JP6508592B2 - 安全システム - Google Patents
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Description
このような大型の冷却設備においては、一般に安全と言われる不活性の冷媒を用いている場合であっても、閉鎖空間において冷媒が漏洩した場合に、その漏洩冷媒濃度が上昇すると人体に影響を及ぼすおそれがあり、このような冷媒の漏洩を検知することは安全上極めて重要となっている。
冷媒の漏洩を検知する手段として、冷媒の種類に応じた冷媒濃度センサを設置して、冷媒濃度センサにより冷媒濃度が一定以上になった場合に、警報を発報することも考えられるが、冷却設備など低温環境下で機能する濃度センサは、極めて高価であり、普及が進んでいないのが現状である。
図1は、本発明に係る安全システムを適用した冷却装置の実施形態を示したものであり、本発明の安全システムは、例えば、スーパーマーケットや、食品加工工場、配送センターなどにおいて、低温環境にて物品を貯蔵、加工、仕分けなどを行う冷蔵倉庫や冷凍倉庫、プレハブ冷蔵庫、プレハブ冷凍庫、ウォークインショーケースなどの冷却装置に用いられるものである。
本実施形態では、ウォークインショーケースに用いられる冷却装置を例として本発明の実施形態について図面を参照しながら詳述する。図1は本発明の安全システムを冷却装置であるウォークインショーケースに適用した実施形態を示す概略構成図である。
また、ウォークインショーケース1の外壁の一部には、冷却室3の密閉を行うための扉4が開閉自在に設けられている。そして、この扉4により、冷却室3への物品の搬入または搬出を行うとともに、作業を行う作業者が冷却室3に入退室することができるように構成されている。この扉4には、扉4の開閉を検知するための扉開閉スイッチ5が取り付けられている。なお、図示しないが、ウォークインショーケース1の一面は、陳列棚の商品を取り出すためのガラス扉となっている。
機械室12には、圧縮機14が配置されており、機械室12には、図には示していないが、他にも、アキュムレータ、オイルセパレータ、四方弁、減圧装置、冷媒流量調整弁、冷媒配管11など、多くの部品が搭載されている。
また、熱交換室13には、熱交換室13の周囲を取り囲むように形成された室外熱交換器15が配置されており、熱交換室の上部には、室外ファン16が配置されている。
また、冷凍機10の冷媒配管11は、ウォークインショーケース1の接続ポート8に接続されている。
なお、本実施形態においては、冷凍機10に用いられる冷媒は、非毒性ガスである二酸化炭素冷媒とされている。
室内熱交換器6において、ウォークインショーケース1の室内空気と熱交換することにより、ウォークインショーケース1の室内を冷却するものである。そして、室内熱交換器6により熱交換された冷媒は、ガス冷媒となってウォークインショーケース1から冷凍機10の圧縮機14に戻される。
そして、ウォークインショーケース1の扉4の上部には、ショーケースコントローラ20、ウォークインショーケース1の室内に設置される内部警報装置22および活動検知装置23が接続された安全装置24、外部リセットスイッチ25がそれぞれ設けられている。
また、内部警報装置22は、作業者がウォークインショーケース1の室内に存在している経過時間を知らせる機能を備えている。経過時間は、音声により知らせるようにしてもよいし、表示パネルなどに文字などを表示して知らせるようにしてもよい。
音声認識装置は、作業者が声を発することで、活動状態であることを検知するものであり、手動スイッチ、ペダル式スイッチ、携帯型の無線スイッチは、作業者がスイッチを操作することで、活動状態であることを検知するものである。
生体センサは、作業者が身につけて使用するものであり、生体センサから送られる計測情報を図示しない受信装置で受信することで、作業者が正常な活動状態にあるか否かを判断するものである。
さらに、その他の活動検知装置23としては、例えば、カメラなどの撮像装置を用いた画像解析装置が適用される。画像解析装置は、撮像レンズ造作装置によりウォークインショーケース1の室内を撮影し、この撮影画像を画像解析することで、ウォークインショーケース1の室内の作業者の動きを判断して、作業者が活動状態にあるか否かを判断するものである。
これら活動検知装置23は、いずれか1つのもので構成するようにしてもよいし、任意の複数のものを組み合わせて構成するようにしてもよい。
なお、活動検知装置23は、例えば、携帯型の無線スイッチ、生体センサなどを用いる場合は、その受信装置を必ずしもウォークインショーケース1の室内に設ける必要はなく、無線スイッチなどからの信号を受信可能であれば、ウォークインショーケース1の室外に設置するようにしてもよい。
図2は、ウォークインショーケース1の制御構成を示すブロック図である。
図2に示すように、本実施形態においては、制御装置としての集中コントローラ26を備えている。集中コントローラ26は、汎用のマイクロコンピュータにより構成されており、時間を計測するためのタイマ28を備えている。
集中コントローラ26には、図示しない外気温センサ、ウォークインショーケース1の室内温度センサなどの環境情報が入力されるように構成されている。
そして、集中コントローラ26から制御信号が送られると、冷凍機コントローラ21は、圧縮機14の動作制御、冷媒流量の制御、室外ファン16の回転制御などを行うものであり、ショーケースコントローラ20は、室内ファン7の回転制御などを行う。
この場合に、集中コントローラ26は、タイマ28による経過時間が10秒未満で扉4が開いたことを検知した場合は、経過時間の計測をやり直すものであり、経過時間が10秒以上経過して扉4が開いたことを検知した場合は、そのまま継続する。
扉4が開いて、作業者がウォークインショーケース1の室外に出て、外部リセットスイッチ25を操作した場合には、経過時間の計測および作業者の活動検知を終了する。
これは、冷媒として二酸化炭素冷媒を用いた場合、例えば、室内熱交換器6と冷媒配管9との接続箇所などにおいて、冷媒漏れが発生した場合、ウォークインショーケース1の室内における二酸化炭素濃度が上昇することになる。しかしながら、室内において二酸化炭素の濃度が上昇したとしても、4分以内であれば、人体への影響が少ないと考えられるためである。
したがって、4分ごとに内部警報装置22により警報を発報し、作業者に知らせることにより、二酸化炭素冷媒の漏れによる事故を未然に防止することができるものである。
集中コントローラ26は、内部警報装置22による警報を解除した後、次の警報に向けて一定時間の計測を再開する。
一方、作業者が室内において活動していない状態の場合は、外部警報装置27による警報に応じて、外部の作業者がウォークインショーケース1に行き、外部リセットスイッチ25を操作することにより外部警報は停止し監視は終了する。
なお、内部警報装置22および外部警報装置27について、1日1回など定期的に、警報の発報が正常に動作するか否かを確認するモードを備えるようにしてもよい。
そして、扉4が開いて作業者が室外に出た場合は、作業者が扉4の外部リセットスイッチ25を操作することにより監視終了となる(ST6:YES)。
一方、作業者が自ら室内から外部に出ることができない場合には、外部の人間がウォークインショーケース1に行き、外部リセットスイッチ25を操作することにより、集中コントローラ26は、外部警報装置27を停止して終了する。
その後、経過時間T、内部警報の発報までの時間t、作業者の応答時間rについて、リセットする(ST15)。
そして、扉4が開放された状態の場合は、内部警報装置22により、扉4を閉めるように内部警報を発報する(ST17)。
そして、扉開閉スイッチ5により扉4が閉じたことを検出したら(ST18:YES)、内部警報を停止する(ST19)。
この場合も、外部リセットスイッチ25を操作することにより(ST13)、外部警報装置27による外部への警報は停止する(ST14)。
また、冷媒の種類に応じた冷媒濃度センサを必要としないので、設備コストを低減させることができ、冷媒の漏洩を直接検知するものではないので、冷媒の種類にかかわらず適用することができる。
さらに、集中コントローラ26により、扉開閉スイッチ5により扉4の開放を検知した場合に、内部警報装置22または外部警報装置27の少なくとも一方に、扉4の開放の警報を発報させるようにしているので、ウォークインショーケース1の室内の不必要な温度上昇を防止することができ、省エネ効果を高めることができる。
さらに、本発明は、室内における作業者の安全を確保するものであることから、冷媒にかかわらず、例えば、都市ガスなどに対する作業者の安全を確保する装置にも適用することができ、また、閉鎖空間内で、例えば、持病により失神状態に至る作業者の安全確保にも適用できる。
4 扉
5 扉開閉スイッチ
6 室内熱交換器
7 室内ファン
10 冷凍機
14 圧縮機
15 室外熱交換器
16 室外ファン
20 ショーケースコントローラ
21 冷凍機コントローラ
22 内部警報装置
23 活動検知装置
25 外部リセットスイッチ
26 集中コントローラ
27 外部警報装置
Claims (8)
- 冷媒を用いた冷凍、冷蔵または空調空間である対象空間に設けられた活動検知装置と、内部警報装置と、前記活動検知装置および前記内部警報装置を統括的に管理する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、一定時間が経過した場合に、内部警報装置により、前記対象空間に存在する作業者に警報を発報させるとともに、前記活動検知装置により一定時間以内に前記作業者の正常な状態または反応を検知した場合に、前記内部警報装置による警報を解除し、
前記活動検知装置により前記作業者の正常な状態または反応を検知するための一定時間は、使用する前記冷媒の種類に応じて設定されることを特徴とする安全システム。 - 外部に警報を発報する外部警報装置をさらに備え、
前記制御装置は、前記活動検知装置により一定時間以内に前記作業者の作業者の正常な状態または反応を検知しない場合に、前記外部警報装置による警報を発報することを特徴とする請求項1に記載の安全システム。 - 前記対象空間は、扉および前記扉の開閉を検知する扉開閉スイッチを備え、
前記制御装置は、前記扉開閉スイッチにより扉が開いたことを検出した場合に、前記内部警報装置による警報発報までの一定時間のカウントを開始することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の安全システム。 - 前記活動検知装置は、前記作業者の音声を認識する音声認識装置、前記作業者が操作する手動スイッチ、前記作業者が操作するペダル式スイッチ、携帯型の無線スイッチ、生体情報を計測する生体センサ、撮像装置を用いた画像解析装置の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の安全システム。
- 前記内部警報装置は、光で警告をする装置、音声で警告をする装置、振動で警告をする装置、文字などを表示して警告をする装置の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の安全システム。
- 前記冷媒は、非毒性ガスであることを特徴とする請求項1に記載の安全システム。
- 前記制御装置は、前記扉開閉スイッチにより前記扉の開放を検知した場合に、前記内部警報装置または前記外部警報装置の少なくとも一方に、前記扉の開放の警報を発報させることを特徴とする請求項3に記載の安全システム。
- 前記内部警報装置による内部警報発報までの時間、作業者の応答許容時間および前記扉の開放許容時間は、設備環境に合わせて任意に設定可能であることを特徴とする請求項7に記載の安全システム。
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