以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
以下に説明するスロットマシンは、所定数の遊技媒体が投入され、かつ、複数種類の図柄がそれぞれ施された複数のリールが所定の回転開始指示操作を受け付けたことで回転を開始するとともに、その回転開始指示操作を受け付けたことに基づいて複数種類の役の内部当選の当否を抽選により判定し、その複数のリールそれぞれが、所定の回転停止指示操作を受け付けることで回転を個別に停止し、その抽選の結果に基づく役およびその複数のリールが停止したときの図柄組み合わせによって決まる条件が所定の払出し条件に、合致していれば遊技媒体を払い出して終了となり、合致していなければ遊技媒体を払い出さずに終了となる一連の遊技を進行する遊技台である。
<全体構成>
まず、図1を用いてスロットマシン100の全体構成について説明する。図1は、スロットマシン100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
図1に示すスロットマシン100は、本発明の遊技台の一例に相当するものであり、本体101と、本体101の正面に取り付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には(図示省略)、外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110〜112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110〜112が構成されている。リール110〜112上の図柄は、遊技者から見ると、各リール110〜112の手前に設けられた図柄表示窓113から縦方向に概ね三つ表示され、合計九つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110〜112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合わせが変動することとなる。つまり、各リール110〜112は、複数種類の図柄の組み合わせを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各々のリール110〜112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110〜112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110〜112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ラインは、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ライン114は5ラインあり、例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5ラインに限定されるものではなく、また、例えば、メダルが1枚ベットされた場合に、中段の水平入賞ライン、上段水平入賞ライン、下段水平入賞ライン、右下り入賞ラインおよび右上り入賞ラインの5ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよく、ベット数に関係なく、一律に同一数の入賞ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよい。
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、特別役1および特別役2)に内部当選していること、または、後述する特別遊技状態であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技役(詳細は後述する)に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
メダル投入ボタン(ベットボタンともいう)130〜132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAXベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130〜132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。
貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。なお以下では、遊技者に払出される、と同様の意味で、遊技者に付与されると表現する場合がある。貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および、払出枚数表示器127は、7セグメント(SEG)表示器とした。
スタートレバー135は、リール110〜112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130〜132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110〜112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
ストップボタンユニット136には、左ストップボタン137、中ストップボタン138および右ストップボタン139で構成されるストップボタン137〜139が設けられている。ストップボタン137〜139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110〜112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110〜112に対応づけられている。本実施形態では、左ストップボタン137を操作することによって左リール110を停止させることができ、中ストップボタン138を操作することによって中リール111を停止させることができ、右ストップボタン139を操作することによって右リール112を停止させることができる。
以下、ストップボタン137〜139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。また、第1停止操作の対象となるリールを第1停止リール、第2停止操作の対象となるリールを第2停止リール、第3停止操作の対象となるリールを第3停止リールという。さらに、回転中の各リール110〜112を全て停止させるためにストップボタン137〜139を停止操作する順序を操作順序または押し順という。第1停止リールを左リール110とする停止操作の操作順序を「順押し操作順序」または単に「順押し」と呼び、第1停止リールを中リール111とする停止操作の操作順序を「中押し操作順序」または単に「中押し」と呼び、第1停止リールを右リール112とする停止操作の操作順序を「逆押し操作順序」または単に「逆押し」と呼ぶ。本実施形態では、各ストップボタン137〜139の内部に発光体が設けられており、ストップボタン137〜139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることができる。
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受け皿161が設けられている。
音孔181はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。
前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には 音孔143が設けられている。この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された液晶表示装置157(演出画像表示装置)を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが液晶表示装置157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置157の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。
なお、画像を表示する装置については、液晶表示装置に限らず、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能な表示装置であればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成している。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
<内部構成>
図2は、スロットマシン100の内部構成を示す図であり、前面扉102を開けた状態のスロットマシン100を示す正面図である。
本体101は、上面板261、左側の側面板260、右側の側面板260、下面板264および背面板242で囲われ、前面を開口する箱体である。本体101の内部には、背面板242の上部に設けた通風口249と重ならない位置に、内部に主制御基板(後述する主制御部300を実装する基板)を収納した主制御基板収納ケース210が配置され、この主制御基板収納ケース210の下方に、3つのリール110〜112が配置されている。主制御基板収納ケース210及びリール110〜112の側方、即ち向って左側の側面板260には、内部に第1副制御基板(後述する第1副制御部400を実装する基板)を収納した副制御基板収納ケース220が配設してある。また、向かって右側の側面板260には、主制御基板に接続されて、スロットマシン100の情報を外部装置に出力する外部集中端子板248が取り付けられている。
そして、下面板264には、メダル払出装置180(バケットに溜まったメダルを払出す装置)が配設され、このメダル払出装置180の上方、即ちリール110〜112の下方には、電源基板を有する電源装置252が配設され、電源装置252正面には電源スイッチ244を配設している。電源装置252は、スロットマシン100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部300、第1副制御部400等の各制御部、各装置に供給する。さらには、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えばコンデンサ)を備えている。
メダル払出装置180の右側には、メダル払出装置180から溢れたメダルを収容するメダル補助収納ケース240が配設してあり、この背後にはオーバーフロー端子が配設されている(図示省略)。電源装置252には、電源コード265を接続する電源コード接続部が設けられ、ここに接続された電源コード265が、筐体101の背面板242に開設した電源コード用穴262を通して外部に延出している。
前面扉102は、本体101の左側の側面板260にヒンジ装置276を介して蝶着され、図柄表示窓113の上部には、演出装置160、およびこの演出装置160を制御する第2制御基板(図示省略:後述する第2副制御部500を実装する基板)、上部スピーカ272を設けている。図柄表示窓113の下部には、投入されたメダルを選別するためのメダルセレクタ170、このメダルセレクタ170が不正なメダル等をメダルの受皿161に落下させる際にメダルが通過する通路266等を設けている。さらに、音孔181に対応する位置には低音スピーカ277を設けている。
<制御部の回路構成>
次に、図3を用いて、スロットマシン100の制御部の回路構成について説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図である。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主な演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの図柄配列等を記憶したROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、WDT(ウォッチドッグタイマ)314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400や第2副制御部500についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器315bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器315bが出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
主制御部300は、水晶発振器315aから入力されるクロック信号に基づき0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数値生成回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路338を備えており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号が入力された場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、主制御部300は、センサ回路320を備えており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、メダル投入口141から投入されたメダルのメダル受付センサ、スタートレバー135センサ、左ストップボタン137センサ、中ストップボタン138センサ、右ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、左リール110のインデックスセンサ、中リール111のインデックスセンサ、右リール112のインデックスセンサ、等)の状態を監視している。
なお、センサ回路320がスタートレバーセンサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数値生成回路316に出力する。この信号を受信した乱数値生成回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
メダル受付センサは、メダル投入口141の内部通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。左ストップボタン137センサ、中ストップボタン138センサ、および、右ストップボタン139センサは、各々対応するストップボタン137〜139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、および、ベットボタン132センサは、対応するメダル投入ボタン130〜132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
左リール110のインデックスセンサ、中リール111のインデックスセンサ、および、右リール112のインデックスセンサは、各リール110〜112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。一旦Lレベルになってから次にLレベルになるまでの間、リールが基準位置からどのくらい回転しているかを示す回転位置情報は、水晶発振器315bが出力するクロック信号をカウントした値に基づいて算出される。CPU304は、上記Lレベルの信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。この回転位置情報は、主制御部300のRAM308に格納されている。
主制御部300は、リール110〜112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路322、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ170に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路326、各種ランプ336(告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129は、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路328を備えている。
また、基本回路302には、情報出力回路334を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態を示す情報)を出力する。
また、主制御部300は、電源管理部(図示省略)から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路330を備えており、電圧監視回路330は、電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
<副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを、入力インタフェースを介して受信する。第1副制御部400は、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM406には、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等が記憶されている。
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第1副制御部400には、音源IC418を設けており、音源IC418に出力インタフェースを介してスピーカ272、277を設けている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS−ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
また、第1副制御部400には、駆動回路422が設けられ、駆動回路422に入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ、遊技メダル投入可能ランプ124、ベットボタンランプ、リールバックライト、ストップボタン137〜139ランプ等)が接続されている。
また、第1副制御部400には、シャッタ163のモータを駆動する駆動回路424を設けており、駆動回路424には出力インタフェースを介してシャッタ163を設けている。この駆動回路424は、CPU504からの命令に応じてシャッタ163に設けたステッピングモータ(図示省略)に駆動信号を出力する。
また、第1副制御部400には、センサ回路426を設けており、センサ回路426には入力インタフェースを介してシャッタセンサ428を接続している。CPU504は、割り込み時間ごとにシャッタセンサ428の状態を監視している。
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。第2副制御部500は、演出画像表示装置157の表示制御を行う。
次に、スロットマシン100の第2副制御部500について説明する。第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを、入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、この基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512と、を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM506には、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等が記憶されている。
CPU504は、所定のタイミングでデータバスを介してROM506の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ512に送信する。カウンタタイマ512は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU504は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第2副制御部500には、VDP516(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)を設けており、このVDP516には、バスを介してROM506、VRAM518が接続されている。VDP516は、CPU504からの信号に基づいてROM506に記憶された画像データ等を読み出し、VRAM518のワークエリアを使用して表示画像を生成し、演出画像表示装置157に画像を表示する。
<図柄配列>
次に、図4を用いて、上述の各リール110〜112に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施された図柄の配列を平面的に展開して示す図である。
各リール110〜112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では10種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号0〜20は、各リール110〜112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施形態では、左リール110の番号19のコマには「スイカ図柄」、中リール111の番号20のコマには「ベル図柄」、右リール112の番号18のコマには「セブン1図柄」、がそれぞれ配置されている。
<入賞役の種類>
次に、図5を用いて、スロットマシン100の入賞役の種類について説明する。なお、同図は入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役に対応する図柄組み合わせ、各入賞役の作動または払出を示す図である。
スロットマシン100の入賞役には、特別役(特別役1、特別役2)と、一般役(再遊技役、小役1〜小役3)がある。なお、入賞役の種類は、これらの役に限定されるものではなく、任意に採用することができる。
本実施形態における入賞役のうち、特別役1および特別役2は、遊技者に所定の利益が付与される特別遊技状態に移行する役である。また、再遊技役は、新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役である。これらの入賞役は「作動役」と呼ばれる場合がある。また、本実施形態における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組み合わせが有効ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、特別役1、特別役2、および再遊技役への入賞が含まれる。
特別役1および特別役2は、入賞により特別遊技状態に移行する役(作動役)である。ただし、この役自身に入賞したことよるメダルの払出は行われない。対応する図柄組み合わせは、特別役1が「セブン1−セブン1−セブン1(BB1)」又は「セブン2−セブン2−セブン2(BB2)」であり、特別役2が「BAR−BAR−BAR(RB)」である。
特別役1または特別役2に内部当選すると、この内部当選した役に対応する特別役内部当選フラグがオンに設定される(主制御部300のRAM308の所定のエリア内に記憶される)。このフラグがオンに設定されていると、主制御部300は、遊技状態を特別役内部当選状態(以下、この状態をRT3と称することがある)に移行させる。このフラグは、その内部当選した役に入賞するまでオンの状態が維持され、次回以降の遊技においてもその内部当選した役に入賞しやすい状態となる。すなわち、特別役1または特別役2に内部当選した遊技においてその特別役に入賞しなくとも、次回以降の遊技でその特別役に内部当選した状態となり、特別役に対応する図柄組み合わせ(例えば特別役1に内部当選した場合は「セブン1−セブン1−セブン1(BB1)」又は「セブン2−セブン2−セブン2(BB2)」の図柄組み合わせ)が、揃って入賞しやすい状態になる。この特別役内部当選状態(RT3)については後述する。
主制御部300は、特別役1または特別役2に対応する図柄組み合わせが表示されたことに基づいて遊技状態を特別遊技状態(以下、この状態をRT4と称することがある)に移行させる。さらにこの特別遊技状態において、所定の枚数の払出しがされると再遊技低確率状態(以下、この状態をRT1と称することがある)に移行させる。この特別遊技状態(RT4)および再遊技低確率状態(RT1)については後述する。
再遊技役は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行われない。なお、再遊技役の対応する図柄組み合わせは、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」である。
上記再遊技役は、遊技者がメダルを投入することなく、次回の遊技を行うことができる役であればよい。したがって、例えば、再遊技に入賞すると次回遊技でメダルの投入が自動的に投入(後述するメダル投入枚数記憶領域にメダル投入枚数を再設定)されるものであってもよいし、再遊技に入賞した遊技で投入されたメダルをそのまま次回の遊技に持ち越して使用できるものであってもよい。
「小役(小役1〜小役3)」(以下、それぞれ「小役1」、「小役2」、「小役3」と称する場合がある)は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、対応する図柄組み合わせは、小役1が「スイカ−スイカ−スイカ(スイカ)」、小役2が「ANY−チェリー−ANY(チェリー)」、小役3が「ベル−ベル−ベル(ベル)」である。また、対応する払出枚数は同図に示す通りである。なお、「ANY−チェリー−ANY」の場合、中リール111の図柄が「チェリー」であればよく、左リール110と右リール112の図柄はどの図柄でもよい。
なお、小役3(ベル)に関しては、停止操作の順序が正解の場合に入賞する「小役3a」と、停止操作の順序に関係なく入賞する「小役3b」と、がある(詳しくは後述)。
<遊技状態の種類>
次に、スロットマシン100の遊技状態の種類および変遷について説明する。図6は、スロットマシン100の主制御部300の遊技状態の遷移図である。
スロットマシン100の主制御部300は、大別すると、再遊技低確率状態(RT1)、再遊技高確率状態(RT2)、特別役内部当選状態(RT3)、及び特別遊技状態(RT4)を有する。本実施形態では、この四つに大別された遊技状態をRT系の遊技状態という。また、本実施形態では、主制御部300が所謂AT(アシストタイム)に関する状態(以下、AT系の遊技状態という)も制御しており、主制御部300が決定したAT系の遊技状態に従って、第1副制御部400は演出を設定するようになっている。主制御部300のAT系の遊技状態は、図6に示すように、通常状態及びAT状態、の二つの遊技状態を有する。
図7は、各遊技状態における入賞役の抽選テーブルを示す図である。横軸はそれぞれの遊技状態(RT系の遊技状態)を表し、縦軸はそれぞれの入賞役の抽選値を示す。以後に説明する各遊技状態における役の内部当選確率は、ROM306に用意された抽選データから、各々の役に対応付けされた抽選データの範囲に該当する数値データを、内部抽選時に取得される乱数値の範囲の数値データ(例えば65535)で除した値で求められる。例えば、再遊技低確率状態(RT1)においては、小役1の抽選値が512であり、小役1の当選確率は512/65536×100≒0.8%である。抽選データは、予めいくつかの数値範囲に分割され、各数値範囲に各々の役やハズレを対応付けしている。内部抽選を実行した結果得られた乱数値が、何れの役に対応する抽選データに対応する値であったかを判定し、内部抽選役を決定する。この抽選データは少なくとも一つの役の当選確率を異ならせた設定1〜設定6が用意され、遊技店の係員等はいずれかの設定値を任意に選択し、設定することができる。なお、この図に示す内部当選確率は一例であって、この確率に限定されるものではない。
以降、図面を適宜参照しながら、スロットマシン100のRT系の遊技状態について説明する。
<再遊技低確率状態(RT1)>
再遊技低確率状態は、再遊技の内部当選確率が他の遊技状態(例えば特別遊技状態を除く遊技状態)のうち最も低い(遊技者にとって不利な)遊技状態であり、通常遊技状態と称することもある。再遊技低確率状態では、図7に示す横軸の「RT1」の列にある抽選テーブルを参照して内部当選する入賞役を抽選する。
再遊技低確率状態において内部当選する入賞役には、特別役1、特別役2、特別役1−小役1、特別役1−小役2、特別役2−小役1、特別役2−小役2、再遊技役、小役1、小役2、小役3aがある。なお、入賞役に当選しなかった場合はハズレとなり、入賞役に対応する図柄組み合わせは表示されない。なお、入賞ラインに入賞に係る図柄組合せが停止されないことを、「ハズレとなる」、と称する場合がある。また、入賞役に当選しなかったことを「ハズレに当選した」と表現する場合がある。
ここで、「特別役1−小役1」とは、特別役1および小役1が同時に内部当選したことを指す。同様に、「特別役1−小役2」は、特別役1および小役2が同時に内部当選したことを指し、「特別役2−小役1」は、特別役2および小役1が同時に内部当選したことを指し、「特別役2−小役2」は、特別役2および小役2が同時に内部当選したことを指す。これらの場合、遊技者の操作に応じていずれかの役に対応する図柄組み合わせが表示されるかが決定される。より具体的には、入賞ラインのいずれかにおいて、内部当選しているいずれかの役の入賞が不可能でない限り、その入賞ラインに対応する図柄組み合わせを構成する図柄を停止させる。
「小役3a」は、遊技者の操作順序に応じて遊技者の有利不利が異なるように設定されている。「小役3a」に内部当選した場合には、遊技者の操作順序に応じて小役3に対応する図柄組み合わせが入賞ラインに表示されるか否かが決定される(図7備考欄参照)。より具体的には、予め定められた操作順序である正解操作順序に従って停止操作がされた場合には、「ベル図柄−ベル図柄−ベル図柄」が入賞ライン上に表示され、8枚のメダルが払い出される。これに対して、正解操作順序に従って停止操作がされなかった場合には、「ベル図柄−ベル図柄−ベル図柄」が入賞ライン上に表示されない。
本実施形態では、「小役3a」に内部当選した場合、複数種類(具体的には6種類)の中から一つのリール停止データが抽選により選択されるようになっており、このリール停止データごとに正解操作順序が設けられている。より具体的には、(1)リール停止データd−1が選択された場合には、第1停止リールを左リール110、第2停止リールを中リール111、第3停止リールを右リール112とする停止操作(以下、「左中右」の停止操作ともいう)が正解操作順序に従った停止操作、(2)リール停止データd−2が選択された場合には、第1停止リールを左リール110、第2停止リールを右リール112、第3停止リールを中リール111とする停止操作(以下、「左中右」の停止操作ともいう)が正解操作順序に従った停止操作、(3)リール停止データd−3が選択された場合には、第1停止リールを中リール111、第2停止リールを左リール110、第3停止リールを右リール112とする停止操作(以下、「中左右」の停止操作ともいう)が正解操作順序に従った停止操作、(4)リール停止データd−4が選択された場合には、第1停止リールを中リール111、第2停止リールを右リール112、第3停止リールを左リール110とする停止操作(以下、「中右左」の停止操作ともいう)が正解操作順序に従った停止操作、(5)リール停止データd−5が選択された場合には、第1停止リールを右リール112、第2停止リールを左リール110、第3停止リールを中リール111とする停止操作(以下、「右左中」の停止操作ともいう)が正解操作順序に従った停止操作、(6)リール停止データd−6が選択された場合には、第1停止リールを右リール112、第2停止リールを中リール111、第3停止リールを左リール110、とする停止操作(以下、「右中左」の停止操作ともいう)が正解操作順序に従った停止操作となっている。すなわち、本実施形態では、選択されたリール停止データごとに第1〜第3停止操作に関する正解操作順序が決定されるようになっている。
この「小役3a」のように、入賞役が操作順序によって決定される役を「操作順序役」と称する場合がある。
なお、本実施形態では、操作順序正解の場合には払出がある一方、不正解の場合には払出がない構成を採用したが、これに限定されない。例えば、操作順序に正解した場合と、不正解の場合とで、払い出し枚数が異なるものであってもよい。すなわち、操作順序に正解した場合の方が、操作順序に不正解の場合よりも有利になる構成であればよい。また、上記説明では、正解の操作条件を操作順序としたが、正解の操作条件は操作順序に限定されない。操作順序に限らず停止操作のタイミングや、操作順序と停止操作のタイミングとの組み合わせによって有利不利を生じさせる構成であってもよい。なお、ここで説明した「小役3a」については、以降説明する遊技状態でも同様である。
また、「小役3a」に内部当選した場合、リール停止データが抽選により選択されるようになっていたが、複数種類の小役のそれぞれに正解操作順序の異なるリール停止データを対応させて、正解操作順序に従った操作を行った場合に小役を入賞させるようにしてもよい。例えば、小役3aを小役3a−1〜小役3a−6の6種類に分け、小役3a−1〜小役3a−6のうちいずれの役が入賞しても8枚のメダルが払い出されるものとする一方、小役3a−1に内部当選した場合には、リール停止データd−1が選択され、小役3a−2に内部当選した場合には、リール停止データd−2が選択され、小役3a−3に内部当選した場合には、リール停止データd−3が選択され、小役3a−4に内部当選した場合には、リール停止データd−4が選択され、小役3a−5に内部当選した場合には、リール停止データd−5が選択され、小役3a−6に内部当選した場合には、リール停止データd−6が選択されるものとする。
なお、本実施形態では、単独で小役3aが当選した場合にリール停止データに正解操作順序を設定したが、複数の小役に同時に当選した場合に、リール停止データに正解操作順序を設定してもよい。例えば、小役3aが入賞した場合に8枚のメダルが払い出されるものとし、さらに小役3a−1と小役3a−2と小役3a−3を設け、どの役が入賞した場合でも1枚のメダルが払い出されるものとする。そして、小役3aと小役3a−1に内部当選した場合には、リール停止データd−1xが選択され、小役3aと小役3a−2に内部当選した場合には、リール停止データd−2xが選択され、小役3aと小役3a−3に内部当選した場合には、リール停止データd−3xが選択されるものとする。リール停止データd−1x、d−2x及びd−3xは、それぞれ、最も多い払い出しが得られる正解操作順序に従った操作が実行されれば8枚のメダルが払い出されるものとし、最も多い払い出しが得られる正解操作順序に従った操作が実行されなければ1枚のメダルが払い出されるか、メダルの払い出しが0になるものとする。正解操作順序に従った操作が実行されなくても払い出しがある場合があるので、興趣ある遊技性となる場合がある。
図6には、再遊技低確率状態(RT1)において、AT抽選に当選した場合には、後述する再遊技高確率状態(RT2)に移行することが示されている。また、同図には、特別役1または特別役2に内部当選した場合には、後述する特別役内部当選状態(RT3)に移行することが示されている。さらに、特別役1または特別役2に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示された場合(特別役1または特別役2に入賞した場合)には、後述する特別遊技状態(RT4)に移行することが示されている。
<再遊技高確率状態(RT2)>
再遊技高確率状態(RT2)は、再遊技低確率状態(RT1)よりも再遊技役の内部当選確率が高い遊技状態である。再遊技高確率状態(RT2)では、図7に示す横軸の「RT2」の列にある抽選テーブルを参照して内部当選する入賞役を抽選する。
再遊技高確率状態(RT2)において内部当選する入賞役には、特別役1、特別役2、特別役1−小役1、特別役1−小役2、特別役2−小役1、特別役2−小役2、再遊技役、小役1、小役2、小役3aがある。なお、入賞役に当選しなかった場合はハズレとなり、入賞役に対応する図柄組み合わせは表示されない。
図6には、再遊技高確率状態(RT2)において、AT終了条件が成立した場合には、上述した再遊技低確率状態(RT1)に移行することが示されている。本実施形態では、小役3aに内部当選したときに実行される操作条件報知演出(詳しくは後述)を規定回数(初期値は20回、AT上乗せ抽選(詳しくは後述)に当選した場合には、当選するたびに10回が加算される)実行した場合にAT終了条件が成立する。また、同図には、特別役1または特別役2に内部当選した場合には、後述する特別役内部当選状態(RT3)に移行することが示され、さらに、特別役1または特別役2に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示された場合(特別役1または特別役2に入賞した場合)には、後述する特別遊技状態(RT4)に移行することが示されている。
<特別役内部当選状態(RT3)>
特別役内部当選状態(RT3)は、特別役1あるいは特別役2に対応する内部当選フラグがオンに設定された状態であり、遊技者が所定のタイミングで停止操作をすることで、このフラグに対応する特別役に対応する図柄組み合わせを表示させることができる遊技状態である。特別役内部当選状態では、図7に示す横軸の「RT3」の列にある抽選テーブルを参照して内部当選する入賞役を抽選する。特別役内部当選状態において内部当選する入賞役には、再遊技役、小役1、小役2、小役3aがある。なお、入賞役に当選しなかった場合はハズレとなり、入賞役に対応する図柄組み合わせは表示されない。
また、図6には、特別役内部当選状態(RT3)において、特別役1または特別役2に対応する図柄組み合わせが表示された場合に、後述する特別遊技状態(RT4)に移行することが示されている。
<特別遊技状態(RT4)>
特別遊技状態(RT4)は、全ての遊技状態中で最も遊技者に有利な遊技状態である。特別遊技状態では、図7に示す横軸の「RT4」の列にある抽選テーブルを参照して内部当選する入賞役を抽選する。特別遊技状態において内部当選する入賞役は、小役3bのみである。また、入賞役に当選しなかった場合はハズレとなり、入賞役に対応する図柄組み合わせは表示されない。
「小役3b」に内部当選した場合には、操作順序に関わらず「ベル図柄−ベル図柄−ベル図柄」が入賞ライン上に表示され、8枚のメダルが払出される。(図7備考欄参照)。
図6には、特別遊技状態(RT4)において、規定枚数が払い出された場合に再遊技低確率状態(RT1)に移行することが示されている。具体的には、特別役1に対応する図柄組み合わせが表示されたことに基づいて特別遊技状態に移行した場合には、360枚以上のメダルの払出しが終了すると再遊技低確率状態(RT1)に移行する。また、特別役2に対応する図柄組み合わせが表示されたことに基づいて特別遊技状態に移行した場合には、96枚以上のメダルの払出しが終了すると再遊技低確率状態(RT1)に移行する。
なお、本実施形態では、特別遊技状態が規定枚数の払い出しが実行されると終了するが、例えば、所定の役(例えばシングルボーナス)に当選した場合に終了するものや、さらには所定の回数(例えば8回)の入賞があった場合、または所定の回数(例えば6回)の遊技が行われた場合に終了するものであってもよい。
<AT系の遊技状態の遷移>
図6に示すように、AT系の遊技状態は、RT系の遊技状態に基づいて一意に決定される。すなわち、本実施形態では、再遊技低確率状態(RT1)、特別役内部当選状態(RT3)、及び特別遊技状態(RT4)は、通常状態であり、再遊技高確率状態(RT2)は、AT状態である。
ここで、AT状態とは、本実施形態の場合、停止操作の操作順序に関する報知演出(以下、操作条件報知演出という)が行われる状態であり、通常状態は、操作条件報知演出が行われない状態である。本実施形態では、(1)入賞役内部抽選処理において操作順序役である小役3aに内部当選したとき、又は(2)入賞役内部抽選処理においてに、再遊技役に内部当選し、かつ報知抽選に当選したとき、に操作条件報知演出が行われるようになっている。操作順序役である小役3aに内部当選したときだけでなく、再遊技役に内部当選したときも操作条件報知演出を実行するのは、操作条件報知演出をより多くの回数実行することによって、遊技者を操作条件報知演出の報知に従った停止操作に慣れさせるためである。
より詳しくは、AT状態とは、遊技者に有利な結果がもたらされるように、操作タイミング又は停止操作の操作順序を含んだ操作条件報知演出が実行される遊技状態をいう。なお、AT状態における遊技をAT遊技とも称する。つまり、AT状態とは、遊技者が演出に従った操作を行うことにより、小役入賞を取りこぼさないようにしながら遊技できる遊技状態である。また、AT状態とは、遊技状態の昇格および降格がある遊技性においては、遊技者が演出に従った操作を行うことにより、有利な遊技状態を降格させず、有利な遊技状態を維持できたり、不利な遊技状態から有利な遊技状態に昇格できたりする遊技状態でもある。そして、操作順序を報知する演出とは、操作順序役を入賞させるための停止操作の正解となる操作順序に関する情報が報知される演出である。また、操作タイミングを報知する演出とは、所謂とりこぼしが発生する操作順序役に関する情報が報知される演出である。例えば、小役1当選に関する情報としてスイカの画像を液晶表示装置157に表示する演出である。勿論、操作タイミング及び停止操作の順序の双方を報知する操作条件報知演出であってもよい。このようにAT状態は、遊技者にとって有利な遊技状態である。
具体的には、AT状態においては、小役3aに内部当選した場合に正解操作順序を報知する演出を実行するので、遊技者は、小役3aに内部当選した場合には、演出に従った停止操作を行うことで、メダルを獲得できる。
本実施形態では、RT1において小役1に内部当選した場合に実行されるAT抽選に当選した場合にAT状態(再遊技高確率状態)となり、AT状態は、RT2において小役3aに内部当選したときに実行される操作条件報知演出を、付与された規定回数分すべて実行した場合に終了して、通常状態(再遊技低確率状態)に移行する。
本実施形態では、通常状態からAT状態に移行したときに、初期値として規定回数20回が付与される。すなわち、RT2において小役3aに内部当選した場合の操作条件報知演出は20回行われる。また、AT状態において小役3aに内部当選したときに実行されるAT上乗せ抽選に当選したときには、現在の規定回数に対して10回が加算される。例えば、規定回数が20回の時点においてAT上乗せ抽選に当選した場合には、規定回数は30回となる。この場合には、AT状態において30回の規定回数分の操作条件報知演出を実行した場合にAT状態を終了する。勿論、AT状態は、他のRT系の遊技状態の移行を伴う場合(RT2から他の遊技状態に移行する場合)にも終了して、移行先のRT系の遊技状態に対応したAT系の遊技状態に移行する。
なお、本実施形態のAT状態は複数遊技を実行すると終了するが、1遊技を実行すると終了する状態としてもよい。
なお、以下の説明においては、例えば、主制御部300のRT系の遊技状態がRT1にあり、AT系の遊技状態が通常状態にある場合を、主制御部300の遊技状態はRT1(通常状態)にあると略記し、主制御部300のRT系の遊技状態がRT2にあり、AT系の遊技状態がAT状態にある場合を、主制御部300の遊技状態はRT2(AT状態)にあると略記する場合がある。また、以下、RT2(AT状態)において小役3aに内部当選したときに実行される操作条件報知演出の回数を単に「AT回数」と略記する場合がある。例えば、「AT回数が規定回数に達した場合にAT状態を終了する」と表記する。すなわち、AT回数は、AT状態において小役3aに内部当選した回数を意味し、AT状態においてリプレイに内部当選した回数は含まれない。
<リールの停止制御>
次に、リール110〜112の停止制御について概要を説明する。リールの停止制御は、予め定めた複数種類のリール停止制御データの中から、所定の条件(例えば、上述した入賞役の内部当選処理の結果)に基づいていずれかを選択し、選択したリール停止制御データに基づき行う。
本実施形態ではいわゆる引込制御(コマ滑り制御)を行う。引込制御とは、遊技者による各ストップボタン137〜139の操作があってから一定のコマ数(図柄数)の範囲(引き込み範囲;ここでは最大4コマ)でリール110〜112の停止位置をずらす制御をいう。リール停止データは主制御部300のROM306に格納されている。各リール停止データは、所定の入賞役の図柄組合せが入賞ライン上に揃って表示されることを許容する許容制御と、いずれの入賞役の図柄組合せも入賞ライン上に揃って表示されない禁止制御と、に大別される。
許容制御が行われる例としては、例えば、ある入賞役に内部当選した場合や、特別役の内部当選中(フラグ持ち越し中)の場合であり、遊技者による各ストップボタン137〜139を操作するタイミングが悪くても上記のコマ数の範囲内で入賞役の図柄組合せが揃って表示されるように制御が行われる。但し、「許容」するだけであるから、各ストップボタン137〜139を操作するタイミング次第で図柄組合せが揃わない場合もある。
例えば、小役1(スイカ)に内部当選した場合には、スイカ図柄は4コマを超えて配置されているので、ストップボタン137〜139を操作するタイミングが好適でないと、スイカ図柄は入賞ラインに停止しない。
尤も、リール110〜112における図柄の配置と引き込みコマ数次第で100%揃う場合もある。例えば、再遊技役(リプレイ)に対応する、リプレイ図柄の配置間隔は最大4コマであるため、再遊技役に内部当選すると、そのタイミングに関わらず100%入賞することになる。
一方、禁止制御が行われる例としては、例えば、内部抽選結果がハズレで、特別役の内部当選中(フラグ持ち越し中)ではない場合であり、遊技者による各ストップボタン137〜139を操作するタイミングが良くても上記のコマ数の範囲内で入賞役の図柄組合せが揃って表示されないように制御が行われる。
<操作条件報知演出、状態遷移示唆演出>
次に、図8〜図21を用いて、本実施形態の演出について説明する。図8は、AT系の遊技状態が遷移する場合及びAT状態において実行される演出の実行タイミングを示すタイムチャートである。
ここで、通常演出とは、AT系の遊技状態が通常状態において実行される演出全般を意味しており、例えば、通常状態中の多くの期間で表示される通常背景画像d1を演出画像表示装置157に表示する背景演出は通常演出の一つであり、通常状態中にボーナスへの期待感を高めるために複数遊技にわたって実行された連続演出も通常演出の一つである。また、AT演出とは、AT系の遊技状態がAT状態において実行される演出全般を意味しており、例えば、操作特定画像d10、操作正解画像d20を演出画像表示装置157に表示する操作条件報知演出、AT背景画像d2を演出画像表示装置157に表示する背景演出、AT回数画像d40などを演出画像表示装置157に表示するAT回数報知演出、及びAT上乗せ回数画像d50を演出画像表示装置157に表示するAT上乗せ回数報知演出はAT演出の一つである。
なお、本実施形態では、AT演出を、通常状態より遊技者に有利な状態において実行される演出の一例として取り上げるが、遊技者に有利な状態において実行される演出はAT演出に限定されるものではない。例えば、ボーナス中に実行されるボーナス演出であってもよく、ボーナス中に後述する種々の演出を実行するように構成してもよい。
(操作条件報知演出)
まず、操作条件報知演出について説明する。操作条件報知演出は、図8に示すように、AT状態において操作順序役である小役3aに内部当選したときに実行される(時点t1、t2参照)。なお、正確には再遊技役に内部当選した場合も、所定の条件が成立したときには操作条件報知演出は実行されるが、以下においては、小役3aに内部当選したときを中心に操作条件報知演出の説明を行う。
図9(a)は、操作条件報知演出の報知態様を示す図である。本実施形態の操作条件報知演出は、演出画像表示装置157上に、正解の停止操作の順序を示す操作特定画像d10を表示するとともに、スピーカ272、277を用いて、正解の停止操作の順序を示す音声(例えば、次の停止操作が左ストップボタン137の場合には「左」などの音声)を出力し、各種ランプ420を用いて、正解の停止操作の順序を示す点灯・点滅(例えば、次の停止操作が左ストップボタン137の場合には、左サイドランプ144を点灯・点滅させるなど)を行う。
また、操作条件報知演出では、後述する図9(b)などで説明するが、(1)遊技者が正解の停止操作を行った場合、行われた停止操作に対応する操作特定画像d10を消去して、個々の停止操作が正解であったことを示唆する操作正解画像d20を表示する一方、(2)遊技者が不正解の停止操作を行った場合には、個々の停止操作が不正解であったことを示唆する操作不正解画像d20aを表示する。
図9(b)は、AT状態の中途ゲームG3において小役3aに内部当選し(AT上乗せ抽選は非当選)、リール停止データd−1が選択された場合であって、遊技者が正解の停止操作(左中右の停止操作)を行ったときの操作条件報知演出の演出画像の推移を示している。
なお、AT状態では背景画像としてAT背景画像d2が表示されているので、このAT背景画像d2上に操作特定画像d10及び操作正解画像d20は表示される。本実施形態では、夜中に二人のキャラクタ(殿、侍)が対決する演出画像をAT背景画像d2としている。また、AT背景画像d2上には、AT回数を示すAT回数画像d40が常時表示されている。例えば、図9(b−1)から(b−5)に示す「AT05回目」、図9(b−6)〜((b−7)に示す「AT06回目」の表示は、過去のAT回数が5回であり、今回のゲームにおいてAT回数が6回目であることを示している。本実施形態では、第3停止操作を契機にして、AT回数が更新されたAT回数画像d40を表示する。
図9(b−1)は、スタートレバー操作後の演出画像表示装置157の表示態様を示している。スロットマシン100は、スタートレバー操作に基づいて、操作特定画像d10を表示する。具体的には、正解の停止操作が「左中右」の場合、画面の中央下方位置に、方形状の枠の中に1の数字が記された操作特定画像d10、方形状の枠の中に2の数字が記された操作特定画像d10、及び方形状の枠の中に3の数字が記された操作特定画像d10をストップボタン137〜139の位置に合わせて左から表示する。これにより、遊技者は、操作特定画像d10の数字の並びに基づいて第1停止操作が左ストップボタン137に対する操作、第2停止操作が中ストップボタン138に対する操作、第3停止操作が右ストップボタン139に対する操作であることを把握する。
図9(b−2)は、第1停止操作後の演出画像表示装置157の表示態様を示している。図9(b−2)では、遊技者が左ストップボタン137に対する操作を第1停止操作とし、この第1停止操作が正解であったので、スロットマシン100は、第1停止操作に対応する操作特定画像d10を消去して、第1停止操作に対応する操作特定画像d10が表示されていた位置に、第1停止操作が正解であったことを示唆する操作正解画像d20を表示する。
ここで、操作正解画像d20は、具体的には、爆発・破裂を表す形状の枠内にOKの文字が記された図形画像であり、表示開始から所定時間L1(本実施形態の場合、約1秒。以下、表示時間L1ともいう)の経過で消失するアニメーション画像でとなっている。
図10(a)は、第1停止操作に基づいて表示された操作正解画像d20の変化の様子を示している。第1停止操作の時点t11から所定時間M1(<L1)が経過する時点t12までは透過度0の操作正解画像d20が表示され、時点t12から第1停止操作の時点t11から所定時間L1が経過する時点t13までは、透過度が0から100まで徐々に変化していく操作正解画像d20が表示され(操作正解画像d20は徐々に消えていき)、最終的には時点t13で操作正解画像d20は消失する。
また、図10(b)は、第1停止操作後の操作正解画像d20と操作特定画像d10の大きさを比較する図である。本実施形態の場合、図10(b)に示すように、操作正解画像d20は、操作特定画像d10よりも大きな画像であり、操作特定画像d10よりも手前に表示されるので、操作正解画像d20は操作特定画像d10よりも目立つようになっている。正解操作があったことを遊技者により強調して報知するためである。以下、この操作正解画像d20を操作特定画像d10より大きく表示することを「操作正解画像d20の拡大表示」という場合がある。
なお、本実施形態では、第2停止操作及び第3停止操作に基づく操作正解画像d20も同一のアニメーション画像であり、その動作も同一としている。勿論、操作正解画像d20は、図10に示した形状・模様・色彩に限定されるものではなく、例えば、文字がない画像であってもよいし、文字等に動きのある動画としてもよい。また、第1停止操作、第2停止操作及び第3停止操作に基づく操作正解画像d20を、ぞれぞれの操作に対応する画像としてもよい。操作の経過を把握させやすくする場合がある。
また、本実施形態では、操作正解画像d20の透過度を変化させるようにしたが、操作正解画像d20の透過度を変化させなくてもよい。例えば、時点t11から時点t13まで同一の透過度(例えば、50)で操作正解画像d20を表示するようにしてもよい。この場合には、背景画像d2の視認性を妨げることがない(背景画像d2の表示面積は、操作正解画像d20の表示前と表示後と同一で変わらない)。
なお、図9(b)は、AT状態において小役3aに内部当選したが、AT上乗せ抽選には当選しなかった場合の操作条件報知演出の表示態様を示している。上述したように、本実施形態では、AT状態において小役3aに内部当選した場合には、AT上乗せ抽選が実行され、当選した場合には、AT回数が上乗せされる。
図11は、AT状態において小役3aに内部当選した、かつAT上乗せ抽選に当選した場合の操作条件報知演出の表示態様を示している。図11に示すように、AT上乗せ抽選に当選した場合の操作特定画像d10S及び操作正解画像d20Sは、それぞれ、AT上乗せ抽選に当選しなかった場合の操作特定画像d10及び操作正解画像d20と異なっている。具体的には、操作特定画像d10Sは、操作特定画像d10に炎の画像を追加するとともに方形状の枠内の色を変化させた画像である。また、操作正解画像d20Sは、操作正解画像d20に爆発・破裂を表す形状の複数の枠をさらに追加強調した画像である。以下、便宜上、AT上乗せ抽選に当選しなかった場合の操作条件報知演出を「通常操作条件報知演出」といい、AT上乗せ抽選に当選した場合の操作条件報知演出を「特別操作条件報知演出」という場合がある。
このように本実施形態の操作条件報知演出は、演出態様の相違から、遊技者は、AT回数の上乗せがあったか否かを判断することができる。
なお、図11においては、特別操作条件報知演出の演出画像表示装置157の表示態様だけを示したが、スピーカ272、277より出力される音声(例えば、停止操作音など)に関しても、通常操作条件報知演出と特別操作条件報知演出を異なるようにしてもよい。また、図11に示した操作特定画像d10S及び操作正解画像d20Sは、一例であって、この画像に限定されるものではない。操作特定画像d10S及び操作正解画像d20Sは、操作特定画像d10及び操作正解画像d20と比べて、配色を増す、大きくなる等して遊技者の期待感を煽る異なる画像であればその内容は特に限定されない。
また、本実施形態の操作条件報知演出では、図9(b)に示すように、操作特定画像d10の表示態様を変化させるようにしている。図12は、操作特定画像d10の表示態様の変化を示すタイミングチャートである。図12(a)は、AT状態において再遊技役に内部当選したときに実行される操作条件報知演出の操作特定画像d10、図12(b)は、AT状態において小役3aに内部当選し、かつAT上乗せ抽選に当選しなかったときに実行される操作条件報知演出の操作特定画像d10、図12(c)は、AT状態において小役3aに内部当選し、かつAT上乗せ抽選に当選したときに実行される操作条件報知演出の操作特定画像d10及びd10Sを示している。
本実施形態の操作条件報知演出は、図12に示すように、スタートレバー操作に基づいて表示開始された操作特定画像d10を、リール回転開始に基づいて表示態様を変化させるようにしている。具体的には、再遊技役に内部当選した場合には、操作特定画像d10の矩形枠内の色が白色から再遊技役(リプレイ)の図柄を示唆する青色に変化し、小役3aに内部当選し、AT上乗せがない場合には、操作特定画像d10の矩形枠内の色が白色から小役3(ベル)の図柄を示唆する黄色に変化し、小役3aに内部当選し、AT上乗せがある場合には、操作特定画像d10を上述の期待感を煽る操作特定画像d10Sに変化させる。
なお、リール回転開始のタイミングは、一遊技に要する時間(一遊技は最低4.1秒を要する)との関係で決まるため、リール回転開始までのウェイト時間がない場合には、スタートレバー操作からリール回転開始までの時間(初期画像表示時間という)L11は0.8秒、リール回転開始までのウェイト時間がある場合には、初期画像表示時間L11は、0.8秒にウエイト時間が加算された時間である。すなわち、スタートレバー操作時に表示開始された操作特定画像d10は、最低でも0.8秒間はそのままの表示態様で表示される。
図9に戻って、図9(b−3)は、第1停止操作に基づいて表示された操作正解画像d20が消失した後(表示時間L1経過後)の演出画像表示装置157の表示態様を示している。このとき、スロットマシン100は、操作条件報知演出として、残りの停止操作(第2停止操作、第3停止操作)に関する操作特定画像d10を継続して表示している。
図9(b−4)は、第2停止操作後の演出画像表示装置157の表示態様を示している。図9(b−4)では、遊技者が中ストップボタン138に対する操作を第2停止操作とし、第2停止操作が正解であったので、スロットマシン100は、第2停止操作に対応する操作特定画像d10を消去して、第2停止操作に対応する操作特定画像d10が表示されていた位置に、第2停止操作が正解であったことを示唆する操作正解画像d20を表示する。
図9(b−5)は、第2停止操作に基づいて表示される操作正解画像d20が消失した後(表示時間L1経過後)の出画像表示装置157の表示態様を示している。このとき、スロットマシン100は、操作条件報知演出として、残りの停止操作(第3停止操作)に関する操作特定画像d10を表示している。
図9(b−6)は、第3停止操作後の演出画像表示装置157の表示態様を示している。図9(b−6)では、遊技者が右ストップボタン139に対する操作を第3停止操作とし、第3停止操作が正解であったので、スロットマシン100は、第3停止操作に対応する操作特定画像d10を消去して、第3停止操作に対応する操作特定画像d10が表示されていた位置に、第3停止操作が正解であったことを示唆する操作正解画像d20を表示する。なお、AT回数画像d40は、第3停止操作に基づいて、その数字が05から06に更新される。
図9(b−7)は、第3停止操作に基づいて表示される操作正解画像d20が消失した後(表示時間L1経過後)の演出画像表示装置157の表示態様を示している。操作条件報知演出は終了したので、スロットマシン100は、AT背景画像d2及びAT回数画像d40だけを表示している。
このように本実施形態の操作条件報知演出は、操作特定画像d10を表示して遊技者に有利な操作内容を報知するだけでなく、正解の操作をした場合には、その都度、操作正解画像d20を表示して操作が正解であったことを報知する。また、操作正解画像d20を操作特定画像d10よりも大きく表示して強調するので、遊技者は正解の停止操作が行われたことをより容易に認識することができる。
ここで、AT背景画像d2について述べると、AT背景画像d2は、表示の内容に動きのある動画(例えば、野草が左右に動いていたり、突如として枯れ葉や新聞紙が風に飛ばされて現れたり、殿と侍が間合いをとる動きをする)であり、様々な情報を表示する画像である。よって、AT背景画像d2上に操作特定画像d10を表示した場合に、操作特定画像d10はAT背景画像d2が表示する様々な情報の1つと見なされて目立たないことがある。つまり、AT背景画像d2は操作正解画像d20を目立たせない要因となることがあった。仮に、操作特定画像d10をできるだけ目立たせるため、操作特定画像d10を巨大な画像とすることも可能ではあるが、従来採用されてきた操作特定画像d10とは異なる表示態様とすると、遊技者に思いもよらない期待感を与えてしまう可能性があり、従来採用されてきた操作特定画像d10とは異なる表示態様とすることが困難であった。
なお、この問題は、通常背景画像d1についても同様である。通常背景画像d1も様々な情報を表示する画像になっているので、仮に通常背景画像d1上に操作特定画像d10を表示した場合、操作特定画像d10は通常背景画像d1が表示する様々な情報の1つと見なされて目立たないことがある。
特に近年、演出効果を高めるために演出画像表示装置157を大型化する傾向がある。しかしながら、演出画像表示装置157の大型化に伴い、種々の新たな問題が生じている。上述した背景画像(AT背景画像d2、通常背景画像d1)の表示もそのうちの1つである。
従前から背景画像の表示は、静止画像とせずに動画像(動きのある内容の表示)とすることで、遊技者の遊技への関心を高めていた。この点、演出画像表示装置157が小型であった場合には、遊技者がひと目に表示内容の全体を把握できるので、動きのある内容の表示が一部にでもあれば動画像である印象を与えられた。
これに対して、演出画像表示装置157が大型化されると、遊技者がひと目に表示内容の全体を把握するのが容易でないので、動きのある内容の表示が一部にある場合に動画像である印象を与えられず静止画である印象を与えてしまうおそれがあった。そこで、背景画像の表示においては、動きのある内容の表示を多数箇所に行うようにしている。
しかしながら、背景画像の表示と遊技者操作に係わる表示(例えば、操作正解画像d20など)との両者を表示する場合には、遊技者操作に係わる表示が背景画像上に表示されるために、多数箇所で動きのある内容の表示の一部となって目立たない印象を受けることがあった。
このように、背景画像(AT背景画像d2、通常背景画像d1)の表示においては、遊技者操作に係わる表示(例えば、操作正解画像d20)を目立ちにくくする要因があり、その結果、遊技者の操作感覚を狂わせてしまう原因となる可能性があった。
そこで、本実施形態では、操作正解画像d20を操作特定画像d10よりも大きく表示して強調することにより、上記問題を改善するようにした。
図13は、AT状態の中途ゲームG3において小役3aに内部当選し(AT上乗せ抽選は非当選)、リール停止データd−1が選択された場合であって、遊技者が不正解の停止操作(右ストップボタン139に対する操作を第1停止操作)を行ったときの操作条件報知演出の推移を示している。以下、正解の停止操作の場合との違いを中心に説明する。
図13(a−2)は、第1停止操作後の演出画像表示装置157の表示態様を示している。図13(a−2)では、遊技者が右ストップボタン139に対する操作を第1停止操作とし、第1停止操作が不正解であったので、スロットマシン100は、第1停止操作に対応する操作特定画像d10が表示されていた位置に、第1停止操作が不正解であったことを示唆する操作不正解画像d20aを表示する。
ここで、操作不正解画像d20aは、具体的には、爆発・破裂を表す形状の枠内にNOの文字が記された図形画像であり、操作正解画像d20と同一の大きさを有し、操作正解画像d20と同様に表示開始から所定時間L1の経過で消失するアニメーション画像である。すなわち、操作不正解画像d20aの時間経過に伴う表示変化は、図10(a)に示した操作正解画像d20と同一の過程を伴うものであり、また、その大きさは、操作特定画像d10よりも大きく、操作特定画像d10よりも手前に表示されるものである。以下、この操作不正解画像d20aを操作特定画像d10より大きく表示することを「操作不正解画像d20aの拡大表示」という場合がある。
なお、本実施形態では、第2停止操作及び第3停止操作に基づく操作不正解画像d20aも同一のアニメーション画像であり、その動作も同一としている。勿論、操作不正解画像d20aは、図13に示した形状・模様・色彩に限定されるものではなく、例えば、文字がない画像であってもよいし、文字等に動きのある動画としてもよい。なお、第1停止操作、第2停止操作及び第3停止操作に基づく操作正解画像d20aを、ぞれぞれの操作に対応する画像としてもよい。操作の経過を把握させやすくする場合がある。
図13(a−3)は、第1停止操作に基づいて表示される操作不正解画像d20が消失した後の出画像表示装置157の表示態様を示している。このとき、スロットマシン100は、正解の停止操作の場合と異なり、すべての停止操作(第1停止操作、第2停止操作、第3停止操作)に関する操作特定画像d10が表示する。
図13(a−4)は、第2停止操作後の演出画像表示装置157の表示態様、図13(a−6)は、第3停止操作後の演出画像表示装置157の表示態様を示している。本実施形態の正解の操作順序は所謂「6択」のため、第1停止操作が不正解であった場合には、第2停止操作及び第3停止操作は不正解となる。そのため、図13(a−4)及び(a−6)に示すように、スロットマシン100は、第2停止操作及び第3停止操作に対応する操作特定画像d10が表示されていた位置それぞれに、第2停止操作及び第3停止操作が不正解であったことを示唆する操作不正解画像d20を表示する。
なお、第2停止操作に基づいて表示される操作不正解画像d20が消失した後も同様にすべての停止操作(第1停止操作、第2停止操作、第3停止操作)に関する操作特定画像d10が表示される(図13(a―5)参照)。
このように本実施形態の操作条件報知演出は、正解の操作をした場合にその都度、操作正解画像d20を表示して操作が正解であったことを報知するだけでなく、不正解の操作をした場合にも、その都度、操作不正解画像d20aを表示して操作が不正解であったことを報知する。そして、この操作不正解画像d20aを操作特定画像d10よりも大きく表示して強調するので、遊技者は不正解の停止操作が行われたことをより容易に認識することができる。
(状態遷移示唆演出)
次に、状態遷移示唆演出について説明する。状態遷移示唆演出は、図8に示すように、通常状態の最終ゲームG1及びAT状態の最終ゲームG2において実行される画像演出であり、遊技操作(スタートレバー操作、第1停止操作、第2停止操作、第3停止操作)のたびに背景画像(通常状態においては通常背景画像d1、AT状態においてはAT背景画像d2)上を徐々に遮蔽するような挿入画像d30を表示する演出である。詳しくは、挿入画像d30は、通常状態からAT状態に移行する場合には、通常背景画像d1がAT背景画像d2に変化する際に挿入される演出画像であり、AT状態から通常状態に変化する場合には、AT背景画像d2が通常背景画像d1に変化する際に挿入される演出画像である。つまり、本実施形態では、挿入画像d30の表示を介して背景画像が変化するようになっている。
また、本実施形態の状態遷移示唆演出は、上述した(1)AT系の遊技状態の移行に伴って背景画像が変化する場合のほか、(2)AT状態においてAT上乗せ抽選に当選したゲーム、及び(3)AT状態において予め定めたAT回数に到達したゲーム(以下、AT状態の区切りのゲームという)、において実行されるようになっている。ここで、予め定めたAT回数とは、AT状態が終了する可能性があるAT回数をいい、本実施形態の場合には、AT回数が20回、30回、40回…というように、AT回数が20以上の10刻みの回数を示す。すなわち、挿入画像d30は、(1)のAT状態の開始時及び終了時、(2)及び(3)のAT状態の中途時において表示される。
具体的には、図14に示すように、挿入画像d30は「すだれ」の画像となっており、「すだれ」が背景画像上を画面上方から下方に向けて徐々に垂れ下がっていくことにより、挿入画像d30の表示領域(表示面積)が拡大していき、背景画像の表示領域(表示面積)が徐々に遮蔽されるものである。詳しくは、スロットマシン100は、一つの遊技操作(スタートレバー操作、第1〜第3停止操作)を契機に所定時間L2(本実施形態では、約0.1秒。以下、移動時間L2ともいう)を要して一定の速度で落下していく「すだれ」の画像を表示し、所定時間L2経過後には移動を停止した「すだれ」の画像を次の停止操作があるまで表示するようにしている。なお、第3停止操作の場合は、「すだれ」の移動が停止後、所定時間の経過で「すだれ」の表示を消去するようにしている。
図14(a)は、状態遷移示唆演出において演出画像表示装置157に表示される挿入画像d30の変化を示すタイムチャートである。なお、図14(a)は、通常背景画像d1が表示されている通常状態の最終ゲームG1における状態遷移示唆演出を示している。また、本実施形態では、二人のキャラクタ(殿、爺)が登場する演出画像を通常背景画像d1としている。
図14(a−1)は、スタートレバー操作後の演出画像表示装置157の表示態様を示している。スロットマシン100は、スタートレバー操作に基づいて挿入画像d30の表示を開始し、挿入画像d30の領域を画面上方から下方に拡大移動させる。そして、スタートレバー操作後、所定時間L2が経過したときに挿入画像d30の移動を停止し、挿入画像d30を演出画像表示装置157の表示領域の約1/3に表示する。以後、移動停止した挿入画像d30を継続して表示する。
図14(a−2)は、第1停止操作後の演出画像表示装置157の表示態様を示している。スロットマシン100は、第1停止操作に基づいて挿入画像d30の領域を下方にさらに拡大移動させる。そして、第1停止操作後、所定時間L2が経過したときに挿入画像d30の移動を停止し、挿入画像d30を演出画像表示装置157の表示領域の約2/5に表示する。以後、移動停止した挿入画像d30を継続して表示する。
図14(b)は、第1停止操作に基づいて動作する挿入画像d30の表示変化を示す図である。ここで、図14(b)は、第1停止操作として左ストップボタン137を操作した場合の挿入画像d30の表示変化を示しており、左ストップボタン137を契機に下方に移動開始した挿入画像d30は、その後も移動を継続して所定時間L2(約0.1秒)が経過したときにその移動を停止することを示している。
本実施形態では、停止操作後、次の停止操作が有効となるまでの時間を約0.2秒としているので、すだれの移動中に次の停止操作が有効となることはなく、すだれの移動が停止した後に次の停止操作が有効となる。すなわち、本実施形態では挿入画像d30の変化を迅速に完了させるので、挿入画像d30の変化が停止操作の邪魔となることはない。
図14(a)に戻って、図14(a−3)及び図14(a−4)は、それぞれ、第2停止操作後及び第3停止操作後の演出画像表示装置157の表示態様を示している。スロットマシン100は、第1停止操作の場合と同様に、第2停止操作及び第3停止操作に基づいて挿入画像d30の領域を下方にさらに拡大移動させる。そして、第2停止操作及び第3停止操作後、所定時間L2が経過したときに挿入画像d30の移動を停止し、挿入画像d30を演出画像表示装置157の表示領域の約半分に表示したり、演出画像表示装置157の表示領域の約3/4に表示したりする。以後、移動停止した挿入画像d30を継続して表示する。
なお、第3停止操作後には、図14(a−5)に示すように、演出画像表示装置157は挿入画像d30で全面的に覆われる。そして、この状態から所定時間(以下、全面表示時間ともいう。約0.5秒)L3が経過したとき、スロットマシン100は挿入画像d30を消去し、図14(a−6)に示すように、AT状態であることを示すAT背景画像d2を演出画像表示装置157に表示するとともに、AT背景画像d2上にAT回数画像d40(例えば、「AT回数00回目」などの文字画像)、及びATが開始されたことを示す告知画像d41(例えば、「AT開始」などの文字画像)を表示する。この結果、遊技者は背景画像の変化、及び報知文言からAT状態になったことを把握することができる。
なお、本実施形態では、挿入画像d30を「すだれ」の画像としたが、挿入画像d30はこれに限定されるものではない。挿入画像d30としては、目立たない地味な柄の画像(例えば、単一色、一様な同一柄など)であればいずれの画像でもよい。本実施形態では、上述した操作正解画像d20(操作不正解画像d20a)を遊技者に注目させたいからである。
本実施形態の挿入画像d30は、所謂ワイプ画像であり、画面転換時に表示される画像である。次の背景画像の表示が主役的な役割であるのに対し、挿入画像d30が脇役的な役割となるため、一般的にはシンプルな構成とされる。本実施形態では、通常背景画像d1およびAT背景画像d2は、上述したように表示の内容に動きのある動画であり、様々な情報を表示する画像である一方、挿入画像d30は、表示の内容に動きのない動画としており、様々な情報を表示しない画像である。なお、挿入画像d30を別の言葉で表現すると、前の背景から後の背景への背景切替を示唆する背景切替示唆画像と称することもでき、短時間に表示領域の全領域(部分的に表示されない領域がある場合もある)に表示される短時間全領域表示画像と称することもでき、幕の役割を果たすことから幕画像と称することもできる。
換言すれば、通常背景画像d1およびAT背景画像d2は、1回の再生に第一の時間(例えば、30秒)かかり、繰り返し再生される画像であり、挿入画像d30は、繰り返し再生される部分が1回の再生に第二の時間(例えば、0.033秒。静止画であれば同一フレーム画像を連続再生するので1フレームの表示時間が相当)かかり、繰り返し再生される画像である。通常背景画像d1およびAT背景画像d2の再生周期より挿入画像d30の繰り返し再生される部分の再生周期のほうが短い周期となっており、これが通常背景画像d1およびAT背景画像d2のほうが挿入画像d30より様々な情報を表示している印象となる要因にもなっている。
また、本実施形態では、挿入画像d30を一瞬で消去する方法を採用したが、これに限定されず、徐々に消去するようにしてもよい。また、演出画像表示装置157の全面に表示された挿入画像d30を消去するまでの時間にバリエーションを持たせてもよい。例えば、複数種類の時間として、3秒と2秒と1秒とを設け、そのうちの1つの時間が選択されるものとする。挿入画像d30を表示した後の遊技状態が遊技者に有利な遊技状態であるときは長い時間である3秒が選ばれやすく、挿入画像d30を表示した後の遊技状態が遊技者に不利な遊技状態であるときは短い時間である1秒が選ばれやすくすると、前面表示された挿入画像d30を消去するまでの時間により遊技者の期待感を変化させることができる場合がある。
また、本実施形態では、挿入画像d30を目立たない地味な画像とするとよいとしたが、目立つ画像(例えば、花柄、虹色など)を採用した画像も用意し、目立たない地味な画像の出現表示頻度を多くし、目立つ画像(例えば、花柄、虹色など)の出現表示頻度を少なくするように設定してもよい。稀に目立つ画像が出現すると、特典に期待を寄せられる場合がある。
なお、本実施形態の挿入画像d30は、スタートレバー操作を契機に表示を開始したが、これとは別の契機、例えば、一遊技の終了に基づいて表示を開始するものであってもよいし、遊技メダルの投入に基づいて表示を開始するものであってもよい。また、本実施形態では、挿入画像d30を通常背景画像d1の手前に表示する場合について説明したが、挿入画像d30と通常背景画像d1とを重なって表示することがないようにしてもよく、例えば、挿入画像d30と通常背景画像d1とが重ならない状況下で、挿入画像d30の表示の拡大に伴い通常背景画像d1の表示を縮小するようにしてもよい。
図15は、挿入画像d30の全面表示時間L3を説明する図である。本実施形態では、挿入画像d30を表示する前後のAT系の遊技状態に基づいて、挿入画像d30の表示時間L3が決定される。詳しくは、図15(a)〜(c)に示すように、挿入画像d30の表示後がAT状態である場合、つまり(1)通常状態からAT状態に移行する場合、及び(2)AT状態を継続する場合の挿入画像d30の全面表示時間L3bは、挿入画像d30を表示後が通常状態である場合、つまり(3)AT状態から通常状態に移行する場合、及び(2)通常状態を継続する場合の挿入画像d30の全面表示時間L3aよりも長くなっている。
このように本実施形態の状態遷移示唆演出では、後の遊技状態が有利な状態である場合(具体的には、AT背景画像d2を表示する場合)、挿入画像d30の全面表示時間L3は長く設定されている。この結果、遊技者は、挿入画像d30の全面表示時間L3に基づいて、次の遊技状態が有利な状態であるか否かを判断することができる。すなわち、全面表示時間L3が長い印象を得た場合に有利な状態になることを期待させることができる。
なお、挿入画像d30の全面表示時間L3を長くした場合、挿入画像d30を表示している期間において遊技者が遊技を進めたことに基づく表示を行う場合には、当該表示を挿入画像d30上に表示するとよい。当該表示を目立たせることができ、遊技者への情報伝え漏れを防ぐことができる。
(操作条件報知演出と状態遷移示唆演出とを同一ゲームで実行する場合)
次に、操作条件報知演出と状態遷移示唆演出を同一ゲームにおいて実行する場合について説明する。本実施形態では、(1)AT状態の最終ゲームにおいて操作順序役に内部当選した場合には、操作条件報知演出と状態遷移示唆演出の実行条件がともに成立するので、操作条件報知演出と状態遷移示唆演出とが同時に実行されることなる。また、(2)AT状態において操作順序役に内部当選し、かつAT上乗せ抽選に当選したゲーム、及び(3)AT状態の区切りのゲームにおいても、操作条件報知演出と状態遷移示唆演出の実行条件がともに成立するので、操作条件報知演出と状態遷移示唆演出とが同時に実行されることなる。
ここで、AT状態において実行される状態遷移示唆演出は、AT状態において操作順序役に内部当選したゲームの一部において実行されるから、AT状態における状態遷移示唆演出の実行確率は、AT状態の操作条件報知演出の実行確率よりも低いものであり、AT状態において挿入画像d30が表示される確率は、AT状態において操作特定画像d10や操作正解画像d20が表示される確率よりも低いものである。
数値を用いて説明すると、AT状態では、小役3aに内部当選した場合と、再遊技役に内部当選した場合の一部の場合で操作条件報知演出を実行するので、操作条件報知演出はAT状態において3遊技に約1回実行される(操作条件報知演出の実行確率は約1/3)。一方、状態遷移示唆演出は、操作条件報知演出の実行回数が20以上の10刻みの回数となった場合に実行するので、実行確率を最も高く見積もっても約1/3×1/20=約1/60となる(正確には、状態遷移示唆演出は、AT上乗せ抽選に当選したゲーム(当選確率は1/30)でも行うので、これよりも若干高い確率になるが、両者の実行確率の大小関係に影響はない)。勿論、この数値比較は、操作条件報知演出の実行確率と状態遷移示唆演出の実行確率の設定の一例であり、他の設定方法によって状態遷移示唆演出の実行確率を操作条件報知演出の実行確率よりも低くしてもよい。
なお、詳しくは後述するが、本実施形態では、操作条件報知演出と状態遷移示唆演出を同時に実行する場合であっても、それぞれの演出の動作は、単独で実行する場合と同一の動作をする。換言すれば、操作条件報知演出及び状態遷移示唆演出のいずれにおいても、単独で実行する場合と両演出を実行する場合の演出データを共通としており、操作条件報知演出及び状態遷移示唆演出それぞれの動作は、両演出が同時に実行する場合も考慮して設定されている。
図16(a)は、AT状態の最終ゲームG2において小役3aに内部当選し(AT上乗せ抽選は非当選)、リール停止データd−1が選択された場合であって、遊技者が正解の停止操作(左中右の停止操作)を行ったときの操作条件報知演出の演出画像(操作特定画像d10、操作正解画像d20)、及び状態遷移示唆演出の挿入画像d30の変化を示している。
図16(a−1)は、スタートレバー操作前の演出画像表示装置157の表示態様を示している。スロットマシン100は、AT状態にあるので、背景画像としてAT背景画像d2を表示している。
図16(a−2)は、スタートレバー操作後の演出画像表示装置157の表示態様を示している。スロットマシン100は、スタートレバー操作後には、スタートレバー操作に基づいて、AT背景画像d2上に操作特定画像d10を表示するとともに挿入画像d30の表示を開始し、挿入画像d30の領域を画面上方から下方に拡大移動させる。
ここで、図16(a−2)に示した操作特定画像d10及び挿入画像d30は、図14(a−1)に示した挿入画像d30及び図9(b−1)に示した操作特定画像d10と同一である。すなわち、挿入画像d30である「すだれ」の移動時間、移動位置(停止位置)などの移動態様、及び操作特定画像d10の表示態様は、単独で実行された場合と全く同一である。なお、以後の停止操作に基づいて変化する挿入画像d30及び操作特定画像d10も、図14(a)に示した挿入画像d30、及び図9(b)に示した操作特定画像d10と同一である。
なお、スロットマシン100は、スタートレバー操作後、所定時間L2が経過したときに挿入画像d30の移動を停止し、以後、移動停止した挿入画像d30を継続して表示する。
図16(a−3)は、第1停止操作後の演出画像表示装置157の表示態様を示している。スロットマシン100は、第1停止操作に基づいて、第1停止操作に対応する操作特定画像d10が表示されていた位置に操作正解画像d20を表示するとともに挿入画像d30の領域を下方にさらに拡大移動させる。また、繰り返しになるが、図16(a−3)に示した操作正解画像d20の表示態様は、図9(b)に示した操作正解画像d20の表示態様と全く同一である。すなわち、操作条件報知演出と状態遷移示唆演出とを同時に実行する場合も、操作正解画像d20は操作特定画像d10よりも大きくて目立つよう表示される。
なお、スロットマシン100は、第1停止操作後、所定時間L2が経過したときに挿入画像d30の移動を停止し、以後、移動停止した挿入画像d30を継続して表示する。
図16(a−4)は、第2停止操作後の演出画像表示装置157の表示態様を示している。スロットマシン100は、第2停止操作に基づいて、第2停止操作に対応する操作特定画像d10が表示されていた位置に操作正解画像d20を表示するとともに挿入画像d30の領域を下方にさらに拡大移動させる。
なお、スロットマシン100は、第2停止操作後、所定時間L2が経過したときに挿入画像d30の移動を停止し、以後、移動停止した挿入画像d30を継続して表示する。
図16(a−5)は、第3停止操作後の演出画像表示装置157の表示態様を示している。スロットマシン100は、第3停止操作に基づいて、第3停止操作に対応する操作特定画像d10が表示されていた位置に操作正解画像d20を表示するとともに挿入画像d30の領域を下方にさらに拡大移動させる。本実施形態の場合、図16(a−5)に示すように、操作正解画像d20と挿入画像d30が重なった場合には、操作正解画像d20を目立たせるため、操作正解画像d20を挿入画像d30の手前に表示するようにしている。なお、第3停止操作に基づいて、AT回数画像d40が更新される。
このように本実施形態では、AT背景画像d2の領域を縮小させている最中では、遊技者にAT背景画像d2を注目する必要性がないことを認識させることができ、挿入画像d30の領域を拡大移動させている最中では、挿入画像d30を全面表示している場合と比べて、遊技者に注目させたい領域である挿入画像d30の表示領域を小さくできる。よって、両者が両立する最中では、遊技者はこの限られた領域に注目すればよいので、この注目領域におけるAT回数画像d40の更新を認識しやすくなる。
なお、スロットマシン100は、第3停止操作後、所定時間L2が経過したときに挿入画像d30の移動を停止し、以後、移動停止した挿入画像d30を継続して表示する。
図16(a−6)は、第3停止操作に基づく挿入画像d30の移動が終了したときの演出画像表示装置157の表示態様を示しており、演出画像表示装置157は挿入画像d30で全面的に覆われる。また、この挿入画像d30が画面全体に表示されている状態において、AT状態が終了したことを示す告知画像d41(例えば、「AT終了」などの文字画像)を表示する。そして、この挿入画像d30の全面表示状態から所定時間L3が経過したときには、スロットマシン100は、挿入画像d30を消去し、図16(a−7)に示すように、通常状態であることを示す通常背景画像d1を演出画像表示装置157に表示する。この結果、遊技者は背景画像の変化から通常状態になったことを把握することができる。なお、AT状態の区切りのゲームにおいて特別操作条件報知演出が実行されず、操作特定画像d10Sが表示されない場合には、AT上乗せ抽選に非当選であったので、遊技者は、操作特定画像d10の表示態様からAT状態が終了することを判断することが可能である。
このように本実施形態において、操作条件報知演出と状態遷移示唆演出を同時に実行する場合には、図16(b)に示すように、挿入画像d30が操作特定画像d10及び操作正解画像d20に向かって拡大移動するので、操作正解画像d20の周辺領域が狭くなったような印象を与えることができ、操作正解画像d20をより強調することができる。より詳しくは、3回の停止操作のたびに挿入画像d30は略同一の割合で下方に拡大移動していく(操作正解画像d20を目立たせない要因となり得るAT背景画像d2を縮小表示していく)とともに、それぞれの停止操作に対応した操作正解画像d20を拡大表示するので、操作正解画像d20それぞれを目立たせることができる。
すなわち、本実施形態では、状態遷移示唆演出の挿入画像d30を表示した場合に、遊技者操作に係わる表示(例えば、操作正解画像d20)を目立たせるようにしたものである。
また、本実施形態では、操作正解画像d20の表示時間L1(約1秒)は挿入画像d30の移動時間L2(約0.1秒)よりも長いので、遊技者には挿入画像d30の移動が終了した状態の操作正解画像d20を、移動中の操作正解画像d20よりも長い時間(約0.9秒)見せることができる。その結果、遊技者は、停止操作が正解であったことをより容易に理解できる。
一方、本実施形態では、挿入画像d30が拡大移動しつつも、操作特定画像d10の領域を遮蔽することはないので、停止操作に際して操作特定画像d10の報知内容が視覚的に邪魔されることはない。このことを、図17を用いて説明する。
図17は、操作条件報知演出と状態遷移示唆演出を同時に実行するゲームの第3停止操作直前の挿入画像d30と操作特定画像d10の表示位置を示す図である。詳しくは、図17(a)は、正解の第3停止操作が右ストップボタン139に対する操作である場合、図17(b)は、正解の第3停止操作が中ストップボタン138に対する操作である場合、図17(c)は、正解の第3停止操作が左ストップボタン137に対する操作である場合を示している。ここで、第3停止操作直前とは、図16(a)の(a−4)と(a−5)の間の時点をいい、第2停止操作に基づく挿入画像d30の拡大移動が停止し、挿入画像d30が停止している状態にあるときをいう。すなわち、第3停止操作直前には、挿入画像d30の下端は第2停止操作に基づく最下限位置P4にある。
本実施形態では、図17(a)〜(c)に示すように、正解の停止操作がいずれであっても、第3停止操作直前の挿入画像d30は第3停止操作に対する操作特定画像d10を隠すことがないので、複数種類の操作特定画像d10のうちの何れの操作特定画像d10が選ばれた場合でもあっても第1停止操作から第3停止操作に亘る操作特定画像d10の内容を確実に遊技者に報知することができる。この結果、遊技者は、挿入画像d30の拡大移動に邪魔されることなく正解の停止操作を行うことができる。
このように本実施形態の操作条件報知演出と状態遷移示唆演出を同時に実行するゲームでは、挿入画像d30の拡大移動が操作正解画像d20を強調して目立たせる一方で、挿入画像d30は操作特定画像d10を隠さないように配慮して拡大移動しているので、遊技者は安心して停止操作を行うことができる。
また、本実施形態の操作条件報知演出と状態遷移示唆演出を同時に実行するゲームでは、AT回数画像d40を挿入画像d30上に表示するので(図16(a−2)〜(a−6)参照。挿入画像d30の手前にAT回数画像d40あり)、遊技者がAT回数の更新を見落とすことを防止することができる。すなわち、数値の更新を含むAT回数画像d40を背景画像上に表示する場合には、背景画像は多種多様な色彩及び模様で構成されているため、AT回数などの文字情報が目立ちにくく遊技者がAT回数を見落とすことがあったが、AT回数画像d40を単一模様の地味な挿入画像d30上に表示する場合には、AT回数などの文字情報を相対的に目立たせることになるので、AT回数の更新をより確実に遊技者に認識させることができる。
また、AT回数報知演出は、AT状態において常時実行されており、小役3aに内部当選したゲームでAT回数画像d40は更新される一方、AT状態において実行される状態遷移示唆演出は、AT状態の区切りのゲーム(小役3aに内部当選している)又はAT上乗せ抽選に当選しているゲーム(小役3aに内部当選している)において実行されるので、AT状態において状態遷移示唆演出を実行する頻度は、AT状態においてAT回数画像d40を更新する頻度よりも低くなっている。したがって、遊技者がAT状態においてAT回数画像d40の更新を目にする場合には、AT回数画像d40が単独で更新されるケース(挿入画像d30が表示されていないケース)が圧倒的に多く、挿入画像d30上でAT回数画像d40が更新されるケースは少ない。このため、実行頻度が低い挿入画像d30を表示するときにAT回数画像d40を更新する場合には、遊技者はよりAT回数画像d40に注視することになり、遊技者にAT回数の更新をより確実に伝えることができる。つまり挿入画像d30を介することにより、見ることを忘れがちなAT回数画像d40に遊技者の意識を向けさせることができる。
なお、図16及び図17を用いて、操作条件報知演出と状態遷移示唆演出を同時に実行するゲームにおいて遊技者が正解の停止操作を行った場合について説明したが、不正解の停止操作を行った場合もスロットマシン100は略同一の動作を行う。すなわち、スロットマシン100は、操作正解画像d20の代わりに操作不正解画像d20aを表示する点以外は同一の動作を行い、挿入画像d30の拡大移動は操作不正解画像d20を強調して目立たせる一方で、挿入画像d30は操作特定画像d10を隠さないように配慮して拡大移動する。
図18は、AT状態において状態遷移示唆演出を実行するときの主制御部300、第1副制御部400及び第2副制御部500の間のやりとりを示したシーケンス図であり、AT状態における状態遷移示唆演出の流れ、及びAT回数報知演出の更新タイミングを示している。以下、図16(a)に示した画像と対比しつつ説明する。
まず、遊技者がスタートレバー135に対する操作を行うと、主制御部300は、スタートレバー操作に基づいて、スタートレバー操作コマンド、内部抽選コマンドを第1副制御部400に送信する。第1副制御部400は、主制御部300から受信したコマンドに基づいて、挿入画像1の設定を行い(ステップS1)、第2副制御部500に対して挿入画像1表示の指示を送信する。この結果、第2副制御部500は、演出画像表示装置157に対して挿入画像1(具体的には、図16(a−2)に示すスタートレバー操作後の挿入画像d30)を表示する(ステップS2)。
次に、遊技者がストップボタン137〜139に対する第1停止操作を行うと、主制御部300は、停止ボタン受付1コマンドを第1副制御部400に送信する。第1副制御部400は、主制御部300から受信した停止ボタン受付1コマンドに基づいて、挿入画像2の設定を行い(ステップS3)、第2副制御部500に対して挿入画像2表示の指示を送信する。この結果、第2副制御部500は、演出画像表示装置157に対して挿入画像2(具体的には、図16(a−3)に示す第1停止操作の挿入画像d30)を表示する(ステップS4)。
次に、遊技者がストップボタン137〜139に対する第2停止操作を行うと、主制御部300は、停止ボタン受付2コマンドを第1副制御部400に送信する。第1副制御部400は、主制御部300から受信した停止ボタン受付2コマンドに基づいて、挿入画像3の設定を行い(ステップS5)、第2副制御部500に対して挿入画像3表示の指示を送信する。この結果、第2副制御部500は、演出画像表示装置157に対して挿入画像3(具体的には、図16(a−4)に示す第2停止操作の挿入画像d30)を表示する(ステップS6)。
次に、遊技者がストップボタン137〜139に対する第3停止操作を行うと、主制御部300は、停止ボタン受付3コマンドを第1副制御部400に送信する。第1副制御部400は、主制御部300から受信した停止ボタン受付3コマンドに基づいて、挿入画像4の設定を行い(ステップS7)、第2副制御部500に対して挿入画像3表示の指示を送信する。この結果、第2副制御部500は、演出画像表示装置157に対して挿入画像3(具体的には、図16(a−5)に示す第3停止操作の挿入画像d30)を表示する(ステップS8)。また、第1副制御部400は、主制御部300から受信した停止ボタン受付3コマンドに基づいて、AT回数画像d40の更新設定を行い(ステップS9)、第2副制御部500に対してAT回数画像更新表示の指示を送信する。この結果、第2副制御部500は、演出画像表示装置157に対して更新されたAT回数画像d40を表示する(具体的には、図16(a−5)に示す第3停止操作のAT回数画像d40)を表示する(ステップS10)。
次に、主制御部300が入賞判定処理を行い、入賞判定コマンドを第1副制御部400に送信する。第1副制御部400は、主制御部300から受信した入賞判定コマンドに基づいて、挿入画像5の設定を行い(ステップS11)、第2副制御部500に対して挿入画像5表示の指示を送信する。この結果、第2副制御部500は、演出画像表示装置157に対して挿入画像5(具体的には、図16(a−6)に示す全面表示の挿入画像d30)を表示する(ステップS6)。なお、図示していないが、第1副制御部400は、主制御部300から受信した入賞判定コマンドに基づいて、AT状態が終了したことを示す告知画像の設定を行い、第2副制御部500に対して告知画像表示の指示を送信する。この結果、第2副制御部500は、演出画像表示装置157に対して告知画像(具体的には、図16(a−6)に示す告知画像d41)を表示する。
次に、第1副制御部400は、挿入画像5を表示開始してから所定時間L3が経過すると、挿入画像消去の設定を行い(ステップS13)、第2副制御部500に対して挿入画像消去の指示を送信する。この結果、第2副制御部500は、演出画像表示装置157の全面に表示されていた挿入画像d30を消去する(図16(a−7)に示す通常背景画像d1)。なお、本実施形態では、時間経過に基づいて挿入画像d30を消去したが、遊技者の操作(例えば、投入操作)に基づいて挿入画像d30を消去してもよい。
(AT上乗せ抽選に当選した場合の演出)
次に、図19〜図21を用いて、AT状態においてAT上乗せ抽選に当選した場合の演出(AT回数報知演出、AT上乗せ回数報知演出)について説明する。
AT上乗せ回数報知演出は、AT状態において小役3aに内部当選し、かつAT上乗せ抽選に当選した場合に設定される演出であり、上乗せされたAT回数(具体的には、1回のAT上乗せ抽選の当選で10回)を報知する。AT上乗せ回数報知演出の報知時期は、(1)AT上乗せ抽選に当選した当該ゲームの入賞判定時、又は(2)AT状態の区切りのゲーム(AT回数が20、30、40…などの20以上の10刻みのゲーム)の入賞判定時、のいずれかであり、抽選により決定される。このように、AT上乗せ回数報知演出は、AT上乗せ抽選に当選したゲームで必ずしも実行されるわけではなく、遊技者がAT状態の終了に注目するゲームにおいても実行される。AT状態の継続可否に対する緊張感を遊技者に与えるためである。
なお、(1)及び(2)のいずれも場合も、AT状態において小役3aに内部当選したゲーム、かつAT上乗せ抽選に当選したゲーム又は区切りのゲームにあるので、AT上乗せ回数報知演出は、操作条件報知演出と状態遷移示唆演出とを同時に実行するゲームにおいて実行される。
図19は、AT状態の中途ゲームG3において小役3aに内部当選し(この当選によりAT回数6回目かつAT上乗せ抽選は当選)、リール停止データd−1が選択された場合であって、遊技者が正解の停止操作(左中右の停止操作)を行ったときの操作条件報知演出及び状態遷移示唆演出の演出画像の推移を示している。なお、図19は、AT上乗せ回数報知演出を、AT上乗せ抽選に当選した当該ゲームにおいて実行する場合を示している。
この場合には、AT上乗せ回数報知演出を、AT上乗せ抽選に当選した当該ゲームにおいて実行するので、図19(a−6)に示すように、スロットマシン100は、第3停止操作後、挿入画像d30が演出画像表示装置157の全画面上に表示された状態において、AT上乗せ回数画像d50(例えば、「上乗せあり+10回」などの文言)を所定時間L4の間、挿入画像d30上に表示する。これにより、遊技者はAT上乗せ回数10回が付与されたことを把握することができる。なお、所定時間L4は、挿入画像d30の全面表示時間L3よりも短い時間である。
このように本実施形態では、AT上乗せ回数画像d50を挿入画像d30上に表示するので、AT上乗せ回数を目立たせることができ、AT上乗せ回数をより確実に遊技者に認識させることができる。
次に、スロットマシン100は、所定時間L4が経過した後、AT上乗せ回数画像d50を消去し、AT上乗せ回数が反映された規定回数を示す告知画像d42(例えば、「30回目まで」などの文言)をAT回数画像d40とともに挿入画像d30上に表示する。これにより、遊技者は規定回数が増え、AT状態の終了が遠ざかったことを把握することができる。なお、以後のAT状態のゲームにおいては、規定回数を示す告知画像d42は、AT回数画像d40とともに常時表示される。すなわち、挿入画像d30が消去され、AT背景画像d2だけが表示されている状態においても、規定回数を示す告知画像d42はAT回数画像d40とともに表示される(図19(a−8)参照)。
なお、図19に示す中途ゲームG3は、AT上乗せ抽選に当選したゲームでもあるので、特別操作条件報知演出が実行される(図19(a−2)〜(a−5)参照)。
図20は、AT状態の中途ゲームG3において小役3aに内部当選し(この当選によりAT回数20回目かつAT上乗せ抽選は非当選)、リール停止データd−1が選択された場合であって、遊技者が正解の停止操作(左中右の停止操作)を行ったときの操作条件報知演出及び状態遷移示唆演出の演出画像の推移を示している。なお、図20は、当該ゲーム以前において既にAT上乗せ抽選に当選しており、AT上乗せ抽選に当選したゲームにおいてAT上乗せ回数報知演出を実行した場合を示している。したがって、図20に示す中途ゲームG3では、AT回数画像d40及び規定回数を示す告知画像d42は常時表示されている。これにより、遊技者はAT状態の区切りのゲームではあるが、AT状態が継続することを既に把握している。
この場合、スロットマシン100は、図20(a−7)に示すように、全面表示されていた挿入画像d30を消去し、再び、AT背景画像d2を表示開始した状態において、AT状態が継続することを示す告知画像d43(例えば、「まだ継続します」などの文言画像)を演出画像表示装置157に表示する。すなわち、告知画像d43は、挿入画像d30が表示されていない状態において表示される。この結果、遊技者は、AT状態の継続を再確認することができる。
図21は、AT状態の中途ゲームG3において小役3aに内部当選し(この当選によりAT回数20回目かつAT上乗せ抽選は非当選)、リール停止データd−1が選択された場合であって、遊技者が正解の停止操作(左中右の停止操作)を行ったときの操作条件報知演出及び状態遷移示唆演出の演出画像の推移を示している。なお、図21は、当該ゲーム以前のゲームにおいてAT上乗せ抽選に当選し、区切りのゲーム(AT回数20回目)においてAT上乗せ回数報知演出を実行する場合を示している。
この場合には、AT上乗せ回数報知演出を区切りのゲームにおいて実行するので、図21(a−6)に示すように、スロットマシン100は、第3停止操作後、挿入画像d30が演出画像表示装置157の全画面上に表示された状態において、AT上乗せ回数画像d50(例えば、「上乗せあり+10回」などの文言)を所定時間L4の間、挿入画像d30上に表示する。これにより、遊技者はAT上乗せ回数10回が付与されたことを把握することができる。
次に、スロットマシン100は、所定時間L4が経過した後、AT上乗せ回数画像d50を消去し、AT上乗せ回数が反映された規定回数を示す告知画像d42(例えば、「30回目まで」などの文言)をAT回数画像d40とともに挿入画像d30上に表示する。これにより、遊技者は規定回数が増え、AT状態の終了が遠ざかったことを把握することができる。なお、以後のAT状態のゲームにおいては、規定回数を示す告知画像d42は、AT回数画像d40とともに常時表示される。すなわち、挿入画像d30が消去され、AT背景画像d2だけが表示されている状態においても、規定回数を示す告知画像d42はAT回数画像d40とともに表示される(図21(a−8)参照)。
なお、本実施形態では、AT状態の区切りのゲームまでに複数回のAT上乗せ抽選に当選する場合があり得る。このような場合において、規定回数を示す告知画像d42を表示するときには、複数回のAT上乗せ抽選の当選を反映した規定回数の告知画像d42を表示する。例えば、AT上乗せ抽選に3回当選した場合には、図21(b−8)に示すように、AT状態の区切りのゲームであるAT回数20回目に、3回分のAT上乗せ回数が反映された規定回数を示す告知画像d42(例えば、「50回目まで」などの文言)及び祝福を示す告知画像d43(例えば、「おめでとう」などの文言画像)を演出画像表示装置157に表示する。ここで、図21(b−8)のタイミングは、図21(a−8)のタイミングと同一であり、全面表示されていた挿入画像d30が消去され、AT背景画像d2の表示が開始されている状態である。
<スロットマシンの動作>
以下、主制御部300、第1副制御部400、及び第2副制御部500の処理について図面を用いて説明する。
<主制御部メイン処理>
まず、図22を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)338を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図22に示す主制御部メイン処理を実行する。
電源投入が行われると、まず、ステップS101で各種の初期設定を行う。この初期設定では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。
ステップS102では、賭け数設定/スタート操作受付処理を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルが投入されたことを示す投入コマンドの送信準備を行う。なお、前回の遊技で再遊技役に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタートレバー135の操作があればステップS103へ進む。また、このステップS102では、スタートレバー135の操作がある場合、スタートレバーが操作されたことを示すスタートレバー操作コマンドを第1副制御部400へ送信するための準備を行う。
ステップS103では、投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する入賞ライン確定処理を行う。
ステップS104では、乱数発生回路316で発生させた乱数を取得する乱数取得処理を行う。
ステップS105では、入賞役内部抽選処理を行う。入賞役内部抽選処理では、現在の遊技状態に応じてROM306に格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとステップS104で取得した乱数値とを用いて内部抽選を行うとともに、この内部抽選の結果を示す内部抽選コマンドを第1副制御部400へ送信するための準備を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合、その入賞役のフラグがオンになる。なお、内部抽選コマンドには、入賞役内部抽選処理の結果のほか、AT抽選やAT上乗せ抽選の結果に関する情報が含まれる。例えば、入賞役内部抽選処理の結果、小役1に当選し、かつAT抽選に当選した場合には、内部抽選コマンドには小役1当選を示すとともにAT当選を示す情報が含まれる。また、RT2(AT状態)において小役3aに内部当選し、AT上乗せ抽選に当選した場合には、内部抽選コマンドには小役3a当選を示すとともにAT上乗せ当選を示す情報が含まれる。
ステップS106では、入賞役内部抽選処理の内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択するリール停止データ選択処理を行う。なお、このリール停止データは、主制御部300のROM306内に記憶されている。また、ステップS106では、選択されたリール停止データに関する情報を含んだリール停止データコマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。なお、小役3aに内部当選した場合には、リール停止データと正解の停止操作順序は1対1の関係にあるので、第1副制御部400は、受信したリール停止データコマンドから正解の停止操作順序を把握することが可能となっている。
ステップS107では、リール回転開始処理が実行され、全リール110〜112の回転を開始させる。また、このステップS107では、全リール110〜112が回転開始したことを示すリール回転開始コマンドを第1副制御部400へ送信するための準備を行う。
ステップS108では、リール停止制御処理を行う。リール停止制御処理では、ストップボタン137〜139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリールを停止させるために、リール停止データの停止テーブルを参照し、停止テーブルに設定された引込みコマ数に従ってリール110〜112の何れかを停止させる。全リール110〜112が停止するとステップS110へ進む。なお、このステップS108では、各停止操作に対しては停止操作したストップボタン137〜139に関する停止ボタン受付コマンド(詳しくは、第1停止操作に対しては、停止ボタン受付1コマンド、第2停止操作に対しては、停止ボタン受付2コマンド、第3停止操作に対しては、停止ボタン受付3コマンド)を第1副制御部400に送信する準備を行い、各リールの停止に対しては、リールの停止位置に関するリール停止コマンド(詳しくは、第1停止リールに対しては、リール停止1コマンド、第2停止操作に対しては、リール停止2コマンド、第3停止操作に対しては、リール停止3コマンド)を第1副制御部400に送信する準備を行う。
ステップS109では、入賞判定を行う入賞判定処理を行う。この入賞判定処理では、有効化された入賞ライン114上に、何らかの入賞役に対応する絵柄組み合わせが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならば小役3(ベル)に入賞したと判定される。また、このステップS109では、入賞判定の結果を示す入賞判定コマンドを第1副制御部400に送信するための準備を行う。
ステップS110では、メダル付与処理を行う。メダル付与処理では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数に応じて払い出す。
ステップS111では、遊技状態制御処理(詳しくは後述)を行う。遊技状態制御処理では、RT系及びAT系の各遊技状態の移行に関する処理を行い、それらの開始条件又は終了条件の成立により、遊技状態を移行させる。また、現在の遊技状態を示す情報(RT系及びAT系)を含む遊技状態コマンドを送信するための準備を行う。
以上により一遊技が終了する。以降、ステップS102へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
なお、上記各ステップで準備された各種コマンドは、後述する主制御部タイマ割込処理のコマンド設定送信処理(図23のステップS1006)において送信される。
<主制御部タイマ割込処理>
次に図23を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
ステップS1001では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
ステップS1002では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDT314を定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップS1003では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、各種センサ318のセンサ回路320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ318ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。
ステップS1004では、各種遊技処理が実行され、割込みステータスに応じた処理が実行される。
ステップS1005では、タイマ更新処理を行う。より具体的には、各種タイマをそれぞれの時間単位により更新する。
ステップS1006では、コマンド設定送信処理を行い、送信準備されていた各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
ステップS1007では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路334を介してスロットマシン100とは別体の情報入力回路652に出力する。
ステップS1008では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、まずはステップS1003において信号状態記憶領域に記憶した各種センサ318の信号状態を読み出して、メダル投入異常及びメダル払出異常等に関するエラーの有無を監視し、エラーを検出した場合には(図示省略)エラー処理を実行させる。さらに、現在の遊技状態に応じて、メダルセレクタ170(メダルセレクタ170内に設けたソレノイドが動作するメダルブロッカ)、各種ランプ339、各種の7セグメント(SEG)表示器の設定を行う。
ステップS1009では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS1011に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS1010に進む。
ステップS1010では、タイマ割込終了処理を終了する各種処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS1001で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定等行う。その後、図22に示す主制御部メイン処理に復帰する。
一方、ステップS1011では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、図22に示す主制御部メイン処理に復帰する。
<遊技状態制御処理>
次に、図24を用いて、遊技状態制御処理について説明する。図24は、図22のステップS111の遊技状態制御処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS201では、AT更新処理(詳しくは後述)を行う。AT更新処理では、主制御部300のAT系の遊技状態がAT状態(RT系の遊技状態がRT2)である場合の処理が行われる。
ステップS202では、特別役1又は特別役2に入賞したか否かを判定する。特別役1又は特別役2に入賞した場合には、ステップS203に進み、そうでない場合には、ステップS204に進む。
ステップS203では、特別役1又は特別役2に入賞したので、RT系の遊技状態をRT4に設定し、AT系の遊技状態を通常状態に設定する。ステップS203の処理終了後は、ステップS210に進む。
ステップS204では、AT回数が規定回数に到達したか否か、具体的には、RT2(AT状態)において小役3aに内部当選したときに実行される操作条件報知演出の回数が規定回数に達したか否かを判定する。本実施形態の場合、規定回数の初期値は20回であり、上乗せ抽選に当選するたびに規定回数に10回が加算される。AT回数が規定回数に達した場合には、ステップS205に進み、そうでない場合には、ステップS206に進む。
ステップS205では、AT状態においてAT回数が規定回数に到達したので、RT系の遊技状態をRT1に設定し、AT系の遊技状態を通常状態に設定する。ステップS205の処理終了後は、ステップS210に進む。
ステップS206では、今回遊技においてAT当選したか否かを判定する。今回遊技においてAT当選した場合には、ステップS707に進み、そうでない場合には、ステップS208に進む。
ステップS207では、RT1の今回遊技においてAT抽選に当選したので、RT系の遊技状態をRT2に設定し、AT系の遊技状態をAT状態に設定する。ステップS207の処理終了後は、ステップS210に進む。
ステップS208では、特別役1又は特別役2に内部当選したか否かを判定する。特別役1又は特別役2に内部当選した場合には、ステップS209に進み、そうでない場合には、ステップS210に進む。
ステップS209では、特別役1又は特別役2に内部当選したので、RT系の遊技状態をRT3に設定し、AT系の遊技状態を通常状態に設定する。ステップS209の処理終了後は、ステップS210に進む。
ステップS210では、その他の遊技状態制御処理を行う。例えば、遊技状態が特別役1に入賞してRT4(通常状態)に移行した場合には、360枚を超えるメダル払出によりRT4(通常状態)を終了し、RT1(通常状態)が設定される。また、遊技状態が特別役2に入賞してRT4(通常状態)に移行した場合には、96枚を超えるメダル払出によりRT4(通常状態)を終了し、RT1(通常状態)が設定される。また、ステップS210では、主制御部300のRT系及びAT系の遊技状態を示す遊技状態コマンドを送信する準備を行う。なお、AT状態の場合には、AT回数に関する情報も遊技状態コマンドに含まれる。
<AT更新処理>
次に、図25(a)を用いて、AT更新処理について説明する。図25(a)は、図24のステップS201の遊技状態制御処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS301では、主制御部300の遊技状態がRT2(AT状態)にあるか否かを判定する。主制御部300の遊技状態がRT2(AT状態)にある場合には、ステップS302に進み、そうでない場合には、AT更新処理を終了する。
ステップS302では、今回遊技で小役3aに内部当選したか否かを判定する。今回の遊技で小役3aに内部当選した場合には、AT回数のカウント処理を行う。例えば、AT回数が10回の状態において今回遊技で小役3aに内部当選した場合には、AT回数は11回となる。
ステップS303では、AT状態において小役3aに内部当選したので、AT上乗せ抽選処理(詳しくは後述)を実行する。
<AT上乗せ抽選処理>
次に、図25(b)を用いて、上乗せ抽選処理について説明する。図25(b)は、図25(a)のステップS304のAT上乗せ抽選処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS401では、AT上乗せ抽選を行う。本実施形態のAT上乗せ抽選は、当選確率が約1/30であり、当選するとAT状態の規定回数に10回が加算される。
ステップS402では、ステップS401のAT上乗せ抽選に当選したか否かを判定すする。ステップS401のAT上乗せ抽選に当選した場合には、ステップS403に進み、当選しなかった場合には、AT上乗せ抽選処理を終了する。
ステップS403では、AT状態の規定回数の再設定を行う。現在のAT状態の規定回数に10を加算する。例えば、現在のAT状態の規定回数が20回(初期値)であれば30回、現在のAT状態の規定回数が30回(過去にAT上乗せ抽選に1回当選した場合)であれば40回となる。なお、上述したが、本実施形態では、AT上乗せ抽選に当選した場合には、AT上乗せ抽選に当選した当該ゲームにおいて特別操作条件報知演出を実行し、AT上乗せ報知演出をAT上乗せ抽選に当選した当該ゲーム又はAT状態の区切りのゲームにおいて実行する。
<第1副制御部の処理>
次に、図26を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、図26(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。図26(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートである。図26(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。
まず、図26(a)を用いて、第1副制御部400のメイン処理について説明する。
電源投入が行われると、まずステップS3001で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。この処理で、内部当選の結果を表す情報である内部当選情報を記憶させるための領域と、遊技状態を表す情報であるRT更新情報を記憶させるための領域が、それぞれRAM408に設けられる。
ステップS3002では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS3003の処理に移行する。
ステップS3003では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS3004では、主制御部300から受信した各コマンドに対応する処理であるコマンド処理が実行される。
ステップS3005では、演出制御処理(詳しくは後述する)を行う。ここでは、RAM408内に設けられた演出予約領域内にある演出予約情報に従って、演出の準備を行う。この準備には例えば、演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
ステップS3006では、ステップS3005の処理結果に基づいて音制御処理を行う。例えば、ステップS3005で読み出した演出データの中に音源IC418への命令がある場合には、この命令を音源IC418に出力する。
ステップS3007では、ステップS3005の処理結果に基づいてランプ制御処理を行う。例えば、ステップS3005で読み出した演出データの中に各種ランプ420への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。
ステップS3008では、ステップS3005の処理結果に基づいてシャッタ制御処理を行う。例えば、ステップS3005で読み出した演出データの中にシャッタ制御の命令がある場合には、この命令に対応するシャッタ制御を行う。
ステップS3009では、ステップS3005の処理結果に基づいて第2副制御部500にコマンドを送信する設定を行う情報出力処理を行う。例えば、ステップS3005で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信するコマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップS3002へ戻る。
次に、図26(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS3101では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、図26(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップS3201では、図26(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップS3002において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS3002において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
ステップS3202では、ステップS3008で設定された第2副制御部500へのコマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行う。
<第2副制御部の処理>
次に、図27を用いて、第2副制御部500の処理について説明する。なお、図27(a)は、第2副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャートである。図27(b)は、第2副制御部500のコマンド受信割込処理のフローチャートである。図27(c)は、第2副制御部500のタイマ割込処理のフローチャートである。図27(d)は、第2副制御部500の画像制御処理のフローチャートである。
まず、図27(a)のステップS5001では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS5001で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポート初期設定や、RAM508内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS5002では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS5003の処理に移行する。
ステップS5003では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS5004では、コマンド処理を行う。コマンド処理では第2副制御部500のCPU504は、第1副制御部400のCPU404からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS5005では、演出制御処理を行う。具体的には、ステップS5004で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する処理を行う。例えば、背景画像に関する画像制御を行う演出データおよびシャッタ演出に関する演出データをROM506から読み出す処理を実行する。また、これ以外の演出データをROM506から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
ステップS5006では、ステップS5005の処理結果に基づいて画像制御処理(詳しくは後述)を行う。例えば、ステップS5005で読み出した演出データの中に画像制御の命令がある場合には、この命令に対応する画像制御を行う。例えば、表示画像(報知画像、背景画像)に関する画像制御が実行される。この画像制御処理が終了すると、ステップS5002へ戻る。
次に、図27(b)を用いて、第2副制御部500のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部500が、第1副制御部400が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。
コマンド受信割込処理のステップS5101では、第1副制御部400が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM508に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、図27(c)を用いて、第2副制御部500のCPU504によって実行する第2副制御部タイマ割込処理について説明する。第2副制御部500は、所定の周期(本実
施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップS5201では、図27(a)に示す第2副制御部メイン処理におけるステップS5002において説明したRAM508のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS5002において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
ステップS5202では、演出用乱数値の更新処理等を行う。
次に、図27(d)を用いて、第2副制御部500のメイン処理におけるステップS5007の画像制御処理について説明する。同図は、画像制御処理の流れを示すフローチャートを示す図である。
ステップS5301では、画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU504は、まず、VRAM536の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が演出画像表示装置157に表示される。次に、CPU504は、VDP534のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM506の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM536の転送先アドレス)などを設定した後、ROM506からVRAM536への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP534は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROM506からVRAM536に転送する。その後、VDP534は、転送終了割込信号をCPU504に対して出力する。
ステップS5302では、VDP534からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はステップS5303に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。
ステップS5303では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU504は、ステップS421でVRAM536に転送した画像データに基づいてVRAM536の表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM536の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)、透過度など)をVDP534に指示する。VDP534はアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
ステップS5304では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU504は、VDP534に画像の描画開始を指示する。VDP534は、CPU504の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
ステップS5305では、画像の描画終了に基づくVDP534からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はステップS5306に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。
ステップS5306では、RAM508の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して処理を終了する。
<演出制御処理>
次に、図28を用いて、演出制御処理について説明する。図28は、図26(a)のステップS3005の演出制御処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS3301では、受信した遊技状態コマンドの内容に基づいて、遊技状態がRT2(AT状態)にあるか否かを判定する。遊技状態がRT2(AT状態)にある場合には、ステップS3302に進み、そうでない場合には、ステップS3305に進む。
ステップS3302では、遊技状態がRT2(AT状態)にあるので、AT演出設定処理(詳しくは後述)を実行する。
ステップS3303では、受信した内部当選コマンドに基づいて当該ゲームにおいてAT上乗せ抽選に当選したか否かを判定する。当該ゲームにおいてAT上乗せ抽選に当選した場合には、ステップS3304に進み、そうでない場合には、ステップS3306に進む。
ステップS3304では、AT上乗せ抽選に当選したので、AT上乗せに関するAT上乗せ設定処理(詳しくは後述)を実行する。
一方、ステップS3305では、AT系の遊技状態が通常状態にあるので、通常演出設定処理(詳しくは後述)を実行する。ステップS3305の処理を実行後はステップS3306に進む。
ステップS3306では、その他の演出制御処理を行う。
<AT演出設定処理>
次に、図29を用いて、AT演出設定処理について説明する。図29は、図28のステップS3302のAT演出設定処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS3401では、AT状態の区切りゲームであるか否かを判定する。第1副制御部400は、主制御部300から送信された遊技状態コマンドなどに基づいて、AT回数をカウントしているので、当該ゲームにおいてAT回数が20回、30回などの区切りゲームであるか否かを判定する。AT状態の区切りゲームである場合には、ステップS3403に進み、そうでない場合には、ステップS3402に進む。
ステップS3402では、内部抽選コマンドに基づいて、当該ゲームにおいてAT上乗せ抽選に当選したか否かを判定する。当該ゲームにおいてAT上乗せ抽選に当選した場合には、ステップS3403に進み、そうでない場合には、ステップS3405に進む。
ステップS3403では、スタートレバー操作コマンドの受信に基づいて、スタートレバー操作が行われたか否かを判定する。スタートレバー操作が行われた場合には、ステップS3404に進み、そうでない場合には、ステップS3305に進む。
ステップS3404では、AT状態の区切りゲーム又はAT上乗せ当選があったゲームにおいてスタートレバー操作が行われたので、状態遷移示唆演出を設定する。これにより、状態遷移示唆演出が開始され、演出画像表示装置157には挿入画像d30が表示される(図16(a−2)、図19(a−2)、図20(a−2)、図21(a−2)参照)。
ステップS3405では、受信した内部抽選コマンドの内容に基づいて、操作順序役(具体的には、小役3a)に内部当選したか否かを判定する。操作順序役に内部当選した場合には、ステップS3406に進み、そうでない場合には、ステップS3409に進む。
ステップS3406では、AT状態において、操作順序役(具体的には、小役3a)に内部当選したので、「通常操作条件報知演出」を設定する。これにより、演出画像表示装置157、スピーカ272、277、及び各種ランプ420などを用いた通常操作条件報知演出が実行され、演出画像表示装置157には操作特定画像d10が表示される(図9(b−1)参照)。なお、報知される正解の操作順序は、リール停止データコマンドの内容に基づいて設定される。
ステップS3407では、停止ボタン受付コマンドに基づいて第3停止操作が行われたか否かを判定する。第3停止操作が行われた場合には、ステップS3408に進み、そうでない場合には、ステップS3413に進む。
ステップS3408では、AT回数報知演出の更新設定を行う。これにより、演出画像表示装置157などを用いたAT回数報知演出が実行され、演出画像表示装置157にはAT回数が更新されたAT回数画像d40が表示される(図9(b−6)、図13(a−6)、図16(a−5)など参照)。
一方、ステップS3409では、受信した内部抽選コマンドの内容に基づいて、受信した内部抽選コマンドの内容に基づいて、再遊技役に内部当選したか否かを判定する。再遊技役に内部当選した場合には、ステップS3410に進み、そうでない場合には、ステップS3413に進む。
ステップS3410では、AT状態において再遊技役に内部当選したので、報知抽選を実行する。
ステップS3411では、ステップS3410の報知抽選において当選したか否かを判定する。報知抽選に当選した場合には、ステップS3412に進み、そうでない場合には、ステップS3413に進む。
ステップS3412では、AT状態において、再遊技役に内部当選し、かつ報知抽選にも当選したので、操作条件報知演出を設定する。これにより、演出画像表示装置157、スピーカ272、277、及び各種ランプ420などを用いた操作条件報知演出が実行され、演出画像表示装置157には操作特定画像d10が表示される(図12(a)参照)。なお、報知される操作順序は、第1副制御部400の所定の処理(例えば、6択の中からいずれか一つを選択する抽選処理など)により決定される。ステップS3410の処理の後はステップS3413に進む。
ステップS3413では、その他のAT演出設定処理を行う。例えば、AT状態において状態遷移示唆演出を実行している場合には、停止操作(第1停止操作、第2停止操作、第3停止操作)に基づいて、状態遷移示唆演出の更新処理を行う。この状態遷移示唆演出の更新処理により、演出画像表示装置157には、その領域を拡大移動する挿入画像d30が表示される。また、AT状態において操作条件報知演出を実行中に正解の停止操作をした場合には、操作正解画像d20を表示するための演出設定を行い、不正解の停止操作した場合には、操作不正解画像d20aを表示するための演出設定を行う。これにより、演出画像表示装置157には操作正解画像d20が表示されたり、操作不正解画像d20aが表示されたりする。また、通常状態からAT状態に移行した場合には、AT回数報知演出の初期設定を行う。このAT回数報知演出の初期設定により、演出画像表示装置157にはAT回数画像d40(図14(a−6)参照)などが表示される。また、操作条件報知演出を実行中にリール回転開始コマンドを受信した場合には、操作特定画像d10の表示態様を変更する設定を行う。これにより、演出画像表示装置157には表示態様を変更した操作特定画像d10が表示される(図12参照)。
<通常演出設定処理>
次に、図30(a)を用いて、通常演出設定処理について説明する。図30(a)は、図28のステップS3305の通常演出設定処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS3501では、受信した遊技状態コマンドに基づいて、主制御部300のRT系の遊技状態が再遊技低確率状態(RT1)であるか否かを判定する。主制御部300のRT系の遊技状態がRT1である場合には、ステップS3502に進み、そうでない場合には、ステップS3504に進む。
ステップS3502では、受信した内部当選コマンドに基づいて、今回遊技においてAT当選があったか否かを判定する。今回遊技においてAT当選があった場合には、ステップS3503に進み、そうでない場合には、ステップS3504に進む。
ステップS3503では、今回遊技が通常状態の最終ゲームになるので、状態遷移示唆演出の設定を行う。これにより、状態遷移示唆演出が開始され、演出画像表示装置157には挿入画像d30が表示される(図14(a−1)参照)。
ステップS3504では、その他の通常演出設定処理を行う。例えば、RT系の遊技状態が特別遊技状態(RT4)の場合には、ボーナス遊技状態であることを示すボーナス演出の設定を行う。
<AT上乗せ設定処理>
次に、図30(b)を用いて、AT上乗せ設定処理について説明する。図30(b)は、図28のステップS3304のAT上乗せ設定処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS3601では、操作条件報知演出を再設定する。すなわち、図29のステップS3406で設定された「通常操作条件報知演出」を「特別操作条件報知演出」に変更して設定する。これにより、演出画像表示装置157、スピーカ272、277、及び各種ランプ420などを用いた特別操作条件報知演出が実行され、演出画像表示装置157には操作特定画像d10Sが表示される(図11、図19参照)。
ステップS3602では、AT上乗せ回数(具体的には、10回)を報知する時期を設定する。詳しくは、抽選により(1)AT上乗せ抽選に当選した当該ゲーム、又は(2)AT状態の区切りのゲームのいずれかが上乗せ回数を表示する時期として設定される。
ステップS3603では、ステップS3602のAT上乗せ回数の報知時期に基づいて、AT上乗せ回数報知演出の設定を行う。これにより、(1)AT上乗せ抽選に当選した当該ゲーム、又は(2)AT状態の区切りのゲームにおいて、演出画像表示装置157、スピーカ272、277、及び各種ランプ420などを用いたAT上乗せ回数報知演出が実行され、演出画像表示装置157にはAT上乗せ回数画像d50が表示される(図19(a−6)、図21(a−6)参照)。
<その他の変形例>
(挿入画像の全面表示時間)
上記実施形態では、図15に示すように、挿入画像d30の全面表示時間L3b>挿入画像d30の全面表示時間L3aとしたが、状態に応じた挿入画像d30の全面表示時間はこれに限定されない。挿入画像d30が全面表示された後、次の背景画像が出現するまでの切換時間において、挿入画像d30の表示後がAT状態である場合と通常状態である場合に差を設けてもよい。
例えば、図31(a)及び(b)に示すように、挿入画像d30を全面表示した後の遊技状態がAT状態である場合の切換時間L3b―1を、挿入画像d30を表示した後の遊技状態が通常状態である場合の切換時間L3a―1よりも長くしてもよい。この場合には、挿入画像d30を全面表示した後の遊技状態がAT状態であっても通常状態であっても挿入画像d30の全面表示時間L3は同一であるが(例えば、約1秒)、挿入画像d30の全面表示後がAT状態の場合には、別の挿入画像d31が所定時間(例えば、約1秒)表示されるので、切換時間L3b―1>切換時間L3a―1となる。このように挿入画像d30が背景画像に切り替わるまでの時間に差を設けるようにしてもよい。上記実施形態と同様に、遊技者の期待感を向上させることができる。
また、挿入画像d30の他に、AT背景画像d2の開始を示唆する挿入画像d31を複数種類用意し、抽選によりいずれか一つの挿入画像d31を選択するとともに、選択した挿入画像d31に従って全面表示時間L3の長さを設定するようにしてもよい。例えば、図31(c)に示すように、挿入画像d31としてAT開始画像1が選択された場合は短くて約2秒、AT開始画像2が選択された場合は通常の約2.5秒、AT開始画像3が選択された場合は長くて約3秒としてもよい。
また、これとは別に、残りのAT回数に応じて全面表示時間L3の長さを設定するようにしてもよい。この場合には、残りのAT回数が多い場合には全面表示時間L3を長くするようにするのが望ましい。挿入画像d30の表示時間に基づいて遊技者の期待感を向上させることができる場合がある。一方、これとは逆に残りのAT回数が少ない場合には全面表示時間L3を長くしてもよい。挿入画像d30の表示時間に基づいてAT遊技の終了を把握しやすくする場合がある。
なお、遊技者の遊技操作に基づいて全面表示時間L3b>全面表示時間L3aとするようにしてもよい。例えば、図32(a)に示すように、挿入画像d30を全面表示した後の遊技状態が通常状態である場合には、投入操作に基づいて通常背景画像d1の表示が開始される一方、図32(b)に示すように、挿入画像d30を全面表示した後の遊技状態がAT状態である場合には、スタートレバー操作に基づいてAT背景画像d2の表示が開始されるようにしてもよい。この場合には、遊技者の操作タイミングで遊技状態を判別することが可能である。また、挿入画像d30を全面表示した後の遊技状態がAT状態である場合には、常時スタートレバー操作に基づいてAT背景画像d2の表示を開始するのではなく、所定の確率(例えば、60%など)でスタートレバー操作に基づいてAT背景画像d2の表示を開始するようにしてもよい(残りの確率の場合は、投入操作に基づいてAT背景画像d2の表示を開始する)。
また、全面表示時間L3の長さに応じて挿入画像d30の色を変更するようにしてもよい。例えば、全面表示時間L3aの場合(挿入画像d30を全面表示した後が通常状態である場合)には、挿入画像d30を青色、全面表示時間L3bの場合(挿入画像d30を表示した後がAT状態である場合)には、挿入画像d30を赤色としてもよい。遊技者は、挿入画像d30の色に基づいてAT状態に対する期待感を高めることができる。
なお、上記実施形態の趣旨とは異なるが、挿入画像d30を全面表示した後が不利な遊技状態(通常状態)の場合の挿入画像d30の全面表示時間L3aを、挿入画像d30を全面表示した後が有利な遊技状態(AT状態)の場合の挿入画像d30の全面表示時間L3bよりも長く設定してもよい。有利な遊技状態(AT状態)となることを早い時期に知らせることができるので、遊技者に安心感を与えることができる。例えば、有利な状態である場合に、有利な状態が継続することを示唆するために挿入画像d30を表示したときの全面表示時間L3は短く設定する。遊技者が逸早く有利な状態を進めたいと願う場合において、全面表示時間L3は短く設定されていると好適である。また、有利な状態が終了し不利な状態が開始される場合に、有利な状態が終了することを示唆するために挿入画像d30を表示したときの全面表示時間L3は長く設定する。不利な状態を開始するにあたり、気分転換させる意味で全面表示時間L3は長く設定されていると好適である。
また、1遊技中ではなく、複数遊技に亘って挿入画像d30を全面表示するようにしてもよい。遊技者の期待感を複数の遊技に跨って維持することができる場合がある。
(挿入画像の全面表示タイミング)
上記実施形態では、遊技者の操作に基づいて挿入画像d30を拡大表示し、第3停止操作後に挿入画像d30を演出画像表示装置157上に全面表示した。しかし、これとは異なり、状態遷移示唆演出の実行条件が成立した場合、そのゲームの最初から最後までほぼ1ゲームに亘って挿入画像d30を全面表示するようにしてもよい。以下、図33〜図35を用いて、この変形例について説明する。
図33は、通常背景画像d1が表示されている通常状態の最終ゲームG1における状態遷移示唆演出を示しており、演出画像表示装置157に表示される挿入画像d30の変化を示すタイムチャートである。
図33(a−1)は、スタートレバー操作前の演出画像表示装置157の表示態様、図33(a−2)は、スタートレバー操作後の演出画像表示装置157の表示態様を示している。スロットマシン100は、スタートレバー操作に基づいて挿入画像d30の表示を開始し、挿入画像d30の領域を画面上方から下方に拡大させながら移動させる。ここで、挿入画像d30は、挿入画像d30が拡大移動を開始してから所定時間S1(約0.25秒)が経過したときに、演出画像表示装置157上に全面表示される(図33(a−2)〜(a−6)参照)。
図33(a−7)、図33(a−8)及び図33(a−9)は、それぞれ、第1停止操作後、第2停止操作後及び第3停止操作後の演出画像表示装置157の表示態様を示している。スロットマシン100は、第3停止操作後、一遊技の終了(遊技状態の更新)に基づいて挿入画像d30の領域を画面下方から上方に縮小させながら移動させる。そして、挿入画像d30は、挿入画像d30が縮小移動を開始してから所定時間S1(約0.25秒)が経過したときに、演出画像表示装置157の画面上から消去される(図33(a−10)〜(a−15)参照)。
なお、次の遊技状態はAT状態なので、挿入画像d30の領域が縮小していくことにより、AT背景画像d2が徐々に露出し表示されることとなる。また、スロットマシン100は、挿入画像d30が画面上から消去され、AT背景画像d2が全面に表示されたときには、AT背景画像d2上にAT回数画像d40(例えば、「AT00回目」などの文字画像)及びAT状態が開始されたことを示す告知画像d41(例えば、「AT開始」などの文字画像)d41を表示する。
このように状態遷移示唆演出の実行条件が成立した場合には、条件が成立した当該ゲーム(例えば、通常状態の最終ゲームG1など)の1ゲームに亘って挿入画像d30を全面表示してもよい。
図34(a)は、AT状態の中途ゲームG3において小役3aに内部当選し(AT上乗せ抽選は当選)、リール停止データd−1が選択された場合であって、遊技者が正解の停止操作(左中右の停止操作)を行ったときの操作条件報知演出の演出画像(操作特定画像d10、操作正解画像d20)、及び状態遷移示唆演出の挿入画像d30の変化を示している。なお、図34(a)は、AT状態において小役3aに内部当選し、かつAT上乗せ抽選に当選したので、特別操作条件報知演出を実行する場合を示している。
図34(a−1)、図34(a−2)、図34(a−7)、図34(a−8)及び図34(a−9)は、それぞれ、スタートレバー操作前、スタートレバー操作後、第1停止操作後、第2停止操作後及び第3停止操作後の演出画像表示装置157の表示態様を示している。スロットマシン100は、スタートレバー操作に基づいて、AT背景画像d2上に操作特定画像d10を表示するとともに挿入画像d30の表示を開始し、挿入画像d30の領域を画面上方から下方に拡大させながら移動させる。ここで、挿入画像d30が拡大移動を開始してから所定時間S1(約0.25秒)が経過したときに、挿入画像d30は、演出画像表示装置157上に全面表示される(図34(a−6)参照)。また、スロットマシン100は、挿入画像d30を全面表示した後、操作特定画像d10Sを表示し、操作に基づいて、操作正解画像d20Sを表示する(図34(a−7)〜(a−9)参照)。
このように本変形例では、上記実施形態と異なり(図12参照)、挿入画像d30が拡大移動を開始してから所定時間S1の間は、操作特定画像d10を表示し、所定時間S1が経過した後、操作特定画像d10を操作特定画像d10Sに変更して、操作特定画像d10Sを表示する。
図34(b)は、操作特定画像d10の変化の様子を示す図である。詳しくは、図34(b−1)は、図34(a−6)の状態、つまり挿入画像d30の表示開始から所定時間S1が経過する直前の操作特定画像d10、図34(b−2)は、挿入画像d30の表示開始から所定時間S1が経過したときの特別操作特定画像d10S、図34(b−3)は、図34(a−7)の状態、つまり第1停止操作後の操作特定画像d10S及び操作正解画像d20Sを示している。
なお、図34(a−2)〜(a−5)では、挿入画像d30の領域が拡大移動している間に、AT背景画像d2上に操作特定画像d10の表示を行うようにし、図34(a−6)では、挿入画像d30上に操作特定画像d10の表示を行うようにした。これは、挿入画像d30の表示期間は、次に表示される背景画像が何になるか期待する期間であって挿入画像d30自体には注目することがないのが一般的であるため、挿入画像d30の表示期間においてもAT背景画像d2及び挿入画像d30上に操作特定画像d10を表示して演出画像表示装置157に目を向けさせるためである。
なお、挿入画像d30の表示期間において表示する画像は、操作特定画像d10に限るものではなく、他の画像としてもよい。例えば、挿入画像d30を表示したことを解説する画像であったり、遊技状態の変更に係わる画像であったり、人物キャラクタ画像であったりしてもよい。
このように同一ゲームにおいて状態遷移示唆演出と特別操作条件報知演出を実行する場合には、操作特定画像d10及びd10SはAT背景画像d2上だけでなく、全面表示された挿入画像d30上にも表示される。すなわち、本変形例では、まず、挿入画像d30が全面表示されていない状態において、操作特定画像d10を表示して操作内容を遊技者に報知し、次いで、挿入画像d30が全面表示された状態において、操作特定画像d10Sを表示してAT上乗せ当選を報知し、2つの報知内容のタイミングをずらしているので、遊技者が2つの報知内容を正しく認識することができる。
なお、図34(a)は、AT上乗せ抽選に当選した当該ゲームにおいてAT上乗せ回数を報知する場合なので、スロットマシン100は、挿入画像d30の縮小移動の過程において、AT上乗せ回数画像d50を表示する(図34(a−10)〜(a−14)参照)。また、挿入画像d30の縮小移動を開始してから所定時間S1(約0.25秒)が経過し、挿入画像d30が画面から消去された状態において、スロットマシン100は、AT上乗せ回数が反映された規定回数を示す告知画像d42(例えば、「30回目まで」などの文言画像)d42をAT背景画像d2上に表示する(図34(a−15)参照)。
このように本変形例では、操作特定画像d10を操作特定画像d10Sに変更すると遊技者は操作特定画像d10Sに注目してしまうため、操作特定画像d10を操作特定画像d10Sに変更する時期とAT回数画像d40の更新を行う時期とを異なる時期とした。また、AT回数画像d40の更新を認識しやすくするため、操作特定画像d10Sの表示を終了させた以降にAT回数画像d40の更新を行うこととした(図34(a−9)参照)。なお、AT回数画像d40の更新を挿入画像d30が全面表示された場合に行うことで(図34(a−9)参照)、AT回数画像d40の更新を遊技者に認識させやすくしたため、これを優先するために、AT上乗せ回数画像d50の表示をAT回数画像d40の更新を行った後に行うこととした。この2つを同時期に行ってしまうと、遊技者が両者の報知内容を正しく認識できないおそれがあるので、この問題を解決すべく、2つを順次実行するようにして、AT回数画像d40の更新は挿入画像d30が全面表示された場合に行うようにした。
なお、図34(a−9)においては、操作特定画像d10が消去され、その後、操作正解画像d20も消去される。よって、図34(a−9)〜(a−10)の間、及び図34(a−10)においては、演出画像表示装置157には、挿入画像d30とAT回数画像d40が表示される。つまり、挿入画像d30の表示期間において、AT回数画像d40の表示期間は、操作特定画像d10の表示期間よりも長い(図34(a−2)〜(a−10)参照)。
これは、操作特定画像d10が、演出画像表示装置157に目を向けさせるきっかけづくりのために表示される画像であればよく、長い期間に表示されなくても挿入画像d30の表示開始時にさえ表示があれば役割を果たすものであるからである。また、次の背景画像であるAT背景画像d2を表示した場合に、操作特定画像d10など他の画像を表示すると、遊技者に違和感を与えるため、遊技者に違和感を与えないためである。さらには、次の背景画像を表示したときに操作特定画像d10など他の画像を表示すると、次の動作である挿入画像d30の縮小移動の表示態様やAT回数画像d40の表示位置の妨げとなるので、他の画像が挿入画像d30やAT回数画像d40の妨げにならないようにしたためである。
図35(a)は、AT状態の最終ゲームG2において小役3aに内部当選し(AT上乗せ抽選は非当選)、リール停止データd−1が選択された場合であって、遊技者が正解の停止操作(左中右の停止操作)を行ったときの操作条件報知演出の演出画像(操作特定画像d10、操作正解画像d20)、及び状態遷移示唆演出の挿入画像d30の変化を示している。なお、図35(a)は、AT状態において小役3aに内部当選し、かつAT上乗せ抽選に当選しなかったので、操作条件報知演出を実行する場合を示している。
図35(a−1)、図35(a−2)、図35(a−7)、図35(a−8)及び図35(a−9)は、それぞれ、スタートレバー操作前、スタートレバー操作後、第1停止操作後、第2停止操作後及び第3停止操作後の演出画像表示装置157の表示態様を示している。
このように同一ゲームにおいて状態遷移示唆演出と通常操作条件報知演出を実行する場合には、操作特定画像d10はAT背景画像d2上だけでなく、全面表示された挿入画像d30上にも表示される。
なお、図35(b)は、操作特定画像d10の変化の様子を示す図である。詳しくは、図35(b−1)は、図35(a−6)の状態、つまり挿入画像d30の表示開始から所定時間S1が経過する直前の操作特定画像d10、図35(b−2)は、挿入画像d30の表示開始から所定時間S1が経過したときの特別操作特定画像d10、図35(b−3)は、図35(a−7)の状態、つまり第1停止操作後の操作特定画像d10及び操作正解画像d20を示している。図35は、通常操作条件報知演出を実行する場合を示しているので、操作特定画像d10の表示態様に変化はない。
また、AT状態の区切りのゲームにおいて、通常操作条件報知演出を実行する場合には、遊技者は、当該ゲームにおいてAT上乗せ当選がなかったことを操作特定画像d10及び操作正解画像d20の表示態様から把握することができ、次の遊技状態が通常状態であることも予測することができる。
つまり、遊技状態がAT状態から通常状態に変更される場合(換言すれば、遊技者にとっては有利な状態から不利な状態に変更される場合)に表示される可能性があるのは、操作特定画像d10であって操作特定画像d10Sでない。なお、操作特定画像d10Sは、有利な状態への変更の期待感を煽る演出の一例であり、操作特定画像d10は操作特定画像d10Sに比べると有利な状態への変更の期待感を煽ることのない演出の一例である。よって、AT状態においては、有利な状態への変更の期待感を煽る演出と有利な状態への変更の期待感を煽ることのない演出との両者が実行される可能性があり、さらに、有利な状態への変更の期待感を煽る演出の実行頻度は、有利な状態への変更の期待感を煽ることのない演出の実行頻度より低い。このようにAT状態から通常状態に変更される場合は、有利な状態への変更の期待感を煽ることのない演出のみ実行される可能性がある。
なお、上記変形例(図32〜図35)では、AT系の遊技状態が変化する場合には、通常状態の最終ゲームG1、及びAT状態の最終ゲームG2において状態遷移示唆演出を実行するようにしたが、これに代えてAT状態の最初のゲームG4、及び通常状態の最初のゲームG5において状態遷移示唆演出を実行するようにしてもよい。このような変形例を、図36を用いて説明する。
図36(a)は、AT系の遊技状態が通常状態からAT状態に移行する場合において実行される演出の実行タイミングを示すタイムチャートであり、図36(b)は、AT状態の最初のゲームG4において小役3aに内部当選し(AT上乗せ抽選は当選)、リール停止データd−1が選択された場合であって、遊技者が正解の停止操作(左中右の停止操作)を行ったときの特別操作条件報知演出の演出画像(操作特定画像d10、d10S、操作正解画像d20、d20S)、及び状態遷移示唆演出の挿入画像d30の変化を示している。
このようにAT状態の最初のゲームG4において状態遷移示唆演出を実行する場合には、図36(b)に示すように、状態遷移示唆演出と特別操作条件報知演出をともに実行する場合が存在する。
このような場合、図36(b−7)〜(b−9)に示すように、全面表示された挿入画像d30上に操作特定画像d10S及び操作正解画像d20Sが表示される。すなわち、有利な遊技状態に移行したときに実行される状態遷移示唆演出では、全面表示された挿入画像d30の手前に操作特定画像d10S及び操作正解画像d20Sを表示するので、遊技者は、当該ゲームにおいてAT上乗せ当選があったことを操作特定画像d10S及び操作正解画像d20Sの表示態様から把握することができ、期待感を向上させることができる。
つまり、遊技状態が通常状態からAT状態に変更される場合(換言すれば、遊技者にとっては不利な状態から有利な状態に変更される場合)に表示される可能性があるのは、操作特定画像d10と操作特定画像d10Sとの両者である。なお、操作特定画像d10Sは、有利な状態への変更の期待感を煽る演出の一例であり、操作特定画像d10は操作特定画像d10Sに比べると有利な状態への変更の期待感を煽ることのない演出の一例である。よって、通常状態からAT状態に変更される場合は、AT状態と同様に、有利な状態への変更の期待感を煽る演出と有利な状態への変更の期待感を煽ることのない演出との両者が実行される可能性がある。
(状態遷移示唆演出の実行期間)
なお、上記実施形態では、1ゲームに亘って状態遷移示唆演出を実行したが、状態遷移示唆演出の実行期間はこれに限定されない。例えば、1ゲーム中の微小時間Δt(例えば、0.5秒など)において状態遷移示唆演出を実行するようにしてもよい。以下、図37〜図39を用いて、この変形例について説明する。
図37は、AT系の遊技状態が遷移する場合及びAT状態にある場合において実行される演出の実行タイミングを示すタイムチャートである。なお、当該変形例は、図37に示すように、AT系の遊技状態が変化する場合には、AT状態の最初のゲームG4及び通常状態の最初のゲームG5において状態遷移示唆演出を実行するものとする(図36に示した変形例と実行条件は同一)。
図38(a)は、AT状態の最初のゲームG4において、スタートレバー操作の前後の演出画像表示装置157の表示態様を示している。この変形例では、スロットマシン100は、スタートレバー操作に基づいて挿入画像d30の表示を開始し、挿入画像d30を微小時間Δt(約0.5秒間)表示した後(図38(a−2)参照)、挿入画像d30を消去し、AT背景画像d2を表示する(図38(a−3)参照)。このように、スタートレバー操作に基づいて挿入画像d30を微小時間Δtの間、全面表示し、スタートレバー操作の前後において背景画像を変化させるようにしてもよい。なお、AT回数画像d40は、図38(a−2)に示すように、挿入画像d30が全面表示されているときにAT回数の更新を行う。AT回数画像d40に更新があったことを目立たせることができる。
図38(b)は、挿入画像d30の表示の変化を詳しく説明した図である。挿入画像d30の表示開始から全面表示までΔt/2(約0.25秒間;図38(b−1)〜(b−6)参照)、挿入画像d30の全面表示から挿入画像の消去までΔt/2(約0.25秒間;(図38(b−7)〜(b−12)参照)となっている。
図39(a)は、AT状態の最初のゲームG4において、小役3aに内部当選し、かつAT上乗せ抽選に非当選だった場合のスタートレバー操作の前後の演出画像表示装置157の表示態様を示しており、図39(b)は、AT状態の最初のゲームG4において、小役3aに内部当選し、かつAT上乗せ抽選に当選だった場合のスタートレバー操作の前後の演出画像表示装置157の表示態様を示している。
本変形例においては、操作特定画像d10を挿入画像d30上に表示し、挿入画像d30からAT背景画像d2に画像が変更されても操作特定画像d10の表示を維持して、AT背景画像d2上にも表示する。これにより操作特定画像d10に関しては、長い表示期間が設定されていることを印象付けることができるので、挿入画像d30が表示されている期間においては、操作特定画像d10ではなく、AT回数画像d40に遊技者の注目を集めることができる。なお、挿入画像d30上にAT回数画像d40のみが表示されていると、逆に表示内容がシンプルになり過ぎてAT回数画像d40すら遊技者が見なくなる可能性があったが、操作特定画像d10の表示を挿入画像d30上にも表示することで、挿入画像d30の表示期間に遊技者が演出画像表示装置157に目を向ける動機付けを高めることができる。
また、本変形例においては、微小時間Δt(約0.5秒)<初期画像表示時間L11(約0.8秒以上、図12参照)となっているので、挿入画像d30が表示されている間に操作特定画像d10の表示態様が変化することはない。すなわち、挿入画像d30が表示された後、AT背景画像d2上で操作特定画像d10の表示態様を変化させる。このように本変形例は、AT回数画像d40の更新タイミング(挿入画像d30が全面表示されているとき)と操作特定画像d10の表示態様の変化タイミング(挿入画像d30の全面表示が終了したとき)を異ならせているので、停止操作の操作内容と内部当選した役のそれぞれを遊技者により確実に認識させることができる。
なお、AT回数画像d40は、挿入画像d30が全面表示されているときに更新されるので(図39(b−2)参照)、AT回数画像d40の更新を遊技者に認識させやすくした。そして、AT回数画像d40の更新を行った後に、操作特定画像d10の表示態様を変化させることとした。この2つを同時期に行ってしまうと、遊技者が操作特定画像d10の表示態様の変化だけに注目してしまう可能性もあったが、この2つを順次実行するようにして、遊技者の注目を分散するようにした。
なお、挿入画像d30は、スタートレバー操作を契機に表示を開始したので、ストップボタン137〜139の操作の受け付けが開始されるまで(ストップボタン操作有効となるまで)の間に表示を終了する画像とするのが好ましい。ストップボタン操作有効となるまでの最低時間として約0.8秒が設定されていた場合には、約0.8秒未満に表示を終了する画像とするとよい。
また、本実施形態では、スタートレバー操作を契機に挿入画像d30の表示を開始したが、これとは別にスタートレバー操作を契機に遊技者の期待感を高めるカットイン画像を表示する場合がある。このカットイン画像は、遊技者を不意打ちする役割があるため、スタートレバー操作直後に表示領域の全領域(部分的に表示されない領域がある場合もある)に表示される。したがって、このカットイン画像と挿入画像d30とは役割が異なるものである。しかしながら、カットイン画像と挿入画像d30とは、遊技者に与える印象が異なる画像であることが好ましく、また、両者はスタートレバー操作直後に表示を開始するものの、このカットイン表示がスタートレバー操作直後から表示領域の全領域に表示されるまでの時間より、挿入画像d30がスタートレバー操作直後から表示領域の全領域に表示されるまでの時間の方が長い時間となるように設定することが好ましい。挿入画像d30が不意打ちする役割でない画像である印象を与えることができる場合がある。
(挿入画像の移動方法)
上記実施形態では、挿入画像d30が画面の上方から下方に向けてその領域を徐々に拡大して移動し、AT背景画像d2及び操作正解画像d20が表示される領域を狭めていったが、挿入画像d30の領域が拡大移動する方法はこれに限定されない。
例えば、図40(a)に示すように、挿入画像d30が画面の四方から中央に向けてその領域を徐々に拡大して移動することにより、AT背景画像d2及び操作正解画像d20が表示される領域を狭めていってもよい。この場合にも操作正解画像d20を強調して目立たせることができるからである。なお、図40においてA20は、操作正解画像d20が表示される領域を示している。AT背景画像d2と操作正解画像d20との表示面積比率は、操作毎に操作正解画像d20の割合を高めるようになるので、遊技者に急な変化を見せることがなく、また、遊技者は好みの面積比となった場合に操作を中断させることができるなど、遊技者に違和感を与えずに済む演出とすることができる場合がある。
また、例えば、図40(b)に示すように、まず、挿入画像d30が画面の四方から中央に向けてその領域を徐々に拡大して移動することにより、AT背景画像d2及び操作正解画像d20が表示される領域を狭めつつ、次いで、次の背景画像である通常背景画像d1の領域を画面の上方から下方に向けて徐々に拡大して移動することにより、挿入画像d30及び操作正解画像d20が表示される領域を狭めるようにしてもよい。すなわち、上記実施形態では、同一画面上にAT背景画像d2と通常背景画像d1が同時に表示されることはなかったが、AT背景画像d2と通常背景画像d1とを同時に表示するようにしてもよい。勿論、AT背景画像d2の領域は徐々に縮小する一方、通常背景画像d1の領域は徐々に拡大していくものであり、最終的には通常背景画像d1が表示されるものである。この場合にも操作正解画像d20を強調して目立たせることができる。
以上から、挿入画像d30は、その一部に操作正解画像d20が表示される領域A20に向かって移動する画像を含むものであれば、いずれの移動態様を採用してもよい。操作正解画像d20の表示領域A20の外側の背景画像が狭まっていき、操作正解画像d20を強調して目立たせることができるからである。
また、上記実施形態では、画面の上方から下方に移動する「すだれ」を挿入画像d30としたが、挿入画像d30に他の画像を用いてよいのは勿論である。例えば、図41に示すように、「障子」を挿入画像d30としてもよい。
図41は、AT背景画像d2が表示されているAT状態の最終ゲームG2において小役3aに内部当選し(AT上乗せ抽選は非当選)、リール停止データd−1が選択された場合であって、遊技者が正解の停止操作(左中右の停止操作)を行ったときの状態遷移示唆演出及び操作条件報知演出を示している。
ここで、挿入画像d30としての「障子」は、図41に示すように、画面の左側から右側に向けて移動するが、画面の左端から距離W11までしか移動しないようになっている。そして、操作条件報知演出の操作特定画像d10及び操作正解画像d20は、図41に示すように、画面の左端から距離W11の位置よりさらに右側に表示されるので、状態遷移示唆演出と操作条件報知演出を同時に実行する場合であっても、挿入画像d30が操作特定画像d10及び操作正解画像d20を邪魔することはない。
また、図示しないが、AT状態において操作条件報知演出だけを実行する場合には、操作特定画像d10及び操作正解画像d20を画面中央に所定の大きさB1で表示するようにしている(操作条件報知演出の操作特定画像d10及び操作正解画像d20は、挿入画像d30が表示されない場合には、図9に示す位置(基準表示位置)に表示される)。これに対して、AT状態において操作条件報知演出と操作条件報知演出を同時に実行する場合には、図41に示すように、操作特定画像d10及び操作正解画像d20を画面右側に所定の大きさB1より小さな大きさB2で表示するようにしている(操作条件報知演出の操作特定画像d10及び操作正解画像d20は、挿入画像d30が表示される場合には、挿入画像d30と重なることなく表示される位置(退避表示位置)に表示される。さらに、一体的に縮小する表示を行い見た目の印象が変わらないようにしている)。
このように挿入画像d30の移動方向が左右方向であっても、挿入画像d30の領域が拡大移動して操作正解画像d20に迫ってくるとともに、操作正解画像d20が操作特定画像d10よりも大きく表示されるので、操作正解画像d20を強調して目立たせることができる。なお、挿入画像d30の移動方向は上下方向や左右方向に限定されるものではなく、斜め方向でもよい。この場合にも同様の表示を行い、操作正解画像d20を強調して目立たせることができる。
なお、図41に示した状態遷移示唆演出と操作条件報知演出を同時に実行するゲームにおいては、操作特定画像d10を最初(スタートレバー操作後)から画面の右端に表示するようにしたが(図41(a−1)参照)、この場合には操作特定画像d10の内容を把握し難い場合があるので、図42に示すように、スタートレバー操作後は中央に大きく表示し(大きさB1で表示し)(図42(a−1)参照)、微小時間Δt(例えば、約0.05秒)が経過したときに画面の右端に小さく表示(大きさB2で表示)する(図42(a−5)参照)ようにしてもよい。この場合、遊技者は、正解の停止操作の内容を容易に把握することができる。
なお、操作特定画像d10の変化は、微小時間Δtの間に徐々に小さく変化する動画とすることが好ましい(図42(a−2)〜(a−4)参照)。遊技者に違和感を与えないためである。
(挿入画像の混合)
上記実施形態では、挿入画像d30は一の背景画像の上に表示して、一の背景画像の領域を徐々に遮蔽して縮小させるとともに自らの表示領域を拡大していき、最終的に画面全体を挿入画像d30にした後、他の背景画像に切替えて表示するようにした。しかしながら、本変形例では、一の背景画像に挿入画像を徐々に混合させていくことにより一の背景画像を徐々に視認困難にしていき(一の背景画像と挿入画像が混合した画像が画面に表示される)、最終的には一の背景画像の割合を0%、挿入画像d30の割合を100%にして、画面全体を挿入画像d30にした後、他の背景画像に切替えて表示する。このように、一の背景画像を徐々に不明確にしていくとともに挿入画像d30を徐々に明確にしていく方法も、一の背景画像の表示領域(表示面積)を徐々に縮小させて挿入画像d30の表示領域(表示面積)を徐々に拡大する一方法として考えることができる。背景画像から挿入画像d30への切替えを行いつつ、画面全体の背景画像と画面全体の挿入画像d30との両者を認識できる場合がある。
図43は、本変形例のAT状態の最終ゲームG2において小役3aに内部当選し(AT上乗せ抽選は非当選)、リール停止データd−1が選択された場合であって、遊技者が正解の停止操作(左中右の停止操作)を行ったときの操作条件報知演出の演出画像(操作特定画像d10、操作正解画像d20)、及び状態遷移示唆演出の挿入画像d30の変化を示している。ここで、挿入画像d30は、具体的には、図43(a−6)に示した砂嵐のような画像である。
本変形例では、遊技操作(スタートレバー操作、第1停止操作、第2停止操作、第3停止操作)のたびに挿入画像d30を混合していく。この混合の方法としては、操作のたびに一定の割合で挿入画像d30を増加させる方法が好適であり、例えば、スタートレバー操作に基づき挿入画像d30の混合割合を0%から25%まで増やし(AT背景画像d2の混合割合を100%から75%まで減らし)、第1停止操作に基づき挿入画像d30の混合割合を25%から50%まで増やし(AT背景画像d2の混合割合を75%から50%まで減らし)、第2停止操作に基づき挿入画像d30の混合割合を50%から75%まで増やし(AT背景画像d2の混合割合を50%から25%まで減らし)、第3停止操作に基づき挿入画像d30の混合割合を75%から100%まで増やす(AT背景画像d2の混合割合を25%から0%まで減らす)方法などがある。
本変形例では、AT背景画像d2と挿入画像d30を混合した混合画像d2&d30を画面全体に表示していくが、操作条件報知演出の演出画像(操作特定画像d10、操作正解画像d20)の領域だけは例外としている。すなわち、図43に示すように、操作特定画像d10及び操作正解画像d20は明確に表示されるので、遊技者は報知される操作内容、及び行った操作が正しかった否かを正確に把握することができる。
以上、本変形例によれば、挿入画像d30の混合割合を徐々に高めていくことにより、背景画像d2の内容が徐々に視認困難となっていくので、操作特定画像d10及び操作正解画像d20を徐々に強調して、目立たせることができる。
勿論、本変形例においても、操作正解画像d20は操作特定画像d10よりも大きく表示するとともに操作正解画像d20は操作特定画像d10よりも手前に表示するので、操作正解画像d20をより強調して目立たせることができる。
また、図44に示すように、操作特定画像d10及び操作正解画像d20の領域を含む矩形領域A20全体において、混合画像d2&d30を表示しないようにしてもよい(スタートレバー操作後から、第3停止操作に基づく操作正解画像d20の表示が終了するまでの間)。この場合にも、操作特定画像d10及び操作正解画像d20を徐々に強調して、目立たせることができる。ここで、図44(a)は、AT状態の最終ゲームG2において小役3aに内部当選し(AT上乗せ抽選は当選)、リール停止データd−1が選択された場合であって、遊技者が正解の停止操作(左中右の停止操作)を行ったときの操作条件報知演出の演出画像(操作特定画像d10、操作正解画像d20)、及び状態遷移示唆演出の挿入画像d30の変化を示している。また、図44(b)は、操作特定画像d10及び操作正解画像d20の領域、並びに矩形領域A20の位置関係を詳しく示す図である。
なお、図44において第3停止操作が正解操作になることは、第1停止操作及び第2停止操作の双方が正解操作であったことにより決まってしまう。つまり、第1停止操作後の操作正解画像d20および第2停止操作後の操作正解画像d20は、第3停止操作の操作正解を示唆する画像であるとも判断できる。そこで、操作特定画像d10及び操作正解画像d20の領域を含む矩形領域A20全体において、混合画像d2&d30を第3停止操作があった後に(操作正解画像d20の表示の終了を待たずに)表示しないようにしてもよい。
なお、近年ではVDP534の処理能力の進化等により、映像表現の多様化が図られている。例えば、上記実施形態では背景画像(AT背景画像d2、通常背景画像d1)と挿入画像d30とは別画像であることを前提としていたが、処理能力の進化等により背景画像から挿入画像d30を生成することが考えられる。よって背景画像と見た目には異なる画像が表示されていれば、挿入画像d30が表示されているとみなすようにしてもよい。
(操作正解画像、操作特定画像)
図45は、操作正解画像d20の変形例を示す図である。上記実施形態では、表示時間L1に亘って操作正解画像d20の大きさを同一とし、操作特定画像d10よりも大きな画像とした。しかしながら、表示時間L1の全期間に亘って操作正解画像d20の大きさを同一としなくてもよく、表示時間L1の少なくとも一部の期間において操作特定画像d10よりも大きく表示すればよい。
例えば、図45(a)に示すように、表示開始の時点t11において操作特定画像d10よりも小さく表示されていた操作正解画像d20を、時点t11から表示時間L1の中途の時点t12まで徐々に大きく拡大して操作特定画像d10よりも大きくし、時点t12以降は同一の大きさで表示するようにしてもよい。操作正解画像d20を操作特定画像d10よりも目立たせることができる場合がある。なお、操作に正解したことが分かる態様は維持しつつも拡大しながら操作正解画像d20の表示態様を変化させてもよい。
また、上記実施形態では、操作正解画像d20の透過度を時点t11から時点t12までは0%、時点t12から時点t13までは0%から100%に変化させるようにした。しかしながら、操作正解画像d20の透過度の変化(見え方)はこれに限定されるものではく、表示時間L1のうち少なくとも一部の期間において操作正解画像d20を明確に(透過度0%で)表示すればよい。なお、操作に正解したことが分かる態様は維持しつつも透過度を変化させながら操作正解画像d20の表示態様を変化させてもよい。
例えば、図45(b)に示すように、表示開始の時点t11から中途の時点t12までは100%から0%に変化させ、時点t12から表示終了の時点t13までは0から100%に変化させて、時点t12において一番明確に表示されるようにしてもよい。操作正解画像d20を操作特定画像d10よりも目立たせることができるからである。
また、上記図45(a)に示した操作正解画像d20の拡大工程と図45(b)に示した操作正解画像d20の透過度の変化工程を組み合わせてもよい。
図46は、操作特定画像d10の別の変形例を示す図である。本実施形態では、数字を用いた操作特定画像d10を用いたが、停止操作の順序が遊技者に把握されるのであれば、操作特定画像d10に数字を用いなくてもよい。
例えば、図46(b)に示すように、操作特定画像d10の大きさで操作順序を報知するのでもよく、次の停止操作に対応する操作特定画像d10(以下、d10aと表記する)の大きさを残りの停止操作に対応する操作特定画像d10(以下、d10bと表記する)の大きさよりも大きくすることにより停止操作の順序を報知するようにしてもよい。具体的には、正解の停止操作が「左中右」の場合、図46(a)に示すように、第1停止操作前には、左ストップボタン137に対応する操作特定画像d10aを中ストップボタン138に対応する操作特定画像d10b及び右ストップボタン139に対応する操作特定画像d10bよりも大きく表示し、また、第1停止操作後には、中ストップボタン137に対応する操作特定画像d10aを右ストップボタン139に対応する操作特定画像d10bよりも大きく表示するものである。
なお、図46に示す変形例では、大きさは異なるが、操作特定画像d10aと操作特定画像d10bの内容を同一としている(例えば、座って考え込んでいる殿様の画像)が、これに限定されない。内容を異なるようにしてもよい。
また、図46に示す変形例においても、図46(b)に示すように、操作正解画像d20を目立たせるため、操作正解画像d20は操作特定画像d10aよりも大きくなっている。なお、図46に示す変形例の操作正解画像d20は、個々の操作が正解であったことを示唆する画像となっている(例えば、立ち上がってグーサインをする殿様の画像)。具体的には、座って考え込んでいる殿様が立ち上がってグーサインをするまでのアニメーション画像が表示されるものであり、最終表示画像が開始表示画像よりも大きな画像となっている。勿論、アニメーションの途中で操作正解画像d20の大きさを操作特定画像d10の大きさよりも大きくするようにしてもよい。操作正解画像d20を目立たせることができるからである。
また、操作特定画像d10aから操作正解画像d20への変化は上記に限定されるものではなく、例えば、操作特定画像d10aにオプション画像を追加(座って考え込んでいる殿様の周囲に炎やオーラ等の画像を追加)することにより操作正解画像d20を生成し、操作特定画像d10aよりも大きな操作正解画像d20を表示するようにしてもよい。また、このようなキャラクタを用いた操作特定画像d10aに数字を表記して操作順序をさらに明確にしてもよい。
(操作条件報知演出)
また、上記実施形態では、操作順序役に内部当選した場合の正解の操作順序を第1停止操作から第3停止操作に設定したが、第1停止操作だけに正解の操作順序を設定するようにしてもよい。そして、このような第1停止操作に操作条件が設定された操作順序役に内部当選した場合には、正解の第1停止操作の内容を示唆する操作条件報知演出を実行するようにしてもよい。
例えば、右ストップボタン139に対する第1停止操作を正解の操作とした場合には、図47(a)に示すように、第1停止操作の内容を示す操作特定画像d10(例えば、右から左に向かう矢印の画像)を表示するとともに、スピーカ272、277を用いて、第1停止操作の内容を示す音声(例えば、「右から押して」などの音声)を出力し、各種ランプ420を用いて、第1停止操作の内容を示す点灯・点滅(例えば、右サイドランプ144を点灯・点滅させるなど)を行う。そして、第1停止操作が正解であった場合には、操作特定画像d10を消去して、操作特定画像d10が表示されていた領域に、第1停止操作が正解であったことを示す操作正解画像d20(例えば、所定の形状の枠内にOKなどの文字が記された画像)を表示する。この場合にも、操作正解画像d20を操作特定画像d10よりも大きく表示するので、操作正解画像d20を強調して目立たせることができる。
また、上記実施形態では、停止操作の順序を報知する操作条件報知演出としたが、内部当選した小役の図柄を報知する操作条件報知演出としてもよい。
例えば、AT状態において小役1(スイカ)や小役2(チェリー)に内部当選した場合に操作条件報知演出を実行する場合には、図47(b)に示すように、内部当選した役の図柄を示す操作特定画像d10(例えば、チェリーの画像)を表示するとともに、スピーカ272、277を用いて、内部当選した役の図柄を示す音声(例えば、「チェリー」などの音声)を出力し、各種ランプ420を用いて、内部当選した役の図柄を示す色(例えば赤色)を点灯する。そして、操作タイミングが好適でチェリー図柄が入賞ライン上に表示された場合には、操作特定画像d10を消去して、操作特定画像d10が表示されていた領域に、操作タイミングが正解であったことを示す操作正解画像d20(例えば、所定の形状の枠内にOKなどの文字が記された画像)を表示する。この場合にも、操作正解画像d20を操作特定画像d10よりも大きく表示するので、操作正解画像d20を強調して目立たせることができる。なお、この場合、AT回数には、小役3aだけでなく、小役1(スイカ)や小役2(チェリー)に内部当選した回数も加味されるものであり、このAT回数が規定回数に達したときにAT状態は終了するものとする。
図48は、操作条件報知演出において操作が不正解であった場合に表示される操作不正解画像d20aの変形例を示す図である。詳しくは、AT状態の中途ゲームG3において小役3aに内部当選し(AT上乗せ抽選は非当選)、リール停止データd−1が選択された場合であって、遊技者が不正解の停止操作(右ストップボタン139に対する操作を第1停止操作)を行ったときの操作条件報知演出の推移を示している。
図48に示すように、操作不正解画像d20aを操作特定画像d10よりも小さく表示するようにしてもよい(図示しないが、本変形例においても、操作正解画像d20は操作特定画像d10よりも大きく表示される)。ここで、図48(a−2)は、第1停止操作が左ストップボタン137ではなく、中ストップボタン138または右ストップボタン139に行われた場合の表示であり、図48(a−4)は、第2停止操作が残りのストップボタンに行われた場合の表示であり、図48(a−6)は、第3停止操作が残りのストップボタンに行われた場合の表示である。
また、図48に示すように、すべての操作特定画像d10を表示するのではなく、残りの停止操作に対応した操作特定画像d10だけを表示するようにしてもよい。本変形例では操作特定画像d10を操作不正解画像d20aよりも相対的に大きく表示しているので、当該ゲームの残りの停止操作を次ゲーム以降に備えた操作失敗をしないための練習として活用することができる。
(操作特定画像の大きさ)
上記実施形態においては、操作正解画像d20を操作特定画像d10よりも大きく表示して、操作正解画像d20をより目立たせるようにしたが、これとは別に、操作特定画像d10を操作正解画像d20よりも大きく表示して、操作特定画像d10をより目立たせるようにしてもよい。
図49(a)は、本変形例の操作条件報知演出の報知態様を示す図である。本変形例の操作条件報知演出は、演出画像表示装置157上に、正解の停止操作の順序を示す操作特定画像d10を表示するとともに、スピーカ272、277を用いて、正解の停止操作の順序を示す音声(例えば、次の停止操作が左ストップボタン137の場合には「左」などの音声)を出力し、各種ランプ420を用いて、正解の停止操作の順序を示す点灯・点滅(例えば、次の停止操作が左ストップボタン137の場合には、左サイドランプ144を点灯・点滅させるなど)を行う。
本変形例では、次の停止操作に対する操作特定画像d10を残りの停止操作に対する操作特定画像d10よりも大きく表示し、目立つようにしている。以下、便宜上、大きく表示される操作特定画像をd10B、通常の大きさの操作特定画像をd10と表記する。
また、操作条件報知演出では、(1)遊技者が正解の停止操作を行った場合、行われた停止操作に対応する操作特定画像d10を消去して、個々の停止操作が正解であったことを示唆する操作正解画像d20を表示する一方、(2)遊技者が不正解の停止操作を行った場合には、個々の停止操作が不正解であったことを示唆する操作不正解画像d20aを表示する。本実施形態では、操作特定画像d10Bは、操作正解画像d20よりも大きく表示される。
図49(b)は、AT状態の中途ゲームG3において小役3aに内部当選し(AT上乗せ抽選は非当選)、リール停止データd−1が選択された場合であって、遊技者が正解の停止操作(左中右の停止操作)を行ったときの操作条件報知演出の演出画像の推移を示している。
図49(b−1)は、スタートレバー操作後の演出画像表示装置157の表示態様を示している。スロットマシン100は、スタートレバー操作に基づいて、操作特定画像d10を表示する。具体的には、正解の停止操作が「左中右」の場合、画面の中央下方位置に、方形状の枠の中に1の数字が記された操作特定画像d10B、方形状の枠の中に2の数字が記された操作特定画像d10、及び方形状の枠の中に3の数字が記された操作特定画像d10をストップボタン137〜139の位置に合わせて左から表示する。上述したように、1の数字が記された操作特定画像d10bは、2及び3が記された操作特定画像d10よりも大きく表示される。これにより、遊技者は、操作特定画像d10の数字の並びに基づいて第1停止操作が左ストップボタン137に対する操作、第2停止操作が中ストップボタン138に対する操作、第3停止操作が右ストップボタン139に対する操作であることを把握する。
図49(b−2)は、第1停止操作後の演出画像表示装置157の表示態様を示している。図49(b−2)では、遊技者が左ストップボタン137に対する操作を第1停止操作とし、この第1停止操作が正解であったので、スロットマシン100は、第1停止操作に対応する操作特定画像d10Bを消去して、第1停止操作に対応する操作特定画像d10が表示されていた位置に、第1停止操作が正解であったことを示唆する操作正解画像d20を表示する。操作正解画像d20は、具体的には、爆発・破裂を表す形状の図形画像である。本実施形態では、操作正解画像d20の大きさは操作特定画像d10の大きさと略同一である。また、次の停止操作は第2停止操作となるので、スロットマシン100は、第2停止操作に対応する操作特定画像d10を操作特定画像d10Bとして拡大表示する。
図49(b−3)は、第1停止操作に基づいて表示された操作正解画像d20が消失した後(表示時間L1経過後)の演出画像表示装置157の表示態様を示している。このとき、スロットマシン100は、操作条件報知演出として、残りの停止操作(第2停止操作、第3停止操作)に関する操作特定画像d10B及びd10を継続して表示している。
図49(b−4)は、第2停止操作後の演出画像表示装置157の表示態様を示している。図49(b−4)では、遊技者が中ストップボタン138に対する操作を第2停止操作とし、第2停止操作が正解であったので、スロットマシン100は、第2停止操作に対応する操作特定画像d10Bを消去して、第2停止操作に対応する操作特定画像d10Bが表示されていた位置に、第2停止操作が正解であったことを示唆する操作正解画像d20を表示する。また、次の停止操作は第3停止操作となるので、スロットマシン100は、第3停止操作に対応する操作特定画像d10を操作特定画像d10Bとして拡大表示する。
図49(b−5)は、第2停止操作に基づいて表示される操作正解画像d20が消失した後(表示時間L1経過後)の出画像表示装置157の表示態様を示している。このとき、スロットマシン100は、操作条件報知演出として、残りの停止操作(第3停止操作)に関する操作特定画像d10を表示している。
図49(b−6)は、第3停止操作後の演出画像表示装置157の表示態様を示している。図49(b−6)では、遊技者が右ストップボタン139に対する操作を第3停止操作とし、第3停止操作が正解であったので、スロットマシン100は、第3停止操作に対応する操作特定画像d10Bを消去して、第3停止操作に対応する操作特定画像d10Bが表示されていた位置に、第3停止操作が正解であったことを示唆する操作正解画像d20を表示する。
図49(b−7)は、第3停止操作に基づいて表示される操作正解画像d20が消失した後(表示時間L1経過後)の演出画像表示装置157の表示態様を示している。このときには、操作条件報知演出は終了したので、スロットマシン100は、AT背景画像d2だけを表示している。
図50(a)は、以上に述べた遊技操作と操作特定画像d10及びd10Bの関係をタイムチャートにまとめたものである。このように第1停止操作の正解が左ストップボタン137に対する操作である場合には、スタートレバー操作の時点t21から左ストップボタン137に対する「1」と記された操作特定画像d10をd10Bとして大きく表示し、第2停止操作の正解が中ストップボタン138に対する操作である場合には、第1停止操作の時点t22から中ストップボタン138に対する「2」と記された操作特定画像d10をd10Bとして大きく表示し、第3停止操作の正解が右ストップボタン139に対する操作である場合には、第2停止操作の時点t24から右ストップボタン139に対する「3」と記された操作特定画像d10をd10Bとして大きく表示する。
これにより、正解の停止操作の内容が拡大表示されるので、遊技者は次の停止操作の内容を容易に明確に把握することができる。
また、図50(b)は、第2停止操作に対応する、2と記された操作特定画像d10がd10Bに変化する様子を示した図である。具体的には、第1停止操作に基づいて、2と記された操作特定画像d10は、操作特定画像d10の中心座標を起点として所定時間L4(本実施形態では、約0.1秒)を要して操作特定画像d10Bに拡大されるようになっている。
このように本変形例の操作条件報知演出は、操作特定画像d10を表示して遊技者に有利な操作内容を報知するだけでなく、次の停止操作に対応する操作特定画像d10Bを他の操作特定画像d10及び操作正解画像d20よりも大きく表示して強調するので、遊技者は推奨される次の停止操作をより容易に認識することができる。
なお、操作特定画像d10を動画表示(例えば、敵キャラクタを倒す演出の一環として操作特定画像d10を敵キャラクタに見立てた動画表示とする)とし、拡大前の動画と拡大後の動画とを異ならせる(例えば、拡大前は敵キャラクタが武器を準備する動画とし、拡大後は敵キャラクタが武器を身につけた動画とする)ものとしてもよい。大きさの変更があったこと認識し易くすることができる場合がある。
また、上記実施形態では、拡大された操作特定画像d10Bは、隣接する操作特定画像d10と重ならないように表示されるが、重なるように表示されてもよい。ただし、この場合には、操作特定画像d10Bを目立たせるため、操作特定画像d10Bを操作特定画像d10よりも手前に表示する。
また、上記実施形態では、拡大された操作特定画像d10Bは、そのまま大きさを維持して表示するようにしたが、これに限定されない。例えば、一旦大きくなった操作特定画像d10Bを縮小させるようにしてもよく、また、操作特定画像d10と操作特定画像d10Bの間の拡大・縮小を繰り返すようにしてもよい。すなわち、表示時間L1のうち少なくとも一部の期間において操作特定画像d10Bが表示されるのであればよい。操作特定画像d10Bを目立たせることが可能であるからである。
図51は、AT状態の中途ゲームG3において小役3aに内部当選し(AT上乗せ抽選は非当選)、リール停止データd−1が選択された場合であって、遊技者が不正解の停止操作(右ストップボタン139に対する操作を第1停止操作)を行ったときの操作条件報知演出の推移を示している。以下、正解の停止操作の場合との違いを中心に説明する。
図51(a−2)は、第1停止操作後の演出画像表示装置157の表示態様を示している。図51(a−2)では、遊技者が右ストップボタン139に対する操作を第1停止操作とし、第1停止操作が不正解であったので、スロットマシン100は、操作特定画像d10B及びd10の上方かつ画面中央に第1停止操作が不正解であったことを示唆する操作不正解画像d20aを表示し、第1停止操作に対応する操作特定画像d10を継続して表示する。
ここで、操作不正解画像d20aは、矩形の枠内に失敗の文字が記された図形画像であり、操作正解画像d20と同様に、表示開始から所定時間L1の経過で消失する画像である。すなわち、本実施形態では、操作不正解画像d20aを、操作正解画像d20が表示されていた位置、つまり第1停止操作に対応する操作特定画像d10Bが表示されていた位置とは異なる位置に表示する。
図51(a−3)は、第1停止操作に基づいて表示される操作不正解画像d20が消失した後(表示時間L1経過後)の演出画像表示装置157の表示態様を示している。このときには、スロットマシン100は、すべての停止操作(第1停止操作、第2停止操作、第3停止操作)に関する操作特定画像d10B及びd10を表示している。
図51(a−4)は、第2停止操作後の演出画像表示装置157の表示態様、図51(a−6)は、第3停止操作後の演出画像表示装置157の表示態様を示している。本実施形態の正解の操作順序は所謂「6択」のため、第1停止操作が不正解であった場合には、第2停止操作及び第3停止操作は不正解となる。そのため、図51(a−4)及び(a−6)に示すように、スロットマシン100は、第2停止操作後及び第3停止操作後それぞれにおいて、第2停止操作及び第3停止操作が不正解であったことを示唆する操作不正解画像d20aを、操作特定画像d10B及びd10の上方かつ画面中央に表示する。
このように本変形例の操作条件報知演出は、不正解の操作をした場合にも、その都度、操作不正解画像d20aを表示して操作が不正解であったことを報知するので、遊技者は、不正解の操作を行ったことを容易に認識することができる。
なお、上記実施形態では、各停止操作に対して同一の操作不正解画像d20aを表示したが、これに限定されない。停止操作ごとに異なる操作不正解画像d20aを表示するようにしてもよい。例えば、第1停止操作に失敗した場合には、3つの操作不正解画像d20aのうち最も大きな操作不正解画像d20aを表示し、第2停止操作に失敗した場合には、3つの操作不正解画像d20aのうち2番目に大きな操作不正解画像d20aを表示し、第3停止操作に失敗した場合には、3つの操作不正解画像d20aのうち最も小さい操作不正解画像d20aを表示するようにしてもよい。遊技者にとって第1停止操作が最も重要となるからである。
また、本変形例では、第3停止操作に基づく操作不正解画像d20aと操作特定画像d10の消去タイミングを同一としたが(図51(a―6)、(a―7))、これに限定されない。例えば、操作特定画像d10を操作不正解画像d20aよりも先に消去してもよい。この場合には、操作特定画像d10が消去されても、操作不正解画像d20aが表示されているので、遊技者に不正解の操作があったことを印象づけられる場合がある。また、例えば、操作不正解画像d20aを操作特定画像d10よりも先に消去してもよい。この場合には、操作不正解画像d20aが消去されても、操作特定画像d10が表示されているので、遊技者に正解の停止操作順序を強く印象づけることができ、次の操作条件報知演出に対する注意喚起を促すことができる場合がある。
次に、操作条件報知演出と状態遷移示唆演出を同一ゲームにおいて実行する場合について説明する。なお、本変形例でも、上記実施形態と同様に、操作条件報知演出と状態遷移示唆演出を同時に実行する場合、それぞれの演出の動作は、単独で実行する場合と同一の動作をする。換言すれば、操作条件報知演出及び状態遷移示唆演出のいずれにおいても、単独で実行する場合と両演出を実行する場合の演出データを共通としており、操作条件報知演出及び状態遷移示唆演出それぞれの動作は、両演出が同時に実行する場合も考慮して設定されている。
図52は、AT状態の中途ゲームG3において小役3aに内部当選し(AT上乗せ抽選は当選)、リール停止データd−1が選択された場合であって、遊技者が正解の停止操作(左中右の停止操作)を行ったときの操作条件報知演出の演出画像(操作特定画像d10、d10B、操作正解画像d20)、及び状態遷移示唆演出の挿入画像d30の変化を示している。
図52(a−1)は、スタートレバー操作後の演出画像表示装置157の表示態様を示している。スロットマシン100は、スタートレバー操作後には、スタートレバー操作に基づいて、AT背景画像d2上に第1停止操作に対応する操作特定画像d10B及び残りの停止操作に対応する操作特定画像d10を表示する。また、スロットマシン100は、スタートレバー操作後には、スタートレバー操作に基づいて、挿入画像d30の表示を開始し、挿入画像d30の領域を画面上方から下方に拡大移動させる。
なお、スロットマシン100は、スタートレバー操作後、所定時間L2が経過したときに挿入画像d30の移動を停止し、以後、移動停止した挿入画像d30を継続して表示する。
図52(a−2)は、第1停止操作後の演出画像表示装置157の表示態様を示している。スロットマシン100は、第1停止操作に基づいて、第1停止操作に対応する操作特定画像d10が表示されていた位置に操作正解画像d20を表示するとともに挿入画像d30の領域を下方にさらに拡大移動させる。また、スロットマシン100は、第2停止操作に対応する操作特定画像d10を操作特定画像d10Bとして拡大表示する。
なお、スロットマシン100は、第1停止操作後、所定時間L2が経過したときに挿入画像d30の移動を停止し、以後、移動停止した挿入画像d30を継続して表示する。
図52(a−3)は、第1停止操作に基づいて表示された操作正解画像d20が消失した後(表示時間L1経過後)の演出画像表示装置157の表示態様を示している。
図52(a−4)は、第2停止操作後の演出画像表示装置157の表示態様を示している。スロットマシン100は、第2停止操作に基づいて、第2停止操作に対応する操作特定画像d10が表示されていた位置に操作正解画像d20を表示するとともに挿入画像d30の領域を下方にさらに拡大移動させる。また、スロットマシン100は、第3停止操作に対応する操作特定画像d10を操作特定画像d10Bとして拡大表示する。
なお、スロットマシン100は、第2停止操作後、所定時間L2が経過したときに挿入画像d30の移動を停止し、以後、移動停止した挿入画像d30を継続して表示する。
図52(a−5)は、第2停止操作に基づいて表示された操作正解画像d20が消失した後(表示時間L1経過後)の演出画像表示装置157の表示態様を示している。
図52(a−6)は、第3停止操作後の演出画像表示装置157の表示態様を示している。スロットマシン100は、第3停止操作に基づいて、第3停止操作に対応する操作特定画像d10が表示されていた位置に操作正解画像d20を表示するとともに挿入画像d30の領域を下方にさらに拡大移動させる。
なお、スロットマシン100は、第3停止操作後、所定時間L2が経過したときに挿入画像d30の移動を停止し、以後、移動停止した挿入画像d30を継続して表示する。
図52(a−7)は、第3停止操作に基づく挿入画像d30の拡大移動が終了したときの演出画像表示装置157の表示態様を示している。演出画像表示装置157は、挿入画像d30を全面表示するとともに、全面表示された挿入画像d30上にAT上乗せ回数画像d50を表示する。
なお、本変形例においても、上記実施形態と同様に、第3停止操作直前の挿入画像d30(図17参照)は、第3停止操作に対する操作特定画像d10Bを隠すことがないので、次に停止操作に関する操作特定画像d10の内容を確実に遊技者に報知することができる。
このように本変形例において、操作条件報知演出と状態遷移示唆演出を同時に実行する場合には、図52に示すように、挿入画像d30が操作特定画像d10、d10B及び操作正解画像d20に向かって拡大移動して、操作特定画像d10、d10Bの周辺領域が狭くなったような印象を与えるとともに、次の停止操作に対応する操作特定画像d10を拡大表示して操作特定画像d10Bとするので、操作特定画像d10Bを強調して目立たせることができる。
なお、本変形例では、操作特定画像d10及びd10Bと操作正解画像d20は異なる素材の画像であった。しかしながら、同一の素材を用いて操作特定画像d10及びd10Bと操作正解画像d20を表現するようにしてもよい。例えば、図53(a)に示すように、操作特定画像d10Bが回転しながら縮小していく画像を操作正解画像d20としてもよい。この場合、操作正解画像d20の表示時間L1は、操作特定画像d10Bが回転しながら縮小していく時間である。同一の素材を用いて操作特定画像d10及びd10Bと操作正解画像d20を表現するので、画像のデータ容量を削減することができる。
図53(b)は、この変形例のAT状態の中途ゲームG3において小役3aに内部当選し(AT上乗せ抽選は当選)、リール停止データd−1が選択された場合であって、遊技者が正解の停止操作(左中右の停止操作)を行ったときの操作条件報知演出の演出画像d10、d10B、及び状態遷移示唆演出の挿入画像d30の変化を示している。
図53(b−2)は、第1停止操作後、図53(b−4)は、第2停止操作後、図53(b−6)は、第3停止操作後の演出画像表示装置157の表示態様をそれぞれ示している。図53(a−2)、(a−4)及び(a−6)に示すように、行われた停止操作に対応する操作特定画像d10Bを回転させながら縮小していき操作正解画像d20としてもよい。遊技者は操作特定画像d10Bの表示変化の態様から停止操作が正解であったことを把握することができる。
なお、上記実施形態と本変形例の構成を兼ね備えるようにしてもよい。すなわち、操作特定画像d10及び操作正解画像d20の双方を大きく表示して、操作特定画像d10及び操作正解画像d20の双方を目立たせるようにしてもよい。
(遊技情報のバリエーション)
上記実施形態では、数値を更新する演出画像としてAT回数画像d40を演出画像表示装置157上に表示した。しかしながら数値を更新する演出画像はAT回数画像d40に限定されるものではない。遊技中の数値を示す遊技情報であればいずれでもよい。以下、図54〜図57を用いて、遊技情報のバリエーションについて具体的に説明する。
例えば、図54に示すように、AT回数、AT残回数(=規定回数−AT回数)、メダルの獲得枚数を表示するようにしてもよい。図54(a)は、演出画像表示装置157の表示態様を示しており、AT回数画像d40、AT残回数を示すAT残回数画像d40A、及びメダルの獲得枚数を示す獲得枚数画像d40Bを表示している一例である。なお、図54(a)では、背景画像の表示は省略している。実際には背景画像の上にAT回数画像d40、AT残回数画像d40A、及び獲得枚数画像d40Bを表示する。図54(b)は、AT回数画像d40、AT残回数画像d40A、及び獲得枚数画像d40Bの数値の更新タイミングを示している。この変形例の場合には、第3停止操作に基づいて、AT回数、AT残回数、及び獲得枚数のそれぞれが更新される。このように複数の遊技情報を示す画像を表示し、所定の契機に複数の遊技情報の数値を同時に更新するようにしてもよい。
また、例えば、図55に示すように、メダルの貯留数を表示するようにしてもよい。図55(a)は、演出画像表示装置157の表示態様を示しており、メダルの貯留数を示す貯留数画像d40Cを表示している一例である。なお、図55(a)でも、背景画像の表示は省略しており、実際には背景画像の上に貯留数画像d40Cを表示する。図55(b)は、貯留数画像d40Cの数値の更新タイミングを示している。この変形例の場合には、投入操作に基づいて貯留数が更新される。また、図55(b)は、所定の条件が成立して挿入画像d30が表示される場合(例えば、遊技状態の移行などを期待させる場合)を示しており、このような場合には、貯留数画像d40Cの数値の更新タイミングに合わせて挿入画像d30を全面表示する。すなわち、図55(b−2)に示すように、投入操作に基づいて挿入画像d30を全面表示し、全面表示された挿入画像d30上に更新された貯留数画像d40Cを表示することになるので、遊技者は貯留数の更新に気づきやすくなる。
また、例えば、図56に示すように、メダルの払出数を表示するようにしてもよい。図56(a)は、演出画像表示装置157の表示態様を示しており、メダルの払出数を示す払出数画像d40Dを表示している一例である。なお、図56(a)でも、背景画像の表示は省略しており、実際には背景画像の上に払出数画像d40Dを表示する。図56(b)は、払出数画像d40Dの数値の更新タイミングを示している。この変形例の場合には、第3停止操作に基づいて払出数が更新される。
詳しくは、遊技中には払出数0を示していた払出数画像d40Dは、第3停止操作に基づいて、入賞した小役の払出数に応じた払出数(例えば、8など)を変更され、払出数に応じたメダルの払出が終了したときに、払出数0に変更される。なお、入賞した小役の払出数を示す払出数画像d40Dを表示している期間は、小役の払出数に応じて可変となっている(メダルの払出数が多いほど、更新された払出数画像d40Dを表示する期間は長い)。
また、図56(b)は、所定の条件が成立して挿入画像d30が表示される場合(例えば、遊技状態の移行などを期待させる場合)を示しており、このような場合には、払出数画像d40Dの数値の更新タイミングに合わせて挿入画像d30を全面表示する。すなわち、図56(b−2)に示すように、第3停止操作に基づいて挿入画像d30を全面表示し、全面表示された挿入画像d30上に払出数画像d40Dを表示するので、遊技者は払出数の更新に気づきやすくなる。なお、本変形例では、挿入画像d30の表示時間>更新された払出数画像d40Dを表示する期間となるように、挿入画像d30を表示する。
また、例えば、図57に示すように、演出アイテムの獲得数を表示するようにしてもよい。図57(a)は、演出画像表示装置157の表示態様を示しており、演出アイテムの獲得数を示すアイテム画像d40Eを表示している一例である。演出アイテムは、所定の獲得条件が成立した場合に獲得され、演出アイテムの数が所定値(例えば、5つなど)となると、所定の特典(例えば、AT状態への移行、AT回数の上乗せなど)を付与するものである。なお、図57(a)でも、背景画像の表示は省略しており、実際には背景画像の上にアイテム画像d40Eを表示する。図57(b)は、アイテム画像d40Eの数値の更新タイミングを示している。この変形例の場合にはスタートレバー操作に基づいて、所定の条件が成立した場合(所定の小役に内部当選など)にはアイテムが更新(追加)される。図57(b)に示す場合には、獲得アイテムが5つとなったので、AT系の遊技状態が通常状態からAT状態に移行した場合を示している。また、獲得アイテムが5つとなったので、アイテム画像d40Eの数値の更新タイミングに合わせて挿入画像d30を全面表示し、遊技状態の移行を示唆するようにしている。この場合も、スタートレバー操作に基づいて挿入画像d30を全面表示し、全面表示された挿入画像d30上にアイテム画像d40Eを表示することになるので、遊技者は演出アイテムの獲得数の更新に気づきやすくなる。
なお、上記実施形態及び本変形例では、遊技情報を演出画像表示装置157に表示するものとして説明したが、これに代えて又は加えて、遊技情報を他の表示装置(例えば、7セグメント(SEG)表示器など)に表示するようにしてもよい。勿論、この場合にも、挿入画像d30が全面表示された状態において遊技情報を更新するのが好ましい。
また、上記実施形態及び本変形例では、一回の挿入画像d30の表示において遊技情報を1回更新する場合、つまり一回の挿入画像d30の表示において遊技情報の更新タイミングは1回の場合について説明したが、これに限定されない。一回の挿入画像d30の表示において、複数回、遊技情報を更新してもよい。つまり一回の挿入画像d30の表示において遊技情報の更新タイミングは複数回あってもよい。遊技情報の更新をより遊技者に印象づけることができる。
また、上記実施形態では、遊技情報(AT回数)の更新頻度は、挿入画像d30の表示頻度よりも高いものであった。しかしながら、これとは逆に、挿入画像d30の表示頻度を、遊技情報の更新頻度よりも高くしてもよい。この場合にも遊技情報の更新を印象づけることができる。
(遊技情報の更新タイミング及び更新態様)
次に、図58〜図62を用いて、挿入画像d30を表示する状態において、遊技中に更新可能な遊技情報(例えば、AT回数など)を示す遊技情報画像d40(例えば、AT回数画像d40など)を更新する場合の変形例について説明する。なお、図58〜図62は、いずれも挿入画像d30を表示開始したときに遊技情報画像d40を更新する場合の更新タイミング及び更新態様を示している。
図58は、背景画像d2上を挿入画像d30が画面の左から右に向かって移動して画像領域を拡大していき、全面に挿入画像d30を表示した後、挿入画像d30が画面の右から左に向かって移動して画像領域を縮小していく場合(以下、「挿入画像d30のパターン1による全面表示」という)を示している。図58に示す変形例では、図58(a−9)及び(a−10)に示すように、挿入画像d30が背景画像d2を画面上から消去し、挿入画像d30が全面表示されたタイミングで遊技情報画像d40の遊技情報が更新される。このように、挿入画像d30が画面上に全面表示されたタイミングで遊技情報の更新を行ってもよい。全面表示された挿入画像d30上で遊技情報画像d40の数値を更新するので、遊技者に遊技情報の更新を気づかせすいという効果がある。
なお、本変形例では、挿入画像d30が表示を開始してから全面表示されるまでの時間、及び挿入画像d30の全面表示から挿入画像d30が消去されるまでの時間は、それぞれ約0.2秒、遊技情報画像d40の遊技情報の更新に要する時間(更新開始から更新終了までに要する時間)は約0.05秒となっているので、遊技情報の更新時間<挿入画像の表示時間となっている。
図59は、挿入画像d30のパターン1による全面表示の場合において遊技情報の更新タイミングは、図58に示した変形例の場合と同一であるが、遊技情報が更新されるまでの遊技情報画像d40の表示態様が異なっている。遊技情報画像d40は、具体的には、アニメーション画像であり、図59(a−2)〜(a−9)に示すように、挿入画像d30の表示開始から全面表示までの間、遊技情報画像d40の表示態様は変化し続け(例えば、数値が移動するなど。遊技情報の内容(数値)は更新されない)、挿入画像d30が全面表示されると、遊技情報を更新した遊技情報画像d40が表示される。このように、挿入画像d30の表示開始とともに遊技情報画像d40の表示態様を変化させ、挿入画像d30が全面表示されたタイミングにおいて遊技情報の更新を行ってもよい。遊技情報の変更があることを遊技者に事前に予告でき、遊技者が遊技情報に注目するので、遊技情報の変更があったことに気づかせ易い。
なお、本変形例では、挿入画像d30が表示している時間は約0.4秒(挿入画像d30が表示を開始してから全面表示されるまで約0.2秒、挿入画像d30の全面表示から挿入画像d30が消去されるまで約0.2秒)、遊技情報画像d40の遊技情報の更新に要する時間(更新開始から更新終了までに要する時間)は約0.2秒なので、遊技情報の更新時間<挿入画像の表示時間となっている。
図60は、挿入画像d30のパターン1による全面表示の場合において遊技情報の更新タイミングが図58に示した変形例と異なる場合を示している。図60に示す変形例では、図60(a−5)に示すように、挿入画像d30の画像領域が遊技情報画像d40の遊技情報画像d40の領域と重なったときに遊技情報の更新が行われる。より詳しくは、挿入画像d30の画像領域が遊技情報画像d40の遊技情報画像d40の領域と重なるまで(図60(a−2)〜(a−4))に遊技情報の更新が行われることなく、挿入画像d30の画像領域が遊技情報画像d40の遊技情報画像d40の領域と重なったとき(図60(a−5))に遊技情報の更新が行われる。換言すれば、背景画像d2上を挿入画像d30が移動して画像領域を拡大する場合に、挿入画像d30の縁が遊技情報画像d40の領域に差し掛かるまでは遊技情報画像d40を更新させないで、挿入画像d30の縁が遊技情報画像d40の領域に差し掛かったときに遊技情報画像d40を更新させる。このように、挿入画像d30と遊技情報画像d40が重なったタイミングで遊技情報の更新を行ってもよい。挿入画像d30の移動(挿入画像d30と背景画像d2の境界)を目で追いかけている場合には、遊技情報の更新に気づきやすいという効果がある。
図61は、演出画像表示装置157の画像領域を、遊技情報画像d40を表示する領域S1と、背景画像d2や挿入画像d30などの演出画像を表示する領域S2と、に分けた場合において、挿入画像d30をパターン1により領域S2に全面表示する場合を示している。領域を分けることにより、遊技情報画像d40の数値の誤認を防止することができる。
図61に示す変形例では、遊技情報画像d40と挿入画像d30が重複することはないが、図61(a−5)に示すように、遊技情報画像d40の表示位置と挿入画像d30の進行方向の境界線の表示位置が重なるタイミングで遊技情報画像d40の遊技情報が更新される。より詳しくは、背景画像d2上を挿入画像d30が移動して画像領域を拡大する場合に、挿入画像d30の縁が遊技情報画像d40の領域に最接近するまでは遊技情報画像d40を更新させないで、挿入画像d30の縁が遊技情報画像d40の領域に最接近したときに遊技情報画像d40を更新させる。このように遊技情報画像d40と挿入画像d30を異なる領域に表示する場合であっても、挿入画像d30の拡大表示により挿入画像d30の進行方向の境界線が遊技情報の近傍に近づいたタイミングで遊技情報の更新を行ってもよい。挿入画像d30の移動(挿入画像d30と背景画像d2の境界)を目で追いかけている場合には、遊技情報の更新に気づきやすいという効果がある。
なお、図58〜図61までは、遊技情報画像d40を画面の左右方向における略中央に表示したが、遊技情報の表示位置はこれに限定されない。例えば、図62(a)に示すように画面の右端に表示してもよいし、図62(b)に示すように画面の左端に表示してもよい。なお、図62に示す変形例の場合には、遊技情報の表示位置とは反対側の方向から遊技情報の方向に向かって、挿入情報d30を移動させて拡大表示し、挿入情報d30が全面表示されたタイミングで遊技情報を更新する。
例えば、図62(a)に示した変形例の場合には、背景画像d2上を挿入画像d30が画面の左から右に向かって移動して画像領域を拡大していき、挿入画像d30が全面表示されたタイミングで遊技情報画像d40の遊技情報を更新し、図62(b)に示した変形例の場合には、背景画像d2上を挿入画像d30が画面の右から左に向かって移動して画像領域を拡大していき、挿入画像d30が全面表示されたタイミングで遊技情報画像d40の遊技情報を更新する。挿入画像d30が全面表示されるタイミングは、遊技情報画像d40が挿入画像d30上に表示されるタイミングでもあるので、遊技者は遊技情報の更新を確認しやすいという効果がある。
より詳しくは、背景画像d2上を挿入画像d30が移動して画像領域を拡大する場合に、挿入画像d30の表示開始位置と遊技情報画像d40の表示位置とを遠い位置関係とし、背景画像d2上を挿入画像d30している。図62(a)では、演出画像表示装置157が矩形の表示領域を備える装置である場合に、左縁から挿入画像d30を表示開始し、左縁に対峙する右縁近辺に遊技情報画像d40を表示した。図62(b)では、演出画像表示装置157が矩形の表示領域を備える装置である場合に、右縁から挿入画像d30を表示開始し、右縁に対峙する左縁近辺に遊技情報画像d40を表示した。
なお、上下方向の関係についても適用可能である。演出画像表示装置157が矩形の表示領域を備える装置である場合に、上縁から挿入画像d30を表示開始し、上縁に対峙する下縁近辺に遊技情報画像d40を表示してもよく、下縁から挿入画像d30を表示開始し、下縁に対峙する上縁近辺に遊技情報画像d40を表示してもよい。これにより、挿入画像d30を表示開始した後、挿入画像d30を全面表示させるまでの時間をできるだけ多く確保できるので、遊技情報画像d40の遊技情報の更新があったことを遊技者が見逃す可能性を低くできる。
なお、背景画像d2等の表示領域が一部に残っている場合(換言すれば、挿入画像d30が全面表示される直前)に、遊技情報画像d40の遊技情報を更新してもよい。この場合にも遊技情報画像d40の遊技情報の更新までの時間をできるだけ多く確保できる。
<他の遊技台>
なお、上記実施形態においては、遊技台の一例として、メダル(コイン)を遊技媒体としたスロットマシン100を示したが、これに限定されるものではなく、遊技球(例えば、パチンコ玉)を遊技媒体としたスロットマシンや、パチンコ機、アレンジボール遊技機や、じゃん球遊技機、スマートボール、カジノマシン等に適用可能である。
なお、スロットマシンは、メダルを使用せずに電子データのやり取りのみ行うスロットマシンであってもよく、この場合の遊技媒体は、メダルに相当する電子化したデータを含むものであり、遊技媒体の投入は、所定の外部装置(電子貯留装置)から、電子化したデータを入力することを含むものであり、遊技媒体の払出は、所定の外部装置(電子貯留装置)へ、電子化したデータを出力することを含むものである。以下、本発明をパチンコ機に適用した実施形態について詳細に説明する。
<全体構成>
まず、図63を用いて、本発明の別の実施形態に係るパチンコ機1100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機1100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
パチンコ機1100は、外部的構造として、外枠1102と、本体1104と、前面枠扉1106と、球貯留皿付扉1108と、発射装置1110と、遊技盤1200と、をその前面に備える。
外枠1102は、遊技機設置営業店に設けられた設置場所(島設備等)へと固定させるための縦長方形状から成る木製の枠部材である。
本体1104は、内枠と呼ばれ、外枠1102の内部に備えられ、ヒンジ部1112を介して外枠1102に回動自在に装着された縦長方形状の遊技機基軸体となる部材である。また、本体1104は、枠状に形成され、内側に空間部1114を有している。また、本体1104が開放された場合、本体1104の開放を検出する不図示の内枠開放センサを備える。
前面枠扉1106は、ロック機能付きで且つ開閉自在となるようにパチンコ機1100の前面側となる本体1104の前面に対しヒンジ部1112を介して装着され、枠状に構成されることでその内側を開口部とした扉部材である。なお、この前面枠扉1106には、開口部にガラス製又は樹脂製の透明板部材1118が設けられ、前面側には、スピーカ1120や枠ランプ1122が取り付けられている。前面枠扉1106の後面と遊技盤1200の前面とで遊技領域1124を区画形成する。また、前面枠扉1106が開放された場合、前面枠扉1106の開放を検出する不図示の前面枠扉開放センサを備える。
球貯留皿付扉1108は、パチンコ機1100の前面において本体1104の下側に対して、ロック機能付きで且つ開閉自在となるように装着された扉部材である。球貯留皿付扉1108は、複数の遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある)が貯留可能で且つ発射装置1110へと遊技球を案内させる通路が設けられている上皿1126と、上皿1126に貯留しきれない遊技球を貯留する下皿1128と、遊技者の操作によって上皿1126に貯留された遊技球を下皿1128へと排出させる球抜ボタン1130と、遊技者の操作によって下皿1128に貯留された遊技球を遊技球収集容器(俗称、ドル箱)へと排出させる球排出レバー1132と、遊技者の操作によって発射装置1110へと案内された遊技球を遊技盤1200の遊技領域1124へと打ち出す球発射ハンドル1134と、遊技者の操作によって各種演出装置1206の演出態様に変化を与えるチャンスボタン1136と、チャンスボタン1136を発光させるチャンスボタンランプ1138と、遊技店に設置されたカードユニット(CRユニット)に対して球貸し指示を行う球貸操作ボタン1140と、カードユニットに対して遊技者の残高の返却指示を行う返却操作ボタン1142と、遊技者の残高やカードユニットの状態を表示する球貸表示部1144と、を備える。また、下皿1128が満タンであることを検出する不図示の下皿満タンセンサを備える。
発射装置1110は、本体1104の下方に取り付けられ、球発射ハンドル1134が遊技者に操作されることによって回動する発射杆1146と、遊技球を発射杆1146の先端で打突する発射槌1148と、を備える。
遊技盤1200は、前面に遊技領域1124を有し、本体1104の空間部1114に臨むように、所定の固定部材を用いて本体1104に着脱自在に装着されている。なお、遊技領域1124は、遊技盤1200を本体1104に装着した後、開口部から観察することができる。
図64は、図63のパチンコ機1100を背面側から見た外観図である。
パチンコ機1100の背面上部には、上方に開口した開口部を有し、遊技球を一時的に貯留するための球タンク1150と、この球タンク1150の下方に位置し、球タンク1150の底部に形成した連通孔を通過して落下する球を背面右側に位置する払出装置1152に導くためのタンクレール1154とを配設している。
払出装置1152は、筒状の部材からなり、その内部には、不図示の払出モータとスプロケットと払出センサとを備えている。
スプロケットは、払出モータによって回転可能に構成されており、タンクレール1154を通過して払出装置1152内に流下した遊技球を一時的に滞留させると共に、払出モータを駆動して所定角度だけ回転することにより、一時的に滞留した遊技球を払出装置1152の下方へ1個ずつ送り出すように構成している。
払出センサは、スプロケットが送り出した遊技球の通過を検知するためのセンサであり、遊技球が通過しているときにハイまたはローの何れか一方の信号を、遊技球が通過していないときはハイまたはローの何れか他方の信号を払出制御部1600へ出力する。なお、この払出センサを通過した遊技球は、不図示の球レールを通過してパチンコ機1100の表側に配設した上皿1126に到達するように構成しており、パチンコ機1100は、この構成により遊技者に対して球の払い出しを行う。
払出装置1152の図中左側には、遊技全般の制御処理を行う主制御部1300を構成する主基板1156を収納する主基板ケース1158、主制御部1300が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第1副制御部1400を構成する第1副基板1160を収納する第1副基板ケース1162、第1副制御部1400が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第2副制御部1500を構成する第2副基板1164を収納する第2副基板ケース1166、遊技球の払出に関する制御処理を行う払出制御部1600を構成するとともに遊技店員の操作によってエラーを解除するエラー解除スイッチ1168を備える払出基板1170を収納する払出基板ケース1172、遊技球の発射に関する制御処理を行う発射制御部1630を構成する発射基板1174を収納する発射基板ケース1176、各種電気的遊技機器に電源を供給する電源制御部1660を構成するとともに遊技店員の操作によって電源をオンオフする電源スイッチ1178と電源投入時に操作されることによってRWMクリア信号を主制御部1300に出力するRWMクリアスイッチ1180とを備える電源基板1182を収納する電源基板ケース1184、および払出制御部1600とカードユニットとの信号の送受信を行うCRインターフェース部1186を配設している。
図65は、遊技盤1200を正面から見た略示正面図である。
遊技盤1200には、外レール1202と内レール1204とを配設し、遊技球が転動可能な遊技領域1124を区画形成している。
遊技領域1124の略中央には、演出装置1206を配設している。この演出装置1206には、略中央に装飾図柄表示装置1208を配設し、その周囲に、普通図柄表示装置1210と、第1特別図柄表示装置1212と、第2特別図柄表示装置1214と、普通図柄保留ランプ1216と、第1特別図柄保留ランプ1218と、第2特別図柄保留ランプ1220と、高確中ランプ1222を配設している。なお、以下、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」と称する場合がある。
演出装置1206は、演出可動体1224を動作して演出を行うものであり、詳細については後述する。
装飾図柄表示装置1208は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な表示を行うための表示装置であり、本実施形態では液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成する。この装飾図柄表示装置1208は、左図柄表示領域1208a、中図柄表示領域1208b、右図柄表示領域1208cおよび演出表示領域1208dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域1208a、中図柄表示領域1208bおよび右図柄表示領域1208cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域1208dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域1208a、1208b、1208c、1208dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置1208の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、装飾図柄表示装置1208として液晶表示装置を採用しているが、液晶表示装置でなくとも、種々の演出や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、有機EL(ElectroLuminescence)表示装置、リール(ドラム)式表示装置、リーフ式表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクタを含む他の表示デバイスを採用してもよい。
普図表示装置1210は、普図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。第1特図表示装置1212および第2特図表示装置1214は、特図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。
普図保留ランプ1216は、保留している普図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施形態では、普図変動遊技を所定数(例えば、2つ)まで保留することを可能としている。第1特図保留ランプ1218および第2特図保留ランプ1220は、保留している特図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施形態では、特図変動遊技を所定数(例えば、4つ)まで保留することを可能としている。高確中ランプ1222は、遊技状態が大当りが発生し易い高確率状態であること、または高確率状態になることを示すためのランプであり、遊技状態を大当りが発生し難い低確率状態から高確率状態にする場合に点灯し、高確率状態から低確率状態にする場合に消灯する。
また、この演出装置1206の周囲には、所定の球進入口、例えば、一般入賞口1226と、普図始動口1228と、第1特図始動口1230と、第2特図始動口1232と、可変入賞口1234を配設している。
一般入賞口1226は、本実施形態では遊技盤1200に複数配設しており、この一般入賞口1226への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口1226に入賞した場合)、払出装置1152を駆動し、所定の個数(例えば、10個)の球を賞球として上皿1126に排出する。上皿1126に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口1226に入球した球は、パチンコ機1100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。本実施形態では、入賞の対価として遊技者に払い出す球を「賞球」、遊技者に貸し出す球を「貸球」と区別して呼ぶ場合があり、「賞球」と「貸球」を総称して「球(遊技球)」と呼ぶ。
普図始動口1228は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域1124の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、本実施形態では遊技盤1200の左側に1つ配設している。普図始動口1228を通過した球は一般入賞口1226に入球した球と違って、遊技島側に排出することはない。球が普図始動口1228を通過したことを所定の球検出センサが検出した場合、パチンコ機1100は、普図表示装置1210による普図変動遊技を開始する。
第1特図始動口1230は、本実施形態では遊技盤1200の中央に1つだけ配設している。この第1特図始動口1230への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置1152を駆動し、所定の個数(例えば、3個)の球を賞球として上皿1126に排出するとともに、第1特図表示装置1212による特図変動遊技を開始する。なお、第1特図始動口1230に入球した球は、パチンコ機1100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
第2特図始動口1232は、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれ、本実施形態では第1特図始動口1230の真下に1つだけ配設している。この第2特図始動口1232は、左右に開閉自在な羽根部材1232aを備え、羽根部材1232aの閉鎖中は球の入球が不可能であり、普図変動遊技に当選し、普図表示装置1210が当たり図柄を停止表示した場合に羽根部材1232aが所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。第2特図始動口1232への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置1152を駆動し、所定の個数(例えば、4個)の球を賞球として上皿1126に排出するとともに、第2特図表示装置1214による特図変動遊技を開始する。なお、第2特図始動口1232に入球した球は、パチンコ機1100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
可変入賞口1234は、大入賞口またはアタッカーと呼ばれ、本実施形態では遊技盤1200の中央部下方に1つだけ配設している。この可変入賞口1234は、開閉自在な扉部材1234aを備え、扉部材1234aの閉鎖中は球の入球が不可能であり、特図変動遊技に当選して特図表示装置が大当たり図柄を停止表示した場合に扉部材1234aが所定の時間間隔(例えば、開放時間29秒、閉鎖時間1.5秒)、所定の回数(例えば15回)で開閉する。可変入賞口1234への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置1152を駆動し、所定の個数(例えば、15個)の球を賞球として上皿1126に排出する。なお、可変入賞口1234に入球した球は、パチンコ機1100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材1236や、遊技釘1238を複数個、配設していると共に、内レール1204の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機1100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口1240を設けている。
このパチンコ機1100は、遊技者が上皿1126に貯留している球を発射レールの発射位置に供給し、遊技者の操作ハンドルの操作量に応じた強度で発射モータを駆動し、発射杆1146および発射槌1148によって外レール1202、内レール1204を通過させて遊技領域1124に打ち出す。そして、遊技領域1124の上部に到達した球は、打球方向変換部材1236や遊技釘1238等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口1226、可変入賞口1234)や始動口(第1特図始動口1230、第2特図始動口1232)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口1228を通過するのみでアウト口1240に到達する。
<演出装置>
次に、パチンコ機1100の演出装置1206について説明する。
この演出装置1206の前面側には、遊技球の転動可能な領域にワープ装置1242およびステージ1244を配設し、遊技球の転動不可能な領域に演出可動体1224を配設している。また、演出装置1206の背面側には、装飾図柄表示装置1208および遮蔽装置1246(以下、扉と称する場合がある)を配設している。すなわち、演出装置1206において、装飾図柄表示装置1208および遮蔽手段は、ワープ装置1242、ステージ1244、および演出可動体1224の後方に位置することとなる。
ワープ装置1242は、演出装置1206の左上方に設けたワープ入口1242aに入った遊技球を演出装置1206の前面下方のステージ1244にワープ出口1242bから排出する。
ステージ1244は、ワープ出口1242bから排出された球や遊技盤1200の釘などによって乗り上げた球などが転動可能であり、ステージ1244の中央部には、通過した球が第1特図始動口1230へ入球し易くなるスペシャルルート1244aを設けている。
演出可動体1224は、本実施形態では人間の右腕の上腕と前腕を模した上腕部1224aと前腕部1224bとからなり、肩の位置に上腕部1224aを回動させる不図示の上腕モータと肘の位置に前腕部1224bを回動させる不図示の前腕モータを備える。演出可動体1224は、上腕モータと前腕モータによって装飾図柄表示装置1208の前方を移動する。
遮蔽装置1246は、格子状の左扉1246aおよび右扉1246bからなり、装飾図柄表示装置1208および前面ステージ1244の間に配設する。左扉1246aおよび右扉1246bの上部には、不図示の2つのプーリに巻き回したベルトをそれぞれ固定している。すなわち、左扉1246aおよび右扉1246bは、モータによりプーリを介して駆動するベルトの動作に伴って左右にそれぞれ移動する。遮蔽手段は、左扉1246aおよび右扉1246bを閉じた状態ではそれぞれの内側端部が重なり、遊技者が装飾図柄表示装置1208を視認し難いように遮蔽する。左扉1246aおよび右扉1246bを開いた状態ではそれぞれの内側端部が装飾図柄表示装置1208の表示画面の外側端部と若干重なるが、遊技者は装飾図柄表示装置1208の表示の全てを視認可能である。また、左扉1246aおよび右扉1246bは、それぞれ任意の位置で停止可能であり、例えば、表示した装飾図柄がどの装飾図柄であるかを遊技者が識別可能な程度に、装飾図柄の一部だけを遮蔽するようなことができる。なお、左扉1246aおよび右扉1246bは、格子の孔から後方の装飾図柄表示装置1208の一部を視認可能にしてもよいし、格子の孔の障子部分を半透明のレンズ体で塞ぎ、後方の装飾図柄表示装置1208による表示を漠然と遊技者に視認させるようにしてもよいし、格子の孔の障子部分を完全に塞ぎ(遮蔽し)、後方の装飾図柄表示装置1208を全く視認不可にしてもよい。
<制御部>
次に、図66を用いて、このパチンコ機1100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
パチンコ機1100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部1300と、主制御部1300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて主に演出の制御を行う第1副制御部1400と、第1副制御部1400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部1500と、主制御部1300が送信するコマンドに応じて主に遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部1600と、遊技球の発射制御を行う発射制御部1630と、パチンコ機1100に供給される電源を制御する電源制御部1660と、によって構成している。
<主制御部>
まず、パチンコ機1100の主制御部1300について説明する。
主制御部1300は、主制御部1300の全体を制御する基本回路1302を備えており、この基本回路1302には、CPU1304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM1306と、一時的にデータを記憶するためのRAM1308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O1310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ1312と、プログラム処理の異常を監視するWDT1314を搭載している。なお、ROM1306やRAM1308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部1400についても同様である。この基本回路1302のCPU1304は、水晶発信器1316が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路1302には、水晶発信器1316が出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用しているカウンタ回路1318(この回路には2つのカウンタを内臓しているものとする)と、所定の球検出センサ、例えば各始動口、入賞口、可変入賞口を通過する遊技球を検出するセンサや、前面枠扉開放センサや内枠開放センサや下皿満タンセンサを含む各種センサ320が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果をカウンタ回路1318および基本回路1302に出力するためのセンサ回路1322と、所定の図柄表示装置、例えば第1特図表示装置1212や第2特図表示装置1214の表示制御を行うための駆動回路1324と、所定の図柄表示装置、例えば普図表示装置1210の表示制御を行うための駆動回路1326と、各種状態表示部1328(例えば、普図保留ランプ216、第1特図保留ランプ1218、第2特図保留ランプ1220、高確中ランプ1222等)の表示制御を行うための駆動回路1330と、所定の可動部材、例えば第2特図始動口1232の羽根部材1232aや可変入賞口1234の扉部材1234a等を開閉駆動する各種ソレノイド1332を制御するための駆動回路1334を接続している。
なお、第1特図始動口1230に球が入賞したことを球検出センサ1320が検出した場合には、センサ回路1322は球を検出したことを示す信号をカウンタ回路1318に出力する。この信号を受信したカウンタ回路1318は、第1特図始動口1230に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第1特図始動口1230に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。また、カウンタ回路1318は、第2特図始動口1232に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、第2特図始動口1232に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第2特図始動口1232に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。
さらに、基本回路1302には、情報出力回路1336を接続しており、主制御部1300は、この情報出力回路1336を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路1350にパチンコ機1100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部1300には、電源制御部1660から主制御部1300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路1338を設けており、この電圧監視回路1338は、電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路1302に出力する。
また、主制御部1300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)1340を設けており、CPU1304は、この起動信号出力回路1340から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、主制御部1300は、第1副制御部1400にコマンドを送信するための出力インタフェースと、払出制御部1600にコマンドを送信するための出力インタフェースをそれぞれ備えており、この構成により、第1副制御部1400および払出制御部1600との通信を可能としている。なお、主制御部1300と第1副制御部1400および払出制御部1600との情報通信は一方向の通信であり、主制御部1300は第1副制御部1400および払出制御部1600にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部1400および払出制御部1600からは主制御部1300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
<副制御部>
次に、パチンコ機1100の第1副制御部1400について説明する。第1副制御部1400は、主に主制御部1300が送信したコマンド等に基づいて第1副制御部1400の全体を制御する基本回路1402を備えており、この基本回路1402には、CPU1404と、制御プログラムや各種演出データを記憶するためのROM1406と、一時的にデータを記憶するためのRAM1408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O1410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ1412を搭載している。この基本回路1402のCPU1404は、水晶発信器1414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。なお、ROM1406は、制御プログラムと各種演出データとを別々のROMに記憶させてもよい。
また、基本回路1402には、スピーカ1120(およびアンプ)の制御を行うための音源IC1416と、各種ランプ1418(例えば、チャンスボタンランプ1138)の制御を行うための駆動回路1420と、演出可動体1224の駆動制御を行うための駆動回路1422と、演出可動体1224の現在位置を検出する演出可動体センサ1424と、チャンスボタン1136の押下を検出するチャンスボタン検出センサ1426と、所定の検出センサ、例えば演出可動体センサ1424やチャンスボタン検出センサ1426からの検出信号を基本回路1402に出力するセンサ回路1428と、装飾図柄表示装置(液晶表示装置)1208および遮蔽装置1246の制御を行うための第2副制御部1500と、を接続している。
<払出制御部、発射制御部、電源制御部>
次に、パチンコ機1100の払出制御部1600、発射制御部1630、電源制御部1660について説明する。
払出制御部1600は、主に主制御部1300が送信したコマンド等の信号に基づいて払出装置1152の払出モータ1602を制御すると共に、払出センサ1604が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払い出しが完了したか否かを検出すると共に、インタフェース部1606を介して、パチンコ機1100とは別体で設けられたカードユニット1608との通信を行う。
発射制御部1630は、払出制御部1600が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、球発射ハンドル1134内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による球発射ハンドル1134の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、発射杆1146および発射槌1148を駆動する発射モータ1632の制御や、上皿1126から発射装置1110に球を供給する球送り装置1634の制御を行う。
電源制御部1660は、パチンコ機1100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部1300、第1副制御部1400等の各制御部や払出装置1152等の各装置に供給する。さらに、電源制御部1660は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部1300のRAM1308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えば、コンデンサ)を備えている。なお、本実施形態では、電源制御部1660から払出制御部1600と第2副制御部1500に所定電圧を供給し、払出制御部1600から主制御部1300と第2副制御部1500と発射制御部1630に所定電圧を供給しているが、各制御部や各装置に他の電源経路で所定電圧を供給してもよい。
<図柄の種類>
次に、図67(a)〜(c)を用いて、パチンコ機1100の第1特別図柄表示装置1212、第2特別図柄表示装置1214、装飾図柄表示装置1208、普通図柄表示装置1210が停止表示する特図および普図の種類について説明する。 図67(a)は特図の停止図柄態様の一例を示したものである。
第1特図始動口1230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したことを条件として特図1変動遊技が開始され、第2特図始動口1232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件として特図2変動遊技が開始される。特図1変動遊技が開始されると、第1特別図柄表示装置1212は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図1の変動表示」を行う。また、特図2変動遊技が開始されると、第2特別図柄表示装置1214は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図2の変動表示」を行う。これらの「特図1の変動表示」および「特図2の変動表示」が本発明にいう図柄の変動表示の一例に相当する。そして、特図1の変動開始前に決定した変動時間(本発明にいう変動時間が相当)が経過すると、第1特別図柄表示装置1212は特図1の停止図柄態様を停止表示し、特図2の変動開始前に決定した変動時間(これも本発明にいう変動時間が相当)が経過すると、第2特別図柄表示装置1214は特図2の停止図柄態様を停止表示する。したがって、「特図1の変動表示」を開始してから特図1の停止図柄態様を停止表示するまで、あるいは「特図2の変動表示」を開始してから特図2の停止図柄態様を停止表示するまでが本発明にいう図柄変動停止表示の一例に相当し、以下、この「特図1又は2の変動表示」を開始してから特図1又は2の停止図柄態様を停止表示するまでの一連の表示を図柄変動停止表示と称する。後述するように、図柄変動停止表示は複数回、連続して行われることがある。図67(a)には、図柄変動停止表示における停止図柄態様として「特図A」から「特図J」までの10種類の特図が示されている。図67(a)においては、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
「特図A」は15ラウンド(15R)特別大当たり図柄であり、「特図B」は15R大当たり図柄である。本実施形態のパチンコ機1100では、後述するように、特図変動遊技における大当りか否かの決定はハードウェア乱数の抽選によって行い、特別大当りか否かの決定はソフトウェア乱数の抽選によって行う。大当りと特別大当りの違いは、次回の特図変動遊技で、大当りに当選する確率が高い(特別大当り)か低い(大当り)かの違いである。以下、この大当りに当選する確率が高い状態のことを特図高確率状態と称し、その確率が低い状態のことを特図低確率状態と称する。また、15R特別大当たり遊技終了後および15R大当たり遊技終了後はいずれも時短状態に移行する。時短については詳しくは後述するが、時短状態に移行する状態のことを普図高確率状態と称し、時短状態に移行しない状態のことを普図低確率状態と称する。15R特別大当たり図柄である「特図A」は、特図高確率普図高確率状態であり、15R大当たり図柄である「特図B」は、特図低確率普図高確率状態である。これらの「特図A」および「特図B」は、遊技者に付与する利益量が相対的に大きな利益量になる図柄である。
「特図C」は突然確変と称される2R大当たり図柄であり、特図高確率普図高確率状態である。すなわち、15Rである「特図A」と比べて、「特図C」は2Rである点が異なる。「特図D」は突然時短と称される2R大当たり図柄であり、特図低確率普図高確率状態である。すなわち、15Rである「特図B」と比べて、「特図D」は2Rである点が異なる。
「特図E」は隠れ確変と称される2R大当たり図柄であり、特図高確率普図低確率状態である。「特図F」は突然通常と称される2R大当たり図柄であり、特図低確率普図低確率状態である。これら「特図E」および「特図F」はいずれも、2Rであるとともに、時短状態に移行しない状態である。
「特図G」は第1小当たり図柄であり、「特図H」は第2小当たり図柄であり、何れも特図低確率普図低確率状態である。ここにいう小当たりは、2R時短無し大当たりと同じものに相当する。すなわち、この「特図G」、「特図H」は「特図F」と同じ状態であるが、両者では装飾図柄表示装置1208に表示される演出が異なり、あえて、同じ状態でも「特図G」、「特図H」と「特図F」を設けておくことで、遊技の興趣を高めている。
また、「特図I」は第1はずれ図柄であり、「特図J」は第2はずれ図柄であり、遊技者に付与する利益量が相対的に小さな利益量になる図柄である。
なお、本実施形態のパチンコ機1100には、15R特別大当たり図柄として「特図A」以外の図柄も用意されており、15R大当たり図柄等の他の図柄についても同様である。
図67(b)は装飾図柄の一例を示したものである。本実施形態の装飾図柄には、「装飾1」〜「装飾10」の10種類がある。第1特図始動口1230または第2特図始動口1232に球が入賞したこと、すなわち、第1特図始動口1230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したこと、あるいは第2特図始動口1232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置1208の左図柄表示領域1208a、中図柄表示領域1208b、右図柄表示領域1208cの各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う。そして、「特図B」の15R大当たりを報知する場合には、図柄表示領域1208a〜1208cに15R大当たりに対応する、同じ装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば「装飾1−装飾1−装飾1」や「装飾2−装飾2−装飾2」等)を停止表示する。「特図A」の15R特別大当たりを報知する場合には、同じ奇数の装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば「装飾3−装飾3−装飾3」や「装飾7−装飾7−装飾7」等)を停止表示する。
また、「特図E」の隠れ確変と称される2R大当たり、「特図F」の突然通常と称される2R大当たり、あるいは「特図G」の第1小当たり、「特図H」の第2小当たりを報知する場合には、「装飾1−装飾2−装飾3」を停止表示する。さらに、「特図C」の突然確変と称される2R大当たり、あるいは「特図D」の突然時短と称される2R大当たりを報知する場合には、「装飾1−装飾3−装飾5」を停止表示する。
一方、「特図I」の第1はずれ、「特図J」の第2はずれを報知する場合には、図柄表示領域1208a〜1208cに図67(b)に示す図柄組合せ以外の図柄組合せを停止表示する。
図67(c)は普図の停止表示図柄の一例を示したものである。本実施形態の普図の停止表示態様には、当たり図柄である「普図A」と、外れ図柄である「普図B」の2種類がある。普図始動口1228を球が通過したことを上述のゲートセンサが検出したことに基づいて、普通図柄表示装置1210は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「普図の変動表示」を行う。そして、普図変動遊技の当選を報知する場合には「普図A」を停止表示し、普図変動遊技の外れを報知する場合には「普図B」を停止表示する。この図67(c)においても、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
<主制御部メイン処理>
次に、図68を用いて、主制御部1300のCPU1304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
上述したように、主制御部1300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)1340を設けている。この起動信号を入力した基本回路1302のCPU1304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM1306に予め記憶している制御プログラムに従って図68に示す主制御部メイン処理を実行する。
ステップS6001では、初期設定1を行う。この初期設定1では、CPU1304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定(仮設定)、割込マスクの設定、I/O1310の初期設定、RAM1308に記憶する各種変数の初期設定、WDT1314への動作許可及び初期値の設定等を行う。なお、本実施形態では、WDT1314に、初期値として32.8msに相当する数値を設定する。
ステップS6003では、WDT1314のカウンタの値をクリアし、WDT1314による時間計測を再始動する。
ステップS6005では、低電圧信号がオンであるか否か、すなわち、電圧監視回路1338が、電源制御部1660から主制御部1300に供給している電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を出力しているか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(CPU1304が電源の遮断を検知した場合)にはステップS6003に戻り、低電圧信号がオフの場合(CPU1304が電源の遮断を検知していない場合)にはステップS6007に進む。なお、電源が投入された直後で未だ上記所定の値(9V)に達しない場合にもステップS6003に戻り、供給電圧がその所定の値以上になるまで、ステップS6005は繰り返し実行される。
ステップS6007では、初期設定2を行う。この初期設定2では、後述する主制御部タイマ割込処理を定期毎に実行するための周期を決める数値をカウンタタイマ1312に設定する処理、I/O1310の所定のポート(例えば試験用出力ポート、第1副制御部1400への出力ポート)からクリア信号を出力する処理、RAM1308への書き込みを許可する設定等を行う。
ステップS6009では、電源の遮断前(電断前)の状態に復帰するか否かの判定を行い、電断前の状態に復帰しない場合(主制御部1300の基本回路1302を初期状態にする場合)には初期化処理(ステップS6013)に進む。
具体的には、最初に、電源基板に設けたRWMクリアスイッチ1180を遊技店の店員などが操作した場合に送信されるRAMクリア信号がオン(操作があったことを示す)であるか否か、すなわちRAMクリアが必要であるか否かを判定し、RAMクリア信号がオンの場合(RAMクリアが必要な場合)には、基本回路1302を初期状態にすべくステップS6013に進む。一方、RAMクリア信号がオフの場合(RAMクリアが必要でない場合)には、RAM1308に設けた電源ステータス記憶領域に記憶した電源ステータスの情報を読み出し、この電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報であるか否かを判定する。そして、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報でない場合には、基本回路1302を初期状態にすべくステップS6013に進み、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報である場合には、RAM1308の所定の領域(例えば全ての領域)に記憶している1バイトデータを初期値が0である1バイト構成のレジスタに全て加算することによりチェックサムを算出し、算出したチェックサムの結果が特定の値(例えば0)であるか否か(チェックサムの結果が正常であるか否か)を判定する。そして、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)の場合(チェックサムの結果が正常である場合)には電断前の状態に復帰すべくステップS6011に進み、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)以外である場合(チェックサムの結果が異常である場合)には、パチンコ機1100を初期状態にすべくステップS6013に進む。同様に電源ステータスの情報が「サスペンド」以外の情報を示している場合にもステップS6013に進む。
ステップS6011では、復電時処理を行う。この復電時処理では、電断時にRAM1308に設けられたスタックポインタ退避領域に記憶しておいたスタックポインタの値を読み出し、スタックポインタに再設定(本設定)する。また、電断時にRAM1308に設けられたレジスタ退避領域に記憶しておいた各レジスタの値を読み出し、各レジスタに再設定した後、割込許可の設定を行う。以降、CPU1304が、再設定後のスタックポインタやレジスタに基づいて制御プログラムを実行する結果、パチンコ機1100は電源断時の状態に復帰する。すなわち、電断直前にタイマ割込処理(後述)に分岐する直前に行った(ステップS6015内の所定の)命令の次の命令から処理を再開する。また、図66に示す主制御部1300における基本回路1302に搭載されているRAM1308には、送信情報記憶領域が設けられている。このステップS6011では、その送信情報記憶領域に、復電コマンドをセットする。この復電コマンドは、電源断時の状態に復帰したことを表すコマンドであり、後述する、主制御部1300のタイマ割込処理におけるステップS6133において、第1副制御部1400へ送信される。
ステップS6013では、初期化処理を行う。この初期化処理では、割込禁止の設定、スタックポインタへのスタック初期値の設定(本設定)、RAM1308の全ての記憶領域の初期化などを行う。さらにここで、主制御部1300のRAM1308に設けられた送信情報記憶領域に正常復帰コマンドをセットする。この正常復帰コマンドは、主制御部1300の初期化処理(ステップS6013)が行われたことを表すコマンドであり、復電コマンドと同じく、主制御部1300のタイマ割込処理におけるステップS6133において、第1副制御部1400へ送信される。
ステップS6015では、割込禁止の設定を行った後、基本乱数初期値更新処理を行う。この基本乱数初期値更新処理では、普図当選乱数カウンタ、および特図乱数値カウンタの初期値をそれぞれ生成するための2つの初期値生成用乱数カウンタと、普図タイマ乱数値、および特図タイマ乱数値それぞれを生成するための2つの乱数カウンタを更新する。例えば、普図タイマ乱数値として取り得る数値範囲が0〜100とすると、RAM1308に設けた普図タイマ乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が101であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。他の初期値生成用乱数カウンタ、乱数カウンタもそれぞれ同様に更新する。なお、初期値生成用乱数カウンタは、後述するステップS6107でも更新する。
主制御部1300は、所定の周期ごとに開始するタイマ割込処理を行っている間を除いて、ステップS6015の処理を繰り返し実行する。
<主制御部タイマ割込処理>
次に、図69を用いて、主制御部1300のCPU1304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部1300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ1312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
ステップS6101では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU1304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
ステップS6103では、WDT1314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDTを定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップS6105では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O1310の入力ポートを介して、上述の前面枠扉開放センサや内枠開放センサや下皿満タンセンサ、各種の球検出センサを含む各種センサ1320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM1308に各種センサ1320ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。球検出センサの検出信号を例にして説明すれば、前々回のタイマ割込処理(約4ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM1308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前回検出信号記憶領域から読み出し、この情報をRAM1308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前々回検出信号記憶領域に記憶し、前回のタイマ割込処理(約2ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM1308に各々の球検出センサごとに区画して設けた今回検出信号記憶領域から読み出し、この情報を上述の前回検出信号記憶領域に記憶する。また、今回検出した各々の球検出センサの検出信号を、上述の今回検出信号記憶領域に記憶する。
また、ステップS6105では、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域の各記憶領域に記憶した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を比較し、各々の球検出センサにおける過去3回分の検出信号の有無の情報が入賞判定パターン情報と一致するか否かを判定する。一個の遊技球が一つの球検出センサを通過する間に、約2msという非常に短い間隔で起動を繰り返すこの主制御部タイマ割込処理は何回か起動する。このため、主制御部タイマ割込処理が起動する度に、上述のステップS6105では、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号を確認することになる。この結果、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域それぞれに、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号が記憶される。すなわち、遊技球が球検出センサを通過し始めたときには、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りになる。本実施形態では、球検出センサの誤検出やノイズを考慮して、検出信号無しの後に検出信号が連続して2回記憶されている場合には、入賞があったと判定する。図66に示す主制御部1300のROM1306には、入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)が記憶されている。このステップS6105では、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、予め定めた入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)と一致した場合に、一般入賞口1226、可変入賞口1234、第1特図始動口1230、および第2特図始動口1232への入球、または普図始動口1228の通過があったと判定する。すなわち、これらの入賞口1226、1234やこれらの始動口1230、1232、1228への入賞があったと判定する。例えば、一般入賞口1226への入球を検出する一般入賞口センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致した場合には、一般入賞口1226へ入賞があったと判定し、以降の一般入賞口1226への入賞に伴う処理を行うが、過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致しなかった場合には、以降の一般入賞口1226への入賞に伴う処理を行わずに後続の処理に分岐する。なお、主制御部1300のROM1306には、入賞判定クリアパターン情報(本実施形態では、前々回検出信号有り、前回検出信号無し、今回検出信号無しであることを示す情報)が記憶されている。入賞が一度あったと判定した後は、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、その入賞判定クリアパターン情報に一致するまで入賞があったとは判定せず、入賞判定クリアパターン情報に一致すれば、次からは上記入賞判定パターン情報に一致するか否かの判定を行う。
ステップS6107およびステップS6109では、基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理を行う。これらの基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理では、上記ステップS6015で行った初期値生成用乱数カウンタの値の更新を行い、次に主制御部1300で使用する、普図当選乱数値、特図1乱数値、および特図2乱数値をそれぞれ生成するための2つの乱数カウンタを更新する。例えば、普図当選乱数値として取り得る数値範囲が0〜100とすると、RAM1308に設けた普図当選乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が101であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。また、取得した値に1を加算した結果、乱数カウンタが一周していると判定した場合にはそれぞれの乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタの値を取得し、乱数カウンタの記憶領域にセットする。例えば、0〜100の数値範囲で変動する普図当選乱数値生成用の乱数カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算した結果が、RAM1308に設けた所定の初期値記憶領域に記憶している前回設定した初期値と等しい値(例えば7)である場合に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタから値を初期値として取得し、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタにセットすると共に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するために、今回設定した初期値を上述の初期値記憶領域に記憶しておく。また、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するための上述の初期値記憶領域とは別に、特図乱数生成用の乱数カウンタが1周したことを判定するための初期値記憶領域をRAM1308に設けている。なお、本実施形態では特図1の乱数値を取得するためのカウンタと特図2の乱数値を取得するためのカウンタとを別に設けたが、同一のカウンタを用いてもよい。
ステップS6111では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部1300で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。
ステップS6113では、タイマ更新処理を行う。このタイマ更新処理では、普通図柄表示装置1210に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための普図表示図柄更新タイマ、第1特別図柄表示装置1212に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図1表示図柄更新タイマ、第2特図表示装置1214に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図2表示図柄更新タイマ、所定の入賞演出時間、所定の開放時間、所定の閉鎖時間、所定の終了演出期間などを計時するためのタイマなどを含む各種タイマを更新する。
ステップS6115では、入賞口カウンタ更新処理を行う。この入賞口カウンタ更新処理では、入賞口1226、1234や始動口1230、1232、1228に入賞があった場合に、RAM1308に各入賞口ごと、あるいは各始動口ごとに設けた賞球数記憶領域の値を読み出し、1を加算して、元の賞球数記憶領域に設定する。
また、ステップS6117では、入賞受付処理を行う。この入賞受付処理では、第1特図始動口1230、第2特図始動口1232、普図始動口1228および可変入賞口1234への入賞があったか否かを判定する。ここでは、ステップS6103における入賞判定パターン情報と一致するか否かの判定結果を用いて判定する。第1特図始動口1230へ入賞があった場合且つRAM1308に設けた対応する保留数記憶領域が満タンでない場合、カウンタ回路1318の当選用カウンタ値記憶用レジスタから値を特図1当選乱数値として取得するとともに特図1乱数値生成用の乱数カウンタから値を特図1乱数値として取得して対応する乱数値記憶領域に格納する。第2特図始動口1232へ入賞があった場合且つRAM1308に設けた対応する保留数記憶領域が満タンでない場合、カウンタ回路1318の当選用カウンタ値記憶用レジスタから値を特図2当選乱数値として取得するとともに特図2乱数値生成用の乱数カウンタから値を特図2乱数値として取得して対応する乱数値記憶領域に格納する。普図始動口1228へ入賞があった場合且つRAM1308に設けた対応する保留数記憶領域が満タンでない場合、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタから値を普図当選乱数値として取得して対応する乱数値記憶領域に格納する。可変入賞口1234へ入賞があった場合には、可変入賞口用の入賞記憶領域に、可変入賞口1234に球が入球したことを示す情報を格納する。
ステップS6119では、払出要求数送信処理を行う。なお、払出制御部1600に出力する出力予定情報および払出要求情報は、例えば1バイトで構成しており、ビット7にストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット6に電源投入情報(オンの場合、電源投入後一回目のコマンド送信であることを示す)、ビット4〜5に暗号化のための今回加工種別(0〜3)、およびビット0〜3に暗号化加工後の払出要求数を示すようにしている。
ステップS6121では、普図状態更新処理を行う。この普図状態更新処理は、普図の状態に対応する複数の処理のうちの1つの処理を行う。例えば、普図変動表示の途中(上述する普図表示図柄更新タイマの値が1以上)における普図状態更新処理では、普通図柄表示装置1210を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、普通図柄表示装置1210は普図の変動表示(普図変動遊技)を行う。
また、普図変動表示時間が経過したタイミング(普図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、当りフラグがオンの場合には、当たり図柄の表示態様となるように普通図柄表示装置1210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、当りフラグがオフの場合には、外れ図柄の表示態様となるように普通図柄表示装置1210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行う。また、主制御部300のRAM1308には、普図状態更新処理に限らず各種の処理において各種の設定を行う設定領域が用意されている。ここでは、上記点灯・消灯駆動制御を行うとともに、その設定領域に普図停止表示中であることを示す設定を行う。この制御を行うことで、普通図柄表示装置1210は、当り図柄(図67(c)に示す普図A)および外れ図柄(図67(c)に示す普図B)いずれか一方の図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)、その表示を維持するためにRAM1308に設けた普図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された図柄が所定期間停止表示され、普図変動遊技の結果が遊技者に報知される。
また、普図変動遊技の結果が当りであれば、後述するように、普図当りフラグがオンされる。この普図当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、RAM1308の設定領域に普図作動中を設定するとともに、所定の開放期間(例えば2秒間)、第2特図始動口1232の羽根部材1232aの開閉駆動用のソレノイド(1332)に、羽根部材1232aを開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM1308に設けた羽根開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(羽根開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば500m秒間)、羽根部材の開閉駆動用のソレノイド1332に、羽根部材を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM1308に設けた羽根閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。
また、所定の閉鎖期間が終了したタイミング(羽根閉鎖時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、RAM1308の設定領域に普図非作動中を設定する。さらに、普図変動遊技の結果が外れであれば、後述するように、普図外れフラグがオンされる。この普図外れフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理でも、RAM1308の設定領域に普図非作動中を設定する。普図非作動中の場合における普図状態更新処理では、何もせずに次のステップS6123に移行するようにしている。
ステップS6123では、普図関連抽選処理を行う。この普図関連抽選処理では、普図変動遊技および第2特図始動口1232の開閉制御を行っておらず(普図の状態が非作動中)、且つ、保留している普図変動遊技の数が1以上である場合に、上述の乱数値記憶領域に記憶している普図当選乱数値に基づいた乱数抽選により普図変動遊技の結果を当選とするか、不当選とするかを決定する当り判定をおこない、当選とする場合にはRAM1308に設けた当りフラグにオンを設定する。不当選の場合には、当りフラグにオフを設定する。また、当り判定の結果に関わらず、次に上述の普図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図タイマ乱数値として取得し、取得した普図タイマ乱数値に基づいて複数の変動時間のうちから普図表示装置1210に普図を変動表示する時間を1つ選択し、この変動表示時間を、普図変動表示時間として、RAM1308に設けた普図変動時間記憶領域に記憶する。なお、保留している普図変動遊技の数は、RAM1308に設けた普図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している普図変動遊技の数から1を減算した値を、この普図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また当り判定に使用した乱数値を消去する。
次いで、特図1および特図2それぞれについての特図状態更新処理を行うが、最初に、特図2についての特図状態更新処理(特図2状態更新処理)を行う(ステップS6125)。この特図2状態更新処理は、特図2の状態に応じて、次の8つの処理のうちの1つの処理を行う。例えば、特図2変動表示の途中(上述の特図2表示図柄更新タイマの値が1以上)における特図2状態更新処理では、第2特別図柄表示装置1214を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、第2特別図柄表示装置1214は特図2の変動表示(特図2変動遊技)を行う。
また、コマンド設定送信処理(ステップS6133)で回転開始設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶してから処理を終了する。
また、主制御部1300のRAM1308には、15R大当りフラグ、2R大当たりフラグ、第1小当たりフラグ、第2小当たりフラグ、第1はずれフラグ、第2はずれフラグ、特図確率変動フラグ、および普図確率変動フラグそれぞれのフラグが用意されている。特図2変動表示時間が経過したタイミング(特図2表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、15R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグもオンの場合には図67(a)に示す特図A、15R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグはオンの場合には特図B、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグもオンの場合には特図C、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグはオンの場合には特図D、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグはオンの場合には特図E、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグもオフの場合には特図F、第1小当たりフラグがオンの場合には特図G、第2小当たりフラグがオンの場合には特図H、第1はずれフラグがオンの場合には特図I、第2はずれフラグがオンの場合には特図Iそれぞれの態様となるように、第2特別図柄表示装置1214を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、RAM1308の設定領域に特図2停止表示中であることを表す設定を行う。この制御を行うことで、第2特別図柄表示装置1214は、15R特別大当たり図柄(特図A)、15R大当たり図柄(特図B)、突然確変図柄(特図C)、突然時短図柄(特図D)、隠れ確変図柄(特図E)、突然通常図柄(特図F)、第1小当たり図柄(特図G)、第2小当たり図柄(特図H)、第1はずれ図柄(特図I)、および第1はずれ図柄(特図J)のいずれか一つの図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)その表示を維持するためにRAM1308に設けた特図2停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された特図2が所定期間停止表示され、特図2変動遊技の結果が遊技者に報知される。また、RAM1308に設けられた時短回数記憶部に記憶された時短回数が1以上であれば、その時短回数から1を減算し、減算結果が1から0となった場合は、特図確率変動中(詳細は後述)でなければ、時短フラグをオフする。さらに、大当り遊技中(特別遊技状態中)にも、時短フラグをオフする。
また、コマンド設定送信処理(ステップS6133)で回転停止設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶するとともに、変動表示を停止する図柄が特図2であることを示す特図2識別情報を、後述するコマンドデータに含める情報としてRAM1308に追加記憶してから処理を終了する。
また、特図2変動遊技の結果が大当りであれば、後述するように、大当りフラグがオンされる。この大当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理では、RAM1308の設定領域に特図2作動中を設定するとともに、所定の入賞演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置1208による大当りを開始することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するためにRAM1308に設けた特図2待機時間管理用タイマの記憶領域に入賞演出期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS6133)で入賞演出設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、所定の入賞演出期間が終了したタイミング(特図2待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の開放期間(例えば29秒間、または可変入賞口1234に所定球数(例えば10球)の遊技球の入賞を検出するまで)可変入賞口1234の扉部材1234aの開閉駆動用のソレノイド(1332)に、扉部材1234aを開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM1308に設けた扉開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS6133)で大入賞口開放設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(扉開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば1.5秒間)可変入賞口1234の扉部材1234aの開閉駆動用のソレノイド(1332)に、扉部材1234aを閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM1308に設けた扉閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS6133)で大入賞口閉鎖設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、この扉部材の開放・閉鎖制御を所定回数(本実施形態では15ラウンドか2ラウンド)繰り返し、終了したタイミングで開始する特図2状態更新処理では、所定の終了演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置1208による大当りを終了することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するように設定するためにRAM1308に設けた演出待機時間管理用タイマの記憶領域に演出待機期間を示す情報を設定する。また、普図確率変動フラグがオンに設定されていれば、この大当たり遊技の終了と同時に、RAM1308に設けられた時短回数記憶部に時短回数100回をセットするともに、RAM1308に設けられた時短フラグをオンする。なお、その普図確率変動フラグがオフに設定されていれば、時短回数記憶部に時短回数をセットすることもなく、また時短フラグをオンすることもない。ここにいう時短とは、特図変動遊技における大当りを終了してから、次の大当りを開始するまでの時間を短くするため、パチンコ機が遊技者にとって有利な状態になることをいう。この時短フラグがオンに設定されていると、普図高確率状態である。普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、普図変動遊技に大当りする可能性が高い。また、普図高確率状態の方が、普図低確率状態に比べて普図変動遊技の変動時間および特図変動遊技の変動時間は短くなる。さらに、普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、第2特別始動口1232の一対の羽根部材1232aの1回の開放における開放時間が長くなりやすい。加えて、普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、一対の羽根部材1232aは多く開きやすい。また、上述のごとく、時短フラグは、大当り遊技中(特別遊技状態中)にはオフに設定される。したがって、大当たり遊技中には、普図低確率状態が維持される。これは、大当たり遊技中に普図高確率状態であると、大当たり遊技中に可変入賞口1234に所定の個数、遊技球が入球するまでの間に第2特図始動口1232に多くの遊技球が入球し、大当たり中に獲得することができる遊技球の数が多くなってしまい射幸性が高まってしまうという問題があり、これを解決するためのものである。
さらに、コマンド設定送信処理(ステップS6133)で終了演出設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、所定の終了演出期間が終了したタイミング(演出待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、RAM1308の設定領域に特図2非作動中を設定する。さらに、特図2変動遊技の結果が外れであれば、後述するように、はずれフラグがオンされる。このはずれフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理でも、RAM1308の設定領域に特図2非作動中を設定する。特図2非作動中の場合における特図2状態更新処理では、何もせずに次のステップS6127に移行するようにしている。
続いて、特図1についての特図状態更新処理(特図1状態更新処理)を行う(ステップS6127)。この特図1状態更新処理では、特図1の状態に応じて、上述の特図2状態更新処理で説明した各処理を行う。この特図1状態更新処理で行う各処理は、上述の特図2状態更新処理で説明した内容の「特図2」を「特図1」と読み替えた処理と同一であるため、その説明は省略する。なお、特図2状態更新処理と特図1状態更新処理の順番は逆でもよい。
ステップS6125およびステップS6127における特図状態更新処理が終了すると、今度は、特図1および特図2それぞれについての特図関連抽選処理を行う。ここでも先に、特図2についての特図関連抽選処理(特図2関連抽選処理)を行い(ステップS6129)、その後で、特図1についての特図関連抽選処理(特図1関連抽選処理)を行う(ステップS6131)。これらの特図関連抽選処理についても、主制御部1300が特図2関連抽選処理を特図1関連抽選処理よりも先に行うことで、特図2変動遊技の開始条件と、特図1変動遊技の開始条件が同時に成立した場合でも、特図2変動遊技が先に変動中となるため、特図1変動遊技は変動を開始しない。また、装飾図柄表示装置1208による、特図変動遊技の大当り判定の結果の報知は、第1副制御部400によって行われ、第2特図始動口1232への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知が、第1特図始動口1230への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知よりも優先して行われる。
ステップS6133では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが第1副制御部1400に送信される。なお、第1副制御部1400に送信する出力予定情報は例えば16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、図柄変動開始コマンド、図柄変動停止コマンド、入賞演出開始コマンド、終了演出開始コマンド、大当りラウンド数指定コマンド、復電コマンド、FRAMクリアコマンドなどコマンドの種類を特定可能な情報)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
具体的には、ストローブ情報は上述のコマンド送信処理でオン、オフするようにしている。また、コマンド種別が図柄変動開始コマンドの場合であればコマンドデータに、15R大当りフラグや2R大当たりフラグの値、特図確率変動フラグの値、特図関連抽選処理で選択したタイマ番号などを示す情報を含み、図柄変動停止コマンドの場合であれば、15R大当りフラグや2R大当たりフラグの値、特図確率変動フラグの値などを含み、入賞演出コマンドおよび終了演出開始コマンドの場合であれば、特図確率変動フラグの値などを含み、大当りラウンド数指定コマンドの場合であれば特図確率変動フラグの値、大当りラウンド数などを含むようにしている。コマンド種別が基本コマンドを示す場合は、コマンドデータにデバイス情報、第1特図始動口1230への入賞の有無、第2特図始動口1232への入賞の有無、可変入賞口1234への入賞の有無などを含む。
また、上述の回転開始設定送信処理では、コマンドデータにRAM1308に記憶している、15R大当りフラグや2R大当たりフラグの値、特図確率変動フラグの値、特図1関連抽選処理および特図2関連抽選処理で選択したタイマ番号、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の回転停止設定送信処理では、コマンドデータにRAM1308に記憶している、15R大当りフラグや2R大当たりフラグの値、特図確率変動フラグの値などを示す情報を設定する。上述の入賞演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM1308に記憶している、入賞演出期間中に装飾図柄表示装置1208・各種ランプ1418・スピーカ1120に出力する演出制御情報、特図確率変動フラグの値、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の終了演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM1308に記憶している、演出待機期間中に装飾図柄表示装置1208・各種ランプ1418・スピーカ1120に出力する演出制御情報、特図確率変動フラグの値、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の大入賞口開放設定送信処理では、コマンドデータにRAM1308に記憶している大当りラウンド数、特図確率変動フラグの値、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の大入賞口閉鎖設定送信処理では、コマンドデータにRAM1308に記憶している大当りラウンド数、特図確率変動フラグの値、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。また、このステップS6133では一般コマンド特図保留増加処理も行われる。この一般コマンド特図保留増加処理では、コマンドデータにRAM1308の送信用情報記憶領域に記憶している特図識別情報(特図1または特図2を示す情報)、予告情報(事前予告情報、偽事前予告情報、または事前予告無情報のいずれか)を設定する。
第1副制御部1400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部1300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
ステップS6135では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM1308に記憶している遊技情報を、情報出力回路1336を介してパチンコ機1100とは別体の情報入力回路1350に出力する。
ステップS6137では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、ステップS6105において信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、所定のエラーの有無、例えば前面枠扉開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無などを監視し、前面枠扉開放エラーまたは下皿満タンエラーを検出した場合に、第1副制御部1400に送信すべき送信情報に、前面枠扉開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無を示すデバイス情報を設定する。また、各種ソレノイド1332を駆動して第2特図始動口1232や、可変入賞口1234の開閉を制御したり、表示回路1324、1326、1330を介して普通図柄表示装置1210、第1特別図柄表示装置1212、第2特別図柄表示装置1214、各種状態表示部1328などに出力する表示データを、I/O1310の出力ポートに設定する。また、払出要求数送信処理(ステップS6119)で設定した出力予定情報を出力ポート(I/O1310)を介して第1副制御部1400に出力する。
ステップS6139では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS6143に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS6141に進む。
ステップS6141では、タイマ割込終了処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS6101で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定したり、割込許可の設定などを行い、その後、図68に示す主制御部メイン処理に復帰する。
一方、ステップS6143では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM1308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、図68に示す主制御部メイン処理に復帰する。
<第1副制御部の処理>
図70を用いて、第1副制御部1400の処理について説明する。なお、同図(a)は、第1副制御部1400のCPU1404が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第1副制御部1400のコマンド受信割込処理のフローチャートである。同図(c)は、第1副制御部1400のタイマ割込処理のフローチャートである。同図(d)は、第1副制御部1400の画像制御処理のフローチャートである。
まず、同図(a)のステップS6201では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずS6201で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM1408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS6203では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS6205の処理に移行する。
ステップS6205では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS6207では、コマンド処理を行う。第1副制御部1400のCPU1404は、主制御部1300からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS6209では、演出制御処理を行う。例えば、S6207で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM1406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
ステップS6211では、チャンスボタンの押下を検出していた場合、ステップS6209で更新した演出データをチャンスボタンの押下に応じた演出データに変更する処理を行う。
ステップS6213では、S6209で読み出した演出データの中にVDP1434への命令がある場合には、この命令をVDP1434に出力する(詳細は後述)。
ステップS6215では、S6209で読み出した演出データの中に音源IC1416への命令がある場合には、この命令を音源IC1416に出力する。
ステップS6217では、S6209で読み出した演出データの中に各種ランプ1418への命令がある場合には、この命令を駆動回路1420に出力する。
ステップS6219では、S6209で読み出した演出データの中に遮蔽装置1246への命令がある場合には、この命令を駆動回路1432に出力する。
ステップS6221では、S6209で読み出した演出データの中に第2副制御部1500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、S6203へ戻る。
次に、同図(b)を用いて、第1副制御部1400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部1400が、主制御部1300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS6301では、主制御部1300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM1408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、同図(c)を用いて、第1副制御部1400のCPU1404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部1400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
第1副制御部タイマ割込処理のステップS6401では、図70(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップS6203において説明したRAM1408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS6203において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
第1副制御部タイマ割込処理のステップS6403では、ステップS6221で設定された第2副制御部1500への制御コマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行う。
次に、同図(d)を用いて、第1副制御部1400のメイン処理におけるステップS6213の画像制御処理について説明する。同図は、画像制御処理の流れを示すフローチャートを示した図である。
ステップS6501では、画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU1404は、まず、VRAM1436の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が装飾図柄表示装置1208に表示される。次に、CPU1404は、VDP1434のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM1406の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM1436の転送先アドレス)などを設定した後、ROM1406からVRAM1436への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP1434は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROM1406からVRAM1436に転送する。その後、VDP1436は、転送終了割込信号をCPU1404に対して出力する。
ステップS6503では、VDP1434からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はステップS6505に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。
ステップS6505では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU1404は、ステップS6501でVRAM1436に転送した画像データに基づいてVRAM1436の表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM1436の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDP1434に指示する。VDP1434はアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
ステップS6507では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU1404は、VDP1434に画像の描画開始を指示する。VDP1434は、CPU1404の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
ステップS6509では、画像の描画終了に基づくVDP1434からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はステップS6511に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。
ステップS6511では、RAM1408の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して処理を終了する。
図71を用いて、第2副制御部1500の処理について説明する。なお、同図(a)は、第2副制御部1500のCPU1504が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第2副制御部1500のコマンド受信割込処理のフローチャートである。同図(c)は、第2副制御部1500のタイマ割込処理のフローチャートである。
まず、同図(a)のステップS6601では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずS6601で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM1508内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS6603では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS6605の処理に移行する。
ステップS6605では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS6607では、コマンド処理を行う。第2副制御部1500のCPU1504は、第1副制御部1400のCPU1404からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS6609では、演出制御処理を行う。例えば、S6607で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM1506から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
ステップS6611では、第1副制御部1400からの遊技盤用ランプ1532や遊技台枠用ランプ1542への命令がある場合には、この命令をシリアル通信制御回路1520に出力する。
ステップS6613では、第1副制御部1400からの演出可動体1224への命令がある場合には、この命令を駆動回路1516に出力し、S6603に戻る。
次に、同図(b)を用いて、第2副制御部1500のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部1500が、第1副制御部1400が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS6701では、第1副制御部1400が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM1508に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、同図(c)を用いて、第2副制御部1500のCPU1504によって実行する第2副制御部タイマ割込処理について説明する。第2副制御部1500は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
第2副制御部タイマ割込処理のステップS6801では、図71(a)に示す第2副制御部メイン処理におけるステップS6603において説明したRAM1508のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS6603において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
第2副制御部タイマ割込処理のステップS6803では、演出用乱数値の更新処理等を行う。
<装飾図柄表示装置における演出画像>
次に、図72〜図74を用いて、装飾図柄表示装置1208を用いた演出について説明する。
図72は、特図低確率状態と特図高確率状態の背景画像を示す図である。本実施形態では、特図低確率状態と特図高確率状態では背景画像が異なっている。具体的には、特図低確率状態の遊技(以下、通常遊技という)では、通常背景画像d3(例えば、二人のキャラクタ(殿、爺)が座っている画像)を装飾図柄表示装置1208上に表示し、特図高確率状態の遊技(以下、確変遊技という)では、確変背景画像d4〜d6を装飾図柄表示装置1208上に表示する。図72(a)は、通常背景画像d3を示しており、図72(b)〜(d)は、確変背景画像d4〜d6を示している。
本実施形態の確変遊技においては、10ゲームごとに背景画像が変化するようになっており、詳しくは、図72(b)は、1〜10ゲーム(荒野ステージ)の確変背景画像d4、図72(c)は、11〜20ゲーム(砂浜ステージ)の確変背景画像d5、図72(d)は、21〜30ゲーム(月面ステージ)の確変背景画像d6を示している。なお、ここでいう1ゲームとは、特図始動口1230、1232に球が入球して、装飾図柄の変動表示が開始され、装飾図柄の変動は停止表示するまでをいう。なお、本実施形態では、30ゲームの確変遊技を終了すると、確変遊技を終了し、通常遊技を開始するようになっており、確変遊技の間は、残りのゲーム数を表示するようにしている。
また、本実施形態では、区切りのゲームにおいて挿入画像d30を表示する。ここで、区切りのゲームとは、背景画像が変化するゲームをいい、具体的には、確変遊技の1ゲーム(通常背景画像d3から確変背景画像d4に変化するゲーム)、11ゲーム(確変背景画像d4から確変背景画像d5に変化するゲーム)、21ゲーム(確変背景画像d5から確変背景画像d6に変化するゲーム)、30ゲーム(確変背景画像d6から通常背景画像d3に変化するゲーム)をいう。ここで、挿入画像d30は、背景画像が変化する際に挿入される演出画像であり、挿入画像d30の表示を介して背景画像が変化するようになっている。なお、挿入画像d30は、目立たない地味な画像(例えば、単一色、一様な同一柄など)が好適である。
図73は、確変遊技の10ゲーム目が終了した後、特図始動口1230、1232に球が入球して11ゲーム目を開始した場合の装飾図柄表示装置の表示態様を示している。なお、本実施形態の確変遊技では、残りゲーム数を示す残り回数画像d40を画面の左上方に常時表示するようにしている。なお、図示しないが、4つ目の装飾図柄(第4の装飾図柄)を表示する場合は、画面の右下に表示する。
図73(a−1)は、10ゲーム目における装飾図柄の変動表示が終了した状態を示している。なお、確変遊技の10ゲーム目なので、背景画像には確変背景画像d4が表示されている。図73(a−2)は、11ゲーム目における装飾図柄の変動表示が開始した状態を示している。本実施形態では、図73(a−2)に示すように、区切りのゲームを開始したとき、つまり区切りのゲームにおいて装飾図柄の変動表示を開始したときを契機に挿入画像d30の表示を開始する。
挿入画像d30は、図73(a−2)〜(a−4)に示すように、画面の左方から右方に向かってその領域(画像面積)を拡大しながら移動していくので、その結果、背景画像d4は徐々にその領域(画像面積)を縮小していく。最終的には、図73(a−4)に示すように、挿入画像d30は、装飾図柄表示装置1208の画面を全面的に覆う。図73(a−4)の状態を、挿入画像d30が全面表示されている状態とも言う。本実施形態では、挿入画像d30が全面表示されている状態において、残り回数画像d40の更新を行う。具体的には、残り回数画像d40の数字を20から19に更新する。
このように本実施形態では、全面表示された挿入画像d30上で残り回数画像d40を更新するので、遊技者は、確変遊技の残りゲーム数の変化に気づきやすいという効果がある。
次に、全面表示された挿入画像d30は、図73(a−5)〜(a−7)に示すように、画面左方から右方に向かってその領域(画像面積)を縮小しながら移動していくので、背景画像d4が画面上に徐々に表出しその領域(画像面積)を拡大していく。最終的には、挿入画像d30は画面上から消失し、確変背景画像d5が全面的に表示される。そして、図73(a−8)に示すように、確変背景画像d5が全面的に表示された状態において、装飾図柄の変動表示は停止する。なお、第4の装飾図柄を表示する場合には、図73(a−4)において、残り回数画像d40と同様に挿入画像d30上に表示され続けるようにする。遊技者に遊技は終了していないことを認識させられる。
このように本実施形態では、挿入画像d30が画面上から消失した後に装飾図柄の変動表示を停止するので、遊技者は、停止表示した装飾図柄の図柄組合せに注意を向けることができる。
図74は、確変遊技の30ゲーム目が終了したときの装飾図柄表示装置の表示態様を示している。
図74(a−1)は、30ゲーム目における装飾図柄が変動表示している状態を示しており、図74(a−2)は、30ゲーム目における装飾図柄の変動表示が終了した状態を示している。なお、確変遊技の最終ゲームにあるので、背景画像には確変背景画像d6が表示され、残り回数画像d40には「ラスト」の文字が表示されている。
挿入画像d30は、装飾図柄の変動表示が終了した後、図74(a−3)〜(a−5)に示すように、画面の左方から右方に向かってその領域(画像面積)を拡大しながら移動していくので、その結果、背景画像d6は徐々にその領域(画像面積)を縮小していく。最終的には、図74(a−5)に示すように、背景画像d6は画面から消失し、挿入画像d30が装飾図柄表示装置1208の画面を全面的に覆う。
本実施形態では、挿入画像d30が全面表示されている状態において、残り回数画像d40の更新を行う。具体的には、残り回数画像d40のラストの文字を消去する。
このように本実施形態では、全面表示された挿入画像d30上で残り回数画像d40を消去するので、遊技者は、確変遊技が終了したことに気づきやすいという効果がある。
次に、全面表示された挿入画像d30は、図74(a−6)〜(a−8)に示すように、画面左方から右方に向かってその領域(画像面積)を縮小しながら移動していくので、通常背景画像d3が画面上に徐々に表出しその領域(画像面積)を拡大していく。そして最終的には、図74(a−8)に示すように、挿入画像d30は画面上から消失し、通常背景画像d3が全面的に表示される。
<実施形態のまとめ>
以上述べたように、上記実施形態の遊技台(例えば、スロットマシン100)によれば、画像表示領域(例えば、演出画像表示装置157の画面)に画像を表示する画像表示手段(例えば、主制御部300、第1副制御部400、第2副制御部500など)を備えた遊技台であって、前記画像には、第一の状態(例えば、通常状態、AT状態)であることを示唆する第一の背景画像(例えば、通常状態の場合には通常背景画像d1、AT状態の場合にはAT背景画像d2)と、第二の状態(例えば、通常状態、AT状態)であることを示唆する第二の背景画像(例えば、通常状態の場合には通常背景画像d1、AT状態の場合にはAT背景画像d2)と、前記第一の背景画像から前記第二の背景画像への移行過程において挿入される挿入画像(例えば、挿入画像d30)と、更新可能な第一の遊技情報(例えば、AT回数)を示す第一の遊技情報画像(例えば、AT回数画像d40)と、前記第一の遊技情報とは異なる第二の遊技情報(例えば、停止操作に係わる情報)を示す第二の遊技情報画像(例えば、操作特定画像d10、操作正解画像d20)と、が含まれ、前記画像表示手段は、前記画像表示領域に前記第一の背景画像を表示している状態において、第一の条件が成立した場合(例えば、通常状態の最終ゲームG1、AT状態の最終ゲームG2、AT状態における区切りのゲーム、AT状態においてAT上乗せ抽選に当選したゲーム)、前記画像表示領域に前記挿入画像を表示し、前記挿入画像を表示した後に前記画像表示領域に前記第二の背景画像を表示することにより、前記第一の背景画像から前記第二の背景画像への移行を行う手段であり、前記画像表示手段は、前記画像表示領域に前記第一の遊技情報画像を表示している状態において、第二の条件が成立した場合(例えば、AT状態において操作順序役に内部当選したゲーム)、前記第一の遊技情報を更新して前記第一の遊技情報画像を変更する手段であり、前記画像表示手段は、前記画像表示領域に前記第一の背景画像及び前記第一の遊技情報画像を表示している状態において、前記第一の条件及び前記第二の条件の双方が成立した場合、前記挿入画像の表示を開始し、該挿入画像を表示している間に前記第一の遊技情報を更新して前記第一の遊技情報画像を変更し、前記挿入画像を表示している間及び前記第二の背景画像を表示している間に前記第二の遊技情報画像を表示する手段である(例えば、図39など)、ことを基本的構成とする。
この基本的構成の遊技台によれば、挿入画像を表示している間に第一の遊技情報を更新するので、第一の遊技情報の更新を目立たせることができ、演出画像とともに表示されたとしても遊技中の情報更新を見落とすことがない。
また、上記基本的構成において、前記画像表示手段は、前記画像表示領域に前記第一の背景画像を表示している状態において、前記第一の条件が成立した場合、又は前記第一の条件及び前記第二の条件の双方が成立した場合、前記第一の背景画像の表示面積を縮小しつつ前記挿入画像の表示面積を拡大するように前記画像表示領域に前記挿入画像を表示し(以下、「拡大表示」という)、前記挿入画像を拡大表示した後に前記画像表示領域に前記第二の背景画像を表示する手段であり、前記画像表示手段は、前記画像表示領域に前記第一の背景画像及び前記第一の遊技情報画像、及び第二の遊技画像を表示している状態において、前記第一の条件及び前記第二の条件の双方が成立した場合、前記挿入画像を拡大表示している間に前記挿入画像の上で前記第一の遊技情報画像を変更するとともに前記第二の遊技情報画像を表示する手段である、ことを第1の好適な構成とする。
第1の好適な構成の遊技台によれば、挿入画像の拡大表示及び背景画像の縮小表示を行いつつ挿入画像上で第一の遊技情報の更新を行うので、第一の遊技情報の更新をより確実に遊技者に認識させることができる。
また、上記基本的構成、第1の好適な構成において、前記画像表示手段は、前記画像表示領域に前記第一の背景画像及び前記第一の遊技情報画像を表示している状態において、前記第一の条件及び前記第二の条件の双方が成立した場合、前記挿入画像を表示している間においては、第一の表示態様で前記第二の遊技情報画像を表示する一方、前記第二の背景画像を表示している間においては、前記第一の表示態様とは異なる第二の表示態様で前記第二の遊技情報画像を表示する手段であり、前記第二の表示態様は、前記第一の表示態様よりも内容が限定された前記第二の遊技情報を示している表示態様である(例えば、図39など)、ことを第2の好適な構成とする。
第2の好適な構成の遊技台によれば、第一の遊技情報画像の表示が終了した後に第二の遊技情報画像の表示態様を変化させて第二の遊技情報画像を目立たせることができるので、遊技者を戸惑わせることがない。
また、上記基本的構成、第1〜第2の好適な構成において、前記挿入画像は、単一の模様又は色彩を有する画像である、ことを第3の好適な構成とする。
第3の好適な構成の遊技台によれば、挿入画像を目立たない画像としているので、相対的に遊技情報を目立たせることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の実施の形態に対して種々の変形や変更を施すことができ、そのような変形や変更を伴うものもまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。