JP6506070B2 - 多数個取基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、キャビティを有する基板個片が集合した多数個取基板の製造方法に関し、寸法精度が優れる多数個取基板を製造する場合に好適なものである。
発光ダイオード、水晶振動子、MEMS等の電子部品を搭載する基板の例として、セラミック基板を挙げることができる。このようなセラミック基板には、電子部品が搭載されるキャビティが形成される場合がある。このようなキャビティが形成された基板を製造する場合、当該基板が基板個片として複数連結した多数個取基板を製造し、当該多数個取基板をそれぞれの基板個片に分割して個別の基板とする方法が知られている。
下記特許文献1には、このような多数個取基板の製造方法が記載されている。この多数個取基板の製造方法では、セラミックグリーンシートをプレス加工することで、キャビティを形成している。
特開平01−234209号公報
しかし、特許文献1に記載の多数個取基板の製造方法では、キャビティを形成する型板の押圧によって、セラミックグリーンシートのキャビティが形成される部分におけるセラミック粉の密度が他の部分よりも高くなる傾向があるとともに、多数個取基板の中央部付近におけるセラミック粉の密度が、他の部分よりも高くなる傾向がある。このように部位によりセラミック粉の密度が異なるセラミックグリーンシートを焼結すると、セラミック粉の密度が低い部位は、セラミック粉の密度が高い部位よりも焼結時に収縮する傾向がある。このような部位による収縮率の違いが生じると、キャビティの寸法が設計値と大きく隔たる多数個取基板が製造されてしまう。また、多数個取基板を構成するそれぞれの基板個片においても、基板中央部付近に配置される基板個片のキャビティの寸法と、基板縁部付近に配置される基板個片のキャビティの寸法とが、大きく異なってしまう。
そこで、本発明は、寸法精度が優れる多数個取基板の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明は、キャビティを有する基板個片が複数連結した多数個取基板の製造方法であって、焼成することによりセラミック焼結体となり、かつ前記キャビティが形成される予定領域であるキャビティ形成予定部位を複数有するセラミックグリーンシートを準備する準備工程と、互いに隣り合う前記キャビティ形成予定部位の間にて、前記セラミックグリーンシートの一部を除去して溝を形成する溝形成工程と、前記溝形成工程後に前記キャビティ形成予定部位をプレスして、前記セラミックグリーンシートに前記キャビティを形成するキャビティ形成工程と、前記キャビティ形成工程を経た前記セラミックグリーンシートを焼成する焼成工程と、を備えることを特徴とするものである。
キャビティをプレスにより形成する際、キャビティ形成予定部位に位置するセラミック粉の一部、及び、このキャビティ形成予定部位とセラミックグリーンシートの主面に垂直な方向に重なる領域に位置するセラミック粉の一部が、セラミックグリーンシートの主面方向に移動する。このとき本発明の多数個取基板の製造方法によれば、互いに隣り合うキャビティ形成予定部位との間に形成された溝が潰れるように変形して、セラミック粉の移動を吸収する。従って、当該溝によりセラミック粉が適切に移動することができる。このためセラミック粉の密度に偏りが生じることを抑えることができる。しかも、当該溝はプレス等により形成されるものではなく、セラミックグリーンシートの一部を除去することで形成される。従って、当該溝を形成するためにセラミック粉が移動することを抑制することができる。このため、溝を形成することでセラミック粉の密度に偏りが生じることを抑制することができる。こうして、本発明の多数個取基板の製造方法によれば、セラミックグリーンシートを焼結する際、部位により収縮率が異なることを抑制することができ、寸法精度が優れる多数個取基板を製造することができる。
また、前記溝はそれぞれの前記基板個片に分割するための分割溝が形成される予定領域である分割溝形成予定部位に形成されることが好ましい。
このような位置に溝を形成した後、さらに分割溝が形成されることで、セラミック粉の移動を吸収するための溝の痕跡を消すことができ、不要な溝跡を消すことができる。
また、前記キャビティ形成工程の後に前記溝が形成された部位をプレスして前記溝の形状を整える溝整形工程を更に備えることが好ましい。
上記のようにキャビティ形成工程によるセラミック粉の移動により、溝が潰れるように変形しても、当該溝を設計通りの形状とすることができる。従って、基板個片の寸法精度をより向上させることができる。この場合、上記のように分割溝形成予定部位に当該溝が形成される場合には、溝整形工程を行うことで、当該溝を整形された分割溝とすることができる。また、分割溝形成予定部位以外に当該溝が形成される場合には、整形された溝内に配線を施す等、他の機能のための溝として用いることができる。
また、前記分割溝形成予定部位に形成された前記溝は、前記キャビティ形成工程の後に前記溝が形成された部位をプレスして前記溝の形状を整える溝整形工程を経ることなく、前記分割溝とされることが好ましい。
分割溝がセラミック粉の移動を吸収する溝を兼ねることで、セラミック粉の移動を吸収するための基板個片として不要な溝を分割溝とは別に形成することを無くすことができる。また、溝整形工程が不要となり、製造コストが安価となる。
また、前記溝はレーザ加工により除去されて形成されることが好ましい。
レーザ加工によれば、ルータ等を用いた切削加工と異なり、セラミックグリーンシートの一部を除去する際にセラミックグリーンシートに応力がかかることを抑制することができる。従って、セラミックグリーンシートが変形したり、セラミック粉の密度が変化したりすることを抑制することができる。
また、前記溝は前記キャビティ形成予定部位の外周に沿って形成されることが好ましい。
溝はキャビティ形成予定部位の外周に沿って形成されることで、キャビティ形成予定部位と溝との距離が等しくなる。従って、溝とキャビティ形成予定部位との間の部位においてセラミック粉の密度が偏ることをより抑制することができる。
また、前記キャビティ形成工程より前にセラミックグリーンシートにおける前記キャビティ形成予定部位の一部を除去する除去工程を更に備えることが好ましい。
キャビティ形成工程によりキャビティを形成する前にキャビティ形成予定部位の一部を除去するため、キャビティ形成予定部位がプレスされた後において、プレスによりセラミックグリーンシート中のセラミック粉の移動量を小さくすることができる。従って、プレスされた部位の密度が高くなることをより抑制でき、セラミック粉の密度に偏りが生じることをより抑えることができる。
以上のように、本発明によれば、寸法精度が優れる多数個取基板の製造方法が提供される。
本発明の実施形態に係る部品搭載用基板を示す図である。 多数個取基板の平面図である。 図2のV−V線における多数個取基板の断面図である。 図2、図3に示す多数個取基板を製造する工程を示すフローチャートである。 準備工程において準備されるセラミックグリーンシートを示す図である。 除去工程の様子を示す図である。 除去工程後のセラミックグリーンシートを示す断面図である。 溝形成工程の様子を示す図である。 溝形成工程後のセラミックグリーンシートを示す断面図である。 キャビティ形成工程の様子を示す図である。 溝整形工程の様子を示す図である。
以下、本発明の多数個取基板の製造方法について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る部品搭載用基板を示す図である。本実施形態の部品搭載用基板10はセラミック焼結体から成る。つまり、部品搭載用基板10はセラミック基板の一形態とされる。本実施形態の部品搭載用基板10は、基体部11と、基体部11上に形成される枠体部12とから成り、基体部11と枠体部12とは一体成形されている。なお、図1では基体部11と枠体部12との境界を破線で示している。
基体部11は、仮に基体部11と枠体部12とを分離する場合、平板状の部位とされる。基体部11の大きさは、特に限定されないが、例えば、3mm(縦幅)×2mm(横幅)×0.6mm(厚さ)とされる。
枠体部12は、基体部11上に形成される環状の部位である。枠体部12の基体部11側と反対側の面である上面は平坦状とされる。また、枠体部12の外周側の側面の形状は、基体部11の側面の形状と同様とされている。枠体部12は、上述のように環状の部位であるため、枠体部12には、厚さ方向に貫通する孔が形成されており、本実施形態において、この孔の上面と底面は、四角形の形状とされている。上記のように、枠体部12は基体部11上に形成されているため、部品搭載用基板10としてみると、枠体部12の基体部11側と反対側が開口していることになり、基体部11の上面と枠体部12の内周面とにより凹部であるキャビティ15が形成されている。なお、本実施形態ではキャビティ15における枠体部12の内壁面が、キャビティ15の開口方向(基体部11から枠体部12に向かう方向)において、外側に向かって広がる傾斜面とされている。なお、枠体部12のサイズは、特に限定されないが、例えば3mm(縦幅)×2mm(横幅)×0.2mm(厚さ)とされる。また、傾斜面である内壁面の傾斜角度は、特に限定されないが、基体部11の上面に対して例えば75°とされる。また、キャビティ15の開口のサイズは、特に限定されないが、例えば0.9mm(縦幅)×0.9mm(横幅)とされる。
本実施形態の部品搭載用基板10は、電子部品搭載用の基板とされ、キャビティ15は、発光素子やMEMS等の電子部品が収納される部位とされる。従って、必要に応じて、部品搭載用基板10の表面に配線導体等の他の部材が設けられても良い。
なお、部品搭載用基板10を構成するセラミックスとしては、特に限定されないが、例えば、アルミナを主成分とするセラミックスや、窒化アルミニウムを主成分とするセラミックスや、ムライトを主成分とするセラミックス等を挙げることができる。
部品搭載用基板10は、部品搭載用基板10が基板個片として多数連結して成る多数個取基板を分割する工程を経て得ることができる。
図2は、このような多数個取基板1の平面図であり、図3は、図2のV−V線における多数個取基板の断面図である。上記のように部品搭載用基板10は、多数個取基板1が分割されて個片とされるため、図2、図3に示すように、多数個取基板1は、部品搭載用基板10が複数個連結して成る基板個片集合部3を有し、さらに基板個片集合部3を囲む基板縁部5を有する。
基板個片集合部3及び基板縁部5は、部品搭載用基板10と同様のセラミック焼結体から成る。つまり、多数個取基板1はその全体がセラミック焼結体から成り、多数個取基板1はセラミック基板の一形態と把握することができる。そして、基板個片集合部3の一方の面側には、それぞれの部品搭載用基板10を個片化するための凹部である分割溝4が形成されている。この分割溝4で囲まれた領域に、それぞれの部品搭載用基板10のキャビティ15が形成されている。この分割溝4を基準に多数個取基板1を分割することで、それぞれの部品搭載用基板10を得る。
次に、多数個取基板1を製造する方法について説明する。
図4は、図2、図3に示す多数個取基板1を製造する工程を示すフローチャートである。図4に示すように、多数個取基板1の製造方法は、準備工程P1と、除去工程P2と、溝形成工程P3と、キャビティ形成工程P4と、溝整形工程P5と、焼成工程P6とを備える。
<準備工程P1>
本工程では、多数個取基板1を製造するためのセラミックグリーンシートを準備する。セラミックグリーンシートとは、焼成することによりセラミック焼結体となる生シートのことであって、焼成前のセラミック基板のことをいう。図5は、本工程において準備されるセラミックグリーンシートを示す図である。図5に示すように本工程においては、平坦なセラミックグリーンシート1Sを準備する。なお、図5においては、図2、図3に示す分割溝4が形成される予定領域である分割溝形成予定部位4Sが破線で示され、当該部位で囲まれる部分が部品搭載用基板10となる部分である。また、図5においては、部品搭載用基板10となる部分のそれぞれにキャビティ15が形成される予定領域であるキャビティ形成予定部位15Sが点線で示されており、キャビティ形成予定部位15Sが複数配置される。
セラミックグリーンシート1Sは次のように製造される。例えば、部品搭載用基板10がアルミナセラミックスから成る場合には、アルミナ粉末、焼結助剤、有機バインダ、溶剤、可塑剤等を適宜混合してスラリーを調製する。次に、調製したスラリーをドクターブレード法やカレンダーロール法等の方法により、平坦なシート状に成形して単層のセラミックグリーンシート1Sを作製する。なお、セラミックグリーンシート1Sは、原料粉末を成型機に充填して、加圧成形して作製することもできる。
<除去工程P2>
次に除去工程P2を行う。本工程は、セラミックグリーンシート1Sにおけるキャビティ形成予定部位の一部を除去する工程である。
本実施形態では、多数個取基板1におけるそれぞれの基板個片である部品搭載用基板10にキャビティ15が形成されている。そこで、本工程では、図5に示すセラミックグリーンシート1Sにおけるそれぞれのキャビティ形成予定部位15Sの一部を除去する。
図6は本工程の様子を示す図である。図6に示すように、本実施形態では、除去をセラミックグリーンシート1SにレーザLを照射するレーザ加工により行う。このとき、集塵機50により、レーザ加工により発生するセラミックグリーンシート1Sの除去カスを集めることが好ましい。セラミックグリーンシート1Sを加工するレーザLとしては、例えば、エキシマレーザやYAGレーザや炭酸ガスレーザ等を挙げることができる。
図7は、本工程後のセラミックグリーンシート1Sを示す図である。上記のように本工程では、セラミックグリーンシート1Sにおけるキャビティ形成予定部位15Sの一部を除去するため、除去部15Tが凹状に形成され、キャビティ形成予定部位15Sの他の一部が残存する。本工程では、レーザ加工後にキャビティ形成予定部位15Sの他の一部が残存した状態で、セラミックグリーンシート1Sにおけるキャビティ形成予定部位15Sの内壁、すなわち除去部15Tの内壁に凹状の角部が非形成とされるように、レーザ加工が行われる。図7では、キャビティ形成予定部位15Sの内壁が全体的に曲面となるようにレーザ加工が行われた様子を示している。このように角部が非形成とされることで、集塵機50で集められなかった除去カスがキャビティ形成予定部位15Sの表面に付着する場合であっても、当該カスが角に入り込むことを防止でき、当該カスを容易に取り除くことができる。
<溝形成工程P3>
次に溝形成工程P3を行う。本工程は、セラミックグリーンシート1Sにおける互いに隣り合うキャビティ形成予定部位15Sの間に溝を形成する工程である。
また、本実施形態では、セラミックグリーンシート1Sにおける分割溝形成予定部位4Sを溝状に除去することで、キャビティ形成予定部位15Sの間に溝4Tを形成する。図8は本工程の様子を示す図である。図8に示すように、本実施形態では、本工程の除去を上記除去工程P2と同様にセラミックグリーンシート1SにレーザLを照射するレーザ加工により行う。このとき、本工程においても、集塵機50によりレーザ加工により発生するセラミックグリーンシート1Sの除去カスを集めることが好ましい。こうして、図9に示すように、互いに隣り合うキャビティ形成予定部位15Sの間に溝4Tが形成される。
本実施形態では、分割溝形成予定部位4Sに溝4Tを形成する。従って、図5より明らかなように、溝4Tはキャビティ形成予定部位15Sの外周に沿って形成され、それぞれのキャビティ形成予定部位15Sから溝4Tまでの距離は等しくされる。
なお、特に図示しないが、本工程においてもセラミックグリーンシート1Sにおける溝4Tの内壁に角部が非形成とされることが、除去カスを容易に取り除くことができる観点から好ましい。
<キャビティ形成工程P4>
本工程は、溝4Tが形成されたセラミックグリーンシート1Sにおけるキャビティ形成予定部位15Sをプレスしてキャビティ15を形成する工程である。
図10は、本工程の様子を示す図である。図10に示すように、本工程では、平板状の下側金型51とキャビティ形成予定部位15Sに入り込みキャビティ15を形成する凸状の上側金型52とによりセラミックグリーンシート1Sを挟み込んでプレスする。このプレスにより、セラミックグリーンシート1Sにおけるキャビティ形成予定部位15Sに位置するセラミック粉は、セラミックグリーンシートの主面方向等に向かって、キャビティ形成予定部位15S以外に移動する。また、このプレスにより、セラミックグリーンシート1Sを平面視する場合に、キャビティ形成予定部位15Sと重なる部位に位置するセラミック粉の一部は、キャビティ形成予定部位15Sと重ならない位置まで移動したり、セラミックグリーンシートの主面方向に移動したりする。
また、本実施形態では、下側金型51に振動子53が設けられており、振動子53はセラミックグリーンシート1Sのプレス時に振動する。この振動子53の振動により、下側金型51は振動する。この振動により、キャビティ形成予定部位15Sに振動が加えられ、プレス時にセラミックグリーンシート1Sを構成するセラミック粉は流動し易くなる。このため、セラミックグリーンシート1Sにおけるキャビティ形成予定部位15Sのセラミック粉がキャビティ形成予定部位15S以外に移動し易くなると共に、セラミックグリーンシート1Sを平面視する場合におけるキャビティ形成予定部位15Sと重なる部位に位置するセラミック粉、すなわちキャビティ形成予定部位15Sよりも下側金型51側に位置するセラミック粉が、キャビティ形成予定部位15Sと重ならない位置に移動し易くなる。従って、本工程後に、キャビティ形成予定部位15Sと重なる部位に位置するセラミック粉の密度が高くなることをより適切に抑制することができる。なお、上記のようにセラミックグリーンシート1S中のセラミック粉の流動性を高める観点から、振動子53の振動により下側金型51は超音波振動することが好ましい。
また、上記のように、溝形成工程P3において、互いに隣り合うキャビティ形成予定部位15S間には溝4Tが形成されている。従って、プレスにより上記のようにセラミック粉が移動しても、セラミック粉の移動を溝4Tが潰れるように変形して吸収する。従って、互いに隣り合うキャビティ形成予定部位15S間に溝4Tが形成されることで、セラミック粉がより適切に移動することができる。
こうしてセラミックグリーンシート1Sにおいてキャビティ15が形成される。
<溝整形工程P5>
本工程は、キャビティ形成工程P4の後に溝4Tが形成された部位をプレスして溝4Tの形状を整える工程である。本実施形態では、溝4Tが分割溝形成予定部位4Sに形成されており、溝4Tの形状を整えることで分割溝4を形成する。
図11は、本工程の様子を示す図である。図11に示すように、本工程では、平板状の下側金型61と分割溝形成予定部位4Sに入り込み分割溝4を形成する凸状の上側金型62とによりセラミックグリーンシート1Sを挟み込んでプレスする。このプレスにより分割溝4が形成される。
また、本工程においても、キャビティ形成工程P4と同様にして、下側金型61に振動子63が設けられており、振動子63はセラミックグリーンシート1Sのプレス時に振動することが好ましい。この振動子63の振動により下側金型61は振動し、分割溝形成予定部位4Sに振動が加えられ、プレス時にセラミックグリーンシート1Sを構成するセラミック粉は流動し易くなる。従って、本工程後に、このため分割溝形成予定部位4Sと重なる部位に位置するセラミック粉の密度が高くなることをより適切に抑制することができる。また、本工程においても、キャビティ形成工程P4と同様にして、振動子63の振動により下側金型61は超音波振動することが好ましい。
また、上記のように互いに隣り合うキャビティ形成予定部位15S間に形成された溝4Tが、キャビティ形成工程P4において上記のように潰れるように変形しても、溝4Tの痕跡は残る。従って、本工程において、凸状の上側金型62がセラミックグリーンシート1Sの分割溝形成予定部位4Sに入り易く、プレスされた部位におけるセラミック粉の密度が高くなることを抑えることができる。
このように溝4Tを成形して分割溝4とすることで、キャビティ形成工程P4によるセラミック粉の移動により、溝4Tが潰れるように変形しても、溝4Tを設計通りの形状とすることができる。従って、基板個片の寸法精度をより向上させることができる。
こうして、セラミックグリーンシート1Sにおいて分割溝4が形成される。
以上の工程により、図2、図3に示す多数個取基板1と略同形状のセラミックグリーンシート1Sを得る。
<焼成工程P6>
次に、セラミックグリーンシート1Sを焼成する。このとき、上記のように、部品搭載用基板10がアルミナセラミックスから成る場合には、アルミナが焼結し得る所定の温度(例えば、1400℃から1800℃程度の温度)で焼成する。この焼成により、セラミックグリーンシート1Sを焼結させて、複数の部品搭載用基板10が個片として集合して成る基板個片集合部3を有するセラミック基板としての多数個取基板1を得る。
そして、上記のように分割溝4を基準に多数個取基板1を分割することで、セラミック基板としての部品搭載用基板10を得る。
以上説明したように、本実施形態のセラミック基板の製造方法では、キャビティ15をキャビティ形成工程P4においてプレスにより形成する際、キャビティ形成予定部位15Sに位置するセラミック粉の一部、及び、このキャビティ形成予定部位15Sとセラミックグリーンシート1Sの主面に垂直な方向に重なる領域に位置するセラミック粉の一部が、セラミックグリーンシート1Sの主面方向に移動する。このとき本実施形態の多数個取基板1の製造方法によれば、互いに隣り合うキャビティ形成予定部位15Sの間に形成された溝4Tが潰れるように変形して、セラミック粉の移動を吸収する。このようにキャビティ形成工程P4より前に溝4Tが形成されることでセラミック粉が適切に移動することができ、セラミック粉の密度に偏りが生じることを抑えることができる。こうして、セラミックグリーンシートを焼結する際、部位により収縮率が異なることを抑制することができ、寸法精度が優れる多数個取基板を製造することができる。
また、本実施形態では、溝4Tはそれぞれの基板個片に分割するための分割溝形成予定部位4Sに形成される。従って、溝整形工程P5で溝4Tが整形されて分割溝4とされることで、セラミック粉の移動を吸収するための溝4Tの痕跡を消すことができ、不要な溝跡を消すことができる。
また、本実施形態では、溝4Tはセラミックグリーンシート1Sの一部を除去することで形成されるため、プレスで溝4Tの形成する場合と異なり、溝4Tを形成するためのセラミック粉の移動を抑制することができる。また、本実施形態では、溝4Tはレーザ加工により除去されて形成されるため、ルータ等を用いた切削加工と異なり、溝4Tを形成する際にセラミックグリーンシート1Sに応力がかかることを抑制することができる。従って、セラミックグリーンシート1Sが変形したり、セラミック粉の密度が変化したりすることを抑制することができる。
また、本実施形態では、溝4Tはキャビティ形成予定部位15Sの外周に沿って形成されるため、キャビティ形成予定部位15Sと溝4Tとの距離が一定となる。従って、溝4Tとキャビティ形成予定部位15Sとの間の部位においてセラミック粉の密度が偏ることをより抑制することができる。
また、本実施形態では、キャビティ形成工程P4より前にセラミックグリーンシート1Sにおけるキャビティ形成予定部位15Sの一部を除去する除去工程P2を行うため、キャビティ形成工程P4において、プレスによるセラミックグリーンシート1S中のセラミック粉の移動量を小さくすることができる。従って、プレスされた部位の密度が高くなることをより抑制でき、セラミック粉の密度に偏りが生じることをより抑えることができる。
また、本実施形態では、除去工程P2において、キャビティ形成予定部位15Sの全てを除去せずに当該部位15Sの一部を除去し、その後、キャビティ形成工程P4において、上記部位15Sをプレスしている。このため、キャビティ15の表面に不要な凹凸が出来ることを抑制することができる。
以上、本発明について上記実施形態を例に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものでは無い。
例えば、上記実施形態では、部品搭載用基板10が基板個片として複数連結した多数個取基板1を例に説明した。しかし、本発明の多数個取基板1は、キャビティを有する基板個片が複数連結した多数個取基板であれば良く、上記実施形態の例に限らない。
また、上記実施形態では、溝4Tは分割溝形成予定部位4Sに形成されたが、互いに隣り合うキャビティ形成予定部位15Sの間であれば、分割溝形成予定部位4Sと異なる部位に形成されても良い。
また、溝4Tはキャビティ形成予定部位15Sの外周に沿って形成されたが、互いに隣り合うキャビティ形成予定部位15Sの間であれば、キャビティ形成予定部位15Sの外周に沿って形成されなくても良い。
また、上記実施形態では、溝整形工程P5により、溝4Tを整形して分割溝4とした。しかし、キャビティ形成工程P4後に溝4Tが残っていれば、溝整形工程P5を経ることなく溝4Tをそのまま分割溝としても良い。この場合、分割溝がセラミック粉の移動を吸収する溝を兼ねることで、セラミック粉の移動を吸収するための基板個片として不要な溝を分割溝とは別に形成することを無くすことができる。また、溝整形工程P5が不要となるため、製造コストが安価となる。
また、本実施形態において、溝4Tは、その容積が分割溝形成予定部位4Sの容積よりも大きくなるように形成されても良い。このように、溝4Tが、キャビティ形成工程P4後に分割溝4の容積や形状よりも大きくならない程度に、分割溝形成予定部位4Sの容積よりも大きく形成されることで、セラミック粉の移動の吸収をより大きくすることができる。特に、上記のようにキャビティ形成工程P4後に溝整形工程P5を経ることなく溝4Tをそのまま分割溝として使用する場合等には、溝4Tの容積が分割溝形成予定部位4Sの容積よりも大きくなるように溝4Tを形成することが有効である。
また、上記実施形態では、溝形成工程P3において溝4Tを形成する際に、レーザ加工によりセラミックグリーンシート1Sの一部を除去した。しかし、本発明の溝形成工程P3はこのような方法に限らない。例えば、ルータ等によりセラミックグリーンシート1Sの一部を削ることで、溝形成工程P3を行っても良い。ただし、上記のようにレーザ加工により溝形成工程P3を行う方がセラミックグリーンシート1Sの変形を抑制することができるため好ましい。
また、上記実施形態では、除去工程P2において、キャビティ形成予定部位15Sの一部を除去した。しかし、本発明は、これに限らず、キャビティ形成予定部位15Sの一部を除去せずにキャビティ15をプレスのみで形成しても良い。ただし、キャビティ形成工程P4におけるセラミック粉の移動量を低減させる観点から除去工程P2においてキャビティ形成予定部位15Sの一部を除去することが好ましい。また、除去工程P2を行う場合であっても、ルータ等によりセラミックグリーンシート1Sの一部を削ることで、除去工程P2を行っても良い。ただし、上記のようにレーザ加工により除去工程P2を行う方がセラミックグリーンシート1Sの変形を抑制することができるため好ましい。
また、除去工程P2と溝形成工程P3とを同時に行っても良い。
また、上記除去工程P2や溝形成工程P3では、集塵機50により除去カスを集めることとしたが、当該構成は必須では無い。
また、上記実施形態では、キャビティ形成工程P4において下側金型51を振動子53により振動させ、溝整形工程P5において下側金型61を振動子63により振動させた。しかし、プレス時における金型の振動は必須では無い。ただし、セラミックグリーンシート1S中のセラミック粉の流動性を向上させる観点から、金型を振動させることが好ましい。また、金型を振動させる場合であっても、振動させる金型は下側金型51,61に限らず上側金型52,62であっても良く、下側金型51,61及び上側金型52,62の双方を振動させても良い。
以上説明したように本発明によれば、本発明によれば、寸法精度が優れるセラミック基板の製造方法が提供され、部品搭載用のセラミック基板や他のセラミック基板を製造する分野で利用することができる。
1・・・多数個取基板
1S・・・セラミックグリーンシート
3・・・基板個片集合部
4・・・分割溝
4S・・・分割溝形成予定部位
4T・・・溝
5・・・基板縁部
10・・・部品搭載用基板
11・・・基体部
12・・・枠体部
15・・・キャビティ
15S・・・キャビティ形成予定部位
15T・・・除去部
51,61・・・下側金型
52,62・・・上側金型
53,63・・・振動子
P1・・・準備工程
P2・・・除去工程
P3・・・溝形成工程
P4・・・キャビティ形成工程
P5・・・溝整形工程
P6・・・焼成工程

Claims (7)

  1. キャビティを有する基板個片が複数連結した多数個取基板の製造方法であって、
    焼成することによりセラミック焼結体となり、かつ前記キャビティが形成される予定領域であるキャビティ形成予定部位を複数有するセラミックグリーンシートを準備する準備工程と、
    互いに隣り合う前記キャビティ形成予定部位の間にて、前記セラミックグリーンシートの一部を除去して溝を形成する溝形成工程と、
    前記溝形成工程後に、前記キャビティ形成予定部位をプレスして、前記セラミックグリーンシートに前記キャビティを形成するキャビティ形成工程と、
    前記キャビティ形成工程を経た前記セラミックグリーンシートを焼成する焼成工程と、
    前記キャビティ形成工程の後に前記溝が形成された部位をプレスして前記溝の形状を整える溝整形工程と、
    を備える
    ことを特徴とする多数個取基板の製造方法。
  2. 前記キャビティ形成工程より前にセラミックグリーンシートのうち前記キャビティ形成予定部位の一部を除去する除去工程を更に備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の多数個取基板の製造方法。
  3. キャビティを有する基板個片が複数連結した多数個取基板の製造方法であって、
    焼成することによりセラミック焼結体となり、かつ前記キャビティが形成される予定領域であるキャビティ形成予定部位を複数有するセラミックグリーンシートを準備する準備工程と、
    互いに隣り合う前記キャビティ形成予定部位の間にて、前記セラミックグリーンシートの一部を除去して溝を形成する溝形成工程と、
    前記溝形成工程後に、前記キャビティ形成予定部位をプレスして、前記セラミックグリーンシートに前記キャビティを形成するキャビティ形成工程と、
    前記キャビティ形成工程を経た前記セラミックグリーンシートを焼成する焼成工程と、
    前記キャビティ形成工程より前にセラミックグリーンシートのうち前記キャビティ形成予定部位の一部を除去する除去工程と、
    を備える
    ことを特徴とする多数個取基板の製造方法。
  4. 前記溝はそれぞれの前記基板個片に分割するための分割溝が形成される予定領域である分割溝形成予定部位に形成され、
    前記分割溝形成予定部位に形成された前記溝は、前記キャビティ形成工程の後に前記溝が形成された部位をプレスして前記溝の形状を整える溝整形工程を経ることなく、前記分割溝とされる
    ことを特徴とする請求項に記載の多数個取基板の製造方法。
  5. 前記溝はそれぞれの前記基板個片に分割するための分割溝が形成される予定領域である分割溝形成予定部位に形成される
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の多数個取基板の製造方法。
  6. 前記溝はレーザ加工により除去されて形成される
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の多数個取基板の製造方法。
  7. 前記溝は前記キャビティ形成予定部位の外周に沿って形成される
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の多数個取基板の製造方法。
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