えることによって、部分時間間隔の持続時間を延長することによって低減される。
幾つかの実施形態では、電力送信器は、部分時間間隔の持続時間を延長することによって、共振周波数を低減する。
幾つかの実施形態では、共振修正回路は、部分時間間隔の間、誘導性インピーダンスと容量性インピーダンスとの間のエネルギーフローを妨げることによって状態変化を遅くする。
これは、多くのシナリオにおいて性能を向上させ、具体的には、共振周波数を効果的に調整する。上記アプローチは実施を容易にする。エネルギーフローは、容量性インピーダンスから誘導性インピーダンスへである場合、誘導性インピーダンスから容量性インピーダンスへである場合、又は、誘導性インピーダンスから容量性インピーダンスへと容量性インピーダンスから誘導性インピーダンスへとの両方の場合において妨げられる。
エネルギーフローを妨げることには、エネルギーフローを低減することと、任意のエネルギーフローを完全に阻止することとの両方が含まれる。
多くの実施形態において、共振修正回路は、部分時間間隔の間、誘導性インピーダンスと容量性インピーダンスとの間の電流フローを妨げることによって状態変化を遅くする。
これは、特に効果的な制御を提供し、実用的な実施を提供する。電流フローは、正電流フローでも負電流フローでもよい。電流フローを妨げることには、電流フローを低減することと、任意の電流フローを完全に阻止(遮断)することとの両方が含まれる。
幾つかの実施形態では、共振修正回路は、部分時間間隔の間、容量性インピーダンスから誘導性インピーダンスへの電流フローを妨げることによって、誘導性インピーダンスの状態変化を遅くする。
本発明のオプションの特徴によれば、共振修正回路は、共振回路の信号に応じて部分時間間隔の開始時間及び終了時間の一方を決定し、変調器は、データ値に応じて開始時間及び終了時間の他方を制御する。
これは、変調器による共振周波数の制御を容易にする。多くの実施形態において、これにより、変調器によるアクティブ制御を可能にする開始時間及び終了時間の少なくとも一方の自動決定は、1つの時間インスタントだけを考慮すればよい。例えばスイッチを使用して状態変化の緩慢化が制御される場合、多くの実施形態において、当該アプローチによって、スイッチのオン時間及びオフ時間のうちの一方だけを正確に制御すればよい。
本発明のオプションの特徴によれば、電力送信器は更に、誘導信号の振幅を測定する振幅測定器と、測定された振幅の変動に応じて、変調度を決定する変調度決定器とを含み、変調器は、変調度に応じて可変共振周波数を変化させる。
これは、多くの実施形態において、通信を向上させる。特にこれにより通信性能と電力伝送性能とのトレードオフが向上される。具体的には、多くの実施形態において、これは、確実に検出されるために変調が十分に大きいことを確保する一方で、同時に、誘導通信信号によって伝送される平均又は最小電力を最大化する(又は少なくとも増加させる)。
本発明のオプションの特徴によれば、変調器は、データ値に応じて、1セットの共振周波数間で可変共振周波数を切り替え、変調度に応じて、共振周波数の1セットから少なくとも1つの周波数を決定する。
これにより、性能が向上され、及び/又は、動作が容易にされる。
本発明のオプションの特徴によれば、電力送信器は更に、誘導信号の負荷変調を復調する復調器を含む。
可変共振回路を使用して電力受信器への送信を振幅変調する上記アプローチにより、電力受信器からの送信に効率的な負荷変調を使用することができ、これにより、非常に効率的な双方向性通信アプローチが提供される。
本発明のオプションの特徴によれば、電力送信器は更に、電力受信器に電力を提供するための誘導電力伝送信号を生成する電力伝送送信器コイルと、誘導電力伝送信号を介する電力受信器への電力伝送を初期化する電力伝送コントローラとを含み、誘導電力伝送信号の最大電力は、誘導信号の最大電力よりも大きく、電力伝送コントローラは、データ値の少なくとも一部を、電力伝送初期化制御データとして生成する。
上記アプローチにより、非常に高出力レベルのワイヤレス電力伝送が可能になる一方で、低い待機電力使用が達成され、更に、低複雑度及び低コスト回路を依然として使用することができる。様々な電力提供経路間で特に効率的な相後作用が達成される。
電力伝送初期化制御データは、電力伝送初期化処理の一部として通信されるデータであり、具体的には、誘導電力伝送信号が生成される(スイッチオンされる)前に、誘導電力伝送信号を使用する電力伝送の設定/開始処理の一部として通信されるデータである。
本発明のオプションの特徴によれば、ドライバは、データ値と無関係の駆動周波数を有するように駆動信号を生成する。
振幅変調は、可変共振周波数を変化させる一方で、少なくとも2つの連続データシンボルの間、駆動周波数を実質的に変えないでおくことによって達成される。具体的には、駆動周波数の変化は遅いため、一定の可変共振周波数の2つの連続データシンボル間の駆動周波数の変化からもたらされる任意の振幅変動は、振幅変調に使用される振幅レベル間の振幅の最小差の10%未満である。
多くの実用的なシステムでは、駆動周波数は、2つのデータシンボル時間に亘って実質的に一定である。
本発明のオプションの特徴によれば、ドライバは、データ値と無関係の駆動信号の電圧振幅及び電流振幅の少なくとも一方を有する駆動信号を生成する。
振幅変調は、可変共振周波数を変化させる一方で、少なくとも2つの連続データシンボルの間、駆動周波数の電圧及び/又は電流の振幅を実質的に変えないでおくことによって達成される。具体的には、振幅の変化は遅いため、2つの連続データシンボルの任意の当該振幅変動は、振幅変調に使用される振幅レベル間の振幅の最小差の10%未満である。
多くの実用的なシステムでは、電圧及び/又は電流は、2つのデータシンボル時間に亘って実質的に一定の値を有する。
本発明のオプションの特徴によれば、駆動信号の周波数は10MHz以上である。
これは、可変共振周波数を変化させることによる振幅変調に特に適している。これは、更に、多くの実施形態において、より低い電力レベルの伝送に適切な周波数範囲を提供する一方で、より高い電力レベルは、より低い周波数においてより効果的に伝送される。
本発明の別の態様によれば、電力送信器及び電力受信器を含み、電力送信器は誘導信号を介して電力受信器に電力をワイヤレスに提供するワイヤレス電力伝送システムが提供される。電力送信器は、駆動信号に応じて誘導信号を生成する可変共振回路であって、誘導性インピーダンス及び容量性インピーダンスを含み、可変共振周波数を有する上記可変共振回路と、可変共振回路用の駆動信号を生成するドライバと、データ値に応じて可変共振周波数を変化させることによって、電力受信器にデータ値を送信するための誘導信号を振幅変調する変調器とを含み、誘導性インピーダンスは、誘導信号を生成する送信器コイルを含み、電力受信器は、誘導信号を受信する受信器コイルと、誘導信号の振幅変調を復調する復調器と、誘導信号から電力を抽出し、電力受信器の少なくとも一部に給電する第1の電力抽出器とを含み、可変共振回路は、駆動信号の少なくとも幾つかのサイクルの部分時間間隔の間、容量性インピーダンス及び誘導性インピーダンスの少なくとも一方の状態変化を遅くすることによって可変共振周波数を制御する共振修正回路を含み、変調器は、データ値に応じて部分時間間隔の持続時間を適応させる。
上記アプローチは、非常に効率的な統合された電力伝送及び通信アプローチを提供する。
本発明のオプションの特徴によれば、電力送信器は更に、電力受信器に電力を提供するための誘導電力伝送信号を生成する電力伝送送信器コイルと、誘導電力伝送信号を介する電力受信器への電力伝送を初期化する電力伝送コントローラとを含み、誘導電力伝送信号の最大電力は、誘導信号の最大電力よりも大きく、電力伝送コントローラは、データ値の少なくとも一部を、電力伝送初期化制御データとして生成する。電力受信器は、誘導電力伝送信号を受信する電力伝送受信器コイルと、誘導電力伝送信号から電力を抽出し、負荷に給電する第2の電力抽出器とを含む。
上記アプローチは、分化された電力伝送用の非常に効率的なアプローチを提供する。
本発明のオプションの特徴によれば、第1の電力抽出器は、誘導電力伝送信号が存在しない場合に、電力受信器の少なくとも一部に給電し、第2の電力抽出器は、誘導電力伝送信号が存在する場合に、電力受信器の少なくとも一部に給電する。
上記アプローチにより、効率的な電力伝送が可能となり、具体的には、多くの実施形態において、高電力レベル電力伝送が可能となる一方で、低電力待機モードを可能にする。しかし、当該低電力待機モードは、高電力レベル電力伝送を効果的に開始することができる。
本発明の別の態様によれば、誘導信号を介して電力受信器に電力をワイヤレスに提供する電力送信器の操作方法が提供される。電力送信器は、送信器コイルを含む誘導性インピーダンスと、容量性インピーダンスとを含む、可変共振周波数を有する可変共振回路を含む。当該方法は、可変共振回路が、駆動信号に応じて誘導信号を生成するステップと、可変共振回路用の駆動信号を生成するステップと、データ値に応じて可変共振周波数を変化させることによって、電力受信器にデータ値を送信するための誘導信号を振幅変調するステップとを含み、可変共振回路は、駆動信号の少なくとも幾つかのサイクルの部分時間間隔の間、容量性インピーダンス及び誘導性インピーダンスの少なくとも一方の状態変化を遅くすることによって、可変共振周波数を制御する共振修正回路を含み、振幅変調するステップは、データ値に応じて部分時間間隔の持続時間を適応させるステップを含む。
本発明の別の態様によれば、電力送信器及び電力受信器を含むワイヤレス電力伝送システムの操作方法が提供される。電力送信器は、誘導信号を介して電力受信器に電力をワイヤレスに提供し、送信器コイルを含む誘導性インピーダンスと、容量性インピーダンスとを含む、可変共振周波数を有する可変共振回路を含む。当該方法は、可変共振回路が駆動信号に応じて誘導信号を生成するステップと、可変共振回路用の駆動信号を生成するステップと、データ値に応じて可変共振周波数を変化させることによって、電力受信器にデータ値を送信するための誘導信号を振幅変調するステップとを電力送信器が行うことと、誘導信号の振幅変調を復調するステップと、誘導信号から電力を抽出し、電力受信器の少なくとも一部に給電するステップとを電力受信器が行うこととを含み、可変共振回路は、駆動信号の少なくとも幾つかのサイクルの部分時間間隔の間、容量性インピーダンス及び誘導性インピーダンスの少なくとも一方の状態変化を遅くすることによって、可変共振周波数を制御する共振修正回路を含み、振幅変調するステップは、データ値に応じて部分時間間隔の持続時間を適応させるステップを含む。
本発明のこれらの及び他の態様、特徴並びに利点は、以下に説明される実施形態から明らかとなり、また、当該実施形態を参照して説明される。
本発明の実施形態は、単なる一例として図面を参照して説明される。
図1は、本発明の幾つかの実施形態による電力伝送システムの要素の一例を示す。 図2は、電力送信器用の通信回路の要素の例を示す。 図3は、電力送信器用の通信回路の要素の例を示す。 図4は、電力送信器用の通信回路の要素の例を示す。 図5は、本発明の幾つかの実施形態による電力送信器用の通信回路の要素の例を示す。 図6は、本発明の幾つかの実施形態による電力送信器の信号の例を示す。 図7は、本発明の幾つかの実施形態による電力送信器の要素の例を示す。 図8は、本発明の幾つかの実施形態による電力送信器用のドライバの要素の例を示す。 図9は、本発明の幾つかの実施形態による電力送信器用のドライバの要素の例を示す。 図10は、本発明の幾つかの実施形態による電力送信器の要素の例を示す。 図11は、本発明の幾つかの実施形態による電力受信器の要素の例を示す。 図12は、本発明の幾つかの実施形態による電力送信器の要素の例を示す。 図13は、本発明の幾つかの実施形態による電力送信器の要素の例を示す。 図14は、本発明の幾つかの実施形態による電力送信器の要素の例を示す。 図15は、本発明の幾つかの実施形態による電力送信器の信号の例を示す。 図16は、本発明の幾つかの実施形態による電力送信器の要素の例を示す。 図17は、本発明の幾つかの実施形態による電力送信器の信号の例を示す。 図18は、本発明の幾つかの実施形態による電力送信器の信号の例を示す。 図19は、本発明の幾つかの実施形態による電力送信器の信号の例を示す。 図20は、本発明の幾つかの実施形態による電力送信器の要素の例を示す。
以下の説明は、ワイヤレスパワーコンソーシアム(WPC)のキッチンワークグループによって台所用途向けに、現在、想定されているような電力伝送アプローチを利用するワイヤレス電力伝送システムに適用可能である本発明の実施形態に重点を置いている。しかし、当然ながら、本発明は、この適用に限定されず、多くの他のワイヤレス電力伝送システムにも適用される。
図1は、本発明の幾つかの実施形態による電力伝送システムの一例を示す。電力伝送システムは、送信器インダクタ/コイルを含む(又は当該送信器インダクタ/コイルに結合される)電力送信器101を含む。送信器インダクタ/コイルは、以下、電力伝送送信器コイル103と呼ぶ。システムは更に、受信器コイル/インダクタを含む(又は当該受信器コイル/インダクタに結合される)電力受信器105を含む。受信器コイル/インダクタは、以下、電力伝送受信器コイル107と呼ぶ。
システムは、電力送信器101から電力受信器105へのワイヤレス誘導電力伝送を提供する。具体的には、電力送信器101は、電力伝送送信器インダクタ103によって磁束として伝搬されるワイヤレス誘導電力伝送信号(電力伝送信号、電力信号又は誘導電力伝送信号とも呼ばれる)を生成する。電力伝送信号は、通常、約20kHzと約500kHzとの間の周波数を有し、また、Qiタイプのシステムでは、通常、100kHz乃至200kHzの範囲内である。電力伝送送信器インダクタ103及び電力伝送受信器コイル107は疎結合されるので、電力伝送受信器コイル107は、電力送信器101からの電力伝送信号(の少なくとも一部)を捕捉する。したがって、電力は、電力伝送送信器インダクタ103から電力伝送受信器コイル107へのワイヤレス誘導結合を介して電力送信器101から電力受信器105へと伝送される。電力伝送信号との用語は、主に、電力伝送送信器インダクタ103と電力伝送受信器コイル107との間の誘導信号/磁場(磁束信号)を指すために使用されるが、当然ながら、当該用語は、同等に、電力伝送送信器インダクタ103に提供される又は電力伝送受信器コイル107によって捕捉される電気信号と見なされる又はとして使用されてもよい。
システムは、かなりの電力レベルを伝送するように構成され、特に、電力送信器は、多くの実施形態において5W、50W又は更には500Wを上回る電力レベルをサポートする。
電力送信器101は、電力伝送送信器コイル103が電力伝送信号を生成するように電力伝送送信器コイル103を駆動する電力伝送回路109を含む。当業者に知られているように、電力伝送回路109は、適切な駆動信号を生成し、電力を調節し、周波数を制御する適切な機能を含む。
更に、電力送信器101は、電力送信器101の動作を制御する電力送信器コントローラ111を含む。例えば電力送信器コントローラ111は、電力伝送動作を確立し、サポートし、終了するために必要な制御機能を含む。例えば電力送信器コントローラ111は、Qiタイプの電力伝送システムのアプローチに従って動作するように電力送信器101を制御してもよい。
電力受信器105は、補完的に、電力伝送信号から電力を抽出する電力抽出器回路113を含む。したがって、具体的には、電力伝送受信器コイル107が、(電力伝送受信器コイル107の中に電流を誘導する誘導電力伝送信号の束によって)誘導電力伝送信号を受信する。電力抽出器回路113は、電力伝送受信器コイル107に接続される。電力抽出器回路113は外部負荷115に結合され、当該外部負荷115は、電力抽出器回路113によって電力伝送信号から抽出された電力によって給電される。
電力受信器105は更に、電力受信器105の動作を制御する電力受信器コントローラ117を含む。例えば電力受信器コントローラ117は、Qiタイプの電力伝送システムから知られているような動作及び手順を実施する。
したがって、電力送信器101及び電力受信器105は、電力が電力送信器101から電力受信器105へと伝送されるワイヤレス電力伝送システムを形成する。WPCのキッチンワークグループによって検討されるようなシステムでは、電力伝送の電力レベルは非常に高く、実際に、数キロワットまでの電力レベルが想定されている。
図1の例では、電力受信器105は、後に外部負荷115に提供される電力を抽出する電力抽出器回路113に電気的に結合される専用の電力伝送受信器コイル107を含む。しかし、当然ながら、他の実施形態では、電力伝送受信器コイル107自体が負荷であってもよいし、電力伝送受信器コイル107が本来的に電力を抽出してもよい。例えば電力伝送受信器コイル107は、その中で渦電流が誘導される加熱要素又はプレートであり、加熱要素において電力が失われることは、誘導電力伝送信号によって加熱要素が加熱されることになる。
効率的な電力伝送動作を提供するためには、電力送信器101と電力受信器105との間で情報交換が必要であるので、図1のシステムは、2つのエンティティ間の2方向通信チャネルを実現する。図1のシステムでは、通信はメイン電力伝送とは別に確立される。即ち、通信は誘導電力伝送信号を使用しない。むしろ、図1のシステムでは、別の通信搬送波が生成され、電力送信器101から電力受信器105への通信及び電力受信器105から電力送信器101への通信の両方に使用される。
具体的には、電力送信器101は、以下、送信器通信コイル121と呼ぶ送信器コイルを駆動する電力送信器通信回路119を含む。したがって、電力送信器通信回路119は、送信器通信コイル121用の駆動信号を生成することによって誘導信号を生成する。この誘導信号は、以下、誘導通信信号又は搬送波と呼ぶが、当然ながら(後に説明されるように)、当該誘導通信信号は更に、電力受信器105に多少の電力も提供する。
電力受信器105は、補完的に、以下、受信器通信コイル123と呼ぶ受信器コイルを含む。受信器通信コイル123は、電力送信器101との通信をサポートする電力受信器通信回路125に結合される。電力受信器通信回路125は、電力受信器コントローラ117に結合される。
したがって、図1のシステムでは、電力送信器101と電力受信器105との間の通信をサポートするように第2の誘導経路が実現される。通信は、電力伝送信号よりもはるかに高い周波数を有するように具体的に生成される別箇の誘導通信信号を使用して達成される。多くの実施形態において、誘導通信信号は10MHz以上の周波数を有するのに対して、電力伝送信号は500kHz以下、通常は200kHz以下の周波数を有する。これは、信号間の干渉を低減し、様々なシステムが非常に近接していても(また、潜在的に重なり合う又は同心コイルを使用しても)効率よく動作することを可能にする。
通信チャネルの距離は更に短く、ほとんどの実施形態では10〜15cmを超えない。当該短距離は、追加の安全及び安心を提供し、例えば電力送信器101が付近にある他の電力受信器によって制御されるリスクを低減する。
電力送信器101から電力受信器105への通信は、以下、簡潔にするためにフォワード通信と呼び、電力送信器101から電力受信器105への通信チャネルはフォワード通信チャネルと呼ぶ。対応して、電力受信器105から電力送信器101への通信は、以下、簡潔にするためにリバース通信と呼び、電力受信器105から電力送信器101への通信チャネルはリバース通信チャネルと呼ぶ。
図1のシステムでは、フォワード通信チャネル(即ち、電力送信器から電力受信器までの通信チャネル)は、誘導通信信号をAM変調することによって実現される一方で、リバース通信チャネルは、電力受信器105が誘導通信信号を負荷変調することによって実現される。したがって、誘導通信信号は、フォワード通信及びリバース通信の両方に使用される通信搬送波を形成する。
誘導通信信号は、通信をサポートすることに加えて、電力受信器105への補助又は二次電力伝送も提供する。したがって、誘導通信信号は、二次電力伝送信号としても使用される。しかし、ほとんどの実施形態において、誘導通信信号によって提供可能である電力レベルは、誘導電力伝送信号によって提供可能である電力よりも大幅に低い。実際に、ほとんどの実施形態において、誘導通信信号によって提供可能である最大電力は、電力伝送信号の最大電力よりも5又は10倍以上低く、また、実際に、多くの実施形態において、この差はさらに大きい。
誘導通信は、具体的には、少なくとも幾つかの時間間隔の間に、電力受信器105の一部を給電するために使用される。特に、誘導通信信号によって提供される電力は、誘導電力伝送信号が生成されていない時間の間、電力受信器通信回路125及び/又は電力受信器コントローラ117に給電するために使用される。
例えば電力送信器101は、電力受信器が存在しないために、待機フェーズにある。ある時点で、ユーザが電力受信器105を、電力送信器101からの電力伝送に適した位置に置く。これは、電力送信器101によって検出され、これに応じて、電力送信器101は、電力伝送を開始する処理を開始する。
これにより、まず、電力送信器コントローラ111が、電力送信器通信回路119を制御して、適切な電力レベルを有する誘導通信信号が生成される。電力が電力受信器105によって抽出され、電力受信器通信回路125及び電力受信器コントローラ117の少なくとも一部を起動するために使用される。次に、例えばQi規格のアプローチ又はキッチンワークグループの提案に従って、初期化処理が開始される。この処理は電力送信器101と電力受信器105との間の通信を伴う。
電力伝送初期化フェーズが成功裏に完了すると、電力送信器101は、(例えば初期化フェーズ中に決定又は交渉された)適切な電力レベルにおける誘導電力伝送信号を生成する。この段階において、電力受信器105は電力伝送信号から電力を抽出して、外部負荷113に給電してよい。更に、電力受信器105は、内部回路を給電するために電力を抽出してもよい。この内部回路には、誘電通信信号によって前に給電されていない回路(例えば初期化フェーズ中にアクティブではなかった回路)が含まれ、また、誘導通信信号によって前に給電された回路の一部又はすべてが含まれてもよい。したがって、電力受信器105は、幾つかの回路について、電力伝送信号がある場合に当該電力伝送信号から抽出された電力を供給し、そうでなければ、誘導通信信号がある場合に当該誘導通信信号から抽出された電力を供給する。
したがって、システムにおいて、誘導通信信号は、通信をサポートし、更に、比較的少量の補助電力を電力受信器に提供する。この少量の電力は、具体的には、多くのコードレス電化製品応用において、コードレス電化製品自体が(まだ)使用されていない場合に、当該コードレス電化製品のユーザインターフェースを起動するために使用される。補助電力があることによって、例えばコードレス電化製品のユーザインターフェースを起動するためにメイン電力伝送信号を使用する必要がない。したがって、このアプローチは、システム全体の待機損失を低減することができる。
したがって、システムにおいて、2つの電力提供経路が共存し、様々な時間に又は様々な特性を用いて電力受信器105に適切な電力を効果的に提供するように相互作用する。更に、これらの電力提供経路の1つは双方向性通信経路も提供する。
キッチンワークグループによって想定されるシステムにおいて、通信回路は、近距離無線通信(NFC)アプローチに密接に対応するように想定されている。具体的には、同じ周波数及び変調アプローチが意図されている。更に、通信を確立、サポート及び終了するために多くの同じ機能及び手順が計画されている。
図1のシステムは、キッチンワークグループの意図するアプローチに対応するアプローチを同様に考慮して、(本明細書に説明される相違点及び代替アプローチを除き)NFCアプローチに対応する通信回路を使用する。
NFCアプローチに密接に合致する通信機能を使用することは、幾つかの利点を提供する。具体的には、ワイヤレス電力伝送アプローチに、大部分のNFC回路及び機能を再利用できる点である。例えばNFC通信集積回路(IC)及び出力回路が開発されており、当該機能を電力送信器101及び電力受信器105に使用できるようにすることは費用効果的である。
図2は、専用NFCフロントエンドIC201を使用するNFC通信回路の一例を示す。フロントエンドIC201は、出力ピンTx1、Tx2でAM変調出力を生成し、入力Rx1、Rx2に基づいて負荷変調を復調することができる。したがって、フロントエンドIC201のTx1/Tx2出力は、受信/送信フィルタ203、同調ネットワーク205及び送信アンテナ/コイル207を含む回路の出力を駆動して、AM変調された通信搬送波を生成する。
受信/送信フィルタ203と同調ネットワーク205との間の信号は、対応するNFCタグによる負荷変調によって送信されたAMメッセージを受信/復調するフロントエンドIC201のRx1/Rx2入力部に供給される。
受信/送信フィルタ203は、フロントエンドIC201の出力の波形を整形し、受信した負荷変調を抑制することを目的とする。同調ネットワーク205は、受信/送信フィルタ203とアンテナ207との間のマッチングネットワークを提供し、更に、13.56MHzの動作周波数にある同調バンドパスフィルタを提供する。
しかし、図2の回路は、多くのNFC応用には適しているが、図1のような電力伝送回路には最適ではない。具体的には、当該回路は、通常、電力受信器に十分な補助電力を提供できない。
多くの実施形態において、補助電源の典型的な要件は、受信電力の200〜1000mWの範囲内である。これは、電力伝送信号がアクティブである必要なく、電力受信器の適切な部分(例えば通信回路、ユーザインターフェース及び必要な制御回路)が給電されることを可能にする傾向がある。しかし、図2のような回路は、通常、十分な電力を提供できない。典型的な既存のRFID/NFCフロントエンドICは、約200mW程度の最大電力しかアンテナに提供できない。
電化製品の一部に給電するのにより適したレベルにまで電力を増加させるために、図3に示されるように、外部RF増幅器301が追加される。当該電力増幅器は、利用可能な電力を増加させるが、不所望な影響も幾らかもたらす。具体的には、AM変調の歪みを低減するためには、RF増幅器301は完全に線形の増幅器である必要がある。しかし、これは、複雑さを大幅に増加させ、効率を減少させる。更に、部品公差及び差異によって、実際には、完全に線形の増幅器を実現することは難しく、したがって、多少の変調歪みが生じる可能性がある。
したがって、実際には、図3のアプローチは、搬送波が完全にオン又はオフに切り替えられる場合のAM変調(ISO/IEC14443−2、タイプA変調に相当)しか許容しない傾向がある。しかし、(ISO/IEC14443−2、タイプB変調のように)NRZ(非ゼロ復帰)AM変調が所望される場合、RF増幅器301による増幅の非線形特徴は歪みを生じさせる。
修正アプローチは、図4に示されるような外部変調器401(例えばTechnical Note TRF7970A:External Power Amplifier,Texas Instruments,2013を参照)を含む。当該アプローチは、増幅器が完全に線形であることを必要とすることなく、タイプB変調を可能にする。
上記例では、フロントエンドIC201は、シングルエンド出力Tx1と、外部変調器401によって変化させられる供給電圧Vcc’とでRF増幅器301を駆動して、出力信号の振幅を変化させる。外部変調器401は、フロントエンドIC201からの変調出力Vmodに応じてRF増幅器301への供給電圧Vcc’を調節する。生成された搬送波の振幅は、次式
Vcc’=f(Vcc,Vmod)
によって決定される供給電圧Vcc’の(通常は線形)関数である。ここでf()は、所望の振幅変調を提供するのに適切な関数である。
したがって、上記アプローチでは、供給電圧Vccは、変化しうる適切な電圧Vcc’に下げられる。この減少は、例えばトランジスタの電圧降下を制御することによって達成される。しかし、当該アプローチは単純且つ簡単であるが、必要とされる電圧降下は大きく、これに伴うトランジスタにおける電力損失(実際には、電圧降下とRF増幅器301への供給電流との積)も大きい。これは、電力消費量を大幅に増加させ、効率を減少させる。したがって、当該アプローチは、追加の電力損失をもたらし、これは、システム全体の待機損失を増加させる。
外部変調器401における電圧低下からもたらされる電力損失を低減することは可能ではあるが、必要となる回路(例えばスイッチモード電圧低下のための高周波スイッチング及びトランス)は比較的複雑であり、電力送信器の複雑さ及びコストを許容できないほどに増加させる傾向がある。
図1のシステムでは、当該問題は、例えば電力送信器通信回路119の出力共振回路の共振周波数を変化させることによってAM変調を導入するシステムによって軽減、低減又は排除される。例えば図5のようなアプローチが使用されてよい。例えば電力送信器通信回路119は、図5に示されるような出力回路を含む。当該出力回路は、図3の回路に相当するが、AM変調に応じて(図5の同調ネットワーク205及びアンテナ207によって示される)出力共振回路の共振周波数を変更する追加の変調器501を有する。
共振周波数の変更は、駆動周波数が共振周波数、したがって、誘導通信信号の振幅にどれくらい近いのかを変更する。具体的には、駆動信号の振幅及び周波数が一定に保たれる一方で、共振周波数が変更されると、生成される誘導通信信号の振幅が変化する。図5のアプローチでは、これを使用して、生成される誘導通信信号をAM変調する。
例えば変調器501は、同調回路501の共振周波数を、例えば13.56MHzの共振周波数と例えば15MHzの共振周波数とを切り替えるといったように、2つの共振周波数間で切り替える。共振周波数の変更は、例えば共振周波数の2つのコンデンサ間で切り替える(又は、例えば2つの並列コンデンサのうちの1つのコンデンサを接続/切断する、若しくは、直列結合された2つのコンデンサのうちの1つのコンデンサを選択的に短絡させる)ことによって達成される。
同調回路501は、13.56MHzの駆動周波数によって駆動され、これに応じて、誘導通信信号は、第2の共振周波数よりも第1の共振周波数についてより高い振幅にある。これは、図6によって示される。図6は、変調器501のスイッチングを制御する信号Vmodと、電力送信器のアンテナ207(送信器通信コイル121)及び電力受信器105の受信器通信コイル123のそれぞれを流れる電流とを示す。
図6から分かるように、非常に効果的なAM変調は、電力送信器通信回路119の出力部における可変共振回路の共振周波数を変更することによって達成される。更に、AM変調は、標準的なNFCフロントエンドICによって駆動され、定供給電圧が供給される低複雑性(及び潜在的に非線形)のRF増幅器を使用して、高電力レベルにおいて達成可能である。
図7は、図1の電力送信器101の一実施形態の一例を示す。
当該例において、電力伝送回路109は、送信器コイル103及び直列コンデンサ701によって形成される電力伝送共振回路を含む。電力伝送共振回路は、電力伝送信号を生成するための適切な駆動信号を生成するドライバ703によって駆動される。
したがって、電力送信器101の電力伝送出力回路は、誘導性インピーダンス及び容量性インピーダンスによって形成される共振タンク又は共振回路を含む。共振回路は電力伝送共振回路と呼ぶ。図2の例では、誘導性インピーダンスは、単一のインダクタ、即ち、送信器コイル103によって形成され、容量性インピーダンスは、単一の送信器コンデンサ701によって形成される。
電力伝送共振回路は、通常、直列又は並列共振回路であり、具体的には、図2に示されるように、電力伝送送信器インダクタ103と直列(又は並列)に結合される共振コンデンサ701からなる。
図7に示されるように、電力伝送信号は、適切な駆動周波数(通常20〜200kHz周波数範囲内)を有する駆動信号を生成するドライバ703によって送信器共振回路を駆動することによって生成される。
ドライバ703は、共振コンデンサ701及び送信器コイル103に印加される可変(通常、AC)電圧駆動信号を生成する。当該例では、電力伝送共振回路は直列共振回路であり、電圧駆動信号はコンデンサ及びインダクタに印加される(これにより、送信器コイル103にも駆動信号が提供される)。幾つかの実施形態では、ドライバ703は、送信器コイル103に直接的(又は間接的)に結合され、電圧駆動信号は送信器コイル103に提供される。幾つかの実施形態では、駆動信号は電流駆動信号である。これは、共振回路が並列共振回路である実施形態に特に適している。電圧駆動信号は、大抵の場合、直列共振回路に使用される。
したがって、システムにおいて、ドライバ703は、電力伝送共振回路/送信コイル103に供給される駆動信号を生成し、送信コイル103に、電力受信器105にメイン電力を提供する電力伝送信号を生成させる。
ドライバ703は、通常、DC電圧から交流信号を生成するインバータの形である駆動回路である。ドライバ703の出力は、通常、スイッチブリッジのスイッチの適切なスイッチングによって駆動信号を生成するスイッチブリッジである。図8は、ハーフブリッジスイッチブリッジ/インバータを示す。スイッチS1及びS2は同時に閉じないように制御される。スイッチS1は、スイッチS2が開いているときに閉じ、スイッチS2は、スイッチS1が開いているときに閉じる。スイッチは所望の周波数で開閉され、これにより、出力部において交流信号が生成される。通常、インバータの出力部は、共振コンデンサを介して送信器コイルに接続される。図9は、フルブリッジスイッチブリッジ/インバータを示す。スイッチS1及びS2は同時に閉じないように制御される。スイッチS3及びS4も同時に閉じないように制御される。スイッチS1及びS4は、スイッチS2及びS3が開いているときに閉じ、スイッチS2及びS3は、スイッチS1及びS4が開いているときに閉じ。これにより、出力部において方形波信号が生成される。スイッチは所望の周波数で開閉される。
上記説明は、左右のブリッジが180°位相がずれており、最大出力電力又は最大デューティサイクルを提供する事例に対応する。しかし、他のシナリオでは、ブリッジの半分の位相が部分的にずれている。ブリッジの半分が同相であることによりスイッチS2及びS4又はS1及びS3が同時に閉じる場合、ブリッジ電圧はゼロである。2つのブリッジの半分間の位相を制御することによって、駆動信号のデューティサイクル及びその結果として、駆動信号の出力電力が制御される。
したがって、ドライバ703は、所与の駆動周波数を有する駆動信号を生成する。駆動信号は、一次共振回路201に印加され、これにより、電力伝送信号が生成される。
ドライバ703は更に、電力伝送機能を操作する制御機能を含み、具体的には、例えばQi規格(又はキッチンワークグループによって規定されるアプローチ)といったシステムがそれに従って動作するプロトコルに従って、電力送信器101を動作させるコントローラを含む送信器コントローラ111に結合される。例えば送信器コントローラ111は、識別及び構成フェーズ並びに電力伝送フェーズを含む様々なQiフェーズを行うように電力送信器101を制御する。
上記例では、電力送信器101は、ドライバ703によって駆動される単一の送信器コイル103を含む。したがって、ワイヤレス誘導電力伝送信号は、単一の送信器コイル103によって生成される。しかし、当然ながら、他の実施形態では、ワイヤレス誘導電力信号は、例えばドライバによって並列駆動される複数の送信器コイルによって生成されてもよい。具体的には、ドライバ70の対応する(依存)出力信号によって駆動される複数の送信器コイルを使用して、ワイヤレス誘導電力信号が生成される。例えば2つの送信器コイルが異なる位置に配置されて、2つの電力受信器用の2つの充電位置が提供される。当該2つのコイルは、ドライバ703からの同じ出力信号が供給される。これにより、複数充電位置をサポートするために、ワイヤレス誘導電力信号/磁場の分布が向上される。
したがって、上記電力伝送回路109は、電力伝送動作中にアクティブである電力伝送信号を提供する。しかし、電力送信器101は、通常、あまり頻繁にアクティブになる必要はなく、したがって、電力伝送信号が提供されない待機フェーズでも動作可能である。システムでは、電力送信器通信回路119は、上記されたように、通常は、電力伝送信号がアクティブではない時に使用される補助電力を電力受信器105に提供する誘導通信信号を生成する。
したがって、電力送信器通信回路119は、電力受信器105との通信のための双方向性通信チャネルを提供する。通信は、フォワード方向においてAM変調され、リバース方向において負荷変調される誘導通信信号の形の通信搬送波に基づいている。誘導通信信号は更に、電力受信器105に二次又は補助電力伝送を提供する。
図7の例では、電力送信器通信回路119は更に、以下、通信共振回路と呼ぶ共振回路を含む。
上記例では、通信共振回路は、送信器通信コイル121と、以下、通信コンデンサ705と呼ぶ並列コンデンサ705とによって形成される。通信共振回路は、誘導通信信号を生成するための適切な駆動信号を生成する通信ドライバ707によって駆動される。
したがって、電力送信器通信回路119は、誘導性インピーダンスと容量性インピーダンスとによって形成される共振タンク又は共振回路を含む。図7の例では、誘導性インピーダンスは、単一のインダクタ、即ち、送信器通信コイル121によって形成され、容量性インピーダンスは、単一の通信コンデンサ705によって形成される。
電力伝送共振回路は、通常、直列又は並列共振回路であり、具体的には、図7に示されるように、送信器通信コイル121と並列に結合される通信コンデンサ705からなる。通信共振回路は、図5のアクティブ同調ネットワーク205に相当する。
誘導通信信号は、電力伝送信号の駆動周波数よりもはるかに高い周波数を有する駆動信号を生成するドライバ707によって通信共振回路を駆動することによって生成される。ほとんどの実施形態において、周波数は10MHzを上回り、具体例では13.56MHzである。
通信ドライバ707は、電力伝送ドライバ703と同様のアプローチを使用してよい。したがって、電力伝送ドライバについて提供された説明は、通信ドライバ707にも当てはまると見なされる。しかし、通信ドライバ707は、はるかに高い周波数及びはるかに低い最大電力レベルを有する駆動信号を生成する。
同様に、電力伝送信号の生成及び性質に関して提供された解説も、誘導通信信号に当てはまる。
通信ドライバ707は、具体例において、図5を参照して説明されたフロントエンドIC201、RF増幅器301及び受信器/送信フィルタ203を含む。
電力送信器通信回路119は更に、負荷変調によって電力受信器105によって送信されたデータを復調する負荷復調器709を含む。具体的には、負荷復調器709は、誘導通信信号の負荷変調を復調して、電力受信器105から送信された対応するデータを決定する。したがって、負荷復調器709は、電力受信器による誘導通信信号の負荷変調を復調する。
物理的なレベルでは、電力受信器105から電力送信器101までの通信チャネルは、誘導通信信号を負荷変調用の通信搬送波として使用することによって実現される。電力受信器105は、受信器通信コイル123の負荷を変調することによってデータメッセージを送信する。負荷変調は、例えば駆動信号の電流/電圧の振幅及び/若しくは位相の変化によって、送信器通信コイル121の電流/電圧の変化によって、並びに/又は、通信共振回路の電流/電圧の変化によって検出される。別の例として、負荷変調は、通信ドライバ707(具体的にはインバータ/スイッチブリッジ)への電源の電流の変化によって検出される。具体例では、負荷復調器709は、フロントエンドIC201の一部として実現される。
電力送信器通信回路119は更に、図5の変調器501に相当する変調器711を含む。変調器711は、電力受信器105へのデータ送信のための誘導通信信号をAM変調する。しかし、変調器711は、通信共振回路の駆動信号を直接的にAM変調するのではなく、電力受信器105に送信されるデータ値に応じて通信共振回路の共振周波数を変化させることによって、誘導通信信号を変調する。
したがって、上記例では、通信共振回路は、可変共振周波数を有する可変共振回路である。具体的には、共振回路は、変調器711によって提供される制御信号に応じて変化する少なくとも1つのインピーダンスを含む。特に通信共振回路の容量性インピーダンス及び誘導性インピーダンスの少なくとも一方が、制御信号に応じて変化する。通信共振回路のインピーダンス、特に、(共振)インピーダンスの少なくとも1つのインピーダンスのリアクタンスを変化させることによって、共振回路の共振周波数を変化させることができる。例えば通信コンデンサ705は、制御信号に応じて変化する可変コンデンサである(例えば通信コンデンサ705は、通信コンデンサ705のDC電圧を変えることによって修正される電圧依存コンデンサである)。
上記例では、変調器711は、可変インピーダンス、したがって、通信共振回路の共振周波数を制御する制御信号を生成する。変調器711は、送信器コントローラ111に結合され、電力受信器105に送信されるデータ値に応じて制御信号を生成する。したがって、変調器711は、電力受信器に送信されるデータ値に依存して通信共振回路の共振周波数を制御する。
具体的には、変調器711は、可変インピーダンスを、結果として生じる共振周波数が、所望のAM変調プロトコルに従って、生成された誘導通信信号の振幅に所望の変動をもたらすように制御する。例えばISO/IEC14443−2、タイプB変調スキームに整合する振幅変動が適用される。
したがって、変調器711は、通信共振回路の共振周波数を制御し、変化させることによって、送信されているデータに依存して誘導通信信号をAM変調する。単純な一例として、各可能なチャネルデータシンボルが相対振幅レベル(例えば「より高い」値又は「より低い」値)に関連付けられ、変調器711は、所与のデータ値に関連付けられる振幅に対応する共振周波数を選択する。例えば通信共振回路の共振周波数を駆動周波数(13.56MHz)と同値に設定することによって「0」の2進値が送信され、共振周波数を異なる値(例えば15MHz)に設定することによって「1」の2進値が送信され、これにより、誘導通信信号の振幅が低減する。幾つかの実施形態では、各可能なデータ値は、単一の振幅値ではなく、振幅のパターンに関連付けられる。
したがって、幾つかの実施形態では、AM変調は、固定数の振幅間、具体的には2つの異なる振幅間で振幅を変化させることによって達成される。当該実施形態では、変調器711は、通信共振回路の可変インピーダンスを、対応する数の固定値間で切り替える。例えば通信コンデンサ705は、2つの値間で切り替えられる。これは、例えば並列コンデンサを接続/切断することによって達成される。
したがって、多くの実施形態において、通信共振回路は、変調器711からの制御信号に応じて、容量性インピーダンスの1つ以上のコンデンサを短絡させる又は切断するスイッチを含む。
通信コンデンサ705は、例えばそれぞれスイッチと直列の複数の並列コンデンサによって実現される。例えば前のコンデンサの容量の約半分をそれぞれ有する複数のコンデンサが提供されてよい。個々のコンデンサをイン又はアウトに切り替えることによって、最大コンデンサの容量の最大2倍の容量が、最小コンデンサの容量に対応する解決策で達成される。
多くの実施形態において、コンデンサ数は可能振幅数と同じであり、スイッチの数は可能振幅数より1つ少ない。例えば2つの振幅しか使用されない場合、通信コンデンサ705は、回路内で常にアクティブに結合される1つのコンデンサを含む。即ち、当該コンデンサは、送信器通信コイル121と共振構成で常に接続される。更に、第1のコンデンサは、送信器通信コイル121と共に、例えば15MHzの共振周波数といったように、2つの可能な値のうちの大きい方の値と同じである共振周波数をもたらす。更に、第2のコンデンサが、第1のコンデンサと並列に、また、スイッチと直列に接続される。2つのコンデンサは併せて、送信器通信コイル121のインダクタンスと共に、駆動信号の周波数(13.56MHz)と同じ共振周波数をもたらす容量を有する。制御信号を使用して、スイッチを開状態と閉状態とに切り替え、したがって、第2のコンデンサを送信器通信コイル121から接続/切断又は結合/分離する。具体的には、最小振幅が必要である場合、制御信号はスイッチを開構成に設定し、最大振幅が必要である場合、制御信号はスイッチを閉構成に設定する。
(通信共振回路が、並列共振回路ではなく、直列共振回路である一例を示す)図10に、当該アプローチの一例が示される。当該例では、AM変調は、通信共振回路の共振周波数を2つの値間で切り替えることによって達成される。したがって、変調器711は、送信されるデータに依存して、2つの周波数からなるセットから共振周波数を選択する。しかし、駆動信号の周波数及び振幅は、データとは関係ないため、これに応じて変化しない。具体的には、振幅及び周波数は一定であり、更には予め決定されていてもよい。
共振周波数の選択は、使用される変調スキームに応じて、シンボル区間全体についてでも、又は、例えばデータ値/シンボルの所定パターンに従って短い区間内であってよい。
周波数変調は2つの周波数を使用するので、通信コンデンサ705は、2つのコンデンサC_ad及びC_txによって形成され、1つのコンデンサC_txは、共振回路内で連続的に接続され、もう1つのコンデンサC_adは、スイッチ1001と直列に結合され、コンデンサC_ad及びスイッチ1001の直列接続は、永久係合するコンデンサC_txと並列に結合される。スイッチ1001は、変調器711によって生成された制御信号に応じて、開状態と閉状態とで切り替えられる。
当該例では、制御信号は、スイッチ1001を開状態と閉状態とで切り替える2進制御信号である。スイッチが開である場合、コンデンサC_adは、共振回路から切断され、共振周波数は、(図10ではL_txと示される)送信器通信コイル121及びコンデンサC_txの値によってのみ与えられる。これらのコンポーネントの値は、当該共振周波数が駆動周波数よりも高い周波数に対応し、より低い振幅がもたらされるように選択される。
スイッチが閉である場合、コンデンサC_adは、コンデンサC_txと並列に接続され、したがって、2つのコンデンサは、個々の容量の合計に等しい容量を有する実効共振コンデンサを形成する。共振周波数は、送信器通信コイル121及び当該組み合わせられたコンデンサの値によって与えられる。このとき、コンデンサC_adの値は、当該共振周波数が駆動周波数に対応するように選択され、これにより、より高い振幅がもたらされる。
別の例として、別のコンデンサ(切替可能であってもなくてもよい)と直列の切替可能なコンデンサについて、変調器711によって提供される2進制御信号は、当該切替可能なコンデンサを接続する又は短絡させる。具体的には、スイッチは、コンデンサと並列で、切替可能なコンデンサを他のコンデンサと直列に接続するように開き(したがって、総容量は結果として生じる直列容量によって与えられる)、切替可能なコンデンサを短絡させるように閉じる(したがって、総容量は第2のコンデンサのみによって与えられる)。
別の例として、送信器通信コイル121と並列の切替可能なインダクタについて、2進制御信号は、切替可能なインダクタを接続又は切断する。具体的には、スイッチは、インダクタと直列で、切替可能なインダクタを切断するように開き、切替可能なインダクタを接続するように閉じる(結果として、総共振インダクタンスは2つのインダクタの並列インダクタンスとして与えられる)。
別の例として、送信器通信コイル121と直列の切替可能なインダクタについて、2進制御信号は、切替可能なインダクタを接続する又は短絡させる。具体的には、スイッチは、インダクタと並列で、切替可能なインダクタを送信器通信コイル121と直列に接続するように開き(したがって、総インダクタンスは、結果として生じる直列インダクタンスによって与えられる)、切替可能なインダクタを短絡させるように閉じる(したがって、総インダクタンスは送信器通信コイル121のみによって与えられる)。
図11は、図1の電力受信器105の一実施形態の一例を示す。
上記例では、電力受信器105の入力回路も、受信器インダクタ107及び受信器電力伝送コンデンサ1101を含む共振回路又は共振タンクを含む。受信器共振回路は、通常、直列又は並列共振回路であり、具体的には、図11に示されるように、受信器インダクタ107と並列(又は直列)に結合される受信器電力伝送コンデンサ1101からなる。受信器共振回路は、通常、電力伝送信号の周波数、即ち、具体例では20KHz乃至200KHzの範囲内の周波数に同調される。これは通信性能及び電力伝送性能を向上させる傾向がある。
受信器共振器回路は、受信した電力伝送信号、即ち、受信器共振回路によって提供される誘導信号を、外部負荷115に提供される電力に(当業者にはよく知られているように、通常は、AC/DC変換後、場合により、電圧調節を行うことによって)変換する電力抽出器回路113に結合される。したがって、電力抽出器回路113は、誘導電力伝送信号から電力を抽出し、抽出した電力を使用して、負荷に給電する。
上記例では、電力受信器105は更に、受信器通信コイル123及び受信器通信コンデンサ1103によって形成される受信器通信共振回路を含む。受信器通信共振回路は、誘導通信信号の周波数、即ち、13.56MHzの周波数に同調される。
受信器通信共振回路は、誘導通信信号のAM変調を復調するAM復調器1105に結合される。したがって、AM復調器1105は、変調器711によって導入されたAM変調を復調する。AM復調器1105は、復調データが供給される電力受信器コントローラ117に結合される。
電力受信器通信回路125は更に、電力受信器コントローラ117に結合される負荷変調器1107を含む。電力受信器コントローラ117は、電力送信器101に送信されるデータを提供し、負荷変調器1107は、データに応じて、誘導通信信号が電力送信器101によって復調可能であるように当該誘導通信信号を負荷変調する。具体的には、スイッチ1109と直列のコンデンサ1111の形である負荷が、受信器通信共振回路と並列に結合される。負荷変調器1107は、スイッチ1109を制御することができ、これにより、誘導通信信号に提供される負荷を変化させる。このようにして、誘導通信信号は負荷変調される。
受信器通信共振回路は更に、誘導通信信号から電力を抽出し、少なくともしばらくの間、電力受信器105の少なくとも幾つかの部品に給電する電力抽出器1113に結合される。具体例では、電力抽出器1113は、誘導通信信号はあるが電力伝送信号がないときに、負荷変調器1107及びAM復調器1105だけでなく電力受信器コントローラ117の一部にも給電する。
したがって、誘導通信信号は、メイン電力伝送信号がない場合に、電力受信器105の要素に給電できる二次又は補助電力伝送を提供する。当該補助電力信号の最大電力レベルは、メイン電力伝送信号よりも低いので、負荷115には給電せず、実際には、電力受信器の内部回路の一部のみに給電する。しかし、補助電力は、電力送信器が電力伝送信号を提供することを必要とすることなく、一部の機能を利用可能にする。
当該アプローチは、待機モード及び電力伝送を初期化するのに特に適している。
電力送信器101は、最初は、例えば電力受信器が存在しないため、待機モードにある。電力受信器105が存在すると検出されると、例えば台所用電化製品が電力送信器101の上に置かれると、電力送信器101は電力受信器105への電力伝送を初期化しようとする。しかし、電力送信器は、電力伝送信号を生成するのではなく、最初は、誘導通信信号のみを生成する。
電力抽出器1113は、誘導通信信号の生成に応じて電力を抽出し、当該電力を電力受信器105の関連部分に提供する。この後、電力送信器101及び電力受信器105は、フォワード方向における誘導通信信号のAM変調及びリバース方向における負荷変調を使用してメッセージを交換することによって、電力伝送初期化処理を行い始める。
したがって、初期化処理は、電力伝送初期化制御データに対応するデータ値を生成することと、これらを電力送信器101と電力受信器105との間で通信することとを含む。当該データ及びメッセージは、当業者には理解されるように、例えば識別情報、電力伝送パラメータの交渉/設定等を含む。
電力伝送初期化処理が成功すると、電力送信器101は、初期化処理によって決定された動作パラメータを有する電力伝送信号を生成し始める。
電力受信器105は、次に電力伝送信号から電力を抽出し始め、外部負荷115に必要な電力を供給する。電力受信器105は、誘導通信信号から前に給電されなかった電力受信器105の部分にも給電する。更に、電力受信器105は、電力抽出器1113によって前に給電された回路に給電し始め、これにより、誘導通信信号からの電力抽出は低減される又は最小限に抑えられる。
上記アプローチは、効率的な通信を可能にし、その上、複雑度が低く、損失の低い実施を可能にする非常に効率的なシステムを提供する。
AM変調を行う際の重要なパラメータは、適切な変調度、即ち、振幅変動の結果として、振幅の適切な変動度を提供することである。単純なAM通信システムでは、搬送波は単にオン及びオフに切り替えられる。即ち、100%の変調度が適用される。しかし、当該アプローチは、多くの応用に理想的ではなく、実際には、搬送波が通信を提供するだけでなく、受信器に電力を伝送するためにも使用されるシステムには適していない。当該システムでは、搬送波を使用して電力を効果的に伝送する要求と、搬送波の振幅を選択的に変化させる(低減する)ことによってデータを通信する要求との間にコンフリクトがある。通常、最適なトレードオフは、十分信頼性のある通信を依然として可能にする最小レベルに変調度を維持することである。
したがって、最適な動作を実現するためには、変調度が注意深く制御されることが必要である。しかし、これは、実際には、AM変調が例えば駆動信号の電圧を変化させることによって生成されるのではなく、むしろ、共振回路の共振周波数を調節することによって制御される場合、通常、実現することが非常に難しい。また、コンデンサ及び特にインダクタの(例えば温度変動又は寿命の終わり近くの変動等による)部品公差又は変動は、通常、非常に大きく、結果として生じる変調度の高い変動度及び不確実性をもたらす。したがって、通常、様々なデータに対応する様々な共振周波数が、最悪の場合でも、十分な変調度を確保するのに十分であるように回路をデザインする必要がある。しかし、この結果、システムは、通常、必要以上に大きい変調度で動作し、これは、電力伝送性能を大幅に低下させる。
以下、正確な変調度が達成可能であるように共振回路の共振周波数を制御するアプローチについて説明する。
上記アプローチの注目すべき利点は、当該アプローチが共振周波数制御、したがって、共振回路の部品の部品変動及び部品公差に対する感度がはるかに低減されるAM変調を提供する点である。具体的には、当該アプローチは、実効共振周波数が、部品値に依存するのではなく、駆動信号の周波数にマッチするように制御されることを可能にする。したがって、当該アプローチは、変調度が注意深く制御され、部品変動に対する感度が下がることを可能にする。これは、変調度が、最適値のかなり近くに設定されることを可能にし、したがって、信頼性のある通信性能と効率的な電力伝送との両方を有する向上されたトレードオフを提供することができる。具体的には、通信共振回路は、通信ドライバ707からの駆動信号の少なくとも幾つかのサイクルの部分時間間隔の間、容量性インピーダンス及び誘導性インピーダンスの少なくとも一方の状態変化を遅くすることによって、可変共振周波数を制御する共振修正回路を含む。例えば駆動信号の各サイクル中、通信コンデンサ705の状態変化は、通信コンデンサ705の電圧のゼロ交差の後に通信コンデンサ705が短絡されることによって、所与の時間間隔の間、フリーズされる。
共振修正回路は、制御信号に応じて、当該部分時間間隔の持続時間を適応させる。例えば共振修正回路は、変調器711によって提供される2進制御信号の状態に応じて、2つの異なる実効インピーダンス値(したがって、2つの異なる実効共振周波数)に対応する2つの異なる持続時間の間で切り替わる。
図13は、実効共振周波数が、通信駆動信号の幾つか、通常はすべてのサイクルの部分時間間隔の間、状態変化を遅くすることによって低減される電力送信器通信回路117の要素の一例の要素を示す。
上記例では、通信共振回路は、送信器通信コイル121と通信コンデンサ705とを含むが、当然ながら、説明される原理は、例えばより複雑なインピーダンスにも適用可能である(具体的には、適切な誘導性インピーダンス及び容量性インピーダンスを使用する任意の共振回路に適用可能である)。
実際に、図13の送信器通信コイル121は、誘導通信信号を生成するインダクタにそのまま相当するが、当然ながら、他の実施形態では、誘導性インピーダンスは、例えば少なくとも部分的な誘導性インピーダンスを有する、即ち、誘導性リアクタンス成分を有する、又は、換言すれば、正の虚数部を有する複素インピーダンスを有する任意の1ポート/2端子要素と見なされてよい。
同様に、具体例では、通信コンデンサ705は、単一のコンデンサにそのまま相当するが、当然ながら、他の実施形態では、通信コンデンサ705は、例えば、より一般的に、少なくとも部分的な容量性インピーダンスを有する、即ち、容量性リアクタンス成分を有する、又は、換言すれば、負の虚数部を有する複素インピーダンスを有する任意の1ポート/2端子要素を表すと見なされてよい。
当然ながら、大抵の実施形態において、誘導性インピーダンス及び容量性インピーダンスの抵抗部は、通常、リアクタンス部に比べて有意でなく、しばしば、無視可能である。これにより、振動が比較的減衰されないことが確保される。即ち、共振回路に比較的高いQが提供される。
明確及び簡潔とするために、以下の説明では、誘導性インピーダンスが(理想)インダクタであり、容量性インピーダンスが理想コンデンサ705であることに重点を置く。簡潔とするために、送信器通信コイル121及び通信コンデンサ705の対は共振部品と呼ぶ。
送信器通信コイル121及び通信コンデンサ705は共振構成となるように互いに結合される。上記例では、送信器通信コイル121及び通信コンデンサ705は、直列共振構成となるように結合されるが、当然ながら、他の実施形態では、これらは並列共振構成となるように結合されてよい。
送信器通信コイル121及び通信コンデンサ705は、送信器通信コイル121及び通信コンデンサ705だけを含む共振回路の共振周波数に相当する固有共振周波数を示す。よく知られているように、当該回路の共振周波数は、1/2π √LCによるものであり、ここで、Lは送信器通信コイル121のインダクタンスであり、Cは通信コンデンサ705の容量である。
しかし、図13のシステムでは、通信共振回路は共振修正回路1301を更に含み、当該共振修正回路1301は、通信コンデンサ705及び/又は送信器通信コイル121の状態変化を遅くすることによって、送信器共振回路の共振周波数を制御する。共振修正回路1301は、送信器通信共振回路の一部と見なされる。当然ながら、共振修正回路1301は、図13では、送信器通信コイル121と通信コンデンサ705との間に直列結合される単一の2端子要素として示されるが、これは例に過ぎず、他の実施形態では、他の構成が使用される。例えば図13の例の共振修正回路1301は、2つの端子しかないが、当然ながら、他の実施形態では、共振修正回路1301は、より多くの端子を有し、例えばドライバ205の給電レールを含む回路の他の部分に接続される。
共振修正回路1301は、送信器通信コイル121及び通信コンデンサ705の一方又は両方について状態変化を遅くすることによって、共振周波数を修正する。送信器通信コイル121及び通信コンデンサ705の状態は、当該部品の電流のエネルギー値によって表されると考えられ、具体的には、送信器通信コイル121の電流(E=1/2LI)及び通信コンデンサ705の電圧(E=1/2CV)に対応すると考えられる。
コンデンサ及びインダクタによって形成される従来の共振回路では、共振は、コンデンサ(エネルギーが電気的ポテンシャルエネルギーとして蓄積される)とインダクタ(エネルギーが磁気的ポテンシャルエネルギーとして蓄積される)との間を行ったり来たりするエネルギーフローからもたらされる連続的及び周期的な相変化によって達成される。当該システムにおける状態変化の速度及びエネルギーフローは、コンデンサ及びインダクタの値によって与えられ、これは、
Figure 0006657419
の固有共振周波数における振動をもたらす。
しかし、図13のシステムでは、共振回路は、自走発振を単に行うことは許可されず、むしろ、共振修正回路1301が、幾つかのサイクル、通常はすべてのサイクルの部分時間間隔の間、送信器通信コイル121及び通信コンデンサ705のうちの少なくとも一方について状態変化を遅くする。
したがって、状態変化は、通信コンデンサ705及び送信器通信コイル121だけを含む自走発振共振回路の状態変化に比べて、部分時間間隔の間、遅くされる。
具体的には、状態変化は、(送信器通信コイル121から通信コンデンサ705へ、通信コンデンサ705から送信器通信コイル121へ、又は、送信器通信コイル121から通信コンデンサ705へ及び通信コンデンサ705から送信器通信コイル121への両方のエネルギーフローを遅くすることによって)通信コンデンサ705と送信器通信コイル121との間のエネルギーフローを妨げることによって遅くされる。自走共振回路では、正電流が、共振サイクルの半分について、送信器通信コイル121から通信コンデンサ705へ、また、共振サイクルのもう半分について、通信コンデンサ705から送信器通信コイル121へと流れる。多くの実施形態において、エネルギーフローの緩慢化は、共振部品間を流れる電流を妨げることによって達成される。多くの実施形態において、共振修正回路1301は、例えば送信器通信コイル121の(一部の又は全部の)電流を通信コンデンサ705から離れるように導くこと(潜在的に、負電流及び正電流の両方を通信コンデンサ705から離れるように導くことを含む)によって、送信器通信コイル121から通信コンデンサ705への電流を妨げる。他の実施形態では、共振修正回路1301は、例えば部分時間間隔の間、通信コンデンサ705を送信器通信コイル121から切断すること(これにより、インダクタの電圧をゼロに設定する、即ち、インダクタの電流及び電圧の両方がゼロに設定される)によって、通信コンデンサ705から送信器通信コイル121への電流を妨げる。
したがって、これらの例において、共振部品間の電流フローは、部分時間間隔の間、減少されるか、或いは、完全に阻止される。この部分時間間隔の間、部品のうちの少なくとも1つの部品の状態変化は、遅くされるか又は完全に停止される。これが、幾つかのサイクルの間に行われると、具体的には、各サイクルにおいて行われると、結果として、共振回路は、自走共振回路構成の固有共振周波数よりも低い周波数において共振しているかのように挙動する。
このように、共振修正回路1301は、固有共振周波数よりも低くなるように実効共振周波数を制御及び調整する。図13のシステムでは、実際の実効共振周波数は、部分時間間隔の持続時間を変化させることができる共振修正回路1301によって制御される。したがって、部分時間間隔が長いほど、状態変化を遅くする効果が大きくなり、したがって、実効共振周波数が低くなる。
上記例では、共振修正回路1301は、変調器711からの制御信号に応じて、部分時間間隔の持続時間を変化させ、したがって、変調器711の制御下で、可変インピーダンス、したがって、通信共振回路の共振周波数を変化させる。例えば共振修正回路1301は、2進制御信号の状態に応じて、2つの所定の持続時間の間で切り替える。2つの持続時間は、誘導通信信号のAM変調によって所望される2つの異なる振幅をもたらすように2つの周波数に対応する実効共振周波数をもたらすように選択される。
図14は、共振修正回路1301が通信コンデンサ705の状態変化を遅くする図13のアプローチの一例を示す。当該例では、共振修正回路1301は、部分時間間隔の間、送信器通信コイル121からの電流を、通信コンデンサ705から離れるように迂回させる。当該迂回は、通信コンデンサ705と並列に結合され、通信コンデンサ705を短絡させるスイッチ1401によって実現される。
上記例では、スイッチ1401は、部分時間間隔の間、閉じる。具体例では、スイッチ1401の開閉は、変調器711から受信される制御信号に応じて、スイッチコントローラ1403によって生成されるスイッチ信号の遷移によって制御される。
具体的には、スイッチコントローラ1403は、駆動信号の各サイクルにおいて、所与の持続時間(部分時間間隔)の間、通信コンデンサ705を短絡させるスイッチ信号を生成する。当該持続時間は制御信号に依存する。例えばスイッチコントローラ1403は、制御信号に応じて、2つの所定の持続時間のうちの1つを適用する。当該2つの持続時間は、誘導通信信号の2つの異なる振幅値を提供する共振周波数に対応する。
スイッチ1401が閉じると、送信器通信コイル121を流れる電流は、スイッチ1401を介して迂回され、スイッチが閉じていなければ通信コンデンサ705を充電又は放電する。したがって、電流は、通信コンデンサ705を短絡させることによって、通信コンデンサ705を迂回するので、コンデンサを充電しない。上記例では、スイッチ1401は、通信コンデンサ705の電圧がゼロになる瞬間に閉じる。このとき、大量の電流が送信器通信コイル121を流れる(電流は最大レベルとなる)。しかし、スイッチを短絡させることによって、この電流は通信コンデンサ705を流れなくなり、代わりに、スイッチ1401を流れる。したがって、通信コンデンサ705を短絡させることによって、電圧がゼロに維持される、即ち、通信コンデンサ705の状態が一定に保たれることが確保される。
なお、スイッチ1401は、結果的に、通信コンデンサ705からの正電流及び負電流の両方を迂回させる電流迂回路を形成する。
特定の持続時間の後、即ち、部分時間間隔の終わりにおいて、スイッチが再び開くと、送信器通信コイル121を流れる電流は、今度は、通信コンデンサ705へと流れ込む(又は流れ出す)。結果として、通信コンデンサ705は充電し始め、これに応じてコンデンサの電圧も変化する。これにより、インダクタから「見た」通信コンデンサ705の実効容量が増加し、したがって、共振周波数が低減する。結果として得られる実効共振周波数は、部分時間間隔のタイミングに依存し、持続時間が増加すると、実効共振周波数は低減する。
具体的には、駆動信号の周期の一部についてコンデンサを短絡させることによって、実効容量が増加される。
この効果を説明するために、時間t2の間、平均電流
Figure 0006657419
で、電圧U1(t2)まで充電されるコンデンサC1を検討する。電圧U1(t2)は、次式:
Figure 0006657419
と表される。
C1よりも小さい値を有するが、0からt1まで短絡され、t1からt2までの時間間隔において充電される別のコンデンサC2を検討する。このコンデンサは、同じ平均電流
Figure 0006657419
で、電圧U1(t2)まで充電される。C2について、電圧は、次式:
Figure 0006657419
のように求められる。U1(t2)及びU2(t2)がt2において同じであるならば、C1は、次式:
Figure 0006657419
によって表される。
つまり、コンデンサC2の値は小さいが、時間t2において、両方のコンデンサは同じ電圧にまで充電される。時間t2において、コンデンサC2は、インダクタをコンデンサC1と同じ電圧にさせる。したがって、短絡の効果は、インダクタによって「見られる」コンデンサの実効(又は見掛けの)容量を増加させることである。したがって、短絡の持続時間を変化させることによって、実効容量が変化する。
図15に、図14の回路における信号の例が提供される。当該例では、下の曲線は、駆動信号を示し、真ん中の曲線は、送信器通信コイル121を通る電流を示し、上の曲線は、通信コンデンサ705の電圧を示す。
図に示すように、各サイクルについて、スイッチ1401は、(コンデンサ電圧の正のゼロ交差の)第1の部分時間間隔の間及び(コンデンサ電圧のゼロ交差の)第2の部分時間間隔の間、通信コンデンサ705を短絡させる。したがって、各部分時間間隔において、電圧は、時間間隔の間、一定に保たれる。この時間の間、通信コンデンサ705の電圧は変化しない。同様に、送信器通信コイル121が電圧にさらされていないことによって、送信器通信コイル121を通る電流もほとんど変化しない(電流は最大値でほぼ一定である)。
図に示すように、実効共振周波数は下げられ、実際に、当該例では、送信器通信コイル121及び通信コンデンサ705によって与えられる固有共振周波数は15MHzであるが、13.56MHzの実効共振周波数が達成される。
正確な実効共振周波数は、部分時間間隔の持続時間を調整することによって設定することができる。持続時間が長いほど、周波数は低くなる。したがって、当該アプローチでは、部分時間間隔の持続時間は、制御信号に応じて変化する。したがって、実効共振周波数は、共振回路の部品の数値によって与えられるのではなく、部分時間間隔の持続時間制御することによって設定される。したがって、共振周波数の変更からもたらされるAM変調は、部分時間間隔の持続時間を適応させることによって達成される。持続時間は、共振回路を部分時間間隔となるように及び/又は部分時間間隔から外れるように切り替えるために使用される駆動信号のタイミングを制御することによって、また、以下に説明されるように、しばしば、単に周波数を設定することによって設定される。したがって、送信されるデータに応じた共振周波数の単純且つ低複雑度の調節が達成可能である。更に、動作及び変調は特定の部品の数値の影響を受けない。したがって、一貫して良好に制御された変調度が、低複雑度及び高信頼度で達成可能である。
幾つかの実施形態では、共振修正回路は、共振回路の信号に応じて、部分時間間隔の開始時間を決定する。具体的には、共振修正回路は、通信コンデンサ705の電圧のゼロ交差と一致するように開始時間を決定する。これは、遷移及びステップ変更を低減又は回避するので、コンデンサを短絡させるのに特に有利な時間を提供する。更に、制御信号に応じて終了時間が決定される。即ち、部分時間間隔の持続時間は、迂回スイッチが開状態に移され、通信コンデンサ705を充電可能にする時間を制御することによって制御される。
当然ながら、他の実施形態では、サイクルの他の時間又はイベントを使用することができ、例えば送信器通信コイル121の電流又は電圧を使用して開始時間及び終了時間の一方を決定することができる。他方は、制御信号に応じて制御される(したがって、実効共鳴周波数を変化させるように変化する)。
幾つかの実施形態では、組み合わせられたユニットが、例えば通信コンデンサ705の電圧を測定し、例えばゼロ交差の検出に応じてスイッチ信号を生成する。他の実施形態では、適当な時間にスイッチを自動的に開閉する迂回スイッチ構成が使用されてもよい。
例えば図14の単一の迂回スイッチ1401ではなく、図16に示されるように、スイッチと直列のダイオードを含む構成が使用されてもよい。当該例では、スイッチ1601は、通信コンデンサ705の電圧が負である間に開く。これに応じて、ダイオード1603の電圧も負であるため、ダイオード1603は、通信コンデンサ705の電圧が正になる(そして、ダイオードの導通電圧を超える)まで導通しない。この段階でダイオード1603は電流を伝導し始める。したがって、通信コンデンサ705の電圧は、ダイオード導通電圧においてフリーズされる。これは比較的低い(通常、約0.5Vである)ため、結果として、実質的に、通信コンデンサ705はコンデンサ電圧のほぼゼロ交差において迂回される。
所望の持続時間の後、スイッチ1601は、変調器711によって開状態に切り替えられる。これにより、通信コンデンサ705は充電される。これは制御を容易にする。具体的には、部分時間間隔の所与の所望の持続時間を実現するために1つの遷移しか正確にタイミングが図られなくてよいため、スイッチを制御するスイッチ信号の生成を容易にする。
図17は、図16のアプローチの幾つかの信号及び動作を説明する。
時間t1において、駆動信号(U(Tx1))が高い正電圧に切り替わり、特定の遅延(Tdelay)を有して、時間t2において、スイッチ1601のスイッチ信号が、変調器711によってハイ値に設定され、これにより、スイッチ1601が閉じる(S1)。しかし、ダイオード1603の電圧が負であり、導通しないため、スイッチに電流が流れず、通信コンデンサ705は短絡されない。イベントt3において、ダイオード1603の電圧は負から正に変わるので、ダイオード1603は導通し始め、通信コンデンサ705の電圧U(C4)を(実質的に)ゼロにクランプする。したがって、この構成では、スイッチ1601及びダイオード1603は、通信コンデンサ705及び送信器通信コイル121の状態を事実上フリーズする。時間t4において、スイッチ1601は変調器711によってオフに切り替えられ、電圧U(C4)は変更可能となるので、より正となり始める。したがって、この構成では、通信共振回路は自由に共振することができる。当該アプローチでは、t4のタイミング(より具体的には、t1からt4までの時間)は所望の共振周波数を提供するように制御されなければならないが、t2のタイミングは、電圧U(C4)が当該イベント中に負である限り、部分時間間隔の開始は閉じているスイッチではなく、導通し始めたダイオード1603によって、即ち、通信コンデンサ705の電圧のゼロ交差の時間によって与えられるため、あまり重要ではない。
図18は、当該回路において経験される信号の例を示す。
上記説明は、共振修正回路1301が、部分時間間隔の間、送信器通信コイル121(より一般的には誘導性インピーダンス)からの電流を通信コンデンサ705から離れるように迂回させることによって通信コンデンサ705(より一般的には容量性インピーダンス)の状態変化を遅くする例に重点を置いていた。しかし、他の実施形態では、共振修正回路1301は、部分時間間隔の間、通信コンデンサ705から送信器通信コイル121への電流フローを遮断することによって送信器通信コイル121の状態変化を遅くする。
例えば図19は、共振修正回路1301が、部分時間間隔の間、通信コンデンサ705から送信器通信コイル121への電流フローを妨げることによって、又は、同等に、通信コンデンサ705によって送信器通信コイル212に与えられる電圧を減少することによって、送信器通信コイル121の状態変化(具体的には電流フローの変化の速度)を遅くする例を示す。具体的には、当該例では、共振修正回路1301は、部分時間間隔の間、通信コンデンサ705から送信器通信コイル121への電流フローを遮断することによって、又は、同等に、インダクタ電圧をゼロに設定することによって、送信器通信コイル121の状態変化を遅くする。
上記例では、通信コンデンサ705から送信器通信コイル121への電流は、送信器通信コイル121と直列のスイッチ1901によって遮断される。当該例では、共振修正回路1301は、共振サイクルの一部について、通信コンデンサ705と送信器通信コイル212との結合を事実上切断する。当該動作は、図14に説明される動作に相当する。実際に、図14の例では、スイッチ1401は、通信コンデンサ705を通る電流がゼロとなるように制御することによって、通信コンデンサ705の電圧をゼロにフリーズする。図19の例では、スイッチ1901は、送信器通信コイル121を通信コンデンサ705から切断し、したがって、送信器通信コイル121への通信コンデンサ705の電圧の影響を取り除くことによって、送信器通信コイル121を通る電流をゼロにフリーズする。したがって、当該2つのアプローチは、電流及び電圧の役割が交換された場合にコンデンサ及びインダクタの動作は同じであることを考えると同じである。実際に、図15の信号は、インダクタ電流及びコンデンサ電圧の曲線がそれぞれコンデンサ電圧及びインダクタ電流と交換されたならば、図19の例にも適用できる。
なお、提供された例では、部分時間間隔の間、通信コンデンサ705及び送信器通信コイル121の両方の状態変化は遅くされるか又は実質的にフリーズされる。図14の例において、部分時間間隔の間、通信コンデンサ705には電流は到達せず、電圧はゼロにおいて一定である。しかし、これは、一定であり続けるように送信器通信コイル121の電圧もフリーズし、したがって、インダクタ電流は実質的に一定である。即ち、送信器通信コイル121の状態変化が実質的にない。同様に、図19の例において、部分時間間隔の間、通信コンデンサ705から電流は流れず、したがって、通信コンデンサ705の電圧は実質的に一定である。即ち、通信コンデンサ705の状態変化が実質的にない。
上記例では、部分時間間隔の開始は、インダクタ電圧及びコンデンサ電流のそれぞれのゼロ交差と同期させられている(具体的には、一致させられている)。特に、部分時間間隔の開始時間は、コンデンサ電圧及びインダクタ電流のそれぞれのゼロ交差と一致させられている。これは、部分時間間隔の間に通信コンデンサ705と送信器通信コイル121との間の電流フローが完全にゼロに低減される場合に注目すべき利点を提供する。しかし、当然ながら、幾つかの実施形態では、電流フローのより段階的な低減が使用される。
当然ながら、状態変化及び通信コンデンサ705と送信器通信コイル121との間のエネルギーフローの緩慢化は、共振部品間の電流フローを完全に阻止するのではなく、減少させることによって達成される。例えば減少された電流は、例えばマイクロコントローラによってリアルタイムに制御される電流調整回路を介して達成される。
しかし、別の例として、当該減少は、例えば部分時間間隔の間に追加のコンデンサ又はインダクタを含めることによって達成される。例えば図20の例では、追加の電流減少コンデンサ2001が、図14のスイッチと直列に挿入される。部分時間間隔の間、スイッチ1401は、通信コンデンサ705を短絡させずに、電流減少コンデンサ2001を並列に挿入する。これは、部分時間間隔の間に電流フローの一部が電流減少コンデンサ2001に流れ込むことにより通信コンデンサ705への電流を減少し、これにより、通信コンデンサ705の状態変化、したがって、通信コンデンサ705が送信器通信コイル121に与える電圧が減少される(電流減少コンデンサ2001は、通信コンデンサ705と共に充電及び放電される)。
当然ながら、対応するアプローチを送信器通信コイル121に使用することができる。
したがって、部分時間間隔において状態変化を遅くする上記アプローチは、実効共振周波数が達成されるように共振回路の共振部品を効果的に修正する有利なアプローチを提供する。上記アプローチでは、部分時間間隔は、実効共振周波数が本質的に及び自動的に駆動周波数と同じであるように自動的に適応される。したがって、実効共振周波数は、部品の数値ではなく、駆動周波数によって与えられ、したがって、(当然ながら常識の範囲内で)部品公差及び変動の影響を受けない。
したがって、変調器711は、図13乃至図20を参照して説明されたように、共振回路201の共振周波数を制御する。具体的には、幾つかの実施形態では、「0」の2進データ値について、変調器は、部分時間間隔の間、第1の周波数を有するように駆動周波数を制御する。「1」の2進データ値について、変調器は、部分時間間隔の間、第2の(異なる)周波数を有するように駆動周波数を制御する。部分時間間隔の持続時間は、通信されるデータ値に応じて適応される。
(例えばマイクロコントローラを実装した発振器又は実際にはDDS(ダイレクトデジタルシンセサイザ)を使用して)生成された信号の周波数を正確且つ確実に設定することがよく知られているので、システムは、様々なデータシンボルについて、実効共振周波数を非常に正確に制御することを可能にする。これは、結果として、正確な振幅レベル/変動となり、したがって、正確なAM変調を可能にする。具体的には、システムは、よりよく制御された振幅度を可能にする。
幾つかの実施形態では、電力送信器101は、共振周波数を適応させることによって変調度を制御する/適応させる機能を含む。図12に、当該電力送信器101の一例が示される。当該例は、図7の電力送信器101に対応するが、AM変調度に応じて通信共振回路の共振周波数を適応させる追加の回路を有する。
上記例では、電力送信器通信回路119は更に、誘導通信信号の振幅を測定する振幅測定器1201を含む。図12の例では、振幅測定器1201は、送信器通信コイル121にごく近接して配置され、送信器通信コイル121によって生成された電磁信号を捕捉する測定コイル1203に結合される。したがって、測定コイル内に信号が誘導され、この測定信号の振幅は、誘導通信信号の振幅が増加すると増加する。
当然ながら、他の実施形態では、振幅測定結果は、例えば通信共振回路の電流及び/又は電圧の直接的な測定結果に対応する。
振幅測定結果は、例えば周期的に生成され、使用される通信スキームによって与えられる様々な振幅値設定の誘導通信信号の振幅を反映する。
振幅測定器1201は、振幅測定結果が供給される変調度決定器1205に結合される。これに応じて、変調度決定器1205は、変調度尺度を決定する。変調度は、AM変調からもたらされる振幅変動の度合い又は大きさを反映する。例えばAM変調が2つの異なる振幅値しか使用しないシナリオでは、変調度は、2つの異なる値に対応する振幅測定結果間の差の尺度として決定される。例えば各2進値が(異なる)振幅に関連付けられる2進通信では、変調度は、1つの2進データ値の平均振幅から第2の2進データ値の平均振幅を引いたものとして決定される。
変調度決定器1205は、変調器711に結合され、変調器711に決定された変調度を供給する。これに応じて、変調器711は、通信共振回路の可変共振周波数を適応させる。
例えば変調度が大き過ぎる場合、変調器711は、異なる振幅に対応する共振周波数の差を減少させる。しかし、変調度が小さ過ぎる場合、変調器711は、異なる振幅に対応する共振周波数の差を増加させる。このように、システムは、共振回路201の制御を適応させて所望の変調度を提供する。具体的には、変調度制御ループが実施されて所望の変調度が提供される。
共振周波数の変更は、具体的には部分時間間隔の持続時間を決定する駆動信号のタイミング、通常は、具体的には周波数を変更することによって達成される。
幾つかの実施形態では、変調器711は、データ値に応じて1セットの(離散)共振周波数間で可変共振周波数を切り替える。例えばAM変調に2つの振幅値しか使用されず、変調器711は、データ値に応じて2つの共振周波数間で切り替える。上記されたように、これは、部分時間間隔の間、2つの共振周波数に対応する2つの異なる周波数間で駆動信号を変更することによって達成される。
これらの周波数は、予め決定されるのではなく、動的に適応されて所望の変調度が提供されてもよい。
例えば2つの振幅、したがって、2つの共振周波数しか使用されない場合、共振周波数のうちの第1の共振周波数は、誘導通信信号周波数として、即ち、具体例では13.56MHzとして選択される。しかし、第2の周波数は予め決定されずに動的に適応されて所望の変調度が提供されてもよい。
(共振周波数が誘導通信信号の周波数と同じである場合に)例えば第2の振幅が、例えば最大振幅の90%であることが所望される場合、小さい変調度を示す変調度決定は、第1の共振周波数から更に離れるようにシフトされる第2の共振周波数をもたらし、変調度決定がより大きい変調度を示す場合、これは、第1の共振周波数に更に近づくようにシフトされる第2の共振周波数をもたらす。
したがって、当該アプローチでは、通信共振回路の共振周波数の適応は、所望の変調度を提供する。これを利用して、例えば振幅変動が申し分のない通信性能をもたらすのに十分に大きいことを確保する一方で、同時に誘導通信信号の電力レベル変動を低減しようとする。
当然ながら、明確にするための上記説明は、様々な機能回路、ユニット及びプロセッサを参照して本発明の実施形態について述べている。しかし、本発明から逸れることなく、様々な機能回路、ユニット又はプロセッサ間での機能の任意の適切な分配を使用してもよいことは明らかである。例えば別々のプロセッサ又はコントローラによって行われるものとして説明される機能が、同一のプロセッサ又はコントローラによって行われてもよい。したがって、特定の機能ユニット又は回路への参照は、厳密な論理的若しくは物理的構造又は組織を示すのではなく、説明された機能を提供する適切な手段への参照に過ぎないと見なされるべきである。
本発明は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの任意の組み合わせを含む任意の適切な形態で実現される。本発明は、任意選択的に、1つ以上のデータプロセッサ及び/又はデジタル信号プロセッサ上で動作するコンピュータソフトウェアとして少なくとも部分的に実現される。本発明の実施形態の要素及び部品は、任意の適切なやり方で物理的、機能的及び論理的に実現される。実際に、機能は、単一のユニットにおいて、複数のユニットにおいて又は他の機能ユニットの一部として実現される。したがって、本発明は、単一のユニットにおいて実現されても、様々なユニット、回路及びプロセッサ間で物理的且つ機能的に分配されてもよい。
本発明は、幾つかの実施形態に関連して説明されたが、本明細書に記載される特定の形態に限定されることを意図していない。むしろ、本発明の範囲は、添付の請求項によってのみ限定される。更に、1つの特徴が特定の実施形態に関連して説明されているようにみえるかも知れないが、当業者であれば、本発明に従って、説明された実施形態の様々な特徴が組み合わされてもよいことを認識するであろう。請求項において、「含む」との用語は、他の要素又はステップの存在を排除しない。
更に、複数の手段、要素、回路又は方法ステップは個別に列挙されているが、これらは、例えば単一の回路、ユニット又はプロセッサによって実現される。更に、個々の特徴が異なる請求項に含まれるが、これらの特徴は、場合によっては、有利に組み合わされ、異なる請求項における包含が、特徴の組み合わせが実現不可能である及び/又は有利ではないことを示唆するものではない。更に、請求項の1つのカテゴリにおける特徴の包含も、当該カテゴリへの限定を示唆するものではなく、むしろ、当該特徴が、適宜、他の請求項のカテゴリにも等しく適用可能であることを示す。更に、請求項における特徴の順序は、当該特徴が動作しなければならない特定の順序を示唆するものではなく、具体的には、方法の請求項における個々のステップの順序は、当該ステップが当該順序で行われなければならないことを示唆するものではない。むしろ、ステップは、任意の適切な順序で行われてよい。更に、単数形の言及は、複数形を排除するものではない。「a」、「an」、「第1」、「第2」等への参照は、複数形を排除するものではない。請求項における参照符号は、明確にする例として提供されているに過ぎず、請求項の範囲をいかようにも限定するものとして解釈されるべきではない。

Claims (14)

  1. 誘導信号を介して電力受信器に電力をワイヤレスに提供する電力送信器であって、前記電力送信器は、
    駆動信号に応じて前記誘導信号を生成する可変共振周波数を有する可変共振回路であって、誘導性インピーダンス素子及び容量性インピーダンス素子を含む、前記可変共振回路と、
    前記可変共振回路用の前記駆動信号を生成するドライバと、
    データ値に応じて前記可変共振周波数を変化させることによって前記電力受信器に前記データ値を送信するための前記誘導信号を振幅変調する変調器と、
    を含み、
    前記誘導性インピーダンス素子は、前記誘導信号を生成する送信器コイルを含み、
    前記可変共振回路は、前記駆動信号の少なくとも幾つかのサイクルの各々の部分時間間隔の間、前記容量性インピーダンス素子及び前記誘導性インピーダンス素子の少なくとも一方に対し、印加される電圧、流れる電流及び蓄えられるエネルギーのいずれか1つの変化を遅くすることによって前記可変共振周波数を制御する共振修正回路を含み、前記変調器は、前記データ値に応じて前記部分時間間隔の持続時間を適応させる、電力送信器。
  2. 前記共振修正回路は、前記可変共振回路の信号に応じて、前記部分時間間隔の開始時間及び終了時間の一方を決定し、前記変調器は、前記データ値に応じて、前記開始時間及び前記終了時間の他方を制御する、請求項1に記載の電力送信器。
  3. 前記誘導信号の振幅を測定する振幅測定器と、
    測定された前記振幅の変動に応じて、変調度を決定する変調度決定器と、
    を更に含み、
    前記変調器は、前記変調度に応じて前記可変共振周波数を変化させる、請求項1に記載の電力送信器。
  4. 前記変調器は、前記データ値に応じて、1セットの共振周波数間で前記可変共振周波数を切り替え、前記変調度に応じて、共振周波数の前記1セットの少なくとも1つの周波数を決定する、請求項3に記載の電力送信器。
  5. 前記誘導信号の負荷変調を復調する復調器を更に含む、請求項1に記載の電力送信器。
  6. 前記電力受信器に電力を提供するための誘導電力伝送信号を生成する電力伝送送信器コイルと、
    前記誘導電力伝送信号を介する前記電力受信器への電力伝送を初期化する電力伝送コントローラと、
    を更に含み、
    前記誘導電力伝送信号の最大電力は、前記誘導信号の最大電力よりも大きく、
    前記電力伝送コントローラは、前記データ値の少なくとも一部を、電力伝送初期化制御データとして生成する、請求項1に記載の電力送信器。
  7. 前記ドライバは、前記データ値と無関係の駆動周波数を有するように前記駆動信号を生成する、請求項1に記載の電力送信器。
  8. 前記ドライバは、前記データ値と無関係の前記駆動信号の電圧振幅及び電流振幅の少なくとも一方を有する前記駆動信号を生成する、請求項1に記載の電力送信器。
  9. 前記駆動信号の周波数は10MHz以上である、請求項1に記載の電力送信器。
  10. 電力送信器及び電力受信器を含み、前記電力送信器は誘導信号を介して前記電力受信器に電力をワイヤレスに提供する、ワイヤレス電力伝送システムであって、前記電力送信器は、
    駆動信号に応じて前記誘導信号を生成する可変共振周波数を有する可変共振回路であって、誘導性インピーダンス素子及び容量性インピーダンス素子を含む、前記可変共振回路と、
    前記可変共振回路用の前記駆動信号を生成するドライバと、
    データ値に応じて前記可変共振周波数を変化させることによって前記電力受信器に前記データ値を送信するための前記誘導信号を振幅変調する変調器と、を含み、
    前記電力受信器は、
    前記誘導信号を受信する受信器コイルと、
    前記誘導信号の振幅変調を復調する復調器と、
    前記誘導信号から電力を抽出し、前記電力受信器の少なくとも一部に給電する第1の電力抽出器と、
    を含み、
    前記誘導性インピーダンス素子は、前記誘導信号を生成する送信器コイルを含み、
    前記可変共振回路は、前記駆動信号の少なくとも幾つかのサイクルの各々の部分時間間隔の間、前記容量性インピーダンス素子及び前記誘導性インピーダンス素子の少なくとも一方に対し、印加される電圧、流れる電流及び蓄えられるエネルギーのいずれか1つの変化を遅くすることによって、前記可変共振周波数を制御する共振修正回路を含み、前記変調器は、前記データ値に応じて前記部分時間間隔の持続時間を適応させる、ワイヤレス電力伝送システム。
  11. 前記電力送信器は、
    前記電力受信器に電力を提供するための誘導電力伝送信号を生成する電力伝送送信器コイルと、
    前記誘導電力伝送信号を介して前記電力受信器への電力伝送を初期化する電力伝送コントローラと、
    を更に含み、
    前記誘導電力伝送信号の最大電力は、前記誘導信号の最大電力よりも大きく、
    前記電力伝送コントローラは、前記データ値の少なくとも一部を、電力伝送初期化制御データとして生成し、
    前記電力受信器は、
    前記誘導電力伝送信号を受信する電力伝送受信器コイルと、
    前記誘導電力伝送信号から電力を抽出し、負荷に給電する第2の電力抽出器と、
    を含む、請求項10に記載のワイヤレス電力伝送システム。
  12. 前記第1の電力抽出器は、前記誘導電力伝送信号が存在しない場合に、前記電力受信器の前記少なくとも一部に給電し、前記第2の電力抽出器は、前記誘導電力伝送信号が存在する場合に、前記電力受信器の前記少なくとも一部に給電する、請求項11に記載のワイヤレス電力伝送システム。
  13. 誘導信号を介して電力受信器に電力をワイヤレスに提供する電力送信器の操作の方法であって、前記電力送信器は、送信器コイルを含む誘導性インピーダンス素子と、容量性インピーダンス素子とを含む、可変共振周波数を有する可変共振回路を含み、前記方法は、
    前記可変共振回路が、駆動信号に応じて前記誘導信号を生成するステップと、
    前記可変共振回路用の前記駆動信号を生成するステップと、
    データ値に応じて前記可変共振周波数を変化させることによって、前記電力受信器に前記データ値を送信するための前記誘導信号を振幅変調するステップと、
    を含み、
    前記可変共振回路は、前記駆動信号の少なくとも幾つかのサイクルの各々の部分時間間隔の間、前記容量性インピーダンス素子及び前記誘導性インピーダンス素子の少なくとも一方に対し、印加される電圧、流れる電流及び蓄えられるエネルギーのいずれか1つの変化を遅くすることによって、前記可変共振周波数を制御する共振修正回路を含み、前記振幅変調するステップは、前記データ値に応じて前記部分時間間隔の持続時間を適応させるステップを含む、方法。
  14. 電力送信器及び電力受信器を含むワイヤレス電力伝送システムの操作の方法であって、前記電力送信器は、誘導信号を介して前記電力受信器に電力をワイヤレスに提供し、送信器コイルを含む誘導性インピーダンス素子と、容量性インピーダンス素子とを含む、可変共振周波数を有する可変共振回路を含み、前記方法は、
    前記可変共振回路が、駆動信号に応じて前記誘導信号を生成するステップと、
    前記可変共振回路用の前記駆動信号を生成するステップと、
    データ値に応じて前記可変共振周波数を変化させることによって、前記電力受信器に前記データ値を送信するための前記誘導信号を振幅変調するステップと、を前記電力送信器が行うことと、
    前記誘導信号の振幅変調を復調するステップと、
    前記誘導信号から電力を抽出し、前記電力受信器の少なくとも一部に給電するステップと、を前記電力受信器が行うことと、
    を含み、
    前記可変共振回路は、前記駆動信号の少なくとも幾つかのサイクルの各々の部分時間間隔の間、前記容量性インピーダンス素子及び前記誘導性インピーダンス素子の少なくとも一方に対し、印加される電圧、流れる電流及び蓄えられるエネルギーのいずれか1つの変化を遅くすることによって、前記可変共振周波数を制御する共振修正回路を含み、前記振幅変調するステップは、前記データ値に応じて前記部分時間間隔の持続時間を適応させるステップを含む、方法。
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