JP6522498B2 - 7−二置換フェニルテトラサイクリン誘導体 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2012年5月30日出願の米国特許仮出願番号第61/653,262号の優先権の利益を主張するものであり、その全内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
脊髄性筋萎縮症(SMA)は、生存運動ニューロン1遺伝子(SMN1)の欠損又は変異に起因する生命を脅かす障害である。SMN1は、脊髄及び脳内の運動ニューロンの生存のために必要であるSMNタンパク質(SMNp)の産生に関与している。SMA患者において、SMNタンパク質の不十分なレベルの発現は、運動ニューロンの変性及びその後の系全体の筋消耗(萎縮)を引き起こす。Gilliam T.C.ら、Nature 345、823〜825 (1990年)を参照のこと。
SMN2はSMN1とほぼ同一であるが、エクソン7において重要なCからTへの遷移がある。このCからTへの遷移がスプライシングを変える結果、SMN2 mRNAはエクソン7を欠き(SMND7 mRNA)、結果的に、安定性が減少した切断タンパク質を産生する。Lorson C.L.ら、Proc. Natl Acad. Sci. USA 96(11)、6307〜6311 (1999年)を参照のこと。それにもかかわらず、SMN2転写物の約10%は完全長であり、機能性SMNタンパク質を産生する。SMAの臨床的重症度はSMN2のコピー数に逆相関することが見出された。Feldkotter M.ら、Am. J. Hum. Genet. 70(2)、358〜368 (2002年)を参照のこと。
Gilliam T.C.ら、Nature 345、823〜825 (1990年) Lorson C.L.ら、Proc. Natl Acad. Sci. USA 96(11)、6307〜6311 (1999年) Feldkotter M.ら、Am. J. Hum. Genet. 70(2)、358〜368 (2002年)
現在まで、SMAは依然として乳幼児における死亡の主要な遺伝的原因であり、出生児6,000〜10,000人当たり1人を苦しめている。したがって、この疾患に対する有効な治療が必要とされている。
本発明は、式(I):
(式中、
Xは、CR6R6'、C=CR6R6'、NR6"、O又はSであり;
R2、R2'及びR6"のそれぞれは、独立して、水素、ハロ又はRiであり、Riは、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、3〜8員環のヘテロシクロアルキル、アリール、へテロアリール、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキルカルボニル、アリールカルボニル、C1〜C6アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、アリールスルホニル又はアリールアルキルであり;
R3、R10、R11及びR12のそれぞれは、独立して、水素又はRiiであり、Riiは、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、3〜8員環のヘテロシクロアルキル、アリール、へテロアリール、C1〜C6アルキルカルボニル、アリールカルボニル、C1〜C6アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、アリールスルホニル又はアリールアルキルであり;
R4、R4'、R5、R5'、R6、R6'、R8、R9、R13、R14及びR15のそれぞれは、独立して、水素、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、チオール又はRiiiであり、Riiiは、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、アリール、へテロアリール、C3〜C8シクロアルキル、3〜8員環のヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、C1〜C6アルキルオキシ、C3〜C8シクロアルキルオキシ、3〜8員環のヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、C1〜C6アルキルチオ、アリールチオ、C1〜C6アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、アリールスルホニル、C1〜C6アルキルアミノ、アリールアミノ、ジ-C1〜C6アルキルアミノ、ジアリールアミノ、C1〜C6アルキルカルボニル、C3〜C8シクロアルキルカルボニル、3〜8員環のヘテロシクロアルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、C1〜C6アルキルカルボキシル、C3〜C8シクロアルキルカルボキシル、3〜8員環のヘテロシクロアルキルカルボキシル、アリールカルボキシル、ヘテロアリールカルボキシル、C1〜C6アルキルオキシカルボニル、C3〜C8シクロアルキルオキシカルボニル、3〜8員環のヘテロシクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、C1〜C6アルキルカルバミド、C3〜C8シクロアルキルカルバミド、3〜8員環のヘテロシクロアルキルカルバミド、アリールカルバミド、ヘテロアリールカルバミド、C1〜C6アルキルカルバミル、C3〜C8シクロアルキルカルバミル、3〜8員環のヘテロシクロアルキルカルバミル、アリールカルバミル又はヘテロアリールカルバミルであり;
Wは、ハロ、アルキル、アミノ、シアノ、ニトロ、C1〜C6アルコキシ、ヒドロキシル又はチオールであり;
Yは、O又はNR7aであり;
Lは、C1〜6アルキレンであり;
Zは、OR7b、SR7b又はNR7bR7cであり;
R7a、R7b及びR7cのそれぞれは、独立して、水素、ハロ又はRivであり、Rivは、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、3〜8員環のヘテロシクロアルキル、アリール、へテロアリール、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキルカルボニル、アリールカルボニル、C1〜C6アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、アリールスルホニル又はアリールアルキルである。前述のRi、Rii、Riii及びRivのそれぞれは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、アミノ、チオール、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、アリール、へテロアリール、C3〜C8シクロアルキル、3〜8員環のヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、C1〜C6アルキルオキシ、C3〜C8シクロアルキルオキシ、3〜8員環のヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、C1〜C6アルキルチオ、アリールチオ、C1〜C6アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、アリールスルホニル、C1〜C6アルキルアミノ、アリールアミノ、ジ-C1〜C6アルキルアミノ、ジアリールアミノ、C1〜C6アルキルカルボニル、C3〜C8シクロアルキルカルボニル、3〜8員環のヘテロシクロアルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、C1〜C6アルキルカルボキシル、C3〜C8シクロアルキルカルボキシル、3〜8員環のヘテロシクロアルキルカルボキシル、アリールカルボキシル、ヘテロアリールカルボキシル、C1〜C6アルキルオキシカルボニル、C3〜C8シクロアルキルオキシカルボニル、3〜8員環のヘテロシクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、C1〜C6アルキルカルバミド、C3〜C8シクロアルキルカルバミド、3〜8員環のヘテロシクロアルキルカルバミド、アリールカルバミド、ヘテロアリールカルバミド、C1〜C6アルキルカルバミル、C3〜C8シクロアルキルカルバミル、3〜8員環のヘテロシクロアルキルカルバミル、アリールカルバミル及びヘテロアリールカルバミルからなる群から選択される1つ以上の置換基で場合によって置換されている)
の化合物又はその薬学的に許容される塩に関する。
本発明はまた、脊髄性筋萎縮症である対象を治療又は予防するための方法に関する。方法は、脊髄性筋萎縮症が治療又は予防されるように、対象に有効量の式(I)のテトラサイクリン化合物を投与することを含む。有利には、本発明のこの方法において使用されるテトラサイクリン化合物は、以下の特徴のうち1つ以上を有する:1)mRNAスプライシングを調節する効力、2)SMNタンパク質レベルを調節する効力、3)中枢神経系(CNS)及び/又は脳透過性、4)光毒性の減少、並びに5)抗菌性の減少。
本発明はまた、SMN2 mRNAスプライシングを調節するための方法に関する。方法は、SMN2 mRNAスプライシングが調節されるように、SMN2 mRNAを式(I)のテトラサイクリン化合物と接触させることを含む。
本発明はまた、SMNpレベルが対象において調節されるように、対象に有効量の式(I)のテトラサイクリン化合物を投与することにより、それを必要とする対象においてSMNpレベルを調節するための方法に関する。
本発明はまた、式(I)のテトラサイクリン化合物及び薬学的に許容される担体を含有する医薬組成物に関する。このような医薬組成物は、SMAの治療若しくは予防、又はSMN2 mRNAスプライシング及びSMNpレベルの調節において使用することができる。
さらに、本発明は、有効量のテトラサイクリン化合物及び脊髄性筋萎縮症の治療又は予防のためにテトラサイクリン化合物を使用するための指示書を含むパッケージされたテトラサイクリン化合物に関する。
化合物1によるSMN2 mRNAの無細胞スプライシングのインビトロ補正を示す図である。 異なる濃度の化合物1を用いて治療されたSMA患者細胞のSMN2スプライシングにおける完全長/切断mRNAの比を示すグラフである。 異なる濃度の化合物1を用いてインビトロで治療されたSMA患者細胞におけるSMNタンパク質レベルの増加を示すグラフである。 マウスにおける化合物1の薬物動態を示すグラフである。 化合物1で治療された新生仔トランスジェニックマウスの脳組織におけるエクソン7インクルージョンの増加を示す図である。 化合物1で治療された重度のSMAマウス対未治療の重度のSMAマウスの生存時間を示すグラフである。 化合物1の投与後のSMAマウスの生存曲線を示すグラフである。
本発明は、少なくとも部分的には、下記の式(I):
(式中、
Xは、CR6R6'、C=CR6R6'、NR6"、O又はSであり;
R2、R2'及びR6"のそれぞれは、独立して、水素、ハロ又はRiであり、Riは、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、3〜8員環のヘテロシクロアルキル、アリール、へテロアリール、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキルカルボニル、アリールカルボニル、C1〜C6アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、アリールスルホニル又はアリールアルキルであり;
R3、R10、R11及びR12のそれぞれは、独立して、水素又はRiiであり、Riiは、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、3〜8員環のヘテロシクロアルキル、アリール、へテロアリール、C1〜C6アルキルカルボニル、アリールカルボニル、C1〜C6アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アリールアルキル又はプロドラッグ部分であり;
R4、R4'、R5、R5'、R6、R6'、R8、R9、R13、R14及びR15のそれぞれは、独立して、水素、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、チオール又はRiiiであり、Riiiは、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、アリール、へテロアリール、C3〜C8シクロアルキル、3〜8員環のヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、C1〜C6アルキルオキシ、C3〜C8シクロアルキルオキシ、3〜8員環のヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、C1〜C6アルキルチオ、アリールチオ、C1〜C6アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、アリールスルホニル、C1〜C6アルキルアミノ、アリールアミノ、ジ-C1〜C6アルキルアミノ、ジアリールアミノ、C1〜C6アルキルカルボニル、C3〜C8シクロアルキルカルボニル、3〜8員環のヘテロシクロアルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、C1〜C6アルキルカルボキシル、C3〜C8シクロアルキルカルボキシル、3〜8員環のヘテロシクロアルキルカルボキシル、アリールカルボキシル、ヘテロアリールカルボキシル、C1〜C6アルキルオキシカルボニル、C3〜C8シクロアルキルオキシカルボニル、3〜8員環のヘテロシクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、C1〜C6アルキルカルバミド、C3〜C8シクロアルキルカルバミド、3〜8員環のヘテロシクロアルキルカルバミド、アリールカルバミド、ヘテロアリールカルバミド、C1〜C6アルキルカルバミル、C3〜C8シクロアルキルカルバミル、3〜8員環のヘテロシクロアルキルカルバミル、アリールカルバミル又はヘテロアリールカルバミルであり;
Wは、ハロ、アルキル、アミノ、シアノ、ニトロ、C1〜C6アルコキシ、ヒドロキシル又はチオールであり;
Yは、O又はNR7aであり;
Lは、C1〜6アルキレンであり;
Zは、OR7b、SR7b又はNR7bR7cであり;
R7a、R7b及びR7cのそれぞれは、独立して、水素、ハロ又はRivであり、Rivは、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、3〜8員環のヘテロシクロアルキル、アリール、へテロアリール、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキルカルボニル、アリールカルボニル、C1〜C6アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、アリールスルホニル又はアリールアルキルである。前述のRi、Rii、Riii及びRivのそれぞれは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、アミノ、チオール、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、アリール、へテロアリール、C3〜C8シクロアルキル、3〜8員環のヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、C1〜C6アルキルオキシ、C3〜C8シクロアルキルオキシ、3〜8員環のヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、C1〜C6アルキルチオ、アリールチオ、C1〜C6アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、アリールスルホニル、C1〜C6アルキルアミノ、アリールアミノ、ジ-C1〜C6アルキルアミノ、ジアリールアミノ、C1〜C6アルキルカルボニル、C3〜C8シクロアルキルカルボニル、3〜8員環のヘテロシクロアルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、C1〜C6アルキルカルボキシル、C3〜C8シクロアルキルカルボキシル、3〜8員環のヘテロシクロアルキルカルボキシル、アリールカルボキシル、ヘテロアリールカルボキシル、C1〜C6アルキルオキシカルボニル、C3〜C8シクロアルキルオキシカルボニル、3〜8員環のヘテロシクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、C1〜C6アルキルカルバミド、C3〜C8シクロアルキルカルバミド、3〜8員環のヘテロシクロアルキルカルバミド、アリールカルバミド、ヘテロアリールカルバミド、C1〜C6アルキルカルバミル、C3〜C8シクロアルキルカルバミル、3〜8員環のヘテロシクロアルキルカルバミル、アリールカルバミル及びヘテロアリールカルバミルからなる群から選択される1つ以上の置換基で場合によって置換されている)
を有するテトラサイクリン化合物に関係する。
一実施形態において、R4はNR4aR4bであり、R4'はHであり;R4a及びR4bのそれぞれは、独立して、H、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルキルカルボニル、アリールカルボニル、C1〜C6アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、アリールスルホニル又はアリールアルキルである。さらなる実施形態において、R4a及びR4bのそれぞれは、C1〜C6アルキル(例えば、メチル)である。
別の実施形態では、R3、R10、R11及びR12のうちの1つは、プロドラッグ部分、例えば、C1〜6アルキルカルボニルである。例えば、R3がプロドラッグ部分であり、R10がプロドラッグ部分であり、R11がプロドラッグ部分であり、又はR12がプロドラッグ部分である。さらなる実施形態において、R3、R10及びR11の2つ以上がプロドラッグ部分である。
別の実施形態において、化合物は、以下の特徴の1つ以上を有する:XはCR6R6'であり;R4はNR4aR4bであり;R4a及びR4bはそれぞれ、C1〜C6アルキル(例えば、メチル)であり、R2、R2'、R3、R4'、R5、R5'、R6、R6'、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14及びR15のそれぞれは水素である。例えば、化合物はこれらの特徴のすべてを持っており、したがって、以下の式(II):
(式中、W、Y、L及びZは、上記で定義されている)のものである。
上記式(II)は、キラル中心を含有し、立体異性体混合物又は単一の立体異性体として存在する化合物を表す。例えば、化合物は、以下の式(III)又は(IV):
で示される立体化学を有することができる。
別の実施形態において、式(I)の化合物は、以下の特徴の1つ以上を有する:XはC=CR6R6'であり;R4はNR4aR4bであり;R4a及びR4bのそれぞれは、C1〜C6アルキル(例えば、メチル)であり、R2、R2'、R3、R4'、R5、R5'、R6、R6'、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14及びR15のそれぞれは水素である。例えば、化合物は記載されているすべての特徴を有する。さらなる実施形態において、YはNR7aであり、RaはHである。さらなる実施形態において、LはC2〜3アルキレン(例えば、-CH2CH2-)である。なお別の実施形態において、ZはOR7bであり、R7bはC1〜C6アルキル(例えば、メチル又はエチル)である。あるいは、ZはNR7bR7cであり、R7b及びR7cのそれぞれは、独立して、水素又はC1〜C6アルキル(例えば、メチル)である。さらに別の実施形態では、WはF、Cl又はIである。例えば、WはFである。
別の実施形態において、式(I)の化合物は、以下の特徴の1つ以上を有する:XはC=CR6R6'であり;R4はNR4aR4bであり;R4a及びR4bはそれぞれ、C1〜C6アルキル(例えば、メチル)であり、R2、R2'、R3、R4'、R5、R5'、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14及びR15のそれぞれは水素であり;R6はメチルであり;R6'はヒドロキシルである。例えば、化合物は記載されているすべての特徴を有する。
別の実施形態において、式(I)の化合物は、以下の特徴の1つ以上を有する:XはC=CR6R6'であり;R4はNR4aR4bであり;R4a及びR4bはそれぞれ、C1〜C6アルキル(例えば、メチル)であり、R2、R2'、R3、R4'、R5、R5'、R6'、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14及びR15のそれぞれは水素であり;R6はメチルである。例えば、化合物は記載されているすべての特徴を有する。
別の実施形態では、式(I)、(II)、(III)及び(IV)を参照すると、YはNR7aであり、RaはHである。さらなる実施形態において、LはC2〜3アルキレン(例えば、-CH2CH2-)である。なお別の実施形態において、ZはOR7bであり、R7bはC1〜C6アルキル(例えば、メチル又はエチル)又はNR7bR7cであり、R7b及びR7cのそれぞれは、独立して、水素又はC1〜C6アルキル(例えば、メチル)である。さらに別の実施形態では、WはF、Cl又はIである。例えば、WはFである。
別の実施形態では、式(I)、(II)、(III)及び(IV)を参照すると、WはC1〜C6アルコキシではない。Wは、ハロ、アルキル、アミノ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル又はチオールであり得る。
別の実施形態では、式(I)、(II)、(III)及び(IV)を参照すると、WはF、Cl又はIである。例えば、WはFである。さらなる実施形態において、YはNR7aであり、RaはHである。さらなる実施形態において、LはC2〜3アルキレン(例えば、-CH2CH2-)である。なお別の実施形態において、ZはOR7bであり、R7bはC1〜C6アルキル(例えば、メチル又はエチル)又はNR7bR7cであり、R7b及びR7cのそれぞれは、独立して、水素又はC1〜C6アルキル(例えば、メチル)である。
別の実施形態では、式(I)、(II)、(III)及び(IV)を参照すると、ZはOR7bであり、R7bはH又はC1〜C6アルキル(例えば、メチル又はエチル)である。
別の実施形態では、式(I)、(II)、(III)及び(IV)を参照すると、ZはNR7bR7cであり、R7b及びR7cのそれぞれは、独立して、水素又はC1〜C6アルキル(例えば、メチル)である。一例として、ZはN(CH3)2である。
別の実施形態では、式(I)、(II)、(III)及び(IV)を参照すると、Lは直鎖又は分枝アルキレンである。例えば、Lは-CH2-、-CH2CH2-、-CH2CH2CH2-又は-CH2CH2CH2CH2-である。
別の実施形態では、式(I)、(II)、(III)及び(IV)を参照すると、R8はHである。
別の実施形態では、式(I)、(II)、(III)及び(IV)を参照すると、R9はHである。
別の実施形態では、式(I)、(II)、(III)及び(IV)を参照すると、R3、R10及びR11のそれぞれはHである。
例示的な式(I):
の化合物を以下に示す。
「アルキル」という用語は、一価の直鎖又は分枝炭化水素を意味する。直鎖アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル及びデシルが挙げられるが、これらに限定されない。分枝鎖アルキル基の例としては、イソプロピル、tert-ブチル及びイソブチルが挙げられるが、これらに限定されない。特に明記しない限り、アルキル基は、直鎖については、その主鎖に1〜20個の炭素原子を含有し、分枝鎖については3〜20個の炭素原子を含有する。「アルキレン」という用語は、1〜20個の炭素原子を含有する二価の直鎖又は分枝炭化水素を意味する。アルキレンの例としては、メチレン、エチレン及びプロピレンが挙げられるが、これらに限定されない。「アルケニル」という用語は、2〜20個の炭素原子及び1つ以上の二重結合を含有する一価の直鎖又は分枝炭化水素を意味する。アルケニルの例としては、エテニル、プロペニル、アリル及び1,4-ブタジエニルが挙げられるが、これらに限定されない。「アルケニレン」という用語は、2〜20個の炭素原子及び1つ以上の二重結合を含有する二価の直鎖又は分枝炭化水素を意味する。「アルキニル」という用語は、2〜20個の炭素原子及び1つ以上の三重結合を含有する一価の直鎖又は分枝炭化水素を意味する。アルキニルの例としては、エチニル、1-プロピニル、1-及び2-ブチニル並びに1-メチル-2-ブチニルが挙げられるが、これらに限定されない。「アルキニレン」という用語は、2〜20個の炭素原子及び1つ以上の三重結合を含有する二価の直鎖又は分枝炭化水素を意味する。「アルコキシ」という用語は、-O-アルキル基を意味する。アルコキシの例としては、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソ-ブトキシ、sec-ブトキシ及びtert-ブトキシが挙げられるが、これらに限定されない。
「シクロアルキル」という用語は、3〜20個の炭素原子を有する一価の飽和炭化水素環系を意味する。シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル及びシクロオクチルが挙げられるが、これらに限定されない。
「ヘテロシクロアルキル」という用語は、シクロアルキル骨格の1個以上の炭素が、ヘテロ原子、例えば、酸素、窒素、硫黄又はリンで置き換えられているシクロアルキル部分を意味する。複素環部分の例としては、ピペリジン、モルホリン、ピロリジン、ピペラジン及びテトラヒドロフランが挙げられる。
「アリール」という用語は、一価の6炭素単環式、10炭素二環式、14炭素三環式の芳香族環系を意味する。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル及びアントラセニルが挙げられるが、これらに限定されない。「ヘテロアリール」という用語は、1個以上のヘテロ原子(O、N又はSなど)を有する、一価の芳香族の単環式5〜8員環系、二環式8〜12員環系又は三環式11〜14員環系を意味する。ヘテロアリール基の例としては、ピリジル、フリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、ピリミジニル、チエニル、キノリニル、インドリル及びチアゾリルが挙げられる。
「アミノ」という用語は、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールから選択される2つの部分に共有結合している窒素基を意味する。この用語は、窒素が少なくとも1つのアルキル基と結合している「アルキルアミノ」部分を含む。また、この用語には、窒素原子が2つのアルキル基に結合している「ジアルキルアミノ」基が含まれる。「アリールアミノ」及び「ジアリールアミノ」という用語には、それぞれ、窒素が1つ又は2つのアリール基と結合している基が含まれる。「アルキルアリールアミノ」、「アルキルアミノアリール」又は「アリールアミノアルキル」という用語は、少なくとも1つのアルキル基及び少なくとも1つのアリール基に結合しているアミノ基を意味する。
「カルボニル」という用語は、二重結合により酸素原子と結合している炭素を含有する部分を意味する。カルボニル基を含有する部分の例としては、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、アミド、エステル、無水物等が挙げられる。
「カルボキシル」という用語には、カルボニル基の炭素が2つの部分:(i)酸素基並びに(ii)水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールから選択される基に共有結合しているカルボニル基を含有する部分が含まれる。
「ハロゲン」という用語には、フッ素、臭素、塩素及びヨウ素が含まれる。「ヘテロ原子」という用語には、炭素又は水素以外の任意の元素の原子が含まれる。好ましいヘテロ原子は、窒素、酸素、硫黄及びリンである。
「ヒドロキシ」又は「ヒドロキシル」という用語は、-OH又は-O-X+を有する基を含み、X+は対イオンである。
「スルホニル」という用語には、スルホニル(S(=O)2)基を含む部分が含まれる。同様に、「スルフィニル」という用語は、スルフィニル(S(=O))基を含む部分が含まれる。
「カルバミド」という用語は、アミノが、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールから選択される2つの部分に共有結合しているアミノ-カルボニル(N-C(=O))基を意味する。
「カルバミル」という用語は、左のアミノが、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールから選択される2つの部分に共有結合しており、右のアミノが、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールから選択される1つの部分に共有結合しているアミノ-カルボニル-アミノ(N-C(=O)-N)基を意味する。
上述のアルキル、アルキレン、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、アリール及びヘテロアリールは置換されていてもよい。置換基の例としては、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバミル及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アリール、及びヘテロアリールが挙げられる。
「プロドラッグ部分」という用語は、インビボで代謝され得る部分が含まれる。一般に、プロドラッグ部分は、エステラーゼにより又は他のメカニズムにより、ヒドロキシル基又は他の有利な基にインビボで代謝される。プロドラッグ及びそれらの使用の例は当該技術分野において周知である(例えば、Bergeら(1977年)「Pharmaceutical Salts」、J. Pharm. Sci. 66:1〜19を参照のこと)。プロドラッグは、化合物の最終単離及び精製中にインサイチュで、又は遊離酸形態若しくはヒドロキシルの精製化合物を適切なエステル化剤と別個に反応させることにより調製することができる。ヒドロキシル基は、カルボン酸による処理を介してエステルに変換することができる。プロドラッグ部分の例としては、置換及び非置換、分枝又は非分枝の低級アルキルエステル部分(例えば、プロピオン酸エステル)、低級アルケニルエステル、ジ-低級アルキル-アミノ低級アルキルエステル(例えば、ジメチルアミノエチルエステル)、アシルアミノ低級アルキルエステル(例えば、アセチルオキシメチルエステル)、アシルオキシ低級アルキルエステル(例えば、ピバロイルオキシメチルエステル)、アリールエステル(フェニルエステル)、アリール-低級アルキルエステル(例えば、ベンジルエステル)、置換(例えば、メチル、ハロ又はメトキシ置換基による)アリール及びアリール-低級アルキルエステル、アミド、低級アルキルアミド、ジ-低級アルキルアミド及びヒドロキシアミドが挙げられる。好ましいプロドラッグ部分は、プロピオン酸エステル及びアシルエステルである。インビボで他のメカニズムを介して活性型に変換されるプロドラッグも含まれる。
本発明のテトラサイクリン化合物のいくつかの構造は、二重結合又は不斉炭素原子を含む。このような化合物は、ラセミ体、ラセミ混合物、単一のエナンチオマー、個々のジアステレオマー、ジアステレオマー混合物、及びシス-又はトランス-又はE-又はZ-二重結合異性体形態として存在し得る。このような異性体は、古典的な分離技術によって及び立体化学的に制御された合成によって実質的に純粋な形態で得ることができる。さらに、本出願において議論される構造及び他の化合物及び部分はまた、そのすべての互変異性体を含む。
本発明はまた、SMN2 mRNAスプライシング及びSMNpレベルを調節する(例えば、増加又は減少させる)ための方法に関係する。方法は、SMN2 mRNAスプライシングが調節されるように、SMN2 mRNAをテトラサイクリン化合物と接触させることを含む。本発明のテトラサイクリン化合物によるSMN2 mRNAスプライシングの調節は、例えば、無細胞スプライシングアッセイ、細胞ジェムアッセイによって、又はウェスタンブロット、培養で増殖させたSMA患者の線維芽細胞におけるRT-PCRアッセイ、化合物投与後の細胞若しくは組織のRT-PCR分析、化合物で治療した細胞若しくは組織におけるSMNpのウェスタンブロットによって決定することができる。一実施形態において、SMN2 mRNAスプライシングを調節するためのテトラサイクリン化合物は、テトラサイクリンではない。別の実施形態において、テトラサイクリン化合物は、対象における細胞SMNタンパク質レベルを増加させる。さらに別の実施形態において、テトラサイクリン化合物は、該対象の細胞内のジェム(gems)を増加させる。当業者は、細胞内のジェムの増加はSMNタンパク質の細胞レベルの増加と相関し得ることを理解するであろう。
「調節する」、「調節すること」及び「調節」という用語には、SMN2 mRNAスプライシング若しくはSMNpレベルを増加又は減少させることが含まれる。「SMNpレベルの調節」という用語には、SMNpの発現の調節が含まれる。
一実施形態において、テトラサイクリン化合物は、mRNAスプライシング中のエクソン7インクルージョン及び/又はイントロン6の割合を増加させる。別の実施形態において、mRNAスプライシング中のエクソン7インクルージョンの割合は、実施例2に記載されているアッセイによって決定することができる。さらに別の実施形態において、テトラサイクリン化合物は、mRNAスプライシング中のエクソン7インクルージョンの割合を約4倍以上、約5倍以上、約6倍以上、約7倍以上、約8倍以上、約9倍以上、約10倍以上、約11倍以上、約12倍以上、約13倍以上、約14倍以上、約15倍以上、約16倍以上、約17倍以上、約18倍以上、約19倍以上、約20倍以上、約21倍以上、約22倍以上、約23倍以上、約24倍以上又は約25倍に増加させる。特定の一実施形態では、テトラサイクリン化合物は、SMN2のmRNAスプライシング中のエクソン7インクルージョンの割合を約2.6倍に増加させる。別の実施形態において、テトラサイクリンは、10μMの濃度で、バックグラウンドと比較して5倍より大きくエクソン7インクルージョンを増加させる。さらに別の実施形態において、テトラサイクリン化合物は、10μMの濃度で、エクソン7インクルージョンをバックグラウンドの約3%と比較して約19%増加させる。
一実施形態において、テトラサイクリン化合物の投与時に観察された最大パーセントのエクソン7インクルージョン(例えば、実施例1に記載されているように測定されたEmax)は、少なくとも約5パーセント以上、少なくとも約10パーセント以上、少なくとも約15パーセント以上、少なくとも約20パーセント以上、少なくとも約25パーセント以上、少なくとも約30パーセント以上、少なくとも約35パーセント以上、少なくとも約40パーセント以上、少なくとも約45パーセント以上、少なくとも約50パーセント以上、少なくとも約55パーセント以上、少なくとも約60パーセント以上、少なくとも約65パーセント以上、少なくとも約70パーセント以上、少なくとも約75パーセント以上、少なくとも約80パーセント以上、少なくとも約85パーセント以上、少なくとも約90パーセント以上、少なくとも約95パーセント以上又は少なくとも約100パーセントである。さらなる実施形態において、最大パーセントのエクソン7インクルージョンは、少なくとも約23%又は約30%である。
別の実施形態において、最大のエクソン7インクルージョンが観察されるテトラサイクリン化合物の最低濃度(例えば、実施例1に記載されているように測定されたCmax)は、約30μM未満、約29μM未満、約28μM未満、約27μM未満、約26μM未満、約25μM未満、約24μM未満、約23μM未満、約22μM未満、約21μM未満、約20μM未満、約19μM未満、約18μM未満、約17μM未満、約16μM未満、約15μM未満、約14μM未満、約13μM未満、約12μM未満、約11μM未満、約10μM未満、約9μM未満、約8μM未満、約7μM未満、約6μM未満、約5μM未満、約4μM未満、約3μM未満、約2μM未満又は約1μM未満である。
一実施形態では、SMNpレベルは増加され得る。別の実施形態において、対象におけるSMNpレベルは、1.8倍以上、約2倍以上、約3倍以上、約4倍以上、約5倍以上、約6倍以上、約7倍以上、約8倍以上、約9倍以上、約10倍以上、約11倍以上、約12倍以上、約13倍以上、約14倍以上、約15倍以上、約16倍以上、約17倍以上、約18倍以上、約19倍以上、約20倍以上、約21倍以上、約22倍以上、約23倍以上、約24倍以上、約25倍以上、約26倍以上、約27倍以上、約28倍以上、約29倍以上、約30倍以上、約31倍以上、約32倍以上、約33倍以上、約34倍以上、約35倍以上、約36倍以上、約37倍以上、約38倍以上、約39倍以上、約40倍以上、約41倍以上、約42倍以上、約43倍以上、約44倍以上、約45倍以上、約46倍以上、約47倍以上、約48倍以上、約49倍以上又は約50倍以上に増加させることができる。別の実施形態において、SMNpレベルは、脳が1つである中枢神経系組織において約18%増加させることができる。別の実施形態において、SMNpレベルは、脳において約40%増加させることができる。
SMA患者の大規模コホートにおける研究は、SMN2遺伝子によってコードされるタンパク質の量とSMAの臨床的重症度との間の緊密な逆相関を明らかにした。したがって、完全長SMNタンパク質レベルを増加させるためにSMN2 mRNAスプライシングを調節することは、脊髄性筋萎縮症の治療又は予防につながる可能性がある。したがって、本発明はまた、脊髄性筋萎縮症である対象を治療又は予防する方法に関係する。方法は、SMAが治療又は予防されるように、有効量のテトラサイクリン化合物を、それを必要とする対象に投与することを含む。有利には、本発明の方法において使用されるテトラサイクリン化合物は、以下の特徴のうち1つ以上を有する:1)mRNAスプライシングを調節する効力、2)SMNタンパク質レベルを調節する効力、3)中枢神経系(CNS)及び/又は脳透過性、4)光毒性の低下、並びに5)抗菌性の低下。
「脊髄性筋萎縮症」又は「SMA」という用語には、乳児SMA、SMA1型又はウェルドニッヒ・ホフマン病;中間SMA又はSMA2型;若年性SMA、SMA3型又はクーゲルベルク・ヴェランダー病;及び成人SMA又はSMA4型が含まれる。
「それを必要とする対象」という用語には、脊髄性筋萎縮症である又は脊髄性筋萎縮症を発症する危険性が高いヒト及び他の動物、例えば、哺乳動物(例えば、ネコ、イヌ、ウマ、ブタ、ウシ、ヒツジ、齧歯類、ウサギ、リス、クマ又は霊長類)が含まれる。一実施形態において、それを必要とする対象は、脊髄性筋萎縮症であるヒトである。
テトラサイクリン化合物の「有効量」という用語は、対象においてSMAを治療又は予防する、例えば、SMAの様々な症状を予防するのに必要又は十分な量である。有効量は、対象のサイズ及び体重のような因子、又は特定のテトラサイクリン化合物に応じて変化し得る。例えば、テトラサイクリン化合物の選択は、「有効量」を構成するものに影響を及ぼし得る。当業者は、上述の因子を研究し、過度の実験をすることなく、テトラサイクリン化合物の有効量に関する決定を行うことができるであろう。
投与レジメンは、有効量を構成するものに影響を及ぼし得る。テトラサイクリン化合物は、SMAの発症に先立って又は後のいずれかで対象に投与することができる。さらに、数回に分割した投与量及び時差的な投与量は、毎日若しくは順次投与されてもよく、又はその用量は、連続的に注入する、経口投与する、吸入により投与することができ、又はボーラス注射することができる。治療又は予防状況の緊急性に従って、テトラサイクリン化合物の投与量は比例的に増加又は減少させることができる。
「治療された」、「治療すること」又は「治療」という用語は、疾患、状態又は障害と闘うことを目的とした患者の管理及びケアを説明し、疾患、状態若しくは障害の症状若しくは合併症を軽減するため又は疾患、状態若しくは障害を除去するために、本発明の活性剤(例えば、前述の化合物)、又はその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、代謝産物、多形体若しくは溶媒和物を投与することが含まれる。
本明細書で使用する「予防すること」又は「予防する」という用語には、臨床的に明らかな疾患進行の発症を完全に予防すること、又はリスクのある個体における疾患の前臨床的に明白な段階の発症を予防若しくは遅らせることのいずれかが含まれる。これには、疾患を発症する危険性のある者の予防的な治療が含まれる。
「軽減する」又は「改善する」という用語は、障害の徴候又は症状の重症度を減少させるプロセスを記載することを意味する。重要なことに、徴候又は症状は除去されることなく改善され得る。好ましい実施形態において、本発明の医薬組成物の投与は、徴候又は症状の除去につながるが、除去は必要とされていない。治療上有効な投与量は、徴候又は症状の重症度を減少させることが期待されている。
「症状」という用語は、疾患、病気、傷害又は体内の何かが正常でないことの指標として定義される。症状は、症状を経験している個体によって感じられる又は気付かれるが、他人には容易に気付かれないことがある。他人は、非医療従事者として定義される。
「徴候」という用語もまた、体内の何かが正常でないことの指標として定義される。しかし、徴候は、医師、看護師又は他の医療従事者が見ることができるものとして定義される。
本発明はまた、治療上有効な量の本発明の化合物(例えば、上記に示される例示的な化合物)及び薬学的に許容される担体の医薬組成物に関する。本発明はまた、治療上有効な量の本発明の化合物(例えば、上記に示される例示的な化合物)の塩及び薬学的に許容される担体の医薬組成物に関する。本発明はまた、治療上有効な量の本発明の化合物(例えば、上記に示される例示的な化合物)のN-オキシド及び薬学的に許容される担体の医薬組成物に関する。本発明はまた、治療上有効な量の本発明の化合物(例えば、上記に示される例示的な化合物)の塩のN-オキシド及び薬学的に許容される担体の医薬組成物に関する。本発明はまた、治療上有効な量の本発明の化合物(例えば、上記に示される例示的な化合物)の水和物及び薬学的に許容される担体の医薬組成物に関する。
方法はさらに、第2の薬剤、例えば、脊髄性筋萎縮症の治療を強化し得る薬剤と組み合わせてテトラサイクリン化合物を投与することを含んでもよい。
第2の薬剤「と組み合わせて」という用語には、テトラサイクリン化合物と第2の薬剤との同時投与、最初にテトラサイクリン化合物、続いて第2の薬剤を投与すること、及び最初に第2の薬剤、続いてテトラサイクリン化合物を投与することが含まれる。第2の薬剤は、脊髄性筋萎縮症の治療、予防又は症状を軽減するために当該技術分野で知られている任意の薬剤であってもよい。さらに、第2の薬剤は、テトラサイクリン化合物の投与と組み合わせて投与された場合に、患者にとって有益である任意の薬剤であり得る。第2の薬剤の例としては、神経保護薬が挙げられる。
本発明のテトラサイクリン化合物を合成するための方法
本発明のテトラサイクリン化合物は、当該分野で認識された技術、例えば、以下のスキーム1に示されたものを用いることによって合成することができる。
スキーム1は、7-置換フェニルテトラサイクリンの一般的な合成を概説する。7-ヨードサンサイクリン誘導体(1)を、スティルカップリング又はスズキカップリングにおいて、パラジウム触媒の存在下で有機スズ誘導体又はボロン酸誘導体と反応させて、7-置換フェニル生成物(2)を形成することができる。
上述の合成経路において使用される試薬には、例えば、溶媒、試薬、触媒並びに保護基及び脱保護基試薬が含まれ得る。上述の方法はまた、所望のテトラサイクリン化合物の合成を最終的に可能にするために適切な保護基を付加又は除去するため、本明細書において具体的に説明した工程の前又は後のいずれかに工程を追加として含むことができる。また、様々な合成工程は、所望の化合物を得るために別の配列又は順序で行ってもよい。例えば、化合物(2)は、本発明の化合物を生成するために従来の化学変換によってさらに改変されてもよい。適用可能なインドール化合物の合成に有用な合成化学変換及び保護基方法論(保護及び脱保護)は、当該技術分野において既知であり、それらには、例えば、R. Larock、Comprehensive Organic Transformations、VCH Publishers (1989年);T.W. Greene及びP.G.M. Wuts、Protective Groups in Organic Synthesis、3rd Ed.、John Wiley and Sons (1999年);L. Fieser及びM. Fieser、Fieser and Fieser's Reagents for Organic Synthesis、John Wiley and Sons (1994年);L. Paquette, ed.、Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis、John Wiley and Sons (1995年)並びにこれらのその後の版に記載されているものが含まれる。
上記スキームは、例示の目的のためにのみ使用される。当業者は、本スキーム及び本明細書にて提供される実施例に鑑みて、本発明の化合物のすべてが、当該技術分野において周知である同様の方法により製造され得ることを理解するであろう。
このようにして得られた化合物は、フラッシュカラムクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、結晶化又は任意の既知の精製方法によってさらに精製することができる。
脊髄性筋萎縮症を治療するための医薬組成物
本発明はまた、少なくとも部分的に、脊髄性筋萎縮症を治療するための医薬組成物に関係する。医薬組成物は、本発明のテトラサイクリン化合物を薬学的に許容される担体と組み合わせて含む。組成物は、脊髄性筋萎縮症又はその症状を治療するための第2の薬剤をさらに含んでもよい。本明細書に記載のテトラサイクリン化合物のそれぞれは、本発明の医薬組成物において使用され得る。
「医薬組成物」という用語には、哺乳動物、例えば、ヒトへの投与に適した製剤が含まれる。本発明の化合物が、医薬品として哺乳動物、例えば、ヒトに投与される場合、それらは、それ自体、又は薬学的に許容される担体と組み合わせて、例えば、0.1から99.5%(より好ましくは、0.5から90%)の活性成分を含有する医薬組成物として投与することができる。
「薬学的に許容される担体」という語句は、当該分野で認識されており、哺乳動物に本発明の化合物を投与するのに適した薬学的に許容される物質、組成物又はビヒクルが含まれる。担体には、1つの器官又は身体の一部から別の器官又は身体の一部に対象の薬剤を運ぶ又は輸送することに関与する液体若しくは固体充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒又は封入材料が含まれる。各担体は、製剤の他の成分と適合しているという意味で「許容可能」であり、患者に有害でないものでなければならない。薬学的に許容される担体として機能することができる材料のいくつかの例としては、ラクトース、グルコース及びスクロースなどの糖;トウモロコシデンプン及びジャガイモデンプンなどのデンプン;セルロース、並びにカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及び酢酸セルロースなどのその誘導体;トラガント末;麦芽;ゼラチン;タルク;ココアバター及び坐剤ワックスなどの賦形剤;落花生油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油及び大豆油などの油;プロピレングリコールなどのグリコール;グリセリン、ソルビトール、マンニトール及びポリエチレングリコールなどのポリオール;オレイン酸エチル及びラウリン酸エチルなどのエステル;寒天;水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;アルギン酸;発熱物質を含まない水;等張生理食塩水;リンゲル液;エチルアルコール;リン酸緩衝液;並びに医薬製剤に用いられる他の非毒性の適合性の物質が挙げられる。
湿潤剤、乳化剤及びラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、並びに着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味料、香味剤、芳香剤、保存剤及び抗酸化剤も組成物中に存在することができる。
薬学的に許容される抗酸化剤の例としては、アスコルビン酸、塩酸システイン、重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなどの水溶性抗酸化剤;パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、α-トコフェロールなどの油溶性抗酸化剤;クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸などの金属キレート剤が挙げられる。
本発明の製剤には、経口、経鼻、局所、経皮、脊髄、頬側、舌下、直腸、膣、肺及び/又は非経口投与に適したものが含まれる。製剤は、便利に単位剤形で提供されてもよく、薬学の当該技術分野において周知の任意の方法によって調製されてもよい。単一剤形を製造するために担体材料と組み合わせることができる活性成分の量は、一般に、治療効果を生じる化合物の量であろう。一般に、この量は、100パーセントのうち、約1パーセントから約99パーセント、好ましくは約5パーセントから約70パーセント、最も好ましくは約10パーセントから約30パーセントの範囲の活性成分である。
これらの製剤又は組成物を調製する方法は、本発明の化合物を担体及び場合によって1つ以上の補助成分と組み合わせる工程を含む。一般に、製剤は、本発明の化合物を液体担体若しくは微粉固体担体、又は両方と均一かつ密接に組み合わせて、次に、必要に応じて生成物を成形することによって調製される。
経口投与に適した本発明の製剤は、カプセル剤、カシェ剤、丸剤、錠剤、トローチ剤(通常はスクロース及びアカシア又はトラガカントの香味基剤を用いる)、粉末、顆粒の形態であってもよく、又は水性若しくは非水性液体の溶液若しくは懸濁液として、又は水中油型若しくは油中水型の液体エマルジョンとして、又はエリキシル若しくはシロップとして、又は香錠(ゼラチン及びグリセリン、又はスクロース及びアカシアなどの不活性基剤を用いる)として、及び/又はマウスウォッシュなどとしてであってもよく、それぞれ活性成分として所定量の本発明の化合物を含有する。本発明の化合物はまた、ボーラス、舐剤又はペーストとして投与されてもよい。
経口投与(カプセル剤、錠剤、丸剤、糖衣錠、散剤、顆粒など)のための本発明の固体剤形において、活性成分は、クエン酸ナトリウム又はリン酸二カルシウムなど1つ以上の薬学的に許容される担体、及び/又は以下のいずれかと混合される:デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール及び/又はケイ酸などの充填剤又は増量剤;カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース及び/又はアカシアなどの結合剤;グリセロールなどの保湿剤;寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモ若しくはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩及び炭酸ナトリウムなどの崩壊剤;パラフィンなどの溶解遅延剤;第4級アンモニウム化合物などの吸収促進剤;例えば、セチルアルコール及びグリセロールモノステアレートなどの湿潤剤;カオリン及びベントナイト粘土などの吸収剤;タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム及びこれらの混合物などの潤滑剤;並びに着色剤。カプセル剤、錠剤及び丸剤の場合、医薬組成物はまた、緩衝剤を含んでもよい。同様のタイプの固体組成物は、ラクトース又は乳糖、及び高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を使用して、軟質及び硬質充填ゼラチンカプセル剤において充填剤として用いることもできる。
錠剤は、場合によって、1つ以上の補助成分とともに、圧縮又は成形することによって製造されてもよい。圧縮錠剤は、結合剤(例えば、ゼラチン又はヒドロキシプロピルメチルセルロース)、潤滑剤、不活性希釈剤、防腐剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウム又は架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、表面活性剤又は分散剤を用いて調製することができる。湿製錠剤は、適切な機械において不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を成形することによって製造することができる。
錠剤及び本発明の医薬組成物の糖衣錠、カプセル剤、丸剤及び顆粒などの他の固体剤形は、場合によって、医薬品配合の分野において周知の腸溶性コーティング及び他のコーティングなどのコーティング並びにシェルを用いて刻み目を付ける又は調製することができる。それらはまた、その中の活性成分が徐放又は制御されて放出されるように、例えば、所望の放出プロファイル、他のポリマーマトリックス、リポソーム及び/又はミクロスフェアを提供するために様々な割合でヒドロキシプロピルメチルセルロースを用いて製剤化することができる。それらは、例えば、細菌保持フィルターを介するろ過により、又は使用直前に滅菌水又は他の滅菌注射用媒体に溶解し得る滅菌固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことにより滅菌することができる。これらの組成物はまた、場合によって、不透明化剤を含有してもよく、場合によって、遅延して、胃腸管の特定の部分においてのみ又は優先的に、活性成分を放出する組成物であってもよい。使用できる包埋組成物の例としては、ポリマー物質及びワックスが挙げられる。活性成分はまた、適切な場合には、1つ以上の上記賦形剤とともに、マイクロカプセル化形態であり得る。
本発明の化合物を経口投与するための液体剤形としては、薬学的に許容されるエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ及びエリキシルが挙げられる。活性成分に加えて、液体剤形は、当該技術分野で一般的に用いられる不活性希釈剤、例えば、水又は他の溶媒、可溶化剤及び乳化剤など、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、油(特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコール及びソルビタンの脂肪酸エステル、並びにこれらの混合物を含み得る。
不活性希釈剤に加えて、経口組成物はまた、湿潤剤、乳化及び懸濁剤、甘味料、香味料、着色剤、芳香剤並びに防腐剤などのアジュバントを含むことができる。
活性化合物に加えて、懸濁液は、懸濁化剤、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天及びトラガント並びにこれらの混合物などを含んでもよい。
直腸又は膣内投与用の本発明の医薬組成物の製剤は、坐剤として提供されてもよく、例えば、ココアバター、ポリエチレングリコール、坐剤ワックス又はサリチル酸塩を含む1つ以上の適切な非刺激性賦形剤又は担体と本発明の1つ以上の化合物を混合することによって調製されてもよく、室温で固体であるが体温で液体であり、したがって、直腸又は膣腔で融解して活性化合物を放出する。
膣内投与に適した本発明の製剤には、当該技術分野において適切であることが既知であるような担体を含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム又はスプレー製剤も含まれる。
本発明の化合物の局所又は経皮投与用の剤形には、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチ及び吸入剤が含まれる。活性化合物は、無菌条件下で、薬学的に許容される担体、及び必要とされ得る任意の防腐剤、緩衝剤又は噴射剤と混合することができる。
軟膏、ペースト、クリーム及びゲルは、本発明の活性化合物に加えて、動物及び植物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルク並びに酸化亜鉛、又はこれらの混合物などの賦形剤を含有してもよい。
粉末及びスプレーは、本発明の化合物に加えて、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム及びポリアミド粉末、又はこれらの物質の混合物などの賦形剤を含有することができる。スプレーは、さらに、クロロフルオロ炭化水素などの通常の噴射剤、並びにブタン及びプロパンなどの揮発性非置換炭化水素を含有することができる。スプレーは、さらに、機械的、電気的、又は当該技術分野で既知の他の方法によって送達され得る。
経皮パッチは、身体への本発明の化合物の制御送達を提供するというさらなる利点を有する。このような剤形は、化合物を適切な媒体に溶解又は分散させることによって製造することができる。吸収促進剤もまた、皮膚を通る化合物の流動を増大させるために使用され得る。このような流動の速度は、速度制御膜を提供する又はポリマーマトリックス若しくはゲル中に活性化合物を分散させることによって制御することができる。
非経口投与に適した本発明の医薬組成物は、1つ以上の本発明の化合物を、1つ以上の薬学的に許容される滅菌等張水溶液若しくは非水溶液、分散液、懸濁液若しくはエマルジョン、又は使用直前に滅菌注射用溶液若しくは分散液中に再構成され得る滅菌粉末と組み合わせて含み、これらは抗酸化剤、緩衝剤、静菌薬、製剤を意図されるレシピエントの血液と等張にする溶質、又は懸濁若しくは増粘剤を含有し得る。
本発明の医薬組成物において用いることができる適切な水性及び非水性担体の例としては、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)及びこれらの適切な混合物、オリーブ油などの植物油、並びにオレイン酸エチルなどの注射用有機エステルを挙げることができる。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング材料の使用によって、分散液の場合は必要な粒子サイズの維持によって、及び界面活性剤の使用によって維持することができる。
これらの組成物はまた、防腐剤、湿潤剤、乳化剤及び分散剤などのアジュバントを含有してもよい。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤、抗寄生虫剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸などを含めることによって確実にされ得る。また、組成物に糖、塩化ナトリウムなどの等張剤を含むことが望ましい場合がある。加えて、注射用医薬形態の持続的吸収は、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンなどの吸収を遅延させる薬剤を含めることによってもたらされ得る。
いくつかの場合において、薬物の効果を延長するために、皮下又は筋肉内注射からの薬物の吸収を遅くすることが望ましい。これは、水溶性が低い結晶又は非晶質材料の液体懸濁液を使用することによって達成できる。その場合、薬物の吸収速度は、同様に結晶サイズ及び結晶形態に依存し得るその溶解速度に依存する。あるいは、非経口投与された薬物形態の遅延吸収は、薬物を油ビヒクルに溶解又は懸濁することによって達成され得る。組成物はまた、その除去が当該技術分野で既知の方法によって遅延されるように製剤化することができる。
注射用デポー形態は、ポリラクチド-ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中において対象化合物のマイクロカプセルマトリックスを形成することによって製造される。ポリマーに対する薬物の比率及び用いられる特定のポリマーの性質に応じて、薬物放出の速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)及びポリ(無水物)が挙げられる。デポー注射用製剤は、身体組織に適合するリポソーム又はマイクロエマルジョン中に薬物を閉じ込めることによっても調製される。
本発明の製剤は、経口的、非経口的、局所的又は経直腸的に投与され得る。それらはもちろん、各投与経路に適した形態で投与される。例えば、それらは、錠剤又はカプセル剤形態で、注射、吸入、目薬、軟膏、坐剤等、注射、点滴又は吸入による投与;ローション又は軟膏による局所投与;及び坐剤による直腸投与によって投与される。経口投与又は吸入による投与が好ましい。
本明細書で使用する「非経口投与」及び「非経口に投与される」という語句は、通常は注射による、経腸及び局所投与以外の投与様式を意味し、限定するものではないが、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内脊椎、穿刺を介した投与、被膜下、くも膜下、脊髄内及び胸骨内注射並びに注入が含まれる。
本明細書で使用する「全身投与」、「全身に投与される」、「末梢投与」、「末梢に投与される」という語句は、中枢神経系に直接的に投与する以外の化合物、薬物又は他の物質の投与であり、患者の系に入り、したがって代謝及び他の同様のプロセスの対象となるもの、例えば、皮下投与を意味する。
これらの化合物は、経口、スプレーなどによる経鼻、直腸内、膣内、非経口、大槽内、及び粉末、軟膏又はドロップなどによる頬側及び舌下を含めた局所を含む任意の適切な投与経路により、ヒト及び他の動物に治療の目的で投与され得る。投与のための他の方法には、吸入、髄腔内若しくは脳室内注射又は注入を介するものが含まれる。
本発明のテトラサイクリン化合物はまた、ステントを介して対象に投与されてもよい。化合物は、ステントを介して投与されてもよく、ステント自体に含浸させてもよい。
選択した投与経路にかかわらず、適切な水和形態で使用することができる本発明の化合物及び/又は本発明の医薬組成物は、当業者に既知の従来の方法によって薬学的に許容される剤形に製剤化される。
本発明の医薬組成物中の活性成分の実際の投与量レベルは、患者にとって毒性となることなく、特定の患者、組成物及び投与様式について所望の治療応答を達成するために有効な量の活性成分が得られるように変えてもよい。
選択される投与量レベルは、用いられる本発明の特定の化合物又はそのエステル、塩若しくはアミドの活性、投与経路、投与時間、用いられた特定の化合物の排出速度、治療の持続時間、用いられる特定の化合物と組み合わせて使用される他の薬物、化合物及び/又は材料、治療される患者の年齢、性別、体重、状態、一般的健康状態及び従前の病歴、並びに医学分野において既知の同様の因子を含む様々な因子に依存するであろう。
当該技術分野における通常の技術を有する医師は、必要な医薬組成物の有効量を容易に決定及び処方することができる。例えば、医師又は獣医師は、所望の治療効果を達成するために、医薬組成物において用いられる本発明の化合物の用量を必要とされるよりも低いレベルで開始し、所望の効果が達成されるまで投与量を徐々に増加させることができる。
一般に、本発明の化合物の適切な日用量は、治療効果を生じるのに有効な最低用量である化合物の量であろう。そのような有効用量は、一般に上記の因子に依存する。一般に、患者に対する本発明の化合物の静脈内及び皮下用量は、1日当たり体重1kg当たり約0.0001から約100mg、より好ましくは1日当たり体重1kg当たり約0.01から約50mg、さらにより好ましくは1日当たり体重1kg当たり約1.0から約100mgの範囲である。有効量は、脊髄性筋萎縮症を治療する量である。
必要ならば、活性化合物の有効な日用量は、1日を通して適切な間隔で別個に投与される2、3、4、5、6又はそれ以上のサブ用量として、場合によって単位剤形で投与され得る。
本発明の化合物を単独で投与することは可能であるが、医薬組成物として化合物を投与することが好ましい。
前述したように、本発明の化合物の特定の実施形態は、アミノ又はアルキルアミノなどの塩基性官能基を含有してもよく、したがって、薬学的に許容される酸とともに薬学的に許容される塩を形成することが可能である。「薬学的に許容される塩」という用語は、当該分野で認識されており、本発明の化合物の比較的非毒性の無機及び有機酸付加塩が含まれる。これらの塩は、本発明の化合物の最終単離及び精製中にインサイチュで、又は遊離塩基形態の本発明の精製化合物を適切な有機酸若しくは無機酸と別個に反応させ、このように形成された塩を単離することによって調製することができる。代表的な塩としては、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナフチル酸塩、メシル酸塩、グルコヘプトン酸塩、ラクトビオン酸塩及びラウリルスルホン酸塩などが挙げられる。(例えば、Bergeら(1977年)「Pharmaceutical Salts」、J. Farm. SCI. 66:1〜19を参照のこと)。
他の場合において、本発明の化合物は、1つ以上の酸性官能基を含有してもよく、したがって、薬学的に許容される塩基とともに薬学的に許容される塩を形成することが可能である。これらの場合における「薬学的に許容される塩」という用語には、本発明の化合物の比較的非毒性の無機及び有機塩基付加塩が含まれる。これらの塩も同様に、化合物の最終単離及び精製中にインサイチュで、又は薬学的に許容される金属カチオンの水酸化物、炭酸塩若しくは重炭酸塩などの適切な塩基、アンモニア、若しくは薬学的に許容される有機一級、二級若しくは三級アミンと遊離酸形態の精製化合物を別個に反応させることによって調製することができる。代表的なアルカリ又はアルカリ土類塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム及びアルミニウム塩などが挙げられる。塩基付加塩の形成に有用な代表的な有機アミンとしては、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジンなどが挙げられる。
「薬学的に許容されるエステル」という用語は、本発明の化合物の比較的非毒性のエステル化生成物を意味する。これらのエステルは、化合物の最終単離及び精製中にインサイチュで、又は遊離酸形態若しくはヒドロキシルの精製化合物を適切なエステル化剤と別個に反応させることにより調製することができる。カルボン酸は、触媒の存在下でアルコールでの処理を介してエステルに変換することができる。ヒドロキシルは、アルカノイルハライドなどのエステル化剤での処理を介してエステルに変換することができる。また、この用語には、生理学的条件、例えば、アルキルエステル、メチル、エチル及びプロピルエステル下で溶媒和され得る低級炭化水素基が含まれる。(例えば、Bergeら、上記を参照のこと。)
本発明はまた、少なくとも部分的に、本発明のテトラサイクリン化合物及び該化合物を脊髄性筋萎縮症の治療に使用するための指示書を含むパッケージされた組成物に関係する。
本発明の化合物は、インビトロ又はインビボでSMN2 mRNAスプライシング又はSMNpのレベルを調節するそれらの活性について試験することができる(以下の実施例2を参照のこと)。SMAの治療における化合物の活性は、インビボでのSMAの動物モデル(例えば、マウス)を用いて評価することができる。下記の具体例を参照のこと。
本発明を以下の実施例によりさらに説明するが、これらはさらなる限定として解釈されるべきではない。本出願を通じて引用されるすべての参考文献、係属中の特許出願及び公開特許の内容は、引用することにより本明細書に明白に組み込まれる。
[実施例1]
(4S,4aS,5aR,12aS)-4-ジメチルアミノ-7-[3-(2-ジメチルアミノ-エチルカルバモイル)-4-フルオロ-フェニル]-3,10,12,12a-テトラヒドロキシ-1,11-ジオキソ-1,4,4a,5,5a,6,11,12a-オクタヒドロ-ナフタセン-2-カルボン酸アミド(化合物1)の合成
7-ヨードサンサイクリン・TFA塩の調製
TFA3.6Lを熱電対、アルゴン導入口及びオーバーヘッドスターラーを備えた丸底フラスコに投入した。サンサイクリン水和物600gをフラスコに少しずつ投入し、15分間撹拌した。フラスコを氷/水に入れ、8℃未満に冷却した。N-ヨードスクシンイミド(NIS)270gを5〜10分にわたって反応混合物に加えた。反応混合物を15〜20分間撹拌した後、NISの別の108gを添加した。混合物を室温まで温め、一晩撹拌した。HPLCが反応の完了を確認した後、混合物をセライトのベッドを介してろ過し、TFA100mlで洗浄した。反応混合物を減圧下で約1/2容量に濃縮した。得られた濃縮物をイソプロパノール1.5LとEtOAc13.5Lの混合物に注いだ。ナスフラスコを200mlのEtOAcで洗浄し、溶液に加え、次いで7-ヨードサンサイクリン・TFA塩結晶を播種した。3〜20時間撹拌した後、沈殿物をろ過し、t-ブチルメチルエーテル3×500mlで洗浄した。得られた物質を減圧下で一定重量になるまで乾燥させた。835gの7-ヨードサンサイクリン・TFA塩(収率91%)をHPLCにより純度96%で単離した。
化合物Aの調製
7-ヨードサンサイクリン・TFA塩120g、1.2当量の3-カルボキシ 4-フルオロベンゼンボロン酸、15%DPPF及び5当量のNa2CO3を丸底フラスコに投入した。ジオキサンを添加し、スラリーを20分間撹拌した。透明な溶液が観察された時点で、水を20分にわたって少しずつ添加した。反応を真空下に置き、アルゴンで3回脱気した。反応を60〜65℃に加熱した。反応は2時間で完了した。反応混合物を、室温まで冷却し、ろ過し、次いで3倍容のアセトニトリル中で沈殿させた。得られたケーキをアセトニトリルで2回洗浄し、次いで減圧下で一定重量に乾燥させた。138gの化合物AをHPLCにより純度88%で単離した。
化合物1の調製
100gの化合物Aを700/300mLのDMF/THF中で撹拌し、出発物質の溶解を助けるためにHClを用いてpH1〜2に酸性化した。いったん出発物質が溶解すると、ジイソプロピルエチルアミンでpHを6に調整し、O-ベンゾトリアゾール-N,N,N',N'-テトラメチル-ウロニウム-ヘキサフルオロ-ホスフェート(HBTU)125gを添加する前に、混合物を氷浴を介して0〜5℃に冷却した。反応を20分間10℃で撹拌した。次いで、ジメチルアミノエチレンアミン100mL(920mmol)を添加漏斗を用いて滴下添加し、室温で90分間撹拌し、HPLCによって反応が完了した。反応溶液をイソプロパノール1000mLで希釈した後、ゆっくりとt-ブチルメチルエーテル6000mLに添加し、粗生成物を沈殿させた。得られた沈殿物をろ過し、t-ブチルメチルエーテル2500mLで2回すすぎ、ラテックス下で一晩吸引乾燥させて、分取クロマトグラフィーにより精製される砂状の黄色粉末153gを得た。分取分画をpH7.5のジクロロメタンで抽出し、濃縮乾固した。乾燥濃縮物をMeOHに再溶解し、HClでpH1.1に酸性化し、濃縮乾固して化合物1・HCl塩(16.50g、HPLCによる純度=95.27%)を得た。
1H-NMR(Bruker DPX300 300 MHz分光計、0ppmの内部標準としてTMSを用いたppmでの化学シフト)δ 1.40〜1.60 (m, 1H), 2.0〜2.15 (m, 1H), 2.40〜2.56 (m, 1H), 2.88〜3.10 (m, 15H), 3.35〜3.45 (m, 2H), 3.75〜3.85 (m, 2H), 4.05 (s, 1H), 6.85〜6.95 (m, 1H), 7.2〜7.35 (m, 1H), 7.38〜7.51 (m, 2H), 7.70〜7.75 (m, 1H)。MS (ESI) m/z 623 (M+H)。
[実施例2]
生物学的アッセイ
無細胞系におけるSMN2 mRNAスプライシングのインビトロ補正
エクソン6、7及びエクソン8の5'末端及び介在イントロンのみを含有するSMN2ミニ遺伝子からインビトロで調製されたSMN2 mRNA前駆体をHeLa細胞核抽出物及び化合物1とともにインキュベートした。得られたスプライスされたmRNA生成物をRT-PCRにより増幅し、ゲル電気泳動によって分離した。切断SMN2 mRNAに対する完全長の比を測定した。図1に示すように、化合物1は、SMN2 mRNA前駆体の異常スプライシングを用量依存的にうまく補正して、mRNA前駆体から産生される完全長SMN2 mRNAの量を2倍超にした。これらのレベルは、ポジティブコントロールとして添加されたSMN1 mRNA前駆体から産生される完全長mRNAの量に近づいた。
I型SMA患者の細胞におけるスプライシングの補正及び機能性SMNタンパク質の増加
SMA患者の線維芽細胞(細胞株3813)を化合物1の存在下で24時間インキュベートし、完全長及び切断SMN2 mRNAのレベルをRT-PCR及び細胞抽出物のゲル電気泳動によって測定した。図2に示すように、化合物は、SMA患者の細胞において産生された切断SMN2 mRNAに対する完全長の割合を用量依存的に増加させた。観察された増加は、切断型に対してほぼ3倍の量の完全長SMN2 mRNAに相当した。
ELISA技術を用いて、治療された患者の細胞からの細胞抽出物を、SMNタンパク質レベルについて分析した。図3は、20又は40μMで治療されたSMA患者の細胞内の機能性SMNタンパク質のレベルは、未治療の細胞のものに対して1.8倍に増加したことを示している。
マウスにおけるインビボ血漿、組織及びCNS曝露
化合物1を全身的及び連続的な脳室内注入によってマウスに投与し、化合物の薬物動態及び予備的安全性を評価した。全身経路により、化合物1は、8日間、50mg/kgの最大日用量を含む試験されたすべての用量で忍容性が良好であった。10mg/kgの単回静脈内投与の後、血漿中の化合物1の濃度は、SMA患者の細胞アッセイにおいて試験されたレベルに達し、24時間血漿中で検出可能なままであった。重要な組織浸透は、筋肉及び肝臓において、それぞれ、24時間後に血漿よりも3倍及び20倍高いままの化合物レベルで観察された。これらの結果を図4に示す。化合物1は、血漿中約22%のレベルでの全身投与後に脳内でも検出された。表1を参照のこと。
マウスのCNSへの直接投与は、連続的なポンプ注入(8mg/kg)の6日間忍容性が良好であり、化合物1のレベルはSMA患者の細胞アッセイにおいて試験されたものを十分に超える濃度に達した。患者の細胞中の10〜20μMでの活性と比較して、6日目のマウスの脳内の平均濃度は204μM(又は127μg/mL)であった。図2及び図3を参照のこと。
ヒトSMN2導入遺伝子(hSMN2)を含有するマウスにおけるSMN2 mRNAスプライシングの補正及びSMNタンパク質レベルの増加
インビボでの一連の実験は、ヒトSMN2遺伝子を持ち、発現する成体トランスジェニックマウス(Burghes原株として既知のマウス)を用いて行った。Monani, U.R.ら、The human centromeric survival motor neuron gene (SMN2) rescues embryonic lethality in Smn (-/-) mice and results in a mouse with spinal muscular atrophy.2000年、Hum. Mol. Genet.、9(3):333〜9を参照のこと。成体hSMN2トランスジェニックマウスにおいて、化合物1を脳室内(i.c.v.)注入によって6日間右側脳室に投与した。マウスの脳組織におけるSMN2 mRNA前駆体のスプライシングは有意に補正され、エクソン7のインクルージョンを、未治療動物において10%未満から60%超に増加させた(切断mRNAに対する完全長の比において600%を超える増加)ことが観察された。表2を参照のこと。脳組織におけるhSMNタンパク質の有意な増加も観察された(未治療の対照動物よりも57%の増加)。
同じSMN2トランスジェニックマウス株における8日間の化合物1の全身投与(腹腔内、i.p.)もhSMNタンパク質レベルを高めた。肝臓組織において、SMNタンパク質レベルは、治療マウスでは未治療対照よりも165%増加した。脳において、SMNタンパク質レベルは、化合物1で全身的に治療したマウスでは18〜44%増加した。表2も参照のこと。
(4S,4aS,5aR,12aS)-4-ジメチルアミノ-7-[3-(2-ジメチルアミノメチル)-4-メトキシ-フェニル]-3,10,12,12a-テトラヒドロキシ-1,11-ジオキソ-1,4,4a,5,5a,6,11,12a-オクタヒドロ-ナフタセン-2-カルボン酸アミドについてもまた、このアッセイにおいて試験した。結果は、8mg/kg/日の用量で、SMN mRNA完全長/切断の比は83%、hSMNタンパク質の増加は11%であったことを示している。脳内のこの化合物の濃度は100μM(化合物1の200μMと比較して)であり、脳内の濃度と血漿中濃度の比は8%(化合物1の29%と比較して)である。
新生仔SMN2トランスジェニックマウスにおける忍容性及びSMN2スプライシングの補正
化合物1は、SMN2及びSMN2Δ7導入遺伝子を含有する新生仔マウスにおける安全性及びSMN2スプライシングを補正する能力について試験した。Le, T.T.,ら、Hum. Mol. Genet.、2005年、14(6):845〜57を参照のこと。野生型hSMN2;SMN2Δ7マウスの腹腔内に化合物1の25又は50mg/kgを生後3日目に開始して8日継続して投与した。治療されたマウスの脳において、化合物は両方の用量で忍容性が良好であり、両方の用量でSMN2 mRNAのスプライシングを有意に補正した。脳組織におけるSMN2 mRNAのRT-PCRは、化合物1がエクソン7のインクルージョンを未治療動物における29%から高用量群における92%くらいの高さまで増加させることを明らかにした。結果を図5に示す。
重度のSMAのマウスモデルにおける生存期間の改善
化合物1を、重度のI型SMAのマウスモデルにおける生存期間を延長し運動機能を改善する能力について試験した。マウスSMN遺伝子を欠くが、ヒトSMN2及びSMN2Δ7導入遺伝子を含有する新生仔マウスを使用した。これらのマウスは、通常、出生直後にSMA様疾患を発症し、疾患に屈する前に平均13日間生きる。化合物1は、腹腔内経路を介して生後3日目から開始して死亡まで毎日継続して投与した。図6に示すように、化合物1は、25mg/kgの用量で、SMAマウスの生存期間を未治療の対照動物よりも42%又は6日増加させ有意に改善した。15mg/kgの低用量で、生存期間の統計的な増加も観察された(25%の生存期間増加)。また、運動機能及び体重の改善が、治療マウスにおいて認められた。また、化合物1を、出生日(P0)、生後3日目、最後に生後7日目に、脳室内注射によってSMAマウスに投与した。2.0mg/kg及び0.7mg/kgの用量を投与し、生存期間及び運動表現型をモニターした。両方の用量は、疾患発症を4日遅延し、0.7mg/kgは生存期間中央値を7%有意に改善した(図7)。運動機能及び体重の改善も認められた。
均等物
当業者は、本明細書に記載の特定の実施形態及び方法に対する多くの均等物を認識し、又は日常的な実験のみを用いて確認し得る。このような均等物は、以下の特許請求の範囲によって包含されることが意図される。
本明細書で引用したすべての特許、特許出願及び参考文献は、引用することにより本明細書に明白に組み込まれる。
(付記)
(付記1)
式(I):
(式中、
Xは、CR 6 R 6' 、C=CR 6 R 6' 、NR 6" 、O又はSであり;
R 2 、R 2' 及びR 6" のそれぞれは、独立して、水素、ハロ又はR i であり;R i は、C 1 〜C 6 アルキル、C 2 〜C 6 アルケニル、C 2 〜C 6 アルキニル、C 3 〜C 8 シクロアルキル、3〜8員のヘテロシクロアルキル、アリール、へテロアリール、C 1 〜C 6 アルコキシ、C 1 〜C 6 アルキルカルボニル、アリールカルボニル、C 1 〜C 6 アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、C 1 〜C 6 アルキルスルホニル、アリールスルホニル又はアリールアルキルであり;
R 3 、R 10 、R 11 及びR 12 のそれぞれは、独立して、水素又はR ii であり;R ii は、C 1 〜C 6 アルキル、C 2 〜C 6 アルケニル、C 2 〜C 6 アルキニル、C 3 〜C 8 シクロアルキル、3〜8員のヘテロシクロアルキル、アリール、へテロアリール、C 1 〜C 6 アルキルカルボニル、アリールカルボニル、C 1 〜C 6 アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、C 1 〜C 6 アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アリールアルキル又はプロドラッグ部分であり;
R 4 、R 4' 、R 5 、R 5' 、R 6 、R 6' 、R 8 、R 9 、R 13 、R 14 及びR 15 のそれぞれは、独立して、水素、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、チオール又はR iii であり;R iii は、C 1 〜C 6 アルキル、C 2 〜C 6 アルケニル、C 2 〜C 6 アルキニル、アリール、へテロアリール、C 3 〜C 8 シクロアルキル、3〜8員のヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、C 1 〜C 6 アルキルオキシ、C 3 〜C 8 シクロアルキルオキシ、3〜8員のヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、C 1 〜C 6 アルキルチオ、アリールチオ、C 1 〜C 6 アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、C 1 〜C 6 アルキルスルホニル、アリールスルホニル、C 1 〜C 6 アルキルアミノ、アリールアミノ、ジ-C 1 〜C 6 アルキルアミノ、ジアリールアミノ、C 1 〜C 6 アルキルカルボニル、C 3 〜C 8 シクロアルキルカルボニル、3〜8員のヘテロシクロアルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、C 1 〜C 6 アルキルカルボキシル、C 3 〜C 8 シクロアルキルカルボキシル、3〜8員のヘテロシクロアルキルカルボキシル、アリールカルボキシル、ヘテロアリールカルボキシル、C 1 〜C 6 アルキルオキシカルボニル、C 3 〜C 8 シクロアルキルオキシカルボニル、3〜8員のヘテロシクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、C 1 〜C 6 アルキルカルバミド、C 3 〜C 8 シクロアルキルカルバミド、3〜8員のヘテロシクロアルキルカルバミド、アリールカルバミド、ヘテロアリールカルバミド、C 1 〜C 6 アルキルカルバミル、C 3 〜C 8 シクロアルキルカルバミル、3〜8員のヘテロシクロアルキルカルバミル、アリールカルバミル又はヘテロアリールカルバミルであり;
Wは、ハロ、アルキル、アミノ、シアノ、ニトロ、C 1 〜C 6 アルコキシ、ヒドロキシル又はチオールであり;
Yは、O又はNR 7a であり;
Lは、C 1〜6 アルキレンであり;
Zは、OR 7b 、SR 7b 又はNR 7b R 7c であり;
R 7a 、R 7b 及びR 7c のそれぞれは、独立して、水素、ハロ又はR iv であり、R iv は、C 1 〜C 6 アルキル、C 2 〜C 6 アルケニル、C 2 〜C 6 アルキニル、C 3 〜C 8 シクロアルキル、3〜8員のヘテロシクロアルキル、アリール、へテロアリール、C 1 〜C 6 アルコキシ、C 1 〜C 6 アルキルカルボニル、アリールカルボニル、C 1 〜C 6 アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、C 1 〜C 6 アルキルスルホニル、アリールスルホニル又はアリールアルキルであり;
式中、R i 、R ii 、R iii 及びR iv のそれぞれは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、アミノ、チオール、C 1 〜C 6 アルキル、C 2 〜C 6 アルケニル、C 2 〜C 6 アルキニル、アリール、へテロアリール、C 3 〜C 8 シクロアルキル、3〜8員のヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、C 1 〜C 6 アルキルオキシ、C 3 〜C 8 シクロアルキルオキシ、3〜8員のヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、C 1 〜C 6 アルキルチオ、アリールチオ、C 1 〜C 6 アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、C 1 〜C 6 アルキルスルホニル、アリールスルホニル、C 1 〜C 6 アルキルアミノ、アリールアミノ、ジ-C 1 〜C 6 アルキルアミノ、ジアリールアミノ、C 1 〜C 6 アルキルカルボニル、C 3 〜C 8 シクロアルキルカルボニル、3〜8員のヘテロシクロアルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、C 1 〜C 6 アルキルカルボキシル、C 3 〜C 8 シクロアルキルカルボキシル、3〜8員のヘテロシクロアルキルカルボキシル、アリールカルボキシル、ヘテロアリールカルボキシル、C 1 〜C 6 アルキルオキシカルボニル、C 3 〜C 8 シクロアルキルオキシカルボニル、3〜8員のヘテロシクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、C 1 〜C 6 アルキルカルバミド、C 3 〜C 8 シクロアルキルカルバミド、3〜8員のヘテロシクロアルキルカルバミド、アリールカルバミド、ヘテロアリールカルバミド、C 1 〜C 6 アルキルカルバミル、C 3 〜C 8 シクロアルキルカルバミル、3〜8員のヘテロシクロアルキルカルバミル、アリールカルバミル及びヘテロアリールカルバミルからなる群から選択される1つ以上の置換基で場合によって置換されている)
の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(付記2)
XがCR 6' R 6 であり;R 4 がNR 4a R 4b であり;R 4a 及びR 4b がそれぞれ、C 1 〜C 6 アルキルであり、R 2 、R 2' 、R 3 、R 4' 、R 5 、R 5' 、R 6 、R 6' 、R 8 、R 9 、R 10 、R 11 、R 12 、R 13 、R 14 及びR 15 がそれぞれ水素である、付記1に記載の化合物。
(付記3)
YがNR 7a であり、R a がHである、付記2に記載の化合物。
(付記4)
LがC 2〜3 アルキレンである、付記3に記載の化合物。
(付記5)
Lが-CH 2 CH 2 -である、付記4に記載の化合物。
(付記6)
ZがOR 7b であり、R 7b がC 1 〜C 6 アルキルである、付記5に記載の化合物。
(付記7)
ZがNR 7b R 7c であり、R 7b 及びR 7c のそれぞれが、独立して、水素又はC 1 〜C 6 アルキルである、付記5に記載の化合物。
(付記8)
R 7b 及びR 7c のそれぞれがメチルである、付記7に記載の化合物。
(付記9)
WがF、Cl又はIである、付記8に記載の化合物。
(付記10)
WがFである、付記9に記載の化合物。
(付記11)
WがF、Cl又はIである、付記1に記載の化合物。
(付記12)
WがFである、付記11に記載の化合物。
(付記13)
YがNR 7a であり、R a がHである、付記12に記載の化合物。
(付記14)
LがC 2〜3 アルキレンである、付記13に記載の化合物。
(付記15)
Lが-CH 2 CH 2 -である、付記14に記載の化合物。
(付記16)
ZがOR 7b であり、R 7b がC 1 〜C 6 アルキルである、付記15に記載の化合物。
(付記17)
ZがNR 7b R 7c であり、R 7b 及びR 7c のそれぞれが、独立して、水素又はC 1 〜C 6 アルキルである、付記15に記載の化合物。
(付記18)
R 7b 及びR 7c のそれぞれがメチルである、付記17に記載の化合物。
(付記19)
YがNR 7a であり、R a がHである、付記1に記載の化合物。
(付記20)
LがC 2〜3 アルキレンである、付記19に記載の化合物。
(付記21)
Lが-CH 2 CH 2 -である、付記20に記載の化合物。
(付記22)
ZがOR 7b であり、R 7b がC 1 〜C 6 アルキルである、付記21に記載の化合物。
(付記23)
ZがNR 7b R 7c であり、R 7b 及びR 7c のそれぞれが、独立して、水素又はC 1 〜C 6 アルキルである、付記21に記載の化合物。
(付記24)
である、付記1に記載の化合物。
(付記25)
付記1に記載の化合物及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
(付記26)
有効量の付記1に記載の化合物をそれを必要とする対象に投与することを含む、脊髄性筋萎縮症を治療又は予防する方法。

Claims (8)

  1. 式(I):
    (式中、
    Xは、CR6R6' あり;
    R2 及びR2' それぞれは水素あり;
    R3、R10、R11及びR12のそれぞれは水素あり;
    R 4 はNR 4a R 4b であり、R 4a 及びR 4b のそれぞれは独立してC 1 〜C 6 アルキルであり;
    R 4'、R5、R5'、R6、R6'、R8、R9、R13、R14及びR15のそれぞれは水素あり;
    Wは、ハロあり;
    YはNR7a (R 7a は水素である)であり;
    Lは、C 2〜3 アルキレンであり;
    Zは、OR7b (R 7b はC 1 〜C 6 アルキルである)又はNR7bR7c (R 7b 及びR 7c のそれぞれは、独立して、水素又はC 1 〜C 6 アルキルである)であ)
    の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  2. Lが-CH2CH2-である、請求項1に記載の化合物。
  3. Zが、NR 7b R 7c (R7b及びR7cのそれぞれがメチルである)である、請求項1又は2に記載の化合物。
  4. WがF、Cl又はIである、請求項3に記載の化合物。
  5. WがFである、請求項4に記載の化合物。
  6. である、請求項1に記載の化合物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
  8. 髄性筋萎縮症を治療又は予防するための、請求項7に記載の医薬組成物
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