JP6519478B2 - 抗htlv抗体の免疫測定における非特異反応の低減方法 - Google Patents

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Description

本発明は、検体中の抗HTLV抗体の免疫測定における非特異反応を低減させる方法、該非特異反応の低減剤、並びに該低減剤を利用した免疫測定試薬及び免疫測定キットに関する。
HTLV(ヒトT細胞白血病ウイルス、又はヒトTリンパ球向性ウイルス)は、Tリンパ球に感染するレトロウイルスであり、現在までにタイプ1〜タイプ4が報告されている。このうちタイプ1(HTLV-1)は成人T細胞白血病の原因ウイルスとして知られており、HTLV-1抗体陽性者のおよそ0.3%が該疾患を発症するといわれている。発症頻度は高くはないものの、HTLV-1の抗体検査は臨床上重要である。
HTLVのgagタンパク質の一つであるp19は、該ウイルスの構成成分の中で免疫原性が高く、HTLV抗体検査の有用な抗原成分とされてきた。特にp19のC末端領域(aa120-130)の反応性が最も高く(非特許文献1)、p19のC末端断片を抗HTLV-1抗体検出の抗原として用いる手法が知られている(特許文献1)。
しかしながら、p19は、HTLV抗体検査において偽陽性の原因となる非特異反応にも関与している可能性が以前より指摘され、また他のウイルスとの交差反応性が指摘されており(非特許文献2)、抗体検出用抗原としての使用は制限せざるを得ない状況である。現在市販されているHTLV-1抗体検査キットでは、ネイティブ抗原(すなわち、HTLV-1感染細胞からウイルスタンパク質を抽出したもの)が用いられている。
特許第3506252号公報
Palker et al., J Immunol. vol.136, p.2393-2397, 1986 Sato et al., J Gen Virol. vol.73, p.2969-2973, 1992
本発明は、HTLV抗体陽性の場合の測定値の低下を極力抑えつつ、p19に由来する非特異反応を低減させることができる手段を提供することを目的とする。
本願発明者らは、鋭意研究の結果、p19由来の非特異反応がp19の一次アミノ酸配列に起因していること、その責任配列がp19の第112番〜第118番アミノ酸の領域であることを見出し、当該領域に置換変異を導入したp19断片をHTLV抗体測定系内に添加することにより、陽性検体との反応性低下を極力抑えつつ非特異反応を大きく低減させることができることを見出し、本願発明を完成した。
すなわち、本発明は、抗HTLV抗体の免疫測定における非特異反応の低減方法であって、抗原抗体反応系内に改変p19ペプチドを存在させることを含み、前記改変p19ペプチドは、HTLV p19のうちの第103番〜第130番アミノ酸の領域を含むp19断片で構成され、かつ、p19の第112番〜第118番アミノ酸に該当する領域内に少なくとも1つの置換変異を有するポリペプチドである、方法を提供する。また、本発明は、改変p19ペプチドを含む、抗HTLV抗体の免疫測定試薬であって、前記改変p19ペプチドは、HTLV p19のうちの第103番〜第130番アミノ酸の領域を含むp19断片で構成され、かつ、p19の第112番〜第118番アミノ酸に該当する領域内に少なくとも1つの置換変異を有するポリペプチドである、免疫測定試薬を提供する。さらに、本発明は、改変p19ペプチドを含む、抗HTLV抗体の免疫測定用の非特異反応低減剤であって、前記改変p19ペプチドは、HTLV p19のうちの第103番〜第130番アミノ酸の領域を含むp19断片で構成され、かつ、p19の第112番〜第118番アミノ酸に該当する領域内に少なくとも1つの置換変異を有するポリペプチドである、非特異反応低減剤を提供する。さらに、本発明は、上記本発明の免疫測定試薬又は非特異反応低減剤を含む、抗HTLV抗体の免疫測定キットを提供する。さらに、本発明は、配列番号2〜15のいずれかに示されたアミノ酸配列で構成される、人工のポリペプチドを提供する。さらに、本発明は、配列番号17〜25のいずれかに示されたアミノ酸配列からなる、人工のポリペプチドを提供する。

本発明により、免疫測定によるHTLV抗体検査において問題となる非特異反応を望ましく低減させることができる手段が提供された。特定の領域にアミノ酸置換を有する改変p19ペプチドを抗原抗体反応系内に存在させることにより、陽性の場合の測定値の低下を抑えつつ、非特異反応を低減させることができる。非特異反応は偽陽性の原因となるので、非特異反応を低減させることで偽陽性の発生を低減させることができる。これにより、HTLV抗体検査キットの信頼性を高めることができる。また、本発明によれば、免疫原性の高いp19を抗原として利用できるようになるので、HTLV抗体検査キットの感度の向上も可能である。
p19は、HTLVのgag遺伝子から発現されるgag前駆体タンパク質が、prt遺伝子にコードされるタンパク質分解酵素によって切断されて生じる3種類のタンパク質の1つである。配列番号26及び27は、HTLV-1 gag遺伝子の塩基配列及びこれにコードされるgag前駆体タンパク質のアミノ酸配列の一例であり、GenBankにD14335のアクセッション番号で登録されている配列である。配列番号27の第1番〜第130番アミノ酸の領域がp19となる。
本発明において、HTLVは、典型的にはHTLV-1である。
本発明における「改変p19ペプチド」とは、HTLV-1 p19のうちの第103番〜第130番アミノ酸の領域(配列番号1)を含むp19断片で構成され、かつ、p19の第112番〜第118番アミノ酸に該当する7残基の領域内(配列番号1においては第10番〜第16番アミノ酸)に少なくとも1つの置換変異を有するポリペプチドである。改変p19ペプチドは、典型的には、人工のポリペプチドである。改変p19ペプチドでは、野生型配列(ないしは天然型配列)におけるアミノ酸残基とは異なるアミノ酸に置換されていればよく、もとの残基と性質(例えば、側鎖が親水性か否か、中性アミノ酸、塩基性アミノ酸、酸性アミノ酸のいずれであるか、芳香族側鎖を有するか否か等)が大きく異なる残基を置換後の残基として選択する必要はない。
なお、本発明において、「ポリペプチド」と「ペプチド」は同義であり、いずれも2以上のアミノ酸残基がペプチド結合により結合した分子を指す。
また、「人工のポリペプチド」ないしは「人工のペプチド」とは、化学合成、遺伝子工学的手法その他の方法で人為的に製造されたポリペプチドであり、HTLVに感染した細胞内でHTLVゲノムから発現し産生されたタンパク質を回収したものは包含されない。
改変p19ペプチドには、天然のp19の配列中にはない1以上(例えば1〜数個程度)のアミノ酸残基がペプチドの一方又は両方の末端に付加されていてもよい。そのような残基の付加は、通常、ペプチド製造過程での便宜や固相支持体上への固定化の便宜等のために行なわれ得る。「p19断片で構成される」との語には、そのようなアミノ酸残基の付加を含むペプチドが包含される。「アミノ酸配列で構成される」との語も同様であり、当該アミノ酸配列に上記のようなアミノ酸残基の付加を含むペプチドが包含される。
改変p19ペプチドが有する上記した7残基の領域内の置換変異は、7残基のうちのいずれの残基の置換であってもよい。1残基のみの置換であってもよいし、2以上の残基の置換であってもよい。当該7残基の領域内のいずれの残基を置換しても、ネイティブ抗原を用いた免疫測定において生じる非特異反応を50%程度以上低減できる(下記実施例参照)。配列番号2〜8に示されたアミノ酸配列で構成される改変p19ペプチドは、当該7残基の領域内の1残基をアラニンに置換した改変p19ペプチドであり、本発明で使用可能な改変p19ペプチドの一例である。
改変p19ペプチドは、好ましくは、p19における第114番アミノ酸及び第117番アミノ酸(配列番号1においてはそれぞれ第12番アミノ酸及び第15番アミノ酸)の少なくともいずれか一方の残基の置換を含む。そのような改変p19ペプチドの具体例としては、配列番号9〜15に示されたアミノ酸配列で構成される改変p19ペプチド(例えば、配列番号17〜25に示された、改変されたp19部分配列のN末端にLysが付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチド)を挙げることができるが、これらに限定されない。
本発明の方法では、検体中の抗HTLV抗体と抗原との間の抗原抗体反応の系内に改変p19ペプチドを存在させる。HTLV抗原として、改変p19ペプチドのみを用いてもよいし、改変p19ペプチドと少なくとも1種の他のHTLV抗原の両者を用いてもよい。「他のHTLV抗原」は、ネイティブ抗原でもよいし、HTLVタンパク質のアミノ酸配列に基づいて設計された人工のペプチド抗原でもよい。ここでいう「人工のペプチド抗原」の例としては、天然型配列のp19タンパク質又はその部分ペプチド、p19以外の(例えばgp21、gp46、p24、p15)天然型配列若しくは改変型配列のHTLVタンパク質又はその部分ペプチド等を挙げることができる。ネイティブ抗原を用いる場合、天然のp19を含むネイティブ抗原を改変p19ペプチドと混合して使用してもよいし、ネイティブ抗原からp19画分を除去したものを改変p19ペプチドと混合して使用してもよい。
検体は、一般的なHTLV抗体検査で用いられる検体と同じであってよく、通常、全血、血漿、血清等の血液検体である。検体は適宜希釈して用いられる。
抗体の免疫測定においては、B/F分離の便宜のため、通常、固相支持体上に固定化した抗原が用いられる。改変p19ペプチドは、そのような固相支持体上に固定化された状態で用いることができる。改変p19ペプチド及び少なくとも1種の他のHTLV抗原の両者を使用する場合、改変p19ペプチドは、当該少なくとも1種の他のHTLV抗原と組み合わせて固定化された状態で用いることができる。固相支持体が磁性粒子やラテックス粒子等の粒子の場合、「組み合わせて固定化」との語には、改変p19ペプチドと他のHTLV抗原を同時に粒子に固定化すること、及び、改変p19ペプチドと他のHTLV抗原を別々に粒子に固定化し、その後に各固定化粒子を混合すること、の両者が包含される。
固相支持体は、免疫測定用に従来用いられているものであってよく、特に限定されない。例えば、プラスチックプレート、微粒子、繊維状物質等を用いることができる。これら支持体の材質としては、従来公知のものを用いることができ、特に限定されないが、微粒子であれば、例えば、ガラスビーズ、ポリスチレン等の各種プラスチックビーズ、ラテックス粒子、ゼラチン粒子及び各種フェライト粒子(例えば、特開平3−115862号公報参照)等を挙げることができる。また、繊維状物質としては、例えば、セルロース、ニトロセルロース、キトサン、ポリエチレングリコール重合体、シラン重合体等を構成成分とするものを挙げることができる。
これら支持体への改変p19ペプチドの固定化、及び使用する場合には少なくとも1種の他のHTLV抗原の固定化は、物理吸着、架橋剤を用いた化学結合等公知の方法を適宜用いることができる。
あるいは、改変p19ペプチドは、後述する通り標識物質で標識された形態で用いられ得る。この場合も、改変p19ペプチドと少なくとも1種の他のHTLV抗原を混合して標識抗原として使用してよい。
抗体の測定方法自体は周知の常法である。免疫測定を反応様式で分類すると、サンドイッチ法、競合法、凝集法、イムノクロマト法、ウェスタンブロット法等があり、標識で分類すると、放射免疫測定、蛍光免疫測定、酵素免疫測定(EIA)、ビオチン免疫測定等がある。また、抗原を用いた抗体検査法の具体例としては、これらに限定されないが、EIA法(ELISA、CLEIA(化学発光酵素免疫測定法)、ウエスタンブロット等)、化学発光免疫測定法(CLIA法)、凝集法(ラテックス凝集法等)、補体結合反応(CF)等が挙げられる。本発明が対象とする抗HTLV抗体の免疫測定は、検体中の抗HTLV抗体を特異的に測定することができる方法であれば、いかなる手法を用いてもよい。なお、本発明において、「測定」という語には、検出、定量及び半定量が包含される。
例えば、ELISAやCLEIAの場合には、改変p19ペプチドを所望により少なくとも1種の他のHTLV抗原と組み合わせてプレート又は粒子等の固相支持体に固定化(感作)し、これを検体と反応させて検体中の抗HTLV抗体を支持体上に捕捉し、洗浄後、標識された抗免疫グロブリン抗体又は標識されたHTLV抗原と反応させる。さらに洗浄後、標識物質からのシグナルを測定する。標識物質が酵素である場合、酵素の基質物質を添加し、酵素反応量(発光、発色などの量)を測定すればよい。標識物質としてビオチン又はハプテンが用いられる場合には、酵素、蛍光物質、化学発光物質、染色物質又は放射性物質などを結合したストレプトアビジン又はハプテン抗体などを用いればよい。シグナル測定値に基づいて、支持体上に捕捉された抗HTLV抗体を測定することができる。
ウエスタンブロットの場合には、例えば、改変p19ペプチド、又は改変p19ペプチドと少なくとも1種の他のHTLV抗原の混合物を電気泳動後、メンブレンに転写し、このメンブレンを検体と反応させた後、標識された抗免疫グロブリン抗体又は標識されたHTLV抗原と反応させればよい。

凝集法の場合には、例えば、改変p19ペプチドを所望により少なくとも1種の他のHTLV抗原と組み合わせてゼラチン粒子やラテックス粒子等に固定化し、これを検体と反応させ、粒子の凝集量を吸光度等により測定すればよい。
測定対象となる抗HTLV抗体のサブクラスは特に限定されないため、標識された抗免疫グロブリン抗体を用いる場合の抗免疫グロブリン抗体の種類は特に限定されず、例えば抗IgG抗体及び抗IgM抗体のいずれか一方又は両者を混合して用いることができる。また、標識して用いるHTLV抗原としては、改変p19ペプチド、及び上記に定義した通りの他のHTLV抗原を挙げることができ、これらのうちの複数を混合して標識HTLV抗原として用いてよい。標識HTLV抗原を用いて免疫測定を行なう場合、改変p19ペプチドは、支持体に固定化する固相抗原(ウエスタンブロットの場合はメンブレンに転写する抗原)及び標識HTLV抗原の少なくともいずれか一方に使用すればよい。
改変p19ペプチドは、常法の化学合成法により製造することができる。化学合成法の具体例としては、例えばFmoc法(フルオレニルメチルオキシカルボニル法)、tBoc法(t-ブチルオキシカルボニル法)等を挙げることができる。また、各種の市販のペプチド合成機を利用して常法により合成することもできる。
あるいは、改変p19ペプチドは、常法の遺伝子工学的手法により製造することができる。p19のアミノ酸配列及びこれをコードする塩基配列は、上記した通りデータベースに登録され公知であり、本願配列表にも記載されている。また、各アミノ酸をコードするコドンは公知であるから、特定のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドの塩基配列は容易に特定することができる。従って、野生型のp19の配列とは異なる配列を有する改変p19ペプチドであっても、それをコードするポリヌクレオチドの塩基配列は容易に特定できるので、遺伝子工学的手法による製造も可能である。
遺伝子工学的手法による製造工程を簡単に記載すると、まず、所望の改変p19ペプチドをコードするポリヌクレオチドを市販の核酸合成機により調製するか、又は野生型HTLVゲノムからPCR増幅したDNAに公知の手法で適宜変異を導入することにより調製する。該ポリヌクレオチドを適当な発現ベクターに組み込み、適当な発現系を用いて発現させる。発現させたポリペプチドを回収・精製することにより、目的とする改変p19ペプチドを組換えポリペプチドとして得ることができる。
改変p19ペプチドは、それ自体を抗HTLV抗体の測定のための抗原として使用することができるので、免疫測定試薬として提供することができる。該免疫測定試薬は、改変p19ペプチドのみを適当な緩衝液中に含んでいてもよいし、少なくとも1種の他のHTLV抗原をさらに含んでいてもよい。また、改変p19ペプチド等の安定化等に有用な他の成分をさらに含んでいてもよい。少なくとも1種の他のHTLV抗原をさらに含む場合、改変p19ペプチドと他のHTLV抗原は、別個の容器に封入されていてもよいし、予め混合されて同一の容器内に封入されていてもよい。あるいはまた、改変p19ペプチドが固相支持体上に固定化された形態であってもよい。
また、改変p19ペプチドは、抗HTLV抗体の免疫測定用の非特異反応低減剤として提供することができる。該非特異反応低減剤は、改変p19ペプチドを含み、さらに、例えば該ペプチドの安定化等に有用な他の成分を含んでいてよい。該非特異反応低減剤は、抗HTLV抗体の免疫測定における抗原抗体反応系内に添加して用いることができる。例えば、HTLV抗原に非特異反応低減剤を添加して検体との反応を行なうことができる。あるいは、HTLV抗原と組み合わせて固相支持体上に固定化して用いることができる。あるいはまた、非特異反応低減剤は、標識された形態で標識抗原として用いることもできる。抗HTLV抗体の免疫測定における抗原抗体反応系内に非特異反応低減剤を共存させることにより、非特異反応を低減し、偽陽性の発生を抑えることができる。
また、上記の免疫測定試薬、又は上記の非特異反応低減剤は、他の試薬類等と適宜に組み合わせて、検体中の抗HTLV抗体の免疫測定キットとして提供することができる。免疫測定に必要な他の試薬類は周知である。例えば、本発明のキットには、上記した免疫測定試薬又は非特異反応低減剤のほか、検体希釈液、洗浄液、及び、標識抗体に使用されている標識物質が酵素の場合には該酵素の基質液等がさらに含まれ得る。
本発明の人工のポリペプチドは、上記した改変p19ペプチドとして好ましく用いられるポリペプチドである。該人工のポリペプチドは、HTLV-1 p19のうちの第103番〜第130番アミノ酸の領域(配列番号1)を含むp19断片で構成され、かつ、p19の第112番〜第118番アミノ酸に該当する7残基の領域内(配列番号1においては第10番〜第16番アミノ酸)に少なくとも1つの置換変異を有するポリペプチドである。該人工のポリペプチドの好ましい態様は、改変p19ペプチドについて上述した態様と同じである。
以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
1.HTLV-1の抗体検査におけるp19中の非特異責任配列の検索
p19のC末端領域(aa103-130)は、HTLV-1抗体検査で抗原として利用可能であることが知られている。この領域内で非特異反応の吸収に重要な領域を特定するため、表1に示すp19断片を化学合成により調製し、非特異反応を生じることが確認されている非特異検体を用いて非特異反応の吸収試験を行なった。
HTLVウイルスNative抗原感作粒子懸濁液に表1に示した各ペプチドを10μg/mL又は100μg/mL添加し、非特異検体2例および低値陽性検体1例に対する反応性を確認した。ネガティブコントロール(N.C.)としてHTLV-1陰性脱脂血清を、ポジティブコントロール(P.C.)としてHTLV-1陽性血清(ネガティブコントロール液にて希釈)を使用した。実際の測定は市販の全自動化学発光酵素免疫測定システム「ルミパルス」(登録商標)(富士レビオ社製)にて行なった。ペプチドを添加しない条件で各サンプルを同様に測定して基準の測定値(基準カウント値)を算出し、この基準カウント値に対する比率(%)で非特異反応の抑制効果を評価した。
Figure 0006519478
その結果、No.13〜15、No.19〜22のペプチドを粒子に添加して測定を行なった場合に非特異反応が低下することが確認された(表2)。特に、No.20〜22のペプチドでは、低値陽性検体No.53のカウント低下がほとんどなく、非特異検体No.0045のカウントは大きく低下するという良好な結果であった。この結果から、非特異反応を低下させるためにはaa112-118のアミノ酸領域(以下、この領域を「非特異責任配列」と呼ぶ)が必須であると考えられた。
Figure 0006519478
2.非特異責任配列中に置換変異を有する改変p19ペプチドを用いた吸収試験
非特異責任配列中の残基を1つずつアラニンで置換した改変p19ペプチド(表3)を作製し、上記と同様に非特異吸収試験を実施した。
Figure 0006519478
結果を表4に示す。いずれも100μg/mLの添加で非特異反応を50%以上低減できた。特に、No.36とNo.39のペプチドでは、他のペプチドと比べてポジティブコントロールの測定値の低下が少なかった。
Figure 0006519478
3.改変p19ペプチドと非特異検体との反応性の検討
ポジティブコントロールの測定値の低下が少ないNo.36とNo.39のペプチドを選択し、下記表5の通りさらに変異ペプチドを調製した(N末端のKは、そのアミノ基を介してカルボキシル化粒子に固定するためにペプチドに付加した)。
以下の手順により、表5の改変p19ペプチドそれぞれを磁性粒子に感作し、改変p19ペプチド感作粒子を調製した。
(1) カルボキシル化磁性粒子(富士レビオ社製)15 mgをMilliQ水で3回洗浄した。
(2) EDC(1-ethyl-3-(3-dimethylaminopropyl)-carbodiimide hydrochloride)4 mgを添加し、25℃で30分間ゆるやかに攪拌しながらインキュベートした。
(3) 改変p19ペプチド7.5 mgを添加し、25℃で60分間ゆるやかに攪拌しながらインキュベートした。
(4) 2% BSA/Tris (pH 7.2)で3回洗浄し、これを改変p19ペプチド感作粒子とした。
改変p19ペプチド感作粒子を用いて非特異検体8例に対する反応性を確認した。測定操作は、市販の全自動化学発光酵素免疫測定システム「ルミパルス」(登録商標)(富士レビオ社製)にて行なった。
Figure 0006519478
結果を表6に示す。いずれの変異ペプチドも、ポジティブコントロールの測定値を大幅に低下させることなく、かつ、使用した非特異検体全般に対して非特異反応を50%程度以下に抑制する効果があることが確認された。
Figure 0006519478

Claims (10)

  1. 抗HTLV抗体の免疫測定における非特異反応の低減方法であって、抗原抗体反応系内に改変p19ペプチドを存在させることを含み、前記改変p19ペプチドは、HTLV p19のうちの第103番〜第130番アミノ酸の領域を含むp19断片で構成され、かつ、p19の第112番〜第118番アミノ酸に該当する領域内に少なくとも1つの置換変異を有するポリペプチドである、方法。
  2. 前記改変p19ペプチドは、p19の第114番アミノ酸及び第117番アミノ酸に該当するアミノ酸残基の少なくともいずれか一方における置換変異を含む、請求項1記載の方法。
  3. 前記改変p19ペプチドは、配列番号2〜15のいずれかに示されたアミノ酸配列で構成されるポリペプチドである、請求項1記載の方法。
  4. 前記改変p19ペプチドは、配列番号17〜25のいずれかに示されたアミノ酸配列からなるポリペプチドである、請求項2記載の方法。
  5. 前記改変p19ペプチドが固相支持体上に固定化されている、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 改変p19ペプチドを含む、抗HTLV抗体の免疫測定試薬であって、前記改変p19ペプチドは、HTLV p19のうちの第103番〜第130番アミノ酸の領域を含むp19断片で構成され、かつ、p19の第112番〜第118番アミノ酸に該当する領域内に少なくとも1つの置換変異を有するポリペプチドである、免疫測定試薬。
  7. 改変p19ペプチドを含む、抗HTLV抗体の免疫測定用の非特異反応低減剤であって、前記改変p19ペプチドは、HTLV p19のうちの第103番〜第130番アミノ酸の領域を含むp19断片で構成され、かつ、p19の第112番〜第118番アミノ酸に該当する領域内に少なくとも1つの置換変異を有するポリペプチドである、非特異反応低減剤。
  8. 請求項6記載の免疫測定試薬又は請求項7記載の非特異反応低減剤を含む、抗HTLV抗体の免疫測定キット。
  9. 配列番号2〜15のいずれかに示されたアミノ酸配列で構成される、人工のポリペプチド。
  10. 配列番号17〜25のいずれかに示されたアミノ酸配列からなる、人工のポリペプチド。
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