JP6506565B2 - 受電装置、送電装置、制御方法、及びプログラム - Google Patents

受電装置、送電装置、制御方法、及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は無線電力伝送技術に関する。
無線で電力を送信する送電装置と、送電装置から供給された電力を受電する受電装置とを含み、送電装置から受電装置への無線電力伝送が行われる無線電力伝送システムが知られている。無線電力伝送の方式は、大まかに電磁誘導方式、マイクロ波伝送方式、磁界共鳴方式の3つの方式を含む。
電磁誘導方式は、送電側コイルに電流が流されることにより発生する磁束に受電コイルを貫かせることによって、受電コイルに誘導電流を流すことを基本原理とする。このため、電磁誘導方式では、一般に、送電コイルと受電コイルとの位置を調整し、送電コイルで発生させた磁束がなるべく有効に受電コイルを貫くように位置が調整される。
マイクロ波伝送方式は、送電装置がアンテナで空中に無線電力を放出し、受電装置のアンテナでその電力を受電する。マイクロ波伝送方式では、空中での損失が大きくなるため、一般に、アンテナの指向性を高くして、特定の方向に向けた電力伝送が行われる。
磁界共鳴方式では、送電側装置と受電側装置とが同じ周波数で共鳴することにより、電力伝送が行われる。磁界共鳴方式では、送電側装置と受電側装置とが同じ周波数で共鳴(共振)しなければ、(少なくとも十分な電力での)電力伝送を行うことができない。特許文献1及び特許文献2は、これを利用して、送電装置が共鳴(共振)周波数を変更することで、複数の受電装置のうちのいずれかを送電対象として選択して送電する方法が記載されている。なお、磁界共鳴方式の場合、送電装置の近傍において、送電側装置と受電側装置とが同じ周波数で共鳴すれば足りるため、電磁誘導方式に比べ位置精度に敏感でなく、かつ、マイクロ波のように狙った方向のみ伝送効率が高くなるとは限らない。
磁界共鳴方式の無線電力伝送システムは、共振周波数が異なると共に共鳴する周波数帯域幅が狭い場合に、複数の受電装置に対して選択的に電力伝送する方法として有効である。磁界共鳴方式の送受電の伝送効率は、送電回路と送電アンテナのインピーダンス間の結合係数ki、アンテナ間の距離や大きさ等に影響を受けるアンテナ間の無負荷時の結合係数ku、及び受電アンテナと受電回路のインピーダンス間の結合係数koに依存する。
最大の伝送効率は、ku≧√(ki×ko)となるときに得られ、特にku=√(ki×ko)の時、アンテナ間の共振周波数はアンテナ単体の共振周波数f0と一致する。この状態を臨界結合と呼ぶ。ここで送受電アンテナ間の距離が近く、ku>√(ki×ko)となる時は、アンテナ単体の共振周波数f0のより低い周波数と高い周波数の、2つの送受電アンテナ間の共振周波数が生じることとなる。この状態を密結合と呼ぶ。一方、送受電アンテナ間の距離が遠く、ku<√(ki×ko)となる時は、送受電アンテナの共振点(共振周波数)は臨界結合と同じであるが、結合効率が低下する。この状態を疎結合と呼ぶ。
特開2010−063245号公報 特表2012−518381号公報
密結合、臨界結合、疎結合の場合の、結合効率と周波数の関係を図7(A)及び(B)に模式的に示す。なお、実際の使用環境では、図8に示すように、臨界結合より若干密結合にすることによって、受電装置の内蔵アンテナまでの距離が多少ずれても効率が下がらないように調整することができ、これにより効率を維持することができる。しかしながら、図8のような調整がされている場合、アンテナ間の伝送効率が高い周波数帯域が広いため、広い周波数帯域で共鳴してしまう。
このような場合、第1の送電装置から第1の受電装置へ電力伝送中に、その近くで第2の送電装置からの第2の受電装置への電力伝送が開始されると、送電装置が送電した電力が、電力伝送の本来の相手装置である受電装置ではない装置に受電されうる。すなわち、第1の送電装置から送電された電力が第2の受電装置によって受電され、第2の送電装置から送電された電力が第1の受電装置によって受電されうる。このような場合、本来意図した送受電ができなくなるおそれがあった。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、送電された電力が、送電の対象となる装置と異なる装置において受電されることを防ぐ技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明による受電装置は、第1の電力伝送方式と第2の電力伝送方式を含む2つ以上の電力伝送方式に対応、前記2つ以上の電力伝送方式のいずれかを用いて送電装置から無線で受電を行う受電手段と、前記送電装置と異なる他の送電装置による無線での送電を検出する検出手段と、前記受電手段を制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記第1の電力伝送方式を用いた前記送電装置と前記受電に関する処理が行われている間に前記第1の電力伝送方式を用いた前記他の送電装置による送電が前記検出手段により検出されたことに基づいて、前記第2の電力伝送方式を用いて受電を行うように前記受電手段を制御する。
本発明によれば、送電された電力が、送電の対象となる装置と異なる装置において受電されることを防ぐことができる。
無線電力伝送システムの構成例を示す図。 無線電力伝送システムにおける送電の様子を示すシーケンス図。 受電装置の構成例を示すブロック図。 受電装置の動作の例を示すフローチャート。 送電装置の構成例を示すブロック図。 送電装置の動作の例を示すフローチャート。 磁界共鳴方式における3つの結合状態を説明する図。 磁界共鳴方式において調整された結合状態を示す図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(無線電力伝送システムの構成)
図1に、本実施形態に係る無線電力伝送システムの構成例を示す。なお、本実施形態に係る無線電力伝送システムは、磁界共鳴方式を用いて無線電力伝送を行うものとする。図1において、1組の送電装置102と受電装置112との間で無線電力伝送が行われ、その近傍で、別の送電装置101と受電装置111とが無線電力伝送を開始しようとしているものとする。
この場合、送電装置102の送電電力が、送電装置102の無線電力伝送の相手装置である受電装置112とは異なる受電装置111において受電されうる。また、逆に、送電装置101の送電電力が、送電装置101の無線電力伝送の相手装置である受電装置111とは異なる受電装置112において受電されうる。したがって、受電装置111又は受電装置112は、予期しない電力(以下、「予定外電力」と呼ぶ。)を受電しうる。
ここで、一般的な電力伝送の送電シーケンスを図2(A)に示す。図2(A)では、横軸は時間経過を示し、縦方向は送電装置の消費電力を示している。送電装置101は、受電装置111の載置を検出するため、一定周期で間欠的に載置確認用電力(201−1、201−2、201−3)を送出する。載置確認用電力は、載置される受電装置がない場合、ほとんど消費されずに反射電力となる。ここで、ポイントAにおいて受電装置111が載置されたとすると、受電装置111内で電力が消費されるなどの理由により、送電期間内のインピーダンスが変化する。送電装置101は、このインピーダンスの変化量や反射電力の変化、さらには送電電力の消費電力等を検出することにより、受電装置111が載置されたかを判定することができる(201−3)。送電装置101は、受電装置111が送電装置101上に載置された事を検出すると、認証用電力202を受電装置111に送電し、認証が完了すると本格送電203を開始する。
一方、受電装置111は、送受電の相手装置である送電装置101とは異なる他の送電装置102が送電装置101の近傍にある場合、送電装置101からの載置確認用電力とともに、送電装置102が受電装置112へ送電している電力の一部を受電する。この場合の、受電装置111が検出可能な電力の様子を図2(B)に示す。図2(B)では、図2(A)の各電力に加えて、送電装置102から受電装置112へ送電された電力(204)が、受電装置111によって検出可能な状態となる。なお、この送電装置102から受電装置112へ送電された電力は、受電装置111にとっては予定外電力である。
受電装置111が、この予定外電力と無線電力伝送の相手装置である送電装置101から送電された電力とを同時に受電する場合、その合成電力は、不安定となりうる。さらに、送電装置101と送電装置102との間で、送電電力に差がある場合、受電装置111又は受電装置112のうち、本来受電すべき受電電力が小さい装置が、予定外電力の受電により破壊される可能性すらある。
一方、送電装置101又は送電装置102では、予期しない余計な電力が送電される場合、異物への送電と判断して、送電を止めてしまう可能性がある。すなわち、無線電力伝送を実行中だった送電装置102及び受電装置112は、自動的に無線電力伝送を中止することになりうる。
ここで、特許文献1及び特許文献2のように、周波数帯を変えて送受電する相手を特定する場合、臨界結合から疎結合になる範囲で伝送効率を犠牲にするか、臨界結合から密結合寄りに調整して非常に大きく周波数を変更するか、のいずれかとなってしまう。しかしながら、この大きく周波数を変更することは、法規規制上、困難である場合がある。
これに対して、本実施形態に係る受電装置111は、それぞれが別の無線電力伝送方式に対応する少なくとも2つの受電部を有し、自身の無線電力伝送の相手装置である送電装置101と異なる送電装置を検出した場合に、無線電力伝送方式を切り替える。
無線電力伝送方式は、例えば、Wireless Power Consorsium(WPC)、Power Matter Alliance(PMA)又はAlliance For Wireless Power(A4WP)の規格準拠の方式である。なお、WPCとPMAは100〜200KHz帯で主に電磁誘導方式を用いた無線電力伝送方式の規格であり、A4WPは6.78MHzで磁界共鳴方式を用いた無線電力伝送方式の規格である。受電装置111及び送電装置101は、例えばこれらの無線電力伝送方式のうち、少なくとも2つに対応するものとする。
また、図2(B)に示すように、送電装置101からの載置確認用電力は一定周期で間欠的であるため、載置確認用電力がない期間(間欠期間201S)では、受電装置111は、送電装置102から送出された予定外電力204のみを受電しうる。したがって、受電装置111は、この間欠期間201Sの予定外電力204を検出することによって、自身の無線電力伝送の相手装置である送電装置101と異なり、かつ、近傍に配置されている送電装置102の存在を知ることができる。
以下では、このような送電装置101及び受電装置111について、その構成及び動作について説明する。
(受電装置の構成)
図3に、受電装置111の構成例を示す。受電装置111は、例えば、その構成として、第1受電部301、切替部302、第2受電部303、予定外電力検出部304、通信部305及びCPU306を有する。例えば、第1受電部301が磁界共鳴方式に対応すると共に第2受電部303が電磁誘導方式に対応し、受電装置111は、第1受電部301と第2受電部303とのいずれかを用いて、送電装置101から送電された電力を受電する。切替部302は、送電装置101が送電した電力を受電するために、第1受電部301と第2受電部303とのいずれを用いるかを切り替える制御を行う。予定外電力検出部304は、上述のように、間欠期間201Sの予定外電力204を検出する。すなわち、予定外電力検出部304は、例えば、第1受電部301と第2受電部303とのうち、受電処理に用いられている受電部で、間欠期間201Sにおいて予定外電力が受電されるかを監視する。通信部305は、無線電力伝送の相手装置(送電装置101)との通信を行う。CPU306は、例えば不図示のメモリ(RAM若しくはROM)又は他の記憶装置に記憶されたプログラムに基づいて、受電装置111の各機能を制御する。なお、CPU306は、「CPU」と記載しているが、これ以外の1つ以上のプロセッサで置き換えられてもよい。
CPU306は、予定外電力検出部304が予定外電力を検出すると、送電装置101へ方式対応確認信号を送信するように、通信部305を制御する。この方式対応確認信号には、例えば、受電装置111が第1受電部301を用いて電力の受電を行っている場合、第2受電部303の無線電力伝送方式と周波数の情報が含まれる。また、方式対応確認信号には、例えば、受電装置111が第2受電部303を用いて電力の受電を行っている場合、第1受電部301の無線電力伝送方式と周波数の情報が含まれる。そして、通信部305は、送電装置101からの応答を受信し、CPU306は、その応答によって、送電装置101が方式対応確認信号で指定された無線電力伝送方式と周波数に対応しているかを判定する。そして、CPU306は、送電装置101が方式対応確認信号で指定された無線電力伝送方式と周波数に対応している場合、無線電力伝送方式を切り替えるように、切替部302を制御する。すなわち、CPU306は、受電装置111が第1受電部301を用いて電力の受電を行っている場合は、第2受電部303を用いるように、切替部302を制御する。また、CPU306は、受電装置111が第2受電部303を用いて電力の受電を行っている場合は、第1受電部301を用いるように、切替部302を制御する。そして、受電装置111は、受電部の切り替え後、送電装置101によって送電の開始処理が行われるのを待ち受ける。送電装置101は、上述の方式対応確認信号を受信すると、その方式対応確認信号で指定された無線電力伝送方式と周波数での電力伝送を実行するように、無線電力伝送方式を切り替え、切り替え後の無線電力伝送方式での送電開始処理を行う。この送電開始処理が完了すると、受電装置111は、切り替えた後の無線電力伝送方式での電力の受電を開始する。なお、切り替え前の無線電力伝送方式の方が大電力又は高効率での受電が可能である場合等では、例えば周期的にその切り替え前の方式に切り替えなおして、予定外電力が検出されなければその切り替え前の方式での受電を行うようにしてもよい。
(受電装置の処理の流れ)
図4に、受電装置111が実行する処理の流れの例を示す。受電装置111は、例えば、スイッチの押下、送電装置への載置などによって、図4の処理を開始する。以下では、受電装置111が、第1受電部301及び第2受電部303の2つの受電部を有する場合の処理について説明するが、これに限られない。すなわち、受電装置111は、少なくとも2つの受電部を有していればよく、3つ以上の受電部を有していてもよい。
受電装置111は、まず、自身が対応している複数の無線伝送方式にそれぞれ対応する複数の受電部(第1受電部301及び第2受電部303)の中から、最大受電量や効率等の条件に基づいて、第1受電部301を選択する(S401)。そして、受電装置111は、受電処理を実行中に、予定外電力検出部304において、予定外電力の有無を監視する(S402)。なお、予定外電力検出部304は、上述のように、使用中の受電部(ここでは第1受電部301)が載置確認用電力の間欠期間201Sに予定外電力を受電したかを監視する。
そして、予定外電力検出部304が予定外電力を検出した場合(S402でYES)、現在選択されている受電部が、第1受電部であるか確認する(S408)。なお、S408の確認は、図4の処理が開始されてから選択されていない受電部が存在するかの確認である。すなわち、ここでは、受電装置111が、第1受電部301と第2受電部303とを有し、初期的に第1受電部301が選択されていることを前提に、第1受電部が選択されているか(第2受電部が選択されていないか)を判定している。このため、3つ以上の受電部を有する場合は、S408の判定は、図4の処理開始後に選択されていない受電部があるかの判定と置き換えられてもよい。
受電装置111は、選択されている受電部が第1受電部である場合(S408でYES)、通信部305によって、送電装置101へ第2受電部303の無線電力伝送方式及び周波数の情報が含まれる方式対応確認信号を送信する(S409)。なお、受電装置111は、3つ以上の受電部を有し、そのうちの少なくとも2つが図4の処理開始後に選択されていない場合は、その選択されていない受電部のうちのいずれかを選択する。そして、受電装置111は、選択した受電部に関する無線電力伝送方式及び周波数の情報を、方式対応確認信号に含めて送信する。
その後、受電装置111は、通信部305によって送電装置101からの応答を受信する(S410)と、送電装置101が、第2受電部303の無線電力伝送方式と周波数に対応可能であるかを判定する(S411)。すなわち、受電装置111は、送電装置101が、方式対応確認信号に含めた無線電力伝送方式及び周波数に対応可能であるかを、受信した応答によって判定する。そして、受電装置111は、送電装置101が第2受電部303の無線電力伝送方式と周波数に対応可能と判定すると(S411でYES)、切替部302によって、受電部を第2受電部に切り替える(S412)。そして、受電装置111は、第2受電部の無線電力伝送方式と周波数の載置確認用電力の受電を待ち受けながら、予定外電力の有無を判定する(S402)。
一方で、送電装置101が第2受電部303の無線電力伝送方式と周波数に対応可能でないと判定すると(S411でNO)、受電装置111は、そのまま受電処理を終了する。なお、受電装置111は、3つ以上の受電部を有する場合は、送電装置101が方式対応確認信号に含めた無線電力伝送方式及び周波数に対応可能でない場合には、そのまま処理を終了するのではなく、例えば処理をS408に戻してもよい。この場合、受電装置111は、続いて、S408において、図4の処理開始後にまだ選択されていない受電部が他にあるかを判定し、そのような受電部が他にない場合に処理を終了し得る。
受電装置111は、第2受電部を選択した後にも予定外電力を受電する場合(S402でYES、その後S408でNO)、どちらの方式においても予定外電力を受電してしまうため受電を終了する。なお、受電装置111が3つ以上の受電部を有する場合は、S402において予定外電力が検出された後に、S408において予定外電力の有無の判定を行っていない受電部がないと判定された場合に、受電を終了するようにすることができる。なお、図4の例では、予定外電力を受電し続けることを避けて受電を完了しているが、受電装置111は、受電を再開するためのタイマを有し、タイマの満了に応じて、図4の処理を再開するようにしてもよい。
受電装置111は、第2受電部を選択したことにより、予定外電力を受電しなくなった場合(S402でNO)、続いて、認証用電力を待ち受ける(S403)。なお、例えば、第2受電部303の無線電力伝送方式が、電磁誘導方式のように送電コイルと受電コイルとの位置が揃っていなければ受電が困難な方式である場合、他の送電装置からの予定外電力が検出される確率は十分に低くなることが予想される。受電装置111は、認証用電力を検出すると(S403でYES)、続いて認証用信号を送信し(S404)、接続が完了(S405)した後に、本格受電を開始する(S406)。その後、受電装置111は、本格受電の開始後に受電を完了する際に、受電完了信号を送電装置101に送信して(S407)、受電処理を終了する。受電装置111は、通信部305によって、本格受電中に受電量を送電装置101へ送信し、適切な効率で受電が行われているかを確認してもよい。
ここで、受電装置111は、自身が磁界共鳴方式の2台目以降の受電装置として載置された場合、S402において載置確認用電力を検出せず、連続的な電力を検出することがある。このため、受電装置111は、S402において載置確認用電力を検出せず、連続的な電力を検出した場合には、その検出した電力を予定外電力とは判定しないでもよい(S402でNO)。そして、受電装置111は、受電している連続的な電力が認証用電力に十分な電力である場合(S403でYES)、認証用信号を送信する(S404)。これにより、送電装置101が2台目以降の受電装置への送電を行うための十分な送電能力がある場合には、受電装置111は、送電装置101との接続を完了し(S405)、本格受電(S406)を行うことが可能となる。
(送電装置の構成)
続いて、送電装置101の構成について説明する。図5に、送電装置101の構成例を示す。送電装置101は、例えば、その構成として、第1送電部501、切替部502、第2送電部503、CPU504及び通信部505を有する。例えば、第1送電部501が磁界共鳴方式に対応すると共に第2送電部503が電磁誘導方式に対応し、送電装置101は、第1送電部501と第2送電部503とのいずれかを用いて、受電装置111へ電力を送電する。切替部502は、受電装置111へ電力を送るために、第1送電部501と第2送電部503とのいずれを用いるかを切り替える制御を行う。通信部505は、無線電力伝送の相手装置(受電装置111)との通信を行う。
CPU504は、例えば不図示のメモリ(RAM若しくはROM)又は他の記憶装置に記憶されたプログラムに基づいて、送電装置101の各機能を制御する。なお、CPU504は、「CPU」と記載しているが、これ以外の1つ以上のプロセッサで置き換えられてもよい。CPU504は、例えば、通信部505において方式対応確認信号が受信され、受信信号で指定された無線電力伝送方式及び周波数に第1送電部501又は第2送電部503が対応可能かを判定する。そして、CPU504は、第1送電部501又は第2送電部503が指定された無線電力伝送方式及び周波数に対応可能な場合、その対応可能な送電部を用いて送電を行うように、切替部502を制御する。また、CPU504は、送電部の切り換えの可否を含む信号を、受電装置からの方式対応確認信号に対する応答信号として送信するように、通信部505を制御する。
(送電装置の処理の流れ)
図6に、送電装置101が実行する処理の流れの例を示す。送電装置101は、例えば、スイッチの押下、受電装置の載置などによって、図6の処理を開始する。以下では、送電装置101が、第1送電部501及び第2送電部503の2つの送電部を有する場合の処理について説明するが、これに限られない。すなわち、送電装置101は、例えば1つの送電部のみを有していてもよく、また、3つ以上の送電部を有していてもよい。
送電装置101は、まず、自身が対応している複数の無線伝送方式にそれぞれ対応する複数の送電部(第1送電部501及び第2送電部503)の中から、最大送受電量や効率等の条件に基づいて、第1送電部501を選択する(S601)。そして、送電装置101は、第1送電部501によって、載置確認用電力を送電する(S602)。また、送電装置101は、このときに、載置された受電装置111から方式対応確認信号を受信したかを確認する(S603)。送電装置101は、受電装置111から方式対応確認信号を受信した場合(S603でYES)、図6の処理開始後に選択されていない送電部があるかを判定する(S609)。なお、ここでは、送電装置101は、第1送電部501及び第2送電部503のみを有するため、現在使用されている送電部が第1送電部501であるかの判定によって、S609の判定が行われる。
送電装置101は、現在使用中の送電部として第1送電部501が選択されている場合(S609でYES)、受信した方式対応確認信号で指定された無線電力伝送方式と周波数とに、送電装置101が有する送電部が対応するかを判定する(S610)。ここでは、方式対応確認信号では、受電装置111の第2受電部303が対応する電磁誘導方式と、その対応する周波数とが指定されている。このため、送電装置101は、電磁誘導方式に対応する第2送電部503によって、指定された周波数に対応可能であるかを確認する。そして、送電装置101は、指定された無線電力伝送方式及び周波数に対応可能な送電部を有している場合(S610でYES)、その対応可能な送電部(第2送電部503)に、送電部を切り替える(S611)。また、この場合、送電装置101は、方式対応確認信号で指定された無線電力伝送方式及び周波数に対応可能であることを示す応答信号を送信する(S612)。なお、処理開始後に選択されていない送電部がない場合(ここでは第2送電部503が選択されている場合、S609でNO)、又は指定された無線電力伝送方式若しくは周波数に対応可能でない場合(S610でNO)にも応答信号は送信される(S612)。ただし、この場合は、指定された無線電力伝送方式又は周波数に対応可能でないことが示された応答信号が送信される。
送電装置101は、送電部を第2送電部503に切り替えた後に、載置確認用電力を送電する(S602)。そして、送電装置101は、その後に、受電装置111から方式対応確認信号を受信せずに(S603でNO)、受電装置111の載置が確認されると、受電装置111へ認証用電力を送信する(S604でYES)。そして、送電装置101は、受電装置111から認証用信号を受信すると(605でYES)、接続シーケンスを完了し(S606)、本格送電を開始する(S607)。なお、送電装置101は、本格送電中に、例えば通信部505を介して、受電装置111から受電量の情報を定期的に受信し、適切な効率で送電されているかを確認してもよい。その後、送電装置101は、受電装置111から受電完了信号を受信した(S608)ことに応じて、送電を完了する。
上述のようにして、送電装置101と受電装置111との間で、第1送電部501と第1受電部301とで行う電力伝送において予定外電力が検出されると、第2送電部503と第2受電部303とが用いられて電力伝送が行われるようになる。しかしながら、その後に、送電装置101と受電装置111との間で、再度、第2送電部503と第2受電部303とによる電力伝送から、第1送電部501と第1受電部301とによる電力伝送に切り替えられてもよい。例えば、第1送電部501と第1受電部301とが行う無線電力伝送方式の方が、第2送電部503と第2受電部303とが行う無線電力伝送方式より大電力の伝送が可能又は高効率な場合に、このような再度の切り替えが行われうる。この場合、受電装置111は、第2受電部303によって電力を受電中に、第1受電部301に定期的に切り替えて予定外電力の検出を行う。そして、受電装置111は、第1受電部301によって予定外電力が検出されなければ、第1受電部301が対応する無線電力伝送方式と周波数とを指定する方式対応確認信号を送電装置101へ送信する。ここで、送電装置101は、第1受電部301が対応する無線電力伝送方式と周波数に、第1送電部501によって対応可能であるため、指定された無線電力伝送方式及び周波数に対応可能であることを示す応答信号を送信する。これにより、送電装置101及び受電装置111は、第1送電部501と第1受電部301とによる電力伝送を行うこととなる。
なお、この場合、送電装置101が、第1受電部301が対応する無線電力伝送方式と周波数に対応可能であることは分かっている。このため、方式対応確認信号に代えて、無線電力伝送方式を切り替えることを指示する他の信号が、受電装置111から送電装置101へ送信されてもよい。そして、送電装置101は、この信号を受信したことに応じて、送電部を切り替えると共に応答信号を送信し、受電装置111は、応答信号を受信したことに応じて、受電部を切り替える。すなわち、送電装置101は、受電装置111に対して、過去に送電に用いたことがある無線電力伝送方式への切り替えを指示する信号を受信した場合には、その指示された無線電力伝送方式への切り替えを行うことを決定し、実際に切り替えを行う。なお、受電装置111は、応答信号の受信を待たずに受電部を切り替えるものとし、送電装置101による応答信号の送信は省略されてもよい。
上述の説明では、第1受電部301及び第1送電部501の無線電力伝送方式を磁界共鳴方式、第2受電部303及び第2送電部503の無線電力伝送方式を電磁誘導方式として説明したが、これらの無線電力伝送方式として他の方式が用いられてもよい。また、上述の説明では、2つの受電部及び送電部の切り換えについて説明したが、3つ以上の受電部及び送電部を切り替えて、受電方式又は周波数の切り替えを行ってもよい。さらに上述の説明では、載置確認用電力を受けている期間以外で受電されている電力量によって予定外電力を検出しているが、載置確認用電力の送電電力量の変化や認証用電力量、認証用電力の間欠期間の電力量等、他の方式で検出してもよい。
<<その他の実施形態>>
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
101及び102:送電装置、111及び112:受電装置、301:第1受電部、302:切替部、303:第2受電部、304:予定外電力検出部、305:通信部、306:CPU、501:第1送電部、502:切替部、503:第2送電部、504:CPU、505:通信部

Claims (21)

  1. 第1の電力伝送方式と第2の電力伝送方式を含む2つ以上の電力伝送方式に対応する受電装置であって、
    前記2つ以上の電力伝送方式のいずれかを用いて送電装置から無線で受電を行う受電手段と、
    前記送電装置と異なる他の送電装置による無線での送電を検出する検出手段と、
    前記受電手段を制御する制御手段と、を有し、
    前記制御手段は、前記第1の電力伝送方式を用いた前記送電装置と前記受電に関する処理が行われている間に前記第1の電力伝送方式を用いた前記他の送電装置による送電が前記検出手段により検出されたことに基づいて、前記第2の電力伝送方式を用いて受電を行うように前記受電手段を制御することを特徴とする受電装置。
  2. 前記送電装置が対応する電力伝送方式に関する情報を取得する通信手段をさらに有し、
    前記制御手段は、前記第1の電力伝送方式を用いた前記送電装置と前記受電に関する処理が行われている間に前記第1の電力伝送方式を用いた前記他の送電装置による送電が前記検出手段により検出され、かつ前記通信手段により前記送電装置が前記第2の電力伝送方式での送電に対応可能であることを示す情報が取得されたことに基づいて、前記第2の電力伝送方式を用いて受電を行うように前記受電手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の受電装置。
  3. 前記通信手段は、前記送電装置に信号を送信し、前記送電装置から信号を受信し
    前記通信手段は、前記第2の電力伝送方式での送電に対応可能であるかを確認する信号を前記送電装置に送信し
    前記制御手段は、前記第1の電力伝送方式を用いた前記送電装置と前記受電に関する処理が行われている間に前記第1の電力伝送方式を用いた前記他の送電装置による送電が前記検出手段により検出され、かつ、前記通信手段により前記送電装置が前記第2の電力伝送方式での送電に対応可能であることを示す信号前記送電装置から受信されたことに基づいて、前記第2の電力伝送方式を用いて受電を行うように前記受電手段を制御することを特徴とする請求項に記載の受電装置。
  4. 前記通信手段は、前記第1の電力伝送方式を用いた前記送電装置と前記受電に関する処理が行われている間に前記第1の電力伝送方式を用いた前記他の送電装置による送電が前記検出手段により検出されことに基づいて、前記第2の電力伝送方式での送電に対応可能であるかを確認する信号を前記送電装置に送信することを特徴とする請求項3に記載の受電装置。
  5. 前記通信手段が送信する前記第2の電力伝送方式での送電に対応可能であるかを確認する信号は、前記受電装置が前記第2の電力伝送方式で受電できる周波数の情報を含むことを特徴とする請求項3又は4に記載の受電装置。
  6. 前記制御手段は、前記通信手段により、前記第2の電力伝送方式での送電に対応可能であることを示す信号前記送電装置から受信されなかった場合に、前記第1の電力伝送方式を用いて受電を行うように前記受電手段を制御することを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の受電装置。
  7. 前記送電装置に信号を送信する通信手段をさらに有し、
    前記通信手段は、前記第1の電力伝送方式を用いた前記送電装置と前記受電に関する処理が行われている間に前記第1の電力伝送方式を用いた前記他の送電装置による送電が前記検出手段により検出され、かつ前記通信手段により前記送電装置が前記第2の電力伝送方式での送電に対応可能であることを示す情報が取得されたことに基づいて、前記第2の電力伝送方式を用いて送電するように指示する信号を前記送電装置へ送信することを特徴とする請求項1に記載の受電装置。
  8. 前記検出手段は、前記送電装置による送電が行われていない間に受電を検出することにより、前記他の送電装置による送電を検出することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の受電装置。
  9. 記制御手段は、前記2つ以上の電力伝送方式のいずれにおいても他の送電装置による送電を前記検出手段により検出されたことに基づいて、前記送電装置との間での電力伝送を終了するように制御することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の受電装置。
  10. 前記第1の電力伝送方式による無線電力伝送に用いる周波数と前記第2の電力伝送方式による無線電力伝送に用いる周波数とが異なることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の受電装置。
  11. 電装置であって、
    受電装置に無線で送電を行う送電手段と、
    記受電装置から信号を受信する受信手段と、
    前記送電手段を制御する制御手段と、を有し、
    前記受信手段は、前記受電装置に送電を行う際の電力伝送方式として第1の電力伝送方式とは異なる第2の電力伝送方式に前記送電装置が対応可能であるかを確認する確認信号を受信することができ、
    前記制御手段は、前記第1の電力伝送方式が用いられている間に前記確認信号を前記受信手段により受信したことに基づいて、前記受電装置送電する際の電力伝送方式として前記第2の電力伝送方式に切り替えるかを判定し
    前記制御手段は、前記第2の電力伝送方式に切り替えると判定したことに基づいて、前記第2の電力伝送方式を用いて送電を行うように前記送電手段を制御することを特徴とする送電装置。
  12. 前記制御手段は、前記第1の電力伝送方式が用いられている間に前記確認信号を前記受信手段により受信し、かつ前記送電装置が前記第2の電力伝送方式に対応可能であることに基づいて、前記第2の電力伝送方式に切り替えると判定することを特徴とする請求項11に記載の送電装置。
  13. 前記確認信号に対して、前記第2の電力伝送方式に対応可能であることを示す応答信号を、前記受電装置送信する送信手段をさらに有することを特徴とする請求項11又は12に記載の送電装置。
  14. 前記確認信号は、さらに、前記受電装置が前記第2の電力伝送方式を用いて受電を行うことができる周波数の情報を含むことを特徴とする請求項11から13のいずれか1項に記載の送電装置。
  15. 送電装置であって、
    受電装置に無線で送電を行う送電手段と、
    前記受電装置から信号を受信する受信手段と、
    前記送電手段を制御する制御手段と、を有し、
    前記受信手段は、前記受電装置に送電を行う際の電力伝送方式として第1の電力伝送方式とは異なる第2の電力伝送方式を指定する信号を受信することができ、
    前記制御手段は、前記第2の電力伝送方式を指定する信号を前記受信手段により受信したことに基づいて、前記受電装置に送電する際の電力伝送方式をとして前記第2の電力伝送方式に切り替えるかを判定することができ、
    前記制御手段は、過去に、前記第2の電力伝送方式を用いて前記受電装置に送電を行ったことがある場合に、前記第2の電力伝送方式に切り替えると判定し、かつ前記第2の電力伝送方式を用いて送電を行うように前記送電手段を制御することができることを特徴とする送電装置。
  16. 前記第1の電力伝送方式による無線電力伝送に用いる周波数と前記第2の電力伝送方式による無線電力伝送に用いる周波数とが異なることを特徴とする請求項11から15のいずれか1項に記載の送電装置。
  17. 第1の電力伝送方式と第2の電力伝送方式を含む2つ以上の電力伝送方式に対応する受電装置の制御方法であって、
    受電手段が、前記2つ以上の電力伝送方式のいずれかを用いて送電装置から無線で受電を行う受電手段と、
    検出手段が、前記送電装置と異なる他の送電装置による無線での送電を検出する検出工程と、
    制御手段が、前記受電手段を制御する制御工程と、を有し、
    前記制御手段は、前記第1の電力伝送方式を用いて前記受電手段による受電を行うことができる状態で前記第1の電力伝送方式を用いた前記他の送電装置による送電が前記検出手段により検出されたことに基づいて、前記第2の電力伝送方式を用いて受電を行うように前記受電手段を制御することを特徴とする制御方法。
  18. 電装置の制御方法であって、
    送電手段が、受電装置に無線で送電を行う送電工程と、
    受信手段が、前記受電装置から信号を受信する受信工程と、
    制御手段が、前記送電手段を制御する制御工程と、を有し、
    前記受信手段は、前記受電装置に送電を行う際の電力伝送方式として第1の電力伝送方式とは異なる第2の電力伝送方式に前記送電装置が対応可能であるかを確認する確認信号を受信し、
    前記制御手段は、前記第1の電力伝送方式が用いられている間に前記確認信号を前記受信手段により受信したことに基づいて、前記受電装置送電する際の電力伝送方式として前記第2の電力伝送方式に切り替えるかを判定し、
    前記制御手段は、前記第2の電力伝送方式に切り替えると判定したことに基づいて、前記第2の電力伝送方式を用いて送電を行うように前記送電手段を制御することを特徴とする制御方法。
  19. 送電装置の制御方法であって、
    送電手段が、受電装置に無線で送電を行う送電工程と、
    受信手段が、前記受電装置から信号を受信する受信工程と、
    制御手段が、前記送電手段を制御する制御工程と、を有し、
    前記受信手段は、前記受電装置に送電を行う際の電力伝送方式として第1の電力伝送方式とは異なる第2の電力伝送方式を指定する信号を受信し、
    前記制御手段は、前記第2の電力伝送方式を指定する信号を前記受信手段により受信したことに基づいて、前記受電装置に送電する際の電力伝送方式をとして前記第2の電力伝送方式に切り替えるかを判定し、
    前記制御手段は、過去に、前記第2の電力伝送方式を用いて前記受電装置に送電を行ったことがある場合に、前記第2の電力伝送方式に切り替えると判定し、かつ前記第2の電力伝送方式を用いて送電を行うように前記送電手段を制御することを特徴とする制御方法。
  20. コンピュータに、請求項17に記載の受電装置の制御方法を実行させるためのプログラム。
  21. コンピュータに、請求項18又は19に記載の送電装置の制御方法を実行させるためのプログラム。
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