JP6522880B2 - 軸受装置、回転機械 - Google Patents
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Description
このような軸受装置としては、回転軸に摺接するパッド面を有する軸受パッドを備えたジャーナル軸受やスラスト軸受がある。
そこで、例えば特許文献1、2には、スラストカラーに対する傾斜を抑えるため、軸受パッドに対し、回転軸の周方向にピボット位置をオフセットさせる構成が開示されている。
図6は、軸受パッド200のパッド面200aにおける油濡れ状態の例を示すものである。例えば、この図6(a)に示すように、回転軸の回転方向Rに対し、パッド面200aにおいて、外周側の回転方向前縁側で、油で濡れない領域A1が生じる。
このような状態でロータを回転させると、図6(b)に示すように、パッド面200aとスラストカラーとの間の油膜圧力に分布が生じ、外周側で、油膜圧力が低い領域A2,A3が生じる。
そこでなされた本発明の目的は、軸受パッドの傾斜を抑えることによって、軸受パッドの接触や温度上昇を抑えることのできる軸受装置、回転機械を提供することである。
すなわち、本発明に係る軸受装置は、軸線回りに回転する回転軸から径方向外側に張り出すスラストカラーに対向し、周方向に間隔をあけて複数が設けられた軸受パッドと、各前記軸受パッドを、前記スラストカラーに対向する側と反対側から点接触で揺動自在に支持する支持部材と、を備え、前記軸受パッドと前記支持部材との点接触位置が、前記軸受パッドの半径方向寸法の中央より径方向内側に位置しており、前記軸受パッドの内周縁から前記点接触位置までの距離Dは、前記軸受パッドの半径方向寸法Lに対し、0.44L≦D≦0.48Lであることを特徴とする。
なお、前記軸受パッドの内周縁から前記点接触位置までの距離Dは、前記軸受パッドの半径方向寸法Lに対し、0.44L≦D≦0.48Lとするのが好ましい。
点接触位置を、過度に径方向内側に位置させると、軸受パッドが内周側に傾斜し、内周側のクリアランスが小さくなってしまう。したがって、距離Dは、半径寸法Lの42%以上48%以下とするのが好ましい。これによって軸受メタル温度の上昇を抑制することができる。
まず、本発明の実施形態に係る蒸気タービン(回転機械)100について説明する。
図1に示すように、蒸気タービン100は、蒸気Sのエネルギーを回転動力として取り出す外燃機関であって、発電所における発電機等に用いられるものである。
なお、軸受部60は、ジャーナル軸受61及びスラスト軸受(軸受装置)62を備えており、回転軸30を回転可能に支持している。
スラスト軸受62は、軸受ケーシング22と、軸受ケーシング22内に等角度間隔で設けられた支持部材23と、各々の支持部材23に揺動可能に支持された軸受パッド24と、を備える。
各軸受パッド24は、パッド面24pとは反対側の背面において、それぞれ支持部材23に支持されて揺動自在に設けられている。支持部材23と軸受パッド24とは、点接触による接触状態であり、回転軸30のスラストカラー31とスラスト軸受62との間にミスアライメント(回転軸30の外周面と軸受パッド24のパッド面24pとの軸方向隙間が不均一になる)が発生した場合には、軸受パッド24が回転軸30に追従することができる。
したがって、潤滑油量が少ないために、従来であれば軸受パッド24が径方向外周側に傾斜していたような場合であっても、ピボット中心Pよりも外周側の油膜圧力による荷重のモーメントが増大することによって、ピボット中心Pの外周側と内周側とで、荷重のモーメントのバランスをとることが可能となる。その結果、軸受パッド24の傾斜が抑えられる。
0.44L≦D≦0.48L
とするのが好ましく、
0.42L≦D≦0.48L
としてもよい。
ピボット中心Pを、過度に径方向内側に位置させると、軸受パッド24が内周側に傾斜し、内周側のクリアランスが小さくなってしまう。したがって、距離Dは、半径寸法Lの44%以上又は42%以上とするのが好ましい。
また、軸受パッド24の外周側への傾斜を抑えることによって、軸受パッド24のパッド面24pとスラストカラー31とのクリアランスが最も小さい部分、つまり油膜厚さが最小で、油膜圧力が最高となる位置が、より内周側に寄ることとなる。したがって、ピボット中心Pが、油膜圧力が最高となる位置に近くなり、油膜圧力による荷重モーメントのバランスを取りやすい。
その結果、軸受パッド24の接触や、潤滑油温度およびメタル温度の上昇を抑えることが可能となる。
この場合、軸受パッド24の外周側への傾斜を抑えることによって油膜圧力が最高となる位置が、より内周側に寄っている。また、軸受パッド24のパッド面24pとスラストカラー31とのクリアランス部分においては、軸受パッド24とスラストカラー31との相対的な周速が小さい径方向内側の潤滑油が流入し易くなることにより、軸受パッド24とスラストカラー31との間に介在する潤滑油の温度、すなわちメタル温度を低下させることができる。
なお、本発明の軸受装置、回転機械は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、図5に示すように、スラスト軸受62の軸受パッド24は、支持部材23との点接触位置、つまり軸受パッド24のピボット中心Pが、軸受パッド24の半径方向寸法の中央C1より径方向内側に位置するとともに、軸受パッド24の周方向において、軸受パッド24の後縁側にオフセットして、支持部材23の位置が設定されている。
ここで、ピボット中心Pは、軸受パッド24の周方向の長さをWとしたとき、軸受パッド24の周方向の前縁24fからの寸法Tが、0.65W≦Tとなるようにするのが好ましい。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
実施形態と同様の構成のスラスト軸受ついて、軸受パッドの内周縁から点接触位置までの距離Dの大きさを軸受パッドの半径方向寸法Lに対して変化させた際の軸受パッドの温度(軸受メタルの温度)変化のシミュレーションを行った。
より、詳細には、D=0.38L、0.40L、0.42L、0.44L、0.46L、0.48L、0.50L、0.52Lの場合の軸受メタルの温度のシミュレーションを行った。シミュレーション結果を図7に示す。
なお、回転軸の回転数を3000rpmとし、給油温度を40℃とした。
また、0.44L≦D≦0.48Lの場合には、軸受メタル温度をさらに抑制できることがわかった。
なお、D=0.46Lとすることで、軸受メタル温度の温度抑制効果を最も高く得られることがわかった。
以上から、0.42L≦D≦0.48L、または、0.44L≦D≦0.48Lとすることで、軸受メタル温度の良好に抑制できることがわかった。
23 支持部材
24 軸受パッド
24p パッド面
24q 背面
30 回転軸
31 スラストカラー
34 各軸受パッド
40 静翼
60 軸受部
61 ジャーナル軸受
62 スラスト軸受(軸受装置)
70 動翼
90 タービンケーシング
100 蒸気タービン(回転機械)
D 距離
P ピボット中心(点接触位置)
Claims (2)
- 軸線回りに回転する回転軸から径方向外側に張り出すスラストカラーに対向し、周方向に間隔をあけて複数が設けられた軸受パッドと、
各前記軸受パッドを、前記スラストカラーに対向する側と反対側から点接触で揺動自在に支持する支持部材と、を備え、
前記軸受パッドと前記支持部材との点接触位置が、前記軸受パッドの半径方向寸法の中央より径方向内側に位置しており、
前記軸受パッドの内周縁から前記点接触位置までの距離Dは、前記軸受パッドの半径方向寸法Lに対し、
0.44L≦D≦0.48L
であることを特徴とする軸受装置。 - 径方向外側に張り出すスラストカラーを有し、軸線周りに回転する回転軸と、
請求項1に記載の軸受装置と、
を備え、
前記点接触位置が、前記軸受パッドの周方向において、前記軸受パッドの後縁側にオフセットしていることを特徴とする回転機械。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014051603A JP6522880B2 (ja) | 2014-03-14 | 2014-03-14 | 軸受装置、回転機械 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014051603A JP6522880B2 (ja) | 2014-03-14 | 2014-03-14 | 軸受装置、回転機械 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2015175418A JP2015175418A (ja) | 2015-10-05 |
JP6522880B2 true JP6522880B2 (ja) | 2019-05-29 |
Family
ID=54254799
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2014051603A Active JP6522880B2 (ja) | 2014-03-14 | 2014-03-14 | 軸受装置、回転機械 |
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- 2014-03-14 JP JP2014051603A patent/JP6522880B2/ja active Active
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