JP6520178B2 - 含フッ素オレフィンを構成成分とする共沸様組成物 - Google Patents

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    • C11DDETERGENT COMPOSITIONS; USE OF SINGLE SUBSTANCES AS DETERGENTS; SOAP OR SOAP-MAKING; RESIN SOAPS; RECOVERY OF GLYCEROL
    • C11D7/00Compositions of detergents based essentially on non-surface-active compounds
    • C11D7/50Solvents

Description

本発明は含フッ素オレフィンを含む新規組成物に関する。
クロロフルオロカーボン類(以下CFC類と呼ぶ事がある)、ハイドロクロロフルオロカーボン類(HCFC類と呼ぶ事がある)、ハイドロフルオロカーボン類(以下HFC類と呼ぶ事がある)等の炭素数が1〜5の含フッ素アルカンは、揮発性、安定性、不燃性の特徴があるので、冷媒、作動流体、発泡剤、スプレー剤、洗浄剤、溶剤、溶媒等の用途で産業の発展に貢献してきた(これらはフロン類と呼ぶことがある)。また、複数の含フッ素アルカンをブレンドして用いることも広く行われてきた。例えば、アメリカ暖房冷凍空調学会(ASHRAE)の冷媒番号R502、R507A、R404A、R407C、R410Aなどが混合冷媒として広く使われている。これらの混合冷媒は、2種類以上のフロン類を特定の比率で混合することにより成績係数、冷凍サイクル、不燃性、地球温暖化係数等が改善されている。しかし、含フッ素アルカンは揮発性を有するため、混合物として使う場合、成分のいずれかが一方的に蒸発すると、使用時にその組成が変化して、物性が変わってしまう。そのため、液相と実質的に同じ組成で揮発する共沸、もしくは共沸様の組成が好ましい。例えば、前述のR502(R22とR115との混合冷媒)、R507A(R143aとR125との混合冷媒)は共沸組成であるので、気相部と液相部との組成が全く同じであり共沸冷媒として用いられている。R410Aについては、その構成成分であるR32とR125とは非共沸であるが、気相部と液相部との組成が実質的に同じであるため、実用上、共沸組成物と同様に取り扱うことができるので、共沸様冷媒として用いられている。冷媒用途以外でも、例えば含フッ素アルカンとアルコールをブレンドして水切り剤として使用したり、可燃性の炭化水素系溶剤に不燃性の含フッ素アルカンを添加して不燃化したり、洗浄力を制御した洗浄剤がある。洗浄剤や水切り剤の用途においても冷媒と同様に揮発した時の気相部と液相部の組成が実質的に同じである共沸または共沸様の組成物が好ましい。
上記のような含フッ素アルカンは大気中においても非常に安定であり、大気寿命が長く、地球温暖化の原因物質とされている。これに対し、近年、炭素数が2〜5の含フッ素オレフィン(ハイドロフルオロオレフィンやハイドロクロロフルオロオレフィン、クロロフルオロオレフィン、フルオロオレフィンを指す)が、上記含フッ素アルカンの代替品として提案されている。分子内に二重結合を有するこれらの含フッ素オレフィンは、二重結合の無い含フッ素アルカンと比較して、大気中のOHラジカルとの反応性が著しく大きくなる。現在、広く使用されているHFC-365mfc、HFC-245fa、HFC-43-10等の大気寿命は年単位であるのに対して、一般に含フッ素オレフィンの大気寿命は日単位であり、万一、大気に放出された場合でも速やかに分解するので、地球温暖化やオゾン層破壊への影響は低い。上記の含フッ素アルカンと類似の物性を有しているので冷媒、作動流体、発泡剤、噴霧剤、洗浄剤、溶剤、溶媒等の各種用途に使用可能であることが報告されている。
含フッ素オレフィンも含フッ素アルカンと同様に、他の化学種をブレンドすることによって性能が改善することがある。例えば、特許文献1には、(Z)−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンと1,1,2,2−テトラフルオロ−1−メトキシエタンを混合すると、共沸様の二元系溶媒が形成され、該二元系溶媒の持つ各種油の洗浄性能が優れた水準にあることが報告されているが、このように具体的に含フッ素オレフィンを含む共沸もしくは共沸様の報告例は、含フッ素アルカンと比較して少ない。さらに、含フッ素オレフィン同士を組み合わせた共沸もしくは共沸様組成物の文献例はさらに少ない。
特開2008-133438号公報
このような揮発性の溶剤組成物においては、単純に複数の溶剤を調合して性能が改善されたとしても、各成分の揮発性によって、液組成が変動しやすいと言う問題は避けられない。例えば、二元系の液体組成物を超音波洗浄機に入れて洗浄工程に供したとき、一般に低沸点成分(蒸気圧が大きい成分)が優先的に揮発し、洗浄槽内には高沸点成分(蒸気圧が小さい成分)が濃縮される。例えば、洗浄力の高い低沸点成分と洗浄力の低い高沸点成分からなる組成物の場合、洗浄液における低沸点成分が経時的に減少して、洗浄不良を引き起こすことがある。また、使用済みの洗浄溶液は通常蒸留によって再生、再利用されるが、液相の組成と気相の組成が異なる組成物の場合は、回収した組成物の液組成を調整しなければならず効率的ではない。また、使用中に組成物が揮発して液の組成が変化すると、洗浄性能が変化するだけでなく、不燃性の組成物が可燃性の組成に変化することがありうる。
このようなことから、揮発時に気相部と液相部の組成が実質的に同じである共沸または共沸様の組成物が強く望まれている。本発明は、両者とも二重結合を含んでいるので大気寿命が短い(Z)−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンと(Z)−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテンを含み、揮発しても組成が変動しにくい新規な共沸または共沸様組成物を提案することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意、検討を行った。その結果、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンのZ体(以下、HCFO-1233zd(Z)または1233Zと呼ぶことがある)が70モル%〜99.9999モル%と1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテンのZ体(以下、HFO-1336mzz(Z)または1336Zと呼ぶことがある)が0.0001モル%〜30モル%の組成物は、実質的に気相部と液相部の組成が同一である共沸様組成物であり、消防法上の引火点を有しない不燃物であることが判明した。さらに、本発明の共沸様組成物は油脂の除去剤として有用であることが確認され、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は次の各発明を含む。
[発明1]
(Z)−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233Z)と(Z)−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン(1336Z)からなる、共沸(様)組成物。
[発明2]
70モル%〜99.9999モル%の1233Zと0.0001モル%〜30モル%の1336Zとからなる、発明1に記載の共沸(様)組成物。
[発明3]
80モル%〜99.9999モル%の1233Zと0.0001モル%〜20モル%の1336Zとからなる、発明1又は発明2に記載の不燃性の共沸(様)組成物。
[発明4]
発明1から発明3のいずれかに記載の共沸(様)組成物と、少なくとも一つの追加成分を含む液体組成物。
[発明5]
発明1から発明3のいずれかに記載の共沸(様)組成物と、該共沸(様)組成物に対して、10ppm〜30質量%の追加成分を少なくとも一つ含む、液体組成物。
[発明6]
発明1から発明5のいずれかに記載の共沸(様)組成物ないし液体組成物を含む、洗浄用溶剤。
[発明7]
発明1から発明5のいずれかに記載の共沸(様)組成物ないし液体組成物を、被洗浄物体に接触させる工程を含む、該被洗浄物体を洗浄する方法。
本発明により、新規の共沸(様)組成物が提供される。当該組成物は、開放条件にて使用しても組成が変化しにくいという効果を奏する。当該、共沸(様)組成物は、環境への負荷が少なく、消防法上の非危険物である。
当該、共沸(様)組成物は、異物、油脂などの汚染物質を洗浄する溶媒(洗浄溶剤)として有用である。
(Z)−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233Z)と(Z)−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン(1336Z)の気液平衡図である。
含フッ素オレフィンは種々の溶剤との相溶性が高いので、均一な組成物を調合することは比較的容易である。しかし、任意組成の組成物の場合、「液組成が変動しやすい」という問題が内在している。すなわち、仮に複数種類の液体を混合し、相溶性を確保できたとしても、各成分の揮発度の違いにより、液組成が変動しやすいという問題は避けられない。例えば、二元系の液体組成物を超音波洗浄機に入れて、洗浄剤として用いた場合、一般に揮発度の高い低沸点成分(蒸気圧の大きい成分)が優先的に揮発し、洗浄槽内に揮発度の低い高沸点成分が濃縮される。例えば、洗浄力の高い低沸点成分に洗浄力の低い高沸点成分の組成物の場合、洗浄液における低沸点成分濃度が経時的に減少して、洗浄不良を引き起こす恐れがある。特に、可燃性の溶剤に不燃性の溶剤をブレンドして不燃性組成物を調合した場合、不燃性成分が優先的に揮発すると洗浄液が可燃性組成物になることがある。
また、洗浄溶媒は、使用後に蒸留等の操作によって回収、再利用するのが、環境保護の面からも経済面からも望ましいが、二成分系の液体の場合、一般に沸点の異なる二成分の液体を別々に回収せざるを得ず、回収・再利用を行うには、操作上の負荷がかかりやすい。
熱力学サイクルの作動流体に用いる場合も、同様の問題がある。すなわち、熱力学サイクルの作動流体として用いる場合も、長時間で見れば液組成が変動する可能性がある。液組成が変動すれば、液体の持つ熱容量、粘度、或いは潤滑剤との親和性に変化が生じ、熱力学サイクルの作動性能が低下することがある。
このため、二元系(多元系)の液体組成物を洗浄剤や作動流体として使用する場合、頻繁に液組成を分析し、適正な組成範囲になるように、絶えず、適切な比率に調合して、揮発した成分を補充しなければならない。しかし、こうした液組成管理は作業上の大きな負荷となり得る。
これに対して、共沸組成物の場合、液組成と同じ組成で揮発するので、使用中に液組成が変化しない非常に好ましい組成である。本明細書において「共沸」とは熱力学的に厳密な意味での共沸を指す。例えば水/エタノールの混合物の場合、エタノール(96質量%)と水(4質量%)の組成物は共沸混合物(azeotrope)であって、これと気液平衡して存在する蒸気も「エタノール(96質量%):水(4質量%)」となり、液組成と完全に一致する。この現象を「共沸」と呼ぶ。特定の温度、圧力では共沸混合物の組成は、ただ1点となる。
「共沸様」は、「擬共沸」とも呼ばれ、熱力学的に厳密な共沸ではないが、ある範囲の組成の液体については、その液組成と、平衡状態にある気体の組成が、実質的に等しいことがあり、そのような現象を指す。完全に気相部と液相部の組成が一致せずとも、実質的に気相部と液相物の組成が一致すれば、当業者は、共沸組成と同様に取り扱うことができる。このとき、気相部と液相部の気液平衡組成差は小さければ小さいほど良い。このように、実質的に気相部と液相部の気液平衡組成が一致する現象を共沸様または擬共沸と呼び、その組成を共沸様組成、または、擬共沸組成と呼ぶ。
学術的には共沸現象と擬共沸現象(または共沸様)は区別すべきであるが、洗浄等の実務においては、共沸現象と共沸様現象(または擬共沸)を区別する必要は無く、全く同じように取り扱うことができるので、本明細書においては、共沸現象と共沸様現象(または擬共沸)を併せて“共沸(様)”と呼ぶ。また、そのときの組成を“共沸(様)組成”と呼ぶ。
共沸(様)においては、共沸点の有無は問われない。実質的に気相部と液相部の気液平衡組成が一致すれば良い。
「共沸様」は理論的に導かれるものではなく、様々な液体の種類、組成比について気液平衡を実験によって調査し、偶然、気相の組成と液相の組成が実質的に一致した時に、初めて見出せるものである。本発明においては、次世代洗浄剤として商業的に入手可能な(Z)−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233Z)と次世代発泡剤として入手可能な(Z)−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン(1336Z)において、特定の領域で実質的に気液の組成が同一である共沸様組成を見出すことが出来た。
特に、1233Zと1336Zは沸点および極性が異なるので、共沸(様)になるかどうかを予測することは非常に困難であり、特に、洗浄等の実務上において、好ましい共沸様の組成範囲を特定することは実験無しに求めることは不可能である。
それぞれの化合物の沸点と極性(ダイポールモーメント(B3LYP/6-311++G**計算値))は、下記の通りである。
Figure 0006520178
Figure 0006520178
実施例に示したとおり、この組成物の揮発挙動を詳しく調査した結果、第1の成分である1233Zが70モル%〜99.9999モル%と第2の成分である1336Zが0.0001モル%〜30モル%、よりこのましくは、第1の成分である1233Zが80モル%〜99.9999モル%と第2の成分である1336Zが0.0001モル%〜20モル%の組成物は、揮発時、液相組成に近似した組成比で揮発するので、例えば、洗浄工程において、洗浄機内から部分的に揮発しても、実用上洗浄液の組成が変化しない非常に好適な組成であることが判明した。中でも第1の成分である1233Zが90モル%〜99.9999モル%と第2の成分である1336Zが0.0001モル%〜10モル%の組成物は、組成変動が一層少なく、特に好ましい。
本発明の共沸(様)組成物は、不純物が実質的に混入していない、高純度のものが好ましい態様の1つであることは言うまでもない。しかし、用途によっては、それほど高い純度の液体組成物を要求されない場合もある。そのような場合には、第1の成分である1233Zや、第2の成分である1336Zを合成するための原料物質や、副生成物が少量(通常各成分とも、該共沸(様)組成物に対して通常1重量%未満)、残存したものを用いることもできる。
所望により、共沸(様)組成物の性能を改善するために追加成分を添加し、「本発明の共沸(様)組成物と、少なくとも一つの追加成分を含む液体組成物」とすることもできる。追加成分としては、洗浄力強化剤(界面活性剤)、安定剤(受酸剤、酸化防止剤)、等が例示される。
界面活性剤としては、具体的には、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート等のソルビタン脂肪族エステル類;ポリオキシエチレンのソルビットテトラオレエート等のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンモノラウレート等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;ポリオキシエチレンオレイン酸アミド等のポリオキシエチレンアルキルアミン脂肪酸アミド類等のノニオン系界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤は、単独で使用されてもよく、2種以上組み合わせて使用されてもよい。相乗的に洗浄力及び界面作用を改善する目的で、これらのノニオン系界面活性剤に加えてカチオン系界面活性剤やアニオン系界面活性剤を本発明の共沸様組成物を含む洗浄剤に添加してもよい。界面活性剤の使用量は、その種類により異なるが、共沸様組成物の共沸様の性質に支障のない程度であればよく、通常、共沸様組成物中0.1質量%以上30質量%以下程度であり、0.3質量%以上5質量%以下程度とすることが好ましい。
安定剤としては、その種類は特に限定されないが、ニトロ化合物、エポキシ化合物、フェノール類、イミダゾール類、アミン類、炭化水素類等が挙げられる。このような安定剤を添加した該液体組成物は、過酷な条件で使用する場合に、特に有用である。
ニトロ化合物としては、公知の化合物を好適に用いることができ)、脂肪族及び/または芳香族ニトロ化合物が挙げられる。脂肪族ニトロ化合物として、例えば、ニトロメタン、ニトロエタン、1−ニトロプロパン、2−ニトロプロパン等が挙げられる。芳香族ニトロ化合物として、例えば、ニトロベンゼン、o−、m−又はp−ジニトロベンゼン、トリニトロベンゼン、o−、m−又はp−ニトロトルエン、o−、m−又はp−エチルニトロベンゼン、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−又は3,5−ジメチルニトロベンゼン、o−、m−又はp−ニトロアセトフェノン、o−、m−又はp−ニトロフェノール、o−、m−又はp−ニトロアニソール等が挙げられる。
エポキシ化合物としては、例えば、エチレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、グリシドール、エピクロルヒドリン、グリシジルメタアクリレート、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、メチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル等のモノエポキシ系化合物、ジエポキシブタン、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントルグリシジルエーテル等のポリエポキシ系化合物等が挙げられる。
フェノール類としては、フェノール性水酸基以外にアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、カルボキシル基、カルボニル基、ハロゲン等各種の置換基を含んでいても良い。例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、チモル、p−t−ブチルフェノール、o−メトキシフェノール、m−メトキシフェノール、p−メトキシフェノール、オイゲノール、イソオイゲノール、ブチルヒドロキシアニソール、フェノール、キシレノール等の1価のフェノールあるいはt−ブチルカテコール、2,5−ジ−t−アミノハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン等の2価のフェノール等が挙げられる。
イミダゾール類としては、炭素数1以上18以下の直鎖もしくは分岐を有するアルキル基、シクロアルキル基、またはアリール基をN位の置換基とするイミダゾール類が好ましい。そのようなイミダゾール類としては、1−メチルイミダゾール、1−n−ブチルイミダゾール、1−フェニルイミダゾール、1−ベンジルイミダゾール、1−(β−オキシエチル)イミダゾール、1−メチル−2−プロピルイミダゾール、1−メチル−2−イソブチルイミダゾール、1−n−ブチル−2−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1,4−ジメチルイミダゾール、1,5−ジメチルイミダゾール、1,2,5−トリメチルイミダゾール、1,4,5−トリメチルイミダゾール、1−エチル−2−メチルイミダゾール等が挙げられる。これらの化合物は単独で使用されてもよく、2種以上の化合物が併用されてもよい。
アミン類としては、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジアリルアミン、トリエチルアミン、N−メチルアニリン、ピリジン、モルホリン、N−メチルモルホリン、トリアリルアミン、アリルアミン、α―メチルベンジルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、ジベンチルアミン、トリベンチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、アニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン、ジフェニルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上の化合物が併用されてもよい。
炭化水素類としては、α―メチルスチレンやp−イソプロペニルトルエン、イソプレン類、プロパジエン類、テルペン類等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上の化合物が併用されてもよい。
<洗浄剤あるいは溶剤としての使用>
本発明の共沸(様)組成物(あるいは、該共沸(様)組成物を含む液体組成物)は、精密機械部品、電子材料(プリント基板、液晶表示器、磁気記録部品、半導体材料等)、樹脂加工部品、光学レンズ、衣料品などから異物、油脂、グリース、ワックス、フラックス、インキ等を除去するのに好適である。前述の通り、本発明の共沸(様)組成物は不燃性であり、適度な流動性や溶解性を有するので、異物(パーティクルなど)を洗い流したり、又は溶解したりして、除去できる。洗浄の手法は特に限定されないが、精密機械部品、電子材料などに本発明の共沸(様)組成物(あるいは、該共沸(様)組成物を含む液体組成物)を浸漬して汚れを洗い流す、ウェスでふき取る、スプレー洗浄を行う、などの方法が挙げられ、これらを組み合わせて使用しても良い。超音波洗浄機内に当該共沸(様)組成物を入れ、その液中に洗浄対象の物品を浸漬させ、超音波洗浄処理することは、特に好ましい態様の1つである。
本発明の共沸(様)組成物は、開放系で使用しても、組成の変動はほとんど起こらないため、さほど頻繁に組成管理をしなくても安定した洗浄力を発揮し、これは実務上の大きなメリットである。開放系、密閉系にかかわらず洗浄工程においては、被洗浄物(ワーク)に洗浄液が付着して系外に持ち出されるので、必然的にその分を補填しなければならない。例えば、500リットル規模の洗浄設備において、被洗浄物である部品(ワーク)への付着等による持ち出しで、毎週、20kgの液が減少するならば、毎週、それと同量の新液をチャージして液面が一定に保持されている。1233Zが70モル%〜99.9999モル%と第2の成分である1336Zが0.0001モル%〜30モル%の場合、洗浄の実務において、洗浄機内の一部が揮発しても実質的に洗浄機内の組成比は変化せず、好ましい領域といえる。
洗浄に用いた洗浄液は、回収した上で、蒸留操作を付せば、油脂や異物(パーティクル)を分離除去でき、本発明の共沸(様)組成物を回収できる。一般的な洗浄剤用の蒸留再生装置は単蒸留方式なので、本発明の共沸様組成物の場合は、市販の蒸留再生装置で、実質的に組成変化なく再生可能である。
蒸留操作を行う際、1233Zと1336Zの2種類の液体成分は、共沸(様)組成物としての性質を維持するので、回収液体は、その後、大掛かりな組成調整を経ることなく、再び洗浄溶剤として使用できる。なお、上記「追加成分」が使われていた場合には、これら「追加成分」は蒸留によって除去されてしまう場合もあるので、その場合は別途補うことが望ましい。
本発明を実施例によって説明する。
<実施例1>
セプタム、攪拌子、−10℃の冷媒が流せるジムロートを備えた50mL三つ口フラスコに、表1記載のモル濃度になるように1233Zと1336Zを合わせて25mL仕込んだ。ジムロート上部には合成ゼオライト管を取り付けた。フラスコをオイルバスに浸し、攪拌しながら還流するまで加熱した。還流が開始してから一時間以上経過して組成が安定した後、セプタムからガスタイトシリンジで気相部をサンプリングして、ガスクロマトグラフィー分析した。液相部は同様に注射針を備えたポリプロピレン製シリンジを用いて、約1mLをサンプリングし、予め氷水で冷却した2mLバイアル瓶に移した後、ガスクロマトグラフィー分析を実施した。表1においては予め作成した検量線を用いてモル%表記とした。また、図1は横軸に1233Zの液相部組成(モル%)、縦軸に1233Zの気相部組成(モル%)をとり、表1の結果をプロットした。第一成分の1233Zが70モル%〜99.9999モル%、第二成分の1336Zが0.0001〜30モル%の範囲において、気相部と液相部の組成が実質的に変化しない共沸様組成物であることが明らかとなった。
Figure 0006520178
<実施例2>
日本工業規格JIS K2265−1「引火点の求め方−第1部:タグ密閉法」に準拠して、1233Zと1336Zの混合液体の引火点をそれぞれ測定した。引火点測定には、自動引火点測定器atg−8l(田中科学機器製作株式会社)を使用した。各組成における測定結果を表2に示す。1233Zと1336Zの共沸または共沸様組成物の範囲において、大気圧力条件下で引火点がないことが観測された。
Figure 0006520178
<実施例3>
<洗浄試験>
市販の25mLメスシリンダーを11mLの目盛り線で切断し、液体が揮発しやすい条件を設定した。直径:約7.2mm×長さ:約40mmの清浄なガラス棒の質量を測定後、表記載のオイルに2分間浸漬し、10分間立てて液切した(過剰についたオイルを除去した)後、質量(ガラス棒+初期付着オイル)を測定後、前記のメスシリンダーに入れた。以下の表2に記載の組成が1233Z 89.5742モル%1336Z 0.4258モル%共沸様組成物を10mLの液面まで仕込み、20℃の水を満たした小型超音波洗浄機(シチズン製SW5800)の中央部に立てた。超音波を照射すると時間と共に共沸様組成物が揮発し、8mLの目盛り線になった時点で、メスシリンダー内の液をガスクロマトグラフで分析した。その結果、実施例3−1〜3−5の全てにおいて、2mL揮発したにも関わらず、洗浄前後の液組成は実質に同一であった。すなわち、実機洗浄において、実施例3−1〜3−5で用いた共沸様組成物は、部分的に揮発しても残液の組成が実質的に変化しない共沸様組成であることが示された。次にガラス棒を乾燥させて質量(ガラス棒と残存オイルとの総質量)を測定して、油除去率(残存オイルの質量÷初期付着オイルの質量×100[%])を求めると共に、拡大鏡でガラスの表面を観察した。その結果、全ての実施例において油除去率が100%であり、拡大鏡観察結果においては、油分の残存が認められなかったため、良好と判断した。各実施例の結果を以下の表3に示す。
Figure 0006520178

Claims (3)

  1. (Z)−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233Z) と(Z)−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン(1336Z)からなる、共沸(様)組成物。
  2. 70モル%〜99.9999モル%の1233Zと0.0001モル%〜30モル% の1336Zとからなる、請求項1に記載の共沸(様)組成物。
  3. 80モル%〜99.9999モル%の1233Zと0.0001モル%〜20モル%の1336Zとからなる、請求項1又は請求項2に記載の不燃性の共沸(様)組成物。
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