以下、遊技機の一実施形態を図1〜図8にしたがって説明する。
図1に示すように、遊技機としてのパチンコ遊技機10には、遊技盤11が備えられている。パチンコ遊技機10の前面側には、遊技盤11へ遊技球を発射させるとき操作される発射ハンドル12が配設されている。発射ハンドル12を回動操作することにより、遊技球が遊技盤11へ発射される強度を調整することができる。
また、遊技盤11の中央には、表示装置としての演出表示装置14が配設されている。演出表示装置14には、例えば、液晶ディスプレイ型の表示装置や、ドットマトリクス型の表示装置、7セグメント型の表示装置などが用いられる。演出表示装置14では、複数の列(本実施形態では、3列)の飾り図柄を変動表示させて行う飾り図柄変動ゲームが実行される。各列には、複数種類の飾り図柄が表示される。そして、各列の図柄列は、複数種類の飾り図柄により構成される。
本実施形態において飾り図柄変動ゲームには、第1飾り図柄変動ゲームと第2飾り図柄変動ゲームがある。第1飾り図柄変動ゲームは、第1始動口15へ遊技球が入球したことを契機に実行され得る。また、第2飾り図柄変動ゲームは、第2始動口17へ遊技球が入球したことを契機に実行され得る。
因みに、本実施形態のパチンコ遊技機10では、第1飾り図柄変動ゲーム中であっても、当該第1飾り図柄変動ゲームとともに、第2飾り図柄変動ゲームが実行される場合がある。同様に、第2飾り図柄変動ゲーム中であっても、当該第2飾り図柄変動ゲームとともに、第1飾り図柄変動ゲームが行われる場合がある。
飾り図柄変動ゲームでは、各列の飾り図柄として表示される飾り図柄の組み合わせが導出される。そして、大当り抽選に当選する場合、演出表示装置14には、大当りの図柄組み合わせが確定停止表示される。また、小当り抽選に当選する場合、及び大当り抽選及び小当り抽選に非当選する場合、演出表示装置14には、非大当りの図柄組み合わせが確定停止表示される。
因みに、本実施形態において、大当りの図柄組み合わせは、全列の飾り図柄が同一の図柄組み合わせ([777]等)である。また、本実施形態において、非大当りの図柄組み合わせは、全列の飾り図柄が異なる図柄組み合わせ([426]等)、又は1列の飾り図柄が他の2列の飾り図柄と異なる図柄組み合わせ([323]等)である。
本実施形態では、小当りのときとはずれのときで共通の非大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されるが、小当りのときとはずれのときで異なる図柄組み合わせが確定停止表示されるように構成してもよい。例えば、小当りのときは、小当りの図柄組み合わせが確定停止表示され、はずれのときは、はずれの図柄組み合わせが確定停止表示されるように構成することもできる。このとき、小当りのときにはずれの図柄組み合わせに含まれる図柄組み合わせが確定停止表示される場合や、はずれのときに小当りの図柄組み合わせに含まれる図柄組み合わせが確定停止表示される場合などがあってもよい。
遊技盤11において演出表示装置14の下方には、遊技球が入球可能な第1入球口としての入球口を有する第1入球手段としての第1始動口15が配設されている。第1始動口15の入球口は、常時開放されており、遊技球が常時入球可能に構成されている。また、第1始動口15へ入球した遊技球が流下する通路上には、第1始動口15に入球した遊技球を検知する第1始動センサSE1(図3に示す)が設けられている。パチンコ遊技機10では、第1始動口15へ入球した遊技球が第1始動センサSE1によって検知されることを契機として、第1特別図柄変動ゲームの始動条件が成立する。後で詳しく説明するが、本実施形態では、第1特別図柄変動ゲームが実行中、演出表示装置14では第1飾り図柄変動ゲームが実行されるため、第1特別図柄変動ゲームの始動条件が成立することは、第1飾り図柄変動ゲームの始動条件が成立することにも相当する。
また、遊技盤11において演出表示装置14の下方には、遊技球が入球可能な第2入球口としての入球口を有する第2入球手段としての第2始動口17が配設されている。第2始動口17の入球口は、常時開放されており、遊技球が常時入球可能に構成されている。また、第2始動口17へ入球した遊技球が流下する通路上には、第2始動口17に入球した遊技球を検知する第2始動センサSE2(図3に示す)が設けられている。パチンコ遊技機10では、第2始動口17へ入球した遊技球が第2始動センサSE2によって検知されることを契機として、第2特別図柄変動ゲームの始動条件が成立する。後で詳しく説明するが、本実施形態では、第2特別図柄変動ゲームが実行中、演出表示装置14では第2飾り図柄変動ゲームが実行されるため、第2特別図柄変動ゲームの始動条件が成立することは、第2飾り図柄変動ゲームの始動条件が成立することにも相当する。
また、遊技盤11において第1始動口15の左下方には、第1大入賞扉21aを有する第1大入賞口21が配設されている。第1大入賞口21へ遊技球が入球した遊技球が流下する通路上には、第1カウントセンサCS1(図3に示す)が設けられている。第1大入賞扉21aは、第1大入賞アクチュエータDA1(図3に示す)の作動によって開状態と閉状態に変位可能(動作可能)に構成されている。
そして、第1大入賞扉21aが開状態となるとき、第1大入賞口21が開放状態となり、当該第1大入賞口21への遊技球の入球が許容される。一方、第1大入賞扉21aが閉状態となるとき、第1大入賞口21が閉鎖状態となり、当該第1大入賞口21への遊技球の入球が許容されない。第1大入賞口21へ遊技球が入球すると、予め決められた個数の遊技球が賞球として払い出される。このように、第1大入賞口21へ遊技球が入球することで賞球の払出条件が成立し得る。
また、遊技盤11において第2始動口17の上方には、第2大入賞扉22aを有する第2大入賞口22が配設されている。第2大入賞口22へ遊技球が入球した遊技球が流下する通路上には、第2カウントセンサCS2(図3に示す)が設けられている。第2大入賞扉22aは、第2大入賞アクチュエータDA2(図3に示す)の作動によって開状態と閉状態に変位可能(動作可能)に構成されている。
そして、第2大入賞扉22aが開状態となるとき、第2大入賞口22が開放状態となり、当該第2大入賞口22への遊技球の入球が許容される。一方、第2大入賞扉22aが閉状態となるとき、第2大入賞口22が閉鎖状態となり、当該第2大入賞口22への遊技球の入球が許容されない。第2大入賞口22へ遊技球が入球すると、予め決められた個数の遊技球が賞球として払い出される。このように、第2大入賞口22へ遊技球が入球することで賞球の払出条件が成立し得る。
パチンコ遊技機10では、大当り抽選に当選した場合、大当り遊技が生起(付与)される。大当り遊技の生起中には、第1大入賞口21又は第2大入賞口22が開放状態となり、第1大入賞口21又は第2大入賞口22への遊技球の入球が許容される。また、大当り遊技では、複数回の開放遊技が行われる。開放遊技では、第1大入賞口21又は第2大入賞口22が開放状態となる。1回の開放遊技は、開放遊技の終了条件が成立するまでの間、行われる。パチンコ遊技機10において、開放遊技の終了条件は、上限開放時間が経過すること又は、大入賞口21,22に上限入球個数の遊技球が入球することによって成立する。
また、パチンコ遊技機10では、小当り抽選に当選した場合、小当り遊技が生起される。小当り遊技の生起中には、第2大入賞口22が開放状態となり、第2大入賞口22への遊技球の入球が許容される。小当り遊技は、小当り遊技の終了条件が成立するまでの間、生起される。小当り遊技の終了条件は、予め決められた開放態様で第2大入賞口22が開閉されること又は、第2大入賞口22に上限入球個数の遊技球が入球することによって成立する。このように、大当り抽選と小当り抽選のうち少なくとも小当り抽選に当選したことを契機に遊技球の入球が許容される第2大入賞口22が、本実施形態において特別入球手段として機能する。
遊技盤11において演出表示装置14の左下方には、複数の発光部材によって構成される第1特別図柄表示装置25が配設されている。また、遊技盤11において演出表示装置14の右下方には、複数の発光部材によって構成される第2特別図柄表示装置27が配設されている。本実施形態のパチンコ遊技機10では、各特別図柄表示装置25,27として、7セグメント型の表示装置が用いられている。
各特別図柄表示装置25,27では、特別図柄変動ゲームが実行される。具体的に、第1特別図柄表示装置25では、第1特別図柄変動ゲームが実行される。第2特別図柄表示装置27では、第2特別図柄変動ゲームが実行される。特別図柄変動ゲームでは、大当り抽選や小当り抽選などの当り抽選の抽選結果に応じた特別図柄が停止して表示される。
各特別図柄表示装置25,27では、各特別図柄表示装置25,27を構成する発光部材の点灯及び消灯の組み合わせによる特別図柄を用いて、特別図柄変動ゲームが実行される。第1特別図柄表示装置25にて第1特別図柄変動ゲームの実行が開始されると、演出表示装置14では、第1飾り図柄変動ゲームが実行される。同様に、第2特別図柄表示装置27にて第2特別図柄変動ゲームの実行が開始されると、演出表示装置14では、第2飾り図柄変動ゲームが実行される。
第1特別図柄表示装置25には、第1始動口15への遊技球の入球を契機に行われた大当り抽選(以下、「第1の大当り抽選」という)に当選した際、大当り図柄が停止して表示される。第1特別図柄表示装置25に大当り図柄が停止して表示される際、演出表示装置14では、第1飾り図柄変動ゲームにて大当りの図柄組み合わせが確定停止表示される。また、第1特別図柄表示装置25には、第1始動口15への遊技球の入球を契機に行われた小当り抽選(以下、「第1の小当り抽選」という)に当選した際、小当り図柄が停止して表示される。第1特別図柄表示装置25に小当り図柄が停止して表示される際、演出表示装置14では、第1飾り図柄変動ゲームにて非大当りの図柄組み合わせが確定停止表示される。また、第1特別図柄表示装置25には、第1の大当り抽選と第1の小当り抽選に非当選した際、はずれ図柄が停止して表示される。第1特別図柄表示装置25にはずれ図柄が停止して表示される際、演出表示装置14では、第1飾り図柄変動ゲームにて非大当りの図柄組み合わせが確定停止表示される。
なお、第1特別図柄表示装置25に特別図柄が停止して表示されるまでの間、つまり、第1特別図柄変動ゲーム中、第1特別図柄表示装置25では、特別図柄が変動して表示される。因みに、本実施形態では、第1特別図柄表示装置25にて特別図柄が変動して表示される場合、当該第1特別図柄表示装置25を構成する複数の発光部材のうち少なくとも1つの発光部材が点滅する。
同様に、第2特別図柄表示装置27には、第2始動口17への遊技球の入球を契機に行われた大当り抽選(以下、「第2の大当り抽選」という)に当選した際、大当り図柄が停止して表示される。第2特別図柄表示装置27に大当り図柄が停止して表示される際、演出表示装置14では、第2飾り図柄変動ゲームにて大当りの図柄組み合わせが確定停止表示される。また、第2特別図柄表示装置27には、第2始動口17への遊技球の入球を契機に行われた小当り抽選(以下、「第2の小当り抽選」という)に当選した際、小当り図柄が停止して表示される。第2特別図柄表示装置27に小当り図柄が停止して表示される際、演出表示装置14では、第2飾り図柄変動ゲームにて非大当りの図柄組み合わせが確定停止表示される。また、第2特別図柄表示装置27には、第2の大当り抽選と第2の小当り抽選に非当選した際、はずれ図柄が停止して表示される。第2特別図柄表示装置27にはずれ図柄が停止して表示される際、演出表示装置14では、第1飾り図柄変動ゲームにて非大当りの図柄組み合わせが確定停止表示される。
なお、第2特別図柄表示装置27に特別図柄が停止して表示されるまでの間、つまり、第2特別図柄変動ゲーム中、第2特別図柄表示装置27では、特別図柄が変動して表示される。因みに、本実施形態では、第2特別図柄表示装置27にて特別図柄が変動して表示される場合、当該第2特別図柄表示装置27を構成する複数の発光部材のうち少なくとも1つの発光部材が点滅する。
以下の説明において、「第1の図柄変動ゲーム」という場合には、第1特別図柄変動ゲームと第1飾り図柄変動ゲームを意味し、「第2の図柄変動ゲーム」という場合には、第2特別図柄変動ゲームと第2飾り図柄変動ゲームを意味する。また、単に「図柄変動ゲーム」という場合、第1の図柄変動ゲームと第2の図柄変動ゲームを意味する。
遊技盤11において第1特別図柄表示装置25の下方には、複数の発光部材によって構成される第1保留表示装置26が配設されている。本実施形態では、第1特別図柄変動ゲームの実行を保留可能に構成されている。そして、第1保留表示装置26では、当該第1保留表示装置26を構成する発光部材の点灯や点滅、消灯によって、実行が保留されている第1特別図柄変動ゲームの回数(以下、「第1保留記憶数」という)が示される。
遊技盤11において第2特別図柄表示装置27の下方には、複数の発光部材によって構成される第2保留表示装置28が配設されている。本実施形態では、第2特別図柄変動ゲームの実行を保留可能に構成されている。そして、第2保留表示装置28では、当該第2保留表示装置28を構成する発光部材の点灯や点滅、消灯によって、実行が保留されている第2特別図柄変動ゲームの回数(以下、「第2保留記憶数」という)が示される。
なお、第1特別図柄変動ゲームの実行が保留されることは、第1始動口15への入球を契機として行われる第1の当り抽選(第1の大当り抽選や第1の小当り抽選)が保留されることに相当する。また、実行が保留されている第1特別図柄変動ゲームとは、始動条件が成立している一方で実行開始条件が成立していない第1の図柄変動ゲームに相当する。同様に、第2特別図柄変動ゲームの実行が保留されることは、第2始動口17への入球を契機として行われる第2の当り抽選(第2の大当り抽選や第2の小当り抽選)が保留されることに相当する。また、実行が保留されている第2特別図柄変動ゲームとは、始動条件が成立している一方で実行開始条件が成立していない第2の図柄変動ゲームに相当する。
遊技盤11に定められる遊技領域内の中央最下部には、入球した遊技球をパチンコ遊技機10の外部へと排出するアウト口29が形成されている。また、パチンコ遊技機10には、発光演出を行う発光手段としての装飾ランプLAが配設されている。また、パチンコ遊技機10には、音声演出を行う音声出力手段としてのスピーカSPが配設されている。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、遊技盤11に配設された演出表示装置14の正面視左側を流下する遊技球は、第1始動口15や第1大入賞口21へ入球し得る一方で、第2始動口17や第2大入賞口22へ入球し得ない。その一方で、遊技盤11に配設された演出表示装置14の正面視右側を流下する遊技球は、第2始動口17や第2大入賞口22へ入球し得る一方で、第1始動口15や第1大入賞口21へ入球し得ない。
つまり、第1始動口15へ入球可能な遊技球の流下経路上には、第1大入賞口21が配設されている一方で、第2始動口17及び第2大入賞口22は配設されていない。また、第2始動口17へ入球可能な遊技球の流下経路上には、第2大入賞口22が配設されている一方で、第1始動口15及び第1大入賞口21が配設されていない。
そして、演出表示装置14の正面視左側と正面視右側のうち何れを流下するかによって入球し得るところを異ならせるため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、流下方向変更部材となる障害釘や風車などが遊技盤11に配設されている。
以下の説明において、「第1始動口15への入球を狙って遊技球を発射する」という場合、第1始動口15へ入球可能な遊技球の流下経路を流下するように遊技球を発射することを意味する。同様に、「第2始動口17への入球を狙って遊技球を発射する」という場合、第2始動口17へ入球可能な遊技球の流下経路を流下するように遊技球を発射することを意味する。
また、パチンコ遊技機10は、確率変動状態(以下、「確変状態」という)が生起される場合がある。確変状態が生起(付与)されているとき、確変状態が生起されていないときよりも大当り抽選の当選確率が高くなる。
なお、確変状態が生起されていないとき、第1の大当り抽選の当選確率と第2の大当り抽選の当選確率は、同一である。また、確変状態が生起されているとき、第1の大当り抽選の当選確率と第2の大当り抽選の当選確率は、同一である。また、第1の小当り抽選や第2の小当り抽選などの小当り抽選の当選確率は、確変状態が生起されているか否かに応じて変化しない。
本実施形態では、確変状態が生起されているときの大当り抽選の当選確率は、確変状態が生起されていないときの大当り抽選の当選確率よりも高いものの、略同一(例えば、0.1%未満の差)に近い当選確率となっている。このため、必ずしも確変状態が生起されているときの方が、確変状態が生起されていないときよりも遊技者にとって有利であるわけではない。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り遊技が終了したことを条件に、確変状態が生起される。そして、大当り遊技終了後に確変状態が生起された連続回数は、所定回数までに制限される。そして、本実施形態では、確変状態が生起されていないときから生起された大当り遊技の回数が、所定回数よりも1多い回数に相当する上限回数に達するまでは、大当り遊技終了後に確変状態が生起される。一方、確変状態が生起されていないときから生起された大当り遊技の回数が上限回数に達すると、大当り遊技終了後に確変状態は生起されない。なお、大当り抽選に当選しなければ大当り遊技が生起されないことから、大当り遊技が生起(付与)された回数は、大当り抽選に当選した回数ともいえる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機10では、上限回数を「4回」としているが、上限回数が「2回」や「7回」であってもよい。
因みに、確変状態が生起されていないときに大当り抽選に当選して大当り遊技終了後に確変状態が生起されてから再び大当り遊技終了後に確変状態が生起されなくなるまでの期間において、各大当り遊技が生起されている間は、一時的に確変状態が生起されていない状態となる。
次に、図2(a),(b)に基づき、大当りの種類について説明する。本実施形態では、第1の大当り抽選と第2の大当り抽選で、当選した際に決定され得る大当りの種類や、各種大当りが決定される割合を異ならせている。
図2(a)に示すように、第1の大当り抽選に当選した際に決定され得る大当りには、第11の大当り、第12の大当り及び第13の大当りがある。因みに、本実施形態において第1の大当り抽選に当選した場合、70%の確率で第11の大当り、25%の確率で第12の大当り、5%の確率で第13の大当りが決定される。
図2(b)に示すように、第2の大当り抽選に当選した際に決定され得る大当りには、第21の大当り及び第22の大当りがある。因みに、本実施形態において第2の大当り抽選に当選した場合、70%の確率で第21の大当り、30%の確率で第22の大当りが決定される。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、第11の大当り、第12の大当り、第13の大当り、第21の大当り及び第22の大当りのうち何れの大当りに基づく大当り遊技であっても、大当り遊技において同一回数の開放遊技が行われる。また、第11の大当り及び第12の大当りに基づく大当り遊技では、第1大入賞口21が開放状態となる。一方、第13の大当り、第21の大当り及び第22の大当りに基づく大当り遊技では、第2大入賞口22が開放状態となる。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機10において、大当り遊技において大入賞口21,22が開放状態となる1回あたりの時間は、開放状態となった大入賞口21,22へ遊技球を入球させることの困難な時間(例えば、0.6秒以下)となっている。したがって、本実施形態では、大当り遊技が生起されたとしても、当該大当り遊技の生起によって所持している遊技球(持ち球)の個数を増加させることは困難となっている。
次に、小当りについて説明する。
前述したように、小当り抽選の当選を契機として小当り遊技が生起(付与)された場合、当該小当り遊技中は予め決められた態様で第2大入賞口22が開放状態となり、第2大入賞口22への遊技球の入球が許容される。
本実施形態における小当り遊技では、少なくとも1回は第2大入賞口22が、当該第2大入賞口22へ遊技球を入球させることが容易な時間だけ開放状態となる。具体的に、本実施形態の小当り遊技において第2大入賞口22は、1.5秒間だけ開放状態(1回目の開放)となった後、0.5秒間だけ閉鎖状態となり、再び2秒間だけ開放状態(2回目の開放)となる。本実施形態のパチンコ遊技機10において、小当り遊技中、第2大入賞口22への遊技球の入球が複数回許容されるが、1回の小当り遊技において1回だけ第2大入賞口22への遊技球の入球が許容されるように構成してもよい。また、小当り抽選に当選した場合、当該小当り抽選の当選を契機として確変状態の生起が終了したり、確変状態が生起されたりすることはなく、遊技状態が維持される。
次に、図3に基づき、パチンコ遊技機10の制御構成について説明する。
パチンコ遊技機10の裏側には、主制御部としての主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御コマンドを出力する。また、パチンコ遊技機10の裏側には、副制御部としての副制御基板31が装着されている。副制御基板31は、主制御基板30が出力した制御コマンドに基づき、演出表示装置14の表示態様(図柄、背景、文字等の表示画像等)や、装飾ランプLAの発光態様、スピーカSPの音声出力態様を制御する。
以下、主制御基板30及び副制御基板31の具体的構成を説明する。
まず、主制御基板30について説明する。
主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30a、主制御用CPU30aの制御プログラムを格納する主制御用ROM30b及び必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cが設けられている。
主制御用CPU30aには、第1始動センサSE1及び第2始動センサSE2が接続されている。また、主制御用CPU30aには、第1カウントセンサCS1及び第2カウントセンサCS2が接続されている。各種センサSE1,SE2,CS1,CS2は、遊技球を検知した際に出力する検知信号を主制御用CPU30aが入力できるように、主制御用CPU30aに接続されている。
また、主制御用CPU30aには、各特別図柄表示装置25,27が接続されている。また、主制御用CPU30aには、各保留表示装置26,28が接続されている。また、主制御用CPU30aには、各アクチュエータDA1,DA2が接続されている。
主制御用ROM30bには、変動情報としての変動パターンと、変動情報群(変動パターン群)としての変動パターンテーブルが記憶されている。変動パターンテーブルは、複数種類の変動パターンのうち決定可能な変動パターンによって構成されており、決定可能な各種変動パターンの決定率(決定割合)が定められている。なお、変動パターンテーブルは、決定可能でない変動パターンを含んで構成されていてもよく、当該決定可能でない変動パターンの決定率が「0%」であれば決定可能な変動パターンでのみ変動パターンテーブルが構成されている場合と同じように変動パターンが決定されることになる。また、変動パターンテーブルの種類によって、決定可能な変動パターンの種類や、各種変動パターンの決定確率(決定割合)などが異なる。各種の変動パターンテーブルに関する説明は、後ほど行う。
変動パターンには、図柄変動ゲームの変動時間が定められている。本実施形態において「図柄変動ゲームの変動時間」とは、特別図柄変動ゲームが開始してから当該特別図柄変動ゲームが終了するまでの時間をいう。また、変動パターンからは、演出表示装置14、装飾ランプLA及びスピーカSPにて行われる演出の内容を特定可能に構成されている。
変動パターンには、大当り演出用の変動パターンと、非大当り演出用の変動パターンと、がある。大当り演出用の変動パターンは、大当りのとき(大当り抽選に当選した場合)に決定可能な変動パターンである。非大当り演出用の変動パターンは、大当りでないとき、つまり、小当りのとき(小当り抽選に当選した場合)やはずれのとき(大当り抽選と小当り抽選の何れにも非当選した場合)に決定可能な変動パターンである。
本実施形態では、小当りのときとはずれのときで共通の非大当り演出用の変動パターンが決定されるが、小当りのときとはずれのときで異なる変動パターンが決定されるように構成してもよい。例えば、小当りのときは、小当り演出用の変動パターンが決定され、はずれのときは、はずれ演出用の変動パターンが決定されるように構成することもできる。このとき、小当りのときにはずれ演出用の変動パターンが決定される場合や、はずれのときに小当り演出用の変動パターンが決定される場合などがあってもよい。
また、主制御用ROM30bには、各種の判定値が記憶されている。例えば、主制御用ROM30bには、大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値である。確変状態が生起されているときの大当り判定値の個数は、確変状態が生起されていないときの大当り判定値の個数よりも多くなっている。また、確変状態が生起されているときの大当り判定値には、確変状態が生起されていないときの大当り判定値の全てが含まれている。
また、主制御用ROM30bには、小当り判定値が記憶されている。小当り判定値は、小当り抽選で用いる判定値である。第1の小当り抽選で用いる小当り判定値の個数は、第2の小当り抽選で用いる小当り判定値の個数よりも少なくなっている。つまり、第2の小当り抽選の当選確率は、第1の小当り抽選の当選確率よりも高く定められている。また、小当り判定値は、大当り判定値とは異なる値で定められている。
図4に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10では、第1始動口15への入球を契機に行われる大当り抽選(第1の大当り抽選)の当選確率と、第2始動口17への入球を契機に行われる大当り抽選(第2の大当り抽選)の当選確率と、は何れも確変状態が生起されていない状況では同じ当選確率(図面では、「1/40」と示す)となる。同様に、第1の大当り抽選の当選確率と第2の大当り抽選の当選確率は、何れも確変状態が生起されている状況では同じ当選確率(図面では、「1/39.9」と示す)となる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、第1始動口15への入球を契機に行われる小当り抽選(第1の小当り抽選)の当選確率と、第2始動口17への入球を契機に行われる小当り抽選(第2の小当り抽選)の当選確率と、は確変状態が生起されているか否かに応じて変化しない。また、本実施形態では、第1の小当り抽選の当選確率(図面では、「1/40」と示す)よりも、第2の小当り抽選の当選確率(図面では、「38/40」と示す)の方が高くなっている。このように、第2始動口17へ遊技球が入球した場合、第2の大当り抽選に当選しなければ100%に近い確率(例えば、85%〜100%の確率)で、第2の小当り抽選に当選する。
本実施形態において、確変状態が生起されていない状態が第1確率抽選状態に相当し、確変状態が生起されていないときの大当り抽選の当選確率が第1確率に相当する。一方、本実施形態において、確変状態が生起されている状態が第2確率抽選状態に相当し、確変状態が生起されているときの大当り抽選の当選確率が第2確率に相当する。
主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグ等)が記憶(設定)される。例えば、主制御用RAM30cには、確変状態の生起中であるか否かを示す主高確フラグが記憶される。また、主制御用RAM30cには、参照する変動パターンテーブルの種類を特定可能なテーブル情報が記憶されている。
主制御基板30内では、当り判定用乱数や、特別図柄振分用乱数、変動パターン振分用乱数として使用される各種乱数(数値データ、数値情報)が生成される。因みに、当り判定用乱数は、大当り抽選や小当り抽選に用いる乱数である。特別図柄振分用乱数は、大当りの種類を決定する際に用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、変動パターンを決定する際に用いる乱数である。なお、各種乱数として使用される乱数は、ハードウェア乱数であってもよいし、ソフトウェア乱数であってもよい。
次に、副制御基板31について説明する。
図3に示すように、副制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行する副制御用CPU31aと、副制御用CPU31aの制御プログラムを格納する副制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる副制御用RAM31cが設けられている。
副制御用CPU31aには、演出表示装置14が接続されている。また、副制御用CPU31aには、装飾ランプLAが接続されている。また、副制御用CPU31aには、スピーカSPが接続されている。
副制御用ROM31bには、各種画像表示データ(飾り図柄、背景画像等の画像データ)、各種の発光用データ及び各種の音声用データが記憶されている。
副制御用RAM31cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグ等)が記憶(設定)される。例えば、副制御用RAM31cには、確変状態の生起中であるか否かを示す副高確フラグが記憶される。
以下、主制御基板30の主制御用CPU30aや副制御基板31の副制御用CPU31aが実行する制御内容を説明する。
まず、主制御基板30の主制御用CPU30aが、制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
最初に、特別図柄入力処理について説明する。
主制御用CPU30aは、第1始動センサSE1が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM30cに記憶されている第1保留記憶数が上限数(本実施形態では、「4」)未満であるか否かの第1保留判定を行う。第1保留判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数に1加算し、第1保留記憶数を書き換える。また、主制御用CPU30aは、書き換え後の第1保留記憶数を表すように、第1保留表示装置26の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、1加算後の第1保留記憶数を特定可能な第1保留数コマンドを副制御用CPU31aに出力する。
また、第1保留判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御基板30内で生成されている各種乱数(当り判定用乱数、特別図柄振分用乱数及び変動パターン振分用乱数)の値を取得するとともに、該取得した各種乱数の値を特定可能な乱数情報を、主制御用RAM30cに記憶させる。このとき取得される各種乱数の値は、第1特別図柄変動ゲームに関わる各種乱数の値に相当する。以下、第1特別図柄変動ゲームに関わる各種乱数の値を特定可能な乱数情報を、「第1乱数情報」という。
第1乱数情報は、乱数の値によって構成されていてもよいし、乱数の値を特定可能な他の情報に変換した情報によって構成されていてもよい。また、主制御用CPU30aは、第1乱数情報を記憶させる場合、その乱数の値の取得契機となった遊技球の入球順序(情報の記憶順序)と、先に入球した遊技球の入球順序(情報の記憶順序)とが特定可能なように主制御用RAM30cに記憶させる。このように、第1特別図柄変動ゲームに関わる各種乱数の値を特定可能な第1乱数情報を主制御用RAM30cに記憶することにより、第1の大当り抽選や第1の小当り抽選の対象となる第1の図柄変動ゲームの実行が保留される。
また、第1保留判定の判定結果が否定の場合又は第1特別図柄変動ゲームに関わる各種乱数の値を取得した後、主制御用CPU30aは、第2始動センサSE2が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM30cに記憶されている第2保留記憶数が上限数(本実施形態では、「4」)未満であるか否かの第2保留判定を行う。第2保留判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数に1加算し、第2保留記憶数を書き換える。また、主制御用CPU30aは、書き換え後の第2保留記憶数を表すように、第2保留表示装置28の表示内容を制御する。
また、第2保留判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御基板30内で生成されている各種乱数(当り判定用乱数、特別図柄振分用乱数及び変動パターン振分用乱数)の値を取得するとともに、当該各種乱数の値を特定可能な乱数情報を、主制御用RAM30cに記憶させる。このとき取得される各種乱数の値は、第2特別図柄変動ゲームに関わる各種乱数の値に相当する。以下、第2特別図柄変動ゲームに関わる各種乱数の値を特定可能な乱数情報を、「第2乱数情報」という。
第2乱数情報は、第1乱数情報と同様、乱数の値によって構成されていてもよいし、乱数の値を特定可能な他の情報に変換した情報によって構成されていてもよい。また、主制御用CPU30aは、第2乱数情報を記憶させる場合、その乱数の値の取得契機となった遊技球の入球順序(情報の記憶順序)と、先に入球した遊技球の入球順序(情報の記憶順序)とが特定可能なように主制御用RAM30cに記憶させる。このように、第2特別図柄変動ゲームに関わる各種乱数の値を特定可能な第2乱数情報を主制御用RAM30cに記憶することにより、第2の大当り抽選や第2の小当り抽選の対象となる第2の図柄変動ゲームの実行が保留される。
そして、第2保留判定の判定結果が否定の場合又は第2特別図柄変動ゲームに関わる各種乱数の値を取得した後、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
次に、第1特別図柄開始処理について説明する。
第1特別図柄開始処理において主制御用CPU30aは、第1特別図柄変動ゲーム中又は当り遊技(大当り遊技、小当り遊技)中であるか否かの第1特別図柄実行中判定を行う。第1特別図柄実行中判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、第1特別図柄開始処理を終了する。一方、第1特別図柄実行中判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cを参照し、第1特別図柄変動ゲームの実行が保留されているか否かの第1保留判定を行う。第1保留判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、第1特別図柄開始処理を終了する。
一方、第1保留判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数から1減算して第1保留記憶数を書き換えるとともに、主制御用RAM30cに記憶されている第1乱数情報(当り判定用乱数、特別図柄振分用乱数及び変動パターン振分用乱数の値を特定可能な乱数情報)を読み出す。更に、主制御用CPU30aは、書き換え後の第1保留記憶数を表すように、第1保留表示装置26の表示内容を制御する。
また、主制御用CPU30aは、読み出した第1乱数情報から特定可能な当り判定用乱数の値が大当り判定値と一致するか否かを判定して大当り抽選(第1の大当り抽選)を行う。このとき、主制御用CPU30aは、確変状態の生起中であるか否かに応じた大当り判定値を用いて大当り抽選を行う。
そして、第1の大当り抽選に当選した場合、主制御用CPU30aは、読み出した第1乱数情報から特定可能な特別図柄振分用乱数の値に基づき、第1特別図柄表示装置25に停止して表示させる大当り図柄を決定する。具体的に、主制御用CPU30aは、第11の大当り、第12の大当り及び第13の大当りのうち何れかに対応する大当り図柄の中から大当り図柄を決定する。主制御用CPU30aは、大当り図柄を決定することにより、大当りの種類を決定する。
その後、主制御用CPU30aは、テーブル情報から特定可能な変動パターンテーブルを参照し、読み出した第1乱数情報から特定可能な変動パターン振分用乱数の値に基づき大当り演出用の変動パターンを決定し、第1特別図柄開始処理を終了する。
一方、第1の大当り抽選に非当選した場合、主制御用CPU30aは、読み出した第1乱数情報から特定可能な当り判定用乱数の値が、小当り判定値と一致するか否かを判定して小当り抽選(第1の小当り抽選)を行う。
そして、第1の小当り抽選に当選した場合、主制御用CPU30aは、第1特別図柄表示装置25に停止して表示させる特別図柄として小当り図柄を決定する。その後、主制御用CPU30aは、テーブル情報から特定可能な変動パターンテーブルを参照し、読み出した第1乱数情報から特定可能な変動パターン振分用乱数の値に基づき非大当り演出用の変動パターンを決定し、第1特別図柄開始処理を終了する。
また、第1の大当り抽選及び第1の小当り抽選に非当選した場合、主制御用CPU30aは、第1特別図柄表示装置25に停止して表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定する。その後、主制御用CPU30aは、テーブル情報から特定可能な変動パターンテーブルを参照し、読み出した第1乱数情報から特定可能な変動パターン振分用乱数の値に基づき非大当り演出用の変動パターンを決定し、第1特別図柄開始処理を終了する。
第1特別図柄開始処理にて変動パターンを決定すると、主制御用CPU30aは、決定した内容にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングで副制御用CPU31aに出力する。具体的に、主制御用CPU30aは、変動パターンを指定するとともに第1飾り図柄変動ゲームの開始を指示する第1の変動パターン指定コマンドを出力する。それとともに、主制御用CPU30aは、第1特別図柄開始処理にて決定した特別図柄を指定する第1の特別図柄指定コマンドを副制御用CPU31aに出力する。更に、主制御用CPU30aは、第1特別図柄変動ゲームを開始するように第1特別図柄表示装置25の特別図柄を変動させて表示するように制御する。そして、主制御用CPU30aは、指定した変動パターンに定められている変動時間の経過時に第1飾り図柄変動ゲームの終了を指示する第1の終了コマンドを前記変動時間の経過に伴って出力するとともに、決定した特別図柄を停止して表示させるように第1特別図柄表示装置25の表示内容を制御する。
次に、第2特別図柄開始処理について説明する。
第2特別図柄開始処理において主制御用CPU30aは、第2特別図柄変動ゲーム中又は当り遊技(大当り遊技、小当り遊技)中であるか否かの第2特別図柄実行中判定を行う。第2特別図柄実行中判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、第2特別図柄開始処理を終了する。一方、第2特別図柄実行中判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cを参照し、第2特別図柄変動ゲームの実行が保留されているか否かの第2保留判定を行う。第2保留判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、第2特別図柄開始処理を終了する。
一方、第2保留判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数から1減算して第2保留記憶数を書き換えるとともに、主制御用RAM30cに記憶されている第2乱数情報(当り判定用乱数、特別図柄振分用乱数及び変動パターン振分用乱数の値を特定可能な乱数情報)を読み出す。更に、主制御用CPU30aは、書き換え後の第2保留記憶数を表すように、第2保留表示装置28の表示内容を制御する。
また、主制御用CPU30aは、読み出した第2乱数情報から特定可能な当り判定用乱数の値が大当り判定値と一致するか否かを判定して大当り抽選(第2の大当り抽選)を行う。このとき、主制御用CPU30aは、確変状態の生起中であるか否かに応じた大当り判定値を用いて大当り抽選を行う。
そして、第2の大当り抽選に当選した場合、主制御用CPU30aは、読み出した第2乱数情報から特定可能な特別図柄振分用乱数の値に基づき、第2特別図柄表示装置27に停止して表示させる大当り図柄を決定する。具体的に、主制御用CPU30aは、第21の大当り及び第22の大当りのうち何れかに対応する大当り図柄の中から大当り図柄を決定する。主制御用CPU30aは、大当り図柄を決定することにより、大当りの種類を決定する。
その後、主制御用CPU30aは、テーブル情報から特定可能な変動パターンテーブルを参照し、読み出した第2乱数情報から特定可能な変動パターン振分用乱数の値に基づき大当り演出用の変動パターンを決定し、第2特別図柄開始処理を終了する。
一方、第2の大当り抽選に非当選した場合、主制御用CPU30aは、読み出した第2乱数情報から特定可能な当り判定用乱数の値が、小当り判定値と一致するか否かを判定して小当り抽選(第2の小当り抽選)を行う。
そして、第2の小当り抽選に当選した場合、主制御用CPU30aは、第2特別図柄表示装置27に停止して表示させる特別図柄として小当り図柄を決定する。その後、主制御用CPU30aは、テーブル情報から特定可能な変動パターンテーブルを参照し、読み出した第2乱数情報から特定可能な変動パターン振分用乱数の値に基づき非大当り演出用の変動パターンを決定し、第2特別図柄開始処理を終了する。
また、第2の大当り抽選及び第2の小当り抽選に非当選した場合、主制御用CPU30aは、第2特別図柄表示装置27に停止して表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定する。その後、主制御用CPU30aは、テーブル情報から特定可能な変動パターンテーブルを参照し、読み出した第2乱数情報から特定可能な変動パターン振分用乱数の値に基づき非大当り演出用の変動パターンを決定し、第2特別図柄開始処理を終了する。
第2特別図柄開始処理にて変動パターンを決定すると、主制御用CPU30aは、決定した内容にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングで副制御用CPU31aに出力する。具体的に、主制御用CPU30aは、変動パターンを指定するとともに第2飾り図柄変動ゲームの開始を指示する第2の変動パターン指定コマンドを出力する。それとともに、主制御用CPU30aは、第2特別図柄開始処理にて決定した特別図柄を指定する第2の特別図柄指定コマンドを副制御用CPU31aに出力する。更に、主制御用CPU30aは、第2特別図柄変動ゲームを開始するように第2特別図柄表示装置27の特別図柄を変動させて表示するように制御する。そして、主制御用CPU30aは、指定した変動パターンに定められている変動時間の経過時に第2飾り図柄変動ゲームの終了を指示する第2の終了コマンドを前記変動時間の経過に伴って出力するとともに、決定した特別図柄を停止して表示させるように第2特別図柄表示装置27の表示内容を制御する。
以上のように、本実施形態において、第1の大当り抽選や第2の大当り抽選などの大当り抽選を行う主制御用CPU30aが、大当り抽選手段として機能する。また、本実施形態において、第1の小当り抽選や第2の小当り抽選などの小当り抽選を行う主制御用CPU30aが、小当り抽選手段として機能する。また、本実施形態において、変動パターン群に相当する変動パターンテーブルから変動パターンを決定する主制御用CPU30aが、変動パターン決定手段として機能する。
次に、大当り抽選又は小当り抽選に当選した場合に、当該当選の対象となる特別図柄変動ゲームの終了後、主制御用CPU30aが行う当り遊技処理について説明する。
当り遊技処理において主制御用CPU30aは、大当り抽選に当選した場合、当該大当り抽選の当選対象となる特別図柄変動ゲームの終了後、第1大入賞口21又は第2大入賞口22の開放状態及び閉鎖状態を制御し、大当り遊技を生起させる。また、主制御用CPU30aは、小当り抽選に当選した場合、当該小当り抽選の当選対象となる特別図柄変動ゲームの終了後、第2大入賞口22の開放状態及び閉鎖状態を制御し、小当り遊技を生起させる。このように、本実施形態において、第2大入賞口22を開放状態に制御することで、第2大入賞口22への遊技球の入球を許容するように特別入球手段となる第2大入賞口22を制御可能な主制御用CPU30aが、特別入球制御手段として機能する。
当り遊技処理において主制御用CPU30aは、第1の大当り抽選の当選対象となる第1特別図柄変動ゲームの終了後に大当り遊技を生起させる際、大当り遊技が終了するまでの間、第1の大当り抽選の当選を契機とする大当り遊技の生起中であることを示す情報として第1大当り生起中情報を主制御用RAM30cに記憶する。それとともに、主制御用CPU30aは、第2特別図柄変動ゲームの実行中である場合、当該第2特別図柄変動ゲームを強制的に終了させる。このとき、主制御用CPU30aは、第2の大当り抽選や第2の小当り抽選の抽選結果に関係なく、はずれ図柄を停止して表示するように第2特別図柄表示装置27の表示内容を制御する。すなわち、実行中の第2特別図柄変動ゲームが大当りや小当りとなる場合であっても、第1の大当り抽選に当選して大当り遊技が生起されると、前記実行中の第2特別図柄変動ゲームは強制的にはずれとなる。また、主制御用CPU30aは、第1の大当り抽選に当選して大当り遊技が生起されること、つまり、第1大当り生起中情報が主制御用RAM30cに記憶されることを条件に、第2特別図柄変動ゲームの強制終了を特定可能な第2中止コマンドを副制御用CPU31aに出力する。
また、当り遊技処理において主制御用CPU30aは、第1の小当り抽選の当選対象となる第1特別図柄変動ゲームの終了後に小当り遊技を生起させる際、小当り遊技が終了するまでの間、第1の小当り抽選の当選を契機とする小当り遊技の生起中であることを示す情報として第1小当り生起中情報を主制御用RAM30cに記憶する。それとともに、主制御用CPU30aは、第2特別図柄変動ゲームの実行中である場合、当該第2特別図柄変動ゲームを強制終了させる。このとき、主制御用CPU30aは、第2の大当り抽選や第2の小当り抽選の抽選結果に関係なく、はずれ図柄を停止して表示するように第2特別図柄表示装置27の表示内容を制御する。すなわち、実行中の第2特別図柄変動ゲームが大当りや小当りとなる場合であっても、第1の小当り抽選に当選して小当り遊技が生起されると、前記実行中の第2特別図柄変動ゲームは強制的にはずれとなる。また、主制御用CPU30aは、第1の小当り抽選に当選して小当り遊技が生起されること、つまり、第1小当り生起中情報が主制御用RAM30cに記憶されることを条件に、第2中止コマンドを副制御用CPU31aに出力する。
なお、本実施形態では、第1の大当り抽選に当選して大当り遊技が生起される場合と第1の小当り抽選に当選して小当り遊技が生起される場合で、主制御用RAM30cに記憶される情報を異ならせたが、異ならせなくてもよい。例えば、第1の大当り抽選の当選を契機とする大当り遊技の生起中と第1の小当り抽選の当選を契機とする小当り遊技の生起中は、第1当り生起中情報が主制御用RAM30cに記憶されるように構成してもよい。
当り遊技処理において主制御用CPU30aは、第2の大当り抽選の当選対象となる第2特別図柄変動ゲームの終了後に大当り遊技を生起させる際、大当り遊技が終了するまでの間、第2の大当り抽選の当選を契機とする大当り遊技の生起中であることを示す情報として第2大当り生起中情報を主制御用RAM30cに記憶する。それとともに、主制御用CPU30aは、第1特別図柄変動ゲームの実行中である場合、当該第1特別図柄変動ゲームを強制的に終了させる。このとき、主制御用CPU30aは、第1の大当り抽選や第1の小当り抽選の抽選結果に関係なく、はずれ図柄を停止して表示するように第1特別図柄表示装置25の表示内容を制御する。すなわち、実行中の第1特別図柄変動ゲームが大当りや小当りとなる場合であっても、第2の大当り抽選に当選して大当り遊技が生起されると、前記実行中の第1特別図柄変動ゲームは強制的にはずれとなる。また、主制御用CPU30aは、第2の大当り抽選に当選して大当り遊技が生起されること、つまり、第2大当り生起中情報が主制御用RAM30cに記憶されることを条件に、第1特別図柄変動ゲームの強制終了を特定可能な第1中止コマンドを副制御用CPU31aに出力する。
また、当り遊技処理において主制御用CPU30aは、第2の小当り抽選の当選対象となる第2特別図柄変動ゲームの終了後に小当り遊技を生起させる際、小当り遊技が終了するまでの間、第2の小当り抽選の当選を契機とする小当り遊技の生起中であることを示す情報として第2小当り生起中情報を主制御用RAM30cに記憶する。それとともに、主制御用CPU30aは、第1特別図柄変動ゲームの実行中である場合、当該第1特別図柄変動ゲームを強制終了させる。このとき、主制御用CPU30aは、第1の大当り抽選や第1の小当り抽選の抽選結果に関係なく、はずれ図柄を停止して表示するように第1特別図柄表示装置25の表示内容を制御する。すなわち、実行中の第1特別図柄変動ゲームが大当りや小当りとなる場合であっても、第2の小当り抽選に当選して小当り遊技が生起されると、前記実行中の第1特別図柄変動ゲームは強制的にはずれとなる。また、主制御用CPU30aは、第2の小当り抽選に当選して小当り遊技が生起されること、つまり、第2小当り生起中情報が主制御用RAM30cに記憶されることを条件に、第1中止コマンドを副制御用CPU31aに出力する。
なお、本実施形態では、第2の大当り抽選に当選して大当り遊技が生起される場合と第2の小当り抽選に当選して小当り遊技が生起される場合で、主制御用RAM30cに記憶される情報を異ならせたが、異ならせなくてもよい。例えば、第2の大当り抽選の当選を契機とする大当り遊技の生起中と第2の小当り抽選の当選を契機とする小当り遊技の生起中は、第2当り生起中情報が主制御用RAM30cに記憶されるように構成してもよい。
このように、2種類の特別図柄変動ゲームのうち一方の特別図柄変動ゲームが大当り又は小当りとなって当り遊技(大当り遊技や小当り遊技)が生起される場合には、他方の特別図柄変動ゲームの実行を強制的にはずれで終了させる。これにより、各特別図柄変動ゲームが大当り又は小当りとなって、生起される2つの当り遊技が重複することを防止することができる。
また、主制御用CPU30aは、大当り遊技又は小当り遊技の終了後、第1の図柄変動ゲーム及び第2図柄変動ゲームの実行に係る制御(第1特別図柄開始処理や第2特別図柄開始処理)を再開する。
主制御用CPU30aは、主高確フラグの管理によって、遊技状態を制御する。主制御用CPU30aは、大当り遊技を生起した場合、主制御用RAM30cに記憶されている主リミッタ回数に1加算し、主リミッタ回数を計数する。
そして、主リミッタ回数が上限回数に達していない場合(主リミッタ回数<上限回数)、主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後、確変状態の生起中であることを示す情報を主高確フラグに設定する。このように、大当り遊技が終了したことを条件に、確変状態が生起される。本実施形態において、大当り遊技が終了したことを条件として、確変状態が制御されている状態(第2確率抽選状態)を制御可能な主制御用CPU30aが、確率抽選状態制御手段として機能する。
一方、主リミッタ回数が上限回数に達した場合(主リミッタ回数=上限回数)、主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後、確変状態の生起中でないことを示す情報を主高確フラグに設定する。これにより、大当り遊技終了後を確変状態が生起されている状態とする連続回数(大当り遊技終了後が第2確率抽選状態となる連続回数)が、所定回数(上限回数よりも1少ない回数に相当)までに制限される。また、主制御用CPU30aは、主リミッタ回数が上限回数に達し、確変状態の生起中でないことを示す情報を主高確フラグに設定すると、主制御用RAM30cの主リミッタ回数を初期化する(「0(零)」を設定する)。
このように、本実施形態において、確変状態の生起中でないことを示す情報を主高確フラグに設定された場合に主リミッタ回数が初期化されることから、主リミッタ回数は、第1確率抽選状態であるときから生起された大当り遊技の回数に相当する。そして、本実施形態において、主リミッタ回数が上限回数に達した場合に、大当り遊技終了後を確変状態が生起されている状態とせずに確変状態が生起されていない状態とし、大当り遊技終了後が第2確率抽選状態となる連続回数を所定回数までに制限する主制御用CPU30aが、リミッタ手段として機能する。なお、「主リミッタ回数が上限回数に達した場合」とは、「既に連続回数が所定回数に達している場合」に相当する。
次に、副制御基板31の副制御用CPU31aが制御プログラムに基づき実行する各種の処理について説明する。
副制御用CPU31aは、第1の変動パターン指定コマンド及び第1の特別図柄指定コマンドを入力すると、当該コマンドの指示内容に応じて第1飾り図柄変動ゲームにて確定停止表示させる飾り図柄の図柄組み合わせを決定する。また、副制御用CPU31aは、第1の変動パターン指定コマンドを入力すると、第1飾り図柄変動ゲームにおける各列の飾り図柄(図柄列)の変動表示を開始して第1飾り図柄変動ゲームを開始するように、演出表示装置14の表示内容を制御する。そして、副制御用CPU31aは、第1の終了コマンドを入力すると、第1飾り図柄変動ゲームにて確定停止表示させる飾り図柄の組み合わせを確定停止表示させて第1飾り図柄変動ゲームを終了するように、演出表示装置14の表示内容を制御する。
同様に、副制御用CPU31aは、第2の変動パターン指定コマンド及び第2の特別図柄指定コマンドを入力すると、当該コマンドの指示内容に応じて第2飾り図柄変動ゲームにて確定停止表示させる飾り図柄の図柄組み合わせを決定する。また、副制御用CPU31aは、第2の変動パターン指定コマンドを入力すると、第2飾り図柄変動ゲームにおける各列の飾り図柄(図柄列)の変動表示を開始して第2飾り図柄変動ゲームを開始するように、演出表示装置14の表示内容を制御する。そして、副制御用CPU31aは、第2の終了コマンドを入力すると、第2飾り図柄変動ゲームにて確定停止表示させる飾り図柄の組み合わせを確定停止表示させて第2飾り図柄変動ゲームを終了するように、演出表示装置14の表示内容を制御する。
また、副制御用CPU31aは、第1中止コマンドを入力すると、実行中の第1飾り図柄変動ゲームを終了する制御を行う。副制御用CPU31aは、第1中止コマンドを入力すると、第1の大当り抽選や第1の小当り抽選の抽選結果に関係なく、非大当りの図柄組み合わせを確定停止表示させて第1飾り図柄変動ゲームを終了するように、演出表示装置14の表示内容を制御する。第1中止コマンドの入力を契機として第1飾り図柄変動ゲームを終了する制御は、第1飾り図柄変動ゲームを強制終了する制御に相当する。
同様に、副制御用CPU31aは、第2中止コマンドを入力すると、実行中の第2飾り図柄変動ゲームを終了する制御を行う。副制御用CPU31aは、第2中止コマンドを入力すると、第2の大当り抽選や第2の小当り抽選の抽選結果に関係なく、非大当りの図柄組み合わせを確定停止表示させて第2飾り図柄変動ゲームを終了するように、演出表示装置14の表示内容を制御する。第2中止コマンドの入力を契機として第2飾り図柄変動ゲームを終了する制御は、第2飾り図柄変動ゲームを強制終了する制御に相当する。
なお、小当り抽選に当選した場合には「小当りの図柄組み合わせ」が確定停止表示される一方で、はずれの場合には「はずれの図柄組み合わせ」が確定停止表示されるように構成する場合、各飾り図柄変動ゲームを強制終了する際には、はずれの図柄組み合わせを確定停止表示させることが好ましい。当然、各飾り図柄変動ゲームを強制終了する制御にて小当りの図柄組み合わせを確定停止表示させてもよいし、例えば、強制終了するときにだけ確定停止表示される図柄組み合わせが確定停止表示されるように構成してもよい。
また、副制御用CPU31aは、大当り遊技の生起中、当り中演出を実行するように演出表示装置14の表示内容や、装飾ランプLAの発光、スピーカSPの音声出力などを制御する。また、副制御用CPU31aは、小当り遊技の生起中、当り中演出を実行させるように演出表示装置14の表示内容や、装飾ランプLAの発光、スピーカSPの音声出力などを制御する。なお、本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り遊技の生起中に行われる当り中演出と小当り遊技の生起中に行われる当り中演出は相違する。
また、副制御用CPU31aは、副高確フラグの管理によって、遊技状態を特定可能に制御する。副制御用CPU31aは、大当り遊技を生起した場合、副制御用RAM31cに記憶されている副リミッタ回数に1加算し、副リミッタ回数を計数する。
そして、副リミッタ回数が上限回数に達していない場合(副リミッタ回数<上限回数)、副制御用CPU31aは、大当り遊技終了後、確変状態の生起中であることを示す情報を副高確フラグに設定する。一方、副リミッタ回数が上限回数に達した場合(副リミッタ回数=上限回数)、副制御用CPU31aは、大当り遊技終了後、確変状態の生起中でないことを示す情報を副高確フラグに設定する。また、副制御用CPU31aは、副リミッタ回数が上限回数に達し、確変状態の生起中でないことを示す情報を副高確フラグに設定すると、副制御用RAM31cの副リミッタ回数を初期化する(「0(零)」を設定する)。
次に、図2及び図5基づき、本実施形態のパチンコ遊技機10における変動パターンテーブルと、大当り遊技終了後から参照される変動パターンテーブルについて説明する。
図5に示すように、パチンコ遊技機10において主制御用ROM30bには、変動パターンテーブルとして、第11の変動パターンテーブルHT11、第12の変動パターンテーブルHT12、第21の変動パターンテーブルHT21及び第22の変動パターンテーブルHT22が記憶されている。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、第1特別図柄変動ゲームを実行させる際、変動パターンテーブルHT11,HT12のうち何れかの変動パターンテーブルが参照される。一方、本実施形態のパチンコ遊技機10では、第2特別図柄変動ゲームを実行させる際、変動パターンテーブルHT21,HT22のうち何れかの変動パターンテーブルが参照される。
変動パターンテーブルHT11,HT12,HT21,HT22では、各変動パターンテーブルを構成する変動パターン(決定可能な変動パターンとして定められている変動パターン)のうち少なくとも一部の変動パターンが異なる。なお、変動パターンテーブルを参照して変動パターンが決定されることは、変動パターンテーブルを参照して特別図柄変動ゲームの変動時間が決定されることに相当する。また、変動パターンテーブルを参照して変動パターンが決定されることは、変動パターンテーブルを構成する変動パターンの中から変動パターンが決定されること、つまり、参照される変動パターンテーブルから変動パターンが決定されることと同じことを意図している。
第11の変動パターンテーブルHT11を参照して決められる第1特別図柄変動ゲームの変動時間の平均(図面では、「平均の変動時間」と示す)は、第12の変動パターンテーブルHT12を参照して決められる第1特別図柄変動ゲームの変動時間の平均よりも短くなる。
また、第21の変動パターンテーブルHT21を参照して決められる第2特別図柄変動ゲームの変動時間の平均は、第22の変動パターンテーブルHT22を参照して決められる第2特別図柄変動ゲームの変動時間の平均よりも大幅に長くなる。また、第21の変動パターンテーブルHT21を参照して決められる第2特別図柄変動ゲームの変動時間の平均は、変動パターンテーブルHT11,HT12のうち何れかを参照して決められる第1特別図柄変動ゲームの変動時間よりも長くなる。このように、第21の変動パターンテーブルHT21を参照して決められる第2特別図柄変動ゲームの変動時間は、第21の変動パターンテーブルHT21以外の変動パターンテーブルを構成する変動パターンのうち最も長い変動時間が定められた変動パターンが決定されたときの特別図柄変動ゲームの変動時間よりも長い。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10において、第21の変動パターンテーブルHT21を参照して決められる第2特別図柄変動ゲームの変動時間は、所定の時間(例えば、5分や10分)を超える。一方、本実施形態のパチンコ遊技機10において、第21の変動パターンテーブルHT21以外の変動パターンテーブルを参照して決められる特別図柄変動ゲームの変動時間は、所定の時間(例えば、5分や10分)を超えない。
以上のように、第21の変動パターンテーブルHT21から変動パターンが決められる場合には、他の変動パターンテーブルから変動パターンが決められる場合よりも、特別図柄変動ゲームの変動時間が大幅に長くなる。因みに、本実施形態では、第21の変動パターンテーブルHT21を参照して決められる第2特別図柄変動ゲームの変動時間は、大当り抽選や小当り抽選の抽選結果に関係なく2時間(=7200秒)となる。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、図4にも示すように、第2始動口17へ遊技球を入球させれば、大当り抽選に当選しなくても小当り抽選には高い確率で当選する。このため、第2始動口17への入球を狙って遊技球を発射させ、当該遊技球が第2始動口17へ入球すれば、高い確率で第2大入賞口22への遊技球の入球が許容され、賞球を獲得するチャンスが到来(発生)する。
しかし、第2特別図柄変動ゲームを行うにあたって、当該第2特別図柄変動ゲームの変動時間(変動パターン)を決める際、第21の変動パターンテーブルHT21が参照される場合、1回あたりの第2特別図柄変動ゲームの変動時間が大幅に長くなる。本実施形態のパチンコ遊技機10でいえば、1回の第2特別図柄変動ゲームの変動時間が2時間程度であるため、第2始動口17へ遊技球を入球させて第2特別図柄変動ゲームが開始してから約2時間後に第2大入賞口22が開放状態となる。
そして、第2特別図柄変動ゲームを行うにあたって第21の変動パターンテーブルHT21が参照される状況において、第2始動口17へ遊技球を入球させて第2特別図柄変動ゲームが開始してから小当り抽選に当選して第2大入賞口22が開放状態となるまでの間、第2始動口17への入球を狙って遊技球を発射したとする。この場合、単位所定時間あたりにおける遊技球の発射個数が、単位所定時間あたりにおける第2大入賞口22への遊技球の入球によって獲得可能な遊技球の個数を上回る。
また、第2始動口17への遊技球を狙って遊技球を発射する場合、前述したように第1始動口15へ遊技球は入球しないことから、単位所定時間あたりに行われる特別図柄変動ゲームの回数も大幅に少なくなる。このため、第2特別図柄変動ゲームを行うにあたって第21の変動パターンテーブルHT21が参照される状況では、第2始動口17ではなく、第1始動口15への入球を狙って遊技を行うことが好ましい状況となる。
一方、第2特別図柄変動ゲームを行うにあたって第21の変動パターンテーブルHT21以外の変動パターンテーブルが参照される場合、第21の変動パターンテーブルHT21が参照される場合よりも、第2特別図柄変動ゲーム(図柄変動ゲーム)の変動時間が短くなる。つまり、第21の変動パターンテーブルHT21が参照される場合よりも、第21の変動パターンテーブルHT21以外の変動パターンテーブルが参照される場合の方が、小当り抽選に当選した場合の第2特別図柄変動ゲームの変動時間が短くなる。
これにより、第2特別図柄変動ゲームを行うにあたって第21の変動パターンテーブルHT21以外の変動パターンテーブルが参照される場合には、第21の変動パターンテーブルHT21が参照される場合よりも、単位時間あたりに小当り抽選に当選する回数が多くなり易い。
そして、本実施形態のパチンコ遊技機10では、単位時間あたりに小当り抽選に当選する回数が多くなることにより、単位所定時間あたりにおける遊技球の発射個数よりも前記単位所定時間あたりにおける第2大入賞口22への遊技球の入球によって獲得可能な遊技球の個数の方が多くなるように構成されている。なお、「第2特別図柄変動ゲームを行うにあたって第21の変動パターンテーブルHT21以外の変動パターンテーブルが参照されるとき」は、第2特別図柄変動ゲームを行うにあたって第22の変動パターンテーブルHT22が参照されるときをいう。
このように、本実施形態のパチンコ遊技機10では、第2特別図柄変動ゲームを行うにあたって第21の変動パターンテーブルHT21以外の変動パターンテーブルが参照される場合、第2始動口17への入球を狙って遊技球を発射させれば、小当り遊技の生起によって所持している遊技球(持ち球)の個数を増加させることが可能となる。
因みに、本実施形態のパチンコ遊技機10では、第1特別図柄変動ゲームを行うにあたって、変動パターンテーブルHT11,HT12のうち何れの変動パターンテーブルが参照される状況であっても、第1始動口15への入球を狙って遊技球を発射する場合、小当り遊技の生起によって所持している遊技球の個数を増加させることはできない。なお、ここでいう「小当り遊技の生起によって所持している遊技球の個数を増加させることはできない」とは、小当り遊技において第2大入賞口22へ遊技球を入球させたとしても賞球を獲得できないことを意味するのではなく、小当り遊技の前後で遊技者が所持している遊技球の個数が増加することを期待できないことを意味する。
このため、第2特別図柄変動ゲームを行うにあたって第21の変動パターンテーブルHT21以外の変動パターンテーブルが参照される状況では、第1始動口15ではなく、第2始動口17への入球を狙って遊技を行うことが好ましい状況となる。
なお、単位所定時間あたりに発射可能な遊技球の個数よりも第2大入賞口22へ遊技球が入球して獲得可能な遊技球の個数が多くするためには、遊技盤11における障害部材の配設や、第2大入賞口22へ遊技球が入球した際に賞球として獲得できる遊技球の個数によって実現可能である。その他、小当り遊技において第2大入賞口22が開放状態となる時間や回数によっても、単位所定時間あたりに発射可能な遊技球の個数よりも第2大入賞口22へ遊技球が入球して獲得可能な遊技球の個数が多くすることもできる。
本実施形態では、第21の変動パターンテーブルHT21が、通常の変動パターン群に相当する。一方、第21の変動パターンテーブルHT21以外の変動パターンテーブルとなる第22の変動パターンテーブルHT22が、特定の変動パターン群に相当する。そして、本実施形態において、第21の変動パターンテーブルHT21が参照される状況(状態)が、第1状態に相当する。一方、本実施形態において、第21の変動パターンテーブルHT21とは異なる変動パターンテーブルとなる第22の変動パターンテーブルHT22が参照される状況(状態)が、第2状態に相当する。以下の説明では、第2特別図柄変動ゲームを行うにあたって第21の変動パターンテーブルHT21が参照される状況(状態)を「第1状態」といい、第2特別図柄変動ゲームを行うにあたって第21の変動パターンテーブルHT21以外の第22の変動パターンテーブルHT22が参照される状況(状態)を「第2状態」という。
図6に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10において、第1状態での遊技が継続される場合には、所持している遊技球(持ち球)の個数が減少していく一方、第2状態での遊技が継続される場合には、所持している遊技球(持ち球)の個数が増加していく。このように、本実施形態のパチンコ遊技機10では、参照される変動パターンテーブルによって、所持している遊技球の個数を増加させることの不可能な状態(第1状態)と、所持している遊技球の個数を増加させることの可能な状態(第2状態)と、を創出する。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り遊技が生起されているときの単位時間あたりに獲得可能な賞球よりも、第2状態であるときの単位時間あたりに獲得可能な賞球の方が多い。このように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、大当り遊技にて遊技球を獲得することは期待できないものの、第2状態においては小当り遊技によって遊技球を獲得する遊技性を有する。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、小当り遊技によって持ち球(所持している遊技球)を増加させることのできない第1状態において、小当り遊技によって持ち球を増加させることのできる第2状態となることを期待させる遊技性を有する。また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、小当り遊技によって持ち球を増加させることのできる第2状態において、当該第2状態がより長い期間継続し、持ち球をより多く獲得することを期待させる遊技性を有する。
因みに、第1状態から第2状態へと変化することは、参照される変動パターンテーブルが第21の変動パターンテーブルHT21から、第21の変動パターンテーブルHT21以外の第22の変動パターンテーブルHT22へと変化することに相当する。同様に、第2状態から第1状態へと変化することは、参照される変動パターンテーブルが第21の変動パターンテーブルHT21以外の第22の変動パターンテーブルHT22から、第21の変動パターンテーブルHT21へと変化することに相当する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り抽選に当選して大当り遊技が生起されると、当該大当り遊技の終了後から参照する変動パターンテーブル(変動パターンを決定する変動パターン群)が変化する場合がある。
以下、大当り遊技終了後から参照される変動パターンテーブルについて、説明する。
なお、参照される変動パターンテーブルが変化する場合、主制御用RAM30cに記憶されているテーブル情報も変化する。以下の説明において、例えば、「第12の変動パターンテーブルHT12が参照される」という場合には、「第12の変動パターンテーブルHT12を特定可能なテーブル情報が主制御用RAM30cに記憶されている」ことを意味する。また、例えば、「参照される変動パターンテーブルが第21の変動パターンテーブルHT21から第22の変動パターンテーブルHT22に変化する」という場合には、「テーブル情報から特定可能な変動パターンテーブルが、第21の変動パターンテーブルHT21から第22の変動パターンテーブルHT22に変化する」ことを意味する。
図2に示すように、第11の大当りに基づく大当り遊技の終了後は、大当り抽選当選時の遊技状態に関係なく、大当り抽選に当選して大当り遊技が生起されるまでの間、第11の変動パターンテーブルHT11と第21の変動パターンテーブルHT21が参照される。つまり、第11の大当りに基づく大当り遊技の終了後は、大当り抽選に当選して大当り遊技が生起されるまでの間、第21の変動パターンテーブルHT21が参照される第1状態が継続する。
また、大当り抽選当選時に確変状態が生起されていない状態(図面では、「非確変状態」と示す)である場合、第12の大当りに基づく大当り遊技の終了後は、大当り抽選に当選して大当り遊技が生起されるまでの間、第12の変動パターンテーブルHT12と第22の変動パターンテーブルHT22が参照される。一方、大当り抽選当選時に確変状態が生起されている状態(図面では、「確変状態」と示す)である場合、第12の大当りに基づく大当り遊技の終了後は、大当り抽選に当選して大当り遊技が生起されるまでの間、第11の変動パターンテーブルHT11と第21の変動パターンテーブルHT21が参照される。
つまり、確変状態が生起されていないときに大当り抽選に当選して生起された第12の大当りに基づく大当り遊技の終了後は、大当り抽選に当選して大当り遊技が生起されるまでの間、第22の変動パターンテーブルHT22が参照される第2状態が継続する。一方、確変状態が生起されているときに大当り抽選に当選して生起された第12の大当りに基づく大当り遊技の終了後は、大当り抽選に当選して大当り遊技が生起されるまでの間、第21の変動パターンテーブルHT21が参照される第1状態が継続する。
また、第13の大当りに基づく大当り遊技の終了後は、大当り抽選当選時の遊技状態に関係なく、大当り抽選に当選して大当り遊技が生起されるまでの間、第12の変動パターンテーブルHT12と第22の変動パターンテーブルHT22が参照される。つまり、第13の大当りに基づく大当り遊技の終了後は、大当り抽選に当選して大当り遊技が生起されるまでの間、第22の変動パターンテーブルHT22が参照される第2状態が継続する。
また、大当り抽選当選時に確変状態が生起されていない状態である場合、第21の大当りに基づく大当り遊技の終了後は、大当り抽選に当選して大当り遊技が生起されるまでの間、第11の変動パターンテーブルHT11と第21の変動パターンテーブルHT21が参照される。一方、大当り抽選当選時に確変状態が生起されている状態である場合、第21の大当りに基づく大当り遊技の終了後は、大当り抽選に当選して大当り遊技が生起されるまでの間、第12の変動パターンテーブルHT12と第22の変動パターンテーブルHT22が参照される。
つまり、確変状態が生起されていないときに大当り抽選に当選して生起された第21の大当りに基づく大当り遊技の終了後は、大当り抽選に当選して大当り遊技が生起されるまでの間、第21の変動パターンテーブルHT21が参照される第1状態が継続する。一方、確変状態が生起されているときに大当り抽選に当選して生起された第21の大当りに基づく大当り遊技の終了後は、大当り抽選に当選して大当り遊技が生起されるまでの間、第22の変動パターンテーブルHT22が参照される第2状態が継続する。
また、第22の大当りに基づく大当り遊技の終了後は、大当り抽選当選時の遊技状態に関係なく、大当り抽選に当選して大当り遊技が生起されるまでの間、第12の変動パターンテーブルHT12と第22の変動パターンテーブルHT22が参照される。つまり、第22の大当りに基づく大当り遊技の終了後は、大当り抽選に当選して大当り遊技が生起されるまでの間、第22の変動パターンテーブルHT22が参照される第2状態が継続する。
本実施形態では、第1状態であるときには主に第1始動口15へ遊技球を入球させて遊技が行われることから、主に第1特別図柄変動ゲームが行われるとともに、第11の大当り〜第13の大当りのうち何れかの大当りに基づく大当り遊技が生起されることになる。
第1始動口15へ遊技球を入球させて遊技が行われているとき(第1状態であるとき)、確変状態が生起されていないときには、第11の大当りに基づく大当り遊技が生起された場合には大当り遊技終了後が第1状態となる一方、第12の大当り又は第13の大当りに基づく大当り遊技が生起された場合には大当り遊技終了後が第2状態となる。一方、第1始動口15へ遊技球を入球させて遊技が行われているとき、確変状態が生起されているときには、第11の大当り又は第12の大当りに基づく大当り遊技が生起された場合には大当り遊技終了後が第1状態となる一方、第13の大当りに基づく大当り遊技が生起された場合には大当り遊技終了後が第2状態となる。
すなわち、第1始動口15へ遊技球を入球させて遊技が行われているとき(第1状態であるとき)、確変状態が生起されていない状態では、第1の大当り抽選に当選して第12の大当り又は第13の大当りが決定される確率「30%(=25%+5%)」に相当する確率で大当り遊技終了後が第2状態となる。一方、第1始動口15へ遊技球を入球させて遊技が行われているとき、確変状態が生起されている状態では、第1の大当り抽選に当選して第13の大当りが決定される確率「5%」に相当する確率で大当り遊技終了後が第2状態となる。
このように、第1始動口15へ遊技球を入球させて遊技が行われるような第1状態では、確変状態が生起されている状態であるときよりも、確変状態が生起されていない状態であるときの方が、第2状態になり易い。したがって、確変状態が生起されていないときから上限回数分の大当り遊技が生起される毎に、確変状態が生起されていない状態が到来する本実施形態のようなパチンコ遊技機10では、第1状態であるとき、周期的に第2状態となることへの期待感が高まる状態(状況)が到来することになる。
また、本実施形態では、第2状態であるときには主に第2始動口17へ遊技球を入球させて遊技が行われることから、主に第2特別図柄変動ゲームが行われるとともに、第21の大当り又は第22の大当りに基づく大当り遊技が生起されることになる。
第2始動口17へ遊技球を入球させて遊技が行われるとき(第2状態であるとき)、確変状態が生起されていないときには、第21の大当りに基づく大当り遊技が生起された場合には大当り遊技終了後が第1状態となる一方、第22の大当りに基づく大当り遊技が生起された場合には大当り遊技終了後が第2状態となる。一方、第2始動口17へ遊技球を入球させて遊技が行われているとき、確変状態が生起されているときには、第21の大当りと第22の大当りのうち何れの大当りに基づく大当り遊技が生起された場合であっても大当り遊技終了後が第2状態となる。
すなわち、第2始動口17へ遊技球を入球させて遊技が行われているとき(第2状態であるとき)、確変状態が生起されていない状態では、第2の大当り抽選に当選して第22の大当りが決定される確率「30%」に相当する確率で大当り遊技が第2状態となる。一方、第2始動口17へ遊技球を入球させて遊技が行われているとき、確変状態が生起されている状態では、第2の大当り抽選に当選して第21の大当りと第22の大当りのうち何れかが決定される確率「100%(=70%+30%)」に相当する確率で大当り遊技終了後が第2状態となる。
このように、第2始動口17へ遊技球を入球させて遊技が行われるような第2状態では、確変状態が生起されているときには、大当り遊技終了後が必ず第2状態となる。つまり、確変状態が生起されているとき、第2始動口17への遊技球の入球を契機に行われる第2の大当り抽選に当選した場合には、当該第2の大当り抽選の当選を契機とする大当り遊技終了後に確変状態が生起される。
一方、第2始動口17へ遊技球を入球させて遊技が行われるような第2状態では、確変状態が生起されていないときには、大当り遊技終了後が第1状態となる場合もある。確変状態が生起されていないときに第2の大当り抽選に当選した場合に大当り遊技終了後が第1状態となる確率は、確変状態が生起されていないときに第1の大当り抽選に当選した場合に大当り遊技終了後が第1状態となる確率と同一確率となっている。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出状態としての演出モードが制御される。本実施形態のパチンコ遊技機10では、通常演出モード及び特殊演出モードの計2種類の演出モードのうち何れかの演出モードが制御される。本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出モード毎に異なる背景画像が演出表示装置14に表示される。
本実施形態のパチンコ遊技機10において、副制御基板31の副制御用CPU31aが、演出モードを制御する。以下の説明において、例えば、「特殊演出モードが制御される」という場合には、「副制御用CPU31aが特殊演出モードを制御する」ということを意味する。本実施形態において、演出状態に相当する演出モードを制御する副制御用CPU31aが、演出状態制御手段として機能する。なお、「演出モードを制御する」とは、演出モードに対応する背景画像を演出表示装置14に表示させる制御以外にも、演出モード毎に応じた制御(例えば、演出の決定割合や、演出の種類)を行うことが含まれる。
本実施形態では、第1状態であるときには通常演出モードが制御される。また、第2状態であるときには特殊演出モードが制御される。すなわち、第1状態であって確変状態が生起されていないとき及び第1状態であって確変状態が生起されているときでは、共通の演出状態に相当する通常演出モードが制御される。同様に、第2状態であって確変状態が生起されていないとき及び第2状態であって確変状態が生起されているときでは、特殊演出モードが制御される。このように、第1状態であるときには、第2状態であるときに制御される演出モードとなる特殊演出モードとは異なる演出モードが制御される。
ここで、特殊演出モードについて説明する。
特殊演出モードは、前述したように、第2状態であるときに制御される演出モードである。すなわち、特殊演出モード中は、小当り遊技が生起されることによって持ち球を増加させることの可能な状況となる。
特殊演出モード中、演出表示装置14には、カウントダウン画像CDが表示される。カウントダウン画像CDでは、確変状態が生起されていないときから生起された大当り遊技の回数が上限回数に達するまでの残り回数が報知される。このため、副制御用CPU31aは、特殊演出モードの制御中、上限回数と副リミッタ回数の差を報知するカウントダウン画像CDを表示するように、演出表示装置14の表示内容を制御する。
因みに、通常演出モードでは、確変状態が生起されていないときから生起された大当り遊技の回数が上限回数に達するまでの残り回数が報知されない。このため、確変状態が生起されているか否かを特定することが困難であるとともに、残り何回の大当り遊技が生起されると確変状態が生起されていない状態が到来するかについて把握することが困難となっている。
また、特殊演出モード中は第2状態であることから、第2始動口17への入球を狙って遊技球を発射させること、つまり、演出表示装置14の正面視右側を遊技球が流下するように遊技球を発射させることを指示する右打ち示唆画像RGが演出表示装置14に表示される。このため、副制御用CPU31aは、特殊演出モードの制御中、右打ち示唆画像RGを表示するように、演出表示装置14の表示内容を制御する。
ここで、パチンコ遊技機10が有する遊技性(ゲーム性)について説明する。
本実施形態において、第2特別図柄変動ゲームを行うにあたって第21の変動パターンテーブルHT21が参照される第1状態では、第2始動口17への入球を狙って遊技球を発射しても所持している遊技球(持ち球)の個数を増やすことはできない。一方、第2特別図柄変動ゲームを行うにあたって第21の変動パターンテーブルHT21以外の第22の変動パターンテーブルHT22が参照される第2状態では、単位所定時間あたりに小当り遊技が生起されて第2大入賞口22が開放状態となる回数が多くなるため、第2始動口17への入球を狙って遊技球を発射すると持ち球を増やすことができる。
そして、第1状態において大当り抽選に当選する場合、当該当選を契機とする大当り遊技の終了後、第1状態から第2状態へと変化する場合がある。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10は、第1状態であるとき、大当り抽選に当選して第2状態へと変化することを期待する遊技性を有する。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、第1始動口15への入球を契機に行われる第1の大当り抽選に当選する場合、確変状態が生起されているときよりも確変状態が生起されていないときの方が、大当り遊技終了後が第2状態となり易い。また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、確変状態が生起されていないときから生起された大当り遊技の回数が上限回数に達するまで、大当り遊技終了後に確変状態が生起される。しかし、確変状態が生起されていないときから生起された大当り遊技の回数が上限回数に達すると、大当り遊技終了後に確変状態が生起されない。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10は、第1状態であるとき、確変状態が生起されていないときから上限回数分の大当り遊技が生起される毎に、大当り遊技終了後が第2状態となり易い状態(状況)が到来する遊技性を有する。
また、第2状態であるとき、確変状態が生起されていないときから生起された大当り遊技の回数が上限回数に達すると、第2状態から第1状態へと変化する場合がある。したがって、本実施形態のパチンコ遊技機10は、第2状態であるときに大当り抽選に当選すると、確変状態が生起されていないときから生起された大当り遊技の回数が上限回数に近づくため、大当り抽選に当選せずにより長く第2状態が継続することを期待する遊技性を有している。
ここで、図8に基づき、第2状態への期待度の推移について、説明する。
図8に示すように、第1の推移パターン(図面では、一点鎖線で示す)は、確変状態が生起されていない状態であるときに大当り抽選に当選し、当該当選を契機とする大当り遊技を含む上限回数分の大当り遊技の終了後が第1状態となる場合を示す。
第1の推移パターンにおいて、確変状態が生起されていない状態では、大当り抽選に当選した場合、第1の期待度(本実施形態では、「30%」)で大当り遊技終了後が第2状態となることを期待できる。そして、確変状態が生起されていない状態において大当り抽選に当選し、当該当選を契機とする大当り遊技の終了後が第1状態となるときには、大当り遊技終了後、第1状態であって確変状態が生起されている状態となる。また、第1状態では、主に第1始動口15へ遊技球を入球させて遊技が行われる。このような第1状態であって確変状態が生起されている状態では、第1の大当り抽選に当選した場合、第1の期待度よりも低い第2の期待度(本実施形態では、「5%」)で大当り遊技終了後が第2状態となる。
そして、確変状態が生起されていない状態であるときから上限回数分の大当り遊技が生起されると、当該大当り遊技の終了後は、再び確変状態が生起されていない状態となる。これにより、大当り遊技終了後が第2状態となる期待度が、第2の期待度から再び第1の期待度へと上昇する。
また、第2の推移パターン(図面では、二点鎖線で示す)は、確変状態が生起されていない状態であるときに大当り抽選に当選し、当該当選を契機とする大当り遊技を含む上限回数分の大当り遊技の終了後が第2状態となる場合を示す。
第2の推移パターンにおいて、確変状態が生起されていない状態では、前述したように、大当り抽選に当選した場合、第1の期待度で大当り遊技終了後が第2状態となることを期待できる。そして、確変状態が生起されていない状態において大当り抽選に当選し、当該当選を契機とする大当り遊技の終了後が第2状態となるときには、大当り遊技終了後、第2状態であって確変状態が生起されている状態となる。また、第2状態では、主に第2始動口17へ遊技球を入球させて遊技が行われる。このような第2状態であって確変状態が生起されている状態では、第2の大当り抽選に当選した場合、第1期待度及び第2期待度よりも高い第3期待度(本実施形態では、「100%」)で大当り遊技終了後が第2状態となる。
そして、確変状態が生起されていない状態であるときから上限回数分の大当り遊技が生起されると、当該大当り遊技の終了後は、再び確変状態が生起されていない状態となる。これにより、大当り遊技終了後が第2状態となる期待度が、第3の期待度から再び第1の期待度へと下降する。
また、第3の推移パターン(図面では、破線で示す)は、確変状態が生起されていない状態であるときに大当り抽選に当選し、当該当選を契機とする大当り遊技が第1状態となる。そして、確変状態が生起されていない状態であるときに大当り抽選に当選して生起された大当り遊技を含んで、確変状態が生起されていないときから生起された大当り遊技の回数が上限回数に達するよりも前に、大当り遊技の終了後が第2状態となる場合を示す。
第3の推移パターンにおいて、確変状態が生起されていない状態では、大当り抽選に当選した場合、第1の期待度で大当り遊技終了後が第2状態となることを期待できる。そして、確変状態が生起されていない状態において大当り抽選に当選し、当該当選を契機とする大当り遊技の終了後が第1状態となるときには、大当り遊技終了後、第1状態であって確変状態が生起されている状態となる。また、第1状態では、主に第1始動口15へ遊技球を入球させて遊技が行われる。このような第1状態であって確変状態が生起されている状態では、第1の大当り抽選に当選した場合、第1の期待度よりも低い第2の期待度で大当り遊技終了後が第2状態となる。
また、第1状態であって確変状態が生起されている状態であるとき(第2の期待度で大当り遊技終了後が第2状態となるとき)であって、確変状態が生起されていないときから生起された大当り遊技の回数が上限回数に達するよりも前に生起された大当り遊技終了後が第2状態となると、第2状態であって確変状態が生起されている状態となる。図8では、確変状態が生起されていないときから生起された大当り遊技の回数が上限回数に達するよりも前の大当り遊技を、確変状態が生起されていないときから2回目に生起された大当り遊技として示している。
そして、確変状態が生起されていない状態であるときから上限回数分の大当り遊技が生起されると、当該大当り遊技の終了後は、再び確変状態が生起されていない状態となる。これにより、大当り遊技終了後が第2状態となる期待度が、第3の期待度から再び第1の期待度へと下降する。
なお、確変状態が生起されていないときに生起された大当り遊技終了後が第2状態となる場合は、確変状態が生起されているときに生起された大当り遊技終了後が第2状態となる場合よりも、第2状態となってから、確変状態が生起されていないときから生起された大当り遊技の回数が上限回数に達するまでの残りの大当り遊技の回数が多くなる。このため、確変状態が生起されていないときに生起された大当り遊技終了後が第2状態となる場合は、確変状態が生起されているときに生起された大当り遊技終了後が第2状態となる場合よりも、第2状態となる期間が長くなり易い。したがって、上限回数に達するまでの残りの大当り遊技の回数が多い段階で第2状態となることを期待させることができる。
因みに、大当り抽選に当選する間隔によっては、確変状態が生起されていないときに生起された大当り遊技終了後が第2状態となる場合よりも、確変状態が生起されているときに生起された大当り遊技終了後が第2状態となる場合の方が第2状態となる期間が長くなる場合もある。
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)大当り抽選に当選すると、変動パターン(図柄変動ゲームの変動時間)を決定するための変動パターン群としての変動パターンテーブルが、第21の変動パターンテーブルHT21(通常の変動パターン群)から第21の変動パターンテーブルHT21以外の変動パターンテーブル(特定の変動パターン群)へと変化する場合がある。また、第21の変動パターンテーブルHT21以外の変動パターンテーブルが参照される第2状態であるときには、第21の変動パターンテーブルHT21が参照される第1状態よりも図柄変動ゲームの変動時間が短くなり、単位時間あたりに小当り抽選に当選する回数が多くなる。そして、第2状態であるときは、小当り抽選の当選によって特別入球手段としての第2大入賞口22への遊技球の入球が許容されることにより、単位所定時間あたりの遊技球の発射個数よりも第2大入賞口22への入球によって獲得可能な遊技球の個数の方が多くなる。つまり、第2状態では、小当り抽選に当選することによって、所持している遊技球(持ち球)を増加させることができる。このように、小当り抽選を用いて、第1状態と第2状態のうち第2状態では小当り抽選に当選することにより持ち球を増加させることができるという遊技性(ゲーム性)を実現し、このような遊技性の下での遊技を楽しませ、興趣の向上を図ることができる。
(2)確変状態が生起されているとき(第2確率抽選状態)に第2入球手段としての第2始動口17への遊技球の入球を契機に行われる大当り抽選(第2の大当り抽選)に当選すれば、大当り遊技終了後が第2状態となる。このため、第2始動口17へ遊技球を入球させることで小当り遊技が生起されて持ち球を増加させている状況、つまり、第2状態では、大当り遊技が生起されても第2状態が継続することになる。このため、確変状態が生起されていないときにおいて大当り抽選に当選して大当り遊技終了後が第2状態となった場合、再び確変状態が生起されていない状態となるまでの確変状態が生起されている状態では大当り抽選(第2の大当り抽選)に当選しても第2状態が継続するという遊技性の下、興趣の向上を図ることができる。
(3)第1状態であるとき、確変状態が生起されていないとき(第1確率抽選状態)には、確変状態が生起されているとき(第2確率抽選状態)よりも、大当り遊技終了後が第2状態となり易い。また、大当り遊技終了後に確変状態が生起される連続回数は、所定回数までに制限される。したがって、大当り遊技が生起されて確変状態が生起されていない状態となる毎に、大当り遊技終了後が第2状態となり易い状態が到来する遊技性の下、興趣の向上を図ることができる。
(4)第1状態であるときには、確変状態が生起されている状態と確変状態が生起されていない状態のうち何れであっても、共通の演出状態に相当する通常演出モードが制御される。このため、演出モードからは、確変状態が生起されている状態と確変状態が生起されていない状態のうち何れであるかについて特定できないため、第2状態となり難い状況であっても第2状態となり易い状況であることを期待させることができる。また、第2状態であって確変状態が生起されているときには、通常演出モードとは別の特殊演出モードが制御されるため、有利な状況であることを遊技者に把握させ易くなる。
(5)確変状態が生起されていないとき(第1確率抽選状態)に第1入球手段としての第1始動口15への遊技球の入球を契機に行われる大当り抽選(第1の大当り抽選)に当選した場合には、確変状態が生起されているとき(第2確率抽選状態)に第1の大当り抽選に当選した場合よりも、大当り遊技終了後が第2状態となり易いように構成した。これにより、第1状態であって確変状態が生起されていないときには、第1状態であって確変状態が生起されているときよりも大当り遊技終了後が第2状態となり易くすることができる。
(6)大当り遊技が生起されているときの単位時間あたりに獲得可能な賞球よりも、第2状態であるときの単位時間あたりに獲得可能な賞球の方が多くなるように構成した。一般的なパチンコ遊技機のように大当り遊技によって持ち球を増加させるのではなく、第2状態によって持ち球を増加させる遊技性の下、興趣の向上を図ることができる。更に、第2状態では、大当り抽選に当選せずに長く第2状態が継続することを期待させる遊技性を高め、当該遊技性での遊技で効果的に興趣の向上を図り易くなる。
(7)カウントダウン画像CDの表示により、確変状態が生起されていないとき(第1確率抽選状態)から大当り遊技が生起された回数が上限回数に達するまでの残り回数が報知される。すなわち、カウントダウン画像CDの表示により、第2の大当り抽選に当選しても第2状態が継続しない可能性のある状況になるまでの大当り遊技の回数が報知される。このように、カウントダウン画像CDを表示することで、遊技者が知りたい情報を提供することができ、興趣の向上を図ることができる。
(8)少なくとも大当りの種類に基づき、大当り遊技終了後から変動パターン(図柄変動ゲームの変動時間)を決定する変動パターンテーブル(変動パターン群)が変化し得る。このため、単に大当り抽選に当選するか否かに限らず、大当りの種類にも注目させて、遊技を楽しませることができる。
(9)第21の変動パターンテーブルHT21以外の変動パターンテーブル(特定の変動パターン群)から変動パターンが決定される第2状態において小当り抽選に当選したとしても、当該小当り抽選の当選を契機として、変動パターン(図柄変動ゲームの変動時間)を決定する変動パターンテーブル(変動パターン群)が変化されない。このため、第2状態において小当り抽選に当選することで所持している遊技球(持ち球)の個数を増やす状況が、小当り抽選によって終了することがない。
因みに、第2状態において持ち球を増やす状況が小当り抽選の当選によって終了する場合、小当り抽選に当選することを期待すべきであるかについて判断できず、前記状況での遊技を楽しませ難くなってしまう虞がある。しかし、第2状態において持ち球を増やす状況が、小当り抽選の当選によって終了することがないので、単純に小当り抽選に当選して小当り遊技が生起され、特別入球手段としての第2大入賞口22へ遊技球が入球して賞球を獲得できる遊技性を楽しませ易くなる。
なお、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・上記実施形態において、第2状態であって確変状態が生起されているときに、確変状態が生起されていない状態から生起された大当り遊技の回数が上限回数に達し、当該大当り遊技終了後に確変状態が生起されない場合、大当り遊技終了後は第2状態とせずに第1状態とするように構成してもよい。すなわち、確変状態が生起されていない状態となる度に、第1状態となるように構成してもよい。この場合、確変状態が生起されていないときは、第1状態となる。
・上記実施形態では、確変状態が生起されていないときから生起された大当り遊技の回数を計数し、当該計数した回数が上限回数(所定回数よりも1多い回数に相当)に達した場合に、大当り遊技終了後を確変状態が生起されていない状態とすることで、大当り遊技終了後を第2確率抽選状態とする連続回数を所定回数までに制限した。しかし、確変状態が生起されてから生起された大当り遊技の回数を計数したとしても、当該回数が所定回数に達した場合に、大当り遊技終了後を確変状態が生起されていない状態とするように構成すれば、大当り遊技終了後を第2確率抽選状態とする連続回数を所定回数までに制限することは可能である。その他、大当り遊技終了後を確変状態が生起されている状態とした回数を計数したとしても、当該回数が所定回数に達した場合に、大当り遊技終了後を確変状態が生起されていない状態とするように構成すれば、大当り遊技終了後を第2確率抽選状態とする連続回数を所定回数までに制限することは可能である。なお、上記の何れの方法を採用しても、大当り遊技終了後を第2確率抽選状態とする連続回数が所定回数までに制限されることになる。
・上記実施形態において、確変状態が生起されていないときに大当り遊技が生起された場合、当該大当り遊技の終了後に必ず確変状態が生起されるように構成したが、確変状態が生起されていないときに大当り遊技が生起された場合であっても、大当り遊技の終了後に確変状態が生起される場合もあれば、確変状態が生起されない場合があってもよい。例えば、確変状態が生起されていないときに大当り抽選に当選した際、当該大当り遊技終了後に確変状態を生起させるか否かの抽選を行い、当該抽選の抽選結果に応じて、大当り遊技の終了後に確変状態が生起される場合もあれば、確変状態が生起されない場合があるように構成してもよい。
・上記実施形態において、大当りの種類や、各種の大当りが決定される割合を変更してもよい。例えば、第2の大当り抽選に当選した場合に決定される大当りの種類に、大当り遊技中に賞球の獲得を期待できる大当りが含まれるようにしてもよい。この場合、第2状態では、小当り遊技によって持ち球を増加させることができるとともに、大当り遊技によっても持ち球を増加させることができるという遊技性の下、興趣の向上を図ることができる。
・上記実施形態において、小当り抽選に当選したことや、小当り遊技が生起されたことを契機として、変動パターンが決定される変動パターンテーブル(変動パターン群)が変化し得るように構成してもよい。例えば、第1状態と第2状態のうち第1状態でのみ、小当り抽選に当選したことを契機に、変動パターンテーブルが変化し得るように構成してもよい。このとき、第1特別図柄変動ゲームを行うにあたって参照される変動パターンテーブルを変更してもよいし、第2特別図柄変動ゲームに行うにあたって参照される変動パターンテーブルを変更してもよい。また、第1特別図柄変動ゲームを行うにあたって参照される変動パターンテーブルと、第2特別図柄変動ゲームに行うにあたって参照される変動パターンテーブルと、の両方を変更してもよい。
・上記実施形態において、特定の変動パターン群に相当する変動パターンテーブル(上記実施形態では、第22の変動パターンテーブルHT22)の種類は、1種類でなくても複数種類であってもよい。例えば、制御される演出モード毎に、特定の変動パターン群に相当する複数種類の変動パターンテーブルのうち異なる変動パターンテーブルが参照されるように構成してもよい。
・上記実施形態の演出表示装置14おいて、第1状態であるときには、第1飾り図柄変動ゲームを第2飾り図柄変動ゲームよりも大きい領域で実行されるように構成してもよい。同様に、演出表示装置14において、第2状態であるときには、第2飾り図柄変動ゲームを第1飾り図柄変動ゲームよりも大きい領域で実行されるように構成してもよい。
・上記実施形態において、第1状態では、第2飾り図柄変動ゲームが演出表示装置14にて行われないように構成してもよい。同様に、第2状態では、第1飾り図柄変動ゲームが演出表示装置14にて行われないように構成してもよい。
・上記実施形態において、例えば、第2始動口17に、当該第2始動口17の入球口を拡大させる開状態に動作可能な開閉羽根を設けてもよい。このとき、第2始動口17へ入球可能な流下経路上に、前記開閉羽根を開状態とするか否かの抽選の権利を遊技球が入球することで獲得可能な作動ゲートを配設してもよい。この場合、第2状態では、開閉羽根が開状態となることで第2始動口17の入球口を拡大される。因みに、開閉羽根を第2始動口17に設ける場合、開閉羽根が開状態でないとき(閉状態であるとき)に第2始動口17へ遊技球が入球可能に構成してもよいし、入球不可能に(開状態とならなければ入球しないように)構成してもよい。なお、上記実施形態の遊技機は、入球率向上状態(変短状態や時短状態ともいう)が生起されない遊技機であってもよい。「入球率向上状態」は、次に挙げる3つの要素のうち少なくとも1つの要素により、第2始動口17へ遊技球が入球し易くなる状態をいう。1つ目の要素は、開閉羽根を開状態とすることが決定される確率が通常確率よりも高確率となることであって、2つ目の要素は、開閉羽根を開状態とすることが決定されてから実際に開閉羽根が開状態となるまでの時間が短くなることであり、3つ目の要素は、開閉羽根が開状態となる時間が長くなることである。
また、上記実施形態の遊技機は、入球率向上状態が生起される遊技機であってもよい。そして、同一種類の大当りに基づく大当り遊技が生起される場合であっても、大当り抽選当選時に入球率向上状態が生起されているか否かに応じて、大当り遊技終了後に参照される変動パターンテーブルを異ならせてもよい。更に、入球率向上状態のみに限らず、確変状態及び入球率向上状態の生起状況に応じて、大当り遊技終了後に参照される変動パターンテーブルを異ならせてもよい。この「確変状態及び入球率向上状態の生起状況」には、「確変状態と入球率向上状態の何れもが生起されているとき」や「入球率向上状態が生起されている一方で、確変状態が生起されていないとき」など、確変状態の生起有無と入球率向上状態の生起有無の組み合わせにより4つの状況がある。この場合、上記実施形態のように大当り抽選当選時に確変状態が生起されているか否かに応じて大当り遊技終了後に参照される変動パターンテーブルを異ならせる場合よりも、変動パターンテーブルの変化のバリエーションを増やすことができ、興趣の向上を図り易くなる。
・上記実施形態において、遊技球が入球可能な特別入球口を遊技盤11に配設し、開状態と閉状態をとり得る特別開閉入球口を遊技盤11に配設してもよい。特別開閉入球口は、開状態のときには遊技球が入球可能であって、閉状態のときには遊技球が入球不可能に構成してもよい。また、特別入球口へ遊技球が入球したことを契機に特別開閉入球口が開状態となるように構成してもよい。また、特別入球口へ遊技球が入球したら特別開閉入球口が開状態となるように構成してもよい。つまり、特別入球口へ遊技球が入球してから、所定の抽選を経ることなく、特別開閉入球口が開状態となるように構成してもよい。そして、特別入球口へ遊技球が入球して特別開閉入球口が開状態となった後、参照する変動パターンテーブルが変更され得るように構成してもよい。因みに、特別入球口は、第1始動口15や第2始動口17であってもよいし、始動口15,17とは別の入球口(例えば、始動口)であってもよい。また、特別開閉入球口は、第1大入賞口21や第2大入賞口22であってもよいし、大入賞口21,22とは別の入球口であってもよい。また、特別開閉入球口は、ソレノイドなどによって開状態と閉状態を取り得るように構成しなくても、特別入球口へ入球した遊技球の自重によって開状態を取り得るように構成してもよい。
・上記実施形態において、大入賞口は1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。なお、大入賞口を1つ設ける場合、第2始動口17へ遊技球が入球可能な遊技球の流下経路上に大入賞口を配設することが好ましい。
・上記実施形態において、第1大入賞口21への遊技球の入球を契機に賞球として払い出される遊技球の個数と、第2大入賞口22への遊技球の入球を契機に賞球として払い出される遊技球の個数と、が同一であってもよいし、何れか一方が他方よりも多くても(又は、少なくても)よい。
・上記実施形態の大当り遊技において、各開放遊技において大入賞口21,22が開放可能な時間(上限開放時間)は、全て同一でなくてもよく、一部が異なっていてもよい。例えば、大入賞口21,22へ遊技球を入球させることが容易な時間が上限開放時間となる開放遊技と、大入賞口21,22へ遊技球を入球させることが容易でない時間が上限開放時間となる開放遊技と、が大当り遊技中に行われる大当り遊技であってもよい。また、全ての種類の大当りに基づく大当り遊技が、大入賞口21,22へ遊技球を入球させることが容易な時間が上限開放時間となる開放遊技のみで構成された大当り遊技であってもよい。
・上記実施形態に示す全ての大当りに基づく大当り遊技における開放遊技の回数は、同一でなくてもよく、一部の大当り遊技における開放遊技の回数が他の大当り遊技における開放遊技の回数よりも多く(又は、少なく)てもよい。
・上記実施形態において、各大当りに基づく大当り遊技において開放状態となる大入賞口21,22を変更してもよい。例えば、単一の大当り遊技において、第1大入賞口21が開放状態となる開放遊技と、第2大入賞口22が開放状態となる開放遊技と、が行われるように構成してもよい。
・上記実施形態において、第1始動口15への遊技球の入球を契機に行われる小当り抽選、つまり、第1の小当り抽選を行わなくてもよい。なお、第1の小当り抽選が行われないように構成する場合、第1始動口15への遊技球の入球を契機に行われる小当り抽選の当選確率が「0%」であることに相当し、第1の小当り抽選の当選確率よりも第2の小当り抽選の当選確率の方が高いことになる。そして、第1始動口15への入球を契機に小当り抽選が行われない場合でも、第2始動口17への入球を狙って遊技が行われる第2状態であるときは、第1始動口15への入球を狙って遊技が行われる第1状態であるときよりも単位時間あたりに小当り抽選に当選する回数が多くなる。
・上記実施形態において、小当りの種類を複数種類にしてもよい。この場合、例えば、特別図柄振分用乱数の値に基づき小当り図柄を決定することで小当りの種類が決定されるように構成してもよい。なお、小当りの種類によって、開放状態となる大入賞口21,22を異ならせたり、大入賞口21,22が開放状態となる時間や回数を異ならせたりしてもよい。このように小当りの種類を増やせば、小当り遊技が生起される際にどのような種類の小当りに基づく小当り遊技が生起されたかについて注目させて、遊技を楽しませることができる。
・上記実施形態において、第1特別図柄変動ゲームを行う際に参照される変動パターンテーブルは、1種類であってもよい。例えば、第1特別図柄変動ゲームを行う際は第11の変動パターンテーブルHT11のみが参照されるように構成してもよい。
・上記実施形態において、第2状態において第1特別図柄変動ゲームを行う際は、第21の変動パターンテーブルHT21が参照される場合と同様、第1状態と比較して第1特別図柄変動ゲームの変動時間が大幅に長くなるように構成してもよい。この場合、第2状態において第1特別図柄変動ゲームを行う際に、第21の変動パターンテーブルHT21を参照するように構成してもよいし、第21の変動パターンテーブルHT21とは別の変動パターンテーブルを参照するように構成してもよい。
・上記実施形態において、各種の演出モード(演出状態)が制御されているときの演出表示装置14の表示内容などを変更してもよい。また、各種の演出モード(演出状態)を制御可能に構成しなくてもよい。
・上記実施形態の第1状態において、第2特別図柄変動ゲームを行う際に参照される変動パターンテーブルを複数種類としてもよい。例えば、第1状態において第2特別図柄変動ゲームを行う際、第21の変動パターンテーブルHT21が参照される場合と、第21の変動パターンテーブルHT21とは異なる変動パターンテーブル(例えば、第25の変動パターンテーブル)が参照される場合と、があるように構成してもよい。
・上記実施形態において、大当り抽選に当選する確率、第1の小当り抽選や第2の小当り抽選などの小当り抽選に当選する確率を変更してもよい。
・上記実施形態の各変動パターンテーブルにおいて、決定可能な変動パターンとして定められる変動パターンの全てを異ならせてもよい。また、各変動パターンテーブルにおいて決定可能な変動パターンを同一とし、各変動パターンの決定率を異ならせてもよい。
・上記実施形態において、第1の図柄変動ゲームと第2の図柄変動ゲームのうち何れか一方が当りとなった場合、他方を強制終了させずに一旦停止させ、当り遊技の終了後に一旦停止させていた図柄変動ゲームが再開されるように構成してもよい。このように構成する場合でも、各図柄変動ゲームによる当り遊技が重複することを抑制できる。
・上記実施形態は、特別図柄と飾り図柄のうち特別図柄のみを用いるパチンコ遊技機に具体化してもよい。この場合、例えば、演出表示装置14において特別図柄変動ゲームが行われるように構成してもよい。
・上記実施形態において、演出表示装置14、装飾ランプLA及びスピーカSPをそれぞれ専用のCPUによって制御するように構成してもよい。このとき、各CPUは、単一の制御基板上に設けてもよいし、異なる制御基板上に設けてもよい。また、各CPUを設けることに伴い、各CPUがそれぞれ管理するROMやRAMを設けてもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記第1確率抽選状態であるときに前記第1入球手段への遊技球の入球を契機に行われる大当り抽選に当選した場合には、前記第2確率抽選状態であるときに前記第1入球手段への遊技球の入球を契機に行われる大当り抽選に当選した場合よりも、大当り遊技の終了後が前記第2状態となり易い。
(ロ)前記大当り遊技が生起されているときの単位時間あたりに獲得可能な賞球よりも、前記第2状態であるときの単位時間あたりに獲得可能な賞球の方が多い。
(ハ)遊技球が入球可能な第1入球口を有する第1入球手段と、遊技球が入球可能な第2入球口を有する第2入球手段と、大当り抽選を行う大当り抽選手段と、小当り抽選を行う小当り抽選手段と、遊技球が入球することで賞球の払出条件が成立し得る特別入球手段と、前記特別入球手段への遊技球の入球を許容するように前記特別入球手段を制御可能な特別入球制御手段と、図柄変動ゲームの変動時間が定められた複数の変動パターンによって構成される変動パターン群から変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、前記大当り抽選の当選確率が第1確率となる第1確率抽選状態と、前記大当り抽選の当選確率が前記第1確率よりも高い第2確率となる第2確率抽選状態と、があり、大当り遊技が終了したことを条件に前記第2確率抽選状態に制御可能な確率抽選状態制御手段と、を備え、大当り遊技終了後が前記第2確率抽選状態となる連続回数は、所定回数までに制限され、前記第2入球手段への遊技球の入球を契機とする図柄変動ゲームの変動時間の決定にあたって、通常の変動パターン群から変動パターンが決定される第1状態と、前記通常の変動パターン群とは異なる特定の変動パターン群から変動パターンが決定される第2状態と、があり、前記第2状態であるときは前記第1状態であるときよりも前記第2入球手段への遊技球の入球を契機に行われた前記小当り抽選に当選した場合の図柄変動ゲームの変動時間が短くなるように前記変動パターンが決定されることにより、前記第2状態であるときは前記第1状態であるときよりも単位時間あたりに前記小当り抽選に当選する回数が多くなり、前記特別入球制御手段は、前記大当り抽選と前記小当り抽選のうち少なくとも前記小当り抽選に当選したことを契機に前記特別入球手段への遊技球の入球を許容するように前記特別入球手段を制御可能であり、前記第2状態では、単位時間あたりに前記小当り抽選に当選する回数が多くなることにより、持ち球を増加させることができ、前記第1確率抽選状態と前記第2確率抽選状態のうち少なくとも前記第2確率抽選状態であるときに前記第2状態となり得るようになっており、前記第1状態であって前記第1確率抽選状態であるときには、前記第1状態であって前記第2確率抽選状態であるときよりも、大当り遊技の終了後が前記第2状態となり易いことを特徴とする遊技機。