JP6520308B2 - 撮像素子 - Google Patents

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Description

本発明は、撮像素子に関する。
有機光電変換膜を用いた撮像素子が知られている(特許文献1参照)。
特開2012−169676号公報
有機光電変換膜で発生した電荷の利用効率が低いという問題があった。
本発明の第1の態様による撮像素子は、光を電荷に変換する光電変換膜と、前記光電変換膜で変換された電荷のうち、正孔による信号を出力する第1電極と、前記光電変換膜で変換された電荷のうち、電子による信号を出力する第2電極と、を有する複数の光電変換部と、前記第1電極から出力された信号と、前記第2電極から出力された信号と、による差動信号である第1の画素信号を出力する差動出力部と、前記第1の画素信号を、差動信号でない第2の画素信号に変換する変換部と、前記差動出力部により出力された前記第1の画素信号を前記第1電極および前記第2電極にフィードバックすることにより前記第1電極および前記第2電極の電位をリセットするリセット部と、を備える。
第1の実施の形態に係る撮像装置の構成を模式的に示す断面図である。 第1の実施の形態に係る撮像素子3を模式的に示す図である。 第1の実施の形態に係る画素103の構成を示す回路図である。 第1ソースフォロア回路104および第2ソースフォロア回路105から出力される差動信号の例を示す図である。 チョッパ安定化アンプ112の構成を示す回路図である。 変調復調信号生成部111が出力する信号の例を示す図である。 画素103からの信号読み出し動作を説明するためのタイミングチャートである。 第2の実施の形態に係る画素203の構成を示す回路図である。 第3の実施の形態に係る画素303の構成を示す回路図である。 第4の実施の形態に係る画素403の構成を示す回路図である。 第5の実施の形態に係る撮像素子3の概要を示す図である。 第5の実施の形態に係る撮像素子3の画素配置を示す図である。 第5の実施の形態に係る撮像素子3の断面の一部を例示する図である。 第5の実施の形態に係る撮像素子3における1つの画素P(x,y)の回路構成を例示する図である。 第6の実施の形態に係る撮像素子3を模式的に示す図である。 第6の実施の形態に係る画素603の構成を示す回路図である。 変形例に係る撮像素子3における1つの画素P(x,y)の回路構成を例示する図である。 変形例に係る撮像素子3における1つの画素P(x,y)の回路構成を例示する図である。 変形例に係る撮像素子3を模式的に示す図である。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る撮像装置の構成を模式的に示す断面図である。撮像装置1は、撮像光学系2、撮像素子3、制御部4、レンズ駆動部5、および表示部6を備える。撮像光学系2は、撮像素子3の撮像面に被写体像を結像させる。撮像光学系2は、レンズ2a、フォーカシングレンズ2b、およびレンズ2cから成る。フォーカシングレンズ2bは、撮像光学系2の焦点調節を行うためのレンズである。フォーカシングレンズ2bは、光軸O方向に駆動可能に構成されている。レンズ駆動部5は、不図示のアクチュエータを有する。レンズ駆動部5は、このアクチュエータにより、フォーカシングレンズ2bを光軸O方向に所望の量だけ駆動する。撮像素子3は、被写体像を撮像して画像信号を出力する。制御部4は、撮像素子3等の各部を制御する。制御部4は、撮像素子3により出力された画像信号に対して画像処理等を施して、不図示の記録媒体に記録する。また、制御部4は、撮像素子3により出力された画像信号による画像を表示部6に表示しする。表示部6は、例えば液晶パネル等の表示部材を有する表示装置である。
図2(a)は、有機光電変換膜10の上面101を模式的に示す平面図であり、図2(b)は、撮像素子3の断面を模式的に示す断面図であり、図2(c)は、有機光電変換膜10の下面102を模式的に示す平面図である。なお、有機光電変換膜10の上面101とは、撮像面、すなわち被写体光が入射する面である。
撮像素子3は、有機光電変換膜10と半導体基板11とを有している。有機光電変換膜10と半導体基板11は積層されている。
有機光電変換膜10は、入射した光を吸収し、吸収した光の量に応じた量の電荷(電子正孔対)を生成する、有機材料により形成された光電変換膜である。有機光電変換膜10には、画素103が二次元状に複数配列されている。画素103は、それぞれ、光電変換部100と読出回路12とを有する。光電変換部100は、有機光電変換膜10と、上面101に形成された透明な上部電極103aと、下面102に形成された下部電極103bとを有する。有機光電変換膜10は、全ての画素103に共通な1枚の薄膜として形成されている。上部電極103aは、画素103ごとに分離して設けられている。下部電極103bは、画素103ごとに分離して設けられている。下部電極103bおよび上部電極103aは、有機光電変換膜10を挟んで互いに対向するように設けられている。
有機光電変換膜10に光が入射すると、入射光量に応じた電子正孔対が生成される。有機光電変換膜10で生成された電子正孔対は、画素103がそれぞれ有する上部電極103aおよび下部電極103bにより取り出される。換言すると、各々の画素103は、入射した光を電荷に変換する光電変換機能を有する。
半導体基板11には、有機光電変換膜10で生成された電荷を読み出す読出回路12が、画素103ごとに形成されている。上部電極103aおよび下部電極103bは、配線13により、半導体基板11に形成された読出回路12と電気的に接続されている。
図3は、画素103の読出回路12の構成を示す回路図である。画素103は、光電変換部100、読出回路12、およびノイズ除去回路14を備える。読出回路12は、第1ソースフォロア回路104、第2ソースフォロア回路105、リセットスイッチ113a、およびリセットスイッチ113bを備える。ノイズ除去回路14は、チョッパ安定化アンプ112、ローパスフィルタ109、および変換部110を備える。
上部電極103aは、第1ソースフォロア回路104に接続されている。第1ソースフォロア回路104は、入力トランジスタ104aおよび定電流源104bを有する。上部電極103aは、有機光電変換膜10で生成された電子正孔対のうちの正孔による信号電圧を出力する。入力トランジスタ104aのゲートは、上部電極103aから出力された信号電圧により印加される。これにより、第1ソースフォロア回路104は、有機光電変換膜10で生成された正孔による信号を出力する。
下部電極103bは、第2ソースフォロア回路105に接続されている。第2ソースフォロア回路105は、入力トランジスタ105aおよび定電流源105bを有する。下部電極103bは、有機光電変換膜10で生成された電子正孔対のうちの電子による信号電圧を出力する。入力トランジスタ105aのゲートは、下部電極103bから出力された信号電圧により印加される。これにより、第2ソースフォロア回路105は、有機光電変換膜10で生成された電子による信号を出力する。
上部電極103aは、リセットスイッチ113aに接続されている。リセットスイッチ113aの他端は、例えばグラウンドに接続されている。下部電極103bには、リセットスイッチ113bが接続されている。リセットスイッチ113bの他端は、例えば所定の電源に接続されている。制御部4は、リセットスイッチ113aおよびリセットスイッチ113bをオンすることで、画素103をリセットする。ここで、リセットスイッチ113aの他端は、グラウンドに接続されていることについて説明したが、リセットスイッチ113bの他端に接続されている電源の電源電圧より低い電圧であれば、グラウンドに限られない。
以上のように構成された第1ソースフォロア回路104および第2ソースフォロア回路105は、上部電極103aから取り出された正孔による信号と、下部電極103bから取り出された電子による信号と、から成る差動信号を出力する差動出力部として機能する。以下の説明では、この差動信号を、第1の画素信号と称する。
第1の画素信号は、ノイズ除去回路14内のチョッパ安定化アンプ112に入力される。チョッパ安定化アンプ112は、変調回路106、演算増幅回路107、復調回路108、および変調復調信号生成部111を備える。チョッパ安定化アンプ112は、入力された第1の画素信号を増幅した差動信号を出力する。チョッパ安定化アンプ112は、入力された信号を復調する際に、低周波のノイズ成分をチョッパ周波数の1次高調波(奇数次高調波)へシフトさせる。これにより、第1の画素信号は、1/fノイズが高周波側にシフトされる。
チョッパ安定化アンプ112から出力された第1の画素信号は、ローパスフィルタ109に入力される。ローパスフィルタ109は、入力された第1の画素信号の高周波成分(すなわち1/fノイズ成分)を除去する。ローパスフィルタ109から出力される第1の画素信号は、変換部110に入力される。変換部110は、第1の画素信号を、デジタル信号に変換して出力する。以下の説明では、変換部110が出力するデジタル信号を第2の画素信号と称する。
制御部4は、変換部110から出力された第2の画素信号に基づき、被写体の画像データを作成する。制御部4は、作成した画像データを、不図示の記録媒体(例えばメモリカード等)に記録する。
図4は、第1ソースフォロア回路104および第2ソースフォロア回路105から出力される差動信号の例を示す図である。図4の縦軸は信号の電圧を、横軸は時刻を示す。露光開始前の時点では、リセットスイッチ113a、113bは共にオン状態にされている。このとき、第1ソースフォロア回路104の出力信号SAは所定の基準電圧VLと等しくなる。同様に、第2ソースフォロア回路105の出力信号SBは、所定の基準電圧VHと等しくなる。
露光開始時刻t1に、制御部4がリセットスイッチ113a、113bを共にオフ状態にする。時刻t1以降、露光時間に応じて有機光電変換膜10で生成される電荷量が増加する。そのため、第1ソースフォロア回路104の出力信号SAは、基準電圧VLから有機光電編化膜10で生成された正孔に応じて増加する。一方、第2ソースフォロア回路104の出力信号SBは、基準電圧VHから有機光電編化膜10で生成された電子に応じて減少する。これら2つの信号は、露光時間に応じた電圧の増減方向が逆であることを除き、同様に変化する信号である。
図5は、チョッパ安定化アンプ112の構成を示す回路図である。チョッパ安定化アンプ112は、入力端子INP、入力端子INM、変調回路106、演算増幅回路107、復調回路108、変調復調信号生成部111、負荷容量CLM、負荷容量CLP、出力端子OUTP、および出力端子OUTMを有する。
入力端子INPおよび入力端子INMを通して入力された入力信号VIN(t)は、変調回路106に入力される。変調復調信号生成部111は、変調回路106に変調信号CK1と変調信号nCK1とを入力する。変調回路106は、信号VIN(t)を変調信号CK1と変調信号nCK1とで変調し、第1の被変調信号Vmod1として演算増幅回路107の入力端子に出力する。
演算増幅回路107に入力された第1の被変調信号Vmod1は、演算増幅回路107で増幅され、第2の被変調信号Vmod2となり、復調回路108に出力される。変調復調信号生成部111は、復調回路108に復調信号CK2と復調信号nCK2とを入力する。復調回路108は、第2の被変調信号Vmod2を復調信号CK2と復調信号nCK2とで復調し、出力信号OUT(t)として、出力端子OUTMと出力端子OUTPから出力する。
演算増幅回路107の反転出力端子とグラウンドとの間には負荷容量CLMが接続されている。演算増幅回路107の非反転出力端子とグラウンドとの間には負荷容量CLPが接続されている。これらの容量は寄生容量、もしくはアンプを安定動作させるための補償容量である。なお、負荷容量CLMおよび負荷容量CLPは、ローパスフィルタとしても機能する。
変調回路106は、スイッチ部M11、M12、M13、M14で構成されている。スイッチ部M11、M12、M13、M14は、それぞれ単一のNMOSトランジスタにより構成される。
スイッチ部M11は入力端子INPと演算増幅回路107の非反転入力端子との間に介挿されている。スイッチ部M12は入力端子INMと演算増幅回路107の反転入力端子との間に介挿されている。スイッチ部M13は入力端子INPと演算増幅回路107の反転入力端子との間に介挿されている。スイッチ部M14は入力端子INMと演算増幅回路107の非反転入力端子との間に介挿されている。
スイッチ部M11およびスイッチ部M12のゲートには変調信号CK1が供給されている。スイッチ部M11およびスイッチ部M12は変調信号CK1がハイレベル(以下「H」と記載)のときオンとなり、ローレベル(以下「L」と記載)のときにオフとなる。スイッチ部M13およびスイッチ部M14のゲートには変調信号nCK1が供給されている。スイッチ部M13およびスイッチ部M14は変調信号nCK1が「H」のときオンとなり、「L」のときにオフとなる。
復調回路108は、スイッチ部M21と、スイッチ部M22と、スイッチ部M23と、スイッチ部M24とで構成されている。スイッチ部M21、M22、M23、M24は、それぞれ単一のNMOSトランジスタにより構成される。
スイッチ部M21は演算増幅回路107の反転出力端子と出力端子OUTMとの間に介挿されている。スイッチ部M22は演算増幅回路107の非反転出力端子と出力端子OUTPとの間に介挿されている。スイッチ部M23は演算増幅回路107の反転出力端子と出力端子OUTPとの間に介挿されている。スイッチ部M24は演算増幅回路107の非反転出力端子と出力端子OUTMとの間に介挿されている。
スイッチ部M23およびスイッチ部M24のゲートには復調信号CK2が供給されている。スイッチ部M23およびスイッチ部M24は復調信号CK2が「H」のときオンとなり、「L」のときにオフとなる。スイッチ部M21およびスイッチ部M22のゲートには復調信号nCK2が供給されている。スイッチ部M21およびスイッチ部M22は復調信号nCK2が「H」のときオンとなり、「L」のときにオフとなる。
図6は、変調復調信号生成部111が出力する信号の例を示す図である。変調信号CK1は、所定の周波数で周期的に変化する、なまりのない矩形波である。変調信号CK2は、変調信号CK1と同一の周波数で周期的に変化する、なまりのある矩形波である。変調信号CK1と復調信号CK2は、略同一のタイミングで論理レベルの切り替えが開始される。変調信号CK1は、時刻t11に論理レベルの切り替えが開始された直後に「L」から「H」へ切り替わっている。一方、復調信号CK2は、時刻t11に論理レベルの切り替えが開始されてから時間Δt1が経過した後で論理レベルが「H」の状態で安定している。
なお、変調信号nCK1は、変調信号CK1の論理レベルを逆にしただけなので、説明を省略する。同様に、復調信号CK2は、復調信号nCK2の論理レベルを逆にしただけなので、説明を省略する。
図7は、画素103からの信号読み出し動作を説明するためのタイミングチャートである。説明を簡単にするため、特に記載がない限り、図7における各ノードの電圧は、全差動アンプである演算増幅回路107の一方のチャネル(例えば、入力端子INP−演算増幅回路107の非反転入力端子−演算増幅回路107の非反転出力端子−出力端子OUTPで結ばれる系)のみを代表して表示している。他方のチャネルは、代表して表示されているチャネルの信号を上下に反転したものとして考えればよい。また、本説明において、演算増幅回路107の周波数特性およびスルーレートは無限であるものとする。なお、図7に含まれる全てのタイミングチャートにおいて、縦軸が電圧であり、横軸が時刻である。
露光開始前において、リセットスイッチ113a、113bはオン状態である。制御部4は、露光開始時刻t1に、リセットスイッチ113a、113bをオフ状態にする。図7に示す入力信号VIN(t)は、変調回路106において、変調信号CK1および変調信号nCK1により変調される。変調回路106では、入力信号VIN(t)と変調信号CK1の掛け算が行われる。この掛け算によって、入力信号VIN(t)は、変調信号CK1および変調信号nCK1の周波数の奇数倍となる周波数を有する信号に変調される。変調回路106は、第1の被変調信号Vmod1を出力する。第1の被変調信号Vmod1は、演算増幅回路107の非反転入力端子に入力される。
演算増幅回路107の入力端子では、入力換算ノイズが第1の被変調信号Vmod1に加算される。演算増幅回路107は、第1の被変調信号Vmod1を増幅して第2の被変調信号Vmod2とする。第2の被変調信号Vmod2には、増幅された入力換算ノイズが含まれている。
第2の被変調信号Vmod2は復調回路108に入力される。復調回路108は、第2の被変調信号Vmod2を、変調信号CK2および変調信号nCK2により、元の入力信号の周波数帯域(直流を含む低周波数領域)に復調する。復調回路108は、演算増幅回路107の入力換算ノイズを、変調に用いた変調信号CK1および変調信号nCK1の周波数の奇数倍となる周波数を有する信号に復調する。
復調回路108が出力した信号OUT(t)は、ローパスフィルタ109に入力される。信号OUT(t)に含まれる入力換算ノイズの成分は、変調信号CK1および変調信号nCK1の周波数の奇数倍となる周波数を有する信号に変調されている。ローパスフィルタ109は、入力信号VIN(t)よりも大きな周波数帯域を有する信号となった入力換算ノイズを、信号OUT(t)から高周波数成分を除去することで取り除く。図7に模式的に示すように、ローパスフィルタ109を通過した出力信号LPOUT(t)は、信号OUT(t)に対して、高調波歪がほぼ取り除かれている。これは、変調信号CK2および変調信号nCK2が、図6に示すようななまりのある矩形波としたことによるものである。仮に変調信号CK2および変調信号nCK2が、変調信号CK1および変調信号nCK1のようになまりのない矩形波であった場合、出力信号LPOUT(t)には、例えば信号OUT(t)のような大きな電圧変動が残ってしまうことになる。
以上のように、チョッパ安定化アンプ112は、演算増幅回路107の入力換算ノイズの影響を抑制し、入力信号VIN(t)の周波数成分のみを増幅することができる。
上述した実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)有機光電変換膜10は、それぞれ、入射光を光電変換して入射光の光量に応じた電荷を発生する有機光電変換膜10と、有機光電変換膜10の上面101に設けられ、電荷のうちの正孔に基づく信号が取り出される上部電極103aと、有機光電変換膜10の下面102に設けられ、電荷のうちの電子に基づく信号が取り出される下部電極103bとを有する。このようにしたので、有機光電変換膜10で発生した電荷を効率よく利用することができる。また、1つあたりの信号の振幅が小さくて済むので、回路の駆動電圧を低電圧にすることができ、回路の消費電力を低減することができる。
(2)複数の画素103は、共通の有機光電変換膜10と、上面101に互いに分離して設けられた上部電極103aと、下面102に互いに分離して設けられた第2電極103bとをそれぞれ有する。このようにしたので、撮像素子3の製造が容易になる。
(3)第1ソースフォロア回路104および第2ソースフォロア回路105は、上部電極103aから取り出された正孔に基づく信号と、下部電極103bから取り出された電子に基づく信号と、から成る差動信号である第1の画素信号を出力する差動出力部として機能する。変換部110は、第1の画素信号を、差動信号でない第2の画素信号に変換する。このようにしたので、電荷の読み出しから最終的にデジタル値を得るまでの一連の動作を、一貫して差動信号で行うことができ、コモンモードノイズへの耐性が高まる。また、途中で差動信号を変換するための余分な回路を必要とせず、回路構成を最小限にすることができる。更に、回路の対称性が高く、チョッパ安定化アンプ112を適用しやすい回路構成が実現できる。
(4)変調回路106は、第1ソースフォロア回路104および第2ソースフォロア回路105から出力された第1の画素信号を、所定の周波数を有する矩形波である変調信号CK1,nCK1を用いてデジタル的に、差動信号である第1の被変調信号Vmod1に変換する。演算増幅回路107は、第1の被変調信号Vmod1を増幅して、差動信号である第2の被変調信号Vmod2に変換する。復調回路108は、第1の被変調信号Vmod1と第2の被変調信号Vmod2との周波数成分の違いに対応する波形をもった復調信号CK2,nCK2を用いて、第2の被変調信号Vmod2をアナログ的に、差動信号である出力信号に変換する。このようにしたので、1/fノイズを低減することができる。
(5)第1ソースフォロア回路104および第2ソースフォロア回路105が差動出力部として機能するように構成した。このようにしたので、有機光電変換膜10で発生する電荷が小さくとも、十分な信号量の差動信号を出力することができる。
(6)読出回路12が形成された半導体基板11を、光電変換膜10と積層した。このようにしたので、撮像素子3の実装面積を小さくすることができる。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に係る撮像装置は、第1の実施の形態に係る撮像装置とは異なる構成の撮像素子3を有している。以下、第1の実施の形態に係る撮像素子3との相違点を中心に説明する。なお、以下の説明において、第1の実施の形態と同一の部分については、第1の実施の形態と同一の符号を付して説明を省略する。
図8は、第2の実施の形態に係る画素203の構成を示す回路図である。画素203は、光電変換部100、読出回路212、およびノイズ除去回路14を備える。読出回路212は、第1キャパシタ204、第2キャパシタ205、リセットスイッチ113a、およびリセットスイッチ113b2を備える。
第1キャパシタ204は、図3に示した第1ソースフォロア回路104を置き換える形で設けられており、一端が上部電極103a、他端がチョッパ安定化アンプ112に接続される。第2キャパシタ205は、図3に示した第2ソースフォロア回路105を置き換える形で設けられており、一端が下部電極103b、他端がチョッパ安定化アンプ112に接続される。
以上のように構成された第1キャパシタ204および第2キャパシタ205は、上部電極103aから取り出された正孔による信号と、下部電極103bから取り出された電子による信号と、から成る差動信号である第1の画素信号を出力する差動出力部として機能する。第1の画素信号は、第1の実施の形態と同様に、チョッパ安定化アンプ112に入力される。
第1の実施の形態で説明したように、チョッパ安定化アンプ112は、演算増幅回路107の入力端子で発生した入力換算ノイズを除去することができる。他方、チョッパ安定化アンプ112は、演算増幅回路107の入力端子よりも前の段階で発生したノイズは除去することができない。従って、演算増幅回路107の入力端子よりも前に設けられる回路は、できるだけ単純な構成とし、ノイズ源を限定することが望ましい。
上述した実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の作用効果に加えて、更に次の作用効果が得られる。
(7)差動出力部は、一対の第1キャパシタ204および第2キャパシタ205により構成される。このようにしたので、ノイズ除去回路14の前段で発生する1/fノイズを低減することができる。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態に係る撮像装置は、第2の実施の形態に係る撮像装置とは異なる構成の撮像素子3を有している。以下、第2の実施の形態に係る撮像素子3との相違点を中心に説明する。なお、以下の説明において、第2の実施の形態と同一の部分については、第2の実施の形態と同一の符号を付して説明を省略する。
図9は、第3の実施の形態に係る画素303の構成を示す回路図である。画素303は、図8に示す第2の実施の形態に係る画素203に、更に、差動対306を追加した構成を有している。差動対306は、第1キャパシタ204および第2キャパシタ205とチョッパ安定化アンプ112との間に設けられている。差動対306には、第1キャパシタ204および第2キャパシタ205からの差動信号すなわち第1の画素信号が入力される。差動対306は、入力された差動信号すなわち第1の画素信号を増幅して、チョッパ安定化アンプ112に出力する、差動増幅部として機能する。
差動対306は、一対のNMOSトランジスタ3061a、3061bと、一対の負荷抵抗3062a、3062bと、一対の出力アンプ3063a、3063bと、定電流源3064とを備える。差動対306に入力される差動信号は、一対のNMOSトランジスタ3061a、3061bのゲート電極に供給される。一対のNMOSトランジスタ3061a、3061bのソース電極は、定電流源3064の入力側端子に接続される。定電流源3064の出力側端子はグラウンドに接続される。一対のNMOSトランジスタ3061a、3061bのドレイン電極には、それぞれ一対の負荷抵抗3062a、3062bの一端が接続される。一対の負荷抵抗3062a、3062bの他端には、所定の電源電圧が供給される。一対の出力アンプ3063a、3063bの入力側端子には、それぞれNMOSトランジスタ3061a、3061bのドレイン電極が接続される。
なお、図9に示す回路から、第1キャパシタ204および第2キャパシタ205を取り除いてもよい。この場合、差動対306には、直流成分を含む信号が入力されることになるので、差動対306への入力信号のレンジを調節する必要がある。
上述した実施の形態によれば、第2の実施の形態と同様の作用効果に加えて、更に次の作用効果が得られる。
(8)差動出力部として機能する第1キャパシタ204および第2キャパシタ205の後段に、更に、第1の画素信号を所定の増幅率で増幅して出力する差動増幅部として機能する差動対306を追加した。これにより、チョッパ安定化アンプ112に入力される差動信号のゲインを、第2の実施の形態に比べて高くすることができる。
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態に係る撮像装置は、第1の実施の形態に係る撮像装置とは異なる構成の撮像素子3を有している。以下、第1の実施の形態に係る撮像素子3との相違点を中心に説明する。なお、以下の説明において、第1の実施の形態と同一の部分については、第1の実施の形態と同一の符号を付して説明を省略する。
図10は、第4の実施の形態に係る画素403の構成を示す回路図である。画素403が有する読出回路412は、第1の実施の形態に係る画素103が有する各部に加えて、更に、kTCノイズ低減のためのフィードバック回路を有している。このフィードバック回路は、差動増幅回路407、第1バッファ408a、第2バッファ408b、およびリセット制御回路409から構成される。
差動増幅回路407には、第1ソースフォロア回路104および第2ソースフォロア回路105から出力される第1の画素信号が入力される。差動増幅回路407は、入力された第1の画素信号を所定の増幅率で増幅し、第1バッファ408aおよび第2バッファ408bに出力する。第1バッファ408aおよび第2バッファ408bは、入力された信号のレベルを所定のレベルに調節する。第1バッファ408aの出力端子は、リセットスイッチ113aの一端に接続されている。リセットスイッチ113aの他端は、上部電極103aに接続されている。第2バッファ408bの出力端子は、リセットスイッチ113bの一端に接続されている。リセットスイッチ113bの他端は、下部電極103bに接続されている。
リセット制御回路409は、リセットスイッチ113aおよびリセットスイッチ113bに、所定のリセット制御信号を出力する。リセットスイッチ113aおよびリセットスイッチ113bは、例えばNMOSトランジスタにより構成される。リセット制御信号は、このNMOSトランジスタのゲート電極に供給される。
リセット制御回路409が出力するリセット制御信号は、矩形波の立ち下がりにテーパを掛けた信号である。このようなリセットの制御方法は、例えば米国特許第6493030号明細書に開示されている。単純な矩形波ではなく、テーパを掛けたのは、急峻にリセットスイッチ113a、113bをオンオフするとノイズが大きいためである。
上述した実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の作用効果に加えて、更に次の作用効果が得られる。
(9)第1リセット部として機能する第1リセットスイッチ113aおよび第2リセット部として機能する第2リセットスイッチ113bは、差動出力部として機能する第1ソースフォロア回路104および第2ソースフォロア回路105から出力された第1の画素信号を、上部電極103aおよび下部電極103bにフィードバックすることにより、上部電極103aおよび下部電極103bをリセットする。このようにしたので、リセットに伴うkTCノイズを低減することができる。
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態に係る撮像装置は、第1の実施の形態に係る撮像装置とは異なる構成の撮像素子3を有している。以下、第1の実施の形態に係る撮像素子3との相違点を中心に説明する。なお、以下の説明において、第1の実施の形態と同一の部分については、第1の実施の形態と同一の符号を付して説明を省略する。
図11は、第5の実施の形態に係る撮像素子3の概要を示す図である。なお、図11では、撮像素子3の光入射側を上側とした状態を示している。このため、以下の説明では、撮像素子3の光入射側の方向を「上方」または「上」とし、光入射側に対して反対側の方向を「下方」または「下」とする。撮像素子3は、有機光電変換膜10に加えて、更に、下部光電変換層32を有する。以下の説明では、第1の実施の形態で説明した有機光電変換膜10による画素の層を、上部光電変換層31と称する。
上部光電変換層31と下部光電変換層32とは、同一光路上に積層配置されている。上部光電変換層31は、所定の色成分(詳しくは後述する)の光を吸収(光電変換)する有機光電膜で構成される。上部光電変換層31で吸収(光電変換)されなかった色成分の光は、上部光電変換層31を透過して下部光電変換層32に入射し、下部光電変換層32で光電変換される。下部光電変換層32は、半導体基板11に形成されたフォトダイオードにより光電変換を行う。なお、上部光電変換層31で光電変換される色成分と、下部光電変換層32で光電変換される色成分とは、補色関係である。上部光電変換層31と下部光電変換層32の各画素位置は一対一に対応する。たとえば上部光電変換層31の1行1列目の画素は、下部光電変換層32の1行1列目の画素に対応する。
図12(a)は、上部光電変換層31の画素配置を示す図である。図12(a)において、水平方向をx軸、垂直方向をy軸とし、画素Pの座標をP(x,y)と表記する。図12(a)に示す上部光電変換層31の例では、奇数行の各画素にMg(マジェンタ)とYe(イエロー)の光を光電変換する有機光電膜を交互に配置し、偶数行の各画素にCy(シアン)とMg(マジェンタ)の光を光電変換する有機光電膜を交互に配置している。そして、各画素で受光されない光は透過される。たとえば画素P(1,1)はMgの光を光電変換してMgの補色であるG(グリーン)の光を透過する。同様に、画素P(2,1)はYeの光を光電変換してYeの補色であるB(ブルー)の光を透過し、画素P(1,2)はCyの光を光電変換してCyの補色であるR(レッド)の光を透過する。
図12(b)は、下部光電変換層32の画素配置を示す図である。なお、図12(b)に示す各画素位置は、図12(a)と同じである。たとえば下部光電変換層32の画素(1,1)は、上部光電変換層31の画素(1,1)に対応する。図12(b)において、下部光電変換層32には、カラーフィルターなどは設けられておらず、上部光電変換層31を透過する色成分(すなわち有機光電膜で吸収されて光電変換される色成分の補色)の光を光電変換する。従って、図12(c)に示すように、下部光電変換層32において、奇数行の画素ではGとBの色成分の画像信号、偶数行の各画素ではRとGの色成分の画像信号が得られる。たとえば画素P(1,1)ではMgの補色のG成分の画像信号が得られる。同様に、画素P(2,1)ではYeの補色のB成分の画像信号、画素P(1,2)ではCyの補色のR成分の画像信号がそれぞれ得られる。
このように、本実施形態に係る撮像素子3では、有機光電膜で構成される上部光電変換層31が下部光電変換層32に対してカラーフィルターの役割を果たし、下部光電変換層32から上部光電変換層31の補色画像(図12の例ではベイヤー配列の画像)が得られる。したがって、本実施形態に係る撮像素子3では、上部光電変換層31からはCy、Mg、Yeの3色からなるCMY画像を取得することができ、下部光電変換層32からはR、G、Bの3色からなるRGB画像を取得することができる。
図13は、撮像素子3の断面の一部を例示する図である。図13に示すように、撮像素子3では、下部光電変換層32と上部光電変換層31とが、配線層40を介して積層されている。上部光電変換層31は、第1の実施の形態で説明した有機光電変換膜10の層である。下部光電変換層32は、第1の実施の形態で説明した半導体基板11に形成される層である。上部光電変換層31の上方には、1つの画素に対して1つのマイクロレンズMLが形成されている。たとえば、上部光電変換層31において、画素P(1,1)の光電変換部を構成する有機光電膜による受光部PC(1,1)は、マイクロレンズML(1,1)から入射された被写体光におけるMgの光を光電変換して補色であるGの光を透過する。下部光電変換層32において、画素P(1,1)を構成するフォトダイオードPD(1,1)は、上部光電変換層31の受光部PC(1,1)を透過したGの光を受光して光電変換する。第1の実施の形態で説明した読出回路12は、一部が配線層40に形成され、残りは半導体基板11のフォトダイオードPDが存在しない領域に形成される。
図14は、撮像素子3における1つの画素P(x,y)の回路構成を例示する図である。画素P(x,y)は、下部光電変換層32を構成するための回路として、フォトダイオードPDと、転送トランジスタTxと、リセットトランジスタR2と、出力トランジスタSF2と、選択トランジスタSEL2とを有する。フォトダイオードPDは、入射光の光量に応じた電荷を蓄積する。転送トランジスタTxは、フォトダイオードPDに蓄積された電荷を出力トランジスタSF2側の浮遊拡散領域(FD部)に転送する。出力トランジスタSF2は選択トランジスタSEL2を介して電流源PW2とソースホロワを構成し、FD部に蓄積された電荷に応じた電気信号を出力信号OUT2として垂直信号線VLINE2に出力する。なお、リセットトランジスタR2は、FD部の電荷を電源電圧Vccにリセットする。
また、画素P(x,y)は、上部光電変換層31を構成するための回路として、第1の実施の形態で説明した各部に加えて、選択トランジスタSEL1を有する。また、本実施形態では、第1の実施の形態で説明した変換部110の代わりに、変換部110aを有する構成としている。変換部110aは、入力された差動信号を、単一のアナログ信号として出力する。つまり変換部110aは、第1の実施の形態における変換部110から、A/D変換機能を取り除いた回路である。有機光電変換膜10から読み出された差動信号は、第1の実施の形態で説明した各部により種々の変換が為されて変換部110aに入力される。変換部110aは、入力された差動信号を差動信号でない電気信号に変換し、選択トランジスタSEL1を介して出力信号OUT1として垂直信号線VLINE1に出力する。各トランジスタはMOSFETで構成される。
ここで、下部光電変換層32に係る回路の動作について説明する。まず、選択信号φSEL2が“High”になると、選択トランジスタSEL2がオンする。次に、リセット信号φR2が“High”になると、FD部で電源電圧Vccにリセットされ、出力信号OUT2もリセットレベルになる。そして、リセット信号φR2が“Low”になった後、転送信号φTxが“High”になり、フォトダイオードPDに蓄積された電荷がFD部に転送され、出力信号OUT2が電荷量に応じて変化し始め、安定する。そして、転送信号φTxが“Low”になり、画素から垂直信号線VLINE2に読み出される出力信号OUT2の信号レベルが確定する。そして、垂直信号線VLINE2に読み出された各画素の出力信号OUT2は、不図示の水平出力回路に行毎に一時的に保持された後、撮像素子3から出力される。このようにして、撮像素子3の下部光電変換層32の各画素から信号が読み出される。
また、上部光電変換層31に係る回路の動作について説明する。まず、選択信号φSEL1が“High”になると、選択トランジスタSEL1がオンする。次にリセット信号φR1が“High”になり、出力信号OUT1もリセットレベルになる。そして、リセット信号φR1が“Low”になった直後から有機光電変換膜10の電荷蓄積が開始され、電荷量に応じて出力信号OUT1が変化する。そして、出力信号OUT1が不図示の水平出力回路に行毎に一時的に保持された後、撮像素子3から出力される。このようにして、撮像素子3の上部光電変換層31の各画素から信号が読み出される。
上述した実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の作用効果に加えて、更に次の作用効果が得られる。
(10)撮像素子3は、上部光電変換層31と下部光電変換層32とで、それぞれ独立して被写体像を撮像することができるように構成されている。このようにしたので、入射光を更に効率よく利用することができる。
(第6の実施の形態)
第6の実施の形態に係る撮像装置は、第2の実施の形態に係る撮像装置とは異なる構成の撮像素子3を有している。以下、第2の実施の形態に係る撮像素子3との相違点を中心に説明する。なお、以下の説明において、第2の実施の形態と同一の部分については、第2の実施の形態と同一の符号を付して説明を省略する。
図15(a)は、有機光電変換膜10の上面101を模式的に示す平面図であり、図15(b)は、撮像素子3の断面を模式的に示す断面図であり、図15(c)は、有機光電変換膜10の下面102を模式的に示す平面図である。画素603は、それぞれ、上面101に形成された透明な上部電極103aと、下面102に形成された下部電極103bとを有する。有機光電変換膜10は、全ての画素603に共通な1枚の薄膜として形成されている。上部電極103aは、全ての画素603について共通な1つの電極として設けられている。下部電極103bは、互いに分離して設けられている。下部電極103bは、上部電極103aと対向するように設けられている。
図16は、第6の実施の形態に係る画素603の構成を示す回路図である。画素603は、光電変換部100、読出回路612、およびノイズ除去回路14を備える。読出回路612は、キャパシタ505およびリセットスイッチ113を備える。上部電極103aには、所定のバイアス電圧が印加されている。このバイアス電圧により、有機光電変換膜10で発生した電荷のうちの正孔は、上部電極103aに引き寄せられる。有機光電変換膜10で発生した電荷のうちの電子は、第2の実施の形態と同様に、下部電極103bに引き寄せられる。これにより、下部電極103bからは、引き寄せられた電子に基づく電位が取り出される。キャパシタ505は、第2の実施の形態における第2キャパシタ205(図8)と同等に機能する。つまり、下部電極103bから取り出された電子に基づく信号を、チョッパ安定化アンプ112に出力する。チョッパ安定化アンプ112が有する一対の入力端子の一方には、キャパシタ505からの信号が入力される。その一対の入力端子の他方には、参照信号として、所定の電圧が印加される。以下、ノイズ除去回路14の動作は、上述した第2の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
なお、上部電極103aに印加するバイアス電圧の極性を逆にしてもよい。この場合、上述した電子と正孔の関係は逆転し、下部電極103bには、電子ではなく正孔が引き寄せられる。
上述した実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(11)変調回路106は、下部電極103bから取り出された正孔に基づく画素信号を、所定の周波数を有する矩形波である変調信号CK1,nCK1を用いてデジタル的に、第1の被変調信号Vmod1に変換する。演算増幅回路107は、第1の被変調信号Vmod1を増幅して、第2の被変調信号Vmod2に変換する。復調回路108は、第1の被変調信号Vmod1と第2の被変調信号Vmod2との周波数成分の違いに対応する波形をもった復調信号CK2,nCK2を用いて、第2の被変調信号Vmod2をアナログ的に出力信号に変換する。このようにしたので、1/fノイズを低減することができる。
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
(変形例1)
上述した第6の実施の形態では、有機光電変換膜10を用いた撮像素子3にチョッパ安定化アンプ112等を組み合わせた例について説明したが、有機光電変換膜10ではなく、フォトダイオードを用いることも可能である。例えば、いわゆる3Tr型の読み出し回路を有するCMOSイメージセンサにチョッパ安定化アンプ112等を設けてもよい。
(変形例2)
上述した第5の実施の形態では、下部光電変換層32の読み出し回路を、いわゆる4Tr型の読み出し回路として構成していたが、これを、いわゆる3Tr型の読み出し回路としてもよい。
図17は、変形例2に係る撮像素子3における1つの画素P(x,y)の回路構成を例示する図である。図14に示した回路との違いは、転送トランジスタTxが省略されていることである。読み出し回路をこのように構成することで、下部光電変換層32に必要な回路素子が減り、フォトダイオードの受光面積をより大きくとることができる。
図18は、更に、上部光電変換層31と下部光電変換層32の読み出し回路を共通化した回路構成を例示する図である。図17に示した回路との違いは、出力端子が1つしかない点である。この場合、上部光電変換層31と下部光電変換層32の一方の画素をリセット中に、他方の画素を読み出すことになる。つまり、画素の読み出しを時分割的に行うことになる。このように構成することで、半導体基板11に配置する回路素子を更に減らすことができる。
(変形例3)
上述した各実施の形態では、有機光電変換膜10を全ての画素で共通な1枚の部材としていたが、有機光電変換膜10は画素ごとに分割してもよい。
図19(a)は、有機光電変換膜10の上面101を模式的に示す平面図であり、図19(b)は、撮像素子3の断面を模式的に示す断面図であり、図19(c)は、有機光電変換膜10の下面102を模式的に示す平面図である。図19(a)〜(c)では、有機光電変換膜10を画素ごとに分離した撮像素子3を例示している。このように、有機光電変換膜10は、必ずしも全画素で共通の単一の部材とする必要はない。
(変形例4)
第2の実施の形態では、有機光電変換膜10と積層した半導体基板11に、読出回路12を設けていた。半導体基板11に実装される回路部分を、これとは異なる回路部分とすることも可能である。
例えば、演算増幅回路107と、復調回路108および変調復調信号生成部111との間で回路を分割する。そして、復調回路108、ローパスフィルタ109、変換部110、および変調復調信号生成部111を半導体基板11に実装してもよい。同様に、図9に示した画素303の回路について、差動対306を半導体基板11に実装してもよい。
また、半導体基板11を、有機光電変換膜10と積層しない構成とすることも可能である。例えば、同一平面上に有機光電変換膜10と半導体基板11とを配置して撮像素子3を構成することもできる。
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
1…撮像装置、3…撮像素子、10…有機光電変換膜、103…画素、103a…上部電極、103b…下部電極、106…変調回路、107…演算増幅回路、108…復調回路、109…ローパスフィルタ、110、110a…変換部、112…チョッパ安定化アンプ

Claims (8)

  1. 光を電荷に変換する光電変換膜と、前記光電変換膜で変換された電荷のうち、正孔による信号を出力する第1電極と、前記光電変換膜で変換された電荷のうち、電子による信号を出力する第2電極と、を有する複数の光電変換部と、
    前記第1電極から出力された信号と、前記第2電極から出力された信号と、による差動信号である第1の画素信号を出力する差動出力部と、
    前記第1の画素信号を、差動信号でない第2の画素信号に変換する変換部と、
    前記差動出力部により出力された前記第1の画素信号を前記第1電極および前記第2電極にフィードバックすることにより前記第1電極および前記第2電極の電位をリセットするリセット部と、を備える撮像素子。
  2. 請求項1に記載の撮像素子において、
    前記リセット部は、前記第1電極の電位をリセットする第1リセット部と、前記第2電極の電位をリセットする第2リセット部と、を有する撮像素子。
  3. 請求項1または請求項2に記載の撮像素子において、
    前記光電変換膜は、前記第1電極と前記第2電極との間に配置されている撮像素子。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の撮像素子において、
    前記差動出力部から出力された前記第1の画素信号を、所定の周波数を有する矩形波である変調信号を用いて、差動信号である第1の被変調信号に変換する変調回路と、
    前記第1の被変調信号を増幅して、差動信号である第2の被変調信号に変換する演算増幅回路と、
    前記第1の被変調信号と前記第2の被変調信号との周波数成分の違いに対応する波形をもった復調信号を用いて、前記第2の被変調信号を差動信号である出力信号に変換する復調回路と、
    を更に備え、
    前記変換部は、前記出力信号を前記第2の画素信号に変換する撮像素子。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の撮像素子において、
    前記差動出力部は、一対のソースフォロア回路により構成される撮像素子。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の撮像素子において、
    前記差動出力部は、一対のキャパシタにより構成される撮像素子。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の撮像素子において、
    前記差動出力部は、前記第1の画素信号を所定の増幅率で増幅して出力する差動増幅部を有する撮像素子。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の撮像素子において、
    前記光電変換膜と積層され、前記変換部の少なくとも一部が形成された半導体基板を更に備える撮像素子。
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