JP6507333B1 - 流し排水部の清掃用具、流し及び流しの清掃方法 - Google Patents
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Abstract
Description
なお、本願発明において洗浄とは、排水部の排水ダクト内に生じるヌメリのある汚れを除去もしくは減少させることを意味する。
また、洗浄による汚れの除去とは、洗浄液で汚れを分解し、その後、水洗いで容易に洗い流すことができる程度にすることを意味する。
また、上方及び下方とは、排水部を流しに取付けた使用状態を基準とし、その上下方向は図2及び図10の上下方向と一致する。左右方向とは上下方向と直交する方向である。
この排水ダクト内には、細菌の繁殖や油脂等によるヌメリのある汚れが付着しやすいため、この汚れを落として清潔にし、衛生的に保つ必要がある。
しかし、この洗浄は、ヌメヌメした排水ダクト内へ手を入れて作業しなければならないため、薄気味悪く不快なものであった。また、洗浄する場所が深くかつ狭いために作業しづらい部分がある等の理由により、洗浄に時間がかかり、かつ汚れが部分的に残ってしまうこともあった。
そこで、できるだけ排水ダクト内へ手を入れることなく容易かつ確実に洗浄することが求められ、そのために、特殊な専用ブラシを用いるもの(特許文献1及び2参照)や、排水中に洗浄剤を常時溶かすようにしたもの(特許文献3参照)などが提案されていた。
上記特許文献2は、排水ダクト内でブラシを回転させて洗浄するので、排水ダクト内へ手を入れてブラシ作業をする必要はなくなるが、ブラシ作業による洗浄のため、やはり排水ダクト内全体の汚れを短時間でムラなく確実に除去することが難しかった。
また、特許文献1及び2ともに、排水ダクトの形状に合わせた特殊形状のブラシを予め作成しなければならないので容易ではなく、仕様により排水ダクトの形状やサイズ等が変化すれば、その都度ブラシを作り直さなければならず、汎用性に乏しいものであった。
そのうえ、防臭トラップの部品やかご等を排水ダクトから取り出して別置きで洗浄しなければならず、同時洗浄ができなかった。
したがって、排水ダクト内においてブラシで汚れをこすり落とすことに代わる洗浄方法が求められた。
上記特許文献3は、排水中の洗浄剤を用いて洗浄するため、ブラシによる作業を不要にできるが、複数の特殊な洗浄剤を用意しなければならない。しかも、排水ダクト内全体に溜まることなく流れ去る排水中に洗浄剤を溶解させるため、汚れを落とすことのできる部分は排水が接触する部分に限られる。しかし、このような排水が十分に接触する部分は、排水ダクト内に収容されているかごや防臭トラップなど一部であり、排水にあまり接触しない部分が多く存在することになる。
このため、排水との接触により洗浄できる部分が限られることになり、排水ダクト内全体をムラなく均一に洗浄することができなかった。しかも、排水が接触する部分であっても、流下する排水が接触する時間は比較的短いから、排水中に溶けた洗浄剤による汚れ落としが不十分になるおそれもあった。
したがって、洗浄剤を用いて排水ダクト内の汚れ全体を、均一にムラなくかつ効率よく確実に洗浄することが望まれた。
流しのシンク(10)下方に設けた排水部(11)の清掃用具において、
前記排水部(11)は、内部に防臭トラップ(14)を設けた排水ダクト(12)と、この下部へ着脱自在に接続する排水ホース(13)とを備え、
前記排水部(11)の排水路(11c)が、前記排水パイプ(21)に設けられた上下に貫通する軸穴からなる排水穴(21b)と前記排水ホース(13)のホース穴(13g)を連通して形成され、
前記清掃用具(30)は、前記排水ダクト(12)内の清掃時にその内部へ洗浄液を充満させるために使用するものであって、
前記排水穴(21b)内へ挿入され、前記排水路(11c)を閉じる栓(31)と、この栓(31)を下端部に設けた柄(32)とを備え、
前記栓(31)で前記排水路(11c)を閉じた前記清掃用具(30)の使用状態で、
洗浄液を、前記排水穴(21b)内を含む前記排水ダクト(12)内全体へ充満可能にすることを特徴とする。
また、栓で排水路を閉じることにより、排水パイプの排水穴を含む排水ダクト内全体に洗浄液を充満させることができる。このため、排水ダクト内全体を洗浄液中に浸漬して所定時間このまま放置するだけで、排水パイプの軸穴を含む排水ダクト内全体の汚れが洗浄液により洗浄される。
前記排水部(11)は、内部に防臭トラップ(14)を設けた排水ダクト(12)と、この下部へ着脱自在に接続する排水ホース(13)とを備え、
前記防臭トラップ(14)は、前記排水ダクト(12)内に設けられた排水パイプ(21)と、この排水パイプ(21)の上方に被せられる防臭キャップ(15)とを備え、
前記排水パイプ(21)に設けられた上下に貫通する排水穴(21b)と前記排水ホース(13)のホース穴(13g)で前記排水部(11)の排水路(11c)が形成された流しにおいて、
前記排水ダクト(12)内の清掃時に、前記排水路(11c)を閉じる清掃用具(30)を備え、
この清掃用具(30)は、前記排水パイプ(21)の前記排水穴(21b)内へ挿入されて前記排水路(11c)を閉じる栓(31)と、
この栓(31)を下端部に設けた柄(32)とを備え、
前記栓(31)で前記排水路(11c)を閉じたとき、前記排水パイプ(21)の前記排水穴(21b)内を含む前記排水ダクト(12)の内部全体に洗浄液を充満させることができるようにしたことを特徴とする。
シンク(10)と、その下方に設けた排水部(11)とを備え、
前記排水部(11)は、内部に防臭トラップ(14)を設けた排水ダクト(12)と、この下部へ着脱自在に接続する排水ホース(13)とを備え、
前記防臭トラップ(14)は、前記排水ダクト(12)内に設けられた排水パイプ(21)と、この排水パイプ(21)の上方に被せられる防臭キャップ(15)とを備え、
前記排水パイプ(21)に設けられた排水穴(21b)と前記排水ホース(13)のホース穴(13g)で前記排水部11の排水路(11c)が形成された流しの清掃方法において、
前記排水路(11c)を閉じる栓(31)と、この栓(31)を下端部に設けた柄(32)とを備えた清掃用具(30)を用い、
前記防臭キャップ(15)が外された前記排水パイプ(21)の前記排水穴(21b)内へ、前記栓(31)を挿入して前記排水路(11c)を閉じ、
前記排水パイプ(21)の排水穴(21b)内へ洗浄液を入れ、
さらに、前記排水パイプ(21)の排水穴(21b)周囲における前記排水ダクト(12)内へ洗浄液を入れ、
この状態で所定時間放置することにより、前記排水穴(21b)内を含む前記排水ダクト(12)内を洗浄することを特徴とする。
また、栓により排水路を閉じるため、排水穴内を含む排水ダクト内全体に洗浄液を充満させることができ、その後、排水ダクト内全体を洗浄液中に浸漬して所定時間このままに放置するだけで、排水パイプの排水穴内を含む排水ダクト内全体の汚れを洗浄液により洗浄できる。したがって、ブラシで洗浄するときのように、排水ダクト内へ手を入れて洗浄作業をする必要がないので、作業が快適かつ容易になる。
また、洗浄液で排水ダクト内の汚れ全体を、均一にムラなくかつ効率よく確実に洗浄することができる。
排水部11は、大径の筒状部材である排水ダクト12と、これより小径の排水ホース13を備える。
排水ダクト12の上端部はシンク10の底部10aに接続し、内部下方には防臭トラップ(後述)が設けられている。
排水ホース13の上端部は排水ダクト12の底部へ接続し、下端部は床下へ延びている。
図3にも示すように、排水ダクト12は、上方へ開放された大きな上部開口を有する有底筒状のプラスチック製部材である。大きな上部開口は、排水ダクト12の上端部に設けられている。この排水ダクト12の外形部を特にダクト本体部20とする。
排水ホース13の下端部は床11aの排水キャップ11bを貫通し、床下の下水配管(図示省略)へ接続している。
シンク10内の排水は、排水ダクト12から排水ホース13を通り、床下へ流れる。
防臭トラップ14は、ダクト本体20の内側へ一体に設けられた排水パイプ21と、その上端21aに被せられる防臭キャップ15とを備える。
排水ダクト12は、これらの構成部品(防臭キャップ15、かご16、ゴムキャップ17及び密閉蓋18)を排水ダクト12内へ収容して組立てた図2の使用状態で使用される。但し、密閉蓋18は、流しの通常使用時に排水ダクト12から外されて別置きされ、不使用時のみに用いられる部材である。
まず、排水ダクト12を詳細に説明する。
排水ダクト12のダクト本体20は、下部側に段部22が設けられ、この段部22より下方が小径部24をなし、その底部25は排水パイプ21に連続している。
ダクト本体20における段部22より上方部分の内径は大きな上部開口の開口径にほぼ同じく、小径部24の内径は段部22の内方突出分だけ小さくなっている。
排水パイプ21は排水ダクト12の内側に底部25と一体に設けられたパイプ状部材であり、排水ダクト12の軸心に沿って上下方向へ延びている。
排水パイプ21の下部は底部25の下方へ若干量突出している。
排水パイプ21には上下に貫通する軸穴からなる排水穴21bが設けられ、この排水穴21bが排水ダクト12の排水口をなし、上下端部は開放されている。この排水穴21bは、排水ホース13のホース穴13gとともに排水部11の排水路11cになっている。排水穴21bの穴径(後述のD1)は小径部24の内径より小さくなっている。
この図に示すように、排水パイプ21の下端部は排水ダクト12の底部25から下方へ突出する突部21dをなし、この下端が排水パイプ21の下端21cになっている。排水パイプ21の下端21cには、排水穴21bの下端が開口し、これが排水ダクト12の排水口になっている。
突部21dの外周部には雄ネジ21eが形成され、ここにナット13aが締結されるようになっている。
拡大部13bの一部は雌ネジ13cより中心方向へ張り出す段差部13dをなす。段差部13dはさらにテーパー部13eを介して排水ホース13の一般部13f(拡大部13bより下方の部分)に接続している。
一般部13fの内径D3はさらに小さくなっている(D1>D2>D3)。
ホース穴13gの内径は比較的細径のD3であり、テーパー部13eを介して比較的大径(内径D1)の排水穴21bへ連通している。
防臭キャップ15は天井部15aを有する下向きに開放された略カップ状をなすプラスチック製の部材であり、排水パイプ21の外側を囲む筒状部15bが天井部15aと一体に設けられている。
筒状部15bの上部にはキャップ側突起15dが径方向外方へ突出して設けられている。
筒状部15bの内径は排水パイプ21の外径よりも大きく、外径は小径部24の内径よりも小さい。
フランジ16aは、本願発明におけるかご16の上端部に相当し、網で構成された筒状の本体部16bの上端部に形成されている。
ゴムキャップ17は 菊割れふたとも称され、複数の可動膜弁17bが放射状に形成され、大きな固形物がかご16内へ落下することを防いでいる。
なお、ゴムキャップ17はゴム製でなく、金属製の網で構成される場合もある。
図4は防臭キャップ15等の収容部品を取り去った状態で排水ダクト12内を斜め上方から示す図である。
ダクト本体20の内面20aには、排水パイプ21の上端21aとほぼ同じ高さに段部22が形成され、この段部22から上方へ若干離れた位置にダクト側突起23が形成されている。
キャップ側突起15dがダクト側突起23の下に嵌合すると、段部22上に固定されて防臭キャップ15が浮き上がりを阻止され、排水ダクト12による固定状態になる。
ダクト側突起23に対応して、防臭キャップ15にはキャップ側突起15dが段部22に沿って周方向へ適当間隔で複数個(本例では120°間隔で3個)設けられている。
図5の実線で示す状態は、キャップ側突起15dが段部22上へ乗り、防臭キャップ15が排水ダクト12に支持された状態である。但し、キャップ側突起15dが、ダクト側突起23へ重ならないように周方向へずらされている非固定状態を示す。
逆に、固定状態の防臭キャップ15を、反時計回り方向へ回動させれば、キャップ側突起15dが段部22と重ならない位置へ移動して、非固定状態になる。
筒状部15bは、排水ダクト12の小径部24と排水パイプ21との間を上下方向に延び、下端部15eと底部25との間にも若干の間隙が形成される。
図6は、第1実施例に係る清掃用具30の斜視図、図7はその断面図である。これらに示すように、清掃用具30は、栓31と、この栓31を下端部に固定した柄32を備える。
柄32の上端部にはハンドル33が設けられ、柄32の長さ方向中間部にはセンタリング部材34が設けられている。
栓31は略円錐台状の形状をなし、上面31aは外径がD4なる大径部をなす。下面31bは外径がD5なる小径部をなす(D4>D5;図7参照)。側面31cは下方が中心方向へ向かって傾斜するテーパー面をなす。D4は栓31における最大外径部、D5は最小外径部である。栓31で閉じる排水路11cの詳細については後述する。
なお、ネジ35aをタッピングネジにすればナット35bを省略できる。また、打ち込みピンに代えれば、ネジ35a及びナット35bを省略して固定できる。
また、カラー35の上部と、柄32の下部とをネジ結合にすれば、長さ調整が容易になる。
このようにすると、栓31と柄32を分離可能とし、かつ栓31から柄32の上端までの全長を変化可能になる。
また、清掃用具30の全長を変化可能にすることにより、排水部11の構造変化に応じて、閉止する排水路11cの長さが変化しても、栓31が最適位置で排水路11cを閉止できるように、全長を調整できる。
本例における柄32は比較的細径で中実のステンレス棒であり、その上端部に上部ボス36が外嵌され、これと柄32を軸直交方向へ貫通する丸棒状のハンドル33により連結一体化されている。
但し、上部ボス36の上端部形状は平面状等任意である。しかし、防臭キャップ15の天井部15a下面に対する接触面積をできるだけ少なくできる形状が好ましい。また、上部ボス36を省略してハンドル33を直接柄32の上端部へ取付けてもよい。
すなわち、突出量Aは、上端36aが防臭キャップ15の天井部15a下面へ点接触し、同時にキャップ側突起15dが段部22から所定量Bだけ離れるように防臭キャップ15を持ち上げ、さらに防臭キャップ15がかご16を所定量Cだけ持ち上げることができる量である。
また、所定量Cはフランジ16aがフランジ凹部27aから浮き上がって非接触になり、フランジ16aとフランジ凹部27aの間に洗浄液50が入り込むことができる程度であれば、その大きさは任意である。
また、洗浄後に、清掃用具30を取り外すとき、専用の取り出し工具(後述)で引き出す部分でもある。ハンドル33の大きさや形状は、指で持ちやすい程度であれば良く、長さは、防臭キャップ15内へ収容可能な程度である。
なお、本例の柄32は比較的短いので、センタリング部材34は必ずしも設ける必要がなく、省略可能である
図2の状態において、排水ダクト12から、密閉蓋18、ゴムキャップ17、かご16を取り出す。
さらに、防臭キャップ15を取り出す。これにより、排水パイプ21の上端開口が露出する。
この密栓状態は、図10における栓31近傍部を拡大した図11に示すように、栓31の側面31cがテーパー部13eに密接し、排水穴21bとホース穴13gとの接続部となる排水路11cを閉じる。
また、図2及び図7に示すように、栓31の大きい方の外径D4は、D1>D4>D2であり、小さい方の外径D5は、D3>D5である。(D1>D4>D2>D3>D5)
このとき、栓31の側面31cはテーパー部13eとテーパー接合するので、密栓構造はより強固な液密状態になる。また、栓31をただ押し込むだけでも、正確な閉止位置へ確実に位置決め固定される。
洗浄液が液状の濃縮洗浄剤を希釈して調整されるものである場合は、予め排水ダクト12及びシンク10内へ充填されている水(水道水)へ濃縮洗浄剤を加えて指定された濃度に希釈する。
また、粉又は粒体もしくは錠剤等の固体からなる洗浄剤を添加して調整する場合には、これらの所定量を、排水ダクト12(及びシンク10)内に予め充填されている水へ添加する。
このとき、防臭キャップ15の開口を上向きにして洗浄液50中に入れ、液中で矢示dのように防臭キャップ15反転させながら開口を下向きにすると、防臭キャップ15内に空気溜まりが形成されず、防臭キャップ15内全体が洗浄液50中に浸漬される。このため、防臭キャップ15の内外全体が洗浄液50で洗浄される。
このとき、防臭キャップ15はキャップ側突起15dがダクト側突起23と段部22との間に嵌合せず、所定量Bだけ上方へ離れた状態になり、段部22及びダクト側突起23に密接しない。このため、キャップ側突起15dを洗浄液50中に浮かせておくことができ、キャップ側突起15dは洗浄液50で効果的に洗浄されるようになる。
逆に、かご16は、防臭キャップ15を介して、清掃用具30により所定量C(図10)だけ押し上げられる。
なお、図13は図10におけるフランジ27と、フランジ16a、パッキン部17a及び外周部18aの近傍部を拡大した図である。
図13中の符号19bはナット19の内周に形成された雌ネジ、27bはフランジ27の外周部に形成された雄ネジである。
この状態で、所定時間(例えば、一晩)放置し、洗浄液50により洗浄をおこなう。
翌日、防臭キャップ15、かご16、ゴムキャップ17及び密閉蓋18を取り出し、シンクの底部10a上へ置く。
すると、排水路11cを開放する状態となり、シンク10及び排水ダクト12内の洗浄液50は封止液26aを除き、排水ホース13から排水される。
なお、清掃用具30も清水をかけて洗浄液50を流してから、所定位置へ別置きで収納する。
しかも、洗浄液50を排水ダクト12に充満する量でほぼ済ませるので、洗浄液50の使用量を節約できる。
これにより、かご16のフランジ16aは僅かにシンク内へ突出することになる。さらにゴムキャップ17のパッキン部17aも一部がかご16のフランジ16aから突出量Dだけ離される。
また、ゴムキャップ17もパッキン部17aの一部が、排水ダクト12のフランジ凹部27aと非接触になるので、やはり洗浄液50による洗浄が可能になる。
したがって、これらの突出部分を浸漬できるように洗浄液50をシンク10内へ入れても、シンク10の底部10aから洗浄液50の液面Hまでの高さEは僅かである。このため、洗浄液50の使用量は僅かで済み、洗浄液の使用量を節約できる。
この図14のAに示すように、洗浄後に排水パイプ21から清掃用具30を取り出すには、取り出し工具40を用いる。
このとき、取り出し工具40の長さを、ハンドル33から液面Hまでの長さより大きくなるように予め設定しておくことにより、殆ど洗浄液中へ手を入れずに清掃用具30を取り出すことができる。
腕部41の下端部41aは若干幅広になっている拡大部であり、ここに上下方向に長い長穴42が形成されている。
対向する腕部41は、双方を相手側へ向かって押すことによりに湾曲部40aを弾性変形させて互いに接近させることができ、そのときの間隔は、左右に突出するハンドル33の全長より狭くなり、ハンドル33の左右に突出する各先端が長穴42へ入って係合するようになっている。
したがって、中立状態の取り出し工具40を排水ダクト12内へ下方に向かって差し込み、左右の腕部41の長穴42をハンドル33の左右各先端の外側に位置させる。続いて、両腕部41を矢示gのように、互いに接近する方向へ押し込むと、ハンドル33の各先端が長穴42内へ入って係合する。そこでこのまま取り出し工具40を引き上げると、清掃用具30を一緒に引き上げることができる。
この例では、取り出し工具40Aは、非トング状の部材であり、握り部43、ロッド44、筒部45を一体に備えている。
この取り出し工具40Aの握り部43から下方へ延びるロッド44の下端には、筒部45が取付けられている。筒部45は下方へ開放された筒状部材であり、天井45aと筒壁45bを有する。
筒壁45bの下部には、係合溝46が形成されている。この係合溝46は、筒壁45bの図では見えない反対側位置にも対称に形成されている。
この構成によれば、ハンドル33が筒部45と係合状態を維持するために力を加え続ける必要(例えば、トング状の場合において両腕部41を接近方向へ押さえ続ける必要)がないので、作業が容易になる。
この例では、取り出し工具40Bは、手で握るロッド47と、その下端に設けられたフック形状の係合部48を一体に備える部材である。
柄32Aは、柄32を上方へ長く延長したものに相当し、その長さは、栓31の密栓時に、握り37がシンク10内の液面Hより上方へ突出するように設定されている。
この状態で排水ダクト12内へ洗浄液50を入れ、底部10a上の防臭キャップ15、かご16、ゴムキャップ17、密閉蓋18が浸漬されるように、底部10aからの液面Hの高さEを調整する。このEは、図10におけるものよりも大きくなっている。
この浸漬状態で、所定時間(例えば、一晩)放置すると、シンク10内の防臭キャップ15、かご16、ゴムキャップ17及び密閉蓋18や、排水ダクト12内が洗浄液50により洗浄される。
このようにすれば、洗浄液50中へ手を入れることなく、清掃用具30Aを簡単に着脱できるので、清掃作業が迅速かつ容易になる。
以下、清掃用具30Bについては、図6に示す清掃用具30に対して、相違部分を主にして説明し、共通部は同一符号を用いる。
また、排水ダクト12内の水道水中へ、上方より濃縮された洗浄剤の原液を、例えば、ボトルキャップ52で1杯分注ぐ。
なお、排水穴21b内の比較的濃い洗浄液は、天井部34aにより周囲の比較的薄い洗浄液と隔てられるため、比較的薄い洗浄液による希釈がゆっくりしたものになり、濃い濃度をある程度の長時間にわたり保持できる。
また、洗浄剤として液体ではなく、粉体、粒体又は錠剤状の固形物などの固体を用いることもできる。
さらに、このような洗浄液に濃度差を設けることは、前第1及び第2実施例についても適用可能である。
例えば、洗浄時における排水ダクト12の収容物は、少なくとも、防臭キャップ15と、かご16であればよい。ゴムキャップ17及び密閉蓋18は任意である。
図21は、ホース穴13gの穴径が排水穴21bの穴径と等しい場合を示す。このように、排水ホース13が比較的太い場合でも、本願発明を適用可能である。
なお、ホース穴13gの穴径が排水穴21bの穴径よりも大きい場合でも本願発明を適用可能である。
また、清掃用具30の長さを比較的短くし、防臭トラップ14より上方へ突出する長さを所定長さAとすることにより、防臭トラップ14の部品や少なくともかご16を排水ダクト12内へ収容して同時洗浄できる流しが得られる。
Claims (3)
- 流しのシンク(10)下方に設けた排水部(11)の清掃用具において、
前記排水部(11)は、内部に防臭トラップ(14)を設けた排水ダクト(12)と、この下部へ着脱自在に接続する排水ホース(13)とを備え、
前記防臭トラップ(14)は、前記排水ダクト(12)内に設けられた排水パイプ(21)と、この排水パイプ(21)の上方に被せられる防臭キャップ(15)とを備え、
前記排水パイプ(21)に設けられた上下に貫通する軸穴からなる排水穴(21b)と前記排水ホース(13)のホース穴(13g)を連通して前記排水部(11)の排水路(11c)が形成され、
前記清掃用具(30)は、前記排水ダクト(12)内の清掃時にその内部へ洗浄液を充満させるために使用するものであって、
前記排水穴(21b)内へ挿入され、前記排水路(11c)を閉じる栓(31)と、この栓(31)を下端部に設けた柄(32)とを備え、
前記栓(31)を前記排水穴(21b)内へ挿入して前記排水路(11c)を閉じた前記清掃用具(30)の使用状態で、
洗浄液を、前記排水穴(21b)内を含む前記排水ダクト(12)内全体へ充満可能にすることを特徴とする流し排水部の清掃用具。 - 上記請求項1に記載された清掃用具(30)を用いて清掃される流しであって、
シンク(10)と、その下方に設けた排水部(11)と、この排水部の排水路(11c)を閉じる前記清掃用具(30)とを備え、
前記排水部(11)は、内部に防臭トラップ(14)を設けた排水ダクト(12)と、この下部へ着脱自在に接続する排水ホース(13)とを備え、
前記防臭トラップ(14)は、前記排水ダクト(12)内に設けられた排水パイプ(21)と、この排水パイプ(21)の上方に被せられる防臭キャップ(15)とを備え、
前記排水パイプ(21)に設けられた上下に貫通する軸穴からなる排水穴(21b)と前記排水ホース(13)のホース穴(13g)で前記排水部(11)の排水路(11c)が形成された流しにおいて、
前記清掃用具(30)の栓(31)を前記排水穴(21b)内へ挿入して前記排水路(11c)を閉じたとき、
洗浄液が、前記排水パイプ(21)の前記排水穴(21b)内を含む前記排水ダクト(12)の内部全体に充満することを特徴とする流し。 - シンク(10)と、その下方に設けた排水部(11)とを備え、
前記排水部(11)は、内部に防臭トラップ(14)を設けた排水ダクト(12)と、この下部へ着脱自在に接続する排水ホース(13)とを備え、
前記防臭トラップ(14)は、前記排水ダクト(12)内に設けられた排水パイプ(21)と、この排水パイプ(21)の上方に被せられる防臭キャップ(15)とを備え、
前記排水パイプ(21)に設けられた上下に貫通する軸穴からなる排水穴(21b)と前記排水ホース(13)のホース穴(13g)で前記排水部11の排水路(11c)が形成された流しの清掃方法において、
前記排水路(11c)を閉じる栓(31)と、この栓(31)を下端部に設けた柄(32)とを備えた清掃用具(30)を用い、
前記防臭キャップ(15)が外された前記排水パイプ(21)の前記排水穴(21b)内へ、前記栓(31)を挿入して前記排水路(11c)を閉じ、
前記排水穴(21b)内へ洗浄液を入れ、
さらに、前記排水パイプ(21)の排水穴(21b)周囲における前記排水ダクト(12)内へ洗浄液を入れ、この状態で所定時間放置することにより、前記排水穴(21b)内を含む前記排水ダクト(12)内を洗浄することを特徴とする流しの清掃方法。
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