JP6519518B2 - Led点灯回路およびled点灯方法 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明の第1の局面に係るLED点灯回路は、LEDに供給される電流の経路上に直列に設けられる定電流回路および抵抗器と、抵抗器に対して並列に設けられるバイパス回路と、バイパス回路を制御する制御回路と、を備えるLED点灯回路であって、制御回路は、LEDに電流を供給する電源の電圧が所定範囲内である場合に、LEDを流れる電流がバイパス回路に流れるようにバイパス回路を制御し、かつ、制御回路は、電源の電圧が所定範囲内において所定の閾値より高くなるに従い抵抗器に流れる電流が徐々に増加するようにバイパス回路を制御する、LED点灯回路である。
図1は、本発明の一実施形態に係るLED点灯回路1の概略の回路構成図である。一例として、LED点灯回路1はLEDを用いた車両用灯具の点灯回路として好適に用いることができる。LED点灯回路1は、電圧可変の直流電源10と、2個のLED21、22と、定電流回路30と、電力分散用の抵抗器R2と、バイパス回路40と、制御回路50とを有する。2個のLED21、22は互いに直列に接続され、それらのうち上流側のLED21のアノード側は抵抗器R2を介して電源10のプラス端子に接続されている。下流側のLED22のカソード側は定電流回路30を介して電源10のマイナス端子に接続されている。なお、2個のLED21、22に代えて1個のLEDを用いてもよく、また、3個以上のLEDを互いに直列接続したものを用いてもよく、あるいは、直列接続した複数のLEDからなる光源ブロックを互いに並列接続したものを用いてもよい。
バイパス回路40は抵抗器R2に対して並列接続される。制御回路50は電源10のプラス端子およびマイナス端子に接続されるとともにバイパス回路40に接続され、電源10の電圧VBATに応じてバイパス回路40の動作を制御できるように構成される。
図2の抵抗器R4、R5、R6、R7、R8、PNPトランジスタQ3およびツェナーダイオードZD1が図1の制御回路50を構成する。トランジスタQ3のエミッタ電極が電源10のプラス端子に接続されている。トランジスタQ3のコレクタ電極が抵抗器R8を介してトランジスタQ2のベース電極に接続されている。トランジスタQ3のコレクタ電極と抵抗器R8の接続点が、抵抗器R4を介して電源10のマイナス端子に接続されている。ツェナーダイオードZD1のカソード側が電源10のマイナス端子と接続され、ツェナーダイオードZD1のアノード側が抵抗器R6、R5の順にこれらを介して電源10のプラス端子と接続されている。抵抗器R5と抵抗器R6の接続点が抵抗器R7を介してトランジスタQ3のベース電極と接続されている。
電源電圧VBATがツェナーダイオードZD1のツェナー電圧VZD1以下の間は、ツェナーダイオードZD1は電流を流さない。そのため、トランジスタQ3のベース電位はほぼ電源電圧VBATに等しく、トランジスタQ3はオフの状態となる。その場合、トランジスタQ2は抵抗器R8、R4を介して電流が流れるため、トランジスタQ2はオンの状態となる。そのため、定電流ICONSTはほぼトランジスタQ2を流れ、抵抗器R2にはほぼ流れない。よって、電源電圧VBATが比較的低い範囲、すなわち、図3に両矢印Iで示す範囲(領域I)のうちVBATが比較的低い範囲においては、抵抗器R2における電力消費はほとんど生じず、定電流回路30における損失LOが電源電圧VBATの上昇に伴い増加する。
図2に示す回路構成において、例として、R4=R5=R6=R8=10kΩ、R7=330kΩ、hFE_Q2=190、hFE_Q3=140という条件のもとで、定電流回路30が負特性を持つための抵抗器R2の抵抗値R2の条件を上式に基づいて求めると、R2>96Ωとなる。ただし、実際にはトランジスタの非線形性により、R2>約80Ω近辺から負特性となる。そのため、上記の「式1」は一定の目安と考えることが好ましい。
そこで、上記条件のもとで抵抗器R2の抵抗値R2>96Ωを満たす値である抵抗値R2=145Ωとした場合の定電流回路30の電力損失LOの特性図を図4に実線アにより示す。比較のため、図6(A)の構成で条件を揃えた場合における定電流回路30の電力損失LOの特性図を図4に実線イにより示す。この図から分かるように、電源電圧VBATの最大値Vmax(=15V)において、本実施例の構成では、定電流回路30の電力損失LOを図6(A)の構成の場合と比べて約1/3とすることができた。
本発明を実現する具体的な回路構成は以上に例示したものに何ら限定されない。例えば、図2においてトランジスタQ2としてPNPトランジスタを用いたが、これに代えて、NPNトランジスタを用いてもよい。それに併せて他の構成も適宜変更した回路構成例をLED点灯回路1’として図5に示す。なお、図5中のPNPトランジスタQ1’が図2中のNPNトランジスタQ1に対応し、図5中のNPNトランジスタQ2’、Q3’がそれぞれ図2中のPNPトランジスタQ2、Q3に対応する。
図5のNPNトランジスタQ2’が図1のバイパス回路40に相当し、トランジスタQ2’のエミッタ電極が抵抗器R2の下流側に接続され、トランジスタQ2’のコレクタ電極が抵抗器R2の上流側に接続されている。
図5のLED点灯回路1’は図2のLED点灯回路1と同じ条件のもとでは同じ効果を得られるものであるため、その動作および効果についての説明は省略する。
本発明の上記の実施形態、実施例、変形例においては、図3の領域IIにおいて定電流回路30の消費電力LOは負特性を有するものとしたが、それに代えて、領域IIにおいて定電流回路30の消費電力LOが一定となる特性を有してもよい。
定電流回路30による好適な定電流制御と、定電流回路30における電力消費の好適な低減を両立させるためには、図3の領域I〜IIにおける定電流回路30の電力損失LOの極大値LO1と、電源電圧VBATの最大値Vmaxにおける電力損失LOmaxとが等しいことが好ましい。ただし、電源電圧VBATの範囲によってはLO1=LOmaxとすることができない場合もあり、その場合には、極大値LO1をできる限り小さくすることが好ましい。
なお、領域IIにおける電力損失LOの傾き(絶対値)によっては、定電流回路30の電力損失LOが0となり、定電流回路30が駆動しない恐れが生じる。このため、傾きを調整することで、領域IIと領域IIIの境界において、定電流回路30が最低限動作できる程度の電力損失LO以上となるようにすることが好ましい。そのような例として、領域IIの傾きの絶対値を領域Iや領域IIIにおける傾きよりもわずかに小さくする、などの対応を行うことができる。
10 電源
21、22 LED
30 定電流回路
40 バイパス回路
50 制御回路
Q1〜Q3、Q1’〜Q3’ トランジスタ
R1〜R8 抵抗器
ZD1、ZD2 ツェナーダイオード
Claims (2)
- LEDに供給される電流の経路上に直列に設けられる定電流回路および抵抗器と、
前記抵抗器に対して並列に設けられるバイパス回路と、
前記バイパス回路を制御する制御回路と、を備えるLED点灯回路であって、
前記制御回路は、前記LEDに電流を供給する電源の電圧が所定範囲内である場合に、前記LEDを流れる電流が前記バイパス回路に流れるように前記バイパス回路を制御し、かつ、
前記制御回路は、前記電源の電圧が前記所定範囲内において所定の閾値より高くなるに従い前記抵抗器に流れる電流が徐々に増加するように前記バイパス回路を制御する、LED点灯回路であって、
前記抵抗器は、前記電源の電圧が前記所定の閾値より高くなるに従い前記定電流回路の電力損失が徐々に減少する抵抗値を有する、LED点灯回路。 - LEDに供給される電流の経路上に直列に設けられる定電流回路および抵抗器と、前記抵抗器に対して並列に設けられるバイパス回路と、を備えるLED点灯回路を制御する方法であって、
前記LEDに電流を供給する電源の電圧が所定範囲内である場合に、前記LEDを流れる電流が前記バイパス回路に流れるように前記バイパス回路を制御することと、
前記電源の電圧が前記所定範囲内において所定の閾値より高くなるに従い前記抵抗器に流れる電流が徐々に増加するように前記バイパス回路を制御すること、を含む方法であって、
前記抵抗器の抵抗値を、前記電源の電圧が前記所定の閾値より高くなるに従い前記定電流回路の電力損失が徐々に減少する抵抗値とすること、を更に含む方法。
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