JP6517114B2 - 板状組成物及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、免震構造及びその免震部材等に利用できる板状組成物及びその製造方法に関するものである。
光ケーブルは、通信分野での利用拡大のため、その使用量が急増している。これに伴い、廃棄光ケーブルの量も増大している。
廃棄光ケーブルは、廃棄物であるため安価に入手可能である。また、光ケーブルは、難燃性、耐風化性、柔軟性、非収縮性、及び耐外傷性等の優れた性能が要求され、廃棄光ケーブルも、これらの性能を有している。
一方、従来、建造物の基礎に用いられる免震構造としては種々のものがある。
例えば、住宅を構築する地盤を、住宅の外周形状よりやや大きく凹状に掘削して、外周に周壁を有する凹部を形成し、且つ該凹部の底盤面に平滑性を持たせる一方、強度性と柔軟性を有する天然ゴム、合成ゴムあるいは合成樹脂により形成され、上・下面シートの外周を周壁板で一体に接合して中空部を設け、且つ該中空部内に前記上・下面シートよりは小巾で、且つ摩擦係数が小さい合成樹脂板より成る中間板を装入すると共に、前記中空部内に潤滑性を有する液状・クリーム状・粉状あるいはゼリー状の潤滑材を多少の空隙部を残して充填密封して形成された免震マットを前記凹部の底盤面上に載置し、且つ前記免震マット上に布基礎を設置して住宅を構築し、更に前記周壁と該周壁に対面する布基礎間の間隙部に巨大地震による衝撃力を受けると崩壊して見掛け上の容積を減少する崩壊性材料を充填したことを特徴とする一般用住宅の免震装置がある(特許文献1参照)。
また、建物のコンクリート基礎が2層の発泡樹脂板を介して地盤上に支承されると共に、2層の発泡樹脂板の間であって、2層の発泡樹脂板のいずれか一方又は双方に、滑り板が発泡樹脂板と一体化して設けられ、地震による横揺れによって、発泡樹脂板と滑り板間又は滑り板間に滑りを生じて建物が免震されるようになされており、滑り板は、免震時の発泡樹脂板と滑り板間又は滑り板間の滑りによって発生する摩擦熱による滑り面の温度上昇を抑制するのに十分な熱容量を有している基礎下免震構造がある(特許文献2参照)。
特開2001−207682号公報 特許4929406号 WO2014/197098 特表2007−518704号公報 特開2007−39508号公報
本発明は、安価に製造可能な免震部材等に利用できる板状組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一形態の板状組成物は、
低密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンと架橋ポリエチレンとアラミド繊維とを含み、ポアソン比νが0.45以上であることを特徴とする。
また、エチレン酢酸ビニルコポリマーをさらに含むことを特徴とする。
また、前記架橋ポリエチレンを外側表面に有することを特徴とする。
また、屈曲性を有することを特徴とする。
また、免震用部材、建築用壁材又は床材であることを特徴とする。
また、本発明の一形態の板状組成物の製造方法は、
粉砕された廃棄光ケーブルより選別された低密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンとアラミド繊維とを準備する工程と
前記低密度ポリエチレンと前記高密度ポリエチレンと前記アラミド繊維とに対して、架橋ポリエチレンを混合した混合物を溶融する工程と、
前記混合物を圧縮成形する工程と、
前記混合物を加圧保持したまま冷却成形固化する工程と
を含むことを特徴とする。
また、粉砕された廃棄光ケーブルより選別された低密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンとを含む第1の粉砕物と、
粉砕された廃棄光ケーブルより選別された低密度ポリエチレンとアラミド繊維とを含む第2の粉砕物と、
架橋ポリエチレンとを混合した混合物を溶融する工程と、
前記混合物を圧縮成形する工程と、
前記混合物を加圧保持したまま冷却成形固化する工程と
を含むことを特徴とする。
本発明によれば、安価に製造可能な免震部材等に利用できる板状組成物を提供することができる。
実施形態の免震構造を説明する図である。 図1の部分拡大図である。 廃棄光ケーブルの断面図である。 免震部材の製造方法の一部を示した図である。 本実施形態の免震部材の正面図である。 本実施形態の免震構造を墓石の基礎に用いた例を示した図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態の免震構造1は、建造物2を構築する地盤3に埋設されたもので、免震部材10を含む。図1は、実施形態の免震構造1を説明する図であり、図2は、図1の部分拡大図である。
本実施形態の免震構造1は、建造物2を構築する地盤3を掘削し、その掘削された部分に配置するもので、複数枚積層された板状の免震部材10(10a、10b、10c)を含む。本実施形態では、免震部材10を3枚積層するが、3枚に限定されるわけではなく、それ以上でも、それ以下であっても良い。
図2に示すように免震構造1は、鉛直方向の下から、割り栗石11と、捨コン12と、免震部材10(10a、10b、10c)と、基礎部材14とを備える。捨コン12は、免震部材10を敷設するための水平レベルを出すための流動性の固化剤である。
割り栗石11と捨コン12と免震部材10とは、建造物2及び基礎部材14よりも広い範囲に敷設されている。このように免震部材10は、建造物2の下の全面に敷設されるため、建造物2の荷重が加わった場合に、ヘルツ接触応力を小さくすることができる。なお、ヘルツ接触応力とは、弾性接触部分にかかる応力あるいは圧力のことである。
割り栗石11と捨コン12と免震部材10の上の、基礎部材14が配置されていない部分、すなわち基礎部材14の外周には、30倍発泡ポリエチレンの緩衝材13が配置されている。
また、免震構造1は、基礎部材14の中を通って免震部材10まで延びるパイプ5を備える。基礎部材14の外部よりパイプ5にグリースを注入すると、グリースはパイプ5を通って、積層された免震部材10a、10b、10cの間に供給される。グリースは、例えばリチウム石鹸グリース(静摩擦係数μ=0.01)である。このグリースによって、隣接する免震部材10a、10b、10cは互いに対して水平方向に相対移動しやすくなる。
免震部材10は、廃棄光ケーブルをリサイクルしたものである。図3は廃棄光ケーブル23の断面図である。図4は、免震部材10の製造方法の一部を示した図である。
図3に示すように廃棄光ケーブル23は、廃棄前の光ケーブルも同様であるが、導(鋼線、)被覆材、介在物、テープ及びシースを含む。
免震部材10は、以下のように製造する。
まず、廃棄光ケーブル23を、粉砕機20で破砕する。
次いで、粉砕機20で粉砕された廃棄光ケーブル23を、選別装置21で、鋼線屑、プラスチック屑25、及び綿状軽量物22(導光体、テープ等の繊維が粉砕され細かくなったもの)に選別する(図4)
本実施形態の免震部材10は、このうちのプラスチック屑25と、綿状軽量物22とを用い、さらに、その他に電力線のシラン架橋ポリエチレンの粉砕材混合して製造する。
本実施形態の免震部材10に用いるプラスチック屑25及び綿状軽量物22は、複数種類の廃棄光ケーブル23の粉砕品より選別されたものである。
複数種類の廃棄光ケーブル23の粉砕品は以下に分類されるA、D、Bを含む。
A:保護テープが付いたままの廃棄光ケーブル23の粉砕品より選別されたプラスチック屑25及び綿状軽量物22である。なお、鋼線は粉砕後、除去される。主成分はポリエチレンである。 ポリエチレンは、高密度ポリエチレン(密度0.94g/cm 、メルトフローレイト0.2g/10min)と、低密度ポリエチレン(密度0.93g/cm 、メルトフローレイト0.2g/10min)とを含む。
介在物には、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン(高密度と中密度との間に位置づけられるポリエチレン群)、不織布まれる。
D:保護チューブが付いたままの廃棄光ケーブル23の粉砕品より選別されたプラスチック屑25及び綿状軽量物22である。なお、鋼線は粉砕後、除去される。主成分はポリエチレンである。保護テープの装着状態によっては、若干のEVA(エチレン酢酸ビニルコポリマー)が含まれる。
ポリエチレンは、高密度ポリエチレン(密度0.94g/cm 、メルトフローレイト0.2g/10min)と、低密度ポリエチレン(密度0.93g/cm 、メルトフローレイト0.2g/10min)とを含む。
介在物には、高密度ポリエチレン、不織布まれる
B:保護チューブを除去した廃棄光ケーブル23の粉砕品より選別されたプラスチック屑25及び綿状軽量物22である。なお、鋼線は粉砕後、除去される。この廃棄光ケーブル23は屋内配線用であったもので、低密度ポリエチレン(密度0.93g/cm 、メルトフローレイト0.2g/10min:アラミド繊維と不織布の重量比は95:5程度である。
介在物には、高密度ポリエチレンを含まず、不織布、アラミド繊維(ケブラー(登録商標))が含まれる。室内LANケーブル破砕品である。
本実施形態の免震部材10は、このA又はDのいずれかのプラスチック屑25及び綿状の軽量物22と、Bのプラスチック屑25及び綿状の軽量物22とを含み、上述したように、その他に電力線のシラン架橋ポリエチレン粉砕材も含む。
とDは、低密度ポリエチレン高密度ポリエチレン含有量の割合が概重量比40:60に構成されている。は、屋内配線用光ケーブルリサイクル品で低密度ポリエチレン:アラミド繊維不織布の含有量割合が概重量比95:5に構成されている。
これらの混合物を、二軸混練押出機で200℃前後に加熱する。
加熱された混合物は混練溶融され、ゲル状体になった後、圧縮成形プレス金型に投入され、加圧される
次いで、加圧保持したまま上下金型に冷却水を循環させ、ゲル状体をガラス転移温度以下に冷却成形固化し、その後、取り出す。
常温冷却アニーリングし、矩形の免震部材10を形成する。
図5は本実施形態の免震部材10の正面図である。免震部材10の表面は凹形シボ(油まり30)が形成されて、裏面は平坦であり、全角部31にR2以上の面取りが成形されている。
なお、シラン架橋ポリエチレンは200℃前後では溶融しないが、1mm前後に微粉砕して加熱すると、200℃で微小(直径2,3mm)程度となる。
ルトフローレイト0.2g/10min前後の流動性の悪い樹脂に架橋ポリエチレンを混練すると、押し出し成形は採用できない。冷却すると架橋ポリエチレンが窪むからである。
このため、本実施形態では、プレスで圧縮成形する。そうすると架橋ポリエチレンは外広がる。そして、加圧保持したまま冷却固化する。
流動性を示すメルトフローレイト0.2g/10min以下の低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン架橋ポリエチレンを混合溶融し、高圧で圧縮成形することで、低温流動(クリープ)の少ない樹脂で、表面精度を0.3S程度に仕上げることができる。
図5は、免震部材10を示した図である。
図示するように、免震部材10には、深さ約2mm、幅約4mm、長さ約30mmの凹形の油だまり30が約800個/m形成されている。
免震部材10の表層はポリエチレン分子鎖が結合し架橋状態となり、架橋ポリエチレンと同じ程度の硬さで、デュロメーター硬さHDD56程度である。
免震部材10の10%歪の圧縮応力は、12.7Maであり、降伏点がない。このため、住宅など軽量建造物2を長期に支承しても弾性破壊しない。
免震部材10の元となる廃棄光ケーブルは、燃焼試験JIS C3005,UL1581−1080(VW−1),IEC60332−1,2等規格に合格したものである。したがって廃棄光ケーブルが原料の免震部材10も、その性質を有する。
本実施形態により得られた免震部材10の物性値以下に示すとおりである
絶縁抵抗:5×10〜2×1016 Ω
ポアソン比:ν=0.45
ヤング率:E=3.4×10KN/m
剪断弾性係数:G=1.17×10KN/m
10%歪の圧縮応力:12.7Maで降伏点はない。
なお、本実施形態の免震部材10のポアソン比νは0.45であるが、これに限定されず、0.45以上であればよい。
免震部材10は、弾性範囲内でフックの法則が成り立つ。弾性波の速度は、以下の式に示すように波長と振動数を乗じたものとなる。ポアソン比νが大きいと伝播速度(v)が小さくなり、波長(λ)は短く、振動数(f)が大きくなる。
v=fλ f=1/T
振動波のスペクトル分析を行うと、振動波λ=150m以上で、免震部材10による入射波の遮蔽効果はFEM解析の結果、確認できない。しかし、弾性波ならスネルの法則も適用され、媒質のポアソン比が大きいと臨界角は小さくなり、臨界角以上の波動は反射され、地震波は減衰される。
例えば、本実施形態の免震部材10の圧縮応力が12.7MPaとなるのは、廃棄光ケーブル23中に含まれる低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、アラミド繊維(ケブラー(登録商標))、架橋ポリエチレンを、免震部材10が含むからである。すなわち、それぞれの原料を単独に成形しても上記のような物性値にはならない。
上記のように、10%歪の圧縮応力は12.7Mpaで降伏点がないので、床面が平坦建造物2の基礎と上部建物を支承しても撓まず、圧縮歪が小さいので建造物2を支承することができ、建造物2の荷重が弾性限界を超えない限り、地盤振動は吸収できる。
このように製造された免震部材10は、上述のように免震構造1の一部として、図1及び2に示すように、地中に埋設される。
この際、免震部材10は、建造物2と地盤3と確実に絶縁して地震動や交通振動の建造物2への伝達を防止するため、表面にリチウム石鹸グリース(静摩擦係数μ=0.01)が塗布される。グリースは、油まり30に保持される。
本実施形態の免震部材10の歪εを建築条件から算出すると
Figure 0006517114
より設計荷重を30KN/mとすると鉛直歪εzは0.002%、である。
Eはヤング率、
αはポアソン比できまる係数、
νはポアソン比0.45
である。鉛直方向歪量は0.0であるので10%歪の1/5000で弾性限界内であり、地盤振動は吸収され、熱に変換できる状態にある。
地震動は地盤3を媒体にして伝播し建造物2に進入するS波の運動だが、物質自身が進むのではなく振動が次々に伝わっていく現象である。このため、地震が発生し震源から地震動が到来したとき地盤3と建造物2が分離絶縁していると分離絶縁面で地震動は散逸、減衰する。
したがって、建造物2の基礎下に免震部材10を敷設し、分離絶縁すると、伝達できなかった地震エネルギーは、免震部材10の水平方向の滑り摩擦熱に変換されて消費散逸する。上下振動の振動エネルギーは、免震部材10の弾性力で吸収減衰され、建造物2へ進入する加速度が小さくなる。
建造物2を支承し、建造物2の重量を地盤3に伝える簡易免震装置は圧壊しないかぎり弾性を保ちポアソン比ν=0.45は変わらない。
したがって、地震波の縦波や高周波振動他上下微振動は吸収減衰でき、水平方向は地盤3と免震構造1との当接面、あるいは積層した免震部材10間の当接面で剪断荷重を受けて水平回動移動し、一部、振動エネルギーに熱散逸し、一部は摩擦熱に変換消費される。
本実施形態によると、免震部材10a、10b、10cが積層されている。免震部材10a、10b、10cは互いに滑り合うので、免震部材10cの横揺れは、免震部材10bに伝達されにくく、さらに免震部材10bの揺れは免震部材10aへ、より伝達されにくい。さらに免震部材10a、10b、10cの間にはグリースが塗布されているので、滑りやすく、地盤の振動はより伝達されにくい。
したがって、本実施形態の免震構造1によると、地震が発生した場合であっても、建造物の揺れを、より低減することができる。
また、N値1〜5までの変形係数を設定し、最大変位量及び最大主応力のFEM2次元弾性解析を実施した。本実施形態の免震部材10が、どの程度まで軟質な地盤に適用可能かを確認するためである。
以下の表1に解析結果を示す。表1は、500KN/m(0.5MPa)の輸圧の最大変位量を示したものである。
Figure 0006517114
表に示すように、N値が2以下であると、最大変位量は79や155と大きな値となる。許容変位は50強程度であるので、実施形態の免震部材10は、地盤3がN値3以上の地盤3で用いることが好ましい。
また、免震部材10と発生軸力及び引っ張り強さを解析した結果を表2に示す。
Figure 0006517114
本実施形態では、地盤の上に、栗石を転圧し、その上に、レベルを出すための捨コンを敷設し、その捨コンの上に免震部材を設置する。住宅荷重は0.015MPa程度であるので、免震部材10は部分的に撓むことがない。
したがって、本実施形態の免震部材10は、柔軟な地盤3に対しても適応可能であるので、地盤3が不良であっても破損等の心配はない。
本実施形態の免震部材10は、ポアソン比、0.45≦νである。すなわち振動波を弱めることができるので、地震が発生した場合であっても、建造物の揺れを低減することができる。
さらに、免震部材10は、廃棄光ケーブル23の被覆材であるため、可塑剤、カーボンブラックの含有量が多く、強靭性、耐候性を有する。
免震部材10は、廃棄光ケーブル23のポリエチレン複合樹脂により製造されている。廃棄光ケーブル23の被覆材は、燃焼試験に合格した非燃性の炭化水素系樹脂100%で、実際に住宅に使用していたものである。本実施形態のように再生しても、熱履歴は小さいので殆ど物性は変わらない。したがって本実施形態の免震部材10は、非燃性を有する。
免震部材10の表面にリチウム石鹸グリース(静摩擦係数μ=0.01)を塗布するため、地震動や交通振動を受けて建造物2や建造物2と地盤3と確実に絶縁することができる。
また、概深さ2mm幅4mm長さ30mmの凹形の油だまりを800個/m設けたため、30年以上、長期に保存することができる。
免震部材10は、収縮率は一般プラスチックの1/3以下(10mm/2000mm以下)で、10%歪の圧縮応力は12.7MPaで降伏点がない。したがって、床面が平坦なら建造物2の基礎と上部建物を支承しても撓まず、住宅など軽量建造物2を長期に支承しても弾性破壊しない。
また、免震部材10は、圧縮歪が小さいので建造物2を支承することが可能である。
さらに免震部材10は、建造物2の荷重が弾性限界を超えないかぎり地盤3の振動を吸収できる。
原料に高密度ポリエチレンのみを含み低密度ポリエチレンを含まない免震部材は、曲げに対して割れやすい。
しかし、本実施形態の免震部材10は、高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとを含み、表層はポリエチレン分子鎖が結合し架橋状態となり、架橋ポリエチレンと同じ程度の硬さであるが、デュロメーター硬さはHDD56程度となる。さらに、免震部材10の10%歪の圧縮応力は、12.7MPaであり、降伏点がなかった。
このため、住宅など軽量建造物2を長期に支承しても弾性破壊せず、これにより、安価に免震構造1を提供することができる。
免震部材10は基礎下全面に敷設されているので、建造物2の荷重が掛かった場合にヘルツ接触応力が小さくなる。したがって、免震部材10は変形しにくく、耐久性が向上する。
免震部材10と地盤3の間には変位を吸収するために30倍発泡ポリエチレンの緩衝材13が配置されているので、緩衝材36で地震動や交通振動の変位を吸収することができる。
免震部材10は、廃棄光ケーブルを利用したものであるので、安価に入手可能であるので、免震構造を安価に製造することができる。
以上、本発明の一実施形態として、免震部材10を建造物2の下に敷く免震構造1について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、免震部材10を建造物2の壁等に用いてもよい。
なお、本明細書において「建造物」とは、住居、ビルディング等に限らない。例えば、図6に示すように墓石40等の石造物も含み、免震部材10を墓石40(建造物2)の下に敷く免震構造1も含む。
また、本発明は建築物免震に限定されない。建築物全体でなく各階の床の免震もでき、 基礎もベタ基礎に限らず布基礎、飛び基礎に適用でき、墓所、鳥居、石灯篭他石造構造物の免震に適用できる。
また圧縮強度が大きく割れない樹脂板なので、建造物が不同沈下したとき基礎下まで掘削し、ジャッキアップするときのベースにすれば固い地盤になりコンクリートミルク注入や、グラウト液注入して不同沈下修正もできる。
さらに、梁や柱に固定し制振、耐震壁となり壁倍率も上げる事ができる。
1:免震構造、2:建造物、3:地盤、10:免震部材、22:綿状軽量物、23:廃棄光ケーブル、30:油だまり

Claims (6)

  1. 低密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンと架橋ポリエチレンとアラミド繊維とを含み、ポアソン比νが0.45以上であると共に、前記架橋ポリエチレンを外側表面に有することを特徴とする板状組成物。
  2. 10%歪の圧縮応力を加えても降伏しないことを特徴とする請求項1記載の板状組成物。
  3. 12.7MPaの圧縮応力を加えても降伏しないことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の板状組成物
  4. 免震用部材、建築用壁材又は床材であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の板状組成物。
  5. 粉砕された廃棄光ケーブルより選別された低密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンとアラミド繊維とを準備する工程と、
    前記低密度ポリエチレンと前記高密度ポリエチレンと前記アラミド繊維とに対して、架橋ポリエチレンを混合した混合物を溶融する工程と、
    前記混合物を圧縮成形する工程と、
    前記混合物を加圧保持したまま冷却成形固化する工程と
    を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の板状組成物の製造方法。
  6. 粉砕された廃棄光ケーブルより選別された低密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンとを含む第1の粉砕物と、
    粉砕された廃棄光ケーブルより選別された低密度ポリエチレンとアラミド繊維とを含む第2の粉砕物と、
    架橋ポリエチレンとを混合した混合物を溶融する工程と、
    前記混合物を圧縮成形する工程と、
    前記混合物を加圧保持したまま冷却成形固化する工程と
    を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の板状組成物の製造方法。
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