(既存技術)
本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技とが、同時に実行されないよう第2の遊技が優先的に実行される。またこれらの遊技性を両立させるために、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプを備える。第1の遊技における大当りの出玉より、第2の遊技における大当りの出玉の方がおおむね多くなるように設計される。例えば、第2の遊技の方が確変を伴う大当りとなる確率が高く、また、第2の遊技の方が大当りした際の特別遊技を構成する単位遊技数が多い(大入賞口の開放時間が長い長開放単位遊技と開放時間が短い短開放単位遊技とが一つの特別遊技中に混在し、同一単位遊技数であっても第2の遊技の方が第1の遊技よりも長開放単位遊技の数が多い場合を含む)など、第2の遊技の方が第1の遊技より相対的に利益が高くなる設計がされている。その上で、最初は第1の遊技にて初当りを狙い、第1の遊技における大当りで時短が付与された後は第2の遊技を繰り返し狙って多くの出玉を得る、という遊技性を実現する。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機100は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機100の遊技機枠は、外枠101、前枠102、透明板103、扉104、上球皿105、下球皿106、発射ハンドル107、スピーカー108、演出ボタン109、十字キー110、装飾ランプ111を含む。外枠101は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機100を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠102は、外枠101の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠101へ開閉可能に取り付けられる。前枠102は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板103は、ガラスなどにより形成され、扉104により支持される。扉104は、図示しないヒンジ機構により前枠102へ開閉可能に取り付けられる。上球皿105は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿106への遊技球の抜き取り等をする機構を有する。下球皿106は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。扉104の上部には左右にスピーカー108が設けられており、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた効果音や楽曲の音声を出力する。扉104の外観を構成する樹脂部材の大部分が半透明であり、その透過する内部に装飾ランプ111が設けられる。装飾ランプ111は、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた様々な色で発光するLEDであり、点滅等することで演出の役割を果たす。
遊技盤80は、レール82により区画された遊技領域81上に、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口33、アウト口34、演出表示装置60、センター飾り64を含む。センター飾り64は、遊技領域81の略中央部とその上部および右部にわたって演出表示装置60の画面枠を形成するように設けられる装飾的な樹脂部材であり、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。センター飾り64の下部には流入した遊技球が転動するステージ65が形成され、その転動の仕方によってステージ65からの落下方向は第1始動口11へ入球する方向と第1始動口11に入球しない側方の方向とに振り分けられる。センター飾り64の上部には、演出内容に沿って駆動されて演出的な動作をする可動役物66が設けられる。遊技領域81には、遊技球の流路を形成するための図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。なお、本明細書において「入球」「入賞」「落入」は相互に同義としてもよい。また、各入賞口や各入球口は、遊技球が通過するタイプの「通過口」(「ゲート」や「スルーチャッカー」等とも呼ぶ)で構成される場合があってもよく、「入球」「入賞」「落入」と「通過」もまた相互に同義としてもよい。
第1始動口11は第1の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第2始動口12は第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられる。第1始動口11と第2始動口12は、遊技者の意思にしたがった遊技球の発射強弱によって一方への入球を狙うことが可能となるように構成される。第1始動口11は、遊技領域81における略中央下部に設けられ、第2始動口12は、第1始動口11の直下に設けられる。左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って相対的に弱めに打球した場合は第1始動口11および第2始動口12に入球可能ないし入球容易である一方、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って相対的に強めに打球した場合は第2始動口12には入球可能ないし入球容易であるが第1始動口11には入球不能ないし入球困難となるように遊技釘の配置による流路が形成される。ただし、通常時には第2始動口12の開口部上方が第1始動口11に覆われて遊技球の流入が妨げられることから、第2始動口12の拡開機構が開放されない限り第2始動口12には入球不能ないし入球困難である。当否抽選は、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する抽選であり、第1始動口11または第2始動口12へ入球があるたびに実行される。
なお、第1始動口11および第2始動口12は、遊技球の発射強弱によっていずれかを目標にした打ち分けが可能な程度に互いに離れた位置に設けられてもよい。第1始動口11と第2始動口12は、それぞれ遊技領域81の左側と右側に離して設置され、一方を狙った遊技球が他方へ入球しがたい構成としてもよい。たとえば、第1始動口11は、左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って比較的弱めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。第2始動口12は、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って比較的強めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。
第1始動口11は、第1始動入賞検出装置16を備える。第1始動入賞検出装置16は、第1始動口11への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成する。第2始動口12は、第2始動入賞検出装置17と、拡開機構である普通電動役物90(いわゆる電動チューリップ)と、普通電動役物90を開閉させるための普通電役ソレノイド91を備える。第2始動入賞検出装置17は、第2始動口12への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。
第1作動口31または第2作動口32への遊技球の通過により、普通電動役物90の作動が決定されると、普通電役ソレノイド91の駆動力により普通電動役物90が拡開され、第2始動口12への入球可能性が高まる。普通電動役物90の1回の開放時間は、短開放時は0.1秒程度の短時間であるのに対し、長開放時は普通電動役物90の1回の開放時間が6秒程度と短開放時よりも長く設定されて遊技球が第2始動口12に入球しやすくなる。普通電動役物90の作動期間の延長に係る機能(長開放)は「開放延長」とも呼ばれる。なお、変形例として、普通電動役物90が拡開するときはその旨を事前に報知してもよく、普通図柄変動の保留を先読みして普通図柄の変動開始前に報知してもよいし、普通図柄の変動中に報知してもよい。
第2始動口12の普通電動役物90を長開放させるときの開放態様の変形例としては、短開放時より長い2秒開放を3回繰り返すことにより総開放時間を6秒程度にまで長くする態様としてもよい。また、開放時間と開放回数の組合せを複数通り用意し、いずれかを選択する構成としてもよい。例えば2秒開放を3回の場合、6秒開放を1回の場合と比較して総開放時間は同じであるが、インターバル期間も含めると前者は後者より長い。そのため、特に第2始動口12を右打ちの方向に配置する変形例の構成では、開放に気がついた遊技者がその時点から打球方向を第2始動口12に合わせたとして前者の方が入球チャンスが長いともいえる。また、普通図柄の当り種類が複数存在するように構成し、その当り種類に応じて拡開機構の開放態様が異なるようにしてもよい。例えば、普通図柄が第1の当りとなった場合、通常状態では0.1秒開放を1回、入球容易状態では1秒開放を3回とし、第2の当りとなった場合、通常状態では6秒開放を1回、入球容易状態では2秒開放を2回としてもよい。
3つの一般入賞口33は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置38をそれぞれ備える。一般入賞検出装置38は、一般入賞口33への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
大入賞口20は、遊技球の入球を検出するための大入賞検出装置25と、大入賞口20を開閉させるための大入賞口ソレノイド92を備える。大入賞検出装置25は、大入賞口20への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。大入賞口20は、第1特別図柄51または第2特別図柄52が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口20はアウト口34の右上方の位置に設けられる。なお、変形例として大入賞口を遊技領域81の中央下部や大入賞口20の上方または下方にさらにもう一つ設け、複数の大入賞口が設けられる構成としてもよい。
遊技盤80における遊技領域81の外側左下位置に第1の遊技に対応する第1特別図柄表示装置41と第2の遊技に対応する第2特別図柄表示装置42とが左右に並設され、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動が表示される。遊技領域81の略中央にはセンター飾り64により形成される画面枠から画面が露出するように演出表示装置60が設けられ、第1特別図柄51または第2特別図柄52に連動する装飾図柄61を含む演出画像の変動を表示する。以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という。
第1特別図柄51は、第1始動口11への遊技球の入球を契機として行われる第1当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第2特別図柄52は、第2始動口12への遊技球の入球を契機として行われる第2当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第1特別図柄表示装置41および第2特別図柄表示装置42は、例えば「8の字」を形成する7個のセグメントおよび「ドット」を表す1個のセグメントの8個のセグメントからなる8セグメントLEDの表示装置である。8セグメントLEDでは、8個のセグメントを組み合わせることにより8ビット分の数値を表現できる。セグメントの組合せで表される第1特別図柄51および第2特別図柄52は、必ずしも文字や数字の体をなしておらず、各セグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号であってよい。これらの記号が高速で次々に入れ替わって第1特別図柄表示装置41および第2特別図柄表示装置42へ表示され、または、所定の表示(例えば「−」)と非表示(例えば全消灯)とが所定時間繰り返された後に判定結果に対応した図柄が表示されることにより、第1特別図柄51および第2特別図柄52の図柄変動表示が実現される。さらに、第1特別図柄表示装置41および第2特別図柄表示装置42を8セグメントLEDではないLEDドットアレーを用いて、その点灯パターンや点灯色の組合せで複数種類の第1特別図柄51および第2特別図柄52を表現してもよい。
演出表示装置60は、第1特別図柄51または第2特別図柄52の変動表示と連動する形で装飾図柄61を変動表示する液晶ディスプレイで構成される表示装置である。装飾図柄61は、第1特別図柄51および第2特別図柄52で示される抽選の判定結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄61として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄を変動させる動画像を画面の中央領域に表示する。本実施例においては、「0」〜「9」の数字で構成される図柄を3列に表示して変動させ、最終的に停止表示される3個の図柄組合せによって当りまたは外れを示す。装飾図柄61を構成する複数図柄のそれぞれは、色彩や模様の装飾が施された数字、文字、または記号で構成されるが、これら数字、文字、記号に対して全図柄に共通する絵柄または図柄ごとに異なる絵柄を加えて一体化させる形で構成されてもよい。この絵柄は、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連するモチーフが描かれた絵柄であり、例えば人物や動物のキャラクタが描かれた絵柄であってもよい。装飾図柄61は、絵柄が一体的に含まれる図柄が変動表示される場合と、絵柄が分離して数字、文字、記号の部分のみが変動表示される場合とが、演出の展開に沿って切り替えられる構成であってもよい。装飾図柄61の変動表示の背景には、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連する演出的効果を有する動画像が図柄変動と連動して表示される。
なお、第1特別図柄51および第2特別図柄52は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では遊技領域81の左下方の第1特別図柄表示装置41および第2特別図柄表示装置42にて目立たない大きさで表示させる。ただし、特別図柄自体に演出的な役割をもたせることで装飾図柄を用いずに表現する手法を採用する場合には、特別図柄を8セグメントLEDではなく液晶ディスプレイに表示させる構成としてもよい。
演出表示装置60は、高精細なドットマトリクス型表示装置である液晶ディスプレイで構成されるが、その表示領域の横幅は遊技領域の横幅の半分程度であってもよいし、半分を超える大型サイズであってもよい。大型サイズの場合、演出表示装置の右側の遊技球通路は遊技球1個が通過できる程度の通路幅にて形成され、遊技者はいわゆる「右打ち」として最大強度で打ち出せばほぼ確実に右側通路へ遊技球を通過させることができ、いわゆる「左打ち」との打ち分けができる。演出表示装置60は、単一の表示装置で構成される場合だけでなく、複数の表示装置の組合せで構成されてもよい。複数の場合、メイン液晶とサブ液晶の組合せといった大小異なる大きさのディスプレイを組み合わせてもよく、サブ液晶はメイン液晶に隣接する位置に配置されてもよいし、遊技盤以外の位置、例えば発射ハンドルの近傍(上球皿、右側装飾ランプなど)に設置されてもよい。発射ハンドルの近傍に設置される場合、遊技者が操作入力可能なタッチパネルの形で構成されてもよい。演出表示装置60は、液晶ディスプレイに限らず、有機ELディスプレイなどの表示装置で構成されてもよいし、ドラム回転式などの機械的表示手段やLEDマトリクス式などの表示手段で構成されてもよい。
第1作動口31は、遊技領域81の左側方位置に設けられ、第1通過検出装置36を含む。第1通過検出装置36は、第1作動口31への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。第2作動口32は、遊技領域81の右側方位置に設けられ、第2通過検出装置37を含む。第2通過検出装置37は、第2作動口32への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。第1作動口31または第2作動口32への遊技球の通過は普通電動役物90を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過すると、開放抽選の判定結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置45に変動表示される。したがって、開放抽選は「普通図柄抽選」とも呼ぶ。普通図柄表示装置45は遊技領域81の外側右下方に設けられ、便宜上、二つのランプで構成されるとともに、それらのうちいずれのランプが点灯しているかによって普通図柄の表示状態が表現される。例えば、第1のランプの点灯が外れを示し、第2のランプが当りを示すとき、それらが交互に点灯と消灯を繰り返すことによって普通図柄の変動表示が表現され、最終的にいずれかの点灯状態にて停止されることで普通図柄の停止図柄が表現される。変動開始から所定時間の経過後に、普通図柄の変動表示が停止する。普通図柄が当りの図柄で停止すると、普通電動役物90が拡開され、前述した第2始動口12への入球可能性が高まる。
普通電動役物90の開放時間は、0.1秒間の短開放と6秒間の長開放の2通りがある。通常状態における開放抽選では、1/50の確率で普通図柄が当りとなって長開放が実行され、1/100の確率で普通図柄が当りとなって短開放が実行される。このように通常状態では長開放となる確率の方が短開放の確率より高いが、変形例では逆に短開放となる確率の方が長開放の確率より高い仕様としてもよいし、両者の確率を同じにする仕様としてもよい。入球容易状態における開放抽選では、普通図柄の当り確率を99/100に高め、さらに開放時間を長開放のみとする。このように入球容易状態では普通図柄の当り確率の変動機能と開放時間の延長機能により、第2始動口12への入球容易性を高める。変形例における入球容易状態では、さらに普通図柄の変動時間の短縮機能を加えた3つの機能を用いて第2始動口12への入球容易性を高める構成としてもよい。その場合の普通図柄の変動時間は、例えば通常状態では10秒間であり、入球容易状態では2秒間である。なお、通常状態における開放抽選の当り確率をゼロ(0/50)に設定し、入球容易状態において開放抽選がなされた場合に限り普通電動役物90が拡開されうる仕様としてもよい。
遊技領域81の外側左下位置において、第1特別図柄表示装置41の上方には第1の遊技に対応する第1特図保留ランプ71が設けられ、第2特別図柄表示装置42の上方には第2の遊技に対応する第2特図保留ランプ72が設けられる。第1特図保留ランプ71は2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第1の遊技における当否抽選値の保留数を表示する。第1特図保留ランプ71における当否抽選値の保留数は、第1特別図柄51の変動中または特別遊技の実行中に第1始動口11へ入賞した抽選値の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。第2特図保留ランプ72も2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第2の遊技における当否抽選値の保留数を表示する。第2特図保留ランプ72における当否抽選値の保留数は、第2特別図柄52の変動中または特別遊技の実行中に第2始動口12へ入賞した抽選値の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。当否抽選値の保留数は、演出表示装置60の画面下部にも保留ランプ画像の点灯個数で表す形で表示される。
当否抽選の保留数が3個になると、遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が通常より短縮される(以下、「短縮変動」ともいう)。同様に、当否抽選の保留数が4個になると、さらに遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が上記3個の場合よりもさらに短縮される(以下、「超短縮変動」ともいう)。
遊技領域81の外側右下位置において、普通図柄表示装置45の右側には普図保留ランプ75が設けられる。普図保留ランプ75もまた2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に第1作動口31または第2作動口32を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。
演出ボタン109は、遊技者が演出内容に応じて遊技機へ所定の指示を入力するために押下する操作入力手段であり、その押下態様に応じて演出内容等に変化が加えられる。演出ボタン109は、上球皿105近傍の外壁面に設けられる。十字キー110は、遊技者が遊技機へ方向指示を入力する操作入力手段であり、上球皿105の左方の外壁面に設けられる。
以上のような構成においてなされる遊技の方法および制御の流れを概説する。遊技者が発射ハンドル107を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿105に貯留された遊技球が1球ずつレール82に案内されて遊技領域81へ発射される。遊技者が発射ハンドル107の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域81の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車、センター飾り64等に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口33、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿105または下球皿106に払い出される。一般入賞口33等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口34に落入した遊技球はアウト球として処理される。
第1始動口11または第2始動口12に入球すると、第1特別図柄表示装置41、第2特別図柄表示装置42および演出表示装置60において第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が変動表示される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動表示は、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止される。第1特別図柄51および第2特別図柄52は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動パターンにしたがって変動表示される。装飾図柄61は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動演出パターンにしたがって変動表示される。変動パターンおよび変動演出パターンはそれぞれ複数種ずつ用意され、それぞれが長短様々な変動時間をもつ。変動パターンにしたがって第1特別図柄51および第2特別図柄52が変動表示される間、同じ変動時間をもつ変動演出パターンにしたがって装飾図柄61が変動表示される。変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動が停止される。
装飾図柄61の変動表示としては、まず変動開始とともにスロットマシンのリール回転のように3列とも図柄を変動させ、変動終了タイミングへ近づいたときに一列ずつ停止させることで最終的な停止態様としての図柄組合せを表示する。停止時の第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が大当りを示す停止態様となった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口20の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄61の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する組合せの態様である。なお、装飾図柄190の変動停止時の動作として、1列ずつではなく複数列同時に停止させるよう制御して、変動表示中に装飾図柄以外の演出表示を注目させたり、より短い変動時間で図柄変動を表示できるようにしてもよい。また、装飾図柄190の変動開始時の動作として当該変動におけるその後の展開(演出パターンの種類等)に応じて一部の列の変動開始を遅延させるように制御して、期待感を演出するようにしてもよい。
変動演出パターンには、通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンが含まれる。通常外れ演出パターンは、通常の外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ外れ演出パターンは、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態であるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ大当り演出パターンは、リーチ状態を経て大当りの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンは、それぞれ通常状態にて表示する通常のパターンと、時短状態において表示する時短用パターンとがある。ただし、通常状態であっても、第2始動口12への入球に対応する第2図柄変動であった場合は、大当りが確変を伴う確率や特別遊技の単位遊技数が多くなる確率が第1始動口11への入球に対応する第1変動より高いチャンス状態といえるため、相対的に有利な大当りが発生するチャンスであることを表示するチャンス演出用のパターンを用いてもよい。なお、実施例では時短状態において時短用のパターンを用いるが、確変状態では時短を伴うため、確変状態においても時短用パターンが用いられる。ただし、変形例では確変状態において時短用とは異なる確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。あるいは、時短用と確変用で共通のパターンを用いる仕様としてもよいし、時短用のパターンは特に用いずに確変状態において確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。
特別遊技には通常特別遊技と短縮特別遊技の2種類があり、それぞれ獲得賞球による利益に大きな差が生じる。通常特別遊技は、開始デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって開始される。開始デモ時間の画面表示後に大入賞口20が開放され、その開放が約30秒間続いた後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口20の開放から閉鎖までが、基本的には単位遊技と呼ばれるが、1回の単位遊技の間に複数回の短時間の開放を繰り返す場合があってもよい。大入賞口20の開閉ないし単位遊技が所定回数、例えば4回または16回繰り返された後、終了デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって通常特別遊技が終了される。通常特別遊技においては、1回の単位遊技あたり9球以上の入球が十分に期待でき、16回分の単位遊技によって十分な賞球(これを「出玉」ともいう)を獲得でき、大きな利益が得られる。16回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「16R大当り」とも称し、4回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「4R大当り」とも称する。なお、単位遊技は16回繰り返されるものの、一部の単位遊技で大入賞口20を通常よりも短い時間(例えば0.2秒)開放させることで実質的に少数回の単位遊技が繰り返されたものと同様の通常特別遊技(「実質nR大当り」と称する場合もある)を実現することもできる。
一方、短縮特別遊技は、開始デモ時間および終了デモ時間が短く、または、ほとんどなく(0.1秒など)、1回の単位遊技で大入賞口20を0.2秒間だけ開放させる。この単位遊技を2回繰り返して短縮特別遊技が終了される。短縮特別遊技では、ごく短時間の大入賞口20の開放を2回繰り返すだけであるため、大入賞口20にはほとんど入球し得ず、実質的に出玉がほぼゼロに等しい特別遊技である。2回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「2R大当り」とも称する。なお、単位遊技の回数は通常特別遊技と同じものの、全ての単位遊技で大入賞口20を通常よりも短い時間開放させることで短縮特別遊技を実現することもできる。
停止時の第1特別図柄51または第2特別図柄52および装飾図柄61が所定の小当り態様であった場合、1回の単位遊技で構成される小当り遊技に移行し、大入賞口20の開閉動作が実行される。小当り遊技を構成する1回の単位遊技においては、大入賞口20が約0.2秒間の開放を2回繰り返すので、外観上は2R大当りと区別がつかない、または区別し難い動作態様となる。
特別遊技が発生した場合であってそのときの当り停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確変がさらに開始される。確変中は、通常の確率状態より当りの確率が高い当否抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生し得る。なお、当否抽選の判定結果が特定大当り、すなわち確変を伴う大当りであったことは外観上明示せず、装飾図柄や演出内容として明示的に報知しない潜伏確変状態としてもよい。その場合、確変中であっても確変であるか非確変であるかが演出表示装置60には明示されない。なお、所定条件が成立した場合に確変であるか非確変であるかを演出表示装置60に明示してもよい。
特別遊技が終了した後の通常遊技において特定遊技状態の一つである入球容易状態が開始される。入球容易状態では、開放抽選の当り確率を通常より高めるとともに、普通電動役物90の拡開時間を長開放とする開放延長を実行する。一定時間あたりの普通図柄の当り回数が増加し得る上、第2始動口12への入球容易性も増すため、第2始動口12への入球数が増加する可能性も高い。したがって、第2始動口12への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉をほとんど減らさないか、あるいは少しずつ持ち玉を増やしながら遊技し続けることが可能となる。
入球容易状態においては、特定遊技状態の一つとして、第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が通常状態よりも短縮される、いわゆる時短がさらに実行される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間は、所定の変動回数、例えば100回の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻されるが、その変動回数に達する前に大当りが発生すれば時短もいったん終了する。時短において第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が短縮されるため、通常の変動時間のまま図柄変動がなされる通常状態の場合と比べて、大当りが発生するまでの時間を短縮することができ、大当りの獲得容易性を相対的に高めることができる。変形例では、入球容易状態において特別図柄の時短を実施しない仕様としてもよい。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ150は、ぱちんこ遊技機100の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板200は、ぱちんこ遊技機100の全体動作を制御し、とくに第1始動口11、第2始動口12へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板300は、液晶ユニット151を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板200による判定結果に応じて演出的な表示内容を変動させる。裏セット機構152は、賞球タンク153や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット154等を含む。払出ユニット154は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク153から供給される遊技球を上球皿105へ払い出す。払出制御基板155は、払出ユニット154による払出動作を制御する。発射装置156は、上球皿105の貯留球を遊技領域81へ1球ずつ発射する。発射制御基板157は、発射装置156の発射動作を制御する。電源ユニット158は、ぱちんこ遊技機100の各部へ電力を供給する。
図3は、ぱちんこ遊技機100の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機100は、遊技の基本動作や遊技の進行を制御する主制御装置としてのメイン基板200と、演出的な動作や処理を制御する副制御装置としてのサブ基板300とに機能を分担させた形態で構成される。メイン基板200は、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20、一般入賞口33、第1作動口31、第2作動口32、第1特別図柄表示装置41、第2特別図柄表示装置42、普通図柄表示装置45と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。サブ基板300は、演出表示装置60、演出ボタン109、スピーカー108、装飾ランプ111と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。メイン基板200とサブ基板300の間におけるデータの送受信はメイン基板200からサブ基板300への一方向となるよう一方向でのデータ送受信にて全体動作を実現するための各構成がメイン基板200とサブ基板300に配置される。メイン基板200からサブ基板300へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板300に含まれる構成からメイン基板200に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、メイン基板200で生成された情報は、メイン基板200がサブ基板300へ一方的に送信しない限りサブ基板300から参照することはできない。
なお、メイン基板200に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板200ではなくサブ基板300に搭載されてもよいし、サブ基板300に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板300ではなくメイン基板200に搭載されてもよい。
図4は、メイン基板200の構成を示すブロック図である。メイン基板200は、入球判定手段201、第1抽選手段211、第2抽選手段212、普図抽選手段213、保留制御手段240、メイン表示制御手段250、特別遊技制御手段260、小当り遊技制御手段265、特定遊技制御手段270、開閉制御手段275、特図調整手段276を備える。
入球判定手段201は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段201は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動口11に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動口12に入賞したと判断する。入球判定手段201は、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口20に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口33に入賞したと判断する。入球判定手段201は、通過情報を受け取ると遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断する。
第1抽選手段211は、第1の遊技に係る第1の抽選を実行する機能として、第1抽選値取得手段216、第1当否判定手段221、第1図柄決定手段226、第1変動パターン決定手段231を含み、第1始動口11への入球に対応する当否抽選として第1当否抽選を実行する。第1当否抽選の判定結果は、第1特別図柄表示装置41において第1特別図柄51の変動表示の形で示され、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示の形で示される。第2抽選手段212は、第2抽選値取得手段217、第2当否判定手段222、第2図柄決定手段227、第2変動パターン決定手段232を含み、第2始動口12への入球に対応する当否抽選として第2当否抽選を実行する。第2当否抽選の判定結果は、第2特別図柄表示装置42において第2特別図柄52の変動表示の形で示され、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示の形で示される。第1抽選手段211および第2抽選手段212は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の判定結果を図柄変動の制御コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。
第1抽選手段211および第2抽選手段212は、第1始動口11または第2始動口12への入球時にも事前判定処理として抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行し、その判定結果を演出決定手段303へ送信する。事前判定処理の結果は送信バッファに一時保存された後、その抽選に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず演出決定手段303へ送信され、送信バッファから消去または後に上書きされる。そのため、サブ基板300の側にとっては図柄変動開始の順番が巡ってくる前にあらかじめ当否結果を推測的に認識できる、いわゆる「先読み」と呼ばれる処理が実現される。なお、当否判定結果だけでなく、図柄抽選の結果や変動パターン抽選の結果等を先読みに利用してもよいし、それらの組み合わせによって先読み処理を実行してもよい。
第1抽選値取得手段216は、第1始動口11への入球を契機に、第1当否抽選のために乱数の値を第1当否抽選値として取得する。第2抽選値取得手段217は、第2始動口12への入球を契機に、第2当否抽選のために乱数の値を第2当否抽選値として取得する。例えば、当否抽選のために第1当否抽選値および第2当否抽選値として取得する値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。第1当否抽選値、第2当否抽選値として取得する値は、保留制御手段240により一時的に保留される。ただし、所定の保留上限数を超えない範囲で当否抽選値が保留される。なお、第1抽選値取得手段216および第2抽選値取得手段217は、同じ乱数生成手段により生成された乱数の値をそれぞれ取得してもよいし、別々の乱数生成手段により生成された乱数の値をそれぞれ取得してもよい。また、ここでいう「乱数」は、乱数生成回路で生成する物理乱数や数学的な意味での真正乱数でなくてもよく、16ビットカウンタを利用した乱数や乱数生成アルゴリズムを利用したソフトウェア乱数などの疑似乱数でもよい。またはハードウェア乱数とソフトウェア乱数を組み合わせて生成する乱数でもよい。
第1当否判定手段221は、第1当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定と、第1当否抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行する。第2当否判定手段222は、第2当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定と、第2当否抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行する。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルと事前当否判定テーブルを保持する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する当否判定を、特に事前当否判定と区別するために、適宜「本判定としての当否判定」とも呼ぶ。なお、本明細書において「テーブル」や「選択基準」というときは、厳密に抽選値などの第1のパラメータと、選択肢を示す値などの第2のパラメータとの対応関係をテーブル構造で定めたデータを指すだけでなく、そのような対応関係として第1のパラメータから第2のパラメータを導出するプログラム構造で実現する場合も広く含むものとする。それらを含めて実質的に「テーブル」と同義の概念として適宜「選択基準」と称する。また、テーブル構造を用いる場合、実質的に1種類となる選択基準を構造的に細分化された複数のテーブルの組合せで構成してもよいが、「複数種の選択基準」というときはその細分化されたテーブルの数ではなくテーブルの実質的な種類の数を示す。
第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルを複数保持する。複数の当否判定テーブルには、大当りおよび外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた大当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、通常確率状態においては通常の当り確率による当否判定のための当否テーブルを参照し、確率変動状態においては通常確率より大当り確率が高くなる当否テーブルを参照する。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当りであるか否かを判定する。
図5は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、本判定として当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。第1当否判定手段221による第1当否抽選と第2当否判定手段222による第2当否抽選のいずれにおいても、通常時には当否抽選値が0〜299の範囲に該当したときのみ大当りとなる。確変時には大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜299の範囲に該当する場合だけでなく、300〜2999の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。なお、本図では単一の当否判定テーブルによって通常時と確変時の双方の大当り範囲を示したが、当否判定テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよいし、第1当否抽選用と第2当否抽選用とで別個に用意してもよい。
本実施例においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。本図の例では、第1当否判定手段221が取得する当否抽選値が56500〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなり、第2当否判定手段222が取得する当否抽選値が64000〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。すなわち、第2当否抽選よりも第1当否抽選の方が小当りに該当する範囲が広く、小当りが発生しやすい。このように、大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。なお、本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。
図6は、事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。第1の遊技に関する事前当否判定は、第1始動口11への入球時に図6(a)のテーブルを参照し、当否抽選値が「0〜299」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「300〜2999」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。当否抽選値が「3000〜56499」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「56500〜65535」の場合はその旨を示す「4」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。以上のように事前当否判定により設定された情報は、第1始動口11への入球を契機に送信される、第1当否抽選であることや保留の個数を示す情報の送信タイミングにあわせて演出決定手段303へ送信する。
第2の遊技に関する事前当否判定は、第2始動口12への入球時に図6(b)のテーブルを参照し、当否抽選値が「0〜299」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「300〜2999」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。当否抽選値が「3000〜63999」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「64000〜65535」の場合はその旨を示す「4」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。以上のように事前当否判定により設定された情報は、第2始動口12への入球を契機に送信される、第2当否抽選であることや保留の個数を示す情報の送信タイミングにあわせて演出決定手段303へ送信する。
図4に戻り、第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、別途取得する図柄抽選値と当否判定の結果に基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄を決定する。また、第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、第1始動口11または第2始動口12への入球時に、図柄抽選値がいずれの図柄範囲に該当するかの事前図柄判定を実行する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照する複数の図柄判定テーブルを保持しており、メイン基板200の制御手段は、さらに、停止表示される図柄情報に応じた先読みの実施を判定するための事前図柄判定テーブルを保持する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、当否判定結果に応じて異なる図柄判定テーブルを参照する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する図柄判定を、特に事前図柄判定と区別するために、適宜「本判定としての図柄判定」とも呼ぶ。
図7は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図7(a)は当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、図7(b)は当否判定結果が外れであった場合に参照するテーブルであり、図7(c)は当否判定結果が小当りであった場合に参照するテーブルである。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、本判定として図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。各図柄判定テーブルには、特別図柄の種類を示す「0」〜「10」の番号と第1図柄抽選値または第2図柄抽選値との対応関係が定められている。特別図柄の種類はそれぞれ大当り、小当り、外れの当否判定結果と対応付けられており、「0」〜「4」が大当りに対応し、「5」〜「9」が小当りに対応し、「10」が外れに対応する。各種類には複数の特別図柄、すなわちセグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号が複数割り当てられている。
図7(a)に示す通り、特別図柄の種類「0」〜「4」が大当りに対応付けられている。そのうち、種類「0」は特定大当りとして確変を伴う4R大当りまたは16R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「0〜99」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「0〜144」に対応付けられる。種類「1」は特定大当りとして確変を伴う2R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「100〜149」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「145〜149」に対応付けられる。種類「2」〜「4」は通常大当りとして確変を伴わない4R大当りまたは16R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「150〜189」に種類「2」が対応付けられ、「190〜229」に種類「3」が対応付けられ、「230〜255」に種類「4」が対応付けられる。このように図柄抽選値の範囲の大きさによって大当り種類ごとの選択確率が定まる。
図7(b)に示す通り、種類「10」は当否判定結果が外れの場合における全範囲の図柄抽選値に対応付けられている。
図7(c)に示す通り、特別図柄の種類「5」〜「9」が小当りに対応付けられている。種類「5」は図柄抽選値の範囲「0〜49」に対応付けられ、種類「6」は図柄抽選値の範囲「50〜99」に対応付けられる。種類「7」は図柄抽選値の範囲「100〜149」に対応付けられ、種類「8」は図柄抽選値の範囲「150〜199」に対応付けられ、種類「9」は図柄抽選値の範囲「200〜255」に対応付けられる。
なお、本実施例においては、メイン基板200における記憶領域を節約するために、事前図柄判定においても図7のテーブルが事前図柄判定テーブルとして参照される。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、事前図柄判定の結果として特別図柄の種類を示す「0」〜「10」の値を第1当否抽選または第2当否抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段303へ送信する。なお、事前図柄判定テーブルとして、さらに細分化し複雑な判定を実施可能としたもの、または同様の特別遊技を実行する大当り図柄の判定範囲をまとめて簡易的にしたものを利用するようにしてもよい。また、本実施例のように外れの際に一義的に図柄が定まる場合は、取得した図柄抽選値を参照することなく1の図柄を決定してもよい。
図4に戻り、第1変動パターン決定手段231は、第1特別図柄表示装置41および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第1パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第2変動パターン決定手段232は、第2特別図柄表示装置42および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第2パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、それぞれ図柄変動を開始する際に変動パターンテーブルを参照してその図柄変動の変動パターンを決定する。また、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、パターン抽選値がいずれの変動パターン範囲に該当するかの事前パターン判定を実行する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232、メイン基板200の制御手段は、変動開始条件を満たした際に変動パターンを決定するために参照する変動パターンテーブルと、始動口への入球時に先読み処理の実行判定のための情報生成に使用する事前パターン判定テーブルをそれぞれ保持または共有する。変動パターンには、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動時間が定められており、その種類によって長短様々な変動時間をもつ。すなわち、図柄変動の表示過程が定められた各変動パターンには、実質的には、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する変動パターン判定を、特に事前パターン判定と区別するために、適宜「本判定としての変動パターン判定」とも呼ぶ。
図8は、変動パターンテーブルを模式的に示す図である。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、通常状態においては本図(a)のテーブルを参照し、時短状態においては本図(b)のテーブルを参照する。
図8(a)の通り、通常状態において当否判定結果が外れとなった場合、パターン抽選値が0〜4であればパターン範囲番号「0」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が5〜9であればパターン範囲番号「1」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が10〜19であればパターン範囲番号「2」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が20〜29であればパターン範囲番号「3」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。パターン抽選値が30〜255であればパターン範囲番号「4」の「リーチなし外れ」を選択する。「リーチなし外れ」としては、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0〜2のときは10秒の変動パターン、保留数が3のときは7秒の変動パターン、保留数が4のときは4秒の変動パターンがそれぞれ選択される。
本図では、変動時間別に主に5種類に分類した例を説明するが、サブ基板300においてそれらの変動パターンごとに複数の変動演出パターンが用意されており、全体で数十種類の変動演出パターンがそれぞれの分類の抽選値範囲に対応付けられていることに等しい。
「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし外れ」に割り当てられたパターン抽選値の範囲もまた保留数に応じて異なる。保留数が0,1のときは本図(a)に示す通りであるが、保留数が増えるほど「ノーマル1」「ノーマル2」の抽選値範囲が狭くなり、「リーチなし外れ」の抽選値範囲が広くなる。保留数が少ないほど変動時間が相対的に長い変動パターンの抽選値範囲が広くされており、変動時間の長い変動パターンが選択される確率が高まる。そのため、保留数が少ないほど平均的な変動時間が長くなり、保留数が多いほど平均的な変動時間が短くなる。保留数ごとにパターン抽選値範囲と変動パターンの対応関係が異なる変動パターンテーブルを用いることにより、保留数が少なくなったときに変動時間の長い変動パターンが選択されやすくなる制御を実現できる。
通常状態において当否判定結果が4R大当りまたは16R大当りとなった場合、パターン抽選値が0〜123であればパターン範囲番号「5」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が124〜248であればパターン範囲番号「6」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が249〜252であればパターン範囲番号「7」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が253〜255であればパターン範囲番号「8」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。
通常状態において当否判定結果が2R大当りまたは小当りとなった場合、パターン抽選値が0〜122であればパターン範囲番号「9」のスーパーリーチである「スーパー3」を選択し、パターン抽選値が123〜255であればパターン範囲番号「10」のノーマルリーチである「ノーマル3」を選択する。
第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、いわゆる先読み結果として事前判定結果を演出決定手段303へ送信する場合は、パターン範囲番号の値(0〜10)を、第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値や保留の個数とともに送信する。なお、図8に示す実施例では、事前パターン判定にて当否判定結果別にテーブルを有するように例示しているが、当否抽選結果にかかわらず1の事前パターン判定テーブルを用いて、乱数値がおよそどの範囲に位置するかに関する情報のみを導き出すようにするとともに、サブ基板300の制御手段側で、事前当否判定結果とともに、いかなる変動が実行されるかを判断するように制御してもよい。
時短状態において参照する図8(b)の変動パターンテーブルは、すべて時短用の変動パターンにパターン抽選値が割り当てられている。ただし、パターン抽選値の範囲と変動時間の対応関係は、外れで選択される「リーチなし外れ短縮」以外はすべて図8(a)と同様である。「リーチなし外れ短縮」は、図8(a)における「リーチなし外れ」と同じ抽選値範囲とパターン範囲番号に対応付けられる、相対的に短い変動時間の変動パターンである。「リーチなし外れ短縮」もまた、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0,1のときは10秒の変動パターン、保留数が2〜4のときは1秒の変動パターンがそれぞれ選択される。なお、第1変動パターン決定手段231と第2変動パターン決定手段232で異なる変動パターンテーブルを参照する仕様としてもよいし、遊技状態に応じて異なる変動パターンテーブルを参照する仕様としてもよい。例えば、第2の抽選を第1の抽選より有利な設定とし、第2の抽選を第1の抽選に優先して処理するような遊技機では、時短に伴う入球容易状態にもかかわらず第2の抽選の保留が枯渇して第1の抽選が連続実行されてしまう状況は遊技者にとって好ましくない。そのため、入球容易状態における第1の抽選における外れ変動では、変動時間を短縮しない長時間(例えば10秒)の変動パターンが保留数に拘らず一律に選択されるような変動パターンテーブルを参照することとしてもよい。
図4に戻り、普図抽選手段213は、第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過したときに抽選値を取得することにより抽選を実行する。普図抽選手段213による抽選の判定結果は、普通図柄表示装置45において普通図柄の形で変動表示される。普図抽選手段213は、普通図柄表示装置45に表示させる普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄判定テーブルを保持する。その図柄判定テーブルには抽選値と普通図柄の対応関係が定められており、普図抽選手段213は普通図柄の停止図柄を図柄判定テーブルを参照して決定する。決定された停止図柄が所定の図柄となった場合に普通図柄が当りに該当したと判定され、その停止図柄にて普通図柄の変動表示が停止された後に開閉制御手段275が第2始動口12の普通電動役物90を拡開する。拡開時間は、短開放時が0.1秒で、長開放時で6秒である。普通図柄の抽選値は、保留制御手段240により一時的に保留される。ただし、保留制御手段240により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
保留制御手段240は、特図保留手段241、普図保留手段242を含む。特図保留手段241は、新たに第1当否抽選値または第2当否抽選値が取得されるときに、それ以前に取得されていた第1当否抽選値または第2当否抽選値に対応する図柄変動が表示されている場合、新たに取得された第1当否抽選値または第2当否抽選値に対応する図柄変動の開始を保留し、その当否抽選値を対応する図柄の変動表示開始まで記憶する。ここで、第1特別図柄について、それぞれ4個を上限に、第1当否抽選値、第1図柄抽選値、第1パターン抽選値を記憶し、更に、事前判定結果としての第1当否範囲、第1図柄範囲、第1パターン範囲の設定を記憶し、第2特別図柄について、それぞれ4個を上限に、第2当否抽選値、第2図柄抽選値、第2パターン抽選値を記憶し、更に、事前判定結果としての第2当否範囲、第2図柄範囲、第2パターン範囲の設定を記憶する。あるいは、当否抽選値とは別の領域に事前判定の結果を記憶してもよい。普図保留手段242は、普図抽選手段213により取得された普図抽選値を保留球として記憶する。これらの保留数がそれぞれ第1特図保留ランプ71、第2特図保留ランプ72、普図保留ランプ75の点灯数または点滅数により表される。特図保留手段241による保留の数は演出表示装置60にも表示される。
特図保留手段241に保留された第2当否抽選の抽選値は第1当否抽選の抽選値より優先的に消化されて図柄変動が表示される。そのため、第1当否抽選として大当りの抽選値が保留されていても第2当否抽選として抽選値の保留がある限りは第1当否抽選の大当り抽選値に対応する図柄変動は表示されない。したがって、第1当否抽選として大当りの保留があっても、さらに第2当否抽選として大当りの保留が入るまで打ち続けることで、複数回の連続的な大当りを獲得できる可能性がある。
メイン表示制御手段250は、第1特図制御手段251、第2特図制御手段252、普図制御手段254を含む。第1特図制御手段251は、第1抽選手段211による第1当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第1特別図柄51の変動を第1特別図柄表示装置41に表示させる。第1特図制御手段251は、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。第2特図制御手段252は、第2抽選手段212による第2当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第2特別図柄52の変動を第2特別図柄表示装置42に表示させる。第2特図制御手段252もまた、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
第1特図制御手段251は、特図保留手段241により第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する。一方、第2特図制御手段252は、特図保留手段241により第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方に抽選値が保留されていた場合、第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて図柄変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその図柄変動も開始しない。
第1特図制御手段251および第2特図制御手段252は、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出決定手段303(サブメイン)へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、本判定として判定ないし決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。また、演出決定手段303(サブメイン)は、演出制御手段304(サブサブ)による装飾図柄の変動表示を制御するために、変動開始コマンドや変動停止コマンドなどを演出制御手段304へ送信する。これにより、メイン表示制御手段250および演出制御手段304(サブサブ)による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段254は、普図抽選手段213による抽選の判定結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示装置45に表示させる。
特図調整手段276は、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方を変動表示させる間は他方の変動表示の開始を待機させる。特図調整手段276は、第1始動口11および第2始動口12のうちいずれに遊技球が入球したかの順序に関係なく、第2始動口12への入球に基づく第2特別図柄52の変動表示を、第1始動口11への入球に基づく第1特別図柄51の変動表示より優先させる。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、つねに第2当否抽選値を優先的に消化させ、第2特別図柄52を連続的に変動表示させる。
なお、変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、第1始動口11および第2始動口12への入球順序にしたがって選択的に変動表示させてもよい。例えば、第1始動口11、第1始動口11、第2始動口12の順序で入球したときは、第1特別図柄51、第1特別図柄51、第2特別図柄52の順序で変動表示される。この場合、特図調整手段276は保留制御手段240を監視して当否抽選値の保留順序を記憶する。どちらの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順、すなわち保留制御手段240における当否抽選値の保留順序にしたがって決定されるので、遊技者は変動の順序を視覚的に把握しやすい。
別の変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、入球順序にかかわらず予め定められた消化順序にて表示させてもよい。例えば、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを交互に表示することを優先してもよい。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、第1特別図柄51と第2特別図柄52とが交互に変動表示される。いずれの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順に関係なく単純に交互に入れ替わるので、遊技者は変動の順序を感覚的に把握しやすい。
特図調整手段276は、また、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方が当り態様で停止されたときは他方の変動表示の開始を待機させる。この場合、特別遊技を実行する間は特別図柄の変動表示は開始されないので、遊技者は特別遊技に集中することができる。
特別遊技制御手段260は、第1抽選手段211による第1当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口20を開放させることにより特別遊技を実行する。同様に、特別遊技制御手段260は、第2抽選手段212による第2当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口20を開放させることにより特別遊技を実行する。
特別遊技は、大入賞口20の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、複数回の単位遊技で構成される。特別遊技には、単位遊技を16回繰り返す16R大当りと、単位遊技を4回繰り返す4R大当りと、16R大当りおよび4R大当りより開放時間が短い単位遊技を2回だけ繰り返す2R大当りがある。16R大当りは第2当否抽選での大当りであり、4R大当りは第1当否抽選での大当りである。16R大当りおよび4R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口20を原則として約30秒間開放させる。2R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口20を約0.2秒間だけ開放させる。特別遊技制御手段260は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。なお、2R大当りとなった場合においても、所定の条件を満たした場合には、16R大当りおよび4R大当りと同様の開放態様で大入賞口20を開放させてもよい。
小当り遊技制御手段265は、第1抽選手段211による第1の抽選が小当りを示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に大入賞口20を開放させることにより小当り遊技を実行する。同様に、小当り遊技制御手段265は、第2抽選手段212による第2の抽選が小当りを示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に大入賞口20を開放させることにより小当り遊技を実行する。
小当り遊技においては、単位遊技が1回実行され、1回の単位遊技において大入賞口20を2回開閉する。小当り遊技制御手段265は、1回の開閉あたり大入賞口20を約0.2秒間だけ開放させ、小当り遊技全体としては約0.4秒間開放させた後、大入賞口20を閉鎖して小当り遊技を終了させる。
特定遊技制御手段270は、確変状態、時短状態、および入球容易状態における通常遊技を制御する。特定遊技制御手段270は、特別図柄が確変への移行を伴う特定大当りの図柄であった場合に、特別遊技の終了後に遊技状態を確変状態、時短状態および入球容易状態へ移行させる。確変状態、時短状態および入球容易状態は、次の大当りが発生するまで継続される。時短状態においては、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示時間が概ね短くなるよう、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232が変動時間の短い変動パターンを選択する。ただし、通常状態においては、保留制御手段240による当否抽選値の保留数に応じた変動パターンテーブルを参照し、保留制御手段240による保留数が少なくなるほど変動時間の長い変動パターンが出現しやすくなる。入球容易状態においては、普通図柄の確変および第2始動口12の開放延長の双方、または第2始動口12の開放延長のみが実施される。すなわち、特定遊技制御手段270は、特定大当りとなった場合に第2始動口12を開放延長状態にさせるとともに、その当否抽選が第2当否抽選であった場合に限りさらに開放抽選の当り確率を通常確率状態より高い確変状態へ移行させる。確変状態の間は第1当否判定手段221および第2当否判定手段222による当否判定結果が大当りとなる確率が高い値のまま維持される。
開閉制御手段275は、第2始動口12の普通電動役物90や大入賞口20の開閉を制御する。開閉制御手段275は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電役ソレノイド91に開放指示を送り、第2始動口12の普通電動役物90を開放させる。開閉制御手段275は、通常状態においては開放抽選の結果に応じて短開放または長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させ、入球容易状態においては長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させる。第2始動口12の入球容易性を高め、遊技者が持ち玉を減らさずに遊技を継続できるようにするものである。開閉制御手段275は、特別遊技において、大入賞口ソレノイド92に開放指示を送り、大入賞口20を開放させる。
図9は、サブ基板の構成を示すブロック図である。サブ基板300は、図柄態様決定手段301、パターン記憶手段302、演出決定手段303、演出制御手段304を備える。
パターン記憶手段302は、装飾図柄61の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄61の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを変動表示の停止前に予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。
演出決定手段303は、第1抽選手段211から受け取る第1当否抽選の判定結果または第2抽選手段212から受け取る第2当否抽選の判定結果に応じて、演出制御手段304によって演出表示装置60へ表示し、スピーカー108に出力する演出内容を決定する。演出決定手段303は、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により決定された特別図柄の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンの中からいずれかを選択してパターン記憶手段302から読み出す。演出決定手段303は、読み出した変動演出パターンの情報を演出制御手段304へ送る。演出決定手段303は、変動演出パターンを選択するために参照すべきパターンテーブルを保持する。
各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
図柄態様決定手段301は、装飾図柄61の停止図柄の組合せとその配置を、第1抽選手段211または第2抽選手段212による抽選の判定結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。図柄態様決定手段301は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出制御手段304へ送信する。図柄態様決定手段301は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
装飾図柄61の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば第1当否判定手段221および第2当否判定手段222による当否判定結果が4R大当りまたは16R大当りの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。当否判定結果が2R大当りの場合や小当りの場合もまた特定の組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択されるが、それらの特定の組合せは必ずしも3つの図柄が揃った組合せでなくてもよい。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せであって、2R大当りや小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が4R大当りや16R大当りではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。
装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち装飾図柄の変動開始から変動停止までの演出過程が定義される。変動演出パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当り図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい装飾図柄の変動演出パターンを選択する。
時短状態において、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により選択された変動パターンが時短用のパターンであった場合、演出決定手段303は時短用の演出内容が定められた変動演出パターンを選択する。時短用の演出内容は、時短または確変により遊技者に有利な状態であることを印象づける背景映像や音声が出力される演出である。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、役物を動作させる演出パターン、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけの通常予告演出や、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。また、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当りへの期待度が高くなるように設定されるステップアップ予告演出がさらに含まれる。
予告演出パターンには、装飾図柄61の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターン(リーチ後予告)と、装飾図柄61が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターン(リーチ前予告)とがある。
演出決定手段303は、当否抽選の判定結果または事前判定結果に応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定して事前演出設定をするとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段303は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の判定結果または事前判定結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選が当りの場合は外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の判定結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当りへの期待度の高さを示唆することができる。
演出制御手段304は、選択された変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60へ装飾図柄61を含む演出画像を変動表示させる。演出制御手段304は、装飾図柄61の変動開始コマンドを受け取ったことを新たな装飾図柄の変動表示の開始条件とする。演出制御手段304は、予告演出を表示させる旨が演出決定手段303により決定された場合、選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を図柄変動の演出に重畳させる形で演出表示装置60へ表示させる。
演出制御手段304は、第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保し、第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方について抽選値が保留されていた場合は第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて装飾図柄の変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその装飾図柄の変動も開始しない。このように演出制御手段304は、装飾図柄61の変動表示を含む図柄変動演出を演出表示装置60に表示させる。
演出制御手段304は、装飾ランプ111の点灯および消灯や、可動役物66の動作をさらに制御する。演出制御手段304は、演出表示制御手段305および音声制御手段306を有する。演出表示制御手段305は、演出表示装置60への表示を制御し、音声制御手段306は、スピーカー108からの音声出力を制御する。
第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動中、演出表示装置60には図柄変動中であることを示す画像を表示する必要がある。通常、ある程度の大きさを持つ通常サイズの装飾図柄61を変動表示させるが、通常サイズの装飾図柄61の変動表示の視認性を阻害する態様で、装飾図柄61の変動以外を主要な演出内容とする特殊な演出を表示させてもよい。この場合、通常サイズの装飾図柄より小さいサイズの装飾図柄である代替図柄を変動表示させることにより図柄変動中であることを遊技者に提示する。以下、単に装飾図柄と呼ぶ場合は通常サイズの装飾図柄を意味するが、代替図柄と区別する場合、通常サイズの装飾図柄を「通常装飾図柄」とも呼ぶ。
代替図柄は、通常装飾図柄の視認性が阻害される間、例えば通常装飾図柄が非表示となる間に表示される。代替図柄は、当否判定結果を演出的に示唆するための装飾図柄の一形態であり、通常装飾図柄よりも簡略化(言い換えれば簡易化、簡素化)された表示形態を有し、通常装飾図柄よりも簡略化された変動過程にて表示される。代替図柄は、通常装飾図柄の図柄種類を示す部分に対応した外観上の表示形態を有し、例えば、図柄種類を示す数字、文字、記号を表す表示形態を有する。また代替図柄は、通常装飾図柄が変動表示される領域よりも狭い領域で変動表示され、典型的には図柄以外の要素によるメイン演出を阻害しにくい位置、例えば演出表示装置60の画面の隅で変動表示される。代替図柄は、通常装飾図柄よりも相対的に小さく表示されるが、少なくとも図柄種類が外観上識別可能となる表示形態を有する。なお代替図柄は、通常装飾図柄をそのまま縮小したものでもよく、サイズ以外は通常装飾図柄と同一であってもよい。
複数の通常装飾図柄の代わりに表示される複数の代替図柄は、変動終了時の停止態様の組合せによって当否抽選の結果が遊技者に有利な状態となる期待度の高さを示唆する。例えば、複数の代替図柄は、3つの代替図柄のうち2つの図柄種類が揃ったリーチ状態となることによって当該変動における大当りの期待度が高いことを示唆する。また、リーチ状態となる左右図柄が「3」や「7」などの期待度が相対的に高いことを示唆する特定種類の図柄となることや、「1」や「2」などの期待度が相対的に低いことを示唆する種類の図柄となることによって、そのリーチ状態の期待度の高低を示唆してもよい。なお代替図柄は、外観上、確定的な停止状態になることはなく、微小な揺れが維持される仮停止状態になる。代替図柄の仮停止後に、代替図柄に代えて通常装飾図柄を表示させ、その通常装飾図柄を確定停止の状態で表示させてもよい。また、通常装飾図柄と代替図柄を排他的に表示するのではなく、表示期間の重複があってもよい。さらにまた、通常装飾図柄の視認性が阻害される所定の演出時に、通常装飾図柄の変動表示を継続するとともに代替図柄の変動を表示させてもよい。
計時手段307は、遊技に使用する時間情報を出力する計時回路である。計時手段307は、電源投入時からの時間をカウンタで計測して時間情報として出力するタイマ回路である。ただし、電池を内蔵してぱちんこ遊技機100の電源オフ時や停電時も電池によって日時を計測し続けられるリアルタイムクロック回路でもよい。リアルタイムクロック回路の場合、個体差や時刻ズレによって遊技台ごとの時刻に微差が生じる可能性があるのに対し、タイマ回路の場合、同時に電源投入する限り複数の遊技台の間で時刻の差が生じる可能性は小さい。
演出決定手段303は、計時手段307により出力される時間情報が所定の時間を示したことを契機とする所定タイミングに開始する同調演出を実行する。同調演出は、図柄変動の変動期間や遊技状態とは実質的に非同期の期間である同調演出期間にて演出表示装置60に表示させる演出である。同調演出期間は数分間に及び、その長さは1回分の図柄変動時間よりも長く、複数回の図柄変動期間を包含し得る。同調演出の演出パターンはパターン記憶手段302に格納されており、その演出パターンには所定の楽曲と映像の再生が定められている。同調演出の演出パターンは複数種類用意され、月、日付、曜日、時刻などの日時によって異なる種類の演出パターンが選択され得る。
同調演出は通常遊技中か特別遊技中かを問わず実行される。ここで「通常遊技中」には、いわゆる待機デモ画面の表示中も含まれる。すなわち「通常遊技中」には、(1)図柄が変動表示されている「変動表示中通常遊技」、(2)図柄の変動表示中ではなく待機デモ画面の表示中でもない「変動停止中通常遊技」、(3)図柄の変動表示中ではなく待機デモ画面の表示中である「待機デモ画面表示中通常遊技」、が含まれる。(1)〜(3)のいずれの期間中も同調演出は実行され得るが、(2)および(3)のときは同調演出における音量低減や輝度低減などの制御をする出力態様が(1)のときとは異なり得る。また、待機デモ画面表示中は、遊技者による演出ボタン109や十字キー110の操作によって後述の携帯連携システムに関する情報を入力でき、その操作入力があったときは同調演出の映像および音声の出力が抑制され、携帯連携システムによる演出カスタマイズなどの画面表示が優先される。
同調演出は、例えば所定の楽曲の演奏や映像を所定の時間(「同調演出開始時間」と呼ぶ)に再生する演出である。同調演出を再生する契機となる時間は、ぱちんこ遊技機100の電源投入時から所定時間間隔を挟んで到達する時間であってもよいし、標準時を基準とした毎正時または正時半の時刻であってもよい。あるいは、日付または曜日によって異なり得る時刻が設定されてもよく、「1時間ごと」のように一定間隔ではなく、最初は1時間後、次は3時間後、というように間隔が異なったり、その間隔が日付や曜日によって異なったりしてもよい。遊技店ごとに遊技店員によって時間を指定できる可変設定であってもよい。ただし、同じ遊技店に設置される複数台の同一機種間において少なくとも同じ時刻で同じ同調演出が実行されるようあらかじめ設定される。例えば、電源投入時から所定時間間隔を挟んで到達する時間を契機とする仕様の場合、遊技店においては複数台を同時に電源投入する。これにより、所定時間となったことを契機にそれら複数の遊技台において一斉に同じ同調演出が実行される。その結果、あたかも複数台で同期しているように同時に演出が表示され、同時に同じ楽曲や映像が流れることでその場でライブ演奏や映画の上映がなされているかの如く臨場感のある相乗的な演出効果が得られる。
同調演出の機能は同じ機種の別の遊技台にも同様に内蔵されており、同じ遊技島における複数の遊技台は毎日遊技店員によって同時に電源投入される。そして、同時に電源投入される複数の遊技台はすべてほぼ同時に同調演出開始時間を迎えることとなり、一斉に同時進行で同調演出を実行し得ることになる。これを複数台同期演出と呼ぶ。その場合、映像の表示が複数台で同調するだけでなく、効果音や背景音楽の出力もまた複数台で同調することとなり、同調する台数が多いほど一斉に演出を実行することによる相乗効果も高まる。
演出設定手段308は、遊技者の遊技履歴を記憶する。遊技履歴とは、遊技結果の履歴および演出結果の履歴を含む。遊技結果の履歴は、打球数、賞球数、大当り回数、確変回数、時短回数といった遊技の結果として遊技者が得られる出玉につながる遊技の結果である。演出結果の履歴は、遊技上の利益とは異なり、演出の内容や種類を変更できる権利や特定種類の演出を出現しやすくできる権利が付与されるといった利益を獲得するために記録される演出上の得点等の情報である。例えば、所定の演出の出現回数やミニゲームの結果などを得点化して遊技者に付与するために、その得点や遊技履歴を示す符号化情報、例えば二次元コードを画面に表示する。その二次元コードを遊技者が自分の携帯端末のカメラで読み取って復号すると、復号により得られた得点や遊技履歴の情報が遊技者の携帯端末に蓄積される。二次元コードを介した遊技機と遊技者の携帯端末との連携システムについては後述する。なお、ここでいう得点は、後述の演出カスタマイズの幅を広げるために必要となるもので、得点が所定の累積値に達すること(例えば1000ポイントに到達することや、100ポイント到達ごと、など)を契機として、カスタマイズ可能な項目が増加する仕様である。
演出設定手段308は、遊技者の選択指示および遊技履歴に基づき、演出カスタマイズとして複数種類の演出内容の選択肢からいずれを選択するかの設定を記憶する。例えば、特別遊技中に表示させる演出パターンとして、表示されるモチーフやキャラクタや楽曲が異なる複数種類の演出パターンがパターン記憶手段302に用意され、そのうちいずれの演出を表示させるかを遊技者に選択させることとする。または、図柄変動させる装飾図柄に含まれる絵柄のデザインとして複数種類のモチーフまたはキャラクタの絵柄がパターン記憶手段302に用意され、そのうちいずれの絵柄を表示させるかを遊技者に選択させることとする。それらの場合に、待機デモ画面の表示中に遊技者による演出ボタン109や十字キー110の操作を受け付け、その操作を介して演出パターンの選択がなされると、演出設定手段308はその選択内容を記憶する。演出決定手段303は、演出設定手段308により記憶された設定に応じて、特別遊技中の演出パターンの種類を選択する。
図10は、携帯連携システムの概略を模式的に示す図である。携帯連携システムの前提として、遊技者はあらかじめ携帯端末354で専用サイトが設けられた遊技履歴サーバ358にアカウントおよびパスワードを設定することでユーザ登録しておく。遊技開始時において遊技者により演出ボタン109が押下されたとき、演出表示制御手段305が演出表示装置60の画面に遊技履歴サーバ358の専用サイトのアドレスを符号化した二次元コード350を表示させ、それを遊技者に携帯端末のカメラで読み取らせて遊技履歴サーバ358の専用サイトにアクセスさせる。その専用サイトから遊技者の識別情報や演出得点履歴を符号化した文字情報(これを「パスワード情報」とも呼ぶ)が携帯端末に送信され、携帯端末の画面に表示される。そのパスワード情報の入力画面を演出表示制御手段305が演出表示装置60に表示させ、十字キー110等のボタン操作を介して遊技者に入力させる。入力されたパスワード情報を演出設定手段308が復号して遊技者の識別情報や演出得点履歴として登録することにより、その遊技者の前回までの遊技内容や演出得点状態を引き継ぐことができる。このパスワード情報の入力が、その遊技者の遊技履歴の記録開始指示および各種演出要素を選択する演出カスタマイズの開始指示となる。以降、ぱちんこ遊技機100においては遊技や演出の進行に伴い、演出設定手段308がその遊技者に対して演出上の利益として付与する得点を随時加算して演出得点履歴として累積させるとともに、遊技者は随時、演出カスタマイズを実施して、各種演出要素として好みの要素を選択して設定することができる。演出上の得点付与は、図柄変動ごとに加算することを基本とし、特別遊技への移行期待度が高い演出種類ほど高い得点を付与し、特別遊技へ移行したときも高い得点を付与する。
演出カスタマイズとして、遊技者は累積的に獲得した得点の一部を利用し、その利用するポイント数に応じて、演出表示装置60に表示される演出内容を構成する色、背景、形状、キャラクタ、楽曲などの演出要素を好みの種類に変更することができる。演出設定手段308は、遊技者によるボタン操作を介した演出要素の変更指示を受け取り、その指示に応じて各種演出要素を変更する。カスタマイズできる演出要素は、その要素ごとに複数種類の項目が用意され、項目ごとに必要なポイント数として異なる値が設定されている。したがって、累積された得点が所定値に達することを契機にカスタマイズ可能な項目が増え、あるいはカスタマイズ可能項目を増加させるチャンスが付与されることとなる。遊技者が遊技ないし演出カスタマイズの終了指示としてボタン操作をすると、演出設定手段308は、演出上の特典や演出得点履歴などの情報を符号化した二次元コード350を生成し、これを演出表示制御手段305が演出表示装置60に表示する。その二次元コード350を遊技者が自身の携帯端末のカメラで読み取り、その読み取った二次元コード352を復号することにより情報を取得して携帯端末354に蓄積できる。またその情報は携帯端末354から専用サイトのある遊技履歴サーバ358へネットワーク356を経由して送信され、自身のアカウント情報と紐付けられて管理される。このように、演出上の特典や演出得点履歴などの情報が二次元コード350の表示およびその読み取りという伝送手段を介して携帯端末354へ伝達され、遊技履歴サーバ358にて管理されることで、次回の遊技で遊技や演出の内容を引き継ぐことができる。また、長く遊技を続けることで図柄変動回数や演出回数が増える分、得点を得ることができる。
図11は、メイン基板200およびサブ基板300のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。メイン基板200は、メインCPU290、メインRAM291、メインROM292などの電子部品を含む。メインROM292には、遊技動作全般を制御するためのメイン制御プログラムおよびデータがあらかじめ格納される。メインROM292からメイン制御プログラムまたはデータがメインRAM291へ読み込まれ、メイン制御プログラムがメインCPU290によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。各入球口からの入球信号や払出制御基板155からの払出信号などは図示しない各種インタフェースを介してメインCPU290により取得される。メインCPU290は、図示しない各種駆動回路により各入賞口ソレノイドや第1特別図柄表示装置41、第2特別図柄表示装置42などの外部装置を駆動制御する。また、メインCPU290からサブ基板300へは、演出制御に必要な命令が当否抽選の結果や図柄の決定結果、変動パターンの決定結果などの情報とともに送信される。メイン基板200からサブ基板300へは、一方向通信で信号が送信される。
メイン基板200からサブ基板300へ送信する命令データは、いわゆるMODEデータと呼ばれる1バイトの命令種別データと、いわゆるEVENTデータと呼ばれる1バイトの命令内容データとの組合せによる2バイト構成である。メイン基板200は、命令種別データおよび命令内容データを対応付けてサブ基板300へ送信することで一命令を送ることができる。命令種別データは、命令の種別を示すビット列であり、あらかじめ命令の種別ごとに開発段階で一意の種別コードを割り当ててある。命令内容データは、命令の内容を示すビット列である。命令種別データおよび命令内容データの最上位ビットは命令種別データと命令内容データのいずれであるかを示す識別ビットであり、最上位ビットが1のときは命令種別データであることを示し、最上位ビットが0のときは命令内容データであることを示す。
メイン基板200からサブ基板300への通信は、1回のデータ送信につき1バイトのデータを送信する仕様のため、2バイトの命令データを送信するために1バイトずつ2回の送信が必要となる。1回目の通信で上位バイトであるMODEデータを送信し、2回目の通信で下位バイトであるEVENTデータを送信する。ノイズ等の影響による通信失敗の可能性を考慮し、メイン基板200は同じデータを連続で送信し、サブ基板300により同じデータが2連続で読み込まれた時点でそのデータの送受信の完了を確定する。2連続で読み込まれるまではメイン基板200は同じデータを繰り返し送信し、最大5回まで送信する。
サブ基板300は、サブCPU310、サブRAM311、サブROM312、演出制御装置313などの電子部品を含む。サブROM312は、演出過程が定義された演出パターンデータや演出表示過程が定義された表示パターンデータなどを含むサブ制御プログラムを保持するデータ格納手段の一つである。サブROM312から演出パターンデータ、表示パターンデータ、音声パターンデータを含むサブ制御プログラムがサブRAM311へ読み込まれ、そのサブ制御プログラムによる演出制御がサブCPU310によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。演出ボタン109などの外部装置からの信号は図示しない各種インタフェースを介してサブCPU310により取得される。サブCPU310は、演出パターンデータにしたがって、演出制御装置313、図示しない各種駆動回路や制御回路により演出表示装置60、スピーカー108、装飾ランプ111、可動役物66などの外部装置を駆動して表示出力、音声出力、ランプ点灯、役物動作による演出を制御する。サブCPU310は、表示パターンデータおよび音声パターンデータを演出制御装置313へ送信する。なお、本実施例ではサブ基板300が演出制御装置313を内包する例を説明するが、サブ基板300と演出制御装置313とは基板として一体化していることを要さず、分離して互いに接続された別個の基板として形成されてもよい。
図12は、演出制御装置313のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。演出制御装置313は、制御CPU320、制御RAM322、データROM324、表示制御回路326、音声制御回路314を含む。データROM324は、演出表示に用いられる演出画像データおよびモーションデータや、音声出力に用いられる音声データなどの素材データをデータ圧縮した状態で保持するデータ格納手段の一つである。演出画像データは、当否抽選の判定結果などを示す演出オブジェクトとして変動表示や演出表示に用いられる画像であり、例えば装飾図柄変動に用いる装飾図柄のスプライト画像、予告演出に用いるスプライト画像、各種演出に用いる動画といった素材画像である。モーションデータは、各種演出に用いる画像に所定タイミングで演出的な動作を加える場合のその動作が定義されたデータである。音声データは、演出中に出力される楽曲、背景音、効果音、キャラクタのセリフといった音声のデータである。
サブCPU310から送られた表示パターンデータに基づいて、その表示パターンデータに指定された演出画像データやモーションデータがデータROM324から制御RAM322へ読み出され、その演出画像データやモーションデータを用いた演出表示が制御CPU320によって実行される。その結果、制御CPU320から表示制御回路326へ演出表示に関するコマンド、演出画像データ、モーションデータが送信され、表示制御回路326により表示制御がなされる。同様にして、制御CPU320から音声制御回路314へ音声出力に関するコマンド、音声データが送信され、音声制御回路314により音声出力制御がなされる。
表示制御回路326は、デコーダ332、描画メモリ334、描画回路336、フレームバッファ338、表示回路340を含み、それぞれがバス330を介して接続される。本図のバス330は、便宜上、システムバス、データバス、アドレスバスなどのバスを包括的に示したものである。
制御CPU320から送られた演出画像データやモーションデータは描画メモリ334に格納され、それらのデータのうち圧縮されたデータはデコーダ332によって復号される。描画メモリ334は、演出画像データやモーションデータをデコーダ332により復号する場合のワークエリアとして用いられたり、描画回路336による描画処理や画像処理を実行する場合のワークエリアとして用いられたりするVRAM(VideoRAM)である。
描画回路336は、描画メモリ334に格納されたデータを用い、制御CPU320から送られたコマンドを順に実行して表示用画像を生成し、その生成された表示用画像を動画像のフレームとしてフレームバッファ338に格納する。フレームバッファ338は、演出表示装置60へ出力すべき動画像のフレームを一時的に格納するバッファメモリとしてのVRAMである。
表示回路340は、フレームバッファ338に格納された表示用画像を格納された順に映像信号の形で演出表示装置60へ出力する。フレームバッファ338は、例えば2フレーム分のメモリ領域を有し、表示回路340が1フレーム分のメモリ領域から表示用画像を出力する間に、描画回路336が次の表示用画像を生成して、もう1フレーム分のメモリ領域に格納する。
なお、データROM324には、表示制御回路326によりなされる表示制御過程が定義された「詳細表示パターンデータ」が保持されている。このとき、サブCPU310から送られる表示パターンデータは、演出表示過程の概要が定義される「概略表示パターンデータ」ということができる。例えば、概略表示パターンデータには、装飾図柄の変動開始および変動停止タイミングや、複数の動画像の再生順序や、再生開始および停止のタイミングなど、一連の演出表示過程の大まかな流れが定義される。一方、詳細表示パターンデータには、装飾図柄の変動表示を実現するためのスプライト画像の表示順序や、モーションデータに基づく動画像を表示するためのフレーム単位での表示処理順序など、細かな表示制御過程が定義される。
演出制御装置313は、サブCPU310から送られた「概略表示パターンデータ」に基づく表示制御をする場合、その処理に必要な「詳細表示パターンデータ」をデータROM324から読み出し、双方の表示パターンデータを用いて表示処理を実行する。したがって、演出制御装置313は、「概略表示パターンデータ」および「詳細表示パターンデータ」を含む表示パターデータに基づいて表示制御処理を実行するということができる。そこで、本明細書においては、明示的に言及しない限り、サブROM312に格納される「概略表示パターンデータ」とデータROM324に格納される「詳細表示パターンデータ」を区別せず、単に「表示パターンデータ」という。例えば、演出制御手段が、データ格納手段に保持される表示パターンデータに基づき特定の処理をするという場合、この表示パターンデータには、「概略表示パターンデータ」と「詳細表示パターンデータ」を含むものとする。なお、変形例においては、表示パターンデータが、「概略表示パターンデータ」と「詳細表示パターンデータ」とに分かれておらず、双方を兼ねる表示パターンデータがサブROM312またはデータROM324に保持されていてもよい。
本実施例では、演出制御装置313のハードウェア構成として、制御CPU320、制御RAM322、データROM324および表示制御回路326が含まれる構成を示している。変形例においては、制御CPU320、制御RAM322、データROM324および表示制御回路326が、それぞれ別の電子部品として構成されるのではなく、一体化されていてもよい。また、表示制御回路326によって実行されるとした処理が、制御CPU320、制御RAM322またはデータROM324により実行されてもよい。例えば、演出制御装置313に含まれる制御CPU320が、表示制御回路326に含まれるデコーダ332、描画回路336、表示回路340により実行されるとした処理を実行してもよい。また、演出制御装置313に含まれる制御RAM322が描画メモリ334やフレームバッファ338の機能を兼ねてもよい。その他、演出制御装置313に表示制御回路326が含まれないハードウェア構成であってもよく、この場合、表示制御回路326により実行されるとした処理が、制御CPU320、制御RAM322またはデータROM324により実行されてもよい。
また、本実施例では、サブ基板300のハードウェア構成として、サブCPU310、サブRAM311およびサブROM312の他に、演出制御装置313が含まれる構成を示している。変形例においては、サブCPU310、サブRAM311、ROM312および演出制御装置313が、それぞれ別の電子部品として構成されるのではなく、一体化されていてもよい。また、演出制御装置313によって実行されるとした処理が、サブCPU310、サブRAM311またはサブROM312により実行されてもよい。例えば、サブCPU310が制御CPU320の処理を実行してもよいし、サブRAM311が制御RAM322の機能を兼ねてもよいし、サブROM312がデータROM324の機能を兼ねてもよい。その他、サブ基板300に演出制御装置313が含まれないハードウェア構成であってもよく、この場合、演出制御装置313により実行されるとした処理が、サブCPU310、サブRAM311またはサブROM312により実行されてもよい。
図13は、ぱちんこ遊技機におけるメイン基板200の制御開始処理を示すフローチャートである。電源スイッチ150が投入されると、メインCPU290は、スタックポインタを設定し(S100)、メインRAM291へのアクセスを許可し(S102)、メインCPU290の内蔵レジスタの設定などのハードウェアに関する初期設定を実行する(S104)。
つづいて、RAMクリアスイッチの操作状態、電源断情報フラグの値、及びメインRAM291に格納されているデータの状態に応じて、電源断復帰処理又はメインRAM291の初期化処理を実行する。具体的には、RAMクリアスイッチがONされず、かつ、電源断情報フラグの値と、メインRAM291に格納されているデータとの双方が正常であった場合は、電源断復帰時の処理を実行する。それ以外の場合、すなわち、RAMクリアスイッチがONされた場合、又は、RAMクリアスイッチがONされなかった場合でも、電源断情報フラグと、メインRAM291に格納されているデータとのいずれかが正常でなかった場合は、メインRAM291の初期化処理を実行する。
メインCPU290は、RAMクリアスイッチの操作状態を確認し、RAMクリアスイッチがONされた場合(S106のY)、メインRAM291を初期化する(S116)。RAMクリアスイッチがONされなかった場合(S106のN)、メインCPU290は、電源断情報フラグの値を確認する(S108)。電源断情報フラグの値が電源断正常データと一致しなければ(S108のN)、メインRAM291を初期化する(S116)。電源断情報フラグの値が電源断正常データと一致すれば(S108のY)、メインRAM291に格納されているデータを検査する(S110)。後述するように、前回の電源断時に処理が正常に終了していれば、メインRAM291に格納されていたデータのチェックサムがメインRAM291に格納されているので、メインCPU290は、チェックサムを用いてメインRAM291のデータを検査する。メインRAM291に格納されているデータが正常でなければ(S112のN)、メインRAM291のデータを初期化する(S116)。メインRAMに格納されているデータが正常であれば(S112のY)、電源断前の状態に復帰するための処理を実行する(S114)。
電源断復帰処理(S114)において、電源投入が正常に行われたことを示す電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、各種エラーの初期設定及び払出制御基板155との通信初期設定を実行する。つづいて、電源断前の未送信分のコマンド要求をクリアし、遊技状態を示す各種情報のコマンド送信を要求する。つづいて、第1特別図柄及び第2特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。つづいて、第2始動口12及び大入賞口20の開放/閉鎖状態を電源断前の状態に復帰させる。つづいて、特別図柄の確率変動機能の作動状態を報知するための処理を実行する。
RAM初期化処理(S116)において、電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、メインRAM291の全領域を0でクリアし、メインRAM291の初期設定及び演出表示器の初期化を実行する。
電源断復帰処理(S114)又はRAM初期化処理(S116)が終了すると、後述する割込処理を起動するためにカウント値をセットし、割込タイマの動作を開始させる(S118)。これにより、以降、所定の時間(例えば4ミリ秒)ごとにタイマ割込が発生し、後述する割込処理が実行される。つづいて、メインCPU290は、遊技機を管理するためのメイン処理を実行する(S120)。
図14は、図13におけるS120のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。メインCPU290は、タイマ割込をいったん禁止し(S200)、ウォッチドッグタイマの動作を開始させ(S202)、電源断を監視する(S204)。図示しない電源電圧監視回路において電源ユニット158から供給される電源電圧の低下が検出されると、電源電圧監視回路からメインCPU290に無条件割込要求信号が入力されることにより実行される電源断記憶処理において、電源断確認データが電源断確認フラグに格納される。したがって、メインCPU290は、電源断確認フラグの値を監視し(S204)、電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致する場合は(S206のY)、電源断のための処理を実行するために、S212に進む。電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致しない場合は(S206のN)、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新するため、初期値乱数更新処理を実行し(S208)、タイマ割込を許可して(S210)、S200に戻る。以降、S200〜S210が繰り返される。タイマ割込が禁止されている間(S202〜S208)にタイマ割込が発生した場合、S210においてタイマ割込が許可された後に、後述する割込処理を実行する。
S206において電源断が検知されると(S206のY)、メインCPU290は、ウォッチドッグタイマをリスタートさせ(S212)、電源断情報フラグの内容を確認する(S214)。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致しない場合は(S214のN)、電源投入時のデータが正常に保存されていないと判断し、電源断異常データを電源断情報フラグに格納して(S216)、S222に進む。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致する場合は(S214のY)、電源投入時のデータが正常に保存されていると判断し、電源断正常データを電源断情報フラグに格納する(S218)。つづいて、次回の電源投入時に、バックアップされたメインRAM291のデータを検査するために、メインRAM291に格納されているデータのチェックサムを算出してメインRAM291に格納する(S220)。つづいて、メインRAM291へのアクセスを禁止して(S222)、電源が落ちるまでループする。
図15は、割込処理の詳細を示すフローチャートである。メイン処理(S120)においてタイマ割込が発生すると、メインCPU290は割込処理を実行する。まず、割込動作条件を設定し(S300)、ウォッチドッグタイマをリスタートさせる(S302)。つづいて、遊技機を管理するため、入力処理(S304)、各種乱数更新処理(S306)、初期値更新型乱数更新処理(S308)、初期値乱数更新処理(S310)、タイマ減算処理(S312)、第2始動口有効期間設定処理(S314)、入賞監視処理(S316)、賞球制御処理(S318)、普通図柄作動ゲート監視処理(S320)、普通図柄制御処理(S322)、普通図柄変動開始監視処理(S324)、始動口監視制御処理(S326)、特別図柄制御処理(S328)、特別電動役物制御処理(S330)、大入賞口有効期間設定処理(S332)、特別図柄変動開始監視制御処理(S334)、異常検知処理(S336)、入球通過時間異常検出処理(S338)、遊技状態表示処理(S340)、ハンドル状態信号検査処理(S342)、LED出力処理(S344)、発射制御信号出力処理(S346)、試験信号出力処理(S348)、ソレノイド出力処理(S350)、演出制御コマンド送信処理(S352)、外部情報出力処理(S354)を順に実行し、次回のタイマ割込を許可して(S356)、リターンする。
入力処理(S304)において、遊技盤面に取り付けられているスイッチ、断線短絡電源異常検知信号、扉・枠の開放信号、磁気検知信号、電波検知信号、及びタッチ状態信号の入力ポートのデータを監視し、入力状態を示すデータを作成してメインRAM291に格納する。なお、この入力状態を示すデータは、レベルデータ(今回の割込時における入力ポートのデータ)と、立ち上がりデータまたは立ち下がりデータ(今回の割込時における入力ポートのデータと前回の割込時における入力ポートのデータを排他的論理和で比較して切り替わりが見られたスイッチを示すデータ)である。
各種乱数更新処理(S306)において、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数を更新する。普通図柄変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値が所定の最大値未満である場合は値をインクリメントして格納し、値が所定の最大値以上である場合は0を格納する。また、変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値から所定値を減算した結果が0以上である場合は減算結果を格納し、0未満である場合は所定の最大値を格納する。これにより、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新される。
初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新する。それぞれの乱数の値、最大値、及び初期値をメインRAM291から読み出し、乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、最大値を超えた場合は、乱数の値を0とする。また、インクリメントした結果が、初期値に一致した場合は、初期値乱数をメインRAM291から読み出し、初期値を更新する。これにより、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新され、乱数の値が初期値に戻ると、すなわち乱数の範囲を一巡すると、新たに初期値を設定し直して乱数が生成される。
初期値乱数更新処理(S310)において、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。メインRAM291の初期値乱数更新テーブルから初期値乱数を読み出し、初期値乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、上限値を超えていた場合は、初期値乱数の値を0とする。メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)においても、同様の処理が実行される。
タイマ減算処理(S312)において、2バイトタイマを更新する。各種制御用のタイマの値をそれぞれテーブルにしたがってメインRAM291から読み出し、タイマの値が0以外である場合、値を順次デクリメントして格納する。タイマの値が0である場合、タイマの更新は実行しない。
第2始動口有効期間設定処理(S314)において、第2始動口12の有効期間を設定する。第2始動口12には、遊技球の入球により賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選が実行される有効期間と、遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選が実行されない無効期間が設定される。後述するように、始動口監視制御処理(S326)において、第2始動口12の無効期間には、第2始動口入賞の監視処理を実行しないので、第2始動口12に遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選は実行されない。第1始動口11、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口33などに、有効期間及び無効期間が設定される場合についても同様である。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」である場合、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有効期間であることを示すデータを格納する。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」でない場合、第2始動口有効延長タイマの値が0でなければ、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有効期間であることを示すデータを格納し、第2始動口有効延長タイマの値が0であれば、第2始動口有効期間フラグに第2始動口が無効期間であることを示すデータを格納する。
入賞監視処理(S316)において、遊技球のスイッチ通過を検査し、遊技球がスイッチを通過したとき、そのスイッチに無効期間がない、又は、現在有効期間である場合で、かつ、賞球払い出しがある場合、入賞カウンタを更新する。また、外部端子へ出力するセキュリティの出力要求の作成及びコマンドの送信を要求する。
賞球制御処理(S318)において、払出制御基板155からのデータ受信の監視、払出制御基板155へのコマンド送信要求、払出制御基板155へのコマンド送信、及び払出制御基板155からの受信データの検査を、順に実行する。
普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球の第1作動口31、第2作動口32の通過を監視し、遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断したとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合は、普通図柄の保留数を更新し、普通図柄に係る乱数をメインRAM291に格納する。
普通図柄制御処理(S322)において、普通図柄の状態を監視し、普通図柄制御中と判断した場合、普通図柄表示装置45又は普通電動役物90に係る処理を実行する。普通図柄の状態が「普通図柄変動中」である場合、普通図柄変動中処理を実行し、「普通図柄停止図柄表示中」である場合、普通図柄停止図柄表示中処理を実行し、「普通電動役物作動中」である場合、普通電動役物作動中処理を実行し、「普通電動役物作動終了デモ中」である場合、普通電動役物作動終了デモ中処理を実行する。普通図柄変動中処理において、普通図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、普通図柄の変動時間終了と判断した場合、普通図柄の変動停止設定を行って、普通図柄の状態を「普通図柄停止図柄表示中」に設定する。普通図柄停止図柄表示中処理において、普通図柄の停止図柄表示時間を監視し、普通図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した普通図柄の作動終了設定を実行する。当りの場合は、普通図柄の状態を「普通電動役物作動中」に設定し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態を保存し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態に対応した普通電役ソレノイド91の作動設定を実行する。はずれの場合は、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。普通電動役物作動中処理において、遊技球の普通電動役物90に係る入賞口の入賞を監視し、普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達したと判断した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達していないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の監視、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定を行い、一連の普通電動役物90の入口の開放が終了したと判断した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。なお、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の終了でないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定は実行しない。普通電動役物作動終了デモ中処理において、普通電動役物90の作動終了デモ時間の監視を行い、普通電動役物90の作動終了デモ時間終了と判断した場合、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。
普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の状態を監視し、「普通図柄変動待機中」であり、かつ、普通図柄作動保留球数の値が0以外である場合、普通図柄の変動を開始させると判断する。普通図柄の変動を開始させると判断した場合、普通図柄作動保留球数をデクリメントし、当り判定、停止図柄の決定、普通図柄の変動パターン番号の設定、及び普通図柄の変動時間の設定を実行する。その後、普通図柄の状態を「普通図柄変動中」に設定し、普通図柄の状態設定、当り判定、及び変動パターン決定に使用したメインRAM291の領域をクリアする。
始動口監視制御処理(S326)において、遊技球の第1始動口11入賞及び第2始動口12入賞を監視する。第1特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合は、内蔵乱数を取得し、取得した内蔵乱数に特別図柄当りソフト乱数の値を加算した値を、大当り判定で使用する特別図柄当り乱数としてバッファに格納する。また、特別図柄に係る乱数として、図柄乱数及び変動パターン乱数を取得して記憶する。第2特別図柄の保留を第1特別図柄の保留に優先して消化する場合は、当該入賞に係る保留の更新のみを実行するが、特別図柄の保留の消化順序が入賞順である場合は、当該入賞に係る保留の更新のほか、合計保留数の更新及び入賞順序の記憶を実行する。つづいて、始動口入賞時に記憶する乱数に対応した予告演出コマンドを要求するため、遊技機の状態を確認し、コマンド送信期間と判断した場合、当り予告演出要求、当り図柄予告演出要求、パターン予告演出要求を順に実行する。ここで、(1)当り待ち中で、かつ、普通図柄の確率変動機能が未作動中に、第1特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(2)当り待ち中で、かつ、普通図柄の確率変動機能が未作動中に、第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(3)大当り中又は小当り中に第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合のいずれかに該当する場合に、コマンド送信期間であると判断する。つづいて、特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の作動保留球数が更新されたことが、サブ基板300に通知される。以上のように、先読みにおいては、事前判定情報(事前当否判定情報、事前図柄判定情報、事前パターン判定情報)、保留球数の4つがセットとしてサブ基板300に送信される。なお、上記の例では、メインCPU290において、事前判定処理のためのコマンドの送信を制御したが、別の例では、始動口への入球がある場合には一様に送信を行い、先読み可能期間であるか否かなどの各種の状況判断は、サブCPU310が行ってもよい。つづいて、第2始動口有効期間フラグの値を検査し、第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が有効期間であることを示すデータである場合、第1始動口入賞の場合と同様に、第2始動口入賞の監視処理を実行する。第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が無効期間であることを示すデータである場合、第2始動口入賞の監視処理は実行しない。なお、保留球数が0であったときに遊技球の入賞を確認した場合には、ここでいったん保留球数を0から1にした上で、後述する変動開始に係る制御処理が実行される。
特別図柄制御処理(S328)において、当り待ち状態の検査を行い、特別電動役物が作動中、すなわち、大当り中又は小当り中である場合、特別図柄制御処理を終了する。特別電動役物が未作動である場合、特別図柄の状態を検査し、「特別図柄変動待機中」であれば、特別図柄制御汎用処理を終了し、「変動開始」であれば、特別図柄変動開始処理を実行し、「特別図柄変動中」であれば、特別図柄変動中処理を実行し、「特別図柄停止図柄表示中」であれば、特別図柄停止図柄表示中処理を実行する。特別図柄変動開始処理において、変動パターン乱数に基づいて特別図柄変動パターンの選択番号を取得し、特別図柄変動パターン番号に対応した変動時間を決定し、サブ基板300に演出表示を開始させるため、変動付加図柄情報、変動パターン、及びキャラクタの情報のコマンドを要求し、特別図柄の状態を「特別図柄変動中」に設定し、特別図柄変動パターンの決定に使用した変動パターン判定領域を0でクリアする。特別図柄変動中処理において、特別図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、特別図柄の変動時間終了と判断した場合、特別図柄の変動停止設定を行って、特別図柄の状態を「特別図柄停止図柄表示中」に設定する。特別図柄停止図柄表示中処理において、特別図柄の停止図柄表示時間を監視し、特別図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した特別図柄の作動終了設定を実行する。大当りの場合は、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、特別電動役物が連続して作動する回数の設定を行い、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能、普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、及び普通電動役物の開放延長機能を未作動にし、遊技機の状態を大入賞口開放準備中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求、及び発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。当り判定の結果が小当りである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、遊技機の状態を小当り開始デモ中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求、及び発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。当り判定の結果がはずれである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。
特別電動役物制御処理(S330)において、特別電動役物に係る処理を実行するため、条件装置及び特別電動役物の作動状態を検査し、条件装置が作動中又は特別電動役物が作動中と判断した場合、特別電動役物に係る処理を実行する。特別電動役物の作動状態に応じて、大入賞口開放準備中処理、特別電動役物作動中処理、大入賞口閉鎖中処理、大当り終了デモ中処理、小当り開始デモ中処理、小当り特電作動中処理、小当り大入賞口閉鎖中処理、小当り終了デモ中処理を実行する。
大入賞口有効期間設定処理(S332)において、大入賞口20の有効期間判定の結果を保存するため、大入賞口有効時間の値が0である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口無効期間データを格納し、0以外である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口有効期間データを格納する。
特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、特別図柄の作動状態を監視し、特別図柄が変動開始できる状態であるか否かを判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、第2特別図柄の優先消化である場合、(1)大当り中又は小当り中でないこと、(2)第1特別図柄が変動待機中であること、(3)第2特別図柄が変動待機中であること、(4)当該特別図柄の作動保留球数が0以外であること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、入賞順である場合、上記(1)〜(3)に加えて、(5)特別図柄の保留球数の合計が0以外であること、(6)当該判定が消化順序すなわち入賞順と一致すること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。
特別図柄が変動開始できる状態であると判定された場合、当該特別図柄の作動保留球数を減算し、第1特別図柄及び第2特別図柄の保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の保留球数が更新されたことがサブ基板300に通知される。
つづいて、特別図柄の当り判定を実行する。当り判定において、特別図柄当り乱数により、大当り、小当り、はずれのいずれであるかが判定され、判定結果が、特別図柄判定フラグに格納される。つづいて、図柄を決定する。図柄の決定において、当り判定が大当りであった場合、特別図柄当り図柄乱数に基づいて大当り図柄が決定され、小当りであった場合、小当り図柄が決定され、はずれであった場合、はずれ図柄が決定される。
当り判定の結果が大当りであった場合、図柄の決定処理において決定された当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて、特別図柄の確率変動機能の作動内容を判定し、特別図柄の変動時間短縮機能の作動内容や、普通図柄の入賞容易状態を設定など、大当り終了後の遊技状態を設定する。つづいて、特別電動役物が連続して作動する回数や、大入賞口の開放時間の内容など、大当り中の設定を実行する。つづいて、当り判定の結果と、普通図柄の確率変動機能の作動状態に基づいて、大当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定する。つづいて、遊技状態及び当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて選択されたテーブルを参照して、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定する。つづいて、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアし、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
当り判定の結果が小当りであった場合、小当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定し、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定し、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。当り判定の結果がはずれであった場合、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
異常検知処理(S336)において、磁気検知信号、断線短絡電源異常検知信号、電波検知信号、扉・枠の開放信号を検査し、エラー状態に変化があった場合は、エラー状態を記憶して、サブ基板300に遊技機のエラー状態演出の表示を要求する。このとき、制御基板に搭載されたLED等の発光手段の発光態様をエラー状態に応じて制御してもよい。エラー状態に変化がなかった場合は、エラー状態の記憶及びエラー状態演出の表示要求は実行しない。
入球通過時間異常検出処理(S338)において、入球通過時間異常を検出するため、各スイッチレベルの連続オン時間の監視を行い、連続オン時間(例えば、スイッチがオンであるとき割込み毎にインクリメントするカウンタの値)が異常値であったと判断した場合、入球通過時間異常の設定、コマンドの送信要求、外部端子へ出力するセキュリティの出力要求の作成を順に実行する。このとき、制御基板に搭載されたLED等の発光手段の発光態様を入球通過時間異常に応じて制御してもよい。連続オン時間が異常ではないと判断した場合は、セキュリティの出力要求の作成は実行しない。
遊技状態表示処理(S340)において、特別電動役物が連続して作動する回数、エラー状態、普通図柄の作動保留球数、及び特別図柄の作動保留球数の表示を要求するため、それぞれの表示データを作成する。
ハンドル状態信号検査処理(S342)において、ハンドルのタッチ状態を監視するため、ハンドル状態の検査を行い、検査の結果、ハンドル状態に変化ありと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの減算、ハンドル状態の更新、ハンドル状態監視タイマの設定、及びハンドル状態演出のコマンド送信要求を実行する。検査の結果、ハンドル状態に変化なしと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの設定を実行する。ハンドル状態監視タイマの値をデクリメントした結果が0以外の場合、タイマ減算中と判断して、以降の処理は実行しない。
LED出力処理(S344)において、特別図柄の表示、普通図柄の表示、特別図柄の作動保留球数の表示、普通図柄の作動保留球数の表示、遊技状態の表示、特別電動役物が連続して作動する回数の表示、役物連続作動装置未作動時の特別電動役物の作動状態の表示、打ち分けの表示及びエラーの表示を実行するために、表示の初期化、表示データの取得及び出力を順に実行する。
発射制御信号出力処理(S346)において、遊技球の発射の禁止/許可の信号を出力するため、払出制御基板155との通信状態及び断線短絡電源異常に対応した発射の禁止/許可の設定、及び発射の禁止/許可データの取得を行った後、発射の禁止/許可の信号の出力を実行する。
試験信号出力処理(S348)において、試験装置に出力する信号を作成し、対応した出力ポートに出力する。
ソレノイド出力処理(S350)において、普通電役ソレノイド91及び大入賞口ソレノイド92の出力データを出力するために、普通電役ソレノイド91の出力データの取得、大入賞口ソレノイド92の出力データの取得及び出力データの出力を実行する。それぞれのソレノイドの作動フラグ及び作動タイマを取得し、取得したソレノイド作動フラグ及びソレノイド作動タイマに対応した出力データを取得する。つづいて、ソレノイド作動タイマを更新し、出力データをソレノイド出力ポートへ出力する。
演出制御コマンド送信処理(S352)において、サブ基板300へ送信するコマンドの送信要求の有無を検査し、送信要求があると判断した場合、要求するコマンドデータを取得し、使用したコマンドバッファを0でクリアし、取得したコマンドデータに対応したMODEデータの取得、MODEデータの出力、MODEデータの保持、取得したコマンドデータに対応したEVENTデータの取得、EVENTデータの出力を順に実行する。
外部情報出力処理(S354)において、外部端子に出力する信号を作成し、作成した信号を外部情報出力ポートに出力する。
上述したメイン基板200の動作過程において使用される乱数について、より詳細に説明する。メイン基板200において使用される乱数には、主に、普通図柄に係る乱数として、普通図柄当り乱数、及び普通図柄変動パターン乱数があり、特別図柄に係る乱数として、特別図柄当り乱数(ハード乱数)、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数がある。また、初期値更新型乱数である、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数の初期値を与えるための乱数として、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数がある。
普通図柄当り乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄乱数は、普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、当り判定及び停止図柄の決定のために使用される。
普通図柄変動パターン乱数は、例えば0〜232の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、普通図柄の変動パターンの決定のために使用される。
特別図柄当り乱数は、割込処理の始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、内蔵乱数と特別図柄当りソフト乱数の値を取得し、両者を加算することにより生成され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り乱数は、割込処理の特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、大当り判定及び小当り判定を実行するために使用される。
特別図柄当りソフト乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当りソフト乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、上述したように、特別図柄当り乱数を生成するために使用される。
特別図柄当り図柄乱数は、例えば0〜999(図7の例では0〜255)の値をとり、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、割込処理の特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、当り判定が大当りであった場合に、大当り図柄を決定するために用いられる。
変動パターン乱数は、例えば0〜49999(図8の例では0〜255)の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。変動パターン乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。変動パターン乱数は、割込処理の特別図柄制御処理(S328)において、特別図柄変動パターンを決定するために用いられる。
普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、それぞれ、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数と同じ範囲の値をとり、メイン処理(S120)の初期値乱数更新処理(S208)及び割込処理の初期値乱数更新処理(S310)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新するときに、それぞれの乱数の初期値として用いられる。
割込処理は、タイマ割込により一定時間ごとに実行されるので、割込処理に含まれる各種乱数更新処理(S306)及び初期値更新型乱数更新処理(S308)も、一定時間ごとに実行される。すなわち、普通図柄当り乱数、普通図柄変動パターン乱数、特別図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数は、一定時間ごとに更新される。これに対して、メイン処理(S120)は、割込処理が終了してから次のタイマ割込が発生するまでの間、すなわち、タイマにより計測される一定時間から割込処理に要した時間を減じた時間だけ繰り返される。割込処理に要する時間は、遊技状態などに応じて異なるので、メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)は、各種乱数更新処理(S306)や初期値更新型乱数更新処理(S308)と異なり、一定時間ごとに実行されるわけではない。これにより、初期値更新型乱数更新処理(S308)において初期値を設定する際に取得される初期値乱数を毎回ランダムにすることができる。
図16は、ぱちんこ遊技機におけるサブ基板300の制御開始処理を示すフローチャートである。サブ基板300の制御を開始すると、サブCPU310はスタックポインタを設定し(S500)、各種の初期設定が完了するまですべての割込を禁止し(S502)、サブCPU310のレジスタ設定やポート初期化といったハードウェアに関する初期設定を実行する(S504)。サブROM312から制御プログラムを読み出してサブRAM311に配置するとともに、制御プログラムにおける各種の変数のうち、初期値のある変数については初期値を設定し、初期値のない変数についてはゼロクリアのデータを設定することにより、サブRAM311を初期化する(S506)。なお、サブ基板300における割込処理は、最優先で実行される割込処理として、電源立ち上げ時の処理と、ウォッチドッグ機能が有効な場合における各種異常発生時のリセット処理とがある。次に実行優先度の高い優先レベル7の割込処理として、メイン基板200から受信するコマンド処理があり、その次に優先度の高い優先レベル3の割込処理として、ウォッチドッグタイマによるCPU暴走検知時のリセット処理がある。次に優先される優先レベル2の割込処理として、制御CPU320との間で送受信されるコマンドに係る処理があり、最も優先度の低い優先レベル1の割込処理として、リアルタイムクロックとの通信処理やランプ、ソレノイド、モータ等の各種デバイス制御処理等がある。以上の各種処理に関する割込が仮に同時に発生した場合には、割込の種類ごとにあらかじめ設定された優先度の高いものから優先して実行される。なお、本図に示す処理は、最優先レベルの割込である電源立ち上げ時の処理および各種異常発生時のリセット処理と、優先レベル3の割込であるCPU暴走検知時のリセット処理とを含む。
メイン基板200から受信するコマンド以外の割込(優先レベル7)を禁止し(S510)、あらかじめ記憶された全機種用のすべてのエラー情報から当該機種で使用する各種エラー情報を設定する(S512)。装飾ランプ111などのすべてのランプを消灯し(S514)、ウォッチドッグタイマの動作を開始し(S516)、メイン処理を実行する(S518)。通常はS518のメイン処理から本フローへ戻ることはないが、戻ったときはスリープ(小消費電力モード)へ移行する(S520)。
図17は、図16におけるS518のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。図16のS506においてサブRAM311に配置された制御プログラムが正確に配置されているかを本図のメイン処理内でチェックするためにそのチェックを開始する先頭アドレスを取得し(S530)、以降の処理においてすべての割込を許可し(S532)、モータやソレノイド等のデバイスの初期化動作を実行する(S534)。
ウォッチドッグタイマを使用する設定であればウォッチドッグタイマをクリアし(S536)、装飾図柄の外れの組合せがランダムの組合せになるように装飾図柄のカウンタを更新し(S540)、サブCPU310の入力ポートを監視する(S542)。なお、S540はカウンタを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式における処理であるため、外れ図柄となる全ての図柄組合せを組み込んだ抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式の場合にはS540の処理は実行しない。その抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する処理は、S552で後述する通りメイン基板200から特別図柄の停止図柄を示すコマンドを受信したときに実行する。エラー状態を監視して各種エラーを検知したときはそのエラーを報知し(S544)、演出ボタン109の入力状態に応じた処理を実行し(S546)、予告抽選を実行する(S548)。なお、S548における予告抽選は、特に図柄変動開始直後に出現させる予告演出のコマンドをできる限り早期に演出制御装置313へ送信するため、抽選処理を1回のループで処理するのではなく複数回のループに分け、図柄変動開始直後に出現させる予告演出を先のループで抽選する。リアルタイムクロック、ランプ、モータ、ソレノイド等のデバイスに対する動作要求があればその動作を実行し(S550)、コマンドバッファに保存されたコマンドを解析し(S552)、コマンド解析直後の場合はS536の処理へ戻り(S554のY)、コマンド解析直後でないときは(S554のN)、空き時間で行えばよい低優先度の処理として抽選用ソフト乱数を更新し(S556)、S536の処理に戻る。なお、S552において、解析するコマンドが特別図柄の変動パターンを示す場合は装飾図柄の変動演出パターンをこのS552の処理にて決定し、解析するコマンドが特別図柄の停止図柄を示す場合は抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式であれば装飾図柄の停止図柄をこのS552の処理にて決定する。
図18は、メイン基板200からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。メイン基板200から受信するメインコマンドは、リセット割込やエラー割込に次いで優先度の高い優先レベル7の割込命令である。メイン基板200から受信したデータを入力ポートへ読みに行き、2回連続で同じデータが読み込まれたときにそのデータを新たなコマンドとして確定し(S600のY)、その確定したコマンドが第1コマンド(MODEデータ)であれば(S602のY)、その第1コマンドを一時記憶領域に保存する(S604)。ハード乱数を後続の処理のために取得し(S606)、元のルーチンに戻る。このようにメイン基板200からメインコマンドの割込があるたびにハード乱数を取得しておくことにより、乱数の取得タイミングに周期性を生じさせず、値のランダム性を高める。S600において読み込まれたデータが2回連続で一致しなければ(最高5回まで読み込み可能)、S602をスキップして元のルーチンに戻る(S600のN)。
S602において、確定したコマンドが第1コマンドではなく第2コマンドの場合は(S602のN)、第1コマンドがすでに適切に受信済みであることが確認できれば(S608のY)、コマンドバッファ(コマンドデータ用のリングバッファ)における読み取り位置であるコマンドライトポインタを取得し(S610)、第1コマンドと第2コマンドとをコマンドバッファに保存する(S612)。コマンドバッファに保存されたコマンドデータは、図17のS552において解析される。コマンドライトポインタを更新し(S614)、一時記憶領域に保存させていた第1コマンドをクリアして(S616)、元のルーチンに戻る。S608において第1コマンドが受信済みでないときはS610以降をスキップして(S608のN)、元のルーチンに戻る。
図19は、演出表示制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、サブCPU310から制御CPU320へ演出表示に関するコマンドを送信するための優先レベル2の割込であり、500μs周期で発生する。この割込では、バッファをチェックし(S620)、バッファに送信用のコマンドデータがあれば(S622のY)、そのコマンドデータを読み込み(S624)、制御CPU320へ送信する(S626)。なお、制御CPU320へのコマンドデータの送信は、制御CPU320側で正常受信された旨を示すコマンドをサブCPU310が制御CPU320から受信するまで所定時間間隔で最大3回まで送信を試みる。送信後、バッファの読み出しアドレスの設定を更新し(S628)、元のルーチンに戻る。バッファに送信用のデータがなければ(S622のN)、S624以降をスキップして元のルーチンに戻る。
図20は、サブCPU310が制御CPU320からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。この割込もまた優先レベル2の割込である。サブCPU310が制御CPU320から受信するコマンドは、主にサブCPU310から制御CPU320へ送信したコマンドが正常受信された旨を示すコマンドである。制御CPU320からコマンドを受信した場合、受信したコマンドデータを読み出し(S630)、コマンドを解析し(S632)、コマンドバッファに保存して(S634)、元のルーチンに戻る。
図21は、各種デバイス制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、装飾ランプ111などのランプ制御、可動役物66を駆動するソレノイドやモータの制御、各種タイマの管理制御のための割込であり、1ms周期で発生する。優先度が最も低い優先レベル1の割込であるため、優先レベル2以上の割込を許可し(S640)、演出ボタン109からの入力を示す信号、エラー検知を示す信号、電断を示す信号、モータやソレノイド等の制御対象デバイスへの駆動信号等を入出力するポートの入出力を処理する(S642)。このとき、電断を示す信号が入力された場合は直ちにバックアップ処理へ移行する。モータやソレノイド等のデバイスの制御パターンに基づくカウント処理やS642でポートにデータを書き込むためのバッファのオンオフ制御など、デバイス制御に係るデータを更新し(S644)、演出のタイミングを計るためのタイマを更新し(S646)、演出ボタン109の入力有効時間を管理するためのタイマを更新し(S648)、装飾ランプ111の点灯切換制御や制御CPU320の暴走監視制御等のためのタスク制御用カウンタを更新して16ms周期を作成する(S650)。
なお、装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位は16msである。画像表示制御の1フレームが16msまたは32msであり、その整数倍を装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位としておくことで、ランプ制御と画像表示制御を同期させやすくできる。また、例えば30秒間のエラー報知といった、比較的長時間の期間をカウントする場合に、仮に1割込(1ms)周期のカウントを用いてしまうとカウント値が必要以上に長くなってしまうが、16ms周期のカウント値とすることによってカウント値を短くすることもできる。
タスク制御には処理0〜15までの16種類のタスクがあり、そのうち1つのタスクが装飾ランプ111の点灯切換制御であり、2つのタスクが制御CPU320の暴走監視制御である。装飾ランプ111の点灯切換制御は、タスク制御用カウンタのカウント値に応じて16割込に1回実行することで16ms周期での切換を実現する。制御CPU320の暴走監視制御は、例えば処理0と処理8に割り当て、タスク制御用カウンタのカウント値が0と8のとき、すなわち8割込に1回、制御CPU320からのトグル信号を監視(S652)することで、8ms周期での監視を実現する。
なお、制御CPU320からは1フレームごとにオンオフ反転するトグル信号が出力されており、このトグル信号が1600ms連続して同じ値のまま変化しない場合に制御CPU320が暴走していると判断し、サブCPU310から制御CPU320へリセット信号を送信し、リセット信号を受信した制御CPU320はリセットを実行する。制御CPU320からは1フレーム(16msまたは32ms)周期でトグル信号を受信するため、その周期より短い8ms周期で監視する。最後に、上述のような例えば30秒間のエラー報知といった比較的長時間のエラー報知期間を管理するタイマを減算し(S654)、そのタイムアウト時にエラー報知が終了する。
図22は、特別図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。第2当否抽選値の保留がなされている場合(S700のY)、第2当否判定手段222が第2当否抽選値を読み出して第2特別図柄52の当否を判定し(S702)、第2当否判定手段222が第2特別図柄52の停止図柄を決定し(S704)、第2変動パターン決定手段232が第2特別図柄52の変動パターンを決定し(S706)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第2特別図柄52の図柄変動を開始する(S716)。
第2当否抽選値の保留がなされていない場合であって(S700のN)、第1当否抽選値の保留がなされている場合(S708のY)、第1当否判定手段221が第1当否抽選値を読み出してあらためて第1特別図柄51の当否を判定し(S710)、第1当否判定手段221が第1特別図柄51の停止図柄を決定し(S712)、第1変動パターン決定手段231が第1特別図柄51の変動パターンを決定し(S714)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第1特別図柄51の図柄変動を開始する(S716)。第1当否抽選値の保留がなされていない場合はS710からS722までの処理をスキップする(S708のN)。
特別図柄の図柄変動表示を処理し(S718)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達するまでS718を繰り返し(S720のN)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S720のY)、変動停止コマンドをサブ基板300へ送信して表示中の図柄変動をあらかじめ決定された停止図柄にて停止し(S722)、特別図柄の変動表示を終了する。
図23は、装飾図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。サブ基板300の演出決定手段303がメイン基板200から変動開始および演出表示内容を示すコマンドを受信し(S750)、受信した特別図柄の停止図柄、変動パターン、当否判定結果に応じて装飾図柄の停止態様を決定し(S752)、変動パターンに対応する変動演出パターンを決定する(S754)。ここで、事前判定により前兆設定がオンになっている場合(S756のY)、すでに決定されている変動演出パターンが、予告演出との重畳表示を回避すべき特定の演出内容が含まれたパターンでない場合であって(S758のN)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動でなければ(S760のN)、所定の予告演出を表示すべき設定を実行し(S764)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動である場合は(S760のY)、前兆設定をオフする(S762)。前兆設定がオンでない場合や(S756のN)、変動演出パターンに特定の演出内容が含まれる場合は(S758のY)、S760からS764の処理をスキップする。
その後、装飾図柄の変動演出表示を開始し(S766)、装飾図柄の変動演出表示処理と(S768)、予告演出の表示処理を実行し(S770)、メイン基板200から変動停止コマンドを受信するまでS768とS770を繰り返し(S772のN)、変動停止コマンドを受信したときに(S772のY)、S752で決定された停止態様にて装飾図柄を停止表示させることで図柄変動表示を停止し(S774)、装飾図柄の変動演出を終了する(S776)。
図24は、特別遊技の過程を示すフローチャートである。まず、演出表示制御手段305が特別遊技の演出処理を開始し(S800)、開閉制御手段275が大入賞口20を開放する(S802)。所定の開放時間が経過せず(S804のN)、大入賞口20への入球数も9球以上に達していなければS804に戻り(S806のN)、所定の開放時間が経過したか(S804のY)、開放時間が経過していないものの(S804のN)、大入賞口20への入球数が9球以上に達した場合(S806のY)、開閉制御手段275が大入賞口20を閉鎖させる(S810)。
単位遊技が最終ラウンドに達していなければ(S810のN)、ラウンド数に1を加算してS802に戻り(S812)、単位遊技が最終ラウンドに達していた場合は(S810のY)、演出表示制御手段305は特別遊技の演出処理を終了させ(S814)、特別遊技制御手段260は特別遊技を終了させ(S816)、特定遊技、すなわち確変、時短、入球容易状態の実行を開始する(S818)。
図25は、小当り遊技の過程を示すフローチャートである。小当り遊技において、1回だけ実行される単位遊技を開始し(S819)、大入賞口20を開放させ(S820)、所定の開放時間を経過するまで開放を継続させ(S822のN)、開放時間を経過した場合(S822のY)、大入賞口20を閉鎖し(S824)、設定回数分の開閉が終了していなければ(S826のN)、開閉回数に1を加算してS820に戻り(S828)、設定回数分の開閉が終了していれば(S826のY)、小当り遊技を終了する。
既存技術においては、第1の遊技における大当りの出玉より、第2の遊技における大当りの出玉の方が概ね多い、すなわち、第1の遊技よりも第2の遊技の方が1回の大当りにおける賞球獲得期待値が多くなるように設計されていたが、別の例では、第1の遊技の方が第2の遊技よりも賞球獲得期待値が多くなるように設計されてもよいし、第1の遊技と第2の遊技の賞球獲得期待値が概ね等しくなるように設計されてもよい。後者の場合、第1の遊技において実行される特別遊技と第2の遊技において実行される特別遊技に含まれる単位遊技の数の平均が等しくなるように設計されてもよい。例えば、第1の遊技においては、100%の確率で単位遊技が10回実行される特別遊技が実行され、第2の遊技においては、50%の確率で単位遊技が4回実行される特別遊技が、50%の確率で単位遊技が16回実行される特別遊技が実行されてもよい。また、いずれの場合においても、大入賞口に特定領域が設けられ、大入賞口に入球した遊技球が特定領域に入球または特定領域を通過した場合に、特別遊技終了後の通常遊技において確変状態などの特定遊技が実施されるように構成されてもよい。この場合、第1の遊技において大当りとなった場合に実行される特別遊技よりも、第2の遊技において大当りとなった場合に実行される特別遊技の方が、特定領域への入球容易性が高く、特別遊技の終了後に確変状態の通常遊技が実行される確率が高くなるように構成されてもよい。例えば、特定領域への入球が相対的に困難となる特別遊技が実行される第1当りと、特定領域への入球が相対的に容易となる特別遊技が実行される第2当りとが設けられ、第1の遊技よりも第2の遊技の方が第2当りとなる確率が高いように構成されてもよい。または、第1の遊技において第2当りとなる確率は100%未満であるが、第2の遊技において第2当りとなる確率は100%であるように構成されてもよい。
(第1実施例)
本実施例のぱちんこ遊技機は、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプを備える。遊技球が第1始動入賞口または第2始動入賞口に入球すると第1の当否抽選または第2の当否抽選が実行され、その抽選の判定結果が大当りとなると大入賞口(後述の第1大入賞口21)が開放を繰り返す特別遊技が開始される。一方、第1の当否抽選または第2の当否抽選の判定結果が「小当り」と呼ばれる所定の結果になった場合は、大入賞口(後述の第2大入賞口22)の短時間の開放がなされる小当り遊技が実行される。この小当り遊技は、大当りの場合に複数回繰り返される単位遊技を1回分しか有しないため「大当り」とは区別される。第2大入賞口22へ入球した遊技球が第2大入賞口22内の「Vゾーン」と呼ばれる特定領域に入球(「V入球」ともいう)すると、特別電動役物を連続作動させ大当り遊技を実行するための役物連続作動装置を作動させる条件装置が作動し、「小当り」から「大当り」へと昇格し、第1大入賞口21が開放される特別遊技が実行される。そのため、小当り遊技は従来にいう第2種ぱちんこ遊技と実質的に同様の動作となる。
特別遊技が終了すると、所定の確率でいわゆる変動時間短縮遊技(以下「時短」とも呼ぶ。)と呼ばれる特定遊技に移行する。時短は、特別遊技の終了後、特別図柄の変動回数が所定の上限回数(以下「時短継続回数」とも呼ぶ。)に達するまで継続する。本実施例の時短は、特別図柄の変動時間短縮機能だけでなく、普通電動役物の開放時間の延長および普通図柄の変動時間の短縮の2つの機能を用いて第2始動入賞口への入球容易性を通常状態より高める入球容易状態を含む。また後述するように、第2始動入賞口への入球を契機とする当否抽選では小当りに判定される確率が高く設定される。この結果、時短中には、第2始動入賞口への入球を契機とした小当りが発生しやすく、小当りから発展する大当り(「小当り発展大当り」または「小当りV」ともいう)の発生可能性も高まる。なお、小当り発展大当りと対比される大当りであり、図柄変動が大当りを示す態様で停止表示されたことを契機に特別遊技が開始される大当りを以下「図柄大当り」と呼ぶ。
通常状態の通常遊技では第2始動入賞口への入球容易性が低いため、まずは第1始動入賞口に入球させて図柄大当りを獲得することにより特別遊技を発生させて、時短に移行させる。そして時短において小当り発展大当りを獲得し、その特別遊技終了後にも時短が継続することで小当り発展大当りの連続を狙う遊技性となる。このように、第1実施例のぱちんこ遊技機は、小当り発展大当りを獲得することで出玉を増加させる遊技性を有している。
第1実施例のぱちんこ遊技機の特徴的な構成として、当該遊技機の仕様に即した好適な打ち分け報知を実行する。ここで4つの特徴を概説する。
特徴1)時短時における或る保留(具体的には第2特別図柄52の変動に関する抽選値の保留であり、以下「特図2保留」とも呼ぶ。)の個数と、遊技者の遊技球発射操作の状況とに応じて、打ち分け報知の態様を変更する。
特徴2)時短時における或る保留の変動中(具体的には特図2保留の変動中)、特図2保留の個数が所定個数以上になった場合に打ち分け報知の態様を変更する。
特徴3)時短状態(言い換えれば入球容易状態)が終了した状況下で、小当り遊技がV入球なく終了した場合(言い換えれば小当り遊技において小当り発展大当りを獲得できなかった場合であり、以下「小当りパンク」とも呼ぶ。)の終了デモ期間に、特図2保留が存在すれば第1態様による報知演出を実行し、特図2保留が存在しなければ第1態様とは異なる第2態様による報知演出を実行する。
特徴4)時短終了後の低確率状態における第2特別図柄52の変動中、打ち分け報知を非表示とする。
以下、第1実施例のぱちんこ遊技機500の詳細を説明する。なお、上記既存技術で説明したぱちんこ遊技機100と同様の構成は適宜説明を省略し、既存技術のぱちんこ遊技機100と異なる点を主に説明する。
図26は、第1実施例に係るぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機500における第1始動口11および第2始動口12は、遊技球の発射強弱によっていずれかを目標にした打ち分けが可能な程度に互いに離れた位置に設けられる。具体的には、第1始動口11と第2始動口12は、遊技領域の左側と右側に離れて設置され、一方を狙った遊技球が他方へ入球しがたい構成である。第1始動口11は、左打ち時、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って比較的弱めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。第2始動口12は、右打ち時、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って比較的強めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。
また、ぱちんこ遊技機500は、大入賞口として第1大入賞口21と第2大入賞口22を備える点で上記既存技術と異なる。第1大入賞口21と第2大入賞口22はいずれも、右打ち時、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って比較的強めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。
第1大入賞口21は、上述の大入賞口20と同様に機能する大入賞口であり、第1特別図柄51または第2特別図柄52が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。第1大入賞口21はアウト口34の右上方の位置に設けられる。第1大入賞口21は、遊技球の入球を検出するための第1大入賞検出装置26と、第1大入賞口21を開閉させるための第1大入賞口ソレノイド93を備える。第1大入賞検出装置26は、第1大入賞口21への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1大入賞口入賞情報を生成する。
第1大入賞口21は、特別遊技中の入球により出玉を増加させるための大入賞口であり、特別遊技中にこれが開放された際に発射強度をほぼ最大にするいわゆる右打ちがなされると、遊技球が極めて高い確率で入球するようになる。なお、第1大入賞口21の近傍位置であり、例えば、右打ち時の遊技球の流路の上流位置に一般入賞口33がさらに設けられてもよい。これにより、右打ち時(特別遊技時等)の出玉の量をさらに多くすることができる。
一方、第2大入賞口22は、小当り遊技に対応する大入賞口として設けられ、小当りの発生により開放される。第2大入賞口22は、遊技球の入球を検出するための第2大入賞検出装置27と、第2大入賞口22の蓋部を開閉させるための第2大入賞口ソレノイド94を備える。第2大入賞検出装置27は、第2大入賞口22への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2大入賞口入賞情報を生成する。第2大入賞口22は、第1特別図柄51または第2特別図柄52が所定の小当り態様にて停止したときに「小当り」として開放状態となる。第2大入賞口22は、センター飾り64の右側通路に設けられ、演出表示装置560の右下の表示領域の右側位置に取り付けられる。第2大入賞口22は、小当り遊技中にこれが開放された際に発射強度をほぼ最大にするいわゆる右打ちがなされると、遊技球が極めて高い確率で入球するようになる。第2大入賞検出装置27は、第2大入賞口22の内部に設けられている。
第2大入賞口22は、箱形であって遊技盤80の前方に突出しており、遊技盤より突出する箇所の上面は、遊技球が転動するよう右端部が左端部より高くなるように傾斜面を有している。そのため、箱形の第2大入賞口22の上面に遊技球が載ると右から左の方向へ重力で転動する。上面に遊技球の転動面と水平方向に開閉動作するスライド式の蓋が設けられ、その蓋がスライドして開口部が露出すると、右から左へ流れる遊技球がほぼ確実にすべて開口部に落入し、第2大入賞口22への入球となる。逆にスライド式の蓋で開口部が閉鎖されている間はその蓋の上を遊技球が転動して通過し、第2大入賞口22の左方に位置するセンター飾り64との間の通路を通って第2作動口32、第2始動口12または第1大入賞口21へと遊技球が誘導される。第2大入賞口22と遊技領域の外周との間には遊技球が通過できないように部材が設けられているため、右打ちした遊技球のほぼ全てが第2大入賞口22に誘導される。第2大入賞口22が閉鎖されているときは、第2大入賞口22の上を転動した遊技球がすぐ左方の通路から下方へ落下するように設計されている。
第2大入賞口22の内部には特定領域が設けられる。第2大入賞口22の内部には、特定領域と非特定領域のいずれかに遊技球を振り分けるための振分機構(図28の特定領域開閉装置522)が設けられる。第2大入賞口22へ遊技球が入球してこれを第2大入賞検出装置27が検出すると、大入賞口への入賞として賞球付与がなされる。特定領域への入球を検出すると、特別遊技へ移行する旨の決定がなされる。特定領域への入球が検出されない場合、小当り遊技の終了後に通常遊技に戻る。
本実施例において、第2大入賞口22および振分機構は「可変入球装置」として機能する。ここで、可変入球装置とは、入球可能な状態へ変化するよう作動可能な装置であり、その内部空間に特定領域が設けられる装置である。本実施例では、第2大入賞口22が入球可能な状態へと作動し、振分機構が特定領域へ誘導するよう作動する場合にのみ特定領域への入球が可能となるように構成される。なお、変形例においては、振分機構が設けられず、第2大入賞口22が可変入球装置として機能するように構成されてもよいし、第2大入賞口22および振分機構とは異なる別の可動部材により可変入球装置が構成されてもよい。
本実施例に係る特別遊技には、停止時の図柄が大当りとなることを契機に実行される第1特別遊技と、停止時の図柄が小当りとなった後に小当りが大当りに発展することを契機として実行される第2特別遊技とがある。第1特別遊技は、上記既存技術に示した特別遊技と同様であり、すなわち図柄大当りを契機とする。第2特別遊技は、第2大入賞口22が開放される小当りを含み、また、小当り遊技中の特定領域の通過を契機とした小当り発展大当りであり、すなわち条件装置の作動と役物連続作動装置の作動に伴う第1大入賞口21の開放をさらに含む。
第1特別図柄51または第2特別図柄52が所定の小当り態様で停止された場合、1回の単位遊技で構成される小当り遊技(すなわち役物連続作動装置の作動を伴わない特別電動役物の作動状態)に移行し、第2大入賞口22の開閉動作が実行される。小当り遊技を構成する1回の単位遊技においては、第2大入賞口22が1回または複数回開放される。また、小当り遊技において第2大入賞口22は、総開放時間の合計で所定の基準時間(例えば1.8秒)以下の時間だけ開放される。
小当り遊技中に第2大入賞口22の内部に設けられる特定領域に入球すると、小当りから大当りへの発展が確定(役物連続作動装置を作動させるための条件装置が作動)し、特別遊技が実行される(すなわち役物連続作動装置の作動に基づく特別電動役物の連続作動状態へ移行される)。第2特別遊技においても、特定領域への入球に伴い、第1特別遊技と同様に第1大入賞口21が開放され、その開放が所定の基準時間以上となる約30秒間続いた後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。第1大入賞口21の開閉ないし単位遊技が所定回数、例えば8回繰り返された後、第2特別遊技が終了される。したがって、第2特別遊技が実行される場合、第2大入賞口22の開放がなされた後、第1大入賞口21の開放が複数回なされる。
遊技領域81の外側右下位置には、遊技機500の遊技状態を示すための状態表示ランプ502が設けられる。状態表示ランプ502は、例えば、二つのランプによって構成され、第1のランプは時短状態(本実施例では普通電動役物の入球容易状態を伴う)であるか否かを示し、第2のランプは右打ちをすべき遊技状態(普通電動役物の入球容易状態や、特別電動役物の作動状態)であるか否かを示す。第1のランプは、時短状態の通常遊技である場合に点灯し、通常状態の通常遊技である場合に消灯する。第2のランプは、右打ちをすべき遊技状態である場合、つまり、時短状態、小当り遊技状態または特別遊技状態にある場合に点灯し、通常状態である場合に消灯する。したがって、状態表示ランプ502の第2のランプは、いわゆる「右打ち表示灯」として機能し、一定の表示態様にて右打ちをすべき遊技状態であるか否かを表示する。
図27は、第2大入賞口22の構成を概略的に示す外観斜視図であり、第2大入賞口22のスライド板510の上を転動する遊技球の勢い(転動速度)を低下させるための構成の一例を示す。前述したように、第2大入賞口22の上面に設けられるスライド板510は、水平方向を基準として左下がりとなるようわずかに傾斜するように設けられる。その結果、スライド板510の上を転動する遊技球はそのままでは加速傾向となり、スライド板510を閉鎖状態から開放状態に変位させたとしても、箱状部材512の内部に遊技球をうまく誘導できないおそれが生じる。そこで、本実施例では、スライド板510の上を転動する遊技球をジグザグ状に進行させることで、遊技球の移動距離を増やすとともにスライド板510の上を転動する遊技球の勢いを低下させるようにして、スライド板510上における遊技球の滞留時間を増加させている。これにより、第2大入賞口22が極めて短い時間(例えば0.05秒〜0.2秒程度)の短時間開放を繰り返す場合であっても、スライド板510の上に遊技球が滞留する時間を長くし、いずれかの短時間開放中に遊技球が入球する可能性が高められるようにする。
図27(a)は、スライド板510が閉鎖状態である場合の第2大入賞口22を示す。図示されるように、遊技球がスライド板510の上を転動する範囲内において、遊技盤側に複数の突起部516aが設けられるとともに、遊技盤と対向する透明板側にも複数の突起部516bが設けられる。また、遊技盤側の複数の突起部516aと透明板側の複数の突起部516bは、スライド板510の上の流路に沿って互い違いに配列されている。なお、透明板側の複数の突起部516bは、箱状部材512から上方向に延在する透明の透明板514に取り付けられている。遊技盤80の手前側を覆う透明板103に複数の突起部516bを直接固着させないことで、遊技機のメンテナンス等の目的で透明板103を開放した場合に、突起部516bが外部に対して剥き出しの状態となって損傷しやすくなることを防ぐことができる。また、透明板514を透明部材で構成することで、第2大入賞口22に入球する遊技球の視認性が損なわれないようにできる。なお、変形例においては、ジグザグ状の流路を形成するための突起部または凹部をスライド板510に形成してもよい。
スライド板510の上に複数の突起部516a,516bを互い違いに設けることで、遊技球をジグザグに進行させて遊技球の勢いが減速傾向となるようにできる。例えば、第2大入賞口22に向けて遊技球が右打ちにより連続発射(約0.6秒間隔で1球発射)され、スライド板510の上を転動して第2大入賞口22の左側に落下するまでに2〜3秒の時間を要するように減速される場合、スライド板510の上に常時3〜5球程度の遊技球が存在することになる。その結果、スライド板510を短時間開放させる場合であっても、図27(b)に示すように、第2大入賞口22の内部に複数個の遊技球をまとめて誘導することができる。箱状部材512の内部に落入した遊技球は、1球ずつ通過口518を通過して入賞検出がなされる。
スライド板510の上に滞留する遊技球の個数及び滞留時間は、第2大入賞口22の長さや傾斜角、突起部516a,516bの数や間隔などを変えることにより調整可能である。本実施例では、図27(a)に示すように、右打ちの連続発射を継続させた場合に3個の遊技球がスライド板510の上に滞留するように設計され、スライド板510を開放状態に変位させたときに概ね3個の遊技球が箱状部材512の内部にまとめて入球するよう調整される。したがって、本実施例の第2大入賞口22によれば、小当り遊技中の適切なタイミング(右打ち報知後)に適切な発射操作(右打ち)をすれば、遊技球が第2大入賞口22にほぼ確実に入球するようにできる。なお、図27に示す第2大入賞口22の構成は一例にすぎず、図示する例とは異なる構造の第2大入賞口22が設けられてもよい。
図28は、第2大入賞口22の内部構成を概略的に示す図であり、特に第2大入賞口22の下部領域520の構成を示す。スライド板510は、第2大入賞口ソレノイド94の制御に応じて第2大入賞口22の入口を開閉する。第2大入賞口ソレノイド94は、スライド板510を開放状態に制御し、第2大入賞口22の入口を開くようにスライド板510を動作させることで、第2大入賞口22の内部に遊技球が流入可能な状態とする。第2大入賞口ソレノイド94は、スライド板510を閉鎖状態に制御し、第2大入賞口22の入口を塞ぐようにスライド板510を動作させることで、第2大入賞口22の内部に遊技球が流入不能な状態とする。第2大入賞口22に入球した遊技球は、一旦左方向へ流れて、1球ずつ通過可能な通過口518から第2大入賞口22の下部領域520へ流入する。第2大入賞検出装置27は、賞球を付与するため第2大入賞口22への遊技球の入球を検出し、具体的には通過口518を通過して下部領域520へ落入した遊技球を検出する。
第2大入賞口22の下部領域520には、排出経路528が設けられる。排出経路528は、第2大入賞口22へ入球した遊技球を第2大入賞口22の外部へ排出するための経路であり、典型的には、ぱちんこ遊技機500の外部へ排出するための経路である。また下部領域520には、通過口518から排出経路528に至る流路の途中に特定領域開閉装置522が設けられる。小当り発展大当りへの移行条件となる特定領域は、特定領域開閉装置522の下の領域に該当し、特定領域開閉装置522が開放される場合に通過可能となり、特定領域開閉装置522が閉鎖される場合には通過不能となる。
特定領域開閉装置522は、特定領域への通過を可能とする開状態と、特定領域への通過を不能とする閉状態とを切り替えるように動作する。特定領域開閉装置522は、特定領域開閉ソレノイド524の制御に応じて動作するスライド部材または弁部材を有する。特定領域開閉装置522は、特定領域への流路を開くように動作することで、特定領域への遊技球の通過が可能となる開状態となり、特定領域への流路を塞ぐように動作することで、特定領域への遊技球の通過を不能とする閉状態になる。特定領域通過検出装置526は、特定領域開閉装置522の下位置に設けられ、特定領域における遊技球の通過を検出する。特定領域通過検出装置526は、特定領域を遊技球が通過した場合にその通過を示す特定領域通過情報を生成する。
特定領域開閉装置522は、第2大入賞口の開放に伴い開状態へ移行し、第2大入賞口22が閉状態となったのち、内部の遊技球が特定領域開閉装置522の位置に流下すると見込まれる設計値分だけ待って大入賞口の閉状態移行から遅れて閉状態となるよう動作する。本実施例では、小当り時にほぼV入球が発生するように、第2大入賞口22の一回目の開状態への移行時から単位遊技終了時の第2大入賞口22の閉動作を行うタイミングまで、特定領域開閉装置522が開放されるよう制御される。
第2大入賞口22の外観は、特定領域の開放状況や特定領域への入球状況が遊技者から視認可能または視認容易となるよう構成される。例えば、特定領域の近傍に「V」等の目印を示す構造物が設置され、特定領域が設けられていることが外観上分かるように構成される。より具体的には、第2大入賞口22の前面であって、少なくとも特定領域の近傍(例えば、下部領域520)の前面は、透過性の高い部材または透明な部材で形成される。なお変形例においては、透過性の低い部材または透過性を有しない部材で下部領域520の前面を形成することにより、特定領域の開放状況や特定領域への入球状況が遊技者から視認不能または視認困難となるよう構成してもよい。
既述したように、実施例の第2大入賞口22は、小当り遊技中の右打ちにより、ほぼ100%特定領域へ入球(V入球)する構成となっている。したがって、小当り遊技中に右打ちを行えば、ほぼ確実に小当り発展大当りを獲得可能である。この理由は、第1実施例のぱちんこ遊技機500は、時短→小当り→小当り発展大当り→時短を繰り返して出玉を増加させる遊技性であるところ、後述するように時短における図柄変動の上限回数は1回であるため、V入球せずに小当り遊技が終了することを防止するためである。
図29は、第1実施例のぱちんこ遊技機500の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機500は、上述の図3の機能ブロックと比較すると、大入賞口20の代わりに第1大入賞口21および第2大入賞口22を備え、メイン基板200によって制御される状態表示ランプ502を備える点で上述の機能ブロックと相違する。
ぱちんこ遊技機500のメイン基板200は、第1大入賞口21、第2大入賞口22、状態表示ランプ502と電気的に接続されている。第1大入賞口21は、第1大入賞検出装置26、第1大入賞口ソレノイド93を有する。第2大入賞口22は、第2大入賞検出装置27、第2大入賞口ソレノイド94、特定領域通過検出装置526、特定領域開閉ソレノイド524を有する。
また、遊技球をぱちんこ遊技機500の遊技領域に発射させるための遊技者の操作入力(回動操作)を受け付ける発射ハンドル107には、タッチセンサ530(図26には不図示)が設けられる。メイン基板200は、発射ハンドル107のタッチセンサ530と電気的に接続されている。タッチセンサ530は、遊技者の指の接触を検出した場合、その接触の事実を示す信号(以下「接触検知信号」とも呼ぶ。)をメイン基板200へ出力する。
ぱちんこ遊技機500のメイン基板200は、図4に示したブロック図と同様の機能構成を有する。入球判定手段201は、第1大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第1大入賞口21に入賞したと判断し、第2大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第2大入賞口22に入賞したと判断する。入球判定手段201は、特定領域通過情報を受け取ると遊技球が特定領域を通過したと判断する。
メイン表示制御手段250は、状態表示ランプ502の表示を制御する。メイン表示制御手段250は、遊技状態が時短状態である場合に状態表示ランプ502の第1のランプを点灯させ、遊技状態が通常状態である場合に状態表示ランプ502の第1のランプを消灯させる。また、メイン表示制御手段250は、右打ちをすべき遊技状態である場合、実施例では時短状態、小当り遊技状態、または特別遊技状態にある場合に状態表示ランプ502の第2のランプを点灯させる。その一方、左打ちをすべき遊技状態である場合、実施例では通常状態である場合に状態表示ランプ502の第2のランプを消灯させる。
開閉制御手段275は、第2始動口12の普通電動役物90や第1大入賞口21、第2大入賞口22、特定領域開閉装置522の開閉を制御する。開閉制御手段275は、小当り遊技において、所定の開放パターンに応じて、第2大入賞口ソレノイド94に開放指示を送り第2大入賞口22を開放させるとともに、特定領域通過検出装置526に開放指示を送り特定領域開閉装置522を開放させる。
図30は、第1実施例の当否判定テーブルを模式的に示す図である。上記既存技術とは異なり、第1の抽選(第1特別図柄51)と第2の抽選(第2特別図柄52)のいずれにおいても大当り確率は同じであり、確率変動状態は設けられない。また、第1の抽選における小当り確率(約1/2850)よりも、第2の抽選における小当り確率(約1/5)の方が高く設定される。
図31は、第1実施例の事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。第1当否判定手段221は図31(a)のテーブルを参照して当否範囲を設定する。第2当否判定手段222は図31(b)のテーブルを参照して当否範囲を設定する。図31の(a)(b)における当否範囲「1」は大当りを示し、当否範囲「2」は外れを示し、当否範囲「3」は小当りを示す。
小当り遊技制御手段265は、第1抽選手段211による第1の抽選が小当りを示す結果となり、第1特別図柄51が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に第2大入賞口22を開放させることにより小当り遊技を実行する。同様に、小当り遊技制御手段265は、第2抽選手段212による第2の抽選が小当りを示す結果となり、第2特別図柄52が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に第2大入賞口22を開放させることにより小当り遊技を実行する。
小当り遊技では単位遊技が1回実行され、1回の単位遊技において、小当り遊技制御手段265は、開閉制御手段275を介して、第2大入賞口22を1回以上開放する。小当り遊技制御手段265は、第2大入賞口22の1回以上の開放時間の合計が所定の基準時間(約1.8秒)以下となるように、予め定められた開放パターンにしたがって第2大入賞口22を開放させた後、第2大入賞口22を閉鎖して小当り遊技を終了させる。
図32は、第1実施例における小当り遊技の過程を示すフローチャートである。図柄変動が小当りを示す態様(小当り図柄)で停止すると、小当り遊技制御手段265は、開放回数を初期値の1に設定し(S842)、予め定められた開放パターンにしたがって第2大入賞口22を開放させる(S844)。第2大入賞口22内部の特定領域へ遊技球が入球すると(S846のY)、条件装置が作動する(S848)。特定領域への入球がなければ(S846のN)、S848をスキップする。
開放パターンが定める第2大入賞口22の開放時間が未経過であり、かつ、第2大入賞口22への入球数が上限値未満であれば(S850のN)、S846に戻り、第2大入賞口22の開放を継続する。開放パターンが定める第2大入賞口22の開放時間が経過し、または、第2大入賞口22への入球数が上限値に達すると(S850のY)、小当り遊技制御手段265は、第2大入賞口22を閉鎖する(S852)。開放回数が開放パターンにより定められた設定回数に達していなければ(S854のN)、設定回数に1を加算し(S856)、S844に戻り、第2大入賞口22を再度開放させる。開放回数が設定回数に達していれば(S854のY)、小当り遊技を終了する(S858)。
特別遊技制御手段260は、第1抽選手段211による第1当否抽選が特別遊技への移行を示す結果(すなわち図柄大当り)となった場合、第1特別図柄51が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、第1大入賞口21を開放させることにより第1特別遊技を実行する。同様に、特別遊技制御手段260は、第2抽選手段212による第2当否抽選が特別遊技への移行を示す結果(すなわち図柄大当り)となった場合、第2特別図柄52が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、第1大入賞口21を開放させることにより第1特別遊技を実行する。
また、特別遊技制御手段260は、小当り遊技の実行中に第2大入賞口22内の特定領域への入球が検出された場合に、特定領域への入球を条件とする小当り発展大当りを実行する。第2特別遊技における小当り発展大当り後は、第1特別遊技と同様に第1大入賞口21を開放させる。
特定遊技制御手段270は、特別図柄が時短移行を伴う特定大当りの図柄であった場合に、特別遊技終了後に遊技状態を時短状態(入球容易状態を含む)へ移行させる。また、特定遊技制御手段270は、小当り図柄が時短移行を伴う特定小当りの図柄であった場合に、小当り遊技中にV入球することで小当り発展大当りが実行されたとき、特別遊技終了後に時短状態へ移行させる。
第1実施例における時短継続回数は1回である。すなわち、特別遊技終了後の1回の図柄変動に限り、第2大入賞口22が入球容易状態に制御される。特定遊技制御手段270は、時短中の1回の図柄変動において小当りが発生するか否かにかかわらず、当該1回の図柄変動が終了すると時短状態を終了させて通常状態へ移行させる。すなわち、ぱちんこ遊技機500は、少なくとも小当り遊技の終了時点では時短状態(入球容易状態を含む)が終了するように構成される。実施例では、小当り遊技の開始時点(言い換えれば第2大入賞口22が開放される時点)では時短状態が終了するように構成される。
変形例として、時短継続回数は2回以上であってもよく、この場合、時短中に小当りが成立すれば、少なくとも小当り遊技終了時点では時短状態が終了するように構成されることが望ましい。例えば、特定遊技制御手段270は、当否判定結果が小当りとなった場合の図柄変動開始時点、図柄変動終了時点、小当り遊技開始時点、小当り遊技終了時点のいずれかで時短を終了させてもよい。
実施例のぱちんこ遊技機500は、大当り図柄が特定大当りを示す種類でない場合、および、小当り図柄が特定小当りを示す種類でない場合、特別遊技終了後に通常状態の通常遊技へ移行する。変形例として、特定遊技制御手段270は、大当り図柄の種類、および、小当り図柄の種類にかかわらず、特別遊技終了後に時短への移行条件が満たされたとして、継続回数1回の時短へ必ず移行させてもよい。
通常状態において、第1変動パターン決定手段231は、第1特別図柄51の変動パターンを定めた変動パターンテーブル(ここでは「特図1変動パターンテーブル」と呼ぶ。)を参照して、第1特別図柄51の変動パターンテーブルを抽選にて選択する。また、通常状態において、第2変動パターン決定手段232は、第2特別図柄52の変動パターンを定めた変動パターンテーブル(ここでは「特図2変動パターンテーブル」と呼ぶ。)を参照して、第2特別図柄52の変動パターンテーブルを抽選にて選択する。特図2変動パターンテーブルには、特図1変動パターンテーブルに定められた変動パターンよりも変動時間が短い変動パターンが選択候補として定められる。特図2変動パターンテーブルは、短い変動時間(実施例では0.5秒程度)を定める変動パターンが高確率(例えば100%)で選択されるように、変動パターンおよび選択確率が定められる。
また、時短状態において、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、通常状態において参照する変動パターンテーブルとは異なる特殊変動パターンテーブルを参照して、必ず変動表示時間が長い変動パターンを選択する。特殊変動パターンテーブルは、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示時間が長い(例えば1分程度)変動パターンを高確率で(実施例では100%)選択するように、変動パターンおよび選択確率を定めた変動パターンテーブルである。これにより、普通図柄の時短、普通図柄の確変、第2始動口12の拡開機構による開放延長が実行される時短中に、小当り確率が高い第2特別図柄52の抽選値が上限まで保留されやすくする。
一部既述したように、時短状態において遊技者は、第2始動口12を狙って右打ちを行い第2特別図柄52の保留を貯えることが望ましい。そして、第2特別図柄52の変動で小当りを発生させることにより第2大入賞口22を開放させ、小当り発展大当りへ昇格させるように遊技を行う。その一方、時短状態でなければ(すなわち通常状態では)、第2始動口12に設けられた普通電動役物(言い換えれば拡開機構)の開放抽選の当選確率が低く、普通電動役物の開放延長も実施されないため、第2始動口12への入球は困難である。そのため、通常状態において遊技者は、第1始動口11を狙って左打ちを行うことが望ましい。そして、第1特別図柄51による図柄大当り(小当りの可能性もあるが低確率)の獲得を狙うことになる。
左打ちを行う通常状態から入球容易状態へ移行させることは相対的に難しいが、いったん入球容易状態へと移行すれば、右打ちにより第2特別図柄52の抽選を受けやすくなり、小当り発展大当りの連続(いわゆる「連チャン」)によって出玉を増加させやすくなる。このように、ぱちんこ遊技機500の遊技者は、遊技状態に応じて右打ちと左打ちを打ち分ける必要があり、ぱちんこ遊技機500は、遊技状態に応じた遊技球の発射強度を報知する内容の演出であり、言い換えれば、遊技球の発射方向(左打ちか右打ちか)を報知する内容の演出である打ち分け報知演出を演出表示装置60に表示させる。
演出決定手段303は、遊技状態に応じて、遊技球の発射強度を相対的に弱くすべき遊技状態であることを報知する内容の打ち分け報知演出である左打ち報知演出と、遊技球の発射強度を相対的に強くすべき遊技状態であることを報知する内容の打ち分け報知演出である右打ち報知演出のいずれかを表示可能とする。左打ち報知演出は、遊技者に左打ちを促す内容の演出とも言え、右打ち報知演出は、遊技者に右打ちを促す内容の演出とも言える。演出決定手段303は、左打ち報知演出と右打ち報知演出のいずれかの表示を決定し、演出表示制御手段305は、演出決定手段303により表示が決定された左打ち報知演出または右打ち報知演出を演出表示装置60に表示させる。
演出決定手段303は、原則として、遊技領域の左〜中央位置に設置された始動口または大入賞口等への入球を狙うべき遊技状態であり、具体的には第1始動口11への入球を狙うべき遊技状態である通常状態において左打ち報知演出の表示を決定する。演出決定手段303は、通常状態において左打ち報知演出を表示することを抽選により所定確率で決定してもよい。また、演出決定手段303は、原則として、遊技領域の右位置に設置された始動口または大入賞口等への入球を狙うべき遊技状態であり、具体的には第2始動口12、第1大入賞口21、第2大入賞口22への入球を狙うべき遊技状態である時短状態、特別遊技中、および小当り遊技中において右打ち報知演出の表示を決定する。演出決定手段303は、時短状態、特別遊技中、および小当り遊技中において右打ち報知演出を表示することを抽選により所定確率で決定してもよい。
上記の特徴1および特徴2に関する構成を説明する。
メイン基板200は、発射ハンドル107の操作状態を示すデータを定期的(例えば1秒に1回等)に演出決定手段303へ送信する。発射ハンドル107の操作状態を示すデータは、実施例では、発射ハンドル107のタッチセンサ530から入力された接触検知信号に基づくデータであり、発射ハンドル107に遊技者の指が触れているか否か(タッチの有無)を示すデータである。変形例として、発射ハンドル107の操作状態を示すデータは、発射ハンドル107に対する操作強度を示すデータ(例えば回動角度が大きい→操作強度が高い、回動角度が小さい→操作強度が低い)であってもよい。
演出決定手段303は、メイン基板200から定期的に受信する発射ハンドル107の操作状態を示すデータに基づいて、現在の遊技球の発射強度を識別する。実施例では、発射ハンドル107に遊技者の指が触れていないこと(ハンドルタッチなし、例えば発射強度0)、または、触れていること(ハンドルタッチ有り、例えば発射強度1)の2段階で識別する。変形例として、発射ハンドル107に遊技者の指が触れていないこと(例えば発射強度0)、触れているが相対的に弱い発射強度であること(左打ち時の発射強度であり、例えば発射強度1)、触れておりかつ相対的に強い発射強度であること(右打ち時の発射強度であり、例えば発射強度2)の3段階で識別してもよい。演出決定手段303は、メイン基板200から受信した操作状態データと比較して発射強度を識別するための発射強度閾値データを予め保持してもよい。
演出決定手段303は、右打ち報知演出を表示すべき遊技状態における遊技球の発射強度に応じて、右打ち報知演出を、遊技球の発射強度を強くすべきことの強調度合いが異なる複数の態様のうちいずれかの態様で表示させることを決定する。また、演出決定手段303は、時短状態における継続回数の上限に達する図柄変動中に、特図2保留の個数に応じて、右打ち報知演出を、遊技球の発射強度を強くすべきことの強調度合いが異なる複数の態様のうちいずれかの態様で表示させることを決定する。演出表示制御手段305は、右打ち報知演出の複数種類の態様のうち、演出決定手段303により決定された態様で右打ち報知演出を演出表示装置60に表示させる。
具体的には、演出決定手段303は、時短中の演出として、特図2保留の個数が上限に達している場合、特図2保留が上限に達したことを報知する内容の画像(以下「保留上限報知画像」とも呼ぶ。)の表示を決定するとともに、第1右打ち報知演出の表示を決定する。保留上限報知画像は、これ以上の右打ちを抑制すべきことを示す画像であってもよい。また、演出決定手段303は、時短中の演出として、特図2保留の個数が上限未満であり、かつ、ハンドルタッチを検出している場合、第2右打ち報知演出の表示を決定する。また、演出決定手段303は、時短中の演出として、特図2保留の個数が上限未満であり、かつ、ハンドルタッチを未検出の場合、第3右打ち報知演出の表示を決定する。
言い換えれば、演出決定手段303は、時短状態の最終図柄変動(言い換えれば時短継続回数に達する図柄変動)における特図2保留が上限に達するまでの期間(「第1期間」と呼ぶ。)と、時短状態の最終図柄変動における特図2保留が上限に達した以降の期間(「第2期間」と呼ぶ。)とでは、右打ち報知演出を異なる態様で表示させる。すなわち、第1期間と第2期間とでは右打ち報知演出の態様を変化させる。実施例では、第1期間において、右打ちの強調度合いが相対的に高い右打ち報知演出(例えば第2右打ち報知演出または第1右打ち報知演出)を表示させ、第2期間において、右打ちの強調度合いが相対的に低い右打ち報知演出(例えば第1右打ち報知演出)を表示させる。
図33は、右打ち報知演出の例を示す。図33(a)は第1右打ち報知演出を示し、図33(b)は第2右打ち報知演出を示し、図33(c)は第3右打ち報知演出を示している。右打ちの必要性を強調する度合いは、第1右打ち報知演出、第2右打ち報知演出、第3右打ち報知演出の順に高くなるように各右打ち報知演出の内容が設定される。図33(a)に示すように、第1右打ち報知演出では、装飾図柄61(もしくは代替図柄)と、予告演出の画像である予告画像532の表示を阻害しないように、画面の隅に小さく右打ち報知画像534を表示させる。
図33(b)に示すように、第2右打ち報知演出では、装飾図柄61と予告画像532の少なくとも一方の上に重ねて、画面中央に大きく右打ち報知画像534を表示させる。図33(c)に示すように、第3右打ち報知演出では、第2右打ち報知演出よりも一層右打ちを強調する態様、言い換えれば、遊技者の注目を集めやすいと想定される態様で右打ち報知画像534を表示させる。例えば、第3右打ち報知演出では、右打ち報知画像534を光の点滅とともに表示させてもよい。また、第3右打ち報知演出における右打ち報知画像534では、右打ちを促すメッセージを第2右打ち報知演出時よりも大きく表示させてもよい。さらに、第3右打ち報知演出における右打ち報知画像534は、現在右打ちをしなければ遊技者にとって不利益となること、言い換えれば、出玉が減少することを示すメッセージを含んでもよい。
実施例のぱちんこ遊技機500は、遊技者による発射ハンドル107の操作状態(例えばタッチの有無)に応じた適切な態様での打ち分け報知を実現できる。例えば、ぱちんこ遊技機500では、右打ちすべき遊技状態において遊技球の発射を怠っている遊技者に対して、遊技球を発射している場合とは異なる態様で右打ちを促すことができる。
既述したように、ぱちんこ遊技機500では、遊技者は、時短となる1回の図柄変動中に特図2保留を上限まで貯めて小当りの獲得を狙う必要がある。言い換えれば、時短となる1回の図柄変動中に特図2保留を十分に貯めることができなければ、当該図柄変動終了後に小当りを獲得しづらくなり、また、当該図柄変動終了後の通常状態では第2始動口12への入球が困難であるため、第1特別図柄51による図柄当り(いわゆる初当り)を再度獲得しなければならず連荘は困難になる。ぱちんこ遊技機500では、時短中にハンドルタッチを未検出であれば、第3右打ち報知演出を表示させて相対的に強い態様で遊技者に右打ちを促すことで、時短中に第2始動口12へ遊技球が入球せずに遊技者が不利益を被ることを防止しやすくなる。
また、時短状態の最終図柄変動(第1実施例では時短継続回数は1回であるため、最初の図柄変動でもある)において特図2保留が上限に達すると、以降第2始動口12を狙って発射した遊技球は無駄球となってしまう。また、時短状態における図柄変動時間は長く設定されるため無駄球が増加しやすい。ぱちんこ遊技機500では、時短中の特図2保留の個数が上限に達した場合、右打ち報知演出の態様をそれまでとは異なる態様に切り替える。例えば、右打ちの強調度合いが相対的に高い第2右打ち報知演出から、右打ちの強調度合いが相対的に低い第1右打ち報知演出へ切り替える。これにより、特図2保留が上限に達した場合に、遊技球の発射を控えるべき状態であることを遊技者へ報知し、無駄球となる遊技球を少なくして、遊技者が不利益を被ることを回避しやすくなる。
なお、実施例のぱちんこ遊技機500では、右打ち報知演出の切替条件となる特図2保留の個数を上限の4個に設定したが、変形例として上限未満の値に設定してもよい。例えば、特図保留が3個に達した時点で発射済の遊技球の少なくとも1つが、ほぼ確実に第2始動口12へ入球することが見込まれる場合、右打ち報知演出の切替条件となる特図2保留の個数を3個に設定してもよい。
次に、上記の特徴3に関する構成を説明する。
演出決定手段303は、時短状態終了後の通常状態において、遊技球が特定領域を通過することなく小当り遊技が終了した場合に、特図2保留が存在することを条件として、小当り遊技における遊技方法を報知する演出(「小当り遊技方法報知演出」とも呼ぶ。)を表示させることを決定する。小当り遊技方法報知演出は、次回の小当り時に右打ちするように促す内容(報知態様)である。後述するように、演出決定手段303は、小当り遊技方法報知演出に対応する小当り遊技終了デモの演出パターンを選択しうる。当該演出パターンには、次回の小当り時に右打ちするように促す内容の画像や映像の表示が定められている。また、小当り遊技方法報知演出は、第2大入賞口22(もしくは第2大入賞口22内部の特定領域)を狙って遊技球を打ち出すように促す内容であってもよい。
実施例の演出決定手段303は、時短に移行されると、時短状態における演出モードであるラッシュ演出モードへ移行し、ラッシュ演出モードの背景・キャラクタ・テーマ等に対応する変動演出パターンおよび予告演出パターンを選択し、ラッシュ演出モードの変動演出および予告演出を表示させる。演出決定手段303は、時短において1回の図柄変動が終了し、ぱちんこ遊技機500の内部状態が時短状態から通常状態へ移行されても、特図2保留が存在する間はラッシュ演出モードを継続する。特図2保留が優先的に消化され、特図2保留がなくなれば、演出決定手段303は、ラッシュ演出モードを終了し、通常状態用の演出モード(以下「通常演出モード」とも呼ぶ。)へ移行する。
ラッシュ演出モード用の変動演出パターンおよび予告演出パターンは、通常演出モード用の変動演出パターンおよび予告演出パターンよりも、大当りもしくは小当りが発生する期待度を一層高く見せる内容であってよい。例えば、ラッシュ演出モード用の変動演出パターンおよび予告演出パターンは、大当りもしくは小当りに対する遊技者の期待感を一層喚起するために、派手な色彩が設定されてもよく、通常演出モードでは登場しない特殊なキャラクタ等が設定されてもよい。
演出決定手段303は、小当りパンク時の特図2保留の個数に応じて、小当り遊技の終了デモ表示態様を変化させる。実施例の演出決定手段303は、小当りがパンクした場合、当該小当り遊技の終了デモ期間に、特図2保留が残存していれば小当り遊技方法報知演出を表示させる。その一方、特図2保留が0であれば、演出決定手段303は、ラッシュ演出モードから通常演出モードへの移行を報知する演出であるモード移行報知演出を表示させる。
第1実施例のぱちんこ遊技機500の構成によると、小当り遊技でV入球を逃した遊技者を、小当り確率が比較的高い状況において、次の小当りではV入球できるよう支援することができる。また、特図2保留がなく、次の小当りの発生までに長時間を要すると想定される状況では、小当り遊技でV入球を逃した遊技者に対する小当り遊技方法報知演出の提示を抑制する。これにより、小当り遊技方法報知演出を表示したものの小当りが発生しないことにより却って遊技者に違和感を抱かせてしまうことを回避できる。
次に、上記の特徴4に関する構成を説明する。
演出決定手段303は、時短終了後の通常状態であるが、特図2保留に基づく図柄変動の表示中は、左打ち報知演出の表示を抑制し、言い換えれば、左打ち報知演出を非表示とする。左打ち報知演出は、例えば図33(a)に対応し、右打ち報知画像534に代えて左打ちを促す内容の画像である左打ち報知画像を表示させる演出であってもよい。
特図2保留は小当り発生確率が比較的高い(約1/5)ところ、時短終了直後の特図2保留の変動で内部状態にあわせて左打ちを報知すると、比較的高確率で発生しうる小当り遊技において遊技者は右打ちできずに不利益を被る可能性がある。また、打ち分け報知にて指示する発射方向を短時間のうちに何度も切り替えると、遊技者の混乱を招きやすい。その一方で、内部状態が低確率(第1始動口11を狙うべき通常状態)であるときに、右打ち報知を行うことは規則上許されない。そこで、通常状態における特図2保留の変動中は左打ち報知の表示を抑制し、打ち分け報知を非表示とすることで、規則に反することなく、遊技者に不利益および混乱が生じることを防止できる。
なお、既述したように、通常状態における第2特別図柄52の変動時間は短いため、通常状態において左打ち報知演出を非表示とする時間も短い。例えば、特図2保留個数が上限の4個貯まっていた場合でも2秒程度(0.5秒×4)である。打ち分け報知を非表示とした状態を長時間続けると、遊技者は左打ちと右打ちのどちらを行うべきかわからず違和感(不満等)を抱きかねないが、打ち分け報知を非表示とする時間を短くするで、遊技者に違和感を抱かせにくくなる。
以上の構成による第1実施例のぱちんこ遊技機500の動作を説明する。
図34は、時短状態における演出処理の過程を示すフローチャートである。特別遊技が終了すると、特定遊技制御手段270は時短状態に移行させる。これに伴い、演出決定手段303は、演出のモードをラッシュ演出モードへ移行させ、演出表示装置60の画面の背景等をラッシュ演出モード用に切り替える(S860)。特図2保留が上限個数貯留されていれば(S862のY)、演出決定手段303は、保留上限報知画像を表示させるとともに、右打ちの強調度合いが低い第1右打ち報知演出を表示させる(S864、S866)。
特図2保留の貯留数が上限未満であるが(S862のN)、発射ハンドル107へのタッチが検出されており、言い換えれば、発射ハンドル107が操作中であれば(S868のY)、演出決定手段303は、右打ちの強調度合いが中程度である第2右打ち報知演出を表示させる(S870)。特図2保留の貯留数が上限未満であり、かつ、発射ハンドル107へのタッチが検出されなければ(S868のN)、演出決定手段303は、右打ちの強調度合いが高い第3右打ち報知演出を表示させる(S872)。
以降、既存技術の図23で示したように、演出決定手段303(および演出表示制御手段305)は、メイン基板200から送信された変動開始コマンドを受信すると(S874のY)、当否判定結果、図柄判定結果、パターン判定結果に応じた態様で装飾図柄61の変動表示および予告画像532の表示を開始する(S876)。変動開始コマンドを未受信であれば(S874のN)、S876の処理をスキップする。
演出決定手段303(および演出表示制御手段305)は、メイン基板200から送信された変動停止コマンドを受信すると(S878のY)、装飾図柄61の変動表示および予告画像532の表示を終了し(S880)、右打ち報知演出の表示を終了する(S882)。図34には不図示だが、特定遊技制御手段270は、1回の図柄変動表示が終了すると、時短状態から通常状態へ移行させる。変動停止コマンドを未受信であれば(S878のN)、S862に戻り、最新の特図2保留個数およびハンドルタッチ状態に応じて右打ち報知演出の態様を変更する。
図35は、通常状態における演出処理の過程を示すフローチャートである。小当り遊技がV入球することなくパンクすると(S890のY)、演出決定手段303は、小当り遊技の終了デモの表示を開始する(S892)。特図2保留が1個以上存在すれば(S894のY)、演出決定手段303は、終了デモの表示中に、小当り遊技方法報知演出を表示させる(S896)。特図2保留が0個であれば(S894のN)、演出決定手段303は、それまでのラッシュ演出モードから通常演出モードへのモード移行報知演出を表示させる(S898)。小当り遊技方法報知演出またはモード移行報知演出を表示後、演出決定手段303は、小当り遊技の終了デモの表示を終了させる(S900)。直前に小当りパンクが発生していなければ(S890のN)、S892〜S900の処理をスキップする。
特図2保留が0個であり(S902のN)、ラッシュ演出モードであれば(S904のY)、演出決定手段303は、ラッシュ演出モードを終了させ、通常演出モードへ移行する(S906)。ラッシュ演出モードでなければ(S904のN)、S906の処理をスキップする。演出決定手段303は、左打ち報知演出を表示させる(S908)。特図2保留が1個以上存在すれば(S902のY)、S904〜S908の処理をスキップする。すなわち、通常状態であっても特図2保留が残存する間は、時短時と同様にラッシュ演出モードを維持し、かつ、左打ち報知演出(および右打ち報知演出)を非表示とする。以降、既存技術の図23で示した装飾図柄変動処理を実行する(S910)。
以上、本発明を第1実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
第1変形例を説明する。第1実施例では、時短中における発射ハンドル107に対するタッチの有無に応じて右打ち報知演出の態様を切り替えたが、変形例として、時短中における発射ハンドル107に対する操作強度が所定の閾値未満か否か(例えば右打ちに対応する強度未満か否か)に応じて右打ち報知演出の態様を切り替えてもよい。例えば、操作強度が所定の閾値未満である場合、実施例でのハンドルタッチ未検出時と同様に、第3右打ち報知演出を表示させてもよい。また、操作強度が所定の閾値以上である場合、実施例でのハンドルタッチ検出時と同様に、第2右打ち報知演出を表示させてもよい。
第2変形例を説明する。第1実施例のぱちんこ遊技機500では、時短継続回数を1回としたが、変形例として、第1実施例に記載の特徴1〜4は、時短継続回数が2回以上のぱちんこ遊技機に適用することもできる。また、時短継続回数が2回以上のぱちんこ遊技機に適用した場合も、右打ちすべき遊技状態でありながら右打ちを忘れてしまい遊技者が不利益を被ることを防止しやすくなる。また、遊技者が遊技球を無駄に発射してしまい不利益を被ることを防止しやすくなる。
第3変形例を説明する。第1実施例に記載の特徴1は、小当り発展大当り搭載機とは異なる種類の遊技機(例えば既存技術に記載したように第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する遊技機)にも適用できる。また、時短状態の通常遊技以外においても、発射ハンドル107の操作状態(例えばタッチ有無または操作強度)に応じて、右打ち報知演出の態様を切り替える構成は有用である。
例えば、ぱちんこ遊技機500の演出決定手段303は、特別遊技中および小当り遊技中において、発射ハンドル107の操作状態(例えばタッチ有無または操作強度)に応じて、右打ち報知演出の態様を切り替えてもよい。時短中と同様に特別遊技も小当り遊技も右打ちをすべき遊技状態である。そこで、演出決定手段303は、特別遊技中および小当り遊技中に、発射ハンドル107のタッチが未検出または操作強度が弱い場合に、第2右打ち報知演出または第3右打ち報知演出を表示させてもよい。その一方、特別遊技中および小当り遊技中に、発射ハンドル107のタッチが検出され、または操作強度が強い場合に、第1右打ち報知演出を表示させてもよい。
第3変形例に関連する第4変形例を説明する。既存技術で一部既述したように、ぱちんこ遊技機500は、大入賞口に特定領域が設けられ、図柄大当りを契機とした特別遊技中に大入賞口へ入球した遊技球が特定領域に入球または特定領域を通過した場合に、特別遊技終了後の通常遊技において確変状態などの特定遊技が実施される用に構成されてもよい。ここでは、特別遊技における複数ラウンドのうち特定領域への入球が可能な状態となるラウンドを特定ラウンドと呼ぶ。この場合、特別遊技中に、発射ハンドル107のタッチが検出され、または操作強度が強い場合に、第1右打ち報知演出を表示させてもよい。また、特定ラウンド以外のラウンド遊技中に発射ハンドル107のタッチが未検出または操作強度が弱い場合に、第2右打ち報知演出を表示させてもよい。さらにまた、特定ラウンド遊技中に発射ハンドル107のタッチが未検出または操作強度が弱い場合に、右打ちを最も強く促すように、第3右打ち報知演出を表示させてもよい。
第5変形例を説明する。第1実施例に記載の特徴2もまた、小当り発展大当り搭載機とは異なる種類の遊技機(例えば既存技術に記載したように第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する遊技機)にも適用できる。上記異なる種類の遊技機においても、特図2保留が上限に達した場合に、遊技者に遊技球の発射を控えさせ、無駄球となる遊技球を少なくして、遊技者が不利益を被ることを回避しやすくなる。
第6変形例を説明する。小当りパンク時の特図2保留の個数が相対的に多い場合と、相対的に少ない場合とで、小当り遊技方法報知演出の態様を変化させてもよい。例えば、演出決定手段303は、小当りパンク時の特図2保留の個数が相対的に多い場合(例えば3個以上の場合)、次の小当り時に第2大入賞口22を狙うべきことの強調度合いが相対的に低い第1小当り遊技方法報知演出を表示させてもよい。また、演出決定手段303は、小当りパンク時の特図2保留の個数が相対的に少ない場合(例えば3個未満の場合)、次の小当り時に第2大入賞口22を狙うべきことの強調度合いが相対的に高い第2小当り遊技方法報知演出を表示させてもよい。第2小当り遊技方法報知演出は、第1小当り遊技方法報知演出よりも、第2大入賞口22を狙うべきことを、派手な態様(色彩、発光等)、または、遊技者の関心を喚起しやすい態様で表示するものでもよい。
この態様によると、複数回小当りを獲得する可能性が相対的に高ければ、小当り時の遊技方法を控えめに報知することで、小当り遊技方法報知演出に対して遊技者が煩わしさを感じてしまうことを回避しやすくなる。また、複数回小当りを獲得する可能性が相対的に低ければ、小当り時の遊技方法を派手に報知することで、次の小当り時に遊技者が右打ちすることの確実性を高めることができる。
上記態様とは逆に、演出決定手段303は、小当りパンク時の特図2保留の個数が相対的に多い場合、次の小当り時に第2大入賞口22を狙うべきことの強調度合いが相対的に高い第2小当り遊技方法報知演出を表示させてもよい。また、演出決定手段303は、小当りパンク時の特図2保留の個数が相対的に少ない場合、次の小当り時に第2大入賞口22を狙うべきことの強調度合いが相対的に低い第1小当り遊技方法報知演出を表示させてもよい。この態様によると、新たな小当りを獲得する可能性が高い場合に小当り時の遊技方法を派手に報知することで、次の小当り時に遊技者が右打ちすることの確実性を高めることができる。その一方、新たな小当りを獲得する可能性が低い状況では小当り時の遊技方法を控えめに報知することで、新たな小当りを得られなかった場合に、小当り遊技方法報知演出に対して遊技者が煩わしさや違和感を抱いてしまうことを回避しやすくなる。
第7変形例を説明する。上記第1実施例のぱちんこ遊技機500は、2つの大入賞口(第1大入賞口21および第2大入賞口22)を備えたが、第1実施例に記載の打ち分け報知技術は、大入賞口を1つのみ備えるぱちんこ遊技機(例えば図1に示す盤面構成のぱちんこ遊技機)にも適用できる。この場合、単一の大入賞口は、小当り遊技と大当り遊技(図柄大当りおよび小当り発展に伴う特別遊技)の両方で開放され、また、実施例の第2大入賞口22と同様に内部に特定領域が設けられる。小当り遊技において特定領域に入球すると、特別遊技制御手段260は、小当り発展大当りとしての特別遊技を実行する。本変形例は後述の第2実施例にも適用可能である。
(第2実施例)
第2実施例のぱちんこ遊技機500の盤面構成および機能ブロックは、第1実施例のぱちんこ遊技機500と同様であり、図4、図9、図26、図29の構成が当てはまる。以下、第1実施例と同じ構成の説明は適宜省略し、第1実施例と異なる点を主に説明する。
第2実施例のぱちんこ遊技機500における時短継続回数は100回である点で第1実施例のぱちんこ遊技機500と異なる。第2実施例の特定遊技制御手段270は、図柄大当りの場合の大当り図柄が特定の図柄であり、または、小当り発展大当りの場合の小当り図柄が特定の図柄である場合、特別遊技終了後に時短状態(入球容易状態を含む)の通常遊技へ移行させる。その一方、特定遊技制御手段270は、大当り図柄または小当り図柄が特定の図柄でなければ、特別遊技終了後に通常状態の通常遊技へ移行させる。変形例として、大当り図柄または小当り図柄に応じて、複数種類の時短継続回数(例えば100回、14回、7回等)の中からいずれかが選択されてもよい。
また、第2実施例の保留制御手段240は、第2始動口12への入球に基づく抽選値を保留しない点で第1実施例のぱちんこ遊技機500と異なる。第2実施例のぱちんこ遊技機500では特図2保留が貯留されないため、時短中に第2特別図柄52の変動が終了する都度、新たに第2始動口12へ入球させて、第2特別図柄52の新たな変動を開始させる必要がある。
時短状態において、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、長短様々な変動時間を定めた複数種類の変動パターンの中からいずれかを抽選により選択する。複数種類の変動パターンは、例えば、相対的に変動時間が長い変動パターン(例えばリーチ演出やバトル演出に対応する変動パターンであり、1分程度の変動時間)と、相対的に変動時間が短い変動パターン(例えばリーチなし外れ演出に対応する変動パターンであり、3秒程度の変動時間)を含む。ただし既存技術に記載したように、時短状態において参照される変動パターンテーブルでは、相対的に変動時間が長い変動パターンより相対的に変動時間が短い変動パターンが高確率で選択されるように選択確率が定められてもよい。
第1実施例のぱちんこ遊技機500と同様に、第2実施例のぱちんこ遊技機500も、遊技機の仕様に即した効果的な打ち分け報知を実現する。主な特徴として以下の2つを備える。
特徴1)時短状態における変動パターンに基づいて、打ち分け報知の態様を変更する。既述したように時短状態では右打ち報知演出を表示させるが、特定の変動パターンによる図柄変動がなされる場合に右打ち報知演出の態様を切り替える。
特徴2)時短状態において当否判定結果が小当りとなった場合に、その図柄変動開始時に時短を終了させ、当該図柄変動期間では打ち分け報知の表示を抑制する。
上記特徴1について詳細に説明する。
演出決定手段303は、時短中の図柄変動において、変動終了までの時間が相対的に長い場合、右打ち報知演出を、遊技球の発射強度を強くすべきことの強調度合いが相対的に低い態様で表示させる。その一方、演出決定手段303は、時短中の図柄変動において、変動終了までの時間が相対的に短い場合、右打ち報知演出を、遊技球の発射強度を強くすべきことの強調度合いが相対的に高い態様で表示させる。
具体的には、演出決定手段303は、時短中にメイン基板200から受信した変動開始コマンドで指定された変動パターン(以下「時短変動パターン」とも呼ぶ。)が、変動時間が相対的に長いものである場合、右打ちの強調度合いが低い右打ち報知演出を表示させる。第2実施例では、図33(a)に示した第1右打ち報知演出を表示させる。その一方、演出決定手段303は、時短変動パターンが、変動時間が相対的に短いものである場合、右打ちの強調度合いが高い右打ち報知演出を表示させる。第2実施例では、図33(b)に示した第2右打ち報知演出を表示させる。
演出決定手段303は、時短変動パターンが定める変動時間の長短を判定するための1つ以上の閾値を保持し、その閾値と時短変動パターンとを比較することにより、時短変動パターンが相対的に長いかまたは短いかを判定してもよい。また、演出決定手段303は、複数種類の時短変動パターンのそれぞれが、長い変動時間であるかまたは短い変動時間であるかを示すデータを予め保持してもよく、また、各時短変動パターンと右打ち報知演出の態様との対応関係を保持してもよい。
この構成によると、図柄変動終了までの時間が長い場合に、特図2保留が上限に達した後に発射された遊技球が無駄玉となってしまい遊技者に不利益を与えてしまうことを回避しやすくなる。また、そもそも特図2保留が存在しない構成において、図柄変動終了までの時間が長い場合に、図柄変動中に発射された遊技球が無駄玉となってしまい遊技者に不利益を与えてしまうことを回避しやすくなる。
上記特徴2について詳細に説明する。
特定遊技制御手段270は、時短状態において当否判定結果(典型的には第2始動口12への入球に基づく当否判定結果)が小当りとなった場合、その当否判定結果に基づく図柄変動の開始時に時短状態を終了させて通常状態へ移行させる。図柄変動の開始時は、メイン表示制御手段250が第1特別図柄51または第2特別図柄52の変動表示を開始する時点と言え、また、第1特図制御手段251または第2特図制御手段252が小当りを示す変動開始コマンドを演出決定手段303へ送信する時点とも言える。
小当りとなる図柄変動の開始時に時短状態を終了させる理由を説明する。仮に図柄変動停止時に時短状態を終了させると、図柄変動の停止直前に普通図柄が当りとなって第2始動口12の普通電動役物90が長時間開放されることがあり得る。このとき小当り遊技時間が短いと、小当り遊技の終了後も普通電動役物90の開放が継続し、特図2保留が貯留される可能性がある。既述したように、特図2保留は小当りとなる可能性が比較的高く(約1/5)、小当り発展大当りとなって出玉増加に繋がりやすい。そのため、小当り後の特図2保留の貯留により、設計上想定していない出玉が発生してしまうこと、また、攻略の要素となってしまうことが想定される。このようなイレギュラーな出玉の発生(言い換えれば想定外の出玉率となること)と攻略防止を目的として、小当りが発生する図柄変動の開始時点で時短を終了させる。
演出決定手段303は、第1実施例と同様に原則として、通常状態では左打ち報知演出を表示させ、時短状態、特別遊技中、および小当り遊技中には右打ち報知演出を表示させる。第2実施例では例外として、演出決定手段303は、メイン基板200から小当りを示す変動開始コマンドを受信した場合、この時点ではぱちんこ遊技機500の内部状態は通常状態であるものの、左打ち報知演出を非表示とする。なお、小当りが発生するのはほぼ第2特別図柄52の変動であるため、第1実施例と同様に、通常状態における第2特別図柄52の変動時間は短く(例えば0.5秒等に)設定されることが望ましい。これにより、通常状態において打ち分け報知演出を非表示とする時間を短くし、遊技者に違和感を抱かせにくくなる。
当否判定結果が小当りとなったことを契機として時短が終了した場合に、小当りとなる図柄変動中に内部状態にあわせて左打ち報知を行うと、直後の小当り遊技において遊技者は右打ちできずに不利益を被る可能性がある。また、打ち分け報知にて指示する発射方向を短時間のうちに何度も切り替えると、遊技者の混乱を招きやすい。その一方で、内部状態が低確率(第1始動口11を狙うべき通常状態)であるにもかかわらず、右打ち報知を行うことは規則上許されない。そこで、小当りとなる図柄変動中は左打ち報知の表示を抑制し、打ち分け報知を非表示とすることで、規則に反することなく、遊技者に不利益および混乱が生じることを防止できる。
以上の構成による第2実施例のぱちんこ遊技機500の動作を説明する。
図36は、時短状態における演出処理の過程を示すフローチャートである。演出決定手段303(および演出表示制御手段305)は、メイン基板200から送信された変動開始コマンドを受信し(S920のY)、変動開始コマンドが含む変動パターンが所定の閾値以上の変動時間を定める場合(S922のY)、右打ちの強調度合いが低い第1右打ち報知演出(例えば図33(a))を表示させる(S924)。その一方、変動開始コマンドで指定された変動パターンが所定の閾値未満の変動時間を定めるものである場合(S922のN)、右打ちの強調度合いが高い第2右打ち報知演出を表示させる(S926)。
演出決定手段303は、当否判定結果、図柄判定結果、パターン判定結果に応じた態様で装飾図柄61の変動表示および予告画像532の表示を開始する(S928)。演出決定手段303は、メイン基板200から送信された変動停止コマンドを受信するまで変動演出および予告演出の表示を継続し(S930のN)、変動停止コマンドを受信すると(S930のY)、装飾図柄61の変動表示および予告画像532の表示を終了する(S932)。既述したように、第2実施例において時短は、図柄変動回数が所定の上限回数(例えば100回)に達した場合に終了し、または、当否判定結果が小当りとなった場合にその図柄変動開始時に終了する。変動開始コマンドを未受信であれば(S920のN)、S922〜S932の処理をスキップし、本図のフローを終了する。
図37は、通常状態における演出処理の過程を示すフローチャートである。演出決定手段303(および演出表示制御手段305)は、時短状態から継続して右打ち報知演出を表示中であれば(S940のY)、右打ち報知演出の表示を終了する(S942)。右打ち報知演出を既に表示していなければ(S940のN)、S942をスキップする。演出決定手段303は、メイン基板200から送信された変動開始コマンドを受信し(S944のY)、変動開始コマンドが含む当否判定結果が小当り以外であれば(S946のN)、左打ち報知演出を表示させる(S948)。当否判定結果が小当りである場合(S946のY)、S948をスキップし、すなわち打ち分け報知演出を非表示とする。
演出決定手段303は、当否判定結果、図柄判定結果、パターン判定結果に応じた態様で装飾図柄61の変動表示および予告画像532の表示を開始する(S950)。演出決定手段303は、メイン基板200から送信された変動停止コマンドを受信するまで変動演出および予告演出の表示を継続し(S952のN)、変動停止コマンドを受信すると(S952のY)、装飾図柄61の変動表示および予告画像532の表示を終了する(S954)。変動開始コマンドを未受信であれば(S944のN)、S946〜S954の処理をスキップし、本図のフローを終了する。
以上、本発明を第2実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
第1変形例を説明する。第2実施例に記載の特徴1は、小当り発展大当り搭載機とは異なる種類の遊技機(例えば既存技術に記載したように第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する遊技機)にも適用できる。また、第2実施例のぱちんこ遊技機500は第2特別図柄52の抽選値を保留しない構成であったが、変形例として、第2特別図柄52の抽選値を、所定個数を上限に保留する構成であってもよい。このような変形例においても、実施例と同様の効果を奏する。
第2変形例を説明する。第2実施例に記載の特徴1は、図柄変動時間(特別図柄および装飾図柄)の変動時間の長短に応じて右打ち報知演出の態様を切り替えた。変形例として、図柄変動時間の残り時間の長短に応じて右打ち報知演出の態様を切り替えてもよい。この場合、演出決定手段303は、1回の図柄変動の残り時間が予め定められた閾値(例えば10秒等)より長い間は、右打ちの強調度合いが相対的に低い第1右打ち報知演出を表示させてもよい。その一方、演出決定手段303は、1回の図柄変動の残り時間が上記閾値より短くなると、右打ちの強調度合いが相対的に高い第2右打ち報知演出を表示するよう切り替えてもよい。
第1実施例と第2実施例の両方に適用可能な第3変形例を説明する。第1実施例、第2実施例に記載のぱちんこ遊技機において、主制御装置としてのメイン基板200は、図15に示したように割込処理内において異常の検出を行っており、異常を検出した場合に異常に関する情報をサブ基板300へ通知することでエラー報知を実施している。
本第3変形例においては、特定のエラーが発生した場合において、第1実施例、第2実施例、およびその変形例に記載した遊技球の推奨発射位置に関する報知(例えば右打ち報知または左打ち報知)や、発射すべき情報を強調した注意喚起報知を遊技者に報知しない態様に変更するようにしてもよい。なお、本第3変形例における、報知しない態様とは、実際に演出(例えば右打ち報知演出または左打ち報知演出)を中止することや、実際に視覚や聴覚を通じて演出を知覚できない状態とすることを含んでいる。
本第3変形例において記載した「特定のエラー」とは、遊技の進行が禁止されるエラーであり、詳述はしないが、不正行為が疑われる異常を検出した場合に発生するエラーである。遊技の進行を禁止するために、メイン基板200は、(1)入賞およびV入球の無効化、(2)特別電動役物および普通電動役物のソレノイドをオフし、入球不能な状態への切り替え、(3)主遊技エラー表示等以外の装飾LEDの消灯を行わせるコマンドをサブ基板300へ送信する、といった制御を行う。なお、上記の(1)〜(3)の制御を行うにあたって、善意の遊技者(すなわち不正行為を行っていない遊技者)が不利益を被ることを防止するために、メイン基板はさらに、(4)発射装置の作動禁止、(5)変動時間や特別電動役物・普通電動役物などを含む各タイマ記憶領域の減算処理を行わない、といった処理も実行する。
本第3変形例における特定のエラーの解除は、ぱちんこ遊技機の電源を立ち上げなおすことによって解消される。本第3変形例のぱちんこ遊技機は、発射位置指定演出コマンド(例えば打ち分け報知演出の実行を指示するコマンド)を電源立ち上げ時の処理内においてメイン基板200からサブ基板300へと送信するようになっている。例えば大入賞口の開放中等、すでに発射位置指定演出コマンドを送信した後の遊技状態から再開された場合であっても、電源立ち上げ後すぐにサブ基板300側においてメイン基板から送信される発射位置指定演出コマンドに基づいて適切な発射位置へ遊技球を発射させることを促す演出を実行させることができる。
このように、本第3変形例においては、特定のエラーが発生した場合において、遊技の進行が禁止される状態(実質遊技不可状態)となることから、打ち分けに関する情報を表示する必要はなく、エラーに関する報知を強調して表示する制御を行うことを可能としている。なお、遊技の進行を禁止する特定のエラーに限定されず、遊技の進行を実施可能なその他エラーに対して、打ち分け報知よりも優先してエラー報知を実施させる制御としてもよい。
本第3変形例において、サブ基板300の演出決定手段303および演出表示制御手段305は、上記特定のエラーが発生した場合(例えばメイン基板200から上記特定のエラーの発生が通知された場合)、右打ち報知演出または左打ち報知演出の表示を抑制してもよく、非表示としてもよい。言い換えれば、遊技状態にしたがってそれまで表示させた右打ち報知演出または左打ち報知演出の表示を中断してもよい。そして、右打ち報知演出または左打ち報知演出に代えて、上記特定のエラーの発生を報知するエラー報知演出を演出表示装置60に表示させてもよい。または、演出決定手段303および演出表示制御手段305は、右打ち報知演出または左打ち報知演出の表示を継続しつつ、これらの演出画像よりも優先した態様で(例えばこれらの演出画像の上に重ねて、または、これらの演出画像よりも大きく)、エラー報知演出の画像を表示させてもよい。また、演出決定手段303および演出表示制御手段305は、電源立ち上げ処理時にメイン基板200から発射位置指定演出コマンドを受信した場合、その発射位置指定演出コマンドにしたがって、右打ち報知演出または左打ち報知演出の表示を開始(再開)してもよい。
本明細書または特許請求の範囲にいう「乱数」は、乱数生成回路で生成する物理乱数や数学的な意味での真正乱数でなくてもよく、16ビットカウンタを利用したハードウェア乱数や乱数生成アルゴリズムを利用したソフトウェア乱数などの疑似乱数でもよい。またはハードウェア乱数とソフトウェア乱数の組合せ、例えばカウンタが1周するたびに初期値を変更するプラス乱数方式でもよい。
本明細書または特許請求の範囲において「テーブル」や「基準(選択基準)」というときは、厳密に抽選値などの第1のパラメータと、選択肢を示す値などの第2のパラメータとの対応関係をテーブル構造で定めたデータを指すだけでなく、そのような対応関係として第1のパラメータから第2のパラメータを導出するプログラム構造で実現する場合も広く含むものとする。それらを含めて実質的に「テーブル」と同義の概念として適宜「基準(選択基準)」と称する。また、テーブル構造を用いる場合、実質的に1種類となる選択基準を構造的に細分化された複数のテーブルの組合せで構成してもよいが、「複数種の選択基準」というときはその細分化されたテーブルの数ではなくテーブルの実質的な種類の数を示す。
上記の実施例では、入球に基づく利益として遊技球(賞球)を払い出す形態のパチンコ機を例示したが、賞球払出に代わり、電子的な利益管理システムを利用して遊技球の発射・賞球付与管理を行ういわゆる封入式タイプのぱちんこ機にも応用できる。このような封入式タイプのぱちんこ機は、典型的には、所定個数の遊技球が遊技機内で循環しその循環する遊技球にて遊技を行い、賞球を払い出す代わりに遊技球の発射可能回数を増やすことで遊技者に利益を与える。例えば、遊技領域を転動した遊技球を受容し、遊技機外へ排出させずに再び遊技領域へ送出することで遊技機内で循環させる球循環手段と、遊技球の発射球数、受容球数、および払出賞球数に基づいて持ち玉を管理する球数管理手段と、管理された持ち玉の数を表示する持玉表示手段を備えてもよい。
上述した実施例および変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施の形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施例および変形例それぞれの効果をあわせもつ。また、請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、実施例および変形例において示された各構成要素の単体もしくはそれらの連携によって実現されることも当業者には理解されるところである。
第1実施例、第2実施例、変形例に記載の技術は以下のように表現できる。
[態様1]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられる第1始動口および第2始動口と、
前記第1始動口または第2始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記当否判定の結果に応じて開放され、遊技球の入球が遊技者への利益付与の契機となる大入賞口と、
前記当否判定の結果が当りとなった場合に、前記大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
当りが発生して所定の移行条件が満たされた場合、前記特別遊技の終了後に、前記第2始動口への入球容易性が通常状態より高い状態である入球容易状態へ移行させ、前記入球容易状態における図柄変動回数が所定の上限回数に達した場合に前記入球容易状態を終了させる特定遊技制御手段と、
演出的な内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
遊技球を前記遊技領域に発射させるための遊技者の操作を受け付ける発射ハンドルと、
を備え、
前記第2始動口と前記大入賞口の少なくとも1つは、相対的に強く発射された遊技球が入球容易な位置に設けられており、
前記演出決定手段は、遊技状態に応じて、遊技球の発射強度を相対的に弱くすべき遊技状態であることを報知する第1報知演出と、遊技球の発射強度を相対的に強くすべき遊技状態であることを報知する第2報知演出のいずれかを表示可能とし、
前記演出決定手段は、前記第2報知演出を表示すべき遊技状態における遊技球の発射強度に応じて、前記第2報知演出を、遊技球の発射強度を強くすべきことの強調度合いが異なる複数の態様のうちいずれかの態様で表示させることを特徴とする弾球遊技機。
態様1の構成によると、右打ちすべき遊技状態において遊技球の発射を怠っている遊技者に対して、遊技球を発射している場合とは異なる態様で右打ちを促すことができる。これにより、例えば入球容易状態において第2始動口へ遊技球が入球せずに遊技者が不利益を被ることを防止しやすくなり、また、特別遊技において大入賞口へ遊技球が入球せず遊技者が不利益を被ることを防止しやすくなる。
[態様2]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられる第1始動口および第2始動口と、
前記第1始動口または第2始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
所定個数を上限に前記抽選値をその当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記当否判定の結果に応じて開放され、遊技球の入球が遊技者への利益付与の契機となる大入賞口と、
前記当否判定の結果が当りとなった場合に、前記大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
当りが発生して所定の移行条件が満たされた場合、前記特別遊技の終了後に、前記第2始動口への入球容易性が通常状態より高い状態である入球容易状態へ移行させ、前記入球容易状態における図柄変動回数が所定の上限回数に達した場合に前記入球容易状態を終了させる特定遊技制御手段と、
演出的な内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
を備え、
前記第1始動口は、相対的に弱く発射された遊技球が入球容易な位置に設けられ、前記第2始動口は、相対的に強く発射された遊技球が入球容易な位置に設けられており、
前記演出決定手段は、遊技状態に応じて、遊技球の発射強度を相対的に弱くすべき遊技状態であることを報知する第1報知演出と、遊技球の発射強度を相対的に強くすべき遊技状態であることを報知する第2報知演出のいずれかを表示可能とし、
前記演出決定手段は、前記入球容易状態における前記上限回数に達する図柄変動中に、前記第2始動口への入球を契機とした抽選値の保留個数に応じて、前記第2報知演出を、遊技球の発射強度を強くすべきことの強調度合いが異なる複数の態様のうちいずれかの態様で表示させることを特徴とする弾球遊技機。
入球容易状態の最終変動で、特図2保留が所定個数(例えば上限個数)に達すると、以降特図2を狙って発射した遊技球は無駄球となってしまう。態様2の構成によると、演出態様の変更により遊技者に遊技球の発射を控えさせ、無駄球となる遊技球を少なくして、遊技者が不利益を被ることを回避しやすくなる。
[態様3]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられる第1始動口および第2始動口と、
前記第1始動口または第2始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
所定個数を上限に前記抽選値をその当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記当否判定の結果に応じて開放され、遊技球の入球が遊技者への利益付与の契機となる大入賞口と、
前記当否判定の結果が小当りであることを示す図柄が停止表示された場合、前記大入賞口の開放を伴う小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りであることを示す図柄が停止表示された場合、または、前記小当り遊技中に前記大入賞口内に入球した遊技球がさらにその内部に設けられた特定領域を通過した場合、前記大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
大当りまたは小当りが発生して所定の移行条件が満たされた場合、前記特別遊技の終了後に、前記第2始動口への入球容易性が通常状態より高い状態である入球容易状態へ移行させる特定遊技制御手段と、
演出的な内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出的な内容を決定する演出決定手段と、
を備え、
前記第2始動口への入球に基づく当否判定の結果が小当りとなる確率は、前記第1始動口への入球に基づく当否判定の結果が小当りとなる確率より高く設定されており、
前記入球容易状態が終了した状況下、前記演出決定手段は、遊技球が前記特定領域を通過することなく前記小当り遊技が終了した場合、前記第2始動口への入球を契機とした抽選値の保留が存在することを条件として、小当り遊技における遊技方法を報知する演出を表示させることを特徴とする弾球遊技機。
態様3の構成によると、小当り確率が比較的高い状況において、次の小当りでV入賞を獲得できるように遊技者を支援することができる。また、特図2保留がなく、次の小当りの発生までに時間を要すると想定される状況では小当り時の遊技方法の報知演出を抑制することで、現時点では意味が薄い報知演出の表示を回避し、また、当面意味を持たない報知演出により却って遊技者に違和感を抱かせてしまうことを回避できる。
[態様4]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられる第1始動口および第2始動口と、
前記第1始動口または第2始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記当否判定の結果に応じて開放され、遊技球の入球が遊技者への利益付与の契機となる大入賞口と、
前記当否判定の結果が当りとなった場合に、前記大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
当りが発生して所定の移行条件が満たされた場合、前記特別遊技の終了後に、前記第2始動口への入球容易性が通常状態より高い状態である入球容易状態へ移行させ、前記入球容易状態における図柄変動回数が所定の上限回数に達した場合に前記入球容易状態を終了させる特定遊技制御手段と、
演出的な内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
を備え、
前記第1始動口は、相対的に弱く発射された遊技球が入球可能または入球容易な位置に設けられ、前記第2始動口は、相対的に強く発射された遊技球が入球可能または入球容易な位置に設けられており、
前記演出決定手段は、遊技状態に応じて、遊技球の発射強度を相対的に弱くすべき遊技状態であることを報知する第1報知演出と、遊技球の発射強度を相対的に強くすべき遊技状態であることを報知する第2報知演出のいずれかを表示可能とし、
前記演出決定手段は、前記入球容易状態の図柄変動において、変動終了までの時間が相対的に長い場合、前記第2報知演出を、遊技球の発射強度を強くすべきことの強調度合いが相対的に低い態様で表示させ、変動終了までの時間が相対的に短い場合、前記第2報知演出を、遊技球の発射強度を強くすべきことの強調度合いが相対的に高い態様で表示させることを特徴とする弾球遊技機。
態様4の構成によると、図柄変動終了までの時間が長い場合に、特図2の保留個数が上限に達した後に発射された遊技球が無駄玉となってしまい遊技者に不利益を与えてしまうことを回避しやすくなる。また、そもそも特図2が保留されない構成において、図柄変動終了までの時間が長い場合に、図柄変動中に発射された遊技球が無駄玉となってしまい遊技者に不利益を与えてしまうことを回避しやすくなる。
[態様5]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられる第1始動口および第2始動口と、
前記第1始動口または第2始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
所定個数を上限に前記抽選値をその当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記当否判定の結果に応じて開放され、遊技球の入球が遊技者への利益付与の契機となる大入賞口と、
前記当否判定の結果が小当りであることを示す図柄が停止表示された場合、前記大入賞口の開放を伴う小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りであることを示す図柄が停止表示された場合、または、前記小当り遊技中に前記大入賞口内に入球した遊技球がさらにその内部に設けられた特定領域を通過した場合、前記大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
大当りまたは小当りが発生して所定の移行条件が満たされた場合、前記特別遊技の終了後に、前記第2始動口への入球容易性が通常状態より高い状態である入球容易状態へ移行させ、前記入球容易状態における図柄変動回数が所定の上限回数に達した場合に前記入球容易状態を終了させる特定遊技制御手段と、
演出的な内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出的な内容を決定する演出決定手段と、
を備え、
前記第2始動口への入球に基づく当否判定の結果が小当りとなる確率は、前記第1始動口への入球に基づく当否判定の結果が小当りとなる確率より高く設定されており、
前記第1始動口は、相対的に弱く発射された遊技球が入球可能または入球容易な位置に設けられ、前記第2始動口および前記大入賞口は、相対的に強く発射された遊技球が入球可能または入球容易な位置に設けられており、
前記演出決定手段は、遊技球の発射強度を相対的に弱くすべき状態であることを報知する第1報知演出を前記通常状態において表示させ、遊技球の発射強度を相対的に強くすべき状態であることを報知する第2報知演出を前記入球容易状態において表示させ、
前記演出決定手段は、前記入球容易状態の終了後の通常状態であるが、前記第2始動口への入球に対応する図柄変動の表示中は、前記第1報知演出の表示を抑制することを特徴とする弾球遊技機。
特図2保留は小当り発生確率が比較的高いところ、時短終了直後の特図2保留の変動で内部状態にあわせて左打ち報知を行うと、比較的高確率で発生しうる小当り遊技において遊技者は右打ちできずに不利益を被る可能性がある。また、短時間のうちに、右打ち報知→左打ち報知→右打ち報知と切り替わると遊技者の混乱を招く可能性がある。そこで、入球容易状態終了後の通常状態において特図2保留の変動中は、左打ち報知の表示を抑制することで、遊技者に不利益および混乱が生じることを防止できる。
[態様6]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられる第1始動口および第2始動口と、
前記第1始動口または第2始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
所定個数を上限に前記抽選値をその当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記当否判定の結果に応じて開放され、遊技球の入球が遊技者への利益付与の契機となる大入賞口と、
前記当否判定の結果が小当りであることを示す図柄が停止表示された場合、前記大入賞口の開放を伴う小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りであることを示す図柄が停止表示された場合、または、前記小当り遊技中に前記大入賞口内に入球した遊技球がさらにその内部に設けられた特定領域を通過した場合、前記大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
大当りまたは小当りが発生して所定の移行条件が満たされた場合、前記特別遊技の終了後に、前記第2始動口への入球容易性が通常状態より高い状態である入球容易状態へ移行させ、前記入球容易状態における図柄変動回数が所定の上限回数に達した場合に前記入球容易状態を終了させる特定遊技制御手段と、
演出的な内容が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出的な内容を決定する演出決定手段と、
を備え、
前記第2始動口への入球に基づく当否判定の結果が小当りとなる確率は、前記第1始動口への入球に基づく当否判定の結果が小当りとなる確率より高く設定されており、
前記第1始動口は、相対的に弱く発射された遊技球が入球可能または入球容易な位置に設けられ、前記第2始動口および前記大入賞口は、相対的に強く発射された遊技球が入球可能または入球容易な位置に設けられており、
前記演出決定手段は、遊技球の発射強度を相対的に弱くすべき状態であることを報知する第1報知演出を前記通常状態において表示させ、遊技球の発射強度を相対的に強くすべき状態であることを報知する第2報知演出を前記入球容易状態において表示させ、
前記時短状態において当否判定の結果が小当りとなった場合に、前記特定遊技制御手段は、その当否判定結果に基づく図柄変動の開始時に前記時短状態を終了させ、前記演出決定手段は、当該図柄変動の表示中は、前記第1報知演出の表示を抑制することを特徴とする弾球遊技機。
時短終了直後の小当りとなる図柄変動において内部状態にあわせて左打ち報知を行うと、小当り遊技において遊技者は右打ちできずに不利益を被る可能性がある。また、短時間のうちに、右打ち報知→左打ち報知→右打ち報知と切り替わると遊技者の混乱を招く可能性がある。そこで、時短終了直後の小当りとなる図柄変動では左打ち報知の表示を抑制することで、遊技者に不利益および混乱が生じることを防止できる。