JP6521544B2 - リソグラフィ方法及び装置 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
[0001] 本願は、2015年6月22日出願の第15173107.2号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
[0002] 本発明は、投影システムの構成を決定する方法に関する。方法は、リソグラフィ装置に関連して使用可能である。
[0003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に、通常は基板のターゲット部分に適用する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。このような場合、代替的にマスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層上に対応する回路パターンを生成することができる。このパターンを、放射感応性材料(レジスト)の層を有する基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つ又は幾つかのダイの一部を含む)に結像することができる。一般的に、1枚の基板は、順次露光される隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。従来のリソグラフィ装置は、パターン全体をターゲット部分に1回で露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、基板を所与の方向(「スキャン」方向)と平行或いは逆平行に同期的にスキャンしながら、パターンを所与の方向(「スキャン」方向)に放射ビームでスキャンすることにより、各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナとを含む。
[0004] パターニングデバイスによってパターン付与された放射は、投影システムを使用して基板上に集束される。投影システムは、1つ以上のマニピュレータを使用して調整可能な複数の光学要素(例えば、レンズ)を含むことができる。マニピュレータは、基板に所望の波面をもたらすために制御することができる。例えば、基板に所望の波面をもたらすマニピュレータの構成を決定し、その構成内にマニピュレータを移動させることができる。
[0005] 本発明の目的は、本明細書又はその他において識別されるかどうかにかかわらず、従来技術の問題のうちの1つ以上に少なくとも部分的に対処する投影システムの構成を決定する方法を提供することである。
[0006] 本発明の第1の態様に従い、リソグラフィ装置のための投影システムの構成を決定する方法が提供され、投影システムは複数の光学要素及び複数のマニピュレータを備え、マニピュレータは、光学要素の光学特性を調整し、それによって投影システムの光学特性を調整するように、光学要素を操作するように動作可能であって、方法は、マニピュレータの構成に対する投影システムの光学特性の依存性を受け取ること、マニピュレータの物理的制約に対応する複数の制約を受け取ること、コスト関数を公式化することであって、コスト関数は、マニピュレータの所与の構成に関する投影システムの光学特性と投影システムの所望の光学特性との間の差を表し、コスト関数は、マニピュレータの構成に対する投影システムの光学特性の依存性を使用して公式化されること、コスト関数をスケーリングされた変数空間内へとスケーリングすることであって、スケーリングは複数の制約を使用して実行されること、及び、複数の制約を満たすことを条件としてスケーリングされたコスト関数を実質的に最小化する、マニピュレータのソリューション構成を発見すること、を含む。
[0007] 複数の制約を使用してコスト関数をスケーリングすることは、有利には、相対的に計算上安価であり、相対的に最適なソリューションに近いソリューションを発見することが可能な、方法を使用して、スケーリングされたコスト関数を実質的に最小化することを可能にする。したがって第1の態様は、有利には、即時実行が可能であり、最適なソリューションに近いマニピュレータのソリューション構成を発見することが可能な、方法を提供する。これにより、リソグラフィプロセス中、及び/又はリソグラフィプロセス間に、マニピュレータの構成を即時且つ正確に更新することが可能になる。
[0008] マニピュレータのソリューション構成を発見することは、マニピュレータの構成に対する反復調整を計算すること、及び、スケーリングされたコスト関数の対応する値を計算すること、を含むことができる。
[0009] マニピュレータの構成に対する反復調整を計算することは、スケーリングされたコスト関数を最小化することを求める調整を計算することを含むことができる。
[0010] マニピュレータの構成に対する反復調整を計算することは、スケーリングされたコスト関数の値を減少させる調整を計算することを含むことができる。
[0011] マニピュレータのソリューション構成を発見することは、マニピュレータの構成に対する投影システムの光学特性の依存性を表す、マトリクスの因数分解を実行することを含むことができる。
[0012] 因数分解は、特異値分解とすることができる。
[0013] 特異値分解は、一般化特異値分解とすることができる。
[0014] 一般化特異値分解は、マニピュレータの構成に対する投影システムの光学特性の依存性を表すマトリクス及び複数の制約を表すマトリクスの、一般化特異値分解とすることができる。
[0015] マニピュレータのソリューション構成を発見することは、マニピュレータのソリューション構成に対する特異値の寄与を制御するように、因数分解の結果として生じる特異値にフィルタ関数を適用することを更に含むことができる。
[0016] フィルタリングは、不連続フィルタ関数を含むことができる。
[0017] マニピュレータのソリューション構成を発見することは、各特異値に指標を割り当てることであって、指標は特異値サイズの減少に伴って増加すること、及び、特異値の寄与を切り捨てる切り捨て指標を決定すること、を更に含むことが可能であり、切り捨て指標より小さいか又はこれに等しい指標を有する特異値はマニピュレータのソリューション構成に寄与し、切り捨て指標より大きい指標を有する特異値はマニピュレータのソリューション構成に寄与せず、切り捨て指標を決定することは、複数の制約を満たすことを条件としてスケーリングされたコスト関数が実質的に最小化される切り捨て指標を発見することを含む。
[0018] フィルタリングは、連続フィルタ関数を含むことができる。
[0019] 連続フィルタ関数は、正則化パラメータを含むことができる。
[0020] フィルタ関数jは、
の形とすることが可能であり、上式で、γは、マニピュレータの構成に対する投影システムの光学特性の依存性を表すマトリクス、及び複数の制約を表すマトリクスの、一般化特異値分解の結果として生じる一般化特異値であり、βは正則化パラメータであり、iは各一般化特異値に割り当てられる指標であり、指標は一般化特異値サイズの減少に伴って増加する。
[0021] マニピュレータのソリューション構成を発見することは、制約を満たすことを条件としてスケーリングされたコスト関数が実質的に最小化される正則化パラメータを決定することを更に含むことができる。
[0022] マニピュレータのソリューション構成を発見することは、2次ペナルティ法を使用することを含むことができる。
[0023] 方法は、投影システムのいくつかの所望の光学特性に投影システムの他の所望の光学特性よりも大きい重み付けが割り当てられるように、コスト関数に重み付けを適用することを更に含むことができる。
[0024] 方法は、複数の制約のうちのいずれかが冗長であるかどうかを決定すること、及び、冗長な制約があれば複数の制約から廃棄すること、を更に含むことができる。
[0025] マニピュレータのソリューション構成を発見することは、マニピュレータの構成の初期推定を設定すること、及び、制約を満たしながらスケーリングされたコスト関数の実質的最小値を求めるために、マニピュレータの構成の推定を反復的に更新すること、を含むことができる。
[0026] マニピュレータの構成の推定を反復的に更新することは、マニピュレータのスケーリングされた構成の推定を反復的に更新することを含むことができ、マニピュレータのスケーリングされた構成は、制約を満たすようにスケーリングされたマニピュレータの構成を含む。
[0027] マニピュレータの構成の推定を反復的に更新することは、最小発見法を使用することを含むことができる。
[0028] 最小発見法は、黄金分割探索を含むことができる。
[0029] マニピュレータの構成の初期推定を設定することは、制約まで広がる変数空間の実質的な幾何学的中心である値に、初期値を設定することを含むことができる。
[0030] 方法は、マニピュレータの構成に対する投影システムの光学特性の依存性を決定することを更に含むことができる。
[0031] マニピュレータの構成に対する投影システムの光学特性の依存性を決定することは、マニピュレータの構成を変更すること、及び、投影システムの光学特性における結果的な変更を測定すること、を含むことができる。
[0032] 方法は、マニピュレータの構成をマニピュレータのソリューション構成に調整することを更に含むことができる。
[0033] 本発明の第2の態様に従い、第1の態様に従ってリソグラフィ装置の投影システムの構成を決定すること、決定された構成を使用して投影システムの構成を調整すること、パターン付与された放射ビームを、投影システムを使用して基板上に投影すること、を含むリソグラフィ露光を実行する方法が提供される。
[0034] 本発明の第3の態様に従い、第1の態様に従った方法をコンピュータに実施させるように構成されたコンピュータ可読命令を備えるコンピュータプログラムが提供される。
[0035] 第4の態様に従い、第3の態様に従ってコンピュータプログラムを実施するコンピュータ可読媒体が提供される。
[0036] 本発明の第5の態様に従い、プロセッサ可読命令を記憶するメモリと、メモリ内に記憶された命令を読み取り且つ実行するように配置されたプロセッサと、を備えるコンピュータ装置が提供され、プロセッサ可読命令は、第1の態様に従った方法を実施するようにコンピュータを制御するように配置された命令を備える。
[0037] 本発明の第6の態様に従い、リソグラフィ装置のための投影システムを制御するように構成されたコントローラが提供され、投影システムは、複数の光学要素と、光学要素の光学特性を調整し、それによって投影システムの光学特性を調整するように光学要素を操作するように動作可能な複数のマニピュレータと、を備え、コントローラは、マニピュレータの構成に対する投影システムの光学特性の依存性を受け取ること、マニピュレータの物理的制約に対応する複数の制約を受け取ること、コスト関数を公式化することであって、コスト関数は、マニピュレータの所与の構成に関する投影システムの光学特性と投影システムの所望の光学特性との間の差を表し、コスト関数は、マニピュレータの構成に対する投影システムの光学特性の依存性を使用して公式化されること、コスト関数をスケーリングされた変数空間内へとスケーリングすることであって、スケーリングは複数の制約を使用して実行されること、及び、複数の制約を満たすことを条件としてスケーリングされたコスト関数を実質的に最小化する、マニピュレータのソリューション構成を発見すること、を実行するように構成される。
[0038] 本発明の第7の態様に従い、リソグラフィ装置のための投影システムが提供され、投影システムは、複数の光学要素と、光学要素の光学特性を調整し、それによって投影システムの光学特性を調整するように光学要素を操作するように動作可能な複数のマニピュレータと、第6の態様に従ったコントローラと、を備える。
[0039] 本発明の第8の態様に従い、放射ビームを条件付けるように構成された照明システムと、パターニングデバイスを支持するように構築された支持構造であって、パターニングデバイスはパターン付与された放射ビームを形成するためにその断面において放射ビームにパターンを付与することが可能である、支持構造と、基板を保持するように構築された基板テーブルと、第7の態様に従った投影システムと、を備えるリソグラフィ装置が提供される。
[0040] 上記又は下記に記載される本発明の様々な態様及び特徴は、当業者であれば容易に明らかとなるように、本発明の様々な他の態様及び特徴と組み合わせることができる。
[0041] 対応する参照符号が対応する部分を示す添付の概略図を参照しながら以下に本発明の実施形態について説明するが、これは単に例示としてのものに過ぎない。
リソグラフィ装置の概略図である。 図1に示されるリソグラフィ装置の投影システムの構成を決定する方法を表すフローチャートである。 図2に示される方法に従って投影システムの構成が決定される、変数空間の概略表現である。 本発明の実施形態に従った、投影システムの構成を決定する方法を表すフローチャートである。 図4に示される方法に従って投影システムの構成が決定される、変数空間の概略表現である。 投影システムの異なる構成の結果として生じるRMS波面誤差の概略表現である。 本発明の代替実施形態に従った、投影システムの構成を決定する方法を表すフローチャートである。 反復が異なる開始点を有する、投影システムの構成を決定する方法の反復の概略表現である。 反復が異なる開始点を有する、投影システムの構成を決定する方法の反復の概略表現である。 投影システムの構成を決定するために使用可能な複数の制約の概略表現である。
[0042] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用ガイダンス及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ、「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことが、当業者には認識される。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジーツール及び/又はインスペクションツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板プロセスツールに適用することができる。更に基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
[0043] 本明細書で使用する「放射」及び「ビーム」という用語は、イオンビーム又は電子ビームなどの粒子ビームのみならず、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、248nm、193nm、157nm若しくは126nm、又はこれら辺りの波長を有する)及び極端紫外光(EUV)放射(例えば、4nm〜20nmの範囲の波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を網羅する。
[0044] 本明細書で使用する「パターニングデバイス」という用語は、放射ビームの断面にパターンを付与するために使用することができるデバイスを指すものとして広く解釈されるべきである。例えば、放射ビームは、基板のターゲット部分にパターンを生成するために、その断面にパターンを付与されてもよい。追加又は代替として、パターン付き放射ビームでセンサ装置を照射するために、放射ビームにその断面にパターンを付与することができる。パターンが基板のターゲット部分に生成されるとき、放射ビームに付与されるパターンは、基板のターゲット部分の所望のパターンに正確に一致しない場合があることに留意されたい。一般に、放射ビームに与えられるパターンは、集積回路のようなターゲット部分に生成されるデバイスの特定の機能層に相当する。
[0045] パターニングデバイスは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、更には様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例は、小型ミラーのマトリクス構成を使用し、ミラーの各々は、入射する放射ビームを異なる方向に反射するように個別に傾けることができる。このようにして、反射ビームがパターニングされる。
[0046] 支持構造はパターニングデバイスを保持する。支持構造は、パターニングデバイスの方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスを保持する。支持構造は、機械式クランプ、真空、又は他のクランプ技術、例えば真空条件下での静電クランプを使用することができる。支持構造は、例えばフレーム又はテーブルでよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。支持構造は、パターニングデバイスが例えば投影システムなどに対して確実に所望の位置にくるようにできる。本明細書において「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。
[0047] 本明細書において使用する「投影システム」という用語は、適宜、例えば露光放射の使用、或いは浸漬液の使用又は真空の使用などの他の要因に対する、屈折光学システム、反射光学システム、及び反射屈折システムを含む、様々なタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これは更に一般的な「投影システム」という用語と同義と見なすことができる。
[0048] また、照明システムは、放射ビームを誘導し、整形し、又は制御する屈折、反射、及び反射屈折光学コンポーネントを含む様々なタイプの光学コンポーネントを含んでよく、そのようなコンポーネントも以下においては集合的に又は単独で「レンズ」とも呼ばれることがある。
[0049] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブル(及び/又は2つ以上の支持構造)を有するタイプでよい。このような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルを並行して使用するか、1つ以上の他のテーブルを露光に使用している間に1つ以上のテーブルで予備工程を実行することができる。
[0050] リソグラフィ装置は、投影システムの最終要素と基板との間の空間を充填するように、基板が比較的高い屈折率を有する液体、例えば水などに液浸されるタイプであってもよい。液浸技術は、投影システムの開口数を増加させるために当技術分野で周知である。
[0051] 図1は、本発明の特定の実施形態に従ったリソグラフィ装置を概略的に示す。この装置は、
−放射(例えばUV放射又はDUV放射)のビームPBを調節するための照明システム(イルミネータ)ILと、
−パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するための、アイテムPLに関してパターニングデバイスを正確に位置決めするために第1の位置決めデバイスPMに接続された支持構造MTと、
−基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するための、アイテムPLに関して基板を正確に位置決めするための第2の位置決めデバイスPWに接続された、基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTと、
−パターニングデバイスMAによって放射ビームPBに付与されたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ以上のダイを含む)上に結像するように構成された、投影システム(例えば屈折投影レンズ)PLと、を備える。
[0052] 本明細書で示すように、本装置は透過タイプである(例えば透過マスクを使用する)。或いは、装置は反射タイプでもよい(例えば上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する)。
[0053] イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源及びリソグラフィ装置は、例えば放射源がエキシマレーザーの場合、別個の要素であってもよい。このような場合、放射源はリソグラフィ装置の一部を形成するものとは見なされず、放射ビームは、例えば好適な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダを備えるビームデリバリシステムBDを用いて放射源SOからイルミネータILへと渡される。その他の場合、例えば放射源が水銀ランプの場合、放射源は装置の一体部分であってよい。放射源SO及びイルミネータILは、必要であればビームデリバリシステムBDと共に放射システムと呼んでもよい。
[0054] イルミネータILは、ビームの強度分布を改変することができる。イルミネータは、イルミネータILの瞳面における環状領域内の強度分布が非ゼロであるように、放射ビームの半径範囲を制限するように配置可能である。追加又は代替として、イルミネータILは、瞳面における複数の等しく間隔が空けられたセクタにおいて強度分布が非ゼロであるように、瞳面におけるビームの分布を制限するようにも動作可能であり得る。イルミネータILの瞳面における放射ビームの強度分布は、照明モードと呼ぶことができる。
[0055] イルミネータILは、ビームの強度分布を調整するための調整手段AMを備えることができる。一般に、イルミネータの瞳面における強度分布の少なくとも外側及び/又は内側の半径範囲(通常、それぞれσ−outer及びσ−innerと呼ばれる)が調整可能である。イルミネータILは、ビームの角度分布を変化させるように動作可能でもあり得る。例えばイルミネータは、強度分布が非ゼロである瞳面において、セクタの数及び角度範囲を改変するように動作可能であり得る。イルミネータの瞳面におけるビームの強度分布を調整することによって、異なる照明モードを達成することができる。例えば、イルミネータILの瞳面における強度分布の半径及び角度範囲を制限することによって、強度分布は、例えば双極子、四極子、又は6極子分布などの、多極子分布を有することができる。所望の照明モードは、その照明モードを提供する光学系をイルミネータILに挿入することによって、取得することができる。
[0056] 加えて、イルミネータILは、一般に、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの、様々な他のコンポーネントを備える。イルミネータは、その断面に所望の均一性及び強度分布を有する、放射PBの条件付きビームを提供する。
[0057] 放射ビームPBはパターニングデバイス(例えばマスク)MA上で入射し、支持構造MT上で保持される。パターニングデバイスMAを横断した後、ビームPBは投影システムPLを通過し、これが基板Wのターゲット部分C上にビームを合焦させる。第2の位置決めデバイスPW及び位置センサIF(例えば干渉計デバイス)の助けにより、例えば異なるターゲット部分CをビームPBの経路内で位置決めできるように、基板テーブルWTを正確に移動させることが可能である。同様に、第1の位置決めデバイスPM及び別の位置センサ(図1には明示されていない)を用いて、例えばマスクライブラリからの機械的な取り出し後、又はスキャン中に、ビームPBの経路に対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めすることが可能である。一般に、オブジェクトテーブルMT及びWTの移動は、位置決めデバイスPM及びPWの一部を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けにより理解される。しかしながら、(スキャナとは対照的に)ステッパの場合、支持構造MTはショートストロークアクチュエータのみに接続され得るか、又は固定され得る。パターニングデバイスMA及び基板Wは、パターニングデバイスアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせされ得る。
[0058] 図示のリソグラフィ装置は、以下の好ましいモードのうち少なくとも1つにて使用可能である。
1.ステップモードでは、支持構造MT及び基板テーブルWTは、基本的に静止状態に維持される一方、放射ビームPBに付与されたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち単一静的露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTがx方向及び/又はy方向に移動される。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一静的露光で像が形成されるターゲット部分Cのサイズが制限される。
2.スキャンモードでは、支持構造MT及び基板テーブルWTは同期的にスキャンされる一方、放射ビームPBに付与されるパターンがターゲット部分Cに投影される(すなわち単一動的露光)。支持構造MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPLの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一動的露光におけるターゲット部分の(非スキャン方向における)幅が制限され、スキャン動作の長さによってターゲット部分の(スキャン方向における)高さが決まる。
3.別のモードでは、支持構造MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTを移動又はスキャンさせながら、放射ビームPBに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス状放射源を使用して、基板テーブルWTを移動させる毎に、又はスキャン中に連続する放射パルスの間で、プログラマブルパターニングデバイスを必要に応じて更新する。この動作モードは、以上で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
[0059] 上述した使用モードの組み合わせ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
[0060] 投影システムPLは、基板W上に結像されるパターンに影響を与えることが可能な、不均一であり得る光学伝達関数を有する。非分極放射の場合、こうした効果は、その瞳面における位置の関数として投影システムPLを出る放射の透過(アポディゼーション)及び相対位相(収差)を記述する、2つのスカラマップによって非常によく記述することが可能である。透過マップ及び相対位相マップと呼ぶことが可能なこれらのスカラマップは、基底関数の完全なセットの線形結合として表すことができる。特に好都合なセットが、単位円上に画定される直交多項式のセットを形成する、ゼルニケ多項式である。各スカラマップの決定は、こうした展開において係数を決定することに関与し得る。ゼルニケ多項式は単位円上で直交するため、ゼルニケ係数は、測定されたスカラマップと各ゼルニケ多項式との内積を計算し、これをそのゼルニケ多項式のノルムの2乗で割ることによって、決定することができる。
[0061] 透過マップ及び相対位相マップは、フィールド及びシステムに依存する。すなわち、一般に、各投影システムPLは各フィールドポイントについて(すなわち、そのイメージ面における各空間ロケーションについて)、異なるゼルニケ展開を有することになる。
[0062] その瞳面における投影システムPLの相対位相は、投影システムPLを介して、且つ波面(すなわち、同じ位相を伴うポイントの軌跡)を測定するためにシヤーリング干渉計を使用して、投影システムPLの対物面(すなわち、パターニングデバイスMAの平面)から放射を投影することによって決定することができる。シヤーリング干渉計は、投影システムのイメージ面(すなわち、基板テーブルWT)における回折格子、例えば2次元格子と、投影システムPLの瞳面と共役な平面における干渉パターンを検出するように配置された検出器とを、備えることができる。
[0063] 投影システムPLは、複数のレンズ要素を備えることが可能であり、収差(フィールド全体の瞳面にわたる任意のタイプの位相変動)を補正するようにレンズ要素を調整するための、コントローラCN及び複数のマニピュレータMN(図1では概略的に単一のボックスとして示される)を更に備えることができる。これを達成するために、マニピュレータMN(例えば、アクチュエータ)は、それらの光学特性を改変するような1つ以上の異なる様式で、投影システムPL内のレンズ要素を操作するように動作可能である。コントローラCNは、基板Wに所望の波面をもたらすようにマニピュレータを制御することができる。
[0064] 投影システムは、その光軸がz方向に延在する座標システムを有することができる。マニピュレータMNは、1つ以上のレンズ要素を移動させること、1つ以上のレンズ要素を傾斜させること、及び/又は1つ以上のレンズ要素を変形させることのうちの、任意の組み合わせを実行するように動作可能であり得る。レンズ要素の移動は、任意の方向(x、y、z、又はそれらの組み合わせ)であってよい。レンズ要素の傾斜は、典型的には軸を中心にx又はy方向に回転させることによって光軸に垂直な平面から外れるが、z軸を中心とする回転は回転非対称な非球面レンズ要素に使用可能である。レンズ要素の変形は、低周波形状(例えば、非点収差)及び高周波形状(例えば、自由形非球面)の両方を含むことができる。レンズ要素の変形は、例えば、レンズ要素の側面に力を及ぼすためにアクチュエータを使用することによって、及び/又は、レンズ要素の選択された領域を加熱するために加熱要素を使用することによって、実行することができる。一般に、アポディゼーション(瞳面にわたる透過変動)を補正するために投影システムPLを調整することは不可能な場合がある。リソグラフィ装置LAのためのマスクMAを設計する場合、投影システムPLの透過マップを使用することができる。
[0065] マニピュレータMNは、レンズ要素の光学特性を変更し、それによって投影システムPLの光学特性を変更するように動作可能な、任意の組み合わせの要素を備えることができる。マニピュレータMNは、例えば、レンズ要素の位置、配向、及び/又は形状を改変するように構成された1つ以上のアクチュエータを備えることができる。マニピュレータMNは、例えば、レンズ要素の1つ以上の領域を加熱し、それによってレンズ要素の光学特性及び投影システムの光学特性を改変するように構成された、1つ以上の加熱要素を備えることができる。
[0066] コントローラCNは、基板Wに形成される波面に所望の波面パターンを近似させる、マニピュレータMNの好適な構成を決定するように動作可能である。所望の波面パターンは、例えば、基板Wでの収差が低減されるか又は最小化される波面パターンとすることができる。波面収差は、例えば、基板Wでの2乗平均平方根(RMS)波面誤差として表すことができる。基板WでのRMS波面誤差を低減又は最小化するマニピュレータMNの構成を決定することが、望ましい場合がある。
[0067] コントローラCNによるマニピュレータMNの好適な構成の決定は周期的に実行可能であり、マニピュレータMNはこの決定に従って周期的に調整可能である。例えば、基板W上の複数のターゲット部分Cは、露光プロセスと呼ばれるプロセス中に露光することができる。その後、新しい露光プロセスの一部として、新しい基板Wのターゲット部分Cを露光するように、新しい基板Wを基板テーブルWT上に装填することができる(又は代替として、新しい基板Wを保持する新しい基板テーブルWTを、放射を受け取るための位置に移動させることができる)。
[0068] 露光されている基板Wの所望の波面パターンは、異なる露光プロセス中には異なる可能性がある。したがって、基板Wに所望の波面パターンをもたらすマニピュレータMNの好適な構成を露光プロセス間に決定し、それに応じてマニピュレータの構成を更新することができる。
[0069] 追加又は代替として、投影システムPLを形成する光学要素の特性は、露光プロセス中に変化する場合がある。例えば、露光プロセス中にレンズ要素に局部加熱を施すことが可能であり、それによってレンズ要素の光学特性が変化する場合がある。したがって、経時的に(例えば、加熱に起因して)発生するレンズ要素の光学特性におけるいずれの変化も補償する、レンズ要素に対する調整を実行することができる。例えば、以前の露光プロセス中に発生した可能性のあるレンズ要素の光学特性におけるいずれの変化も補償する、マニピュレータMNの新しい構成を、露光プロセス間に決定することができる。
[0070] いくつかの実施形態において、投影システムPLの外部で発生する波面収差を補正する、マニピュレータMNの構成を決定することができる。例えば、リソグラフィ装置LA内のパターニングデバイスMAで(例えば、パターニングデバイスMAの局部加熱に起因して)、波面収差が導入される場合がある。パターニングデバイスMA(又は、投影システムPL外部のいずれか)で導入される波面収差は、収差を補正する働きをするマニピュレータ構成を決定することによって補正することができる。その後、マニピュレータ構成は、決定されたマニピュレータ構成に従って更新することができる。いくつかの実施形態において、投影システムPLの外部で導入された収差を補正するために、マニピュレータ構成を露光プロセス中に更新することができる。
[0071] 一般に、好適なマニピュレータ構成を決定すること、及び決定されたマニピュレータ構成に従ってマニピュレータ構成を更新することによって、投影システムPLの内部及び/又は外部で発生する波面収差を補正することができる。例えば、パターニングデバイスMAの加熱によって発生する波面収差、及び/又は投影システムPLにおける光学要素(例えば、レンズ)の加熱によって発生する波面収差を、補正することができる。
[0072] 所望の波面パターンをもたらすマニピュレータMNの構成の決定は、マニピュレータMNの構成に対する波面パターンの依存性の知識に基づく。マニピュレータMNの構成に対する波面パターンの依存性は、レンズ依存性と呼ぶことができる。レンズ依存性は、例えば較正プロセス中に決定することができる。例えば投影システムPLは、投影システムPLを使用して放射を投影すること、及び、投影システムPLから出力される放射を測定することによって、較正することができる。マニピュレータMNの構成は調整可能であり、マニピュレータの構成に対する投影システムPLの光学特性の依存性(すなわち、レンズ依存性)を導出するために、投影システムPLから出力される放射において結果として生じる変化を測定することができる。
[0073] 投影システムPLによって発生する波面収差を決定するために、投影システムPLから出力される放射を測定することができる。波面収差は、例えば、干渉計(例えば、シヤーリング干渉計)を使用して測定することができる。
[0074] 追加又は代替として、波面収差は投影システムPLのモデリングによって補正することができる。例えば、投影システムPLのモデリングを使用して、(例えば、露光プロセス中の)レンズ要素の加熱に起因して発生する波面収差を決定することができる。レンズ要素の加熱に起因して発生する波面収差のモデリングは、レンズ加熱モデルと呼ぶことができる。レンズ加熱モデルを使用して、露光プロセス中に発生するレンズ要素の加熱を補償することによって、露光プロセス中又は露光プロセス間のレンズ依存性を更新することができる。
[0075] レンズ依存性は、その要素が、マニピュレータMNの構成に関するマニピュレータ誘発波面収差の誘導体に対応する、レンズ依存性マトリクスCとして表すことができる。すなわち、レンズ依存性マトリクスCは、マニピュレータMNの構成における所与の変化によって生じる波面における変化を表す。レンズ依存性マトリクスCは、n×n要素を含み、ここで、n=n×nであって、nは波面が評価される位置(例えば、フィールド面における位置)の数であり、nは波面が評価される項の数(例えば、波面を表すために使用されるゼルニケ多項式次数の数)であり、nは各位置で波面が依存する変数の数である。
[0076] レンズ依存性マトリクスCは、マニピュレータMNの所与の構成を基板Wで結果として生じる波面パターンにマッピングする、順モデルを表す。したがって、所望の波面パターンをもたらすマニピュレータMNの好適な構成を決定することは、順モデルCを逆転させることによって解決可能な逆問題に相当する。一般に、所望の波面パターンをもたらす問題に対して正確なソリューションは存在しない可能性があり、したがって問題は不良設定である。したがって問題は、コスト関数Fを最小化するために減少させることができる。コスト関数Fは以下によって表し得、
上式で、xはマニピュレータMNの構成を表すnの要素を備えるベクトルであり、dは露光フィールド全体にわたって所望の波面パターンを表すnの要素を備えるベクトルである。数式(1)によって表されるようなコスト関数Fの最小化は、最小2乗問題の形である。数式(1)における2重縦線は、2重縦線の内側の式のノルムを表す。以下で説明する実施形態において、ノルムは2重縦線の内側の式のユークリッドノルム(2ノルム)として評価することができる。しかしながら、他の実施形態において、ノルムは他の形のノルム(例えば、一様又は最大値ノルム)として評価することができる。ノルムをユークリッドノルム(2ノルム)として評価することは、例えば最大値ノルムを評価することに比べて、計算効率の利点を提供することができる。したがって、ユークリッドノルム(2ノルム)を使用して、評価の計算効率を向上させるために最大値ノルムを近似することができる。
[0077] マニピュレータMNの構成を制約することができる。例えば各マニピュレータは、その全体にわたって移動が可能な制限レンジを有すること、それに伴って加速が可能な最大加速を有すること、及び、それに伴って移動が可能な最大速度を有することができる。レンズ要素に加熱を適用するように構成されたマニピュレータは、例えば、レンズ要素を加熱することが可能な制限レートを有すること、及び、動作が可能な制限温度レンジを有することができる。マニピュレータは、前述の物理的制約のうちの1つ以上、及び/又は、本明細書に記載されていない1つ以上の他の物理的制約によって、制約することができる。マニピュレータの物理的制約は、物理的に実現可能なマニピュレータの構成を制限する働きをする。マニピュレータの物理的制約は、所与の時間枠内で達成されるマニピュレータの構成における変更も制限することができる。これは、例えば、マニピュレータ構成を更新することが可能な制限された時間枠が存在する場合に重要であり得る。例えば、露光プロセス間に、マニピュレータ構成を更新することが可能な制限された時間枠を提供することが可能であり、したがってこれにより、露光プロセス間で物理的に実現可能なマニピュレータ構成における変更を制限することが可能である。
[0078] 数式(1)によって表される最小2乗問題に対するソリューションは、いくつかの場合、マニピュレータMNの制約に起因して物理的に実現不可能なマニピュレータMNの構成を表す場合がある。したがって、マニピュレータMNの制約を満たすことを条件としてコスト関数Fを最小化することが望ましい。マニピュレータの制約は、以下によって表すことが可能であり、
≦A.x≦b (2)
上式で、Aは制約マトリクスであり、bは制約の下限であり、bは制約の上限である。制約マトリクスAはn×nの要素で形成され、nは制約の数である。
[0079] コスト関数Fを最小化する制約付き問題に対するソリューションxsolは、数式(3)によって表すことができる。
sol=min(F(x))、b≦A.x≦bを条件とする (3)
[0080] コントローラCNは、レンズ依存性C及び制約Aを受け取ることができ、レンズ依存性C及び制約Aを使用してマニピュレータMNのソリューション構成を計算することができる。いくつかの実施形態において、レンズ依存性C及び制約Aをメモリに記憶することができ、マニピュレータMNのソリューション構成の計算のためにコントローラに送信することができる。いくつかの実施形態において、複数の異なるレンズ依存性C及び/又は制約Aをメモリに記憶することができ、コントローラは、マニピュレータMNのソリューション構成を計算するために受け取り且つ使用するのに好適なレンズ依存性マトリクスC及び制約マトリクスAを選択することができる。
[0081] いくつかの実施形態において、数式(3)の最小2乗問題に対するソリューションxsolは、レンズ依存性マトリクスCの特異値分解を実行することによって求めることができる。レンズ依存性マトリクスCの特異値分解は、以下によって表すことが可能であり、
C=U.S.V (4)
上式で、U及びBはユニタリマトリクスであり、Sは、対角上に非負数を伴うn×nの要素を有する対角マトリクスである。数式(4)で使用される上付き文字「T」は、マトリクスVの転置を示す。数式(4)によって表される特異値分解は、その計算が当業者によって良く理解されることになる、マトリクス(この場合、レンズ依存性マトリクスC)の周知の形の因数分解である。レンズ依存性マトリクスCの特異値分解は、市販のソフトウェアによって提供されるような既知の技法(例えば、市販のMatlabソフトウェア内に提供される「svd」関数)を使用して計算することができる。
[0082] 対角マトリクスSの対角要素は、レンズ依存性マトリクスCの特異値σと呼ばれる。特異値σは、一般に、σ≧σ≧σ・・・≧σのように、サイズが減少していくマトリクスSの対角上に順序付けられ、ここでmは特異値の総数である。ユニタリマトリクスU及びユニタリマトリクスVの列は、各々正規直交ベクトルのセットを形成する。
[0083] 特異値分解によるレンズ依存性マトリクスCの因数分解を使用して、数式(2)によって与えられる制約の無い最小2乗問題に対するソリューションを発見することができる。制約のない最小2乗問題に対するソリューションは、数式(5)によって与えられることがわかる。
数式(5)で使用される上付き文字「T」は、マトリクスUの転置を示す。数式(5)を使用して最小2乗問題に対するソリューションを発見することができるが、ソリューションは数式(2)によって表されるマニピュレータ制約を満たすことはできない。マニピュレータ制約を満たすソリューションを発見するための1つの手法は、数式(5)の右側によって表される加算を開始し、各iの値で制約に合致するか否かを評価することである。制約に合致する場合、加算を終了し、制約に合致する最終ステップに対応するソリューションを戻すことができる。こうした手法は、切り捨て特異値分解法と呼ぶことができる。
[0084] 図2は、切り捨て特異値分解法のステップを概説するフロー図である。図2のステップS1で、レンズ依存性マトリクスCの特異値分解が計算される。ステップS2で、マニピュレータMNの初期構成xがゼロに設定され、反復指標iが1に設定される。ステップS3で、マニピュレータMNの構成は、数式(5)の右側によって与えられる加算の単一項によって更新される。このステップは、数式(1)のコスト関数Fがその最小値に向かって移動するように、マニピュレータMNの構成を更新することと等価である。マニピュレータの構成の更新について説明するが、更新は計算ステップに関してのみ実行され、マニピュレータの物理構成はこの段階では更新されないことが理解されよう。
[0085] 図3は、2次元でのコスト関数Fの簡略化されたグラフ表現である。図3に示される2次元は、例えば、コスト関数Fが依存する2つの変数に対応することができる。コスト関数Fは、最小値104の周囲に延在する輪郭102として表される。図3に示される矢印は、図2の切り捨て特異値分解法の異なる段階でのコスト関数を表す。図3に示される第1の矢印106は、図2の方法のステップS3で、マニピュレータMNの構成のxからxへの第1の更新の結果として生じる、コスト関数Fにおける変化を表す。
[0086] 図2の方法のステップS4で、マニピュレータMNの更新された構成がチェックされ、数式(2)によって表されるマニピュレータ制約を満たしているかどうかがわかる。マニピュレータ制約は図3では実線108によって表される。図3に示される表現において、コスト関数Fの現行評価が実線108の境界内に残っている場合、制約は満たされる。図3において、マニピュレータ108の構成の第1の更新の結果として生じるコスト関数Fにおける第1の変化106の後、コスト関数Fは実線108の境界内に残っているため、制約は満たされることがわかる。
[0087] 制約が満たされる場合、指標iはステップS5で1だけ増分され、方法はステップS3に戻る。マニピュレータの構成に対する更なる更新が、ステップS3で計算される。新しく計算されたマニピュレータ構成の結果として生じるコスト関数Fにおける変化は、図3において第2の矢印110によって表される。
[0088] ステップS4で、更新されたマニピュレータ構成が制約を満たすかどうかに関する更なるチェックが実施される。図3から、マニピュレータ構成に対する変化110は、コスト関数Fをコスト関数Fの最小値104に向かって移動させるが、同時に制約108も破ることがわかる。したがって、図2に示される方法はステップS6に移動し、ここでソリューションxsolは、制約が満たされた最終のマニピュレータ構成に設定され、方法は終了する。したがって図2に示される方法は、制約がもはや満たされていない場合、数式(5)の右側によって与えられる加算を切り捨て、制約を満たすソリューションを戻す。切り捨て量は、最大の特異値σのみにわたる加算に相当する。方法によって戻されるソリューションのコスト関数Fの値は、第1の矢印106の終わりにあり、図3では112とラベル付けされている。
[0089] 図3に示される切り捨て特異値分解法の表現は、コスト関数が2次元のみで示されるシンプルな例であることを理解されよう。実際には、コスト関数は2つより多くの変数に依存し得るため、2次元よりも大きな次元で表すことができる。コスト関数が2つより多くの変数に依存する場合、制約が満たされず、方法が切り捨てられる前に、示される2つより多くのステップを実行することができる。
[0090] 図3を見ればわかるように、切り捨て特異値分解法によって戻されるソリューションのコスト関数Fの値112は、方法の開始点よりもコスト関数Fの最小値104に近く、ソリューションは制約を満たす。しかしながら、図3からは、ソリューション112よりもコスト関数Fの最小値104の近くにある、制約が満たされる(コスト関数Fがライン108の境界内に残っている)領域が存在することもわかる。したがって、図2の切り捨て特異値分解法は、制約が満たされているコスト関数Fの最小値を必ずしも発見することはない。
[0091] 本発明に従ったいくつかの実施形態において、スケーリングされた変数空間内へと問題をスケーリングすることによって、コスト関数Fの最小値104のより近くにあるソリューションを発見することができる。問題は、スケーリングされた変数空間内の制約の形状によって、依然として制約を満たしながら、(スケーリングが実行されない場合に比べて)コスト関数の最小値により近いソリューションを発見できるように、制約マトリクスAを使用して再スケーリングすることができる。
[0092] 次に、単なる例としてスケーリング方法の実施形態を紹介する。数式(1)によって以前に与えられたコスト関数Fは、以下のように書き直すことが可能であり、
上式では以下の通りである。
H=C.C (7)
f=−C.d (8)
[0093] 次いで、最小化問題は、数式(2)によって表される制約を条件として、数式(6)〜(8)によって与えられるようにコスト関数を最小化するものと要約することができる。最小化問題のパラメータは、対角制約スケーリングマトリクスDを使用することによって、スケーリングされた変数空間内へとスケーリングすることができる。好適な制約スケーリングマトリクスDは、以下によって与えられ、
上式で、diagは、数式(9)の括弧内にあるベクトルが対角制約スケーリングマトリクスDの対角要素上に配置され、すべての非対角要素がゼロに設定されることを示す。数式(9)の括弧内にあるベクトルは、アダマール(点ごとの)除算によって計算される。
[0094] 制約スケーリングマトリクスDを用いて制約をスケーリングすることに加えて、問題の他のパラメータをスケーリングすることも可能である。例えば、変数スケーリングマトリクスT及び変数シフト列ベクトルtが導入可能であり、以下のように与えられ、
T=(D.A) (10)
上式で、は、数式(10)の括弧内のマトリクスのムーア・ペンローズ疑似逆を示すために使用される。ムーア・ペンローズ疑似逆は、例えば、特異値分解をコンピューティングすることによって計算可能である。
[0095] 数式(9)〜(11)によって与えられるスケーリングマトリクス及びベクトルを使用して、スケーリングされたマニピュレータ構成yに関してスケーリングされたコスト関数Fを定義することができる。スケーリングされたコスト関数Fは、以下によって与えられ、
マニピュレータ構成のスケーリングは以下によって左右され、
x=T.(y−t) (13)
制約は以下によって与えられる。
+A.T.t≦A.T.y≦b+A.T.t (14)
[0096] したがって、スケーリングされた変数空間内で解決される問題は、数式(14)によって与えられる制約を条件として、数式(12)内で与えられるスケーリングされたコスト関数Fを最小化する、スケーリングされたマニピュレータ構成yのソリューションysolを求めるものとして要約することができる。スケーリングされたマニピュレータ構成のソリューションysolが発見されると、ソリューションを再スケーリングして、数式(13)を使用してソリューションxsolを発見することができる。
[0097] 図4は、スケーリングされた変数空間を使用する本発明の実施形態に従った方法のステップを概説するフロー図である。図4に提示される方法は、変数がスケーリングされた変数空間内へとスケーリングされることを除いて、図2に提示される方法と同様である。ステップS11及びS12で、スケーリングされた変数は、数式(7)〜(11)を参照して上記で説明したように計算される。ステップS13で、マトリクスU、S、及びVを計算するように、特異値分解を使用して因数分解が実行される。ステップS14で、スケーリングされたマニピュレータ構成yの初期値及び指標iが設定される。
[0098] 図5は、数式(12)によって与えられるような、スケーリングされたコスト関数Fの簡略化されたグラフ表現である。スケーリングされたコスト関数Fは、最小値204の周囲に延在する輪郭202として表される。図5に示される矢印は、図5の切り捨て特異値分解法の異なる段階でのコスト関数を表す。スケーリングされたマニピュレータ構成の初期値yの結果として生じるスケーリングされたコスト関数Fの初期値は、図5において点201として示される。
[0099] 図4に示される方法のステップS15で、スケーリングされたマニピュレータ構成は、ステップS13で計算された特異値分解中に計算されたマトリクスを使用して更新される。ステップS15で示される式内に含められた値σは、ステップS13で計算されるマトリクスSの対角線上のi番目の要素に対応する、i番目の特異値である。
[00100] 図4のステップS13で実行されるスケーリングされたマニピュレータ構成の更新は、図5では、スケーリングされたマニピュレータ構成における更新の結果として生じるスケーリングされたコスト関数Fにおける変化を表す第1の矢印20によって示される。図5から、スケーリングされたマニピュレータ構成における更新は、スケーリングされたコスト関数Fの値を減少させる働きをすることがわかる。
[00101] 図4のステップS16で、数式(14)によって表されるようなスケーリングされたマニピュレータ制約を満たすかどうかを見るために、更新されたスケーリングされたマニピュレータ構成がチェックされる。スケーリングされたマニピュレータ制約は、図5では実線208によって表される。スケーリングされたコスト関数Fの値が実線208の境界内にある場合、スケーリングされた制約は満たされる。図5において、スケーリングされたマニピュレータ構成の初期更新後、スケーリングされたコスト関数Fが実線208の境界内にあるため、スケーリングされた制約は満たされることがわかる。したがって、図4の方法はステップS17へ進んで指標値iを増分させ、ステップS15に戻る。
[00102] ステップS15で、スケーリングされたマニピュレータ構成に対する更なる更新が実行される。スケーリングされたマニピュレータ構成に対する更なる更新は、図5では点線矢印210によって表される。ステップS16で、数式(14)によって表されるようなスケーリングされた制約を満たすかどうかを見るために、新しいスケーリングされたマニピュレータ構成がチェックされる。図5において、スケーリングされたマニピュレータ構成の更なる更新後、スケーリングされたコスト関数Fが実線208の境界外にあるため、スケーリングされた制約は満たされないことがわかる。したがって、図4の方法はステップS18に進み、スケーリングされたマニピュレータ構成ソリューションysolが最終のマニピュレータ構成に設定され、スケーリングされた制約は満たされる。スケーリングされたマニピュレータ構成ソリューションysolに対応するスケーリングされたコスト関数Fは、図5では212とラベル付けされ、第1の矢印206の末端にある。ステップS19で、数式(13)を使用することによってスケーリングされていないマニピュレータ構成ソリューションxsolを発見するために、スケーリングされたマニピュレータ構成ソリューションysolが使用される。
[00103] 図3及び図5の比較から、スケーリングされた変数空間における問題の解決によって、制約の形状が改変されることがわかる。特に、制約を満たしながら、コスト関数の最小値により近いソリューションを発見することが可能なスケーリングを使用することができる。図5に示される例において、スケーリングされた制約をほぼ正方形状に変換するスケーリングが使用される。スケーリングされた制約は図5では単なる2次元で示されているが、実際にはスケーリングされた制約は2次元よりも多くの次元で広がり得る。一般に、スケーリングされた制約は実質的に、多次元のスケーリングされた変数空間において多面体を形成することができる。例えば、いくつかの実施形態において、スケーリングされた制約は、超立方体又は超矩形を近似する多面体を形成することができる。一般に、制約が、すべての方向に同様の割合を有する形状(例えば、超立方体又は超球体を近似する形状)を形成するように、スケーリングすることが望ましい場合がある。
[00104] スケーリングされた制約を超立方体と同様の割合を有する多面体に変換するスケーリングを使用することによって、図4において要約され図5において概略的に示される方法は、スケーリングされたコスト関数Fが更なる反復のために(例えば、スケーリングが適用されない場合に比べて)スケーリングされた制約の境界内に残っている確率を増加させる。したがって、反復されたマニピュレータ構成は、スケーリングされた制約を依然として満たしながら、スケーリングが適用されなかった場合よりも、スケーリングされたコスト関数Fの最小値のより近くに移動することができる。したがって、図4及び図5のスケーリングされた方法の結果として生じるソリューションは、スケーリングが適用されなかった場合よりも、コスト関数の真の最小値により近いものとすることができる。
[00105] 図4及び図5のスケーリングされた方法の結果として生じるソリューションを使用して、マニピュレータの物理構成を更新することができる。例えば、コントローラCNは、マニピュレータMNが決定された構成を採用するように、マニピュレータMNを制御することができる。マニピュレータの更新された構成は、結果として、所望の波面パターンに近い波面パターンを基板Wに生じさせることができる。
[00106] 図4及び図5のスケーリングされた方法は、有利には、マニピュレータ制約を満たし、結果として生じる波面パターンと所望の波面パターンとの間の差を減少させる、マニピュレータ構成を導出するために使用することができる。これは、異なる方法によって発見されたソリューションの結果として生じるRMS波面誤差間の比較によって図示することができる。図6は、4つの異なるソリューションの結果として生じるRMS波面誤差の概略表現である。RMS波面誤差は、図6においていくつかの異なる収差タイプについて表示される。
[00107] 図6において301とラベル付けされた棒線は、マニピュレータ構成を導出するために標準最小2乗適合技法(従来技術を表す)が使用された場合の、RMS波面誤差を表す。図6において302とラベル付けされた棒線は、マニピュレータ構成を導出するために、図4に表されるようなスケーリングされた切り捨て特異値分解法が使用された場合の、RMS波面誤差を表す。図6において303とラベル付けされた棒線は、マニピュレータ制約を満たす最適なソリューションが発見された場合の、RMS波面誤差を表す。最適なソリューションは、一般に、リソグラフィ露光プロセス中又はプロセス間に使用されるはずの非常に時間のかかる方法を使用して、計算することができる。例えば、最適なソリューションは、いわゆる「アクティブセット」方法を使用して計算することができる。図6において304とラベル付けされた棒線は、マニピュレータ制約を考慮に入れることなく、制約されないソリューションが発見された場合の、RMS波面誤差を表す。したがって、304とラベル付けされた棒線によって表される制約されないソリューションは、物理的に実現不可能である。
[00108] RMS波面誤差は、いくつかの異なる収差タイプについて示される。例えば、図6において一番左の棒線セットは、5〜64次数のゼルニケ多項式にわたって平均されたRMS波面誤差を表す。棒線は、球面、コマ、非点、トレフォイル、クアドラフォイル、ペンタフォイル、ヘキサフォイル、及びセプタフォイルタイプの収差に関連付けられた、RMS波面誤差についても示されている。図6には、偶数次のゼルニケ多項式及び奇数次のゼルニケ多項式にわたって別々に平均された、RMS波面誤差も示されている。
[00109] 図6から、すべての異なるタイプの収差について、スケーリングされた切り捨て特異値分解法(棒線302によって表される)の使用は、従来技術の標準最小2乗適合技法(棒線301によって表される)を大幅に上回る改善を表し、結果として、あらゆる場合に最適なソリューションにより近いRMS波面誤差を生じさせることがわかる。したがって、スケーリングされた切り捨て特異値分解法は、従来技術を大幅に上回る改善を提供する。
[00110] いくつかの実施形態において、1つ以上の特定タイプの収差に関するRMS波面誤差を減少させることが特に望ましい場合がある。例えば、奇数次のゼルニケ多項式に関するRMS波面誤差を減少させるよりも、偶数次のゼルニケ多項式に関するRMS波面誤差を減少させる方が(又はその逆の方が)、大幅に望ましい場合がある。
[00111] 所与のタイプの収差及び/又はロケーションについてのRMS波面誤差は、例えばコスト関数に重み付けを導入することによって、優先的に減少させることができる。例えば、重み付けマトリクスWを公式化することができる。重み付けマトリクスWは、RMS波面誤差が減少される異なる位置での重み付けを表すことが可能であり、各位置に対する相対的な重み付けを規定することが可能である。重み付けマトリクスWは、前述のいずれかの方法において、コスト関数に対する重み付けを導入するように、レンズ依存性マトリクスCをW.Cに置き換えることによって、及び、所望の波面パターンdをW.dに置き換えることによって、使用可能である。
[00112] コスト関数に重み付けを導入することで、有利には、マニピュレータ構成を決定するための方法を特定アプリケーションに適合させることが可能となる。例えばユーザは、異なる用途のために特定の重み付けを適用することが必要な場合がある。ユーザには複数の異なる重み付けオプションが提供可能であり、必要な重み付けオプションを選択することができる。
[00113] 上記で提示された切り捨て特異値分解法において、もはや制約が満たされなくなり、戻されたソリューションが、制約が満たされた方法の最後の反復を表すと同時に、方法は切り捨てられた。例えば、図5からわかるように、この方法の結果として生じるソリューション212は、制約が満たされるスケーリングされたコスト関数Fの最小値を表さない場合がある。例えば、制約が満たされる領域208の縁部に合致するように部分的に第2の矢印210に沿って移動する反復は、依然として制約を満たしながら、結果として、スケーリングされたコスト関数Fのより低い値を生じさせることになる。これは方法において、制約がもはや満たされなくなった後に、最後の反復に沿ってバックトラッキングすることによって実装可能である。
[00114] 例えば、第2の矢印210によって表される反復が実行された後、制約がもはや満たされていないことが決定される。反復の開始時に、マニピュレータ構成に戻るのではなく、一連のバックトラッキングステップを実行することが可能であり、それによって、ステップは以前の反復に沿って(すなわち、第2の矢印210に沿って)引き返され、ステップは以前の反復の一部(すなわち、第2の矢印の長さの一部)を表す。各バックトラッキングステップが実行された後、制約が満たされているか否かを決定することができる。制約が満たされている場合、現行のバックトラッキングされたソリューションをソリューションとして採用することができる。制約が満たされていない場合、制約が満たされるまで、更なるバックトラッキングステップを実行することができる。
[00115] 代替実施形態において、第1の反復に沿った部分ステップを行うことができる。例えば、第2の矢印210によって表される最終反復が制約を満たしていないことが決定されると、最終反復は部分ステップにおいて再度実行することができる。例えば、以前の反復206の末端点212から開始される最終反復の一部(すなわち、第2の矢印210の長さの一部に沿った反復)を実行することができる。部分反復が実行された後、制約が満たされているか否かを決定することができる。制約が満たされている場合、制約がもはや満たされなくなるまで、更なる部分反復ステップを実行することができる。制約が満たされていない場合、制約が満たされていた最終の部分ステップの終わりをソリューションとして採用することができる。
[00116] いくつかの実施形態において、反復によって制約が満たされないようにすることが可能であるが、更なる反復によって、再度制約が満たされるようにすることが可能である。例えば、図5に示される表現において、方法の各反復は、直交ステップを初期位置201から遠くへ離し、一般にスケーリングされたコスト関数Fの最小値204に向かわせることができる。例えば、図5に示される(且つ、制約がもはや満たされないようにする)第2の反復210が実行された後、続いて、再度制約が満たされるようにする第3の反復を実行することができる。
[00117] 制約が満たされなくなると同時に(前述のように)方法が切り捨てられる場合、第3の反復は実行されないことになる。したがって、第3の反復の結果として生じ、且つ制約を満たす、潜在的ソリューションが無視されることになる。いくつかの実施形態において、方法の切り捨ての結果として無視される潜在的ソリューションは、方法の切り捨てによって戻される結果よりも小さいコスト関数に対応するものとすることができる。この可能性は、少なくとも部分的に、スケーリングされた変数空間におけるスケーリングされた制約の形状が、超球体とは対照的に超立方体(又は何らかの他の多面体)であることの結果である。
[00118] この問題を克服する1つの手法は、すべての反復を実行した後に、制約を満たす最良のソリューション(すなわち、最小のコスト関数を有するソリューション)を発見するために反復を評価することである。この方法は、加算のあらゆるステップを計算した後、数式(5)の右側によって表される加算を切り捨てる箇所を決定することと等価である。この方法は、反復が実行されるような方法を切り捨てること(それによって、何らかの反復を実行する必要性を回避すること)よりも時間がかかる可能性があるが、すべての反復を実行した後に最良のソリューションのために各反復を評価することは、いくつかの実施形態において、結果として、より小さな対応するコスト関数を有するソリューションを生じさせることになる。
[00119] 上記で説明したように、切り捨て特異値分解法(例えば、スケーリングされた変数空間において実行可能である)は、加算(例えば、数式(5)の右側によって表される加算)を切り捨てることと等価とすることができる。こうした切り捨ては、加算にフィルタを適用することと等価であるものと見なすことができる。例えば、ソリューションxsolは、以下によって与えられ、
上式で、jはフィルタ係数である。前述の切り捨てられる例において、フィルタ係数jは、以下のように表すことが可能であり、
上式で、kは加算が切り捨てられる指標値である。前述のように、切り捨て指標kは、加算を通じた反復中に決定され得るか、又はすべての反復が実行された後に決定され得る。前述のように方法を切り捨てることは、数式(16)において与えられるフィルタ係数などの不連続フィルタ係数jを適用することと等価である。前述の切り捨て方法は、制約が満たされた切り捨て指標kの最大値を発見することとして要約することができる。
[00120] 他の実施形態において、不連続フィルタ係数の代わりに連続フィルタ係数jを使用することができる。例えば、以下によって与えられる連続フィルタ係数jが使用可能であり、
上式で、σは特異値であり、βは正則化パラメータである。数式(17)によって与えられるフィルタ係数の使用は、以下の形のソリューションにつながる。
数式(18)によって与えられるソリューションは、正則化パラメータの使用によって、加算に対する各特異値及び特異ベクトルの寄与に重み付けを適用する。この形の方法はチホノフ正則化と呼ぶことができ、正則化パラメータβはチホノフパラメータと呼ぶことができる。
[00121] 数式(16)及び(17)によって与えられる代替フィルタ係数jを比較することで、両方のフィルタ係数がiの小値(及び、特異値σはiの増加に伴って減少するため、σの大値)で大きく、iの小値(及び、σの小値)で小さいことがわかる。数式(18)によって表されるチホノフ正則化を使用することは、正則化パラメータβのより大きな値は、ソリューションに対する小さな特異値σの影響を減少させるより強い正則化につながる。正則化パラメータβの値が小さいほど、ソリューションは、コスト関数が最小である最適ソリューションに近付くことになる。しかしながら、例えば前述の切り捨てられる方法の記述から理解されるように、最適ソリューションは制約を満たさない可能性がある。チホノフ正則化を使用して、制約が満たされる正則化パラメータβの最小値を発見することによって、制約付き問題に対するソリューションを発見することができる。これは、制約を条件としてコスト関数を最小化することと等価である。
[00122] 数式(18)によって与えられるようなソリューションを発見するためにチホノフフィルタ関数を適用することは、最小化しようとするコスト関数を展開することと等価である。例えば、以下によって与えられるチホノフコスト関数Fを公式化することが可能であり、
上式で、数式(1)を参照しながら前述したように、2重縦線は2重縦線内部の式のノルムを表す。ノルムは、例えば2重縦線内部の式のユークリッドノルム(2ノルム)として評価することができる。数式(19)によって与えられる形でのチホノフコスト関数Fの公式化は、2次ペナルティ法と呼ぶことができる。
[00123] いずれの制約も無い場合、チホノフコスト関数Fを最小化するxのソリューションは、以下によって与えられ、
x=(C.C+βI)−1.d (20)
上式で、Iは識別マトリクスである。一般に、チホノフコスト関数Fは、βの増加に伴って増加する傾向がある。したがって、制約を満たすソリューションを発見するための1つの手法は、制約が満たされる正則化パラメータβの最小値を検索することである。これは、例えば、正則化パラメータβを変動させること、及び、制約が満たされているか否かをチェックするためにソリューションを評価することによって達成可能である。しかしながら、制約が満たされている正則化パラメータβの最小値は、制約が満たされているコスト関数Fの最小値を常に表すとは限らない。したがって、最良のソリューションではないソリューションが戻される可能性がある。
[00124] これは、図2及び図3を参照しながら提示した、切り捨て特異値分解法を用いて上記で識別した問題と類似した問題である。切り捨て特異値分解法で採用された手法は、制約を使用することによってコスト関数をスケーリングすることであった。これは問題を、コスト関数の最小値により近いソリューションが発見可能なスケーリングされた変数空間に変換した。以下で説明するように、類似の手法を、チホノフ正則化を利用する方法でも採用することができる。
[00125] 本発明の実施形態に従った方法において、マニピュレータ制約マトリクスAを使用して、スケーリングされたチホノフコスト関数FSTを公式化するために、チホノフコスト関数Fをスケーリングすることができる。スケーリングされたチホノフコスト関数FSTの公式化を説明するために、マニピュレータ制約は対称であるものと想定される。すなわち、制約の下限b及び制約の上限bは同じ大きさを有する。したがって制約は、以下のように表すことが可能であり、
−b≦A.x≦b (21)
上式で、bは制約の大きさを示す。実際には、制約は対称でない可能性がある。制約が対称でない場合、本明細書で説明する方法と同様の方法が使用可能である。しかしながら、説明し易いように、以下の説明では対称制約が想定される。
[00126] 対称制約マトリクスAは、正規化制約マトリクスAを形成するように、制約bの大きさを使用して正規化することができる。制約マトリクスは、A=A/bであるように正規化可能であり、制約は以下のように表すことができる。
−1≦A.x≦1 (22)
正規化された制約マトリクスAを使用して、例えば、以下によって与えられ得るスケーリングされたチホノフコスト関数FSTを形成するために、チホノフコスト関数をスケーリングすることができる。
スケーリングされたチホノフコスト関数FSTを最小化するxのソリューションは、数式(20)と同様に、以下によって与えられる。
制約を満たすソリューションは、正則化パラメータβを変動させること、及び、制約が辛うじて満たされている正則化パラメータを発見することによって、発見可能である。こうしたソリューションは、制約が満たされているスケーリングされたチホノフコスト関数Fの最小値に対応することができる。
[00127] 数式(24)は、正則化パラメータβの関数として、マニピュレータ構成xに式を提供する。上記で説明したように、制約が辛うじて満たされている正則化パラメータβの値に対応するマニピュレータ構成xを発見することが望ましい。これは、スケーリングされたマニピュレータ構成x(β)に関して正規化されたコスト関数を最小化することを求めることと等価であり、ここでx(β)は、制約を満たすようにスケーリングされる。こうした正規化されたコスト関数Fは、以下によって与えられ、
上式で、x(β)は以下によって与えられ、
上式で、max(1,|A.x(β)|)は1又は|A.x(β)|の大きい方を戻す関数であり、数式(24)によって与えられる。前述のように、|A.x(β)|≦1の場合、制約は満たされる。max(1,|A.x(β)|)関数は、|A.x(β)|>1のイベントにおいて、制約が満たされるようにマニピュレータ構成x(β)がスケーリングされることを保証する。したがって、スケーリングされたマニピュレータ構成x(β)は、常に制約を満たすようにスケーリングされる。したがって、正規化されたコスト関数Fの最小値は、制約が満たされるスケーリングされたチホノフコスト関数FSTの最小値と等価である。
[00128] 数式(25)によって与えられる正規化されたコスト関数Fは、スケーリングされたコスト関数とは対照的な正規化されたコスト関数であると説明しているが、正規化されたコスト関数Fは、数式(23)によって与えられるスケーリングされたチホノフコスト関数FSTと等価であることを理解されよう。正規化されたコスト関数Fは、制約を使用してスケーリングされた変数空間内へとスケーリングされた、スケーリングされたコスト関数の実施形態である。
[00129] 数式(25)によって与えられる正規化されたコスト関数Fを最小化するために、数式(24)によって表されるようにx(β)を複数回計算することが必要な場合がある。x(β)の計算は相対的に計算上費用が掛かる可能性があり、したがって、計算上必要な費用を減少させる、x(β)を複数回計算する方法を提供することが望ましい場合がある。
[00130] こうした方法の1つが、x(β)を計算するための便利な数式を提供し得る、レンズ依存性マトリクスC及び正規化された制約マトリクスAの一般化特異値分解を計算することであり得る。レンズ依存性マトリクスC及び正規化された制約マトリクスAの一般化特異値分解は、以下によって与えられ、
C=US (27)
=VS (28)
上式で、U及びVは直交マトリクスであり、S及びSは対角マトリクスである。マトリクスS及びSの対角要素は、それぞれc及びσで示すことができる。対角要素c及びσの割合は、C及びAの一般化特異値γ=c/σである。一般化特異値分解は、当業者に既知の方法を使用して計算可能な2つのマトリクスの周知の因数分解である。例えば、C及びAの一般化特異値分解は、市販のソフトウェア(例えば、Matlab)の一部として提供される機能を使用して計算可能である。
[00131] 更なるマトリクスYが、Y=X−Tとして定義可能である。このマトリクス、及び、数式(27)及び(28)として表される一般化特異値分解によって発見されるような他のマトリクスは、以下によって与えられ得る。
[00132] 数式(29)として与えられる加算は、数式(18)に類似しており、項
は、一般化特異値γに関してフィルタ関数を形成するものと見なし得ることを理解されよう。C及びAの一般化特異値分解を計算すること、及び(数式(29)で示されるように)一般化特異値分解の結果の関数としてx(β)を表すことで、正則化パラメータβの異なる値についてx(β)を即時に計算可能にし得る。例えば、C及びAの一般化特異値分解を1回計算し、その結果を使用して、正則化パラメータβの複数の異なる値について、x(β)を数式(29)に従って複数回計算することができる。これにより、例えば数式(24)を使用することによって、反復的にx(β)を計算することに比べて計算上の費用を大幅に節約することができる。上記で説明した様式で、一般化特異値分解の計算を含む方法を使用することを、一般化チホノフ正則化法と呼ぶことができる。
[00133] 本発明の実施形態に従った一般化チホノフ正則化法の実施形態を、方法を概説するフローチャートである図7を参照しながら以下で説明する。ステップS20で、正則化パラメータβの初期値が設定され、対応するマニピュレータ構成x(β)及びスケーリングされたマニピュレータ構成x(β)が計算される。マニピュレータ構成x(β)は、例えば、C及びAの一般化特異値分解を計算すること、及び数式(29)を使用することによって、計算可能である。スケーリングされたマニピュレータ構成x(β)は、マニピュレータ構成x(β)から、及び数式(26)を使用することによって、計算可能である。
[00134] ステップ21で、ステップ20で計算されたスケーリングされたマニピュレータ構成x(β)を使用して、正規化されたコスト関数Fが計算される。ステップ22で、ステップ21で計算された正規化されたコスト関数Fが、正規化されたコスト関数Fの最小値であるかどうかに関して、決定される。正規化されたコスト関数Fが最小値であるか否かの決定は、任意の好適な最小値発見方法を使用して実行可能である。例えば、ある実施形態では、黄金分割探索を使用することができる。典型的には、最小値発見方法は、正則化パラメータβの異なる値に対応する、正規化されたコスト関数Fのいくつかの異なる値を計算することを含む。正則化パラメータβは、正規化されたコスト関数Fの最小値に対応する正則化パラメータβの値に収束するように変動可能である。黄金分割探索は、正規化されたコスト関数Fの最小値に対応する正則化パラメータβの値に収束するように正則化パラメータβを変動させるために使用可能な、最小値発見方法の一例である。
[00135] ステップ21で計算される正規化されたコスト関数Fが最小値であるか否かの決定は、典型的には、現在の正規化されたコスト関数Fと、正規化されたコスト関数Fの複数の以前に計算された値とを比較することによって実行されるため、初期の反復の場合、典型的には、正規化されたコスト関数Fが最小値であるか否かを決定するために利用可能な情報が十分に存在しないことになる。したがって、初期の反復の場合、ステップS22で実行される決定は、典型的には、正規化されたコスト関数Fが最小値でないものと結論付けることになる。
[00136] 正規化されたコスト関数Fが最小値でないものと決定される場合、ステップS23で正則化パラメータβの新しい値が計算される。正則化パラメータβの新しい値は、ステップS23で、前述のような最小値発見方法を使用して計算可能である。最小値発見方法は、例えば、異なる正則化パラメータβについて計算された正規化されたコスト関数Fの以前に計算された値を再検討し、これらの値を使用して、正規化されたコスト関数Fの最小値に向かって移動する可能性が最も高いβにおける変化を決定することができる。黄金分割探索は、ステップS23で正則化パラメータβの新しい値を決定するために使用可能な、好適な方法の一例である。
[00137] ステップS24で、ステップS23で計算されるような正則化パラメータβの新しい値を使用して、新しいマニピュレータ構成x(β)が計算される。新しいマニピュレータ構成x(β)は、例えば、C及びAの一般化特異値分解並びに数式(29)を使用して計算可能である。C及びAの一般化特異値分解は以前に計算されている可能性があるため、ステップS24で新しいマニピュレータ構成x(β)を計算することの計算上の費用は、相対的に小さい可能性がある。
[00138] ステップS25で、ステップS24で計算された新しいマニピュレータ構成x(β)を使用して、新しいスケーリングされたマニピュレータ構成x(β)が計算される。新しいスケーリングされたマニピュレータ構成x(β)は、数式(26)を使用して計算可能である。前述のように、ステップS24でマニピュレータ構成をスケーリングすることによって、制約を満たす潜在的ソリューションが計算される。
[00139] 方法はステップ21に戻り、ここで、ステップS25で計算された新しいスケーリングされたマニピュレータ構成x(β)を使用して、正規化されたコスト関数Fの新しい値が計算される。ステップS22で、新しい正規化されたコスト関数Fが最小値であるか否が決定される。
[00140] ステップS21〜S25は、正規化されたコスト関数Fの現在の値が最小値であることがステップS22で発見されるまで反復される。正規化されたコスト関数Fが最小値であるものと決定された場合、ステップS26で、正則化パラメータのソリューションβsolが正則化パラメータβの現在の値に設定される。ステップS27で、マニピュレータ構成のソリューションxsolがx(βsol)であるように計算される。
[00141] 図7に表され、上記で説明した、一般化チホノフ正則化法は、最適なソリューションに近いソリューションでの高速収束を達成することができる。したがって、一般化チホノフ正則化法は、結果としてリソグラフィ装置において所望の波面パターンを生じさせるマニピュレータ構成を迅速かつ正確に計算するために、特に有利であり得る。方法によって発見されるソリューションを使用して、マニピュレータのソリューション構成を用いてリソグラフィ露光プロセスを実行するために、マニピュレータの物理構成を調整することができる。
[00142] いくつかの実施形態において、1つ以上のタイプの収差についてマニピュレータ構成を最適化するため、及び/又は、フィールド面における特定ロケーションでの波面誤差を減少させるために、コスト関数に重み付けを適用することができる。例えば、切り捨て特異値分解法を参照しながら上記で説明した重み付けマトリクスWと同様の重み付けマトリクスWは、一般化チホノフ正則化法と併用することもできる。
[00143] 以上、リソグラフィ装置の投影システムPLにおいてマニピュレータ構成を計算するための様々な有利な方法について説明してきた。例えば、図4及び図5を参照しながらスケーリングされた切り捨て特異値分解法を提示し、図7を参照しながら一般化チホノフ正則化法を提示した。これらの方法はどちらも、従来技術と比較した場合に大幅な向上を示し、マニピュレータ制約のセットを満たす好適なマニピュレータ構成を迅速かつ正確に計算するために有利に使用することができる。これらの方法によって実現される計算効率の向上により、そうでなければプロセスの達成可能なスループットを減少させる可能性のあるいずれかの大幅な遅延をリソグラフィ露光プロセスに導入することなく、リソグラフィ露光プロセス中又はリソグラフィ露光プロセス間に、更新されたマニピュレータ構成を計算することが可能になり得る。
[00144] 特定の数式及び特定の実装を用いて方法を説明してきたが、その代わりに、提示された数式及び実装に対する変形が使用可能であることを理解されよう。
[00145] 上記で説明したスケーリングされた切り捨て特異値分解法及び一般化チホノフ正則化法は、わずかに異なる様式で動作するが、結果として両方の方法を特に有利にする重要な類似点も共有することを理解されよう。例えば、どちらの方法も、マニピュレータ構成に対する投影システムの光学特性の依存性(例えば、レンズ依存性マトリクスCの形)を使用してコスト関数を公式化すること、マニピュレータ制約のセットを使用してコスト関数をスケーリングすること、及び、制約を満たすスケーリングされたコスト関数の最小値を発見することを追求することを含む。両方の方法に関連して上記で説明したように、コスト関数のスケーリングは、ソリューションが最適なソリューションに近くなる確率を有利に増加させる。
[00146] 上記で説明したスケーリングされた切り捨て特異値分解法及び一般化チホノフ正則化法はどちらも、マニピュレータの構成に対する投影システムの光学要素の依存性を表す、マトリクスの特異値分解又は一般化特異値分解も使用する。前述のように、特異値分解又は一般化特異値分解は、方法が実行される毎に1回のみ計算すればよい可能性がある。これによって、ソリューションを発見する際の計算効率を大幅に向上させることが可能であり、したがって正確なソリューションを相対的に迅速に発見することが可能となり得る。これは、所与の時間枠内での好適なマニピュレータ構成が必要なリソグラフィプロセス中に方法を実装する場合、特に有利である。
[00147] 上記で説明した、特異値分解又は一般化特異値分解が計算される方法において、ソリューションに到達するために、結果として生じる特異値に好適なフィルタ係数が適用された。例えば、図4及び図5を参照しながら説明したスケーリングされた切り捨て特異値分解法では、方法を切り捨てるために不連続フィルタが適用される。一般化チホノフ正則化法では、異なる特異値のソリューションに対する寄与を制御するために、連続フィルタが適用される。
[00148] どちらの方法も、特異値分解又は一般化特異値分解の計算を含むものとして説明してきたが、いくつかの実施形態では、代わりに、異なる形のマトリクス因数分解が使用可能である。
[00149] どちらの方法においても、潜在的ソリューションの開始点が設定され、ソリューションに到達する前に何回かの反復が実行される。いくつかの実施形態において、開始点の選択は、方法の正確度及び/又はソリューションに到達するまでにかかる時間に影響を与える可能性がある。これは、スケーリングされた切り捨て特異値分解法との関連において、最も良く理解できよう。図8A及び図8Bは、スケーリングされた切り捨て特異値分解法が実行される変数空間の概略表現である。図8A及び図8Bの両方において、ボックス308は変数空間における制約を示す。ボックス308内部に残っているソリューションは、制約を満たすソリューションに対応する。ボックス308の外部にあるソリューションは制約を満たさない。
[00150] 図8A及び図8Bの両方において、ソリューションでの初期推量を表す開始点301が選択される。次いで、ソリューション303が発見されるまで、潜在的ソリューションを更新する何回かの反復が実行される。開始点301とソリューション303との間の反復は、経路302として示される。最適なソリューションが存在する領域は破線の円304で示される。
[00151] 図8Aに示される例では、開始点301は、制約308まで広がる変数空間のおよそ中心にある。反復は、最適なソリューション304の近くにあるソリューション303に到達する前に、制約308まで広がる変数空間の内部に完全に存在する経路302をたどる。
[00152] 図8Bに示される例では、開始点301は、制約308まで広がる変数空間の縁部近くにある。開始点301が制約308まで広がる変数空間の縁部近くにある場合、開始点301が制約まで広がる変数空間の縁部から遠くに位置する場合よりも、反復プロセスの比較的初期に経路302が制約空間308の外へ移動する機会が多いことを理解されよう。これは、潜在的ソリューションが最適なソリューション304から遠くにある地点で、経路302が制約空間308の外へすぐに移動するため、図8Bに示されている。方法は、制約がもはや満たされていない場合に切り捨てることができるため、方法は、最適なソリューション304から遠くにあるソリューション303を戻すことができる。
[00153] 図8Bに示される問題を回避するために、図8Aを参照しながら説明したように、制約308の中心の比較的近くにある開始点301を選択することが可能である。開始点301の選択は、切り捨て特異値分解法を参照しながら説明してきたが、同様の考察を一般化チホノフ法にも適用することができる。したがって、一般化チホノフ法の開始点は、制約の中心の比較的近くにあるように選択することもできる。一般化チホノフ法の場合、制約の中心の比較的近くにある開始点を選択することで、ソリューションに到達するために必要な平均反復回数を減少させることが可能であり、それによって有利には、ソリューションを発見するために必要な計算上の時間量を減少させることができる。
[00154] いくつかの実施形態において、制約の1つ以上はソリューションに影響を与えないように冗長であり得る。例えば制約は、他の制約が到達しないように変数空間を広げることができる。図9は、冗長制約を含む変数空間の概略図である。変数空間は、複数の制約408a〜408fを含む。各制約は、冗長であるかどうかを見るためにチェックすることができる。例えば、冗長であるかどうかを見るために6番目の制約408fをチェックすることができる。これは例えば、好適な開始点401(例えば、制約の幾何学中心にある開始点401)を選択すること、及び、チェックされている6番目の制約408fに向かって移動させることによって、実行可能である。チェックされている6番目の制約408fに向かって経路402をたどっていくと、現在の位置が制約を満たしているか否かが決定され得る。経路402は、制約がもはや満たされなくなるまでたどることができる。制約がもはや満たされなくなると、現在の位置403がテストされている6番目の制約408f上にあるかどうかを見るために、現在の位置403をチェックすることができる。現在の位置403が(図9に示されるように)テストされている6番目の制約408f上にない場合、6番目の制約408fは冗長であると決定することができる。
[00155] 制約が冗長であるかどうかをチェックする上述の方法は、以下のように数学的に表すことができる。テストされる制約は、以下のように表すことが可能であり、
x≦p (30)
すべての他の制約は以下のように表すことが可能である。
A.x≦b (31)
数式(31)によって与えられる制約のセットが与えられる場合、数式(30)によって与えられる制約が冗長であるか否かのテストは、制約がA.x≦b及びhx≦pであることを条件として、hxの最大化を試行することによって実行可能である。hxの最大化は、例えば、当業者にとって既知の好適な線形プログラミング方法を使用することによって実行可能である。最大化問題に対する実現可能なソリューションが発見された場合、数式(30)によって与えられる制約は冗長でないことが決定され得る。最大化問題に対する実現可能なソリューションが発見できない場合、数式(30)によって与えられる制約は冗長であることが決定される。
[00156] 前述の方法又は同様の方法を使用して、制約のセットに属する各制約が冗長であるかどうかを見るためにこれをテストすることができる。各冗長制約を、その後好適なマニピュレータ構成を発見するために使用される制約のセットから除去することができる。好適なマニピュレータ構成を発見するために使用される制約のセットから冗長セットを除去することは、有利には、好適なマニピュレータ構成に関する探索を簡略化することが可能であり、好適なマニピュレータ構成を発見するために必要な計算上の費用を削減することが可能である。
[00157] いくつかの制約を条件とするコスト関数の最小値が求められる実施形態を上記で説明してきたが、結果として生じるソリューションは、制約を条件とするコスト関数の正確な最小値に対応しない可能性がある。例えば、本明細書で提示される各方法は、正確な最小値を発見できないようにする制限を有する場合がある。したがって、本明細書におけるコスト関数の最小値に対するいずれの言及も、正確な最小値が発見されることを意味するものと解釈されるべきではなく、その代わりに、コスト関数は方法の制限が許容する範囲まで減少されていることを意味するものと解釈されるべきである。方法の制限は、例えば、方法が完了する使用可能な計算上の時間量を含むことができる。
[00158] いくつかの実施形態において、コスト関数の最小値は、所与の正確度までしか求めることができない。例えば、コスト関数が満足できる範囲まで減少されると、コスト関数を更に減少させるために必要であり得る更なる計算上の費用が必要となるのを避けるために、コスト関数を最小化するための方法を終了することができる。この場合、コスト関数は、方法の制限(使用可能な計算時間の制限を含むことができる)内で最小化されているため、依然として最小化されているものと見なすことができる。
[00159] いくつかの実施形態において、本明細書で提示される方法を使用して、好適なマニピュレータ構成の初期推定を提供することができる。その後、初期推定を、2次方法のための開始点として使用することができる。例えばコスト関数の最小値は、本明細書で説明する方法を使用して所与の正確度まで求めることができる。その後、方法の結果は、コスト関数の更なる最小化を求めることが可能な2次方法への入力を形成することができる。例えば、アクティブセット方法を使用して、コスト関数を更に最小化することができる。アクティブセット方法などの2次方法に初期推定を提供することによって、2次方法の開始点が最適なソリューションに比較的近くなるため、2次方法がソリューションに達するまでに必要な計算時間を実質的に削減することができる。本明細書で説明する方法を使用して2次方法への入力を提供する実施形態において、たとえ2次方法がコスト関数を更に最小化する場合であっても、本明細書で説明する方法は依然としてコスト関数を実質的に最小化するものと見なされ得る。
[00160] コスト関数が最小であることへのいずれの言及も、必ずしもコスト関数の絶対最小値に対応しているとは限らない。代わりに、コスト関数の最小値は、単に局所的最小値を指す可能性がある。最小であることへのいずれの言及も、精密に最小であるものと限定されるべきではなく、単に実質的に最小であることを更に理解されたい。
[00161] 測定システムが透過型である実施形態を説明してきたが、他の実施形態では、反射型の測定システムが使用可能である。例えば、パターニングデバイスは反射パターン付き領域を含むことが可能であり、投影システムは1つ以上の反射光学系を含むことが可能であり、且つ/又は、検出器領域は反射光学系を含むことが可能である。
[00162] コントローラCNを使用して実施可能な本発明の態様を説明してきた。コントローラCNはコンピュータを備えることが可能であり、例えば、ランダムアクセスメモリの形を取る揮発性メモリに記憶される命令を読み取り且つ実行するように構成された、CPU(中央処理ユニット)を含むことができる。揮発性メモリは、CPUによる実行のための命令及びそれらの命令によって使用されるデータを記憶する。
[00163] 本発明の態様は、任意の便利な形式で実装可能である。例えば本発明は、有形のキャリア媒体(例えば、ディスク)又は無形のキャリア媒体(例えば、通信信号)であり得る、適切なキャリア媒体上で搬送可能な、適切なコンピュータプログラムによって実装可能である。本発明の態様は、具体的に、本発明を実装するように配置されたコンピュータプログラムを実行するプログラマブルコンピュータの形を取り得る、好適な装置を使用して実装可能でもある。
[00164] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることが理解される。説明は、本発明を限定することを意図していない。

Claims (20)

  1. リソグラフィ装置のための投影システムの構成を決定する方法であって、前記投影システムは、複数の光学要素及び複数のマニピュレータを備え、前記マニピュレータは、前記光学要素の光学特性を調整し、それによって前記投影システムの前記光学特性を調整するように、前記光学要素を操作するように動作可能であって、
    前記マニピュレータの構成に対する前記投影システムの前記光学特性の依存性を受け取ること、
    前記マニピュレータの前記物理的制約に対応する複数の制約を受け取ること、
    コスト関数を公式化することであって、前記コスト関数は、前記マニピュレータの所与の構成に関する前記投影システムの前記光学特性と前記投影システムの所望の光学特性との間の差を表し、前記コスト関数は、前記マニピュレータの前記構成に対する前記投影システムの前記光学特性の前記依存性を使用して公式化されること、
    前記コスト関数をスケーリングされた変数空間内へとスケーリングすることであって、前記スケーリングは前記複数の制約を使用して実行されること、及び、
    前記複数の制約を満たすことを条件として前記スケーリングされたコスト関数を実質的に最小化する、前記マニピュレータのソリューション構成を発見すること、
    を含む、方法。
  2. 前記マニピュレータのソリューション構成を発見することは、前記マニピュレータの前記構成に対する反復調整を計算すること、及び、前記スケーリングされたコスト関数の対応する値を計算すること、を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記マニピュレータのソリューション構成を発見することは、前記マニピュレータの前記構成に対する前記投影システムの前記光学特性の依存性を表す、マトリクスの因数分解を実行することを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記因数分解は、特異値分解である、請求項に記載の方法。
  5. 前記特異値分解は、一般化特異値分解であり、
    前記一般化特異値分解は、前記マニピュレータの前記構成に対する前記投影システムの前記光学特性の前記依存性を表す前記マトリクス及び前記複数の制約を表すマトリクスの、一般化特異値分解である、請求項に記載の方法。
  6. 前記マニピュレータのソリューション構成を発見することは、前記マニピュレータの前記ソリューション構成に対する前記特異値の寄与を制御するように、前記因数分解の結果として生じる特異値にフィルタ関数を適用することを更に含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記フィルタリングは、不連続フィルタ関数を含み、
    前記マニピュレータのソリューション構成を発見することは、各特異値に指標を割り当てることであって、前記指標は特異値サイズの減少に伴って増加すること、及び、前記特異値の前記寄与を切り捨てる切り捨て指標を決定すること、を更に含み、
    前記切り捨て指標より小さいか又はこれに等しい指標を有する前記特異値は、前記マニピュレータの前記ソリューション構成に寄与し、
    前記切り捨て指標より大きい指標を有する前記特異値は、前記マニピュレータの前記ソリューション構成に寄与せず、
    前記切り捨て指標を決定することは、前記複数の制約を満たすことを条件として前記スケーリングされたコスト関数が実質的に最小化される切り捨て指標を発見することを含む、請求項に記載の方法。
  8. 前記フィルタリングは、連続フィルタ関数を含み、
    前記連続フィルタ関数は、正則化パラメータを含む、請求項に記載の方法。
  9. 前記フィルタ関数jは、
    の形であり、上式で、γは、前記マニピュレータの前記構成に対する前記投影システムの前記光学特性の前記依存性を表すマトリクス及び前記複数の制約を表すマトリクスの、一般化特異値分解の結果として生じる前記一般化特異値であり、βは前記正則化パラメータであり、iは各一般化特異値に割り当てられる指標であり、前記指標は一般化特異値サイズの減少に伴って増加する、請求項に記載の方法。
  10. 前記マニピュレータのソリューション構成を発見することは、2次ペナルティ法を使用することを含む、請求項1に記載の方法。
  11. 前記投影システムのいくつかの所望の光学特性に前記投影システムの他の所望の光学特性よりも大きい重み付けが割り当てられるように、前記コスト関数に重み付けを適用することを更に含む、請求項1に記載の方法。
  12. 前記複数の制約のうちのいずれかが冗長であるかどうかを決定すること、及び、冗長な制約があれば前記複数の制約から廃棄すること、を更に含む、請求項1に記載の方法。
  13. 前記マニピュレータのソリューション構成を発見することは、
    前記マニピュレータの前記構成の初期推定を設定すること、及び、
    前記制約を満たしながら前記スケーリングされたコスト関数の実質的最小値を求めるために、前記マニピュレータの前記構成の前記推定を反復的に更新すること、
    を含む、請求項1に記載の方法。
  14. 前記マニピュレータの前記構成に対する前記投影システムの前記光学特性の前記依存性を決定することを更に含む、請求項1に記載の方法。
  15. 前記マニピュレータの前記構成を前記マニピュレータの前記ソリューション構成に調整することを更に含む、請求項1に記載の方法。
  16. リソグラフィ露光を実行する方法であって、
    請求項1に記載の方法に従って、リソグラフィ装置の投影システムの構成を決定すること、
    前記決定された構成を使用して前記投影システムの前記構成を調整すること、
    パターン付与された放射ビームを、前記投影システムを使用して基板上に投影すること、
    を含む、方法。
  17. 請求項1に記載の方法をコンピュータに実施させるように構成されたコンピュータ可読命令を備えるコンピュータプログラムを実施する、コンピュータ可読媒体。
  18. リソグラフィ装置のための投影システムを制御するように構成されたコントローラであって、
    前記投影システムは、複数の光学要素と、前記光学要素の光学特性を調整し、それによって前記投影システムの前記光学特性を調整するように、前記光学要素を操作するように動作可能な複数のマニピュレータと、を備え、
    前記コントローラは、
    前記マニピュレータの構成に対する前記投影システムの前記光学特性の依存性を受け取ること、
    前記マニピュレータの物理的制約に対応する複数の制約を受け取ること、
    コスト関数を公式化することであって、前記コスト関数は、前記マニピュレータの所与の構成に関する前記投影システムの前記光学特性と前記投影システムの所望の光学特性との間の差を表し、前記コスト関数は、前記マニピュレータの前記構成に対する前記投影システムの前記光学特性の前記依存性を使用して公式化されること、
    前記コスト関数をスケーリングされた変数空間内へとスケーリングすることであって、前記スケーリングは前記複数の制約を使用して実行されること、及び、
    前記複数の制約を満たすことを条件として前記スケーリングされたコスト関数を実質的に最小化する、前記マニピュレータのソリューション構成を発見すること、
    を実行するように構成された、コントローラ。
  19. リソグラフィ装置のための投影システムであって、
    複数の光学要素と、
    前記光学要素の光学特性を調整し、それによって前記投影システムの前記光学特性を調整するように、前記光学要素を操作するように動作可能な複数のマニピュレータと、
    請求項18に記載のコントローラと、
    を備える、投影システム。
  20. 放射ビームを条件付けるように構成された照明システムと、
    パターニングデバイスを支持するように構築された支持構造であって、前記パターニングデバイスはパターン付与された放射ビームを形成するためにその断面において前記放射ビームにパターンを付与することが可能である、支持構造と、
    基板を保持するように構築された基板テーブルと、
    請求項19に記載の投影システムと、
    を備える、リソグラフィ装置。
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