JP6510239B2 - 蛍光顕微鏡 - Google Patents

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本発明は、蛍光顕微鏡に関するものである。
従来、標本からの蛍光を検出する検出光学系の光軸に対して直交する入射平面に沿って励起光を標本に入射させるシート照明方式の蛍光顕微鏡が知られている(例えば、特許文献1参照。)。落射照明方式あるいは透過照明方式においては、1点または複数点に集光させた励起光を2次元的に走査することにより、2次元的な画像を取得するが、シート照明方式によれば、一度に広い範囲に照明でき、大きな標本の画像の取得に要する時間を短縮することができる。
特許第5525136号公報
しかしながら、シート照明は、検出光学系の光軸方向に沿う照明光の厚さ寸法がその方向の空間分解能を決定するため、細胞1個を識別するためには、照明光を10μm程度の厚さまで集光させなければならないという問題がある。
すなわち、シート照明を検出光学系の光軸位置近傍において、10μm程度の厚さまで集光させるためには、シート照明の開口数を比較的大きくとる必要があり、10μmの厚さ寸法が維持されている範囲は、検出光学系の光軸位置近傍の極めて狭い範囲に限られてしまう。このため、広い範囲に照明するというシート照明の利点が減殺されてしまうという不都合がある。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、細胞1個を識別可能な分解能を有しながら視野範囲を大きく確保することができ、大きな標本を高いスループットで観察することができる蛍光顕微鏡を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明の一態様は、入射平面に沿うシート状の励起光を標本に入射させるシート照明光学系と、前記入射平面に交差する光軸を備え、前記標本から発せられる蛍光を撮影して蛍光画像を取得する撮像光学系と、前記シート照明光学系による励起光の強度分布を、標本に対して前記光軸方向に、前記シート状の励起光の厚さより小さい変動幅で変動させる強度分布変動部と、該強度分布変動部による強度分布の変動状態と、該変動の前後に取得された2つの蛍光画像における輝度の変化量とに基づいて、前記励起光の厚さより薄いシート状の領域から発生している蛍光の蛍光画像を生成する画像処理部とを備え、該画像処理部が、前記変動の前後の2つの蛍光画像の差分を演算し、演算結果である差画像において正の輝度値を有する領域のみ、および負の輝度値を有する領域のみをそれぞれ抽出した2つの蛍光画像を、前記励起光の厚さより薄いシート状の領域から発生している蛍光の蛍光画像として生成する蛍光顕微鏡を提供する。
本態様によれば、入射平面に沿うシート状の励起光が標本に入射されると、シート状の励起光の厚さの中に配置される標本内の蛍光物質が励起されて蛍光が発生する。発生した蛍光の内、撮像光学系の光軸方向に放射された蛍光は、撮像光学系によって撮影されることにより蛍光画像が取得される。強度分布変動部の作動により、励起光の強度分布を標本に対して光軸方向に変動させると、励起光の強度が高くなった部分に配置されている蛍光物質からの蛍光強度が高まり、励起光の強度が低くなった部分に配置されている蛍光物質からの蛍光強度が低下する。したがって、強度分布の変動状態と、変動の前後の蛍光画像の輝度の変化量に基づくことにより、画像処理部により、励起光の厚さより薄いシート状の領域から発生している蛍光の蛍光画像を生成することができる。
すなわち、励起光の開口数を小さくすると、極めて小さい厚さまで集光させることは困難となるため、励起光は比較的大きな厚さを有するシート状に構成されるが、その代わりに焦点深度を大きく確保でき、広い範囲を一度に観察することができる。そして、比較的大きな厚さを有するシート状の励起光によって空間分解能が低下した分については、シート状の励起光を光軸方向に微細な変動幅で変動させることにより、空間分解能を向上した蛍光画像を取得することができる。その結果、広い範囲にわたって高い空間分解能を有する蛍光画像を取得することができる。
上記態様においては、前記強度分布変動部が、前記光軸方向に移動可能に設けられ、前記励起光の厚さ方向の一部を遮断する可動絞りであり、前記画像処理部が、2つの蛍光画像の差分を演算してもよい。
このようにすることで、可動絞りを光軸方向に移動させて、励起光の厚さ方向の一部を遮断することにより、励起光の強度分布を標本に対して光軸方向に変動させ、変動の前後において、励起光の強度が低くなった部分に配置されている蛍光物質からの蛍光強度が低下することを利用することができる。すなわち、変動前後の蛍光画像の差分を演算することにより、変動の前後において、蛍光強度が低下した部分のみ、すなわち変動幅に相当する厚さの蛍光強度のみを抽出することができ、広い範囲にわたって高い空間分解能を有する蛍光画像を取得することができる。
また、上記態様においては、前記強度分布変動部が、前記励起光の強度分布のピークを前記光軸方向一方向に変位させる強度分布変位部を備え、前記可動絞りが、前記強度分布変位部により前記ピークが近接する側の前記光軸方向の端部を部分的に遮断してもよい。
このようにすることで、通常のガウシアン分布によって幅方向の端部において強度が低くなっていた励起光の強度分布が、強度分布変位部によって撮像光学系の光軸方向の一方向に変位させられる。そして、強度分布変位部によって変位させられた強度分布のピークに近接する側の端部を可動絞りによって部分的に遮断することにより、変動の前後における蛍光画像の差分を大きくしてコントラストの高い高分解能の蛍光画像を取得することができる。
また、上記態様においては、前記強度分布変動部が、前記標本と前記入射平面とを前記光軸方向に相対的に移動させてもよい。
このようにすることで、強度分布変動部の作動により、標本と励起光の入射平面とを光軸方向に相対的に移動させると、移動の前後において、標本内において、励起光が照射されるようになった領域と、励起光が照射されなくなった領域とが発生する。励起光が照射されるようになった領域からは該領域内の蛍光物質から新たに蛍光が発せられるようになる一方、励起光が照射されなくなった領域からはこれまで発せられていた蛍光が消滅する。これらの蛍光は標本と入射平面との相対的な移動量に等しい厚さを有するので、移動量と同等の空間分解能を有する蛍光画像を生成することができる。
また、上記態様においては、前記シート照明光学系が、前記変動幅の間隔をあけて略平行に配置された2つの入射平面に沿って励起光を入射可能に設けられ、前記強度分布変動部が、前記シート照明光学系の励起光を入射させる入射平面を択一的に切り替えてもよい。
このようにすることで、強度分布変動部の作動により、変動幅の間隔をあけて略平行に配置された2つの入射平面に沿って択一的に励起光を入射させることにより、励起光を入射平面の間隔だけ変動させることができ、変動幅と同等の空間分解能を有する蛍光画像を生成することができる。
また、上記態様においては、前記強度分布変動部が、前記シート照明光学系の瞳位置に前記励起光の入射方向に交差する方向に移動可能に設けられた強度変調素子を備えていてもよい。
このようにすることで、強度変調素子をシート照明光学系の瞳位置において励起光の入射方向に交差する方向に移動させることにより、励起光の強度分布をシート状の励起光の厚さより小さい変動幅で変動させ、広い範囲にわたる高空間分解能の蛍光画像を取得することができる。
また、上記態様においては、前記強度分布変動部が、前記励起光の強度分布のピークを前記光軸方向一方向に変位させ、前記画像処理部が、2つの蛍光画像の差画像を強度分布の変動前の蛍光画像で除算した値に基づいて標本内における蛍光物質の位置を推定してもよい。
このようにすることで、励起光の厚さ方向の各位置毎に推定された蛍光物質を抜き出して空間分解能の高い蛍光画像を取得することができる。
本発明によれば、細胞1個を識別可能な分解能を有しながら視野範囲を大きく確保することができ、大きな標本を高いスループットで観察することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る蛍光顕微鏡を示す全体構成図である。 図1の蛍光顕微鏡のシート照明光学系を示す(a)平面図、(b)側面図である。 図2のシート照明光学系により形成されるシート状の励起光を説明する斜視図である。 図1の蛍光顕微鏡における強度分布変動部による(a)変動前の励起光、(b)変動後の励起光をそれぞれ示す側面図、(c)(a)の励起光の照射時に取得された蛍光画像、(d)(b)の励起光の照射時に取得された蛍光画像をそれぞれ示す図である。 図4(c)の蛍光画像から図4(d)の蛍光画像を減算した差画像を示す図である。 図4の強度分布変動部の第1の変形例を説明する図である。 図4の強度分布変動部の第2の変形例を説明する図である。 図6および図7の場合の励起光の強度分布を併せて示す図である。 図4の強度分布変動部の第3の変形例を説明する図である。 図4の強度分布変動部の第4の変形例を説明する図である。 図4の強度分布変動部の第5の変形例を説明するシート照明光学系の側面図である。 図4の強度分布変動部の第6の変形例を説明するシート照明光学系の側面図である。 図4の強度分布変動部の第7の変形例を説明する図である。
本発明の一実施形態に係る蛍光顕微鏡1について、図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る蛍光顕微鏡1は、図1に示されるように、シート照明光学系2と、撮像光学系3と、励起光Lの強度分布を変動させる強度分布変動部4と、これらを制御する制御部5と、撮像光学系3により取得された画像を処理する画像処理部6と、画像処理部6により処理された画像を表示するモニタ7とを備えている。
シート照明光学系2は、図2に示されるように、励起光Lを射出する励起光源8と、該励起光源8から射出された励起光Lをシート状に変換するレンズ群9とを備えている。レンズ群9は、例えば、励起光源8から射出された励起光Lを略平行光に変換するコリメートレンズ10と、該コリメートレンズ10により略平行光に変換された励起光Lを集光してシート状に変換するシリンドリカルレンズ11とを備えている。
シリンドリカルレンズ11は、図2(a),(b)に示されるように、後述する撮像光学系3の光軸S方向のみにパワーを有している。撮像光学系3の光軸Sが、鉛直方向に配置されている場合に、シリンドリカルレンズ11は、図2(b)および図3に示されるように、励起光Lを鉛直方向に集光して、図2(a),(b)および図3に示されるように、水平方向に広がる入射平面Tに沿って標本Pに入射されるシート状に変換するようになっている。
撮像光学系3は、鉛直方向に延びる光軸Sに沿って、ステージ12に搭載された標本Pの鉛直上方に標本Pに対向して配置され、標本Pからの光を集光する対物レンズ13と、該対物レンズ13により集光された光を撮影する撮像素子14とを備えている。
強度分布変動部4は、シリンドリカルレンズ11と標本Pとの間の励起光Lの光路内に挿脱可能に設けられた平行平板ガラスからなるシフタ(強度分布変位部)15により構成されている。
シフタ15は、図4(b)に示されるように、励起光Lの入射平面Tに対して傾斜させた状態で光路内に挿入されることにより、励起光Lを入射平面Tに直交する方向に、シフタ15の傾斜角度に応じた変動幅だけ移動させることができるようになっている。すなわち、図4(a)に示されるように、シフタ15が挿入されていない状態から図4(b)に示されるように、シフタ15を挿入した状態に切り替えると、励起光Lが、所定の変動幅だけ上下方向にシフトするようになっている。
制御部5は、シート照明光学系2および撮像光学系3を制御する顕微鏡制御部16と、シフタ15を挿脱する強度分布制御部17とを備えている。
顕微鏡制御部16は、強度分布制御部17に指令して、シフタ15を励起光Lの光路から離脱させた状態として、励起光源8をオン状態に切り替えて励起光Lを射出させるとともに、撮像素子14に標本Pの蛍光画像を取得させた後に、励起光源8をオフ状態に切り替えるようになっている。また、顕微鏡制御部16は、強度分布制御部17に指令して、シフタ15を励起光Lの光路に挿入させた状態として、励起光源8をオン状態に切り替えて励起光Lを射出させるとともに、撮像素子14に標本Pの蛍光画像を取得させた後に、励起光源8をオフ状態に切り替えるようになっている。
画像処理部6は、撮像素子14により取得されたシフタ15の挿入前後の標本Pの蛍光画像の差分を演算し、演算結果に基づいて、励起光Lの変動幅分の空間分解能を有する蛍光画像を生成し、モニタ7に出力するようになっている。
このように構成された本実施形態に係る蛍光顕微鏡1の作用について以下に説明する。
本実施形態に係る蛍光顕微鏡1を用いて標本Pの蛍光観察を行うには、ステージ12上に標本Pを搭載し、標本Pの鉛直上方に対物レンズ13を対向させて配置し、制御部5の作動により、強度分布制御部17がシフタ15を励起光Lの光路から離脱させた状態として、顕微鏡制御部16により励起光源8から励起光Lを射出させる。
励起光源8から射出された励起光Lは、コリメートレンズ10によって略平行光に変換された後に、シリンドリカルレンズ11によってシート状に変換され、撮像光学系3の光軸Sに直交する水平な入射平面Tに沿って標本Pに入射される。標本Pに入射された励起光Lは、該励起光Lが通過する領域に存在する蛍光物質を励起して蛍光を発生させる。例えば、図4(a)に示す例では、励起光Lの通過する領域には、蛍光物質A,B,Cが存在し、蛍光物質Dは領域外に配置されているので、蛍光物質A,B,Cから蛍光が発せられる。
この状態で、顕微鏡制御部16により撮像光学系3の撮像素子14が作動され、対物レンズ13によって集光された蛍光物質A,B,Cからの蛍光が撮影されて、図4(c)に示される蛍光画像が取得される(図において、蛍光を発していない蛍光物質Dは破線で示されている。)。そして、顕微鏡制御部16により励起光源8がオフ状態に切り替えられる。
次に、強度分布制御部17がシフタ15を光路上に挿入された状態として、顕微鏡制御部16により励起光源8から励起光Lを射出させる。
励起光源8から射出された励起光Lは、コリメートレンズ10およびシリンドリカルレンズ11によってシート状に変換された状態で、シフタ15を通過して、撮像光学系3の光軸Sに直交する水平な入射平面Tに沿って標本Pに入射される。
平行平板ガラスからなるシフタ15が入射平面Tに対して傾斜して配置されているので、シート状の励起光Lは、図4(b)に示されるように、所定の変動幅だけ、撮像光学系3の光軸Sに沿う方向(鉛直下方)に移動させられる。これにより、図4(b)に示す例では、蛍光物質C,Dが励起光Lの通過する領域内に配置され、蛍光物質A,Bは領域外に配置されるので、蛍光物質C,Dのみから蛍光が発せられる。
この状態で、顕微鏡制御部16により撮像光学系3の撮像素子14が作動され、対物レンズ13によって集光された蛍光物質C,Dからの蛍光が撮影されて、図4(d)に示される蛍光画像が取得される(図において、蛍光を発していない蛍光物質A,Bは破線で示されている。)。そして、顕微鏡制御部16により励起光源8がオフ状態に切り替えられる。
撮像素子14により取得された蛍光画像は、画像処理部6に送られて、画像処理部6において減算処理が行われる。
すなわち、図5に示されるように、シフタ15を挿入する前の状態で取得された図4(c)の蛍光画像G1からシフタ15を挿入した状態で取得された図4(d)の蛍光画像G2が減算され、差画像G3が得られる。差画像G3においては、シフタ15の挿入前において蛍光を発し、シフタ15の挿入後において蛍光を発していない蛍光物質A,Bの画像は、正の輝度値を有する領域として存在する(図中では黒塗りの円により示している。)。
シフタ15の挿入前後の両時点で蛍光を発生していた蛍光物質Cの画像は差画像G3においては消滅している。また、シフタ15の挿入前には蛍光を発しておらず、シフタ15の挿入後に蛍光を発するようになった蛍光物質Dの画像は、負の輝度値を有する領域として現れる(図中では白抜きの円により示している。)。
画像処理部6においては、このようにして生成された差画像G3において、正の輝度値を有する領域のみ、および負の輝度値を有する領域のみが抽出されて、2つの蛍光画像が生成される。
蛍光物質A,Bは、励起光Lの上部に配置された変動幅の厚さを有する領域内に存在するものであるため、正の輝度値を有する領域のみを抽出することにより、そのような極めて小さい厚さ寸法内に存在する蛍光物質A,Bを極めて高い空間分解能で観察することができるという利点がある。
また、蛍光物質Dは、励起光Lの下部に配置された変動幅の厚さを有する領域内に存在するものであるため、負の輝度値を有する領域のみを抽出することにより、極めて小さい厚さ寸法内に存在する蛍光物質Dを極めて高い空間分解能で観察することができるという利点がある。
すなわち、本実施形態に係る蛍光顕微鏡1によれば、励起光L自体を十分に薄いシート状に形成しなくても空間分解能の高い蛍光画像を取得することができる。つまり、高い空間分解能を得るために励起光Lの開口数を増大させる必要がないので、励起光Lの焦点深度に関わらず、広範囲にわたって高空間分解能の蛍光画像を取得することができる。その結果、大きな生体標本全体を観察する場合においても、細胞1個を識別可能な分解能を有しながら視野範囲を大きく確保することができ、大きな生体標本を高いスループットで観察することができるという利点がある。
なお、本実施形態においては、強度分布変動部4として平行平板ガラスからなるシフタ15を例示したが、これに代えて、図6に示されるように、励起光Lと標本Pとを撮像光学系3の光軸S方向に微細な変動幅で相対的に並進移動させてもよい。励起光Lと標本Pとを撮像光学系3の光軸S方向に微細な変動幅で相対的に並進移動させる方法としては、ステージ12を移動させる方法や観察光学系を移動させる方法の他、図7に示されるように、コリメートレンズ10とシリンドリカルレンズ11との間の平行光束の位置に配置したガルバノミラー(強度分布変位部)18の揺動あるいは楔形ガラス(図示略)の挿脱等によって平行光束を偏向させることにしてもよい。
これらの場合に、以下の方法により、励起光Lの厚さ方向の各位置における蛍光画像を推定して生成することができる。
すなわち、図8に示されるように、強度分布変動部4が標本Pに対する励起光Lの強度分布を並進移動させる場合に、励起光Lの強度分布が、励起光Lの厚さ方向の中央にピークを有する正規分布であると考えられる場合には、下式(1)が成立する。
y(x)=exp(−ax) (1)
ここで、
xは、励起光Lの厚さ方向の中央を原点とした厚さ方向の位置、
y(x)は、位置xにおける励起光Lの強度、
aは定数
である。
励起光Lの強度分布をx方向に微細な変動幅で変動させた場合の変動前後の励起光強度の差分は、式(1)の微分と等価であるため、
y′(x)=−2ax・exp(−ax) (2)
となる。
そして、式(2)を式(1)で除算した値は、
y′(x)/y(x)=−2ax (3)
となって、位置xに比例する値となる。
同じ蛍光物質に励起光Lが照射される場合に、蛍光物質から発せられる蛍光の強度は、励起光Lの強度に比例するので、上式(3)の関係は、蛍光強度においても成立する。
すなわち、励起光強度y(x)を励起光Lの強度分布の変動前に取得された蛍光画像(原画像)に置き換え、励起光強度の微分値y′(x)を励起光強度分布の変動前後に取得された蛍光画像の差画像に置き換えることにより、上式(3)は、
(差画像)/(原画像)=−2ax (4)
と変形することができる。
したがって、式(4)により(差画像)/(原画像)を算出し、その値の大きさに応じて分類することにより、励起光Lの厚さ方向の任意の位置xに配置されている蛍光物質を抽出した極めて薄い領域の蛍光画像を推定して生成することができるという利点がある。
また、励起光Lと標本Pとの相対的な並進移動に代えて、標本Pと励起光Lとを相対的に回転移動させることにしてもよい。
また、図9に示されるように、強度分布変動部4が可動絞り19であり、可動絞り19によって励起光Lの厚さ方向の一部を切り欠くことにより、励起光Lの強度分布を微細な変動幅で変動させることにしてもよい。また、図10に示されるように、ガルバノミラー18や楔形ガラスによる平行光束の偏向と固定絞り20とを組み合わせてもよい。
また、図11および図12に示されるように、撮像光学系3の光軸S方向に微小間隔をあけて略平行に配置される複数の入射平面Tに沿ってシート状の励起光Lを異なる複数の方向から択一的に入射させることにしてもよい
図11は、2以上の励起光源8を用意して複数方向から標本Pに励起光Lを入射させている場合を示している。また、図12は、単一の励起光源8からの励起光Lをハーフミラー21によって分岐して、ミラー22を用いて異なる複数の方向から標本Pに入射させている場合を示している。図中、符号23はシャッタである。
また、本実施形態においては、励起光Lの標本Pへの入射領域を変化させることにより標本P内に入射する励起光Lの強度分布を変動させることとしたが、これに代えて、標本Pに対する励起光Lの入射領域を変化させることなく、励起光束内において強度分布を変化させることにしてもよい。
例えば、図13に示す例では、入射平面Tに直交する方向に透過率の異なる減光フィルタ(強度変調素子)24をコリメートレンズ10とシリンドリカルレンズ11との間に挿脱することにより、減光フィルタ24が離脱されているときの励起光束の中央にピークを有する強度分布と、減光フィルタ24が挿入されたときの、ピークを一側に偏らせた強度分布とを切り替えることにしてもよい。
また、図9および図10に示されるように絞り19,20によって励起光束の一部がケラれることにより強度分布を変動させる方式を採用する場合には、上記のように透過率分布を有する減光フィルタ24を挿入状態としてピーク位置を一側に偏らせ、ピークに近い側の励起光束を絞りによって遮断することが好ましい。励起光強度が中央に位置する通常の励起光束では、周辺の励起光強度が引くために、その領域の励起光Lにより発生する蛍光強度も低く、ノイズが問題となるが、ピークを偏らせて高強度の蛍光が発生する位置において強度分布を変動させることにより、鮮明な蛍光画像を取得することができる。
また、本実施形態を適用可能なシート照明の方法には特に制限はなく、例えば、シリンドリカルレンズ11を使用せず、ガルバノミラーを用いた光学系で照明光をスキャンし、時間平均でシート照明を行う方法でもよい。
1 蛍光顕微鏡
2 シート照明光学系
3 撮像光学系
4 強度分布変動部
6 画像処理部
15 シフタ(強度分布変位部)
18 ガルバノミラー(強度分布変位部)
20 可動絞り
24 減光フィルタ(強度変調素子)
L 励起光
P 標本
S 光軸
T 入射平面

Claims (7)

  1. 入射平面に沿うシート状の励起光を標本に入射させるシート照明光学系と、
    前記入射平面に交差する光軸を備え、前記標本から発せられる蛍光を撮影して蛍光画像を取得する撮像光学系と、
    前記シート照明光学系による励起光の強度分布を、標本に対して前記光軸方向に、前記シート状の励起光の厚さより小さい変動幅で変動させる強度分布変動部と、
    該強度分布変動部による強度分布の変動状態と、該変動の前後に取得された2つの蛍光画像における輝度の変化量とに基づいて、前記励起光の厚さより薄いシート状の領域から発生している蛍光の蛍光画像を生成する画像処理部とを備え
    該画像処理部が、
    前記変動の前後の2つの蛍光画像の差分を演算し、
    演算結果である差画像において正の輝度値を有する領域のみ、および負の輝度値を有する領域のみをそれぞれ抽出した2つの蛍光画像を、前記励起光の厚さより薄いシート状の領域から発生している蛍光の蛍光画像として生成する蛍光顕微鏡。
  2. 前記強度分布変動部が、前記光軸方向に移動可能に設けられ、前記励起光の厚さ方向の一部を遮断する可動絞りである請求項1に記載の蛍光顕微鏡。
  3. 前記強度分布変動部が、前記励起光の強度分布のピークを前記光軸方向一方向に変位させる強度分布変位部を備え、
    前記可動絞りが、前記強度分布変位部により前記ピークが近接する側の前記光軸方向の端部を部分的に遮断する請求項2に記載の蛍光顕微鏡。
  4. 前記強度分布変動部が、前記標本と前記入射平面とを前記光軸方向に相対的に移動させる請求項1に記載の蛍光顕微鏡。
  5. 前記シート照明光学系が、前記変動幅の間隔をあけて略平行に配置された2つの入射平面に沿って励起光を入射可能に設けられ、
    前記強度分布変動部が、前記シート照明光学系の励起光を入射させる入射平面を択一的に切り替える請求項4に記載の蛍光顕微鏡。
  6. 前記強度分布変動部が、前記シート照明光学系の瞳位置に前記励起光の入射方向に交差する方向に移動可能に設けられた強度変調素子を備える請求項1に記載の蛍光顕微鏡。
  7. 前記強度分布変動部が、前記励起光の強度分布のピークを前記光軸方向一方向に変位させ、
    前記画像処理部が、2つの蛍光画像の差画像を強度分布の変動前の蛍光画像で除算した値に基づいて標本内における蛍光物質の位置を推定する請求項1に記載の蛍光顕微鏡。
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