JP2023158659A - 溶液の調製方法、物品の洗浄方法、溶剤組成物、及びその用途 - Google Patents

溶液の調製方法、物品の洗浄方法、溶剤組成物、及びその用途 Download PDF

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夏奈子 長舩
Kanako Nagafune
悟 吉川
Satoru Yoshikawa
伊吹 向原
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Abstract

【課題】本開示は、CTFE低重合体と溶剤組成物とを含む溶液を簡便に調製する方法、溶剤組成物を用いてCTFE低重合体が付着した物品からCTFE低重合体を除去する物品の洗浄方法、CTFE低重合体に対して良好な溶解性を示す溶剤組成物及びその用途を提供する。【解決手段】クロロトリフルオロエチレン低重合体と、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd)を含む溶剤組成物とを含む溶液の調製方法であって、前記クロロトリフルオロエチレン低重合体と前記溶剤組成物とを5~35℃にて混合する工程を含む、溶液の調製方法。【選択図】なし

Description

本開示は、クロロトリフルオロエチレン低重合体と溶剤組成物とを含む溶液の調製方法、溶剤組成物を用いてクロロトリフルオロエチレン低重合体が付着した物品からクロロトリフルオロエチレン低重合体を除去する物品の洗浄方法、クロロトリフルオロエチレン低重合体を溶解するための溶剤組成物、及びその用途に関する。
フッ素系潤滑剤は、一般的に熱的、化学的に安定であり、電気絶縁性に優れる等といった種々の特徴を有する。フッ素系潤滑剤には、例えばパーフルオロポリエーテル基(PFPE基)を有する化合物やクロロトリフルオロエチレン(CTFE)低重合体(以下、「CTFE低重合体」)があり、これらフッ素系潤滑剤は、例えば、磁気記録媒体用等の潤滑剤として知られている。
フッ素系潤滑剤は、一般的に含フッ素系溶剤以外には溶解し難い。フッ素系潤滑剤を含む潤滑剤溶液の調製に用いる溶剤や、フッ素系潤滑剤が付着した物品から該化合物を除去するための洗浄剤として、クロロフルオロカーボン類(以下、「CFC類」ともいう)、ハイドロクロロフルオロカーボン類(以下、「HCFC類」ともいう)、パーフルオロカーボン類(以下、「PFC類」ともいう)、ハイドロフルオロカーボン類(以下、「HFC類」ともいう)等が使用されてきた。しかしながら、CFC類、HCFC類等は、オゾン層への悪影響の懸念から、先進国においては、使用が制限されたり、禁止されたりする方向にある。PFC類やHFC類は、地球温暖化係数(GWP)が大きいことから、京都議定書で規制対象物質となっている。このことから、地球環境に与える影響が小さい物質の開発が求められている。これらの代替品としてハイドロクロロフルオロオレフィン類やハイドロフルオロオレフィン類(以下、これらを総称して「HFO類」ともいう)やハイドロフルオロエーテル類(以下、「HFE類」ともいう)が着目されている。
他方、非特許文献1には、CTFE重合体は特殊なハロゲン化有機溶剤には、高温で膨潤ないし溶解することが開示されている。
"バルカーハンドブック技術編"材料 1.樹脂 1.1ふっ素樹脂 (3)耐化学薬品性、[online]、[令和5年3月6日検索]、インターネット、<URL:http://www.seal.valqua.co.jp/seal/gasket_detail_tech/153/>
非特許文献1にも示されるように、溶剤として特殊なハロゲン化有機溶剤を用いてCTFE重合体を含む溶液を得るには高温とする必要があり、より簡便な溶液の調製方法が望まれていた。
本開示は、CTFE低重合体と溶剤組成物とを含む溶液を簡便に調製する方法、溶剤組成物を用いてCTFE低重合体が付着した物品からCTFE低重合体を除去する物品の洗浄方法、CTFE低重合体の溶解性に優れた溶剤組成物、及びその用途を提供することを目的とする。
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意検討を行った。その結果、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233zd)を含む溶剤組成物を用いることにより、5~35℃の室温条件下でもCTFE低重合体と混合することにより、該溶剤組成物とCTFE低重合体とを含む溶液が簡便に得られることを見出した。
上記課題を解決するための手段には、以下の実施形態が含まれる。
[1]
クロロトリフルオロエチレン低重合体と、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd)を含む溶剤組成物とを含む溶液の調製方法であって、
前記クロロトリフルオロエチレン低重合体と前記溶剤組成物とを5~35℃にて混合する工程を含む、溶液の調製方法。
[2]
前記溶剤組成物全量に対して、前記1233zdを80質量%以上含む、[1]に記載の溶液の調製方法。
[3]
前記溶剤組成物が、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)類、ハイドロフルオロカーボン(HFC)類、ハイドロフルオロエーテル(HFE)類、及びハイドロフルオロオレフィン(HFO)類からなる群より選ばれる少なくとも一種の有機溶剤をさらに含む、[1]又は[2]に記載の溶液の調製方法。
[4]
前記溶剤組成物が、安定剤、難燃剤、界面活性剤、金属不動態化剤、防錆剤、および増粘剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分をさらに含む、[1]~[3]のいずれか1項に記載の溶液の調製方法。
[5]
前記クロロトリフルオロエチレン低重合体の20℃における動粘度が0[mm/s]超である、[1]~[4]のいずれか1項に記載の溶液の調製方法。
[6]
前記クロロトリフルオロエチレン低重合体の20℃における動粘度が0[mm/s]超500[mm/s]未満である、[1]~[5]のいずれか1項に記載の溶液の調製方法。
[7]
[1]~[7]のいずれか1項に記載の溶液の調製方法を用いて、前記クロロトリフルオロエチレン低重合体と、前記1233zdを含む溶剤組成物とを含む塗膜形成用組成物を調製する工程と、
前記塗膜形成用組成物を基材の表面に塗布した後、前記溶剤組成物の溶剤を蒸発除去して、前記クロロトリフルオロエチレン低重合体を含む塗膜を形成する工程と、を含む、塗膜付き基材の製造方法。
[8]
1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd)を含む溶剤組成物を含む洗浄剤を用いて、クロロトリフルオロエチレン低重合体が付着した物品から前記クロロトリフルオロエチレン低重合体を5~35℃にて除去する、物品の洗浄方法。
[9]
クロロトリフルオロエチレン低重合体を溶解するための溶剤組成物であって、
前記溶剤組成物全量に対して、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd)を80質量%以上含む溶剤組成物。
[10]
[9]に記載の溶剤組成物とクロロトリフルオロエチレン低重合体とを含む、溶液。
[11]
[9]に記載の溶剤組成物を含む、洗浄剤。
[12]
[9]に記載の溶剤組成物と、クロロトリフルオロエチレン低重合体とを含む、塗膜形成用溶剤組成物。
[13]
[10]に記載の溶液と、噴射剤とが充填された、エアゾール。
[14]
[11]に記載の洗浄剤と、噴射剤とが充填された、エアゾール。
本開示によれば、CTFE低重合体と溶剤組成物とを含む溶液を簡便に調製する方法、溶剤組成物を用いてCTFE低重合体が付着した物品からCTFE低重合体を除去する物品の洗浄方法、CTFE低重合体に対して良好な溶解性を示す溶剤組成物及びその用途を提供することができる。
以下、本開示の実施形態について説明する。ただし本開示は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な態様で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、以下の実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、または、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本開示によりもたらされるものと解される。
本明細書において、ハロゲン化炭化水素については、化合物名の後の括弧内にその化合物の略称を記すが、本明細書では必要に応じて化合物名に代えてその略称を用いる。また、略称として、ハイフン(-)より後ろの数字およびアルファベット小文字部分だけ(例えば、「HCFO-1233zd」においては「1233zd」)を用いることがある。
さらに、幾何異性体を有する化合物の名称およびその略称に付けられた(E)は、E体を示し、(Z)はZ体を示す(例えば、「(Z)-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン」においては、「HCFO-1233zd(Z)」あるいは「1233zd(Z)」を用いることがある)。該化合物の名称、略称において、E体、Z体の明記がない場合、該名称、略称は、E体、Z体、およびE体とZ体の混合物を含む総称を意味する。
例えば、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペン(以下、「HCFO-1233zd」ともいう)は、Z-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(シス体、以下、「HCFO-1233zd(Z)」ともいう)、又はE-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(トランス体、以下、「HCFO-1233zd(E)」ともいう)である。
[1.CTFE低重合体を含む溶液の調製方法]
本実施形態に係るクロロトリフルオロエチレン低重合体(CTFE低重合体)を含む溶液の調製方法は、CTFE低重合体と、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd)を含む溶剤組成物とを含む溶液の調製方法であって、
前記クロロトリフルオロエチレン低重合体と前記溶剤組成物とを5~35℃にて混合する工程を含む。
以下では、まず、クロロトリフルオロエチレン低重合体、及び、1233zdを含む溶剤組成物(以下、単に「本溶剤組成物」ともいう)について説明する。
<クロロトリフルオロエチレン(CTFE)低重合体>
本溶剤組成物で溶解するクロロトリフルオロエチレン低重合体(CTFE低重合体)は、クロロトリフルオロエチレンを繰り返し単位として有し、後述の数平均分子量が10000以下の重合体である。
CTFE低重合体としては、上記定義に相当する限りにおいて限定されないが、例えば、以下の一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2023158659000001
一般式(1)中、X、YはFまたはClであり、qは1~90の整数である。
好ましくは、qは1~50の整数である。
フッ素系潤滑剤として一般的に用いられているクロロトリフルオロエチレン低重合体、例えば、後述する商業的製品を構成する化合物は、上記一般式(1)で表される構造を満たすものである。
(動粘度)
本開示における動粘度は、CTFE低重合体の動粘度を示す。CTFE重合体は、後述する商業的製品の他に、CTFE低重合体を含む溶液から得られるCTFE低重合体も該当する。例えば、CTFE低重合体が溶剤に溶解または分散した「溶液」として存在する場合、溶液を単蒸留に処し、溶剤を留去した後、蒸留釜に残った残渣が「CTFE低重合体」となる。溶剤が十分に蒸発する条件であればよく、具体的には、常圧下、溶液を約100℃まで加熱し、溶剤が留出しなくなるまで単蒸留を行う。溶剤が留去しやすくなるよう、減圧下、溶液を約100℃まで加熱することがより好ましい。溶剤が留去されたか否かは、NMRで溶剤のピークの有無により、確認することができる。
このようにして得られたCTFE低重合体の動粘度の測定は、測定温度20℃としてウベローデ型動粘度計(柴田科学株式会社製)を用いてJIS K2283に基づき実施することができる。
フッ素系潤滑剤中、クロロトリフルオロエチレン低重合体の含有量が99%以上の場合、フッ素系潤滑剤の動粘度を、化合物の動粘度とみなした。
CTFE低重合体の20℃における動粘度は、0[mm/s]超であることが好ましく、2[mm/s]以上であってもよい。また、上限としては、溶剤組成物への溶解性の観点から、1500[mm/s]未満であることが好ましく、500[mm/s]未満であってもよく、400[mm/s]未満であってもよい。
CTFE低重合体の20℃における動粘度は、0[mm/s]超500[mm/s]未満であることが好ましい。
(数平均分子量)
CTFE低重合体の数平均分子量としては、例えば、100以上であってもよく、200以上であってもよく、400以上であってもよい。また、上限としては10000以下であり、溶剤組成物への溶解性の観点から、例えば、5000以下であってもよく、2000以下であってもよい。
ここで、数平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)におけるポリスチレン換算の数平均分子量を指す。
また、本溶剤組成物で溶解するクロロテトラフルオロエチレン低重合体を含む製品としては、例えば、以下の製品が挙げられるがこれらに限られない:ダイキン工業株式会社製の製品名「ダイフロイル#1」、「ダイフロイル#3」、「ダイフロイル#10」、「ダイフロイル#20」、「ダイフロイル#50」、「ダイフロイル#100」等が挙げられる。
<HCFO-1233zdを含む溶剤組成物>
(HCFO-1233zd)
本溶剤組成物には、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(以下、「HCFO-1233zd」ともいう)が含まれる。
HCFO-1233zd(CFCH=CHCl)は、炭素原子-炭素原子間に二重結合を有するオレフィンである。
HCFO-1233zdは、幾何異性体が存在することが知られており、HCFO-1233zdのZ異性体(以下、HCFO-1233zd(Z)ともいう。)の沸点は39℃であり、HCFO-1233zdのE異性体(以下、HCFO-1233zd(E)ともいう。)の沸点は18℃である。
上記沸点を有することより、HCFO-1233zdは、揮発性に優れ、取扱いが容易である。
HCFO-1233zdは、引火点を持たない。
HCFO-1233zdは、表面張力や粘度が低い。
公知の製造方法により、HCFO-1233zd(Z)、HCFO-1233zd(E)、あるいは、それらの混合物が得られ、蒸留により両者を分離することができる。たとえば、HCFO-1233zdは特開2017-110020号公報の記載に基づいて製造できる。
本溶剤組成物には、溶剤組成物全量に対して、HCFO-1233zdが80質量%以上含まれることが好ましく、より好ましくは90質量%以上含まれる。また、実質的にHCFO-1233zdのみが含まれてもよい。
本溶剤組成物に含有されるHCFO-1233zdとしてはHCFO-1233zd(Z)のみであってもよく、HCFO-1233zd(E)のみであってもよく、HCFO-1233zd(Z)とHCFO-1233zd(E)の混合物であってもよい。
(他の有機溶剤)
本溶剤組成物には、他の有機溶剤が含まれてもよい。例えば、本溶剤組成物において、他の有機溶剤は、HCFO-1233zdとの相溶性を有する有機溶剤であり、溶解性を高める、揮発速度を調節する等の各種の目的に応じて、適宜選択される。例えば、HCFO-1233zdとの相溶性を有するハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC類)、ハイドロフルオロカーボン類(HFC類)、ハイドロフルオロエーテル類(HFE類)、ハイドロフルオロオレフィン類(HFO類)が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。すなわち、本溶剤組成物は、HCFC類、HFC類、HFE類、及びHFO類からなる群より選ばれる少なくとも一種の有機溶剤をさらに含んでいてもよい。また、2種以上の他の有機溶剤が含まれる場合、それらの組合せは同じ範疇の溶剤の組合せであってもよく、異なる範疇の溶剤の組合せであってもよい。たとえば、HCFC類から選ばれる2種の組合せであってもよく、HCFC類から選ばれる1種とHFCから選ばれる1種との組合せであってもよい。
本溶剤組成物において、他の有機溶剤は、溶剤組成物の全量に対して、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であっても良く、5質量%以下0%超であっても良い。
HCFC類としては、例えば、炭素数3~8の鎖状または環状のHCFC類が挙げられる。より具体的には、3,3-ジクロロ-1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(HCFC-225ca)、1,3-ジクロロ-1,1,2,2,3-ペンタフルオロプロパン(HCFC-225cb)等が挙げられるが、これらに限られない。
HFC類としては、例えば、炭素数4~8の鎖状または環状のHFC類が挙げられ、1分子中のフッ素原子数が水素原子数以上であるHFC類が好ましい。より具体的には、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン、1,1,1,2,2,3,4,5,5,5-デカフルオロペンタン、1,1,2,2,3,3,4-ヘプタフルオロシクロペンタン、1,1,1,2,2,3,3,4,4-ノナフルオロヘキサン、1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6-トリデカフルオロヘキサン、1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6-トリデカフルオロオクタン等が挙げられるが、これらに限られない。
HFE類としては、例えば、炭素数4~8の鎖状または環状のHFE類が挙げられる。より具体的には、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロピルメチルエーテル(HFE-356mmz)、COCH、COCH、1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ-1-(2,2,2-トリフルオロ)エタン(HFE-347pc-f)等が挙げられ、市販品としては、例えば、アサヒクリン(登録商標)AE-3000(AGC社製)等が挙げられるが、これらに限られない。
HFO類としては、例えば、炭素数3~6のHFO類が挙げられる。より具体的には、1,3,3,3-テトラフルオロプロペン、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン、1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン、1-クロロ-2,3,3-トリフルオロプロペン等が挙げられるが、これらに限られない。
本溶剤組成物には、上記溶剤以外に、安定剤、難燃剤、界面活性剤、金属不動態化剤、防錆剤、および増粘剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分をさらに含んでいてもよい。
(安定剤)
本溶剤組成物には、安定剤が含まれてもよい。安定剤が含まれることで、例えば、熱安定性、耐酸化性等を向上させることができる。例えば、本溶剤組成物において、安定剤は10質量%以下、3質量%以下、1質量%以下、0.1質量%以下含まれてもよい。この安定剤としては、例えば、ニトロ化合物、エポキシ化合物、フェノール類、イミダゾール類、アミン類、不飽和炭化水素類等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ニトロ化合物としては、例えば、脂肪族系ニトロ化合物、芳香族系ニトロ化合物が挙げられる。脂肪族系ニトロ化合物としては、例えば、ニトロメタン、ニトロエタン、1-ニトロプロパン、2-ニトロプロパン等が挙げられる。芳香族系ニトロ化合物としては、例えば、ニトロベンゼン、o-、m-又はp-ジニトロベンゼン、トリニトロベンゼン、o-、m-又はp-ニトロトルエン、o-、m-又はp-エチルニトロベンゼン、2,3-、2,4-、2,5-、2,6-、3,4-又は3,5-ジメチルニトロベンゼン、o、m-又はp-ニトロアセトフェノン、o-、m-又はp-ニトロフェノール、o-、m-又はp-ニトロアニソール等が挙げられる。
エポキシ化合物としては、例えばエチレンオキサイド、1,2-ブチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、グリシドール、エピクロルヒドリン、グリシジルメタアクリレート、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、メチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル等のモノエポキシ系化合物、ジエポキシブタン、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントルグリシジルエーテル等のポリエポキシ系化合物等が挙げられる。
フェノール類としては、例えば、フェノール性水酸基とともに、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、カルボキシル基、カルボニル基、ハロゲン等各種の置換基を含み得る芳香族化合物が挙げられる。このような芳香族化合物としては、例えば、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、チモール、p-t-ブチルフェノール、o-メトキシフェノール、m-メトキシフェノール、p-メトキシフェノール、オイゲノール、イソオイゲノール、ブチルヒドロキシアニソール、フェノール、キシレノール等の1価のフェノールあるいはt-ブチルカテコール、2,5-ジ-t-アミノハイドロキノン、2,5-ジ-t-ブチルハイドロキノン等の2価のフェノール等が挙げられる。
イミダゾール類としては、炭素数1~18のアルキル基、シクロアルキル基、またはアリール基をN位の置換基とするイミダゾール類が挙げられる。例えば、1-メチルイミダゾール、1-n-ブチルイミダゾール、1-フェニルイミダゾール、1-ベンジルイミダゾール、1-(β-オキシエチル)イミダゾール、1-メチル-2-プロピルイミダゾール、1-メチル-2-イソブチルイミダゾール、1-n-ブチル-2-メチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、1,4-ジメチルイミダゾール、1,5-ジメチルイミダゾール、1,2,5-トリメチルイミダゾール、1,4,5-トリメチルイミダゾール、1-エチル-2-メチルイミダゾール等が挙げられる。
アミン類としては、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソブチルアミン、ジ-n-プロピルアミン、ジアリルアミン、トリエチルアミン、N-メチルアニリン、ピリジン、モルホリン、N-メチルモルホリン、トリアリルアミン、アリルアミン、α―メチルベンジルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、ジペンチルアミン、トリペンチルアミン、2-エチルヘキシルアミン、アニリン、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン、ジフェニルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン等が挙げられる。
不飽和炭化水素類としては、α-メチルスチレン、p-イソプロペニルトルエン、イソプレン類、プロパジエン類、テルペン類等が挙げられる。
(難燃剤)
本溶剤組成物には、難燃剤が含まれてもよい。難燃剤が含まれることで、難燃性を向上させることができる。例えば、本溶剤組成物において、難燃剤は3質量%以下、1質量%以下、0.1質量%以下含まれてもよい。このような難燃剤としては、ホスフェート類、ハロゲン化芳香族化合物、フッ素化ヨードカーボン、フッ素化ブロモカーボン等が挙げられるが、これらに限定されない。
(界面活性剤)
本溶剤組成物には、界面活性剤が含まれてもよい。界面活性剤が含まれることで、例えば、洗浄力、界面作用等を向上させることができる。例えば、本溶剤組成物において、界面活性剤は3質量%以下、1質量%以下、0.1質量%以下含まれてもよい。界面活性剤としては、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート等のソルビタン脂肪族エステル類;ポリオキシエチレンのソルビットテトラオレエート等のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンモノラウレート等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;ポリオキシエチレンオレイン酸アミド等のポリオキシエチレンアルキルアミン脂肪酸アミド類等のノニオン系界面活性剤が挙げられる。
(金属不動態化剤)
本溶剤組成物には、金属不動態化剤が含まれてもよい。例えば、本溶剤組成物において、金属不動態化剤は3質量%以下、1質量%以下、0.1質量%以下含まれてもよい。
(防錆剤)
本溶剤組成物には、防錆剤が含まれてもよい。例えば、本溶剤組成物において、防錆剤は3質量%以下、1質量%以下、0.1質量%以下含まれてもよい。
(増粘剤)
本溶剤組成物には、増粘剤が含まれてもよい。例えば、本溶剤組成物において、増粘剤は3質量%以下、1質量%以下、0.1質量%以下含まれてもよい。
本溶剤組成物は、HCFO-1233zdの合成過程で使用される原料資材や合成の副生成物、不純物、生成物に不可避的に随伴する水分などが含まれてもよい。例えば、ジクロロトリフルオロプロペン(HCFO-1223)、クロロテトラフルオロプロパン(HCFC-244)、クロロペンタフルオロプロパン(HCFC-235)、クロロテトラフルオロプロペン(HCFO-1224)、ジクロロテトラフルオロプロペン(HCFO-1214)、ペンタフルオロプロパン(HFC-245)、テトラフルオロプロペン(HFO-1234)、トリフルオロプロピン、クロロジフルオロプロピン、水、ヘキサフルオロプロペン、テトラフルオロエチレン、2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233xf)等が挙げられる。これらの成分に幾何異性体や位置異性体が存在する場合には、いずれかの異性体の単成分、あるいは混合物であってもよい。これらの量は、溶剤組成物の全量に対して、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下が特に好ましい。
(溶剤組成物の例示)
本溶剤組成物は、例えば、以下の組成が挙げられるが、この限りではない。
本溶剤組成物100質量%に対し、10質量%以上の1233zd(E)と、80質量%以下の1233zd(Z)と、0質量%又は0質量%超10質量%以下のその他の成分とを含む組成物;20質量%以上の1233zd(E)と、70質量%以下の1233zd(Z)と、0質量%又は0質量%超10質量%以下のその他の成分とを含む組成物;30質量%以上の1233zd(E)と、60質量%以下の1233zd(Z)と、0質量%又は0質量%超10質量%以下のその他の成分とを含む組成物;40質量%以上の1233zd(E)と、50質量%以下の1233zd(Z)と、0質量%又は0質量%超10質量%以下のその他の成分とを含む組成物;50質量%以上の1233zd(E)と、40質量%以下の1233zd(Z)と、0質量%又は0質量%超10質量%以下のその他の成分とを含む組成物;60質量%以上の1233zd(E)と、30質量%以下の1233zd(Z)と、0質量%又は0質量%超10質量%以下のその他の成分とを含む組成物;70質量%以上の1233zd(E)と、20質量%以下の1233zd(Z)と、0質量%又は0質量%超10質量%以下のその他の成分とを含む組成物;80質量%以上の1233zd(E)と、10質量%以下の1233zd(Z)と、0質量%又は0質量%超10質量%以下のその他の成分とを含む組成物;90質量%以上の1233zd(E)を含む組成物;95質量%以上の1233zd(E)を含む組成物;90質量%以上の1233zd(Z)を含む組成物;95質量%以上の1233zd(Z)を含む組成物;100質量%の1233zd(E)を含む組成物;100質量%の1233zd(Z)を含む組成物。
本溶剤組成物は、次の観点から、1233zd(E)を0質量%超含んでもよい。1233zd(E)を含む方が溶剤組成物は揮発しやすい。そのため溶剤組成物の揮発性の観点から1233zd(E)を0質量%超含んでも良い。冬季等の溶剤組成物がおかれる環境の温度が低い低温条件下では、1233zd(E)を含む溶剤組成物の方が揮発しやすい。また、1233zd(Z)より1233zd(E)の方がポリマーアタックが小さいため、1233zd(E)を含むことで、溶剤組成物を基材に接触させた際の、基材へのポリマーアタックが小さくなると考えられる。そのため、ポリマーアタックの抑制の観点から、1233zd(E)を0質量%超含んでも良い。
本溶剤組成物の一実施形態として、以下の態様を好ましく挙げることが出来る。
(態様1)
20℃における動粘度が0[mm/s]超1500[mm/s]未満であるクロロトリフルオロエチレン低重合体を溶解するための溶剤組成物であって、
溶剤組成物全量に対して、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd)を80質量%以上含み、
1233zdの総量に対してトランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))を含まない、あるいは、0質量%超含む溶剤組成物。
クロロトリフルオロエチレン低重合体の動粘度は、0[mm/s]超1500[mm/s]未満であればよく、0[mm/s]超500[mm/s]未満であってもよく、2[mm/s]以上400[mm/s]未満であってもよい。
上記動粘度を有するCTFE低重合体としては、上記一般式(1)で表される化合物が好ましく挙げられる。
本開示のCTFE低重合体を含む溶液の調製方法は、CTFE低重合体と上記の本溶剤組成物とを5~35℃にて混合する工程を含む。
混合温度は、5~35℃であればよく、5~15℃であってもよい。
また、混合温度は、10~35℃であってもよく、10℃~25℃であってもよい。
このような室温環境下においてCTFE低重合体と上記の本溶剤組成物とを混合することで両者を含む溶液が得られるため、加熱を要する従来の方法に比べて、本開示のCTFE低重合体を含む溶液の調製方法は、非常に簡便であるといえる。
CTFE低重合体と本溶剤組成物との混合方法としては、上記温度下において混合する限り特に限定されないが、例えば、CTFE低重合体を本溶剤組成物に添加して混合物を得、また本溶剤組成物にCTFE低重合体を添加して混合物を得、該混合物を所定時間撹拌すればよい。
撹拌時間は、CTFE低重合体が本溶剤組成物に溶解する限りにおいて特に限定されないが、例えば、1分~120分としてもよく、1分~30分としてもよい。
上記の調製方法において、圧力は特に限定されないが、例えば、10~200kPaが挙げられ、好ましくは、60kPa~130kPaである。
本開示の溶液の調製方法によって得られる溶液として、具体的には、上記態様1に記載の溶剤組成物に20℃における動粘度が0[mm/s]超1500[mm/s]未満であるCTFE低重合体を溶解させた溶液が挙げられる。
本開示の溶液の調製方法によって得られる溶液(100質量%)中のCTFE低重合体の含有量は、0.01~50質量%が好ましく、0.05~30質量%がより好ましく、0.1~20質量%が特に好ましいが、これらの含有量に限定されない。
本開示の溶液の調製方法によって得られる溶液(100質量%)中に、CTFE低重合体以外の成分が含まれても良い。含まれても良い化合物として、CTFE低重合体を製造する際に生じる低分子量体、高分子量体の他に、ポリテトラフルオロエチレン樹脂パウダー等のフッ素系固体潤滑剤が挙げられる。これらの中から一つを含んでいてもよく、いくつか含んでいてもよく、それらの含有量は合計で、3質量%以下、好ましくは、1質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下含まれてもよい。
本開示のCTFE低重合体を含む溶液の調製方法は、CTFE低重合体と上記の本溶剤組成物とを5~35℃にて混合する工程の他に、一般的な溶液の精製工程等の他の工程を含んでいてもよい。一般的な溶液の精製工程として、例えば、水分除去工程やパーティクル除去用の濾過工程が挙げられる。
[2.塗膜付き基材の製造方法]
本開示は、上述の本開示の溶液の調製方法を用いて、クロロトリフルオロエチレン低重合体と、1233zdを含む溶剤組成物とを含む塗膜形成用組成物を調製する工程と、前記塗膜形成用組成物を基材の表面に塗布した後、前記溶剤組成物の溶剤を蒸発除去して、前記クロロトリフルオロエチレン低重合体を含む塗膜を形成する工程と、を含む、塗膜付き基材の製造方法にも関する。
上記塗膜形成用溶剤組成物は、上述の本開示の溶液の調製方法を用いて調製される。上記塗膜形成用溶剤組成物は基本的にはCTFE低重合体と本溶剤組成物のみで構成される。
上記塗膜形成用溶剤組成物として、具体的には、上記態様1に記載の溶剤組成物と20℃における動粘度が0[mm/s]超1500[mm/s]未満であるCTFE低重合体とを含む塗膜形成用溶剤組成物が挙げられる。
上記塗膜形成用溶剤組成物(100質量%)中のCTFE低重合体の含有量は、0.01~50質量%が好ましく、0.05~30質量%がより好ましく、0.1~20質量%が特に好ましい。CTFE低重合体の含有量が上記範囲内であれば、塗膜形成用溶剤組成物を塗布したときの塗布膜の膜厚、および溶剤の蒸発除去(以下、乾燥ともいう。)後のCTFE低重合体を含む塗膜の厚さを適正範囲に調整しやすい。
上記塗膜形成用溶剤組成物を基材表面に塗布して基材表面に塗膜形成用溶剤組成物の膜を形成し、次いで、基材表面に形成された塗膜形成用溶剤組成物の膜から溶剤を蒸発除去することにより、基材表面にCTFE低重合体を含む塗膜が形成される。
上記塗膜形成用溶剤組成物の塗布方法としては、たとえば、刷毛による塗布、スプレーによる塗布、物品を塗膜形成用溶剤組成物に浸漬することによる塗布、塗膜形成用溶剤組成物を吸い上げることによりチューブや注射針の内壁に塗膜形成用溶剤組成物を接触させる塗布方法等が挙げられる。
塗膜形成用溶剤組成物から溶剤を蒸発除去する方法としては、公知の乾燥方法が挙げられる。乾燥方法としては、たとえば、風乾、加熱による乾燥等が挙げられる。乾燥温度は、20~100℃が好ましい。
本開示の塗膜付き基材の製造方法により、基材表面にCTFE低重合体を含む塗膜を形成した塗膜付き基材を製造することができる。塗膜形成用溶剤組成物が塗布される基材としては、金属、樹脂、ゴム、ガラス、セラミックス等、様々な材料からなる基材が採用される。
また、上記塗膜形成用溶剤組成物は、特に1233zd(E)を含む場合、樹脂材料を含む物品に対して影響なく塗布することができる。すなわち、塗膜形成用溶剤組成物に接触する基材表面の少なくとも一部の材料が樹脂材料であることも好適な態様の一つとして挙げられる。
塗膜付き基材の具体例としては、プラスチック材、ゴム材、金属材、ガラス材、実装回収板等への防湿性や防汚性を付与するために用いられた機器が挙げられる。
上記塗膜形成用組成物は、特に1233zd(E)を含む場合、樹脂材料に対する影響が小さいため、樹脂材料にCTFE低重合体を含む塗膜を形成する際に特に好適に用いうる。
[3.物品の洗浄方法]
本開示の物品の洗浄方法は、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd)を含む溶剤組成物を含む洗浄剤を用いて、CTFEが付着した物品から前記CTFE低重合体を5~35℃にて除去する、物品の洗浄方法である。
洗浄剤と除去するCTFE低重合体の具体的な組み合わせとしては、上記態様1に記載の溶剤組成物を含む洗浄剤と20℃における動粘度が0[mm/s]超1500[mm/s]未満であるCTFE低重合体が挙げられる。
本開示の物品の洗浄方法は、CTFE低重合体が付着した物品に対して本溶剤組成物を含む洗浄剤を5~35℃にて接触させること以外は特に限定されない。本溶剤組成物を含む洗浄剤とCTFE低重合体が付着した物品とを接触させることで、当該物品からCTFE低重合体を除去することができる。この接触としては、例えば、手拭き洗浄、浸漬洗浄、スプレー洗浄、浸漬揺動洗浄、浸漬超音波洗浄、煮沸洗浄、蒸気洗浄、これらを組み合わせ等による方法が挙げられるが、この限りではない。
接触温度は、5~35℃であればよく、5~15℃であってもよい。
また、接触温度は、10~25℃であってもよい。本開示の物品の洗浄方法は、室温環境下においてCTFEの洗浄が可能であるため、非常に簡便であると言える。
この物品としては、金属、樹脂、ゴム、繊維、ガラス、セラミックス、これらの複合材料からなる材質のものが挙げられる。複合材料としては、金属と樹脂の積層体等が挙げられる。この物品は、具体的には、精密機械部品、電子材料(プリント基板、液晶表示器、磁気記録部品、半導体材料等)、樹脂加工部品、光学レンズ、繊維製品、医療器具等が挙げられるが、これらに限定されない。
特に、1233zd(E)を0質量%超含む溶剤組成物を含む洗浄剤は、PC(ポリカーボネート)、アクリル樹脂、ABS樹脂等の各種樹脂への悪影響(例えば、これらの樹脂の変質、失透)が少ないため、このような樹脂を物品の材料として用いる実施形態において特に有効である。
上記洗浄剤は、本開示の効果を損なわない範囲において、本溶剤組成物以外の成分を含んでいてもよい。
上記洗浄剤は、本溶剤組成物を洗浄剤全量に対して、80質量%以上含むことが好ましく、90質量%以上がより好ましく、100質量%、すなわち上記洗浄剤が溶剤組成物のみからなることが好ましい。
[4.1233zdを含む溶剤組成物]
本開示は、本溶剤組成物、すなわち、クロロトリフルオロエチレン低重合体を溶解するための溶剤組成物であって、1233zdを含む溶剤組成物にも関する。本溶剤組成物は、クロロトリフルオロエチレン低重合体を溶解するための溶剤組成物であって、前記溶剤組成物全量に対して、1233zdを80質量%以上含む溶剤組成物であることが好ましい。
クロロトリフルオロエチレン低重合体及び溶剤組成物についての詳細は、[1.CTFE低重合体を含む溶液の調製方法]における、<クロロトリフルオロエチレン低重合体>及び<HCFO-1233zdを含む溶剤組成物>の説明をそのまま援用し得る。
本開示は、上記溶剤組成物の用途にも関する。用途について以下に記載する。
[5.本溶剤組成物と、CTFE低重合体とを含む、溶液]
本開示は、本溶剤組成物とCTFE低重合体とを含む溶液にも関する。本溶剤組成物は、CTFE低重合体を溶解させて、本溶剤組成物とCTFE低重合体とを含む溶液とすることができる。この溶液は、例えば、後述のフッ素系潤滑剤の塗膜を形成するための溶液(以下、「塗膜形成用溶剤組成物」ともいう)として用いることができる。
HCFO-1233zdを含む本溶剤組成物は、蒸発速度が大きく、塗布物品から速やかに蒸発させることができるため、塗膜付物品の製造に好適である。本溶剤組成物100質量%に対し、HCFO-1233zdが80質量%以上、より好ましくは、90質量%以上含まれる場合が特に好適である。
本溶剤組成物とCTFE低重合体とを含む溶液として、具体的には、上記態様1に記載の溶剤組成物に20℃における動粘度が0[mm/s]超1500[mm/s]未満であるCTFE低重合体を溶解させた溶液が挙げられる。
CTFE低重合体を本溶剤組成物に溶解させた溶液は、溶解直後にとどまらず、長期(例えば3日以上、10日以上)にわたって均一性を示し、溶液状態での安定性(溶解安定性)に優れる。このため、CTFE低重合体を含む塗膜を物品表面に形成するための溶液(塗布用溶液)として安定的に供給することができる。
また、本溶剤組成物を洗浄剤として用いる場合、物品からCTFE低重合体を除去する際に、CTFE低重合体と本溶剤組成物との溶液(以下、「洗浄工程後の溶液」ともいう)が形成される。本溶剤組成物のリサイクルのために、この洗浄工程後の溶液は回収された後に蒸留等の精製操作が施され、本溶剤組成物が回収される。このリサイクルは、一般的な方法においては、洗浄工程とは別途に行われるため、回収から精製操作までに長時間要することもある。この間、本洗浄工程後の溶液においては、CTFE低重合体と本溶剤組成物とが均一性を示すため、CTFE低重合体が回収容器に粘着したり、精製の妨げになることが少なく、本溶剤組成物の効率的なリサイクルが可能となる。
本溶剤組成物と、CTFE低重合体とを含む、溶液(100質量%)中のCTFE低重合体の含有量は、0.01~50質量%が好ましく、0.05~30質量%がより好ましく、0.1~20質量%が特に好ましいが、これらの含有量に限定されない。
本溶剤組成物と、CTFE低重合体とを含む、溶液(100質量%)中に、CTFE低重合体以外の成分が含まれても良い。含まれても良い化合物として、CTFE低重合体を製造する際に生じる低分子量体、高分子量体の他に、ポリテトラフルオロエチレン樹脂パウダー等のフッ素系固体潤滑剤が挙げられる。これらの中から一つを含んでいてもよく、いくつか含んでいてもよく、それらの含有量は合計で、3質量%以下、好ましくは、1質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下含まれてもよい。
本溶剤組成物とCTFE低重合体とを含む溶液の調製方法は特に限定されないが、上述の[1.CTFE低重合体を含む溶液の調製方法]に記載の方法を用いることが好ましい。
[6.洗浄剤]
本開示の洗浄剤は、本溶剤組成物を含む。
本溶剤組成物は、溶剤としての性能に優れるため、CTFE低重合体を除去するための洗浄剤として使用できる。
洗浄剤と除去するCTFE低重合体の具体的な組み合わせとしては、上記態様1に記載の溶剤組成物を含む洗浄剤と20℃における動粘度が0[mm/s]超1500[mm/s]未満であるCTFEが挙げられる。
本開示の洗浄剤は、本開示の効果を損なわない範囲において、本溶剤組成物以外の成分を含んでいてもよい。
本開示の洗浄剤は、本溶剤組成物を洗浄剤全量に対して、80質量%以上含むことが好ましく、90質量%以上がより好ましく、100質量%、すなわち本開示の洗浄剤が本溶剤組成物のみからなることが好ましい。
本開示の洗浄剤を用いて、CTFE低重合体が付着した物品から前記CTFE低重合体を除去することができる。
本開示の洗浄剤を用いる物品の洗浄方法は、CTFE低重合体が付着した物品に対して本開示の洗浄剤を接触させること以外は特に限定されない。本開示の洗浄剤とCTFE低重合体が付着した物品とを接触させることで、当該物品からCTFE低重合体を除去することができる。この接触としては、例えば、手拭き洗浄、浸漬洗浄、スプレー洗浄、浸漬揺動洗浄、浸漬超音波洗浄、煮沸洗浄、蒸気洗浄、これらを組み合わせ等による方法が挙げられるが、この限りではない。物品の洗浄方法としては、上述の[3.物品の洗浄方法]に記載の方法を用いることが好ましい。
この物品としては、[3.物品の洗浄方法]に記載の物品が挙げられる。
特に、1233zd(E)を0質量%超含む溶剤組成物を含む洗浄剤は、PC(ポリカーボネート)、アクリル樹脂、ABS樹脂等の各種樹脂への悪影響(例えば、これらの樹脂の変質、失透)が少ないため、このような樹脂を物品の材料として用いる実施形態において特に有効である。
[7.塗膜形成用溶剤組成物]
本溶剤組成物は、CTFE低重合体を含む塗膜を形成するための溶剤としても使用できる。
本開示のCTFE低重合体を物品に塗布して塗膜を形成するための溶剤組成物(以下、塗膜形成用溶剤組成物ともいう)は、本溶剤組成物およびCTFE低重合体を含む。
本溶剤組成物とCTFE低重合体とを含む塗膜形成用溶剤組成物として、具体的には、上記態様1に記載の溶剤組成物と20℃における動粘度が0[mm/s]超1500[mm/s]未満であるCTFE低重合体とを含む塗膜形成用溶剤組成物が挙げられる。
本開示の塗膜形成用溶剤組成物は、通常、本溶液組成物にCTFE低重合体を溶解した溶液状の組成物として調製される。塗膜形成用溶剤組成物の調製方法は、CTFE低重合体を所定の割合で本溶剤組成物に均一に溶解できる方法であれば特に制限されないが、上述の[1.CTFE低重合体を含む溶液の調製方法]に記載の方法を用いることが好ましい。本開示の塗膜形成用溶剤組成物は基本的にはCTFE低重合体と本溶剤組成物のみで構成される。
本開示の塗膜形成用溶剤組成物(100質量%)中のCTFE低重合体の含有量は、0.01~50質量%が好ましく、0.05~30質量%がより好ましく、0.1~20質量%が特に好ましい。CTFE低重合体の含有量が上記範囲内であれば、塗膜形成用溶剤組成物を塗布したときの塗布膜の膜厚、および溶剤の蒸発除去(以下、乾燥ともいう。)後のCTFE低重合体を含む塗膜の厚さを適正範囲に調整しやすい。
本開示の塗膜形成用溶剤組成物を用いて塗膜付き基材を製造する方法としては、本開示の塗膜形成用溶剤組成物を基材の表面に塗布した後、本溶剤組成物の溶剤を蒸発除去して、CTFE低重合体を含む塗膜を形成する方法が挙げられる。
塗膜形成用溶剤組成物の塗布方法、塗膜形成用溶剤組成物から溶剤を蒸発除去する方法、塗膜形成用溶剤組成物が塗布される基材、塗膜付き基材の具体例としては、上述の[2.塗膜付き基材の製造方法]の記載をそのまま援用し得る。
本開示の塗膜形成用組成物は、特に1233zd(E)を含む場合、樹脂材料に対する影響が小さいため、樹脂材料にCTFE低重合体を含む塗膜を形成する際に特に好適に用いうる。
[8.溶剤組成物とフッ素系潤滑剤とを含む溶液のエアゾール]
本開示は、本開示の溶液(本溶剤組成物とCTFE低重合体とを含む溶液)と、噴射剤とが充填されたエアゾールにも関する。
本開示の溶液は、噴射剤とともに、あるいは噴射剤とは別に、容器に充填された、エアゾールとして用いることもできる。
エアゾールには溶質が充填されてもよい。溶質は、本開示の溶液に溶解させてエアゾールに充填してもよいし、本開示の溶液や噴射剤とは別に、容器に充填されてもよい。
噴射剤としては液化ガスおよび圧縮ガスが挙げられる。エアゾールに用いる液化ガスとしては、ジメチルエーテル(DME)、液化石油ガス(LPG)、プロパン、ブタン、イソブタン、1,1-ジフルオロエタン(HFC-152a)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134a)、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)等が挙げられる。圧縮ガスとしては、窒素、二酸化炭素、亜酸化窒素等が挙げられる。また、噴射剤には空気が含まれたり、圧縮空気が用いられることもある。噴射剤は、1種単独あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよく、液化ガスおよび、圧縮ガスのどちらを用いてもよく、液化ガスと圧縮ガスとを組合せて用いてもよい。
本開示で使用する噴射剤は0℃における圧力が大気圧(101.3kPa)以上であることが好ましい。
エアゾールに含まれる噴射剤は、噴霧器に封入した際の内部の圧力が35℃において0.2~1MPaであることが好ましい。
[9.溶剤組成物を含む洗浄剤のエアゾール]
本開示は、本溶剤組成物を含む洗浄剤と、噴射剤とが充填されたエアゾールにも関する。
本溶剤組成物を含む洗浄剤は、噴射剤とともに、あるいは噴射剤とは別に、容器に充填された、エアゾールとして用いることもできる。
エアゾールには溶質が充填されてもよい。溶質は、本溶剤組成物を含む洗浄剤に溶解させてエアゾールに充填してもよいし、本溶剤組成物を含む洗浄剤や噴射剤とは別に、容器に充填されてもよい。
噴射剤は、前述の噴射剤と同様である。
以下、実施例により本開示に係る実施形態を詳細に説明するが、本開示の実施形態は実施例に限定されるものではない。
本実施例において、クロロトリフルオロエチレン低重合体として、以下に示す市販のCTFE#1、#2のいずれかを使用した。
(CTFE#1)
・ダイフロイル#1(ダイキン工業株式会社製)
・20℃における動粘度5[mm/s]
なお、CTFE#1を構成する化合物は、上述の一般式(1)を満たす。
(CTFE#2)
・ダイフロイル#2(ダイキン工業株式会社製)
・20℃における動粘度350[mm/s]
なお、CTFE#2を構成する化合物は、上述の一般式(1)を満たす。
<1.CTFE低重合体溶液の溶解性試験-1>
(溶剤組成物の調製)
20℃の大気圧下(101.3kPa下)において、HCFO-1233zd(E)/HCFO-1233zd(Z)を表1に示す質量比にて混合し、組成比の異なる溶剤組成物1~11を調製した。HCFO-1233zd(E)は、量り取り易くするために予め約5℃に冷却したものを用いた。溶剤組成物1はHCFO-1233zd(Z)単独の溶剤組成物であり、溶剤組成物2~10はHCFO-1233zd(E)/HCFO-1233zd(Z)混合溶剤であり、溶剤組成物11はHCFO-1233zd(E)単独の溶剤組成物である。
[実施例1]
(溶解性評価)
20℃の大気圧下において、10mL硝子製スクリュー管瓶に、量り取り易くするために予め約5℃に冷却した上記溶剤組成物1を9g入れた後に、CTFE#1を1g入れ、十分に混合した。これを密閉状態、室温(20℃)、遮光下で1時間静置し、実施例1(例1-#1)の評価サンプルとした。
[実施例2]
CTFE#1をCTFE#2に変更した以外は、例1-#1と同様にして、実施例2(例1-#2)の評価サンプルを得た。
[実施例3~22]
さらに、溶剤組成物1を溶剤組成物2~11に変更した以外は、例1-#1~例1-#2と同様にして、実施例3~22(例2-#1~例2-#2、例3-#1~例3-#2、例4-#1~例4-#2、例5-#1~例5-#2、例6-#1~例6-#2、例7-#1~例7-#2、例8-#1~例8-#2、例9-#1~例9-#2、例10-#1~例10-#2、及び例11-#1~例11-#2)の評価サンプルを得た。例えば、例2-#1は実施例3、例2-#2は実施例4、例3-#1は実施例5、例3-#2は実施例6となる。
得られた評価サンプルそれぞれの液の状態を目視で観察した。溶液が無色透明(濁りが無い)状態のものを「A」と評価し、明らかに二層分離が生じた状態のものを「B」と評価した。その結果を表1に示す。
なお、表1中、用いたCTFE低重合体(CTFE#1~#2)の下段に記載されている数値は、各化合物の20℃における動粘度である。
Figure 2023158659000002
表1中に示したCTFE低重合体と溶剤組成物の組み合わせ全てにおいて、溶剤組成物がCTFE低重合体を十分に溶解し、いずれも無色透明であった。
例えば、実施例1においては、溶剤組成物1は、CTFE#1を溶解するための溶剤組成物として機能しており、溶剤組成物1とCTFE#1とを含む溶液が得られている。このように、室温条件下でCTFE低重合体を含む溶液が簡便に得られた。
また、表1中に示したCTFE低重合体と溶剤組成物の組み合わせ全てにおいて、25℃下3日間保存した結果、分離や着色が見られず、溶液は安定性に問題がなかった。
<2.CTFE低重合体溶液の溶解性試験-2>
[実施例23]
(溶解性評価)
20℃の大気圧下において、10mL硝子製スクリュー管瓶に、量り取り易くするために予め約5℃に冷却した上記溶剤組成物1を5g入れた後に、CTFE#1を5g入れ、十分に混合した。これを密閉状態、室温(20℃)、遮光下で1時間静置し、実施例23(例1-#1-2)の評価サンプルとした。
[実施例24]
CTFE#1をCTFE#2に変更した以外は、例1-#1-2と同様にして、実施例24(例1-#2-2)の評価サンプルを得た。
[実施例25~26]
さらに、溶剤組成物1を溶剤組成物11に変更した以外は、例1-#1-2~例1-#2-2と同様にして、実施例25~26(例11-#1-2~例11-#2-2)の評価サンプルを得た。
得られた評価サンプルそれぞれの液について、上記と同様に評価した。その結果を表2に示す。
Figure 2023158659000003
表2中に示したCTFE低重合体と溶剤組成物の組み合わせ全てにおいて、溶剤組成物がCTFE低重合体を十分に溶解し、いずれも無色透明であった。
このように、CTFE低重合体の濃度を50質量%と高濃度として場合においても、室温条件下でCTFE低重合体を含む溶液が簡便に得られ、本溶剤組成物はCTFE低重合体を溶解するための溶剤組成物として機能していることが分かった。
また、表2中に示したCTFE低重合体と溶剤組成物の組み合わせ全てにおいて、25℃下3日間保存した結果、分離や着色が見られず、溶液は安定性に問題がなかった。
<3.塗布性、乾燥性評価試験>
[実施例27]
実施例1に用いたCTFE低重合体と溶剤組成物の組み合わせ(CTFE#1とHCFO-1233zd(Z))において、CTFE低重合体の濃度が0.5質量%であるCTFE低重合体溶液を、CTFE低重合体の濃度を変更したこと以外は実施例1と同様にして調製した。このCTFE低重合体溶液をSUS316製テストピース上に塗布し、溶剤を風乾することにより、SUS316製テストピース表面に膜厚2nmのCTFE塗膜を形成した。得られた塗膜の状態を目視で確認した。塗膜にムラが見られず、塗布性が良好であった。
<4.洗浄性試験>
[実施例28]
300mL硝子製ビーカーにCTFE#1を200g入れた。次に、SUS316製テストピース(30mm×15mm×2mm)1枚をCTFE#1中に完全に浸漬させた。このテストピースをCTFE#1中から取り出して目視で確認したところ、テストピース表面にはCTFE#1が付着していた。
その後、500mL硝子製ビーカーに溶剤組成物6(HCFO-1233zd(E)/HCFO-1233zd(Z)=50/50(質量比))を200g入れ、前記CTFE#1が付着したSUSテストピースを完全に浸漬するように入れ、20℃2分間超音波洗浄(超音波発振器:Alex Corporation社製 ネオソニック、出力100W、周波数28kHz)した。その後、テストピースを取り出し、80℃で5分間乾燥した後、テストピースの表面を目視観察したところ、テストピース表面に汚れは確認されなかった。
なお、CTFE#1と上記溶剤組成物6の組み合わせは、実施例11(例6-#1)において用いたCTFE低重合体と溶剤組成物の組み合わせである。
実施例28により、本溶剤組成物の良好なCTFE低重合体の洗浄性が示された。また、室温条件下で簡便に洗浄できることが分かった。

Claims (14)

  1. クロロトリフルオロエチレン低重合体と、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd)を含む溶剤組成物とを含む溶液の調製方法であって、
    前記クロロトリフルオロエチレン低重合体と前記溶剤組成物とを5~35℃にて混合する工程を含む、溶液の調製方法。
  2. 前記溶剤組成物全量に対して、前記1233zdを80質量%以上含む、請求項1に記載の溶液の調製方法。
  3. 前記溶剤組成物が、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)類、ハイドロフルオロカーボン(HFC)類、ハイドロフルオロエーテル(HFE)類、及びハイドロフルオロオレフィン(HFO)類からなる群より選ばれる少なくとも一種の有機溶剤をさらに含む、請求項1に記載の溶液の調製方法。
  4. 前記溶剤組成物が、安定剤、難燃剤、界面活性剤、金属不動態化剤、防錆剤、および増粘剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分をさらに含む、請求項1に記載の溶液の調製方法。
  5. 前記クロロトリフルオロエチレン低重合体の20℃における動粘度が0[mm/s]超である、請求項1に記載の溶液の調製方法。
  6. 前記クロロトリフルオロエチレン低重合体の20℃における動粘度が0[mm/s]超500[mm/s]未満である、請求項1に記載の溶液の調製方法。
  7. 請求項1に記載の溶液の調製方法を用いて、前記クロロトリフルオロエチレン低重合体と、前記1233zdを含む溶剤組成物とを含む塗膜形成用組成物を調製する工程と、
    前記塗膜形成用組成物を基材の表面に塗布した後、前記溶剤組成物の溶剤を蒸発除去して、前記クロロトリフルオロエチレン低重合体を含む塗膜を形成する工程と、を含む、塗膜付き基材の製造方法。
  8. 1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd)を含む溶剤組成物を含む洗浄剤を用いて、クロロトリフルオロエチレン低重合体が付着した物品から前記クロロトリフルオロエチレン低重合体を5~35℃にて除去する、物品の洗浄方法。
  9. クロロトリフルオロエチレン低重合体を溶解するための溶剤組成物であって、
    前記溶剤組成物全量に対して、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd)を80質量%以上含む溶剤組成物。
  10. 請求項9に記載の溶剤組成物とクロロトリフルオロエチレン低重合体とを含む、溶液。
  11. 請求項9に記載の溶剤組成物を含む、洗浄剤。
  12. 請求項9に記載の溶剤組成物と、クロロトリフルオロエチレン低重合体とを含む、塗膜形成用溶剤組成物。
  13. 請求項10に記載の溶液と、噴射剤とが充填された、エアゾール。
  14. 請求項11に記載の洗浄剤と、噴射剤とが充填された、エアゾール。
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