JP6512888B2 - 液化天然ガス(lng)設備の運転制御装置 - Google Patents
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前記受入管に立上り管部及び横行管部を備えるとともに、前記立上り管部及び横行管部を経て前記貯蔵タンクの上部側に導かれたLNGを貯蔵タンク内に受入れる構成で、
前記貯蔵タンクから前記受入管の上流側にLNGを循環させる受入循環管を備え、
前記LNGを受入先から前記貯蔵タンクに受入管を介して受け入れる受入通常モードと、前記受入通常モードより圧力が高い加圧状態で前記LNGを受入先から前記貯蔵タンクに受け入れる加圧循環モードとの間で、前記貯蔵タンクの配管の圧力を変更するLNG設備の運転制御装置に関する。
PCタンクは側板にノズルがなく、ノズルが全て屋根に設けられているため、受入管に立上り管部及び横行管部を備える構造となり、立上り管部は、その鉛直方向の距離が長いためガイザリングが起こりやすい構造となっている。
また、本発明の課題は、加圧LNG置換モードから受入通常モードに変更する場合には、受入管の圧力を実質的にタンク圧力の5〜15Pagとなるまで低下させる必要があり、加圧状態で温度が高くなっているため、ガイザリングが発生しやすい状況である。
液化天然ガス(LNG)の受入先からその貯蔵タンクに至る受入管を備え、
前記受入管に立上り管部及び横行管部を備えるとともに、前記立上り管部及び横行管部を経て前記貯蔵タンクの上部側に導かれたLNGを貯蔵タンク内に受入れる構成で、
前記貯蔵タンクから前記受入管の上流側にLNGを循環させる受入循環管を備え、
前記LNGを受入先から前記貯蔵タンクに受入管を介して受け入れる受入通常モードと、前記受入通常モードより圧力が高い加圧状態で前記LNGを受入先から前記貯蔵タンクに受け入れる加圧循環モードとの間で、前記貯蔵タンクの配管の圧力を変更するLNG設備の運転制御装置であって、
前記受入循環管に循環側制限オリフィスを設けるとともに、前記横行管部に圧力調節弁に対して並列に受入側制限オリフィスを設け、
前記受入通常モードを行うに先立って、受入管をLNGにより置換する加圧LNG置換モードを行う点を特徴とする。
また、この状態から受入通常モードを行うに先立って、受入管を温度の低いLNGにより置換する加圧LNG置換モードを行う際にも、受入管及び受入循環管の内部は、十分に内圧を高めた状態を保ったまま温度が少し上がってるLNGを温度の低いLNGに置換することができ、加圧循環モードから受入通常モードへの状態変更において、ガイザリングを発生することなく、迅速かつ確実に状態変更を行えることになる。
液化天然ガス(LNG)の受入先からその貯蔵タンクに至る受入管を備え、
前記受入管に立上り管部及び横行管部を備えるとともに、前記立上り管部及び横行管部を経て前記貯蔵タンクの上部側に導かれたLNGを貯蔵タンク内に受入れる構成で、
前記貯蔵タンクから前記受入管の上流側にLNGを循環させる受入循環管を備え、
前記LNGを受入先から前記貯蔵タンクに受入管を介して受け入れる受入通常モードと、前記受入通常モードより圧力が高い加圧状態で前記LNGを受入先から前記貯蔵タンクに受け入れる加圧循環モードとの間で、前記貯蔵タンクの配管の圧力を変更するLNG設備の運転制御装置であって、
前記立上り管部に温度検出部を設け、
前記立上り管部の上部で、前記横行管部の入口部位に圧力検出部を設け、
当該圧力検出部の設置位置より貯蔵タンク側に圧力調節弁を設け、
前記温度検出部及び前記圧力検出部からの検出情報に従って、前記圧力調節弁を動作制御する構成で、
LNGの沸点の特性を圧力及び温度で表した沸点特性線を、圧力差が20kPagから40kPagの範囲となるように高圧力側に平行移動させた、若しくは温度差が2℃から4℃の範囲となるように低温度側に平行移動させた降圧制御特性線を備え、
前記加圧循環モードから前記受入通常モードへ移行する加圧LNG置換モードにおいて、
前記圧力検出部、前記温度検出部が検出した圧力及び温度が上記降圧制御特性線上に至るまで前記圧力調節弁を徐々に開弁制御し、検出する圧力及び温度が前記降圧制御特性線上に到達した段階で、前記圧力調節弁の開弁制御を停止する降圧制御手段を備えたことを特徴とする。
例えばLNG輸送を行う船に搭載される(以下船側と呼ぶ)のLNGポンプを停止し、受入用バルブを閉止した状態は、配管内の状態は過冷却状態で低い温度となっており、閉止してすぐさまにガイザリング現象が生じる状況ではないが、上記構成の設備であれば、受入循環管に設置された遮断弁を開とすることにより、受入管をLNGにより置換される際、制限オリフィスで受入配管内部が加圧される。すると受入配管が加圧されているため、LNGの沸点温度が上昇し、受入循環管中のガスの発生がなく、ガイザリングの発生は回避され、安定状態となる。また、オリフィスを流れる流量も一定のため、大きな温度上昇も生じず時間をおけば安定したものとなる。すなわち、オリフィスを設けるだけの非常に簡便な構成の変更で、簡便な操作によっても、安全で確実な運転が可能となる。
尚、この構成にあっては、ガイザリングを起こすことなく、さらに、過度の圧力をかけることなく、加圧循環モードから受入通常モードへの移行を実現できる。
余裕分の圧力差が圧力差で20kPagから40kPagの範囲の場合、対応する温度差は温度差で2℃から4℃の範囲となる。
前記降圧制御手段により前記圧力調節弁を開弁制御して前記検出する圧力及び温度が前記降圧制御特性線上に到達している状態で、前記温度検出部より検出される温度が所定の降温温度以上低下するまで前記圧力調節弁の開弁制御を停止する降温制御手段を備え、
前記温度検出部より検出される温度が所定の降温温度以上低下した後、前記降圧制御手段による制御を再開することにある。
この状態では、液置換が完了していることから立上り管部での降温が進む。そして、所定降温温度の低下を待って、再度、降圧制御手段による降圧動作を行う。
このようにして加圧循環モードから受入通常モードでの移行を、ガイザリングを起こすことなく容易且つ確実に実行することができる。
LNG受入基地1は、低温のLNGを貯蔵するための貯蔵タンク2(PCタンクである)と、LNG船3で運搬されたLNGを桟橋から貯蔵タンク2まで輸送するための受入管4と、貯蔵タンク2に貯蔵するLNGをLNG気化器43に輸送するための払出管5と、貯蔵タンク2内のLNGを受入管4に通して循環させるための受入循環管6と、貯蔵タンク2内のBOG(ボイルオフガス)を貯蔵タンク2外に排出するためのBOG管7とを主として備える。
下部受入路4c1には、下部受入操作弁41を備えた受入路42、受入側制限オリフィス44を備えた制限オリフィス路45、圧力調節弁46を備えた圧力調節路47が、並列に設けられている。
ここで、制限オリフィス路45,405に設けられている受入側制限オリフィス44、404は同一のものとされている。受入通常モードにおけるLNG下部受入中の状態を図2に太破線で示した。
受入循環管6には、貯蔵タンク2からのLNGの圧力及び流量を調節する循環側制限オリフィス61と操作弁62とが設けられている。この循環側制限オリフィス61は超高圧から加圧すべき圧力まで圧力降下させ、圧力差が大きいため、多段オリフィスで構成される。
後述する加圧循環モードにおいては、払出管5からLNGは受入管4を低温に保ちながら上部に上がって貯蔵タンク2に再び戻されるが、その際、圧力調節弁46及び受入操作弁41を閉止した状態で、制限オリフィス路45および受入路402をLNGが流れる運転とする。よって、制限オリフィス路45には循環側制限オリフィス61の半分の流量が流れ、且つ圧力は、循環側制限オリフィス61の適切な設計により、ポンプの吐出圧力から圧損を持たせ降下させ、立上り下部にLNGを導き、更に液圧や圧損で立上り管部上部において設定された加圧圧力となる。更に、受入側制限オリフィス44、404両オリフィスに同一の流量が流れる状態で、受入側制限オリフィス44、404は、設定された加圧圧力から貯蔵タンク2内のガス圧に降圧する。このような構成を採用することにより、受入管4内の圧力を所定の圧力に維持することができる。
以下、このLNG受入基地1には、設備全体を運転制御するための運転制御装置80が備えられており、この運転制御装置80に受入通常モード制御手段81、加圧循環モード制御手段82、加圧LNG置換モード制御手段83を設けて、所定の運転モードを実行するように構成されている。
このような加圧循環モードから受入通常モードへの状態変更を、迅速且つ確実に効率良く自動で行なうために、運転制御装置80には、状態変更手段84としての降圧制御手段84a及び降温制御手段84bが備えられている。
〔受入通常モード〕
この受入通常モードに於ける運転状態を図2に示した。
受入通常モードでは、受入操作弁31,41を開き、圧力調節弁46を閉状態とすることで、図示しないLNG船3内に設置されたポンプ装置によって、LNG船3からのLNGが受入ルート(図中、実線矢印で示す)に沿ってローディングアーム11を介して受入管4内を貯蔵タンク2まで輸送され、貯蔵タンク2内の液層部Lに供給される。また、受入循環管6における操作弁62は閉じられ、貯蔵タンク2からのLNGは遮断された状態となっている。
この加圧循環モードに於ける運転状態を図3に示した。
加圧循環モードでは、受入操作弁31,41を全閉にして受入管4内にLNGを保持した状態とし、払出ポンプ410によって貯蔵タンク2内のLNGを受入循環管6、循環側制限オリフィス61を介して受入管4内に導入し、その後受入側制限オリフィス44、404を通り降圧後、タンクに戻るラインを形成する。
つまり、受入側制限オリフィス44、404、循環側制限オリフィス61は、立ち上がり管上部の圧力が循環するLNGの予測温度から求めた蒸気圧以上になるように、かつ立ち上がり管下部の圧力を上記の立ち上がり管上部圧力に液ヘッドを追加した圧力となるように設計される。以下に、制限オリフィス並びに超高圧ポンプの実施例を示す。この場合最もガス化しやすい立ち上がり上部で十分に蒸気圧以上となっており、ガイザリングは生じない。
ポンプ出口圧力 6MPa
立ち上がり下部圧力 0.37MPa
立ち上がり上部圧力 0.18MPa 立ち上がり上部蒸気圧 0.13MPa
循環側制限オリフィス流量 2T/h
受入側制限オリフィス流量各1T/h
この加圧LNG置換モードに於ける運転状態を図4に示した。
加圧LNG置換モードは、上述の加圧循環モードにおいて新たにLNGの受け入れが必要となった場合等に実行されるものであり、受入管4のLNGを貯蔵タンク2内に強制的に戻すものである。
図1にも示すように、運転制御装置80には、状態変更手段84としての降圧制御手段84a及び降温制御手段84bが備えられている。以下詳細に説明する。
前記運転制御装置80には、記憶手段85にLNGの沸点の特性を圧力及び温度で表した沸点特性線(飽和液線)Lbを、高圧力側若しくは低温度側に所定余裕分平行移動させた降圧制御特性線Lcが記憶されている。
従って、この「降圧制御特性線Lc」上の状態は、圧力、温度に関して「沸点特性線Lb」上の状態より確実に液相となる状態となっており、LNGは液相を確実に維持する状態である。
降圧制御手段84aは、受入通常モードへの変更において、圧力検出器25、温度検出部32が検出した圧力及び温度が降圧制御特性線Lc上に至るまで圧力調節弁46を徐々に開弁制御し、検出する圧力及び温度が降圧制御特性線Lc上に到達した段階で、圧力調節弁46の開弁制御を停止する。
この制御状態を図6の下向きの矢印で示した。同図上、状態1から状態2に至る状態変更及び、状態3から状態4に至る状態変更及び状態5から状態6に至る状態変更が、この降圧制御手段による制御である。
降温制御手段84bは、前記降圧制御手段84aにより圧力調節弁を開弁制御して検出する圧力及び温度が前記降圧制御特性線Lc上に到達している状態(状態2、4、6)で、温度検出部32より検出される温度が所定の降温温度以上低下するまで圧力調節弁46の開弁制御を停止する。
この制御状態を図6の左向きの矢印で示した。同図上、状態2から状態3に至る状態変更及び、状態4から状態5が、この降温制御手段84bによる制御である。
加圧循環モードから受入通常モードへの状態変更において、ガイザリングを発生することなく、迅速かつ確実に状態変更を行えるLNG設備を提供することができた。
2 LNGタンク
4 受入管
5 払出管
6 受入循環管
410 払出ポンプ
Claims (3)
- 液化天然ガス(LNG)の受入先からその貯蔵タンクに至る受入管を備え、
前記受入管に立上り管部及び横行管部を備えるとともに、前記立上り管部及び横行管部を経て前記貯蔵タンクの上部側に導かれたLNGを貯蔵タンク内に受入れる構成で、
前記貯蔵タンクから前記受入管の上流側にLNGを循環させる受入循環管を備え、
前記LNGを受入先から前記貯蔵タンクに受入管を介して受け入れる受入通常モードと、前記受入通常モードより圧力が高い加圧状態で前記LNGを受入先から前記貯蔵タンクに受け入れる加圧循環モードとの間で、前記貯蔵タンクの配管の圧力を変更するLNG設備の運転制御装置であって、
前記受入循環管に循環側制限オリフィスを設けるとともに、前記横行管部に圧力調節弁に対して並列に受入側制限オリフィスを設け、
前記受入通常モードを行うに先立って、受入管をLNGにより置換する加圧LNG置換モードを行うLNG設備の運転制御装置。 - 液化天然ガス(LNG)の受入先からその貯蔵タンクに至る受入管を備え、
前記受入管に立上り管部及び横行管部を備えるとともに、前記立上り管部及び横行管部を経て前記貯蔵タンクの上部側に導かれたLNGを貯蔵タンク内に受入れる構成で、
前記貯蔵タンクから前記受入管の上流側にLNGを循環させる受入循環管を備え、
前記LNGを受入先から前記貯蔵タンクに受入管を介して受け入れる受入通常モードと、前記受入通常モードより圧力が高い加圧状態で前記LNGを受入先から前記貯蔵タンクに受け入れる加圧循環モードとの間で、前記貯蔵タンクの配管の圧力を変更するLNG設備の運転制御装置であって、
前記立上り管部に温度検出部を設け、
前記立上り管部の上部で、前記横行管部の入口部位に圧力検出部を設け、
当該圧力検出部の設置位置より貯蔵タンク側に圧力調節弁を設け、
前記温度検出部及び前記圧力検出部からの検出情報に従って、前記圧力調節弁を動作制御する構成で、
LNGの沸点の特性を圧力及び温度で表した沸点特性線を、圧力差が20kPagから40kPagの範囲となるように高圧力側に平行移動させた、若しくは温度差が2℃から4℃の範囲となるように低温度側に平行移動させた降圧制御特性線を備え、
前記加圧循環モードから前記受入通常モードへ移行する加圧LNG置換モードにおいて、
前記圧力検出部、前記温度検出部が検出した圧力及び温度が上記降圧制御特性線上に至るまで前記圧力調節弁を徐々に開弁制御し、検出する圧力及び温度が前記降圧制御特性線上に到達した段階で、前記圧力調節弁の開弁制御を停止する降圧制御手段を備えたことを特徴とするLNG設備の運転制御装置。 - 前記降圧制御手段により前記圧力調節弁を開弁制御して前記検出する圧力及び温度が前記降圧制御特性線上に到達している状態で、前記温度検出部より検出される温度が所定の降温温度以上低下するまで前記圧力調節弁の開弁制御を停止する降温制御手段を備え、前記温度検出部より検出される温度が所定降温温度以上低下した後、前記降圧制御手段による制御を再開する請求項2に記載のLNG設備の運転制御装置。
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