JP6516959B2 - 塗色評価用試料を用いて塗膜の塗色を評価する方法 - Google Patents

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本発明は、塗色評価用試料を用いて塗膜の塗色を評価する方法に関する。
工業製品にとって、外観の色は、商品のイメージを表すものとして重要である。なかでも人気の高い塗色として、観察角度によって色の見え方が変化するメタリック塗色がある。メタリック塗色は、鱗片状アルミニウム顔料や光干渉性顔料を含む塗料を塗装して得ることができる。
特許文献1には、画像データに基づいて感光性版材を光硬化させ、塗装を施して意匠性を付与する立体画像見本の作成方法が記載されている。この方法によれば、適用する製品を再現することができる。しかしながら、工業製品を開発する過程において、塗料メーカーは、顧客である製品メーカーに対して、適用する塗色の候補として複数の塗色を提案する場合がある。この場合、特許文献1のように製品の模型を作成すると、多岐にわたる製品の模型を作ることになるのでコストがかかる。また、製品の模型は、重量や体積が大きく、持ち運びに難がある場合がある。
模型の代わりに、二次元の見本板やカラーカード(例えば、特許文献2、3)を使用する場合があるが、その場合、三次元形状の製品に適用された場合の色の見え方がイメージしにくい問題点がある。
このほか、製品の形状データを使用したコンピュータグラフィックス(CG)画像が使用される場合がある。CG画像は、電子データとして送受信可能で便利であるが、色の再現性については機器に依存する。印刷すると、通常のCMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)を使用する印刷機ではメタリック塗色を表現することはできないし、特殊なインクを使用したとしても、塗膜中の顔料の構造や配置まで再現することは難しく、メタリック塗色の観察角度による色変化を反映しにくい。
特開2000−202917号公報 特開2004−53260号公報 特開2004−271467号公報
しかしながら、顧客に評価を依頼する見本作成においては細心の注意が必要である。
例えば、着色ベース塗料による塗膜/メタリックベース塗料による塗膜/クリヤー塗料による塗膜からなる3コート(3C)、着色ベース塗料による塗膜/クリヤー塗料による塗膜からなる2コート(2C)など、複層構造の塗膜を形成するには、試料作成に工数がかかる。
塗膜の表面に異物が付着した場合、水研により異物を含む塗膜の一部を除去した後、再塗装が必要であり、再塗装後にも塗膜厚を均一にする作業が必要である。
また、メタリックベース塗料中に大粒子径の鱗片状光輝性顔料を使用した場合、メタリックベース塗料の上に積層されるクリヤー塗料による塗膜の膜厚が薄い場合、メタリックベース塗料中の光輝性顔料の一部がクリヤー塗膜から突出する場合があり、仕上がり外観を維持、向上させるためには、クリヤー塗料をさらにもう1層塗装する必要がある等、工数を必要とする。
製品の模型が表面に凹部を有する凹型の成形品の場合、塗装の際に凹部への塗料の入り込みが悪く、乾燥前に塗料が垂れたり、肉厚になったりと塗膜厚が不均一となり、仕上がり外観や意匠性を損なう場合がある。
塗装模型を成形品で作成する場合、専用の型を作成する必要があって、工数と、コストがかかる。体積や重量が大きいと取り扱いが不便であり、運搬もしにくい。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、凹部があっても作成が容易な、塗色評価用試料を用いて塗膜の塗色を評価する方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、塗色評価用試料を用いて塗膜の塗色を評価する方法であって、前記塗色評価用試料は、観察側に凹部または凸部のいずれか一方として凸部が形成された透明な樹脂フィルムからなる樹脂基材の片面上で、少なくとも前記凸部を含む部分の前記観察側とは反対側である被塗装面に前記塗膜を有し、前記樹脂基材は、前記凸部の裏面に凹面を有し、前記被塗装面は、前記凸部の裏面である前記凹面を含み、前記塗膜が、前記樹脂基材の片面に密着する光輝性顔料を含む光輝性塗膜と、前記光輝性塗膜の上にさらに積層されている着色塗膜とを有し、前記樹脂基材を通じて前記塗膜を観察し、前記樹脂基材の前記被塗装面と前記塗膜の界面を観察面として前記塗膜の塗色を評価し、前記塗色評価用試料の作成方法は、透明な樹脂フィルムを加熱して真空成形により前記凸部を有し、前記凸部と平坦部との境界部を含む前記樹脂基材を形成した後、前記樹脂基材の片面上で少なくとも前記凸部を含む部分の前記被塗装面に前記塗膜を形成することを特徴とする方法を提供する。
また、本発明は、塗色評価用試料を用いて塗膜の塗色を評価する方法であって、前記塗色評価用試料は、観察側に凹部または凸部のいずれか一方として凹部が形成された透明な樹脂フィルムからなる樹脂基材の片面上で、少なくとも前記凹部を含む部分の前記観察側とは反対側である被塗装面に前記塗膜を有し、前記樹脂基材は、前記凹部の裏面に凸面を有し、前記被塗装面は、前記凹部の裏面である前記凸面を含み、前記塗膜が、前記樹脂基材の片面に密着する光輝性顔料を含む光輝性塗膜と、前記光輝性塗膜の上にさらに積層されている着色塗膜とを有し、前記樹脂基材を通じて前記塗膜を観察し、前記樹脂基材の前記被塗装面と前記塗膜の界面を観察面として前記塗膜の塗色を評価し、前記塗色評価用試料の作成方法は、透明な樹脂フィルムを加熱して真空成形により前記凹部を有し、前記凹部と平坦部との境界部を含む前記樹脂基材を形成した後、前記樹脂基材の片面上で少なくとも前記凹部を含む部分の前記被塗装面に前記塗膜を形成することを特徴とする方法を提供する
前記樹脂基材が前記凹部または凸部のいずれか一方として凹部を有し、前記塗膜が、前記樹脂基材の凹部の裏面である凸面側に形成されていると、塗装作業の容易さや、得られた塗膜の仕上がり外観や意匠性の点から好ましい。
また、前記凹部に水を入れて観察することが可能である
本発明によれば、透明な樹脂フィルムがクリヤー塗膜の替わりになり、クリヤー塗装の工数を削減することができるばかりか、樹脂フィルムは硬さがあるので、メタリックベース塗料中に大粒子径の光輝性顔料を使用しても、凸部に塗装した時に凹部側への光輝性顔料の粒子の突出がなく、仕上がり外観や意匠性を損なうことがない。
本発明の塗色評価用試料の一例を示す図であり、(a)は全体の断面図、(b)は(a)のA部の部分拡大断面図である。
以下、好適な実施形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
図示例の塗色評価用試料10では、透明な樹脂基材11により試料の形状を構成する。この樹脂基材11の片面に、1層又は2層以上の塗膜を形成し、樹脂基材を通じて塗膜を観察することにより、塗色評価を可能にしている。
樹脂基材11は、凹部または凸部を形成した透明な樹脂フィルムからなる。樹脂基材11の形状は、製品の外面の形状を模すことが好ましい。製品の形状は、曲面パネル、トレイ、カップ、ハウジング、カバー等、外面に1つ又は2つ以上の凹部又は凸部を有することができる。樹脂基材を構成する樹脂は、低コストに加熱で容易に成形できることから、熱可塑性樹脂が好ましい。凹部又は凸部の寸法は、特に限定されないが、例えば数mm程度から数十cm程度である。
樹脂基材11の材料として用いる熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体)樹脂などが挙げられる。ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、あるいはこれらに他のグリコール成分やジカルボン酸成分等を共重合させた各種の変性ポリエステルが挙げられる。ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。透明性の観点から、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等が好ましい。
樹脂基材11の成形は、あらかじめ樹脂フィルム(厚さによらず、樹脂シートあるいは樹脂板を含む。)を加熱軟化させて成形型に密着させて賦形する、各種のシート成形法が好適である。樹脂フィルムは、1種の樹脂からなる単層品でもよく、2種以上の樹脂からなる複層品でもよい。樹脂フィルムの厚さは、特に限定されないが、例えば、約0.1mmから数mm程度が挙げられる。好ましくは、0.25mmから0.5mm程度である。
樹脂フィルムの成形方法として、具体的には、樹脂フィルムと型の間を真空にして賦形する真空成形、樹脂フィルムの型とは反対側の空間を加圧して賦形する圧空成形、樹脂フィルムの両側に凹凸型を設けて賦形するプレス成形、2枚の樹脂フィルムの間を空気で加圧して賦形するブロー成形等が挙げられる。
上述の成形方法の中でも、型の製作コストが安く、表面状態の再現性が良好であることから、真空成形が好ましい。真空成形の型を構成する材料は、木材、人工木材、樹脂、金属等があるが、試作品等を目的とした少量生産の場合は、木材、人工木材及び石膏が好ましい。真空成形や圧空成形では、樹脂フィルムの片面のみを型に当接させればよいことから、表裏面のどちらを型当たり面とするかは任意である。例えば凹部を有する樹脂基材を作成する場合に、凹部の表面(凹面)を型当たり面としてもよく、凹部の裏面(凸面)を型当たり面としてもよい。
本実施形態の塗色評価用試料10は、上述のように凹部又は凸部を有する樹脂基材を成形し、離型した後に、樹脂基材の片面(被塗装面)に塗膜を形成して製造する。塗膜を形成した樹脂基材をシート成形する場合に比べると、塗膜が成形時の変形や温度等の影響を受けないため、凹部、凸部や、これらと平坦部との境界部などにおける塗膜の劣化を抑制できる。特に、塗膜がメタリック塗膜を有する場合は、成形時の樹脂フィルムの変形や伸縮に伴う、光輝性顔料の分布の不均一化や、塗料中の樹脂と鱗片状光輝性顔料との剥がれ等を防ぐことができる。
樹脂基材上に塗膜を形成する前に、樹脂基材上に異物が付着しないよう、検査することが好ましい。塗膜が、観察側となる透明な樹脂基材の片面に形成されるため、樹脂基材の被塗装面の状態が塗膜の仕上がりに影響するおそれがある。このため、被塗装面が平滑で、異物の付着がないことが望ましい。
樹脂基材に異物の付着がある場合、送風や水洗等によって、異物を除去することが好ましい。異物が油脂である場合には、界面活性剤を含んだ洗浄液や、有機溶剤を含む洗浄液を用いて洗浄してもよい。不揮発性の成分を含む洗浄液を用いた場合、洗浄後に水等によりすすいで洗浄液を除去し、乾燥させることが好ましい。
樹脂基材11に設ける塗膜は、1層のみの単層でもよく、2層以上の複層でもよい。意匠性に優れることから、樹脂基材11の面12に密着する塗膜16は、光輝性顔料15を含む塗料(以下、光輝性塗料という。)から形成した塗膜(以下、光輝性塗膜という。)が好ましい。光輝性塗膜16の上(樹脂基材11とは反対側)には、着色顔料を含んでも含まなくてもよい別の塗膜17を設けると、光輝性塗膜16が保護される。また、光輝性塗膜が素材を隠蔽しない場合においては、着色顔料を含む別の塗膜により、複層塗膜の意匠性が向上する。
光輝性顔料は、観察角度により色の見え方が変化する顔料である。光輝性顔料の具体的例としては、アルミニウム、銅、ニッケル合金、ステンレス等の鱗片状金属顔料、表面を金属酸化物で被覆した鱗片状金属顔料、表面に着色顔料を化学吸着させた鱗片状金属顔料、表面に酸化還元反応を起こさせることにより酸化アルミニウム層を形成した鱗片状アルミニウム顔料、アルミニウムを固溶した板状酸化鉄顔料、ガラスフレーク顔料、表面を金属又は金属酸化物で被覆したガラスフレーク顔料、表面に着色顔料を化学吸着させたガラスフレーク顔料、表面を二酸化チタンで被覆した干渉マイカ顔料、干渉マイカ顔料を還元した還元マイカ顔料、表面に着色顔料を化学吸着させた着色マイカ顔料、表面を酸化鉄で被覆した着色マイカ顔料、表面を二酸化チタンで被覆したグラファイト顔料、表面を二酸化チタンで被覆したシリカフレークやアルミナフレーク顔料、板状酸化鉄顔料、ホログラム顔料、合成マイカ顔料、らせん構造を持つコレステリック液晶ポリマー顔料、オキシ塩化ビスマス顔料などが挙げられる。
また、前記光輝性塗料には、光輝性顔料以外の顔料として、一般の着色顔料、例えば、透明性酸化鉄顔料、チタンイエロー等の複合酸化物顔料等の無機顔料;アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属キレートアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、アンスラキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、スレン系顔料、インジゴ系顔料等の有機顔料、カーボンブラック、酸化チタン顔料等の着色顔料を含むことが好ましい。
また、前記光輝性塗料には、通常、ビヒクルとして、樹脂成分を含有することができる。樹脂成分としては、具体的には、水酸基などの架橋性官能基を有する、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂などの基体樹脂と、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイソシアネート化合物(ブロック体も含む。)などの架橋剤とを併用したものが挙げられる。前記光輝性塗料は、ビヒクル、顔料、溶媒(有機溶剤や水など)、必要に応じて適宜の添加物を配合し、均一に分散させることで調製することができる。
光輝性塗膜16の上に設ける塗膜17は、光輝性顔料を含んでも含まなくてもよいが、光輝性塗膜16の裏面を隠蔽して、透明な樹脂基材11側が観察面(意匠面)であることを表示するため、着色顔料を含む塗膜が好ましい。
塗膜16,17は、少なくとも凹部または凸部を含む部分に形成することが好ましい。平坦部を含めて全面に塗膜を形成してもよいし、周縁部の塗装を省略してもよい。
図1(a)では、樹脂基材11が凹部14を含み、凹部14の内面を含む側の面13が観察側であり、凹部14の裏面の凸面を含む面12が塗膜16,17の被塗装面となる。
樹脂基材11の片面に2層以上の塗膜を形成する場合、樹脂基材11の側から塗膜を観察することから、通常とは逆の順序で塗膜を形成する。例えば、通常の製品において塗装する順序が、適宜の下塗り層と、着色塗膜、光輝性塗膜、クリヤー塗膜の順である場合は、塗色評価用試料10の作成に際し、光輝性塗膜を最初に塗布し、次に着色塗膜を塗布する。樹脂基材がクリヤー塗膜を兼ねることから、クリヤー塗膜の塗布は不要である。
光輝性塗膜16の上に設ける塗膜17の上には、さらに塗膜を設けなくてもよいが、多数の塗膜を積層する製品の模型を作成する際、塗色の再現性を期するため、同数の着色塗膜を積層することもできる。また、塗膜17の上に保護膜を設けてもよい。
塗膜を形成した後、または塗膜を形成する前に、樹脂基材11の周縁をトリミング等により除去してもよい。
本実施形態の塗色評価用試料10によれば、光輝性塗膜が粒子径の大きい光輝性顔料を含む場合でも、図1(b)に示すように、光輝性顔料15の粒子が樹脂基材11を貫通することがなく、顔料粒子の突出が防止される。このため、従来の製法で、顔料粒子が塗膜から突出した場合に行っていた、水研や再塗装の工程が不要になる。
樹脂基材11が透明な樹脂フィルムからなるので、塗膜の表面にクリヤー塗膜を積層する必要がない。このため、樹脂基材上に光輝性塗料を塗布するだけでも、塗色評価に必要な積層構成が得られる。樹脂基材11には薄いフィルムを使用できるので、ハンドリングがよく、軽量であり、客先への送付や持ち運びが容易である。工数や材料を低減できるので、低コストである。
試料の観察側に凹部を含む場合、被塗装面が凹部の裏面の凸面となるので、塗装が容易である。このため、凹部における塗膜の塗色を評価する場合には特に効果的である。試料の観察側に凸部を含む場合には、被塗装面が凸部の裏面の凹面となるが、多少の塗料の垂れが生じたとしても、樹脂基材の被塗装面と塗膜の界面が観察される。光輝性塗膜では、光輝性顔料の粒子径より大きい比較的厚膜にすることが求められるが、塗膜の裏面に異物の付着や塗料の垂れ等があっても、塗色評価用試料の外観に与える影響が小さい。
試料の観察側に凹部を含む場合、凹部に水を入れて観察することが可能である。塗膜の上に水滴や水膜ができると、水の屈折率(約1.33)と空気の屈折率(約1.0)の違いにより、塗色が変化する場合がある。凹部に水を入れた場合、色々な方向から角度を変えて観察するときに、水がこぼれにくいので、室内でも水の付着による影響の評価が容易になる。
(実施例1)
厚さ0.3mm、縦横が約40cm×約30cmのPETフィルムを加熱して、真空成形により、約22cm×14cm×(深さ)約6cmの凹部を形成した。離型後、凹部の裏面の凸面に、薄緑色の塗料を塗布した。乾燥後、さらに白色の塗料を塗布し、乾燥させた。これにより、低コストで容易に塗色評価用試料を作成することができた。
(実施例2)
厚さ0.3mm、縦横が約40cm×約30cmのPETフィルムを加熱して、真空成形により、直径が約20cm、深さが約5cmの略半球状の凹部を形成した。離型後、凹部の裏面の凸面に、光輝性顔料を含む白色の塗料を塗布した。乾燥後、さらに光輝性顔料を含まない白色の塗料を塗布し、乾燥させた。これにより、低コストで容易に塗色評価用試料を作成することができた。
10…塗色評価用試料、11…樹脂基材、12…片面、13…反対側の面、14…凹部、15…光輝性顔料、16…光輝性塗膜、17…塗膜。

Claims (3)

  1. 塗色評価用試料を用いて塗膜の塗色を評価する方法であって、
    前記塗色評価用試料は、観察側に凹部または凸部のいずれか一方として凸部が形成された透明な樹脂フィルムからなる樹脂基材の片面上で、少なくとも前記凸部を含む部分の前記観察側とは反対側である被塗装面に前記塗膜を有し、
    前記樹脂基材は、前記凸部の裏面に凹面を有し、
    前記被塗装面は、前記凸部の裏面である前記凹面を含み、
    前記塗膜が、前記樹脂基材の片面に密着する光輝性顔料を含む光輝性塗膜と、前記光輝性塗膜の上にさらに積層されている着色塗膜とを有し、
    前記樹脂基材を通じて前記塗膜を観察し、前記樹脂基材の前記被塗装面と前記塗膜の界面を観察面として前記塗膜の塗色を評価し
    前記塗色評価用試料の作成方法は、透明な樹脂フィルムを加熱して真空成形により前記凸部を有し、前記凸部と平坦部との境界部を含む前記樹脂基材を形成した後、前記樹脂基材の片面上で少なくとも前記凸部を含む部分の前記被塗装面に前記塗膜を形成することを特徴とする方法
  2. 塗色評価用試料を用いて塗膜の塗色を評価する方法であって、
    前記塗色評価用試料は、観察側に凹部または凸部のいずれか一方として凹部が形成された透明な樹脂フィルムからなる樹脂基材の片面上で、少なくとも前記凹部を含む部分の前記観察側とは反対側である被塗装面に前記塗膜を有し、
    前記樹脂基材は、前記凹部の裏面に凸面を有し、
    前記被塗装面は、前記凹部の裏面である前記凸面を含み、
    前記塗膜が、前記樹脂基材の片面に密着する光輝性顔料を含む光輝性塗膜と、前記光輝性塗膜の上にさらに積層されている着色塗膜とを有し、
    前記樹脂基材を通じて前記塗膜を観察し、前記樹脂基材の前記被塗装面と前記塗膜の界面を観察面として前記塗膜の塗色を評価し
    前記塗色評価用試料の作成方法は、透明な樹脂フィルムを加熱して真空成形により前記凹部を有し、前記凹部と平坦部との境界部を含む前記樹脂基材を形成した後、前記樹脂基材の片面上で少なくとも前記凹部を含む部分の前記被塗装面に前記塗膜を形成することを特徴とする方法
  3. 前記凹部に水を入れて観察することが可能であることを特徴とする請求項に記載の方法
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