JP6512888B2 - 液化天然ガス(lng)設備の運転制御装置 - Google Patents

液化天然ガス(lng)設備の運転制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、液化天然ガス(LNG)の受入先からその貯蔵タンクに至る受入管を備え、
前記受入管に立上り管部及び横行管部を備えるとともに、前記立上り管部及び横行管部を経て前記貯蔵タンクの上部側に導かれたLNGを貯蔵タンク内に受入れる構成で、
前記貯蔵タンクから前記受入管の上流側にLNGを循環させる受入循環管を備え、
前記LNGを受入先から前記貯蔵タンクに受入管を介して受け入れる受入通常モードと、前記受入通常モードより圧力が高い加圧状態で前記LNGを受入先から前記貯蔵タンクに受け入れる加圧循環モードとの間で、前記貯蔵タンクの配管の圧力を変更するLNG設備の運転制御装置に関する。
近年、LNG設備においては、貯蔵タンクとして所謂PCタンクが採用さている。このPCタンクは安全性、経済性、大容量化の点で優れており、順次その数が増加している。
PCタンクは側板にノズルがなく、ノズルが全て屋根に設けられているため、受入管に立上り管部及び横行管部を備える構造となり、立上り管部は、その鉛直方向の距離が長いためガイザリングが起こりやすい構造となっている。
一方、最近、超高圧ポンプ(3MPa以上)を直接LNGタンク内に設置できる技術が開発されており、このポンプを採用するとセカンダリシステムが不要となり、コストダウンが可能であるが、このような超高圧LNGを冷却用のLNGとして用いれば、高圧LNGは既に温度が高い状態であるため、ガイザリングが発生する。特許文献1及び文献2に開示の方式では、ポンプが超高圧ポンプの場合はガイザリングが発生するため加圧循環モードに戻すことができないことや立上り配管の圧力制御の手法が明らかでなくガイザリングを充分に防止しながら、効率の良い運転をすることができないという課題があった。
特開平7−119893号公報 特開2008−51287号公報
解決しようとする課題の1つは、超高圧のLNGポンプであっても冷却保持できるLNG設備の運転制御装置の提供である。
また、本発明の課題は、加圧LNG置換モードから受入通常モードに変更する場合には、受入管の圧力を実質的にタンク圧力の5〜15Pagとなるまで低下させる必要があり、加圧状態で温度が高くなっているため、ガイザリングが発生しやすい状況である。
本発明の目的は、加圧循環モードから受入通常モードへの状態変更において、ガイザリングを発生することなく、迅速かつ確実に状態変更を行えるLNG設備の運転制御装置を提供することにある。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明は、
液化天然ガス(LNG)の受入先からその貯蔵タンクに至る受入管を備え、
前記受入管に立上り管部及び横行管部を備えるとともに、前記立上り管部及び横行管部を経て前記貯蔵タンクの上部側に導かれたLNGを貯蔵タンク内に受入れる構成で、
前記貯蔵タンクから前記受入管の上流側にLNGを循環させる受入循環管を備え、
前記LNGを受入先から前記貯蔵タンクに受入管を介して受け入れる受入通常モードと、前記受入通常モードより圧力が高い加圧状態で前記LNGを受入先から前記貯蔵タンクに受け入れる加圧循環モードとの間で、前記貯蔵タンクの配管の圧力を変更するLNG設備の運転制御装置であって、
前記受入循環管に循環側制限オリフィスを設けるとともに、前記横行管部に圧力調節弁に対して並列に受入側制限オリフィスを設け、
前記受入通常モードを行うに先立って、受入管をLNGにより置換する加圧LNG置換モードを行う点を特徴とする。
すなわち、前記受入循環管に循環側制限オリフィスを、前記横行管部に前記圧力調節弁に対して並列に受入側制限オリフィスを立ち上がり管上部の圧力が循環するLNGの予測温度から求めた蒸気圧以上になるようにかつ、立ち上がり管下部の圧力を上記の立ち上がり管上部圧力に液ヘッドを追加した圧力となるように設ける。これにより、前記貯蔵タンクから前記受入管の上流側にLNGを循環させる際に受入循環管の内部は、オリフィスにより降圧した圧力でもガイザリングが発生しない圧力での加圧状態となり安定した運転が継続できる。
また、この状態から受入通常モードを行うに先立って、受入管を温度の低いLNGにより置換する加圧LNG置換モードを行う際にも、受入管及び受入循環管の内部は、十分に内圧を高めた状態を保ったまま温度が少し上がってるLNGを温度の低いLNGに置換することができ、加圧循環モードから受入通常モードへの状態変更において、ガイザリングを発生することなく、迅速かつ確実に状態変更を行えることになる。
また、上記課題を解決するため、請求項2にかかる発明は、
液化天然ガス(LNG)の受入先からその貯蔵タンクに至る受入管を備え、
前記受入管に立上り管部及び横行管部を備えるとともに、前記立上り管部及び横行管部を経て前記貯蔵タンクの上部側に導かれたLNGを貯蔵タンク内に受入れる構成で、
前記貯蔵タンクから前記受入管の上流側にLNGを循環させる受入循環管を備え、
前記LNGを受入先から前記貯蔵タンクに受入管を介して受け入れる受入通常モードと、前記受入通常モードより圧力が高い加圧状態で前記LNGを受入先から前記貯蔵タンクに受け入れる加圧循環モードとの間で、前記貯蔵タンクの配管の圧力を変更するLNG設備の運転制御装置であって、
前記立上り管部に温度検出部を設け、
前記立上り管部の上部で、前記横行管部の入口部位に圧力検出部を設け、
当該圧力検出部の設置位置より貯蔵タンク側に圧力調節弁を設け、
前記温度検出部及び前記圧力検出部からの検出情報に従って、前記圧力調節弁を動作制御する構成で、
LNGの沸点の特性を圧力及び温度で表した沸点特性線を、圧力差が20kPagから40kPagの範囲となるように高圧力側に平行移動させた、若しくは温度差が2℃から4℃の範囲となるように低温度側に平行移動させた降圧制御特性線を備え、
前記加圧循環モードから前記受入通常モードへ移行する加圧LNG置換モードにおいて、
前記圧力検出部、前記温度検出部が検出した圧力及び温度が上記降圧制御特性線上に至るまで前記圧力調節弁を徐々に開弁制御し、検出する圧力及び温度が前記降圧制御特性線上に到達した段階で、前記圧力調節弁の開弁制御を停止する降圧制御手段を備えたことを特徴とする。
本願に係るLNG設備には、加圧循環モードから受入通常モードへの状態変更において働く、制御手段が備えられる。この運転制御装置は、LNGの沸点の特性を圧力及び温度で表した沸点特性線(飽和線)を高圧力側若しくは低温度側に所定余裕分平行移動させた降圧制御特性線を基準に働く手段であり、加圧状態にある貯蔵タンク内のLNGを順次、受入循環管を介して受入管内に導入しながら、圧力調節弁の制御を行って系の降圧を図っていく。圧力調節弁の開弁を行ないLNGの受入管への再循環をおこなうと、圧力降下が先に進み、温度降下が順次進むが、この状態で、圧力検出部及び温度検出部でモニターされており、立上り管部上位置における圧力が降圧制御特性線に到達した段階で、圧力調節弁の開弁動作を自動的に停止する。よって、下限圧力が前記降圧制御特性線上の圧力とされガイザリングを発生する状態までLNGが状態変化することはない。即ち、加圧循環モードから受入通常モードへの状態変更を、ガイザリングを防止して迅速、安全かつ自動で加圧循環モードから徐々に行なえる。
受入通常モードから加圧循環モードに変更する手順について以下に説明する。
例えばLNG輸送を行う船に搭載される(以下船側と呼ぶ)のLNGポンプを停止し、受入用バルブを閉止した状態は、配管内の状態は過冷却状態で低い温度となっており、閉止してすぐさまにガイザリング現象が生じる状況ではないが、上記構成の設備であれば、受入循環管に設置された遮断弁を開とすることにより、受入管をLNGにより置換される際、制限オリフィスで受入配管内部が加圧される。すると受入配管が加圧されているため、LNGの沸点温度が上昇し、受入循環管中のガスの発生がなく、ガイザリングの発生は回避され、安定状態となる。また、オリフィスを流れる流量も一定のため、大きな温度上昇も生じず時間をおけば安定したものとなる。すなわち、オリフィスを設けるだけの非常に簡便な構成の変更で、簡便な操作によっても、安全で確実な運転が可能となる。
また、加圧循環モードから受入通常モードに変更する加圧LNG置換モードについて以下に説明する。
加圧循環モードでは、配管内を加圧して、かつ温度が少し上昇している状況でLNGが配管内を循環している状態である。この際にむやみに弁を開とすると、圧力が降下し、配管内のLNGが気化し、更に液圧がなくなることで連続的にガス化が発生する。これがガイザリング現象である。そのためには、受入通常モードに移行する前に、船側のポンプなどを起動し、圧力低下が容易に起こらないように圧力をかけておくことが必要である。
このLNG設備の運転制御装置は、LNGの沸点の特性を圧力及び温度で表した沸点特性線(飽和線)を高圧力側若しくは低温度側に所定余裕分平行移動させた降圧制御特性線を基準に働く手段であり、加圧循環モードにある貯蔵タンク内のLNGを順次、受入循環管を介して受入管内に導入しながら、圧力調節弁の制御を行って系の降圧を図っていく。圧力調節弁の開弁を行ないLNGの受入管への再循環をおこなうと、圧力降下が先に進み、温度降下が順次進むが、この状態で、圧力検出部及び温度検出部でモニターされており、立上り管部上位置における圧力が降圧制御特性線に到達した段階で、圧力調節弁の開弁動作を自動的に停止する。よって、下限圧力が前記降圧制御特性線上の圧力とされガイザリングを発生する状態までLNGが状態変化することはない。即ち、加圧循環状態から受入通常モードへの状態変更を、ガイザリングを防止して迅速、安全かつ自動で加圧循環モードから徐々に行なえる。
ここで、この加圧循環モードから受入通常モードへの制御の圧力範囲としては、立上り配管上部で250kPag(加圧状態)から5kPag(通常状態)の範囲を対象とすることが好ましい。立上り配管上部では例えば100kPagの加圧をすると、立上り配管下部では液圧の関係で更に加圧される。立ち上がり配管高さが仮に40mとすると、立上り配管下部では300kPag程度の圧力で加圧される。
尚、この構成にあっては、ガイザリングを起こすことなく、さらに、過度の圧力をかけることなく、加圧循環モードから受入通常モードへの移行を実現できる。
余裕分の圧力差が圧力差で20kPagから40kPagの範囲の場合、対応する温度差は温度差で2℃から4℃の範囲となる。
請求項3に係る発明は、上記いずれかの構成において、
前記降圧制御手段により前記圧力調節弁を開弁制御して前記検出する圧力及び温度が前記降圧制御特性線上に到達している状態で、前記温度検出部より検出される温度が所定の降温温度以上低下するまで前記圧力調節弁の開弁制御を停止する降温制御手段を備え、
前記温度検出部より検出される温度が所定の降温温度以上低下した後、前記降圧制御手段による制御を再開することにある。
所定の降圧動作の後、圧力調節弁の開弁動作を停止し、その状態を保持する。
この状態では、液置換が完了していることから立上り管部での降温が進む。そして、所定降温温度の低下を待って、再度、降圧制御手段による降圧動作を行う。
このようにして加圧循環モードから受入通常モードでの移行を、ガイザリングを起こすことなく容易且つ確実に実行することができる。
本発明に係るLNG受入設備の概略構成を模式的に示す図 受入通常モードの説明図 加圧循環モードの説明図 加圧LNG置換モードの説明図 沸点特性線(飽和線)を示す図 降圧制御手段及び降温制御手段による制御状態を示す説明図
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係るLNG設備の一例としてのLNG受入基地の概略を模式的に示す構成図である。
LNG受入基地1は、低温のLNGを貯蔵するための貯蔵タンク2(PCタンクである)と、LNG船3で運搬されたLNGを桟橋から貯蔵タンク2まで輸送するための受入管4と、貯蔵タンク2に貯蔵するLNGをLNG気化器43に輸送するための払出管5と、貯蔵タンク2内のLNGを受入管4に通して循環させるための受入循環管6と、貯蔵タンク2内のBOG(ボイルオフガス)を貯蔵タンク2外に排出するためのBOG管7とを主として備える。
受入管4には、その上流側に位置する棧橋にLNG受入用のローディングアーム11が設けられており、ローディングアーム11から貯蔵タンク2に向けて略水平に延びる第1の水平部4aと、その第1の水平部4aから上方に略垂直に延びる立上り部4bと、その立上り部4bからタンク2頂部に向けて略水平に延びる第2の水平部4cとを有し、その下流側はタンク2上部に接続されている。この立上り部4bが本願にいう「立上り管部」であり、第2の水平部4cが本願にいう「横行管部」である。
第1の水平部4aには、受入管4内で発生したLNGの気化ガスを排出するためのガス貯め12が設けられており、液位検出器14の検出結果に基づき液位を一定に維持するように液位調節弁16を開閉操作し、受入管4内の気化ガスをガス抜き管18を介して排出可能となっている。
第1の水平部4aには、LNGの受入操作に関してローディングアーム11側との連通を切り替える受入操作弁31と、受入管4内のLNGの温度を検出するための温度検出部とが設けられている。温度検出部32は立上り部4bの下部部位及び、第2の水平部4cにも設けられている。また、水平部4cには圧力検出器25が設けられている。
第2の水平部4cとしては、吐出端が貯蔵タンク内に貯蔵されるLNGの液相下部に設けられる下部受入路4c1と、吐出端が貯蔵タンク内に貯蔵されるLNGの液相上部に設けられる上部受入路4c2とを備えて構成されている。
下部受入路4c1には、下部受入操作弁41を備えた受入路42、受入側制限オリフィス44を備えた制限オリフィス路45、圧力調節弁46を備えた圧力調節路47が、並列に設けられている。
上部受入路4c2には、上部受入操作弁401を備えた受入路402、受入側制限オリフィス404を備えた制限オリフィス路405が、並列に設けられている。
ここで、制限オリフィス路45,405に設けられている受入側制限オリフィス44、404は同一のものとされている。受入通常モードにおけるLNG下部受入中の状態を図2に太破線で示した。
払出管5は、その上流側が貯蔵タンク2の液層部Lに設けられた払出ポンプ(超高圧ポンプ)410に接続されており、また、下流側にはLNGを気化するためのLNG気化器43が設けられている。LNG受入基地1からLNGを払い出す際には、貯蔵タンク2内のLNGは、払出ポンプ410によって貯蔵タンク2から送出された後に払出管5内を輸送されてLNG気化器43へと送られる。このLNG気化器43では、熱交換によりLNGを気化させるための処理が行われ、そこで気化したLNG気化ガスは送ガス管48を通して払出先に供給される。
受入循環管6は、払出管5の前記LNG気化器43の設置位置より上流側の部位から分岐して受入管4の上流部に接続される。
受入循環管6には、貯蔵タンク2からのLNGの圧力及び流量を調節する循環側制限オリフィス61と操作弁62とが設けられている。この循環側制限オリフィス61は超高圧から加圧すべき圧力まで圧力降下させ、圧力差が大きいため、多段オリフィスで構成される。
後述する加圧循環モードにおいては、払出管5からLNGは受入管4を低温に保ちながら上部に上がって貯蔵タンク2に再び戻されるが、その際、圧力調節弁46及び受入操作弁41を閉止した状態で、制限オリフィス路45および受入路402をLNGが流れる運転とする。よって、制限オリフィス路45には循環側制限オリフィス61の半分の流量が流れ、且つ圧力は、循環側制限オリフィス61の適切な設計により、ポンプの吐出圧力から圧損を持たせ降下させ、立上り下部にLNGを導き、更に液圧や圧損で立上り管部上部において設定された加圧圧力となる。更に、受入側制限オリフィス44、404両オリフィスに同一の流量が流れる状態で、受入側制限オリフィス44、404は、設定された加圧圧力から貯蔵タンク2内のガス圧に降圧する。このような構成を採用することにより、受入管4内の圧力を所定の圧力に維持することができる。
BOG管7は、その上流側が貯蔵タンク2の気層部Gに接続されており、その中間部で払出側とBOGの燃焼処理を行うフレアスタック64側に分岐した構成を有する。払出側は、輸送するBOGを圧縮するためのBOG圧縮機65が設けられており、LNG気化器43の後の送ガス管48に接続されている。一方、フレアスタック64側は、貯蔵タンク2内の圧力を調節するための圧力コントローラ66と圧力コントローラ66からの制御信号に基づき開度を調節する圧力調節弁67が設けられている。また、貯蔵タンク2から排出されるBOGの一部は、LNGを受け入れる際のLNG船3のタンク内の圧力を調節するために、配管70を通ってリターンガスブロワ71によって圧縮された後、ローディングアーム72からLNG船3に戻される。この配管70には、上述のガス抜き管18が接続されており、ガス貯め12から排出された気化ガスは、配管70を通してフレアスタック64またはBOG圧縮機65に送られる。
以上が、本願に係るLNG受入基地1の構成である。
以下、このLNG受入基地1には、設備全体を運転制御するための運転制御装置80が備えられており、この運転制御装置80に受入通常モード制御手段81、加圧循環モード制御手段82、加圧LNG置換モード制御手段83を設けて、所定の運転モードを実行するように構成されている。
受入通常モード制御手段81により実行される受入通常モードは、受入管4を介して外部から貯蔵タンク2内にLNGを受入れるモードであり、LNGの圧力は5〜20kPag(受入時通常状態)で操作される。
加圧循環モード制御手段82により実行される加圧循環モードは、貯蔵タンク2内にLNGを受入れた後、受入操作弁31を閉め、操作弁62を開とすれば、LNGのポンプの圧力とオリフィスにより自動的に受入れ配管内LNGの圧力を加圧することになり、例えばLNGの圧力は最終的に立ち上り管上部で50kPag〜250kPagで立ち上がり管上部の圧力が循環するLNGの予測温度から求めた蒸気圧以上になるように、かつ立ち上り管下部で250〜450kPagで立ち上がり管下部の圧力を上記の立ち上がり管上部圧力に液ヘッドを追加した圧力となるように加圧される(加圧状態)。
加圧LNG置換モード制御手段83により実行される加圧LNG置換モードは、加圧循環モードで受入管4の循環し少し温度の上昇したLNGを貯蔵タンク2に戻して、受入管4を低い温度のLNGに置換し冷却するモードである。加圧LNG置換モードにおいては、受入管4の内部は、LNG船等のポンプによって加圧されるが、弁操作等を誤ると受入管4の圧力が降下しすぎてガイザリングが発生する。
従って、LNGの受入れを行なう受入通常モードに入ろうとする場合、本願にいう加圧循環モードから受入通常モードへの状態変更が必要となる。
このような加圧循環モードから受入通常モードへの状態変更を、迅速且つ確実に効率良く自動で行なうために、運転制御装置80には、状態変更手段84としての降圧制御手段84a及び降温制御手段84bが備えられている。
以下順に説明する。
〔受入通常モード〕
この受入通常モードに於ける運転状態を図2に示した。
受入通常モードでは、受入操作弁31,41を開き、圧力調節弁46を閉状態とすることで、図示しないLNG船3内に設置されたポンプ装置によって、LNG船3からのLNGが受入ルート(図中、実線矢印で示す)に沿ってローディングアーム11を介して受入管4内を貯蔵タンク2まで輸送され、貯蔵タンク2内の液層部Lに供給される。また、受入循環管6における操作弁62は閉じられ、貯蔵タンク2からのLNGは遮断された状態となっている。
〔加圧循環モード〕
この加圧循環モードに於ける運転状態を図3に示した。
加圧循環モードでは、受入操作弁31,41を全閉にして受入管4内にLNGを保持した状態とし、払出ポンプ410によって貯蔵タンク2内のLNGを受入循環管6、循環側制限オリフィス61を介して受入管4内に導入し、その後受入側制限オリフィス44、404を通り降圧後、タンクに戻るラインを形成する。
このとき、受入循環管6においては、操作弁62が開かれる。結果、循環側制限オリフィス61を介するLNGの循環が行なわれる。
このように、受入循環管6から循環側制限オリフィス61を経て受入管4へ減圧された状態でLNGが導入される。受入側制限オリフィス44、404、循環側制限オリフィス61により、立ち上がり管下部及び受入れ管4上部の立ち上がり管上部においてそれぞれ圧力を規定値まで上昇させ、受入管4内のLNGが加圧された状態で保持され、ガス化が生じないつまりガイザリングが生じない状態で保持される。
つまり、受入側制限オリフィス44、404、循環側制限オリフィス61は、立ち上がり管上部の圧力が循環するLNGの予測温度から求めた蒸気圧以上になるように、かつ立ち上がり管下部の圧力を上記の立ち上がり管上部圧力に液ヘッドを追加した圧力となるように設計される。以下に、制限オリフィス並びに超高圧ポンプの実施例を示す。この場合最もガス化しやすい立ち上がり上部で十分に蒸気圧以上となっており、ガイザリングは生じない。
ポンプ出口圧力 6MPa
立ち上がり下部圧力 0.37MPa
立ち上がり上部圧力 0.18MPa 立ち上がり上部蒸気圧 0.13MPa
循環側制限オリフィス流量 2T/h
受入側制限オリフィス流量各1T/h
〔加圧LNG置換モード〕
この加圧LNG置換モードに於ける運転状態を図4に示した。
加圧LNG置換モードは、上述の加圧循環モードにおいて新たにLNGの受け入れが必要となった場合等に実行されるものであり、受入管4のLNGを貯蔵タンク2内に強制的に戻すものである。
ここで、加圧LNG置換モードのLNGの循環ルートは、LNG船3→ローディングアーム11→受入操作弁31→受入管4→貯蔵タンク2のように構成される。ただし、LNG船等のポンプを起動させ、圧力を確保した後、受入操作弁31を開とする必要がある。その後、受入循環管6の操作弁62を閉止する。
この加圧LNG置換モードでは、受入管4内の液が低密度かつ低温のLNGに置換されるまでの間は、LNG船等のポンプ圧力を上記の立ち上がり管下部の保持圧力以上として圧力調節弁46を徐々に開とし液循環を増量し、液置換する。この加圧LNG置換モードでの圧力調整弁の制御方法は、ガイザリング防止のため急激な圧力降下が生じないように徐々に操作を実施する必要があり、そのため、受入管4内の液が低密度かつ低温のLNGに置換されるまでの間は、圧力調節弁46により圧力検出器25の位置における圧力を蒸気圧より高い圧力として液置換を実施する。この液置換の制御として、下記の状態変更制御、降圧制御手段を用い、安全かつ迅速に置換する。置換終了後は、受入通常モードとなり、下部受入操作弁41または401を開とし受入れを実施する。
以上が、基本的な運転モードの説明であるが、上記の加圧LNG置換モード(加圧循環モードから受入通常モードへの過渡期)において有効に働く、本願独特の構成に関して説明する。
〔状態変更制御〕
図1にも示すように、運転制御装置80には、状態変更手段84としての降圧制御手段84a及び降温制御手段84bが備えられている。以下詳細に説明する。
前記運転制御装置80には、記憶手段85にLNGの沸点の特性を圧力及び温度で表した沸点特性線(飽和液線)Lbを、高圧力側若しくは低温度側に所定余裕分平行移動させた降圧制御特性線Lcが記憶されている。
図5に沸点特性線Lbを、図6に沸点特性線Lbと降圧制御特性線Lcの関係を示した。これらの図は、横軸がLNGの温度〔℃〕を、縦軸がLNGの圧力〔kPag〕を示している。図5において、左上側の領域がLNGが液として存在する領域であり、中央の領域がLNGとNGとが混相状態で存在する領域であり、これら両領域の境界線(同図上実線で示す)が、本願にいう「沸点特性線Lb」である。
図6に、「沸点特性線Lb」に対して、本願で使用する「降圧制御特性線Lc」を示している。この「降圧制御特性線Lc」は、「沸点特性線Lb」に対して、圧力差で約30kPag上側(範囲としては、20kPag〜40kPagが好ましい)に設定される線であり、温度差では3℃左側(範囲としては、2℃〜4℃が好ましい)に設定される線である。
従って、この「降圧制御特性線Lc」上の状態は、圧力、温度に関して「沸点特性線Lb」上の状態より確実に液相となる状態となっており、LNGは液相を確実に維持する状態である。
〔降圧制御手段〕
降圧制御手段84aは、受入通常モードへの変更において、圧力検出器25、温度検出部32が検出した圧力及び温度が降圧制御特性線Lc上に至るまで圧力調節弁46を徐々に開弁制御し、検出する圧力及び温度が降圧制御特性線Lc上に到達した段階で、圧力調節弁46の開弁制御を停止する。
この制御状態を図6の下向きの矢印で示した。同図上、状態1から状態2に至る状態変更及び、状態3から状態4に至る状態変更及び状態5から状態6に至る状態変更が、この降圧制御手段による制御である。
〔降温制御手段〕
降温制御手段84bは、前記降圧制御手段84aにより圧力調節弁を開弁制御して検出する圧力及び温度が前記降圧制御特性線Lc上に到達している状態(状態2、4、6)で、温度検出部32より検出される温度が所定の降温温度以上低下するまで圧力調節弁46の開弁制御を停止する。
この制御状態を図6の左向きの矢印で示した。同図上、状態2から状態3に至る状態変更及び、状態4から状態5が、この降温制御手段84bによる制御である。
そして、このように順次制御を繰り返した後、温度検出部32より検出される温度が所定の降温温度以上低下した後、降圧制御手段84aによる制御を再開する。結果、LNGの状態は、気化を起こさない状態で、加圧循環モードから受入通常モードまで確実に一定の基準に従って変化させることが可能となり、ガイザリングの問題を発生することなく、受入通常モードに移行可能となる。
超高圧のLNGポンプであっても冷却保持できる運転制御方法を提供できた。
加圧循環モードから受入通常モードへの状態変更において、ガイザリングを発生することなく、迅速かつ確実に状態変更を行えるLNG設備を提供することができた。
1 LNG受入基地
2 LNGタンク
4 受入管
5 払出管
6 受入循環管
410 払出ポンプ

Claims (3)

  1. 液化天然ガス(LNG)の受入先からその貯蔵タンクに至る受入管を備え、
    前記受入管に立上り管部及び横行管部を備えるとともに、前記立上り管部及び横行管部を経て前記貯蔵タンクの上部側に導かれたLNGを貯蔵タンク内に受入れる構成で、
    前記貯蔵タンクから前記受入管の上流側にLNGを循環させる受入循環管を備え、
    前記LNGを受入先から前記貯蔵タンクに受入管を介して受け入れる受入通常モードと、前記受入通常モードより圧力が高い加圧状態で前記LNGを受入先から前記貯蔵タンクに受け入れる加圧循環モードとの間で、前記貯蔵タンクの配管の圧力を変更するLNG設備の運転制御装置であって、
    前記受入循環管に循環側制限オリフィスを設けるとともに、前記横行管部に圧力調節弁に対して並列に受入側制限オリフィスを設け、
    前記受入通常モードを行うに先立って、受入管をLNGにより置換する加圧LNG置換モードを行うLNG設備の運転制御装置。
  2. 液化天然ガス(LNG)の受入先からその貯蔵タンクに至る受入管を備え、
    前記受入管に立上り管部及び横行管部を備えるとともに、前記立上り管部及び横行管部を経て前記貯蔵タンクの上部側に導かれたLNGを貯蔵タンク内に受入れる構成で、
    前記貯蔵タンクから前記受入管の上流側にLNGを循環させる受入循環管を備え、
    前記LNGを受入先から前記貯蔵タンクに受入管を介して受け入れる受入通常モードと、前記受入通常モードより圧力が高い加圧状態で前記LNGを受入先から前記貯蔵タンクに受け入れる加圧循環モードとの間で、前記貯蔵タンクの配管の圧力を変更するLNG設備の運転制御装置であって、
    前記立上り管部に温度検出部を設け、
    前記立上り管部の上部で、前記横行管部の入口部位に圧力検出部を設け、
    当該圧力検出部の設置位置より貯蔵タンク側に圧力調節弁を設け、
    前記温度検出部及び前記圧力検出部からの検出情報に従って、前記圧力調節弁を動作制御する構成で、
    LNGの沸点の特性を圧力及び温度で表した沸点特性線を、圧力差が20kPagから40kPagの範囲となるように高圧力側に平行移動させた、若しくは温度差が2℃から4℃の範囲となるように低温度側に平行移動させた降圧制御特性線を備え、
    前記加圧循環モードから前記受入通常モードへ移行する加圧LNG置換モードにおいて、
    前記圧力検出部、前記温度検出部が検出した圧力及び温度が上記降圧制御特性線上に至るまで前記圧力調節弁を徐々に開弁制御し、検出する圧力及び温度が前記降圧制御特性線上に到達した段階で、前記圧力調節弁の開弁制御を停止する降圧制御手段を備えたことを特徴とするLNG設備の運転制御装置。
  3. 前記降圧制御手段により前記圧力調節弁を開弁制御して前記検出する圧力及び温度が前記降圧制御特性線上に到達している状態で、前記温度検出部より検出される温度が所定の降温温度以上低下するまで前記圧力調節弁の開弁制御を停止する降温制御手段を備え、前記温度検出部より検出される温度が所定降温温度以上低下した後、前記降圧制御手段による制御を再開する請求項2に記載のLNG設備の運転制御装置。
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