JP6506317B2 - ペプチドおよびその使用 - Google Patents
ペプチドおよびその使用 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6506317B2 JP6506317B2 JP2016575724A JP2016575724A JP6506317B2 JP 6506317 B2 JP6506317 B2 JP 6506317B2 JP 2016575724 A JP2016575724 A JP 2016575724A JP 2016575724 A JP2016575724 A JP 2016575724A JP 6506317 B2 JP6506317 B2 JP 6506317B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- peptide
- seq
- amino acids
- peptides
- use according
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K38/00—Medicinal preparations containing peptides
- A61K38/04—Peptides having up to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
- A61K38/08—Peptides having 5 to 11 amino acids
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K38/00—Medicinal preparations containing peptides
- A61K38/04—Peptides having up to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
- A61K38/10—Peptides having 12 to 20 amino acids
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P27/00—Drugs for disorders of the senses
- A61P27/02—Ophthalmic agents
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P31/00—Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
- A61P31/04—Antibacterial agents
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P31/00—Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
- A61P31/10—Antimycotics
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P31/00—Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
- A61P31/12—Antivirals
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Pharmacology & Pharmacy (AREA)
- Public Health (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
- Communicable Diseases (AREA)
- Epidemiology (AREA)
- Oncology (AREA)
- Gastroenterology & Hepatology (AREA)
- Immunology (AREA)
- Ophthalmology & Optometry (AREA)
- Virology (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
Description
表1は、本開示のペプチドの特徴解析を示す。
表2は、本開示のペプチドの最小発育阻止濃度(MIC)と選択性インデックスを示す。
表3は、本開示のペプチドの設計と特徴解析を示す。
表4は、本開示のペプチドの最小発育阻止濃度(MIC)と選択性インデックスを示す。
表5は、臨床現場で単離された薬剤耐性微生物に対する、本開示のペプチドの最小殺菌濃度(MBC)を示す。
表6は、臨床現場で単離された結核菌(Mycobacterium tuberculosis)に対する、本開示のペプチドの最小発育阻止濃度(MIC)を示す。
表7は、インビボの角膜炎治療の臨床格付とスコア化を示す。
表8は、本開示のペプチドの最小発育阻止濃度(MIC)を示す。
天然のペプチド配列と相同性が最小限である短鎖合成ペプチドの設計と最適化は、安全かつ効力のある抗菌ペプチドを臨床で使用するために開発する有用な戦略である。総電荷が+2と+9の間のカチオン性特性を有し、約30〜50%が疎水性アミノ酸残基からなることに加え、各種天然および合成抗菌ペプチドの一つの共通点は、微生物膜と接触するとしばしば、両親媒性ペプチドが折り畳まれて二次構造を形成することにある。二種類の主要な折りたたみ構造形態(αへリックスペプチド(例、カテリシジン、セクロピン、マガイニン)とβシートペプチド(例、デフェンシンおよびプロテグリン)を含むもの)の間では、両親媒性βシートペプチドは、同等の電荷と疎水性を有するαへリックス対応ペプチドに相当する抗菌活性を有する一方で、溶血性がより少ないことが判明している。従って、本開示の目的は、抗菌活性があるが溶血性がより少ない、βシートに折り畳まれる構造を有する短鎖合成ペプチドを提供することである。
ンセラ(Rochalimaea henselae)、ロシャリメア・クインターナ(Rochalimaea quintana)、ロチア・デントカリオーサ(Rothia dentocariosa)、腸炎菌(Salmonella enteritidis)、チフス菌(Salmonella typhi)、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)、霊菌(Serratia marcescens)、志賀赤痢菌(Shigella dysenteriae)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)、ステノトロホモナス・マルトフィリア(Stenotrophomonas maltophilia)、ストレプトコッカス・アガラクチア(Streptococcus agalactiae)、ストレプトコッカス・アビウム(Streptococcus. avium)、ストレプトコッカス・ボビス(Streptococcus bovis)、ストレプトコッカス・クリセタス(Streptococcus cricetus)、ストレプトコッカス・フェシウム(Streptococcus faceium)、ストレプトコッカス・フェカリス(Streptococcus faecalis)、ストレプトコッカス・フェラス(Streptococcus ferus)、ストレプトコッカス・ガリナーラム(Streptococcus gallinarum)、ストレプトコッカス・ラクチス(Streptococcus lactis)、ストレプトコッカス・ミチオア(Streptococcus mitior)、ストレプトコッカス・ミチス(Streptococcus mitis)、ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)、ストレプトコッカス・オラリス(Streptococcus oralis)、肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)、化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)、ストレプトコッカス・ラッタス(Streptococcus rattus)、ストレプトコッカス・サリバリウス(Streptococcus salivarius)、ストレプトコッカス・サングイス(Streptococcus sanguis)、ストレプトコッカス・ソブリナス(Streptococcus sobrinus)、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)、トレポネーマ・デンチコラ(Treponema denticola)、コレラ菌(Vibrio cholerae)、コレラ菌(Vibrio comma)、腸炎ビブリオ菌(Vibrio parahaemolyticus)、ビブリオ・バルニフィカス(Vibrio vulnificus)、ボルバキア(Wolbachia)、エンテロコリチカ菌(Yersinia enterocolitica)、ペスト菌(Yersinia pestis)、および偽結核菌(Yersinia pseudotuberculosis)が含まれる。一つの例では、前記細菌には、限定はされないが、大腸菌(Escherichia coli)、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、エンテロコッカス種(Enterococcus spp.)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、アシネトバクター・バウマンニー(Acinetobacter baumanni)、緑膿菌、および結核菌が含まれる。
実施例1 本開示のペプチド(L−ペプチド)の抗菌特性の検証
材料
本試験で使用されたペプチドは、GL Biochem(上海、中国)によって合成され、分析用逆相(RP)HPLCを使用して95%より高く精製した。ペプチドの分子量を、マトリックスとしてα−シアノ−4−ヒドロキシケイ皮酸(4−HCCA)を使用するマトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析法(MALDI−TOF MS、Autoflex IIモデル、Bruker Daltonics社、米国)を用いてさらに確認した。4−HCCAは、Sigma−Aldrich(シンガポール)から購入し、そして、再結晶化後に飽和アセトニトリル/水(1:1の体積比)中で使用した。リン酸緩衝生理食塩水(10×PBS)は、1st Base(シンガポール)から購入し、そして、使用前に目的濃度へと希釈した。Mueller−Hinton培養液II(MHBII)とイーストモルドブロス(YMB)は、BD Diagnostics(シンガポール)から購入し、そして、製造事業者の取扱説明書に従って再構成した。表皮ブドウ球菌(ATCC番号12228)、黄色ブドウ球菌(ATCC番号29737)、大腸菌(ATCC番号25922)、緑膿菌(ATCC番号9027)、および酵母カンジダ・アルビカンス(ATCC番号10231)は、ATCC(米国)から取得し、そして、推奨されるプロトコルに従って培養した。リポポリサッカリド(LPS)とFITC結合LPS(大腸菌0111:B4由来のもの)をSigma−Aldrichから購入した。Griess試薬システムは、Promega(米国)から取得し、そして、製造事業者のプロトコルに従って使用した。
各ペプチドを、脱イオン(DI)水単独または25mMのSDS界面活性剤含有DI水中に、0.5mg mL−1でまず溶解した。CDスペクトルを、1.0mmの経路長の石英セルを使用するCD分光偏光計(JASCO社、J−810)を用いて室温で記録した。CDスペクトルを、10nm/minのスキャン速度で、190〜240nmのものから溶媒分を差し引いて取得し、各ペプチドサンプル当たり5つの実測を平均した。得られたCDスペクトルを、次の等式を使用して平均残基楕円率へと変換した。
ラットの新鮮な赤血球をPBSで25×希釈して、約4(容量)%の懸濁液をこの実験に使用するために得た。300μLの赤血球懸濁液を、PBS中に等量(300μL)のペプチド溶液を含む各チューブに加えた。そのチューブを1時間37℃でインキュベートし、その後、5分間1000×gで遠心分離した。上澄みのアリコート(100μL)を96穴プレートの各ウェルに移し、そして、マイクロプレートリーダー(TECAN、スイス)を使用して576nmでヘモグロビン放出の解析を行った。PBSとインキュベートした赤血球懸濁液をネガティブコントロールとして使用した。0.1%(v/v)Triton X−100で溶解した赤血球の吸光度をポジティブコントロールとして使用し、それを100%の溶血のものとした。溶血パーセンテージを次の式を使用して計算した。溶血(%)=[(処理サンプルのO.D.576nm−ネガティブコントロールのO.D.576nm)/(ポジティブコントロールのO.D.576nm−ネガティブコントロールのO.D.576nm)]×100。データを、4回リピートしたものの平均±標準偏差として表した。
グラム陽性の表皮ブドウ球菌と黄色ブドウ球菌、グラム陰性の大腸菌と緑膿菌、および酵母のC.アルビカンスに対する本ポリマーの抗菌活性を、微量液体希釈法(broth microdilution method)を使用して検証した。300rpmで常に振とうしながら、対数増殖中期に達するまで、37℃、MHBII中で細菌菌体を培養し、室温、YMB中で酵母細胞を増殖させた。微生物懸濁液を適切な培養液で希釈調整して、マイクロプレートリーダー(TECAN、スイス)上で600nmの波長での初期吸光度(O.D.)の測定値が約0.07(McFarland基準No.1(約3×108CFU mL−1)に相当)となった。ペプチドを0.2μmフィルタを通したHPLCグレードの水中に溶解し、適切な培養液を使用して2倍系列希釈した。100μLの微生物懸濁液で、初期負荷量が3×105CFU mL−1となるものを、等量(100μL)のペプチド溶液に加えて、終濃度が3.9〜500mg L−1の範囲になることを達成した。また、水分の濃度は、96穴プレートの各ウェル中、10(容量)%で固定した。細菌と酵母のそれぞれに関し、37℃または室温で振とうしながら18時間または42時間インキュベーションした後、MICは、微生物増殖が目視されず、0時間からのO.D.測定値の変化がない最も低いポリマー濃度とした。10(容量)%のHPLCグレード水を含む培養液と共に純粋な培養液単独のものの中での微生物菌体を、ネガティブコントロールとして使用した。無菌状態で取り扱いしたことを確認するために、微生物を入れていない純粋培養液を含むウェルを各実験中に含めた。各テストを、少なくとも2回独立した日時に、6回反復して実施した。
0.5×MIC、MIC、および2×MICでの各種ペプチド濃度で微生物を18時間処理後、各サンプルを10倍系列希釈し、そして、LB寒天プレート上に蒔いた。そのプレートをその後、一晩インキュベートし、そして、コロニー形成単位を数えた。10容量%の水で処理した微生物を含むサンプルをネガティブコントロールとして使用した。結果は、対数(CFU/mL)および殺傷% = [(コントロールの細胞数 − ポリマー処理後の微生物の生存数)/コントロールの細胞数]×100として表される。
約3×108CFU ml−1(100μL)の大腸菌懸濁液を、20(容量)%の水と致死量(250mg L−1)の代表的ペプチドを含む等量の培養液と、96穴プレート中で2時間インキュベートした。各条件を8回反復したものをプールしてマイクロチューブに入れ、5000×gで5分間ペレット化し、そして、PBSで二度濯いだ。サンプルをその後、15分間室温にて4%ホルムアルデヒドで固定し、次に、DI水で濯いだ。菌体の脱水を、様々な濃度系列のエタノール溶液(35、50、75、90、95、および100%)を使用して実施した。サンプルを風乾し、炭素テーブル状に載せ、FE−SEM(JEOL JSM−7400F、日本)装置でイメージングするために、白金でスパッタコーティングした。
3×106CFU ml−1に希釈した黄色ブドウ球菌のオーバーナイト培養物を、1ウェル当たり100μLの容量で96穴プレートの各ウェル中に加えた。そして、100rpmで穏やかに振とうしながら37℃で一晩接着させた。ウェルをその後、100μLのPBSで一度濯いで、浮遊性菌体とゆるく着いている菌体を除去し、そして、100μLの新鮮な培養液を補充した。一日一回濯いで実験に使用する前に培地交換しながら、6〜8日間までバイオフィルム形成を進行させた。バイオフィルム中の黄色ブドウ球菌の生存率へのペプチド処理の効果を決定するために、MIC、4×MIC、および8×MICレベルの100μLの(IRIK)2−NH2(配列番号:17)と(IRVK)3−NH2(配列番号:22)溶液を各ウェルに加え、そして、24時間インキュベートした。次に、その溶液を取り除き、そして、120μLの活性化XTT溶液を各ウェル中に加えた。4時間インキュベーションした後、各ウェルからの100μLのアリコートを新しい96穴プレートに移して、それぞれ490nmと660nmの測定波長と参照波長でマイクロプレートリーダー(TECAN、スイス)を使用して吸光度を測定した。相対的菌体生存率を、[(A490 − A660)サンプル/(A490 − A660)コントロール]×100%として表した。データを、各濃度当たり4回リピートしたものの平均±標準偏差として表した。
50μLのPBS中の1μg mL−1のFITC−LPSを、底が透明な黒色96穴プレートの各ウェル中にある等量のペプチド溶液(50μL)で処理した。FITC結合LPSとペプチドとの相互作用の試験は、480nmでFITC−LPSを励起し、0時間と2時間で、蛍光マイクロプレートリーダー(TECAN、スイス)を使用して、ペプチド濃度を増加(3.9、7.8、15.6、31.3、62.5、125、250、500mg L−1)させたものの存在下での516nmのFITCの発光をモニターすることにより行った。10容量%の水を含む100μLのPBSをブランクとして含めた。100μLのPBS中のFITC−LPS(0.5μg mL−1)の蛍光強度をネガティブコントロールとして使用した。蛍光強度の変化のパーセンテージを以下のように計算した:%ΔF(AU)=[((Fサンプル − Fブランク)/(Fコントロール−Fブランク))×100] − 100。結果を、4回リピートしたものの平均±標準偏差として表した。
ラットマクロファージ細胞株NR8383を、10%FBS、100U mL−1のペニシリンおよび100mg mL−1のストレプトマイシンを添加したFK15増殖培地中で維持し、そして、5%CO2と95%加湿空気の環境下、37℃で培養した。
NR8383細胞を、4×104の密度で蒔き、そして、37℃で18時間、96穴プレートの各ウェル中のペプチドの存在下(3.9、7.8、15.6、31.3、62.5、125、250、500mg L−1)または非存在下で、大腸菌0111:B4由来のLPS(100ng mL−1)を用いて刺激した。非処理細胞とLPS単独で刺激した細胞を、それぞれポジティブコントロールおよびネガティブコントロールとして用いた。製造事業者のプロトコルに従ってGriess試薬(1%スルファニルアミド、0.1%N−1−ナフチルエチレンジアミンジヒドロクロリド、5%リン酸)を使用して、単離上澄み画分中の安定なNO代謝産物である亜硝酸塩の濃度を定量することによって、NO生産量を推定する。吸光度を540nmで測定し、そして、亜硝酸塩濃度を、既知濃度のNaNO2溶液から作成した検量線を使用して決定した。
ラットマクロファージ細胞株NR8383を、96穴プレートの各ウェル当たり4×104の細胞密度で播種し、そして、37℃で18時間、ペプチドの濃度を増加(3.9、7.8、15.6、31.3、62.5、125、250、500mg L−1)させたもので処理した。次に、20μLのCellTitre−Blue(登録商標)試薬を各ウェルに加え、そして、プレートをさらに4時間インキュベートした。ウェルの蛍光強度の測定値を、560nmの励起波長と590nmの発光波長で、マイクロプレートリーダーを使って決定した。細胞非存在下のペプチド溶液を含むコントロールウェルを、バックグラウンドの蛍光を測定するために含めた。細胞生存率%=[(F処理サンプル−F対応バックグラウンド)/(F10%水コントロール−F10%水コントロールバックグラウンド)]×100。データを、4回リピートしたものの平均±標準偏差として表した。
この試験では、8〜12アミノ酸残基の短鎖両親媒性ペプチドを、カチオン性リジンおよび/またはアルギニンアミノ酸を極性面にし、各種疎水性アミノ酸を反対側の非極性面に分離することによって設計した。合成ペプチドの分子量は、MALDI−TOF質量分析法により確認し、観察された分子量を表1に一覧にした。分かるのは、実験的に決定された分子量が計算上の質量とよく一致していたことであり、このことは、生産物が設計配列に対応することを示している。
既に形成されたバイオフィルムへの本合成抗菌ペプチドの抗バイオフィルム能(これは、バイオフィルム形成を阻止するよりも本質的に難題となる)を次に検証した。図6に示すように、ペプチド(IRIK)2−NH2(配列番号:17)と(IRVK)3−NH2(配列番号:22)が、バイオフィルムに住む黄色ブドウ球菌を用量依存的に殺傷したことを実証した。(IRIK)2−NH2は、試験した3種類の濃度に渡って、有意に高いレベルの殺傷を誘導したことが判明し(P<0.01)、菌体生存率は、24時間以内に4×MICレベルでは10%未満に劇的に減少した。本ペプチドで処理後に残ったバイオマスの相対量を測定するために、バイオフィルムをクリスタルバイオレット染色および可溶化した。黄色ブドウ球菌の菌体生存率の減少と一致して、処理後バイオフィルム中のバイオマス量が、用量依存的様式で減少したことを観察した(図7)。これらの結果を合わせると、8と12アミノ酸長ペプチドがバイオフィルム内の微生物を殺傷するのに非常に効果的で、バイオフィルムマトリックスの離散を効率的に媒介できたことの直接的証拠を提供する。
LPS凝集物に結合し、そして、それを解離させる本合成ペプチドの能力を評価するために、FITC結合LPSを各種ペプチドと抱合し、蛍光強度の変化を2時間に渡りモニターした。水溶液中では、LPS凝集物内に隔離されたFITCは、自己消光し、その結果蛍光強度は低くなる。逆に、FITC−LPS凝集物が解離する場合、その蛍光は発光(dequenching)効果により増加する。図8aに見られるように、n=2のβシート形成ペプチドは、FITC−LPS凝集物の識別可能な破壊を誘導しないように見えた。これは、ペプチド濃度が500mg L−1まで、蛍光強度の変化がないことから明白である。3つの反復単位を有する本対応ペプチドでは、しかしながら、FITC−LPSの蛍光強度が用量依存的に強く増加した(図8b)。3種類のペプチド配列の中で、(IRIK)3−NH2(配列番号:21)と(IRVK)3−NH2(配列番号:22)が低濃度で蛍光強度のより大きな変化パーセンテージを誘導し、それに続いて最後に、(VRVK)3−NH2(配列番号:20)であった。
材料
本試験で使用されたペプチドは、GL Biochem(上海、中国)によって合成され、分析用逆相(RP)HPLCを使用して95%より高く精製した。ペプチドの分子量を、マトリックスとしてα−シアノ−4−ヒドロキシケイ皮酸(4−HCCA)を使用するマトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析法(MALDI−TOF MS、Autoflex IIモデル、Bruker Daltonics社、米国)を用いてさらに確認した。4−HCCAは、Sigma−Aldrich(シンガポール)から購入し、そして、再結晶化後に飽和アセトニトリル/水(1:1の体積比)中で使用した。リン酸緩衝生理食塩水(10×PBS)は、1st Base(シンガポール)から購入し、そして、使用前に目的濃度へと希釈した。陽イオンを調整したMueller−Hinton培養液II(MHBII)とイーストモルドブロス(YMB)は、BD Diagnostics(シンガポール)から購入し、そして、製造事業者の取扱説明書に従って再構成した。表皮ブドウ球菌(ATCC番号12228)、黄色ブドウ球菌(ATCC番号6538)、大腸菌(ATCC番号25922)、緑膿菌(ATCC番号9027)、および酵母カンジダ・アルビカンス(ATCC番号10231)は、ATCC(米国)から取得し、そして、推奨されるプロトコルに従って培養した。シプロフロキサシン、ゲンタマイシン硫酸塩、およびペニシリンGを、Sigma−Aldrichから入手した。
各ペプチドを、脱イオン(DI)水単独または24mMのSDS界面活性剤含有DI水中に、0.5mg mL−1でまず溶解した。CDスペクトルを、1.0mmの経路長の石英セルを使用するCD分光偏光計(JASCO社、J−810)を用いて室温で記録した。CDスペクトルを、10nm min−1のスキャン速度で、190〜240nmのものから溶媒分を差し引いて取得し、ペプチドサンプル当たり5つの実測を平均した。得られたCDスペクトルを、次の等式を使用して平均残基楕円率へと変換した。
表皮ブドウ球菌と黄色ブドウ球菌(グラム陽性)、大腸菌と緑膿菌(グラム陰性)、およびC.アルビカンス(酵母)に対する本βシート形成ペプチドの抗菌活性を、微量液体希釈法(broth microdilution method)を使用して検証した。常に300rpmで一晩振とうしながら、対数増殖中期に至るまで37℃、MHB II中で細菌菌体を培養し、室温、YMB中で酵母細胞を増殖させた。微生物懸濁液を適切な培養液で希釈調整して、マイクロプレートリーダー(TECAN、スイス)上で600nmの波長での初期吸光度(O.D.)の測定値が約0.07となった。そのO.D.測定値は、McFarland基準No.1(約3×108CFU mL−1)に相当する。ペプチドをHPLCグレードの水中に溶解し、適切な培養液を使用して2倍系列希釈した。次に、100μLの微生物懸濁液で、初期負荷量が3×105CFU mL−1となるものを、等量(100μL)のペプチド溶液に加えて、3.9〜500mg L−1の範囲のポリマー終濃度を達成した。そして、水分含量を、96穴プレートの各ウェル中、10(容量)%で固定した。37℃または室温で振とうしながら18時間インキュベーションした後、MICは、微生物増殖が目視されず、0時間からのO.D.測定値の変化がない最も低いポリマー濃度とした。10(容量)%の水を含む培養液と共に純粋な培養液単独のものの中での微生物菌体を、ネガティブコントロールとして使用した。無菌状態で取り扱いしたことを保証するために、微生物を入れていない純粋培養液を含むウェルを各実験中に含めた。各テストを、少なくとも2回独立した日時に、6回反復して実施した。
(0.5×MIC、MIC、および2×MICでの)各種ペプチド濃度で微生物を18時間処理後、各サンプルを10倍系列希釈し、そして、LB寒天プレート上に蒔いた。そのプレートをその後一晩インキュベートし、そして、コロニー形成単位を数えた。10容量%の水で処理した微生物を含むサンプルをコントロールとして使用した。結果は、対数(CFU/mL)および殺傷% = [(コントロールの細胞数 − ペプチド処理後の微生物の生存数)/コントロールの細胞数]×100として表される。
約3×108CFU ml−1(100μL)の黄色ブドウ球菌と緑膿菌の懸濁液を、終濃度が10(容量)%のHPLC水または125mg L−1のIK8−オールDを含む等量の培養液と、96穴プレート中で2時間別々にインキュベートした。各条件を8回反復したものをプールしてマイクロチューブに入れ、4000rpmで5分間ペレット化し、そして、PBSで二度濯いだ。サンプルをその後、20分間室温にて4%ホルムアルデヒドで固定し、次に、脱イオン水で濯いだ。菌体の脱水を、様々な濃度系列のエタノール溶液(35、50、75、90、95、および100%)を使用して実施した。サンプルを銅テープ上に載せ、風乾し、FE−SEM(JEOL JSM−7400F、日本)装置を使用してイメージングするために、白金でスパッタコーティングした。
ウサギの新鮮な赤血球をRPMI1640で25×希釈して、約4(容量)%の懸濁液をこの実験に使用するために得た。300μLの赤血球懸濁液を、RPMI1640中の等量(300μL)のペプチド溶液を含む各チューブに加えた。そのチューブを、1時間37℃でインキュベートし、その後、5分間1000×gで遠心分離した。上澄みのアリコート(100μL)を96穴プレートの各ウェルに移し、そして、マイクロプレートリーダー(TECAN、スイス)を使用して576nmでヘモグロビン放出を解析した。RPMI1640とインキュベートした赤血球懸濁液をネガティブコントロールとして使用した。0.1%(v/v)Triton X−100で溶解した赤血球の吸光度をポジティブコントロールとして使用し、それを100%の溶血のものとした。溶血パーセンテージを次の式を使用して計算した。溶血(%)=[(処理サンプルのO.D.576nm−ネガティブコントロールのO.D.576nm)/(ポジティブコントロールのO.D.576nm−ネガティブコントロールのO.D.576nm)]×100。データを、4回リピートしたものの平均±標準偏差として表した。
大腸菌と黄色ブドウ球菌(初期負荷レベルは3×105CFU mL−1)を、20回継代するまで各種濃度のペプチドIK8−オールDと臨床で使用されているシプロフロキサシン、ゲンタマイシン、およびペニシリンG抗生物質を用いて、前記した微量液体希釈法に従って繰り返し処理した。各継代の18時間のインキュベーションが終わった後、(1/4 MICでの特定継代の)細菌菌体を継代し、そして、対数増殖中期に到達するように増殖させて、その後、引き続くMICテストで使用した。各継代のMICの変化、すなわち、継代開始時のMICに対して標準化した継代数nでのMIC(MICn/MIC0)を記録することにより、薬剤耐性の発生はモニター可能である。このアッセイの終わりに、発生したシプロフロキサシンとゲンタマイシン耐性大腸菌を、各種濃度のIK8−オールDで処理して、それが抗生物質薬剤耐性を効果的に克服できるかどうかを決定した。
マウス肺胞マクロファージ細胞株RAW264.7とヒト胎児肺線維芽細胞WI−38を、2mMのL−グルタミン、1.5g L−1の炭酸水素ナトリウム、および10%FBSを添加した、それぞれDMEM培地とRPMI培地中で維持し、そして、5%CO2と95%加湿空気の環境下、37℃で培養した。
RAW264.7細胞を、12穴プレートの各ウェル当たり4×105の密度で播種した。一晩インキュベーションした後、細胞に13.3μLの加工細菌(3.0×108CFU mL−1)を、感染多重度が10:1となるように1時間感染させた。細胞をその後、1×PBSで二度濯ぎ、そして、50μg mL−1のゲンタマイシンを含む1mLの新鮮な培地で45分間インキュベートして細胞外の細菌を死滅させた。各ウェルの培地を除去し、そして、感染細胞を、10(容量)%の水または各種濃度のIK8−オールD(2、3.9、7.8、15.6、および31.3mgL−1)を含む新鮮な培地で4および8時間までインキュベートした。各時点で、感染細胞をトリプシン処理し、PBSで二度濯ぎ、そして10分間室温で800μLの滅菌水でインキュベートして溶解させ、その後、5分間超音波処理した。細胞内細菌数を、系列希釈した培養物をLB寒天上に蒔いて、24時間後に計数することによって決定した。
RAW264.7細胞とWI−38細胞を、それぞれ、96穴プレートの各ウェル当たり1.5×104と1×104密度で播種した。一晩インキュベーション後、細胞を1.0〜125mg L−1のIK8−オールDで48時間処理した。次に、各ウェルのインキュベーション培地を、100μLの増殖培地および10μLのMTT溶液(PBS中で5mg ml−1)で置き換えた。そして、細胞を、製造事業者の指示に従って、37℃で4時間インキュベートした。各ウェル中に形成されて生じたホルマザン結晶を、増殖培地を除去する際に150μLのDMSOを使って可溶化した。各ウェルからの100μLのアリコートを、その後、新しい96穴プレートに移して、550nmと690nmの波長でマイクロプレート分光光度計を使用して吸光度を測定した。相対的菌体生存率を、[(A550 − A690)サンプル/(A550−A690)コントロール]×100%として表した。データを、各濃度当たり4回反復実施するのを2回独立して実験したものの平均±標準偏差として表した。
ペプチド設計と特徴解析
上記実施例1は、天然L−アミノ酸から構成されるβーシート形成短鎖合成ペプチドの設計を記載し、そして、臨床的に妥当な微生物に対するその広い範囲と高い選択性の抗菌活性を確認した。この試験では、それぞれn=1.5、2、または3の反復単位の最適なβシートに折り畳まれるペプチド(IRIK)2−NH2(配列番号:17)(IK8−オールL)、および(IRVK)3−NH2(配列番号:22)(IK12−オールL)(これらは、抗菌活性、選択性、エンドトキシン中和特性に関して既に最適化されたもの)をD−アミノ酸で置換した。全ての本設計ペプチドをC末端でアミド化して、高い総正電荷を付与して、抗菌活性を増強した。表3に示すように、MALDI−TOF質量分析法を使用して決定された本合成ペプチド配列の観察分子量は、理論値と近似していた。このことは、生成物が設計組成物とよく一致することを示している。
臨床的に妥当な微生物の一団(表皮ブドウ球菌と黄色ブドウ球菌(グラム陽性)、大腸菌と緑膿菌(グラム陰性)、およびC.アルビカンス(酵母))に対する本設計ペプチドの抗菌活性を評価した。
AMPの臨床利用を制限する主要な因子の一つは、生体体液に豊富に存在および/または微生物により分泌されるプロテアーゼによる迅速な分解に起因する不安定性にある。本設計βシート形成ペプチドのタンパク質分解に対する安定性を評価するために、n=2のペプチド配列のD−とL−アイソフォーム(それぞれ、IK8−オールDとIK8−オールL)を、広効力範囲のセリンプロテアーゼ(トリプシンおよびプロテイナーゼK)で6時間処理し、そして、黄色ブドウ球菌、大腸菌、および緑膿菌に対するその抗菌活性を評価した。図13に見られるように、非処理IK8−オールDとIK8−オールLは、18時間インキュベーション後に3種類すべての微生物の増殖を効果的に阻害した。プロテアーゼでIK8−オールLを処理すると、しかしながら、細菌阻害活性が完全に消失した。これは、存在するプロテアーゼによって分解されたことを示唆する。他方、IK8−オールDは、各種微生物に対する抗細菌活性を保持していた。また、両プロテアーゼで処理後の合成ペプチドの構造完全性を、MALDI−TOF質量分析法を使用して評価した。MALDI−TOF質量スペクトルから分かるように、両プロテアーゼを用いたIK8−オールDの処理は、インタクトなペプチドの分解を導き、その結果、複数の低分子量ピークが生じた(図19a)。従って、これは、先に観察された抗細菌活性の消失を説明する。IK8−オールLペプチドに関する両酵素の切断部位を、質量スペクトルを主要な断片に帰属させて図19a中で図解する。一方、IK8−オールDは、プロテアーゼ処理後もインタクトのままであり、低分子量産物は観察されなかった(図19b)。酵素分解に対する感受性のこの減少は、先に観察された優れた抗菌活性と選択性と合わされて、IK8−オールDが治療用途に関する有望な候補となることを強く示唆する。
AMPの主要作用機序は、微生物膜を迅速に撹乱および破壊して、細部質内容物の漏れと最終的な細胞死を導くことにある。微生物が広範囲の菌体膜損傷を修復することは非常に難しいので、この細菌殺菌作用機序は、薬剤耐性メカニズムを予防および克服するための非常に魅力的な手段を提供することが提案されてきている。本試験は、まず、そのL−エナンチオマーと同様に、IK8−オールDが細菌殺傷作用機構を媒介して、本試験で試験した5つの各微生物に関して、各MIC値での生コロニー数が3対数分より多くの減少(>99.9%の殺傷効率)を生じたことを立証した(図14)。10(容量)%の水を含む培養液で処理した各コントロールの表面が滑らかだったのに比較して、125mg L−1のIK8−オールDで2時間処理後、グラム陽性黄色ブドウ球菌とグラム陰性緑膿菌の表面に、FE−SEM下で、有意な膜損傷と波形が、観察された(表15)。
肺胞マクロファージによる微生物の貪食作用が継続する感染源を作り出す可能性がある理由は、細胞中への浸透が不良な多数の細胞外抗生物質から細菌が保護されて生存するからである。黄色ブドウ球菌は肺胞マクロファージ内で生存することができる日和見病原体の臨床で妥当な例であり、そして、地域や院内で獲得される肺感染症例にしばしば関与する。そのように、細胞内黄色ブドウ球菌を死滅させる本合成AMPの能力を次に検証した。感染RAW264.7マウス肺胞マクロファージを、各種用量のIK8−オールDで4および8時間処理した。図17に見られるように、10(容量)%の水を含む培地で処理したコントロールに関して得られたものと比較する場合、IK8−オールDで4および8時間処理後の細胞内黄色ブドウ球菌コロニー数に有意な減少(P<0.01)があった。例えば、本設計ペプチドは、コントロールと比較した場合、8時間でのコロニー数が1.2〜1.5対数分減少することを効果的に媒介した(図17)。重要なことには、IK8−オールDにより媒介された黄色ブドウ球菌の細胞内殺傷は、ペプチドの細胞毒性とは独立することが判明し、80%より高い細胞生存率が細菌殺傷用量で観察された(図21)。IK8−オールDの細胞毒性を、ヒト胎児肺線維芽細胞であるWI−38細胞株でも検証し、そして、77%より高い細胞生存率が62.5mg L−1までで示された。この値はその抗菌濃度よりかなり上である。まとめると、これらの結果は、その強力な細胞外細菌殺傷活性に加えて、本設計βシート形成ペプチドがまた、効果的に感染細胞に侵入して、細胞毒性は最小限であるが細胞内細菌負荷を減少することができたことを実証した。
細胞培養
ヒト子宮頸がんHeLa細胞株、ヒト皮膚線維芽細胞HDF細胞株、およびラットマクロファージNR8383細胞株を、10%FBS、100U mL−1のペニシリン、および100mg mL−1のストレプトマイシンを添加した、それぞれRPMI、DMEM、およびFK15増殖培地中で維持し、そして、5%CO2と95%加湿空気の環境下、37℃で培養した。
HeLa、HDF、およびNR8383細胞を、96穴プレートの各ウェル当たり、それぞれ、1×104、1×104、および4×104細胞の密度で播種した。一晩インキュベーション後、細胞を3.9〜500mg L−1の(IRIK)3−NH2(配列番号:21)と(VRVK)3−NH2(配列番号:20)で24時間処理した。接着性HeLaとHDF細胞株に関しては、各ウェルのインキュベーション培地を、100μLの増殖培地および10μLのMTT溶液(PBS中で5mg ml−1)で置き換えた。細胞を、製造事業者の指示に従って、37℃で4時間さらにインキュベートした。各ウェル中に形成されて生じたホルマザン結晶を、増殖培地を除去する際に150μLのDMSOを使って可溶化した。各ウェルからの100μLのアリコートを、その後、新しい96穴プレートに移して、550nmと690nmの波長でマイクロプレート分光光度計を使用して吸光度を測定した。相対的菌体生存率を、[(A550 − A690)サンプル/(A550−A690)コントロール]×100%として表した。データを、各濃度当たり4回反復実施するのを2回独立して実験したものの平均±標準偏差として表した。
図22に見られるように、(IRIK)3−NH2(配列番号:21)でHeLa子宮頸がん細胞株を処理すると、細胞生存率が濃度依存的に、125mg/L以降は70%未満に減少した。他方、80%より多くの非がん性HDFとNR8383細胞は、125mg/Lで生存していた。同様に、(VRVK)3−NH2(配列番号:20)でHeLa細胞を処理すると、250mg/Lでの細胞生存率がたった30%であった一方、HDFとNR8383細胞の細胞生存率は53%より高かった。これらの結果は、従って、本βシート形成ペプチドは、正常細胞膜よりも、よりアニオン性のがん細胞膜に対する選択性が大きいことを実証する。
材料および方法
ペプチドの特徴解析
本試験で使用されたペプチドは、GL Biochem(上海、中国)によって合成され、分析用逆相(RP)HPLCを使用して95%より高く精製した。ペプチドの分子量を、マトリックスとしてα−シアノ−4−ヒドロキシケイ皮酸(4−HCCA)を使用するマトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析法(MALDI−TOF MS、Autoflex IIモデル、Bruker Daltonics社、米国)を用いてさらに確認した。4−HCCAは、Sigma−Aldrich(シンガポール)から購入し、そして、再結晶化後に飽和アセトニトリル/水(1:1の体積比)中で使用した。リン酸緩衝生理食塩水(10×PBS)は、1st Base(シンガポール)から購入し、そして、使用前に目的濃度へと希釈した。Mueller−Hinton培養液II(MHBII)とイーストモルドブロス(YMB)は、BD Diagnostics(シンガポール)から購入し、そして、製造事業者の取扱説明書に従って再構成した。表皮ブドウ球菌(ATCC番号12228)、黄色ブドウ球菌(ATCC番号29737)、大腸菌(ATCC番号25922)、緑膿菌(ATCC番号9027)、および酵母カンジダ・アルビカンス(ATCC番号10231)は、ATCC(米国)から取得し、そして、推奨される方法に従って培養した。リポポリサッカリド(LPS)とFITC結合LPS(大腸菌0111:B4由来のもの)をSigma−Aldrichから購入した。Griess試薬システムは、Promega(米国)から取得し、そして、製造事業者のプロトコルに従って使用した。
真菌C.アルビカンス(アメリカ培養細胞系統保存機関ATCC)とF.ソラニ(F.solani)(ATCC)に対するペプチドのMICを、微量液体希釈法によって測定した。300rpmで常に振とうして、対数増殖中期に達するまで、室温、イーストモルドブロス(YMB)中でC.アルビカンスを増殖させた。微生物懸濁液を適切な培養液で希釈調整して、マイクロプレートリーダー(TECAN、スイス)上で600nmの波長での初期吸光度(O.D.)の測定値が約0.07(McFarland基準No.1(約3×108CFU mL−1)に相当)となった。ペプチドを0.2μmフィルタを通したHPLCグレードの水中に溶解し、適切な培養液を使用して2倍系列希釈した。100μLの微生物懸濁液で、初期負荷量が3×105CFU mL−1となるものを、等量(100μL)のペプチド溶液に加えて、終濃度が3.9〜500mg L−1の範囲になることを達成した。また、水分の濃度を、96穴プレートの各ウェル中、10(容量)%で固定した。室温で振とうしながら42時間インキュベーションした後、MICは、微生物増殖が目視されない最も低いペプチド濃度とした。10(容量)%のHPLCグレード水を含む培養液と共に純粋な培養液単独のものの中での酵母細胞を、ネガティブコントロールとして使用した。F.ソラニを、37℃のインキュベーター中で、サブローデキストロース寒天プレート上で培養した。インキュベーション後に分生子を回収するために、F.ソラニ種の分生子を採取して、実験実施前に1×108胞子/mlへと標準化した。サブローデキストロース培養液(90μL)を、培養プレートのウェルへと加えた。各種濃度のペプチドを2倍希釈法によってウェル中に調製し、そして、これらのウェルに10μLの1×106胞子含有胞子懸濁液を植菌した。プレートを37℃でインキュベートして、そして、24時間後にF.ソラニの増殖を肉眼で調べた。全く処理していない適切なコントロールウェルを試験に含めた。ウェルがF.ソラニの目で見える増殖がなく透明に見える場合に、ペプチドは活性があると考えて、そして、結果をMICとして表した。アッセイを、各濃度に関して4回反復して実施した。
殺傷動力学テストを実施して、C.アルビカンスに対するペプチドの抗菌活性を評価した。酵母溶液を、YMB(Difco社)に再懸濁して、105〜106CFU mL−1となった。初期植菌物に、ペプチド1を1×、2×、および4×MICの濃度で0、1、2、4、および24時間暴露し、そして、これらの時点で、サンプルを各種希釈倍率で希釈した。各希釈物(20μL)を、寒天プレート上に蒔き、2日間インキュベートした。生存コロニーをインキュベーション後に計数した。非処理植菌群をネガティブコントロールとして使用した。テストは3回リピートして実施し、その結果を殺傷効率(%)として提示した。
ペプチド1および2は、2mg/mLでHPLCグレード水中に溶解し、121℃で15分間の標準的蒸気滅菌オートクレーブサイクルに掛け、そして、6週間室温に放置した。ペプチドの完全性を、MALDI−TOF MSを介して処理前後の分子量を評価することによって確認した。
C.アルビカンスは、ペプチド1の抗真菌機能をテストするための代表的真菌として使用した。C.アルビカンス懸濁液を、−80℃で凍結されたストック培養物を使ったYMB中の新鮮なオーバーナイト培養物から調製した。これらの培養物のサンプルの一部をさらに3時間増殖させて、そして、107〜108CFU/mLの密度が得られる、600nmでの吸光度である約0.1へと調節した。
3×106CFU ml−1に希釈したC.アルビカンスのオーバーナイト培養物を、1ウェル当たり100μLの容量で96穴プレートの各ウェル中に加えた。そして、100rpmで穏やかに振とうしながら37℃で5時間接着させた。ウェルをその後、100μLのPBSで一度濯いで、浮遊性菌体とゆるく着いている菌体を除去し、そして、100μLの新鮮な培養液を補充した。毎日濯いで実験に使用する前に培地交換して、2日までバイオフィルム形成を進行させた。
バイオフィルム中のC.アルビカンスの生存率へのペプチド処理の効果を測定するために、互いに異なる濃度の100μLのペプチド1溶液を、各ウェルへと加えて、24時間インキュベートした。次に、その溶液を取り除き、そして、100μLのPBSで一回濯ぎ、その後、120μLの活性化XTT溶液を各ウェル中に加えた。4時間インキュベーションした後、各ウェルからの90μLのアリコートを新しい96穴プレートに移して、それぞれ490nmと660nmの測定波長と参照波長でマイクロプレートリーダー(TECAN、スイス)を使用して吸光度を測定した。10容量%の水を含む培養液で処理したバイオフィルムをコントロールとして使用した。相対的菌体生存率を、[(A490 − A660)サンプル/(A490−A660)コントロール]×100%として表した。データを、各濃度当たり4回リピートしたものの平均±標準偏差として表した。
バイオフィルムのバイオマスを、クリスタルバイオレット染色アッセイによって推定した。手短には、形成したバイオフィルムを、まず、上記のように、24時間、前記ペプチドで処理した。培養培地を吸い取った後、バイオフィルムをPBSで一回濯ぎ、室温で15分間メタノールで固定し、そして、10分間0.1(容量重量(weight by volume))%のクリスタルバイオレット100μLで染色した。過剰なクリスタルバイオレット色素を、5回DI水でウェルを濯いで除去した。バイオフィルムと結合している色素を、各ウェル当たり100μLの33%氷酢酸を使用して抽出し、そして、各ウェルからの60μLのアリコートを新しい96穴プレートに移して、マイクロプレートリーダー(TECAN、スイス)を使用して、570nmの波長での吸光度を定量化した。ペプチド処理後に残った相対バイオマス量を、10容量%の水を含む培養液で処理したコントロールのパーセンテージとして表した。データは、各濃度当たり4回リピートしたものの平均±標準偏差として表した。
ペプチド1で処理したC.アルビカンスバイオフィルムの形態を、加速電圧が4.0〜6.0keVで動作させた電界放出型走査電子顕微鏡(FESEM)(JEOL JSM−7400F)を使用して観察した。C.アルビカンスバイオフィルムを、1000mg/Lのペプチドと24時間インキュベートした。そのフィルムをPBSで3回洗浄し、その後、2.5%のグルタルアルデヒド含有PBS中で一晩固定した。菌体をさらにDI水で洗浄し、そして、エタノール洗浄液系列を使用して脱水した。数滴の懸濁液を銅テープ上に載せ、そして、室温で放置して乾燥させた。FESEM解析前に、サンプルを白金でコーティングした。
マウスの供給源
成体C57BL/6マウス(8週齢、18〜22g)を、動物試験のために使用した。実験開始前に、全てのマウスの眼に眼の病理症状が無いかどうかを検査した。実験プロトコルは、シンガポール科学技術研究省(A*STAR)の生物資源センター(Biological Resource Centre)の機関動物実験委員会によって承認された。
本ペプチドをマウスの眼でテストした。最初の一時間は5分ごとに、そして、次の7時間は30分ごとに3000mg/Lの用量で、本ペプチドをマウスに投与した。16時間の休みの後、さらに8時間の時間間隔で、点眼薬を投与した。全てのマウスを、最後の点眼薬の投与16時間後に屠殺した。治療した眼球を即座に回収した。固定した眼球を、標準的方法によってパラフィンに包埋し、切片を作製し、そして、ヘマトキシリン&エオシンで染色した。
本試験で使用したLotrafilconAコンタクトレンズは、CIBA Visionから購入したもので、+1.50の倍率の度数を有していた。そのコンタクトレンズをPBSで洗浄し、そして、直径2mmの小片に打ち抜いて、その後、一晩YMB中に浸した。C.アルビカンスバイオフィルムを増殖させるために、そのレンズを、4mLの酵母懸濁液(107CFU/mL)と共に6穴組織培養プレートに入れて、そして、22℃で3時間インキュベートした。そのコンタクトレンズをPBSで穏やかに洗浄して、非接着酵母細胞を除去し、そして、100rpmで振とうしながら22℃で48時間YMB中に浸した。
以下の4種類の局所点眼薬溶液を用いて、動物を無作為に治療した:水溶液(コントロール)、3000mg/Lのペプチド1とペプチド2、および1000mg/LのアムホテリシンB。点眼薬(各20μl)を、最初の一時間は5分ごと、そして、次の7時間は30分ごとに、マウスに投与した。16時間の休みの後、さらに8時間の時間間隔で、点眼薬を投与した。全てのマウスを、最後の点眼薬の投与16時間後に屠殺した。治療した眼球を即座に回収した。各群から3個の眼球を、組織学解析のため回収し、そして、残りの6個の眼球を、定量的真菌リカバリー試験のためにホモジェナイズした。固定した眼球を、標準的方法によってパラフィンに包埋し、切片を作製し、そして、グローコットのメテマミン銀で染色した。
角膜炎関連真菌(C.アルビカンスとF.ソラニを含むもの)に対するβシート形成ペプチド(IKIK)2−NH2(すなわち、ペプチド1)およびペプチド(IRIK)2−NH2(すなわち、ペプチド2)の活性をβシート非形成ペプチド(IIRK)2−NH2(すなわち、ペプチド3)と比較して検証した。表8から分かるように、本設計βシート形成ペプチド1および2は、強力な抗真菌活性を示し、MIC値の範囲は、C.アルビカンスに対しては2〜3.9mg/L、F.ソラニに関しては31.3mg/Lであった。対照的に、βシート非形成ペプチド3は、C.アルビカンスに対する活性はほんの少ししか示さず、MICは劇的に高く>500mg/Lであった。そして、F.ソラニに対しては全く効果がないことが判明した。この結果は、微生物膜と相互作用する際のβシート二次構造の形成が、本設計ペプチドの抗真菌作用に重要であることを実証した。C.アルビカンスに対する活性が優れていたので、殺傷動力学試験を、ペプチド1を用いて実行した。図23に示すように、C.アルビカンス菌体数は、MICレベルで2時間治療後に有意に減少した。ほとんどの真菌は、MICで4時間後に殺傷され、2×MICまたは4×MICで1時間で殺傷された。これらの結果は、時間および用量依存的な真菌殺傷作用機構を示した。ペプチド濃度がより高いと、より短い時間内にすべての真菌を死滅させるのに効果的であった。
Claims (21)
- 被験体の角膜炎を治療するための医薬の製造における両親媒性ペプチドの使用であって、前記ペプチドが(X1Y1X2Y2)n(式I)を含み、式中、
前記ペプチドのC末端がアミド化され;
X1およびX2が互いに独立して疎水性アミノ酸であり;
Y1およびY2が互いに独立してカチオン性アミノ酸であり;ならびに
nが2、2.5、3、3.5、4、4.5、または5であり、
前記ペプチドがβシート構造に自己集合することができ、
前記角膜炎が真菌性角膜炎、または細菌性角膜炎である、
使用。 - (X1Y1X2Y2)nが(X1Y1X2Y2)n−NH2である、請求項1に記載の使用。
- 前記疎水性アミノ酸がアラニン(A)、バリン(V)、イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、フェニルアラニン(F)、トリプトファン(W)、およびシステイン(C)からなる群より選択される、請求項1または2に記載の使用。
- 前記疎水性アミノ酸がイソロイシン(I)またはバリン(V)である、請求項3に記載の使用。
- 前記カチオン性アミノ酸がリジン(K)、アルギニン(R)、およびヒスチジン(H)からなる群より選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使用。
- 式Iの各反復単位(X 1 Y 1 X 2 Y 2 )が、それぞれ独立に1、2、3、4、6、または8個のD−アミノ酸を含み、残りのアミノ酸がL−アミノ酸である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の使用。
- 式Iの各反復単位(X 1 Y 1 X 2 Y 2 )が、それぞれ独立に2、4、6、または8個のD−アミノ酸を含み、残りのアミノ酸がL−アミノ酸である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の使用。
- 式Iの各反復単位(X 1 Y 1 X 2 Y 2 )中のD−アミノ酸分布が同一または互いに異なる、請求項6または7に記載の使用。
- nが2であって、ならびに、4位および6位のアミノ酸がD−アミノ酸である一方、残りのアミノ酸がL−アミノ酸である、請求項6〜8のいずれか一項に記載の使用。
- 配列(IY1IY2)n−NH2を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の使用。
- 配列(IRX2K)n−NH2を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の使用。
- 前記ペプチドがVRVKVRVK−NH2(配列番号:11)、VRVKVRVKVRVK−NH2(配列番号:20)、IRIRIRIR−NH2(配列番号:12)、IKIKIKIK−NH2(配列番号:13)、IRVKIRVK−NH2(配列番号:14)、FRFKFRFK−NH2(配列番号:15)、WRWKWRWK−NH2(配列番号:16)、IRIKIRIK−NH2(配列番号:17)、IRIKIRIKIRIK−NH2(配列番号:21)、irikir−NH2(配列番号:10)、irikirik−NH2(配列番号:18)、IRIkIrIK−NH2(配列番号:19)、IRVKIRVKIRVK−NH2(配列番号:22)、およびirvkirvkirvk−NH2(配列番号:23)からなる群より選択され、式中、小文字の下線残基はD−アミノ酸を示す一方、大文字の非下線部はL−アミノ酸を示す、請求項1〜11のいずれか一項に記載の使用。
- 前記細菌性角膜炎が緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、肺炎球菌(Streptococcus pneumonia)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、または表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)により引き起こされる、請求項1〜12のいずれか一項に記載の使用。
- 前記真菌性角膜炎が糸状菌および/または酵母様真菌により引き起こされる、請求項1〜12のいずれか一項に記載の使用。
- 前記酵母様真菌がカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)である、請求項14に記載の使用。
- 前記糸状菌が黄色コウジ菌(Aspergillus flavus)、アスペルギルス・フミガータス(Aspergillus fumigatus)、フサリウム種(Fusarium spp.)、アルテルナリア種(Alternaria spp.)、およびペシロマイセス・リラシヌス(Paecilomyces lilacinus)からなる群より選択される、請求項14に記載の使用。
- 被験体の角膜からバイオフィルムを除去するための医薬の製造における有効量の両親媒性ペプチドの使用であって、前記ペプチドが(X1Y1X2Y2)n(式I)を含み、式中、
前記ペプチドのC末端がアミド化され;
X1およびX2が互いに独立して疎水性アミノ酸であり;
Y1およびY2が互いに独立してカチオン性アミノ酸であり;ならびに
nが2、2.5、3、3.5、4、4.5、または5であり、
前記ペプチドがβシート構造に自己集合することができる、使用。 - 前記バイオフィルムが真菌性角膜炎によって生じる、請求項17に記載の使用。
- 真菌寄生が糸状菌および/または酵母様真菌により引き起こされる、請求項18に記載の使用。
- 前記酵母様真菌がカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)である、請求項19に記載の使用。
- 前記糸状菌が黄色コウジ菌(Aspergillus flavus)、アスペルギルス・フミガータス(Aspergillus fumigatus)、フサリウム種(Fusarium spp.)、アルテルナリア種(Alternaria spp.)、およびペシロマイセス・リラシヌス(Paecilomyces lilacinus)からなる群より選択される、請求項19に記載の使用。
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
PCT/SG2014/000316 WO2016003364A1 (en) | 2014-07-01 | 2014-07-01 | Peptides and uses thereof |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017521403A JP2017521403A (ja) | 2017-08-03 |
JP2017521403A5 JP2017521403A5 (ja) | 2017-09-14 |
JP6506317B2 true JP6506317B2 (ja) | 2019-04-24 |
Family
ID=55019733
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016575724A Expired - Fee Related JP6506317B2 (ja) | 2014-07-01 | 2014-07-01 | ペプチドおよびその使用 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6506317B2 (ja) |
CN (1) | CN106470674B (ja) |
SG (1) | SG11201610918RA (ja) |
WO (1) | WO2016003364A1 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114366803A (zh) * | 2022-01-24 | 2022-04-19 | 吉林大学 | 一种治疗细菌性眼内炎的药物及制备方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004535392A (ja) * | 2001-05-04 | 2004-11-25 | ザ スクリプス リサーチ インスティチュート | 抗菌ペプチドおよび組成物 |
WO2014035345A1 (en) * | 2012-08-29 | 2014-03-06 | Agency For Science, Technology And Research | Peptides and uses thereof |
US20150231199A1 (en) * | 2012-09-07 | 2015-08-20 | Agency For Science, Technology And Research | Peptides and their uses |
-
2014
- 2014-07-01 CN CN201480080301.8A patent/CN106470674B/zh not_active Expired - Fee Related
- 2014-07-01 SG SG11201610918RA patent/SG11201610918RA/en unknown
- 2014-07-01 JP JP2016575724A patent/JP6506317B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 2014-07-01 WO PCT/SG2014/000316 patent/WO2016003364A1/en active Application Filing
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CN106470674B (zh) | 2019-12-31 |
SG11201610918RA (en) | 2017-01-27 |
WO2016003364A1 (en) | 2016-01-07 |
CN106470674A (zh) | 2017-03-01 |
JP2017521403A (ja) | 2017-08-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9221875B2 (en) | Amphiphilic peptides for treatment of keratitis | |
Ong et al. | Effect of stereochemistry, chain length and sequence pattern on antimicrobial properties of short synthetic β-sheet forming peptide amphiphiles | |
AU2018202201B2 (en) | Peptides and their use | |
JP5727994B2 (ja) | バイオフィルム生物の阻害 | |
JP6495821B2 (ja) | ペプチドおよびそれらの使用 | |
CN112543595B (zh) | 抗微生物组合物,其制备方法和用途 | |
US11266712B2 (en) | Antimicrobial peptides and methods of using the same | |
JP6506317B2 (ja) | ペプチドおよびその使用 | |
EP3519426B1 (en) | Antimicrobial peptides comprising epsilon lysine residues | |
US20190375791A1 (en) | New d-configured cateslytin peptide | |
TWI394578B (zh) | 抗菌蛋白之新用途 | |
WO2017038872A1 (ja) | 抗真菌活性を有する組成物 | |
JP4441180B2 (ja) | ウイルス由来抗微生物ペプチド |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170629 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20170629 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20180508 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20180808 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20180823 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20181106 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190130 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190305 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190328 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6506317 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |