JP6508629B2 - 微細気泡発生装置 - Google Patents

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本発明は、微細気泡のうち、特に、ウルトラファインバブルと呼ばれるナノサイズの微細気泡を発生させるための装置に関する。
従来、気液混合液から微細気泡を発生させる際に、微細気泡の発生効率を向上させる目的で、特開2005−169269号公報に、気体と液体とを混合するポンプから送られてきた気液混合液を、加圧液導入管によって十字形に4分配し、分配した気液混合液を複数の器体内で旋回させる気泡発生装置が開示されている。
また、同様に微細気泡の発生効率を向上させる目的で、特許第4118939号公報に、円筒状部材である気体旋回剪断装置と分散器を2段階に接続し、それぞれの円筒状部材内の旋回作用によって微細気泡を得る微細気泡発生装置が開示されている。
特開2005−169269号公報 特許第4118939号公報
しかし、特許文献1に開示されている気泡発生装置では、気液混合液を分配する加圧液導入管は単なる配管継手であるため、気液混合液の分配機能しか有さず、そこで微細気泡の発生効率を向上させることはできなかった。
また、特許文献2に開示されている微細気泡発生装置では、2段階に円筒状部材を接続することで、より細かな微細気泡を発生させることが期待できるものの、後段の円筒状部材を複数設けることができず、微細気泡の発生効率を向上させることが困難であった。
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、前段の円筒状部材である分配器内で気泡を微細化させながら気液混合液を分配し、後段の円筒状部材である旋回器を任意の数設けることを可能とすることで、微細気泡を効率よく発生させることができる微細気泡発生装置を提供することを目的とする。
本発明の微細気泡発生装置は、
気体と液体とを混合するポンプから送られてくる気液混合液に含まれる気泡を微細化する微細気泡発生装置において、
本体に備えられる分配器と、複数の旋回器とを備え、
前記分配器が、
両端に第1端壁が設けられ内面が円筒形に構成される分配筒部と、
一方の前記第1端壁の少なくとも一部に代えて設けられ、前記分配筒部に気液混合液を流入させる分配流入口と、
前記分配筒部の内周壁から、その接線方向に気液混合液が前記本体の側面に向かって流出するよう設けられる複数の分配流出口と、を備え、
前記旋回器が、
両端に第2端壁が設けられ内面が円筒形に構成される旋回筒部と、
前記分配流出口が接続されるとともに前記旋回筒部の内周壁に接線方向から気液混合液が流入するよう設けられる旋回流入口と、
前記第2端壁の中央に設けられ気液混合液を流出させる旋回流出口と、を備える、
ことを特徴とする。
本発明の微細気泡発生装置は、
気体と液体とを混合するポンプから送られてくる気液混合液に含まれる気泡を微細化する微細気泡発生装置において、
本体に備えられる分配器と、複数の旋回器とを備え、
前記分配器が、
両端に第1端壁が設けられ内面が円筒形に構成される分配筒部と、
前記本体の側面から前記分配筒部に気液混合液を流入させる分配流入口と、
前記分配筒部の内周壁から、その接線方向に気液混合液が前記本体の側面に向かって流出するよう設けられる複数の分配流出口と、を備え、
前記旋回器が、
両端に第2端壁が設けられ内面が円筒形に構成される旋回筒部と、
前記分配流出口が接続されるとともに前記旋回筒部の内周壁に接線方向から気液混合液が流入するよう設けられる旋回流入口と、
前記第2端壁の中央に設けられ気液混合液を流出させる旋回流出口と、を備える、
ことを特徴とする。
これらの本発明の微細気泡発生装置によれば、前段に設けられる分配器が、分配筒部の内周壁の接線方向に気液混合液が流出するよう設けられる複数の分配流出口を備えるため、流出する気液混合液の流れによって分配筒部の内部で気液混合液を旋回させることができる。これにより、分配流入口から流入した気液混合液に含まれる気泡が微細化されるとともに、さらに後段に設けられる旋回器で微細化され、細かな微細気泡を発生させることができる。また、分配流出口が複数備えられているため、分配流出口に接続される後段の旋回器を複数備えることができる。これにより、多量の微細気泡を効率よく発生させることが可能となる。
また、本発明の微細気泡発生装置のうち、分配流入口が一方の第1端壁の少なくとも一部に代えて設けられる形態では、分配流入口の径を最大で分配筒部の径と同じまで拡大でき、分配流入口を比較的大口径とすることができる。これにより、多くの気液混合液を微細気泡発生装置に供給することができ、大容量の微細気泡発生装置とすることができる。
本発明の微細気泡発生装置の好ましい例は、
複数の前記分配器を前記分配筒部が連通するように接続した集合体とし、前記第1端壁が前記集合体の両端のみに設けられていることを特徴とする。
本発明の微細気泡発生装置の好ましい例によれば、分配器を任意の数だけ設けることができ、装置の容量や能力の大小に容易に対応させることができる。また、同じ仕様の分配器を用いて容量や能力の可変が可能となるため、部品の共通化を図ることができ、製品のコストダウンが可能となる。
本発明の微細気泡発生装置の好ましい例は、
前記分配流入口が、前記分配筒部の内周壁に接線方向から気液混合液が流入するよう設けられていることを特徴とする。
本発明の微細気泡発生装置の好ましい例によれば、気液混合液が分配筒部の内周壁に接線方向から流入するため、分配流入口から流入する気液混合液によっても分配筒部の内部で気液混合液を旋回させることができる。これにより、分配流入口から流入した気液混合液に含まれる気泡をより微細化させることができる。
本発明の微細気泡発生装置の好ましい例は、
前記分配流出口が、前記分配筒部の軸方向から見て放射状に設けられていることを特徴とする。
本発明の微細気泡発生装置の好ましい例によれば、分配筒部の内部の気液混合液に旋回を起こさせる分配流出口が、分配筒部の軸方向から見て放射状に設けられているため、分配筒部の内部での気液混合液の旋回をより滑らかなものとすることができる。また、分配流出口を数多く設けることが可能となり、旋回器を多数接続することができる。これにより、大容量の微細気泡発生装置とすることが容易となる。
本発明の微細気泡発生装置の好ましい例は、
前記分配流出口が、前記分配筒部の軸方向の異なる位置設けられていることを特徴とする。
本発明の微細気泡発生装置の好ましい例によれば、旋回器が接続される分配流出口が、分配筒部の軸方向の異なる位置設けられているため、分配流出口を増設することがさらに容易となり、より大容量の微細気泡発生装置とすることができる。
本発明の微細気泡発生装置の好ましい例は、
前記分配流出口が、前記分配筒部の軸方向から見て同じ方向に設けられていることを特徴とする。
本発明の微細気泡発生装置の好ましい例によれば、旋回器が接続される分配流出口が、分配筒部の軸方向から見て同じ方向に設けられているため、複数の旋回器をまとめて設置することが可能となり、微細気泡発生装置を小型化することが容易となる。
本発明の微細気泡発生装置の好ましい例は、
複数の前記旋回器を覆うケースを備え、
前記ケースに気液混合液を流出させるケース流出口が設けられていることを特徴とする。
本発明の微細気泡発生装置の好ましい例によれば、旋回器を覆うとともにケース流出口が設けられたケースを備えるため、気液混合液をまとめてケース流出口に接続した配管等に流出させることが可能となり、装置の設置の自由度を増すことが可能となる。
本発明の微細気泡発生装置の好ましい例は、
前記第2端壁が着脱可能に構成されていることを特徴とする。
本発明の微細気泡発生装置の好ましい例によれば、第2端壁が着脱可能に構成されているため、旋回流出口を異なる仕様のものに容易に交換することができ、様々な仕様に対応可能な微細気泡発生装置とすることができる。
本発明の微細気泡発生装置の好ましい例は、
前記気体がオゾン、窒素、水素のうちいずれかであることを特徴とする
本発明の微細気泡発生装置の好ましい例によれば、気体にオゾン、窒素、水素のいずれかを用いているため、微細気泡発生装置から吐出された水によって、オゾンによる有機物分解、窒素による細菌増加抑制、水素による美容保持等の効果を得ることができる。
以上説明したように、本発明の微細気泡発生装置によれば、前段の円筒状部材である分配器内で気泡を微細化させながら気液混合液を分配し、後段の円筒状部材である旋回器を任意の数設けることを可能とすることで、微細気泡を効率よく発生させることができる。
本発明の第1実施形態に係る微細気泡発生装置を説明する図である。 図1の微細気泡発生装置の横断面図である。 図1の微細気泡発生装置の旋回器を説明する図である。 図1の微細気泡発生装置の第2端壁を説明する図である。 本発明の第2実施形態に係る微細気泡発生装置を説明する図である。 図5の微細気泡発生装置の本体を説明する図である。 図5の微細気泡発生装置の旋回器を説明する図である。
以下、本発明の微細気泡発生装置の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
[第1実施形態]
先ず、本発明の第1実施形態に係る微細気泡発生装置を説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る微細気泡発生装置10を説明する図、図2は本実施形態の微細気泡発生装置10を旋回筒部31の位置で切断した横断面図である。また、図3(A)は本実施形態の微細気泡発生装置10の旋回器30を説明するための正面図、図3(B)は平面図、図3(C)は図3(B)のA−A線断面図である。また、図4(A)は本実施形態の微細気泡発生装置10の第2端壁34を説明するための平面図、図4(B)は図4(A)のA−A線断面図である。
図1、図2に示すように、本実施形態の微細気泡発生装置10は、本体11と、旋回器30とを備える。そして、本体11は分配器20を備え、分配器20は分配筒部21と、分配流入口22と、分配流出口23とを備える。なお、本実施形態の微細気泡発生装置10には、図示しないポンプ及び配管より、気体と液体とが混合された気液混合液が送られており、本装置にて気液混合液に含まれる気泡をナノレベルまで微細化して排出する。また、気体には、空気の他、オゾン、窒素、水素のうちいずれかを用いることができる。
分配筒部21は、四角柱状の本体11の一の軸に沿って設けられた、内面が円筒形に構成されたものである。そして、分配筒部21の両端には、ボルト等の公知の部材で第1端壁24a,24bが着脱可能に設けられている。
分配流入口22は、分配筒部21にその軸方向から気液混合液を流入させるもので、一方の第1端壁24aの少なくとも一部に代えて設けられている。分配流入口22の径は気液混合液の流入量を確保できれば特に限定されないが、本実施形態では、分配流入口22の径を分配筒部21の径と同じとしている。また、分配流入口22には図示しない配管が接続される。
分配流出口23は、分配筒部21から気液混合液を流出させ、旋回器30に供給するもので、分配筒部21の内周壁の接線方向に気液混合液を流出するよう複数設けられる。本実施形態では、分配流出口23が分配筒部21の軸方向の一の近接する位置に4本放射状に設けられており、さらに、分配筒部21の軸方向の他の近接する位置に4本放射状に設けられ、合計8本設けられる。なお、分配流出口23の位置はこれに限られず、例えば、1本1本の分配流出口23を、分配筒部21の軸方向の位置を少しずつずらしながら放射状に、螺旋階段のように設けることもできる。
旋回器30は、図1、図3(A)〜(C)に示すように、旋回筒部31と、旋回流入口32と、旋回流出口33とを備える。なお、本実施形態において、旋回器30はブラケット35と一体に構成され、当該ブラケット35によりボルト等の公知の部材で本体11に取付けられる。
旋回筒部31は、両端に図4(A)(B)に示す第2端壁34が設けられ、内面が円筒状に構成される。旋回流入口32は、上記の分配流出口23が接続されるとともに、旋回筒部31の内周壁に接線方向から気液混合液が流入するように設けられている。旋回流出口33は、旋回筒部31の長手方向の両端に設けられた第2端壁34の略中央に設けられた孔で、ここから微細気泡を含む気液混合液を流出させる。また、本実施形態では、第2端壁34としてプラグに孔を設けたものを用いており、当該プラグは旋回筒部31の両端にネジ、嵌合等の公知の方法で着脱可能に装着される。
なお、分配流出口23及び旋回器30の数は、本実施形態の微細気泡発生装置10では8つとしているが、この数に限られない。例えば、本体11を本実施形態の四角柱以外の多角柱状としそれぞれの面に分配流出口23を設けたり、本体11を円柱状とし任意の箇所に分配流出口23を設けたりして、分配流出口23を所望の数とすることができ、分配流出口23の数に応じた旋回器30を設けることができる。また、分配流出口23の不要な箇所にはメクラ栓をし、旋回器30の数を分配流出口23の数より減らしてもよい。なお、本体11、旋回器30に設けられた溝14a,14bには、図示しない公知のOリングが嵌め込まれることによって各構成部品の気密を保っている。
また、複数の本体11(分配器20)を、分配筒部21が連通するように接続した集合体とし、第1端壁24a,24bを集合体の両端のみに設ける構成とすることもできる。このようにすることで、本体11(分配器20)を共通の仕様としながら、旋回器30の数を任意に増減させることができる。このとき、分配流入口22からの気液混合液の供給が不足する場合には、分配流入口22を両方の第1端壁24a,24bに設けることもできる。
次に、以上説明した各構成要素の構成を踏まえて、本実施形態の微細気泡発生装置10の動作を説明する。
先ず、水槽に接続された配管からポンプによって水等の液体が吸引されるとともに、配管の途中に設けられた気体導入弁からも気体が導入される。そして、ポンプ内部で液体と気体が混合されることで気液混合液が生成され、ポンプの吐出口に接続された配管に吐出される(いずれも図示せず)。
次に、ポンプから吐出された気液混合液は、図示しない配管によって分配流入口22より流入する。すると、図2に示すように、分配筒部21の内面が円筒形に構成されているとともに、分配筒部21の内周壁の接線方向に気液混合液が流出するよう分配流出口23が設けられているため、図中矢印のように気液混合液が分配筒部21の内部で旋回する。この旋回によって、分配筒部21での滑らかな気液混合液の流通がなされるとともに、気液混合液に含まれる気泡の細分化が行われる。同時に、任意の数ほど設けられた分配流出口23によって気液混合液が分配される。
ここで、気液混合液の旋回による気泡の細分化を説明する。分配筒部21のような円筒形の内部で気液混合液が旋回すると、遠心力と比重の差によって最外周に液体層が形成されるとともに、液体層の内周に気液混合層が形成され複数層に分かれる。そして、液体層は分配筒部21の内周壁に接触しているため、摩擦によって旋回の速度が弱められ、気液混合層と旋回の速度差が生じる。この速度差によって液体層と気液混合層との境界において気泡が剪断され細分化されて、微細気泡が発生するのである。この作用は旋回器30の旋回筒部31においても同様に現れる。
次に、分配器20で分配された気液混合液は、旋回器30に流入する。ここでは、分配流出口23に接続された旋回流入口32から、円筒形をなす旋回筒部31の内周壁に接線方向から気液混合液が流入し、図3(C)矢印に示すような旋回流が発生する。すると、上記同様に気泡が剪断され細分化されて微細気泡が発生する。そして、微細気泡を含む気液混合液が旋回流出口33から流出する。
以上説明したように、本実施形態の微細気泡発生装置10によれば、分配筒部21の内面が円筒形に構成されるとともに、複数の分配流出口23が分配筒部21の接線方向に設けられているため、分配筒部21の内部で気液混合液の旋回流が発生する。これにより、前段の分配器20においても気泡の細分化がなされ、分配器20と旋回器30の2段階で気泡の細分化がなされる。また、分配筒部21で旋回流が発生するため、分配筒部21の内部において気液混合液の流通が滑らかとなる。さらに、気液混合液を任意の数に分配させ旋回器30も任意の数設けることができるため、微細気泡の発生効率を高めることができる。
また、分配流出口23が分配筒部21の軸方向に対して放射状に設けられているため、分配流出口23及び旋回器30を多数設けることが可能となる。また、分配流入口22が第1端壁24aの少なくとも一部に代えて設けられているため、分配流入口22の径を分配筒部21の径まで拡大することが可能となり、多量の気液混合液を微細気泡発生装置10に供給することができる。これらにより大容量の微細気泡発生装置10とすることが容易となる。
また、複数の本体11を分配筒部21が連通するように接続した集合体とする構成では、微細気泡発生装置10の能力の増減が容易にできるとともに、能力の増減をするにあたり同じ規格の本体11を複数用意すれば足り、製品のコストダウンを図ることができる。
また、第2端壁34が着脱可能なプラグで構成されているため、旋回流出口33の径を容易に変更することが可能となり、様々な条件に対応した微細気泡発生装置10とすることができる。
また、気体にオゾンを用いた場合、オゾンの酸化作用によって微細気泡発生装置10を使用する場所の水質浄化を図ることや、オゾンの微細気泡を含有する水を用いて対象物を洗浄することで高い洗浄効果を発揮させることができる。また、気体に窒素を用いた場合、水の中の酸素濃度が低下することによって細菌の繁殖が抑制でき、例えば魚介類を窒素の微細気泡を含有する冷水に浸漬させて保管することで、魚介類の鮮度維持を図ることができる。また、気体に水素を用いた場合、水素の微細気泡を含有する水を用いて洗顔等することで、美容等に優れた効果を発揮することが期待できる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る微細気泡発生装置100を説明する。図5は本発明の第2実施形態に係る微細気泡発生装置100を説明する図である。また、図6(A)は本実施形態の微細気泡発生装置100の本体111を説明するための平面図、図6(B)は図6(A)のA−A線断面図である。また、図7(A)は本実施形態の微細気泡発生装置100の旋回器130を説明するための正面図、図7(B)は平面図、図7(C)は図7(B)のA−A線断面図である。
図5、図6(A)(B)に示すように、本実施形態の微細気泡発生装置100は、本体111と、旋回器130と、ケース112とを備える。そして、本体111は分配器120を備え、分配器120は分配筒部121と、分配流入口122と、分配流出口123とを備える。なお、本実施形態の微細気泡発生装置100も上述の第1実施形態同様に、図示しないポンプより気液混合液が送られ、本装置にて気液混合液に含まれる気泡をナノレベルまで微細化して排出する。また、第1実施形態同様に気体にはオゾン、窒素、水素等を用いることができる。
分配筒部121は、略直方体の本体111の一の軸と平行して設けられた、内面が円筒形に構成されたものである。そして、分配筒部121の両端には、ボルト等の公知の部材で第1端壁124が着脱可能に設けられている。また、本体111の上面、及び第1端壁124の本体111側面と接する面には溝114a,114b,114cが設けられ、これらの溝114a,114b,114cに図示しないOリングが嵌め込まれることによって各構成部品の気密を保っている。
分配流入口122は、分配筒部121の内周壁に接線方向から気液混合液を流入させるもので、本体111の一の側面から本体111の内部を貫通するように設けられている。分配流入口122の径は気液混合液の流入量を確保できれば特に限定されないが、分配筒部121の半径以下とすることが好ましい。これは、分配流入口122の径が大きすぎると、分配流入口122から流入する気液混合液による分配筒部121の内部での旋回流が発生しにくくなるからである。なお、分配流入口122には、気液混合液を供給する図示しない配管が接続される。
分配流出口123は、分配筒部121から気液混合液を流出させ、旋回器130に供給するもので、分配筒部121の内周壁の接線方向に気液混合液を流出するよう複数設けられる。本実施形態では、分配流出口123が分配筒部121の軸方向の異なる位置に2本、同じ方向に設けられており、本体111の上面に向かって貫通されている。
旋回器130は、図5、図7(A)〜(C)に示すように、旋回筒部131と、旋回流入口132と、旋回流出口133とを備える。本実施形態においては、旋回器130はボルト等の公知の部材を用いて、本体111の上面に分配流出口123と旋回流入口132とが連通するように取付けられる。そして、2つの旋回器130が並列して配置された状態となる。第2端壁134等の、旋回器130のその他の構成は、第1実施形態によって理解できるため説明を省略する。
なお、分配流出口123及び旋回器130の数は、本実施形態の微細気泡発生装置100では2つとしているが、この数に限られない。例えば、本体111の分配筒部121の軸方向の寸法を延長し、その延長した分だけ分配流出口123と旋回器130を設けることもできる。
図5に戻り、ケース112は、下面が開放された断面略コ字状で、その内部に空洞113を備える箱形のもので、本体111の上面にボルト等の公知の部材で取付けられる。そして、前記空洞113の中に旋回器130を収めるとともに、旋回器130から流出した気液混合液を、旋回器130とケース112内壁との間に構成された空間を流通させ、ケース流出口115から流出させる。また、ケース流出口115には、気液混合液を流出させる図示しない配管が接続される。
次に、以上説明した各構成要素の構成を踏まえて、本実施形態の微細気泡発生装置100の動作を説明する。
先ず、第1実施形態同様に、図示しないポンプから気液混合液が吐出され供給される。
次に、ポンプから吐出された気液混合液は、図示しない配管によって分配流入口122より流入する。すると、図6(B)に示すように、分配筒部121の内面が円筒形に構成されているとともに、分配流入口122が分配筒部121の内周壁に接線方向から気液混合液が流入するよう設けられており、さらに、分配筒部121の内周壁の接線方向に気液混合液が流出するよう分配流出口123が設けられているため、図中矢印のように気液混合液が分配筒部121の内部で旋回する。この旋回によって、分配筒部121での滑らかな気液混合液の流通がなされるとともに、気液混合液に含まれる気泡の細分化が行われる。同時に、複数設けられた分配流出口123によって気液混合液が分配される。
次に、分配器120で分配された気液混合液は、旋回器130に流入する。そして第1実施形態同様に、分配流出口123に接続された旋回流入口132から、円筒形をなす旋回筒部131の内周壁に接線方向から気液混合液が流入し、図7(C)矢印に示すような旋回流が発生し、微細気泡が発生する。
次に、微細気泡を含む気液混合液が旋回流出口133から流出すると、ケース112内の空洞113によって設けられた空間を気液混合液が流通し、ケース流出口115に接続された図示しない配管を通じて排出される。
以上、説明したように、本実施形態の微細気泡発生装置100によれば、分配流入口122が分配筒部121の内周壁に接線方向から気液混合液が流入するよう設けられているため、分配筒部121の内部でより強力な気液混合液の旋回流が発生し、効率よく微細気泡を発生させることができる。
また、分配流出口123を同じ方向に設け並列させているため、旋回器130をまとめて配置することが可能となり、装置の小型化を図ることができる。さらに、ケース112で旋回器130を覆い、ケース流出口115から微細気泡を含む気液混合液を流出させているため、配管等をケース流出口115に接続することで、微細気泡発生装置100を水中に設ける必要がなくなり、設置場所の自由度を向上させることができる。
また、分配流出口123及び旋回器130を任意の数設けることができること、気体にオゾン、窒素、水素を用いることができることによる作用効果は、第1実施形態同様である。
なお、以上説明した各実施形態の微細気泡発生装置は、本発明の例示であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、その構成を適宜変更することができる。
10,100・・微細気泡発生装置
11,111・・本体、112・ケース、113・・空洞、14a,14b,114a,114b,114c・・溝、115・・ケース流出口
20,120・・分配器、21,121・・分配筒部、22,122・・分配流入口、23,123・・分配流出口、24a,24b,124・・第1端壁、
30,130・・旋回器、31,131・・旋回筒部、32,132・・旋回流入口、33,133・・旋回流出口、34,134・・第2端壁、35・・ブラケット、

Claims (10)

  1. 気体と液体とを混合するポンプから送られてくる気液混合液に含まれる気泡を微細化する微細気泡発生装置において、
    本体に備えられる分配器と、複数の旋回器とを備え、
    前記分配器が、
    両端に第1端壁が設けられ内面が円筒形に構成される分配筒部と、
    一方の前記第1端壁の少なくとも一部に代えて設けられ、前記分配筒部に気液混合液を流入させる1つの分配流入口と、
    前記分配筒部の内周壁から、前記内周壁の接線方向に気液混合液が前記本体の側面に向かって流出するよう設けられる複数の分配流出口と、を備え、
    前記旋回器が、
    両端に第2端壁が設けられ内面が円筒形に構成される旋回筒部と、
    前記分配流出口が接続されるとともに前記旋回筒部の内周壁に接線方向から気液混合液が流入するよう設けられる旋回流入口と、
    前記第2端壁の中央に設けられ気液混合液を流出させる旋回流出口と、を備える、
    ことを特徴とする微細気泡発生装置。
  2. 気体と液体とを混合するポンプから送られてくる気液混合液に含まれる気泡を微細化する微細気泡発生装置において、
    本体に備えられる分配器と、複数の旋回器とを備え、
    前記分配器が、
    両端に第1端壁が設けられ内面が円筒形に構成される分配筒部と、
    前記本体の側面から前記分配筒部に気液混合液を流入させる1つの分配流入口と、
    前記分配筒部の内周壁から、前記内周壁の接線方向に気液混合液が前記本体の側面に向かって流出するよう設けられる複数の分配流出口と、を備え、
    前記旋回器が、
    両端に第2端壁が設けられ内面が円筒形に構成される旋回筒部と、
    前記分配流出口が接続されるとともに前記旋回筒部の内周壁に接線方向から気液混合液が流入するよう設けられる旋回流入口と、
    前記第2端壁の中央に設けられ気液混合液を流出させる旋回流出口と、を備える、
    ことを特徴とする微細気泡発生装置。
  3. 複数の前記分配器を前記分配筒部が連通するように接続した集合体とし、前記第1端壁が前記集合体の両端のみに設けられていることを特徴とする請求項に記載の微細気泡発生装置。
  4. 前記分配流入口が、前記分配筒部の内周壁に接線方向から気液混合液が流入するよう設けられていることを特徴とする請求項に記載の微細気泡発生装置。
  5. 前記分配流出口が、前記分配筒部の軸方向から見て放射状に設けられていることを特徴とする請求項1又は3に記載の微細気泡発生装置。
  6. 前記分配流出口が、前記分配筒部の軸方向の異なる位置設けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の微細気泡発生装置。
  7. 前記分配流出口が、前記分配筒部の軸方向から見て同じ方向に設けられていることを特徴とする請求項2又は4に記載の微細気泡発生装置。
  8. 複数の前記旋回器を覆うケースを備え、
    前記ケースに気液混合液を流出させるケース流出口が設けられていることを特徴とする請求項7に記載の微細気泡発生装置。
  9. 前記第2端壁が着脱可能に構成されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の微細気泡発生装置。
  10. 前記気体がオゾン、窒素、水素のうちいずれかであることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の微細気泡発生装置。
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