JP6517491B2 - 磁気式設定装置及び磁気式設定装置を用いた傾斜計 - Google Patents

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Description

本発明は、傾斜角度の設定等、所定の設定を行う設定手段に、外部から磁石を有する鍵手段を近接することで所定の設定を行う磁気式設定装置及び磁気式設定装置を用いた傾斜計に関する。
設定手段に外部から磁気の鍵手段を近接することで所定の設定を行う磁気式設定装置として、例えば、特許文献1に記載の非接触調整手段を有する装置がある。この装置は、完全密閉の円筒形状のケース内にセンサと磁石を備え、更にケースに回転自在な回転リングを組み付け、回転リングの回転に応じて磁石が移動するように構成されている。この装置は、回転リングを回して磁石を所定角度の位置に可変し、この可変した磁石の位置をセンサで検出し、更にその検出位置に対応するパラメータ値を設定するようになっている。このように、装置に設定されるパラメータ値を、回転リングを回すことで所望の値に設定することが可能となっている。
特開2009−152199号公報
しかし、特許文献1の装置は、ケース内において、1つの磁石の位置をセンサで検出するので、当該ケースの近傍に磁界を有する物が存在する場合、その近傍磁界の影響により、センサによる磁石の位置検出を誤ってしまう可能性がある。この場合、適正な位置を検出できないので、本来とは異なるパラメータ値を設定してしまうという問題がある。
また、特許文献1の装置は、完全密閉のケースに回転自在に回転リングを組み付けて構成されている。回転リングは、パラメータ値の設定変更時に頻繁に回転させられるので、ケースとの間に隙間ができたり、ケースとの間に微細なゴミ等が入った際に破損に至ったりする可能性がある。
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、密閉性を維持しながら、適正に所定の設定を行うことができる磁気式設定装置及び磁気式設定装置を用いた傾斜計を提供することを課題とする。
前記した課題を解決するため、本発明の請求項1に記載の磁気式設定装置は、磁気を検出し、この検出された磁気のS極又はN極に応じた検出値を出力する少なくとも1つ以上の磁気検出手段が内蔵された設定手段と、前記設定手段と別体であり、当該設定手段に重ねられた際に、前記磁気検出手段の位置にS極又はN極が対向するように内蔵された少なくとも1つ以上の磁石を有する鍵手段と、前記鍵手段が前記設定手段に重ねられて前記磁気検出手段に前記磁石のS極又はN極が対向状態に組合された際に、当該磁気検出手段の出力値を検出し、この検出される出力値に応じて、所定の設定を行うように制御する制御手段と、を備え、前記鍵手段が前記設定手段に異なる姿勢で少なくとも2回以上重ねられた際に、前記制御手段は、当該2回以上重ねられる毎に検出した前記磁気検出手段の出力値の検出パターンが、予め定められた出力値の第1パターンに一致した場合、所定の設定を行うように制御し、前記制御手段が行う前記所定の設定の制御は、所定の数値をセットする制御であることを特徴とする。
この構成によれば、鍵手段を設定手段に各々異なる姿勢で少なくとも2回以上組合せることにより、所定の設定を行って出力することができる。このため、設定手段の近傍に磁界を有する物が存在しても、その近傍磁界の影響により、各ホール素子の出力値の検出パターンが、第1パターンに一致することはない。従って、適正に所定の設定を行うことができる。
また、上述した異なる組合せ姿勢が2回以上で多ければ多いほど、所定の設定を行うための誤動作を起こしにくくなる。但し、組合せの作業性を考慮すると、現実的で適切な回数が望ましい。例えば、近接磁界が多い使用環境では、その組合せ回数を多くすることにより、誤動作を抑制することが望ましい。
また、所定の設定を行うための鍵手段は、設定手段とは別体なので、設定手段に隙間や数値セットのための可動部分が存在せず、このため長期間使用しても密閉性を維持することができる。
また、鍵手段を設定手段に各々異なる姿勢で少なくとも2回以上組合せることにより、所定の数値をセットして出力することができる。
請求項に係る発明は、磁気を検出し、この検出された磁気のS極又はN極に応じた検出値を出力する少なくとも1つ以上の磁気検出手段が内蔵された設定手段と、前記設定手段と別体であり、当該設定手段に重ねられた際に、前記磁気検出手段の位置にS極又はN極が対向するように内蔵された少なくとも1つ以上の磁石を有する鍵手段と、前記鍵手段が前記設定手段に重ねられて前記磁気検出手段に前記磁石のS極又はN極が対向状態に組合された際に、当該磁気検出手段の出力値を検出し、この検出される出力値に応じて、所定の設定を行うように制御する制御手段と、を備え、前記鍵手段が前記設定手段に異なる姿勢で少なくとも2回以上重ねられた際に、前記制御手段は、当該2回以上重ねられる毎に検出した前記磁気検出手段の出力値の検出パターンが、予め定められた出力値の第1パターンに一致した場合、所定の設定を行うように制御し、前記制御手段は、前記検出パターンが、前記第1パターンと異なる出力値の第2パターンに一致した場合に、前記所定の設定をリセットする制御を行うことを特徴とする。
この構成によれば、設定手段の近傍磁界の影響により、各ホール素子の出力値の検出パターンが、第2パターンに一致することはない。このため、所定の設定を適正にリセットすることができる。
請求項に係る発明は、請求項1又は2において、前記設定手段は、前記磁気検出手段及び前記制御手段を密閉状に内蔵する筐体を備えることを特徴とする。
この構成によれば、設定手段は、磁気検出手段及び制御手段を筐体内に密閉状に内蔵し、筐体には、隙間や可動部分が存在しないので、使用劣化で隙間が生じることがない。このため、密閉性を必要とする用途、例えば防水を必要とする用途に適用することができる。
請求項に係る発明は、磁気を検出し、この検出された磁気のS極又はN極に応じた検出値を出力する少なくとも1つ以上の磁気検出手段が内蔵された設定手段と、前記設定手段と別体であり、当該設定手段に重ねられた際に、前記磁気検出手段の位置にS極又はN極が対向するように内蔵された少なくとも1つ以上の磁石を有する鍵手段と、前記鍵手段が前記設定手段に重ねられて前記磁気検出手段に前記磁石のS極又はN極が対向状態に組合された際に、当該磁気検出手段の出力値を検出し、この検出される出力値に応じて、所定の設定を行うように制御する制御手段とを有し、前記鍵手段が前記設定手段に異なる姿勢で少なくとも2回以上重ねられた際に、前記制御手段は、当該2回以上重ねられる毎に検出した前記磁気検出手段の出力値の検出パターンが、予め定められた出力値の第1パターンに一致した場合、所定の設定を行うように制御する磁気式設定装置を備え、傾斜の角度を計測し、当該計測された角度を出力する傾斜センサを有する傾斜計であって、前記鍵手段が前記設定手段に異なる姿勢で少なくとも2回以上重ねられた際に、前記制御手段は、当該2回以上重ねられる毎に検出した前記磁気検出手段の出力値の検出パターンが、前記第1パターンに一致した場合、所定の角度をセットする制御を行うことを特徴とする。
この構成によれば、本発明の傾斜計を例えばクレーン車の出荷時や、クレーン車の設置時等に必要な水平調整に用いれば、水平調整を容易且つ適正に行うことができる。
請求項に係る発明は、請求項において、前記制御手段は、前記検出パターンが前記第1パターンに一致した際に所定の角度をセットした時点で、前記傾斜センサで計測される角度と、前記セットした角度との差分角度を保持し、この保持以降に当該傾斜センサで計測される角度を、当該角度から前記差分角度を減算して補正する制御を行うことを特徴とする。
この構成によれば、例えば、角度設定が必要な特定装置の上面に傾斜計を載置し、この傾斜計に鍵手段を組合せて、傾斜計に所定の角度(例えば0度)をセット(初回セット)した後に、次のような作用効果を得ることができる。初回セット時には、傾斜センサで計測される角度(0.5度)と、初回セットした角度(0度)との差分角度(0.5度)が保持される。
従って、特定装置を別の場所に設置する場合、特定装置の上面の角度を、初回セットした角度(0度)に調整する場合、上面に傾斜計を載置して角度計測を実施する。この際、傾斜センサで計測される角度が例えば0.5度であったとすると、この0.5度から差分角度の0.5度が減算されて0度に補正される。この0度が傾斜計から出力されることになる。
このように初回に所定の角度を傾斜計に設定しておけば、次回の計測以降、傾斜計を容易に、初回の設定角度にセットすることができる。
請求項に係る発明は、請求項において、前記制御手段は、前記検出パターンが、前記第1パターンと異なる出力値の第2パターンに一致した際に、前記保持されている前記差分角度を消去又は無効とする制御を行うことを特徴とする。
この構成によれば、保持している差分角度が消去されるので、傾斜計に新たに所定の角度を、容易且つ適正にセットすることができる。また、保持している差分角度を無効とした場合、その差分角度を保持ししたまま、別の差分角度を設定することが可能となる。これにより、複数の差分角度を保持しておき、必要時に無効とされている差分角度を有効として使用することが可能となる。
本発明の磁気式設定装置及び磁気式設定装置を用いた傾斜計によれば、密閉性を維持しながら、適正に所定の設定を行うことができる。
本発明の実施形態に係る磁気式設定装置の構成を示すブロック図である。 (a)磁気式設定装置における設定部の構成を示す平面図、(b)は(a)に示す矢印Y1方向から見た設定部の側面図である。 (a)は磁気式設定装置における磁気鍵の構成を示す平面図、(b)は(a)に示す矢印Y2方向から見た磁気鍵の側面図である。 磁気鍵を設定部に当接して組合せる際の4パターンの姿勢を示し、(a)は磁気鍵の第1姿勢を示す平面図、(b)は磁気鍵の第2姿勢を示す平面図、(c)は磁気鍵の第3姿勢を示す平面図、(d)は磁気鍵の第4姿勢を示す平面図である。 磁気鍵の4パターンの姿勢においてホール素子側の各磁石のS極及びN極並びにホール素子の出力値を示し、(a)は第1姿勢における各磁石のS極及びN極並びにホール素子の出力値を示す図、(b)は第2姿勢における各磁石のS極及びN極並びにホール素子の出力値を示す図、(c)は第3姿勢における各磁石のS極及びN極並びにホール素子の出力値を示す図、(d)は第4姿勢における各磁石のS極及びN極並びにホール素子の出力値を示す図である。 設定部におけるホール素子、制御部及び記憶部の接続関係を示すブロック図である。 第1〜第4姿勢における各ホール素子の4ビットの出力値と、4ビット値を変換した16進数及びこれに対応する10進数を示す図である。 本実施形態の磁気式設定装置において磁気鍵で設定部に数値をセットする際の動作を説明するためのフローチャートである。 本実施形態の磁気式設定装置において磁気鍵で設定部に数値をリセットする際の動作を説明するためのフローチャートである。 (a)は本実施形態の磁気式設定装置の設定部を適用した傾斜計の構成を示す平面図、(b)は(a)に示す矢印Y3方向から見た傾斜計の側面図である。 傾斜計におけるホール素子、制御部及び記憶部、並びに傾斜センサの接続関係を示すブロック図である。 クレーン車の側面図である。
次に、本発明の実施の形態(以下、「実施形態」と称する)について説明する。
<実施形態の構成>
図1は、本発明の実施形態に係る磁気式設定装置の構成を示すブロック図である。
図1に示す磁気式設定装置1は、設定部10と、板状の磁気鍵30とを備えて構成され、磁気鍵30を設定部10に当接状態に組合せて使用するようになっている。なお、設定部10で、請求項記載の設定手段が構成され、磁気鍵30で、請求項記載の鍵手段が構成される。
設定部10の構成を、図2を参照して説明する。図2(a)は設定部10の構成を示す平面図、(b)は(a)に示す矢印Y1方向から見た設定部10の側面図である。
設定部10は、直方体形状の筐体11の内部に、破線で示すプリント基板(単に、基板ともいう)14、複数(本例では4個)のホール素子HA,HC,HE,HF、制御部15及び記憶部16を備えて構成されている。これら基板14、各ホール素子HA〜HF、制御部15及び記憶部16は、筐体11内に密閉状(又は防水状)に収容されている。筐体11は、磁力線を透過する材料であればよい。なお、ホール素子HA〜HFで、請求項記載の磁気検出手段が構成される。また、制御部15及び記憶部16で、請求項記載の制御手段が構成される。
また、設定部10は、筐体11の外部側面に、ケーブル13を基板14の配線に電気的に接続するためのコネクタ12が隙間なく取り付けられている。コネクタ12が取り付けられる筐体11の側面付近の上面部分は、コネクタ12を取り付ける凹状の開口を有するために、直方体形状に盛り上がった凸部10aとなっている。この凸部10aを有する面を図2(b)に示すように上面、この反対側の面を下面と定義する。なお、ケーブル13は、電源や、設定部10に設定される数値を使用する装置等に接続される。但し、電源(バッテリー)は、設定部10に内蔵されていてもよい。
各ホール素子HA〜HFは、図2(a)に示すように、基板14の上面側の所定位置に互いが離間状態に配置されて実装されている。各ホール素子HA〜HFの配置は、非回転対称に配置するのが好ましいが、非回転対称以外の配置でもよい。また、各ホール素子HA〜HFは、左上のHAから反時計回り(左回り)にHC,HE,HFの順で名称が付けてある。
本実施形態の場合、基板14の破線で示す長方形面の上左隅にホール素子HAが実装され、下左隅にホール素子HC、右辺側上下の中間位置にホール素子HE、上右隅にホール素子HFが実装されている。
各ホール素子HA〜HFは、磁石のS極が所定距離近づいた時、S極を検知し、その出力値が「L」レベル(「L」ともいう)となる。また、ホール素子HA〜HFは、N極が所定距離近づいた時、N極を検知し、その出力値が「H」レベル(「H」ともいう)となり、更に、磁界が無い場合も「H」となる。但し、「L」を「0」、「H」を「1」とも表現する。各ホール素子HA〜HFの出力値「0」又は「1」は、制御部15へ出力される。制御部15及び記憶部16については後述する。
但し、各ホール素子HA〜HFが、S極を検知時に出力値が「L」、N極を検知時に出力値が「H」、磁界が無い場合も「H」となることを記載したが、これはその逆のレベルになるように機能させることも可能である。また、各ホール素子HA〜HFの出力値のパターンを様々なパターンとすることも、各磁石の配列を可変することにより可能である。
次に、磁気鍵30の構成を、図3を参照して説明する。図3(a)は磁気鍵30の構成を示す平面図、(b)は(a)に示す矢印Y2方向から見た磁気鍵30の側面図である。
磁気鍵30は、磁力線を透過するプラスチック等の材料を4角形の板状に成形し、破線で示す複数(本例では6個)の磁石MA,MB,MC,MD,ME,MFを内蔵した構成となっている。
この磁気鍵30は、4角形の4隅の内、1隅が斜めにカットされた切欠き部30aを有し、この切欠き部30aを共有する2つの側面の内の1側面と、この1側面の反対側の側面とに、側面部分を凹状に切り抜いた第1凹部30bと第2凹部30cとを有している。
第1及び第2凹部30b,30cは、図4に示すように、設定部10の凸部10aが嵌合される寸法の凹形状となっている。この第1及び第2凹部30b,30cと、切欠き部30aとによって、磁気鍵30を設定部10に当接して組合せる際の複数パターンの姿勢を規定することができる。この複数パターンの姿勢は、本実施形態では、図4(a)〜(d)に示す4パターンがある。
まず、図4(a)に示すように、切欠き部30aが左上隅に位置し、第1凹部30bに凸部10aが嵌合される状態で、磁気鍵30を設定部10に当接して組合せた場合を、磁気鍵30の第1姿勢と定義する。この第1姿勢の磁気鍵30において、図3(b)に示すように、上面側をA面、下面側をB面と定義する。つまり、第1姿勢の場合、磁気鍵30のB面が設定部10の上面に当接される。
図4(b)に示すように、切欠き部30aが右下隅に位置し、第2凹部30cに凸部10aが嵌合される状態で、A面が見えている磁気鍵30のB面を設定部10の上面に当接して組合せた場合を、磁気鍵30の第2姿勢と定義する。
図4(c)に示すように、切欠き部30aが右上隅に位置し、第2凹部30cに凸部10aが嵌合される状態で、B面が見えている磁気鍵30のA面を設定部10の上面に当接して組合せた場合を、磁気鍵30の第3姿勢と定義する。
図4(d)に示すように、切欠き部30aが左下隅に位置し、第1凹部30bに凸部10aが嵌合される状態で、B面が見えている磁気鍵30のA面を設定部10の上面に組合せた場合を、磁気鍵30の第4姿勢と定義する。
また、磁気鍵30の内部には、図3(a)に破線で示す6個の磁石MA,MB,MC,MD,ME,MFが、3行2列のマトリックス状(長方形状)に配置されている。磁気鍵30は、第1姿勢の場合に、磁石MAがN極をA面に向けて、左上隅の切欠き部30a付近に配置され、この配置位置の磁石MAから反時計回り(左回り)に磁石MB,MC,MD,ME,MFの順で配置されている。
つまり、磁気鍵30の長方形のA面側において、磁石MAは左上隅の切欠き部30a付近に配置され、磁石MBは左辺側の中央部分、磁石MCは左下隅、磁石MDは右下隅、磁石MEは右辺側の中央部分に配置され、磁石MFは右上隅に配置されている。
また、磁気鍵30のA面側に、磁石MAがN極を向け、磁石MBがS極を、磁石MCがS極を、磁石MDがN極を、磁石MEがS極を、磁石MFがN極を向けて配置されている。このような配置おいて、各磁石MA〜MFは、図3(b)に磁石MC,MDを代表して示すように、同一磁石では、A面側とB面側とでS極とN極とが反対の極性となる。
また、各磁石MA〜MFは、図4(a)〜(d)に示すように、磁気鍵30のA面又はB面の同一面を向くS極とN極との配置関係が、線対称及び回転対称とならない非対称となるように配置されることが好ましい。
このような磁気鍵30を、図5(a)〜(d)に示すように、設定部10の上面に第1〜第4姿勢で組合せることにより、各ホール素子HA〜HFの出力値が、後述のように第1〜第4姿勢に応じた値「0」又は「1」となる。なお、ホール素子HA〜HFを、単に、素子HA〜HFとも称す。
即ち、図5(a)に示すように、磁気鍵30を第1姿勢で設定部10に当接して組合せたとする。この場合、磁石MAのS極がホール素子HAに近接し、素子HAの出力値が「0」となる。また、磁石MCのN極がホール素子HCに近接し、素子HCの出力値が「1」、磁石MEのN極がホール素子HEに近接し、素子HEの出力値が「1」、磁石MFのS極がホール素子HFに近接し、素子HFの出力値が「0」となる。
同様に、図5(b)〜(d)に示すように、磁気鍵30を第2〜第4姿勢で設定部10に当接した場合も、各ホール素子HA〜HFの出力値が、図示のような値「0」又は「1」となる。但し、磁気鍵30を設定部10に組合せる場合は、双方が完全に当接していなくても、各ホール素子HA〜HFが磁極を検出可能に離間した近接状態であってもよい。
このような磁気鍵30の6個の磁石MA〜MFのS極及びN極と、設定部10の4個のホール素子HA〜HFとは、図5(a)〜(d)に示す第1〜第4姿勢のように、互いの面を当接して組合せた場合に、組合せ関係が回転対称とならない配置関係にしてある。言い換えれば、非回転対称となるように配置してある。
各ホール素子HA〜HFの出力値「0」又は「1」は、図6に示すように、制御部15へ出力される。制御部15には、例えばマイクロコントローラ(又はマイクロコンピュータ)が適用される。この場合、各ホール素子HA〜HFの出力端子を、図示はしないが、電源電圧に10kΩの抵抗器を介してプルアップし、マイクロコンピュータの入出力端子に接続する。なお、プルアップは、各ホール素子HA〜HFの出力信号の「L」レベル(出力値「0」)が上昇して、マイクロコンピュータで「L」と適正に読み取れなくなることを防止するためである。
制御部15は、図7に示すように、4つのホール素子HA,HC,HE,HFの出力値「0」又は「1」を4ビットとして検出し、この4ビットの値を16進表記した数値(16進数)に変換する。詳細に説明すると、ホール素子HAの出力値をMSB(Most Significant Bit:最上位ビット)、HFをLSB(Least Significant Bit:最下位ビット)として捉え、MSB側からHA,HC,HE,HFの順に4ビットの2進数で検出し、この4ビットの値を16進数に変換する。なお、図7には、16進数の横に、括弧書きで10進数を表記して認識し易くしてある。
更に説明すると、制御部15は、設定部10に磁気鍵30が第1姿勢で組合された場合、各ホール素子HA,HC,HE,HFの出力値「0,1,1,0」の4ビット値を16進数Ox6(=6)に変換する。第2姿勢で組合された場合、各ホール素子HA,HC,HE,HFの出力値「0,0,1,1」の4ビット値を16進数Ox3(=3)に変換する。第3姿勢で組合された場合、各ホール素子HA,HC,HE,HFの出力値「1,1,0,1」の4ビット値を16進数OxD(=13)に変換する。第4姿勢で組合された場合、各ホール素子HA,HC,HE,HFの出力値「0,1,0,1」の4ビット値を16進数Ox5(=5)に変換する。
また、設定部10に磁気鍵30が当接されていない場合(鍵無しの場合)は、各ホール素子HA,HC,HE,HFの出力値が「1,1,1,1」となる。このため、制御部15は、その4ビット値「1,1,1,1」を16進数OxF(=15)に変換している。
なお、制御部15は、各ホール素子HA,HC,HE,HFの4ビットの出力値を、16進数以外の10進数や8進数、2進数等のn進数に変換してもよい。
次に、制御部15は、設定部10に磁気鍵30が第1〜第4姿勢の所定順番で組合された際の各ホール素子HA,HC,HE,HFからの4ビットの出力値をその順番に検出し、これら検出される出力値を変換した各16進数の値を求める。更に、制御部15は、その求めた各16進数の値及び順番による検出パターンが、予め保持している第1パターン(例えば第1,第2,第3,第4姿勢の各16進数の値及び順番によるパターン)と一致した際に、予め定められた数値を記憶部16に記憶して設定(セット)する制御を行う。
従って、制御部15は、その検出パターンが、第1パターンと異なる場合は、記憶部16への数値の記憶は行わない。
なお、記憶部16には、図示せぬRAM(Random Access Memory)やフラッシュメモリ等の記憶装置が用いられる。
また、制御部15は、設定部10に磁気鍵30を各姿勢で順番に組合せた際の各ホール素子HA,HC,HE,HFの出力値の検出パターンが、第1パターンとは異なる第2パターン(例えば第3,第4,第1,第2姿勢の各16進数の値及び順番によるパターン)と一致した際に、記憶部16をリセットする制御を行う。リセット値には、「Ox0」や「OxF」等の予め定められた数値を用いる。
従って、制御部15は、検出パターンが、第2パターンと異なる場合は、記憶部16のリセットは行わない。
なお、操作者がセット又はリセットを行う際の第1及び第2パターンは、操作者が記憶し易いパターンとするのが好ましい。
記憶部16は、上述したように設定された16進数に対応する数値NVを出力する。この数値NVは、表示部(図示せず)に表示されたり、ケーブル13(図2参照)を介して数値NVを用いる図示せぬ装置へ出力されたりする。なお、数値NVは、表示部に表示される場合は、人が認識し易い10進数であったり、パラメータ値や、文字、文字列、記号であったりしてもよい。本発明では、数値NVは、パラメータ値や、文字、文字列、記号等を含むものとする。また、制御部15で、各ホール素子HA,HC,HE,HFの出力値を変換する際のn進数は、任意に変えることが可能である。
<実施形態の動作>
次に、本実施形態に係る磁気式設定装置1による数値NVの設定動作を説明する。
但し、磁気鍵30を設定部10に組合せて、数値NVを記憶部16にセット又はリセットするための組合せ回数は、4回であるとする。また、予め定められたセットされる数値NVはOx0(=0)であり、リセット値はOxF(=15)であるとする。更に、制御部15がセット時に用いる第1パターンは、図7に示す第1,第2,第3,第4姿勢の各16進数及び順番であるとする。更に、制御部15がリセット時に用いる第2パターンは、第3,第4,第1,第2姿勢の各16進数及び順番であるとする。
最初に、磁気式設定装置1において、磁気鍵30で、設定部10に予め定められた数値NV{Ox0(=0)}をセットする際の動作を、図8に示すフローチャートを参照して説明する。
図8に示すステップS1において、操作者が数値セットのため、磁気鍵30を設定部10に各々異なる姿勢で4回当接して組合せたとする。
ステップS2において、制御部15が、その4回組合せられた際の各ホール素子HA,HC,HE,HFの出力値をその順番に検出し、これら検出された出力値を16進数に変換する。
次に、ステップS3において、制御部15は、上記ステップS2で検出した各16進数の値及び順番である検出パターンが、第1パターンと一致するか否かを判定する。この判定の結果、一致しなければ、上記ステップS1に戻る。この場合、操作者は第1パターンの姿勢順となるように磁気鍵30の設定部10への組合せをやり直す。
一方、一致すれば、ステップS4において、制御部15は、予め定められた数値NVのOx0(=0)を、記憶部16に記憶してセットする。記憶部16からは、セットされた数値NVのOx0(=0)が出力される。
次に、磁気式設定装置1において、磁気鍵30dで、設定部10にセットされた数値NVをリセットする際の動作を、図9に示すフローチャートを参照して説明する。
図9に示すステップS11において、操作者が数値リセットのため、磁気鍵30を設定部10に各々異なる姿勢で4回当接して組合せたとする。
ステップS12において、制御部15が、その4回組合せられた際の各ホール素子HA,HC,HE,HFの出力値をその順番に検出し、これら検出された出力値を16進数に変換する。
次に、ステップS13において、制御部15は、上記ステップS12で検出した各16進数の値及び順番による検出パターンが、第2パターンと一致するか否かを判定する。この判定の結果、一致しなければ、上記ステップS11に戻る。この場合、操作者は第2パターンの姿勢順となるように磁気鍵30の設定部10への組合せをやり直す。
一方、一致すれば、ステップS14において、制御部15は、記憶部16にセットされた数値NVのOx0(=0)をリセットする。これによって、記憶部16に初期値としてリセット値のOxF(=15)が記憶されて出力される。
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態に係る磁気式設定装置1は、設定部10と、磁気鍵30とを備え、設定部10に制御部15及び記憶部16を備える構成とした。
設定部10は、複数のホール素子HA〜HFが平面上に複数配置されて内蔵されている。
磁気鍵30は、ホール素子HA〜HFの何れかの位置に一致するように内蔵された複数の磁石MA〜MFを有し、ホール素子HA〜HFに対向する磁石MA〜MFのS極及びN極の配置が非回転対称となるように、磁石MA〜MFの各々がホール素子HA〜HFの各々に1対ずつ組合されて成る。
制御部15は、ホール素子HA〜HFに対向する磁石MA〜MFのS極及びN極の組合せが、組合せの都度異なるように、磁気鍵30を設定部10に少なくとも2回以上組合せた際に、組合せ毎に得られる各々のホール素子HA〜HFの出力値の検出パターンが、予め定められた出力値の第1パターンに一致した場合、所定の数値を記憶部16に記憶してセットする。
この構成によれば、磁気鍵30を設定部10に各々異なる姿勢で少なくとも2回以上組合せることにより、所定の数値NVをセットして出力することができる。このため、設定部10の近傍に磁界を有する物が存在しても、その近傍磁界の影響により、各ホール素子HA〜HFの出力値の検出パターンが、第1パターンに一致することはない。このため、適正に所定の数値NVを設定することができる。
また、制御部15は、組合せ毎に得られる各々のホール素子HA〜HFの出力値の検出パターンが、第1パターンと異なる出力値の第2パターンに一致した場合に、記憶部16にセットされている数値NVをリセットする制御を行う構成とした。
この構成によれば、設定部10の近傍磁界の影響により、各ホール素子HA〜HFの出力値の検出パターンが、第2パターンに一致することはない。このため、セットされている数値を適正にリセットすることができる。
また、設定部10は、ホール素子HA〜HF、制御部15及び記憶部16を密閉状に内蔵する筐体を備える構成とした。
この構成によれば、設定部10は、ホール素子HA〜HF、制御部15及び記憶部16を筐体内に密閉状に内蔵し、磁気鍵30の当接(又は近接)により、電気的な接続無しに数値NVの設定を行うことができる。従って、筐体には、隙間や可動部分が存在しないので、使用劣化で隙間が生じることがない。このため、密閉性を必要とする用途、例えば防水を必要とする用途に適用することができる。
この他、上記実施形態では、磁気鍵30(図3)の内部に、6個の磁石MA,MB,MC,MD,ME,MFが、3行2列のマトリックス状に配置されている例を示した。また、設定部10には、そのマトリックス状の6個の磁石MA〜MFの内、磁石MA,MC,ME,MFに対応する位置に、ホール素子HA,HC,HE,HFが配置されている例を示した。
なお、各磁石及びホール素子の配置は、上述したように、磁気鍵30の各磁石MA〜MFのS極及びN極と、設定部10の各ホール素子HA〜HFとが、図5(a)〜(d)に示す第1〜第4姿勢のように、互いの面を当接して組合せた場合に、組合せ関係が回転対称とならない配置関係であればよい。言い換えれば、非回転対称となればよい。
従って、磁気鍵30には、複数の磁石が、m行n列のマトリックス状に配置され、設定部10には、m行n列のマトリックス状の各磁石の内の複数個に対応する位置に、複数のホール素子が配置されていればよい。
また、上記実施形態では、磁気鍵30を設定部10に対して、図5(a)〜(d)に示す第1〜第4姿勢のように組合せた。つまり、磁気鍵30をA面又はB面において、180度回転させて設定部10に組合せたが、90度など任意の角度回転させる方式としてもよい。
上述では、磁気検出手段としてホール素子HA〜HFを一例に挙げて説明したが、この他、磁気検出手段としては、次のような素子又はセンサであってもよいが、それらに限定されるものではない。即ち、磁気抵抗効果素子、磁気インピーダンス素子{MI(Magneto-Impedance element)素子}等であってもよい。
但し、磁気抵抗効果素子には、MR(Magneto Resistive effect)素子、AMR(anisotropic magnetoresistance)素子、GMR(Giant Magneto Resistive)素子、TMR(Tunneling Magneto-resistive)素子等がある。
<実施形態の適用例>
図10(a)は、本発明の実施形態に係る磁気式設定装置1の設定部10を適用した傾斜計50の構成を示す平面図、(b)は(a)に示す矢印Y3方向から見た傾斜計50の側面図である。但し、傾斜計50は、磁気鍵30(図3)を対として備えるものとする。また、設定部10の制御部15aは、上述した制御部15{図2(b)}とは後述のように異なる制御も行う。
傾斜計50は、密閉状(又は防水状)の筐体11aの内部に、傾斜角度を計測する傾斜センサ52と、上述した設定部10とを備えて構成されている。傾斜計50は、図10(b)に示すように、凸部10aを有する面が上面、この反対側の面が下面であり、下面側に傾斜センサ52が配置されている。
傾斜センサ52は、公知技術により形成された傾斜センサである。この傾斜センサ52は、一例を挙げると、基板にアレー状に2つの電極が配置され、一方の電極が固定電極、他方の電極が可動電極となっている。可動電極は、スプリングバネに電極が取り付けられて可能自在となっている。更に、傾斜センサ52は、当該傾斜センサ52が水平時の静電容量を基準とし、傾斜センサが傾くと、可動電極の位置が固定電極に対して変動し、この変動により変化する静電容量の変化量を角度に変換して、傾斜角度を計測している。
図11に示すように、傾斜センサ52で計測される角度θ1は、制御部15aへ出力される。制御部15aは、その角度θ1を角度θ2として記憶部16に記憶する制御を行う。記憶部16は記憶された角度θ2を出力する。制御部15aは、傾斜センサ52から入力される角度θ1が異なる都度、異なる角度θ1を、角度θ2として記憶部16に上書きする制御を行う。
また、制御部15aは、上述したように、操作者が角度セットのため、磁気鍵30(図3)を傾斜計50の設定部10に各々異なる姿勢で4回当接して組合せた際の各ホール素子HA,HC,HE,HFの出力値をその順番に検出し、これら検出された出力値を16進数に変換する。更に、制御部15aは、その変換された各16進数の値及び順番による検出パターンが、第1パターン(例えば、図7に示す第1,第2,第3,第4姿勢の各16進数の値及び順番)と一致するか否かを照合により求める。但し、第1パターンは、制御部15内の図示せぬメモリ部に予め保持されている。以降、制御部15内のメモリ部を、単にメモリ部と記載する。
制御部15aは、その照合の結果、一致する場合、傾斜センサ52から入力される角度(実測角度)θ1を、予め定められる設定角度θ1aに補正し、この補正後の角度θ2を記憶部16にセットする。この際、実測角度θ1と設定角度θ1aとの差を、差分角度θ1bとして、メモリ部に保持しておく。なお、設定角度θ1aは、後述では一例として0度とするが、それ以外に、10度など任意の角度とすることができる。
例えば、設定角度θ1a=0度、実測角度θ1=2度の場合に、制御部15aは、上述した照合結果が一致する場合、実測角度θ1=2度を、設定角度θ1a=0度に補正し、この補正後の角度θ2=0度を記憶部16にセットする。この際、実測角度θ1=2度から設定角度θ1a=0度を減算した差分角度θ1b=2度をメモリ部に保持する。
また、制御部15aは、記憶部16への角度θ2のセット後、傾斜センサ52から今迄とは異なる実測角度θ1が入力される都度、この入力される実測角度θ1から差分角度θ1bを減算して補正する。この補正で得られる角度θ2は記憶部16にセットされる。
次に、制御部15aは、上述したように、操作者が角度リセットのため、磁気鍵30を傾斜計50の設定部10にセット時とは各々異なる姿勢で4回当接して組合せた際の各ホール素子HA,HC,HE,HFの出力値をその順番に検出し、これら検出された出力値を16進数に変換する。更に、制御部15aは、その変換された各16進数の値及び順番による検出パターンが、メモリ部に予め保持された第2パターン(例えば、図7に示す第3,第4,第1,第2姿勢の各16進数の値及び順番)と一致するか否かを照合により求める。
制御部15aは、その照合の結果、一致する場合、メモリ部に保持している差分角度θ1bを消去して初期値(単に、消去という)とする(0とする)。これによって、制御部15aは、傾斜センサ52から入力される角度θ1を、そのままの値で記憶部16を介して出力する制御を行うようになる。
また、制御部15aは、その照合の結果、一致する場合、メモリ部に保持している差分角度θ1bを無効としてもよい。この場合、メモリ部に保持している差分角度θ1bを無効とするので、その差分角度θ1bを保持ししたまま、別の差分角度を設定することが可能となる。これにより、複数の差分角度を保持しておき、必要時に無効とされている差分角度を有効として使用することが可能となる。
<傾斜計の使用例>
次に、図12を参照して、傾斜計50をクレーン車60に用いる場合について説明する。図12はクレーン車60の側面図である
建設機械であるクレーン61は、転倒等の事故防止のため、車体62の上面62aを水平に保持して載置する必要がある。車体上面62aの水平は、組立工場等において建機メーカの管理者によって定義(メーカ定義)される。この際、従来から傾斜計(70)を用いているが、車体上面62aと傾斜計取付面63aとの平行度が出ていないため、車体上面62aをメーカ定義の水平状態とした場合、傾斜計取付面63aが水平でなくなる。例えば、車体上面62aがメーカ定義の水平状態(例えば0度)の場合に、傾斜計取付面63aは0.5度であるとする。
現状(従来)では、0.5度傾いた傾斜計取付面63aに載置された傾斜計(70)で計測される角度は0.5度となるので、傾斜計取付面63aと傾斜計(70)との間に板を挟む等して傾斜計(70)の出力値が水平(傾斜角度=0度)になるように調節している。このため調整に手間が掛かったりする。
本実施形態の傾斜計50を用いる場合について説明する。但し、傾斜計50は、X−Y平面上のX方向及びY方向の角度を計測するが、何れか一方の角度を計測するものとして説明する。
まず、上述の0.5度傾いた傾斜計取付面63aに傾斜計50を載置する。次に、操作者が角度セットのため、磁気鍵30(図3)を傾斜計50の設定部10(図10)に予め定められた各々異なる姿勢で4回当接して組合せる。この各組合せにより、傾斜計50の制御部15aが各ホール素子HA,HC,HE,HFの出力値をその組合せ順に検出して16進数に変換する。更に、制御部15は、その変換された各16進数の値及び順番による検出パターンが、第1パターンと一致するか否かを照合する。
制御部15aは、その照合の結果、一致する場合、傾斜センサ52から入力された実測角度θ1=0.5度を、設定角度θ1a=0度に補正し、この補正後の角度θ2=0度を記憶部16にセットする。この際、実測角度θ1=0.5度と設定角度θ1a=0度との差分角度θ1b=0.5度をメモリ部に保持しておく。
保持した差分角度θ1b=0.5度は、上記の角度θ2のセット後に、クレーン車60を現場で水平に固定する際に、次のように用いる。
クレーン車60を現場に設置する場合、クレーン車60の車体を現場の所定位置に設置して目視で水平とする。
次に、傾斜計50の角度計測機能をオンとする。この場合、傾斜計取付面63aに載置された傾斜計50の傾斜センサ52の実測角度θ1が1.5度であれば、実測角度θ1=1.5度から差分角度θ1b=0.5度が減算され、この角度θ2=1度が記憶部16にセットされて出力される。この場合、表示部には、傾斜角度が1度として表示される。
そこで、車体の水平を調整する4本のアウトリガー64によって、傾斜計50の表示角度が0度となるように、車体上面62aの角度を調整する。この調整により、傾斜計取付面63aに載置された傾斜計50の傾斜センサ52の実測角度θ1が0.5度になれば、実測角度θ1=0.5度から差分角度θ1b=0.5度が減算され、出荷時に設定された設定角度θ1aと同じ、角度θ2=0度が記憶部16にセットされて出力される。表示部には、傾斜角度の0度(水平)が表示される。
このように、傾斜計50を、クレーン車60の出荷時やクレーン車60の設置時等に必要な水平調整に用いれば、水平調整を容易且つ適正に行うことができる。
また、セットされた角度θ2を、リセットする場合も、磁気鍵30を傾斜計50の設定部10にセット時とは異なる姿勢パターンで4回当接して組合せれば、容易且つ適正にリセットすることができる。
この他、傾斜計50は、水平調整や所定角度の調整が必要なロボットや、産業機械等に用いることもできる。
その他、以上説明した実施形態においては、具体的な構成について、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
<実施形態の他の適用例>
磁気設定装置1は、傾斜計50以外にも次のように適用することができる。傾斜計50では、水平を出力する位置(角度)が重要な基準となるが、その他の位置検出技術においても重要な基準位置が存在する。例えば、直線型変位センサや回転角度センサが、産業機械の駆動部の位置検出に活用されている。これらのセンサでも、産業機械の駆動部が特定の基準位置に来た場合に、基準となる出力(基準値)を設定し、この設定された基準値を出力させることが望ましい。
このような場合に、磁気式設定装置1を用いた直線型変位センサや回転角度センサであれば、組立後の産業機械の駆動部を基準位置まで駆動させた後に、磁気鍵30(図1参照)を直線型変位センサ又は回転角度センサの設定部10(図1参照)に異なる姿勢パターンで所定回数当接して組合せ、直線型変位センサ又は回転角度センサの現在位置を基準位置に設定するためのパターンを、ホール素子HA,HC,HE,HF(図11参照)から出力させる。このパターンを制御部15a(図11参照)で検出し、予め定められたパターン(上記の第1パターン)と一致するか否かを照合して、記憶部16(図11参照)に基準値を設定することができる。
1 磁気式設定装置
10 設定部
10a 凸部
11,11a 筐体
12 コネクタ
13 ケーブル
14 基板
15 制御部
16 記憶部
30 磁気鍵
30a 切欠き部
30b 第1凹部
30c 第2凹部
50 傾斜計
52 傾斜センサ
HA,HC,HE,HF ホール素子
MA,MB,MC,MD,ME,MF 磁石

Claims (6)

  1. 磁気を検出し、この検出された磁気のS極又はN極に応じた検出値を出力する少なくとも1つ以上の磁気検出手段が内蔵された設定手段と、
    前記設定手段と別体であり、当該設定手段に重ねられた際に、前記磁気検出手段の位置にS極又はN極が対向するように内蔵された少なくとも1つ以上の磁石を有する鍵手段と、
    前記鍵手段が前記設定手段に重ねられて前記磁気検出手段に前記磁石のS極又はN極が対向状態に組合された際に、当該磁気検出手段の出力値を検出し、この検出される出力値に応じて、所定の設定を行うように制御する制御手段と、
    を備え、
    前記鍵手段が前記設定手段に異なる姿勢で少なくとも2回以上重ねられた際に、前記制御手段は、当該2回以上重ねられる毎に検出した前記磁気検出手段の出力値の検出パターンが、予め定められた出力値の第1パターンに一致した場合、所定の設定を行うように制御し、
    前記制御手段が行う前記所定の設定の制御は、所定の数値をセットする制御である
    ことを特徴とする磁気式設定装置。
  2. 磁気を検出し、この検出された磁気のS極又はN極に応じた検出値を出力する少なくとも1つ以上の磁気検出手段が内蔵された設定手段と、
    前記設定手段と別体であり、当該設定手段に重ねられた際に、前記磁気検出手段の位置にS極又はN極が対向するように内蔵された少なくとも1つ以上の磁石を有する鍵手段と、
    前記鍵手段が前記設定手段に重ねられて前記磁気検出手段に前記磁石のS極又はN極が対向状態に組合された際に、当該磁気検出手段の出力値を検出し、この検出される出力値に応じて、所定の設定を行うように制御する制御手段と、
    を備え、
    前記鍵手段が前記設定手段に異なる姿勢で少なくとも2回以上重ねられた際に、前記制御手段は、当該2回以上重ねられる毎に検出した前記磁気検出手段の出力値の検出パターンが、予め定められた出力値の第1パターンに一致した場合、所定の設定を行うように制御し、
    前記制御手段は、前記検出パターンが、前記第1パターンと異なる出力値の第2パターンに一致した場合に、前記所定の設定をリセットする制御を行う
    ことを特徴とする磁気式設定装置。
  3. 前記設定手段は、前記磁気検出手段及び前記制御手段を密閉状に内蔵する筐体
    を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気式設定装置。
  4. 磁気を検出し、この検出された磁気のS極又はN極に応じた検出値を出力する少なくとも1つ以上の磁気検出手段が内蔵された設定手段と、前記設定手段と別体であり、当該設定手段に重ねられた際に、前記磁気検出手段の位置にS極又はN極が対向するように内蔵された少なくとも1つ以上の磁石を有する鍵手段と、前記鍵手段が前記設定手段に重ねられて前記磁気検出手段に前記磁石のS極又はN極が対向状態に組合された際に、当該磁気検出手段の出力値を検出し、この検出される出力値に応じて、所定の設定を行うように制御する制御手段とを有し、前記鍵手段が前記設定手段に異なる姿勢で少なくとも2回以上重ねられた際に、前記制御手段は、当該2回以上重ねられる毎に検出した前記磁気検出手段の出力値の検出パターンが、予め定められた出力値の第1パターンに一致した場合、所定の設定を行うように制御する磁気式設定装置を備え、傾斜の角度を計測し、当該計測された角度を出力する傾斜センサを有する傾斜計であって、
    前記鍵手段が前記設定手段に異なる姿勢で少なくとも2回以上重ねられた際に、前記制御手段は、当該2回以上重ねられる毎に検出した前記磁気検出手段の出力値の検出パターンが、前記第1パターンに一致した場合、所定の角度をセットする制御を行う
    ことを特徴とする傾斜計。
  5. 前記制御手段は、前記検出パターンが前記第1パターンに一致した際に所定の角度をセットした時点で、前記傾斜センサで計測される角度と、前記セットした角度との差分角度を保持し、この保持以降に当該傾斜センサで計測される角度を、当該角度から前記差分角度を減算して補正する制御を行う
    ことを特徴とする請求項に記載の磁気式設定装置を用いた傾斜計。
  6. 前記制御手段は、前記検出パターンが、前記第1パターンと異なる出力値の第2パターンに一致した際に、前記保持されている前記差分角度を消去又は無効とする制御を行う
    ことを特徴とする請求項に記載の磁気式設定装置を用いた傾斜計。
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