JP6521823B2 - ダイシングダイボンディングシート - Google Patents

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Description

本発明は、支持シート上に接着剤層を備えたダイシングダイボンディングシートに関する。
支持シート上に接着剤層を備えてなるダイシングダイボンディングシートは、接着剤層により、半導体ウエハの回路面とは反対側の裏面に貼付されて使用される。支持シートとしては、通常、基材のみのものや、基材上に粘着剤層等が積層されたものが使用される。
半導体ウエハは、貼付されているダイシングダイボンディングシートとともに、ダイシングにより半導体チップとされ、この半導体チップは裏面に貼付されている接着剤層とともに支持シートからピックアップされた後、この接着剤層によって基板、リードフレーム、他の半導体チップ等に取り付けられる。ダイシングダイボンディングシートを使用したこれら一連の工程の中でも、半導体チップのピックアップは、ダイシングと並んで特に重要な工程である。そこで、半導体チップのピックアップを良好に行うためのダイシングダイボンディングシートが種々検討されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特許文献1で開示されているダイシングダイボンディングシートは、粘着剤層の接着剤層に対する粘着力を、接着剤層の半導体ウエハへの貼付部分とそうでない部分とで変化させ、貼付部分に対して前記粘着力を特定の値以上としたものである。このダイシングダイボンディングシートは、ダイシング時における半導体ウエハの保持力と、ダイシング後の半導体チップを接着剤層と共に粘着剤層から剥離させてピックアップするときの剥離性と、のバランス特性が優れるとされている。
また、特許文献2で開示されているダイシングダイボンディングシートは、粘着剤層として、加熱によって接着剤層との粘着力が低下するように、剥離力調整成分を含有するものである。このダイシングダイボンディングシートによれば、ダイシング後の半導体チップを接着剤層と共に粘着剤層から剥離させて容易にピックアップでき、しかも粘着剤層の成分による接着剤層の汚染が防止できるとされている。
また、特許文献3で開示されているダイシングダイボンディングシートは、粘着剤層として特定の組成のものを有しており、これにより半導体チップを、ピックアップ時における破損を抑制しつつ短時間で製造できるとされている。
特開2005−268434号公報 特開2010−260893号公報 特開2013−251402号公報
ところで、本発明者らは、ダイシングダイボンディングシートにおいて、同じ接着剤層を用いた場合でも、この接着剤層の支持シートとの間の剥離力が変化してしまい、半導体チップを接着剤層と共にピックアップするときの適性が異なることがあるという問題点を見出した。そして、特許文献1〜3に記載のダイシングダイボンディングシートは、半導体チップのピックアップ適性を向上させるものであるが、特許文献1〜3にこのような問題点とそれを解決する手段は開示されていない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、同じ接着剤層を用いた場合に、半導体チップのピックアップ適性が安定化するダイシングダイボンディングシートを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、支持シート上に接着剤層を備えてなり、前記接着剤層の表面のうち、前記支持シート側の第1面が、前記第1面とは反対側の第2面よりも、下記式(I)で算出される、前記接着剤層の表面における有機ケイ素化合物由来のケイ素原子の含有比率が高い、ダイシングダイボンディングシートを提供する。
[有機ケイ素化合物由来のケイ素原子の含有比率(%)]=[有機ケイ素化合物由来のケイ素原子数の比率(Atomic%)]/{[全炭素原子数の比率(Atomic%)]+[全酸素原子数の比率(Atomic%)]+[全ケイ素原子数の比率(Atomic%)]}×100 ・・・・(I)
本発明のダイシングダイボンディングシートは、前記接着剤層において、前記第1面における前記ケイ素原子の含有比率と、前記第2面における前記ケイ素原子の含有比率と、の差が2.5%以上であるものが好ましい。
本発明のダイシングダイボンディングシートは、前記接着剤層において、前記第1面における前記ケイ素原子の含有比率が4.0%以上であるものが好ましい。
本発明のダイシングダイボンディングシートにおいては、前記有機ケイ素化合物が、シランカップリング剤及びシリコーンオイルからなる群より選択される1種又は2種以上であることが好ましい。
本発明によれば、同じ接着剤層を用いた場合に、半導体チップのピックアップ適性が安定化するダイシングダイボンディングシートが提供される。
本発明に係るダイシングダイボンディングシートの一実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明に係るダイシングダイボンディングシートの他の実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明に係るダイシングダイボンディングシートのさらに他の実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明に係るダイシングダイボンディングシートの製造方法の一例を説明するための断面図である。
<<ダイシングダイボンディングシート>>
本発明に係るダイシングダイボンディングシートは、支持シート上に接着剤層を備えてなり、前記接着剤層の表面のうち、前記支持シート側の第1面が、前記第1面とは反対側の第2面よりも、下記式(I)で算出される、前記接着剤層の表面における有機ケイ素化合物由来のケイ素原子の含有比率が高いものである。
[有機ケイ素化合物由来のケイ素原子の含有比率(%)]=[有機ケイ素化合物由来のケイ素原子数の比率(Atomic%)]/{[全炭素原子数の比率(Atomic%)]+[全酸素原子数の比率(Atomic%)]+[全ケイ素原子数の比率(Atomic%)]}×100 ・・・・(I)
本発明に係るダイシングダイボンディングシートは、その接着剤層により、半導体ウエハの回路面とは反対側の裏面に貼付されて使用される。そして、半導体ウエハは、貼付されているダイシングダイボンディングシートとともに、ダイシングにより個片化されて半導体チップとされ、この半導体チップは裏面に貼付されている接着剤層とともに(以下、このような半導体チップを「接着剤層付き半導体チップ」と略記することがある)支持シートからピックアップされる。本発明に係るダイシングダイボンディングシートにおいて、接着剤層の第1面が、上記のように、接着剤層の第2面よりも前記ケイ素原子の含有比率が高いことにより、ピックアップのときに接着剤層が半導体チップとともに支持シートから容易に剥離し、このときの剥離力が安定しており、半導体チップのピックアップ適性が安定化する。
前記支持シートしては、例えば、基材のみからなるものと、基材上に粘着剤層等の他の層が積層されてなるものと、が挙げられる。前記他の層は1層(単層)のみでもよいし、2層以上の複数層でもよく、複数層である場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは特に限定されない。
なお、本明細書においては、前記他の層の場合に限らず、「複数層が互いに同一でも異なっていてもよい」とは、「すべての層が同一であってもよいし、すべての層が異なっていてもよく、一部の層のみが同一であってもよい」ことを意味し、さらに「複数層が互いに異なる」とは、「各層の材質及び厚さの少なくとも一方が互いに異なる」ことを意味する。
図1は、本発明に係るダイシングダイボンディングシートの一実施形態を模式的に示す断面図である。なお、以下の説明で用いる図は、本発明の特徴を分かり易くするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。
ここに示すダイシングダイボンディングシート1Aは、基材11上に粘着剤層12を備え、粘着剤層12上に接着剤層13を備えてなるものである。支持シート10は、基材11及び粘着剤層12の積層体であり、ダイシングダイボンディングシート1Aは、換言すると、支持シート10の一方の表面10a上に接着剤層13が積層された構成を有する。また、ダイシングダイボンディングシート1Aは、さらに接着剤層13上に剥離フィルム14を備えている。剥離フィルム14は、ダイシングダイボンディングシート1Aの使用時に取り除かれる。
ダイシングダイボンディングシート1Aにおいては、基材11の一方の表面11aに粘着剤層12が積層され、粘着剤層12の一方の表面12aの一部に接着剤層13が積層されている。そして、粘着剤層12の表面12aのうち、接着剤層13が積層されていない領域と、接着剤層13の一方の表面13aとに、剥離フィルム14が積層されている。
ダイシングダイボンディングシート1Aにおいては、接着剤層13の表面のうち、前記一方の表面13aが第2面であり、この第2面とは反対側の表面、すなわち支持シート10側の表面13bが第1面である。そして上述の様に、第1面13bは、第2面13aよりも前記式(I)で算出される、接着剤層13の表面における有機ケイ素化合物由来のケイ素原子の含有比率が高くなっている。
図2は、本発明に係るダイシングダイボンディングシートの他の実施形態を模式的に示す断面図である。なお、図2において、図1に示すものと同じ構成要素には、図1の場合と同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。これは図3以降の図においても同様である。
ここに示すダイシングダイボンディングシート1Bは、粘着剤層12を備えていない点以外は、図1に示すダイシングダイボンディングシート1Aと同じものである。すなわち、ダイシングダイボンディングシート1Bにおいては、支持シートが基材11のみからなる。そして、基材11の一方の表面11aの一部に接着剤層13が積層され、基材11の一方の表面11aのうち、接着剤層13が積層されていない領域と、接着剤層13の一方の表面13aとに、剥離フィルム14が積層されている。ここで、接着剤層13の一方の表面13aは、第2面に相当する。
ダイシングダイボンディングシート1Bにおいては、接着剤層13の表面のうち、第1面13bは、第2面13aよりも前記式(I)で算出される、接着剤層13の表面における有機ケイ素化合物由来のケイ素原子の含有比率が高くなっている。
本発明に係るダイシングダイボンディングシートは、図1〜2に示すものに限定されず、本発明の効果を損なわない範囲内において、図1〜2に示すものの一部の構成が変更又は削除されたものや、これまでに説明したものにさらに他の構成が追加されたものであってもよい。
例えば、図1〜2に示すダイシングダイボンディングシートでは、接着剤層が1層(単層)からなるが、本発明に係るダイシングダイボンディングシートでは、接着剤層が2層以上の複数層からなるものでもよい。
接着剤層が複数層からなる場合には、支持シート側の最外層の接着剤層における支持シート側の表面が第1面となり、支持シート側とは反対側、すなわち半導体ウエハへ貼付される貼付側の最外層の接着剤層における貼付側の表面が第2面となる。複数層からなる接着剤層においては、この条件が満たされれば、これら最外層の間に位置する1層以上の中間の接着剤層の組成等は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されない。例えば、これら中間の接着剤層の表面における、前記式(I)で算出される有機ケイ素化合物由来のケイ素原子の含有比率は、特に限定されず、これら中間の接着剤層は、接着剤層として後述ものから任意に選択できる。
図3は、本発明に係るダイシングダイボンディングシートのさらに他の実施形態として、上述のような複数層からなる接着剤層を備えたものを模式的に示す断面図である。
ここに示すダイシングダイボンディングシート1Cは、接着剤層として、支持シート10側から第1接着剤層231及び第2接着剤層232がこの順に積層されてなる2層構造の接着剤層23を備えている点以外は、図1に示すダイシングダイボンディングシート1Aと同じものである。すなわち、ダイシングダイボンディングシート1Cは、基材11上に粘着剤層12を備え、粘着剤層12上に接着剤層23を備えてなるものであり、換言すると、支持シート10の一方の表面10a上に接着剤層23が積層された構成を有する。また、ダイシングダイボンディングシート1Cは、さらに接着剤層23上に剥離フィルム14を備えている。
ダイシングダイボンディングシート1Cにおいては、基材11の一方の表面11aに粘着剤層12が積層され、粘着剤層12の一方の表面12aの一部に第1接着剤層231が積層され、第1接着剤層231の一方の表面231aの全面に第2接着剤層232が積層されている。そして、粘着剤層12の表面12aのうち、接着剤層23が積層されていない領域と、第2接着剤層232の一方の表面232a(接着剤層23の一方の表面23a)とに、剥離フィルム14が積層されている。
ダイシングダイボンディングシート1Cにおいては、接着剤層23の表面のうち、第1面23b(第1接着剤層231の他方の表面231b)は、第2面23a(第2接着剤層232の一方の表面232a)よりも前記式(I)で算出される、接着剤層23の表面における有機ケイ素化合物由来のケイ素原子の含有比率が高くなっている。
なお、図3では、接着剤層として2層からなるもの、すなわち、最外層の2層(第1接着剤層231及び第2接着剤層232)のみからなり、上述の中間の接着剤層を有しないものを示しているが、接着剤層は、最外層の接着剤層の間に1層以上の中間の接着剤層を有する、3層以上のものであってもよい。
また、例えば、図1に示すダイシングダイボンディングシートにおいては、基材11と粘着剤層12との間に中間層が設けられていてもよい。すなわち、本発明に係るダイシングダイボンディングシートにおいて、支持シートは、基材、中間層及び粘着剤層がこの順に積層されてなるものでもよい。また、図2に示すダイシングダイボンディングシートにおいては、基材11と接着剤層13との間に中間層が設けられていてもよい。前記中間層としては、目的に応じて任意のものを選択できる。
次に、ダイシングダイボンディングシートを構成する各層について、さらに詳細に説明する。
<支持シート>
支持シートの厚さは、ダイシングダイボンディングシートの可撓性、接着剤層の半導体ウエハ又は半導体チップに対する貼付性、支持シートの層構成等を考慮して適宜選択すればよいが、例えば、10〜500μmであることが好ましく、20〜350μmであることがより好ましく、30〜200μmであることが特に好ましい。
ここで、「支持シートの厚さ」とは、支持シートを構成する各層の合計の厚さを意味し、例えば、基材及び粘着剤層が積層されてなる支持シートの場合には、基材の厚さ及び粘着剤層の厚さの合計値を意味し、基材のみからなる支持シートの場合には、基材の厚さを意味する。
<基材>
基材の材質は、各種樹脂であることが好ましく、その具体的な例としては、ポリエチレン(低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE等))、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニルフィル、塩化ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリウレタン、ポリウレタンアクリレート、ポリイミド、エチレン・酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリスチレン、ポリカーボネート、フッ素樹脂、これらのいずれかの樹脂の水添加物、変性物、架橋物又は共重合物等が挙げられる。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」及び「メタクリル酸」の両方を包含する概念とする。(メタ)アクリル酸と類似の用語につても同様であり、例えば、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」の両方を包含する概念であり、「(メタ)アクリロイル基」とは、「アクリロイル基」及び「メタクリロイル基」の両方を包含する概念である。
基材の厚さは、目的に応じて適宜選択できる。
支持シートが、基材と、粘着剤層等のその他のものと、が積層されてなるものである場合、基材の厚さは、15〜300μmであることが好ましく、20〜200μmであることがより好ましい。基材の厚さがこのような範囲であることで、ダイシングダイボンディングシートの可撓性と、接着剤層の半導体ウエハ又は半導体チップへの貼付性と、がより向上する。
基材は1層(単層)からなるものでもよいし、2層以上の複数層からなるものでもよい。基材が複数層からなる場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは特に限定されない。
なお、基材が複数層からなる場合には、各層の合計の厚さが、上記の好ましい基材の厚さとなるようにするとよい。
基材は、その上に設けられる粘着剤層や接着剤層等の他の層との密着性を向上させるために、サンドブラスト処理、溶剤処理等による凹凸化処理や、コロナ放電処理、電子線照射処理、プラズマ処理、オゾン・紫外線照射処理、火炎処理、クロム酸処理、熱風処理等の酸化処理等が表面に施されたものであってもよい。また、基材は、表面がプライマー処理を施されたものであってもよい。
<粘着剤層>
前記粘着剤層は、公知のものを適宜使用できる。
粘着剤層は、これを構成するための、粘着剤等の各種成分を含有する粘着剤組成物を用いて形成でき、例えば、前記粘着剤組成物を目的とする箇所に塗工し、乾燥させることで形成できる。粘着剤組成物中の、常温で気化しない成分同士の含有量の比率は、通常、粘着剤層の前記成分同士の含有量の比率と同じとなる。なお、本明細書において、「常温」とは、特に冷やしたり、熱したりしない温度、すなわち平常の温度を意味し、例えば、15〜25℃の温度等が挙げられる。
粘着剤層の厚さは、目的に応じて適宜選択できるが、1〜100μmであることが好ましく、2〜80μmであることがより好ましく、3〜50μmであることが特に好ましい。
粘着剤層は、1層(単層)からなるものでもよいし、2層以上の複数層からなるものでもよい。粘着剤層が複数層からなる場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは特に限定されない。
粘着剤層が複数層からなる場合には、各層の合計の厚さが、上記の好ましい粘着剤層の厚さとなるようにするとよい。
前記粘着剤としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ゴム系樹脂、シリコーン系樹脂、ビニルエーテル系樹脂等の粘着性樹脂が挙げられ、その樹脂の機能に着目した場合には、例えば、エネルギー線硬化性樹脂等が挙げられる。
なお、本明細書において、「エネルギー線」とは、電磁波又は荷電粒子線の中でエネルギー量子を有するものを意味し、その例として、紫外線、電子線等が挙げられる。紫外線は、例えば、紫外線源として高圧水銀ランプ、ヒュージョンHランプ又はキセノンランプ等を用いることで照射できる。電子線は、電子線加速器等によって発生させたものを照射できる。
前記エネルギー線硬化性樹脂としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等の重合性基を有するものが挙げられる。
前記粘着性樹脂は、アクリル系樹脂であることが好ましく、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位を含む、(メタ)アクリル酸エステル共重合体であることがより好ましい。
前記粘着剤層は、エネルギー線硬化性樹脂等の、エネルギー線の照射により重合する成分を含有している場合には、エネルギー線を照射してその粘着性を低下させることで、後述する接着剤層付き半導体チップのピックアップが容易となる。このような粘着剤層は、例えば、エネルギー線の照射により重合する成分を含有する各種の粘着剤組成物を用いて形成できる。
前記粘着剤組成物で好ましいものとしては、エネルギー線の照射により重合する成分を含有するものが挙げられ、このような粘着剤組成物としては、例えば、アクリル系樹脂とエネルギー線重合性化合物とを含有するもの(以下、「粘着剤組成物(i)」と略記することがある。)、水酸基を有し、かつ重合性基を側鎖に有する前記アクリル系樹脂(例えば、水酸基を有し、かつウレタン結合を介して重合性基を側鎖に有するもの)と、イソシアネート系架橋剤と、を含有するもの(以下、「粘着剤組成物(ii)」と略記することがある。)等が挙げられる。
[粘着剤組成物(i)]
粘着剤組成物(i)は、前記アクリル系樹脂とエネルギー線重合性化合物とを必須成分として含有する。
以下、各成分について説明する。
(アクリル系樹脂)
粘着剤組成物(i)における前記アクリル系樹脂で好ましいものとしては、例えば、モノマーとして(メタ)アクリル酸エステルと、必要に応じて用いられる、(メタ)アクリル酸エステル以外のモノマーと、を重合して得られた、(メタ)アクリル酸エステル共重合体が挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル((メタ)アクリル酸ラウリル)、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル((メタ)アクリル酸ミリスチル)、(メタ)アクリル酸ペンタデシル基、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル((メタ)アクリル酸パルミチル)、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル((メタ)アクリル酸ステアリル)、(メタ)アクリル酸イソオクタデシル((メタ)アクリル酸イソステアリル)等の、アルキルエステルを構成するアルキル基が、炭素数が1〜18の鎖状構造である(メタ)アクリル酸アルキルエステル;
(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;
(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸アラルキルエステル;
(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルエステル等の(メタ)アクリル酸シクロアルケニルエステル;
(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチルエステル等の(メタ)アクリル酸シクロアルケニルオキシアルキルエステル;
(メタ)アクリル酸イミド;
(メタ)アクリル酸グリシジル等のグリシジル基含有(メタ)アクリル酸エステル;
(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸エステル以外のモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン、N−メチロールアクリルアミド等が挙げられる。
アクリル系樹脂を構成する前記(メタ)アクリル酸エステル、前記(メタ)アクリル酸エステル以外のモノマー等の各種モノマーは、いずれも1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
粘着剤組成物(i)が含有するアクリル系樹脂は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
粘着剤組成物(i)のアクリル系樹脂の含有量は、粘着剤組成物(i)中の溶媒以外の全ての含有成分の総量に対して40〜99質量%であることが好ましく、50〜95質量%であることがより好ましい。
(エネルギー線重合性化合物)
前記エネルギー線重合性化合物は、エネルギー線の照射により重合して硬化する化合物であり、その例としては、分子内にエネルギー線硬化性二重結合等のエネルギー線重合性基を有するものが挙げられる。
前記エネルギー線重合性化合物としては、例えば、エネルギー線重合性基を有する低分子量化合物(単官能又は多官能のモノマー及びオリゴマー)が挙げられ、より具体的には、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート;
ジシクロペンタジエンジメトキシジ(メタ)アクリレート等の環状脂肪族骨格含有(メタ)アクリレート;
ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ変性(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、イタコン酸オリゴマー等の(メタ)アクリレート系化合物等が挙げられる。
前記エネルギー線重合性化合物は、分子量が100〜30000であることが好ましく、300〜10000であることがより好ましい。
粘着剤組成物(i)が含有するエネルギー線重合性化合物は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
粘着剤組成物(i)のエネルギー線重合性化合物の含有量は、前記アクリル系樹脂の含有量100質量部に対して、1〜125質量部であることが好ましく、10〜125質量部であることがより好ましい。
(光重合開始剤)
粘着剤組成物(i)は、前記アクリル系樹脂及びエネルギー線重合性化合物以外に、光重合開始剤を含有していてもよい。
前記光重合開始剤は、公知のものでよく、具体的には、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2−(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、α−ヒドロキシ−α,α’−ジメチルアセトフェノン、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン等のα−ケトール系化合物;
アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1等のアセトフェノン系化合物;
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アニソインメチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物;
ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール等のケタール系化合物;
2−ナフタレンスルホニルクロリド等の芳香族スルホニルクロリド系化合物;
1−フェノン−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)等の光活性オキシム系化合物;
ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;
2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン等のアントラキノン系化合物;
チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;
p−ジメチルアミノ安息香酸エステル;カンファーキノン;ハロゲン化ケトン;ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド;アシルホスフォナート、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン]等が挙げられる。
粘着剤組成物(i)が含有する光重合開始剤は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
光重合開始剤を用いる場合、粘着剤組成物(i)の光重合開始剤の含有量は、前記エネルギー線重合性化合物の含有量100質量部に対して、0.05〜20質量部であることが好ましく、1〜5質量部であることがより好ましい。光重合開始剤の前記含有量が前記下限値以上であることで、光重合開始剤を用いたことによる効果が十分に得られる。また、光重合開始剤の前記含有量が前記上限値以下であることで、過剰な光重合開始剤からの副生成分の発生が抑制されて、粘着剤層の硬化がより良好に進行する。
(架橋剤)
粘着剤組成物(i)は、前記アクリル系樹脂及びエネルギー線重合性化合物以外に、架橋剤を含有していてもよい。
前記架橋剤としては、例えば、有機多価イソシアネート化合物、有機多価イミン化合物等が挙げられる。
前記有機多価イソシアネート化合物としては、例えば、芳香族多価イソシアネート化合物、脂肪族多価イソシアネート化合物、脂環族多価イソシアネート化合物並びにこれら化合物の三量体、イソシアヌレート体及びアダクト体や、前記芳香族多価イソシアネート化合物、脂肪族多価イソシアネート化合物又は脂環族多価イソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られる末端イソシアネートウレタンプレポリマー等が挙げられる。前記アダクト体は、前記芳香族多価イソシアネート化合物、脂肪族多価イソシアネート化合物又は脂環族多価イソシアネート化合物と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン又はヒマシ油等の低分子活性水素含有化合物との反応物を意味する。
前記有機多価イソシアネート化合物として、より具体的には、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート;2,6−トリレンジイソシアネート;1,3−キシリレンジイソシアネート;1,4−キシレンジイソシアネート;ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート;ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート;3−メチルジフェニルメタンジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート;ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート;ジシクロヘキシルメタン−2,4’−ジイソシアネート;トリメチロールプロパン等のポリオールのすべて若しくは一部の水酸基に、トリレンジイソシアネート及びヘキサメチレンジイソシアネートのいずれか一方又は両方を付加した化合物;リジンジイソシアネート等が挙げられる。
前記有機多価イミン化合物としては、例えば、N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、N,N’−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)トリエチレンメラミン等が挙げられる。
架橋剤としてイソシアネート化合物を用いる場合、アクリル系樹脂としては、水酸基含有重合体を用いることが好ましい。架橋剤がイソシアネート基を有し、アクリル系樹脂が水酸基を有する場合、これらイソシアネート基と水酸基との反応によって、粘着剤層に架橋構造を簡便に導入できる。
粘着剤組成物(i)が含有する架橋剤は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
架橋剤を用いる場合、粘着剤組成物(i)の架橋剤の含有量は、前記アクリル系樹脂の含有量100質量部に対して、0.01〜20質量部であることが好ましく、0.1〜16質量部であることがより好ましい。
(溶媒)
粘着剤組成物(i)は、前記アクリル系樹脂及びエネルギー線重合性化合物以外に、さらに溶媒を含有することが好ましい。
前記溶媒は特に限定されないが、好ましいものとしては、例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素;メタノール、エタノール、2−プロパノール、イソブチルアルコール(2−メチルプロパン−1−オール)、1−ブタノール等のアルコール;酢酸エチル等のエステル;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;テトラヒドロフラン等のエーテル;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド(アミド結合を有する化合物)等が挙げられる。
粘着剤組成物(i)が含有する溶媒は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
粘着剤組成物(i)が溶媒を含有する場合の溶媒の含有量は、40〜90質量%であることが好ましく、50〜80質量%であることがより好ましい。
(その他の成分)
粘着剤組成物(i)は、前記アクリル系樹脂及びエネルギー線重合性化合物以外に、本発明の効果を損なわない範囲内において、前記光重合開始剤、架橋剤及び溶媒に該当しないその他の成分を含有していてもよい。
前記その他の成分は、公知のものでよく、目的に応じて任意に選択でき、特に限定されないが、好ましいものとしては、例えば、着色剤(染料、顔料)、劣化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、シリコーン化合物、連鎖移動剤等の各種添加剤が挙げられる。
粘着剤組成物(i)が含有する前記その他の成分は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
[粘着剤組成物(ii)]
粘着剤組成物(ii)は、水酸基を有し、かつ重合性基を側鎖に有するアクリル系樹脂(例えば、水酸基を有し、かつウレタン結合を介して重合性基を側鎖に有するもの)と、イソシアネート系架橋剤と、を必須成分として含有する。
粘着剤組成物(ii)を用いた場合には、アクリル系樹脂が重合性基を側鎖に有することにより、粘着剤組成物(i)の場合のように、エネルギー線重合性化合物を用いて、エネルギー線の照射により重合反応させた場合よりも、重合反応(硬化)後の粘着剤層の粘着性低下による被着体からの剥離性が向上し、接着剤層付き半導体チップのピックアップ性が向上する。
なお、本明細書においては、粘着剤組成物(ii)における「アクリル系樹脂」との記載は、特に断りのない限り、「重合性基を側鎖に有するアクリル系樹脂」を意味するものとする。
(アクリル系樹脂)
上述の重合性基を側鎖に有するアクリル系樹脂としては、例えば、モノマーとして、水酸基を有しない水酸基非含有(メタ)アクリル酸エステルと、水酸基を有する水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル等の水酸基含有化合物と、を共重合させ、得られた水酸基含有共重合体の水酸基に、イソシアネート基及び重合性基を有する化合物のイソシアネート基を反応させて、ウレタン結合を形成して得られたものが挙げられる。
前記水酸基非含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、粘着剤組成物(i)における(メタ)アクリル酸エステルのうち、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル以外のものが挙げられる。
また、前記水酸基含有化合物としては、粘着剤組成物(i)における水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルと同じものが挙げられる。
前記アクリル系樹脂を構成する、水酸基非含有(メタ)アクリル酸エステル及び水酸基含有化合物は、それぞれ1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
前記イソシアネート基及び重合性基を有する化合物としては、例えば、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート等のイソシアネート基含有(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
前記アクリル系樹脂を構成する、前記イソシアネート基及び重合性基を有する化合物は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
粘着剤組成物(ii)が含有するアクリル系樹脂は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
粘着剤組成物(ii)のアクリル系樹脂の含有量は、粘着剤組成物(ii)中の溶媒以外の全ての含有成分の総量に対して80〜99質量%であることが好ましく、90〜97質量%であることがより好ましい。
(イソシアネート系架橋剤)
前記イソシアネート系架橋剤としては、例えば、粘着剤組成物(i)における架橋剤である前記有機多価イソシアネート化合物と同じものが挙げられる。
粘着剤組成物(ii)が含有するイソシアネート系架橋剤は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
粘着剤組成物(ii)中のイソシアネート系架橋剤が有するイソシアネート基のモル数は、粘着剤組成物(ii)中のアクリル系樹脂が有する水酸基のモル数に対して0.2〜3倍であることが好ましい。イソシアネート基の前記モル数が前記下限値以上であることで、硬化後の粘着剤層の粘着性低下による被着体からの剥離性が向上し、接着剤層付き半導体チップのピックアップ性が向上する。また、イソシアネート基の前記モル数が前記上限値以下であることで、イソシアネート系架橋剤同士の反応による副生成物の発生をより抑制できる。
粘着剤組成物(ii)のイソシアネート系架橋剤の含有量は、イソシアネート基のモル数が上述のような範囲となるように適宜調節すればよいが、このような条件を満たしたうえで、アクリル系樹脂の含有量100質量部に対して、0.01〜20質量部であることが好ましく、0.1〜15質量部であることがより好ましく、0.3〜12質量部であることが特に好ましい。
(光重合開始剤)
粘着剤組成物(ii)は、前記アクリル系樹脂及びイソシアネート系架橋剤以外に、光重合開始剤を含有していてもよい。
前記光重合開始剤としては、例えば、粘着剤組成物(i)の場合と同じものが挙げられる。
粘着剤組成物(ii)が含有する光重合開始剤は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
光重合開始剤を用いる場合、粘着剤組成物(ii)の光重合開始剤の含有量は、アクリル系樹脂の含有量100質量部に対して、0.05〜20質量部であることが好ましい。光重合開始剤の前記含有量が前記下限値以上であることで、光重合開始剤を用いたことによる効果が十分に得られる。また、光重合開始剤の前記含有量が前記上限値以下であることで、過剰な光重合開始剤からの副生成分の発生が抑制されて、粘着剤層の硬化がより良好に進行する。
(溶媒)
粘着剤組成物(ii)は、前記アクリル系樹脂及びイソシアネート系架橋剤以外に、さらに溶媒を含有することが好ましい。
前記溶媒としては、例えば、粘着剤組成物(i)の場合と同じものが挙げられる。
粘着剤組成物(ii)が含有する溶媒は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
粘着剤組成物(ii)が溶媒を含有する場合の溶媒の含有量は、40〜90質量%であることが好ましく、50〜80質量%であることがより好ましい。
(その他の成分)
粘着剤組成物(ii)は、前記アクリル系樹脂及びイソシアネート系架橋剤以外に、本発明の効果を損なわない範囲内において、前記光重合開始剤及び溶媒に該当しないその他の成分を含有していてもよい。
前記その他の成分としては、例えば、粘着剤組成物(i)の場合と同じものが挙げられる。
粘着剤組成物(ii)が含有する前記その他の成分は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
ここまでは、エネルギー線の照射により重合する成分を含有する粘着剤組成物について説明したが、粘着剤層の形成には、エネルギー線の照射により重合する成分を含有しない粘着剤組成物を用いてもよい。
このような非エネルギー線硬化性粘着剤組成物で好ましいものとしては、例えば、アクリル系樹脂及び架橋剤を含有するもの(以下、「粘着剤組成物(iii)」と略記することがある。)等が挙げられ、溶媒、溶媒に該当しないその他の成分等の任意成分を含有していてもよい。
[粘着剤組成物(iii)]
粘着剤組成物(iii)が含有する前記アクリル系樹脂、架橋剤、溶媒及びその他の成分は、いずれも粘着剤組成物(i)におけるものと同様のものである。
粘着剤組成物(iii)のアクリル系樹脂の含有量は、粘着剤組成物(iii)中の溶媒以外の全ての含有成分の総量に対して40〜99質量%であることが好ましく、50〜98質量%であることがより好ましい。
粘着剤組成物(iii)の架橋剤の含有量は、アクリル系樹脂の含有量100質量部に対して、1〜30質量部であることが好ましく、2〜25質量部であることがより好ましい。
粘着剤組成物(iii)は、上述の点以外は、粘着剤組成物(i)と同様のものである。
[粘着剤組成物の製造方法]
粘着剤組成物(i)〜(iii)等の前記粘着剤組成物は、前記粘着剤と、必要に応じて前記粘着剤以外の成分等の、粘着剤組成物を構成するための各成分を配合することで得られる。
各成分の配合時における添加順序は特に限定されず、2種以上の成分を同時に添加してもよい。
配合時に各成分を混合する方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法;ミキサーを用いて混合する方法;超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
各成分の添加及び混合時の温度並びに時間は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されず、適宜調節すればよい。
<接着剤層>
前記接着剤層は、支持シート上に設けられている。そして、接着剤層の支持シート側の表面である第1面は、接着剤層の支持シート側とは反対側の表面である第2面よりも、前記式(I)で算出される、前記接着剤層の表面における有機ケイ素化合物由来のケイ素原子の含有比率が高くなっている。
前記式(I)において、「有機ケイ素化合物」とは、構成原子としてケイ素(Si)原子を含む有機化合物を意味する。これに対して、構成原子としてケイ素(Si)原子を含む無機化合物のことを、本発明においては「無機ケイ素化合物」と称する。前記式(I)において、「全ケイ素原子数」とは、有機ケイ素化合物由来のケイ素原子の総数と、無機ケイ素化合物由来のケイ素原子の総数と、の和を意味する。
なお、本発明において「有機ケイ素化合物由来のケイ素原子」とは、有機ケイ素化合物を構成しているケイ素原子を意味する。同様に、「無機ケイ素化合物由来のケイ素原子」とは、無機ケイ素化合物を構成しているケイ素原子を意味する。
同様に、前記式(I)において、「全炭素原子数」とは、有機化合物由来の炭素(C)原子の総数と、無機炭素化合物由来の炭素(C)原子の総数と、の和を意味する。ここで、「無機炭素化合物」とは、構成原子として炭素(C)原子を含む無機化合物を意味する。
そして、前記式(I)において、「全酸素原子数」とは、有機酸素化合物由来の酸素(O)原子の総数と、無機酸素化合物由来の酸素(O)原子の総数と、の和を意味する。ここで、「有機酸素化合物」とは、構成原子として酸素(O)原子を含む有機化合物を意味し、「無機酸素化合物」とは、構成原子として酸素(O)原子を含む無機化合物を意味する。
ここで、「有機化合物由来の炭素原子」とは、有機化合物を構成している炭素原子を意味し、「無機炭素化合物由来の炭素原子」とは、無機化合物を構成している炭素原子を意味する。同様に、「有機酸素化合物由来の酸素原子」とは、有機酸素化合物を構成している酸素素原子を意味し、「無機酸素化合物由来の酸素原子」とは、無機酸素化合物を構成している酸素素原子を意味する。
接着剤層の第1面及び第2面における全ケイ素原子数の比率(Atomic%)、全炭素原子数の比率(Atomic%)及び全酸素原子数の比率(Atomic%)は、X線光電子分光分析(XPS)により測定できる。また、X線光電子分光分析では、有機ケイ素化合物由来のケイ素原子数の比率(Atomic%)と、無機ケイ素化合物由来のケイ素原子数の比率(Atomic%)とを、スペクトルにおける結合エネルギーのピーク位置により互いに区別して測定できる。したがって、X線光電子分光分析により、前記式(I)により、有機ケイ素化合物由来のケイ素原子の含有比率(%)を算出できる。
接着剤層の第1面及び第2面における、有機ケイ素化合物由来のケイ素原子数の比率(Atomic%)は、例えば、後述する接着剤組成物を用いて接着剤層を形成するときに、前記接着剤組成物の有機ケイ素化合物の含有量を調節することで、調節できる。
同様に、接着剤層の第1面及び第2面における、無機ケイ素化合物由来のケイ素原子数の比率(Atomic%)は、例えば、前記接着剤組成物を用いて接着剤層を形成するときに、前記接着剤組成物の無機ケイ素化合物の含有量を調節することで、調節できる。
このように、接着剤層の第1面及び第2面における、全ケイ素原子数の比率(Atomic%)は、前記接着剤組成物を用いて接着剤層を形成するときに、前記接着剤組成物のケイ素原子を含有する化合物(ケイ素原子含有化合物)の含有量を調節することで、調節できる。
また、接着剤層の第1面及び第2面における、有機ケイ素化合物由来のケイ素原子数の比率(Atomic%)は、例えば、これらの面に後述する剥離材を接触させる場合、この剥離材のこれら面との接触面における、有機ケイ素化合物の含有量を調節することでも、調節できる。剥離材の前記接触面に含有される有機ケイ素化合物は、接着剤層の第1面又は第2面に移行し得る。
同様に、接着剤層の第1面及び第2面における、無機ケイ素化合物由来のケイ素原子数の比率(Atomic%)は、例えば、これらの面に後述する剥離材を接触させる場合、この剥離材のこれら面との接触面における、無機ケイ素化合物の含有量を調節することでも、調節できる。
このように、接着剤層の第1面及び第2面における、全ケイ素原子数の比率(Atomic%)は、剥離材のこれら面との接触面における、ケイ素原子を含有する化合物(ケイ素原子含有化合物)の含有量を調節することでも、調節できる。
接着剤層の第1面及び第2面における、全炭素原子数の比率(Atomic%)も、上述の全ケイ素原子数の比率(Atomic%)の場合と同様であり、前記接着剤組成物を用いて接着剤層を形成するときに、前記接着剤組成物の炭素原子を含有する化合物(炭素原子含有化合物)の含有量を調節することで、調節できる。
すなわち、接着剤層の第1面及び第2面における、有機化合物中の炭素原子数の比率(Atomic%)は、例えば、前記接着剤組成物を用いて接着剤層を形成するときに、前記接着剤組成物の有機化合物の含有量を調節することで、調節できる。
そして、接着剤層の第1面及び第2面における、無機炭素化合物中の炭素原子数の比率(Atomic%)は、例えば、前記接着剤組成物を用いて接着剤層を形成するときに、前記接着剤組成物の無機炭素化合物の含有量を調節することで、調節できる。
接着剤層の第1面及び第2面における、全酸素原子数の比率(Atomic%)も、上述の全ケイ素原子数の比率(Atomic%)の場合と同様であり、前記接着剤組成物を用いて接着剤層を形成するときに、前記接着剤組成物の酸素原子を含有する化合物(酸素原子含有化合物)の含有量を調節することで、調節できる。
すなわち、接着剤層の第1面及び第2面における、有機酸素化合物中の酸素原子数の比率(Atomic%)は、例えば、前記接着剤組成物を用いて接着剤層を形成するときに、前記接着剤組成物の有機酸素化合物の含有量を調節することで、調節できる。
そして、接着剤層の第1面及び第2面における、無機酸素化合物中の酸素原子数の比率(Atomic%)は、例えば、前記接着剤組成物を用いて接着剤層を形成するときに、前記接着剤組成物の無機酸素化合物の含有量を調節することで、調節できる。
さらに、接着剤層の第1面及び第2面における、全炭素原子数の比率(Atomic%)及び全酸素原子数の比率(Atomic%)も、上述の全ケイ素原子数の比率(Atomic%)の場合と同様に、剥離材のこれら面との接触面における、炭素原子含有化合物及び酸素原子含有化合物の含有量を調節することでも、調節できる。
なお、本発明において、前記有機化合物には、ケイ素原子及び酸素原子のいずれか一方又は両方を有する化合物が包含される。したがって、前記有機化合物が前記有機ケイ素化合物及び有機酸素化合物のいずれか一方又は両方と同じである場合があり、前記有機ケイ素化合物と有機酸素化合物とが同じである場合がある。
接着剤層は、感圧接着性を有するものが好ましく、熱硬化性を有するものが好ましく、感圧接着性及び熱硬化性を共に有するものがより好ましい。感圧接着性及び熱硬化性を共に有する接着剤層は、未硬化状態では各種被着体に軽く押圧することで貼付できる。また、接着剤層は、加熱して軟化させることで各種被着体に貼付できるものであってもよい。接着剤層は、熱硬化を経て最終的には耐衝撃性が高い硬化物となり、この硬化物はせん断強度にも優れ、厳しい高温・高湿度条件下においても十分な接着特性を保持し得る。
接着剤層の厚さは、特に限定されないが、1〜100μmであることが好ましく、2〜75μmであることがより好ましく、3〜50μmであることが特に好ましい。接着剤層の厚さが前記下限値以上であることで、被着体である半導体ウエハ又は半導体チップに対する接着力が、より大きくなる。また、接着剤層の厚さが前記上限値以下であることにより、半導体チップのピックアップ時に、せん断力を利用して接着剤層又はその硬化物をより容易に切断できる。
先に説明したように、接着剤層は、1層(単層)からなるものでもよいし、2層以上の複数層からなるものでもよく、接着剤層が複数層からなる場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは特に限定されない。
接着剤層が複数層からなる場合には、各層の合計の厚さが、上記の好ましい粘着剤層の厚さとなるようにするとよい。
<接着剤組成物>
接着剤層は、これを構成するための成分を含有する接着剤組成物を用いて形成でき、例えば、前記接着剤組成物を目的とする箇所に塗工し、乾燥させることで形成できる。接着剤組成物中の、常温で気化しない成分同士の含有量の比率は、通常、接着剤層の前記成分同士の含有量の比率と同じとなる。
前記接着剤組成物は、接着剤層の第1面における検出対象のケイ素原子を有する有機ケイ素化合物を少なくとも含有する。この有機ケイ素化合物は、接着剤組成物の後述する各含有成分のいずれかに該当する。
前記接着剤組成物としては、例えば、重合体成分(A)及び熱硬化性成分(B)を含有するものが挙げられる。重合体成分(A)は、重合性化合物が重合反応して形成されたとみなせる成分である。また、熱硬化性成分(B)は、硬化(重合)反応し得る成分である。なお、本発明において重合反応には、重縮合反応も含まれる。
次に、接着剤組成物及び接着剤層の含有成分について説明する。
[重合体成分(A)]
重合体成分(A)は、重合性化合物が重合反応して形成されたとみなせる成分であり、接着剤層に造膜性や、可撓性等を付与するための重合体化合物である。重合体成分(A)は、熱硬化性成分(B)にも該当する場合がある。例えば、フェノキシ樹脂や、側鎖にエポキシ基を有するアクリル系樹脂等は、重合体成分(A)に該当し、かつ熱硬化性成分(B)にも該当することがある。本発明において、このような成分は、重合体成分(A)として取り扱う。
重合体成分(A)としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、アクリルウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ゴム系ポリマー、フェノキシ樹脂等が挙げられ、アクリル系樹脂が好ましい。
前記アクリル系樹脂としては、公知のアクリル重合体を用いることができる。
アクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、10000〜2000000であることが好ましく、100000〜1500000であることがより好ましい。アクリル系樹脂の重量平均分子量が前記下限値以上であることで、接着剤層と支持シートとの接着力(例えば、接着剤層と、後述する硬化後の粘着剤層との接着力)が抑制されて、接着剤層付き半導体チップのピックアップ性がより向上する。また、アクリル系樹脂の重量平均分子量が前記上限値以下であることで、被着体の凹凸面へ接着剤層が追従し易くなり、被着体と接着剤層との間でボイド等の発生がより抑制される。
なお、本明細書において、重量平均分子量とは、特に断りのない限り、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により測定されるポリスチレン換算値を意味する。
アクリル系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、−60〜70℃であることが好ましく、−30〜50℃であることがより好ましい。アクリル系樹脂のTgが前記下限値以上であることで、接着剤層と支持シートとの接着力(例えば、接着剤層と、後述する硬化後の粘着剤層との接着力)が抑制されて、接着剤層付き半導体チップのピックアップ性がより向上する。また、アクリル系樹脂のTgが前記上限値以下であることで、接着剤層と被着体である半導体ウエハ又は半導体チップとの接着力がより大きくなる。
アクリル系樹脂を構成するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル((メタ)アクリル酸ラウリル)、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル((メタ)アクリル酸ミリスチル)、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル((メタ)アクリル酸パルミチル)、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル((メタ)アクリル酸ステアリル)等の、アルキルエステルを構成するアルキル基が鎖状で炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステル;
(メタ)アクリル酸シクロアルキル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸イミド等の、環状骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル;
(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル;
(メタ)アクリル酸グリシジル等のグリシジル基含有(メタ)アクリル酸エステル;
(メタ)アクリル酸N−メチルアミノエチル等の置換アミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。ここで、「置換アミノ基」とは、アミノ基の1個又は2個の水素原子が水素原子以外の基で置換されてなる基を意味する。
アクリル系樹脂を構成するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン、N−メチロールアクリルアミド等の、(メタ)アクリル酸エステル以外のモノマーも挙げられる。
アクリル系樹脂を構成するモノマーは、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
アクリル系樹脂は、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、水酸基、カルボキシ基、イソシアネート基等の他の化合物と結合可能な官能基を有していてもよい。前記官能基は、後述する架橋剤(F)を介して他の化合物と結合するものでもよいし、架橋剤(F)を介さずに他の化合物と直接結合するものでもよい。アクリル系樹脂が前記官能基により他の化合物と結合することで、接着剤層を用いて得られた半導体装置のパッケージ信頼性が向上する傾向がある。
重合体成分(A)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
接着剤組成物が、重合体成分(A)としてアクリル系樹脂を含有する場合、接着剤組成物において、アクリル系樹脂の含有量の割合は、溶媒以外の全成分の総含有量に対して5〜90質量%であることが好ましく、40〜80質量%であることがより好ましい。アクリル系樹脂の前記含有量の割合がこのような範囲であることで、接着剤層と支持シートとの接着力(例えば、接着剤層と、後述する硬化後の粘着剤層との接着力)が抑制されて、接着剤層付き半導体チップのピックアップ性がより向上する。
このように、接着剤層が、重合体成分(A)としてアクリル系樹脂を含有する場合、接着剤層のアクリル系樹脂の含有量は、5〜90質量%であることが好ましく、40〜80質量%であることがより好ましい。
本発明においては、接着剤層と支持シートとの接着力(例えば、接着剤層と、後述する硬化後の粘着剤層との接着力)を低減することで、接着剤層付き半導体チップのピックアップ性をより向上させたり、被着体の凹凸面へ接着剤層が追従し易くすることで、被着体と接着剤層との間でボイド等の発生をより抑制する点から、重合体成分(A)として、アクリル系樹脂以外の熱可塑性樹脂(以下、単に「熱可塑性樹脂」と略記することがある)を単独で用いてもよいし、アクリル系樹脂と併用してもよい。
前記熱可塑性樹脂の重量平均分子量は、1000〜100000であることが好ましく、3000〜80000であることがより好ましい。
前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)は、−30〜150℃であることが好ましく、−20〜120℃であることがより好ましい。
前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、フェノキシ樹脂、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリスチレン等が挙げられる。
前記熱可塑性樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
[熱硬化性成分(B)]
熱硬化性成分(B)は、接着剤層を硬化させるための成分である。熱硬化性成分(B)は、重合体成分(A)にも該当する場合があるが、このような成分は重合体成分(A)として取り扱う。
熱硬化性成分(B)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
熱硬化性成分(B)としては、例えば、エポキシ系熱硬化性樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂、ポリウレタン、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂等が挙げられ、エポキシ系熱硬化性樹脂が好ましい。
(エポキシ系熱硬化性樹脂)
エポキシ系熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂(B1)及び熱硬化剤(B2)からなる。
エポキシ系熱硬化性樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
エポキシ樹脂(B1)としては、公知のものが挙げられ、例えば、多官能系エポキシ樹脂、ビフェニル化合物、ビスフェノールAジグリシジルエーテル及びその水添物、オルソクレゾールノボラックエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェニレン骨格型エポキシ樹脂等、2官能以上のエポキシ化合物が挙げられる。
エポキシ樹脂(B1)としては、不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂を用いてもよい。不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂は、不飽和炭化水素基を有しないエポキシ樹脂よりもアクリル系樹脂との相溶性が高い。このため、不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂を含む接着剤組成物を用いることで、半導体装置のパッケージ信頼性が向上する。
不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂としては、例えば、多官能系エポキシ樹脂のエポキシ基の一部が不飽和炭化水素基を有する基に変換されてなる化合物が挙げられる。このような化合物は、例えば、エポキシ基へ(メタ)アクリル酸又はその誘導体を付加反応させることにより製造できる。なお、本明細書において「誘導体」とは、元の化合物の1個以上の水素原子が水素原子以外の基(置換基)で置換されてなるものを意味する。
また、不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂を構成する芳香環等に、不飽和炭化水素基を有する基が直接結合した化合物等が挙げられる。
不飽和炭化水素基は、重合性を有する不飽和基であり、その具体的な例としては、エテニル基(ビニル基)、2−プロペニル基(アリル基)、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基等が挙げられ、アクリロイル基が好ましい。
エポキシ樹脂(B1)の数平均分子量は、特に限定されないが、接着剤層の硬化性、並びに接着剤層の硬化物の強度及び耐熱性の観点から、100〜20000であることが好ましい。
エポキシ樹脂(B1)のエポキシ当量は、100〜1100g/eqであることが好ましく、150〜1000g/eqであることがより好ましい。
エポキシ樹脂(B1)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
熱硬化剤(B2)は、エポキシ樹脂(B1)に対する硬化剤として機能する。
熱硬化剤(B2)としては、例えば、1分子中にエポキシ基と反応し得る官能基を2個以上有する化合物が挙げられる。前記官能基としては、例えば、フェノール性水酸基、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシ基、酸基が無水物化された基等が挙げられ、フェノール性水酸基、アミノ基、又は酸基が無水物化された基であることが好ましく、フェノール性水酸基又はアミノ基であることがより好ましく、フェノール性水酸基であることが特に好ましい。
熱硬化剤(B2)のうち、フェノール性水酸基を有するフェノール系硬化剤としては、例えば、多官能フェノール樹脂、ビフェノール、ノボラック型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン系フェノール樹脂、アラルキルフェノール樹脂等が挙げられる。
熱硬化剤(B2)のうち、アミノ基を有するアミン系硬化剤としては、例えば、ジシアンジアミド(以下、「DICY」と略記することがある)等が挙げられる。
熱硬化剤(B2)は、不飽和炭化水素基を有するものでもよい。
不飽和炭化水素基を有する熱硬化剤(B2)としては、例えば、フェノール樹脂の水酸基の一部が、不飽和炭化水素基を有する基で置換されてなる化合物、フェノール樹脂の芳香環に、不飽和炭化水素基を有する基が直接結合してなる化合物等が挙げられる。
熱硬化剤(B2)における前記不飽和炭化水素基は、上述の不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂における不飽和炭化水素基と同様のものである。
熱硬化剤(B2)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
接着剤組成物及び接着剤層の熱硬化剤(B2)の含有量は、エポキシ樹脂(B1)の含有量100質量部に対して、0.1〜500質量部であることが好ましく、1〜200質量部であることがより好ましい。熱硬化剤(B2)の前記含有量が前記下限値以上であることで、接着剤層の硬化がより進行し易くなる。また、熱硬化剤(B2)の前記含有量が前記上限値以下であることで、接着剤層の吸湿率が低減されて、パッケージ信頼性がより向上する。
接着剤組成物及び接着剤層の熱硬化性成分(B)の含有量(例えば、エポキシ樹脂(B1)及び熱硬化剤(B2)の総含有量)は、重合体成分(A)の含有量100質量部に対して、1〜100質量部であることが好ましく、1.5〜85質量部であることがより好ましく、2〜70質量部であることが特に好ましい。熱硬化性成分(B)の前記含有量がこのような範囲であることで、接着剤層と支持シートとの接着力(例えば、接着剤層と、後述する硬化後の粘着剤層との接着力)が抑制されて、接着剤層付き半導体チップのピックアップ性がより向上する。
[硬化促進剤(C)]
接着剤組成物は硬化促進剤(C)を含有していてもよい。硬化促進剤(C)は、接着剤組成物の硬化速度を調整するための成分である。
好ましい硬化促進剤(C)としては、例えば、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の第3級アミン;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール類(1個以上の水素原子が水素原子以外の基で置換されたイミダゾール);トリブチルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン等の有機ホスフィン類(1個以上の水素原子が有機基で置換されたホスフィン);テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩等が挙げられる。
硬化促進剤(C)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
硬化促進剤(C)を用いる場合、接着剤組成物及び接着剤層の硬化促進剤(C)の含有量は、熱硬化性成分(B)の含有量(例えば、エポキシ樹脂(B1)及び熱硬化剤(B2)の総含有量)100質量部に対して、0.01〜10質量部であることが好ましく、0.1〜1質量部であることがより好ましい。硬化促進剤(C)の前記含有量が前記下限値以上であることで、硬化促進剤(C)を用いたことによる効果がより顕著に得られる。硬化促進剤(C)の含有量が前記上限値以下であることで、例えば、高極性の硬化促進剤(C)が、高温・高湿度条件下で接着剤層中において被着体との接着界面側に移動して偏析することにより、パッケージの信頼性が低下することを抑制する効果が高くなる。
[充填材(D)]
接着剤組成物及び接着剤層は、充填材(D)を含有していてもよい。接着剤層が充填材(D)を含有することにより、硬化後の接着剤層は熱膨張係数の調整が容易となり、この熱膨張係数を半導体チップに対して最適化することで、パッケージ信頼性を向上させることができる。
また、接着剤層が充填材(D)を含有することにより、硬化後の接着剤層の吸湿率を低減することもできる。
充填材(D)は、有機充填材及び無機充填材のいずれでもよいが、無機充填材であることが好ましい。
好ましい無機充填材としては、例えば、シリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、チタンホワイト、ベンガラ、炭化ケイ素、窒化ホウ素等の粉末;これらシリカ等を球形化したビーズ;これらシリカ等の表面改質品;これらシリカ等の単結晶繊維;ガラス繊維等が挙げられる。
これらの中でも、無機充填材は、シリカフィラー又はアルミナフィラーであることが好ましい。
充填材(D)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
接着剤組成物の溶媒以外の成分の総含有量に対する充填材(D)の含有量の割合(すなわち、接着剤層の充填材(D)の含有量)は、0〜50質量%であることが好ましく、0〜30質量%であることがより好ましく、0〜25質量%であることが特に好ましい。
そして、充填材(D)を用いる場合、接着剤組成物の溶媒以外の成分の総含有量に対する充填材(D)の含有量の割合(すなわち、接着剤層の充填材(D)の含有量)は、1〜35質量%であることが好ましく、2〜30質量%であることがより好ましく、2.5〜25質量%であることが特に好ましく、例えば、4〜25質量%であってもよい。
充填材(D)は、接着剤層の表面に存在した場合、この表面と接着される被着体との接着力を低減し得る。一方、充填材(D)の含有量が前記上限値以下であることで、接着剤層の第1面と支持シートの表面との接着力、接着剤層の第2面と半導体ウエハ又は半導体チップの裏面との接着力を、それぞれ目的とする範囲内に調節することがより容易となる。
また、充填材(D)を用いる場合、充填材(D)の含有量が前記下限値以上であることで、充填材(D)を用いたことによる効果がより顕著に得られる。
[カップリング剤(E)]
接着剤組成物及び接着剤層は、カップリング剤(E)を含有していてもよい。接着剤層は、カップリング剤(E)として、無機化合物又は有機化合物と反応可能な官能基を有するものを用いることにより、接着剤層の被着体に対する接着性及び密着性を向上させることができる。また、カップリング剤(E)を用いることで、接着剤層を硬化して得られた硬化物は、耐熱性を損なうことなく、耐水性が向上する。
カップリング剤(E)は、重合体成分(A)、熱硬化性成分(B)等が有する官能基と反応可能な官能基を有する化合物であることが好ましく、シランカップリング剤であることがより好ましい。
シランカップリング剤は、接着剤層の第1面及び第2面において、ケイ素原子の含有比率(%)に影響を与え得る前記有機ケイ素化合物に該当する。
好ましい前記シランカップリング剤としては、例えば、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシジルオキシメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルメチルジエトキシシラン、3−(フェニルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、(3−ウレイドプロピル)トリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、イミダゾールシラン等が挙げられる。
カップリング剤(E)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
接着剤組成物及び接着剤層のカップリング剤(E)の含有量は、重合体成分(A)及び熱硬化性成分(B)の総含有量100質量部に対して、0〜20質量部であることが好ましく、0〜10質量部であることがより好ましく、0〜5質量部であることが特に好ましい。
カップリング剤(E)を用いる場合、接着剤組成物及び接着剤層のカップリング剤(E)の含有量は、重合体成分(A)及び熱硬化性成分(B)の総含有量100質量部に対して、0.03〜20質量部であることが好ましく、0.05〜10質量部であることがより好ましく、0.1〜5質量部であることが特に好ましい。
カップリング剤(E)の前記含有量が前記上限値以下であることで、アウトガスの発生がより抑制される。
また、カップリング剤(E)を用いる場合、カップリング剤(E)の前記含有量が前記下限値以上であることで、カップリング剤(E)を用いたことによる効果がより顕著に得られる。
[架橋剤(F)]
重合体成分(A)として、他の化合物と結合可能な、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、水酸基、カルボキシ基、イソシアネート基等の官能基を有する、上述のアクリル系樹脂を用いる場合、この官能基を他の化合物と結合させて架橋するために、架橋剤(F)を用いることができる。架橋剤(F)を用いて架橋することにより、接着剤層の初期接着力及び凝集力を調節できる。
架橋剤(F)としては、例えば、有機多価イソシアネート化合物、有機多価イミン化合物等が挙げられる。
前記有機多価イソシアネート化合物としては、例えば、芳香族多価イソシアネート化合物、脂肪族多価イソシアネート化合物、脂環族多価イソシアネート化合物並びにこれら化合物の三量体、イソシアヌレート体及びアダクト体(エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン又はヒマシ油等の低分子活性水素含有化合物との反応物、例えば、トリメチロールプロパンのキシリレンジイソシアネート付加物等)や、有機多価イソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られる末端イソシアネートウレタンプレポリマー等が挙げられる。
前記有機多価イソシアネート化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート;2,6−トリレンジイソシアネート;1,3−キシリレンジイソシアネート;1,4−キシレンジイソシアネート;ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート;ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート;3−メチルジフェニルメタンジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート;ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート;ジシクロヘキシルメタン−2,4’−ジイソシアネート;トリメチロールプロパン等のポリオールのすべて若しくは一部の水酸基に、トリレンジイソシアネート及びヘキサメチレンジイソシアネートのいずれか一方又は両方が付加した化合物;リジンジイソシアネート等が挙げられる。
前記有機多価イミン化合物としては、例えば、N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、N,N’−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)トリエチレンメラミン等が挙げられる。
架橋剤(F)としてイソシアネート系架橋剤を用いる場合、重合体成分(A)である前記アクリル系樹脂としては、水酸基含有重合体を用いることが好ましい。架橋剤(F)がイソシアネート基を有し、アクリル系樹脂が水酸基を有する場合、架橋剤(F)とアクリル系樹脂との反応によって、接着剤層に架橋構造を簡便に導入できる。
架橋剤(F)を用いる場合、接着剤組成物の架橋剤(F)の含有量は、重合体成分(A)の含有量100質量部に対して、0.01〜20質量部であることが好ましく、0.1〜10質量部であることがより好ましく、0.3〜5質量部であることが特に好ましい。架橋剤(F)の前記含有量が前記下限値以上であることで、架橋剤(F)を用いたことによる効果がより顕著に得られる。また、架橋剤(F)の前記含有量が前記上限値以下であることで、接着剤層の支持シートとの接着力や、接着剤層の半導体ウエハ又は半導体チップとの接着力が、過度に低下することが抑制される。
[シリコーンオイル(G)]
接着剤組成物及び接着剤層は、シリコーンオイル(G)を含有していてもよい。
シリコーンオイル(G)は、構成原子としてケイ素原子を有するオイル状成分であり、接着剤層の第1面及び第2面において、ケイ素原子の含有比率(%)に影響を与え得る前記有機ケイ素化合物に該当する。
なお、シリコーンオイル(G)は、重合体成分(A)等の、上述の他の成分にも該当する場合がある。本発明において、このような成分は、シリコーンオイル(G)として取り扱う。
好ましいシリコーンオイル(G)としては、例えば、オルガノポリシロキサンが挙げられる。
前記オルガノポリシロキサンが側鎖として有する有機基としては、例えば、置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基又はアラルキル基(アリールアルキル基)等が挙げられる。なお、本明細書において、「置換基を有する」とは、特に断りのない限り、元の化合物の1個以上の水素原子が水素原子以外の基(置換基)で置換されていることを意味する。
前記オルガノポリシロキサンが側鎖として有する有機基は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
また、前記オルガノポリシロキサンが有する前記置換基は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
前記有機基におけるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、環状である場合、単環状及び多環状のいずれでもよい。
直鎖状又は分岐鎖状の前記アルキル基は、炭素数が1〜30であることが好ましい。
環状の前記アルキル基は、炭素数が3〜30であることが好ましい。
なかでも、前記アルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましい。
前記有機基におけるアリール基は、単環状及び多環状のいずれでもよい。
前記アリール基は、炭素数が6〜30であることが好ましい。
なかでも、前記アリール基は、単環状であることが好ましい。
前記有機基におけるアラルキル基では、アリール基は単環状及び多環状のいずれでもよく、前記アリール基に結合しているアルキレン基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよい。
前記アラルキル基としては、例えば、前記アルキル基から1個の水素原子が除かれてなるアルキレン基が、前記アリール基に結合してなる一価の基が挙げられる。
前記アラルキル基は、炭素数が7〜31であることが好ましい。
なかでも、前記アラルキル基は、これを構成している前記アリール基が単環状であり、前記アリール基に結合しているアルキレン基が直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましい。
前記有機基におけるアルキル基、アリール基及びアラルキル基が有していてもよい前記置換基としては、例えば、水酸基、カルボキシ基、アミノ基、エポキシ基、(メタ)アクリル基、メルカプト基等が挙げられる。
前記オルガノポリシロキサンにおいて、前記有機基が置換基を有する場合、置換基を有する前記有機基は1個でもよいし、2個以上でもよい。
前記オルガノポリシロキサンにおいて、前記有機基が置換基を有する場合、1個の前記有機基が有する置換基は、1個でもよいし、2個以上でもよく、2個以上である場合、これら置換基はすべて同一であってもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ同一であってもよい。
シリコーンオイル(G)は、これらの中でも、置換基を有していてもよいアルキル基及び置換基を有していてもよいアラルキル基のいずれか一方又は両方を側鎖として有するオルガノポリシロキサンであることが好ましく、置換基を有していてもよいアルキル基及び置換基を有していてもよいアラルキル基を側鎖として有するオルガノポリシロキサンであることがより好ましい。
接着剤組成物の溶媒以外の成分の総含有量に対するシリコーンオイル(G)の含有量の割合(すなわち、接着剤層のシリコーンオイル(G)の含有量)は、0〜5質量%であることが好ましく、0〜3.5質量%であることがより好ましく、0〜2質量%であることが特に好ましい。
そして、シリコーンオイル(G)を用いる場合、接着剤組成物の溶媒以外の成分の総含有量に対するシリコーンオイル(G)の含有量の割合(すなわち、接着剤層のシリコーンオイル(G)の含有量)は、0.001〜5質量%であることが好ましく、0.05〜3.5質量%であることがより好ましく、0.1〜2質量%であることが特に好ましい。
シリコーンオイル(G)の含有量が前記上限値以下であることで、接着剤層の第1面と支持シートの表面との接着力、接着剤層の第2面と半導体ウエハ又は半導体チップの裏面との接着力を、それぞれ目的とする範囲内に調節することがより容易となる。
また、シリコーンオイル(G)を用いる場合、シリコーンオイル(G)の含有量が前記下限値以上であることで、シリコーンオイル(G)を用いたことによる効果がより顕著に得られる。
[汎用添加剤(H)]
接着剤組成物及び接着剤層は、上述の成分以外に、汎用添加剤(H)を含有していてもよい。
汎用添加剤(H)としては、例えば、公知のレベリング剤、可塑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、着色剤(顔料、染料)、イオン捕捉剤、ゲッタリング剤、連鎖移動剤等が挙げられる。
汎用添加剤(H)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
汎用添加剤(H)の使用量は、汎用添加剤(H)の種類に応じて適宜調節すればよいが、通常は、接着剤組成物の溶媒以外の成分の総含有量に対する汎用添加剤(H)の含有量の割合(すなわち、接着剤層の汎用添加剤(H)の含有量)は、0〜10質量%であることが好ましく、0〜5質量%であることがより好ましく、0〜2質量%であることが特に好ましい。
[溶媒]
接着剤組成物は、希釈によってその取り扱い性が向上する点から、さらに溶媒を含有するものが好ましい。
接着剤組成物が含有する溶媒は、特に限定されないが、好ましいものとしては、例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素;メタノール、エタノール、2−プロパノール、イソブチルアルコール(2−メチルプロパン−1−オール)、1−ブタノール等のアルコール;酢酸エチル等のエステル;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;テトラヒドロフラン等のエーテル;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド(アミド結合を有する化合物)等が挙げられる。
接着剤組成物が含有する溶媒は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
接着剤組成物が溶媒を含有する場合の溶媒の含有量は、接着剤組成物の固形分濃度が10〜75質量%となる量であることが好ましい。
[接着剤組成物の製造方法]
接着剤組成物は、これを構成するための上述の各成分を配合することで得られる。
各成分の配合時における添加順序は特に限定されず、2種以上の成分を同時に添加してもよい。
溶媒を用いる場合には、溶媒を溶媒以外のいずれかの配合成分と混合してこの配合成分を予め希釈しておくことで用いてもよいし、溶媒以外のいずれかの配合成分を予め希釈しておくことなく、溶媒をこれら配合成分と混合することで用いてもよい。
配合時に各成分を混合する方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法;ミキサーを用いて混合する方法;超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
各成分の添加及び混合時の温度並びに時間は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されず、適宜調節すればよい。
接着剤層においては、前記第1面における、前記式(I)で算出される有機ケイ素化合物由来のケイ素原子の含有比率が3.0%以上であることが好ましく、3.5%以上であることがより好ましく、4.0%以上であることが特に好ましく、例えば、接着剤層の含有成分を調節することで、5.0%以上、6.5%以上等とすることも可能である。接着剤層の第1面における前記ケイ素原子の含有比率が前記下限値以上であることで、接着剤層と支持シートとの接着力(例えば、接着剤層と、後述する硬化後の粘着剤層との接着力)が抑制されて、接着剤層付き半導体チップのピックアップ性がより向上する。
一方、接着剤層の第1面における前記ケイ素原子の含有比率の上限値は、特に限定されないが、接着剤層と支持シートとを安定して接着できる効果がより高くなる点から、例えば、15%であることが好ましい。
接着剤層においては、前記第1面における、前記式(I)で算出される有機ケイ素化合物由来のケイ素原子の含有比率と、前記第2面における、前記式(I)で算出される有機ケイ素化合物由来のケイ素原子の含有比率と、の差(以下、「ケイ素原子の含有比率の差」と略記することがある)が、2.2%以上であることが好ましく、2.5%以上であることがより好ましく、2.7%以上であることが特に好ましい。ケイ素原子の含有比率の差が前記下限値以上であることで、半導体チップのピックアップ適性がより安定化する。
一方、ケイ素原子の含有比率の差の上限値は、特に限定されないが、接着剤層のすべての特性がより良好となる点から、例えば、15%であることが好ましい。
接着剤層においては、前記第2面における、前記式(I)で算出される有機ケイ素化合物由来のケイ素原子の含有比率が7.0%以下であることが好ましく、6.0%以下であることがより好ましく、5.5%以下であることが特に好ましい。接着剤層の第2面における前記ケイ素原子の含有比率が前記上限値以下であることで、接着剤層の半導体ウエハ及び半導体チップへの接着力がより大きくなり、接着剤層をより安定してこれらに固定できるとともに、半導体チップのピックアップ適性を安定化させることがより容易となる。
一方、接着剤層の第2面における前記ケイ素原子の含有比率の下限値は、特に限定されず、例えば、0.001%が挙げられるが、これに限定されない。
本発明においては、前記式(I)中の有機ケイ素化合物、すなわち、前記式(I)において含有比率の算出対象となるケイ素原子を有する有機ケイ素化合物は、シランカップリング剤及びシリコーンオイルからなる群より選択される1種又は2種以上であることが好ましい。このような有機ケイ素化合物を用いることにより、ダイシングダイボンディングシートにおける接着剤層としての全般的な特性を損なうことなく、より容易に半導体チップのピックアップ適性の安定化が可能となる。
本発明に係るダイシングダイボンディングシートにおいては、その大きさが25mm×180mmの場合に、支持シートを剥離角度180°、温度23℃、引張速度300mm/分の条件で接着剤層から剥離させたときの荷重として測定される剥離力(支持シートの表面と接着剤層の第1面との間の剥離力)が、好ましくは0.06〜0.25N/25mm、より好ましくは0.07〜0.22N/25mmとなる。ただし、ダイシングダイボンディングシートが粘着剤層を備え、粘着剤層上に接着剤層を備えており、粘着剤層が硬化性を有する場合には、前記剥離力は、粘着剤層が硬化前のものである。そして、接着剤層が硬化性を有する場合には、前記剥離力は、接着剤層が硬化前のものである。
<ダイシングダイボンディングシートの製造方法>
本発明に係るダイシングダイボンディングシートは、例えば、接着剤層を構成するための成分を含有する接着剤組成物を、剥離材の剥離処理面に塗工して、接着剤層を形成する工程(以下、「接着剤層形成工程」と称することがある)と、前記接着剤層から前記剥離材を剥離させ、前記接着剤層の前記剥離材と接触していた面(以下、この面を「塗工面」と称し、この塗工面とは反対側の面を「貼合面」と称することがある)を、支持シートの表面と貼り合わせて、前記支持シートに前記接着剤層を積層する工程(以下、「積層工程」と称することがある)と、を有する製造方法(以下、「製造方法(1)」と称することがある)で製造できる。接着剤層の塗工面及び貼合面は、前記接着剤層形成工程において決定される。
製造方法(1)は、接着剤層形成工程終了後に、さらに、接着剤層の前記剥離材と接触している側とは反対側の表面(露出面、貼合面)に、別途剥離材の剥離処理面を貼り合わせる工程(以下、「貼合工程」と称することがある)を有することが好ましい。このように、接着剤層の両面に剥離材を設けることで、接着剤層の取り扱い性が向上する。本工程で別途用いる前記剥離材は、接着剤組成物の塗工に用いる剥離材と同じであってもよいし、異なっていてもよい。そして、この別途用いる前記剥離材は、必要に応じて、以降のいずれかの工程で取り除いてもよいし、ダイシングダイボンディングシートの使用時まで、取り除かなくてもよい。
例えば、支持シートが基材のみからなる場合には、前記積層工程においては、接着剤層の前記塗工面を、前記基材の表面と貼り合わせて、前記基材に接着剤層を積層すればよい。
一方、支持シートが、基材上に他の層が積層されてなるものである場合には、前記積層工程においては、接着剤層の前記塗工面を、前記他の層の基材と接触している側とは反対側の表面(露出面)と貼り合わせて、前記基材、他の層及び接着剤層がこの順に積層されてなる積層体を形成すればよい。
基材上に他の層が積層されてなる支持シートとして、市販品が入手可能であれば、この市販品を用いることができる。
一方、基材上に他の層が積層されてなる支持シートを製造する場合には、例えば、前記他の層を構成するための成分を含有する組成物を、基材の表面に塗工して、必要に応じて乾燥させることで、基材に前記他の層を積層すればよい。また、基材上に他の層が積層されてなる支持シートを製造する場合には、例えば、前記他の層を構成するための成分を含有する組成物を、剥離材の剥離処理面に塗工して、必要に応じて乾燥させることで、剥離材上に前記他の層を形成した後、形成した前記他の層の表面(露出面)を前記基材の表面と貼り合わせることで、基材に前記他の層を積層してもよい。この場合、前記剥離材は、前記他の層への接着剤層の積層時までに取り除けばよい。そして、前記剥離材は、上述の接着剤組成物の塗工に用いる剥離材と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
例えば、前記他の層が粘着剤層である場合には、本発明に係るダイシングダイボンディングシートは、前記製造方法(1)に従って、前記接着剤組成物を剥離材の剥離処理面に塗工して、接着剤層を形成する工程(接着剤層形成工程)と、粘着剤層を構成するための成分を含有する粘着剤組成物を基材の表面に塗工して、粘着剤層を形成する工程(以下、「粘着剤層形成工程」と称することがある)と、前記接着剤層から前記剥離材を剥離させ、前記接着剤層の前記剥離材と接触していた面(塗工面)を、前記粘着剤層の基材と接触している側とは反対側の表面(露出面)と貼り合わせて、前記粘着剤層に前記接着剤層を積層する工程(積層工程)と、を有する製造方法(以下、「製造方法(1)−1」と称することがある)で製造できる。製造方法(1)−1も、前記貼合工程を有することが好ましい。
また、前記他の層が粘着剤層である場合には、本発明に係るダイシングダイボンディングシートは、上記の製造方法(1)−1とは異なる方法でも製造できる。
すなわち、このようなダイシングダイボンディングシートは、前記接着剤組成物を第1剥離材の剥離処理面に塗工して、接着剤層を形成する工程(接着剤層形成工程)と、前記粘着剤組成物を第2剥離材の剥離処理面に塗工して、粘着剤層を形成する工程(以下、「粘着剤層形成工程(β)」と称することがあり、これと区別するために、上述の製造方法(1)−1における粘着剤層形成工程を「粘着剤層形成工程(α)」と称することがある)と、前記接着剤層から前記第1剥離材を剥離させ、前記接着剤層の前記第1剥離材と接触していた面(塗工面)を、前記粘着剤層の第2剥離材と接触している側とは反対側の表面(露出面)と貼り合わせて、前記粘着剤層に前記接着剤層を積層する工程(以下、「積層工程(β)−1」と称することがあり、これと区別するために、上述の製造方法(1)及び製造方法(1)−1における積層工程を「積層工程(α)」と称することがある)と、前記粘着剤層から前記第2剥離材を剥離させ、前記粘着剤層の前記第2剥離材と接触していた面を、基材の表面と貼り合わせて、前記粘着剤層に基材を積層する工程(以下、「積層工程(β)−2」と称することがある)と、を有する製造方法(以下、「製造方法(2)−1」と称することがある)で製造できる。製造方法(2)−1も、製造方法(1)の場合と同様の貼合工程を有することが好ましい。
また、前記他の層が粘着剤層である場合には、本発明に係るダイシングダイボンディングシートは、前記接着剤組成物を第1剥離材の剥離処理面に塗工して、接着剤層を形成する工程(接着剤層形成工程)と、前記粘着剤組成物を第2剥離材の剥離処理面に塗工して、粘着剤層を形成する工程(粘着剤層形成工程(β))と、前記粘着剤層の前記第2剥離材と接触している側とは反対側の表面(露出面)を基材の表面と貼り合わせて、前記粘着剤層に基材を積層する工程(以下、「積層工程(γ)−1」と称することがある)と、前記接着剤層から前記第1剥離材を剥離させ、前記粘着剤層から前記第2剥離材を剥離させて、前記接着剤層の第1剥離材と接触していた面(塗工面)を、前記粘着剤層の第2剥離材と接触していた面と貼り合わせて、前記粘着剤層に前記接着剤層を積層する工程(以下、「積層工程(γ)−2」と称することがある)と、を有する製造方法(以下、「製造方法(2)−2」と称することがある)でも製造できる。製造方法(2)−2における積層工程(γ)−1は、製造方法(2)−1における積層工程(β)−2と同様に行うことができる。製造方法(2)−2も、製造方法(1)の場合と同様の貼合工程を有することが好ましい。
上述の製造方法の積層工程、積層工程(α)、積層工程(β)−1及び積層工程(γ)−2において、接着剤層の塗工面を支持シートの表面と貼り合わせて、接着剤層の塗工面を第1面とすることで、本発明に係るダイシングダイボンディングシートは、同じ接着剤層を用いた場合に、半導体チップのピックアップ適性が安定化するという、本発明の効果を奏するものとなる。
接着剤層の形成対象面へ接着剤組成物を塗工し、接着剤層を形成することによって、接着剤層は、前記形成対象面と接触した状態の表面である塗工面と、この塗工面とは反対側に位置し、前記形成対象面と接触していない状態の表面である非塗工面(すなわち、前記貼合面)と、を有するものとなる。理由は定かではないが、前記塗工面は、前記貼合面よりも、前記式(I)で算出される、前記接着剤層の表面における有機ケイ素化合物由来のケイ素原子の含有比率が高くなることが、初めて見出された。そして、前記塗工面を第1面として選択し、前記貼合面を第2面として選択することで、ダイシングダイボンディングシートにおいては、同じ接着剤層を用いる限り、接着剤層の支持シートとの間の剥離力が安定化し、半導体チップのピックアップ適性が安定化することが初めて見出された。
上述の製造方法で用いる剥離材、第1剥離材及び第2剥離材は、いずれも当該分野で用いる、剥離処理面を有する公知の剥離材と同様のものである。例えば、前記剥離処理面における剥離処理としては、アルキッド系、シリコーン系、フッ素系、不飽和ポリエステル系、ポリオレフィン系又はワックス系等の各種剥離剤による処理が挙げられる。前記剥離剤は、耐熱性を有する点では、アルキッド系、シリコーン系又はフッ素系の剥離剤が好ましい。
なお、シリコーン系の剥離剤は、接着剤層の第1面及び第2面において、ケイ素原子の含有比率(%)に影響を与え得る前記有機ケイ素化合物に該当する。
上述の製造方法(製造方法(1)、製造方法(1)−1、製造方法(2)−1、製造方法(2)−2)において、接着剤組成物及び粘着剤組成物の塗工は、いずれも公知の方法で行えばよく、例えば、エアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロールコーター、ロールナイフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ナイフコーター、スクリーンコーター、マイヤーバーコーター、キスコーター等の各種コーターを用いる方法が挙げられる。
上述の製造方法の接着剤層形成工程において、接着剤層は、接着剤組成物を接着剤層の形成対象面に塗工した後、乾燥させることで形成することが好ましい。
また、上述の製造方法の粘着剤層形成工程、粘着剤層形成工程(α)又は粘着剤層形成工程(β)において、粘着剤層は、粘着剤組成物を粘着剤層の形成対象面に塗工した後、乾燥させることで形成することが好ましい。このとき必要に応じて、塗工した粘着剤組成物を加熱することで、架橋してもよい。加熱条件は、例えば、80〜130℃で1〜5分間とすることができるが、これに限定されない。
本発明に係るダイシングダイボンディングシートの製造方法のうち、一例として、製造方法(1)−1の場合について、図4を参照して説明する。図4は、図1に示すダイシングダイボンディングシートの製造方法を説明するための断面図である。なお、ここでは、製造方法(1)−1を例に挙げて説明するが、上述の製造方法(1)−1以外の製造方法が、以下で説明する工程と同じであるか又は類似する工程を有する場合には、このような工程も、以下で説明する工程と同様に行うことができる。
本法では、図4(a)に示すように、前記接着剤層形成工程において、前記接着剤組成物を剥離材90の剥離処理面90aに塗工して、接着剤層13を形成する。
本法では、次いで、図4(b)に示すように、接着剤層13の剥離材90と接触している側とは反対側の表面(露出面)に、別途剥離材14の剥離処理面14aを貼り合わせる、前記貼合工程を行うことが好ましい。
本法では、次いで、図4(c)に示すように、前記積層工程において、接着剤層13から剥離材90を剥離させる。そして、接着剤層13の剥離材90と接触していた面(塗工面)13b’を、支持シート10のうち、粘着剤層12の基材11と接触している側とは反対側の表面(露出面)12aと貼り合わせて、粘着剤層12に接着剤層13を積層する。
以上により、図4(d)に示すように、接着剤層13の前記塗工面13b’が第1面13bとなり、接着剤層13の剥離材14との接触面が第2面13aとなって、ダイシングダイボンディングシート1Aが得られる。
<ダイシングダイボンディングシートの使用方法>
本発明に係るダイシングダイボンディングシートの使用方法は、以下に示すとおりである。
すなわち、まず、ダイシングダイボンディングシートの接着剤層に半導体ウエハの裏面を貼付するとともに、ダイシングダイボンディングシートをダイシング装置に固定する。
次いで、半導体ウエハをダイシングして個片化し、半導体チップとする。
次いで、半導体チップをその裏面に貼付されている接着剤層とともに支持シートから剥離させてピックアップすることにより、接着剤層付き半導体チップを得る。このとき、支持シートが、基材上に粘着剤層が積層されてなるものである場合には、必要に応じて粘着剤層にエネルギー線を照射して、粘着剤層を硬化させてその粘着性を低下させた後にピックアップを行うことにより、さらに安定して容易にピックアップを行うことができる。
そして、本発明に係るダイシングダイボンディングシートにおいては、接着剤層の第1面が、上記のように、接着剤層の第2面よりも前記ケイ素原子の含有比率が高いことにより、同じ接着剤層を用いている限り、接着剤層の支持シートとの間の剥離力が安定化する。したがって、ピックアップのときに接着剤層が半導体チップとともに支持シートから容易に剥離するだけでなく、このときの剥離力が安定しており、半導体チップのピックアップ適性が安定化する。
以下、具体的実施例により、本発明についてより詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に、何ら限定されるものではない。
接着剤組成物の製造に用いた原料を以下に示す。
[重合体成分(A)]
(A)−1:アクリル酸メチル95質量部及びアクリル酸2−ヒドロキシエチル5質量部を共重合してなるアクリル系樹脂(重量平均分子量500000、ガラス転移温度9℃)。
[熱硬化性成分(B)]
・エポキシ樹脂(B1)
(B1)−1:アクリロイル基付加クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製「CNA−147」)
・熱硬化剤(B2)
(B2)−1:アラルキルフェノール樹脂(三井化学社製「ミレックスXLC−4L」)
[充填材(D)]
(D)−1:シリカフィラー(アドマテックス社製「YA050C−MJA」)
[カップリング剤(E)]
(E)−1:シランカップリング剤(信越シリコーン社製「KBE402」、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン)
[架橋剤(F)]
(F)−1:芳香族性多価イソシアネート(日本ポリウレタン工業社製「コロネートL」)
[シリコーンオイル(G)]
(G)−1:アルキルアラルキル変性シリコーンオイル(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製「XF42−334」)
接着剤組成物の塗工対象とした剥離フィルムを以下に示す。
剥離材(1):ポリエチレンテレフタレート製フィルムの片面がシリコーン処理により剥離処理された剥離フィルム(リンテック社製「SP−PET382150」、厚さ38μm)
剥離材(2):ポリエチレンテレフタレート製フィルムの片面がシリコーン処理により剥離処理された剥離フィルム(リンテック社製「SP−PET382060」、厚さ38μm)
剥離材(3):ポリエチレンテレフタレート製フィルム(厚さ38μm)の片面に、アクリル変性アルキド樹脂のコーティングにより、アルキド樹脂層(厚さ0.2μm)が形成され、剥離処理された剥離フィルム(リンテック社製「PET38AL−5」)
[実施例1]
<ダイシングダイボンディングシート及び積層シートの製造>
(粘着剤組成物の製造)
アクリル酸2−エチルヘキシル60質量部、メタクリル酸メチル30質量部、及びアクリル酸2−ヒドロキシエチル10質量部を共重合してなる(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体(重量平均分子量700000、ガラス転移温度−44℃)(100g、固形分)、芳香族性多価イソシアネート(日本ポリウレタン工業社製「コロネートL」)(19g、固形分)、及び酢酸エチルを混合し、固形分の含有量が24質量%である粘着剤組成物を得た。
(粘着剤層の形成)
ポリエチレンテレフタレート製フィルムの片面が剥離処理された剥離フィルム(厚さ38μm、以下、「剥離フィルム(4)」と略記することがある)の前記剥離処理面に、アプリケータを用いてギャップを調整しながら、上記で得られた粘着剤組成物を塗工し、100℃で2分間乾燥させることで、厚さが10μmである粘着剤層を形成した。得られた粘着剤層の露出面に、基材として、Tダイ押出しにより厚さ80μmに製膜した無延伸のエチレン−メタクリル酸共重合体製フィルムを貼り合わせた。以上により、基材、粘着剤層及び剥離フィルム(4)がこの順に積層されてなる支持シートを得た。
(接着剤組成物の製造)
表1に示すように、重合体成分(A)−1(100質量部)、エポキシ樹脂(B1)−1(30質量部)、熱硬化剤(B2)−1(5質量部)、カップリング剤(E)−1(1.5質量部)、及び架橋剤(F)−1(0.6質量部)を混合し、さらにメチルエチルケトンを混合して、固形分の含有量が20質量%である接着剤組成物を得た。なお、ここと表1に示すメチルエチルケトン以外の成分の配合量は、すべて固形分量である。
(接着剤層の形成)
剥離材(1)の剥離処理面上に、ナイフコーターによって、上記で得られた接着剤組成物を塗工し、110℃で2分間乾燥させることにより、厚さが25μmである接着剤層を形成した。
次いで、この接着剤層の剥離材(1)が設けられている面とは反対側の露出面に、剥離材(2)の剥離処理面を貼り合わせ、剥離材(1)、接着剤層及び剥離材(2)がこの順に積層されてなる接着シートを得た。
ここで形成した接着剤層の表面のうち、剥離材(1)との接触面が塗工面であり、剥離材(2)との接触面が貼合面である。
(ダイシングダイボンディングシートの製造)
上記で得られた接着シートから剥離材(1)を取り除き、露出した接着剤層の塗工面と、前記支持シートの前記粘着剤層の表面とを、ラミネーターを用いて圧着した。
以上により、支持シート(基材、粘着剤層)、接着剤層及び剥離材(2)がこの順に積層されてなり、接着剤層の塗工面が支持シートの表面との接触面(第1面)であるダイシングダイボンディングシートを得た。
<ダイシングダイボンディングシートの評価>
(ダイシングダイボンディングシートのピックアップ適性の評価)
上記で得られたダイシングダイボンディングシートから、剥離材(2)を取り除き、露出した接着剤層の貼合面に、8インチのシリコンウエハ(直径300mm、 厚さ75μm)を60℃でラミネートし、さらに両面テープを用いて、このダイシングダイボンディングシートをリングフレームに固定した。
次いで、ブレードダイシングによる切断方法を適用して、シリコンウエハを8mm×8mmの大きさのチップに個片化した。このとき、ダイシングブレードによって支持シートをその表面から20μmだけ切り込んだ。
次いで、ピックアップ装置を用いて、8mm×8mmの大きさのコレットにより、突上げ速度20mm/秒、 突上げ量200μmの条件で、裏面に接着剤層を備えた10個のチップのピックアップを試みた。そして、クラックが生じることなく、正常にピックアップできたチップの個数を確認し、下記評価基準に従って、ダイシングダイボンディングシートのピックアップ適性を評価した。結果を表1に示す。
○:正常にピックアップできたチップが6個以上であった。
△:正常にピックアップできたチップが1〜5個であった。
×:正常にピックアップできたチップが0個であった。
(接着剤層の塗工面におけるケイ素原子の含有比率の測定)
上記で得られた接着シートから、剥離材(1)を取り除いて、露出した接着剤層の塗工面における有機ケイ素化合物由来のケイ素原子数の比率(Atomic%)、全ケイ素原子数の比率(Atomic%)、全炭素原子数の比率(Atomic%)及び全酸素原子数の比率(Atomic%)をそれぞれ測定した。これら原子数の比率は、X線光電子分光分析装置を用いて、X線源をMgKα15KV(300W)とし、取り出し角を45°として、X線光電子分光分析(XPS)を行うことにより、測定した。なお、ケイ素原子については、結合エネルギーのピーク位置が102.2eVであるものを有機ケイ素化合物由来のケイ素原子とし、結合エネルギーのピーク位置が103.5eVであるものを無機ケイ素化合物由来のケイ素原子として、原子数の比率を算出した。また、有機ケイ素化合物由来のケイ素原子と無機ケイ素化合物由来のケイ素原子の合計を全ケイ素原子とした。
次いで、これら測定値を用い、前記式(I)から、接着剤層の塗工面における有機ケイ素化合物由来のケイ素原子の含有比率(%)を算出した。結果を表1に示す。表1中、「Si含有比率(%)」の「有機Si」の欄の数値が、前記塗工面における有機ケイ素化合物由来のケイ素原子の含有比率である。
(接着剤層の貼合面におけるケイ素原子の含有比率の測定)
上記で得られた接着シートから、剥離材(2)を取り除いて、露出した接着剤層の貼合面における、有機ケイ素化合物由来のケイ素原子の含有比率(%)を、接着剤層の塗工面の場合と同じ方法で測定した。結果を表1に示す。
さらに、これらケイ素原子の含有比率の測定値から、前記塗工面における有機ケイ素化合物由来のケイ素原子の含有比率と、前記貼合面における有機ケイ素化合物由来のケイ素原子の含有比率と、の差を算出した。結果を表1に示す。表1中、「[塗工面有機Si含有比率]−[貼合面有機Si含有比率](%)」の欄の数値が、その算出値である。
<ダイシングダイボンディングシートの製造並びに評価>
[実施例2〜12、比較例1〜2]
接着剤組成物の配合成分の種類、接着剤組成物の配合成分の量、剥離フィルムの種類、及び接着剤層における第1面のいずれか一以上を、表1〜3に示すように変更した点以外は、実施例1と同じ方法で、ダイシングダイボンディングシートを製造し、評価した。例えば、実施例5では、接着剤組成物の製造時には、カップリング剤(E)−1の配合量を1.5質量部に代えて0.8質量部とし、さらにシリカフィラー(D)−1(35質量部)とシリコーンオイル(G)−1(1.5質量部)を追加で配合し、接着剤層の形成時には、剥離材(1)及び剥離材(2)に代えて、いずれも剥離材(3)を用いた点以外は、実施例1と同じ方法で、ダイシングダイボンディングシートを製造し、評価した。結果を表1〜3に示す。
なお、表1〜3中、配合成分の欄の「−」との記載は、その成分が未配合であることを意味する。また、評価結果の欄の「−」との記載は、その項目が未評価であることを意味する。
Figure 0006521823
Figure 0006521823
Figure 0006521823
上記結果から明らかなように、接着剤層において、第1面が第2面よりも、有機ケイ素化合物由来のケイ素原子の含有比率が高い、実施例1〜5及び12のダイシングダイボンディングシートは、安定してピックアップを行うことができ、ピックアップ適性が高かった。なかでも、有機ケイ素化合物由来のケイ素原子の含有比率の差が大きい実施例1〜5のダイシングダイボンディングシートは、特にピックアップ適性が高かった。実施例6〜11については、ダイシングダイボンディングシートのピックアップ適性を未評価であるが、接着剤層における第1面及び第2面のケイ素原子の含有比率と剥離力は、実施例1〜5の接着剤層の場合と同様の傾向を示していることから、実施例6〜11においてダイシングダイボンディングシートを製造した場合、そのピックアップ適性も、実施例1〜5の場合と同様の結果を与えると推測される。
これに対して、比較例1のダイシングダイボンディングシートは、接着剤層の第1面及び第2面の選定が逆である点以外は、実施例3のダイシングダイボンディングシートと同じものであるが、このように接着剤層の配置の向きが逆であることにより、第1面が第2面よりも、有機ケイ素化合物由来のケイ素原子の含有比率が低くなってしまい、ピックアップ適性が顕著に劣っていた。
また、比較例2のダイシングダイボンディングシートは、接着剤層がケイ素原子を有する成分を含有していないことで、第1面及び第2面がいずれも、有機ケイ素化合物由来のケイ素原子の含有比率はゼロで差がなく、ピックアップ適性が顕著に劣っていた。
本発明は、半導体チップ等の製造に利用可能である。
1A,1B,1C・・・ダイシングダイボンディングシート、10・・・支持シート、11・・・基材、12・・・粘着剤層、13,23・・・接着剤層、231・・・第1接着剤層、232・・・第2接着剤層、13b,23b・・・接着剤層の第1面、13a,23a・・・接着剤層の第2面

Claims (4)

  1. 支持シート上に接着剤層を備えてなり、
    前記接着剤層の表面のうち、前記支持シート側の第1面が、前記第1面とは反対側の第2面よりも、下記式(I)で算出される、前記接着剤層の表面における有機ケイ素化合物由来のケイ素原子の含有比率が高い、ダイシングダイボンディングシート。
    [有機ケイ素化合物由来のケイ素原子の含有比率(%)]=[有機ケイ素化合物由来のケイ素原子数の比率(Atomic%)]/{[全炭素原子数の比率(Atomic%)]+[全酸素原子数の比率(Atomic%)]+[全ケイ素原子数の比率(Atomic%)]}×100 ・・・・(I)
  2. 前記接着剤層において、前記第1面における前記ケイ素原子の含有比率と、前記第2面における前記ケイ素原子の含有比率と、の差が2.5%以上である、請求項1に記載のダイシングダイボンディングシート。
  3. 前記接着剤層において、前記第1面における前記ケイ素原子の含有比率が4.0%以上である、請求項1又は2に記載のダイシングダイボンディングシート。
  4. 前記有機ケイ素化合物が、シランカップリング剤及びシリコーンオイルからなる群より選択される1種又は2種以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のダイシングダイボンディングシート。
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