以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1〜図7を参照して、本発明の第1実施形態による無線通信システム100の構成について説明する。
本発明の第1実施形態による無線通信システム100は、図1に示すように、無線LAN機能を有するアクセスポイントとしての無線通信機器10と、タブレットPCとしての無線通信端末20とを備えている。また、図1に示すように、無線通信機器10の通信可能な範囲内には、無線通信端末20以外に、テレビジョン装置としての無線通信端末30と、デスクトップPCとしての無線通信端末40とが配置されている。
この無線通信システム100の無線通信機器10は、接続のための接続要求信号を受信した場合には、特定の識別情報を有する無線通信端末20からの接続要求信号であるか否かを判別するように構成されている。また、無線通信システム100は、初回の接続時に、特定の識別情報を有する無線通信端末20以外の無線通信端末30および40からの接続要求情報であると判別した場合には、無線通信端末30および40からの接続要求を拒否するとともに、特定の識別情報を有する無線通信端末20からの接続要求信号であると判別した場合には、無線通信端末20と接続するように構成されている。また、無線通信システム100の無線通信機器10は、接続した無線通信端末20に対して、無線通信機器10の通信可能な範囲内に配置された無線通信端末30および40を検出するとともに、検出した無線通信端末30および40と無線通信機器10との接続許否設定を行うための接続設定画面情報(図3および図4参照)を送信(提供)するように構成されている。
すなわち、無線通信システム100は、初回の接続時には、無線通信システム100を構成する無線通信機器10および特定の識別信号を有する無線通信端末20とのみが接続可能に構成されている。
ここで、特定の識別情報とは、無線通信機器10により無線通信端末20を識別するための無線通信規格で規定されるパラメータのことである。この特定の識別情報としては、たとえば、WPSを用いて接続する場合には、WPSIE(Infomation Element)内のDevice Nameに含める文字列などを、特定の識別情報として用いることができる。また、この特定の識別情報により、無線通信機器10は、無線通信端末20と無線通信端末20以外の無線通信端末30および40とを区別することが可能である。なお、無線通信端末20は、この特定の識別情報を予め有していてもよいし、ユーザによりインストールされてもよい。
また、無線通信システム100は、無線通信端末20に表示される接続設定画面に従って、ユーザにより接続許可の設定が行われた場合には、接続許可の設定が行われた無線通信端末30と無線通信機器10とが接続できるようになるように構成されている。そして、無線通信システム100は、接続許可の設定が行われた無線通信端末30と無線通信機器10とが接続された場合には、無線通信機器10と無線通信端末20と無線通信端末30とによりローカルネットワーク(たとえば、家庭内のホームネットワーク)を構築するように構成されている。
また、無線通信システム100は、無線通信端末20に表示される接続設定画面に従って、ユーザにより接続許可の設定が行われなかった(または接続拒否の設定が行われた)場合には、接続許可の設定が行われなかった無線通信端末40と無線通信機器10とが接続できないように構成されている。したがって、この無線通信システム100では、特定の識別情報を有する無線通信端末20と、接続許可の設定が行われた無線通信端末30とのみが無線通信機器10と接続されるように構成されている。なお、第1実施形態では、接続許可の設定が行われる端末を無線通信端末30として、接続許可の設定が行われない端末を無線通信端末40とした例について説明する。
また、無線通信システム100は、無線通信機器10から接続した無線通信端末20および接続許可の設定が行われた無線通信端末30に対して、後述する複数(5つ)の所定のサービスを提供可能に構成されている。すなわち、この無線通信システム100における無線通信機器10と無線通信端末30との接続とは、無線通信機器10から所定のサービスを提供する通信を行うことが可能な状態を意味する。また、無線通信システム100は、接続設定画面情報に加えて、提供する所定のサービスの選択設定を行うための選択設定画面情報を、無線通信端末20に送信(提供)するように構成されている。この所定のサービスとしては、たとえば、動画コンテンツや音楽コンテンツの再生サービス、無線通信機器10に係る設定変更サービスなどのサービスが挙げられる。上記した接続許否設定およびサービス選択設定の詳細については、後述する。
まず、図2を参照して、無線通信システム100を構成する無線通信機器10および無線通信端末20の各構成要素について説明する。
無線通信機器10は、ROM11と、RAM12と、入力インターフェース部13と、通信部14と、CPU15とを含んでいる。なお、無線通信機器10には、表示部が設けられていない。
ROM11は、書き換え可能なフラッシュROMを含む不揮発性のメモリであり、CPU15により実行される各種のプログラムが格納されるように構成されている。詳細には、ROM11には、後述する接続設定処理(図6参照)およびサービス提供処理(図7参照)のためのプログラムが格納されるように構成されている。
RAM12は、揮発性のメモリであり、ROM11から読み込んだプログラムがCPU15により実行される際に、作業領域として利用されるように構成されている。
入力インターフェース部13は、電源ボタンやWPS対応のボタンなどの無線通信機器10の各種操作を行うための入力用の操作部である。
通信部14は、無線通信機器10の通信可能な範囲内の無線通信端末(20、30および40)と無線通信可能に構成されている。また、通信部14は、有線または無線通信によりインターネットと接続可能に構成されている。
CPU15は、無線通信機器10に係る各種の制御を実行可能に構成されている。
無線通信端末20は、ROM21と、RAM22と、入力インターフェース部23と、通信部24と、表示部25と、CPU26とを含んでいる。
ROM21は、書き換え可能なフラッシュROMを含む不揮発性のメモリであり、CPU26により実行される各種のプログラムが格納されるように構成されている。また、ROM21は、無線通信機器10により識別可能な特定の識別情報を有するように構成されている。
RAM22は、揮発性のメモリであり、ROM21から読み込んだプログラムがCPU26により実行される際に、作業領域として利用されるように構成されている。
入力インターフェース部23は、電源ボタンやWPS対応のボタン、タッチパネルなどの無線通信端末20の各種操作を行うための入力用の操作部である。
通信部24は、無線通信端末20の通信可能な範囲内の無線通信機器(10)と無線通信可能に構成されている。また、通信部24は、有線または無線通信によりインターネットと接続可能に構成されている。
表示部25は、液晶表示部であり、各種のプログラムに対応した画面を表示可能に構成されている。また、表示部25は、無線通信機器10から各種の画面情報が送信された場合には、各種の画面情報に対応した画面を表示可能に構成されている。
CPU26は、無線通信端末20に係る各種の制御を実行可能に構成されている。
また、無線通信端末30および40は、無線通信機器10により識別可能な特定の識別情報がROMに格納されていない点を除いて、無線通信端末20と同様の構成を備えている。つまり、無線通信端末30および40は、図1に示すように、各々、表示部35および表示部45を有するとともに、図示しないROM、RAM、入力インターフェース部(リモコンおよびキーボードなど、一部図示する)、通信部およびCPUを有している。
次に、図3〜図5を参照して、接続許否設定およびサービス選択設定について説明する。ここでは、無線通信機器10と接続した無線通信端末20に接続設定画面情報が無線通信機器10により送信された後、無線通信端末20の表示部25に表示された接続設定画面に従って無線通信端末30の接続許可の設定、および、提供する所定のサービスの選択設定を行う例について説明する。
図3では、無線通信機器10の通信可能な範囲内に配置された無線通信端末20、30および40が無線通信機器10により検出された状態の接続設定画面を示している。この場合、図3に示すように、無線通信機器10の通信可能な範囲内に配置された無線通信端末20、30および40の機器名と、現在の設定のリストを含む接続設定画面が無線通信端末20の表示部25に表示される。図3では、無線通信端末20のみが接続許可の状態であり、無線通信端末30および40は、接続拒否の状態である。
そして、ユーザによりリスト内の機器名が選択されると、各々の無線通信端末の具体的な設定画面(図4参照)に表示が切り替わる。ユーザによる選択の方法としては、たとえば、入力インターフェース部23としてのタッチパネルによる指示、マウスやリモコンを利用した操作などの方法を用いることができる。
図4では、無線通信端末30の機器名がユーザにより選択された場合の接続許否設定およびサービス選択設定画面を示している。この場合、図4に示すように、接続拒否設定を行うための「許可する」および「拒否する」のチェックボックス(白丸で示す)と、提供する所定のサービスを選択設定するためのサービス1〜5のチェックボックス(白四角で示す)を含む接続許否設定およびサービス選択設定画面が無線通信端末20の表示部25に表示される。
そして、ユーザにより各々のチェックボックスがチェックされた後、画面上の「設定変更」ボタンが押されることにより、接続許否設定およびサービス選択設定の変更が無線通信機器10により受付される。図4では、無線通信端末30の接続許可の設定、および、サービス2、3および5を提供する設定がなされることになる。また、ユーザにより画面上の「キャンセル」ボタンが押された場合には、何ら設定変更がなされない。
ユーザにより「設定変更」ボタンが押された場合には、図3に示す接続設定画面に表示が切り替わる。この場合には、図4において、無線通信端末30の接続許可の設定がなされているので、無線通信端末30の現在の設定が「接続許可」の表示に切り替わる。そして、ユーザにより画面上の「設定保存」ボタンが押された場合には、上記した設定が保存されて無線通信機器10と無線通信端末20と無線通信端末30とによるローカルエリアのネットワークが構築可能になる。一方、ユーザにより画面上の「キャンセル」ボタンが押された場合には、何ら設定が保存されることがない。
図5では、上記した接続許否設定およびサービス選択設定が行われた場合の無線通信端末30に表示されるサービス選択画面を示している。図4において、サービス2、3および5を提供する設定がなされたので、無線通信端末30には、サービス2、3、5およびサービス選択画面の終了を選択可能なサービス選択画面が表示される。
次に、図6を参照して、上記した接続設定処理の具体的内容をシーケンス図に基づいて説明する。
まず、ステップS1において、ユーザによる接続操作が無線通信機器10により受付される。具体的には、ユーザにより無線通信機器10の入力インターフェース部13のWPS対応のボタンが押下されることにより、無線通信機器10は、接続待受け状態に遷移する。そして、ステップS2において、ユーザによる接続操作が無線通信端末20により受付される。すなわち、ユーザにより無線通信端末20の入力インターフェース部23のWPS対応のボタンが押下される。この結果、ステップS3において、特定の識別情報を含む接続要求信号が無線通信端末20により無線通信機器10に送信される。
そして、ステップS4において、無線通信端末20からの接続要求信号に特定の識別信号が含まれるか否かが無線通信機器10(CPU15)により確認される。この場合には、無線通信端末20は、特定の識別情報を有するので、ステップS5において、無線通信端末20に対して接続応答信号が無線通信機器10により送信される。この結果、ステップS6において、無線通信機器10と無線通信端末20との接続処理が実行される。
また、ステップS4において、接続要求信号に特定の識別信号が含まれない(無線通信端末30および40からの接続要求信号である)場合には、無線通信機器10は、接続応答信号を送信しないので、接続処理が実行されることはない。
そして、ステップS7において、接続許否設定を行うための接続設定画面情報が無線通信機器10により無線通信端末20に送信される。そして、ステップS8において、無線通信端末20の表示部25に接続設定画面が表示される。このステップS8の段階では、図3に示す接続設定画面とは異なり、機器名のリストには無線通信端末20のみが表示されている状態である。
そして、ステップS9において、無線通信端末20、30および40に対して、各々の機器の固有情報(MACアドレスなど)を取得するための機器情報要求信号が無線通信機器10により送信される(Broadcast)。そして、ステップS10において、無線通信機器10に対して、各々の機器の固有情報を含む機器情報応答信号が無線通信端末20、30および40により送信される。これにより、無線通信機器10は、各々の機器の固有情報を取得するとともに、取得した各々の機器の固有情報と接続許可または接続拒否の設定とを関連付けて、各々の機器の接続許否設定を判別することが可能である。
そして、ステップS11において、無線通信端末20に対して、取得した各々の機器の固有情報を含む接続設定画面情報が無線通信機器10により送信される。そして、ステップS12において、図3に示すような、無線通信20の表示部25の接続設定画面が更新されて表示される。これにより、ユーザは、特定の識別情報を有する無線通信端末20を介して、無線通信端末30および40の接続拒否設定を行うことができる。
そして、図3および図4に示すようなユーザによる接続許否設定およびサービス選択設定が行われた後、ステップS13において、ユーザにより設定された設定情報を含む接続設定/サービス選択設定信号が無線通信端末20から無線通信機器10に送信される。そして、ステップS14において、無線通信端末20から送信された接続設定/サービス選択設定信号に基づいて、ユーザによる設定操作が無線通信機器10により受付される。これにより、無線通信機器10および無線通信端末20と、接続許可設定の行われた無線通信端末30とによるローカルエリアのネットワークが構築可能になる。
次に、図7を参照して、上記したサービス提供処理の具体的内容をシーケンス図に基づいて説明する。ここでは、図3および図4で説明した無線通信30の接続許否設定およびサービス選択設定の後に、無線通信端末30と無線通信機器10とが接続される場合について説明する。
まず、ステップS21において、ユーザによる接続操作が無線通信端末30により受付される。そして、ステップS22において、無線通信機器10に対して、接続要求信号が無線通信端末30により送信される。
そして、ステップS23において、受信した接続要求信号が接続許否設定において接続許可されている無線通信端末30からの接続要求信号であるか否かが無線通信機器10により確認される。具体的には、受信した接続要求信号に接続許可された無線通信端末の固有情報が含まれるか否かが無線通信機器10により確認される。この場合には、無線通信端末30は、接続許否設定において接続許可されているので、ステップS24において、無線通信端末30に対して接続応答信号が無線通信機器10により送信される。この結果、ステップS25において、無線通信機器10と無線通信端末30との接続処理が実行される。
また、ステップS23において、受信した接続要求信号が接続許否設定において接続許可されている無線通信端末からの接続要求信号でない(無線通信端末40からの接続要求信号である)場合には、無線通信機器10は、接続応答信号を送信しないので、接続処理が実行されることはない。
そして、ステップS26において、無線通信端末30に対して、図4のサービス選択設定画面において選択されたサービス2、3および5を無線通信端末30において選択させるためのサービス選択画面情報が無線通信機器10により送信される。そして、ステップS27において、テレビジョン装置としての無線通信端末30の表示部35(図1参照)に図5に示すようなサービス選択画面が表示される。
そして、ステップS28において、ユーザによるサービス選択操作が無線通信端末30により受付される。その後、ステップS29において、サービス開始要求信号が無線通信端末30から無線通信機器10に送信されるとともに、ステップS30において、ユーザによるサービス選択操作に対応するサービス情報が無線通信機器10から無線通信端末30に送信される。この結果、ステップS31において、ユーザの選択した所定のサービスがテレビジョン装置としての無線通信端末30の表示部35に表示される。
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、特定の識別情報を有する無線通信端末20からの接続要求信号であると判別した場合には、特定の識別情報を有する無線通信端末20と接続する無線通信機器10(CPU15)を設けることによって、ユーザによる接続許否設定の前には、特定の識別情報を有する無線通信端末20とのみ接続することができる。そして、接続した無線通信端末20に対して、接続した無線通信端末20、無線通信端末30および40との接続許否設定を行うための接続設定画面情報を提供するように無線通信機器10(CPU15)を構成することによって、接続した無線通信端末20を介して、無線通信端末30および40と無線通信機器10との接続許否設定をユーザに行わせることができる。これにより、ユーザによる接続許否設定の後には、特定の識別情報を有する無線通信端末20およびユーザが接続許可の設定を行った無線通信端末30とのみ接続することができるので、ユーザの意図しない無線通信端末40と無線通信機器10とが接続されることを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、無線通信機器10を表示部を有することなく構成する。そして、接続許否設定を行うための接続設定画面情報を、接続した無線通信端末20に対して、無線通信端末20の表示部25に画像として表示可能なように提供するように無線通信機器10(CPU15)を構成する。これにより、表示部を有することのない無線通信機器10であっても、無線通信端末20の表示部25に接続設定画面(図3および図4参照)を表示させることにより、容易に無線通信端末30および40との接続許否設定を行うことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、所定のサービスを提供可能に無線通信機器10を構成する。そして、接続許否設定を行うための設定画面情報に加えて、接続した無線通信端末20および接続許可された無線通信端末30および40に提供する所定のサービスの選択設定を行うための選択設定画面情報を、接続した無線通信端末20に対して無線通信端末20の表示部25に画像として表示可能なように提供するように無線通信機器10(CPU15)を構成する。これにより、接続した無線通信端末20の表示部25に所定のサービスの選択設定画面(図4参照)を表示させることにより、接続した無線通信端末20および接続許可された無線通信端末30に提供する所定のサービスをユーザに容易に選択させることができる。そして、ユーザによる所定のサービスの選択設定の後には、選択設定されたユーザが提供を意図する所定のサービス(図4のサービス2、3および5)のみを提供することができるので、ユーザが意図しないサービス(図4のサービス1および4)が提供されるのを防止することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、接続した無線通信端末20を介して、接続許可された無線通信端末30に提供する所定のサービスの選択設定が行われた場合には、所定のサービスの選択設定が行われた無線通信端末30に対して、選択された所定のサービスのうち、利用する所定のサービスの選択を行うための選択画面情報を提供するように無線通信機器10(CPU15)を構成する。このように構成すれば、所定のサービスの選択設定が行われた無線通信端末30に選択画面(図5参照)を表示させることができるので、表示された選択画面を介して、利用する所定のサービスをユーザに容易に選択させることができる。
(第2実施形態)
次に、図1、図2、図4、図5および図8〜図11を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、上記第1実施形態の構成に加えて、無線通信機器110が無線通信端末20、30および40に対して所定のサービスを提供する際に、各々の無線通信端末の利用できる所定のサービスの数に応じて、無線通信機器110から送信する画面情報を異ならせる例について説明する。
無線通信システム200は、図1および図2に示すように、CPU115を含む無線通信機器110を備えている。なお、図1および図2に示した上記第1実施形態と同一の構成については、同じ符号を付してその説明を省略する。
第2実施形態では、無線通信システム200は、上記第1実施形態と同様に、無線通信機器110から接続した無線通信端末20、および、無線通信端末20を介して接続許可の設定が行われた無線通信端末に対して、複数(5つ)の所定のサービスを提供可能に構成されている。また、無線通信システム200は、無線通信機器110から各々の無線通信端末(無線通信端末20、30および40)に対して所定のサービスを提供する際に、各々の無線通信端末の利用できる所定のサービスに応じて、無線通信機器110から送信する画面情報を異ならせるように構成されている。
具体的には、無線通信システム200は、ユーザにより選択設定された所定のサービスに各々の無線通信端末において利用できないサービスがある場合には、利用できない所定のサービスを無線通信機器110から各々の無線通信端末に対して提供しないように構成されている。より具体的には、無線通信システム200は、ユーザにより選択設定された所定のサービスに各々の無線通信端末において利用できないサービスがある場合には、各々の無線通信端末に対して、利用できないサービスを除いたサービス選択画面情報を無線通信機器110により送信するように構成されている。
また、無線通信システム200は、ユーザにより選択設定された所定のサービスに各々の無線通信端末において利用できるサービスが1つである場合には、サービス選択画面情報を送信することなく、利用できる1つの所定のサービスを直接的に無線通信機器110から各々の無線通信端末に対して送信(提供)するように構成されている。
また、無線通信システム200は、ユーザにより選択設定された所定のサービスに各々の無線通信端末において利用できるサービスがない場合には、利用できる所定のサービスがないことを通知するための通知画面情報を無線通信機器110から各々の無線通信端末に対して送信(提供)するように構成されている。
次に、図8〜図10を参照して、各々の無線通信端末の利用できる所定のサービスに応じて、無線通信機器110から送信する画面情報を異ならせた際の無線通信端末において表示される具体的な画面について説明する。ここでは、図4および図5に示すように、無線通信端末30に対して提供する所定のサービスとして、サービス2、3および5が選択設定された場合を例にとって説明する。
図8では、無線通信端末30に対して提供する所定のサービスとして、サービス2、3および5が選択設定されて、かつ、サービス2が無線通信端末30で利用できない所定のサービスである場合のサービス選択画面を示している。この場合には、図5に示すサービス選択画面とは異なり、サービス2の選択ボタンを除いたサービス選択画面が無線通信端末30の表示部35(図1参照)に表示される。なお、図8では、理解の容易のため、仮想的にサービス2の選択ボタンを破線で示している。
図9では、無線通信端末30に対して提供する所定のサービスとして、サービス2、3および5が選択設定されて、かつ、サービス3のみが無線通信端末30で利用できる所定のサービスである場合のサービス選択画面を示している。この場合には、利用できるサービス3のサービス画面が無線通信端末30の表示部35に表示される。図9では、サービス3が動画再生サービスである場合の動画選択画面を示しており、選択可能な動画に対応する複数のサムネイルが無線通信端末30の表示部35に表示されている。サムネイルとして表示される動画コンテンツは、インターネットを介して無線通信機器110が取得したコンテンツでもよいし、接続した無線通信端末から取得したコンテンツでもよい。
図10では、無線通信端末30に対して提供する所定のサービスとして、サービス2、3および5が選択設定されて、かつ、無線通信端末30で利用できる所定のサービスがない場合のサービス選択画面を示している。この場合には、利用できる所定のサービスがないことをユーザに通知する通知画面が無線通信端末30の表示部35に表示される。
次に、図11を参照して、上記した各々の無線通信端末の利用できる所定のサービスに応じて、無線通信機器110から送信する画面情報を異ならせる際の無線通信機器110のサービス選択画面処理についてフローチャートに基づいて説明する。
まず、ステップS41において、各々の無線通信端末(無線通信端末20、30および40)から利用できるサービス情報が無線通信機器110(CPU115)により取得される。そして、ステップS42において、ユーザによるサービス選択設定と取得した利用できるサービス情報とに基づいて、各々の無線通信端末において利用できるサービスがあるか否かが無線通信機器110により判別される。判別された任意の無線通信端末において利用できるサービスがない場合(図10の場合)には、ステップS43において、利用できるサービスがないことを通知する通知画面情報がその任意の無線通信端末に対して無線通信機器110により送信される。
また、ステップS42において、任意の無線通信端末において利用できるサービスがある場合には、ステップS44において、その任意の無線通信端末において利用できるサービスが1つであるか否かが無線通信機器110により判別される。任意の無線通信端末において利用できるサービスが2つ以上である場合には、ステップS45において、利用できないサービスを除いたサービス選択画面情報がその任意の無線通信端末に対して無線通信機器110により送信される。
また、ステップS44において、任意の無線通信端末において利用できるサービスが1つである場合には、ステップS46において、サービス選択画面情報を送信することなく、利用できる1つのサービスが直接その任意の無線通信端末に対して無線通信機器110により送信される。
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、上記のように、接続した無線通信端末20に対して、接続した無線通信端末20、無線通信端末30および40との接続許否設定を行うための接続設定画面情報を提供するように無線通信機器110(CPU115)を構成することによって、上記第1実施形態と同様に、ユーザの意図しない無線通信端末40と無線通信機器110とが接続されることを抑制することができる。
また、第2実施形態では、上記のように、接続した無線通信端末20を介して、接続許可された無線通信端末30に提供する所定のサービスの選択設定が行われた場合で、かつ、提供する所定のサービスが無線通信端末30で利用できない所定のサービスである場合(図8の場合)には、利用できない所定のサービスを無線通信端末30に提供しないように無線通信機器110(CPU115)を構成する。これにより、無線通信端末30で利用できない不必要な所定のサービス(図8のサービス2)を提供することがないので、無線通信の通信量が増加することをより抑制することができる。また、無線通信端末30で所定のサービスをユーザが利用する際に、利用できない所定のサービスを提供することがないので、ユーザが誤って利用できない所定のサービスを選択してしまうことを防止することができる。これにより、ユーザによる所定のサービスの選択時の利便性を向上させることができる。
また、第2実施形態では、上記のように、接続した無線通信端末20を介して、接続許可された無線通信端末30に提供する所定のサービスの選択設定が行われた場合で、かつ、提供する所定のサービスのうち、無線通信端末30で利用できる所定のサービスが1つである場合(図9の場合)には、選択画面情報を提供することなく、利用できる1つの所定のサービス(図9のサービス3)を直接的に無線通信端末30に提供するように無線通信機器110(CPU115)を構成する。これにより、選択画面による選択を省略することができるので、ユーザによる所定のサービスの選択の手間を省くことができる。これにより、ユーザによる所定のサービスの利用時の利便性を向上させることができる。
また、第2実施形態では、上記のように、接続した無線通信端末20を介して、接続許可された無線通信端末30に提供する所定のサービスの選択設定が行われた場合で、かつ、無線通信端末30で利用できる所定のサービスがない場合(図10の場合)には、利用できる所定のサービスがないことを通知するための通知画面情報を無線通信端末30に提供するように無線通信機器110(CPU115)を構成する。これにより、ユーザは選択設定が行われた所定のサービスのうちに利用できるサービスがないことを容易に知ることができる。
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
次に、図1、図2および図12を参照して、第3実施形態について説明する。この第3実施形態では、無線通信機器10がWPS対応のボタンを押すことにより待受け状態となった上記第1実施形態とは異なり、無線通信機器210が起動完了とともに待受け状態となる例について説明する。
無線通信システム300は、図1および図2に示すように、CPU215を含む無線通信機器210を備えている。なお、図1および図2に示した上記第1および第2実施形態と同一の構成については、同じ符号を付してその説明を省略する。
第3実施形態では、無線通信システム300の無線通信機器210は、ユーザにより電源ボタンを押下されて起動完了になるとともに、接続待受け状態になるように構成されている。すなわち、この第3実施形態では、無線通信機器210は、起動完了後には常時接続を受け付ける状態になっている。
次に、図12を参照して、この第3実施形態の無線通信システム300における接続設定処理をフローチャートに基づいて説明する。なお、図6に示した上記第1実施形態と同一の処理については、同じ符号を付してその説明を省略する。
ステップS1aにおいて、無線通信機器210が起動される。そして、ステップS2aにおいて、ユーザによる接続操作が無線通信端末20により受付される。この場合、ユーザによる接続操作は、WPS対応のボタンの押下以外の操作であってもよい。たとえば、所定のアプリケーションによる接続操作であってもよい。以降の処理については、上記第1実施形態と同様である。
なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第3実施形態では、接続した無線通信端末20に対して、接続した無線通信端末20、無線通信端末30および40との接続許否設定を行うための接続設定画面情報を提供するように無線通信機器210(CPU215)を構成することによって、上記第1実施形態と同様に、ユーザの意図しない無線通信端末40と無線通信機器210とが接続されることを抑制することができる。
また、第3実施形態では、上記のように、ユーザにより電源ボタンを押下されて起動完了になるとともに、接続待受け状態になるように無線通信機器210を構成することによって、WPS対応のボタンを押すことにより待受け状態となる場合とは異なり、無線通信機器210と、無線通信端末20とのボタンを同時期に押す必要がない。したがって、ユーザの無線通信機器210と無線通信端末20との接続の手間を軽減することができる。
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1〜第3実施形態では、無線通信機器10(110、210)と通信可能な無線通信端末として、タブレットPC(無線通信端末20)、テレビジョン装置(無線通信端末30)およびデスクトップPC(無線通信端末40)用いられた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、無線通信機器と通信可能な無線通信端末として、表示部を有することがないプリンタやレコーダなどの無線通信端末が用いられてもよい。この場合には、無線通信機器からサービス選択画面情報を送信することなく、無線通信機器が提供可能な所定のサービスのうち、表示部を有することがないプリンタやレコーダなどの無線通信端末において利用可能な所定のサービスを無線通信機器により直接提供してもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、無線通信機器10(110、210)がアクセスポイントとして機能する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、複数の無線通信機器を備え、複数の無線通信機器同士がP2P(Peer to Peer)方式で接続されるとともに、接続された複数の無線通信機器のうちいずれかがアクセスポイントとして機能するように構成してもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、無線通信機器10(110、210)が5つの所定のサービスを提供した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、無線通信機器が5つ以外の複数または単数の所定のサービスを提供してもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、無線通信機器10(110、210)と2つの無線通信端末20および30とが接続された例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、無線通信機器と2つ以外の複数または単数の無線通信端末とが接続されてもよい。
また、上記第1実施形態では、無線通信システム100において、接続許可の設定が行われる端末を無線通信端末30として、接続許可の設定が行われない端末を無線通信端末40とした例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、接続許可の設定が行われる端末を無線通信端末40として、接続許可の設定が行われない端末を無線通信端末30としてもよい。また、接続許可の設定が行われる端末を無線通信端末30および40としてもよいし、接続許可の設定が行われない端末を無線通信端末30および40としてもよい。
また、上記第1実施形態では、受信した接続要求信号が接続許否設定において接続許可されている無線通信端末からの接続要求信号でない(無線通信端末40からの接続要求信号である)場合には、無線通信機器10は、接続応答信号を送信しないように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、接続拒否の設定が行われている無線通信端末に対して接続拒否を知らせるための接続応答信号を送信してもよい。
また、上記第2実施形態では、ユーザにより選択設定された所定のサービスに各々の無線通信端末(無線通信端末20、30および40)において利用できないサービスがある場合には、利用できない所定のサービスを無線通信機器110から各々の無線通信端末に対して提供しないように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、利用できないサービスがある場合にも、利用できないサービスを含む選択画面情報を無線通信機器から各々の無線通信端末に対して送信(提供)してもよい。
また、上記第2実施形態では、ユーザにより選択設定された所定のサービスに各々の無線通信端末において利用できるサービスがない場合には、利用できる所定のサービスがないことを通知するための通知画面情報を無線通信機器110から各々の無線通信端末に対して送信(提供)するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、利用できる所定のサービスがない場合に、通知画面情報を無線通信機器から各々の無線通信端末に対して送信(提供)しなくともよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、説明の便宜上、本発明の無線通信機器10(110、210)の処理を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートおよびシーケンス図を用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、無線通信機器10(110、210)の処理動作を、イベントごとに処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。