JP6519868B2 - アレーアンテナ装置 - Google Patents

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Description

本開示は、電波を照射するアレーアンテナ装置に関する。
無線通信、または、無線測位に用いられるアレーアンテナ装置として、例えば、マイクロストリップ構造を有するアレーアンテナ装置がある。
特許文献1には、主給電ストリップ線路に接続される副給電ストリップ線路と、副給電ストリップ線路の終端に接続される矩形状の放射素子と、放射素子と主給電ストリップ線路との間に設けられるスタブから構成されるアレー素子が複数配列されたアレーアンテナ装置が開示されている。
特許第5091044号公報
しかしながら、上述した特許文献1の従来技術では、アレー素子の放射量の制御範囲が約30%〜40%と狭いため、アレーアンテナ装置から放射される電波のサイドローブを抑圧することが困難である。また、特許文献1の従来技術は、アレー素子のサイズが大きいため、主給電ストリップ線路の短手方向にアレーアンテナ装置を複数個配列する構造の場合に、短手方向の間隔が大きくなり、装置全体が大型化してしまう。また、短手方向の間隔が大きくなるとグレーティングローブが発生し易くなり、サイドローブが上昇することによって、利得が低下し、レーダ装置で使用する場合、誤検出の原因となる。
本開示は、放射される電波のサイドローブを抑圧し、間隔を狭くしてアンテナの小型化を図ることができるアレーアンテナ装置を提供する。
本開示のアレーアンテナ装置は、基板と、前記基板に設けられる直線形状のストリップ導体と、前記ストリップ導体に電力を供給する給電部と、前記基板の第1面に前記ストリップ導体に沿って所定間隔毎に配置され、一部に切り欠きを有する複数のループ素子と、前記基板の前記第1面の裏面である第2面に配置された導体板と、前記ストリップ導体に電気的に接続され、前記ループ素子の外周の一部に沿った形状の給電素子と、を具備する。
本開示によれば、放射される電波のサイドローブを抑圧し、アンテナの小型化を図ることができる。
特許文献1に記載のアレーアンテナの構成を示す図 本開示の実施の形態1に係るアレーアンテナ装置の外観を示す斜視図 本開示の実施の形態1に係るアレーアンテナ装置の平面図 本開示の実施の形態1に係るアレーアンテナ装置の断面図 ループ素子からの電波の放射原理を説明する図 給電素子が設けられた構成を示す図 給電素子が設けられていない構成を示す図 図4A、図4Bの構成において間隔Sの変化に対する結合量の変化を示すグラフ 図4Aの構成において給電素子のY方向のサイズFLを変化した時の結合量の変化を示すグラフ 本開示の実施の形態1に係るアレーアンテナ装置の平面図 アレーアンテナ装置における各アンテナ素子の結合量の一例を示す図 図8に示す各アンテナ素子の結合量から算出した、各アンテナ素子の振幅値を示す図 図9の振幅値から算出したアレーアンテナ装置の長手方向(YZ面)の放射パターンを示す図 ストリップ導体の短手方向(X方向)にアレーアンテナ装置を4列配置した構成の一例を示す図 図11の構成において間隔DFを変化した時のXZ面における放射パターンを示す図 本開示の実施の形態1に係るアレーアンテナ装置の別のバリエーションを示す平面図 図7のサブアレーの別の構成の一例を示す図 給電素子の別の構成の一例を示す図 本開示の実施の形態2に係るアレーアンテナ装置の一例を示す図 本開示の実施の形態2に係るアンテナ素子の構成の一例を示す図 ループ素子と給電素子との間隔Gと結合量の関係を示す図 アレーアンテナ装置における各アンテナ素子の結合量の一例を示す図 図19に示す各アンテナ素子の結合量から算出したアレーアンテナ装置の長手方向の放射パターンを示す図 給電線路の短手方向に間隔Dごとに4つのアレーアンテナ装置が配置される場合の放射パターンを示す図 本開示の実施の形態2における電波放射の原理について説明する図 本開示の実施の形態2における給電線路の位置のバリエーションの一例であり、アンテナ素子の俯瞰図 本開示の実施の形態2における給電線路の位置のバリエーションの一例であり、アンテナ素子が設けられた位置の基板の断面図を模式的に示す図 本開示の実施の形態2における給電線路の位置のバリエーションの別の一例を示す図 本開示の実施の形態2における給電線路と給電素子との接続の一例を示す図
(本開示に至る経緯)
まず、本開示に至る経緯について説明する。具体的には、アレーアンテナ装置を車両に搭載されるレーダ装置に用いる場合に、本開示において着目する構成を説明する。
一般に、アレーアンテナなどの指向性アンテナから放射される電波は、所望の方向に向けられるメインローブの他に、所望の方向に対してずれた方向に向けられるサイドローブを含んでいる。
車両に搭載されるレーダ装置は、所望の方向の物体を検知するために、メインローブを所望の方向に向ける。しかしながら、レーダ装置が大きなサイドローブを含む電波を放射すると、所望の方向に物体が存在しない場合でも、サイドローブの影響により所望の方向に物体があると誤検出を起こす可能性があった。
ここで、車両に搭載されるレーダ装置として、例えば、特許文献1に記載のアレーアンテナを用いる場合について説明する。
図1は、特許文献1に記載のアレーアンテナの構成を示す図である。図1に示すアレーアンテナは、背面に導体の接地板が形成された誘電体基板1404上にストリップ導体が形成された構成を有するマイクロストリップアレーアンテナである。
誘電体基板1404上に形成されたストリップ導体は、直線状に配置された主給電ストリップ線路1405と、主給電ストリップ線路1405の両側辺のうち少なくとも一方の側辺に沿って所定間隔で、主給電ストリップ線路1405の側辺に接続された複数のアレー素子(図1の場合6素子のアレー素子)を含む構成である。
具体的に、6素子のアレー素子は、それぞれ、主給電ストリップ線路1405に接続された副給電ストリップ線路1402a〜fと、副給電ストリップ線路1402a〜fの終端に接続された矩形状の放射アンテナ素子1403a〜fと、副給電ストリップ線路1402a〜fにおける主給電ストリップ線路1405との接続位置から放射アンテナ素子1403a〜fとの接続位置までの間の所定の位置に接続されたスタブ1401a〜fとを有する。
そして、図1に示すアレーアンテナは、スタブ1401a〜fに流れる電流によって生じる放射電界の方向が、放射アンテナ素子1403a〜fからの放射電界の方向と同方向になるアレー素子を配設することによって、放射アンテナ素子1403a〜fからの反射量を小さく抑え、高い放射量を実現することができ、さらに不要な交差偏波成分を抑制することができる。
しかしながら、図1に示す特許文献1の従来技術では、アレー素子の放射量の制御範囲が約30%〜40%と狭いため、アレーアンテナ装置から放射される電波のサイドローブを抑圧することが困難である。また、特許文献1の従来技術は、アレー素子のサイズが大きいため、主給電ストリップ線路の短手方向にアレーアンテナ装置を複数個配列する構造の場合に、短手方向の間隔が大きくなり、装置全体が大型化してしまう。また、短手方向の間隔が大きくなることによって、グレーティングローブが発生し易くなり、サイドローブが上昇することによって、利得が低下し、レーダ装置で使用する場合、誤検出の原因となる。
そこで、アンテナ素子の形状および給電構造を工夫することによってアレーアンテナ装置が放射する電波のサイドローブを抑圧し、交差偏波比を減少できることに着目し、本開示に至った。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する各実施の形態は一例であり、本開示はこれらの実施の形態により限定されるものではない。
(実施の形態1)
図2Aは、本開示の実施の形態1に係るアレーアンテナ装置10の外観を示す斜視図である。図2Bは、本開示の実施の形態1に係るアレーアンテナ装置10の平面図である。図2Cは、本開示の実施の形態1に係るアレーアンテナ装置の断面図である。なお、図2Cは、図2Bに示すアレーアンテナ装置10の破線16における断面を示している。図2A〜Cにおいて、アレーアンテナ装置10の長手方向をY方向とし、短手方向(幅方向)をX方向、厚さ方向をZ方向とする。
アレーアンテナ装置10は、基板11と、基板11の一方の面(第1面)に配置されたストリップ導体12と、基板11の一方の面にストリップ導体12に沿って所定間隔D毎に配置される複数のループ素子14a〜eと、ストリップ導体12に接続され、ループ素子14a〜eの外周の一部に沿った形状の給電素子17a〜eと、基板11の他方の面(第2面)に配置された導体板13と、ストリップ導体12の一端に設けられる入力端15と、を具備する。
基板11は、例えば、厚さt、比誘電率εrの両面銅張基板である。ストリップ導体12は、例えば、基板11の一方の面に銅箔パターンによって形成される。導体板13は、例えば、基板11の他方の面に銅箔パターンによって形成される。図2A〜Cに示すアレーアンテナ装置10では、ストリップ導体12と導体板13とがマイクロストリップラインを構成する。
ループ素子14a〜eは、ストリップ導体12が形成された基板11の面に形成された、一部に切り欠き部を有する、内周の半径R、素子の幅Wの円形状の導体である。各々のループ素子14a〜eは、隣接するループ素子と所定間隔D離れて、Y方向にストリップ導体12に沿って配置される。なお、図2A〜Cでは、5素子のループ素子14a〜eを有するアレーアンテナ装置について説明するが、本開示はこれに限定されない。
ループ素子14a〜eが有する切り欠き部は、ストリップ導体12と平行な破線16に対して45度方向に設けられる。また、ループ素子14a〜eは、放射電波の約1波長となる周囲長を有する開ループ構造である。
なお、本開示におけるループ素子14a〜eの切り欠き部の方向、および、周囲長は、これに限定されない。
入力端15は、ストリップ導体12の端部のうち、電力が供給される端部であり、後述する給電部(図7等参照)に接続している。
給電素子17a〜eは、ストリップ導体12のループ素子14a〜eが設けられる側に突出して、ストリップ導体12と一体となって銅箔パターンによって形成される。給電素子17a〜eは、それぞれ、ループ素子14a〜eと電磁界結合し、電力を供給する。給電素子17a〜eは、ストリップ導体12と接続する第1辺と、ループ素子14a〜eの外周の一部と所定の間隔S離れて略平行となる第2辺を少なくとも有する。
別言すれば、給電素子17a〜eの第2辺は、ループ素子の中心を円の中心とし、ループ素子の内周の半径Rとループ素子の幅Wと間隔Sとの和を半径として描いた円の円弧の一部である。
図2A〜Cに示すアレーアンテナ装置10において、各々のループ素子14a〜14eは、ストリップ導体12と給電素子17a〜eから所定の間隔S離して配置することにより、ループ素子14a〜eはストリップ導体12および給電素子17a〜eと電磁界的に結合する(図2B参照)。
上記構成により、ストリップ導体12の入力端15から給電された電力は、ストリップ導体12および給電素子17a〜eと各々のループ素子14a〜eとの電磁界結合により、ループ素子14a〜eの順に供給される。即ち、アレーアンテナ装置10は、各々のループ素子14a〜eを放射素子としたアレーアンテナとして動作する。
また、間隔Dを約λg(λgはストリップ導体12を伝搬する信号の実効的な波長)に設定することにより、各々のループ素子14a〜eは同位相において励振され、+Z方向に最大利得を有するビームの放射指向性を実現できる。
次に、本実施の形態1のアレーアンテナ装置10における各々のループ素子14a〜eからの電波の放射原理について、図3を参照して説明する。図3は、ループ素子14aからの電波の放射原理を説明する図である。図3では、アレーアンテナ装置10におけるループ素子14aおよび給電素子17aを抜粋して説明するが、他のループ素子14b〜eからの電波の放射原理も同様である。
入力端15(図2A〜C参照)から供給される電力Pinは、ストリップ導体12および給電素子17aとループ素子14aとの電磁界結合により、一部の電力がループ素子14aから放射される。ループ素子14aの切り欠き部18aは、ループ素子14aの中心Oと切り欠き部18aの略中央を結ぶ矢印23とストリップ導体12とのなす角が45°になる位置に設けられる。
切り欠き部18aの略中央とは、切り欠き部18aの内周側の端点24a、24cを結ぶ線分の中点である。つまり、切り欠き部18aは、ループ素子14aの中心Oと端点24a、24cを結ぶ線分の中点を結ぶ矢印23とストリップ導体12とのなす角が45°になる位置に設けられる。
また、切り欠き部18aの外周側の端点をそれぞれ点24b、24dとし、矢印23とループ素子14aの外周との交点24eとすると、ループ素子14aの外周側における、点24bから交点24eまでの長さ、および、点24dから交点24eまでの長さは、略同一であり、それぞれ長さは約1/2λgである。
図3に示す位置に切り欠き部18aを設けたことにより、ループ素子14a上には、矢印22aに示す方向の電流と、矢印22bに示す方向の電流とが生じる。
これにより、ループ素子14aは、ストリップ導体12と平行なY軸方向から+X方向へ45度回転した方向(矢印23の方向)の偏波を有する放射素子として動作する。なお、図3では、ループ素子14aの+Y方向から+X方向に45度シフトした位置に切り欠き部18aを設けた場合を説明したが、−Y方向から−X方向に45度シフトした位置に切り欠き部を設けた場合でも、同様に、矢印23の方向の斜め偏波特性が得られる。
また、ループ素子14aにおける放射電力以外の電力には、透過電力Pthと、ストリップ導体12とループ素子14aとのインピーダンス不整合により入力端15に戻る反射電力Prefとがある。従って、ループ素子14aからの放射電力は、入力電力Pinから透過電力Pthと反射電力Prefとを差し引いた値となる。また、透過電力Pthはループ素子14bの入力電力となり、以降のループ素子14c、14d、14eにおいて同様に動作する。
ループ素子14aから放射される電波の放射量は、ストリップ導体12と給電素子17aからループ素子14aへの電磁界的な結合における結合量によって制御される。ここで、給電素子17aの有無による結合量の違いについて説明する。
図4Aは、給電素子17aが設けられた構成を示す図であり、図4Bは、給電素子17aが設けられていない構成を示す図である。図5は、図4A、図4Bの構成において間隔Sの変化に対する結合量の変化を示すグラフである。
図5に示す結合量の変化は、図4A、Bの基板11、ストリップ導体12、ループ素子14a、給電素子17aのサイズに数値を与えて算出したものである。具体的には、基板11の厚みtを0.064λ(λ:動作周波数における自由空間波長)、基板11の比誘電率εrを3.4としている。ストリップ導体12の幅WFを0.05λとする。また、ループ素子14aの外周側の直径DLを0.22λ、ループ素子14aの素子幅Wを0.04λとしている。給電素子17aのY方向のサイズFWを0.17λとし、X方向のサイズFLを0.1λとする。
なお、本開示における基板11、ストリップ導体12、ループ素子14a、給電素子17aのサイズは、これらに限定されない。
図5のグラフの横軸は、波長λに対する相対的な間隔Sの長さを示し、縦軸は入力電力量を100%とした場合の結合量の割合[%]を示している。また、図4Aの構成における結合量の変化を実線301によって表し、図4Bの構成における結合量の変化を破線302によって表す。
図5に示すグラフでは、間隔Sが小さいほど、結合量が増大している。間隔Sが小さいと、ストリップ導体12とループ素子14aとの電磁的結合が強くなるためである。また、給電素子17aが設けられてない場合を示す破線302に対して給電素子17aが設けられている場合を示す実線301の方は、同じ間隔Sにおいて結合量が増大している。ループ素子14aに分布する電流は、切り欠き部18aを起点に定在波が発生し、図4Aに示す範囲25a、25bでは、定在波の腹となるため電流値が高くなる。そのため、給電素子17aを配置することによって給電線路と波線の範囲25aとの間隔が狭くなり、図4Bに示す給電素子17aが設けられていない場合に比べて、高い結合量を実現することができる。
次に、図4Aに示した構成において、給電素子17aのサイズ、具体的には給電素子17aのY方向のサイズFLと結合量との関係について説明する。
図6は、図4Aの構成において給電素子17aのY方向のサイズFLを変化した時の結合量の変化を示すグラフである。図6に示すグラフの横軸は、波長λに対する相対的なY方向のサイズFLの大きさを示し、縦軸は入力電力量を100%とした場合の結合量の割合[%]を示している。
また、間隔Sは0.05λとし、給電素子17aのY方向のサイズFLの大きさを除く、基板11、ストリップ導体12、ループ素子14a、給電素子17aのサイズは、図5にて説明したものと同様である。
図6に示すグラフでは、給電素子17aのサイズFLが大きいほど、結合量が増大している。給電素子17aのサイズが大きい程、ストリップ導体12と給電素子14aから構成される給電線路とループ素子14aとが平行になる範囲が大きくなり、給電線路とループ素子14aとの電磁界的結合が強くなるためである。
以上により、本実施の形態1のアレーアンテナ装置10は、ストリップ導体12に対する給電素子17aとループ素子14aとの間隔S、給電素子17aのY方向のサイズFLを組み合わせることによって広い範囲で結合量を調整することができる。例えば、図4Aにおいて一例として説明した厚み及び比誘電率を有する基板を使用した場合、結合量は約5〜70%の範囲で制御することができる。
そして、複数のループ素子14a〜eとそれぞれに対する給電素子17a〜eにおいて、間隔Sおよび給電素子17a〜eのY方向のサイズFLを、ループ素子毎に別々に調整することによって、各ループ素子において、異なる結合量を実現することができる。
また、ループ素子14aは、1/2波長の長さを直線ではなく、円弧上に確保することができ、アンテナ素子が小型化されるため、ストリップ導体12の短手方向(X方向)を短くすることができる。
次に、図2に示したアレーアンテナ装置10を拡張した構成について説明する。図7は、本開示の実施の形態1に係るアレーアンテナ装置100の平面図である。
アレーアンテナ装置100は、主に、給電部28と第1サブアレー29aと第2サブアレー29bを有する。第1サブアレー29a、第2サブアレー29bは、それぞれ、図2に示したアレーアンテナ装置10の給電部28と反対側の端部にマイクロストリップアンテナ素子としてパッチアンテナ26が設けられた構成である。
そして、アレーアンテナ装置100において、第1サブアレー29aと第2サブアレー29bは、アンテナ中心点27を中心に点対称となる配置である。そして、パッチアンテナ26は、ストリップ導体12と平行なY軸方向から+X方向へ45度回転した方向(図3における矢印23の方向)の偏波を有するため、ストリップ導体12の一部を45度クランクしている。
給電部28と、第1サブアレー29aおよび第2サブアレー29bにおける給電部28に最も近いループ素子(図7ではそれぞれループ素子14a)との間隔をそれぞれdf1とdf2とする。間隔df1とdf2との差分がN×λg/2(Nは、1以上の整数)となる場合、第1サブアレー29aと第2サブアレー29bは同位相において励振する。また、各ループ素子14a〜eの間隔D(図2B参照)、及び、第1サブアレー29aおよび第2サブアレー29bにおけるパッチアンテナ26に最も近いループ素子(図7ではそれぞれループ素子14e)とパッチアンテナ26との間隔DPがλgの場合、全ての素子が同位相において励振する。
次に、図7に示したアレーアンテナ装置100におけるループ素子14a〜eおよびパッチアンテナ26(以降、それぞれを、適宜、「アンテナ素子」と記載)の結合量とアレーアンテナ装置100の放射パターンの関係について説明する。
図8は、アレーアンテナ装置100における各アンテナ素子の結合量の一例を示す図である。図8の横軸は、素子番号を示し、給電部28から近いアンテナ素子から順に素子番号1〜6に対応し、パッチアンテナ26は素子番号6に対応する。そのため、素子番号6の結合量は、100%となる。図8の縦軸は、素子番号6の結合量を100%とした場合の、各素子番号における結合量の割合[%]を示している。
図9は、図8に示す各アンテナ素子の結合量から算出した、各アンテナ素子の振幅値を示す図であり、図10は、図9の振幅値から算出したアレーアンテナ装置100の長手方向(YZ面)の放射パターンを示す図である。図9の振幅値は、最大値で規格化した振幅比として示し、図10では横軸を放射角度で示し、縦軸を電波の放射量を相対利得で示している。
前述の通り、本実施の形態1によれば、各ループ素子の結合量を約5%〜70%の広い範囲に制御することができるので、図8に示す結合量が実現できる。そのため、図9に示すテイラー分布を実現することができ、図10に示すサイドローブが抑圧された放射パターンを得ることができる。また、図7に示すサブアレーが点対称の構造であるため、第1のサブアレーを設計することによって、第1のサブアレーが有する素子数に対して2倍の素子数を有するアレーアンテナ装置を設計することができ、高い利得を有するアレーアンテナ装置が容易に実現できる。
次に、図7で説明したアレーアンテナ装置をストリップ導体12の短手方向(X方向)に複数配置した場合に、サイドローブを抑圧する方法について説明する。
図11は、ストリップ導体12の短手方向(X方向)にアレーアンテナ装置1001〜1004を4列配置した構成の一例を示す図である。アレーアンテナ装置1001〜1004は、それぞれ、図7で示したアレーアンテナ装置100と同様の構成を有し、間隔DFごとに配置されている。
図12は、図11の構成において間隔DFを変化した時のXZ面における放射パターンを示す図である。図12の放射パターンは、アレーアンテナ装置1001〜1004の各アンテナ素子の振幅値を図9に示した振幅値に設定した場合の放射パターンである。
図12では、間隔DFが0.5λの時の放射パターンを実線1101、0.58λの時の放射パターンを破線1102で示している。また、図12の横軸は放射角度を示し、縦軸は電波の放射量を相対利得で示している。各放射パターンのビーム方向が−30度となる位相差を、各列間に与えており、間隔DFが0.5λの時の列間の位相差を90度とし、間隔DFが0.58λの時の列間の位相差を100度としている。また、各列のアレーアンテナは同振幅で励振している。
図12では、間隔DFが0.58λの放射パターン(破線1102)に比べて、DFが0.5λの放射パターン(実線1101)のほうが、角度方向70〜90°方向においてサイドローブが低下している。アレーアンテナにおいてアレー間隔(今回では列間隔のことを示す)が大きい程グレーティングローブが発生しやすくサイドローブが上昇することが一般的に知られている。つまり、ストリップ導体12の短手方向(X方向)の間隔DFを小さくすることによって、図11に示すアレーアンテナのサイドローブを低下できる。
本実施の形態1では、1/2波長の長さを円弧上に確保することができるループ素子を使用するため、間隔DFを小さくすることができる。
(点対称の構成のバリエーション)
上記の本実施の形態1では、点対称の構成の一例として図7に示したアレーアンテナ装置100について説明したが、点対称の構成は、これに限定されず、様々な構成をとることができる。
図13は、本開示の実施の形態1に係るアレーアンテナ装置100’の平面図である。図13に示すアレーアンテナ装置100’は、図7に示したアレーアンテナ装置100のループ素子14c、給電素子17cがそれぞれループ素子14’c、給電素子17’cに置き換わった構成である。
図13に示したアレーアンテナ装置100’においても、第1サブアレー29’aと第2サブアレー29’bは、アンテナ中心点27を中心に点対称になるように設けられている。この構成によっても、図7に示したアレーアンテナ装置100と同様の特性が得られる。
(終端のアンテナ素子のバリエーション)
上記の本実施の形態1では、図7に示したように、アレーアンテナ装置の給電部と反対側の端部にマイクロストリップアンテナ素子としてパッチアンテナ26を設けた構成について説明したが、端部に設けられるアンテナ素子はこれに限定されない。
図14は、図7のサブアレーの別の構成の一例を示す図である。図14に示すサブアレーは、図7のサブアレーの終端をパッチアンテナ26からループアンテナ1201としている。図14に示すように、サブアレーの終端をループアンテナ1201とした場合においても、パッチアンテナ26の場合と同様の放射パターンを得ることができる。また、ループアンテナ1201は、ループ素子14a〜14eと同構成のアンテナ素子であるため、アレーアンテナ装置全体を容易に設計することができる。
(給電素子の形状のバリエーション)
上記の本実施の形態1で説明した給電素子17a〜eの形状は、ストリップ導体12と給電素子17a〜eとの接続部分が直交する形状であった。ここでは、ストリップ導体12と給電素子との接続部分が直交しないような別のバリエーションについて説明する。
図15は、給電素子17aの別の構成の一例を示す図である。図15に示す構成は、前述した図2A〜Cのループ素子14aにおいて、給電素子17aが給電素子1302aに置き換わった構成である。給電素子1302aは、破線1301において線対称な構造を有し、ストリップ導体12に接続する点において鋭角である。つまり、図15に示す給電素子1302aの構成を有する場合、ストリップ導体12と給電素子1302aとの接続部分のパターンが直交する部分が存在しない。
一般的に、アンテナの給電部など電流が集中する部分において、基板11の線路パターン(つまり、ストリップ導体、給電素子、アンテナ素子等のパターン)が直交する部分を有する場合、この線路パターンの直交する部分において、意図しない強い電波が放射される。このように意図しない強い電波の放射が発生する場合、アンテナ素子から放射される電波が乱れ、放射パターンの形状が変化し、交差偏波の大きさが増加する。
そのため、図15に示すような直交する部分が存在しないように構成することによって、例えば、交差偏波が低い良好な放射パターンを得ることができる。なお、図15では、給電素子1302aが線対称である場合として示しているが、線対称に限らず、線路パターンにおいて直交する部分が存在しないような構成であれば、図15と同様に、交差偏波が低い良好な放射パターンを得ることができる。
なお、上記で説明した各構成のバリエーションは、組み合わせてもよい。例えば、図13に示したアレーアンテナ装置100’の終端部分のパッチアンテナ26をループアンテナ1201としてもよい。あるいは、図13に示した給電素子17a〜eのいずれか、あるいは、全てを図15に示した給電素子1302aと同様の形状にしてもよい。
(実施の形態2)
以下、本開示の実施の形態2について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する各実施の形態は一例であり、本開示はこれらの実施の形態により限定されるものではない。
(実施の形態2に至る経緯)
つぎに、実施の形態2に至る経緯について説明する。具体的には、アレーアンテナ装置を車両に搭載されるレーダ装置に用いる場合に、本開示において着目する構成を説明する。
まず、第1の着目点について説明する。
一般に、アレーアンテナなどの指向性アンテナから放射される電波は、所望の方向に向けられるメインローブの他に、所望の方向に対してずれた方向に向けられるサイドローブを含んでいる。
車両に搭載されるレーダ装置は、所望の方向の物体を検知するために、メインローブを所望の方向に向ける。しかしながら、レーダ装置が大きなサイドローブを含む電波を放射すると、所望の方向に物体が存在しない場合でも、サイドローブの影響により所望の方向に物体があると誤検出を起こす可能性があった。
次に、第2の着目点について説明する。
路面上を走行する車両Aと、車両Aの対向車線を車両Aと逆方向に走行する車両Bがそれぞれレーダを搭載しているものとする。各々のレーダ装置から放射される電波の偏波方向が路面に対して垂直な場合、各々のレーダ装置から放射される電波は互いに干渉するため、この干渉が誤検出の原因となる。一方、各々のレーダ装置から放射される電波の偏波方向が路面に対して斜め45°の方向である場合、車両Aから放射される電波の偏波方向と車両Bのレーダ装置が放射する電波の偏波方向は直交するため、干渉は抑制される。
しかしながら、車両Aのレーダ装置が放射する電波の主偏波の方向が直交していても、車両Aのレーダ装置が放射する電波の交差偏波の方向は車両Bの主偏波の方向と一致するため、車両Aのレーダ装置が放射する電波の交差偏波と車両Bのレーダ装置が放射する電波の主偏波は、干渉し合ってしまう。この干渉が大きい場合にはレーダ装置の誤検出を起こす可能性があった。
アンテナ素子の形状および給電構造を工夫することによってアレーアンテナ装置が放射する電波のサイドローブを抑圧し、交差偏波比を減少できることに着目し、本開示に至った。
図16は、本開示の実施の形態2に係るアレーアンテナ装置40の一例を示す図である。図16に示すアレーアンテナ装置40は、基板41と、給電線路42と、複数のアンテナ素子43a〜43jと、給電点44とを有する。
基板41は、例えば、両面銅張基板である。給電線路42は、基板41の一方の面に銅箔パターンなどによって形成される。給電線路42と基板41の他方の面に形成される導体板(図示せず)は、マイクロストリップライン(ストリップ導体)を構成する。
複数のアンテナ素子43a〜43jは、給電線路42が形成された基板41の面に基板41に沿って所定間隔毎に配置される。なお、複数のアンテナ素子43a〜43jの所定間隔は、全て同じ間隔でなくてもよく、異なる間隔部分を含む。給電点44は、アレーアンテナ装置40の給電位置である。給電点44から給電される電流は、給電線路42を流れ、給電線路42から各アンテナ素子43a〜43jに給電される。電流が供給されたアンテナ素子43a〜43jは、それぞれ調節された量の電波を放射する。
次に、アンテナ素子43a〜43jの構成について、アンテナ素子43aを例にとって説明する。他のアンテナ素子43b〜43jもアンテナ素子43aと同様の構成を採る。
図17は、本開示の実施の形態2に係るアンテナ素子43aの構成の一例を示す図である。図17に示すアンテナ素子43aは、ループ素子131と、給電素子132とから構成される。
ループ素子131は、円環の一部に切り欠き部133を設けた形状を有する。また、ループ素子の外周の長さは、放射する電波の約1波長である。切り欠き部133は、ループ素子131の中心Oと切り欠き部133の略中央を結ぶ直線Lと給電線路42とのなす角が45°になる位置に設けられる。
より詳細には、図17に示すように、切り欠き部133の略中央とは、切り欠き部133の内周側の端点a1、a2を結ぶ線分の中点a3である。つまり、切り欠き部133は、ループ素子131の中心Oと中点a3を結ぶ直線Lと給電線路42とのなす角が45°になる位置に設けられる。
また、切り欠き部133の外周側の端点をそれぞれ点a4、点a5とし、直線Lとループ素子131の外周との交点a6とすると、ループ素子131の外周側における、点a4から交点a6までの長さ、および、点a5から交点a6までの長さは、略同一であり、それぞれ長さは約1/2波長である。
給電素子132は、ループ素子131の外周に所定の間隔G離れた位置に略平行に設けられた、半円環の形状である。給電素子132は、所定の間隔G離れたループ素子131と電磁界的に結合する。
ループ素子131と給電素子132は、直線Lに対して線対称な形状を有する。
給電素子132は、給電線路42と接続し、給電線路42から給電される。給電素子132に流れる電流は、電磁界的な結合によって、所定の間隔G離れたループ素子131に供給される。ループ素子131は、給電素子132との電磁界的な結合によって電流が供給される。
このように、ループ素子131は、1/2波長の長さを直線ではなく、円弧上に確保することができる。このため、アンテナ素子43aが小型化されるので、給電線路42の短手方向を短くすることができる。
また、ループ素子131は、切り欠き部133が給電線路42に対して45°の方向に設けられることによって、偏波方向が斜め45°である電波を基板41に対して垂直な方向へ放射することができる。
また、ループ素子131と給電素子132が直線Lに対して線対称な形状を有することによって、ループ素子131から放射される電波は、交差偏波比の小さい電波となる。交差偏波比が小さくなる原理については、後述する。
ループ素子131から放射される電波の量(電波強度)は、ループ素子131と給電素子132との電磁界的な結合における結合量によって制御される。結合量は、ループ素子131と給電素子132との間隔Gを調節することによって制御される。
ここで、具体的な間隔Gと結合量の関係について説明する。図18は、ループ素子131と給電素子132との間隔Gと結合量の関係を示す図である。図18の横軸は、間隔Gの大きさを示し、縦軸は結合量を示している。
図18に示すように、間隔Gを調整することによって、結合量は、約25〜70%と広い範囲に制御できる。
次に、各アンテナ素子の結合量とアレーアンテナ装置の放射パターンの関係について説明する。
図19は、アレーアンテナ装置における各アンテナ素子の結合量の一例を示す図である。図19の横軸は、素子番号を示し、縦軸は、結合量を示している。図19に示す例は、図16に示すアンテナ素子43a〜43jが、給電点を中心として左右にそれぞれ9個ずつ配置され、給電点から最も遠い位置に図示しないパッチ素子が配置されるアレーアンテナ装置である。また、また9個のアンテナ素子は、給電点に近いアンテナ素子から順に素子番号#1〜#9に対応し、パッチ素子は素子番号#10に対応する。
図20は、図19に示す各アンテナ素子の結合量から算出したアレーアンテナ装置の長手方向の放射パターンを示す図である。図20の横軸は、放射角度を示し、縦軸は、放射角度毎の利得を最大利得に対する相対値で示している。
上記の通り、本開示によれば、各アンテナ素子の結合量を約25〜70%の広い範囲に制御することができるので、端の方が低くなるように制御することにより、図20に示すサイドローブが抑圧された放射パターンを得ることができる。
次に、図16で説明したアレーアンテナ装置を給電線路の短手方向に複数配置する場合に、サイドローブを抑圧する方法について説明する。
例えば、図16で説明したアレーアンテナ装置を給電線路の短手方向に間隔Dごとに4つ配置する場合、4つ配置されたアレーアンテナ装置の放射パターンは、間隔Dによって変化する。
図21は、給電線路の短手方向に間隔Dごとに4つのアレーアンテナ装置が配置される場合の放射パターンを示す図である。図21の横軸は、放射角度を示し、縦軸は、放射角度毎の利得を最大利得に対する相対値で示している。
図21に示すように、間隔Dが1.9mmの放射パターンに比べて、Dが2.2mmの放射パターンのほうが、サイドローブが上昇している。つまり、アレーアンテナ装置を給電線路の短手方向に配置する場合、間隔Dを小さくする必要がある。
本実施の形態2では、1/2波長の長さを円弧上に確保することができるループ素子131を使用するため、間隔Dを小さくすることができる。
上記のように本開示によれば、短手方向の間隔を小さくでき、アレーアンテナ装置の小型化を実現することによって、アレーアンテナ装置を給電線路の短手方向に複数配置する場合にサイドローブを抑圧することができる。
次に、ループ素子131と給電素子132の形状によって交差偏波比の小さい電波が放射できる原理について説明する。図22は、本開示の実施の形態2における電波放射の原理について説明する図である。図22では、図17に示すアンテナ素子43aに流れる電流が模式的に示されており、また、給電線路42は、図22の説明のために省略している。
図22に示すアンテナ素子43aに供給される電流は、まず、給電線路42(図17参照)を介して矢印X1の方向に流れる。矢印X1の方向に流れる電流は、給電素子132と給電線路42との接続点Pから給電素子132へ供給される。給電素子132において、電流は、矢印X2の方向へ流れ、電磁界的な結合によって、ループ素子131へ供給される。
ループ素子131において、電流は、矢印X3の方向へ流れる。ループ素子131を矢印X3の方向へ流れる電流は、ループ素子131の切り欠き部133が設けられる付近で大きな電界を形成し、切り欠き部133と中心Oをはさんで反対の位置で小さな電界を形成する。ループ素子131は、このような電界が形成されることによって、主偏波が直線Lの向きとなる電波を放射する。
また、図22の矢印X2および矢印X3に示すように、ループ素子131および給電素子132を流れる電流は、直線Lに対して線対称となる。その結果、直線Lの向きとなる主偏波に対して、直線Lに垂直な向きとなる交差偏波は、小さくなる。つまり、ループ素子132および給電素子132は、直線Lに対して線対称な形状を有することによって、交差偏波比の小さい電波を放射することができる。
なお、上記で説明した給電線路42は、アンテナ素子43a〜43jが形成される基板41の面でアンテナ素子43a〜43jと直接接続するとしたが、給電線路42とアンテナ素子43a〜43jの位置はこれに限定されない。
図23A及び図23Bは、本開示の実施の形態2における給電線路42の位置のバリエーションの一例を示す図である。図23Aは、アンテナ素子43aの俯瞰図であり、図23Bは、アンテナ素子43aが設けられた位置の基板41の断面図を模式的に示す図である。
図23A、図23Bに示すように、給電線路42は、基板41の内部に設けられる。そして、給電線路42は、導体板45とマイクロストリップラインを形成する。給電線路42は、基板41の一方の面に設けられる給電素子132と電磁界的に結合し、給電素子132に対して電流を供給する。
図24は、本開示の実施の形態2における給電線路42の位置のバリエーションの別の一例を示す図である。図24に示すように、給電素子132は、給電線路42と所定の間隔H離れた位置に設けられる。このとき、給電線路42は、給電素子132と電磁界的に結合し、給電素子132に対して電流を供給する。
図23および図24に示す例では、給電線路42は給電素子132と電磁界的に結合する。この構成により、給電線路42と給電素子132の結合量は、給電素子132の位置を調節することによって、制御することができる。
図25は、本開示の実施の形態2における給電線路42と給電素子132との接続の一例を示す図である。図25において、図22と共通する構成には、図22と同一の符号を付しその詳しい説明を省略する。図25では、給電線路42と給電素子132は基板の同じ面に形成されている。図22の構成では、給電線路42と給電素子132との接続部が鋭角である。図25の構成では、鋭角な接続部を埋めるように線路134が形成されている。
基板の製造において、鋭角な接続部は、導体エッチング時の精度を下げる要因となる。図25の構成では、導体エッチング精度を向上させるために、線路134を追加する。線路134を形成することにより、導体エッチング精度を下げることなく給電素子132を形成することができる。
なお、線路134の形成によって給電素子132における電流の流れ方が変化するが、線路134の最長部分の長さが1/8波長以下であれば交差偏波の抑圧に影響はない。
本開示にかかるアレーアンテナ装置は、車載等のレーダ装置に用いるのに好適である。
10、40、100、100’、1001〜1004 アレーアンテナ装置
11、41 基板
12 ストリップ導体
13、45 導体板
14a〜e、14’c、131 ループ素子
15 入力端
17a〜e、17’c、132、1302a 給電素子
18a、133 切り欠き部
24a、24c 端点
24b、24d 点
24e 交点
26 パッチアンテナ
27 アンテナ中心点
28 給電部
29a、29’a 第1サブアレー
29b、29’b 第2サブアレー
42 給電線路
43a〜43j アンテナ素子
44 給電点
134 線路
1201 ループアンテナ
1401a〜f スタブ
1402a〜f 副給電ストリップ線路
1403a〜f 放射アンテナ素子
1404 誘電体基板
1405 主給電ストリップ線路

Claims (12)

  1. 基板と、
    前記基板に設けられる直線形状のストリップ導体と、
    前記ストリップ導体に電力を供給する給電部と、
    前記基板の第1面に前記ストリップ導体に沿って所定間隔毎に配置され、一部に切り欠きを有する複数のループ素子と、
    前記基板の前記第1面の裏面である第2面に配置された導体板と、
    前記ストリップ導体に電気的に接続され、前記ループ素子の外周の一部に沿った形状の給電素子と、
    を具備する、
    アレーアンテナ装置。
  2. 前記複数のループ素子の切り欠きは、前記ストリップ導体に対して略45度の方向に設けられる、
    請求項1に記載のアレーアンテナ装置。
  3. 前記ループ素子と前記給電素子は、前記ストリップ導体の中心点において、点対称に設けられる、
    請求項1または2に記載のアレーアンテナ装置。
  4. 前記ストリップ導体は、前記ストリップ導体の終端に終端素子を更に具備する、
    請求項1から3のいずれか一項に記載のアレーアンテナ装置。
  5. 前記終端素子は、ループ素子である、
    請求項4に記載のアレーアンテナ装置。
  6. 前記各給電素子は、前記各ループ素子の外周円の半径方向の外側に所定の間隔離れて設けられ、半円環の形状である、
    請求項1に記載のアレーアンテナ装置。
  7. 前記ループ素子と前記給電素子の間の前記所定の間隔は、前記ループ素子毎に調節される、
    請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のアレーアンテナ装置。
  8. 前記ループ素子および前記給電素子は、前記切り欠き部の略中央と前記ループ素子の中心を結ぶ直線に対して略線対称の形状である、
    請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のアレーアンテナ装置。
  9. 前記給電素子は、前記ストリップ導体と電磁界的に結合する、
    請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のアレーアンテナ装置。
  10. 前記ストリップ導体は、前記基板の内部に設けられる、
    請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のアレーアンテナ装置。
  11. 前記ストリップ導体は、前記基板の前記第1面に設けられる、
    請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のアレーアンテナ装置。
  12. 前記ストリップ導体は、前記基板の前記第1面に設けられ、
    前記給電素子は、前記ストリップ導体と物理的に接続する、
    請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のアレーアンテナ装置。
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