JP6515054B2 - コイルの巻線装置、コイルの巻線方法及びネガティブベンドコイル - Google Patents

コイルの巻線装置、コイルの巻線方法及びネガティブベンドコイル Download PDF

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Description

本発明は、凹曲面形状コイルの巻線装置およびその巻線方法並びにネガティブベンドコイルに関する。
一般的な真円形や楕円形のコイルは、巻枠に巻きつける導線にテンションをかけた状態で巻枠を回転させ、導線を巻回することで製造される。しかし回転電機および超伝導磁石に用いられるコイルの中には、荷電粒子ビームを偏向する目的で、コイルの一部形状が凹曲面形状(バナナ形状)に曲げられたものがある。凹曲面形状部を有するコイルでは、導線にテンションをかけて巻回すると、凹曲面形状部には弓状に導線が巻かれてしまうため、この部分を精度良く巻回することは困難である。
特許文献1には、凹曲面形状部を有する巻枠に線材を巻回することができる、超電導コイルの巻線装置が開示されている。特許文献1に開示の装置は、巻枠の凹曲面形状部の曲面に沿うように線材を押える押え機構部を有しており、これにより、巻回された線材が緩んで巻形状が乱れることを防止している。
特開2011−216612号公報
一般に、回転電機および超伝導磁石に用いられるコイルには、導線を複数ターン巻回してなる導線の層を多層有し、コイル断面がマトリクス(行列)構造になった多層巻きコイルが用いられている。特許文献1には、凹曲面形状を有するコイルに導線を巻きつける方法が開示されているが、特許文献1に記載の巻線装置は、薄いテープ状の導線をバームクーヘン状に巻きつけるためのものであり、導線を複数ターン巻回して構成した、コイル断面がマトリクス(行列)構造を有する多層巻きコイルの巻線には対応できない。そこで本発明は、凹曲面形状を有する多層巻きコイルを精度良く巻回することを目的とする。
本発明の一実施形態に係るコイルの巻線装置は、導線が巻回される面が凹曲面形状のネガティブベンド部を有する巻枠を、回転軸回りに回転させることにより導線が巻回されてなるコイルを製造するための、コイルの巻線装置であって、前記巻枠を支持する支持手段と、前記巻枠に前記導線を巻回するために前記巻枠を回転させる回転手段と、前記巻枠に前記導線を押し付けるためのクランプを複数有しており、前記巻枠の周囲への巻回に応じて前記導線が前記回転軸に沿った方向にずれることにより前記導線の層が形成され、前記導線の第一層は、前記導線の第二層よりも前記回転軸に近接しており、前記クランプは、弾性体により形成された突起を複数有する押付け機構部と、前記押付け機構部を前記巻枠に近接、離間させる第一機構部を有し、前記導線の層のうち、第二層目に前記導線を巻回途中の前記巻枠に前記押付け機構部が近接すると、前記押付け機構部は前記第二層目の導線と前記第一層目の導線の両方を、前記巻枠に押し付けて固定し、前記第二層目の導線に当接する前記突起の弾性変形量は、前記第一層目の導線に当接する前記突起の弾性変形量よりも大きい。
本発明によれば、凹曲面形状を有する多層巻きコイル巻線の整列性を向上することができる。
ネガティブベンドコイルの巻枠の斜視図である。 ネガティブベンドコイルの巻線工程を示す図である。 従来のクランプを用いた場合の巻線の不具合を示すネガティブベンド部のコイルの断面図である。 実施例1に係るクランプを用いた場合の巻線の状態を示すネガティブベンド部のコイルの断面図である。 クランプ押付け機構の先端部の例である。 実施例2に係るローラとガイドを用いた場合の巻線の状態を示すネガティブベンド部のコイルの断面図である。 実施例2に係るローラとガイドを用いた場合の巻線の状態を示す斜視図である。 実施例4に係るネガティブベンドコイルを示す斜視図である。 実施例4に係るネガティブベンドコイルを示す側面図である。
以下、幾つかの実施例について、図面を用いて説明する。
本実施例では、凹曲面形状部を有する多層巻きコイルの巻線を、層方向、軸方向に精度良く巻回するための巻線装置の例を説明する。
図1は、凹曲面形状を有する多層巻きコイルを巻くための巻枠の斜視図である。図2の(A)から(E)は、本実施例におけるコイルの巻線工程を示す図である。また図4は本実施例におけるクランプの構造を表した図である。
巻線装置は、たとえば特許文献1に示されているように、巻枠1を取り付けるための支持体、巻枠1を回転させるための、モーターなどから構成される回転手段、導線を巻枠1に供給するための供給リール(本実施例ではこれを「巻き出しボビン7」と呼ぶ)を有する。巻き出しボビン7は巻枠1を含む平面と同一平面内に位置するように配置される。支持体、回転手段は、特許文献1等に記載されている巻線装置と同様のもので良いため、本明細書では図示を略す。また、別の実施形態として、巻線装置の回転手段にモーターなどの動力源を備えず、巻枠1が回転可能な状態で支持体に取り付けられているだけの構成でも良い。その場合、手動で巻枠1を回転させることで、巻枠1に導線を巻回する。
巻枠1は、巻芯2を、2枚のつば3で挟んだ構造である。図1等に示されているように、本実施例に係る巻芯2はいくつかの曲面から構成される形状で、一部の曲面の形状は、巻芯2の内側に窪んだ、いわゆる凹曲面形状(曲率中心が巻芯2の外側に位置する形状)となっている。本実施例では、巻芯2の曲面のうち、凹曲面形状になっている部分を「凹曲面形状部」または「ネガティブベンド部」と呼ぶ。図1等に示された巻枠1の曲面のうち、曲面4がネガティブベンド部4である。つば3はコイルの位置を固定するために設けられている。この巻枠1に導線6を複数回巻き付けたものを、本実施例では「ネガティブベンドコイル」と呼ぶ。
図2を用いて、本実施例におけるネガティブベンドコイルの巻線工程を説明する。なお、本実施例におけるネガティブベンドコイルの巻線工程では、巻枠1に導線6を巻回する際に、ネガティブベンド部4に複数のクランプ8を取り付ける。クランプ8は図4に示されるように、つば3の部分に取り付けられる。
図2の(A)は、ネガティブベンド部4に導線6が供給された直後の状態を示す。なお、矢印は、巻枠1と巻き出しボビン(供給リール)7の回転方向を示す。本実施例では、巻枠1が回転軸10を中心に右回転し、巻き出しボビン7は左回転する例を示す。ただし別の実施形態として、巻枠1と巻き出しボビン7を同方向に回転させることで、導線6を巻回してもよい。
(A)の状態までは導線6に所定の張力をかけて巻回を行っているため、ネガティブベンド部4では導線6は弓状に張った状態となる。(B)の状態では、導線6にかけられた張力を取り除き、ネガティブベンド部4の始点から終点まで、導線6を順番にクランプ8で巻枠1に押し付けて固定する。巻枠1に巻き付けられた導線6がクランプ8によって巻枠1に押し付けられた状態(これを拘束状態と呼ぶ)を図4の(B)に示す。一方、図4(A)はクランプ8が導線6を巻枠1に押し付けられていないときの状態を示しており、この状態を「解放状態」と呼ぶ。
ネガティブベンド部4の終点まで、導線6の拘束が完了したら、所定の張力をかけて、矢印方向に巻枠1を回転させて巻回を継続する。図2の(C)は、巻枠1を(B)の状態から90°巻回した状態を示している。また(D)は、巻枠1を(B)の状態から180°巻回した状態を示し、(E)は、巻枠1を(B)の状態から270°巻回した状態を示している。
そして(A)は、(B)から360°巻回した状態を示す。ここで、図示していないが、巻枠1を巻回して(E)の状態から(A)の状態にする際、導線6を巻枠1に供給するために、複数のクランプ8を順番に解放状態(図4(A)の状態)にする。このため、既に巻いたネガティブベンド部4の導線6はクランプ8の拘束から解放されるため、ネガティブベンド部4からわずかに浮いた位置で静止する。以上で1ターン目の巻線が完了する。2ターン目以降の巻線は、前記巻線工程を繰り返すことで実現できる。
図4、図5を用いて、本実施例に係るクランプ8の構造の説明を行う。図4は、本実施例に係るクランプ8とネガティブベンド部4のコイルの断面図である。先に述べたとおり、図4(A)が解放状態のクランプ8を示しており、図4(B)は、導線6がクランプ8によって拘束されている状態を示している。
クランプ8は、手動クランプ11と押付け機構部13を有する。手動クランプ11は、押付け機構部13を巻枠1に近接或いは離間させるための機構部である。ネガティブベンドコイルの製造時、製造者は手動クランプ11を操作することで、押付け機構部13の表面を巻枠1に押し付けたり、離間させたりすることができる。図4に示されるように、手動クランプ11を矢印の方向に倒すことで、押付け機構部13が巻枠1に巻回された導線6を、巻枠1の中心方向(回転軸10の方向)に押し付け、導線6を巻枠1に固定する。
図5に、押し付け機構部13の構造を示す。図5の(A)は押付け機構部13の側面図である。図5の(A)に示すように、押付け機構部13は、その表面に複数の突起を有する。本実施例では押付け機構部13の表面において、突起13aの先端部で導線6と接する面を第一の接地面13aと呼び、突起していない部分(13b)を第二の接地面13bと呼ぶ。押付け機構部13(13a,13b)の部材には、例えばゴム等の弾性体が用いられる。
導線6は、巻枠1にらせん状に巻きつけられる。導線6が巻枠1に巻回される時、最初に図4(A)の6−1で示された位置に巻回される。次に導線6が巻枠1に巻回される時には、位置6−1の隣(つまり6−2の位置)に巻回される。導線6は巻回されるたびに、その巻き付け位置は上方に移動していく。巻枠1の上端位置6−bまで導線6が巻回されると、次に導線6が巻回される位置は上端位置6−bの外側の層(位置6−c)になる。その後の導線6の巻回位置は、位置6−cの下方(6−d等)へと移動する。これを繰り返すことで、巻枠1には、導線6が複数回巻回されることで形成される層(導線の層)が複数形成され、断面がマトリクス(行列)構造を有する多層巻きコイルを製造することができる。
本実施例では、巻枠1に巻回された導線6のうち、巻芯2に接する位置(6−1,6−b等)に巻回された導線6によって構成される層のことを「第一層」と呼ぶ。そして第一層の外側に巻回される導線6(6−c、6−d等)によって構成される層を「第二層」と呼ぶ。また第二層の外側に巻回される導線6で構成される各層は順に、第三層、第四層と呼ばれる。
次に、巻枠1に巻回された導線6が、図4の(A)のように第一層と第二層を構成している時、手動クランプ11を動かすことによって導線6を押し付けた状態を図4(B)に示す。本実施例に係るクランプ8は、第一の接地面13aと第二の接地面13bとを有する構造であり、第一の接地面13aが弾性体である。そのため、手動クランプ11で導線6を押し付けると、巻枠1に巻回された導線6の表層が第一層と第二層を有する2層構造の場合でも、先端の押付け機構部13の第一の接地面が一部変形することで、ネガティブベンド部4に沿わせて、第一層の導線6と第二層の導線6をまとめて押し付けることが可能である。この結果、多層巻きコイルの層方向、軸方向(コイルの回転軸方向)の導線の浮き上がりを防止することができ、導線を精度良く巻回することが可能である。
ここで比較のために、従来のクランプの場合に生じ得る問題点について、図3を用いて説明する。図3は、従来のクランプを用いた場合のネガティブベンド部のコイルの断面図で、(A)が拘束前の状態、(B)が拘束の状態を示す。従来のクランプの押し付け機構部12の表面は平面で、部材には金属などの剛体が用いられている。
図3(A)に示すように、ネガティブベンド部に導線6を巻回する際、手動クランプ11を用いて、押付け機構部12を導線6の供給軌道から退避させる。これにより、導線6は手動クランプ11の拘束から解放されるため、導線6はネガティブベンド部の巻芯2から、わずかに浮いた位置で静止することになる。
次に、図3(B)に示すように、手動クランプ11で導線6を拘束状態にすると、押付け機構部12は平面であるため、第二層の導線6を押し付けることはできるが、第一層の導線6には押付け機構部12が押し付けられないため、第一層の導線6を正規の位置に固定することはできない。本実施例に係るクランプ8は、上で述べた構造を有するため、第一層の導線6と第二層の導線とを的確に固定することができる。なお、上では本実施例に係るクランプ8によって、第一層の導線6と第二層の導線とが拘束できる例を説明したが、巻枠1に第三層以上の層が形成されている場合でも、各層の導線を的確に固定できる。
また、本発明の別の実施形態として、押付け機構部13の表面を図3のように平面にし、部材にゴムなどの弾性体を用いたものにすることも考えられる。そのような押付け機構部13を用いたクランプ8によって導線6を押し付けた場合には、押付け機構部13が変形することにより、第一層の導線6と第二層の導線6をある程度固定することはできる。ただし押付け機構部13の表面が平面の場合、表面が柔軟に変形しないため、第一層の導線6の一部に、押付け機構部13が接触しないことがある。
たとえば図4(B)において、押付け機構部13の表面が平面の場合を仮定する。この場合、6−1や6−2に位置する導線6には押付け機構部13の表面が変形することにより、押し付け力が加えられる。しかし押付け機構部13が平面の場合、表面が充分に変形しないために、第二層に隣接している第一層の導線、たとえば6−aの位置の導線6には押付け機構部13が接触せず、6−aの位置の導線6を適切に押し付けることができない。そのため、本実施例に係る押付け機構部のように、第一の接地面13aと第二の接地面13bとを備える構造にすることが好ましい。
なお、第一の接地面13aの配置構成には、様々な構成が採用されてよい。図5(B)、(C)にその例を示す。図5の(B),(C)は押付け機構部13の平面図の例である。図5の(A)では、押付け機構部13の上に、真円形状の第一の接地面13aが等ピッチに配置されている。
一方、図5(B)に示された例では、押付け機構部13の上に、真円形状の第一の接地面13aを千鳥状に配置した構造である。図5の(A),(B)のいずれも第一の接地面と第二の接地面との間に空隙を有している。空隙部が設けられることによって、第一の接地面が一部変形する際の変形領域を確保することができる。そのため、第一の接地面が変形しやすいように配置された構造であれば、図5(B)、(C)に示された以外の配置方法が採用されてもよい。
また、図5では第一の接地面13aの形状が真円である例が示されているが、第一の接地面13aの形状は真円に限定されない。真円のほか、三角形、四角形、五角形、V字形状、十字形状などの多種多様な形状の第一の接地面13aが採用されてもよい。
なお、ここでは本実施例のクランプ8を、ネガティブベンド部4に適用する例を説明したが、凸曲面形状部(ポジティブベンド部)にもクランプ8を適用してもよい。
実施例2では、凹曲面形状を有する多層巻きコイルを、層方向、軸方向にさらに精度良く巻回するための巻線装置の例を説明する。実施例2に係る巻線装置は、実施例1で説明した巻線装置の構成要素に加えて、図7に示すようなローラ14と2本のガイド15を有する。なお、実施例1で説明したように、巻枠1に導線6が巻回される際、巻枠1のつば3部分にクランプ8が取り付けられる。実施例2に係る巻枠1にも同様にクランプ8が取り付けられるが、図7ではクランプ8の図示は略している。
ローラ14とガイド15は、巻き出しボビン7から供給される導線6を、巻枠1の適切な位置に誘導するために設けられる。ローラ14は導線6を巻枠1に押し付けるためのもので、その回転軸は巻枠1の回転軸10と平行である。ローラ14にはスプリングまたはアクチュエータ(非図示)により、巻枠1の中心方向(図中黒矢印の向き)に向かう力が加えられている。ガイド15は、巻枠1に導線6を複数ターン巻回する時、同じ層に位置する複数の導線6同士の間に隙間が発生しないようにするためのもので、ローラ14の前後に、ローラ14の回転軸に直交する形で配置される。
図6は、導線6の巻回にローラ14とガイド15を用いた場合の、導線6の巻回状態を示すネガティブベンド部4の断面図である。図6(A)において、第一層の導線6がローラ14によって、巻芯2に押し付けられた状態を示す。この押し付けられた状態では、巻芯2、導線6、ローラ14の間には隙間は発生しない。この状態で、図7に示されるようにローラの前後に2本のガイド15を配置する。第一層に導線6を巻回している間、ガイド15には、電動アクチュエータ(非図示)等によって下向き(図中の白矢印の向き)の力が加えられる。このガイド15により、第一層の導線6は下側に押し付けられ、これにより、導線6はガイド15と第一層の他の導線6によって位置を固定される(上下方向への移動が抑制される)。そのため、層内で隣接する導線6同士は密着した状態で隙間なく下から順に積み上げられていく。従って、実施例2に係る巻線装置では、実施例1で説明したクランプ8に加え、ローラ14とガイド15によっても導線が固定されるので、多層巻きコイルの層方向、軸方向の導線の浮き上がりをさらに防止することができ、導線を精度良く巻回することが可能である。
図6(B)は、第二層の導線6が巻回される状態を表している。第二層の導線6が巻回される時には、ガイド15には上向き(図6(B)中の白矢印の向き)の力が加えられる。ガイド15によって導線6を上側に押し付けることにより、ガイド15と第二層の他の導線6によって位置を固定された導線6は、隙間なく上から順に配置されるようになる。
このように、奇数層に導線6を巻回する場合にはガイド15に下向きの力を加え、偶数層に導線6を巻回する場合にはガイド15に上向きの力を加えることにより、各層において、隣接する導線6同士が密着して配置されるようになる。
また、第n層の導線6の巻回が終了し、第(n+1)層に導線6が巻回されるようになる時、層が増加することにより、ガイド15を外側(巻枠1の中心から外に向かう方向)に押し出す力がガイド15に加えられる。その衝撃によりガイド15がずれることを防ぐために、ガイド15にも巻枠1の中心方向に向かう力を加えておくことが好ましいが、その力が大きい場合、導線6に傷をつける虞がある。そのため、図示していないが、ガイド15に加わる衝撃を吸収するための緩衝機構(ショックアブソーバ)を接続することにより、導線6に傷がつくことを防止するようにしてもよい。
なお、上ではローラ14とガイド15をネガティブベンド部4に適用する例を説明したが、凸曲面形状にローラ14とガイド15を適用してもよい。また、上では2本のガイド15がある例を説明したが、ガイド15は1本でもよい。
本実施例では、凹曲面形状を有する多層巻きコイルを、層方向にさらに精度良く巻回するための巻線装置の例を説明する。実施例3に係る巻線装置(クランプを含む)と巻枠の構造は、実施例1または2で説明したものと同じであるので、ここでは説明を略す。実施例3に係る巻線装置の特徴は、巻き出しボビン7の大きさ(曲率半径)にある。
図2を用いて、実施例3に係る巻き出しボビン7について説明する。先に述べたとおり、図2の(A)から(E)はネガティブベンドコイルの巻線工程を示している。図2において、巻枠1のネガティブベンド部4の曲率半径と巻き出しボビン7の曲率半径を比較した場合、巻き出しボビン7の曲率半径の方が小さい。また、巻枠1の回転方向と巻き出しボビン7の回転方向を逆にしている。
このように配置することにより、ネガティブベンド部4の曲率半径よりも小さい巻きグセの付いた導線6を、巻枠1のネガティブベンド部4に供給することが可能となる。従って、巻枠1の回転方向と巻き出しボビン7の回転方向を同じにする場合よりも、巻枠1の回転方向と巻き出しボビン7の回転方向を逆にした場合の方が、ネガティブベンド部4における導線6の巻回を精度良く行うことが可能となる。
本実施例では、凹曲面形状を有する多層巻きコイルを精度良く巻回するための巻線装置で巻かれたネガティブベンドコイルの例、及び自動クランプの例を説明する。
図8は実施例4に係るネガティブベンドコイルと実施例4で用いられる自動クランプの構成を示す斜視図である。図8の(A)が導線の拘束前の状態、(B)が拘束後の状態を示している。図9は、実施例4に係るネガティブベンドコイルと自動クランプの側面図である。図8と同様に、図9においても(A)が拘束前の状態、(B)が拘束後の状態を示している。実施例1に係るネガティブベンドコイルと実施例4に係るネガティブベンドコイルの主な違いは、実施例4に係るネガティブベンドコイルは、巻枠1のつば3が長い点である。
実施例4では図8、図9に示す通り、巻枠のつば3の上に自動クランプ16を等ピッチで複数配置した構成について説明する。これにより、ネガティブベンド部だけでなく、ポジティブベンド部(凸曲面形状部)においても、導線を巻枠に拘束可能としている。このため自動クランプ16は、ネガティブベンド部向けと、ポジティブベンド部向けに自動クランプが対向して千鳥配置されている。
自動クランプ16は、実施例1で説明した押付け機構部13と、押付け機構部13を巻枠に近接、離間させる第一機構部161と、押付け機構部13を巻枠内に進入、退避させる第二機構部162を有する。第一機構部161は、実施例1で説明した手動クランプ11に相当する機構である。また実施例4に係る巻枠は、つば3が長いため、巻枠に導線の層が多数形成されていない状態では、押付け機構部13が導線を巻枠に押し付けられないことがある。そのため実施例4に係る自動クランプ16は第二機構部162を有し、図9(B)に示されているように、第二機構部によって押付け機構部13を巻枠内に進入させることで、導線を適切に巻枠に押し付けられるようにしている。
さらに自動クランプ16は、第一機構部161と第二機構部162を動作させるための2個のエアシリンダを備える。これにより、導線の巻回時には、クランプ16を導線の供給軌道から退避させ、巻枠内に導線を導いてから、退避させていたクランプを巻枠内に進入させて、拘束する工程を自動で行うことが可能となる。ただし別の実施形態として、エアシリンダを設けずに、手動でクランプを動かすようにしてもよい。
ここで、自動クランプ16を巻枠内に進入させることを可能にするために、少なくとも巻枠のつば3の片側には、クランプと同数の切り欠き17を設ける必要がある。この切り欠き17を設けることにより、つばの長い多層巻きコイルにおいても、層方向、軸方向の導線の浮き上がりを確実に防止することができ、導線を精度良く巻回することが可能となる。
以上、凹曲面形状と凸曲面形状の自動クランプを考慮したネガティブベンドコイルの例を説明したが、コイルエンド側にも自動クランプ16を配置してもよいことは言うまでもない。
1 巻枠
2 巻芯
3 つば
4 ネガティブベンド部
5 凹曲面形状コイル
6 導線
7 巻き出しボビン
8 クランプ
11 手動クランプ
12,13 押付け機構部
14 ローラ
15 ガイド
16 自動クランプ
17 切り欠き

Claims (8)

  1. 導線が巻回される面が凹曲面形状のネガティブベンド部を有する巻枠を、回転軸回りに回転させることにより導線が巻回されてなるコイルを製造するための、コイルの巻線装置であって、
    前記巻枠を支持する支持手段と、
    前記巻枠に前記導線を巻回するために前記巻枠を回転させる回転手段と、
    前記巻枠に前記導線を押し付けるためのクランプを複数有しており、
    前記巻枠の周囲への巻回に応じて前記導線が前記回転軸に沿った方向にずれることにより前記導線の層が形成され、前記導線の第一層は、前記導線の第二層よりも前記回転軸に近接しており、
    前記クランプは、弾性体により形成された突起を複数有する押付け機構部と、前記押付け機構部を前記巻枠に近接、離間させる第一機構部を有し、
    前記導線の層のうち、第二層目に前記導線を巻回途中の前記巻枠に前記押付け機構部が近接すると、前記押付け機構部は前記第二層目の導線と前記第一層目の導線の両方を、前記巻枠に押し付けて固定し、前記第二層目の導線に当接する前記突起の弾性変形量は、前記第一層目の導線に当接する前記突起の弾性変形量よりも大きい、
    ことを特徴とするコイルの巻線装置。
  2. 前記クランプは、前記巻枠のネガティブベンド部に設けられ、
    前記導線を前記巻枠のネガティブベンド部に巻回させる前に、前記押付け機構部は前記巻枠から離間され、
    前記導線が前記巻枠のネガティブベンド部に巻回された後、前記押付け機構部は前記巻枠に近接し、前記巻回された導線を前記巻枠に押し付ける、
    請求項1に記載のコイルの巻線装置。
  3. 導線が巻回される面が凹曲面形状のネガティブベンド部を有する巻枠に複数回巻回されてなる導線の層が複数形成されたコイルを製造するための、コイルの巻線装置であって、
    前記巻枠を支持する支持手段と、
    前記巻枠に前記導線を巻回するために前記巻枠を回転させる回転手段と、
    前記巻枠に前記導線を押し付けるためのクランプを複数有しており、
    前記クランプは、弾性体により形成された突起を複数有する押付け機構部と、前記押付け機構部を前記巻枠に近接、離間させる第一機構部を有し、
    前記導線の層のうち、第二層目に前記導線を巻回途中の前記巻枠に前記押付け機構部が近接すると、前記押付け機構部は前記第二層目の導線と第一層目の導線の両方を、前記巻枠に押し付けて固定し、
    前記巻枠に前記導線を外側から押さえるローラと、前記導線を前記巻枠に誘導するガイドを有し、
    前記ガイドは前記ローラの回転軸に直交するように配置されるとともに、前記回転軸方向に移動可能に構成されており、
    前記導線の巻回時には、前記ローラは前記導線を前記巻枠に押し付け、
    前記ガイドは前記巻回する導線を、前記層内で隣接する導線に密着するように押し付ける、
    ことを特徴とするコイルの巻線装置。
  4. 前記ガイドは、前記巻枠の外側に向かう方向に発生する衝撃を吸収する緩衝機構を備える、
    ことを特徴とする、請求項に記載のコイルの巻線装置。
  5. 前記導線を前記巻枠に供給するためのボビンを有し、
    前記ボビンの曲率半径は、前記巻枠のネガティブベンド部の曲率半径よりも小さく、
    前記巻枠に前記導線が巻回される時、前記ボビンの回転方向は前記巻枠の回転方向と逆である、
    ことを特徴とする、請求項3又は請求項4に記載のコイルの巻線装置。
  6. 前記クランプは、前記クランプを前記巻枠内に進入、退避させる第二機構部を有する、ことを特徴とする、請求項乃至請求項5のいずれか1項に記載のコイルの巻線装置。
  7. 請求項乃至請求項6のいずれか1項に記載のコイルの巻線装置を用いた、コイルの巻線方法であって、
    前記巻枠を回転させることで、前記導線を前記巻枠に巻回し、
    前記導線が前記ネガティブベンド部に巻回される直前に、前記押付け機構部を前記巻枠から離間し、
    前記導線が前記ネガティブベンド部に巻回された後、前記押付け機構部を前記巻枠に近接させて、前記巻回された導線を前記巻枠に押し付ける、
    ことを特徴とする、コイルの巻線方法。
  8. 請求項6に記載のコイルの巻線装置を用いて形成されたネガティブベンドコイルであって、
    前記巻枠のつばは、前記クランプを前記巻枠内に進入可能にするための切り欠きを有する、ことを特徴とするネガティブベンドコイル。
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