以下、本発明に係る遊技機の第一の実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。まず、図1から図3を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。
図1に示すように、パチンコ機1の上半分の部分には遊技盤2が設けられている。遊技盤2は正面視略正方形の板状であり(図2参照)、透明なガラス板を保持した前面枠13によって前面を保護されている。遊技盤2の下部には上皿5が設けられている。上皿5は、遊技球発射装置37(図4参照)に金属製の遊技球を供給し、且つ賞球を受ける。上皿5の上面には、遊技者によって操作される操作ボタン9が設けられている。上皿5の直下には、賞球を受ける下皿6が設けられている。下皿6の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。前面枠13の上部の左右の角には、スピーカ48がそれぞれ設けられている。
図2に示すように、遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。発射機によって発射された遊技球は、遊技領域4内を流下する。遊技領域4の略中央には、各種演出を実行する演出装置8が設けられている。演出装置8は、LCDからなる表示画面28を中央に備える。表示画面28は様々な映像を表示するが、特に大当たり判定の結果を遊技者に報知する演出用の図柄である演出図柄81(図13等参照)を表示する。パチンコ機1は、複数(本実施形態では3つ)の演出図柄81を変動させた後に、大当たり判定の結果を示す演出図柄81の組合せを確定表示させる報知演出を実行することで、大当たり判定の結果を遊技者に報知する。
表示画面28の上方には、腕の形を模した演出用の装飾体である装飾部材86が設けられている(図3参照)。詳細は図示しないが、演出装置8は、演出装置8上方の内部且つ装飾部材86の後方に駆動モータ30(図4参照)を備えている。駆動モータ30は図示外の複数のギアを介して装飾部材86に接続されている。装飾部材86は、駆動モータ30が駆動しない間は演出装置8の上方に収納されているが(図2参照)、駆動モータ30が駆動すると収納されている位置から下降し、表示画面28上方の前面を覆うように駆動される(図3参照)。駆動モータ30の駆動によって装飾部材86が駆動されることで、演出装置8は遊技者に期待度を示唆する演出を実行する。
演出装置8の下方には第一始動口14が設けられている。演出装置8の右方には普通図柄作動ゲート12が設けられ、普通図柄作動ゲート12の下方には第二始動口15が設けられている。第二始動口15の左斜め下方には、第一大入賞口16と第二大入賞口17とが上下に並べて設けられている。第二始動口15は、普通電動役物(後述する普通当たり判定の結果に基づき可動する役物)としての開閉部材を備え、開閉部材が開放された場合にのみ、遊技球は第二始動口15に入賞できる。第一大入賞口16および第二大入賞口17もそれぞれ開閉部材を備え、開閉部材が開放された場合にのみ、遊技球は第一大入賞口16および第二大入賞口17に入賞できる。各開閉部材はソレノイドによって電気的に開閉される。さらに遊技盤2には、上記以外に各種の電飾ランプ、入賞口、風車、および遊技くぎ等が設けられている。
図示しないが、第二大入賞口17に入賞した遊技球の流路には、特定領域および非特定領域が形成されている。パチンコ機1では、大当たり遊技中に遊技球が第二大入賞口17内の特定領域を通過することが、大当たり遊技終了後に確率変動状態を生起する条件となっている。本実施形態では、第二大入賞口17は1回の大当たり遊技中に1回開放される。第二大入賞口17の開放パターンには、1回の開放動作で最大13秒開放される長時間開放パターンと、最大0.3秒しか開放されない短時間開放パターンとがある。短時間開放パターンの場合には、第二大入賞口17に遊技球が入賞する確率は低い。そして、大当たりの種類には、長時間開放パターンが選択される長時間開放大当たりと、短時間開放パターンが選択される短時間開放大当たりとが設けられている。よって、長時間開放大当たりとなるか否かによって、確率変動状態が生起される割合は変化する。
遊技盤2の右斜め下部には、大当たり判定の結果および保留球数等を表示する図柄表示部24が設けられている。図柄表示部24は、特別図柄表示部、普通図柄表示部、特別図柄記憶数表示LED、および普通図柄記憶数表示LEDを備える。特別図柄表示部は、2つの7セグメントLEDからなり、大当たり判定の結果を示す特別図柄を表示する。普通図柄表示部は、LEDの点灯および消灯によって普通当たり判定の結果を表示する。特別図柄記憶数表示LEDは、大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数(所謂「特別図柄作動保留球数」)を表示する。普通図柄記憶数表示LEDは、普通当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数(所謂「普通図柄作動保留球数」)を表示する。
次に、パチンコ機1における遊技の流れについて概略的に説明する。パチンコ機1では、普通当たり遊技および大当たり遊技が設けられている。パチンコ機1は、大当たり判定において「大当たり」と判定される確率が約1/320である非確率変動状態と、約1/32である確率変動状態とを生起させることができる。生起された確率変動状態は、大当たり判定の回数の和が所定の回数(本実施形態では100回)に達することで、所謂回数切り確変機能の作動によって終了する。なお、確率変動状態の開始条件および終了条件は、本実施形態の例に限られない。例えば、大当たり遊技の終了後に確率変動状態を生起し、生起した確率変動状態は次に大当たりと判定されるまで継続する所謂ループタイプの遊技機であってもよい。また、1回の大当たり判定ごとに確率変動状態を終了させる転落抽選を行い、転落抽選に当選した場合に確率変動状態を終了するものであってもよい。
また、パチンコ機1は、第二始動口15の開閉部材が開放される割合が通常の割合である非時短状態と、割合が非時短状態よりも高くなる時短状態とを、大当たり遊技の終了後に生起させることができる。本実施形態では、大当たり判定の回数の和が100回に達することが時短状態の終了条件となっている。パチンコ機1は、これらの組合せにより、「非確率変動非時短状態」(以下、「通常状態」という。)、「非確率変動時短状態」、および「確率変動時短状態」の3つの遊技状態を生起する。ただし、この実施形態に限られず、「確率変動非時短状態」等を加えた4つ以上の遊技状態に区分けしてもよい。これにより、遊技内容が多様となり、遊技者が遊技状態を予測することが困難な意外性のある遊技を提供することができる。
図4を参照して、パチンコ機1の電気的構成について説明する。パチンコ機1の制御部40は、主基板41、サブ制御基板58、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、払出制御基板45、および中継基板47を主に備える。
主基板41は、パチンコ機1の主制御を司る。主基板41の主基板CPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、データを一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム等を記憶したROM53とが設けられている。主基板CPUユニット50には、割込信号発生回路57が接続されている。主基板41は、割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎にプログラムを実行する。主基板41は、I/Oインタフェイス54を介してサブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47、出力ポート55、第一始動口スイッチ72、および第二始動口スイッチ73に接続されている。出力ポート55は、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する。第一始動口スイッチ72は、第一始動口14に入賞した遊技球を検出する。第二始動口スイッチ73は、第二始動口15に入賞した遊技球を検出する。
サブ制御基板58は、CPU581、RAM582、およびROM583を備え、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、操作ボタン9、およびスピーカ48に接続している。サブ制御基板58は、主基板41から送信されるコマンドに従って、演出等の総合的な制御を行う。ランプドライバ基板46は、各種照明の動作および駆動モータ30等を制御する。駆動モータ30は、装飾部材86を駆動させるためのステッピングモータである。演出制御基板43は、CPU431、CGROM432等を備え、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って表示画面28の表示を制御する。払出制御基板45は、CPU45a等を備える。払出制御基板45は、主基板41から送信されるコマンドに応じて賞球払出装置49の動作を制御し、所定数の遊技球を払い出させる。
中継基板47には、普通電動役物開閉ソレノイド69、第一大入賞口開閉ソレノイド70、第二大入賞口開閉ソレノイド71、普通図柄作動スイッチ74、第一大入賞口スイッチ75、特定領域スイッチ76、非特定領域スイッチ77および図柄表示部24が接続されている。普通電動役物開閉ソレノイド69は、普通当たり遊技中に第二始動口15の開閉部材を開閉する。第一大入賞口開閉ソレノイド70は、大当たり遊技中に第一大入賞口16の開閉部材を開閉する。第二大入賞口開閉ソレノイド71は、大当たり遊技中に第二大入賞口17の開閉部材を開閉する。普通図柄作動スイッチ74は、普通図柄作動ゲート12を通過した遊技球を検出する。第一大入賞口スイッチ75は、第一大入賞口16に入賞した遊技球を検出する。特定領域スイッチ76は、第二大入賞口17内の特定領域を通過した遊技球を検出する。非特定領域スイッチ77は、第二大入賞口17内の非特定領域を通過した遊技球を検出する。
電源基板42は、主基板41および遊技球発射装置37に接続されており、各基板および遊技球発射装置37に直流の安定化した電力を供給する。遊技球発射装置37は、一定間隔(本実施形態では0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域4へ発射する。
図5を参照して、RAM52の大当たり関係情報記憶エリアについて説明する。大当たり関係情報記憶エリアは、後述するメイン処理の特別図柄処理(図8および図9参照)において使用され、第一始動口14および第二始動口15への遊技球の入賞時に取得される乱数を記憶する。大当たり関係情報記憶エリアには複数の記憶エリアが設けられている。第一始動口14または第二始動口15に遊技球が入賞した際に、特別図柄作動保留球数が4未満(0〜3)であれば、番号の小さい記憶エリアから順に乱数が記憶される。CPU51は、処理が未だ行われていない記憶エリアの乱数のうち、最も番号の小さい記憶エリアを判定エリアとし、判定エリアに記憶されている乱数について大当たり判定等の各種処理を行う。判定エリアに記憶されている乱数に関する処理(具体的には、判定結果を報知する報知演出、および、判定結果が大当たりの場合に実行される大当たり遊技)が終了すると、次に番号が小さい記憶エリアが判定エリアとされて、大当たり判定等の処理が繰り返される。なお、処理が終了した記憶エリアの乱数は、適宜消去してもよい。
各記憶エリアには、大当たり判定カウンタの値が記憶される大当たり乱数欄、特別図柄決定カウンタの値が記憶される特別図柄決定乱数欄、および、変動パターン決定カウンタの値が記憶される変動パターン決定乱数欄が設けられている。第一始動口14および第二始動口15に遊技球が入賞すると、その時点で計数されているそれぞれの乱数取得カウンタの値が各欄に記憶される。大当たり乱数は、大当たり判定のために用いられる。特別図柄決定乱数は、特別図柄を決定するために用いられる。変動パターン決定乱数は、図柄表示部24に表示される特別図柄の変動時間を画する変動パターンを決定するために用いられる。なお、RAM52には、普通図柄作動ゲート12への遊技球の入賞時に取得される乱数を記憶するための普通当たり関係情報記憶エリアが設けられている。普通当たり関係情報記憶エリアも、大当たり関係情報記憶エリアと同様に構成されている。
図6を参照して、ROM53に記憶されている特別図柄変動パターン決定テーブルについて説明する。変動パターンとは、前述したように、図柄表示部24に表示される特別図柄の変動時間を画するものである。またパチンコ機1において、特別図柄の変動時間は、大当たり判定の結果を遊技者に報知する報知演出の演出時間に等しい。サブ制御基板58は、主基板41で決定された変動パターンに従って報知演出を制御する。即ち、表示画面28、装飾部材86、スピーカ48等によって、変動パターンと同期した報知演出が実行される。
特別図柄変動パターン決定テーブルには、大当たり判定時の遊技状態(非確率変動非時短状態中、非確率変動時短状態中、または確率変動時短状態中)、および大当たり判定の結果(大当たりまたははずれ)に応じて複数のテーブルが設けられている。それぞれのテーブルには複数種類の変動パターンが割り当てられており、各変動パターンと変動パターン決定乱数の値(0〜511)とが対応付けられている。大当たり判定が行われると、その時点の遊技状態と判定結果とに応じたテーブルが参照され、大当たり乱数と共に取得されている変動パターン決定乱数の値によって変動パターンが1つ決定される。主基板41は、決定された変動パターンを指定するコマンドである変動パターン指定コマンドを、サブ制御基板58へ送信する。サブ制御基板58は、コマンドによって指定された変動パターンに応じて表示画面28およびスピーカ48等を制御する。また、主基板41は、決定した変動パターンに応じて決められている変動時間だけ、特別図柄を変動させる。
本実施形態では、大当たり判定の結果が大当たりの場合には、リーチ演出を実行する変動パターンが必ず決定される。一方で、判定結果がはずれの場合には、リーチ演出を実行しない「非リーチ」の変動パターンが決定される割合が最も高い。リーチ演出は、複数の演出図柄81のうちの一部を停止させた状態で行われる演出であり、大当たりの可能性があることを示す。本実施形態におけるリーチ演出には、ノーマルリーチ、リーチ演出A,B,C,D、SPリーチ演出、SPロングリーチ演出A,Bの8種類がある。図6に示すように、大当たり判定の結果が大当たりの場合には、ノーマルリーチ、リーチ演出A,B,C,D、SPリーチ演出、SPロングリーチ演出A,Bの順で、決定される割合が高くなる。逆に、判定結果がはずれの場合には、ノーマルリーチ、リーチ演出A,B,C,D、SPリーチ演出、SPロングリーチ演出A,Bの順で、決定される割合が低くなる。従って、リーチ演出において示される大当たり判定の結果が大当たりとなる期待度は、ノーマルリーチ、リーチ演出A,B,C,D、SPリーチ演出、SPロングリーチ演出A,Bの順に高くなる。
図7から図10を参照して、パチンコ機1の主基板41による動作について説明する。パチンコ機1の主制御は、ROM53に記憶されている制御プログラムによって行われる。制御プログラムのメイン処理(図7参照)は、割込信号発生回路57(図4参照)が4ms毎に発生する割込信号をCPU51が感知した際に、CPU51において実行される。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
まず、コマンド出力処理が行われる(S10)。コマンド出力処理では、制御コマンドが、サブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47等に出力される。ここで出力される制御コマンドは、前回実施されたメイン処理においてRAM52に記憶された制御コマンドである。
次いで、スイッチ読込処理が行われる(S11)。スイッチ読込処理では、普通図柄作動ゲート12、各入賞口に設けられた各スイッチ(図4参照)の検出結果から、遊技球を検知するための処理が行われる。
次いで、カウンタ更新処理が行われる(S12)。カウンタ更新処理では、RAM52に記憶されている乱数取得カウンタの値が加算され、且つ、特別図柄の変動時間を計測するためのタイマカウンタである特別図柄変動時間カウンタの値が減算される。
次いで、特別電動役物処理が行われる(S13)。特別電動役物処理では、大当たり遊技の動作(主に第一大入賞口16および第二大入賞口17の開閉部材の開閉動作)を制御するための処理と、大当たり遊技終了後に生起される遊技状態に関する処理とが行われる。なお、大当たり遊技において、1回の当たり遊技中に第一大入賞口16および第二大入賞口17が開閉される回数の合計(所謂「ラウンド数」)は、特別図柄の大当たり種別に応じて決定される。本実施形態の大当たり種別には、ラウンド数が16の「16ラウンド大当たり」と、ラウンド数が4の「4ラウンド大当たり」の2つがある。後述する大当たり遊技状態フラグが「ON」となっている場合には、大当たり遊技が実行される。本実施形態では、1回の大当たり遊技における最終ラウンドにおいて、第二大入賞口17が13秒または0.3秒開放される。最終ラウンド以外のラウンドでは、第一大入賞口16が最大開放時間29秒で開放される。大当たり遊技中に遊技球が第二大入賞口17内の特定領域を通過した場合には、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図7参照)において、特定領域スイッチ76に対応するフラグが「ON」とされる。このフラグが「ON」とされていれば、後述する確率変動フラグが「ON」とされる。そして、一旦開放された第一大入賞口16および第二大入賞口17は、最大開放時間の経過、および9個の遊技球の入賞のいずれかの条件が満たされると閉鎖される。
次いで、特別図柄処理が行われる(S14)。詳細は後述するが、特別図柄処理では、大当たり判定、変動パターンの決定、特別図柄の決定、および遊技状態の移行処理等が行われる(図8から図10参照)。
次いで、普通電動役物処理が行われる(S15)。普通電動役物処理では、普通当たりとなった場合に普通当たり遊技の動作を制御するための処理が行われる。CPU51は、時短状態が生起されていれば、非時短状態中よりも長く、第二始動口15の開閉部材を開放させる。
次いで、普通図柄処理が行われる(S16)。普通図柄処理では、普通図柄作動スイッチ74が遊技球を検出することを契機として、普通当たり乱数が取得される。取得された乱数に基づいて、普通当たり判定、普通図柄の変動を制御するためのコマンドの記憶等の処理が行われる。時短状態中に普通当たりと判定される確率(本実施形態では99/100)は、非時短状態中に普通当たりと判定される確率(本実施形態では4/100)よりも高い。また、普通図柄の変動時間は、非時短中の変動時間(本実施形態では10秒)よりも時短状態中の変動時間(本実施形態では2秒)の方が短い。
次いで、払出処理(S17)、エラーチェック(S18)、および情報出力処理(S19)が行われる。払出処理では、賞球の払い出しが制御される。エラーチェックでは、エラーが発生している場合に、表示画面28およびスピーカ48等を用いてエラーが報知される。情報出力処理では、図示外の遊技場管理用コンピュータに各種の情報が出力される。
図8から図10を参照して、特別図柄処理(S14、図7参照)の詳細について説明する。まず、特別図柄処理で使用されるフラグについて説明する。RAM52には、大当たり遊技状態フラグ、特別図柄表示状態フラグ、確率変動フラグ、時短フラグ、客待ちフラグ等が記憶されている。大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技中に「1」が記憶されて「ON」となり、大当たり遊技中でない場合には「0」が記憶されて「OFF」となる。特別図柄表示状態フラグは、特別図柄が変動している場合(変動中)に「1」、停止表示されている場合(停止表示中)に「2」、変動中でも停止表示中でもない場合に「0」が記憶される。確率変動フラグは、確率変動状態中に「1」が記憶されて「ON」とされる。時短フラグは、時短状態中に「1」が記憶されて「ON」とされる。客待ちフラグは、大当たり判定を実行するために記憶された特別図柄作動保留球が無く、遊技の行われていない状態である客待ち状態であることを識別するために場合にセットされるフラグである。客待ちフラグは、パチンコ機1が客待ち状態である場合に「1」が記憶されて「ON」とされ、客待ち状態でない場合には「0」が記憶されて「OFF」となる。
図8に示すように、特別図柄処理が開始されると、第一始動口14または第二始動口15に遊技球が入賞しているか否かが判断される(S21)。第一始動口14に設けられた第一始動口スイッチ72、または第二始動口15に設けられた第二始動口スイッチ73が遊技球の入賞を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図7参照)において、第一始動口スイッチ72、または第二始動口スイッチ73に対応するフラグが「ON」とされる。このフラグが「ON」とされておらず、遊技球が入賞していなければ(S21:NO)、処理はそのままS31の判断へ移行する。第一始動口14または第二始動口15に遊技球が入賞していれば(S21:YES)、特別図柄作動保留球数が「4」であるか否かが判断される(S22)。RAM52に記憶されている特別図柄作動保留球数が「4」であれば(S22:YES)、記憶可能な保留球の数が上限に達しているため、処理はそのままS31の判断へ移行する。
特別図柄作動保留球数が「4」でない場合には(S22:NO)、RAM52に記憶されている特別図柄作動保留球数に「1」が加算される(S23)。次いで、各種乱数が取得され、大当たり関係情報記憶エリア(図5参照)における空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S24)。具体的には、大当たり乱数欄には大当たり判定カウンタの値が、特別図柄決定乱数欄には特別図柄決定カウンタの値が、変動パターン決定乱数欄には変動パターン決定カウンタの値が、それぞれRAM52に記憶される。
次いで、大当たり遊技状態であるか否かが判断される(S31)。大当たり遊技状態フラグが「ON」とされており、大当たり遊技状態中であると判断された場合には(S31:YES)、処理はそのままメイン処理へ戻る。大当たり遊技状態フラグが「OFF」とされており、大当たり遊技状態中でないと判断された場合には(S31:NO)、特別図柄が変動中であるか否かが判断される(S32)。表示状態フラグが「1」でなく、変動中でなければ(S32:NO)、特別図柄が停止表示中であるか否かが判断される(S33)。表示状態フラグが「2」でなく、停止表示中でなければ(S33:NO)、処理はS41(図9参照)へ移行し、大当たり判定等の処理が行われる。
図9に示すように、大当たり判定が行われる前に、特別図柄作動保留球数が「1」以上であるか否かが判断される(S41)。RAM52に記憶されている特別図柄作動保留球数が「0」である場合は(S41:NO)、大当たり判定を行うべき遊技球は存在しないため、客待ち設定処理が行われて(S54)、処理はメイン処理へ戻る。
図10を参照して、客待ち設定処理(S54、図9参照)について詳細に説明する。客待ち設定処理では、パチンコ機1が客待ち状態であることを識別するための客待ちフラグの制御が行われる。まず、客待ちフラグが「ON」であるか否かが判断される(S71)。客待ちフラグが「ON」とされており、パチンコ機1が客待ち状態であることが既に識別されている場合には(S71:YES)、処理は特別図柄処理へ戻る。客待ちフラグが「OFF」とされており、パチンコ機1が客待ち状態であることが識別されていない場合には(S71:NO)、パチンコ機1が客待ち状態であることをサブ制御基板58へ通知するための客待ちコマンドが、RAM52に記憶される(S72)。次いで、客待ちフラグが「ON」とされて(S73)、処理は特別図柄処理へ戻る。
図9の説明に戻る。一方、RAM52に記憶されている特別図柄作動保留球数が「1」以上であれば(S41:YES)、RAM52に記憶されている特別図柄作動保留球数が「1」減算される(S42)。大当たり関係情報記憶エリア(図5参照)の判定エリアが、次の番号の記憶エリアにシフトされる(S43)。客待ちフラグが「ON」とされている場合には、客待ちフラグが「OFF」とされる(S44)。
次いで、遊技状態に応じた大当たり判定が行われる(S45)。大当たり判定を行うための判定テーブルには、非確率変動状態中に用いられる低確率判定テーブルと、大当たりと判定される確率が非確率変動状態中よりも高くなる高確率判定テーブルとが設けられている。大当たり判定は、確率変動状態が生起されているか否かに応じた判定テーブルが参照されて、RAM52に記憶された未判定の大当たり判定乱数によって、記憶された順に行われる。
大当たり判定によって大当たりと判定された場合には(S46:YES)、大当たり変動パターン決定処理において、遊技状態および判定結果に応じた変動パターンテーブルが参照されて変動パターンが決定される(S47)。さらに、大当たりであることを示す特別図柄が決定される(S48)。処理はS51へ移行する。判定結果がはずれであれば(S46:NO)、はずれ変動パターン決定処理において、遊技状態および判定結果等に応じた変動パターンテーブルが参照されて変動パターンが決定される(S49)。処理はS51へ移行する。なお、はずれの場合の特別図柄は、「−−」の1種類である。
変動パターンが決定されると、決定された変動パターンを指定するための変動パターン指定コマンドが、RAM52に記憶される(S51)。変動パターン指定コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図7参照)において、サブ制御基板58に送信される。決定された変動パターンに応じて決められている特別図柄の変動時間が、特別図柄変動時間カウンタにセットされる(S52)。特別図柄が変動中であることを示す「1」が特別図柄表示状態フラグに記憶されて(S53)、処理はメイン処理へ戻る。
また、図8に示すS32の判断において、表示状態フラグに「1」が記憶されており、特別図柄が変動中であると判断された場合には(S32:YES)、変動時間が経過したか否かが判断される(S55)。S52(図9参照)の処理においてセットされた特別図柄変動時間カウンタの値が「0」となっており、変動時間が経過したと判断された場合には(S55:YES)、特別図柄の変動停止(報知演出の終了)を指示するための特別図柄停止コマンドがRAM52に記憶される(S56)。所定の特別図柄停止表示時間(本実施形態では0.5秒)が、特別図柄停止時間カウンタに記憶される(S57)。特別図柄が停止表示中であることを示す「2」が表示状態フラグに記憶されて(S58)、処理はメイン処理へ戻る。一方、S55の判断において、変動時間がまだ経過していないと判断された場合には(S55:NO)、処理はそのままメイン処理へ戻る。
また、図8に示すS33の判断において、表示状態フラグに「2」が記憶されており、特別図柄が停止表示中であると判断された場合には(S33:YES)、S57の処理においてセットされたカウンタの値によって、停止表示時間が経過したか否かが判断される(S61)。特別図柄停止時間カウンタの値が「0」でなく、停止表示時間がまだ経過していない場合には(S61:NO)、処理はそのままメイン処理へ戻る。停止表示時間が経過した場合には(S61:YES)、特別図柄が変動中でも停止表示中でもないことを示す「0」が表示状態フラグに記憶される(S62)。次いで、遊技状態移行処理が行われて(S63)、処理はメイン処理へ戻る。遊技状態移行処理(S63)では、大当たり判定の結果が大当たりである場合に大当たり遊技状態フラグが「ON」とされ、遊技状態が大当たり遊技状態へ移行される。この場合、大当たり遊技を開始することを示す大当たり遊技開始コマンドがRAM52に記憶される。また、時短状態および確率変動状態の終了条件が満たされていれば、これらの遊技状態が終了し、遊技状態は非時短状態および非確率変動状態へ移行する。
図11から図18を参照して、サブ制御基板58が実行するサブ制御基板処理について説明する。サブ制御基板処理では、主基板41から送信されるコマンドに従って、表示画面28、スピーカ48等による演出を制御する処理が行われる。特に、サブ制御基板処理では、大当たり判定の結果を報知するための報知演出が制御される。サブ制御基板処理は、ROM583に記憶されているプログラムに従って、CPU581によって実行される。
サブ制御基板処理で使用されるフラグについて説明する。RAM582には、SPロングリーチフラグ、タイムゲージフラグ等が記憶されている。SPロングリーチフラグは、主基板41から指定された特別図柄の変動パターンが、SPロングリーチ演出AまたはSPロングリーチ演出Bのいずれかであることを示すフラグである。SPロングリーチフラグは、主基板41から指定された特別図柄の変動パターンが、SPロングリーチ演出AまたはSPロングリーチ演出Bのいずれかである場合には「1」が記憶されて「ON」となり、指定された変動パターンがSPロングリーチ演出AおよびSPロングリーチ演出Bのいずれでもない場合には「0」が記憶されて「OFF」となる。タイムゲージフラグは、後述するタイムゲージ表示90を表示する設定がされている場合には「1」が記憶されて「ON」となり、タイムゲージ表示90を表示する設定がされていない場合には「0」が記憶されて「OFF」となる。
サブ制御基板処理が開始されると、主基板41から変動パターン指定コマンドを受信したか否かが判断される(S101)。受信していない場合(S101:NO)、処理はそのままS104の判断へ移行する。変動パターン指定コマンドを受信すると(S101:YES)、後述するタイムゲージ決定画像(ON表示88およびOFF表示89、図18参照)が表示されている場合には、タイムゲージ決定画像の表示を終了する(S102)。次いで、報知演出制御処理が実行されて(S103)、処理はS104の判断へ移行する。
報知演出制御処理(図11、S103)では、指定された変動パターンに応じて報知演出が制御される。また、主基板41から指定された特別図柄の変動パターンがSPロングリーチ演出AまたはSPロングリーチ演出Bのいずれかである場合、大当たり判定の結果が大当たりであることへの期待度を遊技者に示唆する演出である期待度演出の内容を決定する処理も実行される。また、後述するタイムゲージ表示90においてチャンス表示画像92,93,94,95を表示するタイミングを決定する処理も実行される。
ここで、図12から図14を参照して、SPロングリーチ演出AまたはSPロングリーチ演出Bにおいて実行される期待度演出と、SPロングリーチ演出AまたはSPロングリーチ演出B中のタイムゲージ表示90の表示内容について説明する。SPロングリーチ演出AまたはSPロングリーチ演出Bが開始されると、演出の序盤では演出図柄81の変動表示を中心としたリーチ前変動演出が実行される(図13(h)参照)。SPロングリーチ演出AまたはSPロングリーチ演出Bでは、変動表示する3つの演出図柄81のうちの2つが同じ演出図柄81で停止するリーチ状態に至った後に、ムービーを主体としたムービー演出が開始される(図12、図13(i)参照)。ムービー演出が実行される間は、表示画面28の下方にタイムゲージ表示90が表示される(図13、図14参照)。なお、図13および図14に示すムービー演出は、SPロングリーチ演出Aのムービー演出内容である。SPロングリーチ演出Bでは、SPロングリーチ演出Aのムービー演出とは内容が異なるムービー演出が実行されるが、演出の流れはSPロングリーチ演出Aのムービー演出と共通する。また、ムービー演出の後には、演出図柄81が確定表示に至る図柄確定演出が実行される。
図12(a)は、ムービー演出の開始時におけるタイムゲージ表示90の表示内容と、SPロングリーチ演出Aの演出の流れとを対応させた説明図である。SPロングリーチ演出Aがリーチ状態に至ると、ムービー演出が開始されるとともに、表示画面28の下方にタイムゲージ表示90が表示される(図13(i)参照)。タイムゲージ表示90は、ゲージ枠画像91、メーター画像96、チャンス表示画像92,93,94,95を含む態様で表示される(図12(a)参照)。ゲージ枠画像91は、SPロングリーチ演出Aにおいて実行されるムービー演出の演出時間の長さを視覚的に示すものである。メーター画像96は、ムービー演出の進行状況を表示する棒グラフによる画像である。なお、ムービー演出の開始時には、メーター画像96は、棒グラフによる画像の長さがゼロの表示態様で表示されるため、タイムゲージ表示90においてメーター画像96がまだ表示されない態様となる(図13(i)参照)。ムービー演出が開始されると、メーター画像96の表示が開始される。図12(b)から(f)に示すように、メーター画像96は、ムービー演出の開始から終了までの進行に合わせて、その棒グラフによる画像の長さをゲージ枠画像91の左端から右端に向けて延伸する態様で表示される。メーター画像96は、ムービー演出の進行に合致したレートで延伸する。従って、タイムゲージ表示90は、ゲージ枠画像91の長さとメーター画像96の長さとの対比によって、ムービー演出の進行状況を遊技者に視覚的に認識させることができる。そして、ムービー演出が終了すると、タイムゲージ表示90は表示を終了し、表示画面28から消去される(図12(g)参照)。
タイムゲージ表示90において表示されるチャンス表示画像92,93,94,95について説明する。本実施形態では、「出現キャラ期待度演出」、「カットイン期待度演出」、「ボタンプッシュ期待度演出」、「駆動出現期待度演出」の4種類の期待度演出が実行される。チャンス表示画像92,93,94,95は、ムービー演出中に実行される4種類の期待度演出が実行されるタイミングをそれぞれ示すものである。チャンス表示画像92は、ムービー演出中に出現するキャラクタ82の種類によって遊技者に期待度を示唆する「出現キャラ期待度演出」(図13(j)参照)が実行されるタイミングを示すものである。チャンス表示画像92は、メーター画像96がチャンス表示画像92の位置まで延伸した時に出現キャラ期待度演出が実行されるように、ゲージ枠画像91に重ねて表示される(図12(a)、図13(j)参照)。従ってタイムゲージ表示90は、チャンス表示画像92によって、出現キャラ期待度演出が実行されるタイミングをムービー演出の進行状況に対応付けて遊技者に示すことができる。ムービー演出の進行によって、出現キャラ期待度演出の実行タイミングを経過した場合、チャンス表示画像92はタイムゲージ表示90から消去される(図12(c)参照)。
チャンス表示画像93は、ムービー演出の途中に、ムービー演出とは別のシーン映像であるカットイン画像83を挿入することで遊技者に期待度を示唆する「カットイン期待度演出」(図14(k)参照)が実行され得るタイミングを示すものである。チャンス表示画像93は、メーター画像96がチャンス表示画像93の位置まで延伸した時にカットイン期待度演出が実行されるように、ゲージ枠画像91に重ねて表示される(図12(a)、図14(k)参照)。従ってタイムゲージ表示90は、チャンス表示画像93によって、カットイン期待度演出が実行されるタイミングをムービー演出の進行状況に対応付けて遊技者に示すことができる。ムービー演出の進行によって、カットイン期待度演出の実行タイミングを経過した場合、チャンス表示画像93はタイムゲージ表示90から消去される(図12(d)参照)。
チャンス表示画像94は、ムービー演出中の所定のタイミングに操作ボタン9を操作することで、表示画面28にエフェクト画像84を付加することができる「ボタンプッシュ期待度演出」(図14(l)参照)が実行されるタイミングを示すものである。チャンス表示画像94は、メーター画像96がチャンス表示画像94の位置まで延伸した時にボタンプッシュ期待度演出が実行されるように、ゲージ枠画像91に重ねて表示される(図12(a)、図14(l)参照)。従ってタイムゲージ表示90は、チャンス表示画像94によって、ボタンプッシュ期待度演出が実行されるタイミングをムービー演出の進行状況に対応付けて遊技者に示すことができる。なお、本実施形態では、ボタンプッシュ期待度演出の実行タイミングが近付くと、表示画面28にボタン画像85が表示される(図14(l)参照)。これにより、実行される期待度演出が操作ボタン9の操作を伴うものであることを遊技者にわかりやすく示すことができる。また、ボタンプッシュ期待度演出では、操作ボタン9が所定のタイミングで操作された場合、エフェクト画像84に加えて、演出用の音声も出力される。ムービー演出の進行によって、ボタンプッシュ期待度演出の実行タイミングを経過した場合、チャンス表示画像94はタイムゲージ表示90から消去される(図12(e)参照)。
チャンス表示画像95は、ムービー演出の最後に装飾部材86が表示画面28の前面に出現する「駆動出現期待度演出」(図14(m)参照)が実行され得るタイミングを示すものである。チャンス表示画像95は、メーター画像96がチャンス表示画像95の位置まで延伸した時に駆動出現期待度演出が実行されるように、ゲージ枠画像91の上側に表示される(図12(a)、図14(m)参照)。従ってタイムゲージ表示90は、チャンス表示画像95によって、駆動出現期待度演出が実行されるタイミングをムービー演出の進行状況に対応付けて遊技者に示すことができる。なお、本実施形態では、図14(m)に示すように、駆動出現期待度演出が実行され得るタイミングが近付いたことを示すため、チャンス表示画像95近傍までメーター画像96が延伸すると、チャンス表示画像95を輝かせるような効果をもたらす煽り画像87が表示される。このように、一旦表示させたチャンス表示画像92,93,94,95の表示態様を表示後に変化させることによって、遊技者に期待度を示唆する演出を行ってもよい。ムービー演出の進行によって、駆動出現期待度演出の実行タイミングを経過した場合、チャンス表示画像95がタイムゲージ表示90から消去された後(図12(f)参照)、タイムゲージ表示90が表示画面28から消去される(図12(g)参照)。
図15を参照して、報知演出制御処理(S103、図11参照)について詳細に説明する。報知演出制御処理が開始されると、S101(図11参照)の処理において受信された変動パターン指定コマンドによって指定された特別図柄変動パターンが、RAM582に記憶される(S121)。次いで、RAM582に記憶された特別図柄変動パターンが、SPロングリーチ演出AまたはSPロングリーチ演出Bであるか否かが判断される(S122)。指定された特別図柄変動パターンが、SPロングリーチ演出AおよびSPロングリーチ演出Bのいずれでもない場合には(S122:NO)、処理はS127へ移行する。
指定された特別図柄変動パターンが、SPロングリーチ演出AまたはSPロングリーチ演出Bである場合には(S122:YES)、期待度演出の内容を決定するための抽選が行われる(S123)。本実施形態では、報知演出中にムービー演出が実行されるSPロングリーチ演出AまたはSPロングリーチ演出Bにおいて、ムービー演出中に前述した4種類の期待度演出が実行され得る。期待度演出のうち、出現キャラ期待度演出とボタンプッシュ期待度演出は、ムービー演出中に必ず実行される。対して、カットイン期待度演出と駆動出現期待度演出は、大当たり判定の結果に応じた確率で抽選されることによって、ムービー演出中に実行されるか否かが決定される。具体的には、指定された特別図柄変動パターンが、SPロングリーチ演出AまたはSPロングリーチ演出Bである場合に乱数を取得し、取得した乱数の値をサブ制御基板58のRAM582に記憶する。大当たり判定の結果が大当たりである場合には、カットイン期待度演出および駆動出現期待度演出を実行することを、取得した乱数値に応じてそれぞれ75%の確率で決定する。一方、大当たり判定の結果がはずれである場合には、カットイン期待度演出および駆動出現期待度演出を実行することを、取得した乱数値に応じてそれぞれ25%の確率で決定する。
次いで、カットイン期待度演出および駆動出現期待度演出の実行タイミングに、これらの期待度演出に対応するチャンス表示画像93および95を表示させるか否かを決定するための抽選が行われる(S124)。この処理では、RAM582に記憶された乱数値に基づいて、S123の処理で行われる抽選とは独立して抽選が行われる。本実施形態では、ムービー演出中に各期待度演出が実行されるタイミングは、SPロングリーチ演出AおよびSPロングリーチ演出Bのそれぞれにおいて予め定められている。即ちこの処理では、S123の処理でカットイン期待度演出および駆動出現期待度演出が実行されることが決定されたか否かに関わらず、カットイン期待度演出および駆動出現期待度演出が実行され得るタイミングにチャンス表示画像93および95を表示させることを抽選によって決定する。大当たり判定の結果が大当たりである場合には、チャンス表示画像93および95表示することを、取得した乱数値に応じてそれぞれ90%の確率で決定する。一方、大当たり判定の結果がはずれである場合には、チャンス表示画像93および95を表示させることを、取得した乱数値に応じてそれぞれ50%の確率で決定する。なお、期待度演出のうち、S123の処理における抽選によらず、ムービー演出中に必ず実行される出現キャラ期待度演出とボタンプッシュ期待度演出に対応するチャンス表示画像92および94は、必ずタイムゲージ表示90に表示される。
S123の処理とS124の処理とにおいてそれぞれ独立して抽選を行うことによって、カットイン期待度演出について、(1)カットイン期待度演出が実行され、且つ、チャンス表示画像93が表示される場合(2)カットイン期待度演出は実行されないが、チャンス表示画像93が表示される場合(3)カットイン期待度演出が実行されるが、チャンス表示画像93は表示されない場合(4)カットイン期待度演出が実行されず、チャンス表示画像93も表示されない場合の4通りのバリエーションが生じる。例えば上記(1)の場合には、他のバリエーションよりも高い期待度を遊技者に示唆することができる。上記(2)の場合には、カットイン期待度演出が実行されるか否か、カットイン期待度演出の実行タイミングまで遊技者の期待度を高めることができる。上記(3)の場合には、チャンス表示画像93が表示されないため、予想外にカットイン期待度演出が実行されることから、遊技者の期待度を高めることができる。上記(4)の場合には、他のバリエーションよりも期待度が低いことを遊技者に示唆することができる。また、大当たり判定の結果が大当たりであるか否かによって、各バリエーションの発生する割合が異なるため、大当たり判定の結果に応じて様々な期待度を遊技者に示唆することができる。なお駆動出現期待度演出についても、上記同様の4種類のバリエーションが生じ、上記同様の効果を発現できる。
次いで、S123の処理とS124の処理とで決定されたカットイン期待度演出および駆動出現期待度演出のバリエーションのパターンを、RAM582に記憶する(S125)。この他、本実施形態では、出現キャラ期待度演出において表示されるキャラクタ82、カットイン期待度演出において表示されるカットイン画像83、ボタンプッシュ期待度演出において表示されるエフェクト画像84が、それぞれ複数、演出制御基板43のCGROM432に記憶されている。複数記憶されているこれらの画像のうちから、いずれの画像を各期待度演出で表示するかを決定し、決定した画像表示パターンをRAM582に記憶する処理も行う。次いで、SPロングリーチフラグを「ON」とする(S126)。その後、指定された変動パターンに応じて以降の報知演出が制御されて(S127)、処理はサブ制御基板処理へ戻る。
図11の説明に戻る。次いで、SPロングリーチ演出AまたはSPロングリーチ演出Bが実行中であるか否かが判断される(S104)。SPロングリーチフラグが「OFF」とされている場合には(S104:NO)、処理はS106の判断へ移行する。SPロングリーチフラグが「ON」とされている場合には(S104:YES)、タイムゲージ表示実行処理が実行されて(S105)、処理はS106の判断へ移行する。
図16を参照して、タイムゲージ表示実行処理(S105、図11参照)について詳細に説明する。タイムゲージ表示実行処理は、SPロングリーチ演出AまたはSPロングリーチ演出Bが実行される場合に、ムービー演出に合わせてタイムゲージ表示90を表示画面28に表示させるための処理である。タイムゲージ表示実行処理が開始されると、タイムゲージフラグが「ON」となっているか否かが判断される(S131)。タイムゲージフラグが「OFF」とされている場合には(S131:NO)、処理はサブ制御基板処理へ戻る。なお、タイムゲージ表示90を表示する設定の詳細については後述する。
タイムゲージフラグが「ON」とされている場合には(S131:YES)、タイムゲージ表示90が既に表示されているか否かを判断する(S132)。タイムゲージ表示90がまだ表示されていないと判断された場合には(S132:NO)、タイムゲージ表示90の表示開始タイミングが経過したか否かが判断される(S133)。本実施形態のタイムゲージ表示90の表示開始タイミングは、SPロングリーチ演出AおよびSPロングリーチ演出Bで実行されるムービー演出の開始時である。サブ制御基板58のROM583には、SPロングリーチ演出AおよびSPロングリーチ演出Bのムービー演出の開始タイミングと、ムービー演出中に実行され得る各期待度演出の実行タイミングについての時間情報が予め記憶されている。また、SPロングリーチ演出AおよびSPロングリーチ演出B開始後の経過時間は、サブ制御基板58のRAM582のタイマカウンタによって計測されている。SPロングリーチ演出AおよびSPロングリーチ演出B開始後の経過時間がムービー演出の開始時点に達すると(S133:YES)、報知演出制御処理(S103、図11参照)のS125の処理(図15参照)でRAM582に記憶されたカットイン期待度演出および駆動出現期待度演出のバリエーションのパターンに基づいたタイムゲージ表示90が、表示画面28に表示されて(S134)、処理はサブ制御基板処理へ戻る。タイムゲージフラグが「OFF」とされている場合には(S133:NO)、処理はサブ制御基板処理へ戻る。
なお、表示されるタイムゲージ表示90の表示内容は、図12から図14を参照して先述したように、ムービー演出の進行状況に応じて経時変化する。演出制御基板43のCGROM432には、タイムゲージ表示90を構成するゲージ枠画像91、メーター画像96、チャンス表示画像92,93,94,95の画像が記憶されている。メーター画像96については、棒グラフによる画像の長さがゼロの状態からゲージ枠画像91の右端に到達する長さであるフルの状態まで漸次延伸させた態様の複数のメーター画像96が記憶されている。演出制御基板43のCPU431は、時間経過に合わせてCGROM432からメーター画像96を逐次読み出して更新させながら、タイムゲージ表示90を表示画面28に表示する制御を行う。また演出制御基板43のCPU431は、サブ制御基板58のRAM582に記憶されたカットイン期待度演出および駆動出現期待度演出のバリエーションのパターンと時間経過に応じて、必要なチャンス表示画像92,93,94,95の表示および消去に関する制御も行う。
タイムゲージ表示90が既に表示されていると判断された場合には(S132:YES)、タイムゲージ表示90の表示終了タイミングが経過したか否かが判断される(S135)。本実施形態のタイムゲージ表示90の表示終了タイミングは、SPロングリーチ演出AおよびSPロングリーチ演出Bで実行されるムービー演出の終了時である。SPロングリーチ演出AおよびSPロングリーチ演出B開始後の経過時間がムービー演出の終了時点に達すると(S135:YES)、表示画面28に表示されていたタイムゲージ表示90は消去される(S136)。その後、処理はサブ制御基板処理へ戻る。タイムゲージ表示90の表示終了タイミングにまだ達していないと判断された場合には(S135:NO)、処理はサブ制御基板処理へ戻る。
図11の説明に戻る。次いで、主基板41から図柄停止コマンドを受信したか否かが判断される(S106)。受信していなければ(S106:NO)、処理はそのままS109の判断へ移行する。特別図柄停止コマンドを受信すると(S106:YES)、大当たり判定の結果を示す演出図柄81の組合せが確定表示される(S107)。次いで、SPロングリーチフラグが「OFF」とされて(S108)、処理はS109の判断に移行する。次いで、主基板41から大当たり遊技開始コマンドを受信したか否かが判断される(S109)。受信していなければ(S109:NO)、処理はそのままS111の判断へ移行する。大当たり遊技開始コマンドを受信すると(S109:YES)、大当たり遊技演出処理が実行されて(S110)、処理はS111の判断へ移行する。
次いで、主基板41から客待ちコマンドを受信したか否かが判断される(S111)。受信していなければ(S111:NO)、処理はそのままS101の判断に戻る。客待ちコマンドを受信すると(S111:YES)、タイムゲージ決定処理が実行されて(S111)、処理はS101の判断に戻る。
図17および図18を参照して、タイムゲージ決定処理(S111、図11参照)の詳細と、タイムゲージ決定処理において表示されるタイムゲージ決定画像(ON表示88およびOFF表示89、図18参照)について説明する。タイムゲージ決定処理では、SPロングリーチ演出AおよびSPロングリーチ演出Bのムービー演出中にタイムゲージ表示90を表示させるか否かの設定についての制御とともに、設定を遊技者に促すためのタイムゲージ決定画像の表示制御が行われる。
タイムゲージ決定処理が開始されると、タイムゲージフラグの状態に応じたON表示88およびOFF表示89のいずれかのタイムゲージ決定画像が、表示画面28に表示される(S141)。次いで、操作ボタン9の操作が受け付けられたか否かが判断される(S142)。操作ボタン9の操作が受け付けられなかった場合には(S142:NO)、処理はそのままサブ制御基板処理へ戻る。操作ボタン9の操作が受け付けられた場合には(S142:YES)、操作を受け付けた時のタイムゲージフラグの状態が判断される(S143)。タイムゲージフラグが「OFF」となっている場合には(S143:YES)、タイムゲージフラグを「ON」として(S144)、表示画面28に表示されているタイムゲージ決定画像をON表示88に切り替える(S145)。図18上段は、表示画面28にON表示88が表示されている様子を示す。ON表示88は、「タイムゲージON」の表記を囲み表示することによって、SPロングリーチ演出AおよびSPロングリーチ演出Bのムービー演出中にタイムゲージ表示90を表示させる設定になっていることを示す。
一方、操作を受け付けた時のタイムゲージフラグが「ON」となっている場合には(S143:NO)、タイムゲージフラグを「OFF」として(S146)、表示画面28に表示されているタイムゲージ決定画像をOFF表示89に切り替える(S147)。図18下段は、表示画面28にOFF表示89が表示されている様子を示す。OFF表示89は、「タイムゲージOFF」の表記を囲み表示することによって、SPロングリーチ演出AおよびSPロングリーチ演出Bのムービー演出中にタイムゲージ表示90を表示させない設定になっていることを示す。ON表示88およびOFF表示89のタイムゲージ決定画像は、パチンコ機1が客待ち状態にある場合に表示される。客待ち状態は、大当たり判定を実行するために記憶された特別図柄作動保留球が無く、遊技が行われていない状態のため、演出図柄81は変動表示されることはない。従って、ON表示88およびOFF表示89のタイムゲージ決定画像によって、演出図柄81の変動の視認性が妨げられることはない。客待ち状態中であれば、遊技者は、再度操作ボタン9を操作することによって、SPロングリーチ演出AおよびSPロングリーチ演出Bのムービー演出中にタイムゲージ表示90を表示させるか否かの設定を切り替えることができる。その後、処理はサブ制御基板処理へ戻る。
このように、タイムゲージ表示90の表示・非表示を遊技者の操作ボタン9による操作入力によって設定できるようにすることは、パチンコ機1の遊技に慣れていない初心者、およびパチンコ機1の遊技に慣れた遊技者の両者に対してメリットがある。遊技に慣れていない初心者は、SPロングリーチ演出AまたはSPロングリーチ演出Bにおいて実行されるムービー演出の全容や、ムービー演出において実行される期待度演出の存在を把握していない場合がある。この場合にタイムゲージ表示90を表示させることによって、遊技者はムービー演出全体の演出時間に対するムービー演出の進行状況を把握するとともに、ムービー演出中に実行され得る期待度演出の実行タイミングを把握することができる。一方、パチンコ機1の遊技に慣れた遊技者には、例えばボタンプッシュ期待度演出において、操作ボタン9の操作タイミングを自ら判断して、ボタンプッシュ期待度演出を実行させるといった楽しみ方がある。即ち、特に遊技に慣れ、タイムゲージ表示90によってムービー演出の進行状況を示されたり、期待度演出の実行タイミングを示されたくない遊技者に対して、パチンコ機1は、タイムゲージ表示90を表示させない選択肢を与えることができる。
以上説明したように、本実施形態に係るパチンコ機1は、大当たりであることの期待度を遊技者に示唆する演出である4種類の期待度演出(「出現キャラ期待度演出」、「カットイン期待度演出」、「ボタンプッシュ期待度演出」、「駆動出現期待度演出」)のそれぞれが実行されるタイミングが予め記憶されたSPロングリーチ演出AおよびSPロングリーチ演出Bを報知演出として実行する。タイムゲージ表示90は、SPロングリーチ演出AおよびSPロングリーチ演出Bで実行されるムービー演出の演出時間の長さに対応付けて、ムービー演出の進行状況と、各期待度表示が表示され得るタイミングに基づいたチャンス表示画像92,93,94,95とを表示する。このため、本実施形態に係るパチンコ機1は、ムービー演出の演出時間の長さに対するムービー演出の進行状況と、各期待度演出が実行され得るタイミングとを、遊技者に視覚的に認識させることができる。従って本実施形態に係るパチンコ機1は、演出の進行状況を遊技者に明確に示すとともに、ムービー演出に並行して実行される、遊技の興趣を向上させるための各期待度演出が実行されるタイミングを、ムービー演出の進行状況に対応付けて遊技者に示すことができる。
タイムゲージ表示90は、実行されるムービー演出の演出時間の長さに対するムービー演出の進行状況と、ムービー演出中における各期待度演出が実行されるタイミングとを、画像表示によって遊技者に視覚的に認識させることができる。特に、ムービー演出の進行状況は、ムービー演出の演出時間の長さを表示するゲージ枠画像91に対応付けて、棒グラフによる画像の長さがムービー演出の演出時間の進行状況に応じて延伸されるメーター画像96によって表示されるため、ムービー演出の進行状況を遊技者に明確に認識させることができる。従って本実施形態に係るパチンコ機1は、ムービー演出の進行状況を遊技者に明確に示すとともに、ムービー演出に並行して実行される、各期待度演出が実行されるタイミングを、ムービー演出の進行状況に対応付けて遊技者に示すことができる。
本実施形態のパチンコ機1では、SPロングリーチ演出AおよびSPロングリーチ演出Bがリーチ状態に至らない間にはムービー演出が開始されず、タイムゲージ表示90も表示されない。よって本実施形態のパチンコ機1は、リーチ状態に至るまでのSPロングリーチ演出AおよびSPロングリーチ演出Bにおいて、演出図柄81の変動表示の視認性が、タイムゲージ表示90によって妨げられることを防ぐことができる。一方、SPロングリーチ演出AおよびSPロングリーチ演出Bがリーチ状態に至った後には、ムービー演出の進行状況を遊技者に明確に示すとともに、各期待度演出が実行されるタイミングを、ムービー演出の演出時間に対応付けて遊技者に示すことができる。
本実施形態のパチンコ機1は、遊技者による操作ボタン9の操作を受け付けることによって、タイムゲージ表示90を表示するか否かを決定できる。従って本実施形態のパチンコ機1は、SPロングリーチ演出AおよびSPロングリーチ演出Bの進行状況を示されたり、ムービー演出中に各期待度演出が実行されるタイミングを示されたりしたくない遊技者に対して、タイムゲージ表示90を表示しないようにすることができる。一方、タイムゲージ表示90を表示する場合には、SPロングリーチ演出AおよびSPロングリーチ演出Bの進行状況を遊技者に明確に示すとともに、各期待度演出が実行されるタイミングを、ムービー演出の演出時間の進行状況に対応付けて遊技者に示すことができる。
期待度演出には、ムービー演出中の所定のタイミングに操作ボタン9の操作を要求し、操作ボタン9を操作すると、表示画面28にエフェクト画像84を付加することができるボタンプッシュ期待度演出が含まれる。このため、ムービー演出中において、ボタンプッシュ期待度演出が実行されるタイミングを遊技者に示すことができる。従って本実施形態のパチンコ機1は、ボタンプッシュ期待度演出がムービー演出中に実行されるタイミングを、ムービー演出の進行状況に対応付けて遊技者に示すことができる。
期待度演出には、装飾部材86が駆動されて表示画面28の前面に出現する駆動出現期待度演出が含まれる。このため、ムービー演出中において、駆動出現期待度演出の実行タイミングを遊技者に示すことができる。従って本実施形態のパチンコ機1は、駆動出現期待度演出がムービー演出中に実行されるタイミングを、ムービー演出の進行状況に対応付けて遊技者に示すことができる。
本実施形態のパチンコ機1では、チャンス表示画像93および95が表示されても、チャンス表示画像93および95に対応する期待度演出であるカットイン期待度演出および駆動出現期待度演出が実行されないこともある。よって本実施形態のパチンコ機1は、タイムゲージ表示90においてチャンス表示画像93および95を表示することによって、ムービー演出中にカットイン期待度演出および駆動出現期待度演出が実行されるか否について、遊技者に注目させることができる。従って本実施形態のパチンコ機1は、タイムゲージ表示90に対する遊技者の興趣を高めることができる。
本実施形態において、第一始動口14および第二始動口15が、本発明の「始動口」に相当する。図8のS24において大当たり乱数を取得する主基板41のCPU51が、本発明の「乱数取得手段」として機能する。図9のS45において大当たり判定を行う主基板41の本発明のCPU51が、「大当たり判定手段」として機能する。図15に示す報知演出制御処理を実行するサブ制御基板58のCPU581が、本発明の「報知演出実行手段」として機能する。図6に示す特別図柄変動パターン決定テーブルを記憶する主基板41のROM53が、本発明の「報知演出記憶手段」として機能する。図9のS47およびS49において特別図柄変動パターンを決定する主基板41のCPU51が、本発明の「報知演出決定手段」として機能する。図15のS124においてチャンス表示画像93および95を表示させるか否かを決定するサブ制御基板58のCPU581が、本発明の「期待度表示決定手段」として機能する。図16のS134においてタイムゲージ表示90を表示画面28に表示させるサブ制御基板58のCPU581が、本発明の「特定表示手段」として機能する。
タイムゲージ表示90が、本発明の「特定表示」に相当する。ゲージ枠画像91が、本発明の「第一画像」に相当する。メーター画像96が、本発明の「第二画像」に相当する。チャンス表示画像92,93,94,95が、本発明の「第三画像」に相当する。操作ボタン9が、本発明の「第一操作入力受付手段」および「第二操作入力受付手段」に相当する。装飾部材86が、本発明の「装飾部材」に相当する。駆動モータ30が、本発明の「駆動手段」に相当する。
本発明は、以上詳述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。上記実施形態のタイムゲージ表示90において、チャンス表示画像92,93,94とチャンス表示画像95が異なる画像であるように、チャンス表示画像92,93,94,95は全て同じ画像である必要はない。また、期待度に変化を与えるため、大当たり判定の結果等に応じてチャンス表示画像92,93,94,95の色や形等を異なるものとして表示させてもよい。ゲージ枠画像91およびメーター画像96の色や形等も同様に、大当たり判定の結果等に応じて異なる態様で表示してもよい。
上記実施形態では、遊技者による操作入力を受付可能な操作入力受付手段として、操作ボタン9が設けられている。ボタンプッシュ期待度演出を実行させるために操作される操作入力受付手段と、ムービー演出中にタイムゲージ表示90を表示させるか否かの設定のために操作される操作入力受付手段とは、いずれも操作ボタン9を用いている。しかし、複数の操作ボタンを設け、ボタンプッシュ期待度演出を実行させるために操作される操作ボタンと、ムービー演出中にタイムゲージ表示90を表示させるか否かの設定のために操作される操作ボタンとを異なるものとしてもよい。
また、上記実施形態では、ムービー演出中にタイムゲージ表示90を表示させるか否かの設定を、客待ち状態中に行えるようにしているが、上記設定が可能な期間はこれに限られない。例えば、報知演出実行中であっても上記設定を可能とし、SPロングリーチ演出AおよびSPロングリーチ演出Bリーチ演出が開始された後であっても、ムービー演出が開始される前まで上記設定をできることとしてもよい。この場合、SPロングリーチフラグの状態と、サブ制御基板58のRAM582のタイマカウンタによって計測されているSPロングリーチ演出AおよびSPロングリーチ演出B開始後の経過時間とに応じて、タイムゲージ決定処理(S111、図11参照)を実行することとすればよい。
タイムゲージ表示90の表示態様も上記実施形態に限られない。演出の進行状況と、並行して実行される期待度演出のタイミングとを、演出時間の長さに対応付けて表示するものであればよい。例えば、演出の進行状況と、並行して実行される期待度演出のタイミングとを、7セグメントディスプレイ等によるデジタル表示で遊技者に示す態様であってもよい。また、アナログ式のストップウォッチのように、文字盤によって演出時間の長さを表示するとともに、秒針によって演出の進行状況を示し、期待度演出のタイミングに対応する記号を文字盤上に表示する態様等、様々な表示態様を採用することができる。
上記実施形態では、ボタンプッシュ期待度演出において操作ボタン9が操作された場合に実行される演出内容は、エフェクト画像84および音声が出力されるものであるが、この他に、操作ボタン9の操作に応じて装飾部材68が駆動する演出であってもよい。また上記実施形態では、カットイン期待度演出および駆動出現期待度演出が実行されないタイミングであっても、対応するチャンス表示画像93および95がタイムゲージ表示90に表示されることがある。しかし、実行することが決定している期待度演出のタイミングにのみ、対応するチャンス表示画像を表示することとして、タイムゲージ表示90の表示内容を単純化してもよい。
本実施形態では、SPロングリーチ演出AおよびSPロングリーチ演出Bリーチ演出がリーチ状態に至った後に開始されるムービー演出中にのみ、タイムゲージ表示90が表示される。これは、ムービー演出の前に実行されるリーチ前変動演出、およびムービー演出の後に実行される図柄確定演出は、演出図柄81の変動表示を主体とした演出であるため、タイムゲージ表示90によって演出図柄81の変動表示の視認性が妨げられることを防ぐためである。しかし、前述したようにタイムゲージ表示90の表示態様は上記実施形態に限られるものではなく、演出図柄81の変動表示の視認性が妨げられないような表示態様も採用可能である。従って、リーチ前変動演出中および図柄確定演出においてタイムゲージ表示90を表示してもよい。また、報知演出の全てに亘ってタイムゲージ表示90を表示させてもよい。また、上記実施形態では、タイムゲージ表示90の表示・非表示を遊技者が選択できる構成となっているが、タイムゲージ表示90の表示・非表示の選択機能を設けず、ムービー演出において常にタイムゲージ表示90を表示することとしてもよい。
請求項、明細書および図面に記載される全ての要素(例えば、演出装置、図柄表示部、大入賞口、始動口等)は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、前記要素につけられた名称(要素名)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。従って、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「演出装置」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。更には、上記全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくはひとつの要素を複数の要素に分けて構成するかは、何れも当業者であれば容易に考えられる事項である。従って、その程度の範囲内での構成上の差異を有する遊技機を、本実施例に記載がなされていないことを理由に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはならない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施例から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。