JP6505825B2 - 植物成長調節剤化合物 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、すべての目的について参照によりその全体が本明細書に援用される、2014年8月8日に出願の米国仮特許出願第62/035,310号に係る米国特許法第119条(e)による利益を主張する。
発明の分野
本発明は、新規スルホンアミド誘導体、これらを調製するためのプロセスおよび中間体、これらを含む植物成長調節剤組成物、ならびに植物の成長を制御し、非生物ストレス(環境ストレスおよび化学的ストレスを含む)に対する植物の耐性を向上させ、種子発芽を阻害し、および/または化学物質の植物毒性効果に対する植物の薬害を軽減するためのこれらの使用方法に関する。
発明の背景
アブシジン酸(ABA)は、植物の成長、発生および非生物ストレスへの応答に主に関与する植物ホルモンである。ABAは、その細胞応答の多くを、ABAおよび他のアゴニストに対するリガンド結合ポケットを有するPYR/PYLタンパク質と呼ばれる可溶性の受容体ファミリーに結合することにより生じさせる。ABAを植物に直接適用することで、水の利用効率が向上されることが分かっている。しかしながら、ABAはその調製が困難であると共に高価であり、それ自体が環境条件に対して不安定であるため、大規模農業用途には不適である。従って、干ばつなどの環境ストレスに対する植物の耐性の向上、種子発芽の阻害、植物の成長の調節、および作物収量の向上に有用であり得るABAアゴニストを調査することが望まれている。
国際公開第2013/148339号には、PYR/PRL受容体タンパク質に結合して、インビボでアブシジン酸応答を生じさせる新規のABAアゴニスト、キナバクチンが報告されている。キナバクチンは、気孔閉鎖を誘起させて、水の損失を抑制すると共に干ばつ耐性を促進させることが示されている。
植物の成長および発生、ならびに環境ストレスに対する植物の耐性を向上させるために、アブシジン酸の向上したアゴニストを同定する必要性が存在している。本発明は、向上した特性を有するキナバクチンの新規の類似体に関する。本発明の化合物の有益性としては、強化された非生物ストレスに対する耐性、向上した種子発芽の阻害、より良好に調節された作物の成長、向上した作物収量、および/またはより良好な植物による摂取、水溶性、化学的安定性もしくは物理的安定性をもたらす向上した物理特性が挙げられる。
発明の概要
本発明は、新規スルホンアミド誘導体、これらを調製するためのプロセスおよび中間体、これらを含む組成物、ならびにこれらの使用方法に関する。
一態様において、本発明は、式(I):

の化合物、またはその塩もしくはN−オキシドを提供する。R1は、水素、アルキル、シアノ−アルキル、ハロアルキル、アルコキシ−アルキル、ハロアルコキシ−アルキル、シクロアルキル−アルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニルおよびヘテロシクロアルキルから選択され;またはR1は、アルキル−アリール、シクロアルキル、フェニルおよびヘテロアリールから選択され、各々は、任意選択により、1〜3個のRxで置換されている。各Rxは、独立して、ハロゲン、シアノ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルスルファニル、ハロアルキルスルファニル、アルキルスルフィニル、ハロアルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルホニルおよびシクロアルキルから選択される。R2a、R2b、R3a、R3b、R4、R5およびR6は、独立して、水素、ハロゲン、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシおよびシクロアルキルから選択される。R2aおよびR2b、またはR2aおよびR3aは、これらが結合している原子と一緒になって、任意選択により、結合されてシクロアルキルを形成する。Lは、アルキル、アルケニル、アルコキシおよびアルコキシ−アルキルから選択され、各々は、任意選択により、ハロゲン、シアノ、アルキルおよびアルコキシから独立して選択される1〜3つの部分で置換されている。Aは、任意選択により1〜4個のRyで置換されているシクロアルキルである。各Ryは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アルキル、ハロアルキル、−OH、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルスルファニル、ハロアルキルスルファニル、アルキルスルフィニル、ハロアルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルホニル、シクロアルキル、=O、=N−OH、−N=OMe、COOH、COOR9、CONHR9、CONR9aR9およびNHCOR9から独立して選択される。1個または複数個のRyが、=O、=N−OHまたは−N=OMeである場合、AはCシクロアルキルではない。R9およびR9aは、独立してアルキルである。各R8は、水素、ハロゲン、シアノ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルスルファニル、ハロアルキルスルファニル、アルキルスルフィニル、ハロアルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルホニル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、シクロアルキルおよびアルコキシ−アルキルから独立して選択される。nは、1、2および3から選択される。
本発明の化合物は、異なる幾何異性体または光学異性体(ジアステレオ異性体および鏡像異性体)または互変異性形態で存在し得る。本発明は、すべてのこのような異性体および互変異性体と、すべての割合でのこれらの混合物と、重水素化化合物などの同位体形態とを包含する。本発明はまた、本発明の化合物のすべての塩、N−オキシドおよびメタロイド錯体を包含する。
さらなる態様において、本発明は、植物への適用に適切に配合されたこれらの化合物の配合物、ならびにこれらの化合物および配合物の使用方法を提供する。
本発明の他の目的、利点および態様は以下の詳細な説明から明らかであろう。
発明の詳細な説明
定義
本発明をより詳細に説明する前に、本明細書に記載の特定の実施形態は様々であり得るため、本発明はこのような実施形態に限定されないことが理解されるべきである。本明細書で用いられている用語法は特定の実施形態を記載することのみを目的としており、この用語法は限定的であることが意図されているものではないことも理解されるべきである。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲のみによって限定されるものである。別途定義されていない限りにおいて、本明細書で用いられているすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって通常理解されるものと同一の意味を有する。値の範囲が記載されている場合、範囲の上限と下限との間において、文脈において別段の記載が明確になされていない限り、下限の単位の10分の1までの介在する値の各々、およびその記載の範囲内におけるいずれかの他の記載されているかまたは介在している値が本発明に包含されることが理解される。これらの狭い範囲の上限および下限は、独立して、この狭い範囲内に含まれ得、また、これらは本発明にも包含されるが、ただし、記載の範囲内における特定的に除外される限定が条件とされる。記載の範囲が上限および下限の一方または両方を含むとされる場合、これらの含まれる上限および下限の一方または両方が除外された範囲も本発明において包含される。一定の範囲は、本明細書において、用語「約」に続く数値により示されている。「約」という用語は、本明細書において、後に続く数字自体と、この用語に続く数字に近いまたは近似する数字とを字義的に支持するために用いられる。特定的に言及されている数字にある数字が近いかまたは近似しているかの判定において、この言及されていない近いまたは近似する数字は、それが呈示されている文脈において、特定的に言及されている数字と実質的に均等な数字であり得る。本明細書で引用されるすべての刊行物、特許および特許出願は、刊行物、特許または特許出願の各々が個々に特定的かつ個別に参照により援用されると明示されている場合と同程度に、参照により本明細書に援用される。さらに、引用される刊行物、特許または特許出願の各々が参照により本明細書に援用されることにより、引用される刊行物と関連する主題を開示および記載する。いずれかの刊行物の引用は出願日に先行する開示のためであり、先行発明によってこのような刊行物に対して本明細書に記載の本発明が先行する権利がないことを認めるものとして解釈されるべきではない。さらに、記載されている刊行物の日付は実際の刊行日と異なっている場合があり、別個に確認する必要があり得る。
特許請求の範囲は、いずれかの任意選択の要素を除外するように起草されている場合があることに注目されたい。従って、この記載は、特許請求の範囲における要素の言及に関連する「単に」、「のみ」等などの排他的な用語の使用、または「否定的な」限定の使用について、先行詞としての役割を果たすように意図されている。本開示を読むに当たり当業者には明らかであるとおり、本明細書に記載および例示され、記載されている個別の実施形態の各々は、本発明の範囲または趣旨から逸脱しない限りにおいて、他の数々の実施形態のいずれかの特性から容易に分離または組み合わされ得る独立した構成要素および特性を有する。言及されている方法はいずれも、事象が言及されている順番で、または論理的に実行可能であるいずれかの他の順番で実施され得る。本明細書に記載のものと同様または均等な方法および材料はいずれも本発明の実施または試験において用いられてもよいが、代表的で例示的な方法および材料をここに記載する。
以下の定義は、以下の本明細書に記載の本発明の実施形態の各々に幅広く適用可能である。別段の定めがある場合を除き、本明細書で用いられているすべての技術用語および科学用語は一般的に、本発明が属する技術分野における当業者によって通例理解されるであろうものと同じ意味を有する。一般に、本明細書で用いられている命名法および分析化学における実験手法ならびに有機合成は、周知であると共に当技術分野において通例採用されるものである。標準的な技術またはその変更が、化学合成および化学分析に用いられる。
「アルキル」という用語は、単独で、または他の置換基の一部として、別段の定めがある場合を除き、直鎖もしくは分岐鎖、または環式炭化水素ラジカル、またはこれらの組み合わせを意味し、これは、完全に飽和されており、指定されている炭素原子の数を有する(すなわち、C〜C10は1〜10個の炭素を意味する)一価、二価、三価および四価のラジカルを含むことが可能である。飽和炭化水素ラジカルの例としては、これらに限定されないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、シクロヘキシル、(シクロヘキシル)メチル、シクロプロピルメチル、例えば、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル等の同族体および異性体などの基が挙げられる。「アルキル」という用語は、本明細書で用いられるところ、原子価に係る要件を満たす適切な一価、二価または多価の種であることが可能であるアルキル部分を指す。
「アルケニル」という用語は、単独で、または他の置換基の一部として、別段の定めがある場合を除き、直鎖もしくは分岐鎖もしくは環式のアルキルラジカル、またはこれらの組み合わせを意味し、1つまたは複数の炭素−炭素二重結合を有する。アルケニル基の例としては、これらに限定されないが、ビニル、2−プロペニル、クロチル、イソペンテン−2−イル、ブタジエン−2−イル、2,4−ペンタジエニル、1,4−ペンタジエン−3−イル、ならびに高級同族体および異性体が挙げられる。
「アルキニル」という用語は、単独で、または他の置換基の一部として、別段の定めがある場合を除き、直鎖もしくは分岐鎖もしくは環式のアルキルラジカル、またはこれらの組み合わせを意味し、1つまたは複数の炭素−炭素三重結合を有する。アルキニル基の例としては、これらに限定されないが、エチニル、1−および3−プロピニル、3−ブチニル、ならびに高級同族体および異性体が挙げられる。
「アルキレン」という用語は、単独で、または他の置換基の一部として、アルキル部分から誘導された二価ラジカルを意味し、特に限定されないが、典型的には−CHCHCHCH−により例示され、アルキル(またはアルキレン)基は1〜24個の炭素原子を有し、ここで、10個以下の炭素原子を有する基が本発明において好ましい。アルキレンおよびヘテロアルキレンリンカー基に関しては、リンカー基の式が記載されている方向によってリンカー基の向きは示唆されず、任意選択となっている。例えば、式−C(O)R’−は、−C(O)R’−、および任意選択により、−R’C(O)−を表す。「低級アルキル」または「低級アルキレン」は、一般に8個、7個、6個、5個またはそれより少ない炭素原子を有する短鎖アルキルまたはアルキレン基である。
「アルコキシ」、「アルキルアミノ」および「アルキルチオ」(またはチオアルコキシ)という用語は従来の意味で用いられており、それぞれ酸素原子、アミノ基または硫黄原子を介して分子の残部に結合しているアルキル基を指す。
「ヘテロアルキル」という用語は、単独で、または他の用語との組み合わせで、別段の定めがある場合を除き、記載の個数の炭素原子と、B、O、N、SiおよびSからなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子とからなる安定な直鎖または分岐鎖または環式のアルキルラジカルを意味し、ここで、ヘテロ原子は任意選択により酸化されていてもよく、窒素原子は任意選択により四級化されていてもよい。ヘテロ原子は、ヘテロアルキル基の任意の内部位置または末端であり、例えば、アルキル基が分子の残部に結合している位置に位置されていてもよい。「ヘテロアルキル」基の例としては、これらに限定されないが、−CH−CH−O−CH、−CH−CH−NH−CH、−CH−CH−N(CH)−CH、−CH−S−CH−CH、−CH−CH、−S(O)−CH、−CH−CH−S(O)−CH、−Si(CHおよび−CH−CH=N−OCHが挙げられる。例えば−CH−NH−OCHおよび−CH−O−Si(CHなどのように2個以上のヘテロ原子が連続していてもよい。同様に、「ヘテロアルキレン」という用語は、単独で、または他の置換基の一部として、二価ヘテロアルキルラジカルを指し、特に限定されないが、−CH−CH−S−CH−CH−および−CH−S−CH−CH−NH−CH−により例示される。ヘテロアルキレン基に関して、ヘテロ原子はまた、末端の一方または両方を埋めていることが可能である(例えば、アルキレンオキシ、アルキレンジオキシ、アルキレンアミノ、アルキレンジアミノ等)。
「シクロアルキル」および「ヘテロシクロアルキル」という用語は、これら自体で、または他の用語との組み合わせで、別段の定めがある場合を除き、それぞれ環式の「アルキル」および「ヘテロアルキル」を表す。さらに、ヘテロシクロアルキルに関して、ヘテロ原子は、複素環が分子の残部に結合している位置を埋めていることが可能である。シクロアルキルの例としては、これらに限定されないが、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等が挙げられる。ヘテロシクロアルキルの例としては、これらに限定されないが、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−モルホリニル、3−モルホリニル、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロチエン−2−イル、テトラヒドロチエン−3−イル、1−ピペラジニル、2−ピペラジニル等が挙げられる。
いくつかの実施形態において、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、ヘテロアルキレン、アルコキシ、アルキルアミノ、アルキルチオ、ヘテロアルキル、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキル基はいずれも、任意選択により、例えば、本明細書において「アルキル置換基」と称されている1つまたは複数の基で置換されている。
「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、これら自体で、または他の置換基の一部として、別段の定めがある場合を除き、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子を意味する。さらに、「ハロアルキル」などの用語は、モノハロアルキルおよびポリハロアルキルを含むことが意図されている。例えば、「ハロ(C〜C)アルキル」という用語は、これらに限定はされないが、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、4−クロロブチル、3−ブロモプロピル等を含むことが意図されている。
「アリール」という用語は、別段の定めがある場合を除き、単環、または一緒に縮合している多環(好ましくは1〜3環)であることが可能である多価不飽和の芳香族置換基を意味する。「ヘテロアリール」という用語は、N、OおよびSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有するアリール基(または環)を指し、ここで、窒素原子および硫黄原子は任意選択により酸化されており、窒素原子は任意選択により四級化されている。ヘテロアリール基は、ヘテロ原子を介して分子の残部に結合していることが可能である。アリールおよびヘテロアリール基の非限定的な例としては、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、3−ピラゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、ピラジニル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジル、4−ピリミジル、5−ベンゾチアゾリル、プリニル、2−ベンズイミダゾリル、5−インドリル、1−イソキノリル、5−イソキノリル、2−キノキサリニル、5−キノキサリニル、3−キノリルおよび6−キノリルが挙げられる。いくつかの実施形態において、アリールおよびヘテロアリール基はいずれも、任意選択により、例えば、本明細書において「アリール置換基」と称されている1つまたは複数の基で置換されている。
「アリールアルキル」という用語は、アリール基がアルキル基(例えば、ベンジル、フェネチル等)に結合しているラジカルを含む。
アルキルおよびヘテロアルキルラジカルに係る置換基、ならびに多くの場合にアルキレン、ヘテロアルキレン、アルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニルおよびヘテロシクロアルケニルと称される基は、一般的に「アルキル置換基」と称され、これらは、0〜(2m’+1)(式中、m’はこのようなラジカルにおける炭素原子の総数である)の範囲の数で、特にこれらに限定されないが:−OR’、=O、=NR’、=N−OR’、−NR’R’’、−SR’、−ハロゲン、−SiR’R’’R’’’、−OC(O)R’、−C(O)R’、−COR’、−CONR’R’’、−OC(O)NR’R’’、−NR’’C(O)R’、−NR’−C(O)NR’’R’’’、−NR’’C(O)R’、−NR−C(NR’R’’R’’’)=NR’’’’、−NR−C(NR’R’’)=NR’’’、−S(O)R’、−S(O)R’、−S(O)NR’R’’、−NRSOR’、−CNおよび−NOから選択される多様な基の1つまたは複数であることが可能である。R’、R’’、R’’’およびR’’’’の各々は、独立して、水素、置換もしくは無置換ヘテロアルキル、例えば1〜3個のハロゲンで置換されたアリールといった置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基、またはアリールアルキル基を指すことが好ましい。本発明の化合物が2個以上のR基を含む場合、例えば、R基の各々は、独立して、R’、R’’、R’’’およびR’’’’基の2つ以上が存在している場合、これらの基の各々として選択される。R’およびR’’が同一の窒素原子に結合している場合、これらは、窒素原子と組み合わされて5員、6員または7員環を形成していることが可能である。例えば、−NR’R’’は、これらに限定はされないが、1−ピロリジニルおよび4−モルホリニルを含むことが意図されている。置換基に関する上記の考察から、「置換アルキル」という用語は、ハロアルキル(例えば、−CFおよび−CHCF)およびアシル(例えば、−C(O)CH、−C(O)CF、−C(O)CHOCH等)などの水素以外の基に結合した炭素原子を有する基を含むことを当業者は理解するであろう。
アルキルラジカルについて記載した置換基と同様に、アリールおよびヘテロアリール基に係る置換基は一般に「アリール置換基」と称される。例示的な置換基は、0〜芳香族環系における占有されていない原子価の総数の範囲内の数で、例えば:ハロゲン、−OR’、=O、=NR’、=N−OR’、−NR’R’’、−SR’、−SiR’R’’R’’’、−OC(O)R’、−C(O)R’、−COR’、−CONR’R’’、−OC(O)NR’R’’、−NR’’C(O)R’、−NR’−C(O)NR’’R’’’、−NR’’C(O)R’、−NR−C(NR’R’’R’’’)=NR’’’’、−NR−C(NR’R’’)=NR’’’、−S(O)R’、−S(O)R’、−S(O)NR’R’’、−NRSOR’、−CNおよび−NO、−R’、−N、−CH(Ph)、フルオロ(C〜C)アルコキシおよびフルオロ(C〜C)アルキルといった、アルキル置換基および他の基の列挙から選択され、式中、R’、R’’、R’’’およびR’’’’は、水素、置換または無置換アルキル、置換または無置換ヘテロアルキル、置換または無置換アリールおよび置換または無置換ヘテロアリールから独立して選択されることが好ましい。例えば本発明の化合物が2つ以上のR基を含む場合、R基の各々は、独立して、R’、R’’、R’’’およびR’’’’基の2つ以上が存在している場合、これらの基の各々として選択される。
アリールまたはヘテロアリール環上の2つの置換基は、これらが結合している原子と一緒になって、任意選択により、結合して、アリールまたはヘテロアリール環に縮合している環(例えば、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル環)を形成していてもよい。
アリールまたはヘテロアリール環の隣接する原子上の2つの置換基は、任意選択により、式−T−C(O)−(CRR’)−U−の置換基(式中、TおよびUは、独立して−NR−、−O−、−CRR’−または単結合であり、ならびにqは0〜3の整数である)で置換されていてもよい。代替として、アリールまたはヘテロアリール環の隣接する原子上の2つの置換基は、任意選択により、式−A−(CH−B−の置換基(式中、AおよびBは、独立して、−CRR’−、−O−、−NR−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)NR’−または単結合であり、およびrは1〜4の整数である)で置換されていてもよい。このようにして形成された新たな環の単結合の1つは、任意選択により、二重結合で置換されていてもよい。代替として、アリールまたはヘテロアリール環の隣接する原子上の2つの置換基は、任意選択により、式−(CRR’)−X−(CR’’R’’’)−の置換基(式中、sおよびdは、独立して0〜3の整数であり、およびXは、−O−、−NR’−、−S−、−S(O)−、−S(O)−または−S(O)NR’−である)で置換されていてもよい。置換基R、R’、R’’およびR’’’は、水素または置換もしくは無置換(C〜C16)アルキルから独立して選択されることが好ましい。
本明細書で用いられるところ、「ヘテロ原子」という用語は、酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)およびケイ素(Si)を含む。
符号「R」は、H、置換または無置換アルキル、置換または無置換ヘテロアルキル、置換または無置換アリール、置換または無置換ヘテロアリールおよび置換または無置換ヘテロシクリル基から選択される置換基を表す一般的な略記である。Rはまた、アルキル置換基およびアリール置換基を表していることが可能である。
「塩」という用語は、本明細書に記載の化合物において見いだされる特定の置換基に応じ、比較的非毒性の酸または塩基と共に調製される化合物の塩を含む。本発明の化合物が比較的酸性の官能基を含有する場合、塩基付加塩は、中性の形態のこのような化合物と十分な量の所望される塩基とを、そのまままたは好適な不活性溶剤中で接触させることにより入手可能である。塩基付加塩の例としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミノもしくはマグネシウム塩、または同様の塩が挙げられる。本発明の化合物が比較的塩基性の官能基を含有する場合、酸付加塩は、中性の形態のこのような化合物と十分な量の所望される所望される酸とを、そのまままたは好適な不活性溶剤中で接触させることにより入手可能である。酸付加塩の例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、一水素炭酸(monohydrogencarbonic)、リン酸、一水素リン酸(monohydrogenphosphoric)、二水素リン酸(dihydrogenphosphoric)、硫酸、一水素硫酸(monohydrogensulfuric)、ヨウ化水素酸または亜リン酸等のような無機酸から誘導される酸付加塩、ならびに酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、酪酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p−トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸等のような比較的無毒性の有機酸から誘導される塩が挙げられる。また、アルギネート等などのアミノ酸の塩、およびグルクロン酸またはガラクツロン酸等のような有機酸の塩も含まれる(例えば、Berge et al., Journal of Pharmaceutical Science, 66: 1-19 (1977)を参照されたい)。本発明の一定の特定の化合物は、塩基または酸付加塩のいずれかへの化合物の転換を可能とする塩基性および酸性官能基の両方を含有する。塩の水和物も含まれる。
結合に対して直角に図示されている符号

は、図示されている部分が分子の残部に結合する点を示す。
本明細書に記載されている化合物は、1つまたは複数の不斉中心または面を有していてもよい。非対称に置換された原子を含有する本発明の化合物は、光学的に活性な形態またはラセミ形態に単離され得る。ラセミ形態(ラセミ化合物)の分割、不斉合成または光学的に活性な出発材料からの合成によるものなど、どのようにして光学的に活性な形態を調製するかは当技術分野において周知である。ラセミ化合物の分割は、例えば、分割剤の存在下における結晶化、または例えばキラルHPLCカラムを用いるクロマトグラフィなどの従来の方法によって達成可能である。オレフィンの多くの幾何異性体、C=N二重結合等も本明細書に記載の化合物中に存在していることが可能であり、このような安定な異性体のすべてが本発明において想定されている。本発明の化合物のシスおよびトランス幾何異性体が記載されており、これらは、異性体の混合物または別々の異性形態として単離され得る。特定の立体化学または異性形態が特定的に記載されていない限りにおいて、構造に係るすべてのキラル(鏡像異性およびジアステレオ異性)およびラセミ形態、ならびにすべての幾何異性体形態が意図されている。
本明細書で用いられているラセミ、アンビスカルミック(ambiscalemic)およびスカルミック(scalemic)または鏡像異性体的に純粋な化合物の図式表現は、Maehr, J. Chem. Ed., 62: 114-120 (1985)によるものであり:実線および破線によるくさびはキラル元素の絶対配置を示すために用いられており;波線は、表している結合がもたらすことが可能であるいかなる立体化学的な含意も有さないことを示すものであり;実線および破線は、示されている相対的な立体配置を表すが、いかなる絶対的な立体化学も意味しない幾何学的な記述子であり;ならびにくさびの外形および点線または破線は、絶対配置が不確定である鏡像異性体的に純粋な化合物を表す。
「荷電基」という用語は、負の電荷または正の電荷を有する基を指す。負の電荷または正の電荷は、1、2、3もしくはそれを超える数から選択される整数、または分数である電荷数を有していることが可能である。例示的な荷電基としては、例えば−OPO 2−、−OPO 、−PPh、−NR’R’’R’’’、−SRおよび−C(O)Oが挙げられる。本明細書において提供される式で明記されているかどうかに関わらず、荷電基には反対の電荷の対イオンが付随することが理解される。
本明細書に記載されている化合物は、1つまたは複数の荷電基を有していてもよい。例えば、この化合物は両性イオン性であってもよく、しかしながら、全体として中性であってもよい。他の実施形態は、pHおよび他の要因に応じて1つまたは複数の荷電基を有していてもよい。これらの実施形態において、この化合物には好適な対イオンが付随していてもよい。どのようにして塩を調製し、または対イオンを交換するかは当技術分野において周知である。一般に、このような塩は、これらの化合物の遊離酸形態と理論量の適切な塩基(Na、Ca、MgまたはKの水酸化物、炭酸塩または重炭酸塩等など)とを反応させることにより、またはこれらの化合物の遊離塩基形態と理論量の適切な酸とを反応させることにより調製されることが可能である。このような反応は、典型的には、水中で、または有機溶剤中で、または水と有機溶剤との混合物中で実施される。対イオンは、例えば、イオン交換クロマトグラフィなどのイオン交換技術により変更され得る。対イオンまたは塩が特定的に示されていない限りにおいて、すべての双性イオン、塩および対イオンが意図されている。
いくつかの実施形態において、本明細書で用いられている用語の定義はIUPACに準拠している。
本発明によれば、「作物の成長の調節または向上」とは、植物活力の向上、植物の質の向上、ストレス要因に対する向上した耐性、および/または向上したインプット利用効率を意味する。
「植物活力の向上」とは、一定の形質が、本発明の方法が実施されていない同一の条件下で栽培された対照植物における同一の形質と比較された場合と比して、定性的または定量的に向上していることを意味する。このような形質としては、これらに限定されないが、発芽の早期化および/もしくは向上、出芽の向上、使用される種子数の低減が可能であること、根の成長の増大、根系の発達、根粒形成の増加、苗条の成長の増加、分げつの増加、より強固な分げつ枝、より増殖性である分げつ枝、植物の株立本数の増大もしくは向上、植物の挫折(倒伏)の低減、植物高の増加および/もしくは改良、植物重量の増大(新鮮もしくは乾燥)、より大きい葉身、より濃緑の葉色、色素含有量の増加、光合成活性の増加、開花の早期化、より長い穂、子実成熟の早期化、種子、果実もしくは莢の大きさの増大、莢もしくは雌穂の数の増加、莢もしくは雌穂当たりの種子の数の増加、種子質量の増加、種子登熟の増強、枯れた根出葉の低減、老化の遅延、向上した植物の生命力の向上、貯蔵組織におけるアミノ酸レベルの増加、および/または必要とされるインプットの低減(例えば必要とされる肥料、水および/または労働の低減)が挙げられる。向上した活力を有する植物は、前述の形質のいずれか、または前述の形質のいずれかの組み合わせもしくは2つ以上における向上を伴い得る。
「植物の質の向上」とは、一定の形質が、本発明の方法が実施されていない同一の条件下で栽培された対照植物における同一の形質と比較された場合と比して、定性的または定量的に向上していることを意味する。このような形質としては、これらに限定されないが、植物の外観の向上、エチレンの低減(生産性の低下および/または受粉の阻害)、例えば種子、果実、葉、野菜といった収穫物の品質の向上(このような向上した品質は、収穫物の外観の向上として現れ得る)、炭水化物含有量の向上(例えば糖質および/またはデンプン量の増加、甘味比の向上、還元糖の低減、糖質の発現速度の増加)、タンパク質含有量の向上、油含有量および組成の向上、栄養価の向上、反栄養化合物の低減、官能特性の向上(例えば、味の向上)、および/または消費者の健康上の有益性の向上(例えばビタミンおよび抗酸化剤レベルの増加)、収穫後の特徴の向上(例えば、貯蔵期限および/または保管安定性の増進、加工性の容易化、化合物の抽出の容易化)、作物の発達の均一化(例えば、植物の同期した発芽、開花および/または結実)、および/または種子品質の向上(例えば次の時節における使用のため)が挙げられる。向上した品質を有する植物は、前述の形質のいずれか、または前述の形質のいずれかの組み合わせもしくは2つ以上における向上を伴い得る。
「ストレス要因に対する向上した耐性」とは、一定の形質が、本発明の方法が実施されていない同一の条件下で栽培された対照植物における同一の形質と比較された場合と比して、定性的または定量的に向上していることを意味する。このような形質としては、これらに限定されないが、干ばつ(例えば、植物中の含水量の欠如、水の取込み能の欠如または植物への給水の低下をもたらすいずれかのストレス)、寒気曝露、高温曝露、浸透圧ストレス、UVストレス、洪水、塩分濃度の上昇(例えば、土壌中)、ミネラル曝露の増大、オゾン曝露、光度の光への曝露、および/または利用可能な栄養分の限定(例えば窒素および/またはリン栄養分)などの最適下限生育条件をもたらす非生物的ストレス因子に対する耐性および/または抵抗性の増加が挙げられる。ストレス因子に対する向上した耐性を有する植物は、前述の形質のいずれか、または前述の形質のいずれかの組み合わせもしくは2つ以上における向上を伴い得る。干ばつおよび養分的ストレスの場合、このような向上した耐性は、例えば、水および栄養分のより効率的な取り込み、使用、または保持による場合がある。特に、本発明の化合物または組成物は、干ばつストレスに対する耐性の向上に有用である。
「向上したインプット利用効率」とは、所与のレベルのインプットを用いることで、本発明の方法が不在である同一の条件下で栽培された対照植物の成長と比して、植物がより効果的に成長可能であることを意味する。特に、インプットとしては、これらに限定されないが、肥料(窒素、亜リン酸、カリウム、微量栄養素など)、光および水が挙げられる。向上したインプット利用効率を有する植物は、前述のインプットのいずれか、または前述のインプットの2つ以上のいずれかの組み合わせに対して向上した利用率を有し得る。
「植物」という用語は、種子、実生、苗、根、塊茎、茎、柄、群葉および果実を含む植物のすべての物理的な部分を指す。
本明細書で用いられるところ、「生息地」という用語は、植物が成長している圃場、または栽培されている植物の種子が播種された圃場、または種子が土壌に蒔かれる圃場を意味する。これは、土壌、種子および実生、ならびに確立した植生を含む。
「植物繁殖体」という用語は、例えば種子または挿し木および塊茎などの植物の栄養部分といった植物のすべての生殖部分を表す。これは、厳密な意味での種子、ならびに根、果実、塊茎、鱗茎、根茎および植物の部分を含む。
化合物
一態様において、本発明は、式(I):

の化合物、またはその塩もしくはN−オキシドを提供する。R1、R2a、R2b、R3a、R3b、R4、R5、R6、L、A、R8およびnは本明細書において定義されているとおりである。R1、R2a、R2b、R3a、R3b、R4、R5、R6、L、A、R8およびnのいずれかの組み合わせが本開示に含まれ、本発明によって特定的に提供される。
いくつかの実施形態において、R1は、水素、アルキル、シアノ−アルキル、ハロアルキル、アルコキシ−アルキル、ハロアルコキシ−アルキル、シクロアルキル−アルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニルおよびヘテロシクロアルキルから選択される。いくつかの実施形態において、R1は、水素、C〜Cアルキル、シアノ−C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル−C〜Cアルキル、C〜Cハロアルコキシ−C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル−C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cハロアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜CハロアルキニルおよびC〜Cヘテロシクロアルキルから選択される。いくつかの実施形態において、R1は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキル、C−ハロアルコキシ−C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル−C〜Cアルキル、C〜CアルケニルおよびC〜Cアルキニルから選択される。いくつかの実施形態において、R1はC〜Cアルキルである。いくつかの実施形態において、R1は、アルキル−アリール、シクロアルキル、フェニルおよびヘテロアリールから選択され、各々は、任意選択により、1〜3個(すなわち、1、2または3個)のRxで置換されている。Rxは、本明細書において定義されているとおりである。いくつかの実施形態において、R1は、C〜Cアルキル−アリール、C〜Cシクロアルキル、フェニルおよび5員または6員ヘテロアリールから選択され、各々は、任意選択により、1〜3個のRxで置換されている。いくつかの実施形態において、R1は、C〜Cシクロアルキル、フェニルおよび5員または6員ヘテロアリールから選択され、各々は、任意選択により、1〜3個のRxで置換されている。
好ましくは、R1は、C〜Cシクロアルキル、フェニルおよび5員もしくは6員ヘテロアリールから選択され、各々は、任意選択により、1〜3個のRxで置換されており;またはR1は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキル、C−ハロアルコキシ−C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル−C〜Cアルキル、C〜CアルケニルおよびC〜Cアルキニルから選択される。
より好ましくは、R1は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜CアルケニルおよびC〜Cアルキニルから選択される。より好ましくは、R1はC〜Cアルキルである。いくつかの実施形態において、アルキル基は直鎖または分岐鎖である。いくつかの実施形態において、R1はメチルである。いくつかの実施形態において、R1はエチルである。いくつかの実施形態において、R1はn−プロピルまたはイソ−プロピルである。いくつかの実施形態において、R1は、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチルまたはtert−ブチルである。いくつかの実施形態において、R1はアリルである。いくつかの実施形態において、R1はプロパルギルである。
いくつかの実施形態において、R1は、水素、メチル、エチル、n−プロピル、シクロプロピル、アリル(−CH−CH=CH)、およびプロプ−2−イン−1−イル(−CH−C≡CH)から選択される。
いくつかの実施形態において、各Rxは、独立して、ハロゲン、シアノ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルスルファニル、ハロアルキルスルファニル、アルキルスルフィニル、ハロアルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルホニルおよびシクロアルキルから選択される。いくつかの実施形態において、各Rxは、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルスルファニル、C〜Cハロアルキルスルファニル、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cハロアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜CハロアルキルスルホニルおよびC〜Cシクロアルキルから独立して選択される。いくつかの実施形態において、各Rxは、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜CハロアルコキシおよびC〜Cシクロアルキルから独立して選択される。
好ましくは、各Rxは、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜CハロアルコキシおよびC〜Cシクロアルキルから独立して選択される。より好ましくは、各Rxは、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜CハロアルキルおよびC〜Cアルコキシから独立して選択される。
いくつかの実施形態において、R2a、R2b、R3a、R3b、R4、R5およびR6は、独立して、水素、ハロゲン、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシおよびシクロアルキルから選択される。いくつかの実施形態において、R2aおよびR2b、またはR2aおよびR3aは、これらが結合している原子と一緒になって、任意選択により、結合されてシクロアルキルを形成する。いくつかの実施形態において、R2a、R2b、R3a、R3b、R4、R5およびR6は、水素、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルキル、C〜CハロアルコキシおよびC〜Cシクロアルキルから独立して選択される。いくつかの実施形態において、R2aおよびR2b、またはR2aおよびR3aは、これらが結合している原子と一緒になって、任意選択により、結合してC〜Cシクロアルキルを形成する。いくつかの実施形態において、R2a、R2b、R3a、R3b、R4およびR5は各々水素である。いくつかの実施形態において、R6は、水素およびC〜Cアルキルから選択される。いくつかの実施形態において、R2a、R2b、R3a、R3b、R4、R5およびR6の少なくとも1つは水素ではない。
好ましくは、R2a、R2b、R3aおよびR3bは各々、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロゲンおよびシアノから独立して選択される。より好ましくは、R2a、R2b、R3aおよびR3bは、独立してメチルまたは水素である。一実施形態において、R3bはメチルである。さらなる実施形態において、R2a、R2bおよびR3aは水素であり、かつR3bはメチルである。
好ましくは、R4、R5およびR6は各々、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、ハロゲンおよびシアノから独立して選択される。より好ましくは、R4およびR5は各々水素である。より好ましくは、R6は、水素、メチル、エチル、n−プロピル、フルオロ、クロロ、ブロモおよびシアノから選択される。いくつかの実施形態において、R6は水素である。いくつかの実施形態において、R6はメチルである。いくつかの実施形態において、R6はエチルである。いくつかの実施形態において、R6はn−プロピルである。いくつかの実施形態において、R6はフルオロである。いくつかの実施形態において、R6はクロロである。いくつかの実施形態において、R6はブロモである。いくつかの実施形態において、R6はシアノである。
いくつかの実施形態において、R2a、R2b、R3a、R3b、R4、R5およびR6はすべて水素である。他の実施形態において、R2a、R2b、R3a、R3b、R4、R5およびR6の少なくとも1つは水素ではない。一実施形態において、R2a、R2b、R3a、R3b、R4、R5およびR6の少なくとも1つはメチルである。
いくつかの実施形態において、R2a、R2b、R3a、R4およびR5は各々Hである。いくつかの実施形態において、R3bは、水素およびメチルから選択される。いくつかの実施形態において、R6は、水素、メチル、エチル、n−プロピル、フルオロ、クロロおよびブロモから選択される。いくつかの実施形態において、R2a、R2b、R3a、R4およびR5は各々Hであり;R3bは、水素およびメチルから選択され;かつR6は、水素、メチル、エチル、n−プロピル、フルオロ、クロロおよびブロモから選択される。
いくつかの実施形態において、Lは、アルキル、アルケニル、アルコキシおよびアルコキシ−アルキルから選択され、各々は、任意選択により、ハロゲン、シアノ、アルキルおよびアルコキシから独立して選択される1〜3個(すなわち、1、2または3個)の部分で置換されている。いくつかの実施形態において、Lは、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜CアルコキシおよびC〜Cアルコキシ−C〜Cアルキルから選択され、各々は、任意選択により、ハロゲン、シアノ、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから独立して選択される1〜3つの部分で置換されている。いくつかの実施形態において、Lは、任意選択により、ハロゲン、シアノおよびC〜Cアルキルから独立して選択される1または2個の部分で置換されているC〜Cアルキルである。いくつかの実施形態において、LはC〜Cアルキルである。
好ましくは、Lは、任意選択により、ハロゲン、シアノおよびC〜Cアルキルから独立して選択される1または2個の部分で置換されているC〜Cアルキルである。より好ましくは、Lは、任意選択により、1または2個のハロゲン、シアノまたはC〜Cアルキルで置換されているC〜Cアルキルである。いくつかの実施形態において、LはCHである。いくつかの実施形態において、Lは−CHCH−である。
いくつかの実施形態において、Aは、任意選択により、1〜4個(すなわち、1、2、3または4個)のRyで置換されているシクロアルキルである。Ryは、本明細書において定義されているとおりである。いくつかの実施形態において、Aは、任意選択により1〜4個のRyで置換されているC〜Cシクロアルキルである。いくつかの実施形態において、Aは、任意選択により、ハロゲン、シアノ、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから独立して選択される1〜4個(すなわち、1、2、3または4個)の部分で置換されているシクロプロピルである。
好ましくは、Aは、任意選択により、1〜2個のRyで置換されている3員または4員シクロアルキルである。より好ましくは、Aはシクロプロピルである。
いくつかの実施形態において、各Ryは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アルキル、ハロアルキル、−OH、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルスルファニル、ハロアルキルスルファニル、アルキルスルフィニル、ハロアルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルホニル、シクロアルキル、=O、=N−OH、−N=OMe、COOH、COOR9、CONHR9、CONR9aR9およびNHCOR9から独立して選択される。R9およびR9aは本明細書において定義されているとおりである。いくつかの実施形態において、1個または複数個のRyが、=O、=N−OHまたは−N=OMeである場合、AはCシクロアルキルではない。いくつかの実施形態において、各Ryは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、−OH、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルスルファニル、C〜Cハロアルキルスルファニル、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cハロアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルスルホニル、C〜Cシクロアルキル、=O、=N−OH、−N=OMe、COOH、COOR9、CONHR9、CONR9aR9およびNHCOR9から独立して選択される。いくつかの実施形態において、各Ryは、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、−OH、C〜CアルコキシおよびC〜Cハロアルキルから独立して選択される。
好ましくは、各Ryは、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、−OH、C〜CアルコキシおよびC〜Cハロアルキルから独立して選択される。より好ましくは、各Ryは、ハロゲン、シアノ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシおよびトリフルオロメチルから独立して選択される。
いくつかの実施形態において、R9およびR9aは、独立してアルキルである。いくつかの実施形態において、R9およびR9aは、独立してC〜Cアルキルである。
いくつかの実施形態において、各R8は、水素、ハロゲン、シアノ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルスルファニル、ハロアルキルスルファニル、アルキルスルフィニル、ハロアルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルホニル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、シクロアルキルおよびアルコキシ−アルキルから独立して選択される。いくつかの実施形態において、各R8は、水素、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルスルファニル、C〜Cハロアルキルスルファニル、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cハロアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルスルホニル、C〜Cアルケニル、C〜Cハロアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキニル、C〜CシクロアルキルおよびC〜Cアルコキシ−C〜Cアルキルから独立して選択される。いくつかの実施形態において、各R8は、水素、ハロゲンおよびC〜Cアルキルから独立して選択される。
好ましくは、各R8は、水素、ハロゲン、およびC〜Cアルキルから独立して選択される。より好ましくは、各R8は、水素およびハロゲンから独立して選択される。いくつかの実施形態において、R8はフルオロである。いくつかの実施形態において、R8はクロロである。いくつかの実施形態において、R8はブロモである。
いくつかの実施形態において、各R8は、水素、フルオロ、クロロ、メチルおよびエチルから独立して選択される。
いくつかの実施形態において、nは、1、2および3から選択される。いくつかの実施形態において、nは1および2から選択される。
好ましくは、nは1〜2(すなわち、1または2)である。いくつかの実施形態において、nは1である。いくつかの実施形態において、nは2である。
いくつかの実施形態において、本発明は式(II):

の化合物を提供し、式中、R1、R2a、R2b、R3a、R3b、R4、R5、R6、L、R8およびnは本明細書において定義されているとおりである。
いくつかの実施形態において、本発明は、式(III):

の化合物を提供し、式中、R1、R2a、R2b、R3a、R3b、R4、R5、R6、L、AおよびR8は、本明細書において定義されているとおりである。
いくつかの実施形態において、本発明は、構造1.xxx、2.xxx、3.xxx、4.xxx、5.xxx、6.xxx、7.xxx、8.xxxまたは9.xxxの化合物を提供し(表1を参照されたい)、式中、R1、R2a、R2b、R3a、R3b、R4、R5、R6、L、およびR8は本明細書において定義されているとおりである。
いくつかの実施形態において、本発明は、式(I):

(式中、R1は、水素、C〜Cアルキル、シアノ−C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル−C〜Cアルキル、C〜Cハロアルコキシ−C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル−C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cハロアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜CハロアルキニルおよびC〜Cヘテロシクロアルキルから選択され;またはR1は、C〜Cアルキル−アリール、C〜Cシクロアルキル、フェニルおよび5員もしくは6員ヘテロアリールから選択され、各々は、任意選択により、1〜3個のRxで置換されており;各Rxは、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルスルファニル、C〜Cハロアルキルスルファニル、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cハロアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜CハロアルキルスルホニルおよびC〜Cシクロアルキルから独立して選択され;R2a、R2b、R3a、R3b、R4、R5およびR6は、水素、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルキル、C〜CハロアルコキシおよびC〜Cシクロアルキルから独立して選択され;R2aおよびR2b、またはR2aおよびR3aは、これらが結合している原子と一緒になって、任意選択により、結合してC〜Cシクロアルキルを形成し;Lは、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜CアルコキシおよびC〜Cアルコキシ−C〜Cアルキルから選択され、各々は、任意選択により、ハロゲン、シアノ、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから独立して選択される1〜3つの部分で置換されており;Aは、任意選択により1〜4個のRyで置換されているC〜Cシクロアルキルであり;各Ryは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、−OH、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルスルファニル、C〜Cハロアルキルスルファニル、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cハロアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルスルホニル、C〜Cシクロアルキル、=O、=N−OH、−N=OMe、COOH、COOR9、CONHR9、CONR9aR9およびNHCOR9から独立して選択され、ただし、1個または複数個のRyが、=O、=N−OHまたは−N=OMeである場合、AはCシクロアルキルではなく;R9およびR9aは、独立してC〜Cアルキルであり;各R8は、水素、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルスルファニル、C〜Cハロアルキルスルファニル、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cハロアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルスルホニル、C〜Cアルケニル、C〜Cハロアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキニル、C〜CシクロアルキルおよびC〜Cアルコキシ−C〜Cアルキルから独立して選択され;nは、1、2および3から選択される)の化合物、またはその塩もしくはN−オキシドを提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、式(I)(式中、R1は、C〜Cシクロアルキル、フェニルおよび5員もしくは6員ヘテロアリールから選択され、各々は、任意選択により、1〜3個のRxで置換されており;またはR1は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキル、C−ハロアルコキシ−C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル−C〜Cアルキル、C〜CアルケニルおよびC〜Cアルキニルから選択され;R2a、R2b、R3a、R3b、R4、R5およびR6は各々、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロゲンおよびシアノから独立して選択され;Lは、任意選択により、ハロゲン、シアノおよびC〜Cアルキルから独立して選択される1または2個の部分で置換されているC〜Cアルキルであり;Aは、任意選択により1〜4個のRyで置換されているC〜Cシクロアルキルであり;各Rxは、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜CハロアルコキシおよびC〜Cシクロアルキルから独立して選択され;各Ryは、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、−OH、C〜Cアルコキシ、およびC〜Cハロアルキルから独立して選択され;各R8は、水素、ハロゲンおよびC〜Cアルキルから独立して選択され;ならびにnは1〜2である)の化合物を提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、式(II):

(式中、R1は、C〜Cアルキル−アリール、C〜Cシクロアルキル、フェニルおよび5員もしくは6員ヘテロアリールから選択され、各々は、任意選択により、1〜3個のRxで置換されており;またはR1は、水素、C〜Cアルキル、シアノ−C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル−C〜Cアルキル、C〜Cハロアルコキシ−C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル−C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cハロアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜CハロアルキニルおよびC〜Cヘテロシクロアルキルから選択され;R2a、R2b、R3a、R3b、R4、R5およびR6は、水素、ハロゲン、シアノ、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから独立して選択され;Lは、任意選択により、ハロゲン、シアノおよびC〜Cアルキルから独立して選択される1または2個の部分で置換されているC〜Cアルキルであり;各R8は、水素、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルスルファニル、C〜Cハロアルキルスルファニル、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cハロアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルスルホニル、C〜Cアルケニル、C〜Cハロアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキニル、C〜CシクロアルキルおよびC〜Cアルコキシ−C〜Cアルキルから独立して選択され;nは1〜3であり;各Rxは、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルスルファニル、C〜Cハロアルキルスルファニル、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cハロアルキルスルフィニル、C〜CアルキルスルホニルC〜CハロアルキルスルホニルおよびC〜Cシクロアルキルから独立して選択される)の化合物、またはその塩もしくはN−オキシドを提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、式(II):

(式中、R1は、C〜Cアルキル−アリール、C〜Cシクロアルキル、フェニルおよび5員もしくは6員ヘテロアリールから選択され、各々は、任意選択により、1〜3個のRxで置換されており;またはR1は、水素、C〜Cアルキル、シアノ−C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル−C〜Cアルキル、C〜Cハロアルコキシ−C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル−C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cハロアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜CハロアルキニルおよびC〜Cヘテロシクロアルキルから選択され;R2a、R2b、R3a、R3b、R4、R5およびR6は、水素、ハロゲン、シアノ、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから独立して選択され;Lは、任意選択により、ハロゲン、シアノおよびC〜Cアルキルから独立して選択される1または2個の部分で置換されているC〜Cアルキルであり;各R8は、水素、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルスルファニル、C〜Cハロアルキルスルファニル、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cハロアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルスルホニル、C〜Cアルケニル、C〜Cハロアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキニル、C〜CシクロアルキルおよびC〜Cアルコキシ−C〜Cアルキルから独立して選択され;nは1〜3であり;各Rxは、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜CハロアルコキシおよびC〜Cシクロアルキルから独立して選択される)の化合物、またはその塩もしくはN−オキシドを提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、式(II):

(式中、R1は、C〜Cシクロアルキル、フェニルおよび5員もしくは6員ヘテロアリールから選択され、各々は、任意選択により、1〜3個のRxで置換されており;またはR1は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキル、C−ハロアルコキシ−C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル−C〜Cアルキル、C〜CアルケニルおよびC〜Cアルキニルから選択され;R2a、R2b、R3a、R3b、R4、R5およびR6は、水素、ハロゲン、シアノ、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから独立して選択され;Lは、任意選択により、ハロゲン、シアノおよびC〜Cアルキルから独立して選択される1または2個の部分で置換されているC〜Cアルキルであり;各R8は、水素、ハロゲンおよびC〜Cアルキルから独立して選択され;nは1〜3であり;各Rxは、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜CハロアルコキシおよびC〜Cシクロアルキルから独立して選択される)の化合物、またはその塩もしくはN−オキシドを提供する。
以下の表1は本発明の化合物の例を含む。
表1
以下の構造の各々は、表中において、特定の化合物1.001が化合物x.001と組み合わされた構造1.xxxであり、特定の化合物5.123が化合物x.123と組み合わされた構造5.xxxである等となるよう、以下の表に列挙されている置換基の組み合わせと組み合わされ得る。
以下の表において、R2a、R2b、R3a、R4およびR5はすべてHである。
本発明の例示的な化合物を以下の実施例においても示す。
組成物および使用
一実施形態において、本発明の化合物は農学的に許容可能な補助剤との組み合わせで適用される。特に、本発明の化合物と農学的に許容可能な補助剤とを含む組成物が提供される。本発明の化合物を含む農薬組成物も記載され得る。
本発明は、非生物ストレスに対する植物の耐性を向上させる方法を提供するものであり、この方法は、植物、植物部位、植物繁殖体または植物が成長している生息地に、本発明に係る化合物、組成物または混合物を適用することを含む。
本発明は、植物の成長を調節するかまたは向上させる方法を提供するものであり、この方法は、植物、植物部位、植物繁殖体または植物が成長している生息地に、本発明に係る化合物、組成物または混合物を適用することを含む。一実施形態において、植物が非生物ストレス条件に曝された場合の植物の成長が調節または向上される。
本発明はまた、植物の種子発芽を阻害する方法であって、種子または種子を含む生息地に、本発明に係る化合物、組成物または混合物を適用することを含む方法を提供する。
本発明はまた、化学物質の植物毒性効果に対する植物の薬害を軽減する方法であって、植物、植物部位、植物繁殖体または植物が成長している生息地に、本発明に係る化合物、組成物または混合物を適用することを含む方法を提供する。
化合物または組成物は、所望の応答を誘発するのに十分な量で適用されることが好適である。
作物の成長に係る調節または向上による他の効果としては、植物高の低減または分げつの低減が挙げられ、これらは、より少量のバイオマスおよびより少ない分げつ枝が望ましい場合の作物における有益な特性または条件である。
上記の作物増強のいずれかまたはすべては、例えば植物生理学、植物の成長および発達ならびに/または植物構造を改良することにより、向上した収量をもたらし得る。本発明に関連して、「収量」としては、特に限定されないが、(i)(a)植物自体によりもたらされる量の増加、もしくは(b)植物収穫物を収穫する能力の向上によってもたらされ得る、バイオマス生産量、子実収量、デンプン含有量、油含有量および/もしくはタンパク質含有量の増加;(ii)収穫物の組成における向上(例えば、甘味比の向上、油組成の向上、栄養価の向上、反栄養化合物の低減、消費者の健康上の有益性の向上);ならびに/または(iii)作物の収穫能の増大/促進、作物の加工性の向上、および/もしくはより良好な保管安定性/保管寿命が挙げられる。農業用植物の収量の増加とは、定量的測定が可能である場合に、各々の植物の産物の収量が、本発明の方法を実施せずに同一の条件下で成長させた対照植物の同一の産物を含む収量を明らかに超える量で増加することを意味する。本発明によれば、収量は、少なくとも0.5%増加していることが好ましく、より好ましくは少なくとも1%、さらにより好ましくは少なくとも2%、さらにより好ましくは少なくとも4%、好ましくは5%、またはそれを超えて増加している。
上記の作物増強のいずれかもしくはすべては、また、土地の向上した利用をもたらし得、すなわち、以前には耕作に利用不可能もしくは最適下限であった土地が利用可能になり得る。例えば、干ばつ条件において高い生存能力を示す植物は、最適下限の雨量の地域、例えば、おそらくは砂漠周辺もしくは砂漠自体においても耕作が可能であり得る。
本発明の一態様において、作物の増強は、有害生物および/もしくは病害からのストレス、ならびに/または非生物的ストレスを実質的に伴わずに達成される。本発明のさらなる態様において、植物活力、ストレス耐性、品質および/または収量における改良は、実質的に、有害生物および/または病害からのストレスを伴わずに達成される。例えば、有害生物および/または病害は、本発明の方法に先行して、または本発明の方法と同時に適用される有害生物防除処理により防除されてもよい。本発明のさらなる態様において、植物活力、ストレス耐性、品質および/または収量における改良は、有害生物および/または病害ストレスを伴わずに達成される。さらなる実施形態において、植物活力、品質および/または収量における改良は、無生物的なストレスを伴わずに、または実質的に伴わずに達成される。
本発明の化合物は単独で用いられることが可能であるが、一般に、担体、溶剤および表面活性薬剤(SFA)などの配合補助剤を用いて組成物に配合される。そのため、本発明は、本発明の化合物と農学的に許容可能な配合補助剤とを含む組成物をさらに提供する。実質的に本発明の化合物と農学的に許容可能な配合補助剤とからなる組成物も提供される。本発明の化合物と農学的に許容可能な配合補助剤とからなる組成物も提供される。
本発明は、本発明の化合物と農学的に許容可能な配合補助剤とを含む植物成長調節剤組成物をさらに提供する。実質的に本発明の化合物と農学的に許容可能な配合補助剤とからなる植物成長調節剤組成物も提供される。本発明の化合物と農学的に許容可能な配合補助剤とからなる植物成長調節剤組成物も提供される。
本発明は、本発明の化合物と農学的に許容可能な配合補助剤とを含む植物非生物ストレス管理組成物をさらに提供する。実質的に本発明の化合物と農学的に許容可能な配合補助剤とからなる植物非生物ストレス管理組成物も提供される。本発明の化合物と農学的に許容可能な配合補助剤とからなる植物非生物ストレス管理組成物も提供される。
本発明は、本発明の化合物と農学的に許容可能な配合補助剤とを含む種子発芽阻害剤組成物をさらに提供する。実質的に本発明の化合物と農学的に許容可能な配合補助剤とからなる種子発芽阻害剤組成物も提供される。本発明の化合物と農学的に許容可能な配合補助剤とからなる種子発芽阻害剤組成物も提供される。
この組成物は、使用前に希釈される濃縮物の形態とすることが可能であるが、直ちに使用可能な組成物を形成することも可能である。最終的な希釈は通常水で行われるが、水の代わりにまたは水に追加して、例えば、液体肥料、微量栄養素、生物学的生体、油または溶剤で希釈を行うことが可能である
この組成物は一般に、本発明の化合物の0.1〜99重量%、特に0.1〜95重量%と、0〜25重量%の表面活性物質を含んでいることが好ましい1〜99.9重量%の配合補助剤とを含む。
組成物は多数の配合物タイプから選択可能であり、その多くは、Manual on Development and Use of FAO Specifications for Plant Protection Products,5th Edition,1999から公知である。これらとしては、吐粉性粉末(DP)、可溶性粉末(SP)、水溶性顆粒(SG)、水分散性顆粒(WG)、水和剤(WP)、顆粒(GR)(緩効性または速効性)、可溶性濃縮物(SL)、油混和性液体(OL)、超低体積液体(UL)、乳化性濃縮物(EC)、分散性濃縮物(DC)、エマルジョン(水中油型(EW)および油中水型(EO)の両方)、マイクロエマルジョン(ME)、懸濁液濃縮物(SC)、エアロゾル、カプセル懸濁液(CS)および種子処理配合物が挙げられる。いずれかの事例において選択される配合物タイプは、想定される特定の目的、ならびに本発明の化合物の物理的、化学的および生物学的特性に応じることになる。
吐粉性粉末(DP)は、本発明の化合物を1種以上の固体希釈剤(例えば、天然クレイ、カオリン、葉ろう石、ベントナイト、アルミナ、モンモリロナイト、キースラガー、チョーク、珪藻土、リン酸カルシウム、炭酸カルシウムおよび炭酸マグネシウム、硫黄、石灰、微細繊維、タルク、ならびに他の有機および無機固体キャリア)と混合し、この混合物を微粉末に機械的に粉砕することにより調製され得る。
可溶性粉末(SP)は、本発明の化合物を、1種以上の水溶性無機塩(重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウムまたは硫酸マグネシウムなど)または1種以上の水溶性有機固形分(多糖類など)と、任意選択により、1種以上の湿潤剤、1種以上の分散剤または前記薬剤の混合物と共に混合して水分散性/溶解度を向上させることにより調製され得る。混合物は、次いで、微粉末に粉砕される。同様の組成物も水溶性顆粒(SG)に粒状化され得る。
水和剤(WP)は、本発明の化合物を、1種以上の固体希釈剤またはキャリア、1種以上の湿潤剤、好ましくは1種以上の分散剤、任意選択により、1種以上の懸濁剤と混合して液体中での分散を促進させることにより調製され得る。混合物は、次いで、微粉末に粉砕される。同様の組成物も水分散性顆粒(WG)に粒状化され得る。
顆粒(GR)は、本発明の化合物と1種以上の粉末化された固体希釈剤もしくはキャリアとの混合物を粒状化することにより、または予め形成されたブランクの顆粒から、本発明の化合物(または好適な薬剤中のその溶液)を多孔性粒状材料(軽石、アタパルジャイトクレイ、フーラー土、キースラガー、珪藻土または粉砕したトウモロコシ穂軸など)に吸収させることにより、または本発明の化合物(または好適な薬剤中のその溶液)を硬質のコア材料(砂、ケイ酸、炭酸塩、硫酸塩またはリン酸塩鉱物など)に吸着させ、必要に応じて乾燥させることにより、形成され得る。吸収または吸着を補助するために通例用いられる薬剤としては、溶剤(脂肪族および芳香族石油系溶剤、アルコール、エーテル、ケトンおよびエステルなど)および固着剤(ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、デキストリン、糖質および植物性油など)が挙げられる。1種以上の他の添加剤も顆粒に含まれ得る(例えば、乳化剤、湿潤剤または分散剤)。
分散性濃縮物(DC)は、水、またはケトン、アルコールもしくはグリコールエーテルなどの有機溶剤中に本発明の化合物を溶解させることにより調製され得る。これらの溶液は、表面活性剤を含有していてもよい(例えば、水による希釈を向上させるか、または噴霧タンク中での結晶化を防止するため)。
乳化性濃縮物(EC)または水中油型エマルジョン(EW)は、有機溶剤(任意選択により、1種以上の湿潤剤、1種以上の乳化剤または前記薬剤の混合物を含有する)中に本発明の化合物を溶解させることにより調製され得る。ECにおける使用に好適な有機溶剤としては、芳香族炭化水素(SOLVESSO 100、SOLVESSO 150およびSOLVESSO 200(SOLVESSOは登録商標である)によって例示されるアルキルベンゼンまたはアルキルナフタレンなど)、ケトン(シクロヘキサノンまたはメチルシクロヘキサノンなど)およびアルコール(ベンジルアルコール、フルフリルアルコールまたはブタノールなど)、N−アルキルピロリドン(N−メチルピロリドンまたはN−オクチルピロリドンなど)、脂肪酸のジメチルアミド(C8〜C10脂肪酸ジメチルアミドなど)および塩素化炭化水素が挙げられる。EC生成物は、水が添加されると自然に乳化して、適切な器具による噴霧適用が可能である十分な安定性を有するエマルジョンをもたらし得る。
EWの調製は、液体(室温で液体ではない場合、典型的には70℃未満の適度な温度で溶融され得る)として、または溶液(適切な溶剤中に溶解することにより)として本発明の化合物を得ること、次いで、得られた液体または溶液を1種以上のSFAを含む水中に高せん断下で乳化させてエマルジョンを得ることを含む。EWにおける使用に好適な溶剤としては、植物性油、塩素化炭化水素(クロロベンゼンなど)、芳香族系溶剤(アルキルベンゼンまたはアルキルナフタレンなど)、および水への溶解度が低い他の適切な有機溶剤が挙げられる。
マイクロエマルジョン(ME)は、1種以上の溶剤と1種以上のSFAとのブレンドと水とを混合して、熱力学的に安定な等方性液体配合物を自然にもたらすことにより調製され得る。本発明の化合物は、最初は、水または溶剤/SFAブレンド中に存在する。MEにおける使用に好適な溶剤としては、ECまたはEWにおける使用のために本明細書において上記に記載されているものが挙げられる。MEは、水中油型または油中水型系(いずれの系が存在しているかは伝導率測定により判定され得る)であり得、同一の配合物中への水溶性および油溶性有害生物防除剤の混合に好適であり得る。MEは、マイクロエマルジョンのままでまたは従来の水中油型エマルジョンを形成する水での希釈に好適である。
懸濁液濃縮物(SC)は、本発明の化合物の微細な不溶性固体粒子の水性または非水性懸濁液を含み得る。SCは、好適な媒体中の式(I)の固体化合物を、任意選択により1種以上の分散剤と共にボールミルまたはビーズミルにかけて化合物の微細な粒子懸濁液を生成することにより調製され得る。1種以上の湿潤剤が組成物中に含まれていてもよく、粒子が沈降する速度を低減するために懸濁剤が含まれていてもよい。代替として、本発明の化合物が乾式ミルにかけられ、本明細書における前述の薬剤を含有する水に加えられて、所望される最終生成物がもたらされてもよい。
エアロゾル配合物は、本発明の化合物および好適な噴射剤(例えばn−ブタン)を含む。本発明の化合物はまた、好適な媒体(例えば水、またはn−プロパノールなどの水和性の液体)中に溶解または分散されて、非加圧式の手動式噴霧ポンプで用いられる組成物をもたらし得る。
カプセル懸濁液(CS)はEW配合物の調製と同様に調製され得るが、油滴の水性分散体が得られ、油滴の各々が高分子シェルによるカプセルに入っていると共に本発明の化合物および任意選択によりそのためのキャリアまたは希釈剤を含有するよう追加の重合ステージを伴って調製され得る。高分子シェルは、界面重縮合反応またはコアセルベーション法によって生成され得る。この組成物は、本発明の化合物の放出を制御されたものとし得、種子処理に用いられ得る。本発明の化合物はまた、生分解性高分子マトリックス中に配合されて、化合物の制御された緩効性をもたらし得る。
この組成物は、例えば、本発明の化合物の、表面上での濡れ性、保持性もしくは分散性;処理面上における雨への耐性;または摂取もしくは易動性を向上させることにより組成物の生物学的性能を向上させるために、1種以上の添加剤を含んでいてもよい。このような添加剤としては、表面活性剤(SFA)、例えば一定の鉱油または天然植物油(大豆およびナタネ油など)といった油系噴霧添加剤、およびこれらと他の生体活性増強(bio-enhancing)補助剤(本発明の化合物の作用を補助または変性し得る処方成分)とのブレンドが挙げられる。
湿潤剤、分散剤および乳化剤は、カチオン性、アニオン性、両性またはノニオン性のSFAであり得る。
好適なカチオン性SFAとしては、第4級アンモニウム化合物(例えば臭化セチルトリメチルアンモニウム)、イミダゾリンおよびアミン塩が挙げられる。
好適なアニオン性SFAとしては、脂肪酸のアルカリ金属塩、硫酸の脂肪族モノエステルの塩(例えばラウリル硫酸ナトリウム)、スルホン化芳香族化合物の塩(例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム、スルホン酸ブチルナフタレン、ならびにジ−イソプロピル−スルホン酸ナトリウムおよびトリ−イソプロピル−ナフタレンスルホン酸ナトリウムの混合物)、エーテル硫酸塩、アルコールエーテル硫酸塩(例えばラウレス−3−硫酸ナトリウム)、エーテルカルボン酸塩(例えばラウレス−3−カルボン酸ナトリウム)、リン酸エステル(1種以上の脂肪族アルコールと、リン酸(主にモノ−エステル)または五酸化リン(主にジ−エステル)との反応、例えばラウリルアルコールと四リン酸との反応の生成物;さらに、これらの生成物がエトキシル化されてもよい)、スルホコハク酸塩、パラフィンまたはオレフィンスルホン酸塩、タウレートおよびリグノスルホネートが挙げられる。
好適な両性SFAとしては、ベタイン、プロピオネートおよびグリシネートが挙げられる。
好適なノニオン性SFAとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはこれらの混合物などのアルキレンオキシドと、脂肪族アルコール(オレイルアルコールまたはセチルアルコールなど)もしくはアルキルフェノール(オクチルフェノール、ノニルフェノールまたはオクチルクレゾールなど)との縮合物;長鎖脂肪酸またはヘキシトール無水物由来の部分エステル;前記部分エステルとエチレンオキシドとの縮合物;ブロックポリマー(エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドを含む);アルカノールアミド;単純エステル(例えば脂肪酸ポリエチレングリコールエステル);アミンオキシド(例えばラウリルジメチルアミンオキシド);ならびにレシチンが挙げられる。
好適な懸濁剤としては、親水性コロイド(多糖類、ポリビニルピロリドンまたはナトリウムカルボキシメチルセルロースなど)および膨潤クレイ(ベントナイトまたはアタパルジャイトなど)が挙げられる。
本発明の化合物または組成物は、植物、植物の一部、植物の器官、植物繁殖体または植物が成長している生息地に適用され得る。
適用は、典型的にはトラクターに備え付けた大面積用噴霧器によって組成物を噴霧することにより一般になされるが、散粉(粉末の場合)、滴下または潅注などの他の方法も用いられることが可能である。代替として、組成物は、畝間に、または植付け時もしくはその前に種子に直接的に適用され得る。
本発明の化合物または組成物は、発芽前または発芽後に適用され得る。好適には、作物植物の成長の調節または非生物ストレスに対する耐性の増強に組成物が用いられる場合、組成物は作物の発芽後に適用され得る。組成物が種子の発芽の阻害または遅延に用いられる場合、組成物は発芽前に適用され得る。
本発明は、植付けの前、その最中もしくはその後、またはこれらのいずれかの組み合わせによる植物繁殖体に対する本発明の化合物または組成物の適用を想定している。
活性処方成分は任意の生理学的状態で植物繁殖体に適用が可能であるが、一般的なアプローチは、処理プロセス中に損傷が生じない十分に丈夫な状態の種子を用いるものである。典型的には、種子は、圃場で収穫され;植物から取り外され;かつ芯、柄、外側包葉および周囲のパルプまたは他の非種子植物材料のいずれかから分離される。種子はまた、処理によって、種子に対して生物学的な損傷が生じることがない程度に生物学的に安定であることが好ましいであろう。処理は、種子の収穫から、播種プロセス中を含む種子の播種までの間における任意の時点で種子に適用可能であると考えられている。
植物繁殖体または植付けの生息地に対する活性処方成分の適用または処理方法は当技術分野において公知であり、粉衣、コーティング、ペレット化および液浸、ならびに苗床トレー適用、畝間適用、土壌潅注、土壌注入、注入灌漑、スプリンクラーもしくはセンターピボットを介した適用、または土壌への取り込み(ばら播きまたは帯状)を含む。代替としてまたは追加的に、活性処方成分は、植物繁殖体と一緒に播種される好適な基材に適用されてもよい。
本発明の化合物の施用量は広い限度内で様々であり得ると共に、土壌の性質、適用方法(出芽前または出芽後;種子粉衣;蒔き溝への適用;不耕起適用等)、作物植物、卓越気候条件、ならびに適用方法、適用時期および標的作物によって左右される他の要因に応じる。葉面適用または潅注適用に関して、本発明の化合物は一般に、1〜2000g/ha、特に5〜1000g/haの量で適用される。種子処理に関して、施用量は一般に、0.0005〜150g/種子100kgである。
本発明の化合物および組成物は、双子葉または単子葉作物に適用され得る。
本発明に係る組成物を用いることが可能である有用な植物の作物としては、例えばブラックベリー、ブルーベリー、クランベリー、ラズベリーおよびイチゴといった液果植物;例えばオオムギ、トウモロコシ(コーン)、キビ、カラスムギ、イネ、ライ麦、モロコシ属(Sorghum)、ライコムギおよびコムギといった穀類;例えば綿、亜麻、アサ、ジュートおよびサイザルといった繊維植物;例えば糖質および飼料ビート、コーヒー、ホップ、マスタード、アブラナ(カノーラ)、ケシ、サトウキビ、ヒマワリ、チャおよびタバコといった農作物;例えばリンゴ、アンズ、アボカド、バナナ、サクランボ、柑橘類、ネクタリン、モモ、セイヨウナシおよびセイヨウスモモといった果樹;例えばバミューダグラス、イチゴツナギ、ベントグラス、センチピードグラス、ウシノケグサ、ライグラス、アメリカシバおよびノシバといった草;バジル、ルリジサ、チャイブ、コリアンダー、ラベンダー、ラベージ、ミント、オレガノ、パセリ、ローズマリー、セージおよびタイムなどのハーブ;例えばインゲンマメ、レンズマメ、エンドウマメおよびダイズ、インゲンマメといったマメ科植物;例えばアーモンド、カシュー、落花生、ヘーゼルナッツ、ピーナッツ、ペカン、ピスタチオおよびクルミといった堅果;例えばアブラヤシといったヤシ;例えば花、低木および高木といった観賞用植物;例えばカカオ、ココナツ、オリーヴおよびゴムといった他の高木;例えばアスパラガス、ナス、ブロッコリ、キャベツ、ニンジン、キュウリ、ニンニク、レタス、ペポカボチャ、メロン、オクラ、タマネギ、コショウ、ジャガイモ、カボチャ、ダイオウ、ホウレンソウおよびトマトといった野菜;ならびに例えばブドウといったつる植物などの多年生および一年生作物が挙げられる。
作物は、天然のもの、従来の品種改良法により得られたもの、または遺伝子操作により得られたものであると理解されるべきである。これらは、いわゆる出力形質(例えば向上した保管安定性、高い栄養価および向上した風味)を有する作物を含む。
作物は、ブロモキシニルのような除草剤またはALS−、EPSPS−、GS−、HPPD−およびPPO−抑制剤などの除草剤クラスに対する耐性が与えられた作物も含むと理解されるべきである。従来の勾配方法によって例えばイマザモックスといったイミダゾリノンに対する耐性が与えられた作物の一例は、Clearfield(登録商標)菜の花(summer canola)である。遺伝子操作法によって除草剤に対する耐性が与えられた作物の例としては、商品名RoundupReady(登録商標)、Herculex I(登録商標)およびLibertyLink(登録商標)で市販されている例えばグリホサート−およびグルホシネート耐性トウモロコシ品種が挙げられる。
作物も天然のものであるか、または有害な昆虫に対する耐性が与えられたものであると理解されるべきである。これは、例えばトキシン産生バクテリア由来のものとして公知であるものなどの1種以上の選択的に作用するトキシンの合成能を例えば有するように、組換えDNA技術を用いることで形質転換された植物を含む。発現されることが可能であるトキシンの例としては、δ−エンドトキシン、栄養型殺虫性タンパク質(Vip)、線虫共生バクテリアの殺虫性タンパク質、ならびにサソリ、蛛形類、大型のハチ(wasp)および真菌によって産生されるトキシンが挙げられる。
バチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)トキシンを発現するように変性された作物の一例は、BtトウモロコシKnockOut(登録商標)(Syngenta Seeds)である。殺虫性耐性をコードする2種以上の遺伝子を含み、そのため、2種以上のトキシンを発現する作物の一例は、VipCot(登録商標)(Syngenta Seeds)である。作物またはその種子材料も複数種の有害生物に対して耐性であることが可能である(いわゆる、遺伝子修飾により形成される場合の重畳的なトランスジェニックイベント)。例えば、植物は、例えばHerculex I(登録商標)(Dow AgroSciences, Pioneer Hi-Bred International)のように除草剤耐性であると同時に、殺虫性タンパク質の発現能を有していることが可能である。
本発明の化合物はまた、例えば統合された雑草防除プログラムの一部として、非作物植物の種子の発芽を阻害または遅延するために用いられ得る。雑草種子の発芽を遅延させることで、雑草との競合を低減させることにより初めから強い作物実生とし得る。
代替として、本発明の化合物は、例えば栽培者に対する植付け時期の柔軟性を高めるために、作物植物の種子の発芽を遅延させるために用いられ得る。
通常、作物の管理において、栽培者は、本発明の化合物または組成物に追加して、1種または複数種の他の農学的化学物質または生物学的製剤を用いる。本発明の化合物または組成物と、さらなる活性処方成分とを含む混合物も提供される。
農学的化学物質または生物学的製剤の例としては、殺ダニ剤、殺菌剤、殺カビ剤、除草剤、殺虫剤、殺線虫剤などの有害生物防除剤、植物成長調節剤、作物増強剤、毒性緩和剤、ならびに植物栄養分および植物肥料が挙げられる。好適な混合相手の例は、Pesticide Manual, 15th edition (published by the British Crop Protection Council)に見いだされ得る。このような混合物は、植物、植物繁殖体または植物が成長している生息地に、同時に(例えば、予配合された混合物またはタンク混合物として)、または好適な時間尺度で順次に適用され得る。有害生物防除剤と本発明との併用は、作物への生成物の適用に係る農業従事者の消費時間が最短化される利点が追加される。組み合わせはまた、例えば従来の交配または遺伝子修飾といった任意の手段を用いて植物に組み込まれた特定の植物形質を含み得る。
本発明はまた、式(I)、(II)または(III)の化合物(式中、R1、R2a、R2b、R3a、R3b、R4、R5、R6、L、A、R8およびnは本明細書において定義されているとおりである);またはその塩もしくはN−オキシド;または式(I)、(II)もしくは(III)に係る化合物および農学的に許容可能な配合補助剤を含む組成物の使用であって、非生物ストレスに対する植物の耐性を向上させ、植物の成長を調節するかもしくは向上させ、種子発芽を阻害し、および/または化学物質の植物毒性効果に対する植物の薬害を軽減するための使用を提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、式(I):

(式中、R1は、水素、C〜Cアルキル、シアノ−C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル−C〜Cアルキル、C〜Cハロアルコキシ−C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル−C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cハロアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜CハロアルキニルおよびC〜Cヘテロシクロアルキルから選択され;またはR1は、C〜Cアルキル−アリール、C〜Cシクロアルキル、フェニルおよび5員もしくは6員ヘテロアリールから選択され、各々は、任意選択により、1〜3個のRxで置換されており;各Rxは、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルスルファニル、C〜Cハロアルキルスルファニル、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cハロアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜CハロアルキルスルホニルおよびC〜Cシクロアルキルから独立して選択され;R2a、R2b、R3a、R3b、R4、R5およびR6は、水素、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルキル、C〜CハロアルコキシおよびC〜Cシクロアルキルから独立して選択され;R2aおよびR2b、またはR2aおよびR3aは、これらが結合している原子と一緒になって、任意選択により、結合してC〜Cシクロアルキルを形成し;Lは、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜CアルコキシおよびC〜Cアルコキシ−C〜Cアルキルから選択され、各々は、任意選択により、ハロゲン、シアノ、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから独立して選択される1〜3つの部分で置換されており;Aは、任意選択により1〜4個のRyで置換されているC〜Cシクロアルキルであり;各Ryは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、−OH、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルスルファニル、C〜Cハロアルキルスルファニル、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cハロアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルスルホニル、C〜Cシクロアルキル、=O、=N−OH、−N=OMe、COOH、COOR9、CONHR9、CONR9aR9およびNHCOR9から独立して選択され、ただし、1個または複数個のRyが、=O、=N−OHまたは−N=OMeである場合、AはCシクロアルキルではなく;R9およびR9aは、独立してC〜Cアルキルであり;各R8は、水素、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルスルファニル、C〜Cハロアルキルスルファニル、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cハロアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルスルホニル、C〜Cアルケニル、C〜Cハロアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキニル、C〜CシクロアルキルおよびC〜Cアルコキシ−C〜Cアルキルから独立して選択され;nは、1、2および3から選択される)の化合物、またはその塩もしくはN−オキシド;または式(I)に係る化合物および農学的に許容可能な配合補助剤を含む組成物の、非生物ストレスに対する植物の耐性を向上させ、植物の成長を調節するかもしくは向上させ、種子発芽を阻害し、および/または化学物質の植物毒性効果に対する植物の薬害を軽減するための使用を提供する。
非生物ストレスに対する植物の耐性を向上させ、植物の成長を調節するかもしくは向上させ、種子発芽を阻害し、および/または化学物質の植物毒性効果に対する植物の薬害を軽減するための本発明の化合物、組成物または混合物の使用も提供される。
合成
本発明の化合物は一般に従来から合成されている。当技術分野において公知である合成方法および本明細書に記載の合成方法を利用し、適切な前駆体を用いて本発明の化合物を合成することが可能である。スキーム1〜3に、式(I)の化合物を調製する例示的な方法が提供される。

式(I)の化合物は、式(Ia)の化合物および式(Ib)の塩化スルホニルからトリエチルアミンなどの有機塩基の存在下で調製されることが可能である。
式(Ib)の塩化スルホニルは、市販されているか、または文献から公知の手法に従って当業者により調製されることが可能である。

式(I)の化合物は、式(Ic)の化合物(式中、Xは、例えばハロゲンまたはトリフレートなどの好適な脱離基である)から、多くの場合にパラジウム(0)錯体といった好適な触媒/リガンドの存在下で、式Z−Aの誘導体(式中、Zはホウ素または錫誘導体であり、およびAは式(I)の化合物について記載されているとおりである)とカップリングすることにより調製されることが可能である。これらの反応は、マイクロ波の照射下で実施され得る。これらの反応は、スティル、スズキカップリングの名称で当業者には公知であり、例えば:Strategic Applications of Named Reactions in Organic Synthesis Kurti, Laszlo; Czako, Barbara; Editors. USA. (2005), Publisher: Elsevier Academic Press, Burlington, Mass. p.448(スズキカップリング)およびp.438(スティルカップリング)、ならびに引用されている文献を参照されたい。

式(I)の化合物(式中、AはC−4シクロアルキル環である)は、例えばTetrahedron Letters 55 (2014) 5147-5150に記載されているとおり、ケテンまたはケテン−イミニウム塩の反応により式(Id)の化合物から調製されることが可能である。
種々の本発明の化合物の例示的な合成が実施例1に記載されている。
総括すると、例示的な実施形態において、本発明は以下を提供する。式(I):

の化合物、またはその塩もしくはN−オキシド。R1は、水素、アルキル、シアノ−アルキル、ハロアルキル、アルコキシ−アルキル、ハロアルコキシ−アルキル、シクロアルキル−アルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニルおよびヘテロシクロアルキルから選択され;またはR1は、アルキル−アリール、シクロアルキル、フェニルおよびヘテロアリールから選択され、各々は、任意選択により、1〜3個のRxで置換されている。各Rxは、独立して、ハロゲン、シアノ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルスルファニル、ハロアルキルスルファニル、アルキルスルフィニル、ハロアルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルホニルおよびシクロアルキルから選択される。R2a、R2b、R3a、R3b、R4、R5およびR6は、独立して、水素、ハロゲン、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシおよびシクロアルキルから選択される。R2aおよびR2b、またはR2aおよびR3aは、これらが結合している原子と一緒になって、任意選択により、結合されてシクロアルキルを形成する。Lは、アルキル、アルケニル、アルコキシおよびアルコキシ−アルキルから選択され、各々は、任意選択により、ハロゲン、シアノ、アルキルおよびアルコキシから独立して選択される1〜3つの部分で置換されている。Aは、任意選択により1〜4個のRyで置換されているシクロアルキルである。各Ryは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アルキル、ハロアルキル、−OH、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルスルファニル、ハロアルキルスルファニル、アルキルスルフィニル、ハロアルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルホニル、シクロアルキル、=O、=N−OH、−N=OMe、COOH、COOR9、CONHR9、CONR9aR9およびNHCOR9から独立して選択される。1個または複数個のRyが=O、=N−OHまたは−N=OMeである場合、AはCシクロアルキルではない。R9およびR9aは、独立してアルキルである。各R8は、水素、ハロゲン、シアノ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルスルファニル、ハロアルキルスルファニル、アルキルスルフィニル、ハロアルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルホニル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、シクロアルキルおよびアルコキシ−アルキルから独立して選択される。nは、1、2および3から選択される。
上記の段落に係る化合物(式中、各Rxは、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルスルファニル、C〜Cハロアルキルスルファニル、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cハロアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜CハロアルキルスルホニルおよびC〜Cシクロアルキルから独立して選択される)。
前記段落のいずれかに係る化合物(式中、Rxは、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜CハロアルコキシおよびC〜Cシクロアルキルから選択される)。
前記段落のいずれかに係る化合物(式中、R1は、水素、C〜Cアルキル、シアノ−C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル−C〜Cアルキル、C〜Cハロアルコキシ−C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル−C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cハロアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜CハロアルキニルおよびC〜Cヘテロシクロアルキルから選択され;またはR1は、C〜Cアルキル−アリール、C〜Cシクロアルキル、フェニルおよび5員もしくは6員ヘテロアリールから選択され、各々は、任意選択により、1〜3個のRxで置換されている)。
前記段落のいずれかに係る化合物(式中、R1は、C〜Cシクロアルキル、フェニルおよび5員もしくは6員ヘテロアリールから選択され、各々は、任意選択により、1〜3個のRxで置換されており;またはR1は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキル、C−ハロアルコキシ−C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル−C〜Cアルキル、C〜CアルケニルおよびC〜Cアルキニルから選択される)。
前記段落のいずれかに係る化合物(式中、R1はC〜Cアルキルである)。
前記段落のいずれかに係る化合物(式中、R2a、R2b、R3a、R3b、R4、R5およびR6は、水素、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルキル、C〜CハロアルコキシおよびC〜Cシクロアルキルから独立して選択され;R2aおよびR2b、またはR2aおよびR3aは、これらが結合している原子と一緒になって、任意選択により、結合してC〜Cシクロアルキルを形成する)。
前記段落のいずれかに係る化合物(式中、R2a、R2b、R3a、R3b、R4およびR5は各々水素である)。
前記段落のいずれかに係る化合物(式中、R6は、水素およびC〜Cアルキルから選択される)。
前記段落のいずれかに係る化合物(式中、R2a、R2b、R3a、R3b、R4、R5およびR6の少なくとも1つは水素ではない)。
前記段落のいずれかに係る化合物(式中、Lは、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜CアルコキシおよびC〜Cアルコキシ−C〜Cアルキルから選択され、各々は、任意選択により、ハロゲン、シアノ、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから独立して選択される1〜3つの部分で置換されている)。
前記段落のいずれかに係る化合物(式中、Lは、任意選択により、ハロゲン、シアノおよびC〜Cアルキルから独立して選択される1または2個の部分で置換されているC〜Cアルキルである)。
前記段落のいずれかに係る化合物(式中、LはC〜Cアルキルである)。
前記段落のいずれかに係る化合物(式中、各Ryは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、−OH、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルスルファニル、C〜Cハロアルキルスルファニル、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cハロアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルスルホニル、C〜Cシクロアルキル、=O、=N−OH、−N=OMe、COOH、COOR9、CONHR9、CONR9aR9およびNHCOR9から独立して選択される。1個または複数個のRyが=O、=N−OHまたは−N=OMeである場合、AはCシクロアルキルではない。R9およびR9aは、独立してC〜Cアルキルである)。
前記段落のいずれかに係る化合物(式中、Ryは、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、−OH、C〜CアルコキシおよびC〜Cハロアルキルから選択される)。
前記段落のいずれかに係る化合物(式中、Aは、任意選択により1〜4個のRyで置換されているC〜Cシクロアルキルである)。
前記段落のいずれかに係る化合物(式中、Aは、ハロゲン、シアノ、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから独立して選択される1〜4つの部分で任意選択により置換されているシクロプロピルである)。
前記段落のいずれかに係る化合物(式中、各R8は、水素、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルスルファニル、C〜Cハロアルキルスルファニル、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cハロアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルスルホニル、C〜Cアルケニル、C〜Cハロアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキニル、C〜CシクロアルキルおよびC〜Cアルコキシ−C〜Cアルキルから独立して選択される)。
前記段落のいずれかに係る化合物(式中、各R8は、水素、ハロゲンおよびC〜Cアルキルから独立して選択され;かつnは1および2から選択される)。
前記段落のいずれかに定義されている化合物と、農学的に許容可能な配合補助剤とを含む組成物。
前記段落のいずれかに定義されている化合物と、さらなる活性処方成分とを含む混合物。
非生物ストレスに対する植物の耐性を向上させる方法であって、植物、植物部位、植物繁殖体または植物が成長している生息地に、前記段落のいずれかに係る化合物、前記段落のいずれかに係る組成物、または前記段落のいずれかに係る混合物を適用することを含む方法。
植物の種子発芽を阻害する方法であって、種子または種子を含む生息地に、前記段落のいずれかに係る化合物、前記段落のいずれかに係る組成物、または前記段落のいずれかに係る混合物を適用することを含む方法。
植物の成長を調節するかまたは向上させる方法であって、植物、植物部位、植物繁殖体または植物が成長している生息地に、前記段落のいずれかに係る化合物、前記段落のいずれかに係る組成物、または前記段落のいずれかに係る混合物を適用することを含む方法。
化学物質の植物毒性効果に対する植物の薬害を軽減する方法であって、植物、植物部位、植物繁殖体または植物が成長している生息地に、前記段落のいずれかに係る化合物、前記段落のいずれかに係る組成物、または前記段落のいずれかに係る混合物を適用することを含む方法。
本発明の材料および方法は、以下の実施例によってさらに例示される。これらの実施例は、特許請求される本発明を例示するためのものであり、限定するものではない。
実施例
実施例1:合成
1−(4−シクロプロピルフェニル)−N−(2−オキソ−1−プロピル−3,4−ジヒドロキノリン−6−イル)メタンスルホンアミド(化合物1.001)の調製

6−アミノ−1−プロピル−3,4−ジヒドロキノリン−2−オン(50mg、0.245mmol)を酢酸エチル(1.22mL)に溶解し、アルゴン雰囲気下で0℃に冷却した。N,N’−ジイソプロピルエチルアミン(85.3μl、0.490mmol)を添加した。次いで、(4−シクロプロピルフェニル)メタンスルホニルクロリド(188mg、0.367mmol)の酢酸エチル(1ml)中の溶液を滴下した。この反応混合物を室温で一晩撹拌した。次いで、水性HCl(1M)をゆっくりと添加し、層を分離した。有機層を水性NaCOおよび水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧中で濃縮して173mgの粗生成物を得、これを酢酸エチル/ヘキサンの勾配を用いたシリカゲルによるクロマトグラフィにかけて、1−(4−シクロプロピルフェニル)−N−(2−オキソ−1−プロピル−3,4−ジヒドロキノリン−6−イル)メタンスルホンアミド(75.6mg、0.190mmol、77%)をべージュ色の粉末として得た。H NMR(CDCl,400MHz)δ0.70(2H,m);0.98(5H,m);1.67(2H,六重項,J=8);1.90(1H,m);2.65(2H,t,J=8);2.85(2H,t,J=8);3.87(2H,t,J=8);4.30(2H,s);6.05(1H,s);6.95(3H,m);7.05(2H,d,J=10);7.20(2H,d,J=10);LC−MSクロマトグラフィ:RT(min):0.98、[M+H](計測値):399。
1−[4−(2,2−ジメチル−3−オキソ−シクロブチル)フェニル]−N−(2−オキソ−1−プロピル−3,4−ジヒドロキノリン−6−イル)メタンスルホンアミド(化合物8.004)の調製
1)N−(2−オキソ−1−プロピル−3,4−ジヒドロキノリン−6−イル)−1−(4−ビニルフェニル)メタンスルホンアミド
1−(4−ブロモフェニル)−N−(2−オキソ−1−プロピル−3,4−ジヒドロキノリン−6−イル)メタンスルホンアミド(55mg、126mmol)を、2−メチルテトラヒドロフラン(0.99ml)および水(0.11mL)に溶解した。トリフルオロ(ビニル)ホウ酸カリウム(20.2mg、0.151mmol)および炭酸セシウム(123mg、0.377mmol)を添加した。反応混合物を脱気し、PdCl(PPh(4.5mg、0.006mmol)を添加し、反応混合物を80℃で15時間加熱した。次いで、これを室温で冷却し、氷/水に注ぎ入れた。水性層を酢酸エチルで2回抽出した。有機層を水、次いで、塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して78mgの粗生成物を得、これを酢酸エチル/ヘキサンの勾配を用いたシリカゲルによるクロマトグラフィにかけて、N−(2−オキソ−1−プロピル−3,4−ジヒドロキノリン−6−イル)−1−(4−ビニルフェニル)メタンスルホンアミド(30mg、0.627mmol、63%)を得た。H NMR(CDCl,400MHz)δ0.97(3H,t,J=7);1.66(2H,m);2.63(2H,dd,J=9,6);2.84(2H,m);3.87(2H,m);4.32(2H,s);5.31(1H,d,J=11);5.77(1H,d,J=18);6.21(1H,s);6.70(1H,dd,J=18,11);6.94(3H,m);7.28(2H,d,J=8);7.40(2H,d,J=8)。
2)1−[4−(2,2−ジメチル−3−オキソ−シクロブチル)フェニル]−N−(2−オキソ−1−プロピル−3,4−ジヒドロキノリン−6−イル)メタンスルホンアミド
Tetrahedron Letters 55 (2014) (5147-5150)に従って調製したCDCl中の1−(2−メチルプロプ−1−エニルジエン)ピペリジン−1−イウムトリフルオロメタンスルホネート(1.6mL、0.260mmol、0.16mol/Lに、アルゴン雰囲気下で、0℃で、N−(2−オキソ−1−プロピル−3,4−ジヒドロキノリン−6−イル)−1−(4−ビニルフェニル)メタンスルホンアミド(100mg、0.260mmol)のクロロホルム(1.6mL)中の溶液を添加した。この反応混合物を室温で3時間撹拌し、次いで、1−(2−メチルプロプ−1−エニルジエン)ピペリジン−1−イウムトリフルオロメタンスルホネート(1.6mL、0.260mmol、CDCl中の0.16mol/L)を添加し、この反応混合物を再度室温で20分間撹拌した。水、次いで、HCl 1N(1mL)を添加した。水性層をジクロロメタンで2回抽出した。有機層を水、次いでNaHCOの溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して150mgの粗生成物を得、これを酢酸エチル/ヘキサンの勾配を用いたシリカゲルによるクロマトグラフィにかけて、1−[4−(2,2−ジメチル−3−オキソ−シクロブチル)フェニル]−N−(2−オキソ−1−プロピル−3,4−ジヒドロキノリン−6−イル)メタンスルホンアミド(102mg、0.863mmol、86%)を油として得た;H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δppm 0.79(3H,s);0.97(3H,t,J=7);1.36(3H,s);1.67(2H,m);2.65(2H,dd,J=8,6);2.88(2H,m);3.37(3H,m);3.91(2H,m);4.33(2H,s);6.35(s,1H);6.93(1H,m);6.98(1H,m);7.03(1H,d,J=2);7.21(2H,d,J=8);7.32(2H,d,J=8)。
1−(4−シクロブチルフェニル)−N−(2−オキソ−1−プロピル−3,4−ジヒドロキノリン−6−イル)メタンスルホンアミド(化合物5.004)の調製
アルゴン雰囲気下で、1−(4−ブロモフェニル)−N−(2−オキソ−1−プロピル−3,4−ジヒドロキノリン−6−イル)メタンスルホンアミド(100mg、0.228mmol)および[メタンスルホネート(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジ−i−プロポキシ−1,1’−ビフェニル)(2’−メチルアミノ−1,1’−ビフェニル−2−イル)パラジウム(II)](8.63mg、0.011mmol)をテトラヒドロフラン(2.3mL)中に溶解し、シクロブチル亜鉛ブロミド(0.91mL、0.457mmol)を滴下し、反応混合物を室温で18時間撹拌した。次いで、反応混合物を氷上に注ぎ、数mlのNHCl飽和溶液を添加した。水性層を酢酸エチルで3回抽出した。有機層を組み合わせ、塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して106mgの粗生成物を得、これを酢酸エチル/ヘキサンの勾配を用いたシリカゲルによるクロマトグラフィにかけて、1−(4−シクロブチルフェニル)−N−(2−オキソ−1−プロピル−3,4−ジヒドロキノリン−6−イル)メタンスルホンアミド(77mg、0.187mmol、82%)を薄い黄色のフォームとして得た;H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δppm 0.97(3H,t,J=7);1.65(2H,m);1.86(1H,m);2.06(3H,m);2.35(2H,m);2.63(2H,dd,J=8,6);2.85(2H,m);3.53(1H,m);3.83(2H,m);4.29(2H,s);6.40(1H,s);6.92(3H,m);7.21(4H,m)。
1−(4−シクロペンチルフェニル)−N−(2−オキソ−1−プロピル−3,4−ジヒドロキノリン−6−イル)メタンスルホンアミド(化合物9.004)の調製
1)1−[4−(シクロペンテン−1−イル)フェニル]−N−(2−オキソ−1−プロピル−3,4−ジヒドロキノリン−6−イル)メタンスルホンアミド
1−(4−ブロモフェニル)−N−(2−オキソ−1−プロピル−3,4−ジヒドロキノリン−6−イル)メタンスルホンアミド(219mg、0.500mmol)を2−メチルテトラヒドロフラン(3.5mL)に溶解し、反応混合物を脱気し、次いで、シクロペンテン−1−イルボロン酸(72.8mg、0.650mmol)、フッ化セシウム(380mg、2.5mmol)およびPdCldppf(20.4mg、0,025mmol)を添加した。この反応混合物にマイクロ波を110℃で15分間照射し、次いで、氷水に注ぎ入れた。水性層を酢酸エチルで2回抽出した。有機層をNaHCOの溶液、水、次いで、塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して粗生成物を得、これを酢酸エチル/ヘキサンの勾配を用いたシリカゲルによるクロマトグラフィにかけて、185mgの生成物を得た。これをメタノール中に懸濁させ、加熱し、次いで、室温で冷却し、ろ過し、メタノールで洗浄して1−[4−(シクロペンテン−1−イル)フェニル]−N−(2−オキソ−1−プロピル−3,4−ジヒドロキノリン−6−イル)メタンスルホンアミド(162mg、0.381mmol、76%)をべージュ色の結晶として得た;H NMR(400MHz,DMSO−d)δppm 0.88(3H,t,J=7);1.53(2H,m);1.97(2H,m);2.50(4H,m);2.61(2H,m);2.79(2H,t,J=7);3.81(2H,m);4.43(2H,s);6.30(1H,br.s.);6.98(1H,s);7.06(2H,m);7.24(2H,d,J=8);7.43(2H,m,J=8);9.67(1H,s)。
2)1−(4−シクロペンチルフェニル)−N−(2−オキソ−1−プロピル−3,4−ジヒドロキノリン−6−イル)メタンスルホンアミド
アルゴン雰囲気下で、1−[4−(シクロペンテン−1−イル)フェニル]−N−(2−オキソ−1−プロピル−3,4−ジヒドロキノリン−6−イル)メタンスルホンアミド(99mg、0.233mmol)をエタノール−酢酸エチル混合物(7mL/7mL)中に懸濁させ、次いで、Pd/C(10%、9.9mg、0.040mmol)を添加した。反応混合物を水素雰囲気下に45℃で20時間撹拌した。次いで、水素をアルゴンにより除去し、反応混合物をCelite(登録商標)パッドを通してろ過した。ろ液を減圧下で濃縮して106mgの粗生成物を得、これを酢酸エチル/ヘキサンの勾配を用いたシリカゲルによるクロマトグラフィにかけて、1−(4−シクロペンチルフェニル)−N−(2−オキソ−1−プロピル−3,4−ジヒドロキノリン−6−イル)メタンスルホンアミド(77mg、0.18mmol、77%収率)を無色の結晶として得た;H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δppm 0.97(3H,t,J=7);1.56(3H,m);1.70(3H,m);1.82(2H,m);2.07(2H,m);2.64(2H,dd,J=8,6);2.85(2H,m);3.00(1H,m);3.88(2H,m);4.30(2H,s);6.21(1H,s);6.95(3H,m);7.22(4H,m)。
以下の化合物を、上記の方法により、または6−アミノ−キノリノンと対応する塩化スルホニルとのカップリングにより調製した。6−アミノ−キノリノンは、関連する化合物に係る、例えばJournal of the Chemical Society, Perkin Transactions 1, 1981, (11), 2912-19および国際公開第2014210555号における公知の手法に従って調製した。
スペクトルは、エレクトロスプレーソース(極性:陽イオンまたは陰イオン、キャピラリ:3.00kV、コーン範囲:30〜60V、抽出器:2.00V、ソース温度:150℃、脱溶剤温度:350℃、コーンガス流:0L/Hr、脱溶剤ガス流:650L/Hr、質量範囲:100〜900Da)およびWaters製のAcquity UPLC:バイナリポンプ、被加熱カラムコンパートメントおよびダイオード−アレイ検出器を備える、Waters製の質量分光計(SQDまたはZQシングル四重極型質量分析計)で記録した。溶剤デガッサ、バイナリポンプ、被加熱カラムコンパートメントおよびダイオード−アレイ検出器。カラム:Waters UPLC HSS T3、1.8μm、30×2.1mm、温度:60℃、DAD波長範囲(nm):210〜500、溶剤勾配:A=水+5%MeOH+0.05%HCOOH、B=アセトニトリル+0.05%HCOOH:勾配:勾配:0分間 0%B、100%A;1.2〜1.5分間 100%B;流量(ml/min)0.85。
実施例2:生物学的試験
A)ダイズにおける水利用効率(WU)の増加
環境制御下の植物グロースチャンバ中において栽培されているダイズ植物(品種S20−G7)に葉面噴霧による適用を行った後、化学物質について植物水利用率(WU)を低減させる効果について試験した。すべての化学物質は、追加の界面活性剤(EXTRAVON 1g/20L)を含有する水で、記載されている濃度に希釈した乳化性濃縮物(EC)配合物を用いて適用した。植物WUは、化学物質の適用前後に記載の時間(適用後の日数(DAA)で表記)に複数のポット計量プロセスにより評価した。適用前のWUデータを用いて、非処理時の影響(例えば植物のサイズの差異によるもの)による水利用率における差異を補正した。結果は、陰性対照処理(水およびEXTRAVON 1g/20L)と比して表記されている。
化学物質の適用(0DAA)はおよそ午前8:00〜9:30の間に行う。WUを日中の時間(チャンバの光は6:00〜20:00に点灯)内に、以下の時点で計測する:0DAA午前(10:30〜12:50)および0DAA午後(14:00〜19:50)、1DAA午前(7:30〜12:50)および1DAA午後(14:00〜19:50)および2DAA午前(7:30〜12:50)。累計WU(0〜2DAA)は、上記のWUデータを加算することにより算出する。
結果は、本発明の化合物はキナバクチンよりも良好な植物の水利用率をもたらすことを示す。
B)コーンにおける水利用効率(WU)の増加
化合物を、以下のとおり、植物の水利用率を低減させる効果について試験した。この化合物は、環境制御下の植物グロースチャンバ中において栽培されている12日齢のコーン植物(品種NK OCTET)に葉面噴霧により適用した。すべての化合物は、0.4%の補助剤ナタネメチルエステルを含有する水で、所望される濃度に希釈した乳化性濃縮物(EC)配合物を用いて適用した。日中の植物水利用率を、化合物の適用前後、記載の時間(適用後の日数(DAA)で表記)に、植物を栽培しているポットを反復的に計量することにより評価した。適用前の水利用率データを用いて、処理によらない影響によって生じる水利用率における差異をすべて補正した(例えば植物のサイズの差異によるもの)。形質転換されなかった水利用率値に係る処理の効果を当てはめ、また、適用1日前の基線水利用率を共変数として用いる共分散分析に供した。
化学物質の適用(0DAA)はおよそ午前8:00〜9:30の間に行う。WUを以下の時点に日中の時間(チャンバの光は6:00〜20:00に点灯)内に計測する:0DAA午前(10:30〜12:50)および0DAA午後(14:00〜19:50)、1DAA午前(7:30〜12:50)および1DAA午後(14:00〜19:50)および2DAA午前(7:30〜12:50)。累計WU(0〜2DAA)は、上記のWUデータを加算することにより算出する。
C)PP2C活性アッセイ
タンパク質HAB1(2型タンパク質脱リン酸化酵素(PP2C))は、アブシジン酸または他の受容体アゴニストとの依存関係にあるPYR/PYLタンパク質によって阻害される。受容体アゴニストの効力はPP2Cの阻害レベルと相関し、従って、IC50(PYR1−HAB1)を、異なる化学アナログの相対的活性の比較に用いることが可能である。PP2Cの阻害は種子発芽の阻害および植物水利用効率の増加に相関するため、これは、アブシジン酸の類似体として作用する化学物質の生物学的有効性を定量化するための有力なツールとされる。
HAB1およびPYLタンパク質を、わずかな変更を加えて、Park et al. ((2009) Science 324(5930):1068-1071)に記載のとおり発現および精製した。GST−HAB1を得るために、HAB1 cDNAをpGex−2Tにクローン化した。発現はBL21[DE3]pLysS宿主細胞において実施した。形質転換細胞を一晩かけて前培養し、LB培地に移し、30℃で約0.5のA600に培養した。
次いで、培養物を氷で冷却し、MnCl2を4mMに添加し、IPTGを0.3mMに添加した。15℃で16時間インキュベーションした後、細胞を収穫し、組換え型タンパク質を、Park et alに記載されているとおりグルタチオンアガロースで精製した。6XHis−PYL受容体融合タンパク質を得るために、Okamoto et al. 2013, (PNAS 110(29): 12132-12137)に記載の発現構築物を用いた。ABA受容体を上記のとおり発現および精製した。
表B5に示されている値について、組換え型受容体およびPP2Cを用いるPP2C活性アッセイを以下のとおり実施した:精製したタンパク質を、100mMトリス−HCl−pH7.9、100mM NaCl、3μgのウシ血清アルブミン、0.1%2−メルカプトエタノール、1mM MnClを含有する160μlアッセイ緩衝剤中において、ABAまたはアゴニスト(本発明の化合物)と共に室温で30分間前保温した。アッセイ緩衝剤中の25mMの4−ニトロフェニルリン酸塩を含有する40μLの反応溶液を添加することにより反応を開始させ、その直後にWallacプレートリーダで405nmを用いて吸光度計測値を回収した。反応は、100nM PP2Cおよび200nM PYR/PYLタンパク質を含有していた。数種のキナバクチン類似体は自家蛍光を有しており、このため、脱リン酸化酵素アッセイに非蛍光性基材である4−ニトロフェノールリン酸塩を用いることが必要であった。IC50値を推測するために、異なる濃度(1μM〜4nMの範囲)を含有する受容体/PP2Cアッセイからの計算であった。得られた用量応答データを、Graph Pad Prism 6.0を用いて、非線形回帰を用いて対数(阻害剤)対応答(可変要素勾配)モデルに当てはめてIC50を推測した。
結果は、本発明の化合物が、キナバクチンよりも良好なPP2Cの阻害をもたらしたことを示す。
C)シロイヌナズナ発芽阻害分析
発芽の阻害に係る化合物の効果を分析するために、成熟後約4週間のシロイヌナズナ種子の表面を、5%のNaClOおよび0.05%のTween-20を含有する溶液で10分間殺菌し、水で4回すすいだ。殺菌した種子を0.1%寒天に懸濁させ、関連する処理を伴って、1/2ムラシゲスクーグ(MS)塩(Sigma-Aldrich)を含有する0.8%固化寒天培地に播種し、4℃で4日間保管し、次いで、22℃の暗条件下に移した。発芽を3日後に評価した。
結果は、本発明の化合物がキナバクチンよりも良好なシロイヌナズナの発芽の阻害をもたらしたことを示す。
本明細書に記載の実施例および実施形態は単なる例示を目的としていること、ならびにこれらに係る種々の変更形態または改変形態は当技術分野における当業者に示唆され、本出願の趣旨および範囲内に含まれると共に添付の特許請求の範囲内であるとみなされることが理解される。本明細書で引用されているすべての刊行物、特許および特許出願は、すべての目的について参照によりその全体が本明細書に援用される。

Claims (25)

  1. 式(I):

    (式中:
    R1は、水素、アルキル、シアノ−アルキル、ハロアルキル、アルコキシ−アルキル、ハロアルコキシ−アルキル、シクロアルキル−アルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニルおよびヘテロシクロアルキルから選択され;または
    R1は、アルキル−アリール、シクロアルキル、フェニルおよびヘテロアリールから選択され、各々は、任意選択により、1〜3個のRxで置換されており;
    各Rxは、独立して、ハロゲン、シアノ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルスルファニル、ハロアルキルスルファニル、アルキルスルフィニル、ハロアルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルホニルおよびシクロアルキルから選択され;
    R2a、R2b、R3a、R3b、R4、R5およびR6は、独立して、水素、ハロゲン、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシおよびシクロアルキルから選択され;
    R2aおよびR2b、またはR2aおよびR3aは、これらが結合している原子と一緒になって、任意選択により、結合されてシクロアルキルを形成し;
    Lは、アルキル、アルケニル、アルコキシおよびアルコキシ−アルキルから選択され、各々は、任意選択により、ハロゲン、シアノ、アルキルおよびアルコキシから独立して選択される1〜3つの部分で置換されており;
    Aは、任意選択により1〜4個のRyで置換されているシクロアルキルであり;
    各Ryは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アルキル、ハロアルキル、−OH、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルスルファニル、ハロアルキルスルファニル、アルキルスルフィニル、ハロアルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルホニル、シクロアルキル、=O、=N−OH、−N=OMe、COOH、COOR9、CONHR9、CONR9aR9およびNHCOR9から独立して選択され、
    ただし、1個または複数個のRyが、=O、=N−OHまたは−N=OMeである場合、AはCシクロアルキルではなく;
    R9およびR9aは、独立してアルキルであり;
    各R8は、水素、ハロゲン、シアノ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルスルファニル、ハロアルキルスルファニル、アルキルスルフィニル、ハロアルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルホニル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、シクロアルキルおよびアルコキシ−アルキルから独立して選択され;
    nは、1、2および3から選択される)
    の化合物、またはその塩もしくはN−オキシド。
  2. 各Rxが、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルスルファニル、C〜Cハロアルキルスルファニル、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cハロアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜CハロアルキルスルホニルおよびC〜Cシクロアルキルから独立して選択される、請求項1に記載の化合物。
  3. 各Rxが、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜CハロアルコキシおよびC〜Cシクロアルキルから独立して選択される、請求項1または2に記載の化合物。
  4. R1が、水素、C〜Cアルキル、シアノ−C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル−C〜Cアルキル、C〜Cハロアルコキシ−C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル−C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cハロアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜CハロアルキニルおよびC〜Cヘテロシクロアルキルから選択され;または
    R1が、C〜Cアルキル−アリール、C〜Cシクロアルキル、フェニルおよび5員もしくは6員ヘテロアリールから選択され、各々が、任意選択により、1〜3個のRxで置換されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
  5. R1が、C〜Cシクロアルキル、フェニルおよび5員もしくは6員ヘテロアリールから選択され、各々が、任意選択により、1〜3個のRxで置換されており;または
    R1が、水素、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキル、C−ハロアルコキシ−C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル−C〜Cアルキル、C〜CアルケニルおよびC〜Cアルキニルから選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
  6. R1がC〜Cアルキルである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。
  7. R2a、R2b、R3a、R3b、R4、R5およびR6が、水素、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルキル、C〜CハロアルコキシおよびC〜Cシクロアルキルから独立して選択され;
    R2aおよびR2b、またはR2aおよびR3aが、これらが結合している原子と一緒になって、任意選択により、結合してC〜Cシクロアルキルを形成する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
  8. R2a、R2b、R3a、R3b、R4およびR5が各々水素である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物。
  9. R6が、水素およびC〜Cアルキルから選択される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物。
  10. R2a、R2b、R3a、R3b、R4、R5およびR6の少なくとも1つが水素ではない、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物。
  11. Lが、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜CアルコキシおよびC〜Cアルコキシ−C〜Cアルキルから選択され、各々が、任意選択により、ハロゲン、シアノ、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから独立して選択される1〜3つの部分で置換されている、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物。
  12. Lが、任意選択により、ハロゲン、シアノおよびC〜Cアルキルから独立して選択される1または2つの部分で置換されているC〜Cアルキルである、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物。
  13. LがC〜Cアルキルである、請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物。
  14. 各Ryが、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、−OH、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルスルファニル、C〜Cハロアルキルスルファニル、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cハロアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルスルホニル、C〜Cシクロアルキル、=O、=N−OH、−N=OMe、COOH、COOR9、CONHR9、CONR9aR9およびNHCOR9から独立して選択され、
    ただし、1個または複数個のRyが、=O、=N−OHまたは−N=OMeである場合、AはCシクロアルキルではなく;
    R9およびR9aが、独立してC〜Cアルキルである、請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物。
  15. 各Ryが、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、−OH、C〜CアルコキシおよびC〜Cハロアルキルから独立して選択される、請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物。
  16. Aが、任意選択により1〜4個のRyで置換されているC〜Cシクロアルキルである、請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物。
  17. Aが、ハロゲン、シアノ、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから独立して選択される1〜4つの部分で任意選択により置換されているシクロプロピルである、請求項1〜16のいずれか一項に記載の化合物。
  18. 各R8が、水素、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルスルファニル、C〜Cハロアルキルスルファニル、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cハロアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルスルホニル、C〜Cアルケニル、C〜Cハロアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキニル、C〜CシクロアルキルおよびC〜Cアルコキシ−C〜Cアルキルから独立して選択される、請求項1〜17のいずれか一項に記載の化合物。
  19. 各R8が、水素、ハロゲンおよびC〜Cアルキルから独立して選択され;かつnが1および2から選択される、請求項1〜18のいずれか一項に記載の化合物。
  20. 請求項1〜19のいずれか一項に記載の化合物と、農学的に許容可能な配合補助剤とを含む組成物。
  21. 請求項1〜19のいずれか一項に記載の化合物と、さらなる活性処方成分とを含む混合物。
  22. 非生物ストレスに対する植物の耐性を向上させる方法であって、前記植物、植物部位、植物繁殖体または植物が成長している生息地に、請求項1〜19のいずれか一項に記載の化合物、請求項20に記載の組成物、または請求項21に記載の混合物を適用することを含む方法。
  23. 植物の種子発芽を阻害する方法であって、種子または種子を含む生息地に、請求項1〜19のいずれか一項に記載の化合物、請求項20に記載の組成物、または請求項21に記載の混合物を適用することを含む方法。
  24. 植物の成長を調節するかまたは向上させる方法であって、前記植物、植物部位、植物繁殖体または植物が成長している生息地に、請求項1〜19のいずれか一項に記載の化合物、請求項20に記載の組成物、または請求項21に記載の混合物を適用することを含む方法。
  25. 化学物質の植物毒性効果に対する植物の薬害を軽減する方法であって、前記植物、植物部位、植物繁殖体または植物が成長している生息地に、請求項1〜19のいずれか一項に記載の化合物、請求項20に記載の組成物、または請求項21に記載の混合物を適用することを含む方法。
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