JP6521385B2 - 電解水生成器 - Google Patents

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Description

本発明は、電解水生成器に関する。
次亜塩素酸、次亜塩素酸ナトリウムなどの次亜塩素酸類は、上下水の処理用、排水の処理用、家庭の台所用あるいは洗濯用等の漂白剤、殺菌剤などとしてとして用いられている。次亜塩素酸塩の製造は、食塩水等のアルカリ金属塩化物の水溶液の電気分解によって得られた水酸化アルカリと塩素ガスを反応させて製造する方法あるいは、無隔膜電解槽においてアルカリ金属塩化物の水溶液を電気分解し、電解槽中で次亜塩素酸塩水溶液を製造する方法で行われている。
アルカリ金属塩化物の水溶液の電気分解により次亜塩素酸類を製造する方法では、化学反応式(1)、(3)のような陽極反応が進行し、化学反応式(4)のような陰極反応が進行していると考えられる。また、化学反応式(2)のように、陽極反応で発生したCl2と水との反応が進行すると考えられる。
2Cl-→Cl2+2e-・・・(1)
Cl2+H2O→HCl+HClO・・・(2)
2O→1/2O2+2H++2e-・・・(3)
2H2O+2e-→H2+2OH-・・・(4)
なお、水溶液が強酸性(pHが3以下)になると、化学反応式(2)の反応速度が遅くなり、逆反応により塩素ガスが生成する場合がある。
また、次亜塩素酸類を含む電解水を製造する方法が知られている(例えば、特許文献1〜6参照)。
特開平4−74879号公報 特開平5−237478号公報 特開平6−292892号公報 特開平9−253650号公報 特開2001−29955号公報 特開2001−48199号公報
しかし、従来の電解水製造方法では、陽極と陰極との間に塩素ガスや水素ガスが滞留することを防止するために、陽極及び陰極を鉛直に配置して電解水を製造している。しかし、陽極及び陰極を鉛直に配置すると、電解水生成器が大型化する場合や、電解水生成器の高さが高くなり転倒しやすくなる場合がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、次亜塩素酸類を含む電解水を効率よく生成することができ、安定して設置することができる電解水生成器を提供する。
本発明は、電解部を備え、前記電解部は、陽極と前記陽極に対向配置された陰極とを有する電極対と、前記陽極と前記陰極との間の無隔膜型の電解液流路とを有し、前記電極対は、前記陽極が上側となり前記陰極が下側となるように傾斜して配置され、前記電解液流路は、電解液が下側から前記電解液流路に流入するように設けられ、かつ、電解液が前記電極対により電解され生成した次亜塩素酸類を含む電解水が前記電解液流路の上側から流出するように設けられ、前記電極対は、鉛直方向に対する傾斜角度が10度以上85度以下となるように配置されたことを特徴とする電解水生成器を提供する。
本発明の電解水生成器は電解部を備え、電解部は、陽極と前記陽極に対向配置された陰極とを有する電極対と、陽極と陰極との間の無隔膜型の電解液流路とを有するため、電極対に電圧を印加することにより、電解液流路を流れる電解液を電気分解することができ、次亜塩素酸類を含む電解水を生成することができる。
電解部に含まれる電極対は、陽極が上側となり陰極が下側となるように傾斜して配置され、電解液流路は、電解液が下側から電解液流路に流入するように設けられ、かつ、電解液が前記電極対により電解され生成した次亜塩素酸類を含む電解水が前記電解液流路の上側から流出するように設けられるため、次亜塩素酸類を含む電解水を効率よく生成することができる。このことは、本発明者等が行った実験により実証された。
次亜塩素酸類を含む電解水を効率よく生成することができる理由は、次のように考えられる。本発明の電解水生成器では、下側に配置した陰極における陰極反応により水素ガスが生成するため、陰極上に気泡が生じ、この気泡を流体の流れ方向を横切るように上側に配置した陽極に向かって浮上させることができる。この気泡の浮上により生じる流体の流れにより、陰極付近の流体と陽極付近の流体とを攪拌・混合することができ、陽極における陽極反応を促進することができる。このため次亜塩素酸類を含む電解水を効率よく生成することができる。また、陰極を下側に配置し陰極から陽極に向かう流れを生じさせることにより、陽極反応により生じる塩素ガス、酸化性物質、次亜塩素酸などが陰極の電極面を酸化することを抑制することができ、次亜塩素酸類を含む電解水を効率よく生成することができると考えられる。また、陰極の電極面の酸化を抑制することができるため、陰極にTi電極を利用することができ、電解水生成器の製造コストを低減することができる。
電解部に含まれる電極対は鉛直方向に対する傾斜角度が10度以上85度以下となるように配置されるため、次亜塩素酸類を含む電解水を効率よく生成することができる。このことは、本発明者等が行った実験により実証された。また、電極対を十分に傾斜して配置するため、電解水生成器の高さを低くすることができ、安定して設置できる電解水生成器を実現できる。このことにより、電解水生成器の転倒などのリスクを低減することができる。
本発明の一実施形態の電解水生成器の概略断面図である。(第1実施形態) (a)〜(e)は、本発明の一実施形態の電解水生成器の一部の概略断面図である。(第2〜6実施形態) 本発明の一実施形態の電解水生成器の一部の概略断面図である。(第7実施形態) 有効塩素濃度測定実験の測定結果を示すグラフである。 電解水検出実験の測定結果を示すグラフである。 電解水検出実験の測定結果を示すグラフである。
本発明の電解水生成器は、電解部を備え、前記電解部は、陽極と前記陽極に対向配置された陰極とを有する電極対と、前記陽極と前記陰極との間の無隔膜型の電解液流路とを有し、前記電極対は、前記陽極が上側となり前記陰極が下側となるように傾斜して配置され、前記電解液流路は、電解液が下側から前記電解液流路に流入するように設けられ、かつ、電解液が前記電極対により電解され生成した次亜塩素酸類を含む電解水が前記電解液流路の上側から流出するように設けられ、前記電極対は、鉛直方向に対する傾斜角度が10度以上85度以下となるように配置されたことを特徴とする。
本発明の電解水生成器に含まれる電極対は鉛直方向に対する傾斜角度が50度以上80度以下となるように配置されたことが好ましい。
このことにより、次亜塩素酸類を含む電解水を効率よく生成することができる。また、電極対を十分に傾斜して配置するため、電解水生成器の高さを低くすることができ、安定して設置できる電解水生成器を実現できる。このことにより、電解水生成器の転倒などのリスクを低減することができる。
本発明の電解水生成器に含まれる陽極及び陰極は、実質的に長方形の電極面を有し、かつ、電極面の長手方向の一方の端が上側となり、他方の端が下側となるように配置されたことが好ましい。
このことにより、電解液流路を長くすることができ、電解効率を高くすることができる。
本発明の電解水生成器に含まれる電極対は、陽極と陰極の間隔と、電極面の長手方向の長さとの比が1:100〜1:10となるように設けられたことが好ましい。
このことにより、陰極反応により生じた気泡が浮上して陽極に近づくことができ、電解効率を高くすることができる。
本発明の電解水生成器に含まれる陰極は、Ti電極であることが好ましい。
Ti電極は比較的安価で製造することができるため、電解水生成器の製造コストを低減することができる。また、陰極は電極対の下側に配置されるため、陰極で発生する水素ガスがTi電極に吸蔵されることを抑制することができ、Ti電極の反りの発生を抑制することができる。
電解水の原料となる電解液は、酸性物質及びアルカリ金属塩化物を含む水溶液であることが好ましい。
このことにより、次亜塩素酸類を含む電解水を生成することができる。また、生成する電解水を微酸性〜中性にすることができ、電解水の除菌性を高くすることができる。
本発明の電解水生成器は、電解部により生成された電解水を希釈する希釈部をさらに備えることが好ましい。
電解部により生成した電解水を希釈部で希釈することにより、製造する電解水の量を多くすることができる。また、電解水の原料となる電解液の消費を抑制することができる。
本発明の電解水生成器は、電極対を冷却する冷却部をさらに備えることが好ましく、冷却部は、電解水を希釈する水により電極対を冷却するように設けられたことが好ましい。
このことにより、電気分解反応の反応熱により電極対の温度が高くなることを抑制することができ、電解効率が低下することを抑制することができる。
本発明の電解水生成器は、電解液供給部と、検出部とをさらに備えることが好ましく、検出部は、電解液供給部から電解液流路に供給される電解液の供給量の減少を検出することが好ましい。電解液供給部は、タンクに貯留した電解液を電解液流路に供給するように設けることができる。
ところで、電解液の供給量の減少によって電解部内の電解液量が減少すると、実質的に電解液に接していて電解に寄与する電極の面積、すなわち電極の実効面積が減少する場合がある。特に本発明のように従来の常識では考えられない程度に電解用の電極対を傾斜して配置する場合、同じ電解液量の変動に対して電極の実効面積の変動割合が大きくなる。
したがって、従来の電解水生成器より素早く異常を検出できる検出器を備える事が望ましい。
そのため、検出部は、前記電解物質(電解液)又は前記電気分解生成物(電解水)又はその両方の混合物の電気的特性を測定する検出用電極を備え、かつ、前記電解部に供給される電解物質(電解液)の供給量の減少または電解部から排出される電気分解生成物(電解水)の排出量の減少を検出することが好ましい。
なお本明細書中において電解物質の一つとして電解液、電気分解生成物の一つとして電解水を、置き換える事は可能である。
更に前記検出用電極は、前記電解用電極の上方に設けることができる。
または、前記検出用電極は、前記電解用電極よりも上流側に設けることができる。
または、前記検出用電極は、前記電解用電極よりも下流側に設けられ、かつ、前記電解部中又は前記電解部に接続した配管中に設けることができる。
更に前記検出用電極は、少なくとも一組の電極対を備え、前記検出用電極の電極対の一方の電極は、前記電解用電極と電気的に接続することができる。
更に前記検出用電極は、少なくとも一組の電極対を備え、前記検出用電極の電極対の一方の電極は、前記電解用電極と一体として成形することができる。
更に前記検出用電極は、傾斜して配置されるように設ける事が好ましい。
更に前記検出用電極は、電解液の電気分解により生成した気体と電解水との気液混合流体の電気的特性を測定するように設置する事が好ましい。
更に、前記検出部は、前記検出用電極に印加する電流―電圧特性の経時変化の変化量に基づき、前記電解部に供給される電解物質の供給量の減少を検出することが好ましい。
更に前記検出部は、前記検出用電極に印加された電圧の変化量の微分値又は前記検出用電極を流れる電流の変化量の微分値に基づき、前記電解部に供給される電解物質の供給量の減少を検出することができる。
また、検出部は、前記電解用電極に印加する電流―電圧特性の経時変化の変化量に基づき、前記電解部に供給される電解物質(電解液)の供給量の減少を検出しても良い。
更に前記検出部は、前記電解用電極に印加された電圧の変化量の微分値又は前記電解用電極を流れる電流の変化量の微分値に基づき、前記電解部に供給される電解物質の供給量の減少を検出してもよい。この検出部であれば、電解用電極と検出用電極を共用する事ができる。
このことにより、検出部により電解部に供給される電解物質の供給量の減少を検出することができ、電極対への電圧の印加を早期に停止することができる。このことにより、電解部を構成する電解用電極やその他の部材が異常発熱することを防止することができ、電解装置の安全性を向上させることができる。また、電解部を構成する電解用電極やその他の部材が傷むことを抑制することができ、電解装置の寿命特性を向上させることができる。
このことにより、電解部において電解水が正常に生成されているか否かを検出用電極により検出することができる。
以下、図面を用いて本発明の一実施形態を説明する。図面や以下の記述中で示す構成は、例示であって、本発明の範囲は、図面や以下の記述中で示すものに限定されない。
本実施形態の電解水生成器は、第1〜7実施形態の電解水生成器を含む。図1は第1実施形態の電解水生成器の概略断面図である。
本実施形態の電解水生成器25は、電解部5を備え、電解部5は、陽極3と陽極3に対向配置された陰極4とを有する電極対1と、陽極3と陰極4との間の無隔膜型の電解液流路7とを有し、電極対1は、陽極3が上側となり陰極4が下側となるように傾斜して配置され、電解液流路7は、電解液12が下側から電解液流路7に流入するように設けられ、かつ、電解液12が電極対1により電解され生成した次亜塩素酸類を含む電解水が電解液流路7の上側から流出するように設けられ、電極対1は、鉛直方向に対する傾斜角度が10度以上85度以下となるように配置されたことを特徴とする。
また、本実施形態の電解水生成器25は、電解部5により生成された電解水を希釈する希釈部18、電極対1を冷却する冷却部34、電解液供給部13、検出部27又は攪拌部19を有することができる。
図1では、生成器の主要構成部を分かり易くするために、奥行き方向に重ならないように図示したが、電解部5の吐出口を電極間の流路方向に延長する方向に備える事で、希釈水が流れる弁16から流路26、希釈部18、流路24、攪拌部19、吐出口29の高さと電解部5の高さをほぼ同じように配置する事ができる。更に、電解部5の供給口も電極間の流路方向に延長する方向に備える事で、供給流路23、電解液供給部13(ポンプ15)、タンク11の底面を電解部5の一番低い位置とほぼ同じにする事ができる。タンク11に関しては外付けにする事で生成器25本体の大きさをコンパクトにできるとともに、大容量のタンクや小容量のタンクなど利用シーンに応じてタンクを選べるので便利である。
これにより、生成器の内部の高さをほぼ電解部5の高さまで低くする事ができる。更に、本発明の電解部を80度で設置する事で、従来では不可能だった高さの生成器を実現できる。
以下、本実施形態の電解水生成器25について説明する。
電解液供給部13は、タンク11に貯留した電解液12をポンプ15により電解液流路7に供給するように設けることができる。タンク11は、電解水生成器25に内蔵されてもよく、電解水生成器25に外付けされてもよい。タンク11が電解水生成器25に外付けされる場合、電解水生成器25は、電解液流入口を有することができる。このことにより、電解液流入口と外付けのタンク11とを配管で接続することができる。電解液供給部13は、大容量のタンク11と通常容量のタンク11とのうち少なくとも一方を備えることができる。このことにより、電解水生成器25の用途に合わせてタンク11の容量を変更することができる。
なお、タンク11を電解部5よりも高い部分に配置し、重力により電解液12を電解部5に供給できる場合、ポンプ15の代わりに弁を設けることができる。
電解液供給部13が電解液流路7に供給する電解液12は、酸性物質及びアルカリ金属塩化物を含む水溶液とすることができる。また、電解液12は、塩酸、酢酸又はクエン酸と、塩化ナトリウム及び塩化カリウムのうち少なくとも一方とを含む水溶液であってもよい。このことにより、電解部5により、次亜塩素酸(HClO)、次亜塩素酸塩(NaClO、KClOなど)及びアルカリ金属塩化物を含む電解水を生成することができる。
電解部5は、陽極3と、陽極3に対向配置された陰極4とを有する電極対1を有する。陽極3及び陰極4は、それぞれ板状とすることができ、陽極3の電極面8と陰極4の電極面9とが無隔膜で対向するように設けられる。また、陽極3の電極面8と陰極4の電極面9との間は、電解液流路7となる。このように陽極3及び陰極4を設けることにより、電極間距離を短くすることができ、電解効率を向上させることができる。また、陽極3及び陰極4は、略平行で電極間距離が1mm〜10mmの範囲内となるように配置することができる。なお、陽極3の電極面8と陰極4の電極面9は、平面状の電極面が向き合うように設けられてもよく、曲面状の電極面が向き合うように設けられてもよい。
電極対1は、一枚の陽極3と一枚の陰極4とが対向するように設けられてもよく、陽極3と陰極4とが交互に間隔をおいて積層されるように設けられてもよく、複数の電極が積層され中間の電極の一方の面が陽極3となり他方の面が陰極4となるように設けられてもよい。
例えば、電極対1は、チタン板からなる電極(Ti電極という)と、チタン板に白金とイリジウムを焼結法によりコーティングした電極(Pt−Ir被覆Ti電極という)とを含むことができる。また、Ti電極が陰極4となり、Pt−Ir被覆Ti電極が陽極3となるように電源部と電極対1とを接続することができる。
図1に示した電解水生成器25のように、電解液12の供給流路23が電解液流路7に接続し、電解液流路7が電解水流路24に接続するように電極対1を設けてもよい。また、電解部5は、電解液供給部13から供給される電解液12が電解液流路7に流入する流入口と、電解液流路7を流れた電解水が流出する流出口とを有することができる。このことにより、電解部5により連続的に電解水を製造することができる。この流出口から流出した電解水は、希釈部18に流入してもよい。
電解槽又は希釈槽の電解液12中に電極対1を浸漬してもよい。この場合、電極対1における電気分解により生じる気泡の浮上により電解液12の流れが生じ電解液流路7が形成される。
例えば、電解部5における電解処理では、上記の化学反応式(1)、(3)のような陽極反応が進行し、上記の化学反応式(4)のような陰極反応が進行すると考えられる。また、上記の化学反応式(2)のような反応が、電解部5内、希釈部18、電解水流路24、攪拌部19などで進行すると考えられる。従って、電解部5で生成された電解水は、塩素ガス、水素ガスなどの気泡が電解水に混合された気液混合流体となる。また、化学反応式(2)のような反応が進行すると、気泡は減少し電解水の次亜塩素酸類の濃度が高くなる。(2)の反応は比較的素早いので、生成した塩素分子の多くは電解部5の中で次亜塩素酸類に変換される。未変換の塩素分子は希釈部20で大量の水(H2O)に晒されるので電解水流路を流れる間に塩素ガスの気泡は殆ど消滅する。
なお、アルカリ金属塩化物を含む水溶液を電気分解すると次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウムなどの次亜塩素酸塩が生じ電解水がアルカリ性となる場合があるが、本実施形態では電解液12が酸性物質を含むため、電解水はほぼ中性となる。
電解水生成器25により製造する電解水のpHは、例えば、6.5〜7.5とすることができる。また、電解水のpHが6.5〜7.5となるように電解液12のアルカリ金属塩化物と酸性物質との割合を調整することができる。
更に、pHをより酸性にしたい場合は電解液に含まれる酸性物質の割合や、電解部への電解液の供給量や、電解用電極に印加する電圧や、電解用電極を流れる電流量を、調整する事で、電解水のpHを調整する事ができる。
電極対1は、陽極3が上側となり陰極4が下側となるように傾斜して配置される。また、陽極3の電極面8と陰極4の電極面9との間に形成される電解液流路7は、電解液12が下側から電解液流路7に流入するように設けられ、かつ、電解液12が電極対1により電解され生成した次亜塩素酸類を含む電解水が電解液流路7の上側から流出するように設けられる。このことにより、陰極4の電極面9で生じる気泡の浮上による流体の流れにより、陰極4付近の流体と陽極3付近の流体とを攪拌・混合することができ、陽極3における電極反応を促進することができると考えられる。このため、有効塩素濃度の高い電解水を生成することができる。
また、陰極4を下側に配置し陰極4から陽極3に向かう流れを生じさせることにより、陽極反応により生じる塩素ガス、酸化性物質、次亜塩素酸などが陰極4の電極面9を酸化することを抑制することができ、次亜塩素酸類を含む電解水を効率よく生成することができると考えられる。また、陰極4の電極面9の酸化を抑制することができるため、陰極4にTi電極を利用することができ、電解水生成器25の製造コストを低減することができる。
また、陰極4を下側に配置することにより陰極反応により生じる水素ガスが陰極4の電極面9から脱離しやすくなるため、陰極4の電極面9に気泡が滞留することによる陰極実効面積の低下を抑制でき、電解効率の低下を抑制することができる。また、陰極4にTi電極を用いた場合、Ti電極に水素分子が吸蔵され陰極4の反りが発生することを抑制することができる。
電極対1は、鉛直方向に対する傾斜角度が10度以上85度以下となるように配置される。また、電極対1は、鉛直方向に対する傾斜角度が50度以上80度以下となるように配置されることが好ましい。このため、次亜塩素酸類を含む電解水を効率よく生成することができる。このことは、本発明者等が行った実験により実証された。また、電極対1を十分に傾斜して配置するため、電解水生成器25の高さを低くすることができ、安定して設置できる電解水生成器25を実現できる。このことにより、電解水生成器25の転倒などのリスクを低減することができる。
例えば、50mm×100mm×0.5mm大きさのPt−Ir被覆Ti電極とTi電極を4mmの間隔で備えた電解部を試作した。電解部全体の厚さが16mmで長さ140mm、ほぼ中央付近で2分割して電極を装填できるようにしたため、中央にフランジを備えたためフランジ部の厚さは34mmとなった。この電解部をして角度80度で設置して、電解水生成器を製作した所、フランジ部の高さが一番高く36mmの高さが必要だった。フランジ部がなければ、35mm程度の高さにできる。その他の電解水生成器を構成する部材を組み合わせて、厚み2mmの樹脂筺体に収めた所、占有面積は比較的大きいが、約40mm程度の極薄の生成器を実現できた。
陽極3は、実質的に長方形の電極面8を有し、かつ、電極面8の長手方向の一方の端が上側となり、他方の端が下側となるように配置されることが好ましい。また、陰極4は、実質的に長方形の電極面9を有し、かつ、電極面9の長手方向の一方の端が上側となり、他方の端が下側となるように配置されることが好ましい。このことにより、電解液流路7を長くすることができ、電解効率を高くすることができる。
電極対1は、陽極3と陰極4の間隔と、電極面8又は電極面9の長手方向の長さとの比が1:100〜1:10となるように設けられることが好ましい。このことにより、陰極反応により生じた気泡が浮上して陽極3に近づくことができ、電解効率を高くすることができる。
電極対1の下流側に検出部27を設けることができる。検出部27は、電解液供給部13から電解液流路7に供給される電解液12の供給量の減少を検出するように設けられる。また、検出部27は、電極対1よりも高い位置に設けることができる。
検出部27は、電解水の電気的特性(電流、電圧、抵抗、静電容量など)を測定する検出用電極28であってもよく、電解水の状態を光学的に検出する光検出部であってもよい。しかし、検出部27は簡単なシステムであることが好ましい。静電容量や光学的に検出する方法は非接触のため電解水による影響を考えなくて良いため検出手段として容易に採用できるが、別途特殊な部品や制御回路が必要になる。検出用電極の場合は、対象によって適切な電圧や電流の条件は異なり更に、本発明においては電解質を含む電解液が対象のため当業者の一般常識として電極による検出は困難と考えられており実用化されていなかった。つまり電解液が検出のための電圧または電流によって電解されてしまうので、電解液そのものの電気特性が得られない事、更に電解によって生成される電解水が反応性の液(例えば次亜塩素酸水や次亜塩素酸塩水のような酸化力のある液)の場合、電極自体が酸化されて変化すると考えられる事などから、安定性に欠けたり実用的な寿命が確保できなかったりすると考えられていた。そのため長期間常用するために生成器に搭載する用途として安価で長寿命な検出器を、電極を用いて実現する事は困難と考えられていた。実際に、発明者らの検討においても電極の設置位置と、設置位置の流路の大きさとを適切に選ばなければならず、容易に発明には至らなかった。例えば流路中に電極を設置するために流路の断面積が比較的大きな検出用エリアを設けた所、気液が分離されてしまい液膜が形成されずうまく液体(気泡と気泡の間の液膜)を検出できなかった。また液膜が切れないように流路径を比較的小さくしたり、電極間を比較的狭めて設置したりした場合には、表面張力で電極間に液膜が張ったままになり、気泡を検出できなかった。いずれも明確な電流ピークが検出できず、定常状態と異常状態を早期に判別できなかった。
タンク11に貯留した電解液12をポンプ15により電解部5に供給し電解水を製造する場合、電解水の製造を続けると、タンク11に貯留した電解液12が徐々に減少し、タンク11が空になる。タンク11が空になると、電解部5に電解液12が供給されなくなり、電極対1間に電解液12が減少したり、なくなったりする場合がある。または、タンク11が空でなくても、ポンプ15が故障したりタンク11と電解部5の間で液漏れが生じたりして、電解部5に電解液12が十分供給されなくなり、電極対1間に電解液12が減少したり、なくなったりする場合がある。このような状態において電極対1に電圧を印加すると、連続的に供給される電解液による冷却効果や生成した電解水と一緒に放出される熱がなくなるため電解部5内の熱が上昇したり、電極の一部にしか電流が流れないために定電流の場合は電流密度が高くなったりして、電極対1が傷む場合がある。従って、電極対1間の電解液12の供給が不十分になったことを検出し、電極対1への電圧の印加を停止する必要がある。
検出部27を設けると、検出部27によりタンク11が空になったりポンプ15が不調だったりタンクと電解部の間の配管に漏れや詰まりが生じたことを検出することができ、電極対1への電圧の印加を早期に停止することができる。このため、電極対1が傷むことを抑制することができる。
なお、電解部5に電解液12が十分に供給されなくなると、流路の高い箇所から電解液12又は電解水がなくなっていく。従って、検出部27を電極対1よりも高い位置に設けることにより、電解部5に電解液12が十分に供給されなくなったことを早期に検出することができる。
図2(a)は、第2実施形態の電解水生成器25の一部の概略断面図である。図2(b)は、第3実施形態の電解水生成器25の一部の概略断面図である。図2(c)は、第4実施形態の電解水生成器25の一部の概略断面図である。図2(d)は、第5実施形態の電解水生成器25の一部の概略断面図である。図2(e)は、第6実施形態の電解水生成器25の一部の概略断面図である。検出用電極28は、例えば、図2(a)に示した第2実施形態のように電解部5と希釈部18との間の配管に設けた電極対であってもよく、図2(b)に示した第3実施形態のように電解部5内の流路に設けた電極対であってもよく、図2(c)に示した第4実施形態のように電極対1の上部に設けられた電極対であってもよい。検出部27は、図2(d)に示した第5実施形態のように、電極対1に含まれる1つの電極と検出用電極28とで電解水の電気的特性を測定するものであってもよい。また、検出部27は、図2(e)に示した第6実施形態のように、電極対1に含まれる1つの電極と検出用電極28とで電解水の電気的特性を測定するものであってもよい。
電極対1により電解液12を電気分解すると、上記の化学反応式(1)〜(4)のような化学反応が進行するため、電極対1により生成された電解水は、気液混合流体となる。検出用電極28により気液混合流体の電気的特性を測定する場合、気泡が検出用電極28を通過すると電極間の電気抵抗は大きくなり電極間に流れる電流は大きくなる。また、液体が検出用電極28を通過すると電極間の電気抵抗は小さくなり電極間に流れる電流は小さくなる。このため、電極対1により正常に電解水が生成されている場合、検出用電極28で測定される電気抵抗などは、上下動する。従って、この上下動を検出することにより正常に電解水が生成されていることを確認することができる。また、この上下動がなくなったことを検出することにより、タンクが空になったか、送液ポンプが故障したか、配管つまりが生じたか、液漏れを起こしているか等の異常を検出することができる。
検出用電極28の電極間の幅は、例えば1mm〜5mmとすることができる。このことにより、電解水の流れを確認することができる。
なお、ここでは検出用電極28を用いて電解水の流れを検出しているが、検出部27は電解水の流れを光学的に検出する光検出部であってもよい。
検出部は、電解用電極の電圧または電流の許容範囲(設定値)に加えて、電解用電極の電圧または電流またはその両方の経時変化の変化量に許容範囲を設ける。検出部は、電解用電極の電圧値または電流値の微分値(ここで微分値とは時間当りの平均変化量を指す)に基づき、異常時を検出することができる。なお、この場合、検出部は、制御部に含まれる。他の検出システムの検出部においても、制御部に含む方が一つの基板回路にまとめる事ができて、小型化及び低コスト化できるので好ましい。
例えば、検知用の電極に定電流源または定電圧源が接続されており、その時の電圧値または電流値のある一定時間内での変化量を正常時と異常時で区別する事で異常を検出する。電圧または電流またはその両方の経時変化の変化量に許容範囲を設ける。つまり電圧値または電流値の微分値(ここで微分値とは時間当りの平均変化量を指し、傾きと言いかえる事もできる)を検出する。電圧値や電流値の検出方法は従来の方法で検出できる。微分値は、前記電圧値または電流値をある一定時間間隔でサンプリングし、差分を取る事で微分値とする事ができる。ただし、あまり短い時間だとノイズ等の影響で異常を誤検出してしまうので、例えば10秒〜1分などの時間で差分を出す事が好ましい。
本検出システムの検知用電極は、定常状態では微分値がほぼ0である事を利用している。例えば、電解用電極に比べて電解液の供給口に近い位置に検出用電極を備えていれば電解液の電気特性に応じた電圧と電流の関係が維持される。例えば電解液の供給が異常停止した場合、電解部内でかつ電解液の供給口に近い位置に備えていれば、電解用電極により電解液の電解がすすんだ電解水の電気特定の電圧と電流の関係に近づいていく。この過程で、微分値が0でない状態が生じるので、異常を検出できる。電解部よりもさらに電解液のタンクに近い配管内や配管途中に検知用電極を備える場合は、検知用電極付近の電解液が検知用電極によって電解が進む事で同様に微分値が0でない状態が生じるので異常を検出できる。
電解用電極に比べて電解液の排出口に近い位置に検出用電極を備えていれば、電解水の電気特性に応じた電圧と電流の関係が維持される。例えば電解液の供給が異常停止した場合、電解部内でかつ電解液の排出口に近い位置に備えていれば、電解用電極により電解液の電解が過剰にすすんだ電解水の電気特定の電圧と電流の関係に近づいていく。この過程で、微分値が0でない状態が生じるので、異常を検出できる。電解部よりもさらに電解水の吐出口に近い配管内や配管途中に検知用電極を備える場合は、検知用電極付近の電解水が途切れるか、検知用電極によって電解が更に進む事で同様に微分値が0でない状態が生じるので異常を検出できる。
電解用電極と同様の近い位置に検出用電極を備えていれば、電解中の電解液の電気特性に応じた電圧と電流の関係が維持される。例えば電解液の供給が異常停止した場合、電解用電極により電解液の電解が過剰にすすんだ電解水の電気特定の電圧と電流の関係に近づいていく。この過程で、微分値が0でない状態が生じるので、異常を検出できる。
なお電解部内に検知用電極を備える場合は、一部または全部を電解用電極と共用する事ができ、電源についても電解用電源と共用することもできる。
検出部の他の例としては、電解用電極とは別の検出用電極を検出部として備える。検出用電極は電解用電極より上方に備える。電解液の供給が途絶えたり不十分だったりする場合に検出用電極付近の電気伝導度等の変化を検出する。具体的には電解部内の電解液の水位が低下した時の電流値の低下を検出する。1対の検出用電極を設けてもよいが、電解用電極の片方を、電解用電極と検出用電極とで共用すると部品点数が少なくすむ。更に電源部も共用すると検出部用の電源を省く事ができる。電解用電極でも水位低下によって、電極の有効面積が減るため電流値が下がったり、電圧値が上がったりするが、変化の割合(全体の値に対する変化値の割合)やS/N値が小さく、従来の方法と同様の問題ある。したがって、例えば電解用電極の上の方にスリット設けて一部分離し、別途配線を設けてその配線を流れる電流値を測定することで異常を検出することができる。電流値は例えばシャント抵抗の電圧を測定するなど、従来の様々な方法で測定する事ができる。
検出部の更に他の例としては、検出部は、同様に検出用電極を検出器として備えるが、電解用電極より電解物質(電解液)の供給口(電解部の電解液供給口)に近い方に備える。これにより電解物質の電気特性と、電解生成物(電解水)の電気特性の違いを検出する事で、電解物質(電解液)の供給が途絶えたか不十分な事を検出できる。定常状態では電解物質(電解液)の電気特性に比較的近い値を得られるが、異常状態では電解生成物(電解水)の電気特性に比較的近い値となり、異常を検出できる。
検出部の更に他の例は、検出部は、同様に検出用電極を検出器として備えるが、電解用電極より電解生成物の排出口に近い方(電解の場合の電解部5の吐出口)または排出口、または排出口に繋がる配管または、配管の途中に備える。
これにより電解生成物(電解水)が連続的に検出器に送られている正常時と、そうでない時(つまり電解水が送られていない時)の電気特性との違いを検出する事で、電解物質(電解液)の供給が途絶えた事を検出できる。また、電解液が送られていても、電解部が破損している等により、電解部から電解水が通常より排出されている量が少なかったり、全く排出されていなかったりするような異常も検出できる。
更に電解生成物(電解水)が連続的に検出器に送られている正常時の電気特性と、電解物質(電解液)が送られている時の電気特性との、違いを検出する事で、電解物質(電解液)の供給が正常であっても、電解が不十分であったり電解できていなかったりするような異常を検出できる。
また、検出用電極は、電解用の電極と少なくとも一部を兼ねる事ができる。この場合、部品点数が少なくなりコストが安くなるので実用性が高まり好ましい。更に検出用電極対は傾けて備えると検出感度が向上するので好ましい。更に電解部は冷却システムの特に水冷システムを備えると更に好ましい。
電解部内に、検出用電極対と電解用電極対が平行になるように備えるようにすると、検出用電極対と電解用電極対を保持するための保持部を電解部として同時に成型できるので低コスト化できる。更に検出用電極対と電解用電極対を共に平行に備える電解部を、傾けて設置する事で、検出感度の向上と電解効率の向上が同時に行えるので好ましい。更に水冷システムを備える事で、検出用電極と電解用電極の温度が安定化されるためと信頼性の高い検出システムと電解システムが実現される。これは物質の電気的特性や化学反応が一般に温度依存性を持つ事による。電極を用いる検出器は物質の電気的特性を利用し、電解は電気化学反応を利用しているため、温度が安定している方が好ましく、冷却システムを備える事が好ましい。
希釈部18は、電解部5により生成した電解水を水で希釈するように設けられる。このことにより、適切な有効塩素濃度を有する電解水を生成することができ、この電解水を吐出口29から吐出させることができる。
また、電解部5により生成した電解水を希釈部18で希釈することにより、製造する電解水の量を多くすることができる。希釈に用いる水は例えば、水道水や井戸水や貯水である。電解水を水道水で希釈する場合、蛇口に接続した弁16により水道水を希釈部18に供給することができる。また、電解水を井戸水や貯水で希釈する場合、井戸水や貯水を汲み上げるポンプにより井戸水や貯水を希釈部18に供給することができる。電解液を希釈した後に電解する方法も可能であるが、希釈水の含まれるミネラル成分等が電解用電極に析出して電解能力が低下したり、希釈水に含まれる成分を電解してしまって電解水の濃度やpHがばらついたりする事がある。よって、本実施例のように電解部で電解液を電解した後に、水道水等の希釈水で希釈する事は好ましい。
希釈部18は、電解部5で生成した電解水の流れが希釈する水の流れに合流するように設けられてもよい。この場合、希釈部18は、実質的に水平方向に流れる水の流れに電解部5で生成した電解水の流れが合流するように設けることができる。また、希釈部18は、希釈する水の流れにより生じるベンチュリー効果により電解部5で生成した電解水が吸引されるように設けられてもよい。
また、希釈部18は、電解部5で生成した電解水及び希釈する水が流入する希釈槽において希釈するように設けられてもよい。また、希釈部18を希釈槽とし、電極対1を希釈槽中に設けてもよい。この場合、希釈槽に希釈された電解液を貯留し、この貯留された電解液を電極対1により電解処理し、電解水を生成することができる。
希釈部18において希釈する水の量を変えることができるように電解水生成器25を設けてもよい。例えば、希釈部18に供給する水の量を変化させることができるように、弁16又はポンプを設けることができる。このことにより、有効塩素濃度の異なる電解水を生成することができ、電解水の用途により電解水の有効塩素濃度を変えることができる。
また、通常濃度の電解水と、高濃度の電解水とを切り替えることができるように制御部を設けることができる。制御部は、弁16又はポンプを制御することにより電解水の濃度を切り替えることができる。例えば、通常濃度の電解水の有効塩素濃度は、15〜25ppmとすることができ、高濃度の電解水の有効塩素濃度は、45〜55ppmとすることができる。
更に切替式の電磁弁に替えてニードルバルブを備える事は更に好ましい。ニードルバルブであれば、流量を連続的に変化させる事ができるので最大流量時の最低濃度から連続的に任意のより高い濃度の電解水を生成する事ができる。
電解水を希釈する水により電解部5を冷却する冷却部34を設けることができる。このことにより、電極の電気抵抗や電解液の液抵抗による発熱や電解部内で生じる各種化学反応の反応熱により電解部5の温度が高くなることを抑制することができ、電解効率が変化して濃度ばらつきを生じたり、熱によって電解部や電極の寿命が低下したりすることを抑制することができる。冷却部34は、例えば、希釈する水が流れる冷却水流路33とすることができる。これにより、冷却水が流れる流路を一体として電解部として製造する事ができ、余分な部品や取り付け作業が増える事を抑制できるので好ましい。
図3は、第7実施形態の電解水生成器25の一部の概略断面図である。冷却水流路33は、例えば、図3の第7実施形態ように、希釈部18の上流部に設けられた冷却水流入口36から水道水が冷却水流路33に流入し、電極対1の周りを水道水が流れた後、希釈部18の下流部に設けられた冷却水流出口37から水道水が流出するように設けることができる。このように冷却水流路33を設けることにより、電解水の希釈に用いる水道水を利用して電解部5を冷却することができる。
冷却水流路33は、図3のように電解部5の構造部材20に設けられてもよく、電解部5の周りに設けられた配管であってもよい。
電解水生成器25は、攪拌部19を備えることができる。攪拌部19は、希釈部18により希釈された電解水が攪拌部19に流入し、攪拌部19から流出した電解水が吐出口29に供給されるように設けられる。このような攪拌部19を備えることにより、電解部5及び希釈部18で次亜塩素酸類に転換しきれなかった塩素ガスを次亜塩素酸類に転換することができる。このことにより、吐出口29から吐出する電解水のpHや有効塩素濃度を安定化することができ、安定した品質の電解水を生成することができる。攪拌部19は、乱流が生じる水槽であってもよく、攪拌子を備えた攪拌槽であってもよい。
有効塩素濃度測定実験
図1に示した電解水生成器25に含まれる電解部5のような電解装置を作製し電極対1の鉛直方向に対する傾斜角度を変化させて電解実験を行った。電極対1には、長辺8cm、短辺3cmの1mm厚のチタン板からなる電極(Ti電極という)と、長辺8cm、短辺3cmの1mm厚のチタン板に白金とイリジウムを焼結法によりコーティングした電極(Pt−Ir被覆Ti電極という)とを用いた。Ti電極とPt−Ir被覆Ti電極とが略平行で電極間距離が1mm〜5mmの範囲内となるように電極対1を塩化ビニル樹脂製の構造部材20に固定し電解装置を作製した。また、Ti電極が陰極となり、Pt−Ir被覆Ti電極が陽極となるように電源装置と電極対1とを接続した。
電極対1の鉛直方向に対する傾斜角度が約−80度〜約+80度となるように、設置角度を変えて作製した電解装置を設置し、電解液流路7に2〜4%の塩化ナトリウムと0.3〜0.4%の塩酸の混合水溶液を下側から一定流量で供給した。なお、電極対1が鉛直であるとき傾斜角度は0度であり、Pt−Ir被覆Ti電極(陽極)が上側となるように電極対1を傾斜させたとき傾斜角度はプラスの角度であり、Pt−Ir被覆Ti電極が下側となるように電極対1を傾斜させたとき傾斜角度はマイナスの角度である。
そして、電源装置により電極対1に5Aの定電流を供給し、塩化ナトリウムと塩酸の混合水溶液を電解処理した。また、印加電圧は、約4〜5Vの間であった。また、電解処理後の水溶液の有効塩素濃度(mg/L)の測定を行った。有効塩素濃度の測定法は酸化による呈色反応により評価したので、本実施例における有効塩素濃度は、酸化力のある全反応性物質の量を有効塩素濃度として評価した値を指す。
有効塩素濃度実験の測定結果を図4に示す。なお、図4に示した有効塩素濃度は、1L希釈に規格化した場合の有効塩素濃度である。本結果によると、陽極であるPt−Ir被覆Ti電極が上側となるように電極対1を傾けると、傾斜角度が20度〜80度の範囲で電解処理後の水溶液の有効塩素濃度を高めることができた。特に50度〜80度が高かった。なお図示していないが85度でも高い濃度を示していたが、時折濃度が低下するなど濃度ばらつきが大きくなる傾向があった。
逆に、陽極であるPt−Ir被覆Ti電極が下側となるように電極対1を傾けると、電解処理後の水溶液の有効塩素濃度は低下した。
従って、電極対1を陽極が上側となり陰極が下側となるように傾斜して配置することにより、生成する電解水の有効塩素濃度を高くすることができることがわかった。
図4では、0度よりプラスの角度側では大よそ緩やかに濃度が増加もしくは50度以上ではほぼ一定となり、0度よりマイナスの角度側では、急激に濃度が低下し、マイナス50度以下ではほぼ一定となっている。したがって、電極対は陽極側を上側になるように0度以上傾ける事が好ましい。ただし、電極対の取り付け精度が少し甘かったり、本電極対を備える生成器自体が少し傾いた地面等に置いたりしても、生成される濃度が低下しないように、10度程度余裕をみて10度以上予め傾けて取り付けるようにする事が好ましい。逆に80度で設置していると更に10度傾くと90度になってしまうので、75度までにしておくことは好ましい。よって、10〜75度の範囲で配置する事が好ましく、例えば屋外の傾斜地等での利用が考えられる場合は、更に50度程度とすれば、±30度傾いても0度よりも高い濃度を吐出できる。よって、30度の急こう配の傾斜地、例えばみかん畑やブドウ畑、その他の傾斜地で植物へ散布したり土壌の除菌をしたりするのに用いるような時に、電解水生成器を水平に置く事を逐一気にせずとも用いる事ができ、非常に便利になる。このような植物に対して使う方の場合は、塩化カリウム水溶液または塩酸またはその混合物を電解液として用いる事が好ましい。
電解水検出実験
図2(c)のような電解部5を作製し、電極対1で生成した電解水を検出用電極28で検出する実験を行った。図の紙面奥行き方向を流路の幅とすると電解用の電極がある部分は、電解用電極の幅とほぼ同じの約50mmであるが、検出用の電極がある部分の幅は約3mmの比較的細い流路となっている。これは、後述するように本実施例では気液を検出する事を基本原理としているため、比較的細い流路にしないと気液が分離してしまったり、気液の間隔が短すぎて検出が困難になったりするからである。検出用の電極検出用電極の有効面の大きさは3mm×3mmで、電極間の距離は2mmである。また、電極の材料としては電解用の電極と同じものを使用した。実験結果を図5、6に示す。
図5は、電解部5に供給された電解液12を電極対1により電気分解し電解水を生成する際の検出用電極28の検出電流の変化を示したグラフである。電解水が正常に生成されている場合、検出用電極28の検出電流は上下動することがわかった。また、検出電流が小さい状態が続く時間は5秒以下であることがわかった。これは、電気分解により生成した塩素ガスや水素ガスの気泡と、電解水とが交互に検出用電極28を通過するためと考えられる。従って、このような検出電流の上下動が生じているか否かを検出することにより、電解水が正常に生成されているか否かを検出できることがわかった。また、検出電流が小さい状態が5秒以上続くことを検出することにより、電解部5に電解液12が供給されていないことを検出することができることがわかった。
図6は、電解部5への電解液12の供給を停止した場合の検出用電極28の検出電流の変化を示したグラフである。電解液12の供給を停止すると、供給停止後約5秒で検出電流の上下動が測定されなくなった。このことから電解液12の供給停止を検出用電極28により早期に検出できることがわかった。
同様に、図2(a)のように電解槽から吐出口までの配管中に検知用電極を備えた構造とする事もできる。配管の内径は約3mmとして実験を行った所、同様の結果が得られた。
1:電極対 3:陽極 4:陰極 5:電解部 7:電解液流路 8:陽極電極面 9:陰極電極面 11:タンク 12:電解液 13:電解液供給部 15:ポンプ 16:弁 18:希釈部 19:攪拌部 20:構造部材 22:筐体 23:供給流路 24:電解水流路 25:電解水生成器 26:水道水流路 27:検出部 28:検出用電極 29:吐出口 33:冷却水流路 34:冷却部 36:冷却水流入口 37:冷却水流出口

Claims (9)

  1. 電解部と、電解液供給部とを備え、
    前記電解部は、陽極と前記陽極に対向配置された陰極とを有する電極対と、前記陽極と前記陰極との間の無隔膜型の電解液流路とを有し、
    前記電解液流路は、1方向に傾斜した直線状の流路単列からなる流路であり、
    前記電極対は、それぞれ板状の前記陽極と前記陰極とが、前記陽極が上側となり前記陰極が下側となるように傾斜して配置され、
    前記電極対は、鉛直方向に対する傾斜角度が10度以上85度以下となるように配置され、
    前記電極対は、前記陽極と前記陰極の間隔と、前記電極面の長手方向の長さとの比が1:100〜1:10となるように設けられ、
    前記電解液供給部は、前記電解液を電解液流路に供給するポンプを備えたことを特徴とする電解水生成器。
  2. 前記電極対は、鉛直方向に対する傾斜角度が50度以上80度以下となるように配置された請求項1に記載の電解水生成器。
  3. 前記陽極及び前記陰極は、実質的に長方形の電極面を有し、かつ、前記電極面の長手方向の一方の端が上側となり、他方の端が下側となるように配置された請求項1又は2に記載の電解水生成器。
  4. 前記陰極は、Ti電極である請求項1〜3のいずれか1つに記載の電解水生成器。
  5. 前記電解液は、酸性物質及びアルカリ金属塩化物を含む水溶液である請求項1〜4のいずれか1つに記載の電解水生成器。
  6. 前記電解部により生成された電解水を希釈する希釈部をさらに備える請求項1〜5のいずれか1つに記載の電解水生成器。
  7. 前記電極対を冷却する冷却部をさらに備え、
    前記冷却部は、電解水を希釈する水により前記電極対を冷却するように設けられた請求項6に記載の電解水生成器。
  8. 検出部をさらに備え、
    前記検出部は、前記電解液又は電解水又はその両方の混合物の電気的特性を測定する検出用電極を備え、かつ、前記電解部に供給される電解液の供給量の減少または前記電解部から排出される電解水の排出量の減少を検出し、
    前記検出用電極が前記電解部の前記電極対の上方に設けられている請求項1〜7のいずれか1つに記載の電解水生成器。
  9. 検出部をさらに備え、
    前記検出部は、前記電極対に印加する電流―電圧特性の経時変化の変化量に基づき、前記電解部に供給される電解液の供給量の減少を検出し、
    前記検出部が前記電解部の前記電極対の上方に設けられている請求項1〜7のいずれか1つに電解水生成器。
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