以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る情報処理システム、情報処理装置および情報処理方法の実施形態を詳細に説明する。以下では、本発明に係る機器の一例として、画像形成装置の一態様である複合機(MFP:Multifunction Peripheral)を例に挙げて説明するが、これに限られるものではなく、例えばプロジェクタなどであってもよい。なお、複合機とは、コピー機能、スキャナ機能、プリント機能、FAX機能などの複数の異なる機能を有する装置である。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態の情報処理システム100の概略構成の一例を示す図である。図1に示すように、情報処理システム100は、MFP1と、アプリケーションサーバ2と、翻訳サーバ4と、機器管理サーバ5を備え、これらはネットワーク8を介して相互に接続される。説明の便宜上、図1の例では、情報処理システム100に含まれる機器として、1台のMFP1のみを例示しているが、これに限られるものではなく、情報処理システム100に含まれる機器の台数および種類は任意である。
アプリケーションサーバ2は、特定の機能を提供する装置である。本実施形態における特定の機能は、機器(この例ではMFP1)が利用可能なアプリケーションを提供するためのアプリケーション一覧画面を介してユーザによって選択されたアプリケーションを機器で利用させ、かつ、個人情報を取り扱う機能(以下の説明では、「利用促進機能」と称する場合がある)であるが、これに限られるものではない。この例では、利用促進機能には、個人情報を取り扱う機能の一例として、ユーザがアプリケーション一覧画面6から導入したアプリケーションについてのバージョンアップや障害発生時の連絡を、ユーザごとに個別に行う機能が含まれているが、これに限られるものではない。
より具体的な内容については後述するが、アプリケーションサーバ2は、MFP1が利用可能なアプリケーションの一覧をMFP1に提供する。より具体的には、アプリケーションサーバ2は、各アプリケーションの利用契約やダウンロードをするためのWebページ、言い換えれば、MFP1が利用可能なアプリケーションを提供するためのWebページ(以下の説明では、「アプリケーション一覧画面6」と称する)を、MFP1に対して提供する。また、この例では、アプリケーションサーバ2からアプリケーション一覧画面6を取得してMFP1に表示するためのアプリケーション(以下の説明では、「AppStoreアプリ3」と称する)、および、Webブラウザの機能を提供するためのアプリケーション(以下の説明では、「ブラウザアプリ2b」と称する)の各々が、MFP1にインストールされている。MFP1の具体的な内容については後述する。
また、アプリケーションサーバ2は、それぞれが、機器が販売される国または地域を示す複数種類の仕向け情報ごとに、利用促進機能の少なくとも一部の利用が制限されるか否かを示す該当/非該当情報を対応付けて管理する。また、アプリケーションサーバ2は、MFP1等の機器を販売する販売店を識別する販売店識別情報ごとに、アプリケーションを識別するアプリケーション識別情報を対応付けて管理する。より具体的な内容については後述する。
翻訳サーバ4は、アプリケーション一覧画面6で提供されているアプリケーションの一つである翻訳アプリを提供する。機器管理サ−バ5は、販売店識別情報ごとに、MFP1等の機器を一意に特定する機器特定情報を対応付けて管理する。より具体的な内容については、後述する。
次に、図2を用いて、MFP1のハードウェア構成について説明する。図2に示すように、MFP1は、コピー機能、スキャナ機能、ファクス機能、プリンタ機能などの各種の機能を実現可能な本体10と、ユーザの操作を受け付ける操作部20とを備える。なお、ユーザの操作を受け付けるとは、ユーザの操作に応じて入力される情報(画面の座標値を示す信号等を含む)を受け付けることを含む概念である。本体10と操作部20は、専用の通信路30を介して相互に通信可能に接続されている。通信路30は、例えばUSB(Universal Serial Bus)規格のものを用いることもできるが、有線か無線かを問わず任意の規格のものであってよい。
なお、本体10は、操作部20で受け付けた操作に応じた動作を行うことができる。また、本体10は、クライアントPC(パーソナルコンピュータ)等の外部装置とも通信可能であり、外部装置から受信した指示に応じた動作を行うこともできる。
まず、本体10のハードウェア構成について説明する。図2に示すように、本体10は、CPU11と、ROM12と、RAM13と、HDD(ハードディスクドライブ)14と、通信I/F(インタフェース)15と、接続I/F16と、エンジン部17とを備え、これらがシステムバス18を介して相互に接続されている。
CPU11は、本体10の動作を統括的に制御する。CPU11は、RAM13をワークエリア(作業領域)としてROM12またはHDD14等に格納されたプログラムを実行することで、本体10全体の動作を制御し、上述したコピー機能、スキャナ機能、ファクス機能、プリンタ機能などの各種機能を実現する。
通信I/F15は、ネットワーク8と接続するためのインタフェースである。接続I/F16は、通信路30を介して操作部20と通信するためのインタフェースである。
エンジン部17は、コピー機能、スキャナ機能、ファクス機能、および、プリンタ機能を実現させるための、汎用的な情報処理及び通信以外の処理を行うハードウェアである。例えば、原稿の画像をスキャンして読み取るスキャナ(画像読取部)、用紙等のシート材への印刷を行うプロッタ(画像形成部)、ファクス通信を行うファクス部などを備えている。更に、印刷済みシート材を仕分けるフィニッシャや、原稿を自動給送するADF(自動原稿給送装置)のような特定のオプションを備えることもできる。
次に、操作部20のハードウェア構成について説明する。図2に示すように、操作部20は、CPU21と、ROM22と、RAM23と、フラッシュメモリ24と、通信I/F25と、接続I/F26と、操作パネル27とを備え、これらがシステムバス28を介して相互に接続されている。
CPU21は、操作部20の動作を統括的に制御する。CPU21は、RAM23をワークエリア(作業領域)としてROM22またはフラッシュメモリ24等に格納されたプログラムを実行することで、操作部20全体の動作を制御し、ユーザから受け付けた入力に応じた情報(画像)の表示などの後述する各種機能を実現する。
通信I/F25は、ネットワーク8と接続するためのインタフェースである。接続I/F26は、通信路30を介して本体10と通信するためのインタフェースである。
操作パネル27は、ユーザの操作に応じた各種の入力を受け付けるとともに、各種の情報(例えば受け付けた操作に応じた情報、MFP1の動作状況を示す情報、設定状態などを示す情報など)を表示する。この例では、操作パネル27は、タッチパネル機能を搭載した液晶表示装置(LCD)で構成されるが、これに限られるものではない。例えばタッチパネル機能が搭載された有機EL表示装置で構成されてもよい。さらに、これに加えて又はこれに代えて、ハードウェアキー等の操作部やランプ等の表示部を設けることもできる。
次に、MFP1のソフトウェア構成について説明する。図3は、MFP1のソフトウェア構成の一例を示す模式図である。図3に示すように、本体10は、アプリ層101と、サービス層102と、OS層103とを有する。アプリ層101、サービス層102、および、OS層103の実体は、ROM12やHDD14等に格納されている各種ソフトウェアである。CPU11が、これらのソフトウェアを実行することにより、各種の機能が提供される。
アプリ層101のソフトウェアは、ハードウェア資源を動作させて所定の機能を提供するためのアプリケーションソフトウェア(以下の説明では、単に「アプリ」と称する場合がある)である。例えばアプリとしては、コピー機能を提供するためのコピーアプリ、スキャナ機能を提供するためのスキャナアプリ、ファクス機能を提供するためのファクスアプリ、プリンタ機能を提供するためのプリンタアプリなどが挙げられる。
サービス層102のソフトウェアは、アプリ層101とOS層103との間に介在し、アプリに対し、本体10が備えるハードウェア資源を利用するためのインタフェースを提供するためのソフトウェアである。より具体的には、ハードウェア資源に対する動作要求の受付、動作要求の調停を行う機能を提供するためのソフトウェアである。サービス層102が受け付ける動作要求としては、スキャナによる読み取りやプロッタによる印刷等の要求が考えられる。
なお、サービス層102によるインタフェースの機能は、本体10のアプリ層101だけではなく、操作部20のアプリ層201に対しても提供される。すなわち、操作部20のアプリ層201(アプリ)も、サービス層102のインタフェース機能を介して、本体10のハードウェア資源(例えばエンジン部17)を利用した機能を実現することができる。
OS層103のソフトウェアは、本体10が備えるハードウェアを制御する基本機能を提供するための基本ソフトウェア(オペレーティングシステム(OS))である。サービス層102のソフトウェアは、各種アプリからのハードウェア資源の利用要求を、OS層103が解釈可能なコマンドに変換してOS層103に渡す。そして、OS層103のソフトウェアによりコマンドが実行されることで、ハードウェア資源は、アプリの要求に従った動作を行う。
同様に、操作部20は、アプリ層201と、サービス層202と、OS層203とを有する。操作部20が備えるアプリ層201、サービス層202及びOS層203も、階層構造については本体10側と同様である。ただし、アプリ層201のアプリにより提供される機能や、サービス層202が受け付け可能な動作要求の種類は、本体10側とは異なる。アプリ層201のアプリは、操作部20が備えるハードウェア資源を動作させて所定の機能を提供するためのソフトウェアであってもよいが、主として本体10が備える機能(コピー機能、スキャナ機能、ファクス機能、プリンタ機能)に関する操作や表示を行うためのUI(ユーザインタフェース)の機能を提供するためのソフトウェアである。アプリ層201のアプリには、ブラウザアプリ2bやAppStoreアプリ3なども含まれる。
なお、本実施形態では、機能の独立性を保つために、本体10側のOS層103のソフトウェアと操作部20側のOS層203のソフトウェアが互いに異なる。つまり、本体10と操作部20は、別々のオペレーティングシステムで互いに独立して動作する。例えば、本体10側のOS層103のソフトウェアとしてLinux(登録商標)を用い、操作部20側のOS層203のソフトウェアとしてAndroid(登録商標)を用いることも可能である。
以上のように、本実施形態のMFP1において、本体10と操作部20は別々のオペレーティングシステムで動作するため、本体10と操作部20との間の通信は、共通の装置内のプロセス間通信ではなく、異なる装置間の通信として行われる。操作部20が受け付けた情報(ユーザからの指示内容)を本体10へ伝達する動作(コマンド通信)や、本体10が操作部20へイベントを通知する動作などがこれに該当する。ここでは、操作部20が本体10へコマンド通信を行うことにより、本体10の機能を使用することができる。また、本体10から操作部20に通知するイベントには、本体10における動作の実行状況、本体10側で設定された内容などが挙げられる。
また、本実施形態では、操作部20に対する電力供給は、本体10から通信路30を経由して行われているので、操作部20の電源制御を、本体10の電源制御とは別に(独立して)行うことができる。
次に、MFP1の機能構成について説明する。図4は、MFP1の機能構成の一例を示すブロック図である。図4に示すように、MFP1は、操作画面表示部111と、アプリケーション一覧画面要求部112と、情報表示部113と、アプリケーション利用制御部114と、メール通知部115とを有する。説明の便宜上、図4では、本発明に係る機能を主に例示しているが、MFP1が有する機能は、これらに限られるものではない。
操作画面表示部111は、各種の操作を行うための操作画面を操作パネル27に表示する制御を行う。図5は、操作画面の一例を示す図であり、操作画面には、AppStoreアプリ3を起動するためのアイコン2aが表示されている。
ユーザがアイコン2aをタッチすると、AppStoreアプリ3が起動し、AppStoreアプリ3(アプリケーション一覧画面要求部112)は、アプリケーションサーバ2に対して、アプリケーション一覧画面6の表示を要求する制御を行う。この例では、アプリケーション一覧画面6を利用することにより、紹介されたアプリケーションのうちの何れかを機器にダウンロードやインストールすることができるので、アプリケーション一覧画面6を要求する制御は、アプリケーションを紹介し、そのまま機器にダウンロードやインストールすることができる機能(利用促進機能)の提供を要求する制御であると考えることもできる。ここでは、アプリケーション一覧画面6の表示を要求する信号(以下の説明では、「表示リクエスト」と称する場合がある)のヘッダーには、MFP1を一意に特定可能な機器特定情報と、MFP1が販売される国または地域を示す仕向け情報が付加される。この仕向け情報は、予めMFP1に保存されている。
図4に示す情報表示部113(ブラウザアプリ2b)は、表示リクエストに対する応答としてアプリケーションサーバ2から受信した情報(アプリケーション一覧画面6等)を操作パネル27に表示する制御を行う。アプリケーション利用制御部114は、操作パネル27にアプリケーション一覧画面6が表示される場合に、ユーザによって選択されたアプリケーションをMFP1で利用するための制御(アプリケーションをインストールする制御を含む)を行う。
メール通知部115は、MFP1のユーザ(管理者)に対してメールを通知する機能を有している。この例では、MFP1のユーザの個人情報(メールアドレス等)は、予めMFP1に保存されている。
次に、アプリケーションサーバ2の構成について説明する。図6は、アプリケーションサーバ2のハードウェア構成の一例を示す図である。図6に示すように、アプリケーションサーバ2は、CPU711と、ROM712と、RAM713と、通信I/F714と、入力部715と、表示部716とを備える。なお、ここでは、本実施形態に関する最低限の構成を例示しているが、アプリケーションサーバ2のハードウェア構成は図6の構成に限られるものではない。CPU711は、アプリケーションサーバ2の動作を統括的に制御する。ROM712は、プログラム等の各種のデータを記憶する不揮発性のメモリである。RAM713は、CPU711が実行する各種の処理の作業領域(ワークエリア)として機能する揮発性のメモリである。通信I/F714は、ネットワーク8と通信するためのインタフェースである。入力部715は、ユーザによる操作の入力に用いられるデバイスであり、例えばマウスやキーボードなどで構成される。表示部716は各種の情報を表示するデバイスであり、例えば液晶型ディスプレイ装置などで構成される。
次に、図7を用いて、アプリケーションサーバ2の機能構成について説明する。図7に示すように、アプリケーションサーバ2は、取得部211と、特定部212と、第1の対応情報記憶部213と、機能提供部214とを有する。この例では、アプリケーションサーバ2が有する機能(取得部211、特定部212、機能提供部214等)は、アプリケーションサーバ2のCPU711がROM712等に格納されたプログラムを実行することにより実現されるが、これに限らず、例えばアプリケーションサーバ2が有する機能のうちの少なくとも一部が専用のハードウェア回路で実現されてもよい。また、上述の第1の対応情報記憶部213は、例えばROM712やRAM713等により実現される。説明の便宜上、図7では、本発明に係る機能を主に例示しているが、アプリケーションサーバ2が有する機能は、これらに限られるものではない。
取得部211は、機器が販売される国または地域を示す仕向け情報を含み、かつ、特定の機能の提供を要求する機能要求を機器から取得する。この例では、取得部211は、MFP1からの表示リクエスト(「機能要求」に対応していると考えることができる)を取得する。上述したように、表示リクエストのヘッダーには機器特定情報および仕向け情報が付加されているので、取得部211は、表示リクエストを取得することにより、当該表示リクエストの要求元のMFP1を一意に特定可能な機器特定情報、および、当該表示リクエストの要求元のMFP1が販売される国または地域を示す仕向け情報を取得することができる。
特定部212は、複数種類の仕向け情報ごとに、特定の機能(この例では利用促進機能)の少なくとも一部の利用が制限されるか否かを示す該当/非該当情報を対応付けた第1の対応情報に基づいて、取得部211により取得された機能要求(この例では表示リクエスト)に含まれる仕向け情報に対応付けられた該当/非該当情報を特定する。図8は、第1の対応情報の一例を示す図である。この例では、第1の対応情報は、複数種類の仕向け情報ごとに、特定の機能(この例では利用促進機能)を提供する際に個人情報の取り扱い(例えば個人情報の転送または保存など)に関する利用制限を受けるか否かを示す該当/非該当情報を対応付けた情報である。図8の例では、「JP(日本)」を示す仕向け情報に対して、利用制限を受けないことを示す該当/非該当情報(この例では、「非該当」を示す該当/非該当情報)が対応付けられ、「UK(英国)」を示す仕向け情報に対して、利用制限を受けることを示す該当/非該当情報(この例では、「該当」を示す該当/非該当情報)が対応付けられている。第1の対応情報は、第1の対応情報記憶部213に予め保存されている。
本実施形態では、特定部212は、第1の対応情報記憶部213に記憶された第1の対応情報を参照して、取得部211により取得された表示リクエストのヘッダーに付加された仕向け情報に対応付けられた該当/非該当情報を特定する。
図7の説明を続ける。機能提供部214は、特定部212により特定された該当/非該当情報が、特定の機能の少なくとも一部の利用が制限されることを示す場合は、取得部211が取得した機能要求に含まれる仕向け情報が示す国または地域の機能制限に従って、機能を提供する制御を行う。本実施形態では、機能提供部214は、特定部212により特定された該当/非該当情報が、特定の機能の少なくとも一部の利用が制限されることを示す場合、特定の機能(この例では利用促進機能)の少なくとも一部を提供しない制御を行う。
さらに言えば、本実施形態では、機能提供部214は、特定部212により特定された該当/非該当情報が、利用制限を受けることを示す場合、表示リクエストの要求元のMFP1に対して、利用促進機能を提供しない制御を行う。なお、機能提供部214は、特定部212により特定された該当/非該当情報が、利用制限を受けないことを示す場合、表示リクエストの要求元のMFP1に対して、通常の利用促進機能を提供する制御を行う。
図9は、機能提供部214の詳細な構成の一例を示す図である。図9に示すように、機能提供部214は、非提供画面送信部221と、販売店識別情報要求部222と、第2の特定部223と、第4の対応情報記憶部224と、アプリケーション一覧画面送信部225と、障害通知制御部226と、第2の対応情報記憶部227とを有する。
非提供画面送信部221は、特定部212により特定された該当/非該当情報が、利用制限を受けることを示す場合、利用促進機能の提供を行わないことを示す非提供画面を、表示リクエストの要求元のMFP1に送信する。図10は、非提供画面の一例を示す図である。本実施形態では、非提供画面送信部221は、特定部212により特定された該当/非該当情報が、利用制限を受けることを示す場合、図10に示す非提供画面を生成し、MFP1からの表示リクエストに対する応答として、生成した非提供画面を返信する。そして、表示リクエストの要求元のMFP1(情報表示部113)は、アプリケーションサーバ2から受信した非提供画面を、操作パネル27に表示する制御を行う。
図9の説明を続ける。販売店識別情報要求部222は、特定部212により特定された該当/非該当情報が、利用制限を受けないことを示す場合、機器管理サーバ5に対して、取得部211により取得された機器特定情報に対応付けられた販売店識別情報を要求する。本実施形態では、販売店識別情報要求部222は、機器管理サーバ5に対して、販売店識別情報を要求する信号(以下の説明では、「販売店識別情報リクエスト」と称する場合がある)を送信し、その応答として、機器管理サーバ5から販売店識別情報を受信する。この例では、販売店識別情報リクエストのヘッダーには、取得部211により取得された機器特定情報が付加されている。
ここで、図11を用いて、機器管理サーバ5の機能構成について説明する。図11に示すように、機器管理サーバ5は、第3の特定部501と、第3の対応情報記憶部502とを有する。説明の便宜上、図11では、本発明に係る機能を主に例示しているが、機器管理サーバ5が有する機能は、これらに限られるものではない。
第3の特定部501は、販売店識別情報ごとに、機器特定情報を対応付けた第3の対応情報に基づいて、取得部211により取得された機器特定情報に対応付けられた販売店識別情報を特定する。図12は、本実施形態における第3の対応情報の一例を示す図である。図12の例では、「販売店A」を識別する販売店識別情報に対して、「機器1」を一意に特定する機器特定情報(図12の例では「100001」)と、「機器2」を一意に特定する機器特定情報(図12の例では「100002」)と、「機器3」を一意に特定する機器特定情報(図12の例では「100003」)と、「機器4」を一意に特定する機器特定情報(図12の例では「100004」)とが対応付けられている。
なお、図12の例では、第3の対応情報は、1つの販売店識別情報に対して、当該販売店識別情報で識別される販売店で販売される4つの機器と1対1に対応する4つの機器特定情報を対応付けた情報であるが、これに限らず、例えば第3の対応情報は、複数の販売店識別情報ごとに、当該販売店識別情報で識別される販売店で販売される機器を識別する機器特定情報を対応付けた形態とすることもできる。第3の対応情報は、第3の対応情報記憶部502に予め記憶されている。
本実施形態では、第3の特定部501は、アプリケーションサーバ2(販売店識別情報要求部222)から販売店識別情報リクエストを受信すると、その受信した販売店識別情報リクエストのヘッダーに付加された機器特定情報を判断する。そして、第3の対応情報記憶部502に記憶された第3の対応情報を参照して、販売店識別情報リクエストのヘッダーに付加された機器特定情報(取得部211により取得された機器特定情報であると考えることができる)に対応付けられた販売店識別情報を特定する。そして、販売店識別情報リクエストに対する応答として、特定した販売店識別情報を返信する。
例えば図12に示す第3の対応情報が第3の対応情報記憶部502に予め記憶されていて、「機器1」を一意に特定する機器特定情報は、MFP1を一意に特定する機器特定情報であり、かつ、アプリケーションサーバ2から受信した販売店識別情報リクエストのヘッダーに、「機器1(MFP1)」を一意に特定する機器特定情報が付加されていた場合を想定する。この場合、第3の特定部501は、図12に示す第3の対応情報を参照して、「機器1(MFP1)」を一意に特定する機器特定情報に対応付けられた「販売店A」を識別する販売店識別情報を特定し、販売店識別情報リクエストに対する応答として、「販売店A」を識別する販売店識別情報を返信するといった具合である。
以上に説明した機器管理サーバ5のハードウェア構成は、アプリケーションサーバ2のハードウェア構成と同様である。機器管理サーバ5が有する機能(上述の第3の特定部501の機能等)は、機器管理サーバ5のCPU711がROM712等に格納されたプログラムを実行することにより実現されるが、これに限らず、例えば機器管理サーバ5が有する機能のうちの少なくとも一部が専用のハードウェア回路で実現されてもよい。また、上述の第3の対応情報記憶部502は、例えばROM712やRAM713等により実現される。
図9に戻り、アプリケーションサーバ2の機能提供部214の説明を続ける。第2の特定部223は、販売店識別情報ごとに、アプリケーションを識別するアプリケーション識別情報を対応付けた第4の対応情報に基づいて、第3の特定部501により特定された販売店識別情報に対応付けられたアプリケーション識別情報を特定する。
図13は、本実施形態における第4の対応情報の一例を示す図である。図13の例では、「販売店A」を識別する販売店識別情報に対して、「アプリ1」を識別するアプリケーション識別情報、「アプリ1」の内容説明情報および「アプリ1」の利用契約情報の組み合わせと、「アプリ2」を識別するアプリケーション識別情報、「アプリ2」の内容説明情報および「アプリ2」の利用契約情報の組み合わせと、「アプリ3」を識別するアプリケーション識別情報、「アプリ3」の内容説明情報および「アプリ3」の利用契約情報の組み合わせと、「アプリ4」を識別するアプリケーション識別情報、「アプリ4」の内容説明情報および「アプリ4」の利用契約情報の組み合わせと、が対応付けられている。また、図13の例では、「販売店B」を識別する販売店識別情報に対して、「アプリ20」を識別するアプリケーション識別情報、「アプリ20」の内容説明情報および「アプリ20」の利用契約情報の組み合わせが対応付けられている。第4の対応情報は、第4の対応情報記憶部224に予め記憶されている。なお、第4の対応情報は、図13の例に限られるものではなく、任意に変更可能である。
本実施形態では、販売店識別情報要求部222は、上述の販売店識別情報リクエストに対する応答として、機器管理サーバ5から販売店識別情報を受信すると、第2の特定部223に対して、機器管理サーバ5から受信した販売店識別情報(第3の特定部501により特定された販売店識別情報であると考えることができる)に対応付けられたアプリケーション識別情報の特定を依頼する。この依頼を受けた第2の特定部223は、第4の対応情報記憶部224に記憶された第4の対応情報を参照して、機器管理サーバ5から受信した販売店識別情報に対応付けられたアプリケーション識別情報を特定する。
例えば、図13に示す第4の対応情報が第4の対応情報記憶部224に予め記憶されていて、「販売店A」を識別する販売店識別情報を機器管理サーバ5から受信した場合(第3の特定部501によって「販売店A」を識別する販売店識別情報が特定された場合)を想定する。この場合、第2の特定部223は、図13に示す第4の対応情報を参照して、「販売店A」を識別する販売店識別情報に対応付けられたアプリケーション識別情報として、「アプリ1」を識別するアプリケーション識別情報、「アプリ2」を識別するアプリケーション識別情報、「アプリ3」を識別するアプリケーション識別情報、および、「アプリ4」を識別するアプリケーション識別情報を特定する。
なお、例えば、機器管理サーバ5が管理している第3の対応情報と、アプリケーションサーバ2が管理している第4の対応情報とを組み合わせることにより、機器特定情報ごとに、当該機器特定情報により特定される機器で利用可能なアプリケーションを識別するアプリケーション識別情報を対応付けた情報が構成されると考えることもできる。
また、機器管理サーバ5が有する第3の特定部501と、アプリケーションサーバ2が有する第2の特定部223とを組み合わせることにより、機器特定情報ごとに、当該機器特定情報により特定される機器で利用可能なアプリケーションを識別するアプリケーション識別情報を対応付けた情報に基づいて、取得部211により取得された機器特定情報に対応付けられたアプリケーション識別情報を特定する機能を実現できると考えることができる。すなわち、アプリケーションサーバ2および機器管理サーバ5の代わりに、アプリケーションサーバ2および機器管理サーバ5の各々の機能を有する1つのサーバが設けられる形態であってもよい。
図9の説明を続ける。アプリケーション一覧画面送信部225は、第2の特定部223により特定されたアプリケーション識別情報により識別されるアプリケーションを提供するためのアプリケーション一覧画面6をMFP1(取得部211により取得された機器特定情報により特定される機器)に送信する。本実施形態では、アプリケーション一覧画面送信部225は、第2の特定部223により特定されたアプリケーションとは異なるアプリケーションは非表示となるよう、アプリケーション一覧画面6を生成し、生成したアプリケーション一覧画面6をMFP1に送信する。
図14は、第2の特定部223により翻訳アプリが特定されなかった場合のアプリケーション一覧画面6の一例を示す図である。ここでは、翻訳アプリとは、原稿から読み取った画像データに対してOCR処理を施すことで生成した透明テキスト付きPDFのテキスト情報を翻訳し、その翻訳結果をユーザへ通知する翻訳機能を提供するためのアプリケーションであり、機器がOCR機能を有していることを前提としたアプリケーションである。例えばMFP1がOCR機能を有していない場合、上述の第4の対応情報において、当該MFP1を販売する「販売店A」を識別する販売店識別情報に対しては、「翻訳アプリ」を識別するアプリケーション識別情報は対応付けられない。そのため、例えば第3の特定部501により、MFP1を一意に特定する機器特定情報に対応付けられた販売店識別情報(この例では、「販売店A」を識別する販売店識別情報)が特定された場合、第2の特定部223は、第3の特定部501により特定された販売店識別情報(「販売店A」を識別する販売店識別情報)に対応付けられたアプリケーション識別情報として、「翻訳アプリ」を識別するアプリケーション識別情報を特定することはない。
アプリケーション一覧画面6は、第2の特定部223により特定されたアプリケーションごとに、当該アプリケーションの利用契約やダウンロードを申し込むためのボタン(図14の例では「申込む」というボタン)を表示するWebページである。図14の例では、第2の特定部223によって、かんたんFAXアプリ、素材プリントアプリ、写真管理アプリ、写真簡単加工アプリ、ドキュメント管理アプリ、かんたんスキャンアプリを識別するアプリケーション識別情報が特定された場合を想定している。
また、図15は、第2の特定部223により翻訳アプリが特定された場合のアプリケーション一覧画面6の一例を示す図である。例えばMFP1がOCR機能を有している場合、上述の第4の対応情報において、当該MFP1を販売する「販売店A」を識別する販売店識別情報に対しては、「翻訳アプリ」を識別するアプリケーション識別情報が対応付けられる。そのため、例えば第3の特定部501により、MFP1を一意に特定する機器特定情報に対応付けられた販売店識別情報(この例では、「販売店A」を識別する販売店識別情報)が特定された場合、第2の特定部223は、第3の特定部501により特定された販売店識別情報(「販売店A」を識別する販売店識別情報)に対応付けられたアプリケーション識別情報として、「翻訳アプリ」を識別するアプリケーション識別情報を特定することになる。図15の例では、第2の特定部223によって、翻訳アプリ、かんたんFAXアプリ、素材プリントアプリ、写真管理アプリ、写真簡単加工アプリ、ドキュメント管理アプリ、かんたんスキャンアプリを識別するアプリケーション識別情報が特定された場合を想定している。
本実施形態では、アプリケーション一覧画面送信部225は、第2の特定部223により特定されたアプリケーション識別情報で識別されるアプリケーション(つまり、表示リクエストの要求元のMFP1で利用可能なアプリケーションであると考えることができる)を提供するためのアプリケーション一覧画面6を生成し、MFP1から受信した表示リクエストに対する応答として、生成したアプリケーション一覧画面6を返信する。そして、表示リクエストの要求元のMFP1(情報表示部113)は、表示リクエストに対する応答としてアプリケーションサーバ2から受信したアプリケーション一覧画面6を、操作パネル27に表示する制御を行う。本実施形態では、このアプリケーション一覧画面6に表示されるアプリケーションは、表示リクエストの要求元のMFP1で利用可能なアプリケーションのみとなるので、ユーザが、アプリケーション一覧画面6に表示される何れのアプリケーションの利用契約やダウンロードを申し込むためのボタン(この例では「申込む」というボタン)を押下しても、その要求が却下されることはない。したがって、ユーザの利便性を向上させることができる。
表示リクエストの要求元のMFP1(アプリケーション利用制御部114)は、アプリケーション一覧画面6に表示されたアプリケーションのうち、ユーザによって選択されたアプリケーションを、MFP1で利用するための制御を行う。一例として、図15に示すアプリケーション一覧画面6が、MFP1の操作パネル27に表示されており、ユーザが、翻訳アプリを選択(この例では、図15に示す「申込む」というボタンを押下)した場合を想定する。ここでは、翻訳アプリは、翻訳サーバ4に配置したアプリケーションを、操作部20のブラウザアプリ2bを用いて利用することができるソフトウェア(つまり、Webアプリ)であるとする。本実施形態では、アプリケーション利用制御部114は、ユーザによって選択されたアプリケーション(アプリケーション一覧画面6に表示されたアプリケーションの中から選択されたアプリケーション)が、ネットワークを介して利用するアプリケーションを示すWebアプリである場合、当該Webアプリを保持するアプリケーションサーバとの間で当該Webアプリを利用するための処理を実行する。この例では、アプリケーション利用制御部114は、翻訳アプリの「申込む」というボタンの押下を検出すると、翻訳サーバ4から翻訳アプリをダウンロードすることはせずに、翻訳サーバ4にアクセスして翻訳アプリを利用するための処理(例えばユーザを一意に識別するユーザ情報を登録するための処理など)を実行する。
なお、本実施形態では、翻訳機能の提供に用いられる翻訳アプリは、Webアプリであるが、これに限らず、例えば翻訳アプリが、操作部20にインストールされる通常のアプリケーションであってもよい。この場合、アプリケーション利用制御部114は、翻訳アプリの「申込む」というボタンの押下を検出すると、翻訳サーバ4から翻訳アプリをダウンロードして、MFP1にインストールする制御を行う。ただし、翻訳アプリをWebアプリとする形態によれば、翻訳アプリをMFP1(操作部20)にインストールしなくても済むという利点がある。アプリケーション一覧画面6に表示される他のアプリケーションについても同様である。さらに、AppStoreアプリ3についても、機器特定情報を取得する機能を有していれば、MFP1にインストールするタイプのアプリケーションである必要は無く、Webアプリや他の形態のアプリケーションであっても構わない。
図9の説明を続ける。障害通知制御部226は、機器特定情報ごとに、アプリケーション(該機器特定情報により特定される機器で利用されるアプリケーション)を識別するアプリケーション識別情報を少なくとも対応付けた第2の対応情報に基づいて、障害が発生したアプリケーションを識別するアプリケーション識別情報に対してユーザのメールアドレスが対応付けられている場合は、当該メールアドレスを宛先として、障害が発生したことを通知するための障害通知メールを送信し、障害が発生したアプリケーションを識別するアプリケーション識別情報に対してユーザのメールアドレスが対応付けられていない場合は、当該アプリケーション識別情報に対応付けられた機器特定情報で特定される機器に対して、障害通知メールをユーザに通知することを要求する。
図16は、本実施形態における第2の対応情報の一例を示す図である。図16の例では、「機器1」を一意に特定する機器特定情報(図16の例では「100001」)に対して、「アプリ1」を識別するアプリケーション識別情報、および、「アプリ2」を識別するアプリケーション識別情報が対応付けられるとともに、機器1のユーザのメールアドレス(図16の例では「aaa@bb.com」)が対応付けられている。また、図16の例では、「機器2」を一意に特定する機器特定情報(図16の例では「100002」)に対して、「アプリ1」を識別するアプリケーション識別情報が対応付けられているが、メールアドレスは対応付けられていない。さらに、図16の例では、「機器5」を一意に特定する機器特定情報(図16の例では「100005」)に対して、「アプリ3」を識別するアプリケーション識別情報と、機器5のユーザのメールアドレス(図16の例では「ccc@dd.com」)が対応付けられている。第2の対応情報は、第2の対応情報記憶部227に予め記憶されている。
例えば「アプリ1」で障害が発生した場合、障害通知制御部226は、図16に示す第2の対応情報を参照して、「アプリ1」を識別するアプリケーション識別情報に対応付けられた機器特定情報として、「機器1」を特定する機器特定情報、および、「機器2」を特定する機器特定情報を特定する。図16の例では、「機器1」を特定する機器特定情報(図16の例では「100001」)に対して、機器1のユーザのメールアドレス(図16の例では「aaa@bb.com」)が対応付けられているので、障害通知制御部226は、当該メールアドレスを宛先として、障害通知メールを送信する。
また、図16の例では、「機器2」を特定する機器特定情報(図16の例では「100002」)に対して、機器2のユーザのメールアドレスは対応付けられていないので、障害通知制御部226は、「機器2」に対して、障害通知メールをユーザに通知することを要求する。本実施形態の情報処理システム100に含まれる機器(MFP1等)は、当該機器の管理者(ユーザ)に対してメールを通知する機能(上述のメール通知部115に相当)を有しており、障害通知制御部226からの要求を受けた機器2は、予め自機に保存している管理者のメールアドレスを宛先として、障害通知メールを送信する。図17は、障害通知メールの一例を示す図である。
なお、本実施形態では、個人情報の取り扱い(個人情報の転送または保存等)に関する利用制限を受ける国または地域で販売される機器に対しては、利用促進機能は提供されないので、上述の第2の対応情報には、当該機器を特定する機器特定情報は含まれないことを前提とする。仮に、第2の対応情報の中に、個人情報の取り扱いに関する利用制限を受ける国または地域で販売される機器を特定する機器特定情報が含まれていたとしても、当該機器特定情報に対してはメールアドレスを対応付けて登録することはできない。ただし、当該機器特定情報により特定される機器が有するメール通知部115を利用することで、当該機器特定情報により特定される機器のユーザ(管理者)に障害通知メールを通知することは可能である。この場合、メールアドレス等の個人情報は機器自体に予め保存されているので、個人情報の取り扱いに関する利用制限は受けないことになる。
以上に説明したアプリケーションサーバ2は、CPU、ROM、RAM等を備えた通常のコンピュータのハードウェア構成を有している。上述の取得部211、特定部212、および、機能提供部214(非提供画面送信部221、販売店識別情報要求部222、第2の特定部223、アプリケーション一覧画面送信部225、障害通知制御部226)の各々の機能は、CPUがROM等に格納されたプログラムを実行することにより実現されるが、これに限らず、例えば上述の取得部211、特定部212、および、機能提供部214の各々の機能のうちの少なくとも一部が専用のハードウェア回路(半導体集積回路等)により実現されてもよい。また、上述の第1の対応情報記憶部213、第4の対応情報記憶部224、第2の対応情報記憶部227は、例えばROMやRAM等により実現される。
図18は、本実施形態の情報処理システム100の動作手順の一例を示すシーケンス図である。まず、MFP1のブラウザアプリ2b(AppStoreアプリ3)は、アプリケーションサーバ2に対して、上述の表示リクエストを送信する(ステップS1)。上述したように、この表示リクエストのヘッダーには、MFP1を特定する機器特定情報、および、MFP1が販売される国または地域を示す仕向け情報が付加されている。
MFP1からの表示リクエストを受信したアプリケーションサーバ2は、上述の第1の対応情報に基づいて、表示リクエストに含まれる仕向け情報に対応付けられた該当/非該当情報を特定し、その特定した該当/非該当情報が、利用制限を受けることを示すか否かを判断する(ステップS2)。以下の説明では、表示リクエストに含まれる仕向け情報に対応付けられた該当/非該当情報が、利用制限を受けることを示す場合(この例では該当/非該当情報が「該当」を示す場合)と、利用制限を受けないことを示す場合(この例では該当/非該当情報が「非該当」を示す場合)とに分けて説明する。
まず、表示リクエストに含まれる仕向け情報に対応付けられた該当/非該当情報が、利用制限を受けることを示す場合を例に挙げて説明する。この場合、アプリケーションサーバ2は、表示リクエストに対する応答として、上述の非提供画面(図10参照)を返信する(ステップS3)。そして、表示リクエストの要求元のMFP1のブラウザアプリ2bは、表示リクエストに対する応答としてアプリケーションサーバ2から受信した非提供画面を、操作パネル27に表示する制御を行う。
次に、表示リクエストに含まれる仕向け情報に対応付けられた該当/非該当情報が、利用制限を受けないことを示す場合を例に挙げて説明する。この場合、アプリケーションサーバ2は、機器管理サーバ5に対して、表示リクエストのヘッダーに付加された機器特定情報に対応付けられた販売店識別情報を要求する販売店識別情報リクエストを送信する(ステップS4)。上述したように、この販売店識別情報リクエストのヘッダーには、表示リクエストのヘッダーに付加されていた機器特定情報が付加されている。機器管理サーバ5は、アプリケーションサーバ2からの販売店識別情報リクエストを受信すると、ヘッダーに付加された機器特定情報を判断する。そして、上述の第3の対応情報に基づいて、当該機器特定情報に対応付けられた販売店識別情報を特定し(ステップS5)、販売店識別情報リクエストに対する応答として、特定した販売店識別情報を返信する(ステップS6)。
販売店識別情報リクエストに対する応答として、機器管理サーバ5から販売店識別情報を受信したアプリケーションサーバ2は、上述の第4の対応情報に基づいて、機器管理サーバ5から受信した販売店識別情報に対応付けられたアプリケーション識別情報を特定する。そして、特定したアプリケーション識別情報により識別されるアプリケーションを提供するためのアプリケーション一覧画面6を生成する(ステップS7)。次に、アプリケーションサーバ2は、MFP1からの表示リクエストに対する応答として、生成したアプリケーション一覧画面6を返信する(ステップS8)。表示リクエストの要求元のMFP1のブラウザアプリ2bは、表示リクエストに対する応答としてアプリケーションサーバ2から受信したアプリケーション一覧画面6を、操作パネル27に表示する制御を行う。例えば図14または図15に示すようなアプリケーション一覧画面6が表示される。
図19は、上述の障害通知メールをユーザに通知する手順の一例を示すシーケンス図である。アプリケーションを管理する管理PC60は、自身が管理する何れかのアプリケーションに障害が発生した場合、アプリケーションサーバ2に対して、その障害が発生したアプリケーションを通知する(ステップS11)。この通知を受けたアプリケーションサーバ2は、上述の第2の対応情報に基づいて、障害が発生したアプリケーションを識別するアプリケーション識別情報に対応付けられた機器特定情報を特定する。そして、その特定した機器特定情報に対して、メールアドレスが対応付けられているか否かを判断する(ステップS12)。この例では、障害が発生したアプリケーションを識別するアプリケーション識別情報に対応付けられた機器特定情報は、MFP1を特定する機器特定情報であることを前提とし、以下では、MFP1を特定する機器特定情報に対して、メールアドレスが対応付けられている場合(メールアドレスありの場合)と、メールアドレスが対応付けられていない場合(メールアドレス無しの場合)とに分けて説明する。
まず、MFP1を特定する機器特定情報に対して、メールアドレスが対応付けられている場合を例に挙げて説明する。この場合、アプリケーションサーバ2は、MFP1を特定する機器特定情報に対応付けられたメールアドレスを宛先として、障害通知メールを送信する(ステップS13)。
次に、MFP1を特定する機器特定情報に対して、メールアドレスが対応付けられていない場合を例に挙げて説明する。この場合、アプリケーションサーバ2は、MFP1に対して、障害通知メールをユーザに通知することを要求する(ステップS14)。この要求を受けたブラウザアプリ2bは、メール通知部115に対して、障害通知メールの送信を依頼する(ステップS15)。この依頼を受けたメール通知部115は、予め自機に保存している管理者のメールアドレス(より具体的には、管理者が使用するPCなどの端末に設定されたメールアドレス)を宛先として、障害通知メールを送信する(ステップS16)。
以上に説明したように、本実施形態のアプリケーションサーバ2は、複数種類の仕向け情報ごとに、利用促進機能の少なくとも一部の利用が制限されるか否かを示す該当/非該当情報を対応付けた第1の対応情報に基づいて、MFP1からの表示リクエストに含まれる仕向け情報に対応付けられた該当/非該当情報を特定する。そして、その特定した該当/非該当情報が、利用制限を受けることを示す場合は、表示リクエストに含まれる仕向け情報が示す国または地域の機能制限に従って、機能を提供する制御を行うので、機能の提供対象であるMFP1側(デバイス側)のプログラムを変更しなくても、MFP1が販売される国または地域の機能制限に従った形態で機能を提供することができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。上述の第1の実施形態と共通する部分については適宜に説明を省略する。本実施形態では、機能提供部214は、特定部212により特定された該当/非該当情報が、特定の機能の少なくとも一部の利用が制限されることを示す場合、特定の機能の利用が制限されない国または地域から特定の機能の提供を受けるための制御を行う。より具体的には、機能提供部214は、特定部212により特定された該当/非該当情報が、特定の機能の少なくとも一部の提供が制限されることを示す場合、機能要求(この例では表示リクエスト)の要求元の機器に対して、特定の機能の提供が制限されない国または地域に設置され、かつ、特定の機能を提供するサーバを通知する制御を行う。以下、具体的に説明する。
図20は、本実施形態の機能提供部214の機能構成の一例を示す図である。図20に示すように、本実施形態の機能提供部214は、上述の非提供画面送信部221の代わりにサーバ通知制御部228を有する点で上述の第1の実施形態と相違する。サーバ通知制御部228は、特定部212により特定された該当/非該当情報が、利用制限を受けることを示す場合、利用制限を受けない国または地域に設置され、かつ、特定の機能を提供するサーバ(以下の説明では「代替サーバ50」と称する場合がある)のURLをリンク先として記述したページ(以下の説明では「代替ページ」と称する場合がある)を生成する。そして、表示リクエストの要求元のMFP1に対して、その生成した代替ページを送信する。表示リクエストに対する応答として代替ページを受信したMFP1(情報表示部113)は、操作パネル27に代替ページを表示する。ユーザは、代替ページから代替サーバ50にアクセスして、利用促進機能の提供を受けることができる。
図21は、本実施形態における第1の対応情報の一例を示す図である。図21に示す第1の対応情報は、仕向け情報ごとに、該当/非該当情報を対応付けている点は上述の第1の実施形態と同様であるが、利用制限を受けることを示す該当/非該当情報に対応付けられた仕向け情報に対して、代替サーバ50のURLを対応付けている点で上述の第1の実施形態と相違する。図21の例では、「UK(英国)」を示す仕向け情報に対して、利用制限を受けることを示す該当/非該当情報(「該当」を示す該当/非該当情報)、および、代替サーバ50のURLが対応付けられている。特定部212は、この第1の対応情報に基づいて、取得部211により取得された表示リクエストに含まれる仕向け情報に対応付けられた該当/非該当情報を特定し、特定した該当/非該当情報が「該当」を示す場合、当該仕向け情報に対応付けられた代替サーバ50のURLを特定する。そして、サーバ通知制御部228に対して、特定した内容を通知するとともに、代替ページの生成および送信を依頼することができる。
図22は、本実施形態の情報処理システム100の動作手順の一例を示すシーケンス図である。図22のステップS21の内容は、図18のステップS1の内容と同様であるので、詳細な説明は省略する。MFP1からの表示リクエストを受信したアプリケーションサーバ2は、上述の第1の対応情報に基づいて、表示リクエストに含まれる仕向け情報に対応付けられた該当/非該当情報を特定し、その特定した該当/非該当情報が、利用制限を受けることを示すか否かを判断する(ステップS22)。以下の説明では、表示リクエストに含まれる仕向け情報に対応付けられた該当/非該当情報が、利用制限を受けることを示す場合(この例では該当/非該当情報が「該当」を示す場合)と、利用制限を受けないことを示す場合(この例では該当/非該当情報が「非該当」を示す場合)とに分けて説明する。
まず、表示リクエストに含まれる仕向け情報に対応付けられた該当/非該当情報が、利用制限を受けることを示す場合(この例では該当/非該当情報が「該当」を示す場合)を例に挙げて説明する。この場合、アプリケーションサーバ2は、第1の対応情報を参照して、表示リクエストに含まれる仕向け情報に対応付けられた代替サーバ50のURLを特定する。そして、その特定したURLをリンク先として記述した代替ページを作成し、表示リクエストの要求元のMFP1へ送信する(ステップS23)。表示リクエストに対する応答として代替ページを受信したMFP1は、操作パネル27に代替ページを表示する。例えば代替ページにリンク先として記述されたURLの押下を受け付けた場合、MFP1は、代替サーバ50にアクセスすることができる。具体的には、MFP1は、上述の表示リクエストを代替サーバ50へ送信し(ステップS24)、その応答としてアプリケーション一覧画面を代替サーバ50から取得することができる(ステップS25)。これにより、代替サーバ50から利用促進機能の提供を受けることができる。
次に、表示リクエストに含まれる仕向け情報に対応付けられた該当/非該当情報が、利用制限を受けないことを示す場合(この例では該当/非該当情報が「非該当」を示す場合)を例に挙げて説明する。この場合のステップS26〜ステップS30の内容は、図18に示すステップS4〜ステップS8の内容と同様であるので、詳細な説明は省略する。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。上述の第1の実施形態と共通する部分については適宜に説明を省略する。本実施形態では、機能提供部214は、特定部212により特定された該当/非該当情報が、特定の機能の少なくとも一部の利用が制限されることを示す場合、特定の機能(この例では利用促進機能)のうち、利用が制限される部分の利用を制限する制御を行う。
この例では、上述の非提供画面送信部221は設けられず、販売店識別情報要求部222は、特定部212により特定された該当/非該当情報が、利用制限を受けることを示す場合でも、機器管理サーバ5に対して、取得部211により取得された機器特定情報に対応付けられた販売店識別情報を要求する。そして、アプリケーション一覧画面送信部225は、表示リクエストに含まれる仕向け情報に対応付けられた該当/非該当情報が、利用制限を受けないことを示す場合(特定部212により特定された該当/非該当情報が、利用制限を受けないことを示す場合)は、表示リクエストに対する応答として、図23のような、個人情報であるメールアドレスを登録するためのUI(図23の例では「登録する」という仮想ボタン)を含むアプリケーション一覧画面6を返信する。一方、アプリケーション一覧画面送信部225は、表示リクエストに含まれる仕向け情報に対応付けられた該当/非該当情報が、利用制限を受けることを示す場合(特定部212により特定された該当/非該当情報が、利用制限を受けることを示す場合)は、表示リクエストに対する応答として、個人情報であるメールアドレスを登録するためのUIを含まないアプリケーション一覧画面6(例えば図14または図15のようなアプリケーション一覧画面6)を返信する。
図24は、本実施形態の情報処理システム100の動作手順の一例を示すシーケンス図である。図24のステップS31およびステップS32の内容は、図18のステップS1およびステップS2の内容と同様であるので、詳細な説明は省略する。この例では、MFP1からの表示リクエストに含まれる仕向け情報に対応付けられた該当/非該当情報が、利用制限を受けることを示す場合であっても、利用制限を受けないことを示す場合であっても、アプリケーションサーバ2は、機器管理サーバ5に対して、表示リクエストのヘッダーに付加された機器特定情報に対応付けられた販売店識別情報を要求する販売店識別情報リクエストを送信する(ステップS33)。ステップS34〜ステップS36の内容は、図18のステップS5〜ステップS7の内容とほぼ同様であるが、MFP1からの表示リクエストに含まれる仕向け情報に対応付けられた該当/非該当情報が、利用制限を受けることを示す場合は、ステップS36において、アプリケーションサーバ2は、メールアドレスを登録するためのUIを含まないアプリケーション一覧画面6を生成する。一方、MFP1からの表示リクエストに含まれる仕向け情報に対応付けられた該当/非該当情報が、利用制限を受けないことを示す場合は、ステップS36において、アプリケーションサーバ2は、図23のようなメールアドレスを登録するためのUIを含むアプリケーション一覧画面6を生成する。そして、アプリケーションサーバ2は、MFP1からの表示リクエストに対する応答として、ステップS36で生成したアプリケーション一覧画面6を返信する(ステップS37)。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。上述の第1の実施形態と共通する部分については適宜に説明を省略する。本実施形態では、機能提供部214は、特定部212により特定された該当/非該当情報が、利用制限を受けることを示す場合(特定の機能を提供する際に個人情報の取り扱いに関する利用制限を受けることを示す場合)、個人情報の取り扱いについて許諾するか否かを確認するための許諾確認画面を、機能要求(この例では表示リクエスト)の要求元の機器に表示する制御を行う。そして、許諾確認画面を介して、個人情報の取り扱いについて許諾することを示す入力を受け付けた場合、機能要求の要求元の機器を特定する機器特定情報と、個人情報の取り扱いについて許諾することを示す許諾情報とを対応付けて上述の第2の対応情報内に保存し、機能要求の要求元の機器に対して、特定の機能(この例では利用促進機能)を提供する制御を行う。
図25は、本実施形態の機能提供部214の機能構成の一例を示す図である。図25に示すように、本実施形態の機能提供部214は、上述の非提供画面送信部221の代わりに許諾確認制御部230を有する点で上述の第1の実施形態と相違する。許諾確認制御部230は、特定部212により特定された該当/非該当情報が、個人情報の取り扱いに関する利用制限を受けることを示す場合、許諾確認画面を生成し、その生成した許諾確認画面を、表示リクエストの要求元のMFP1に対して送信する。図26は、許諾確認画面の一例を示す図である。図26の例では、許諾確認画面は、個人情報の取り扱いについて許諾することを指示するためのUI(図26の例では、「許諾する」という仮想ボタン)と、個人情報の取り扱いについて許諾しないことを指示するためのUI(図26の例では、「許諾しない」という仮想ボタン)とを含んでいる。
許諾確認制御部230は、許諾確認画面を介して、個人情報の取り扱いについて許諾することを示す入力を受け付けた場合、表示リクエストの要求元のMFP1を特定する機器特定情報と、個人情報の取り扱いについて許諾することを示す許諾情報とを対応付けて第2の対応情報内に保存する。そして、販売店識別情報要求部222に対して、表示リクエストに含まれる機器特定情報(取得部211により取得された機器特定情報)に対応付けられた販売店識別情報を特定することを依頼する。この依頼を受けた販売店識別情報要求部222は、機器管理サーバ5に対して、取得部211により取得された機器特定情報に対応付けられた販売店識別情報を要求する。以降の動作は第1の実施形態で説明したとおりであり、個人情報の取り扱いについて許諾したMFP1に対しては、通常の利用促進機能が提供されることになる。
一方、許諾確認画面を介して、個人情報の取り扱いについて許諾しないことを示す入力を受け付けた場合は、許諾確認制御部230は、表示リクエストの要求元のMFP1を特定する機器特定情報と、個人情報の取り扱いについて許諾しないことを示す許諾情報とを対応付けて第2の対応情報内に保存する。この場合、上述の各実施形態で説明したように、機能提供部214は、表示リクエストの要求元のMFP1に対して、該表示リクエストに含まれる仕向け情報が示す国または地域の機能制限に従って、機能を提供する制御を行うことになる。
図27は、本実施形態における第2の対応情報の一例を示す図である。図27の例では、「機器1」を一意に特定する機器特定情報(図27の例では「100001」)に対して、「アプリ1」を識別するアプリケーション識別情報、および、「アプリ2」を識別するアプリケーション識別情報が対応付けられるとともに、機器1のユーザのメールアドレス(図27の例では「aaa@bb.com」)が対応付けられているが、許諾情報は対応付けられていない。これは、「機器1」が販売される国または地域は、利用促進機能の利用が制限されない国または地域であることを意味している(つまり、「機器1」を特定する機器特定情報に対応付けられた該当/非該当情報は、利用制限を受けないことを示していることを意味する)。
また、図27の例では、「機器2」を一意に特定する機器特定情報(図27の例では「100002」)に対して、「アプリ1」を識別するアプリケーション識別情報、および、個人情報の取り扱いについて許諾しないことを示す許諾情報(図27の例では「なし」を示す許諾情報)が対応付けられているが、メールアドレスは対応付けられていない。さらに、図27の例では、「機器5」を一意に特定する機器特定情報(図27の例では「100005」)に対して、「アプリ3」を識別するアプリケーション識別情報、機器5のユーザのメールアドレス(図27の例では「ccc@dd.com」)、および、個人情報の取り扱いについて許諾することを示す許諾情報(図27の例では「あり」を示す許諾情報)が対応付けられている。
図28は、本実施形態の情報処理システム100の動作手順の一例を示すシーケンス図である。図28のステップS41およびステップS42の内容は、図18のステップS1およびステップS2の内容と同様であるので、詳細な説明は省略する。この例では、MFP1からの表示リクエストに含まれる仕向け情報に対応付けられた該当/非該当情報が、利用制限を受けることを示す場合を例に挙げて説明する。この場合、アプリケーションサーバ2は、表示リクエストに対する応答として、上述の許諾確認画面(図26参照)を返信する(ステップS43)。そして、許諾確認画面に対する入力結果を受け付ける(ステップS44)。以下の説明では、個人情報の取り扱いについて許諾することを示す入力を受け付けた場合を例に挙げて説明する。
続いて、アプリケーションサーバ2は、表示リクエストの要求元のMFP1を特定する機器特定情報と、個人情報の取り扱いについて許諾することを示す許諾情報とを対応付けて第2の対応情報内に保存する(ステップS45)。そして、アプリケーションサーバ2は、機器管理サーバ5に対して、表示リクエストのヘッダーに付加された機器特定情報に対応付けられた販売店識別情報を要求する販売店識別情報リクエストを送信する(ステップS46)。ステップS47〜ステップS50の内容は、図18のステップS5〜ステップS8の内容と同様であるので、詳細な説明は省略する。
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について説明する。基本構成は、上述の第4の実施形態と同様であるので、共通する部分については適宜に説明を省略する。本実施形態では、機能提供部214は、特定部212により特定された該当/非該当情報が、個人情報の取り扱いに関する利用制限を受けることを示し、かつ、上述の第2の対応情報において、機能要求(この例では表示リクエスト)の要求元の機器を識別する機器特定情報と、個人情報の取り扱いについて許諾することを示す許諾情報とが対応付けられていた場合、個人情報の取り扱いについての許諾を解除するか否かを確認するための許諾解除確認画面を、機能要求の要求元の機器に表示する制御を行う。そして、許諾解除確認画面を介して、個人情報の取り扱いについての許諾を解除することを示す入力を受け付けた場合、個人情報の取り扱いについての許諾を解除する制御を行う。
この例では、機能提供部214の許諾確認制御部230は、特定部212により特定された該当/非該当情報が、個人情報の取り扱いに関する利用制限を受けることを示し、かつ、第2の対応情報において、表示リクエストの要求元のMFP1を識別する機器特定情報と、個人情報の取り扱いについて許諾することを示す許諾情報とが対応付けられていた場合、許諾解除確認画面を生成し、その生成した許諾解除確認画面を、表示リクエストの要求元のMFP1に対して送信する。図29は、許諾解除確認画面の一例を示す図である。図29の例では、許諾解除確認画面は、個人情報の取り扱いについての許諾を解除するためのUI(図29の例では、「取り消す」という仮想ボタン)を含んでいる。
許諾確認制御部230は、許諾解除確認画面を介して、個人情報の取り扱いについて解除することを示す入力を受け付けた場合、個人情報の取り扱いについての許諾を解除する制御を行う。この例では、許諾確認制御部230は、表示リクエストの要求元のMFP1を識別する機器特定情報に対応付けられていた許諾情報を、個人情報の取り扱いについて許諾しないことを示す許諾情報に変更する。この場合、表示リクエストの要求元のMFP1に対しては、上述の各実施形態で説明したとおり、該表示リクエストに含まれる仕向け情報が示す国または地域の機能制限に従って、機能を提供する制御を行うことになる。
図30は、本実施形態の情報処理システム100の動作手順の一例を示すシーケンス図である。図30のステップS51およびステップS52の内容は、図18のステップS1およびステップS2の内容と同様であるので、詳細な説明は省略する。この例では、MFP1からの表示リクエストに含まれる仕向け情報に対応付けられた該当/非該当情報が、利用制限を受けることを示す場合を例に挙げて説明する。この場合、アプリケーションサーバ2は、第2の対応情報記憶部227に記憶された第2の対応情報を参照し、表示リクエストに含まれる機器特定情報(この例ではMFP1を特定する機器特定情報)と、個人情報の取り扱いについて許諾することを示す許諾情報(この例では「あり」を示す許諾情報)とが対応付けられているか否かを判断する(ステップS53)。以下の説明では、表示リクエストに含まれる機器特定情報と、個人情報の取り扱いについて許諾することを示す許諾情報とが対応付けられている場合(ステップS53が肯定の場合)と、そうではない場合(ステップS53が否定の場合)とに分けて説明する。
まず、表示リクエストに含まれる機器特定情報と、個人情報の取り扱いについて許諾することを示す許諾情報とが対応付けられている場合を例に挙げて説明する。この場合、アプリケーションサーバ2は、表示リクエストに対する応答として、上述の許諾解除確認画面(図29参照)を返信する(ステップS54)。そして、許諾解除確認画面を介して、個人情報の取り扱いについて解除することを示す入力を受け付けた場合、個人情報の取り扱いについての許諾を解除する制御を行う。
次に、第2の対応情報記憶部227に記憶された第2の対応情報において、表示リクエストに含まれる機器特定情報と、個人情報の取り扱いについて許諾することを示す許諾情報とが対応付けられていない場合を例に挙げて説明する。例えば第2の対応情報の中に、表示リクエストに含まれる機器特定情報(ここでは、利用制限を受けることを示す該当/非該当情報に対応付けられた機器特定情報である)が存在しない場合、または、表示リクエストに含まれる機器特定情報が存在しても、当該機器特定情報に対して、個人情報の取り扱いについて許諾しないことを示す許諾情報が対応付けられていた場合などが該当する。この場合は、上述の第4の実施形態と同様であり、アプリケーションサーバ2は、表示リクエストに対する応答として、上述の許諾確認画面(図26参照)を返信する(ステップS55)。以降の動作は、上述の第4の実施形態と同様である。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明は、上述の各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上述の各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、各実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えばアプリケーションサーバ2および機器管理サーバ5の代わりに、アプリケーションサーバ2および機器管理サーバ5の各々の機能を有する1つのサーバが設けられる形態であってもよい。この場合、当該サーバが、請求項の「情報処理装置」に対応すると考えることができる。要するに、本発明が適用される情報処理装置は、上述の取得部211の機能と、上述の特定部212の機能と、上述の機能提供部214の機能とを少なくとも備える形態であればよい。
また、例えばアプリケーションサーバ2および機器管理サーバ5の各々の機能を3つ以上のサーバに分散する形態であってもよい。要するに、本発明が適用される情報処理システム100は、上述の取得部211の機能と、上述の特定部212の機能と、上述の機能提供部214の機能とを少なくとも備える形態であればよい。
なお、以上に説明したMFP1の各部の機能(操作画面表示部111、アプリケーション一覧画面要求部112、情報表示部113、アプリケーション利用制御部114、メール通知部115)は、CPU(11または21)が、記憶装置(例えばROM12、HDD14、ROM22、フラッシュメモリ24等)に格納されたプログラムを実行することにより実現されるが、これに限らず、例えば上記MFP1の各部の機能のうちの少なくとも一部が専用のハードウェア回路(例えば半導体集積回路等)で実現されてもよい。
また、上述の実施形態では、本体10と操作部20は、別々のオペレーションシステムで互いに独立して動作しているが、これに限らず、例えば本体10と操作部20が同じオペレーションシステムで動作する形態であってもよい。
また、上述した実施形態の情報処理システム100(MFP1、アプリケーションサーバ2、機器管理サーバ5等)で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよいし、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。また、各種プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。