JP6504185B2 - 弾球遊技機 - Google Patents

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Description

弾球遊技機に関する。
従来、各種の弾球遊技機のうち、いわゆる第1種ぱちんこ遊技機と呼ばれていた遊技機は、遊技盤の略中央に設けられた液晶ディスプレイなどの表示領域に複数の図柄を変動させながら表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。この遊技機は、複数列の図柄変動を停止させたときの図柄の組合せが特定の態様となった場合に、通常遊技より多くの賞球が得られる、いわゆる大当りと呼ばれる特別遊技へと移行するものとして知られている。表示領域における図柄の変動表示は、単に複数の図柄が変動表示されるだけでなく、いわゆるリーチ画面と呼ばれる状態のように、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態で変動表示の時間を通常よりも長くする等、遊技者の期待感を高めるための演出が図られている。また、図柄等の画像にキャラクタを用いて変動表示にストーリーを持たせる演出や、特別遊技への移行期待度の高さを予告的に示唆する予告演出によっても遊技者の期待感を高めている(例えば特許文献1参照)。
近年、遊技性向上をさらに追求するために種別に縛られない機種開発の必要性が認識され、例えば同じ種別の遊技機を複数混在させたり、異なる種別の遊技機を混在させるようなぱちんこ遊技機の開発も進められている。また、小当りとなった場合に右打ちをさせて可変入球装置内の特定領域(Vゾーン)に遊技球を通過させることで「小当り」から「大当り」へと昇格させ、新たな特別遊技(以下、「小当り発展大当り」または「小当りV」ともいう)を発生させる遊技機も提案されている(例えば特許文献2参照)。
特開2003−230714号公報 特開2010−29308号公報
種別に縛られないスペックを有する遊技機が提案される中、演出面でも遊技の興趣を向上させられる演出の提供が求められている。
本願発明は上記課題に鑑みたもので、遊技機のスペックに応じた好適な演出を提供することを主な目的とする。
本願発明は上記課題に鑑みたもので、より効果的な演出を実行可能な弾球遊技機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域の所定位置に設けられる第1始動口および第2始動口と、第1始動口への入球を契機として取得した第1抽選値に基づいて第1の当否判定を実行する第1当否判定手段と、第2始動口への入球を契機として取得した第2抽選値に基づいて第2の当否判定を実行する第2当否判定手段と、第1の当否判定の結果を示すための第1図柄が変動表示される第1図柄表示装置と、第2の当否判定の結果を示すための第2図柄が変動表示される第2図柄表示装置と、第1図柄の変動表示過程を定める変動パターンを決定するための変動パターン選択基準を参照して変動パターンを決定する第1変動パターン決定手段と、第2図柄の変動表示過程を定める変動パターンを決定するための変動パターン選択基準を参照して変動パターンを決定する第2変動パターン決定手段と、第1変動パターン決定手段により決定された変動パターンにしたがって、第1図柄を第1図柄表示装置に変動表示させる第1図柄表示制御手段と、第2変動パターン決定手段により決定された変動パターンにしたがって、第2図柄を第2図柄表示装置に変動表示させる第2図柄表示制御手段と、遊技領域の所定位置に設けられ、第1の当否判定または第2の当否判定の結果に応じて開放され、遊技球の入球が遊技者への利益付与の契機となる大入賞口と、第1の当否判定の結果が当りであることを示す第1停止図柄または第2の当否判定の結果が当りであることを示す第2停止図柄が停止表示された場合、大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、演出的な内容が表示される演出表示装置と、演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、を備える。当りが発生した場合、特別遊技の終了後の予め定められた所定の限定的な期間には、変動パターン選択基準として、限定的な期間に参照可能な複数の限定選択基準のうちのいずれかが参照され、所定の限定的な期間において参照すべき限定選択基準を規定した限定選択基準参照規則にしたがって、参照する限定選択基準が決定され、限定選択基準参照規則として、第1変動パターン決定手段が参照すべき限定選択基準を規定した第1限定選択基準参照規則と、第2変動パターン決定手段が参照すべき限定選択基準を規定した第2限定選択基準参照規則とが別個に設けられ、第1図柄の変動表示の回数と第2図柄の変動表示の回数と別個にカウントされ、第1変動パターン決定手段は、第1限定選択基準参照規則を参照して第1図柄の変動表示の回数に応じて参照すべき限定選択基準を決定し、決定した限定選択基準を参照して変動パターンを決定し、第2変動パターン決定手段は、第2限定選択基準参照規則を参照して第2図柄の変動表示の回数に応じて参照すべき限定選択基準を決定し、決定した限定選択基準を参照して変動パターンを決定する。
なお、以上の構成要素の任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体、データ構造などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、より効果的な演出を実行可能な弾球遊技機を提供することができる。
ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す図である。 ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す図である。 ぱちんこ遊技機の機能ブロックを示す図である。 メイン基板の構成を示すブロック図である。 当否判定テーブルを模式的に示す図である。 事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。 図柄判定テーブルを模式的に示す図である。 変動パターンテーブルを模式的に示す図である。 サブ基板の構成を示すブロック図である。 携帯連携システムの概略を模式的に示す図である。 メイン基板およびサブ基板のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。 演出表示制御装置のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。 ぱちんこ遊技機におけるメイン基板の制御開始処理を示すフローチャートである。 図13におけるS120のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。 割込処理の詳細を示すフローチャートである。 ぱちんこ遊技機におけるサブ基板の制御開始処理を示すフローチャートである。 図16におけるS518のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。 メイン基板からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。 演出表示制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。 サブCPUが表示CPUからコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。 各種デバイス制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。 特別図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。 装飾図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。 特別遊技の過程を示すフローチャートである。 小当り遊技の過程を示すフローチャートである。 第1実施例に係るぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す図である。 第2大入賞口の構成を概略的に示す外観斜視図である。 第2大入賞口の内部構成を概略的に示す図である。 ぱちんこ遊技機の機能ブロックを示す図である。 実施例の当否判定テーブルを模式的に示す図である。 実施例の事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。 実施例の小当り遊技の過程を示すフローチャートである。 小当り遊技のタイムチャートである。 実施例に係る特別図柄の種類を示す図である。 限定テーブルの参照規則を示す図である。 限定テーブルの参照規則の詳細を示す図である。 アイテムストック演出を模式的に示す図である。 アイテム開放演出を模式的に示す図である。 特別遊技に関連する演出処理の過程を示すフローチャートである。 図39のS908のアイテム開放演出処理の詳細を示すフローチャートである。 図39のS910のアイテムストック演出処理の詳細を示すフローチャートである。 時短中の演出処理の過程を示すフローチャートである。 時短中に演出表示装置に表示される演出画像の例を示す図である。 第2変動パターン決定手段により参照される限定テーブルを規定する第2限定テーブル参照規則の詳細を示す図である。 第1変動パターン決定手段により参照される限定テーブルを規定する第1限定テーブル参照規則の詳細を示す図である。
(既存技術)
本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技とが、同時に実行されないよう第2の遊技が優先的に実行される。またこれらの遊技性を両立させるために、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプを備える。第1の遊技における大当りの出玉より、第2の遊技における大当りの出玉の方がおおむね多くなるように設計される。例えば、第2の遊技の方が確変を伴う大当りとなる確率が高く、また、第2の遊技の方が特別遊技を構成する単位遊技数が多い(大入賞口の開放時間が長い長開放単位遊技と開放時間が短い短開放単位遊技とが一つの特別遊技中に混在し、同一単位遊技数であっても第2の遊技の方が第1の遊技よりも長開放単位遊技の数が多い場合を含む)など、第2の遊技の方が第1の遊技より相対的に利益が高くなる設計がされている。その上で、最初は第1の遊技にて初当りを狙い、第1の遊技における大当りで時短が付与された後は第2の遊技を繰り返し狙って多くの出玉を得る、という遊技性を実現する。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機100は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機100の遊技機枠は、外枠101、前枠102、透明板103、扉104、上球皿105、下球皿106、発射ハンドル107、スピーカ108、演出ボタン109、十字キー110、装飾ランプ111を含む。外枠101は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機100を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠102は、外枠101の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠101へ開閉可能に取り付けられる。前枠102は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板103は、ガラスなどにより形成され、扉104により支持される。扉104は、図示しないヒンジ機構により前枠102へ開閉可能に取り付けられる。上球皿105は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿106への遊技球の抜き取り等をする機構を有する。下球皿106は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。扉104の上部には左右にスピーカ108が設けられており、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた効果音や楽曲の音声を出力する。扉104の外観を構成する樹脂部材の大部分が半透明であり、その透過する内部に装飾ランプ111が設けられる。装飾ランプ111は、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた様々な色で発光するLEDであり、点滅等することで演出の役割を果たす。
遊技盤80は、レール82により区画された遊技領域81上に、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口33、アウト口34、演出表示装置60、センター飾り64を含む。センター飾り64は、遊技領域81の略中央部とその上部および右部にわたって演出表示装置60の画面枠を形成するように設けられる装飾的な樹脂部材であり、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。センター飾り64の下部には流入した遊技球が転動するステージ65が形成され、その転動の仕方によってステージ65からの落下方向は第1始動口11へ入球する方向と第1始動口11に入球しない側方の方向とに振り分けられる。センター飾り64の上部には、演出内容に沿って駆動されて演出的な動作をする可動役物66が設けられる。遊技領域81には、遊技球の流路を形成するための図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。なお、本明細書において「入球」「入賞」「落入」は相互に同義としてもよい。また、各入賞口や各入球口は、遊技球が通過するタイプの「通過口」(「ゲート」や「スルーチャッカー」等とも呼ぶ)で構成される場合があってもよく、「入球」「入賞」「落入」と「通過」もまた相互に同義としてもよい。
第1始動口11は第1の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第2始動口12は第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられる。第1始動口11と第2始動口12は、遊技者の意思にしたがった遊技球の発射強弱によって一方への入球を狙うことが可能となるように構成される。第1始動口11は、遊技領域81における略中央下部に設けられ、第2始動口12は、第1始動口11の直下に設けられる。左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って相対的に弱めに打球した場合は第1始動口11および第2始動口12に入球可能ないし入球容易である一方、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って相対的に強めに打球した場合は第2始動口12には入球可能ないし入球容易であるが第1始動口11には入球不能ないし入球困難となるように遊技釘の配置による流路が形成される。ただし、通常時には第2始動口12の開口部上方が第1始動口11に覆われて遊技球の流入が妨げられることから、第2始動口12の拡開機構が開放されない限り第2始動口12には入球不能ないし入球困難である。当否抽選は、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する抽選であり、第1始動口11または第2始動口12へ入球があるたびに実行される。
なお、第1始動口11および第2始動口12は、遊技球の発射強弱によっていずれかを目標にした打ち分けが可能な程度に互いに離れた位置に設けられてもよい。第1始動口11と第2始動口12は、それぞれ遊技領域81の左側と右側に離して設置され、一方を狙った遊技球が他方へ入球しがたい構成としてもよい。たとえば、第1始動口11は、左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って比較的弱めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。第2始動口12は、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って比較的強めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。
第1始動口11は、第1始動入賞検出装置16を備える。第1始動入賞検出装置16は、第1始動口11への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成する。第2始動口12は、第2始動入賞検出装置17と、拡開機構である普通電動役物90(いわゆる電動チューリップ)と、普通電動役物90を開閉させるための普通電役ソレノイド91を備える。第2始動入賞検出装置17は、第2始動口12への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。
普通電役ソレノイド91の駆動力により普通電動役物90が拡開されると、第2始動口12への入球容易性が高まる。普通電動役物90の1回の開放時間は、短開放時は0.1秒程度の短時間であるのに対し、長開放時は普通電動役物90の1回の開放時間が6秒程度と短開放時よりも長く設定されて遊技球が第2始動口12に入球しやすくなる。普通電動役物90の長開放は「開放延長」とも呼ばれる。なお、変形例として、普通電動役物90が拡開するときはその旨を事前に報知してもよく、普通図柄変動の保留を先読みして普通図柄の変動開始前に報知してもよいし、普通図柄の変動中に報知してもよい。
第2始動口12の普通電動役物90を長開放させるときの開放態様の変形例としては、短開放時より長い2秒開放を3回繰り返すことにより総開放時間を6秒程度にまで長くする態様としてもよい。また、開放時間と開放回数の組合せを複数通り用意し、いずれかを選択する構成としてもよい。例えば2秒開放を3回の場合、6秒開放を1回の場合と比較して総開放時間は同じであるが、インターバル期間も含めると前者は後者より長い。そのため、特に第2始動口12を右打ちの方向に配置する変形例の構成では、開放に気がついた遊技者がその時点から打球方向を第2始動口12に合わせたとして前者の方が入球チャンスが長いともいえる。また、普通図柄の当り種類が複数存在するように構成し、その当り種類に応じて拡開機構の開放態様が異なるようにしてもよい。例えば、普通図柄が第1の当りとなった場合、通常状態では0.1秒開放を1回、入球容易状態では1秒開放を3回とし、第2の当りとなった場合、通常状態では6秒開放を1回、入球容易状態では2秒開放を2回としてもよい。
3つの一般入賞口33は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置38をそれぞれ備える。一般入賞検出装置38は、一般入賞口33への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
大入賞口20は、遊技球の入球を検出するための大入賞検出装置25と、大入賞口20を開閉させるための大入賞口ソレノイド92を備える。大入賞検出装置25は、大入賞口20への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。大入賞口20は、第1特別図柄51または第2特別図柄52が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口20はアウト口34の右上方の位置に設けられる。なお、変形例として大入賞口を遊技領域81の中央下部や大入賞口20の上方または下方にさらにもう一つ設け、複数の大入賞口が設けられる構成としてもよい。
遊技盤80における遊技領域81の外側左下位置に第1の遊技に対応する第1特別図柄表示装置41と第2の遊技に対応する第2特別図柄表示装置42とが左右に並設され、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動が表示される。遊技領域81の略中央にはセンター飾り64により形成される画面枠から画面が露出するように演出表示装置60が設けられ、第1特別図柄51または第2特別図柄52に連動する装飾図柄61を含む演出画像の変動を表示する。以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という。
第1特別図柄51は、第1始動口11への遊技球の入球を契機として行われる第1当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第2特別図柄52は、第2始動口12への遊技球の入球を契機として行われる第2当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第1特別図柄表示装置41および第2特別図柄表示装置42は、例えば「8の字」を形成する7個のセグメントおよび「ドット」を表す1個のセグメントの8個のセグメントからなる8セグメントLEDの表示装置である。8セグメントLEDでは、8個のセグメントを組み合わせることにより8ビット分の数値を表現できる。セグメントの組合せで表される第1特別図柄51および第2特別図柄52は、必ずしも文字や数字の体をなしておらず、各セグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号であってよい。これらの記号が高速で次々に入れ替わって第1特別図柄表示装置41および第2特別図柄表示装置42へ表示されることにより、第1特別図柄51および第2特別図柄52の図柄変動表示が実現される。さらに、第1特別図柄表示装置41および第2特別図柄表示装置42を8セグメントLEDではないLEDドットアレーを用いて、その点灯パターンや点灯色の組合せで複数種類の第1特別図柄51および第2特別図柄52を表現してもよい。
演出表示装置60は、第1特別図柄51または第2特別図柄52の変動表示と連動する形で装飾図柄61を変動表示する液晶ディスプレイで構成される表示装置である。装飾図柄61は、第1特別図柄51および第2特別図柄52で示される抽選の判定結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄61として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄を変動させる動画像を画面の中央領域に表示する。本実施例においては、「0」〜「9」の数字で構成される図柄を3列に表示して変動させ、最終的に停止表示される3個の図柄組合せによって当りまたは外れを示す。装飾図柄61を構成する複数図柄のそれぞれは、色彩や模様の装飾が施された数字、文字、または記号で構成されるが、これら数字、文字、記号に対して全図柄に共通する絵柄または図柄ごとに異なる絵柄を加えて一体化させる形で構成されてもよい。この絵柄は、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連するモチーフが描かれた絵柄であり、例えば人物や動物のキャラクタが描かれた絵柄であってもよい。装飾図柄61は、絵柄が一体的に含まれる図柄が変動表示される場合と、絵柄が分離して数字、文字、記号の部分のみが変動表示される場合とが、演出の展開に沿って切り替えられる構成であってもよい。装飾図柄61の変動表示の背景には、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連する演出的効果を有する動画像が図柄変動と連動して表示される。
なお、第1特別図柄51および第2特別図柄52は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では遊技領域81の左下方の第1特別図柄表示装置41および第2特別図柄表示装置42にて目立たない大きさで表示させる。ただし、特別図柄自体に演出的な役割をもたせることで装飾図柄を用いずに表現する手法を採用する場合には、特別図柄を8セグメントLEDではなく液晶ディスプレイに表示させる構成としてもよい。
演出表示装置60は、高精細なドットマトリクス型表示装置である液晶ディスプレイで構成されるが、その表示領域の横幅は遊技領域の横幅の半分程度であってもよいし、半分を超える大型サイズであってもよい。大型サイズの場合、演出表示装置の右側の遊技球通路は遊技球1個が通過できる程度の通路幅にて形成され、遊技者はいわゆる「右打ち」として最大強度で打ち出せばほぼ確実に右側通路へ遊技球を通過させることができ、いわゆる「左打ち」との打ち分けができる。演出表示装置60は、単一の表示装置で構成される場合だけでなく、複数の表示装置の組合せで構成されてもよい。複数の場合、メイン液晶とサブ液晶の組合せといった大小異なる大きさのディスプレイを組み合わせてもよく、サブ液晶はメイン液晶に隣接する位置に配置されてもよいし、遊技盤以外の位置、例えば発射ハンドルの近傍(上球皿、右側装飾ランプなど)に設置されてもよい。発射ハンドルの近傍に設置される場合、遊技者が操作入力可能なタッチパネルの形で構成されてもよい。演出表示装置60は、液晶ディスプレイに限らず、有機ELディスプレイなどの表示装置で構成されてもよいし、ドラム回転式などの機械的表示手段やLEDマトリクス式などの表示手段で構成されてもよい。
第1作動口31は、遊技領域81の左側方位置に設けられ、第1通過検出装置36を含む。第1通過検出装置36は、第1作動口31への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。第2作動口32は、遊技領域81の右側方位置に設けられ、第2通過検出装置37を含む。第2通過検出装置37は、第2作動口32への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。第1作動口31または第2作動口32への遊技球の通過は普通電動役物90を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過すると、開放抽選の判定結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置45に変動表示される。したがって、開放抽選は「普通図柄抽選」とも呼ぶ。普通図柄表示装置45は遊技領域81の外側右下方に設けられ、便宜上、二つのランプで構成されるとともに、それらのうちいずれのランプが点灯しているかによって普通図柄の表示状態が表現される。例えば、第1のランプの点灯が外れを示し、第2のランプが当りを示すとき、それらが交互に点灯と消灯を繰り返すことによって普通図柄の変動表示が表現され、最終的にいずれかの点灯状態にて停止されることで普通図柄の停止図柄が表現される。変動開始から所定時間の経過後に、普通図柄の変動表示が停止する。普通図柄が当りの図柄で停止すると、普通電動役物90が拡開される。
普通電動役物90の開放時間は、0.1秒間の短開放と6秒間の長開放の2通りがある。通常状態における開放抽選では、1/50の確率で普通図柄が当りとなって長開放が実行され、1/100の確率で普通図柄が当りとなって短開放が実行される。このように通常状態では長開放となる確率の方が短開放の確率より高いが、変形例では逆に短開放となる確率の方が長開放の確率より高い仕様としてもよいし、両者の確率を同じにする仕様としてもよい。入球容易状態における開放抽選では、普通図柄の当り確率を99/100に高め、さらに開放時間を長開放のみとする。このように入球容易状態では普通図柄の当り確率の変動機能と開放時間の延長機能により、第2始動口12への入球容易性を高める。変形例における入球容易状態では、さらに普通図柄の変動時間の短縮機能を加えた3つの機能を用いて第2始動口12への入球容易性を高める構成としてもよい。その場合の普通図柄の変動時間は、例えば通常状態では10秒間であり、入球容易状態では2秒間である。
遊技領域81の外側左下位置において、第1特別図柄表示装置41の上方には第1の遊技に対応する第1特図保留ランプ71が設けられ、第2特別図柄表示装置42の上方には第2の遊技に対応する第2特図保留ランプ72が設けられる。第1特図保留ランプ71は2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第1の遊技における当否抽選値の保留数を表示する。第1特図保留ランプ71における当否抽選値の保留数は、第1特別図柄51の変動中または特別遊技の実行中に第1始動口11へ入賞した抽選値の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。第2特図保留ランプ72も2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第2の遊技における当否抽選値の保留数を表示する。第2特図保留ランプ72における当否抽選値の保留数は、第2特別図柄52の変動中または特別遊技の実行中に第2始動口12へ入賞した抽選値の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。当否抽選値の保留数は、演出表示装置60の画面下部にも保留ランプ画像の点灯個数で表す形で表示される。
当否抽選の保留数が3個になると、遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が通常より短縮される(以下、「短縮変動」ともいう)。同様に、当否抽選の保留数が4個になると、さらに遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が上記3個の場合よりもさらに短縮される(以下、「超短縮変動」ともいう)。
遊技領域81の外側右下位置において、普通図柄表示装置45の右側には普図保留ランプ75が設けられる。普図保留ランプ75もまた2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に第1作動口31または第2作動口32を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。
演出ボタン109は、遊技者が演出内容に応じて遊技機へ所定の指示を入力するために押下する操作入力手段であり、その押下態様に応じて演出内容等に変化が加えられる。演出ボタン109は、上球皿105近傍の外壁面に設けられる。十字キー110は、遊技者が遊技機へ方向指示を入力する操作入力手段であり、上球皿105の左方の外壁面に設けられる。
以上のような構成においてなされる遊技の方法および制御の流れを概説する。遊技者が発射ハンドル107を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿105に貯留された遊技球が1球ずつレール82に案内されて遊技領域81へ発射される。遊技者が発射ハンドル107の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域81の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口33、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿105または下球皿106に払い出される。一般入賞口33等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口34に落入した遊技球はアウト球として処理される。
第1始動口11または第2始動口12に入球すると、第1特別図柄表示装置41、第2特別図柄表示装置42および演出表示装置60において第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が変動表示される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動表示は、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止される。第1特別図柄51および第2特別図柄52は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動パターンにしたがって変動表示される。装飾図柄61は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動演出パターンにしたがって変動表示される。変動パターンおよび変動演出パターンはそれぞれ複数種ずつ用意され、それぞれが長短様々な変動時間をもつ。変動パターンにしたがって第1特別図柄51および第2特別図柄52が変動表示される間、同じ変動時間をもつ変動演出パターンにしたがって装飾図柄61が変動表示される。変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動が停止される。
装飾図柄61の変動表示としては、まず変動開始とともにスロットマシンのリール回転のように3列とも図柄を変動させ、変動終了タイミングへ近づいたときに一列ずつ停止させることで最終的な停止態様としての図柄組合せを表示する。停止時の第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が大当りを示す停止態様となった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口20の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄61の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する組合せの態様である。
変動演出パターンには、通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンが含まれる。通常外れ演出パターンは、通常の外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ外れ演出パターンは、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態であるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ大当り演出パターンは、リーチ状態を経て大当りの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンは、それぞれ通常状態にて表示する通常のパターンと、時短状態において表示する時短用パターンとがある。ただし、通常状態であっても、第2始動口12への入球に対応する第2図柄変動であった場合は、大当りが確変を伴う確率や特別遊技の単位遊技数が多くなる確率が第1始動口11への入球に対応する第1変動より高いチャンス状態といえるため、相対的に有利な大当りが発生するチャンスであることを表示するチャンス演出用のパターンを用いてもよい。なお、実施例では時短状態において時短用のパターンを用いるが、確変状態では時短を伴うため、確変状態においても時短用パターンが用いられる。ただし、変形例では確変状態において時短用とは異なる確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。あるいは、時短用と確変用で共通のパターンを用いる仕様としてもよいし、時短用のパターンは特に用いずに確変状態において確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。
特別遊技には通常特別遊技と短縮特別遊技の2種類があり、それぞれ獲得賞球による利益に大きな差が生じる。通常特別遊技は、開始デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって開始される。開始デモ時間の画面表示後に大入賞口20が開放され、その開放が約30秒間続いた後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口20の開放から閉鎖までが、基本的には単位遊技と呼ばれるが、1回の単位遊技の間に複数回の短時間の開放を繰り返す場合があってもよい。大入賞口20の開閉ないし単位遊技が所定回数、例えば4回または16回繰り返された後、終了デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって通常特別遊技が終了される。通常特別遊技においては、1回の単位遊技あたり9球以上の入球が十分に期待でき、16回分の単位遊技によって十分な賞球(これを「出玉」ともいう)を獲得でき、大きな利益が得られる。16回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「16R大当り」とも称し、4回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「4R大当り」とも称する。
一方、短縮特別遊技は、開始デモ時間および終了デモ時間もほとんどなく(0.1秒など)、1回の単位遊技で大入賞口20を0.2秒間だけ開放させる。この単位遊技を2回繰り返して短縮特別遊技が終了される。短縮特別遊技では、ごく短時間の大入賞口20の開放を2回繰り返すだけであるため、大入賞口20にはほとんど入球し得ず、実質的に出玉がほぼゼロに等しい特別遊技である。2回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「2R大当り」とも称する。
停止時の第1特別図柄51または第2特別図柄52および装飾図柄61が所定の小当り態様であった場合、1回の単位遊技で構成される小当り遊技に移行し、大入賞口20の開閉動作が実行される。小当り遊技を構成する1回の単位遊技においては、大入賞口20が約0.2秒間の開放を2回繰り返すので、外観上は2R大当りと同様の動作態様となる。
特別遊技が発生した場合であってそのときの当り停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確変がさらに開始される。確変中は、通常の確率状態より当りの確率が高い当否抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生し得る。なお、当否抽選の判定結果が特定大当り、すなわち確変を伴う大当りであったことは外観上明示せず、装飾図柄や演出内容として明示的に報知しない潜伏確変状態としてもよい。その場合、確変中であっても確変であるか非確変であるかが演出表示装置60には明示されない。
特別遊技が終了した後の通常遊技において特定遊技状態の一つである入球容易状態が開始される。入球容易状態では、開放抽選の当り確率を通常より高めるとともに、普通電動役物90の拡開時間を長開放とする開放延長を実行する。一定時間あたりの普通図柄の当り回数が増加し得る上、第2始動口12への入球容易性も増すため、第2始動口12への入球数が増加する可能性も高い。したがって、第2始動口12への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉をほとんど減らさないか、あるいは少しずつ持ち玉を増やしながら遊技し続けることが可能となる。
入球容易状態においては、特定遊技状態の一つとして、第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が通常状態よりも短縮される、いわゆる時短がさらに実行される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間は、所定の変動回数、例えば100回の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻されるが、その変動回数に達する前に大当りが発生すれば時短もいったん終了する。時短において第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が短縮されるため、通常の変動時間のまま図柄変動がなされる通常状態の場合と比べて、大当りが発生するまでの時間を短縮することができ、大当りの獲得容易性を相対的に高めることができる。変形例では、入球容易状態において特別図柄の時短を実施しない仕様としてもよい。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ150は、ぱちんこ遊技機100の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板200は、ぱちんこ遊技機100の全体動作を制御し、とくに第1始動口11、第2始動口12へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板300は、液晶ユニット151を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板200による判定結果に応じて演出的な表示内容を変動させる。裏セット機構152は、賞球タンク153や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット154等を含む。払出ユニット154は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク153から供給される遊技球を上球皿105へ払い出す。払出制御基板155は、払出ユニット154による払出動作を制御する。発射装置156は、上球皿105の貯留球を遊技領域81へ1球ずつ発射する。発射制御基板157は、発射装置156の発射動作を制御する。電源ユニット158は、ぱちんこ遊技機100の各部へ電力を供給する。
図3は、ぱちんこ遊技機100の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機100は、遊技の基本動作や遊技の進行を制御する主制御装置としてのメイン基板200と、演出的な動作や処理を制御する副制御装置としてのサブ基板300とに機能を分担させた形態で構成される。メイン基板200は、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20、一般入賞口33、第1作動口31、第2作動口32、第1特別図柄表示装置41、第2特別図柄表示装置42、普通図柄表示装置45と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。サブ基板300は、演出表示装置60、演出ボタン109、スピーカ108、装飾ランプ111と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。メイン基板200とサブ基板300の間におけるデータの送受信はメイン基板200からサブ基板300への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成がメイン基板200とサブ基板300に配置される。メイン基板200からサブ基板300へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板300に含まれる構成からメイン基板200に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、メイン基板200で生成された情報は、メイン基板200がサブ基板300へ一方的に送信しない限りサブ基板300から参照することはできない。
なお、メイン基板200に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板200ではなくサブ基板300に搭載されてもよいし、サブ基板300に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板300ではなくメイン基板200に搭載されてもよい。
図4は、メイン基板200の構成を示すブロック図である。メイン基板200は、入球判定手段201、第1抽選手段211、第2抽選手段212、普図抽選手段213、保留制御手段240、メイン表示制御手段250、特別遊技制御手段260、小当り遊技制御手段265、特定遊技制御手段270、開閉制御手段275、特図調整手段276を備える。
入球判定手段201は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段201は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動口11に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動口12に入賞したと判断する。入球判定手段201は、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口20に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口33に入賞したと判断する。入球判定手段201は、通過情報を受け取ると遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断する。
第1抽選手段211は、第1の遊技に係る第1の抽選を実行する機能として、第1抽選値取得手段216、第1当否判定手段221、第1図柄決定手段226、第1変動パターン決定手段231を含み、第1始動口11への入球に対応する当否抽選として第1当否抽選を実行する。第1当否抽選の判定結果は、第1特別図柄表示装置41において第1特別図柄51の変動表示の形で示され、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示の形で示される。第2抽選手段212は、第2抽選値取得手段217、第2当否判定手段222、第2図柄決定手段227、第2変動パターン決定手段232を含み、第2始動口12への入球に対応する当否抽選として第2当否抽選を実行する。第2当否抽選の判定結果は、第2特別図柄表示装置42において第2特別図柄52の変動表示の形で示され、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示の形で示される。第1抽選手段211および第2抽選手段212は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の判定結果を図柄変動の制御コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。
第1抽選手段211および第2抽選手段212は、第1始動口11または第2始動口12への入球時にも事前判定処理として抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行し、その判定結果を演出決定手段303へ送信する。事前判定処理の結果は送信バッファに一時保存された後、その抽選に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず演出決定手段303へ送信され、送信バッファから消去または後に上書きされる。そのため、サブ基板300の側にとっては図柄変動開始の順番が巡ってくる前にあらかじめ当否結果を推測的に認識できる、いわゆる「先読み」と呼ばれる処理が実現される。
第1抽選値取得手段216は、第1始動口11への入球を契機に、第1当否抽選のために乱数の値を第1当否抽選値として取得する。第2抽選値取得手段217は、第2始動口12への入球を契機に、第2当否抽選のために乱数の値を第2当否抽選値として取得する。例えば、当否抽選のために第1当否抽選値および第2当否抽選値として取得する値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。第1当否抽選値、第2当否抽選値として取得する値は、保留制御手段240により一時的に保留される。ただし、所定の保留上限数を超えない範囲で当否抽選値が保留される。なお、ここでいう「乱数」は、乱数生成回路で生成する物理乱数や数学的な意味での真正乱数でなくてもよく、16ビットカウンタを利用したハードウェア乱数や乱数生成アルゴリズムを利用したソフトウェア乱数などの疑似乱数でもよい。またはハードウェア乱数とソフトウェア乱数の組合せ、例えばカウンタが1周するたびに初期値を変更するプラス乱数方式でもよい。
第1当否判定手段221は、第1当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定と、第1当否抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行する。第2当否判定手段222は、第2当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定と、第2当否抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行する。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルと事前当否判定テーブルを保持する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する当否判定を、特に事前当否判定と区別するために、適宜「本判定としての当否判定」とも呼ぶ。なお、本明細書において「テーブル」や「選択基準」というときは、厳密に抽選値などの第1のパラメータと、選択肢を示す値などの第2のパラメータとの対応関係をテーブル構造で定めたデータを指すだけでなく、そのような対応関係として第1のパラメータから第2のパラメータを導出するプログラム構造で実現する場合も広く含むものとする。それらを含めて実質的に「テーブル」と同義の概念として適宜「選択基準」と称する。また、テーブル構造を用いる場合、実質的に1種類となる選択基準を構造的に細分化された複数のテーブルの組合せで構成してもよいが、「複数種の選択基準」というときはその細分化されたテーブルの数ではなくテーブルの実質的な種類の数を示す。
第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルを複数保持する。複数の当否判定テーブルには、大当りおよび外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた大当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、通常確率状態においては通常の当り確率による当否判定のための当否テーブルを参照し、確率変動状態においては通常確率より大当り確率が高くなる当否テーブルを参照する。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当りであるか否かを判定する。
図5は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、本判定として当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。第1当否判定手段221による第1当否抽選と第2当否判定手段222による第2当否抽選のいずれにおいても、通常時には当否抽選値が0〜299の範囲に該当したときのみ大当りとなる。確変時には大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜299の範囲に該当する場合だけでなく、300〜2999の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。なお、本図では単一の当否判定テーブルによって通常時と確変時の双方の大当り範囲を示したが、当否判定テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよいし、第1当否抽選用と第2当否抽選用とで別個に用意してもよい。
本実施例においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。本図の例では、第1当否判定手段221が取得する当否抽選値が56500〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなり、第2当否判定手段222が取得する当否抽選値が64000〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。すなわち、第2当否抽選よりも第1当否抽選の方が小当りに該当する範囲が広く、小当りが発生しやすい。このように、大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。なお、本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。
図6は、事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。第1当否判定手段221は図6(a)のテーブルを参照し、当否抽選値が「0〜299」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「300〜2999」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。当否抽選値が「3000〜56499」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「56500〜65535」の場合はその旨を示す「4」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。第1当否判定手段221は、以上のように当否範囲を設定するたびにその値を第1当否抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段303へ送信する。
第2当否判定手段222は図6(b)のテーブルを参照し、当否抽選値が「0〜299」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「300〜2999」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。当否抽選値が「3000〜63999」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「64000〜65535」の場合はその旨を示す「4」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。第2当否判定手段222は、以上のように当否範囲を設定するたびにその値を第2当否抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段303へ送信する。
図4に戻り、第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、別途取得する図柄抽選値と当否判定の結果に基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄を決定するとともに、図柄抽選値がいずれの図柄範囲に該当するかの事前図柄判定を実行する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照する複数の図柄判定テーブルと事前図柄判定テーブルを保持する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、当否判定結果に応じて異なる図柄判定テーブルを参照する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する図柄判定を、特に事前図柄判定と区別するために、適宜「本判定としての図柄判定」とも呼ぶ。
図7は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図7(a)は当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、図7(b)は当否判定結果が外れであった場合に参照するテーブルであり、図7(c)は当否判定結果が小当りであった場合に参照するテーブルである。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、本判定として図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。各図柄判定テーブルには、特別図柄の種類を示す「0」〜「10」の番号と第1図柄抽選値または第2図柄抽選値との対応関係が定められている。特別図柄の種類はそれぞれ大当り、小当り、外れの当否判定結果と対応付けられており、「0」〜「4」が大当りに対応し、「5」〜「9」が小当りに対応し、「10」が外れに対応する。各種類には複数の特別図柄、すなわちセグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号が複数割り当てられている。
図7(a)に示す通り、特別図柄の種類「0」〜「4」が大当りに対応付けられている。そのうち、種類「0」は特定大当りとして確変を伴う4R大当りまたは16R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「0〜99」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「0〜144」に対応付けられる。種類「1」は特定大当りとして確変を伴う2R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「100〜149」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「145〜149」に対応付けられる。種類「2」〜「4」は通常大当りとして確変を伴わない4R大当りまたは16R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「150〜189」に種類「2」が対応付けられ、「190〜229」に種類「3」が対応付けられ、「230〜255」に種類「4」が対応付けられる。このように図柄抽選値の範囲の大きさによって大当り種類ごとの選択確率が定まる。
図7(b)に示す通り、種類「10」は当否判定結果が外れの場合における全範囲の図柄抽選値に対応付けられている。
図7(c)に示す通り、特別図柄の種類「5」〜「9」が小当りに対応付けられている。種類「5」は図柄抽選値の範囲「0〜49」に対応付けられ、種類「6」は図柄抽選値の範囲「50〜99」に対応付けられる。種類「7」は図柄抽選値の範囲「100〜149」に対応付けられ、種類「8」は図柄抽選値の範囲「150〜199」に対応付けられ、種類「9」は図柄抽選値の範囲「200〜255」に対応付けられる。
なお、事前図柄判定においても図7のテーブルが事前図柄判定テーブルとして参照される。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、事前図柄判定の結果として特別図柄の種類を示す「0」〜「10」の値を第1当否抽選または第2当否抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段303へ送信する。
図4に戻り、第1変動パターン決定手段231は、第1特別図柄表示装置41および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第1パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第2変動パターン決定手段232は、第2特別図柄表示装置42および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第2パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、それぞれ図柄変動を開始する際に変動パターンテーブルを参照してその図柄変動の変動パターンを決定する。また、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、パターン抽選値がいずれの変動パターン範囲に該当するかの事前パターン判定を実行する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、変動パターンを決定するために参照する変動パターンテーブルと事前パターン判定テーブルをそれぞれ保持または共有する。変動パターンには、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動時間が定められており、その種類によって長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する変動パターン判定を、特に事前パターン判定と区別するために、適宜「本判定としての変動パターン判定」とも呼ぶ。なお、特別図柄の変動中に特別図柄表示装置に表示される図柄は、「当り図柄」、「外れ図柄」、およびそれらのいずれでもない「変動中図柄」が含まれ、これらが混在していてもよい。例えば、特別図柄の変動中には、特別図柄表示装置に、1または複数の当り図柄、1または複数の外れ図柄、1または複数の変動中図柄、またはそれらのうちいずれか2以上の組合せが表示されるが、遊技機として「当り図柄」、「外れ図柄」、および「変動中図柄」の全てを備えていなければならないわけではない。
図8は、変動パターンテーブルを模式的に示す図である。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、通常状態においては本図(a)のテーブルを参照し、時短状態においては本図(b)のテーブルを参照する。
図8(a)の通り、通常状態において当否判定結果が外れとなった場合、パターン抽選値が0〜4であればパターン範囲番号「0」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が5〜9であればパターン範囲番号「1」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が10〜19であればパターン範囲番号「2」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が20〜29であればパターン範囲番号「3」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。パターン抽選値が30〜255であればパターン範囲番号「4」の「リーチなし外れ」を選択する。「リーチなし外れ」としては、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0〜2のときは10秒の変動パターン、保留数が3のときは7秒の変動パターン、保留数が4のときは4秒の変動パターンがそれぞれ選択される。
本図では、変動時間別に主に5種類に分類した例を説明するが、サブ基板300においてそれらの変動パターンごとに複数の変動演出パターンが用意されており、全体で数十種類の変動演出パターンがそれぞれの分類の抽選値範囲に対応付けられていることに等しい。
「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし外れ」に割り当てられたパターン抽選値の範囲もまた保留数に応じて異なる。保留数が0,1のときは本図(a)に示す通りであるが、保留数が増えるほど「ノーマル1」「ノーマル2」の抽選値範囲が狭くなり、「リーチなし外れ」の抽選値範囲が広くなる。保留数が少ないほど変動時間が相対的に長い変動パターンの抽選値範囲が広くされており、変動時間の長い変動パターンが選択される確率が高まる。そのため、保留数が少ないほど平均的な変動時間が長くなり、保留数が多いほど平均的な変動時間が短くなる。保留数ごとにパターン抽選値範囲と変動パターンの対応関係が異なる変動パターンテーブルを用いることにより、保留数が少なくなったときに変動時間の長い変動パターンが選択されやすくなる制御を実現できる。
通常状態において当否判定結果が4R大当りまたは16R大当りとなった場合、パターン抽選値が0〜123であればパターン範囲番号「5」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が124〜248であればパターン範囲番号「6」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が249〜252であればパターン範囲番号「7」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が253〜255であればパターン範囲番号「8」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。
通常状態において当否判定結果が2R大当りまたは小当りとなった場合、パターン抽選値が0〜122であればパターン範囲番号「9」のスーパーリーチである「スーパー3」を選択し、パターン抽選値が123〜255であればパターン範囲番号「10」のノーマルリーチである「ノーマル3」を選択する。
第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、いわゆる先読み結果として事前判定結果を演出決定手段303へ送信する場合は、パターン範囲番号の値(0〜10)を、第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値や保留の個数とともに送信する。
時短状態において参照する図8(b)の変動パターンテーブルは、すべて時短用の変動パターンにパターン抽選値が割り当てられている。ただし、パターン抽選値の範囲と変動時間の対応関係は、外れで選択される「リーチなし外れ短縮」以外はすべて図8(a)と同様である。「リーチなし外れ短縮」は、図8(a)における「リーチなし外れ」と同じ抽選値範囲とパターン範囲番号に対応付けられる、相対的に短い変動時間の変動パターンである。「リーチなし外れ短縮」もまた、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0,1のときは10秒の変動パターン、保留数が2〜4のときは1秒の変動パターンがそれぞれ選択される。時短状態においては、入球容易状態を併発していることが多く、このような場合には第2の抽選が第1の抽選に優先して処理されることを前提とする遊技機においては、第1の抽選を極力実行しないために、第1の抽選に基づく変動(外れ)は、保留数に拘らず長時間(例えば10秒固定)とするなど、遊技状態と変動する図柄の種類に応じて変動時間の選択基準を変更して変動パターンを決定するものでもよい。
図4に戻り、普図抽選手段213は、第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過したときに抽選値を取得することにより抽選を実行する。普図抽選手段213による抽選の判定結果は、普通図柄表示装置45において普通図柄の形で変動表示される。普図抽選手段213は、普通図柄表示装置45に表示させる普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄判定テーブルを保持する。その図柄判定テーブルには抽選値と普通図柄の対応関係が定められており、普図抽選手段213は普通図柄の停止図柄を図柄判定テーブルを参照して決定する。決定された停止図柄が所定の図柄となった場合に普通図柄が当りに該当したと判定され、その停止図柄にて普通図柄の変動表示が停止された後に開閉制御手段275が第2始動口12の普通電動役物90を拡開する。拡開時間は、短開放時が0.1秒で、長開放時で6秒である。普通図柄の抽選値は、保留制御手段240により一時的に保留される。ただし、保留制御手段240により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
保留制御手段240は、特図保留手段241、普図保留手段242を含む。特図保留手段241は、新たに第1当否抽選値または第2当否抽選値が取得されるときに、それ以前に取得されていた第1当否抽選値または第2当否抽選値に対応する図柄変動が表示されている場合、新たに取得された第1当否抽選値または第2当否抽選値に対応する図柄変動の開始を保留し、その当否抽選値を対応する図柄の変動表示開始まで記憶する。ここで、第1特別図柄について、それぞれ4個を上限に、第1当否抽選値、第1図柄抽選値、第1パターン抽選値を記憶し、更に、事前判定結果としての第1当否範囲、第1図柄範囲、第1パターン範囲の設定を記憶し、第2特別図柄について、それぞれ4個を上限に、第2当否抽選値、第2図柄抽選値、第2パターン抽選値を記憶し、更に、事前判定結果としての第2当否範囲、第2図柄範囲、第2パターン範囲の設定を記憶する。あるいは、当否抽選値とは別の領域に事前判定の結果を記憶してもよい。普図保留手段242は、普図抽選手段213により取得された普図抽選値を保留球として記憶する。これらの保留数がそれぞれ第1特図保留ランプ71、第2特図保留ランプ72、普図保留ランプ75の点灯数または点滅数により表される。特図保留手段241による保留の数は演出表示装置60にも表示される。
特図保留手段241に保留された第2当否抽選の抽選値は第1当否抽選の抽選値より優先的に消化されて図柄変動が表示される。そのため、第1当否抽選として大当りの抽選値が保留されていても第2当否抽選として抽選値の保留がある限りは第1当否抽選の大当り抽選値に対応する図柄変動は表示されない。したがって、第1当否抽選として大当りの保留があっても、さらに第2当否抽選として大当りの保留が入るまで打ち続けることで、複数回の連続的な大当りを獲得できる可能性がある。
メイン表示制御手段250は、第1特図制御手段251、第2特図制御手段252、普図制御手段254を含む。第1特図制御手段251は、第1抽選手段211による第1当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第1特別図柄51の変動を第1特別図柄表示装置41に表示させる。第1特図制御手段251は、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。第2特図制御手段252は、第2抽選手段212による第2当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第2特別図柄52の変動を第2特別図柄表示装置42に表示させる。第2特図制御手段252もまた、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
第1特図制御手段251は、特図保留手段241により第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する。一方、第2特図制御手段252は、特図保留手段241により第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方に抽選値が保留されていた場合、第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて図柄変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその図柄変動も開始しない。
第1特図制御手段251および第2特図制御手段252は、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出制御手段304へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、本判定として判定ないし決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出制御手段304へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出制御手段304へ送信する。これにより、メイン表示制御手段250および演出制御手段304による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段254は、普図抽選手段213による抽選の判定結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示装置45に表示させる。
特図調整手段276は、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方を変動表示させる間は他方の変動表示の開始を待機させる。特図調整手段276は、第1始動口11および第2始動口12のうちいずれに遊技球が入球したかの順序に関係なく、第2始動口12への入球に基づく第2特別図柄52の変動表示を、第1始動口11への入球に基づく第1特別図柄51の変動表示より優先させる。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、つねに第2当否抽選値を優先的に消化させ、第2特別図柄52を連続的に変動表示させる。
なお、変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、第1始動口11および第2始動口12への入球順序にしたがって選択的に変動表示させてもよい。例えば、第1始動口11、第1始動口11、第2始動口12の順序で入球したときは、第1特別図柄51、第1特別図柄51、第2特別図柄52の順序で変動表示される。この場合、特図調整手段276は保留制御手段240を監視して当否抽選値の保留順序を記憶する。どちらの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順、すなわち保留制御手段240における当否抽選値の保留順序にしたがって決定されるので、遊技者は変動の順序を視覚的に把握しやすい。
別の変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、入球順序にかかわらず予め定められた消化順序にて表示させてもよい。例えば、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを交互に表示することを優先してもよい。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、第1特別図柄51と第2特別図柄52とが交互に変動表示される。いずれの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順に関係なく単純に交互に入れ替わるので、遊技者は変動の順序を感覚的に把握しやすい。
特図調整手段276は、また、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方が当り態様で停止されたときは他方の変動表示の開始を待機させる。この場合、特別遊技を実行する間は特別図柄の変動表示は開始されないので、遊技者は特別遊技に集中することができる。
特別遊技制御手段260は、第1抽選手段211による第1当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口20を開放させることにより特別遊技を実行する。同様に、特別遊技制御手段260は、第2抽選手段212による第2当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口20を開放させることにより特別遊技を実行する。
特別遊技は、大入賞口20の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、複数回の単位遊技で構成される。特別遊技には、単位遊技を16回繰り返す16R大当りと、単位遊技を4回繰り返す4R大当りと、16R大当りおよび4R大当りより開放時間が短い単位遊技を2回だけ繰り返す2R大当りがある。16R大当りは第2当否抽選での大当りであり、4R大当りは第1当否抽選での大当りである。16R大当りおよび4R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口20を原則として約30秒間開放させる。2R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口20を約0.2秒間だけ開放させる。特別遊技制御手段260は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。なお、2R大当りとなった場合においても、所定の条件を満たした場合には、16R大当りおよび4R大当りと同様の開放態様で大入賞口20を開放させてもよい。
小当り遊技制御手段265は、第1抽選手段211による第1の抽選が小当りを示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に大入賞口20を開放させることにより小当り遊技を実行する。同様に、小当り遊技制御手段265は、第2抽選手段212による第2の抽選が小当りを示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に大入賞口20を開放させることにより小当り遊技を実行する。
小当り遊技においては、単位遊技が1回実行され、1回の単位遊技において大入賞口20を2回開閉する。小当り遊技制御手段265は、1回の開閉あたり大入賞口20を約0.2秒間だけ開放させ、小当り遊技全体としては約0.4秒間開放させた後、大入賞口20を閉鎖して小当り遊技を終了させる。
特定遊技制御手段270は、確変状態、時短状態、および入球容易状態における通常遊技を制御する。特定遊技制御手段270は、特別図柄が確変への移行を伴う特定大当りの図柄であった場合に、特別遊技の終了後に遊技状態を確変状態、時短状態および入球容易状態へ移行させる。確変状態、時短状態および入球容易状態は、次の大当りが発生するまで継続される。時短状態においては、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示時間が概ね短くなるよう、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232が変動時間の短い変動パターンを選択する。ただし、通常状態においては、保留制御手段240による当否抽選値の保留数に応じた変動パターンテーブルを参照し、保留制御手段240による保留数が少なくなるほど変動時間の長い変動パターンが出現しやすくなる。入球容易状態においては、普通図柄の確変および第2始動口12の開放延長の双方、または第2始動口12の開放延長のみが実施される。すなわち、特定遊技制御手段270は、特定大当りとなった場合に第2始動口12を開放延長状態にさせるとともに、その当否抽選が第2当否抽選であった場合に限りさらに開放抽選の当り確率を通常確率状態より高い確変状態へ移行させる。確変状態の間は第1当否判定手段221および第2当否判定手段222による当否判定結果が大当りとなる確率が高い値のまま維持される。
開閉制御手段275は、第2始動口12の普通電動役物90や大入賞口20の開閉を制御する。開閉制御手段275は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電役ソレノイド91に開放指示を送り、第2始動口12の普通電動役物90を開放させる。開閉制御手段275は、通常状態においては開放抽選の結果に応じて短開放または長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させ、入球容易状態においては長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させる。第2始動口12の入球容易性を高め、遊技者が持ち玉を減らさずに遊技を継続できるようにするものである。開閉制御手段275は、特別遊技において、大入賞口ソレノイド92に開放指示を送り、大入賞口20を開放させる。
図9は、サブ基板の構成を示すブロック図である。サブ基板300は、図柄態様決定手段301、パターン記憶手段302、演出決定手段303、演出制御手段304を備える。
パターン記憶手段302は、装飾図柄61の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄61の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを変動表示の停止前に予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。
演出決定手段303は、第1抽選手段211から受け取る第1当否抽選の判定結果または第2抽選手段212から受け取る第2当否抽選の判定結果に応じて、演出制御手段304によって演出表示装置60へ表示し、スピーカ108に出力する演出内容を決定する。演出決定手段303は、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により決定された特別図柄の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンの中からいずれかを選択してパターン記憶手段302から読み出す。演出決定手段303は、読み出した変動演出パターンの情報を演出制御手段304へ送る。演出決定手段303は、変動演出パターンを選択するために参照すべきパターンテーブルを保持する。
各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
図柄態様決定手段301は、装飾図柄61の停止図柄の組合せとその配置を、第1抽選手段211または第2抽選手段212による抽選の判定結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。図柄態様決定手段301は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出制御手段304へ送信する。図柄態様決定手段301は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
装飾図柄61の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば第1当否判定手段221および第2当否判定手段222による当否判定結果が4R大当りまたは16R大当りの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。当否判定結果が2R大当りの場合や小当りの場合もまた特定の組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択されるが、それらの特定の組合せは必ずしも3つの図柄が揃った組合せでなくてもよい。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せであって、2R大当りや小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が4R大当りや16R大当りではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。
装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち装飾図柄の変動開始から変動停止までの演出過程が定義される。変動演出パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当り図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい装飾図柄の変動演出パターンを選択する。
時短状態において、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により選択された変動パターンが時短用のパターンであった場合、演出決定手段303は時短用の演出内容が定められた変動演出パターンを選択する。時短用の演出内容は、時短または確変により遊技者に有利な状態であることを印象づける背景映像や音声が出力される演出である。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、役物を動作させる演出パターン、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけの通常予告演出や、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。また、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当りへの期待度が高くなるように設定されるステップアップ予告演出がさらに含まれる。
予告演出パターンには、装飾図柄61の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターン(リーチ後予告)と、装飾図柄61が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターン(リーチ前予告)とがある。
演出決定手段303は、当否抽選の判定結果または事前判定結果に応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定して事前演出設定をするとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段303は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の判定結果または事前判定結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選が当りの場合は外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の判定結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当りへの期待度の高さを示唆することができる。
演出制御手段304は、第1抽選手段211または第2抽選手段212による当否抽選の判定結果として、選択された変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60へ装飾図柄61を含む演出画像を変動表示させる。演出制御手段304は、装飾図柄61の変動開始コマンドを受け取ったことと、それ以前の第1当否抽選および第2当否抽選に対応する装飾図柄61の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。演出制御手段304は、予告演出を表示させる旨が演出決定手段303により決定された場合、選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を図柄変動の演出に重畳させる形で演出表示装置60へ表示させる。
演出制御手段304は、第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保し、第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方について抽選値が保留されていた場合は第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて装飾図柄の変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその装飾図柄の変動も開始しない。このように演出制御手段304は、装飾図柄61の変動表示を含む図柄変動演出を演出表示装置60に表示させる。
演出制御手段304は、装飾ランプ111の点灯および消灯や、可動役物66の動作をさらに制御する。演出制御手段304は、演出表示制御手段305および音声制御手段306を有する。演出表示制御手段305は、演出表示装置60への表示を制御し、音声制御手段306は、スピーカ108からの音声出力を制御する。
第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動中、演出表示装置60には図柄変動中であることを示す画像を表示する必要がある。通常、ある程度の大きさ持つ通常サイズの装飾図柄61を変動表示させるが、通常サイズの装飾図柄61の変動表示の視認性を阻害する態様で、装飾図柄61の変動以外を主要な演出内容とする特殊な演出を表示させてもよい。この場合、通常サイズの装飾図柄より小さいサイズの装飾図柄である代替図柄を変動表示させることにより図柄変動中であることを遊技者に提示する。以下、単に装飾図柄と呼ぶ場合は通常サイズの装飾図柄を意味するが、代替図柄と区別する場合、通常サイズの装飾図柄を「通常装飾図柄」とも呼ぶ。
代替図柄は、通常装飾図柄の視認性が阻害される間、例えば通常装飾図柄が非表示となる間に表示される。代替図柄は、当否判定結果を演出的に示唆するための装飾図柄の一形態であり、通常装飾図柄よりも簡略化(言い換えれば簡易化、簡素化)された表示形態を有し、通常装飾図柄よりも簡略化された変動過程にて表示される。代替図柄は、通常装飾図柄の図柄種類を示す部分に対応した外観上の表示形態を有し、例えば、図柄種類を示す数字、文字、記号を表す表示形態を有する。また代替図柄は、通常装飾図柄が変動表示される領域よりも狭い領域で変動表示され、典型的には図柄以外の要素によるメイン演出を阻害しにくい位置、例えば演出表示装置60の画面の隅で変動表示される。代替図柄は、通常装飾図柄よりも相対的に小さく表示されるが、少なくとも図柄種類が外観上識別可能となる表示形態を有する。なお代替図柄は、通常装飾図柄をそのまま縮小したものでもよく、サイズ以外は通常装飾図柄と同一であってもよい。
複数の通常装飾図柄の代わりに表示される複数の代替図柄は、変動終了時の停止態様の組合わせによって当否抽選の結果が遊技者に有利な状態となる期待度の高さを示唆する。例えば、複数の代替図柄は、3つの代替図柄のうち2つの図柄種類が揃ったリーチ状態となることによって当該変動における大当りの期待度が高いことを示唆する。また、リーチ状態となる左右図柄が「3」や「7」などの期待度が相対的に高いこと示唆する特定種類の図柄となることや、「1」や「2」などの期待度が相対的に低いことを示唆する種類の図柄となることによって、そのリーチ状態の期待度の高低を示唆してもよい。なお代替図柄は、外観上、確定的な停止状態になることはなく、微小な揺れが維持される仮停止状態になる。代替図柄を仮停止後に、代替図柄に代えて通常装飾図柄を表示させ、その通常装飾図柄を確定停止の状態で表示させてもよい。また、通常装飾図柄と代替図柄を排他的に表示するのではなく、表示期間の重複があってもよい。さらにまた、通常装飾図柄の視認性が阻害される所定の演出時に、通常装飾図柄の変動表示を継続するとともに代替図柄の変動を表示させてもよい。
計時手段307は、遊技に使用する時間情報を出力する計時回路である。計時手段307は、電源投入時からの時間をカウンタで計測して時間情報として出力するタイマ回路である。ただし、電池を内蔵してぱちんこ遊技機100の電源オフ時や停電時も電池によって日時を計測し続けられるリアルタイムクロック回路でもよい。リアルタイムクロック回路の場合、個体差や時刻ズレによって遊技台ごとの時刻に微差が生じる可能性があるのに対し、タイマ回路の場合、同時に電源投入する限り複数の遊技台の間で時刻の差が生じる可能性は小さい。
演出決定手段303は、計時手段307により出力される時間情報が所定の時間を示したことを契機とする所定タイミングに開始する同調演出を実行する。同調演出は、図柄変動の変動期間や遊技状態とは実質的に非同期の期間である同調演出期間にて演出表示装置60に表示させる演出である。同調演出期間は数分間に及び、その長さは1回分の図柄変動時間よりも長く、複数回の図柄変動期間を包含し得る。同調演出の演出パターンはパターン記憶手段302に格納されており、その演出パターンには所定の楽曲と映像の再生が定められている。同調演出の演出パターンは複数種類用意され、月、日付、曜日、時刻などの日時によって異なる種類の演出パターンが選択され得る。
同調演出は通常遊技中か特別遊技中かを問わず実行される。ここで「通常遊技中」には、いわゆる待機デモ画面の表示中も含まれる。すなわち「通常遊技中」には、(1)図柄が変動表示されている「変動表示中通常遊技」、(2)図柄の変動表示中ではなく待機デモ画面の表示中でもない「変動停止中通常遊技」、(3)図柄の変動表示中ではなく待機デモ画面の表示中である「待機デモ画面表示中通常遊技」、が含まれる。(1)〜(3)のいずれの期間中も同調演出は実行され得るが、(2)および(3)のときは同調演出における音量低減や輝度低減などの制御をする出力態様が(1)のときとは異なり得る。また、待機デモ画面表示中は、遊技者による演出ボタン109や十字キー110の操作によって後述の携帯連携システムに関する情報を入力でき、その操作入力があったときは同調演出の映像および音声の出力が抑制され、携帯連携システムによる演出カスタマイズなどの画面表示が優先される。
同調演出は、例えば所定の楽曲の演奏や映像を所定の時間(「同調演出開始時間」と呼ぶ)に再生する演出である。同調演出を再生する契機となる時間は、ぱちんこ遊技機100の電源投入時から所定時間間隔を挟んで到達する時間であってもよいし、標準時を基準とした毎正時または正時半の時刻であってもよい。あるいは、日付または曜日によって異なり得る時刻が設定されてもよく、「1時間ごと」のように一定間隔ではなく、最初は1時間後、次は3時間後、というように間隔が異なったり、その間隔が日付や曜日によって異なったりしてもよい。遊技店ごとに遊技店員によって時間を指定できる可変設定であってもよい。ただし、同じ遊技店に設置される複数台の同一機種間において少なくとも同じ時刻で同じ同調演出が実行されるようあらかじめ設定される。例えば、電源投入時から所定時間間隔を挟んで到達する時間を契機とする仕様の場合、遊技店においては複数台を同時に電源投入する。これにより、所定時間となったことを契機にそれら複数の遊技台において一斉に同じ同調演出が実行される。その結果、あたかも複数台で同期しているように同時に演出が表示され、同時に同じ楽曲や映像が流れることでその場でライブ演奏や映画の上映がなされているかの如く臨場感のある相乗的な演出効果が得られる。
同調演出の機能は同じ機種の別の遊技台にも同様に内蔵されており、同じ遊技島における複数の遊技台は毎日遊技店員によって同時に電源投入される。そして、同時に電源投入される複数の遊技台はすべてほぼ同時に同調演出開始時間を迎えることとなり、一斉に同時進行で同調演出を実行し得ることになる。これを複数台同期演出と呼ぶ。その場合、映像の表示が複数台で同調するだけでなく、効果音や背景音楽の出力もまた複数台で同調することとなり、同調する台数が多いほど一斉に演出を実行することによる相乗効果も高まる。
演出設定手段308は、遊技者の遊技履歴を記憶する。遊技履歴とは、遊技結果の履歴および演出結果の履歴を含む。遊技結果の履歴は、打球数、賞球数、大当り回数、確変回数、時短回数といった遊技の結果として遊技者が得られる出玉につながる遊技の結果である。演出結果の履歴は、遊技上の利益とは異なり、演出の内容や種類を変更できる権利や特定種類の演出を出現しやすくできる権利が付与されるといった利益を獲得するために記録される演出上の得点等の情報である。例えば、所定の演出の出現回数やミニゲームの結果などを得点化して遊技者に付与するために、その得点や遊技履歴を示す符号化情報、例えば二次元コードを画面に表示する。その二次元コードを遊技者が自分の携帯端末のカメラで読み取って復号すると、復号により得られた得点や遊技履歴の情報が遊技者の携帯端末に蓄積される。二次元コードを介した遊技機と遊技者の携帯端末との連携システムについては後述する。なお、ここでいう得点は、後述の演出カスタマイズの幅を広げるために必要となるもので、得点が所定の累積値に達すること(例えば1000ポイントに到達することや、100ポイント到達ごと、など)を契機として、カスタマイズ可能な項目が増加する仕様である。
演出設定手段308は、遊技者の選択指示および遊技履歴に基づき、演出カスタマイズとして複数種類の演出内容の選択肢からいずれを選択するかの設定を記憶する。例えば、特別遊技中に表示させる演出パターンとして、表示されるモチーフやキャラクタや楽曲が異なる複数種類の演出パターンがパターン記憶手段302に用意され、そのうちいずれの演出を表示させるかを遊技者に選択させることとする。または、図柄変動させる装飾図柄に含まれる絵柄のデザインとして複数種類のモチーフまたはキャラクタの絵柄がパターン記憶手段302に用意され、そのうちいずれの絵柄を表示させるかを遊技者に選択させることとする。それらの場合に、待機デモ画面の表示中に遊技者による演出ボタン109や十字キー110の操作を受け付け、その操作を介して演出パターンの選択がなされると、演出設定手段308はその選択内容を記憶する。演出決定手段303は、演出設定手段308により記憶された設定に応じて、特別遊技中の演出パターンの種類を選択する。
図10は、携帯連携システムの概略を模式的に示す図である。携帯連携システムの前提として、遊技者はあらかじめ携帯端末354で専用サイトが設けられた遊技履歴サーバ358にアカウントおよびパスワードを設定することでユーザ登録しておく。遊技開始時において遊技者により演出ボタン109が押下されたとき、演出表示制御手段305が演出表示装置60の画面に遊技履歴サーバ358の専用サイトのアドレスを符号化した二次元コード350を表示させ、それを遊技者に携帯端末のカメラで読み取らせて遊技履歴サーバ358の専用サイトにアクセスさせる。その専用サイトから遊技者の識別情報や演出得点履歴を符号化した文字情報(これを「パスワード情報」とも呼ぶ)が携帯端末に送信され、携帯端末の画面に表示される。そのパスワード情報の入力画面を演出表示制御手段305が演出表示装置60に表示させ、十字キー110等のボタン操作を介して遊技者に入力させる。入力されたパスワード情報を演出設定手段308が復号して遊技者の識別情報や演出得点履歴として登録することにより、その遊技者の前回までの遊技内容や演出得点状態を引き継ぐことができる。このパスワード情報の入力が、その遊技者の遊技履歴の記録開始指示および各種演出要素を選択する演出カスタマイズの開始指示となる。以降、ぱちんこ遊技機100においては遊技や演出の進行に伴い、演出設定手段308がその遊技者に対して演出上の利益として付与する得点を随時加算して演出得点履歴として累積させるとともに、遊技者は随時、演出カスタマイズを実施して、各種演出要素として好みの要素を選択して設定することができる。演出上の得点付与は、図柄変動ごとに加算することを基本とし、特別遊技への移行期待度が高い演出種類ほど高い得点を付与し、特別遊技へ移行したときも高い得点を付与する。
演出カスタマイズとして、遊技者は累積的に獲得した得点の一部を利用し、その利用するポイント数に応じて、演出表示装置60に表示される演出内容を構成する色、背景、形状、キャラクタ、楽曲などの演出要素を好みの種類に変更することができる。演出設定手段308は、遊技者によるボタン操作を介した演出要素の変更指示を受け取り、その指示に応じて各種演出要素を変更する。カスタマイズできる演出要素は、その要素ごとに複数種類の項目が用意され、項目ごとに必要なポイント数として異なる値が設定されている。したがって、累積された得点が所定値に達することを契機にカスタマイズ可能な項目が増え、あるいはカスタマイズ可能項目を増加させるチャンスが付与されることとなる。遊技者が遊技ないし演出カスタマイズの終了指示としてボタン操作をすると、演出設定手段308は、演出上の特典や演出得点履歴などの情報を符号化した二次元コード350を生成し、これを演出表示制御手段305が演出表示装置60に表示する。その二次元コード350を遊技者が自身の携帯端末のカメラで読み取り、その読み取った二次元コード352を復号することにより情報を取得して携帯端末354に蓄積できる。またその情報は携帯端末354から専用サイトのある遊技履歴サーバ358へネットワーク356を経由して送信され、自身のアカウント情報と紐付けられて管理される。このように、演出上の特典や演出得点履歴などの情報が二次元コード350の表示およびその読み取りという伝送手段を介して携帯端末354へ伝達され、遊技履歴サーバ358にて管理されることで、次回の遊技で遊技や演出の内容を引き継ぐことができる。また、長く遊技を続けることで図柄変動回数や演出回数が増える分、得点を得ることができる。
図11は、メイン基板200およびサブ基板300のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。メイン基板200は、メインCPU290、メインRAM291、メインROM292などの電子部品を含む。メインROM292には、遊技動作全般を制御するためのメイン制御プログラムおよびデータがあらかじめ格納される。メインROM292からメイン制御プログラムまたはデータがメインRAM291へ読み込まれ、メイン制御プログラムがメインCPU290によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。各入球口からの入球信号や払出制御基板155からの払出信号などは図示しない各種インタフェースを介してメインCPU290により取得される。メインCPU290は、図示しない各種駆動回路により各入賞口ソレノイドや第1特別図柄表示装置41、第2特別図柄表示装置42などの外部装置を駆動制御する。また、メインCPU290からサブ基板300へは、演出制御に必要な命令が当否抽選の結果や図柄の決定結果、変動パターンの決定結果などの情報とともに送信される。メイン基板200からサブ基板300へは、一方向通信で信号が送信される。
メイン基板200からサブ基板300へ送信する命令データは、いわゆるMODEデータと呼ばれる1バイトの命令種別データと、いわゆるEVENTデータと呼ばれる1バイトの命令内容データとの組合せによる2バイト構成である。メイン基板200は、命令種別データおよび命令内容データを対応付けてサブ基板300へ送信することで一命令を送ることができる。命令種別データは、命令の種別を示すビット列であり、あらかじめ命令の種別ごとに開発段階で一意の種別コードを割り当ててある。命令内容データは、命令の内容を示すビット列である。命令種別データおよび命令内容データの最上位ビットは命令種別データと命令内容データのいずれであるかを示す識別ビットであり、最上位ビットが1のときは命令種別データであることを示し、最上位ビットが0のときは命令内容データであることを示す。
メイン基板200からサブ基板300への通信は、1回のデータ送信につき1バイトのデータを送信する仕様のため、2バイトの命令データを送信するために1バイトずつ2回の送信が必要となる。1回目の通信で上位バイトであるMODEデータを送信し、2回目の通信で下位バイトであるEVENTデータを送信する。ノイズ等の影響による通信失敗の可能性を考慮し、メイン基板200は同じデータを連続で送信し、サブ基板300により同じデータが2連続で読み込まれた時点でそのデータの送受信の完了を確定する。2連続で読み込まれるまではメイン基板200は同じデータを繰り返し送信し、最大5回まで送信する。
サブ基板300は、サブCPU310、サブRAM311、サブROM312、演出表示制御装置313、音声制御装置314などの電子部品を含む。サブROM312は、演出過程が定義された演出パターンデータや演出表示過程が定義された表示パターンデータなどを含むサブ制御プログラムを保持するデータ格納手段の一つである。サブROM312から演出パターンデータ、表示パターンデータ、音声パターンデータを含むサブ制御プログラムがサブRAM311へ読み込まれ、そのサブ制御プログラムによる演出制御がサブCPU310によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。演出ボタン109などの外部装置からの信号は図示しない各種インタフェースを介してサブCPU310により取得される。サブCPU310は、演出パターンデータにしたがって、演出表示制御装置313、音声制御装置314、図示しない各種駆動回路や制御回路により演出表示装置60、スピーカ108、装飾ランプ111、可動役物66などの外部装置を駆動して表示出力、音声出力、ランプ点灯、役物動作による演出を制御する。サブCPU310は、表示パターンデータを演出表示制御装置313へ送信し、音声パターンデータを音声制御装置314へ送信する。なお、本実施例ではサブ基板300が演出表示制御装置313および音声制御装置314を内包する例を説明するが、サブ基板300と演出表示制御装置313および音声制御装置314とは基板として一体化していることを要さず、分離して互いに接続された別個の基板として形成されてもよい。
図12は、演出表示制御装置313のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。演出表示制御装置313は、表示CPU320、表示RAM322、データROM324、表示制御回路326を含む。データROM324は、演出表示に用いられる演出画像データやモーションデータなどの素材データをデータ圧縮した状態で保持するデータ格納手段の一つである。演出画像データは、当否抽選の判定結果などを示す演出オブジェクトとして変動表示や演出表示に用いられる画像であり、例えば装飾図柄変動に用いる装飾図柄のスプライト画像、予告演出に用いるスプライト画像、各種演出に用いる動画といった素材画像である。モーションデータは、各種演出に用いる画像に所定タイミングで演出的な動作を加える場合のその動作が定義されたデータである。
サブCPU310から送られた表示パターンデータに基づいて、その表示パターンデータに指定された演出画像データやモーションデータがデータROM324から表示RAM322へ読み出され、その演出画像データやモーションデータを用いた演出表示が表示CPU320によって実行される。その結果、表示CPU320から表示制御回路326へ演出表示に関するコマンド、演出画像データ、モーションデータが送信され、表示制御回路326により表示制御がなされる。
表示制御回路326は、デコーダ332、描画メモリ334、描画回路336、フレームバッファ338、表示回路340を含み、それぞれがバス330を介して接続される。本図のバス330は、便宜上、システムバス、データバス、アドレスバスなどのバスを包括的に示したものである。
表示CPU320から送られた演出画像データやモーションデータは描画メモリ334に格納され、それらのデータのうち圧縮されたデータはデコーダ332によって復号される。描画メモリ334は、演出画像データやモーションデータをデコーダ332により復号する場合のワークエリアとして用いられたり、描画回路336による描画処理や画像処理を実行する場合のワークエリアとして用いられたりするVRAM(VideoRAM)である。
描画回路336は、描画メモリ334に格納されたデータを用い、表示CPU320から送られたコマンドを順に実行して表示用画像を生成し、その生成された表示用画像を動画像のフレームとしてフレームバッファ338に格納する。フレームバッファ338は、演出表示装置60へ出力すべき動画像のフレームを一時的に格納するバッファメモリとしてのVRAMである。
表示回路340は、フレームバッファ338に格納された表示用画像を格納された順に映像信号の形で演出表示装置60へ出力する。フレームバッファ338は、例えば2フレーム分のメモリ領域を有し、表示回路340が1フレーム分のメモリ領域から表示用画像を出力する間に、描画回路336が次の表示用画像を生成して、もう1フレーム分のメモリ領域に格納する。
なお、データROM324には、表示制御回路326によりなされる表示制御過程が定義された「詳細表示パターンデータ」が保持されている。このとき、サブCPU310から送られる表示パターンデータは、演出表示過程の概要が定義される「概略表示パターンデータ」ということができる。例えば、概略表示パターンデータには、装飾図柄の変動開始および変動停止タイミングや、複数の動画像の再生順序や、再生開始および停止のタイミングなど、一連の演出表示過程の大まかな流れが定義される。一方、詳細表示パターンデータには、装飾図柄の変動表示を実現するためのスプライト画像の表示順序や、モーションデータに基づく動画像を表示するためのフレーム単位での表示処理順序など、細かな表示制御過程が定義される。
演出表示制御装置313は、サブCPU310から送られた「概略表示パターンデータ」に基づく表示制御をする場合、その処理に必要な「詳細表示パターンデータ」をデータROM324から読み出し、双方の表示パターンデータを用いて表示処理を実行する。したがって、演出表示制御装置313は、「概略表示パターンデータ」および「詳細表示パターンデータ」を含む表示パターデータに基づいて表示制御処理を実行するということができる。そこで、本明細書においては、明示的に言及しない限り、サブROM312に格納される「概略表示パターンデータ」とデータROM324に格納される「詳細表示パターンデータ」を区別せず、単に「表示パターンデータ」という。例えば、演出制御表示手段が、データ格納手段に保持される表示パターンデータに基づき特定の処理をするという場合、この表示パターンデータには、「概略表示パターンデータ」と「詳細表示パターンデータ」を含むものとする。なお、変形例においては、表示パターンデータが、「概略表示パターンデータ」と「詳細表示パターンデータ」とに分かれておらず、双方を兼ねる表示パターンデータがサブROM312またはデータROM324に保持されていてもよい。
本実施例では、演出表示制御装置313のハードウェア構成として、表示CPU320、表示RAM322、データROM324および表示制御回路326が含まれる構成を示している。変形例においては、表示CPU320、表示RAM322、データROM324および表示制御回路326が、それぞれ別の電子部品として構成されるのではなく、一体化されていてもよい。また、表示制御回路326によって実行されるとした処理が、表示CPU320、表示RAM322またはデータROM324により実行されてもよい。例えば、演出表示制御装置313に含まれる表示CPU320が、表示制御回路326に含まれるデコーダ332、描画回路336、表示回路340により実行されるとした処理を実行してもよい。また、演出表示制御装置313に含まれる表示RAM322が描画メモリ334やフレームバッファ338の機能を兼ねてもよい。その他、演出表示制御装置313に表示制御回路326が含まれないハードウェア構成であってもよく、この場合、表示制御回路326により実行されるとした処理が、表示CPU320、表示RAM322またはデータROM324により実行されてもよい。
また、本実施例では、サブ基板300のハードウェア構成として、サブCPU310、サブRAM311およびサブROM312の他に、演出表示制御装置313が含まれる構成を示している。変形例においては、サブCPU310、サブRAM311、ROM312および演出表示制御装置313が、それぞれ別の電子部品として構成されるのではなく、一体化されていてもよい。また、演出表示制御装置313によって実行されるとした処理が、サブCPU310、サブRAM311またはサブROM312により実行されてもよい。例えば、サブCPU310が表示CPU320の処理を実行してもよいし、サブRAM311が表示RAM322の機能を兼ねてもよいし、サブROM312がデータROM324の機能を兼ねてもよい。その他、サブ基板300に演出表示制御装置313が含まれないハードウェア構成であってもよく、この場合、演出表示制御装置313により実行されるとした処理が、サブCPU310、サブRAM311またはサブROM312により実行されてもよい。
図13は、ぱちんこ遊技機におけるメイン基板200の制御開始処理を示すフローチャートである。電源スイッチ150が投入されると、メインCPU290は、スタックポインタを設定し(S100)、メインRAM291へのアクセスを許可し(S102)、メインCPU290の内蔵レジスタの設定などのハードウェアに関する初期設定を実行する(S104)。
つづいて、RAMクリアスイッチの操作状態、電源断情報フラグの値、及びメインRAM291に格納されているデータの状態に応じて、電源断復帰処理又はメインRAM291の初期化処理を実行する。具体的には、RAMクリアスイッチがONされず、かつ、電源断情報フラグの値と、メインRAM291に格納されているデータとの双方が正常であった場合は、電源断復帰時の処理を実行する。それ以外の場合、すなわち、RAMクリアスイッチがONされた場合、又は、RAMクリアスイッチがONされなかった場合でも、電源断情報フラグと、メインRAM291に格納されているデータとのいずれかが正常でなかった場合は、メインRAM291の初期化処理を実行する。
メインCPU290は、RAMクリアスイッチの操作状態を確認し、RAMクリアスイッチがONされた場合(S106のY)、メインRAM291を初期化する(S116)。RAMクリアスイッチがONされなかった場合(S106のN)、メインCPU290は、電源断情報フラグの値を確認する(S108)。電源断情報フラグの値が電源断正常データと一致しなければ(S108のN)、メインRAM291を初期化する(S116)。電源断情報フラグの値が電源断正常データと一致すれば(S108のY)、メインRAM291に格納されているデータを検査する(S110)。後述するように、前回の電源断時に処理が正常に終了していれば、メインRAM291に格納されていたデータのチェックサムがメインRAM291に格納されているので、メインCPU290は、チェックサムを用いてメインRAM291のデータを検査する。メインRAM291に格納されているデータが正常でなければ(S112のN)、メインRAM291のデータを初期化する(S116)。メインRAMに格納されているデータが正常であれば(S112のY)、電源断前の状態に復帰するための処理を実行する(S114)。
電源断復帰処理(S114)において、電源投入が正常に行われたことを示す電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、各種エラーの初期設定及び払出制御基板155との通信初期設定を実行する。つづいて、電源断前の未送信分のコマンド要求をクリアし、遊技状態を示す各種情報のコマンド送信を要求する。つづいて、第1特別図柄及び第2特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。つづいて、第2始動口12及び大入賞口20の開放/閉鎖状態を電源断前の状態に復帰させる。つづいて、特別図柄の確率変動機能の作動状態を報知するための処理を実行する。
RAM初期化処理(S116)において、電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、メインRAM291の全領域を0でクリアし、メインRAM291の初期設定及び演出表示器の初期化を実行する。
電源断復帰処理(S114)又はRAM初期化処理(S116)が終了すると、後述する割込処理を起動するためにカウント値をセットし、割込タイマの動作を開始させる(S118)。これにより、以降、所定の時間(例えば4ミリ秒)ごとにタイマ割込が発生し、後述する割込処理が実行される。つづいて、メインCPU290は、遊技機を管理するためのメイン処理を実行する(S120)。
図14は、図13におけるS120のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。メインCPU290は、タイマ割込をいったん禁止し(S200)、ウォッチドッグタイマの動作を開始させ(S202)、電源断を監視する(S204)。図示しない電源電圧監視回路において電源ユニット158から供給される電源電圧の低下が検出されると、電源電圧監視回路からメインCPU290に無条件割込要求信号が入力されることにより実行される電源断記憶処理において、電源断確認データが電源断確認フラグに格納される。したがって、メインCPU290は、電源断確認フラグの値を監視し(S204)、電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致する場合は(S206のY)、電源断のための処理を実行するために、S212に進む。電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致しない場合は(S206のN)、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新するため、初期値乱数更新処理を実行し(S208)、タイマ割込を許可して(S210)、S200に戻る。以降、S200〜S210が繰り返される。タイマ割込が禁止されている間(S202〜S208)にタイマ割込が発生した場合、S210においてタイマ割込が許可された後に、後述する割込処理を実行する。
S206において電源断が検知されると(S206のY)、メインCPU290は、ウォッチドッグタイマをリスタートさせ(S212)、電源断情報フラグの内容を確認する(S214)。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致しない場合は(S214のN)、電源投入時のデータが正常に保存されていないと判断し、電源断異常データを電源断情報フラグに格納して(S216)、S222に進む。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致する場合は(S214のY)、電源投入時のデータが正常に保存されていると判断し、電源断正常データを電源断情報フラグに格納する(S218)。つづいて、次回の電源投入時に、バックアップされたメインRAM291のデータを検査するために、メインRAM291に格納されているデータのチェックサムを算出してメインRAM291に格納する(S220)。つづいて、メインRAM291へのアクセスを禁止して(S222)、電源が落ちるまでループする。
図15は、割込処理の詳細を示すフローチャートである。メイン処理(S120)においてタイマ割込が発生すると、メインCPU290は割込処理を実行する。まず、割込動作条件を設定し(S300)、ウォッチドッグタイマをリスタートさせる(S302)。つづいて、遊技機を管理するため、入力処理(S304)、各種乱数更新処理(S306)、初期値更新型乱数更新処理(S308)、初期値乱数更新処理(S310)、タイマ減算処理(S312)、第2始動口有効期間設定処理(S314)、入賞監視処理(S316)、賞球制御処理(S318)、普通図柄作動ゲート監視処理(S320)、普通図柄制御処理(S322)、普通図柄変動開始監視処理(S324)、始動口監視制御処理(S326)、特別図柄制御処理(S328)、特別電動役物制御処理(S330)、大入賞口有効期間設定処理(S332)、特別図柄変動開始監視制御処理(S334)、異常検知処理(S336)、入球通過時間異常検出処理(S338)、遊技状態表示処理(S340)、ハンドル状態信号検査処理(S342)、LED出力処理(S344)、発射制御信号出力処理(S346)、試験信号出力処理(S348)、ソレノイド出力処理(S350)、演出制御コマンド送信処理(S352)、外部情報出力処理(S354)を順に実行し、次回のタイマ割込を許可して(S356)、リターンする。
入力処理(S304)において、遊技盤面に取り付けられているスイッチ、断線短絡電源異常検知信号、扉・枠の開放信号、磁気検知信号、電波検知信号、及びタッチ状態信号の入力を監視し、入力状態を示すデータを作成してメインRAM291に格納する。
各種乱数更新処理(S306)において、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数を更新する。普通図柄変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値が所定の最大値未満である場合は値をインクリメントして格納し、値が所定の最大値以上である場合は0を格納する。また、変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値から所定値を減算した結果が0以上である場合は減算結果を格納し、0未満である場合は所定の最大値を格納する。これにより、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新される。
初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新する。それぞれの乱数の値、最大値、及び初期値をメインRAM291から読み出し、乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、最大値を超えた場合は、乱数の値を0とする。また、インクリメントした結果が、初期値に一致した場合は、初期値乱数をメインRAM291から読み出し、初期値を更新する。これにより、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新され、乱数の値が初期値に戻ると、すなわち乱数の範囲を一巡すると、新たに初期値を設定し直して乱数が生成される。
初期値乱数更新処理(S310)において、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。メインRAM291の初期値乱数更新テーブルから初期値乱数を読み出し、初期値乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、上限値を超えていた場合は、初期値乱数の値を0とする。メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)においても、同様の処理が実行される。
タイマ減算処理(S312)において、2バイトタイマを更新する。タイマの値をメインRAM291から読み出し、タイマの値が0以外である場合、値をデクリメントして格納する。タイマの値が0である場合、タイマの更新は実行しない。
第2始動口有効期間設定処理(S314)において、第2始動口12の有効期間を設定する。第2始動口12には、遊技球の入球により賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選が実行される有効期間と、遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選が実行されない無効期間が設定される。後述するように、始動口監視制御処理(S326)において、第2始動口12の無効期間には、第2始動口入賞の監視処理を実行しないので、第2始動口12に遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選は実行されない。第1始動口11、大入賞口20、作動口30、一般入賞口33などに、有効期間及び無効期間が設定される場合についても同様である。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」である場合、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有効期間であることを示すデータを格納する。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」でない場合、第2始動口有効延長タイマの値が0でなければ、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有効期間であることを示すデータを格納し、第2始動口有効延長タイマの値が0であれば、第2始動口有効期間フラグに第2始動口が無効期間であることを示すデータを格納する。
入賞監視処理(S316)において、遊技球のスイッチ通過を検査し、遊技球がスイッチを通過したとき、そのスイッチに無効期間がない、又は、現在有効期間である場合で、かつ、賞球払い出しがある場合、入賞カウンタを更新する。また、外部端子へ出力するセキュリティの出力要求の作成及びコマンドの送信を要求する。
賞球制御処理(S318)において、払出制御基板155からのデータ受信の監視、払出制御基板155へのコマンド送信要求、払出制御基板155へのコマンド送信、及び払出制御基板155からの受信データの検査を、順に実行する。
普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球の作動口30の通過を監視し、遊技球が作動口30を通過したと判断したとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合は、普通図柄の保留数を更新し、普通図柄に係る乱数をメインRAM291に格納する。
普通図柄制御処理(S322)において、普通図柄の状態を監視し、普通図柄制御中と判断した場合、普通図柄表示装置45又は普通電動役物90に係る処理を実行する。普通図柄の状態が「普通図柄変動中」である場合、普通図柄変動中処理を実行し、「普通図柄停止図柄表示中」である場合、普通図柄停止図柄表示中処理を実行し、「普通電動役物作動中」である場合、普通電動役物作動中処理を実行し、「普通電動役物作動終了デモ中」である場合、普通電動役物作動終了デモ中処理を実行する。普通図柄変動中処理において、普通図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、普通図柄の変動時間終了と判断した場合、普通図柄の変動停止設定を行って、普通図柄の状態を「普通図柄停止図柄表示中」に設定する。普通図柄停止図柄表示中処理において、普通図柄の停止図柄表示時間を監視し、普通図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した普通図柄の作動終了設定を実行する。当りの場合は、普通図柄の状態を「普通電動役物作動中」に設定し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態を保存し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態に対応した普通電役ソレノイド91の作動設定を実行する。はずれの場合は、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。普通電動役物作動中処理において、遊技球の普通電動役物90に係る入賞口の入賞を監視し、普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達したと判断した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達していないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の監視、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定を行い、一連の普通電動役物90の入口の開放が終了したと判断した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。なお、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の終了でないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定は実行しない。普通電動役物作動終了デモ中処理において、普通電動役物90の作動終了デモ時間の監視を行い、普通電動役物90の作動終了デモ時間終了と判断した場合、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。
普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の状態を監視し、「普通図柄変動待機中」であり、かつ、普通図柄作動保留球数の値が0以外である場合、普通図柄の変動を開始させると判断する。普通図柄の変動を開始させると判断した場合、普通図柄作動保留球数をデクリメントし、当り判定、停止図柄の決定、普通図柄の変動パターン番号の設定、及び普通図柄の変動時間の設定を実行する。その後、普通図柄の状態を「普通図柄変動中」に設定し、普通図柄の状態設定、当り判定、及び変動パターン決定に使用したメインRAM291の領域をクリアする。
始動口監視制御処理(S326)において、遊技球の第1始動口11入賞及び第2始動口12入賞を監視する。第1特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合は、内蔵乱数を取得し、取得した内蔵乱数に特別図柄当りソフト乱数の値を加算した値を、大当り判定で使用する特別図柄当り乱数としてバッファに格納する。また、特別図柄に係る乱数として、図柄乱数及び変動パターン乱数を取得して記憶する。第2特別図柄の保留を第1特別図柄の保留に優先して消化する場合は、当該入賞に係る保留の更新のみを実行するが、特別図柄の保留の消化順序が入賞順である場合は、当該入賞に係る保留の更新のほか、合計保留数の更新及び入賞順序の記憶を実行する。つづいて、始動口入賞時に記憶する乱数に対応した予告演出コマンドを要求するため、遊技機の状態を確認し、コマンド送信期間と判断した場合、当り予告演出要求、当り図柄予告演出要求、パターン予告演出要求を順に実行する。ここで、(1)当り待ち中で、かつ、普通図柄の確率変動機能が未作動中に、第1特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(2)当り待ち中で、かつ、普通図柄の確率変動機能が未作動中に、第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(3)大当り中又は小当り中に第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合のいずれかに該当する場合に、コマンド送信期間であると判断する。つづいて、特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の作動保留球数が更新されたことが、サブ基板300に通知される。以上のように、先読みにおいては、当り、当り図柄、変動パターン、保留球数の4つがセットとしてサブ基板300に送信される。つづいて、第2始動口有効期間フラグの値を検査し、第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が有効期間であることを示すデータである場合、第1始動口入賞の場合と同様に、第2始動口入賞の監視処理を実行する。第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が無効期間であることを示すデータである場合、第2始動口入賞の監視処理は実行しない。なお、保留球数が0であったときに遊技球の入賞を確認した場合には、ここでいったん保留球数を0から1にした上で、後述する変動開始に係る制御処理が実行される。
特別図柄制御処理(S328)において、当り待ち状態の検査を行い、特別電動役物が作動中、すなわち、大当り中又は小当り中である場合、特別図柄制御処理を終了する。特別電動役物が未作動である場合、特別図柄の状態を検査し、「特別図柄変動待機中」であれば、特別図柄制御汎用処理を終了し、「変動開始」であれば、特別図柄変動開始処理を実行し、「特別図柄変動中」であれば、特別図柄変動中処理を実行し、「特別図柄停止図柄表示中」であれば、特別図柄停止図柄表示中処理を実行する。特別図柄変動開始処理において、変動パターン乱数に基づいて特別図柄変動パターンの選択番号を取得し、特別図柄変動パターン番号に対応した変動時間を決定し、サブ基板300に演出表示を開始させるため、変動付加図柄情報、変動パターン、及びキャラクタの情報のコマンドを要求し、特別図柄の状態を「特別図柄変動中」に設定し、特別図柄変動パターンの決定に使用した変動パターン判定領域を0でクリアする。特別図柄変動中処理において、特別図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、特別図柄の変動時間終了と判断した場合、特別図柄の変動停止設定を行って、特別図柄の状態を「特別図柄停止図柄表示中」に設定する。特別図柄停止図柄表示中処理において、特別図柄の停止図柄表示時間を監視し、特別図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した特別図柄の作動終了設定を実行する。当りの場合は、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、特別電動役物が連続して作動する回数の設定を行い、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能、普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、及び普通電動役物の開放延長機能を未作動にし、遊技機の状態を大入賞口開放準備中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求、及び発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。当り判定の結果が小当りである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、遊技機の状態を小当り開始デモ中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求、及び発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。当り判定の結果がはずれである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。
特別電動役物制御処理(S330)において、特別電動役物に係る処理を実行するため、条件装置及び特別電動役物の作動状態を検査し、条件装置が作動中又は特別電動役物が作動中と判断した場合、特別電動役物に係る処理を実行する。特別電動役物の作動状態に応じて、大入賞口開放準備中処理、特別電動役物作動中処理、大入賞口閉鎖中処理、大当り終了デモ中処理、小当り開始デモ中処理、小当り特電作動中処理、小当り大入賞口閉鎖中処理、小当り終了デモ中処理を実行する。
大入賞口有効期間設定処理(S332)において、大入賞口20の有効期間判定の結果を保存するため、大入賞口有効時間の値が0である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口無効期間データを格納し、0以外である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口有効期間データを格納する。
特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、特別図柄の作動状態を監視し、特別図柄が変動開始できる状態であるか否かを判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、第2特別図柄の優先消化である場合、(1)大当り中又は小当り中でないこと、(2)第1特別図柄が変動待機中であること、(3)第2特別図柄が変動待機中であること、(4)当該特別図柄の作動保留球数が0以外であること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、入賞順である場合、上記(1)〜(3)に加えて、(5)特別図柄の保留球数の合計が0以外であること、(6)当該判定が消化順序すなわち入賞順と一致すること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。
特別図柄が変動開始できる状態であると判定された場合、当該特別図柄の作動保留球数を減算し、第1特別図柄及び第2特別図柄の保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の保留球数が更新されたことがサブ基板300に通知される。
つづいて、特別図柄の当り判定を実行する。当り判定において、特別図柄当り乱数により、大当り、小当り、はずれのいずれであるかが判定され、判定結果が、特別図柄判定フラグに格納される。つづいて、図柄を決定する。図柄の決定において、当り判定が大当りであった場合、特別図柄当り図柄乱数に基づいて大当り図柄が決定され、小当りであった場合、小当り図柄が決定され、はずれであった場合、はずれ図柄が決定される。
当り判定の結果が大当りであった場合、図柄の決定処理において決定された当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて、特別図柄の確率変動機能の作動内容を判定し、特別図柄の変動時間短縮機能の作動内容や、普通図柄の入賞容易状態を設定など、大当り終了後の遊技状態を設定する。つづいて、特別電動役物が連続して作動する回数や、大入賞口の開放時間の内容など、大当り中の設定を実行する。つづいて、当り判定の結果と、普通図柄の確率変動機能の作動状態に基づいて、大当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定する。つづいて、遊技状態及び当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて選択されたテーブルを参照して、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定する。つづいて、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアし、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
当り判定の結果が小当りであった場合、小当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定し、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定し、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。当り判定の結果がはずれであった場合、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
異常検知処理(S336)において、磁気検知信号、断線短絡電源異常検知信号、電波検知信号、扉・枠の開放信号を検査し、エラー状態に変化があった場合は、エラー状態を記憶して、サブ基板300に遊技機のエラー状態演出の表示を要求する。エラー状態に変化がなかった場合は、エラー状態の記憶及びエラー状態演出の表示要求は実行しない。
入球通過時間異常検出処理(S338)において、入球通過時間異常を検出するため、各スイッチレベルの連続オン時間の監視を行い、その結果、前回から変化があったと判断した場合、入球通過時間異常の設定、コマンドの送信要求、外部端子へ出力するセキュリティの出力要求の作成を順に実行する。連続オン時間が異常ではないと判断した場合は、セキュリティの出力要求の作成は実行しない。
遊技状態表示処理(S340)において、特別電動役物が連続して作動する回数、エラー状態、普通図柄の作動保留球数、及び特別図柄の作動保留球数の表示を要求するため、それぞれの表示データを作成する。
ハンドル状態信号検査処理(S342)において、ハンドルのタッチ状態を監視するため、ハンドル状態の検査を行い、検査の結果、ハンドル状態に変化ありと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの減算、ハンドル状態の更新、ハンドル状態監視タイマの設定、及びハンドル状態演出のコマンド送信要求を実行する。検査の結果、ハンドル状態に変化なしと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの設定を実行する。ハンドル状態監視タイマの値をデクリメントした結果が0以外の場合、タイマ減算中と判断して、以降の処理は実行しない。
LED出力処理(S344)において、特別図柄の表示、普通図柄の表示、特別図柄の作動保留球数の表示、普通図柄の作動保留球数の表示、遊技状態の表示、特別電動役物が連続して作動する回数の表示、役物連続作動装置未作動時の特別電動役物の作動状態の表示、打ち分けの表示及びエラーの表示を実行するために、表示の初期化、表示データの取得及び出力を順に実行する。
発射制御信号出力処理(S346)において、遊技球の発射の禁止/許可の信号を出力するため、払出制御基板155との通信状態及び断線短絡電源異常に対応した発射の禁止/許可の設定、及び発射の禁止/許可データの取得を行った後、発射の禁止/許可の信号の出力を実行する。
試験信号出力処理(S348)において、試験装置に出力する信号を作成し、対応した出力ポートに出力する。
ソレノイド出力処理(S350)において、普通電役ソレノイド91及び大入賞口ソレノイド92の出力データを出力するために、普通電役ソレノイド91の出力データの取得、大入賞口ソレノイド92の出力データの取得及び出力データの出力を実行する。それぞれのソレノイドの作動フラグ及び作動タイマを取得し、取得したソレノイド作動フラグ及びソレノイド作動タイマに対応した出力データを取得する。つづいて、ソレノイド作動タイマを更新し、出力データをソレノイド出力ポートへ出力する。
演出制御コマンド送信処理(S352)において、サブ基板300へ送信するコマンドの送信要求の有無を検査し、送信要求があると判断した場合、要求するコマンドデータを取得し、使用したコマンドバッファを0でクリアし、取得したコマンドデータに対応したMODEデータの取得、MODEデータの出力、MODEデータの保持、取得したコマンドデータに対応したEVENTデータの取得、EVENTデータの出力を順に実行する。
外部情報出力処理(S354)において、外部端子に出力する信号を作成し、作成した信号を外部情報出力ポートに出力する。
上述したメイン基板200の動作過程において使用される乱数について、より詳細に説明する。メイン基板200において使用される乱数には、主に、普通図柄に係る乱数として、普通図柄当り乱数、及び普通図柄変動パターン乱数があり、特別図柄に係る乱数として、特別図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数がある。また、初期更新値型乱数である、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数の初期値を与えるための乱数として、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数がある。
普通図柄当り乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が作動口30を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄乱数は、普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、当り判定及び停止図柄の決定のために使用される。
普通図柄変動パターン乱数は、例えば0〜232の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が作動口30を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、普通図柄の変動パターンの決定のために使用される。
特別図柄当り乱数は、割込処理の始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、内蔵乱数と特別図柄当りソフト乱数の値を取得し、両者を加算することにより生成され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り乱数は、割込処理の特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、大当り判定及び小当り判定を実行するために使用される。
特別図柄当りソフト乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当りソフト乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、上述したように、特別図柄当り乱数を生成するために使用される。
特別図柄当り図柄乱数は、例えば0〜999の値をとり、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、割込処理の特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、当り判定が大当りであった場合に、大当り図柄を決定するために用いられる。
変動パターン乱数は、例えば0〜49999の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。変動パターン乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。変動パターン乱数は、割込処理の特別図柄制御処理(S328)において、特別図柄変動パターンを決定するために用いられる。
普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、それぞれ、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数と同じ範囲の値をとり、メイン処理(S120)の初期値乱数更新処理(S208)及び割込処理の初期値乱数更新処理(S310)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新するときに、それぞれの乱数の初期値として用いられる。
割込処理は、タイマ割込により一定時間ごとに実行されるので、割込処理に含まれる各種乱数更新処理(S306)及び初期値更新型乱数更新処理(S308)も、一定時間ごとに実行される。すなわち、普通図柄当り乱数、普通図柄変動パターン乱数、特別図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数は、一定時間ごとに更新される。これに対して、メイン処理(S120)は、割込処理が終了してから次のタイマ割込が発生するまでの間、すなわち、タイマにより計測される一定時間から割込処理に要した時間を減じた時間だけ繰り返される。割込処理に要する時間は、遊技状態などに応じて異なるので、メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)は、各種乱数更新処理(S306)や初期値更新型乱数更新処理(S308)と異なり、一定時間ごとに実行されるわけではない。これにより、初期値更新型乱数更新処理(S308)において初期値を設定する際に取得される初期値乱数を毎回ランダムにすることができる。
図16は、ぱちんこ遊技機におけるサブ基板300の制御開始処理を示すフローチャートである。サブ基板300の制御を開始すると、サブCPU310はスタックポインタを設定し(S500)、各種の初期設定が完了するまですべての割込を禁止し(S502)、サブCPU310のレジスタ設定やポート初期化といったハードウェアに関する初期設定を実行する(S504)。サブROM312から制御プログラムを読み出してサブRAM311に配置するとともに、制御プログラムにおける各種の変数のうち、初期値のある変数については初期値を設定し、初期値のない変数についてはゼロクリアのデータを設定することにより、サブRAM311を初期化する(S506)。なお、サブ基板300における割込処理は、最優先で実行される割込処理として、電源立ち上げ時の処理と、ウォッチドッグ機能が有効な場合における各種異常発生時のリセット処理とがある。次に実行優先度の高い優先レベル7の割込処理として、メイン基板200から受信するコマンド処理があり、その次に優先度の高い優先レベル3の割込処理として、ウォッチドッグタイマによるCPU暴走検知時のリセット処理がある。次に優先される優先レベル2の割込処理として、表示CPU320との間で送受信されるコマンドに係る処理があり、最も優先度の低い優先レベル1の割込処理として、リアルタイムクロックとの通信処理やランプ、ソレノイド、モータ等の各種デバイス制御処理等がある。以上の各種処理に関する割込が仮に同時に発生した場合には、割込の種類ごとにあらかじめ設定された優先度の高いものから優先して実行される。なお、本図に示す処理は、最優先レベルの割込である電源立ち上げ時の処理および各種異常発生時のリセット処理と、優先レベル3の割込であるCPU暴走検知時のリセット処理とを含む。
メイン基板200から受信するコマンド以外の割込(優先レベル7)を禁止し(S510)、あらかじめ記憶された全機種用のすべてのエラー情報から当該機種で使用する各種エラー情報を設定する(S512)。装飾ランプ111などのすべてのランプを消灯し(S514)、ウォッチドッグタイマの動作を開始し(S516)、メイン処理を実行する(S518)。通常はS518のメイン処理から本フローへ戻ることはないが、戻ったときはスリープ(小消費電力モード)へ移行する(S520)。
図17は、図16におけるS518のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。図16のS506においてサブRAM311に配置された制御プログラムが正確に配置されているかを本図のメイン処理内でチェックするためにそのチェックを開始する先頭アドレスを取得し(S530)、以降の処理においてすべての割込を許可し(S532)、モータやソレノイド等のデバイスの初期化動作を実行する(S534)。
ウォッチドッグタイマを使用する設定であればウォッチドッグタイマをクリアし(S536)、装飾図柄の外れの組合せがランダムの組合せになるように装飾図柄のカウンタを更新し(S540)、サブCPU310の入力ポートを監視する(S542)。なお、S540はカウンタを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式における処理であるため、外れ図柄となる全ての図柄組合せを組み込んだ抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式の場合にはS540の処理は実行しない。その抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する処理は、S552で後述する通りメイン基板200から特別図柄の停止図柄を示すコマンドを受信したときに実行する。エラー状態を監視して各種エラーを検知したときはそのエラーを報知し(S544)、演出ボタン109の入力状態に応じた処理を実行し(S546)、予告抽選を実行する(S548)。なお、S548における予告抽選は、特に図柄変動開始直後に出現させる予告演出のコマンドをできる限り早期に演出表示制御装置313へ送信するため、抽選処理を1回のループで処理するのではなく複数回のループに分け、図柄変動開始直後に出現させる予告演出を先のループで抽選する。リアルタイムクロック、ランプ、モータ、ソレノイド等のデバイスに対する動作要求があればその動作を実行し(S550)、コマンドバッファに保存されたコマンドを解析し(S552)、コマンド解析直後の場合はS536の処理へ戻り(S554のY)、コマンド解析直後でないときは(S554のN)、空き時間で行えばよい低優先度の処理として抽選用ソフト乱数を更新し(S556)、S536の処理に戻る。なお、S552において、解析するコマンドが特別図柄の変動パターンを示す場合は装飾図柄の変動演出パターンをこのS552の処理にて決定し、解析するコマンドが特別図柄の停止図柄を示す場合は抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式であれば装飾図柄の停止図柄をこのS552の処理にて決定する。
図18は、メイン基板200からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。メイン基板200から受信するメインコマンドは、リセット割込やエラー割込に次いで優先度の高い優先レベル7の割込命令である。メイン基板200から受信したデータを入力ポートへ読みに行き、2回連続で同じデータが読み込まれたときにそのデータを新たなコマンドとして確定し(S600のY)、その確定したコマンドが第1コマンド(MODEデータ)であれば(S602のY)、その第1コマンドを一時記憶領域に保存する(S604)。ハード乱数を後続の処理のために取得し(S606)、元のルーチンに戻る。このようにメイン基板200からメインコマンドの割込があるたびにハード乱数を取得しておくことにより、乱数の取得タイミングに周期性を生じさせず、値のランダム性を高める。S600において読み込まれたデータが2回連続で一致しなければ(最高5回まで読み込み可能)、S602をスキップして元のルーチンに戻る(S600のN)。
S602において、確定したコマンドが第1コマンドではなく第2コマンドの場合は(S602のN)、第1コマンドがすでに適切に受信済みであることが確認できれば(S608のY)、コマンドバッファ(コマンドデータ用のリングバッファ)における読み取り位置であるコマンドライトポインタを取得し(S610)、第1コマンドと第2コマンドとをコマンドバッファに保存する(S612)。コマンドバッファに保存されたコマンドデータは、図17のS552において解析される。コマンドライトポインタを更新し(S614)、一時記憶領域に保存させていた第1コマンドをクリアして(S616)、元のルーチンに戻る。S608において第1コマンドが受信済みでないときはS610以降をスキップして(S608のN)、元のルーチンに戻る。
図19は、演出表示制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、サブCPU310から表示CPU320へ演出表示に関するコマンドを送信するための優先レベル2の割込であり、500μs周期で発生する。この割込では、バッファをチェックし(S620)、バッファに送信用のコマンドデータがあれば(S622のY)、そのコマンドデータを読み込み(S624)、表示CPU320へ送信する(S626)。なお、表示CPU320へのコマンドデータの送信は、表示CPU320側で正常受信された旨を示すコマンドをサブCPU310が表示CPU320から受信するまで所定時間間隔で最大3回まで送信を試みる。送信後、バッファの読み出しアドレスの設定を更新し(S628)、元のルーチンに戻る。バッファに送信用のデータがなければ(S622のN)、S624以降をスキップして元のルーチンに戻る。
図20は、サブCPU310が表示CPU320からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。この割込もまた優先レベル2の割込である。サブCPU310が表示CPU320から受信するコマンドは、主にサブCPU310から表示CPU320へ送信したコマンドが正常受信された旨を示すコマンドである。表示CPU320からコマンドを受信した場合、受信したコマンドデータを読み出し(S630)、コマンドを解析し(S632)、コマンドバッファに保存して(S634)、元のルーチンに戻る。
図21は、各種デバイス制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、装飾ランプ111などのランプ制御、可動役物66を駆動するソレノイドやモータの制御、各種タイマの管理制御のための割込であり、1ms周期で発生する。優先度が最も低い優先レベル1の割込であるため、優先レベル2以上の割込を許可し(S640)、演出ボタン109からの入力を示す信号、エラー検知を示す信号、電断を示す信号、モータやソレノイド等の制御対象デバイスへの駆動信号等を入出力するポートの入出力を処理する(S642)。このとき、電断を示す信号が入力された場合は直ちにバックアップ処理へ移行する。モータやソレノイド等のデバイスの制御パターンに基づくカウント処理やS642でポートにデータを書き込むためのバッファのオンオフ制御など、デバイス制御に係るデータを更新し(S644)、演出のタイミングを計るためのタイマを更新し(S646)、演出ボタン109の入力有効時間を管理するためのタイマを更新し(S648)、装飾ランプ111の点灯切換制御や表示CPU320の暴走監視制御等のためのタスク制御用カウンタを更新して16ms周期を作成する(S650)。
なお、装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位は16msである。画像表示制御の1フレームが16msまたは32msであり、その整数倍を装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位としておくことで、ランプ制御と画像表示制御を同期させやすくできる。また、例えば30秒間のエラー報知といった、比較的長時間の期間をカウントする場合に、仮に1割込(1ms)周期のカウントを用いてしまうとカウント値が必要以上に長くなってしまうが、16ms周期のカウント値とすることによってカウント値を短くすることもできる。
タスク制御には処理0〜15までの16種類のタスクがあり、そのうち1つのタスクが装飾ランプ111の点灯切換制御であり、2つのタスクが表示CPU320の暴走監視制御である。装飾ランプ111の点灯切換制御は、タスク制御用カウンタのカウント値に応じて16割込に1回実行することで16ms周期での切換を実現する。表示CPU320の暴走監視制御は、例えば処理0と処理8に割り当て、タスク制御用カウンタのカウント値が0と8のとき、すなわち8割込に1回、表示CPU320からのトグル信号を監視(S652)することで、8ms周期での監視を実現する。
なお、表示CPU320からは1フレームごとにオンオフ反転するトグル信号が出力されており、このトグル信号が1600ms連続して同じ値のまま変化しない場合に表示CPU320が暴走していると判断し、サブCPU310から表示CPU320へリセット信号を送信し、リセット信号を受信した表示CPU320はリセットを実行する。表示CPU320からは1フレーム(16msまたは32ms)周期でトグル信号を受信するため、その周期より短い8ms周期で監視する。最後に、上述のような例えば30秒間のエラー報知といった比較的長時間のエラー報知期間を管理するタイマを減算し(S654)、そのタイムアウト時にエラー報知が終了する。
図22は、特別図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。第2当否抽選値の保留がなされている場合(S700のY)、第2当否判定手段222が第2当否抽選値を読み出して第2特別図柄52の当否を判定し(S702)、第2当否判定手段222が第2特別図柄52の停止図柄を決定し(S704)、第2変動パターン決定手段232が第2特別図柄52の変動パターンを決定し(S706)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第2特別図柄52の図柄変動を開始する(S716)。
第2当否抽選値の保留がなされていない場合であって(S700のN)、第1当否抽選値の保留がなされている場合(S708のY)、第1当否判定手段221が第1当否抽選値を読み出してあらためて第1特別図柄51の当否を判定し(S710)、第1当否判定手段221が第1特別図柄51の停止図柄を決定し(S712)、第1変動パターン決定手段231が第1特別図柄51の変動パターンを決定し(S714)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第1特別図柄51の図柄変動を開始する(S716)。第1当否抽選値の保留がなされていない場合はS710からS722までの処理をスキップする(S708のN)。
特別図柄の図柄変動表示を処理し(S718)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達するまでS718を繰り返し(S720のN)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S720のY)、変動停止コマンドをサブ基板300へ送信して表示中の図柄変動をあらかじめ決定された停止図柄にて停止し(S722)、特別図柄の変動表示を終了する。
図23は、装飾図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。サブ基板300の演出決定手段303がメイン基板200から変動開始および演出表示内容を示すコマンドを受信し(S750)、受信した特別図柄の停止図柄、変動パターン、当否判定結果に応じて装飾図柄の停止態様を決定し(S752)、変動パターンに対応する変動演出パターンを決定する(S754)。ここで、事前判定により前兆設定がオンになっている場合(S756のY)、すでに決定されている変動演出パターンが、予告演出との重畳表示を回避すべき特定の演出内容が含まれたパターンでない場合であって(S758のN)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動でなければ(S760のN)、所定の予告演出を表示すべき設定を実行し(S764)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動である場合は(S760のY)、前兆設定をオフする(S762)。前兆設定がオンでない場合や(S756のN)、変動演出パターンに特定の演出内容が含まれる場合は(S758のY)、S760からS764の処理をスキップする。
その後、装飾図柄の変動演出表示を開始し(S766)、装飾図柄の変動演出表示処理と(S768)、予告演出の表示処理を実行し(S770)、メイン基板200から変動停止コマンドを受信するまでS768とS770を繰り返し(S772のN)、変動停止コマンドを受信したときに(S772のY)、S752で決定された停止態様にて装飾図柄を停止表示させることで図柄変動表示を停止し(S774)、装飾図柄の変動演出を終了する(S776)。
図24は、特別遊技の過程を示すフローチャートである。まず、演出表示制御手段305が特別遊技の演出処理を開始し(S800)、開閉制御手段275が大入賞口20を開放する(S802)。所定の開放時間が経過せず(S804のN)、大入賞口20への入球数も9球以上に達していなければS804に戻り(S806のN)、所定の開放時間が経過したか(S804のY)、開放時間が経過していないものの(S804のN)、大入賞口20への入球数が9球以上に達した場合(S806のY)、開閉制御手段275が大入賞口20を閉鎖させる(S810)。
単位遊技が最終ラウンドに達していなければ(S810のN)、ラウンド数に1を加算してS802に戻り(S812)、単位遊技が最終ラウンドに達していた場合は(S810のY)、演出表示制御手段305は特別遊技の演出処理を終了させ(S814)、特別遊技制御手段260は特別遊技を終了させ(S816)、特定遊技、すなわち確変、時短、入球容易状態の実行を開始する(S818)。
図25は、小当り遊技の過程を示すフローチャートである。まず、大入賞口20を開放させ(S820)、所定の開放時間を経過するまで開放を継続させ(S822のN)、開放時間を経過した場合(S822のY)、大入賞口20を閉鎖し(S824)、設定回数分の開閉が終了していなければ(S826のN)、開閉回数に1を加算してS820に戻り(S828)、設定回数分の開閉が終了していれば(S826のY)、小当り遊技を終了する。
上述の既存技術においては、第1の遊技における大当りの出玉より、第2の遊技における大当りの出玉の方が概ね多い、すなわち、第1の遊技よりも第2の遊技の方が1回の大当りにおける賞球獲得期待値が多くなるように設計されていたが、別の例では、第1の遊技の方が第2の遊技よりも賞球獲得期待値が多くなるように設計されてもよいし、第1の遊技と第2の遊技の賞球獲得期待値が概ね等しくなるように設計されてもよい。後者の場合、第1の遊技において実行される特別遊技と第2の遊技において実行される特別遊技に含まれる単位遊技の数の平均が等しくなるように設計されてもよい。例えば、第1の遊技においては、100%の確率で単位遊技が10回実行される特別遊技が実行され、第2の遊技においては、50%の確率で単位遊技が4回実行される特別遊技が、50%の確率で単位遊技が16回実行される特別遊技が実行されてもよい。また、いずれの場合においても、大入賞口に特定領域が設けられ、大入賞口に入球した遊技球が特定領域に入球または特定領域を通過した場合に、特別遊技終了後の通常遊技において確変状態などの特定遊技が実施されるように構成されてもよい。この場合、第1の遊技において大当りとなった場合に実行される特別遊技よりも、第2の遊技において大当りとなった場合に実行される特別遊技の方が、特定領域への入球容易性が高く、特別遊技の終了後に確変状態の通常遊技が実行される確率が高くなるように構成されてもよい。例えば、特定領域への入球が相対的に困難となる特別遊技が実行される第1当りと、特定領域への入球が相対的に容易となる特別遊技が実行される第2当りとが設けられ、第1の遊技よりも第2の遊技の方が第2当りとなる確率が高いように構成されてもよい。または、第1の遊技において第2当りとなる確率は100%未満であるが、第2の遊技において第2当りとなる確率は100%であるように構成されてもよい。
(第1実施例)
以下、実施例の特徴的な構成について説明する。本実施例のぱちんこ遊技機は、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプを備える。遊技球が第1始動入賞口または第2始動入賞口に入球すると第1の当否抽選または第2の当否抽選が実行され、その抽選の判定結果が大当りとなると大入賞口(後述の第1大入賞口21)が開放を繰り返す特別遊技が開始される。一方、第1の当否抽選または第2の当否抽選の判定結果が「小当り」と呼ばれる所定の結果になった場合は、大入賞口(後述の第2大入賞口22)の短時間の開放がなされる小当り遊技が実行される。この小当り遊技は、大当りの場合に複数回繰り返される単位遊技を1回分しか有しないため「大当り」とは区別される。第2大入賞口22へ入球した遊技球が第2大入賞口22内の「Vゾーン」と呼ばれる特定領域に入球(「V入球」ともいう)すると、特別電動役物を連続作動させ大当り遊技を実行するための役物連続作動装置を作動させる条件装置が作動し、「小当り」から「大当り」へと昇格し、第1大入賞口21が開放される特別遊技が実行される。そのため、小当り遊技は従来にいう第2種ぱちんこ遊技と実質的に同様の動作となる。
特別遊技が終了すると、所定の確率でいわゆる変動時間短縮遊技(以下「時短」とも呼ぶ。)と呼ばれる特定遊技に移行する。時短は、特別遊技の終了後、特別図柄の変動回数が所定回数(以下「時短継続回数」とも呼ぶ。)に達するまで継続する。本実施例の時短は、特別図柄の変動時間短縮機能だけでなく、普通電動役物の開放時間の延長および普通図柄の変動時間の短縮の2つの機能を用いて第2始動入賞口への入球容易性を通常状態より高める入球容易状態を含む。また後述するように、第2始動入賞口への入球を契機とする当否抽選では小当りに判定される確率が高く設定される。この結果、時短中には、第2始動入賞口への入球を契機とした小当りが発生しやすく、小当りから発展する大当り(「小当り発展大当り」または「小当りV」ともいう)の発生可能性も高まる。なお、小当り発展大当りと対比される大当りであり、図柄変動が大当りを示す態様で停止表示されたことを契機に特別遊技が開始される大当りを以下「図柄大当り」と呼ぶ。
通常状態の通常遊技では第2始動入賞口への入球容易性が低いため、まずは第1始動入賞口に入球させて特別遊技を発生させ、一旦時短に移行させる。そして時短において小当り発展大当りを獲得し、その特別遊技終了後にも時短が継続することで小当り発展大当りの連続を狙う遊技性となる。第1実施例のぱちんこ遊技機は、小当り発展大当りを獲得することで出玉を増加させる遊技性を有しており、遊技の興趣を高めるための特徴的なスペックを備える。後述の第2実施例のぱちんこ遊技機は、第1実施例のぱちんこ遊技機に好適な、遊技の興趣をさらに高めるための特徴的な演出を実行する。
第1実施例のぱちんこ遊技機の基本的なスペックを説明する。
基本1)特定遊技としての確率変動遊技はなく、大当り確率は通常状態時と時短時(言い換えれば入球容易状態時)で同じである(約1/320)。
基本2)小当り確率は、第1始動口への入球を契機とする第1特別図柄の変動時(約1/2850)よりも、第2始動口への入球を契機とする第2特別図柄の変動時(約1/11)の方が高確率である。
基本3)第1始動口への入球に基づく抽選値の保留上限数と、第2始動口への入球に基づく抽選値の保留上限数は、いずれも4個である。
基本4)大当りの振り分け比率は、第1特別図柄の場合、時短への移行を伴う7ラウンド大当り(以下「7R時短有大当り」とも呼ぶ。)が55%、時短への移行を伴わない11ラウンド大当り(以下「11R通常大当り」とも呼ぶ。)が45%である。第2特別図柄の場合、時短への移行を伴う15ラウンド大当り(以下「15R時短有大当り」とも呼ぶ。)が56%、時短への移行を伴う4ラウンド大当り(以下「4R時短有大当り」とも呼ぶ。)が44%である。
基本5)通常状態における第1特別図柄による7R時短有大当りの場合の時短継続回数は100回であり、後述するように、本実施例では、小当り遊技中に遊技者が第2大入賞口22を狙って遊技球を発射すれば、ほぼ100%V入球する構成となっているので、時短中に再度小当りが発生して小当り発展大当りを経て次の時短に繋がる確率(以下「時短継続率」)もほぼ100%(≒[1−10/11^X]*100 ※時短継続回数X=100)である。第2特別図柄による2種類の大当りにおける時短継続回数は、7回(時短継続率は約50% ※X=7)、14回(時短継続率は約74% ※X=14)、100回(時短継続率はほぼ100%)のいずれかである。
基本6)当否抽選の結果が小当りとなって小当りを示す図柄態様(以下「小当り図柄」とも呼ぶ。)にて図柄変動が停止した場合に、それまで時短状態であれば時短を終了させる。既述したように、実施例の遊技機は、時短を継続させつつ小当り発展大当りを獲得して出玉を増やすことがメインの遊技であるが、小当り時にその小当り図柄が時短が付与されない種類であれば、あえてV入球させずに次の小当りを狙うという攻略を防止するためである。なお、小当り発展大当り後に付与される時短回数は、小当り図柄に依存するが、小当り中の単位遊技における大入賞口の開放パターンは小当り図柄に関係なく同一(1パターン)に設定されており、処理を簡略化している。しかし、小当り中の大入賞口の開放パターンは1パターンに限らず、時短100回付与が確定する演出を実行させる演出期間を含む開放パターンとしてもよい。
次に、第1実施例のぱちんこ遊技機の特徴的なスペックの概要を説明する。
特徴1)小当り遊技中は大入賞口が複数回開放される。小当り遊技における大入賞口の開放パターンとして、開放回数が所定回数未満では短開放と短閉鎖を行う一方、開放回数が所定回数以上になると短開放と長閉鎖を行う。大入賞口への入球ないし、特定領域への遊技球の通過が検出されないで開放回数が所定回数以上になった場合には、遊技球を大入賞口に向けて発射しないと時短が終了する旨を報知する演出を実行する。また、特定領域を有する大入賞口は、詳細は後述するが、開閉部材の上部に遊技球を長時間滞在させる滞留機構を備えており、短時間の開放でも、遊技球を大入賞口内に確実に落下させる構造となっている。この態様によると、小当り遊技中に、遊技球が特定領域を通過する確実性を高めることができる。
特徴2)時短中の第1特別図柄による図柄大当りでは必ず時短が付与され、ただしその時短継続回数は、遊技機において複数種類設けられた時短継続回数のうち最小の回数が設定される。通常状態における第1特別図柄の図柄大当りでは、時短継続回数100回(特定7R大当り)または時短なし(通常11R大当り)となるが、時短中の第1特別図柄の図柄大当りでは、必ず時短を付与することで、開発者が意図しないところで連荘が終了してしまうことを防止できる。また、時短中の第1特別図柄の図柄大当りはメインルートの当りではないため、最低限の保証として最小の時短回数を付与することが好適である。
特徴3)第1特別図柄による小当り発展大当り時に付与されうる時短継続回数の候補は、第2特別図柄による小当り発展大当り時に付与されうる時短継続回数の候補と同じである。時短中における第1特別図柄による小当り発展大当りは、開発者が意図する遊技とは異なるが、遊技機として見ると、第1特別図柄と第2特別図柄のいずれで小当り発展大当りとなっても差はない。したがって、第1特別図柄と第2特別図柄のいずれで小当り発展大当りとなっても時短回数の振り分けを同一にすることが好適である。
特徴4)第1特別図柄における図柄大当りで時短が付与される場合、時短継続回数は常に100回である(7R時短有大当り)。しかし外観上は、第2特別図柄で図柄大当りまたは小当り発展大当りとなって時短(時短継続回数は複数種類の中から選択)が付与される場合と同じ演出であり、時短の継続有無を煽る演出を表示させる。これにより、第1特別図柄における図柄大当りで時短が付与された場合も、時短継続に対する遊技者の期待感と不安感を煽ることができる。
以下、第1実施例のぱちんこ遊技機500の詳細を説明する。
図26は、第1実施例に係るぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機500は、大入賞口として第1大入賞口21と第2大入賞口22を備える点で上述の既存技術と異なる。第1大入賞口21は、上述の大入賞口20と同様に機能する大入賞口であり、第1特別図柄51または第2特別図柄52が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。第1大入賞口21はアウト口34の右上方の位置に設けられる。第1大入賞口21は、遊技球の入球を検出するための第1大入賞検出装置26と、第1大入賞口21を開閉させるための第1大入賞口ソレノイド93を備える。第1大入賞検出装置26は、第1大入賞口21への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1大入賞口入賞情報を生成する。
第1大入賞口21は、特別遊技中の入球により出玉を増加させるための大入賞口であり、特別遊技中にこれが開放された際に発射強度をほぼ最大にするいわゆる右打ちがなされると、遊技球が極めて高い確率で入球されるようになる。なお、第1大入賞口21の近傍位置であり、例えば、右打ち時の遊技球の流路の上流位置に一般入賞口33がさらに設けられてもよい。これにより、右打ち時(特別遊技時等)の出玉の量をさらに多くすることができる。
一方、第2大入賞口22は、小当り遊技に対応する大入賞口として設けられ、小当りの発生により開放される。第2大入賞口22は、遊技球の入球を検出するための第2大入賞検出装置27と、第2大入賞口22の蓋部を開閉させるための第2大入賞口ソレノイド94を備える。第2大入賞検出装置27は、第2大入賞口22への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2大入賞口入賞情報を生成する。第2大入賞口22は、第1特別図柄51または第2特別図柄52が所定の小当り態様にて停止したときに「小当り」として開放状態となる。第2大入賞口22は、センター飾り64の右側通路に設けられ、演出表示装置560の右下の表示領域の右側位置に取り付けられる。第2大入賞口22は、小当り遊技中にこれが開放された際に発射強度をほぼ最大にするいわゆる右打ちがなされると、遊技球が極めて高い確率で入球されるようになる。第2大入賞検出装置27は、第2大入賞口22の内部に設けられている。
第2大入賞口22は、箱形であって遊技盤80の前方に突出しており、遊技盤より突出する箇所の上面は、遊技球が転動するよう右端部が左端部より高くなるように傾斜面を有している。そのため、箱形の第2大入賞口22の上面に遊技球が載ると右から左の方向へ重力で転動する。上面に遊技球の転動面と水平方向に開閉動作するスライド式の蓋が設けられ、その蓋がスライドして開口部が露出すると、右から左へ流れる遊技球がほぼ確実にすべて開口部に落入し、第2大入賞口22への入球となる。逆にスライド式の蓋で開口部が閉鎖されている間はその蓋の上を遊技球が転動して通過し、第2大入賞口22の左方に位置するセンター飾り64との間の通路を通って第2作動口32、第2始動口12または第1大入賞口21へと遊技球が誘導される。第2大入賞口22と遊技領域の外周との間には遊技球が通過できないように部材が設けられているため、右打ちした遊技球のほぼ全てが第2大入賞口22に誘導される。第2大入賞口22が閉鎖されているときは、第2大入賞口22の上を転動した遊技球がすぐ左方の通路から下方へ落下するように設計されている。
第2大入賞口22の内部には特定領域が設けられる。第2大入賞口22の内部には、特定領域と非特定領域のいずれかに遊技球を振り分けるための振分機構(図28の特定領域開閉装置522)が設けられる。第2大入賞口22へ遊技球が入球してこれを第2大入賞検出装置27が検出すると、大入賞口への入賞として賞球付与がなされる。特定領域への入球を検出すると、特別遊技へ移行する旨の決定がなされる。特定領域への入球が検出されない場合、小当り遊技の終了後に通常遊技に戻る。
本実施例において、第2大入賞口22および振分機構は「可変入球装置」として機能する。ここで、可変入球装置とは、入球可能な状態へ変化するよう作動可能な装置であり、その内部空間に特定領域が設けられる装置である。本実施例では、第2大入賞口22が入球可能な状態へと作動し、振分機構が特定領域へ誘導するよう作動する場合にのみ特定領域への入球が可能となるように構成される。なお、変形例においては、振分機構が設けられず、第2大入賞口22が可変入球装置として機能するように構成されてもよいし、第2大入賞口22および振分機構とは異なる別の可動部材により可変入球装置が構成されてもよい。
本実施例に係る特別遊技には、停止時の図柄が大当りとなることを契機に実行される第1特別遊技(図柄大当り)と、停止時の図柄が小当りとなった後に小当りが大当りに発展することを契機として実行される第2特別遊技(小当り発展大当り)とがある。第1特別遊技は、上述の既存技術に示した特別遊技と同様であり、すなわち図柄大当りを契機とする。第2特別遊技は、小当り(すなわち第2大入賞口22の開放)を含み、小当り遊技中の特定領域の通過(V入球)を契機とした、条件装置の作動と役物連続作動装置の作動に伴う第1大入賞口21の開放をさらに含む。
第1特別図柄51または第2特別図柄52が所定の小当り態様で停止された場合、1回の単位遊技で構成される小当り遊技(すなわち役物連続作動装置の作動を伴わない特別電動役物の作動状態)に移行し、第2大入賞口22の開閉動作が実行される。小当り遊技を構成する1回の単位遊技においては、第2大入賞口22が総開放時間の合計で所定の基準時間(例えば1.8秒)以下の時間だけ、1回または複数回開放される。
小当り遊技中に第2大入賞口22の内部に設けられる特定領域に入球すると、小当りから大当りへの発展が確定(役物連続作動装置を作動させるための条件装置が作動)し、特別遊技が実行される(すなわち役物連続作動装置の作動に基づく特別電動役物の連続作動状態へ移行される)。第2特別遊技においても、特定領域への入球に伴い、上述の第1特別遊技と同様に第1大入賞口21が開放され、その開放が所定の基準時間以上となる約30秒間続いた後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。第1大入賞口21の開閉ないし単位遊技が所定回数、例えば8回繰り返された後、第2特別遊技が終了される。したがって、第2特別遊技が実行される場合、第2大入賞口22の開放がなされた後、第1大入賞口21の開放が複数回なされる。
遊技領域81の外側右下位置には、遊技機500の遊技状態を示すための状態表示ランプ502が設けられる。状態表示ランプ502は、例えば、二つのランプによって構成され、第1のランプは時短状態(本実施例では普通電動役物の入球容易状態を伴う)であるか否かを示し、第2のランプは右打ちをすべき遊技状態(普通電動役物の入球容易状態や、特別電動役物の作動状態)であるか否かを示す。第1のランプは、時短状態の通常遊技である場合に点灯し、通常状態の通常遊技である場合に消灯する。第2のランプは、右打ちをすべき遊技状態である場合、つまり、時短状態、小当り遊技状態または特別遊技状態にある場合に点灯し、通常状態である場合に消灯する。したがって、状態表示ランプ502の第2のランプは、いわゆる「右打ち表示灯」として機能し、一定の表示態様にて右打ちをすべき遊技状態であるか否かを表示する。
図27は、第2大入賞口22の構成を概略的に示す外観斜視図であり、第2大入賞口22のスライド板510の上を転動する遊技球の勢い(転動速度)を低下させるための構成の一例を示す。前述したように、第2大入賞口22の上面に設けられるスライド板510は、水平方向を基準として左下がりとなるようわずかに傾斜するように設けられる。その結果、スライド板510の上を転動する遊技球はそのままでは加速傾向となり、スライド板510を閉鎖状態から開放状態に変位させたとしても、箱状部材512の内部に遊技球をうまく誘導できないおそれが生じる。そこで、本実施例では、スライド板510の上を転動する遊技球をジグザグ状に進行させることで、遊技球の移動距離を増やすとともにスライド板510の上を転動する遊技球の勢いを低下させるようにして、スライド板510上における遊技球の滞留時間を増加させている。これにより、第2大入賞口22が極めて短い時間(例えば0.05秒〜0.2秒程度)の短時間開放を繰り返す場合であっても、スライド板510の上に遊技球が滞留する時間を長くし、いずれかの短時間開放中に遊技球が入球する可能性が高められるようにする。
図27(a)は、スライド板510が閉鎖状態である場合の第2大入賞口22を示す。図示されるように、遊技球がスライド板510の上を転動する範囲内において、遊技盤側に複数の突起部516aが設けられるとともに、遊技盤と対向する透明板側にも複数の突起部516bが設けられる。また、遊技盤側の複数の突起部516aと透明板側の複数の突起部516bは、スライド板510の上の流路に沿って互い違いに配列されている。なお、透明板側の複数の突起部516bは、箱状部材512から上方向に延在する透明の透明板514に取り付けられている。遊技盤80の手前側を覆う透明板103に複数の突起部516bを直接固着させないことで、遊技機のメンテナンス等の目的で透明板103を開放した場合に、突起部516bが外部に対して剥き出しの状態となって損傷しやすくなることを防ぐことができる。また、透明板514を透明部材で構成することで、第2大入賞口22に入球する遊技球の視認性が損なわれないようにできる。なお、変形例においては、ジグザグ状の流路を形成するための突起部または凹部をスライド板510に形成してもよい。
スライド板510の上に複数の突起部516a,516bを互い違いに設けることで、遊技球をジグザグに進行させて遊技球の勢いが減速傾向となるようにできる。例えば、第2大入賞口22に向けて遊技球が右打ちにより連続発射(約0.6秒間隔で1球発射)され、スライド板510の上を転動して第2大入賞口22の左側に落下するまでに2〜3秒の時間を要するように減速される場合、スライド板510の上に常時3〜5球程度の遊技球が存在することになる。その結果、スライド板510を短時間開放させる場合であっても、図27(b)に示すように、第2大入賞口22の内部に複数個の遊技球をまとめて誘導することができる。箱状部材512の内部に落入した遊技球は、1球ずつ通過口518を通過して入賞検出がなされる。
スライド板510の上に滞留する遊技球の個数及び滞留時間は、第2大入賞口22の長さや傾斜角、突起部516a,516bの数や間隔などを変えることにより調整可能である。本実施例では、図27(a)に示すように、右打ちの連続発射を継続させた場合に3個の遊技球がスライド板510の上に滞留するように設計され、スライド板510を開放状態に変位させたときに概ね3個の遊技球が箱状部材512の内部にまとめて入球するよう調整される。したがって、本実施例の第2大入賞口22によれば、小当り遊技中の適切なタイミング(右打ち報知後)に適切な発射操作(右打ち)をすれば、遊技球が第2大入賞口22にほぼ確実に入球するようにできる。なお、図27に示す第2大入賞口22の構成は一例にすぎず、図示する例とは異なる構造の第2大入賞口22が設けられてもよい。
図28は、第2大入賞口22の内部構成を概略的に示す図であり、特に第2大入賞口22の下部領域520の構成を示す。スライド板510は、第2大入賞口ソレノイド94の制御に応じて第2大入賞口22の入口を開閉する。第2大入賞口ソレノイド94は、スライド板510を開放状態に制御し、第2大入賞口22の入口を開くようにスライド板510を動作させることで、第2大入賞口22の内部に遊技球が流入可能な状態とする。第2大入賞口ソレノイド94は、スライド板510を閉鎖状態に制御し、第2大入賞口22の入口を塞ぐようにスライド板510を動作させることで、第2大入賞口22の内部に遊技球が流入不能な状態とする。第2大入賞口22に入球した遊技球は、一旦左方向へ流れて、1球ずつ通過可能な通過口518から第2大入賞口22の下部領域520へ流入する。第2大入賞検出装置27は、賞球を付与するため第2大入賞口22への遊技球の入球を検出し、具体的には通過口518を通過して下部領域520へ落入した遊技球を検出する。
第2大入賞口22の下部領域520には、排出経路528が設けられる。排出経路528は、第2大入賞口22へ入球した遊技球を第2大入賞口22の外部へ排出するための経路であり、典型的には、ぱちんこ遊技機500の外部へ排出するための経路である。また下部領域520には、通過口518から排出経路528に至る流路の途中に特定領域開閉装置522が設けられる。小当り発展大当りへの移行条件となる特定領域は、特定領域開閉装置522の下の領域に該当し、特定領域開閉装置522が開放される場合に通過可能となり、特定領域開閉装置522が閉鎖される場合には通過不能となる。
特定領域開閉装置522は、特定領域への通過を可能とする開状態と、特定領域への通過を不能とする閉状態とを切り替えるように動作する。特定領域開閉装置522は、特定領域開閉ソレノイド524の制御に応じて動作するスライド部材または弁部材を有する。特定領域開閉装置522は、特定領域への流路を開くように動作することで、特定領域への遊技球の通過が可能となる開状態となり、特定領域への流路を塞ぐように動作することで、特定領域への遊技球の通過を不能とする閉状態になる。特定領域通過検出装置526は、特定領域開閉装置522の下位置に設けられ、特定領域における遊技球の通過を検出する。特定領域通過検出装置526は、特定領域を遊技球が通過した場合にその通過を示す特定領域通過情報を生成する。
特定領域開閉装置522は、第2大入賞口の開放に伴い開状態へ移行し、第2大入賞口22が閉状態となったのち、内部の遊技球が特定領域開閉装置522の位置に流下すると見込まれる設計値分だけ待って大入賞口の閉状態移行から遅れて閉状態となるよう動作する。本実施例では、小当り時にほぼV入球が発生するように、第2大入賞口22の一回目の開状態への移行時から単位遊技終了時の第2大入賞口22の閉動作を行うタイミングまで、特定領域開閉装置522が開放されるよう制御される。
第2大入賞口22の外観は、特定領域の開放状況や特定領域への入球状況が遊技者から視認可能または視認容易となるよう構成される。例えば、特定領域の近傍に「V」等の目印を示す構造物が設置され、特定領域が設けられていることが外観上分かるように構成される。より具体的には、第2大入賞口22の前面であって、少なくとも特定領域の近傍(例えば、下部領域520)の前面は、透過性の高い部材または透明な部材で形成される。なお変形例においては、透過性の低い部材または透過性を有しない部材で下部領域520の前面を形成することにより、特定領域の開放状況や特定領域への入球状況が遊技者から視認不能または視認困難となるよう構成してもよい。
既述したように、実施例の第2大入賞口22は、小当り遊技中の右打ちにより、ほぼ100%特定領域へ入球(V入球)する構成となっている。この理由は、攻略対策として時短状態時に小当り図柄が停止した場合に時短が終了する仕様であるため、V入球せずに時短が終了するという事態を防止するためである。
図29は、ぱちんこ遊技機500の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機500は、上述の図3の機能ブロックと比較すると、大入賞口20の代わりに第1大入賞口21および第2大入賞口22を備え、メイン基板200によって制御される状態表示ランプ502を備える点で上述の機能ブロックと相違する。
ぱちんこ遊技機500のメイン基板200は、第1大入賞口21および第2大入賞口22と電気的に接続されている。第1大入賞口21は、第1大入賞検出装置26、第1大入賞口ソレノイド93を有する。第2大入賞口22は、第2大入賞検出装置27、第2大入賞口ソレノイド94、特定領域通過検出装置526、特定領域開閉ソレノイド524を有する。
ぱちんこ遊技機500のメイン基板200は、図4に示したブロック図と同様の機能構成を有する。入球判定手段201は、第1大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第1大入賞口21に入賞したと判断し、第2大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第2大入賞口22に入賞したと判断する。入球判定手段201は、特定領域通過情報を受け取ると遊技球が特定領域を通過したと判断する。
メイン表示制御手段250は、状態表示ランプ502の表示を制御する。メイン表示制御手段250は、遊技状態が時短状態である場合に状態表示ランプ502の第1のランプを点灯させ、遊技状態が通常状態である場合に状態表示ランプ502の第1のランプを消灯させる。また、メイン表示制御手段250は、右打ちをすべき遊技状態である場合、つまり、時短状態、小当り遊技状態または特別遊技状態にある場合に状態表示ランプ502の第2のランプを点灯させ、左打ちをすべき遊技状態である通常状態である場合に状態表示ランプ502の第2のランプを消灯させる。
開閉制御手段275は、第2始動口12の普通電動役物90や第1大入賞口21、第2大入賞口22、特定領域開閉装置522の開閉を制御する。開閉制御手段275は、小当り遊技において、第2大入賞口ソレノイド94に開放指示を送り第2大入賞口22を開放させ、特定領域通過検出装置526に開放指示を送り特定領域開閉装置522を開放させる。
図30は、実施例の当否判定テーブルを模式的に示す図である。上述の既存技術とは異なり、第1の抽選(第1特別図柄51)と第2の抽選(第2特別図柄52)のいずれにおいても大当り確率は同じであり、確率変動状態は設けられない。また、第1の抽選における小当り確率(約1/2850)よりも、第2の抽選における小当り確率(約1/11)の方が高く設定される。
図31は、実施例の事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。第1当否判定手段221は図31(a)のテーブルを参照して当否範囲を設定する。第2当否判定手段222は図31(b)のテーブルを参照して当否範囲を設定する。図31の(a)(b)における当否範囲「1」は大当りを示し、当否範囲「2」は外れを示し、当否範囲「3」は小当りを示す。
特別遊技制御手段260は、第1抽選手段211による第1当否抽選が特別遊技への移行を示す結果(すなわち大当り)となった場合、第1特別図柄51が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、第1大入賞口21を開放させることにより第1特別遊技を実行する。同様に、特別遊技制御手段260は、第2抽選手段212による第2当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、第1大入賞口21を開放させることにより第1特別遊技を実行する。また、特別遊技制御手段260は、小当り遊技の実行中に第2大入賞口22内の特定領域への入球が検出された場合は、特定領域への入球を条件とする小当り発展大当りを実行する。第2特別遊技における小当り発展後は、第1特別遊技と同様に第1大入賞口21を開放させる。
特定遊技制御手段270は、特別図柄が時短を伴う特定大当りの図柄であった場合に、特別遊技の終了後に遊技状態を時短状態(入球容易状態を含む)へ移行させる。小当り発展大当りの場合は、小当り図柄が特定小当りの図柄であった場合に、小当り遊技中にV入球することで小当り発展大当りが実行されたとき、特別遊技の終了後に時短状態へ移行させる。特定遊技制御手段270は、時短継続回数を、大当りを示す図柄態様または小当りを示す図柄態様に応じて、予め定められた複数種類の上限回数のうちいずれかに設定する。特定遊技制御手段270は、時短状態への移行時点からの第1特別図柄51と第2特別図柄52の変動回数が時短継続回数に達した場合、それまでの時短状態を終了させる。また、時短状態において大当りまたは小当りが発生した場合も、それまでの時短状態を終了させる。例えば、図柄変動が大当り図柄または小当り図柄で停止したことを契機にそれまでの時短状態を終了させる。
変形例として、一回の時短状態(入球容易状態を含む)において、小当りの実行回数(言い換えれば当否判定結果が小当りとなった回数、または、図柄変動が小当りを示す態様で停止した回数)が所定回数に達した場合に、時短フラグをオフにする仕様でもよい。また、特別遊技(大当りまたは小当り)の開始時(例えば開始デモ時)に、時短フラグをオフにする仕様でもよい。
時短状態において、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、第2特別図柄52の変動表示時間が概ね短くなるよう変動時間の短い変動パターンを選択する。ただし、第1特別図柄51の変動、または、保留球数が少ない状態の第2特別図柄52の変動においては、変動時間の長い変動パターンが出現しやすくなるよう設計される。例えば、保留球数が多い状態の第2特別図柄52の変動と比較して、変動時間のより長い変動パターンが出現しやすくなるよう設計される。時短状態においては、普通図柄の時短、普通図柄の確変、第2始動口12の拡開機構(「入球変動機構」として機能する)による開放延長が実施される。
時短状態となると、遊技者は第2始動口12を狙い右打ちを行う。そして小当りを発生させることにより第2大入賞口22を開放させ、小当り発展大当りへ昇格させる遊技を行うことになる。第2大入賞口22に入球すれば、ほぼ確実に特定領域への入球を期待できるため、時短に突入すると高確率で小当り発展大当りを獲得できる。その一方、時短状態でなければ(すなわち通常状態では)、第2始動口12を狙っても、普通電動役物の開放抽選の当選確率が低く、また拡開機構の開放延長も実施されない状態であるため、第2始動口12へは入球し難く、遊技者は第1始動口11を狙い左打ちを行うこととなる。そして第1特別図柄51で時短を伴う特定の大当り図柄(すなわち図柄大当り)ないし小当り図柄(すなわち小当り発展大当り)を引き当てる遊技を行うことになる。通常状態から入球容易状態へ移行させることは相対的に難しいが、いったん入球容易状態へと移行すれば、第2特別図柄52の抽選を受けられるため、第1特別図柄51を中心とした遊技よりも、小当り発展大当りにより大当りの獲得および入球容易状態が継続する可能性が高くなる。したがって、いったん入球容易状態へと移行すれば、入球容易状態を継続させることが通常状態時よりも容易となり、特定領域への入球機会も多く得ることができる、いわゆる「連チャン」の可能性が高まる。
小当り遊技制御手段265は、第1抽選手段211による第1の抽選が小当りを示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に第2大入賞口22を開放させることにより小当り遊技を実行する。同様に、小当り遊技制御手段265は、第2抽選手段212による第2の抽選が小当りを示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に第2大入賞口22を開放させることにより小当り遊技を実行する。
小当り遊技では単位遊技が1回実行され、1回の単位遊技において、小当り遊技制御手段265は、第2大入賞口22を複数回開放する。小当り遊技制御手段265は、第2大入賞口22の複数回の開放時間の合計が所定の基準時間(約1.8秒)以下となるように第2大入賞口22を開放させた後、第2大入賞口22を閉鎖して小当り遊技を終了させる。
図32は、実施例の小当り遊技の過程を示すフローチャートである。図柄変動が小当りを示す態様(小当り図柄)で停止すると、小当り遊技制御手段265または特定遊技制御手段270は、時短フラグをオフに設定することによりそれまでの時短状態を終了させる(S840)。小当り遊技制御手段265は、開放回数を初期値の1に設定し(S842)、予め定められた開放パターン(後述)にしたがって第2大入賞口22を開放させる(S844)。第2大入賞口22内部の特定領域へ遊技球が入球すると(S846のY)、条件装置が作動する(S848)。特定領域への入球がなければ(S846のN)、S848をスキップする。
開放パターンが定める第2大入賞口22の開放時間が未経過であり、かつ、第2大入賞口22への入球数が上限値未満であれば(S850のN)、S846に戻り、第2大入賞口22の開放を継続する。開放パターンが定める第2大入賞口22の開放時間が経過し、または、第2大入賞口22への入球数が上限値に達すると(S850のY)、小当り遊技制御手段265は、第2大入賞口22を閉鎖する(S852)。開放回数が開放パターンにより定められた設定回数(実施例では15回)に達していなければ(S854のN)、設定回数に1を加算し(S856)、S844に戻り、再度第2大入賞口22を開放させる。開放回数が設定回数に達していれば(S854のY)、小当り遊技を終了する(S858)。
小当り遊技制御手段265は、予め定められた間欠的な開放パターン(以下「小当り開放パターン」とも呼ぶ。)にしたがって、1回の小当り遊技中に第2大入賞口22を複数回開放させる。小当り開放パターンは、第2大入賞口22の複数回の開放の合計時間を上記基準時間以下に定めたものである。小当り開放パターンは、第2大入賞口22の先の開放と後の開放の間の閉鎖期間、言い換えれば、先の開放の終了から後の開放の開始までの閉鎖期間について、1回の小当り遊技における複数回の閉鎖期間のうち一部の閉鎖期間の長さを、他の閉鎖期間の長さより長く定めたものである。
図33は、小当り遊技のタイムチャートである。小当り遊技は、小当り図柄の停止に伴い開始される。本実施例の小当り遊技では第2大入賞口22が15回開放される。開放期間の長さはいずれの開放期間も同じく「0.120」秒である。ここでは、小当り遊技における第2大入賞口22の1回目の開放開始から10回目の開放終了までを第1期間と呼び、11回目の開放開始から15回目の開放終了までを第2期間と呼ぶ。実施例では、第1期間における閉鎖期間530の長さより第2期間における閉鎖期間532の長さの方が長く設定される。例えば、第1期間では、個々の閉鎖期間530の長さが「0.4秒」に設定され、第2期間では、個々の閉鎖期間532の長さが「2秒」に設定されてもよい。
演出決定手段303は、小当り遊技における閉鎖期間が相対的に短い場合の演出内容と、閉鎖期間が相対的に長い場合の演出内容とを異ならせる。実施例では、演出決定手段303は、小当り遊技における第1期間が終了するまでの演出(もしくは第2期間が開始される前までの演出、ここでは「前段演出」と呼ぶ。)と、小当り遊技における第1期間が終了後の演出(もしくは第2期間が開始された後の演出、ここでは「後段演出」と呼ぶ。)の内容を異ならせる。
具体的には、演出決定手段303は、前段演出として、第2大入賞口22への入球を促す(言い換えれば右打ちを促す)内容の音声出力やメッセージ表示を含む演出パターンを選択する。演出決定手段303は、後段演出として、遊技者の不利益を強調する内容であり、右打ちの必要性を一層強調する内容の音声出力やメッセージ表示を含む演出パターンを選択する。例えば、後段演出は、今第2大入賞口22へ入球しなければ時短が終了してしまう旨を報知し、右打ちをより一層促す内容であってもよい。なお、前段演出期間にて、遊技球を第2大入賞口22へ向けて発射させることを遊技者に理解させることが十分に報知できない場合には、小当り開始デモ期間(特別図柄の小当り図柄での停止後から第2大入賞口22の開放制御に移行するまでの期間)において右打ちを推奨する報知を実行するようにしてもよく、その際、小当り開始デモ期間から前段演出の実行期間にかけて同じ演出を連続して出力するように制御してもよい。
小当り遊技では大入賞口の開放時間の上限が制限されているところ、小当り遊技において大入賞口の一部の閉鎖時間を長くすることにより、小当り遊技全体の時間を長くすることができる。これにより、小当り遊技中に特定領域を遊技球が通過することの確実性を高めることができる。例えば、小当り遊技の開始後しばらくして遊技者が右打ちを始めた場合でも、第2大入賞口22(特定領域)へ入球させやすくなる。また、小当りを獲得したものの小当りVを得られずに、さらにそれまでの時短も終了してしまうという大きな不利益を遊技者が被る可能性を、警告メッセージの報知期間を長くすることにより低減できる。さらに、小当り遊技における大入賞口の閉鎖時間を延長するタイミングにあわせて、演出内容も遊技者の危機感を一層煽る内容へ切り替えることにより、遊技者に右打ちをさせる確実性を一層高めることができる。なお、小当り遊技期間中の複数回の開放期間においては、メイン基板200からサブ基板300に対し、状態を検知させるためのコマンドとして、小当り開始デモコマンド、大入賞口開放開始コマンドの2回のコマンドが送信され、サブ基板300において、タイミングを計りながら前段演出と後段演出のためのコマンドを演出決定手段303から演出表示制御手段305へ送信する。また、小当り中に特定領域に対し遊技球を通過させるか否かが遊技性に大きな影響を与えるため、サブ基板300は、メイン基板200から送信される電源断から復帰した旨のコマンドセット中に小当り状態である旨のコマンドが含まれている場合は、即座に後段演出と同等の報知か、少なくとも第2大入賞口22に対し遊技球を通過させなければ不利となる旨の報知を実施させるよう制御する。
図34は、実施例に係る特別図柄の種類を示し、特に当り図柄の種類を示している。同図の15R時短有図柄1〜6は、第2始動口12への入球を契機とした第2特別図柄52による図柄大当り時に、第2図柄決定手段227により選択されうる候補である。このうち15R時短有図柄4〜6は、第1大入賞口21の15回の開放のうち11回は実質的に入球が困難な短開放であり、実質的に4R時短有大当りの図柄となる。ここで、15R時短有図柄1〜6それぞれの選択確率は、5.6%、22.4%、28%、4.4%、17.6%、22%に設定されてもよい。この結果、時短継続回数の振り分けは、7回:14回:100回=50%:40%:10%となり、また、特別遊技のラウンド振り分けは、15R:4R=56%:44%となる。
図34の15R時短有図柄7と15R通常図柄1は、第1始動口11への入球を契機とした第1特別図柄51による図柄大当り時に、第1図柄決定手段226により選択されうる候補である。15R時短有図柄7は、第1大入賞口21の15回の開放のうち8回は短開放であり、実質的に7R時短有大当りの図柄となる。また、15R通常図柄1は、第1大入賞口21の15回の開放のうち4回は短開放であり、実質的に11R通常大当りの図柄となる。ここで、15R時短有図柄7と15R通常図柄1の選択確率は、55%、45%に設定されてもよい。この結果、特別遊技のラウンド振り分けは、7R:11R=55%:45%となる。
図34の16R小当り図柄1〜3は、第1始動口11への入球を契機とした第1特別図柄51による小当り時、および、第2始動口12への入球を契機とした第2特別図柄52による小当り時に、第1図柄決定手段226または第2図柄決定手段227により選択されうる候補である。16R小当り図柄1〜3の選択確率は、10%、40%、50%に設定されてもよい。同様に、5R小当り図柄1〜3の選択確率は、10%、40%、50%に設定されてもよい。この結果、時短継続回数の振り分けは、7回:14回:100回=50%:40%:10%となる。小当り発展大当りの場合、小当り遊技での第2大入賞口22の開放を1ラウンドと数えるため、実質的には15ラウンドの特別遊技、4ラウンドの特別遊技となる。実際には、図34で示した個数以上の特別図柄が候補として定められてよい。
図34では、各当り図柄に伴う特別遊技終了後の時短継続回数を、通常状態時の当りと時短状態時の当りのそれぞれについて示している。ここでの特別遊技は、系統が図柄揃いの場合、各大当り図柄による図柄大当りに伴う特別遊技であり、系統が小当りVの場合、各小当り図柄による小当り後の小当り発展大当りに伴う特別遊技である。以下、単に「大当り」という場合、図柄大当りを意味する。
図34の15R時短有図柄1〜6、16R小当り図柄1〜3、5R小当り図柄1〜3で示すように、特定遊技制御手段270は、遊技状態が通常状態と時短状態のいずれであっても、第2始動口12への入球に基づく第2特別図柄52による大当りまたは小当りが発生した場合に、特別遊技の終了後に時短状態へ移行させる。時短継続回数は、大当り図柄または小当り図柄に応じて、7回、14回、100回のいずれかが設定される。
また、特定遊技制御手段270は、遊技状態が通常状態であるときに第1始動口11への入球に基づく第1特別図柄51による大当りが発生した場合、大当り図柄に応じて、特別遊技の終了後に通常状態または時短状態へ移行させる。具体的には、大当り図柄が15R時短有り図柄7であれば時短状態(時短継続回数100回)へ移行させ、大当り図柄が15R通常図柄1であれば通常状態へ移行させる。
その一方、特定遊技制御手段270は、遊技状態が時短状態であるときに第1始動口11への入球に基づく第1特別図柄51による大当りが発生した場合、大当り図柄の態様(15R時短有り図柄7または15R通常図柄1)にかかわらず、特別遊技の終了後に時短状態へ移行させる。時短継続回数は、大当り図柄が15R時短有り図柄7と15R通常図柄1のいずれであっても、時短が付与される場合の最小回数である7回である。
実施例のぱちんこ遊技機500では、通常状態においては第1始動口11への入球を狙って第1特別図柄51による図柄大当りを獲得すること、時短状態においては第2始動口12への入球を狙って小当り発展大当りを獲得し、時短状態を継続していくことが遊技のメインルートである。時短状態における第1特別図柄51による図柄大当りは、遊技のメインルートではなく言わば事故当りであるが、この場合に必ず時短状態へ移行させることで開発者が意図しないところで時短が終了してしまうこと、また、連荘が終了してしまうことを回避できる。ただし、遊技のメインルートではないため、最低限の時短継続回数を付与することにより、救済措置としての位置づけを明確にできる。
また、特定遊技制御手段270は、第1始動口11への入球に基づく小当りが発生して所定の移行条件が満たされた場合と、第2始動口12への入球に基づく小当りが発生して所定の移行条件が満たされた場合のいずれにおいても、時短状態における図柄変動の上限回数として、小当りを示す図柄の停止態様に応じて、同じ複数種類の上限回数の中からいずれかを選択する。
具体的には、特定遊技制御手段270は、第1始動口11への入球に基づく小当りが発生し、第2大入賞口22内部の特定領域を遊技球が通過した場合(すなわち小当り発展大当りが成立した場合)、小当り図柄(図31の16R小当り図柄1〜3、5R小当り図柄1〜3)にしたがって、時短継続回数を7回、14回、100回のいずれかを選択する。また、第2始動口12への入球に基づく小当りが発生し、小当り発展大当りが成立した場合も同様に、特定遊技制御手段270は、小当り図柄(図31の16R小当り図柄1〜3、5R小当り図柄1〜3)にしたがって、時短継続回数を7回、14回、100回のいずれかを選択する。
このように、実施例のぱちんこ遊技機500では、第1特別図柄51の大当り図柄は、遊技状態が通常状態か時短状態かに応じて、同じ図柄種類であっても時短継続回数が変化する。その一方、第1特別図柄51の小当り図柄、および、第2特別図柄52の大当り図柄と小当り図柄はいずれも、遊技状態に依存して時短回数が変化することはない。
既述したように、実施例のぱちんこ遊技機500では、時短状態においては第2特別図柄52による小当り発展大当りを獲得し、時短状態を継続していくことが遊技のメインルートである。時短状態において第1特別図柄51による小当り発展大当りを獲得することは遊技のメインルートではないが、遊技機として見た場合(言い換えれば遊技者から見た場合)、第1特別図柄51と第2特別図柄52のいずれで小当り発展大当りとなっても差はない。したがって、第1特別図柄51と第2特別図柄52のいずれによる小当り発展大当りであっても、同じ複数種類の候補の中から時短継続回数を設定することで、遊技者に違和感を抱かせてしまうことを回避できる。
第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、特別遊技終了後の一定期間(所定回数の図柄変動が終了するまでの間であり、以下「限定期間」とも呼ぶ。)に、通常とは異なる特殊な変動パターンテーブル(以下「限定テーブル」とも呼ぶ。)を参照して、第1特別図柄51または第2特別図柄52の変動パターンを決定する。限定テーブルは、限定期間以外で選択される変動パターンとは異なる変動パターンを選択候補として定めたものであってもよく、複数の変動パターンの選択確率を限定期間以外とは異なる値に定めたテーブルであってもよい。また、限定期間は典型的には時短中であるため、限定テーブルは、通常状態時に選択されうる変動パターンよりも相対的に変動時間が短い変動パターンを高確率で選択するよう定めたものであってもよい。
図35は、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232により参照される規則であり、限定テーブルの参照規則(以下「限定テーブル参照規則」とも呼ぶ。)を示す。限定テーブル参照規則は、大当り図柄または小当り図柄と、大当り時または小当り時の遊技状態との組み合わせごとに、複数種類の限定テーブルの参照の順序(例えば「av☆86→通常」)を定めたものである。
図36は、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232により参照される規則であり、限定テーブルの参照規則の詳細(以下「参照規則詳細」とも呼ぶ。)を示す。図33に示すように、実施例における変動パターンテーブルは、「通常」テーブルと、4つの限定テーブル(×、○、□、☆)を含む。
例えば、図35で規定された「av☆86→通常」は、図36の1番目のレコードに定義されている。すなわち「av☆86」は、(1)「a」で規定されるように、限定期間における1回目から7回目の各図柄変動(特別遊技終了後7回目までの各図柄変動)では「×××○×○□」の順に限定テーブルを参照すること、(2)「v」で規定されるように、限定期間における8回目から14回目の各図柄変動では「×××××○□」の順に限定テーブルを参照すること、(3)15回目から86回の各図柄変動、すなわち時短の残り86回の図柄変動では限定テーブル「☆」を参照すること、(4)以降、限定テーブルの参照を終了して通常の変動パターンテーブルの参照に戻ること、を定めたものである。
図36の限定テーブル「□」は、時短中の節目となる変動パターン(以下「節目変動パターン」とも呼ぶ。)を定めたものである。節目変動パターンは、次回以降の図柄変動においても時短が継続するか否かを示唆または報知する内容の演出(以下「時短継続演出」とも呼ぶ。)に対応付けられる。図36の参照規則詳細では、限定テーブル「□」は、時短移行後7回目の図柄変動および14回目の図柄変動で参照するように定められている。
演出決定手段303が保持するパターンテーブルおよび予告種類テーブルでは、節目変動パターンに対応付けて、時短継続演出用の変動演出パターンおよび予告演出パターンが対応付けられる。演出決定手段303は、時短中に第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により節目変動パターンが選択された場合、時短継続演出用の変動演出パターンおよび予告演出パターンを選択する。すなわち、時短中の7回目の図柄変動と14回目の図柄変動において時短継続演出を表示させる。時短継続演出は、図柄変動回数が7回(または14回)に到達以降も時短状態が継続するか否かを煽る内容の演出である。例えば、バトル演出(味方キャラが勝てば継続を報知)でもよく、ボタン演出(ボタンの連打により所定の目標が達成されれば継続を報知)でもよい。
図34を参照すると、特定遊技制御手段270は、第2始動口12への入球に基づく大当りが発生して所定の移行条件が満たされた場合(15R時短有り図柄1〜6)、または、第2始動口12への入球に基づく小当りが発生して所定の移行条件が満たされた場合に(16R小当り図柄1〜3、5R小当り図柄1〜3)、特別遊技終了後の時短継続回数として、大当り図柄または小当り図柄に応じて、第1の回数と、その第1の回数よりも大きい第2の回数とを含む複数の候補の中からいずれかを選択する。実施例では7回、14回、100回の中からいずれかを選択する。このようにして、当りとなった図柄に基づいて時短回数を異ならせることによって、特定遊技状態の継続のし易さを異ならせることで、特定遊技状態の遊技性が当り毎に変更される仕様となり、遊技の興趣性を向上させることができる。
図35を参照すると、本実施例のぱちんこ遊技機500では、第2特別図柄52による図柄大当りまたは小当り発展大当り後の時短状態における限定テーブルは、「av☆86→通常」(時短継続回数100回の場合)、「av→通常」(時短継続回数14回の場合)、「a→通常」(時短継続回数7回の場合)にしたがって切り替えられる。図36を参照すると、時短中、時短継続の節目となる7回目の図柄変動時、および、14回目の図柄変動時に(時短継続回数が14回または100回の場合)、節目変動パターンが選択されて時短継続演出が表示される。
図34を参照すると、特定遊技制御手段270は、通常遊技中の第1始動口11への入球に基づく大当り(図柄大当り)であり、特別遊技終了後に時短状態への移行を伴う大当りが発生した場合(15R時短有図柄7)、特別遊技終了後の時短継続回数として、上記第1の回数よりも大きい第3の回数(実施例では100回)を選択する。変形例として、時短継続回数の最小値(7回)よりも大きい値であれば、100回以外の回数を選択するように構成されてもよい。
図35を参照すると、本実施例のぱちんこ遊技機500では、第1特別図柄51による図柄大当り後の時短状態における限定テーブルは、第2特別図柄52による図柄大当りまたは小当り発展大当り後と同様に「av☆86→通常」にしたがって切り替えられる。図36を参照すると、時短中、時短継続の節目となる7回目の図柄変動時、および、14回目の図柄変動時に、節目変動パターンが選択され、時短継続演出が表示される。なお、図35においては、「a」を大当り直後に選択するような記載となっているが、図36に示すように大当り後1変動目から7変動目に関して「a」、「b」、「c」、「d」、「e」、「f」の何れかから選択されるような実施パターンとする方が、演出の発生タイミングが固定化されることなく、特定遊技中の演出発生パターンが単調化することがなくなるため好ましい。
通常状態中の第1始動口11への入球に基づく図柄大当り(典型的には初当り)では、時短継続回数が所定の最小回数(例えば7回)よりも多い回数(実施例では100回固定)付与されるが、時短中の演出として、第2始動口12への入球に基づく大当りまたは小当り時と同様に、時短継続演出を表示させる。これにより、ぱちんこ遊技機500の内部では時短継続回数が最高の100回に決まっていても、外観上、時短が最小回数で終了することがある印象を遊技者に抱かせ、初当りにおいて遊技者の期待感と不安感を交錯させつつ最終的には遊技者の期待感を満足させる遊技性を実現できる。
以上、本発明を第1実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下変形例を挙げる。
第1変形例を説明する。小当り開放パターンは、小当り遊技中の第2大入賞口22の1回の開放開始から当該1回の開放終了までの開放期間について、1回の小当り遊技における複数回の開放期間のうち一部の開放期間の長さを、他の開放期間の長さより長く定めたものでもよい。具体的には、小当り開放パターンは、図30の小当り遊技における第1期間における閉鎖期間と第2期間における閉鎖期間の長さを同じに定める一方、第1期間における開放期間の長さより第2期間における開放期間の長さを長く定めたものでもよい。例えば、第1期間では、個々の開放期間の長さを「0.04秒」に設定し、第2期間では、個々の開放期間の長さを「0.1秒」に設定してもよい。
この変形例では、小当り遊技における開放期間が相対的に短い場合の演出内容と、開放期間が相対的に長い場合の演出内容とを異ならせてもよい。例えば、演出決定手段303は、小当り遊技における第1期間が終了するまでの前段演出と、小当り遊技における第1期間が終了後の後段演出の内容を異ならせてもよい。前段演出と後段演出の具体的な内容は実施例と同じでよい。
第2変形例を説明する。図32で示した限定テーブル参照規則の変形態様として、通常状態中の第1特別図柄51(15R時短当り図柄7)による図柄大当りが発生した場合の限定テーブル参照規則を「☆100→通常」に定めてもよい。すなわち、時短の開始から終了までの100回の図柄変動に亘って、時短継続回数100回確定用の変動パターンを定めた限定テーブル「☆」を参照してもよい。本遊技機に慣れた遊技者は、初当り時は時短継続回数100回確定であることを認識する場合がある。そこで、時短継続演出の表示を抑制することで、本遊技機に慣れた遊技者に煩わしさを感じさせてしまうことを回避できる。
第3変形例を説明する。図柄大当りと小当り発展大当りの両方で共通の演出を出力することで、どちらの大当りかを遊技者が把握することを困難にしてもよい。例えば、演出決定手段303は、大当り図柄停止時に表示させる大当り報知演出と、小当り発展大当り成立時に表示させる大当り報知演出について、外観が同一または類似する演出パターンを選択してもよく、言い換えれば、一見して区別することが困難な外観を定めた演出パターンを選択してもよい。
また、この変形例では、図柄大当りと小当り発展大当りにおいて第1大入賞口21と第2大入賞口22の開放パターンを同一にすることが望ましい。例えば、図柄大当り(16R)時と小当り時の両方で最初の1ラウンドは第2大入賞口22を開放し(小当りの場合はこのタイミングで特定領域に入球させ)、残りの15ラウンドは第1大入賞口21を開放してもよい。また、第1大入賞口21と第2大入賞口22は近傍に(例えば上下に隣接して)設置され、第1大入賞口21と第2大入賞口22の近傍の照明装置(LED等)の輝度が低いことが望ましい。すなわち、第1大入賞口21と第2大入賞口22の周辺を薄暗くして、どちらへの入球かを判別困難にすることが望ましい。さらにまた、第1大入賞口21と第2大入賞口22の外観(形状や模様、色彩等)を同一または類似したものとすることが望ましい。
第4変形例を説明する。上記実施例では言及していないが、図柄大当りまたは小当り発展大当り後の時短継続回数が100回の場合に、その時短継続回数を明示的に報知する内容を含む時短継続回数報知演出をさらに実行してもよい。例えば、演出決定手段303は、特別遊技中の演出または時短中の変動中における演出として、時短継続回数報知演出の内容を定める演出パターン(例えば変動演出パターン、予告演出パターン、特別遊技演出パターン)を選択してもよい。
第5変形例を説明する。演出決定手段303は、時短中に、通常状態中の演出とは異なる外観の特殊演出を表示させてもよい。既述したように、時短中は、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動パターンとして、限定テーブルに基づく変動パターンが選択され、演出決定手段303は、限定テーブルに基づく変動パターンに予め対応付けられた特殊演出を定めた演出パターン(変動演出パターン、予告演出パターン)を選択する。
時短1セット目(図柄変動7回まで)における引き戻し率(時短中に再度小当りが発生して小当り発展大当りを経て次の時短に繋がる確率、「時短継続率」とも言える)は約50%である。また、時短2セット目(図柄変動14回まで)における引き戻し率は約74%(時短1セット目との合計)である。また、時短3セット目(図柄変動100回まで)における引き戻し率は約99.9%(時短1、2セット目との合計)である。時短継続回数が長くなるほど、時短継続率は増加する。
特殊演出には、複数種類の演出モードとして、バトルモード、ストーリーモード、ゲームモードが設けられ、遊技者はボタン操作により演出モードを選択可能であってもよい。演出決定手段303は、時短中の図柄変動時の演出として、遊技者により選択された演出モード用に予め定められた複数の変動演出パターンおよび予告演出パターンの中から、当否判定結果、図柄判定結果、パターン判定結果等に応じていずれかを選択してもよい。バトルモードは、味方キャラと敵キャラのバトル演出を表示し、大当りまたは小当りが発生する場合に味方キャラが勝利する内容を表示するモードであってもよい。また、バトルモードは、大当りまたは小当りの期待度に応じて、リーチ後(またはスーパーリーチ発展後)の演出内容が定められた演出パターンを含むものであってよい。
ゲームモードは、ボタン遊技特化型の演出であり、特にリーチ後の演出内容が重視される(例えば大当り、小当りの期待度を左右する)モードであってもよい。ゲームモードでは、様々なボタン演出を表示させてもよい。例えば、遊技者にボタンを連打させる演出、ボタンを長押しさせる演出、一撃として1つのボタンを押下させる演出、複数のボタンの中から特定のボタンを選択して押下させる演出、特定のタイミングでボタンを押下させる演出を含んでもよい。またゲームモードでは、演出中の様々なタイミングでボタンを使用したミニゲームを表示させてもよく、ボタン操作結果に応じた演出の態様で当りか否かを報知してもよい。
ストーリーモードは、演出鑑賞特化型で、激熱予告重視型のモードであってもよい。ストーリーモードでは、図柄変動中にストーリーリーチ(例えばストーリーの分岐点でどのようにストーリーが進行するかを煽る内容のリーチ演出)を表示させ、大当り中(例えば15R特別遊技中)の特別遊技演出として、ストーリーリーチ後の続きを表示させてもよい。また、ストーリーモードは、大当りまたは小当りが発生する場合に、特定のストーリーが最後まで表示される内容を表示するモードであってもよい。また、ストーリーモードは、大当りまたは小当りの期待度に応じて、リーチ前(またはスーパーリーチ発展前)の演出内容が定められた演出パターンを含むものであってもよい。
第6変形例を説明する。上記実施例のぱちんこ遊技機500は、大入賞口を2つ(第1大入賞口21、第2大入賞口22)備えたが、変形例として、上述の既存技術のように1つの大入賞口20のみ備える構成であってもよい。この場合、大入賞口20は、図28に示したように、その内部に特定領域と特定領域開閉装置522を備える構成であってもよい。
(第2実施例)
第2実施例では、第1実施例のぱちんこ遊技機において好適な演出を実現する技術を提案する。
まず、第2実施例の概要を説明する。第2実施例のぱちんこ遊技機500では、図柄大当りまたは小当り発展大当り時に、存在する当否予告演出情報(すなわち当否乱数に基づく先読み判定値情報)と、大当り図柄または小当り図柄とを参照して、(1)保留内に別の大当りまたは小当りが存在すること、(2)大当り後に付与される時短の継続回数が、最低回数(実施例では7回)より大きいこと、のいずれかの条件を満たしているかを確認する。そして、(1)と(2)の少なくともいずれかが満たされた場合、何らかの利益が付与されることを示唆する演出であるが、具体的にどのような利益が付与されるかは明示しない利益示唆演出を表示させる。
また、第2実施例のぱちんこ遊技機500は、利益示唆演出後に、(1)図柄変動の当落分岐で当りとなること、(2)最大ラウンド数(第2実施例では15ラウンド)の特別遊技を獲得すること、(3)時短継続演出において時短が継続すること(第2実施例では図柄変動回数8回目以降も時短が継続すること)、の少なくともいずれかの条件が満たされる場合に、利益示唆演出に対応する外観の演出であり、特定の利益が付与されることを明示する利益報知演出を表示させる。このように、利益報知演出の実行条件の個数は、利益示唆演出の実行条件の個数よりも多い。
さらにまた、第2実施例のぱちんこ遊技機500は、利益示唆演出実行後の時短状態において図柄大当りまたは小当りとなった場合に、先に満たされた利益示唆演出の実行条件(利益態様)とは異なる利益を報知する利益報知演出を表示させるか否かを抽選により決定する。さらにまた、第2実施例のぱちんこ遊技機500では、メイン基板200からサブ基板300へ通知される事前判定情報から事前図柄判定情報が除外されるが、その制約の下、将来付与される利益を判定し、利益示唆演出等を実行する。
以下、第2実施例のぱちんこ遊技機500の詳細を説明する。
演出決定手段303は、メイン基板200から新たな保留についての事前判定結果が通知された場合に、当該新たな保留についての事前判定結果に応じて、当該新たな保留に係る変動開始条件を満たすまでに、当該新たな保留に対する事前演出の表示可否および表示内容を決定する。第2実施例の演出決定手段303により参照される事前判定結果は、当否判定に関する情報を含むが、特別図柄の停止態様に関する情報が除外されている。
具体的には、メイン基板200からサブ基板300(演出決定手段303)へ送信される事前判定情報は、遊技状態が通常状態か時短状態かにかかわらず、(1)当否乱数に関する先読み情報(大当り、小当り、外れ等を示す事前当否判定結果)、(2)変動パターン乱数に関する先読み情報(リーチなし、ノーマルリーチ、スーパーリーチ等を示す事前パターン判定結果)を含む。また、メイン基板200からサブ基板300へ、保留制御手段240に保留された抽選値の個数(第1特別図柄51および第2特別図柄52の保留個数)を示す保留球数情報も送信される。さらにまた、メイン基板200からサブ基板300へ、現在の遊技状態(通常状態か時短状態か)を示す遊技状態情報も送信される。
ただし、図柄乱数に係る先読み情報(大当り図柄、小当り図柄を示す情報であり、特別遊技のラウンド数、時短回数を事前に識別可能な事前図柄判定情報)は、メイン基板200からサブ基板300へ送信されない。言い換えれば、特別図柄の停止態様に関する情報は、図柄変動開始時に当該変動分の図柄判定情報が送信されるだけである。メイン基板200の第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、事前図柄判定処理を抑制してもよい。第2実施例の演出決定手段303は、事前当否判定情報、事前パターン判定結果、保留球数情報を参照して、事前演出の表示可否および表示内容を決定する。
このように、第2実施例のぱちんこ遊技機500は、事前演出(いわゆる先読み演出)の内容に事前図柄判定結果を反映させない。これにより、事前演出を見た遊技者が小当り図柄を察知し、小当り発展大当り後に時短が付与されない(または少ない)小当り図柄や、大当り中に獲得できる出玉の少ない小当り図柄であればV入賞をあえて回避して次の小当りを狙う、といった攻略の成立を防止できる。変形例として、メイン基板200からサブ基板300へ送信される事前判定情報には事前図柄判定情報が含まれてもよく、ただし演出決定手段303は、事前図柄判定情報を排除して(参照することなく)、事前演出の表示可否および表示内容を決定してもよい。
第2実施例の演出決定手段303は、事前演出として利益示唆演出(後述のアイテムストック演出)を表示させる。演出決定手段303は、次の大当りまたは小当りが発生する可能性が相対的に高い利益状態について、時短状態における図柄変動の上限回数が所定値より大きい場合に第1利益状態と判定する。また、大当り遊技ないし小当り遊技開始時において存在する第2特別図柄52に対応する保留内に大当りまたは小当りを示す抽選値が保留されている場合に第2利益状態と判定する。演出決定手段303は、第1利益状態と第2利益状態の少なくともいずれかの場合に、利益状態であることを示唆する演出であって、第1利益状態と第2利益状態のいずれであるかを明示しない利益示唆演出を表示させるか否かを抽選に基づいて決定する。
具体的には、演出決定手段303は、図34に示した大当り図柄または小当り図柄と、時短継続回数との対応関係を保持する。演出決定手段303は、図柄大当りまたは小当り発展大当り後の特別遊技開始時に、大当り図柄または小当り図柄の情報を参照して特別遊技終了後の時短継続回数を識別し、その時短継続回数が最小値である7回より大きい場合(すなわち14回または100回である場合)、第1利益状態と判定する。第1利益状態は、特別遊技終了後の時短状態における引き戻し率(さらに次の特別遊技を獲得する時短継続率)が比較的高い状態と言える。
また、演出決定手段303は、図柄大当りまたは小当り発展大当り後の特別遊技開始時に、保留球に関する事前当否判定結果を参照して、保留された抽選値の中に大当りまたは小当りを示す抽選値が存在する場合、第2利益状態と判定する。第2利益状態は、保留内連荘が確定した状態と言え、すなわち保留球数内で次の大当りまたは小当りの発生が予定された状態と言える。
演出決定手段303は、第1利益状態と第2利益状態の少なくともいずれかに該当する場合であり、かつ、演出用の抽選が所定の結果になった場合に、利益示唆演出としてアイテムストック演出を表示させる。図37は、アイテムストック演出を模式的に示す。アイテムストック演出は、武器等のアイテム540がストックされたことを示す内容を表示する。アイテムストック演出は、アイテム540をストック状態とすることで、利益状態であること、例えば将来の利益付与が予定されていることを示唆する内容であるが、具体的な利益状態の種類、例えばどのような利益が付与予定かを明示しない演出である。
演出決定手段303は、特別遊技中の所定のラウンドの演出として、所定確率にてアイテムストック演出の演出パターンを選択し、演出表示制御手段305は、その演出パターンにしたがってアイテムストック演出を演出表示装置60に表示させる。演出表示制御手段305は、アイテムストック演出でストックされたアイテム540の種類(外観)を示す情報(アイコン等)を演出表示装置60の所定領域に継続して表示させてもよい。第2実施例のぱちんこ遊技機500でストックされるアイテム数の上限は1個である。ストックされるアイテムを1個とする理由は、今回の特別遊技後の特定遊技状態における第1利益ないし第2利益の最低保証はできるが、次回の特別遊技後の特定遊技状態においては、次回の特別遊技を実行することとなった特別図柄の種類や、次回の特別遊技の際に存在する第2図柄に対する保留に当り保留があるか否かは今回の特別遊技のタイミングで判定することが困難であるためである。
第2実施例の態様によると、1つの利益示唆演出(すなわちアイテムストック演出)により次の大当りまたは小当りが発生する可能性が相対的に高い利益状態であることを示唆しつつ、具体的な利益状態の種類を明示しないことで、1つの利益示唆演出により複数の利益状態の可能性を遊技者へ示唆できる。単純に1種類の利益の有無を1つの演出で示唆する場合と異なり、利益示唆演出を見た遊技者の期待感を持続させやすくなり、また、遊技の単調化を防止しやすくなる。
演出決定手段303は、時短状態において次の特別遊技が発生する可能性が相対的に高い利益状態について、所定のM種類(Mは2以上の整数)の利益状態の少なくともいずれかの場合に、利益状態であることを示唆する演出であって、利益状態の種類を明示しない演出である利益示唆演出を表示させる決定をしうる。また、演出決定手段303は、利益示唆演出の表示後、所定のN種類(NはMより大きい整数)の利益のうちいずれかが付与される場合に、利益が付与されたことを報知する演出である利益報知演出を表示させる決定をしうる。
具体的には、第2実施例の演出決定手段303は、特別遊技の開始時に、上述の第1利益状態(以下「ストック条件1」とも呼ぶ。)か、第2利益状態(以下「ストック条件2」とも呼ぶ。)の少なくともいずれかに該当する場合に、アイテムストック演出の実行条件が満たされたと判定する。すなわち、第2実施例における上記Mは「2」である。
また、演出決定手段303は、(1)時短中の図柄変動で実行された本判定としての当否判定の結果が大当りまたは小当りである場合、(2)時短中の図柄変動で実行された本判定としての図柄判定の結果が、所定数以上のラウンド数を含む特別遊技の契機となる大当り図柄(15R大当り図柄)または小当り図柄(16R小当り図柄)である場合、(3)図柄変動7回目の時短継続演出で継続成功を表示する場合、利益報知演出の実行条件が満たされたと判定する。すなわち、第2実施例における上記Nは「3」である。これらの条件が満たされたとき、演出表示装置60に表示していたアイコン(ストックしたアイテム画像)に対応した演出である「アイテム開放演出」を実行する。以下、上記(1)を開放条件1、上記(2)を開放条件2、上記(3)を開放条件3とも呼ぶ。
基本的には、開放条件1はストック条件2に対応し、開放条件3はストック条件1に対応しており、アイテムストック演出を実行した特別遊技後の特定遊技においてアイテム開放演出が実行される。開放条件2は、第2実施例では、本判定としての図柄判定の結果が、最大のラウンド数を含む特別遊技の契機となる大当り図柄または小当り図柄の場合に満たされる。例えば、図34の15R時短有図柄1〜3、16R小当り図柄1〜3の場合に満たされる。
演出決定手段303は、3つの開放条件のうち少なくともいずれかが満たされ、かつ、演出用の抽選が所定の結果になった場合に、利益報知演出としてのアイテム開放演出の表示を決定する。演出決定手段303は、アイテム開放演出を表示すべき所定のタイミングで、アイテム開放演出の演出パターン(例えば変動演出パターン、予告演出パターン、特別遊技演出パターン)を選択する。演出表示制御手段305は、アイテム開放演出の演出パターンにしたがってアイテム開放演出を演出表示装置60に表示させる。アイテム開放演出は、アイテムストック演出における絵柄と対になる絵柄を表示する演出であり、また、アイテムストック演出における絵柄の表示に係る利益が付与されたことを報知する演出である。
図38は、アイテム開放演出を模式的に示す。アイテム開放演出は、アイテムストック演出にてストックされた武器等のアイテム540が使用されたことを示す内容を表示する。アイテム開放演出は、特定の利益が付与されるタイミングで表示され、その特定の利益が付与されることを確定的に報知する演出である。演出決定手段303は、アイテムストック演出でストックしたアイテム540の種類を保持しておき、その種類のアイテム540(すなわち同じ外観・絵柄のアイテム540)をアイテム開放演出で表示させる。演出表示制御手段305は、アイテム開放演出を表示させた場合、それまで演出表示装置60の所定領域に表示させたストック済アイテムの情報(アイコン等)を消去する。
演出決定手段303は、開放条件1が満たされた場合、大当りまたは小当りの発生直前に(当り変動の実行中に)、所定確率でアイテム開放演出を表示させてもよい。また、開放条件2が満たされた場合、特別遊技中の所定ラウンド、例えば小当り発展大当りの場合の4Rと15Rの分岐としての4R目や、小当り遊技中にて第2大入賞口22を狙わせる演出の実行中に、所定確率でアイテム開放演出を表示させてもよい。また、開放条件3が満たされた場合、時短中の7回目の図柄変動における時短継続演出の表示中であり、時短継続演出にて時短継続を確定的に報知する直前に、所定確率でアイテム開放演出を表示させてもよい。
第2実施例のぱちんこ遊技機500によると、複数のストック条件(OR条件)の個数<複数の開放条件(OR条件)の個数とすることで、アイテムストック演出の実行条件を遊技者にとってわかりにくいものにできる。言い換えれば、アイテムストック演出が表示された場合にストック条件と同数の開放条件対応演出を実行するのみでは、ストック条件が何であるのか推測容易となってしまい、ストック演出に対する興味が遊技を行うにつれて薄れてしまう。ところが、本実施例のように、ストック条件よりも開放条件の数が多くなることにより、ストック条件を推測することが難しくなり、将来付与が予定されている利益の種類を遊技者が判別することを困難にできる。これにより、遊技の単調化を回避し、アイテムストック演出により遊技者が抱いた期待感を維持させやすくなる。
また、時短中には7回目と14回目の図柄変動で時短継続演出が実行されるが、第2実施例では7回目の図柄変動においてアイテム開放演出を実行する。アイテムストック演出にてアイテムがストックされた状態で8回目の図柄変動まで進むと、14回目の図柄変動でアイテム開放演出が実行されて時短継続回数100回が確定することを遊技者に予期されてしまい14回目の図柄変動時の時短継続演出への関心が薄れてしまう。そこで7回目の図柄変動時(もしくは1〜6回目の図柄変動時)にアイテム開放演出を表示させることで、14回目の図柄変動時の時短継続演出に対する遊技者の関心を喚起し易くなる。
ここで、継続回数14回の時短が付与される図柄大当りまたは小当り発展大当りが発生し、特別遊技中のラウンド演出としてアイテムストック演出を表示させたとする。特別遊技終了後の時短における7変動目までに大当りまたは小当りとなった場合、今回の時短中に、アイテムストック演出について充足されたストック条件(時短継続回数が7回より多いこと)は今回の時短中には充足されず、また、7変動目の時短継続演出でアイテム開放演出を表示させることはできない。さらに、次回の時短では時短継続回数が7回となり、その間新たな特別遊技を獲得できない可能性もある。このような状況において、アイテムがストックされながら恩恵(例えば時短継続回数14回以上)が付与されなければ遊技者に違和感を抱かせてしまう。
そこで、第2実施例の演出決定手段303は、利益示唆演出(実施例ではアイテムストック演出)表示後の時短状態において当否判定結果が特別遊技の発生を示す場合に、その特別遊技の発生を示す図柄態様に応じて、利益報知演出(実施例ではアイテム開放演出)を特別遊技の終了までに実行させるよう演出タイミングおよび演出内容を決定しうるよう構成される。演出決定手段303は、時短中の大当りまたは小当りの変動において、変動開始時にアイテム開放演出の調整処理を実行する。
演出決定手段303によるアイテム開放演出の調整処理を説明する。
まず、特別遊技開始時点でストック条件1(時短継続回数14回以上)が満たされ、特別遊技のラウンド演出においてアイテムストック演出を表示した。そして、特別遊技終了後の時短中の7変動以内に大当りまたは小当りの変動(以下「今回の当り」とも呼ぶ。)が発生したこととする。以下、今回の当りの種類に応じた調整処理を説明する。
(1)今回の当りが15R大当りまたは16R(実質15R)小当りであれば、特別遊技中の特定のラウンドの演出として、特別遊技中の大量出玉獲得を報知するためのアイテム開放演出を表示させることを決定する。ここでのアイテム開放演出は、特別遊技において提供されうる複数種類のラウンド数のうち、最大のラウンド数である15Rが提供されることを報知する演出(以下「15R昇格演出」とも呼ぶ。)である。ここでは演出決定手段303は、開放条件2が満たされたとしてアイテム開放演出(15R昇格演出)を表示させる。
(2)今回の当りが図柄変動回数14回以上の時短が付与される大当りまたは小当りであれば、予め定められた第1の確率(例えば50%)にて、今回の変動中に、特別遊技を獲得することとなることに対応するアイテム開放演出を表示させることを決定する。この場合、アイテム開放演出を表示させることで、アイテムがストックされたままの状態になることを防止する。また、予め定められた第2の確率(例えば50%)にて、アイテム開放演出を不実行とし、今回の当り後の次回以降の時短においてアイテム開放演出を表示させることを決定する。すなわち、時短の7変動目までに特別遊技を獲得できない場合において開放条件3が次の時短時に満たされるため、アイテム開放演出の実行を繰り延べる。
(3)今回の当り時にさらに別の大当りまたは小当りが保留されていることが事前当否判定結果により判別される場合、予め定められた第1の確率(例えば50%)にて、今回の変動中にアイテム開放演出を表示させる。この場合、アイテム開放演出を表示させることで、アイテムがストックされたままの状態になることを防止する。また、予め定められた第2の確率(例えば50%)にて、アイテム開放演出を不実行とし、今回の当り後の次回以降の時短においてアイテム開放演出を表示させることを決定する。すなわち、開放条件1が次の時短時に満たされるため、アイテム開放演出の実行を繰り延べる。
(4)上述の(1)、(2)、(3)の何れにも該当せず、かつ、今回の当りが図柄変動回数7回の時短が付与される大当りまたは小当りであれば、今回の図柄変動における当落分岐表示時に(さらに言えば大当りまたは小当りが確定的に報知される前に)、アイテム開放演出を実行する。この場合、アイテム開放演出を表示させることで、アイテムがストックされたままの状態になることを防止する。
次に、特別遊技開始時点でストック条件2(保留内連荘)が満たされ、特別遊技のラウンド演出においてアイテムストック演出を表示した。そして、特別遊技終了後の時短中に大当りまたは小当りの変動(以下「今回の当り」とも呼ぶ。)が発生したこととする。以下、今回の当りの種類に応じた調整処理を説明する。
(1)今回の当りが15R大当りまたは16R(実質15R)小当りであれば、特別遊技中の特定のラウンドに15Rを報知する演出(15R昇格演出)としてアイテム開放演出を表示させることを決定する。すなわち、開放条件2が満たされたとしてアイテム開放演出を表示させる。
(2)今回の当りが図柄変動回数14回以上の時短が付与される大当りまたは小当りであれば、予め定められた第1の確率(例えば50%)にて、今回の変動中にアイテム開放演出を表示させることを決定する。この場合、アイテム開放演出を表示させることで、アイテムがストックされたままの状態になることを防止する。また、予め定められた第2の確率(例えば50%)にて、アイテム開放演出を不実行とし、今回の当り後の次回以降の時短においてアイテム開放演出を表示させることを決定する。すなわち、時短の7変動目までに特別遊技を獲得できない場合において開放条件3が次の時短時に満たされるため、アイテム開放演出の実行を繰り延べる。
(3)今回の当り時にさらに別の大当りまたは小当りが保留されていることが事前当否判定結果により判別される場合、予め定められた第1の確率(例えば50%)にて、今回の変動中にアイテム開放演出を表示させる。この場合、アイテム開放演出を表示させることで、アイテムがストックされたままの状態になることを防止する。また、予め定められた第2の確率(例えば50%)にて、アイテム開放演出を不実行とし、今回の当り後の次回以降の時短においてアイテム開放演出を表示させることを決定する。すなわち、開放条件1が次の時短時に満たされるため、アイテム開放演出の実行を繰り延べる。
(4)上述の(1)、(2)、(3)の何れにも該当せず、かつ、今回の当りが図柄変動回数7回の時短が付与される大当りまたは小当りであれば、今回の図柄変動における当落分岐表示時に(さらに言えば大当りまたは小当りが確定的に報知される前に)、アイテム開放演出を実行する。この場合、アイテム開放演出を表示させることで、アイテムがストックされたままの状態になることを防止する。
第2実施例のぱちんこ遊技機500によると、アイテムストック演出表示後の時短中に大当りまたは小当りが発生した場合、大当りまたは小当りにより付与される利益に応じて、アイテムストック演出にてストックしたアイテムを使用する内容のアイテム開放演出の表示タイミングおよび/または内容を調整する。これにより、アイテムストック演出でストックされたアイテムが使用されないまま特定遊技状態(時短)が終了すること、また、アイテムがストックされたにもかかわらず利益が付与されずに遊技者に違和感を抱かせてしまうことを回避できる。
なお、今回の当りの態様に応じてアイテム開放演出の実行を繰り延べることは、今回の当り後の時短でアイテム開放演出の実行条件が満たされることが判明しているため可能になる。また、アイテム開放演出の実行を繰り延べることで、アイテム開放演出の実行条件や、アイテムストック演出のストック条件を遊技者が判別することを一層困難にでき、また、ストックされたアイテムが開放されるまでの間、遊技者の期待感を一層長く維持させやすくなる。
以上の構成による第2実施例のぱちんこ遊技機500の動作を説明する。
図39は、特別遊技に関連する演出処理の過程を示すフローチャートである。大当り図柄が停止し(S900のY)、または、第2大入賞口22の特定領域へ遊技球が入球すると(S900のN、S902のY)、演出決定手段303は、2つのストック条件のうち少なくとも一方が満たされているか否かを判定する(S904)。特別遊技が開始されると、演出決定手段303は、特別遊技演出を開始する(S906)。演出決定手段303は、特別遊技中のラウンド演出として後述のアイテム開放演出処理とアイテムストック演出処理を実行する(S908、S910)。
特別遊技の最終ラウンドの終了前であれば(S912のN)、S908に戻る。最終ラウンドが終了して(S912のY)、特別遊技が終了すると、演出決定手段303は、特別遊技演出を終了する(S914)。大当り図柄が停止せず、特定領域への入球もなければ(S902のN)、以降の処理をスキップして本図のフローを終了する。
図40は、図39のS908のアイテム開放演出処理の詳細を示すフローチャートである。昇格演出フラグがオンに設定され(S920のY)、所定ラウンド(ここでは4ラウンド目)であれば(S922のY)、演出決定手段303は、アイテム開放演出(ここでは15R昇格演出)を表示させる(S924)。演出決定手段303は、昇格演出フラグをオフに設定する(S926)。昇格演出フラグがオフであり(S920のN)、または、4ラウンド目でなければ(S922のN)、以降の処理をスキップして本図のフローを終了する。後述するが、昇格演出フラグがオンに設定されている場合は、特別遊技の契機となる当りが、15R大当りまたは16R(実質15R)小当りのときである。
図41は、図39のS910のアイテムストック演出処理の詳細を示すフローチャートである。ストックフラグがオフに設定され(S930のY)、抽選等により決定された所定ラウンドであり(S932のY)、S904でストック条件が満たされると判定された場合(S934のY)、演出決定手段303は、アイテムストック演出を表示させる(S936)。演出決定手段303は、ストックフラグをオンに設定する(S938)。ストックフラグがオンであり(S930のN)、抽選等により決定された所定ラウンドでなく(S932のN)、または、ストック条件が満たされないと判定された場合(S934のN)、以降の処理をスキップして本図のフローを終了する。
図42は、時短中の演出処理の過程を示すフローチャートである。同図に示す処理は、本実施例の特徴的な処理を示しており、実際には図23に記載の装飾図柄変動表示処理とともに実行される。
図柄変動開始済(S940のY)、かつ、ストックフラグがオン(S942のY)、かつ、大当りまたは小当りを示す当否判定結果に基づく変動中であれば(S944のY)、演出決定手段303は、今回の当りの種類を識別する。今回の当りが15R大当りまたは16R(実質15R)小当りでなく(S946のN)、図柄変動回数14回以上の時短が付与される当りでなく(S948のN)、保留内に次の当りがなければ(S950のN)、演出決定手段303は、大当り図柄または小当り図柄の停止前に(さらに言えば、演出上、大当りまたは小当りが確定的に報知される前に)、アイテム開放演出を表示させる(S952)。演出決定手段303は、ストックフラグをオフに設定する(S954)。S950のNは、典型的には、今回の当りが、図柄変動回数7回の時短が付与される大当りまたは小当りの場合に満たされる。
今回の当りが、図柄変動回数14回以上の時短が付与される当りであり(S948のY)、または、保留内に次の当りがあって(S950のY)、抽選が所定の結果となった場合(S956のY)、今回の当りではアイテム開放演出を不実行とすることを決定し、本図のフローを終了する。この場合、今回の当り発生〜特別遊技を経た次の時短中にS944以降の処理を再度実行することになる。抽選が所定の結果とならなければ(S956のN)、S952に進み、アイテム開放演出を表示させる。
今回の当りが15R大当りまたは16R(実質15R)小当りであれば(S946のY)、演出決定手段303は、昇格演出フラグをオンに設定する(S958)。以降、S954に進み、ストックフラグをオフに設定する。ストックフラグがオンであり、外れを示す当否判定結果に基づく変動中であり(S944のN)、時短移行後の7回目の変動中であれば(S960のY)、演出決定手段303は、時短継続演出を表示させる(S962)。演出決定手段303は、時短継続演出にて時短が継続することを報知する前に、アイテム開放演出を表示させる(S952)。時短移行後の7回目の変動中でなければ(S960のN)、以降の処理をスキップして本図のフローを終了する。図柄変動開始済でなく(S940のN)、または、ストックフラグがオフの場合も(S942のN)、以降の処理をスキップして本図のフローを終了する。なお、15R大当りまたは16R小当りである時に昇格演出フラグを必ずオンする仕様としたが、抽選により昇格演出を実行するか否かを判定するようにしてもよく、実行しないと判断した場合にS948へ戻るフローとしてもよい。
以上、本発明を第2実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下変形例を挙げる。
第1変形例を説明する。上記第2実施例では、特別遊技中のラウンド演出としてアイテムストック演出(すなわち利益示唆演出)を表示させた。変形例として、時短中の演出として、アイテムストック演出を表示させてもよい。例えば、演出決定手段303は、時短移行後に2つのストック条件(保留内に当りがあること、当該時短の継続回数が14回以上であること)の少なくともいずれかが満たされるか否かを判定し、満たされる場合、当該時短中におけるアイテムストック演出の表示を決定してもよい。
第2変形例を説明する。上記第2実施例(第1実施例)では、第1特別図柄51の抽選値と第2特別図柄52の抽選値の保留上限数はともに4個であったが、それぞれの保留上限数が異なる値に設定されてもよい。例えば、第2特別図柄52の小当り確率が高く設定される場合、時短終了後の保留での時短引き戻しの確率を低減するため、第2特別図柄52の保留球数を0〜3の間に設定してもよい。
第3変形例を説明する。上記第2実施例では、小当り発展大当りを搭載した遊技機を提案したが、第2実施例に記載の技術は、図柄大当りのみを搭載した遊技機(いわゆる第1種ぱちんこ遊技機)にも適用可能である。図柄大当りのみを搭載した遊技機においても、保留内当りと時短継続回数が最低回数以外をストック条件として、アイテムストック演出を実行してもよい。また、大当り、時短継続、複数種類の特別遊技のうち最大ラウンド数の特別遊技獲得を開放条件として、アイテム開放演出を実行してもよい。
第4変形例を説明する。上記第2実施例のぱちんこ遊技機500は、確率変動遊技(以下「確変」とも呼ぶ。)を備えないが、変形例として、大当り図柄と小当り図柄の少なくとも一方に応じて確変へ移行してもよい。また、確変移行後、図柄変動回数が所定の上限回数に達した場合に確変を終了してもよく、言い換えれば、回数切りの確変を実行するいわゆるST機として実装されてもよい。この場合、アイテム開放演出は、確変の上限回数に関する情報を示唆または報知する内容であってもよい。さらにまた、上記の第3変形例との組み合わせとして、小当り発展大当りを非搭載の遊技機(例えば図柄大当りのみを搭載した遊技機)において、ストック条件として、保留内当りがあること、時短継続回数が最低回数以外であることに加えて、確変に関する条件が設定されてもよい。確変に関する条件は、確変へ移行される場合、または、確変の上限回数が所定値以上である場合に満たされてもよい。また、確率変動機能を備え、かつ小当りから発展する大当りを備えないぱちんこ遊技機500においては、先読み演出の実行抽選に係る情報として変動パターンに係る情報を送信することも可能であり、利益状態として、大当り遊技開始時の保留内に高確率で大当り確率となる変動パターンが存在する場合(当り時の変動パターンAとハズレ時の変動パターンBについて演出として最終結果が異なる高期待度リーチ態様が選択されるものであって、AとBにおいて当該高期待度リーチを演出抽選にて選択する比率が80%:20%となる変動パターンA,Bの何れかを含む場合)に、利益状態にあるものとしてアイテムストックを実行する態様としてもよい。
第5変形例を説明する。上記第2実施例のぱちんこ遊技機500は、時短中の7回目の図柄変動において時短継続演出とともにアイテム開放演出を実行した。変形例として、第1の確率で、時短中の7回目の図柄変動において時短継続演出とともにアイテム開放演出を実行する一方、第2の確率で、時短中の14回目の図柄変動において時短継続演出とともにアイテム開放演出を実行してもよい。この場合、14回目の図柄変動でアイテム開放演出が表示されれば、時短継続回数100回が確定するため、7回目の図柄変動でアイテム開放演出が実行されないことを遊技者に期待させる遊技性となる。
第6変形例を説明する。演出決定手段303は、大当りまたは小当りとなる図柄変動時の演出として、通常のリーチ演出とは外観が異なり、発展した瞬間に高利益である当りを獲得したことが遊技者に理解される態様の特殊リーチ演出(例えば全回転リーチ等)を表示させてもよい。特殊リーチ演出は、時短継続回数100回の当りの場合、かつ、最大ラウンド(例えば15R)当りの場合に抽選により選択される。特殊リーチ演出を実行した場合、演出決定手段303は、通常のアイテムストック演出でストックされるアイテムとは外観が異なる特殊アイテムをストックすることを示すフラグである特殊ストックフラグをオンにする。演出決定手段303は、特殊ストックフラグがオンであれば、特別遊技のラウンド演出として特殊アイテムストック演出を表示させる。
ここで、ストックフラグがオンの状態で(アイテムストック演出表示後の時短中に)、特殊リーチ演出を選択すると、当りが確定し、かつ、最大ラウンド当りも確定しているため、それまでストックされたアイテムを開放するアイテム開放演出を実行するタイミングがないという問題点がある。この問題を解決するために、以下の2つの構成のいずれかを採用してもよい。(1)大当り中(特別遊技中)に、ストックされたアイテムを強制的に書き換える。すなわち通常のアイテムから特殊アイテムへ変更する。(2)ストックフラグがオンの場合、特殊リーチ演出が発生しないように、演出パターン選択基準(パターンテーブル、予告種類テーブル等)を設定する。
上記2つの構成のうち、アイテムストック演出およびアイテム開放演出の整合性の観点からは、ストックされたものが開放される(2)の方が好ましいとも言える。しかし、特殊リーチ演出は、それ自身希少性が高く、また、特別遊技中にも関連したプレミアム演出を行うものである。そのため、プレミアム演出を見る機会を減少させないという観点からは(1)がより好ましいとも言える。
第7変形例を説明する。ストックおよび開放の対象となるアイテムは複数種類設けられてもよい。この場合、アイテムの種類によって保留内当りと時短継続の期待度が異なるように、保留内当りの有無と時短継続の有無との組み合わせパターンごとに、各アイテムの選択確率が定められてもよい。例えば、(保留内当りの期待度、時短継続の期待度)について、アイテムAは(保留内に当りの可能性大、時短14回)、アイテムBは(保留内に当りの可能性小、時短14回以上)、アイテムCは(保留内に当りの可能性大、保留内で当らなければ時短100回確定)となるように設定されてもよい。
第8変形例を説明する。非時短時の第1特別図柄51による図柄当り(図34の15R時短有図柄7)は、時短継続回数100回となる。そのため、特別遊技中に必ずアイテムストック演出を実行する構成でもよい。
第9変形例を説明する。ぱちんこ遊技機500のメイン基板200は、発射ハンドル107に操作が入力されているか否かを示すデータと、発射ハンドル107のタッチセンサ(不図示)によるタッチの検出有無を示すデータとをサブ基板300へ送信してもよい。演出決定手段303は、時短中に一定期間、発射ハンドル107が未操作であり、かつ、発射ハンドル107に対するタッチが検出されない状態からタッチが検出される状態に変化した場合、時短の7変動目、14変動目において時短継続を示唆する内容の演出を表示させてもよい。なお、演出決定手段303は、上記演出の表示条件として、タッチが再検出されたタイミングを、時短中のスーパーリーチ中に限定してもよく、また、時短継続演出の実行中(または変動終了後の固定時間中)に限定してもよい。
第10変形例を説明する。演出決定手段303は、発射ハンドル107に一定期間、操作が未入力である場合に、予め定められた遊技待機デモ画面を演出表示装置60に表示させてもよい。この状態で発射ハンドル107に対する操作を検出した旨のコマンドをメイン基板200より受信すると、演出決定手段303は、遊技待機デモ画面を表示中に、当日の大当り回数と小当り回数に応じて特殊演出を表示させてもよい。この特殊演出は、遊技待機デモ画面でのみ表示される演出であってもよく、例えば特定のキャラクタが遊技者を応援する表示内容であってもよい。なお、第10変形例においても、第9変形例と同様に、遊技待機デモ画面を表示中、発射ハンドル107に対するタッチが再検出された場合に、抽選により特殊演出を表示させてもよい。
第11変形例を説明する。上記第2実施例のぱちんこ遊技機500は、時短中の大当りまたは小当り(今回の当り)時に、保留内にさらに次の大当りまたは小当りがある場合、所定の確率にてアイテム開放演出の実行を繰り延べることとした。変形例として、アイテム開放演出を繰り延べる構成を除外してもよく、また、今回の当りが小当りの場合に限って、アイテム開放演出を繰り延べる構成を除外してもよい。例えば、今回の当り変動における当落分岐時にアイテム開放演出を表示させてもよい。小当り遊技中に特定領域を遊技球が通過せず、時短が終了する可能性があるためであり、時短状態が変化後の保留に対する先読みを回避するためである。
本明細書または特許請求の範囲にいう「乱数」は、乱数生成回路で生成する物理乱数や数学的な意味での真正乱数でなくてもよく、16ビットカウンタを利用したハードウェア乱数や乱数生成アルゴリズムを利用したソフトウェア乱数などの疑似乱数でもよい。またはハードウェア乱数とソフトウェア乱数の組合せ、例えばカウンタが1周するたびに初期値を変更するプラス乱数方式でもよい。
本明細書または特許請求の範囲において「テーブル」や「基準(選択基準)」というときは、厳密に抽選値などの第1のパラメータと、選択肢を示す値などの第2のパラメータとの対応関係をテーブル構造で定めたデータを指すだけでなく、そのような対応関係として第1のパラメータから第2のパラメータを導出するプログラム構造で実現する場合も広く含むものとする。それらを含めて実質的に「テーブル」と同義の概念として適宜「基準(選択基準)」と称する。また、テーブル構造を用いる場合、実質的に1種類となる選択基準を構造的に細分化された複数のテーブルの組合せで構成してもよいが、「複数種の選択基準」というときはその細分化されたテーブルの数ではなくテーブルの実質的な種類の数を示す。
上記の実施例では、入球に基づく利益として遊技球(賞球)を払い出す形態のパチンコ機を例示したが、賞球払出に代わり、電子的な利益管理システムを利用して遊技球の発射・賞球付与管理を行ういわゆる封入式タイプのぱちんこ機にも応用できる。このような封入式タイプのぱちんこ機は、典型的には、所定個数の遊技球が遊技機内で循環しその循環する遊技球にて遊技を行い、賞球を払い出す代わりに遊技球の発射可能回数を増やすことで遊技者に利益を与える。例えば、遊技領域を転動した遊技球を受容し、遊技機外へ排出させずに再び遊技領域へ送出することで遊技機内で循環させる球循環手段と、遊技球の発射球数、受容球数、および払出賞球数に基づいて持ち玉を管理する球数管理手段と、管理された持ち玉の数を表示する持玉表示手段を備えてもよい。
上述した実施例および変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施の形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施例および変形例それぞれの効果をあわせもつ。また、請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、実施例および変形例において示された各構成要素の単体もしくはそれらの連携によって実現されることも当業者には理解されるところである。
第1実施例に記載の技術は以下のように表現できる。
[態様1−1−1]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられる第1始動口および第2始動口と、
前記第1始動口または第2始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
所定個数を上限に前記抽選値をその当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記当否判定の結果に応じて開放され、遊技球の入球が遊技者への利益付与の契機となる大入賞口と、
前記当否判定の結果が小当りであることを示す図柄が停止表示された場合、前記大入賞口の開放を伴う小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りであることを示す図柄が停止表示された場合、または、前記小当り遊技中に前記大入賞口内に入球した遊技球がさらにその内部に設けられた特定領域を通過した場合、前記大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記第2始動口への入球容易性が通常状態より高い状態である入球容易状態への移行を制御する特定遊技制御手段と、
演出的な内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出的な内容を決定する演出決定手段と、
を備え、
前記第2始動口への入球に基づく当否判定の結果が小当りとなる確率は、前記第1始動口への入球に基づく当否判定の結果が小当りとなる確率より高く設定されており、
前記特定遊技制御手段は、大当りまたは小当りが発生して所定の移行条件が満たされた場合、前記特別遊技の終了後に前記入球容易状態へ移行させ、前記入球容易状態における図柄変動の上限回数を、大当りを示す図柄態様または小当りを示す図柄態様に応じて、予め定められた複数種類の上限回数のうちいずれかに決定し、
前記小当り遊技制御手段は、予め定められた間欠的な開放パターンにしたがって、1回の小当り遊技中に前記大入賞口を複数回開放させ、
前記間欠的な開放パターンは、前記大入賞口の複数回の開放の合計時間を所定の長さ以下に定めたものであり、
前記間欠的な開放パターンは、前記大入賞口の先の開放と後の開放の間の閉鎖期間について、前記1回の小当り遊技における複数回の閉鎖期間のうち一部の閉鎖期間の長さを他の閉鎖期間の長さより長く定めたものである弾球遊技機。
[態様1−1−2]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられる第1始動口および第2始動口と、
前記第1始動口または第2始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
所定個数を上限に前記抽選値をその当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記当否判定の結果に応じて開放され、遊技球の入球が遊技者への利益付与の契機となる第1大入賞口および第2大入賞口と、
前記当否判定の結果が小当りであることを示す図柄が停止表示された場合、前記第2大入賞口の開放を伴う小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りであることを示す図柄が停止表示された場合、または、前記小当り遊技中に前記第2大入賞口内に入球した遊技球がさらにその内部に設けられた特定領域を通過した場合、前記第1大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記第2始動口への入球容易性が通常状態より高い状態である入球容易状態への移行を制御する特定遊技制御手段と、
演出的な内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出的な内容を決定する演出決定手段と、
を備え、
前記第2始動口への入球に基づく当否判定の結果が小当りとなる確率は、前記第1始動口への入球に基づく当否判定の結果が小当りとなる確率より高く設定されており、
前記特定遊技制御手段は、大当りまたは小当りが発生して所定の移行条件が満たされた場合、前記特別遊技の終了後に前記入球容易状態へ移行させ、前記入球容易状態における図柄変動の上限回数を、大当りを示す図柄態様または小当りを示す図柄態様に応じて、予め定められた複数種類の上限回数のうちいずれかに決定し、
前記小当り遊技制御手段は、予め定められた間欠的な開放パターンにしたがって、1回の小当り遊技中に前記第2大入賞口を複数回開放させ、
前記間欠的な開放パターンは、前記第2大入賞口の複数回の開放の合計時間を所定の長さ以下に定めたものであり、
前記間欠的な開放パターンは、前記第2大入賞口の先の開放と後の開放の間の閉鎖期間について、前記1回の小当り遊技における複数回の閉鎖期間のうち一部の閉鎖期間の長さを他の閉鎖期間の長さより長く定めたものである弾球遊技機。
[態様1−2]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられる第1始動口および第2始動口と、
前記第1始動口または第2始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
所定個数を上限に前記抽選値をその当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記当否判定の結果に応じて開放され、遊技球の入球が遊技者への利益付与の契機となる大入賞口と、
前記当否判定の結果が小当りであることを示す図柄が停止表示された場合、前記大入賞口の開放を伴う小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りであることを示す図柄が停止表示された場合、または、前記小当り遊技中に前記大入賞口内に入球した遊技球がさらにその内部に設けられた特定領域を通過した場合、前記大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記第2始動口への入球容易性が通常状態より高い状態である入球容易状態への移行を制御する特定遊技制御手段と、
演出的な内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出的な内容を決定する演出決定手段と、
を備え、
前記第2始動口への入球に基づく当否判定の結果が小当りとなる確率は、前記第1始動口への入球に基づく当否判定の結果が小当りとなる確率より高く設定されており、
前記特定遊技制御手段は、
大当りまたは小当りが発生して所定の移行条件が満たされた場合、前記特別遊技の終了後に前記入球容易状態へ移行させ、前記入球容易状態における図柄変動の上限回数を、大当りまたは小当りを示す図柄態様に応じて、予め定められた複数種類の上限回数のうちいずれかに決定し、
遊技状態が前記通常状態と前記入球容易状態のいずれであっても前記第2始動口への入球に基づく大当りまたは小当りが発生した場合に、前記特別遊技の終了後に前記入球容易状態へ移行させ、
遊技状態が前記通常状態であるときに前記第1始動口への入球に基づく大当りが発生した場合、大当りを示す図柄の停止態様に応じて、前記特別遊技の終了後に前記通常状態または前記入球容易状態へ移行させ、
遊技状態が前記入球容易状態であるときに前記第1始動口への入球に基づく大当りが発生した場合、大当りを示す図柄の停止態様にかかわらず、前記特別遊技の終了後に前記入球容易状態へ移行させる弾球遊技機。
[態様1−3]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられる第1始動口および第2始動口と、
前記第1始動口または第2始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
所定個数を上限に前記抽選値をその当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記当否判定の結果に応じて開放され、遊技球の入球が遊技者への利益付与の契機となる大入賞口と、
前記当否判定の結果が小当りであることを示す図柄が停止表示された場合、前記大入賞口の開放を伴う小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りであることを示す図柄が停止表示された場合、または、前記小当り遊技中に前記大入賞口内に入球した遊技球がさらにその内部に設けられた特定領域を通過した場合、前記大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記第2始動口への入球容易性が通常状態より高い状態である入球容易状態への移行を制御する特定遊技制御手段と、
演出的な内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出的な内容を決定する演出決定手段と、
を備え、
前記第2始動口への入球に基づく当否判定の結果が小当りとなる確率は、前記第1始動口への入球に基づく当否判定の結果が小当りとなる確率より高く設定されており、
前記特定遊技制御手段は、
大当りまたは小当りが発生して所定の移行条件が満たされた場合、前記特別遊技の終了後に前記入球容易状態へ移行させ、前記入球容易状態における図柄変動の上限回数を、大当りまたは小当りを示す図柄態様に応じて、予め定められた複数種類の上限回数のうちいずれかに決定し、
前記第1始動口への入球に基づく小当りが発生して所定の移行条件が満たされた場合と、前記第2始動口への入球に基づく小当りが発生して所定の移行条件が満たされた場合のいずれにおいても、前記入球容易状態における図柄変動の上限回数として、小当りを示す図柄の停止態様に応じて、同じ複数種類の上限回数の中からいずれかを選択する弾球遊技機。
[態様1−4]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられる第1始動口および第2始動口と、
前記第1始動口および前記第2始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
所定個数を上限に前記抽選値をその当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記当否判定の結果に応じて開放され、遊技球の入球が遊技者への利益付与の契機となる大入賞口と、
前記当否判定の結果が小当りであることを示す図柄が停止表示された場合、前記大入賞口の開放を伴う小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りであることを示す図柄が停止表示された場合、または、前記小当り遊技中に前記大入賞口内に入球した遊技球がさらにその内部に設けられた特定領域を通過した場合、前記大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記2始動口への入球容易性が通常状態より高い状態である入球容易状態への移行を制御する特定遊技制御手段と、
演出的な内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出的な内容を決定する演出決定手段と、
を備え、
前記第2始動口は、遊技球の入球が相対的に困難な状態から容易な状態へ変化するよう開放可能な拡開機構を有し、
前記特定遊技制御手段は、大当りまたは小当りが発生して所定の移行条件が満たされた場合に、前記特別遊技の終了後に前記拡開機構が開放される入球容易状態へ移行させ、前記入球容易状態への移行後、図柄の変動回数が所定の上限回数に到達した場合、前記入球容易状態を終了させ、
前記第2始動口への入球に基づく大当りが発生して所定の移行条件が満たされた場合、または、小当りが発生して所定の移行条件が満たされた場合、前記特定遊技制御手段は、前記特別遊技の終了後の前記入球容易状態における図柄変動の上限回数として、第1の上限回数と、前記第1の上限回数よりも大きい第2の上限回数とを含む複数の候補の中からいずれかを選択し、前記演出決定手段は、前記入球容易状態における演出として、図柄変動回数が前記第1の上限回数に到達後も前記入球容易状態が継続するか否かを示唆する演出である継続示唆演出を表示させる決定をし、
前記通常状態中の前記第1始動口への入球に基づく大当りであり、前記特別遊技の終了後に前記入球容易状態への移行を伴う大当りが発生した場合、前記特定遊技制御手段は、前記入球容易状態における図柄変動の上限回数として、前記第1の上限回数よりも大きい第3の上限回数を選択し、前記演出決定手段は、前記入球容易状態における演出として前記継続示唆演出を表示させる決定をする弾球遊技機。
第2実施例に記載の技術は以下のように表現できる。
[態様2−1]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられる第1始動口および第2始動口と、
前記第1始動口または第2始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
所定個数を上限に前記抽選値をその当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記当否判定の結果に応じて開放され、遊技球の入球が遊技者への利益付与の契機となる大入賞口と、
前記当否判定の結果が小当りであることを示す図柄が停止表示された場合、前記大入賞口の開放を伴う小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りであることを示す図柄が停止表示された場合、または、前記小当り遊技中に前記大入賞口内に入球した遊技球がさらにその内部に設けられた特定領域を通過した場合、前記大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記第2始動口への入球容易性が通常状態より高い状態である入球容易状態への移行を制御する特定遊技制御手段と、
演出的な内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
を備え、
前記特定遊技制御手段は、大当りまたは小当りが発生して所定の移行条件が満たされた場合、前記特別遊技の終了後に前記入球容易状態へ移行させ、前記入球容易状態における図柄変動の上限回数が、大当りまたは小当りを示す図柄態様に応じて、予め定められた複数種類の上限回数のうちのいずれかに設定され、
前記演出決定手段は、次の大当りまたは小当りが発生する可能性が相対的に高い利益状態について、前記入球容易状態における図柄変動の上限回数が所定値より大きい場合に第1の利益状態と判定し、大当りまたは小当りを示す抽選値が保留されている場合に第2の利益状態と判定し、前記第1の利益状態と第2の利益状態の少なくともいずれかの場合、利益状態であることを示唆する演出であって、前記第1の利益状態と前記第2の利益状態のいずれであるかを明示しない演出を表示させる決定をしうる弾球遊技機。
[態様2−2]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられる第1始動口および第2始動口と、
前記第1始動口または第2始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
所定個数を上限に前記抽選値をその当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記当否判定の結果に応じて開放され、遊技球の入球が遊技者への利益付与の契機となる大入賞口と、
前記当否判定の結果を示す図柄が所定態様にて停止表示された場合、前記大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記第2始動口への入球容易性が通常状態より高い状態である入球容易状態への移行を制御する特定遊技制御手段と、
演出的な内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出的な内容を決定する演出決定手段と、
を備え、
前記特定遊技制御手段は、前記特別遊技が発生して所定の移行条件が満たされた場合、前記特別遊技の終了後に前記入球容易状態へ移行させ、前記入球容易状態における図柄変動の上限回数は、前記特別遊技を実行する際に停止表示された図柄態様に応じて、予め定められた複数種類の上限回数のうちいずれかに設定され、
前記演出決定手段は、次の特別遊技が発生する可能性が相対的に高い利益状態について、前記入球容易状態における図柄変動の上限回数が所定値より大きい場合に第1の利益状態と判定し、前記次の特別遊技の発生を示す抽選値が保留されている場合に第2の利益状態と判定し、前記第1の利益状態と第2の利益状態の少なくともいずれかの場合に、利益状態であることを示唆する演出であって、前記第1の利益状態と前記第2の利益状態のいずれであるかを明示しない演出である利益示唆演出を表示させる決定をしうるよう構成され、
前記演出決定手段は、前記利益示唆演出の表示後の入球容易状態において前記当否判定の結果が前記特別遊技の発生を示す場合に、前記特別遊技の発生を示す図柄態様に応じて、利益が付与されたことを報知する利益報知演出を前記特別遊技の終了までに実行させるよう演出内容を決定しうる弾球遊技機。
[態様2−3]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられる第1始動口および第2始動口と、
前記第1始動口または第2始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
所定個数を上限に前記抽選値をその当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記当否判定の結果に応じて開放され、遊技球の入球が遊技者への利益付与の契機となる大入賞口と、
前記当否判定の結果を示す図柄が所定態様にて停止表示された場合、前記大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記第2始動口への入球容易性が通常状態より高い状態である入球容易状態への移行を制御する特定遊技制御手段と、
演出的な内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出的な内容を決定する演出決定手段と、
を備え、
前記特定遊技制御手段は、前記特別遊技が発生して所定の移行条件が満たされた場合、前記特別遊技の終了後に前記入球容易状態へ移行させ、前記入球容易状態における図柄変動の上限回数は、前記特別遊技を実行する際に停止表示された図柄態様に応じて、予め定められた複数種類の上限回数のうちいずれかに設定され、
前記演出決定手段は、入球容易状態において次の特別遊技が発生する可能性が相対的に高い利益状態について、所定のM種類(Mは2以上の整数)の利益状態の少なくともいずれかの場合に、利益状態であることを示唆する演出であって、利益状態の種類を明示しない演出である利益示唆演出を表示させる決定をしうるよう構成され、
前記演出決定手段は、前記利益示唆演出の表示後、所定のN種類(NはMより大きい整数)の利益のうちいずれかが付与される場合に、利益が付与されたことを報知する演出である利益報知演出を表示させる決定をしうる弾球遊技機。
[態様2−4]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられる第1始動口および第2始動口と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、当否判定の結果に応じて開放され、遊技球の入球が遊技者への利益付与の契機となる大入賞口と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
演出的な内容が表示される演出表示装置と、
遊技の基本動作を制御する主制御装置と、
演出的な動作を制御する副制御装置と、を備え、
前記主制御装置は、
前記第1始動口または第2始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて前記当否判定を実行する当否判定手段と、
所定個数を上限に前記抽選値をその当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記当否判定の結果に応じて、前記図柄の停止態様を決定する図柄決定手段と、
前記当否判定の結果が小当りであることを示す図柄が停止表示された場合、前記大入賞口の開放を伴う小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りであることを示す図柄が停止表示された場合、または、前記小当り遊技中に前記大入賞口内に入球した遊技球がさらにその内部に設けられた特定領域を通過した場合、前記大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記第2始動口への入球容易性が通常状態より高い状態である入球容易状態への移行を制御する特定遊技制御手段と、を含み、
前記副制御装置は、前記演出表示装置に表示させる演出的な内容を決定する演出決定手段とを含み、
前記第2始動口への入球に基づく当否判定の結果が小当りとなる確率は、前記第1始動口への入球に基づく当否判定の結果が小当りとなる確率より高く設定されており、
前記特定遊技制御手段は、大当りまたは小当りが発生して所定の移行条件が満たされた場合、前記特別遊技の終了後に前記入球容易状態へ移行させ、前記入球容易状態における図柄変動の上限回数を、大当りまたは小当りを示す図柄態様に応じて、予め定められた複数種類の上限回数のうちいずれかに決定し、
前記主制御装置は、前記始動口への入球があったときその入球に対応する図柄変動が直ちに開始されるか否かにかかわらずその入球に対応する抽選値に関する情報を事前判定結果として前記副制御装置へ通知し、
前記演出決定手段は、前記主制御装置から新たな保留についての事前判定結果が通知された場合に、当該新たな保留についての事前判定結果に応じて、当該新たな保留に係る変動開始条件を満たすまでに、当該新たな保留に対する事前演出の表示可否および表示内容を決定し、
前記演出決定手段により参照される事前判定結果は、前記当否判定に関する情報を含むが、前記図柄の停止態様に関する情報が除外されている弾球遊技機。
(第3実施例)
第3実施例では、第1実施例において説明した限定期間中の演出の進行を管理する技術について説明する。
第3実施例のぱちんこ遊技機でも、第1実施例のぱちんこ遊技機と同様に、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、特別遊技が終了した後の限定期間において、参照すべき限定テーブルの種類を限定期間における図柄の変動表示ごとに規定した限定テーブル参照規則にしたがって、参照すべき限定テーブルの種類を決定し、決定された種類の限定テーブルを参照して変動パターンを決定する。演出決定手段303は、決定された変動パターンに応じて演出パターンを決定し、演出制御手段304は、決定された演出パターンを実行する。これにより、特別遊技が終了した後の限定期間に、限定テーブル参照規則にしたがった特別な演出を実行することができる。具体的には、第1実施例と同様に、特別遊技の終了後の時短継続回数に関する演出を限定期間に実行する。
第1実施例においては、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232が、図35に示した同一の限定テーブル参照規則を参照した。この場合、限定期間中は、第1特別図柄が変動表示される場合と、第2特別図柄が変動表示される場合とを区別することなく変動パターンを決定することになる。それに対して、本実施例では、限定期間中は、第1特別図柄が変動表示される場合と、第2特別図柄が変動表示される場合とで、明確に区別可能な異なる演出を実行する。そのため、第1変動パターン決定手段231が第1特別図柄の変動パターンを決定するために参照すべき限定テーブルの種類を限定期間における第1特別図柄の変動表示ごとに規定した限定テーブル参照規則(以降、「第1限定テーブル参照規則」ともいう)と、第2変動パターン決定手段232が第2特別図柄の変動パターンを決定するために参照すべき限定テーブルの種類を限定期間における第2特別図柄の変動表示ごとに規定した限定テーブル参照規則(以降、「第2限定テーブル参照規則」ともいう)とを別個に設ける。
この場合に、限定期間中、第1特別図柄が変動表示されるのか第2特別図柄が変動表示されるのかは、遊技者による遊技球の発射の状況などの事前に予測できない事情に依存するので、第1特別図柄の変動表示の回数と第2特別図柄の変動表示の回数の合計数をカウントし、合計数に応じて参照すべき限定テーブルの種類を決定すると、演出の順序にずれが生じるなどして、設計通りに演出が実行されないことがありうる。より具体的には、本実施例のぱちんこ遊技機のスペックは第1実施例のぱちんこ遊技機と同様であり、時短中には入球容易状態にある第2始動口12に入球させて第2特別図柄の抽選による図柄大当りまたは小当り発展大当りを狙う遊技性であり、基本的には第2特別図柄の変動表示に合わせて演出を進行させることを意図して演出が設計されるので、第1始動口11に入球した場合には、第2特別図柄の変動表示に合わせた演出の途中に第1特別図柄の変動表示に合わせた演出が実行され、一連の演出が中断されたり、ずれが生じたりする場合がある。保留制御手段に保留されている保留球のうち、第2始動口12への入球を契機とする第2特別図柄の保留球の方が優先的に消化される仕様の場合は、第2特別図柄の保留球が保留されている限りは第1特別図柄の変動表示が実行されることはないが、第2特別図柄の保留球が全て消化された場合には第1特別図柄の変動表示が実行されてしまうし、入球順に保留球が消化される仕様の場合は、とくに、意図しないタイミングで第1特別図柄の変動表示が実行されてしまうことがある。
このような問題を解決するために、本実施例では、限定期間において、第1特別図柄の変動表示の回数と第2特別図柄の変動表示の回数とを別個にカウントし、第1変動パターン決定手段231は、第1限定テーブル参照規則を参照して、限定期間における第1特別図柄の変動表示の回数に応じて参照すべき限定テーブルの種類を決定し、決定した種類の限定テーブルを参照して変動パターンを決定し、第2変動パターン決定手段232は、第2限定テーブル参照規則を参照して、限定期間における第2特別図柄の変動表示の回数に応じて参照すべき限定テーブルの種類を決定し、決定した種類の限定テーブルを参照して変動パターンを決定する。これにより、限定期間に実行される演出として、第1特別図柄の変動表示に合わせて実行される演出と、第2特別図柄の変動表示に合わせて実行される演出とを、別個に独立して進行させることができるので、それぞれの演出を設計通りに進行させることができ、演出の効果を高めることができる。
まず、限定期間中に実行される演出の内容について説明し、その演出の進行を限定テーブル参照規則にしたがって管理するための技術について説明する。
第1実施例において説明したように、本実施例の弾球遊技機は、大当り図柄または小当り図柄に応じて、特別遊技の終了後に、特定遊技として時短および第2始動口12の入球容易状態が実行される。本実施例においても、時短継続回数は、大当り図柄または小当り図柄に応じて、7回、14回、または100回の中から選択されるが、本実施例においては、時短の終了条件として、第2特別図柄の変動表示の回数に関する条件と、第1特別図柄の変動表示の回数に関する条件とが個別に設定される。具体的には、本実施例における時短の終了条件は、下記の通りである。
(1)第2特別図柄がX回変動したとき(本実施例では、X=7、14、または100)
(2)第1特別図柄がY回変動したとき(本実施例では、Y=5)
(3)第1特別図柄と第2特別図柄が合計で(X+Y−1)回変動したとき
(4)第1特別図柄と第2特別図柄が合計でZ回変動したとき(本実施例では、Z=100)
(5)小当りが発生したとき
ここで、条件(1)〜(5)は、AND条件ではなくOR条件であり、条件(1)〜(5)のいずれかが充足された場合に時短は終了される。条件(1)と(2)のいずれかが充足された場合に時短が終了されるため、第1特別図柄と第2特別図柄の変動表示の回数が合計でX+Y回に達することはない。なぜなら、第1特別図柄がX回変動して時短が終了するときには、第2特別図柄は最大でもY−1回までしか変動しておらず、第2特別図柄がY回変動して時短が終了するときには、第1特別図柄は最大でもX−1回までしか変動していないからである。したがって、条件(3)として設定されるように、第1特別図柄と第2特別図柄の変動回数の合計は、最大でも(X+Y−1)回までとなる。なお、時短継続回数は最大でも100回までとされているので、条件(4)も設定される。時短継続回数の最大値は、時短継続回数7回の時短が付与された場合(X=7)は11回、時短継続回数14回の時短が付与された場合(X=14)は18回、時短継続回数100回の時短が付与された場合(X=100)は100回である。条件(5)として、小当りが発生したときに時短が終了される理由は、第1実施例において説明した通りである。
本実施例では、時短中の演出として、時短終了までの残りの変動表示の回数を示唆または報知する演出を実行する。時短中は、基本的には右打ちにより第2始動口12を狙う遊技性であるから、主として、第2特別図柄の変動回数に関する条件(1)が充足されるまでの残りの変動回数を示唆または報知しつつ、第1始動口11に遊技球が偶発的に入球して第1特別図柄の変動表示が実行される場合もあるので、第1特別図柄の変動回数に関する条件(2)が充足されるまでの残りの変動回数も示唆または報知する。
図43は、時短中に演出表示装置に表示される演出画像の例を示す。本実施例では、時短中の演出として、味方キャラクタ700が敵キャラクタ702と闘う様子を表示するバトル演出を実行する。バトル演出において、小当りまたは大当りが発生すると、味方キャラクタ700が敵キャラクタ702を倒す結末が表示され、小当りまたは大当りであることが報知される。第2特別図柄の7回目および14回目の変動表示においては、第1実施例で説明した時短継続演出が実行され、味方キャラクタ700が敵キャラクタ702を倒した後、別の敵キャラクタ702が登場する結末が表示されると、時短が継続することが報知され、味方キャラクタ700が敵キャラクタ702に倒される結末が表示されると、時短が終了することが報知される。
演出画像には、時短終了までの第1特別図柄の残りの変動回数を示唆する扉720が表示される。時短中は、第2始動口12に遊技球を入球させて第2特別図柄の抽選を行うように遊技が設計されているので、時短中に第1始動口11に遊技球を入球させることは好ましくない。したがって、第1始動口11に遊技球が入球した場合には、第1特別図柄の変動表示中に扉720が徐々に閉まっていく演出を表示することにより、時短中に第1始動口11に遊技球を入球させることが好ましくないことを遊技者に示唆する。扉720は、条件(2)が充足されて時短が終了する、5回目の第1特別図柄の変動表示の際に、完全に閉鎖される。なお、第1特別図柄で大当りとなった場合は、扉720が閉まる演出に代えて、味方キャラクタ700が敵キャラクタ702を倒す結末を表示する演出が実行されてもよい。扉720は、第1特別図柄の変動表示中にのみ演出表示装置60に表示され、第2特別図柄の変動表示中には、バトル演出の表示の邪魔にならないように、扉720は表示されなくてもよい。または、第1特別図柄の変動表示中に扉720が閉まっていく様子が表示された場合であっても、第2特別図柄の変動表示中には常に完全に開いた状態で扉720が表示されてもよい。
時短中の第1特別図柄の変動表示の回数が所定回数になると、右打ちにより第2始動口12を狙って遊技球を発射しないと時短が終了してしまうことを、演出表示装置60への表示、ランプの点灯、音声などにより警告する。この警告は、右打ちを検知したとき、第2特別図柄の変動表示が開始されたとき、または第2特別図柄の保留球数が所定個以上になったときに終了させる。その後、再び第1特別図柄が変動表示されると、警告を再開する。また、時短中に第2特別図柄の保留球数が所定個未満になると、右打ちを実施するように、演出表示装置60への表示、ランプの点灯、音声などにより促す。この場合は、時短が終了することは警告しない。
演出画像には、時短終了までの第2特別図柄の残りの変動回数710が表示される。演出決定手段303は、時短開始時に、まず、残りの変動回数として「6回」を表示し、第2特別図柄の1回目から7回目の図柄変動の期間(以降、「第1限定期間」ともいう)に、第2特別図柄の変動表示が実行されるごとに残りの変動回数を1回ずつ減らす。第2特別図柄の7回目の変動表示において、残りの変動回数として「0回」を表示するが、時短継続演出が実行され、時短が継続することが報知されると、残りの変動回数を「6回」に戻す。第2特別図柄の8回目から14回目の図柄変動の期間(以降、「第2限定期間」ともいう)に、第2特別図柄の変動表示が実行されるごとに残りの変動回数を1回ずつ減らし、第2特別図柄の14回目の変動表示において、残りの変動回数として「0回」を表示するが、時短継続演出が実行され、時短が継続することが報知されると、残りの変動回数を「85回」とする。第2特別図柄の15回目から100回目の図柄変動の期間(以降、「第3限定期間」ともいう)にも、第2特別図柄の変動表示が実行されるごとに残りの変動回数を1回ずつ減らす。第3限定期間の後まで時短が継続されることはないので、第3限定期間の終了直前の所定回数の図柄変動においては、時短終了を煽る演出を実行する。時短中に第1特別図柄の変動表示が実行されなかった場合は、条件(1)が充足されて時短が終了する、100回目の第2特別図柄の変動表示の際に、味方キャラクタ700が敵キャラクタ702に倒される結末が表示され、時短が終了することが報知される。
時短中、第2特別図柄の変動表示が100回に達するまでに、第1特別図柄の変動表示が実行されていた場合には、条件(1)よりも先に条件(4)が充足されて時短が終了する。この場合、第2特別図柄の残りの変動回数が「0回」になる前に時短が終了することになってしまう。したがって、第2特別図柄の変動回数と第1特別図柄の変動回数の合計が100回になるまでの所定のタイミングで、演出表示装置60に表示している第2特別図柄の残りの変動回数を調整してもよい。調整タイミングは、第3限定期間が開始されるとき、第2特別図柄の変動回数と第1特別図柄の変動回数の合計が所定回数、例えば95回または100回になったとき、などであってもよい。調整方法としては、例えば、第2特別図柄の変動回数と第1特別図柄の変動回数の合計が所定回数になったときに、味方キャラクタ700が敵キャラクタ702に攻撃されてダメージを負う様子を表示し、残りの変動回数を1回ではなく2回以上減らしてもよい。また、第2特別図柄の変動回数と第1特別図柄の変動回数の合計が所定回数になったとき以降は、残りの変動回数の表示を行わないようにしてもよい。また、第2特別図柄の変動回数と第1特別図柄の変動回数の合計が100回になったときに、残りの変動回数として表示されている回数にかかわらず、残りの変動回数を「0回」に変更してもよい。また、第2特別図柄の14回目の図柄変動において時短継続演出が実行された後に、残りの変動回数として「85回」ではなく、それまでに実行されていた第1特別図柄の変動回数分減じた回数を表示し、第3限定期間においては、第1特別図柄の変動表示が実行された場合にも、残りの変動回数を1回減じるようにしてもよい。条件(4)が充足されて時短が終了される際にも、味方キャラクタ700が敵キャラクタ702に倒される結末が表示され、時短が終了することが報知される。
演出表示装置60に表示される残りの変動回数は、実際の残りの変動回数ではなく、実際とは異なりうる見かけの残りの変動回数であってもよい。例えば、時短継続回数が14回である場合に、限定期間の最初には残りの変動回数として「7回」を表示し、第2特別図柄の変動表示が実行されるごとに1回ずつ減らすが、第1限定期間のいずれかの回の図柄変動において、第2実施例で説明したアイテム開放演出など、残りの変動回数を増減するための増減演出を実行し、残りの変動回数を増加させてもよい。演出表示装置60に表示される残りの変動回数は、条件(1)が充足されて時短が終了される直前の第2特別図柄の変動表示において、「0回」となるように増減されてもよい。
このように、本実施例では、時短の終了条件として、第2特別図柄の変動回数に関する条件(1)と、第1特別図柄の変動回数に関する条件(2)とが別個に設定されるので、時短中には、第2特別図柄の変動表示中に実行される演出と、第1特別図柄の変動表示中に実行される演出とが別個に進行される。このような演出を実現するために、本実施例では、上述したように、第2限定テーブル参照規則と第1限定テーブル参照規則とを別個に設けるとともに、第2特別図柄の変動表示回数と第1特別図柄の変動表示の回数の合計ではなく、それぞれの特別図柄の変動表示の回数に別個にカウントし、それぞれの特別図柄の変動表示の回数に応じて参照すべき限定テーブルの種類を決定する。
図44は、第2変動パターン決定手段232により参照される限定テーブルを規定する第2限定テーブル参照規則の詳細を示す。本図に示すように、本実施例における変動パターンテーブルは、「通常」テーブルと、6種類の限定テーブル(◎、○、●、□、☆、抜け後)を含み、第2限定テーブル参照規則は、これらのうち、5種類の限定テーブル(◎、○、●、□、☆)を含む。複数の第2限定テーブル参照規則のうち、番号「0」の第2限定テーブル参照規則は、初回当り、すなわち、通常状態において発生した大当りを契機とする特別遊技の終了後の限定期間のみに参照される専用の第2限定テーブル参照規則である。初回当りを契機とする特別遊技の終了後には、特別遊技の契機となった大当り図柄または小当り図柄の種類によらず、必ず番号「0」の第2限定テーブル参照規則が参照される。時短中に発生した大当り、すなわち連荘中の2回目以降の大当りを契機とする特別遊技の終了後には、特別遊技の契機となった大当り図柄または小当り図柄の種類に応じて、参照される第2限定テーブル参照規則が決定される。
限定テーブル「◎」は、リーチ演出を実行するためのリーチ態様の変動パターンが大当りである場合にしか選択されない、すなわち、リーチ演出が実行されると小当りまたは大当りであることが確定する限定テーブルである。上述したように、限定テーブル「◎」は、初回当りの場合にのみ参照される専用の第2限定テーブル参照規則であり、連荘中の2回目以降の当りの場合には参照されない。これにより、初回当りを契機とする特別遊技の終了後の限定期間においては、リーチ演出の信頼度を100%とし、リーチ演出の効果を高めることができる。また、初回当りの場合にのみ参照される第2限定テーブル参照規則において15回転目以降に参照される限定テーブル☆でも、小当りまたは大当りの場合にのみリーチ変動パターンが選択される、または、リーチ変動パターンを全く選択しない仕様とする場合には、連荘となった場合でないとリーチ演出を見ることができないことになるので、リーチ演出の希少感および効果を高めることができる。
限定テーブル「○」は、通常テーブルと同様のパターン抽選値の範囲が変動パターンに割り当てられた限定テーブルである。通常テーブルは、例えば、図8(a)に示した変動パターンテーブルであり、限定テーブル「○」は、例えば、図8(b)に示した時短用の変動パターンテーブルである。
限定テーブル「●」は、必ずリーチ態様の変動パターンが選択される限定テーブルである。本実施例のぱちんこ遊技機では、第1特別図柄の大当りが発生すると、時短が付与されるとすれば必ず100回の時短が付与されるので、時短が7回または14回で終了する場合に比べて、時短中に大当りが再び発生する確率が高く、リーチ演出の信頼度を100%としても、時短中にリーチ演出が実行される確率が高い。したがって、初回の大当りの場合に参照される番号「0」の第2限定テーブル参照規則においては、小当りまたは大当りの場合にしかリーチ演出が実行されないようにしている。しかし、連荘中の2回目以降の大当りでは、時短継続回数は大当り図柄または小当り図柄に応じて7回、14回、または100回のいずれかとなるが、時短継続回数が7回または14回であった場合には、一度もリーチ演出が実行されないまま時短が終了して通常状態に戻る場合がありうる。したがって、本実施例では、第1限定期間のいずれかの回の第2特別図柄の図柄変動において限定テーブル「●」が参照され、必ずリーチ演出が実行されるようにする。これにより、時短中に必ず1回はリーチ演出を実行することができるので、遊技者に満足感を与えることができるとともに、期待感を煽ることができる。本実施例では、第2特別図柄の変動回数に応じて第2限定テーブル参照規則に規定された限定テーブルの種類を決定するので、限定テーブル「●」が参照されるタイミングで第1特別図柄の変動表示が実行されて、リーチ演出が実行されないまま時短が終了してしまうことはなく、確実にリーチ演出を実行することができる。別の例では、第1限定期間または第2限定期間のいずれかの回の第2特別図柄の図柄変動において限定テーブル「●」が必ず参照されるようにしてもよいし、第1限定期間または第2限定期間のいずれかの回の第2特別図柄の図柄変動において限定テーブル「●」が参照されることを規定した限定テーブル参照規則が、限定テーブル「●」が参照されない限定テーブル参照規則よりも高い確率で参照されるように、大当り図柄および小当り図柄と限定テーブル参照規則との対応関係が定められてもよい。さらに、変動回数が1〜6回の間に限定テーブル「●」を複数回参照するようにしてもよいし、変動回数が8〜13回の間にも必ず限定テーブル「●」を参照するようにすることも可能である。
限定テーブル「□」は、時短継続演出を実行するための節目変動パターンが選択される限定テーブルであり、限定テーブル「☆」は、第3限定期間において参照される限定テーブルである。限定テーブル「☆」は、限定テーブル「◎」または限定テーブル「○」と同じであってもよいし、上述した増減演出を実行するための変動パターンが選択される限定テーブルであってもよい。
通常状態において発生した大当りを契機として移行された時短中に参照される第2限定テーブル参照規則「0」において、参照すべき限定テーブルが切り替えられる回数は、時短中において発生した大当りを契機として移行された時短中に参照される第2限定テーブル参照規則「1」〜「5」において、参照すべき限定テーブルが切り替えられる回数よりも少ない。より具体的には、第2限定テーブル参照規則「0」においては、大当りまたは小当りの場合にのみリーチ態様の変動パターンが選択可能である限定テーブル「◎」から、時短継続演出を実行可能な変動パターンが選択される限定テーブル「□」に切替可能である。第2限定テーブル参照規則「1」〜「5」においては、大当りまたは小当りである場合でなくてもリーチ態様の演出を実行可能な変動パターンを選択可能な限定テーブル「○」が参照された後、第2の当否判定の結果が大当りまたは小当りである場合でなくても必ずリーチ態様の演出を実行可能な変動パターンが選択される限定テーブル「●」に切替可能であり、さらにその後、時短継続演出を実行可能な変動パターンが選択される限定テーブル「□」に切り替え可能である。
図45は、第1変動パターン決定手段231により参照される限定テーブルを規定する第1限定テーブル参照規則の詳細を示す。本図に示すように、第1限定テーブル参照規則は、2種類の限定テーブル(◎、抜け後)を含む。第2限定テーブル参照規則は、複数種類設けられるが、第1限定テーブル参照規則は、1種類のみ設けられ、大当り図柄または小当り図柄の種類によらず、また、通常状態で発生した大当りか時短状態で発生した大当りかによらず、同じ第1限定テーブル参照規則が参照される。第1限定テーブル参照規則は、限定期間における5回目までの第1特別図柄の変動表示において第1変動パターン決定手段231が参照すべき限定テーブルの種類を規定した前半規則と、6回目から15回目の第1特別図柄の変動表示において第1変動パターン決定手段231が参照すべき限定選択基準の種類を規定した後半規則とを含む。前半規則においては、限定テーブル「◎」が参照されることが規定され、後半規則においては、限定テーブル「抜け後」が参照されることが規定される。
限定テーブル「◎」は、通常状態において当りが発生した場合は、ノーマルリーチ当り変動パターンが選択され、時短状態において当りが発生した場合は、変動時間がより短い、いわゆる「即当り」変動パターンが選択され、外れの場合は、リーチなしの通常の外れ変動パターンが選択される限定テーブルである。上述したように、時短中に第1特別図柄の変動表示が実行されるときには、扉720が閉まっていく演出を実行することにより、第1始動口11に遊技球を入球させないようにすべきことを遊技者に報知するが、当りが発生した場合にはノーマルリーチ演出または即当り演出を実行する。
限定テーブル「抜け後」は、時短が終了した直後の通常状態において所定回数の第1特別図柄の変動表示が実行される間に参照され、時短が終了して通常状態に戻ったことを示唆または報知する演出や、連荘回数などに応じた特殊な演出などを実行するための変動パターンを規定する。限定テーブル「抜け後」が参照される間は、専用の背景画像を用いた特殊モードの演出が実行されてもよい。また、リーチ演出として、当りである期待度が高いことを示唆する前半のリーチ演出のみで構成される前半系リーチ演出と、前半のリーチ演出が実行された後に、当りである期待度が更に高いことを示唆する後半のリーチ演出に発展する後半系リーチ演出を実行可能である場合に、限定テーブル「抜け後」が参照される間は、通常状態において実行可能な後半系リーチ演出に発展しやすいようにしてもよい。
なお、本明細書における「限定的な期間」または「限定期間」との用語は、限定テーブルが参照される期間全体を意味し、1回の図柄変動表示のみを含む期間であってもよいし、複数回の図柄変動表示を含む期間であってもよい。
本実施例では、時短が終了しても、第1限定テーブル参照規則を参照した参照すべき限定テーブルの種類の決定を終了する条件が満たされるまでは、第1変動パターン決定手段231は、第1限定テーブル参照規則の前半規則を参照して、参照すべき限定テーブルの種類を決定する。すなわち、時短中における第1特別図柄の変動表示の回数が5回未満であった場合は、時短の終了後も、第1特別図柄の変動表示の回数が5回になるまでは、第1限定テーブル参照規則の前半規則にしたがって、限定テーブル「◎」を参照する。そのため、限定テーブル「◎」は、時短状態においても通常状態においても共通して使用可能な変動パターンが選択されるようになっている。第1特別図柄の変動表示が5回終了すると、次の10回の第1特別図柄の変動表示の間は、第1限定テーブル参照規則の後半規則にしたがって、限定テーブル「抜け後」を参照する。第2変動パターン決定手段232は、時短が終了すると、第2限定テーブル参照規則を参照した参照すべき限定テーブルの種類の決定を終了し、通常状態において参照すべき通常テーブルを参照して変動パターンを決定する。
別の例では、時短中における第1特別図柄の変動表示の回数が5回未満であった場合であっても、時短の終了後は、第1限定テーブル参照規則の前半規則の参照を終了し、時短抜け後の10回の第1特別図柄の変動表示の間は、第1限定テーブル参照規則の後半規則に移行して、限定テーブル「抜け後」を参照してもよい。この場合も、第2変動パターン決定手段232は、時短が終了すると、第2限定テーブル参照規則を参照した参照すべき限定テーブルの種類の決定を終了し、通常状態において参照すべき通常テーブルを参照して変動パターンを決定する。
さらに別の例では、第1限定テーブル参照規則を参照した参照すべき限定テーブルの種類の決定を終了する第1条件(第1特別図柄の変動表示回数が5回に到達)、および、第2限定テーブル参照規則を参照した参照すべき限定テーブルの種類の決定を終了する第2条件(第2特別図柄の変動表示回数が時短継続回数に到達)のうちいずれの条件が満たされた場合であっても、第1限定テーブル参照規則を参照した参照すべき限定テーブルの種類の決定、および、第2限定テーブル参照規則を参照した参照すべき限定テーブルの種類の決定の双方を終了させてもよい。この場合、時短が終了すると、第1変動パターン決定手段231も、第2変動パターン決定手段232も、通常状態において参照すべき通常テーブルを参照して変動パターンを決定する。
第2限定テーブル参照規則においては、参照すべき限定テーブルの種類が時短中に1回以上切り替えられるが、第1限定テーブル参照規則においては、5回の第1特別図柄の変動表示の全てで限定テーブル「◎」が参照され、時短中に一度も限定テーブルの種類が切り替えられない。
上述した実施例および変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施の形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施例および変形例それぞれの効果をあわせもつ。また、請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、実施例および変形例において示された各構成要素の単体もしくはそれらの連携によって実現されることも当業者には理解されるところである。
上述した実施例においては、時短の終了条件として、第1特別図柄と第2特別図柄の変動回数の合計数に関する条件だけでなく、第1特別図柄と第2特別図柄のそれぞれの変動回数に関する条件が別個設定されている。実施例では、時短中は第2始動口12に遊技球を入球させて第2特別図柄の抽選を受けるように遊技が設計されており、第1特別図柄の変動回数に関する条件は、主に、第1始動口11に遊技球を入球させて第1特別図柄の抽選で小当り発展大当りまたは大当りを狙う遊技をさせないようにするために設定される。しかし、遊技者としては、時短の終了条件として第1特別図柄と第2特別図柄のそれぞれについて設定された変動回数を最大限利用した遊技をすることも考えられる。例えば、第2特別図柄の時短継続回数が7回に設定されている場合には、第2特別図柄の変動回数が6回に達したときに、そのまま右打ちにより第2始動口12に遊技球を入球させてしまうと、あと1回しか時短中に小当り発展大当りまたは大当りとなるチャンスがないところ、意図的に左打ちに切り替えて第1始動口11に遊技球を入球させると、第1特別図柄の変動回数に関する時短の終了条件に達するまで、最大で4回分は時短を継続させたまま第1特別図柄の抽選を受けることができ、再度、必ず時短が付与される小当り発展大当りまたは大当りを狙うチャンスが得られることとなる。実施例においては、第1特別図柄の変動表示に合わせて扉を閉める演出を表示することにより、第1始動口11を狙って遊技球を発射しないように遊技者に促したが、変形例においては、逆に、時短の終了条件として設定された第2特別図柄の変動回数、または、時短の終了条件として設定されうる第2特別図柄の変動回数の最小回数に近づいてきたときに、遊技者に第1始動口11を狙って遊技球を発射するように促してもよい。具体的には、第2特別図柄の変動回数と第2始動口12の保留数の合計が6となる前に、「左打ちして4回だけ変動させてね!」等の表示または音声出力をすることで、第1始動口11を狙うよう遊技者に報知してもよい。第1特別図柄の変動回数が4回に達した後は、「右打ち」との文字を表示するようにして、右打ちに戻させるようにしてもよい。この「右打ち」の表示または音声出力は、小当り遊技開始時、大当り開始時、時短開始時と同じ態様の表示や音声出力としてもよいし、異なる態様の表示や音声出力としてもよい。
第1実施例および第2実施例において列挙した態様および変形例は、第3実施例にも適用可能である。
60 演出表示装置、 221 第1当否判定手段、 222 第2当否判定手段、 240 保留制御手段、 260 特別遊技制御手段、 270 特定遊技制御手段、 303 演出決定手段、 305 演出表示制御手段、 500 ぱちんこ遊技機。

Claims (1)

  1. 遊技領域が形成された遊技盤と、
    前記遊技領域の所定位置に設けられる第1始動口および第2始動口と、
    前記第1始動口への入球を契機として取得した第1抽選値に基づいて第1の当否判定を実行する第1当否判定手段と、
    前記第2始動口への入球を契機として取得した第2抽選値に基づいて第2の当否判定を実行する第2当否判定手段と、
    前記第1の当否判定の結果を示すための第1図柄が変動表示される第1図柄表示装置と、
    前記第2の当否判定の結果を示すための第2図柄が変動表示される第2図柄表示装置と、
    前記第1図柄の変動表示過程を定める変動パターンを決定するための変動パターン選択基準を参照して変動パターンを決定する第1変動パターン決定手段と、
    前記第2図柄の変動表示過程を定める変動パターンを決定するための変動パターン選択基準を参照して変動パターンを決定する第2変動パターン決定手段と、
    前記第1変動パターン決定手段により決定された変動パターンにしたがって、前記第1図柄を前記第1図柄表示装置に変動表示させる第1図柄表示制御手段と、
    前記第2変動パターン決定手段により決定された変動パターンにしたがって、前記第2図柄を前記第2図柄表示装置に変動表示させる第2図柄表示制御手段と、
    前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記第1の当否判定または前記第2の当否判定の結果に応じて開放され、遊技球の入球が遊技者への利益付与の契機となる大入賞口と、
    前記第1の当否判定の結果が当りであることを示す第1停止図柄または前記第2の当否判定の結果が当りであることを示す第2停止図柄が停止表示された場合、前記大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
    演出的な内容が表示される演出表示装置と、
    前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
    を備え、
    当りが発生した場合、前記特別遊技の終了後の予め定められた所定の限定的な期間には、前記変動パターン選択基準として、前記限定的な期間に参照可能な複数の限定選択基準のうちのいずれかが参照され、
    前記所定の限定的な期間において参照すべき限定選択基準を規定した限定選択基準参照規則にしたがって、参照する限定選択基準が決定され、
    前記限定選択基準参照規則として、前記第1変動パターン決定手段が参照すべき限定選択基準を規定した第1限定選択基準参照規則と、前記第2変動パターン決定手段が参照すべき限定選択基準を規定した第2限定選択基準参照規則とが別個に設けられ、
    記第1図柄の変動表示の回数と前記第2図柄の変動表示の回数と別個にカウントされ、
    前記第1変動パターン決定手段は、前記第1限定選択基準参照規則を参照して、前記第1図柄の変動表示の回数に応じて参照すべき限定選択基準を決定し、決定した限定選択基準を参照して変動パターンを決定し、
    前記第2変動パターン決定手段は、前記第2限定選択基準参照規則を参照して、前記第2図柄の変動表示の回数に応じて参照すべき限定選択基準を決定し、決定した限定選択基準を参照して変動パターンを決定する弾球遊技機。
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