JPH07119893A - 低温液化ガス配管の制御方法 - Google Patents

低温液化ガス配管の制御方法

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JPH07119893A
JPH07119893A JP26863593A JP26863593A JPH07119893A JP H07119893 A JPH07119893 A JP H07119893A JP 26863593 A JP26863593 A JP 26863593A JP 26863593 A JP26863593 A JP 26863593A JP H07119893 A JPH07119893 A JP H07119893A
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JP
Japan
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gas
liquefied gas
pipe
low temperature
temperature liquefied
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Application number
JP26863593A
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English (en)
Inventor
Moritaka Egashira
盛孝 江頭
楯夫 ▲吉▼村
Tateo Yoshimura
Akio Seta
明夫 瀬田
Hatsunori Oike
初典 大池
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chiyoda Corp
Tokyo Gas Co Ltd
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
Original Assignee
Chiyoda Corp
Tokyo Gas Co Ltd
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
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Publication date
Application filed by Chiyoda Corp, Tokyo Gas Co Ltd, Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd filed Critical Chiyoda Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 保冷循環を行なわずに配管を低温に保持し、
ガイザリング現象を防止する。 【構成】 貯蔵運転時には、液排出調節弁17および貯
槽元弁21を閉じておくとともに、スイッチ23を液レ
ベルコントローラ19側に切り替えておく。配管系を放
置しておくと、配管系内にガスが発生し、配管系内の最
上端に設けられたガス溜め11に溜る。そこで、ガス溜
め11内の液レベルを液レベル検出器14で検出し、ガ
ス溜め11内の液レベルが一定となるように液供給調節
弁20の開度を調節する。このとき、ガス溜め11内の
液レベルがあるレベルよりも低い場合には、配管系の最
下端に設けられた圧力検出器18で圧力を検出し、その
圧力が一定となるようにガス抜き調節弁15の開度を調
節してガス溜め11内のガスを抜く。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、LNG(液化天然ガ
ス)やLPG(液化プロパンガス)等の低温液化ガス受
入基地における低温液化ガス配管の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、地下式貯槽または地上式貯槽の液
化ガス受入基地においては、タンカーからアンローディ
ングアームおよび2条の本管を介して各貯槽に低温液化
ガス(以下、「液化ガス」という)を受け入れ、受け入
れ終了後は2条の本管をループ状にして貯槽内の液化ガ
スを循環させて配管系を低温に保持(保冷循環)し、次
の液化ガスの受け入れを容易にしている。これは、液化
ガス配管を放置しておくと周囲からの入熱により次第に
液化ガス配管の温度がが上昇して液化ガスが気化してガ
スが発生するので、これを防止するためである。
【0003】このような液化ガスの受入基地における受
入・保冷循環系の一例を図4に示す。図4に示すよう
に、複数のアンローディングアーム51は、第1の本管
53および第2の本管54を介して複数の貯槽52(一
つのみ図示)に連結されている。第1の本管53および
第2の本管54は、その一端が貯槽52の頂部に連結さ
れており、そのために第1の本管53は立上り部53a
を有する。各貯槽52には、それぞれ保冷循環時に各貯
槽52内の液化ガスを送り出すためのポンプ57が設け
られており、その出口は、一端が第2の本管54に連結
されるとともに中間部に操作弁58が介装された保冷用
配管55に接続されている。また、各アンローディング
アーム51の下流側には、第1の本管53と第2の本管
54とを連結するヘッダー管56により、各ポンプ57
による液化ガスの保冷循環時に保冷循環ループを形成す
る。
【0004】上記の受入・保冷循環系においてタンカー
から液化ガスを受け入れる場合には、操作弁58を閉じ
た状態で、各アンローディングアーム51から第1の本
管53および第2の本管54を経て、各貯槽52に液化
ガスを送り込む。一方、液化ガスの受入作業終了後は、
各アンローディングアーム51と各本管53、54との
連絡を絶つとともに操作弁58を開き、保冷循環ループ
を形成する。次いで、もしポンプ57が運転されていな
ければ、ポンプ57を駆動すると貯槽52内の液化ガス
は保冷循環ループを循環し、各本管53、54を保冷す
る。そして、貯槽52内の液化ガスを燃料ガスとして供
給するための、液化ガスの燃料ガス送出系(不図示)へ
の払い出しは、貯槽52内の液化ガスを熱交換器(不図
示)により気化させて行なわれる。このときの、気化し
たガスの圧力は25〜30kg/cm2 G程度である。
【0005】また、この保冷循環操作時には液化ガスは
ポンプ57により昇圧され、このときポンプ57により
液化ガスに与えられるエネルギーは周囲からの入熱と同
様に最終的には貯槽52内にガスを発生させ、このガス
をガス圧縮機(不図示)で上記燃料ガス送出系に払い出
されるガスと同程度の圧力まで昇圧し、燃料ガス送出系
へ払い出している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の受入・循環系においては、保冷循環操作のため
にポンプの動力やガス圧縮機の動力を必要とし、そのた
めの消費エネルギーが多大なものとなるという問題点が
あった。特に、ガス圧縮機が大きな動力を必要としてい
た。一方、消費エネルギーを節約するために保冷循環を
停止すると、次第に液化ガス配管の温度が上昇するので
液化ガスを受け入れる度に液化ガス配管の冷却操作を必
要とする他に、配管の立上り部でガイザリング現象が発
生する。そのため保冷循環を停止するわけにはいかなか
った。
【0007】ここで、ガイザリンング現象について説明
する。配管の立上り部において、立上り部内の液化ガス
には、液の高さに応じたヘッド圧が加わるとともに周囲
からの熱が加わり、立上り部の上部から底部にいくほど
立上り部内の液化ガスの飽和温度は上昇する。この際、
液化ガスのガス化により立上り部内の底部に気泡が発生
すると、この気泡は一気に成長して立上り部を液化ガス
を伴って上昇し、立上り部の上部に気液を吹き上げる。
これにより立上り部内のヘッド圧が低下し、気泡の発生
を助長し気液の上昇をさらに激しくする。気泡の上昇力
に液化ガスを持ち上げるだけの勢いがなくなると、立上
り部の上部に吹き上げられた気液は立上り部内を落下す
る。これにより立上り部内のヘッド圧が上昇し、気泡の
発生が抑制される。しばらくして液化ガスが飽和温度ま
で上昇すると、再び気泡が発生し、同じ現象が繰り返さ
れる。これら一連の現象をガイザリング現象という。ガ
イザリング現象は配管に機械的振動を発生させ、配管や
配管に取り付けられた計測機器等の破損の原因となる。
【0008】そこで本発明は、保冷循環を行なわずに配
管を低温に保持し、ガイザリング現象を防止する低温液
化ガス配管の制御方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、低温液化ガスを貯槽に受け入れるための配管
を低温に保持する低温液化ガス配管の制御方法におい
て、前記配管として、前記配管の最上端から上方に延び
て突設されるガス溜めを形成したものを用い、低温液化
ガスの放置によって前記配管内の低温液化ガスの一部が
気化してガスを発生し、前記ガスが前記ガス溜め内まで
上昇した際に、圧力を一定に保ちつつ、前記ガスと等し
い量のガスを前記ガス溜めから抜き、かつ、前記気化し
た低温液化ガスと等しい量の低温液化ガスを前記貯槽か
ら前記配管内に供給して前記配管を低温に保持すること
を特徴とする。
【0010】この場合ににおいて、前記配管内の圧力お
よび前記ガス溜め内の低温液化ガスの液レベルを検出
し、前記配管内の圧力および前記ガス溜め内の液レベル
を一定に保つように、前記ガス溜めから抜くガスの量、
および前記配管に供給する低温液化ガスの量を制御して
もよい。
【0011】また、低温液化ガスを貯槽に受け入れるた
めの配管を低温に保持する低温液化ガス配管の制御方法
において、前記貯槽に低温液化ガスを受け入れるに先立
って、前記配管内の圧力を、低温液化ガスの気化により
発生したガスの上昇が前記配管内の低温液化ガスを持ち
上げない圧力に保持するように、前記貯槽内の低温液化
ガスを前記配管に供給するとともに、前記配管の低温液
化ガスを前記貯槽に送り出すことを特徴とする。
【0012】この場合には、前記低温液化ガスの気化に
より発生したガスの上昇が前記配管内の低温液化ガスを
持ち上げない圧力を、前記配管の最下端での低温液化ガ
スの飽和圧力と、前記配管の最下端の低温液化ガスが前
記配管の最上端に到るまでに周囲から受け取る熱に見合
った飽和圧力の上昇分とを加算した圧力としてもよい。
【0013】
【作用】上記の通り構成された本発明では、貯槽に低温
液化ガスを受け入れた後、配管を放置しておくと、配管
内の低温液化ガスは周囲から熱を受け取り昇温するの
で、配管内の低温液化ガスの一部が気化して配管内にガ
スが発生する。そこで、配管の最上端にガス溜めを形成
しておくと、配管内で発生したガスはガス溜め内まで上
昇する。このとき、配管内で発生したガスと等しい量の
ガスをガス溜めから抜き、かつ、気化した低温液化ガス
と等しい量の低温液化ガスを貯槽から配管内に供給す
る。一方、配管内の低温液化ガスの圧力が高いほど単位
質量当りのガス容積は少なくなりガスの上昇の勢いが小
さくなる。そこで、配管内の圧力を、低温液化ガスの気
化により発生したガスの上昇が配管内の低温液化ガスを
持ち上げない圧力に保持するように、貯槽内の低温液化
ガスを配管に供給することで、ガイザリングは発生せず
配管内が静穏に保持される。
【0014】また、低温液化ガスを受け入れる際には、
配管内の低温液化ガスの温度は周囲からの熱により貯槽
内の低温液化ガスの温度よりも高くなっている。そのた
め、配管内の低温液化ガスをそのまま貯槽内の低温液化
ガスと置換しただけでは、配管内の低温液化ガスが配管
の下方から上方に上昇する際に、その低温液化ガスに作
用する圧力が飽和圧力よりも小さくなるとガイザリング
現象が発生する。一方、配管内の低温液化ガスの圧力が
高いほど単位質量当りのガス容積は少なくなりガスの上
昇の勢いが小さくなる。そこで、配管内の圧力を、低温
液化ガスの気化により発生したガスの上昇が配管内の低
温液化ガスを持ち上げない圧力に保持するように、貯槽
内の低温液化ガスを配管に供給することで、ガイザリン
グは発生せず配管内が静穏に保持される。
【0015】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0016】図1は、本発明の実施に用いられる低温液
化ガス配管系の一例の系統図である。図1に示すよう
に、複数のアンローディングアーム1は、第1の本管3
および第2の本管4を介して複数の貯槽2(一つのみ図
示)に連結されている。以下、説明を簡単にするため
に、本実施例では一つの貯槽2に対する低温液化ガス配
管系のみについて説明する。
【0017】第1の本管3は、その一端が貯槽2の頂部
に連結されており、そのために第1の本管3は立上り部
3aおよび水平部3bを有する。水平部3bには、ガス
溜め11が上方に向かって突設されている。ガス溜め1
1にはガス溜め11内の低温液化ガス(以下、「液化ガ
ス」という)の液レベルを検出するための液レベル検出
器14が設けられ、さらにガス溜め11の頂部にはガス
抜き調節弁15が介装されたガス抜き管12が接続され
ている。また、水平部3bの、ガス溜め11の下流側に
は貯槽元弁21が介装されているとともに、圧力コント
ローラ16により開度が調節される液排出調節弁17が
介装された液排出管13が、貯槽元弁21を迂回して連
結している。圧力コントローラ16には、液化ガス配管
系の最下端(本実施例では第2の本管4)の圧力を検出
するための圧力検出器18からの検出信号が入力され、
この検出信号に応じた出力信号を液排出調節弁17に出
力することによって、液排出調節弁17の開度を調節す
るものである。さらに、液レベル検出器14からの検出
信号および圧力検出器18からの検出信号は、それぞれ
制御部30に出力され、制御部30はこれら各検出信号
に基づいてガス抜き調節弁15の開度を制御する構成と
なっている。
【0018】貯槽2には、後述する貯蔵運転時に貯槽2
内の液化ガスを送り出すためのポンプ7が設けられてお
り、その出力口は、一端が第2の本管4に連結された液
供給管5に接続されている。液供給管5には液供給調節
弁20が介装されている。液供給調節弁20は、液レベ
ル検出器14からの検出信号が入力される液レベルコン
トローラ19、および液供給管5の液供給調節弁20よ
りも上流側に設けられた流量コントローラ22のいずれ
か一方により開度が調整され、そのいずれで調節される
かはスイッチ23を切り替えることで選択される。
【0019】また、各アンローディングアーム1の下流
側には、ポンプ7による液化ガスの貯蔵運転時に循環ル
ープを形成するために、第1の本管3と第2の本管4と
を連結するヘッダー管6が設けられている。
【0020】さらに、液供給管5には、貯槽2内の液化
ガスを燃料ガスとして供給するための燃料ガス送出系
(不図示)が接続されており、燃料ガス送出系への払い
出しは、従来と同様に貯槽2内の液化ガスを熱交換器
(不図示)により気化させて行なわれる。
【0021】次に、本液化ガス配管系の制御方法につい
て説明する。
【0022】本液化ガス配管系の制御には大きく分け
て、タンカーから液化ガスを受け入れる受入モードと、
液化ガスを受け入れた後で液化ガス配管系を低温に保持
するための貯蔵運転モードと、液化ガスを受け入れる前
に、液化ガス配管系の昇温した液化ガスを低温の液化ガ
スに置換する置換運転モードの三つのモードがある。
【0023】まず、受入モードについて説明する。受入
モードにおいては、ガス抜き調節弁15、液排出調節弁
17、および液供給調節弁20を閉じた状態で貯槽元弁
21を開き、各アンローディングアーム1から第1の本
管3および第2の本管4を経て、貯槽52に液化ガスを
送り込む。
【0024】次に、貯蔵運転モードについて説明する。
貯蔵運転モードでは、貯槽2内の液化ガスを燃料ガス送
出系へ送り出すために常時運転されており、液排出調節
弁17および貯槽元弁21は閉じておく。この状態で放
置しておくと、周囲からの熱により液化ガス配管系内の
液化ガスはその一部がガス化し、液化ガス配管系内の圧
力が高くなる。そこで、基本的には圧力検出器18で検
出された液化ガス配管系の最下端(第2の本管4)の圧
力が一定となるように、制御部30でガス抜き調節弁1
5の開度を調節するのであるが、同時に、ガス溜め11
内の液レベルが所定の設定液レベルとなるように液供給
調節弁20の開度を調節する。このためスイッチ23は
液レベルコントローラ19側に切り替えられており、液
供給調節弁20は、液レベル検出器14で検出されたガ
ス溜め11内の液レベルに応じて開度が調節される。
【0025】このときの制御部30でのガス抜き調節弁
15の制御手順について図2を参照しつつ説明する。こ
こで、ガス溜め11内における液レベルの上限液レベル
をH、下限液レベルをLとし、上限レベルHと下限レベ
ルLとの間に設定される設定液レベルをNとする。ま
た、液レベル検出器14により検出されたガス溜め11
内の実際の液レベルをLLとする。
【0026】まず、液レベル検出器14によりガス溜め
11内の実際の液レベルLLを検出し(S201)、こ
の実際の液レベルLLと上限液レベルHとを比較する
(S202)。ここで、上限液レベルH<実際の液レベ
ルLLとなった場合にはガス抜き調節弁15を閉じ(S
203)、ガス溜め11のガス抜きは行なわない。この
とき液供給調節弁20は、液レベルコントローラ19に
より閉じる方向に調節される。一方、実際の液レベルL
L≦上限液レベルHとなった場合には、次いで実際の液
レベルLLと設定液レベルNとを比較する(S20
4)。実際の液レベルLLと設定液レベルNとの比較結
果、設定液レベルN<実際の液レベルLL、すなわち設
定液レベルN<実際の液レベルLL≦上限液レベルHと
なった場合には、ガス抜き調節弁15の開度をそのまま
維持する(S205)。このときも、液供給調節弁20
は液レベルコントローラ19により閉じる方向に調節さ
れる。一方、実際の液レベルLL≦設定液レベルNなら
ば、圧力検出器18により液化ガス配管系の最下端(第
2の本管4)の圧力を検出し(S206)、その検出結
果に基づいて、第2の本管4内の圧力を一定に保つよう
にガス抜き調節弁15の開度を調節する。このときに
は、液供給調節弁20は液レベルコントローラ19によ
り開く方向に調節される。
【0027】以上説明したようにガス抜き調節弁15お
よび液供給調節弁20の開度を調節することで、液化ガ
ス配管系内の液化ガスがガス化した量に見合った分だ
け、ガスが抜かれると同時に貯槽2から液化ガスが供給
される。その結果、液化ガス配管系内の圧力変動が抑え
られ、貯槽2内の液化ガスを液化ガス配管系内に循環さ
せずにガイザリングを防止することができる。また、貯
槽2内の液化ガスを液化ガス配管系内に循環させないの
で貯槽2内でのガスの発生も少なくなり、このガスを昇
圧させて燃料ガス送出系へ払い出すためのガス圧縮機を
駆動させるための消費エネルギーを節約することができ
る。
【0028】液レベルをガス溜め11の中に設定する
と、ガス溜め11より下方で発生したガスは、それより
も上方の液化ガスを上へ持ち上げるが、それは同時にガ
ス溜め11の液レベルを上昇させる。しかしながら、ガ
ス溜め11の断面積≦立上り部3aの断面積であれば液
ヘッドは減少しない。ガス溜め11の液レベルが上昇す
ると、ガス溜め11のガス容積は減少するためガスの圧
力が上昇し、急速なガスの発生が抑制される。そして、
液中に発生したガス気泡は暫くするとガス溜め11まで
上昇し、最終的にはガス抜き管12を介して排出され
る。このとき、ガス発生量を上回るガスをガス溜め11
から抜くと、配管系の圧力は低下するが飽和液から急速
にガスが発生し、圧力の低下が抑制される。逆に、ガス
発生量を下回るガスをガス溜め11から抜くと、配管系
の圧力は上昇するが飽和液内部のガスや飽和液表面近く
のガスが凝縮し、圧力の上昇が抑制される。すなわち、
ガス抜き調節弁15の開閉スピードが制御部30からの
指令に対して速すぎたり遅すぎたりしても、ある程度で
あれば許容することができる。
【0029】以上説明した例では、液レベルをガス溜め
11内に設定した場合について説明したが、図3に示す
ように、ガス溜め11が設けられている水平部3bに液
レベルを設定してもよい。この場合、液レベルをガス溜
め11内に設定した場合に比較して液ヘッドの維持は劣
るものの、次の利点がある。すなわち、液レベルをガス
溜め11内に設定する場合は、気液分離ができるようガ
ス上昇速度は1m/s前後に抑えられるが、液レベルを
水平部3bに設定した場合には、ガス溜め11のガス上
昇速度は通常のガス配管と同様に20m/s前後まで上
げることができる。その結果、ガス溜め11の大きさを
小さくできる。
【0030】次に、置換運転モードについて説明する。
液化ガスを受け入れる場合には、受け入れの前日に、ポ
ンプ7により貯槽2内の低温の液化ガスを液化ガス配管
系に供給し、液化ガス配管系内の高温の液化ガス(場合
によっては、飽和している液化ガス)を低温の液化ガス
に置換する操作を行なう。
【0031】配管内に長時間滞留した液化ガスは、その
圧力に応じた飽和温度まで上昇しており、液化ガスの飽
和温度は、液ヘッド差により下方にいくにつれて高くな
っている。そのため、圧力を変えずにただ単に貯槽2内
の低温の液化ガスを液化ガス配管系に供給して高温の液
化ガスと置換するだけでは、高温の液化ガスが上昇する
際に、高温の液化ガスに作用する圧力が液ヘッド分だけ
減少して高温の液化ガスが持っている飽和圧力よりも小
さくなり、ガス化が生じる。また、高温の液化ガスが上
昇する間においても液化ガスは周囲から熱を受け取る。
このときガス化がないとすれば高温の液化ガスの温度が
上昇し、飽和圧力をさらに上昇させる。これによりガイ
ザリングが生じることになる。
【0032】これを抑制するため本実施例では、貯槽元
弁21を閉じておき、液化ガス配管系の圧力を最下端
(第2の本管4)の液化ガスの飽和圧力と最上端に到る
までに周囲から受け取る熱に見合った飽和圧力の上昇分
とを加算した圧力(液化ガス配管系の最上端での飽和圧
力)以上に維持するように、液排出調節弁17の開度を
調節する。このとき、スイッチ23は流量コントローラ
22側に切り替えておき、液化ガス配管系を流れる液化
ガスの流量が一定となるように液供給調節弁20の開度
を調節する。
【0033】以上説明したように、液化ガス配管系の圧
力を液化ガス配管系の最上端での飽和圧力以上に維持す
ることで、ガスが発生しない。。その結果、ガイザリン
グを発生させずに液化ガス配管系内の高温の液を低温の
液に置換することができる。また、ガスを発生させない
圧力未満であっても、液化ガスを持ち上げない程度にガ
ス上昇速度を抑えた圧力でも、ガイザリングを防止し静
穏に置換操作できる。
【0034】
【発明の効果】本発明は以上説明したとおり構成されて
いるので、以下に記載する効果を奏する。
【0035】最上端にガス溜めが形成された配管を用
い、低温液化ガスの気化により発生したガスの上昇が配
管内の低温液化ガスを持ち上げない圧力に保ちつつ、配
管内で低温液化ガスが気化することにより発生したガス
がガス溜め内まで上昇した際に、発生したガスと等しい
量のガスをガス溜めから抜き、かつ、気化した低温液化
ガスと等しい量の低温液化ガスを貯槽から配管内に供給
することで、配管内の圧力が一定に保たれ、ガイザリン
グ現象を防止することができる。これにより、貯槽内の
低温液化ガスを循環させる必要もなくなり貯槽内に発生
するガスの量も少なくなるので、貯槽内に発生したガス
を燃料ガス送出系に払い出すためのガス圧縮機の消費エ
ネルギーを節約することもできる。
【0036】また、貯槽に低温液化ガスを受け入れるに
先立って、配管内の圧力を、低温液化ガスの気化により
発生したガスの上昇が配管内の低温液化ガスを持ち上げ
ない圧力以上に保持するように、貯槽内の低温液化ガス
を配管に供給するとともに、配管の低温液化ガスを貯槽
に送り出すことで、ガイザリング現象を発生させること
なく、昇温した配管内の低温液化ガスを貯槽内の低温液
化ガスと置換することができる。その結果、低温液化ガ
スの受入が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に用いられる低温液化ガス配管系
の一例の系統図である。
【図2】図1に示した低温液化ガス配管系の、貯蔵運転
モードにおける制御部でのガス抜き調節弁の制御手順を
示すフローチャートである。
【図3】図1に示した低温液化ガス配管系において、液
レベルを水平部に設定した場合のガス溜め近傍の拡大断
面図である。
【図4】従来の受入・循環系の一例の系統図である。
【符号の説明】
1 アンローディングアーム 2 貯槽 3 第1の本管 3a 立上り部 3b 水平部 4 第2の本管 5 液供給管 6 ヘッダー管 7 ポンプ 11 ガス溜め 12 ガス抜き管 13 液排出管 14 液レベル検出器 15 ガス抜き調節弁 16 圧力コントローラ 17 液排出調節弁 18 圧力検出器 19 液レベルコントローラ 20 液供給調節弁 21 貯槽元弁 22 流量コントローラ 23 スイッチ 30 制御部
フロントページの続き (72)発明者 ▲吉▼村 楯夫 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番 1号 千代田化工建設株式会社内 (72)発明者 瀬田 明夫 埼玉県三郷市上彦名333−15 (72)発明者 大池 初典 神奈川県川崎市幸区古市場2−79−10− 104

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低温液化ガスを貯槽に受け入れるための
    配管を低温に保持する低温液化ガス配管の制御方法にお
    いて、 前記配管として、前記配管の最上端から上方に延びて突
    設されるガス溜めを形成したものを用い、 低温液化ガスの放置によって前記配管内の低温液化ガス
    の一部が気化してガスを発生し、前記ガスが前記ガス溜
    め内まで上昇した際に、圧力を一定に保ちつつ、前記ガ
    スと等しい量のガスを前記ガス溜めから抜き、かつ、前
    記気化した低温液化ガスと等しい量の低温液化ガスを前
    記貯槽から前記配管内に供給して前記配管を低温に保持
    することを特徴とする、低温液化ガス配管の制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の低温液化ガス配管の制
    御方法において、 前記配管内の圧力および前記ガス溜め内の低温液化ガス
    の液レベルを検出し、前記配管内の圧力および前記ガス
    溜め内の液レベルを一定に保つように、前記ガス溜めか
    ら抜くガスの量、および前記配管に供給する低温液化ガ
    スの量を制御することを特徴とする、低温液化ガス配管
    の制御方法。
  3. 【請求項3】 低温液化ガスを貯槽に受け入れるための
    配管を低温に保持する低温液化ガス配管の制御方法にお
    いて、 前記貯槽に低温液化ガスを受け入れるに先立って、前記
    配管内の圧力を、低温液化ガスの気化により発生したガ
    スの上昇が前記配管内の低温液化ガスを持ち上げない圧
    力に保持するように、前記貯槽内の低温液化ガスを前記
    配管に供給するとともに、前記配管の低温液化ガスを前
    記貯槽に送り出すことを特徴とする、低温液化ガス配管
    の制御方法。
  4. 【請求項4】 前記低温液化ガスの気化により発生した
    ガスの上昇が前記配管内の低温液化ガスを持ち上げない
    圧力を、前記配管の最下端での低温液化ガスの飽和圧力
    と、前記配管の最下端の低温液化ガスが前記配管の最上
    端に到るまでに周囲から受け取る熱に見合った飽和圧力
    の上昇分とを加算した圧力とする、請求項3に記載の低
    温液化ガス配管の制御方法。
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