JP2018099426A - 弾球遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技性のさらなる向上を図ることのできる遊技機を提供する。【解決手段】弾球遊技機は、表示させる映像を変更するための映像設定操作および音量を変更するための音量設定操作のためのメニュー画面の表示が可能な演出表示装置を備える。映像設定操作では、複数の映像のいずれかを選択する選択操作をし、かつ、選択した映像に決定する決定操作をした場合に映像設定が変更され、音量設定操作では、複数の音量のいずれかを選択する選択操作をした場合に音量設定が変更される。メニュー画面の表示中に選択中の映像を変更する選択操作をした後に図柄の変動表示が開始されてメニュー画面が非表示となる場合、映像を変更する選択操作によらず映像設定が維持される。メニュー画面の表示中に選択中の音量を変更する選択操作をした後に図柄の変動表示が開始されてメニュー画面が非表示となる場合、音量を変更する選択操作に応じた音量設定に変更されている。【選択図】図29

Description

遊技球が発射される遊技領域を備えた弾球遊技機に関する。
従来、各種の弾球遊技機のうち、いわゆる第1種ぱちんこ遊技機と呼ばれていた遊技機は、遊技盤の略中央に設けられた液晶ディスプレイなどの表示領域に複数の図柄を変動させながら表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。この遊技機は、複数列の図柄変動を停止させたときの図柄の組合せが特定の態様となった場合に、通常遊技より多くの賞球が得られる、いわゆる大当りと呼ばれる特別遊技へと移行するものとして知られている。表示領域における図柄の変動表示は、単に複数の図柄が変動表示されるだけでなく、いわゆるリーチ画面と呼ばれる状態のように、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態で変動表示の時間を通常よりも長くする等、遊技者の期待感を高めるための演出が図られている。また、図柄等の画像にキャラクタを用いて変動表示にストーリーを持たせる演出や、特別遊技への移行期待度の高さを予告的に示唆する予告演出によっても遊技者の期待感を高めている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−230714号公報
上述のような構成を採用する遊技機は、従来機種として既に多数存在しているため、従来機種との差別化を図るために、遊技性のさらなる向上が求められている。
本願発明は上記課題に鑑みたもので、遊技性のさらなる向上を図ることのできる遊技機を提供することを目的とする
本発明のある態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域の所定位置に設けられる始動口と、始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、演出が表示される演出表示装置と、音声が出力される音声出力装置と、を備える。演出表示装置は、図柄の停止表示中、演出表示装置に表示させる映像を変更するための映像設定操作および音声出力装置の音量を変更するための音量設定操作のためのメニュー画面の表示が可能であり、メニュー画面は、選択中の映像がいずれであるかの表示が可能であり、選択中の音量がいずれであるかの表示が可能であり、メニュー画面の表示中に図柄の変動表示が開始される場合に非表示となり、映像設定操作では、複数の映像のいずれかを選択する選択操作をし、かつ、選択した映像に決定する決定操作をした場合に映像設定が変更され、音量設定操作では、複数の音量のいずれかを選択する選択操作をした場合に音量設定が変更され、メニュー画面の表示中に選択中の映像を変更する選択操作をした後に図柄の変動表示が開始されてメニュー画面が非表示となる場合、映像を変更する選択操作によらず映像設定が維持され、メニュー画面の表示中に選択中の音量を変更する選択操作をした後に図柄の変動表示が開始されてメニュー画面が非表示となる場合、音量を変更する選択操作に応じた音量設定に変更されている。
なお、以上の構成要素の任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体、データ構造などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明の弾球遊技機によれば、遊技性のさらなる向上を図ることができる。
ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す図である。 ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す図である。 ぱちんこ遊技機の機能ブロックを示す図である。 メイン基板の機能構成を示すブロック図である。 当否判定テーブルを模式的に示す図である。 図柄判定テーブルを模式的に示す図である。 変動パターンテーブルを模式的に示す図である。 事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。 サブ基板の構成を示すブロック図である。 携帯連携システムの概略を模式的に示す図である。 メイン基板およびサブ基板のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。 演出制御装置のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。 ぱちんこ遊技機におけるメイン基板の制御開始処理を示すフローチャートである。 図13におけるS120のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。 割込処理の詳細を示すフローチャートである。 ぱちんこ遊技機におけるサブ基板の制御開始処理を示すフローチャートである。 図16におけるS518のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。 メイン基板からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。 演出表示制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。 サブCPUが制御CPUからコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。 各種デバイス制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。 特別図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。 装飾図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。 特別遊技の過程を示すフローチャートである。 小当り遊技の過程を示すフローチャートである。 第1演出モードにおける演出表示例を示す図である。 第1演出モードにおける別の演出表示例を示す図である。 第2演出モードにおける演出表示例を示す図である。 メニュー画面の表示例を示す図である。 モード選択画面の表示例を示す図である。 映像選択画面の表示例を示す図である。 音量調整画面の表示例を示す図である。 光量調整画面の表示例を示す図である。 図柄停止後の画面遷移の流れを模式的に示す図である。 変形例におけるぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す図である。 変形例に係る第1演出モードの演出表示例を示す図である。 変形例に係る第2演出モードの演出表示例を示す図である。 変形例に係る第3演出モードにおける演出の流れを模式的に示す図である。 変形例に係る第1演出モードにおける演出の流れを模式的に示す図である。
(前提技術)
本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技とが、同時に実行されないよう第2の遊技が優先的に実行される。またこれらの遊技性を両立させるために、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプを備える。第1の遊技における大当りの出玉より、第2の遊技における大当りの出玉の方がおおむね多くなるように設計される。例えば、第2の遊技の方が確変を伴う大当りとなる確率が高く、また、第2の遊技の方が大当りした際の特別遊技を構成する単位遊技数が多い(大入賞口の開放時間が長い長開放単位遊技と開放時間が短い短開放単位遊技とが一つの特別遊技中に混在し、同一単位遊技数であっても第2の遊技の方が第1の遊技よりも長開放単位遊技の数が多い場合を含む)など、第2の遊技の方が第1の遊技より相対的に利益が高くなる設計がされている。その上で、最初は第1の遊技にて初当りを狙い、第1の遊技における大当りで時短が付与された後は第2の遊技を繰り返し狙って多くの出玉を得る、という遊技性を実現する。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機100は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機100の遊技機枠は、外枠101、前枠102、透明板103、扉104、上球皿105、下球皿106、発射ハンドル107、スピーカー108、演出ボタン109、十字キー110、装飾ランプ111を含む。外枠101は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機100を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠102は、外枠101の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠101へ開閉可能に取り付けられる。前枠102は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板103は、ガラスなどにより形成され、扉104により支持される。扉104は、図示しないヒンジ機構により前枠102へ開閉可能に取り付けられる。上球皿105は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿106への遊技球の抜き取り等をする機構を有する。下球皿106は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。扉104の上部には左右にスピーカー108が設けられており、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた効果音や楽曲の音声を出力する。扉104の外観を構成する樹脂部材の大部分が半透明であり、その透過する内部に装飾ランプ111が設けられる。装飾ランプ111は、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた様々な色で発光するLEDであり、点滅等することで演出の役割を果たす。
遊技盤80は、レール82により区画された遊技領域81上に、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口33、アウト口34、演出表示装置60、センター飾り64を含む。センター飾り64は、遊技領域81の略中央部とその上部および右部にわたって演出表示装置60の画面枠を形成するように設けられる装飾的な樹脂部材であり、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。センター飾り64の下部には流入した遊技球が転動するステージ65が形成され、その転動の仕方によってステージ65からの落下方向は第1始動口11へ入球する方向と第1始動口11に入球しない側方の方向とに振り分けられる。センター飾り64の上部には、演出内容に沿って駆動されて演出的な動作をする可動役物66が設けられる。遊技領域81には、遊技球の流路を形成するための図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。なお、本明細書において「入球」「入賞」「落入」は相互に同義としてもよい。また、各入賞口や各入球口は、遊技球が通過するタイプの「通過口」(「ゲート」や「スルーチャッカー」等とも呼ぶ)で構成される場合があってもよく、「入球」「入賞」「落入」と「通過」もまた相互に同義としてもよい。
第1始動口11は第1の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第2始動口12は第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられる。第1始動口11と第2始動口12は、遊技者の意思にしたがった遊技球の発射強弱によって一方への入球を狙うことが可能となるように構成される。第1始動口11は、遊技領域81における略中央下部に設けられ、第2始動口12は、第1始動口11の直下に設けられる。左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って相対的に弱めに打球した場合は第1始動口11および第2始動口12に入球可能ないし入球容易である一方、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って相対的に強めに打球した場合は第2始動口12には入球可能ないし入球容易であるが第1始動口11には入球不能ないし入球困難となるように遊技釘の配置による流路が形成される。ただし、通常時には第2始動口12の開口部上方が第1始動口11に覆われて遊技球の流入が妨げられることから、第2始動口12の拡開機構が開放されない限り第2始動口12には入球不能ないし入球困難である。当否抽選は、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する抽選であり、第1始動口11または第2始動口12へ入球があるたびに実行される。
なお、第1始動口11および第2始動口12は、遊技球の発射強弱によっていずれかを目標にした打ち分けが可能な程度に互いに離れた位置に設けられてもよい。第1始動口11と第2始動口12は、それぞれ遊技領域81の左側と右側に離して設置され、一方を狙った遊技球が他方へ入球しがたい構成としてもよい。たとえば、第1始動口11は、左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って比較的弱めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。第2始動口12は、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って比較的強めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。
第1始動口11は、第1始動入賞検出装置16を備える。第1始動入賞検出装置16は、第1始動口11への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成する。第2始動口12は、第2始動入賞検出装置17と、拡開機構である普通電動役物90(いわゆる電動チューリップ)と、普通電動役物90を開閉させるための普通電動役物ソレノイド91を備える。第2始動入賞検出装置17は、第2始動口12への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。
第1作動口31は、遊技領域81の左側方位置に設けられ、第1通過検出装置36を含む。第1通過検出装置36は、第1作動口31への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。第2作動口32は、遊技領域81の右側方位置に設けられ、第2通過検出装置37を含む。第2通過検出装置37は、第2作動口32への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。第1作動口31または第2作動口32への遊技球の通過は普通電動役物90を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過すると、開放抽選の判定結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示部45に変動表示される。したがって、開放抽選は「普通図柄抽選」とも呼ぶ。変動開始から所定時間の経過後に、普通図柄の変動表示が停止する。普通図柄が当りの図柄で停止すると、普通電動役物ソレノイド91の駆動力により普通電動役物90が拡開され、第2始動口12への入球可能性が高まる。なお、変形例として作動口の個数を1個とし、遊技領域81の左側方位置に設ける構成としてもよい。
3つの一般入賞口33は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置38をそれぞれ備える。一般入賞検出装置38は、一般入賞口33への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
大入賞口20は、遊技球の入球を検出するための大入賞検出装置25と、大入賞口20を開閉させるための大入賞口ソレノイド92を備える。大入賞検出装置25は、大入賞口20への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。大入賞口20は、第1特別図柄51または第2特別図柄52が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口20はアウト口34の右上方の位置に設けられる。なお、変形例として大入賞口を遊技領域81の中央下部や大入賞口20の上方または下方にさらにもう一つ設け、複数の大入賞口が設けられる構成としてもよい。
遊技盤80における遊技領域81の外側下方に、図柄等表示ユニット120が配置される。図柄等表示ユニット120には、第1特別図柄表示部41、第2特別図柄表示部42、第1特図保留表示部71、第2特図保留表示部72、普通図柄表示部45、普図保留表示部75、遊技状態表示部76、異常報知部77等の各表示部が設けられる。具体的には、第1の遊技に対応する第1特別図柄表示部41と第2の遊技に対応する第2特別図柄表示部42とが左側下位置に左右に並設され、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動が表示される。
第1特別図柄51は、第1始動口11への遊技球の入球を契機とする第1当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第2特別図柄52は、第2始動口12への遊技球の入球を契機とする第2当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42は、例えば「8の字」を形成する7個のセグメントおよび「ドット」を表す1個のセグメントの8個のセグメントからなる8セグメントLEDの表示装置である。8セグメントLEDでは、8個のセグメントを組み合わせることにより8ビット分の数値を表現できる。セグメントの組合せで表される第1特別図柄51および第2特別図柄52は、必ずしも文字や数字の体をなしておらず、各セグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号であってよい。これらの記号が高速で次々に入れ替わって第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42へ表示され、または、所定の表示(例えば「−」)と非表示(例えば全消灯)とが所定時間繰り返された後に判定結果に対応した図柄が表示されることにより、第1特別図柄51および第2特別図柄52の図柄変動表示が実現される。なお、第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42を8セグメントLEDではないLEDドットアレーを用いて、その点灯パターンや点灯色の組合せで複数種類の第1特別図柄51および第2特別図柄52を表現してもよい。
また、第1特別図柄51および第2特別図柄52は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では遊技領域81の左下方の第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42にて目立たない大きさで表示させる。ただし、特別図柄自体に演出的な役割をもたせることで装飾図柄を用いずに表現する手法を採用する場合には、特別図柄を8セグメントLEDではなく、例えば液晶ディスプレイ等の他の表示装置に表示させる構成としてもよい。
第1特別図柄表示部41の上方には第1の遊技に対応する特別図柄変動の保留ランプとして第1特図保留表示部71が設けられ、第2特別図柄表示部42の上方には第2の遊技に対応する特別図柄変動の保留ランプとして第2特図保留表示部72が設けられる。第1特図保留表示部71は2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第1の遊技における当否抽選値の保留されている数(以下、当否抽選値の保留されている数を単に「保留数」ともいう)を表示する。第1特図保留表示部71における保留数は、第1特別図柄51の変動中または特別遊技の実行中に第1始動口11へ入賞したことに基づいて抽選値を取得した回数(個数)であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。第2特図保留表示部72も2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第2の遊技における保留数を表示する。第2特図保留表示部72における保留数は、第2特別図柄52の変動中または特別遊技の実行中に第2始動口12へ入賞したことに基づいて抽選値を取得した回数(個数)であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。当否抽選値の保留数は、演出表示装置60の画面下部にも保留ランプ画像の点灯個数で表す形で表示される。
図柄等表示ユニット120における右側には、普通図柄表示部45が設けられる。普通図柄表示部45は、便宜上、二つのランプで構成されるとともに、それらの点灯組合せによって普通図柄の表示状態が表現される。まず、第1のランプと第2のランプを同時に点滅表示させることにより普通図柄の変動が表現され、最終的には第1のランプと第2のランプの点灯状態の組合せで普通図柄の停止図柄が表現される。例えば、第1のランプの点灯と第2のランプの消灯で外れの停止図柄が表現され、第1のランプの消灯と第2のランプの点灯で第1の当り態様が表現され、第1のランプと第2のランプの両方の点灯で第2の当り態様が表現される。
また、普通図柄表示部45の右側には普通図柄変動の保留ランプとして普図保留表示部75が設けられる。普図保留表示部75もまた2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に第1作動口31または第2作動口32を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。
なお、図柄等表示ユニット120には遊技状態表示部76、異常報知部77が設けられている。遊技状態表示部76は、後述する特定遊技状態等の遊技状態に対応した表示をする表示部であり、例えば1つのランプと1つの7セグメントLEDで構成される。例えば、確率変動中の場合にランプを点灯表示、入球容易状態中の場合に点滅表示、通常状態の場合に消灯表示することにより各遊技状態を報知し、特別遊技の実行中は7セグメントLEDによりその特別遊技で実行する単位遊技数(ラウンド数)を表示する。異常報知部77は、遊技機の一部の異常を報知する表示部であり、例えば複数のランプで構成され、異常の種類に応じた点灯パターンにより異常を報知する。なお、これらの表示部を図柄等表示ユニット120に集約配置せず、各表示部を個別に構成してもよいし、または、適宜まとめた複数の表示装置に分けて構成してもよい。また、特定遊技状態等の遊技状態の報知は、例えば電源断から復帰した後の一定時間といった所定期間に限りなされるよう構成してもよい。
遊技領域81の略中央にはセンター飾り64により形成される画面枠から画面が露出するように演出表示装置60が設けられ、第1特別図柄51または第2特別図柄52に連動する装飾図柄61を含む演出画像の変動を表示する。以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という。
演出表示装置60は、第1特別図柄51または第2特別図柄52の変動表示と連動する形で装飾図柄61を変動表示する液晶ディスプレイで構成される表示装置である。装飾図柄61は、第1特別図柄51および第2特別図柄52で示される抽選の判定結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄61として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄を変動させる動画像を画面の中央領域に表示する。本実施例においては、「0」〜「9」の数字で構成される図柄を3列に表示して変動させ、最終的に停止表示される3個の図柄組合せによって当りまたは外れを示す。装飾図柄61を構成する複数図柄のそれぞれは、色彩や模様の装飾が施された数字、文字、または記号で構成されるが、これら数字、文字、記号に対して全図柄に共通する絵柄または図柄ごとに異なる絵柄を加えて一体化させる形で構成されてもよい。この絵柄は、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連するモチーフが描かれた絵柄であり、例えば人物や動物のキャラクタが描かれた絵柄であってもよい。装飾図柄61は、絵柄が一体的に含まれる図柄が変動表示される場合と、絵柄が分離して数字、文字、記号の部分のみが変動表示される場合とが、演出の展開に沿って切り替えられる構成であってもよい。装飾図柄61の変動表示の背景には、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連する演出的効果を有する動画像が図柄変動と連動して表示される。
演出表示装置60は、高精細なドットマトリクス型表示装置である液晶ディスプレイで構成されるが、その表示領域の横幅は遊技領域の横幅の半分程度であってもよいし、半分を超える大型サイズであってもよい。大型サイズの場合、演出表示装置の右側の遊技球通路は遊技球1個が通過できる程度の通路幅にて形成され、遊技者はいわゆる「右打ち」として最大強度で打ち出せばほぼ確実に右側通路へ遊技球を通過させることができ、いわゆる「左打ち」との打ち分けができる。演出表示装置60は、単一の表示装置で構成される場合だけでなく、複数の表示装置の組合せで構成されてもよい。複数の場合、メイン液晶とサブ液晶の組合せといった大小異なる大きさのディスプレイを組み合わせてもよく、サブ液晶はメイン液晶に隣接する位置に配置されてもよいし、遊技盤以外の位置、例えば発射ハンドルの近傍(上球皿、右側装飾ランプなど)に設置されてもよい。発射ハンドルの近傍に設置される場合、遊技者が操作入力可能なタッチパネルの形で構成されてもよい。演出表示装置60は、液晶ディスプレイに限らず、有機ELディスプレイなどの表示装置で構成されてもよいし、ドラム回転式などの機械的表示手段やLEDマトリクス式などの表示手段で構成されてもよい。
演出ボタン109は、遊技者が演出内容に応じて遊技機へ所定の指示を入力するために押下する操作入力手段であり、その押下態様に応じて演出内容等に変化が加えられる。演出ボタン109は、上球皿105近傍の外壁面に設けられる。十字キー110は、遊技者が遊技機へ方向指示を入力する操作入力手段であり、上球皿105の左方の外壁面に設けられる。
以上のような構成の遊技機においてなされる遊技の方法および制御の流れを概説する。遊技者が発射ハンドル107を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿105に貯留された遊技球が1球ずつレール82に案内されて遊技領域81へ発射される。遊技者が発射ハンドル107の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域81の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車、センター飾り64等に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口33、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿105または下球皿106に払い出される。一般入賞口33等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口34に落入した遊技球はアウト球として処理される。
また、第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過すると、普通図柄表示部45において普通図柄が変動表示され、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止表示される。普通図柄が第1の当り態様または第2の当り態様で停止表示された場合、停止表示された図柄の当り態様と停止表示された際の遊技状態に基づいて普通電動役物90を拡開する。すなわち、図柄停止時の遊技状態が通常遊技状態で、普通図柄が第1の当り態様で停止表示した場合には、普通電動役物90の開放として0.1秒間の短開放が実行される。また、特定遊技状態(例えば入球容易状態)時に普通図柄が第1の当り態様で停止表示した場合、通常時および特定遊技状態(例えば入球容易状態)時に普通図柄が第2の当り態様で停止表示した場合には、普通電動役物90の開放として6秒間の長開放が実行される。ここで、普通図柄の当選確率と長開放の実行確率は、遊技状態によって異なるように設定される。具体的には、通常状態における開放抽選では、1/100の確率で普通図柄が当りとなり、その場合の短開放の実行確率(第1の当り態様の当り図柄が選択される確率)は1/3、長開放の実行確率(第2の当り態様の当り図柄を選択する確率)は2/3に設定される。また、特定遊技状態(例えば入球容易状態)における開放抽選では、99/100の確率で普通図柄が当りとなり、第1の当り態様と第2の当り態様の選択確率は通常遊技状態と変わらないものの、いずれの態様で当選しても長開放が実行されるように設定される。このように入球容易状態では普通図柄の当り確率の変動機能(1/100から99/100に確率変動)と開放時間の延長機能(第1の当り態様で停止表示した場合の開放時間を0.1秒から6.0秒に延長)により、第2始動口12への入球容易性を高めている。なお、普通電動役物90の作動期間を延長させる機能(長開放)を「開放延長」と呼ぶこともある。
なお、上述のように通常状態では長開放となる確率の方が短開放の確率より高い仕様とすることで、普通図柄の当選時には通常状態でも一定の割合で長開放が実行されるようにする。変形例として、通常状態では逆に短開放となる確率の方が長開放の確率より高い仕様としてもよいし、両者の確率を同じにする仕様としてもよいし、必ず短開放となる仕様としてもよい。また、入球容易状態のときには、さらに普通図柄の変動時間の短縮機能を加えた3つの機能を用いて第2始動口12への入球容易性を高める構成としてもよい。その場合の普通図柄の変動時間は、例えば通常状態では10秒間であり、入球容易状態では2秒間である。なお、通常状態における開放抽選の当り確率をゼロ(0/100)に設定し、入球容易状態において開放抽選がなされた場合に限り普通電動役物90が拡開されうる仕様としてもよい。さらに、普通電動役物90が拡開するときはその旨を事前に報知してもよく、普通図柄変動の保留を先読みして普通図柄の変動開始前に報知してもよいし、普通図柄の変動中に報知してもよい。
第2始動口12の普通電動役物90を長開放させるときの開放態様の変形例としては、短開放時より長い2秒開放を3回繰り返すことにより総開放時間を6秒程度にまで長くする態様としてもよい。また、開放時間と開放回数の組合せを複数通り用意し、いずれかを選択する構成としてもよい。例えば2秒開放を3回の場合、6秒開放を1回の場合と比較して総開放時間は同じであるが、インターバル期間も含めると前者は後者より長い。そのため、特に第2始動口12を右打ちの方向に配置する変形例の構成では、開放に気がついた遊技者がその時点から打球方向を第2始動口12に合わせたとして前者の方が入球チャンスが長いともいえる。また、普通図柄の当り種類が複数存在するように構成し、その当り種類に応じて拡開機構の開放態様が異なるようにしてもよい。例えば、普通図柄が第1の当りとなった場合、通常状態では0.1秒開放を1回、入球容易状態では1秒開放を3回とし、第2の当りとなった場合、通常状態では6秒開放を1回、入球容易状態では2秒開放を2回としてもよい。
一方、第1始動口11または第2始動口12に入球すると、第1特別図柄表示部41、第2特別図柄表示部42および演出表示装置60において第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が変動表示される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動表示は、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止される。第1特別図柄51および第2特別図柄52は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動パターンにしたがって変動表示される。装飾図柄61は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動演出パターンにしたがって変動表示される。変動パターンおよび変動演出パターンはそれぞれ複数種ずつ用意され、それぞれが長短様々な変動時間をもつ。変動パターンにしたがって第1特別図柄51および第2特別図柄52が変動表示される間、同じ変動時間をもつ変動演出パターンにしたがって装飾図柄61が変動表示される。変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動が停止される。以下、変動演出パターンにしたがって表示される装飾図柄61の変動表示を例示するとともに、変動演出パターンについて簡単に説明する。なお、変動パターンおよび変動演出パターンの決定方法等の詳細は別途説明する。
装飾図柄61の変動表示の一例としては、まず変動開始とともにスロットマシンのリール回転のように3列とも図柄を変動させ、変動終了タイミングへ近づいたときに一列ずつ停止させることで最終的な停止態様としての図柄組合せを表示する。なお、装飾図柄190の変動停止時の動作として、1列ずつではなく複数列同時に停止させるよう制御して変動表示中に装飾図柄以外の演出表示を注目させてもよいし、より短い変動時間で図柄変動を表示できるようにしてもよい。また、装飾図柄190の変動開始時の動作として当該変動におけるその後の展開(演出パターンの種類等)に応じて一部の列の変動開始を遅延させるように制御して、期待感を演出するようにしてもよい。
次に、変動演出パターンについて簡単に説明する。変動演出パターンには、通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンが含まれる。通常外れ演出パターンは、通常の外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ外れ演出パターンは、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態であるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ大当り演出パターンは、リーチ状態を経て大当りの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンは、それぞれ通常状態にて表示する通常のパターンと、時短状態において表示する時短用パターンとがある。ただし、通常状態であっても、第2始動口12への入球に対応する第2図柄変動であった場合は、大当りが確変を伴う確率や特別遊技の単位遊技数が多くなる確率が第1始動口11への入球に対応する第1変動より高いチャンス状態といえるため、相対的に有利な大当りが発生するチャンスであることを表示するチャンス演出用のパターンを用いてもよい。なお、実施例では時短状態において時短用のパターンを用いるが、確変状態では時短を伴うため、確変状態においても時短用パターンが用いられる。ただし、変形例では確変状態において時短用とは異なる確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。あるいは、時短用と確変用で共通のパターンを用いる仕様としてもよいし、時短用のパターンは特に用いずに確変状態において確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。
なお、当否抽選の保留数が所定数(例えば3個)になると、遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が通常より短縮される(以下、「短縮変動」ともいう)。同様に、当否抽選の保留数が4個になると、さらに遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が上記3個の場合よりもさらに短縮される(以下、「超短縮変動」ともいう)。上述の図柄変動を経て、停止時の第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が大当りを示す停止態様となった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口20の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄61の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する組合せの態様である。
特別遊技には通常特別遊技と短縮特別遊技の2種類があり、それぞれ獲得賞球による利益に大きな差が生じる。通常特別遊技は、開始デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって開始される。開始デモ時間の画面表示後に大入賞口20が開放され、その開放が約30秒間続いた後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口20の開放から閉鎖までが、基本的には単位遊技と呼ばれるが、1回の単位遊技の間に複数回の短時間の開放を繰り返す場合があってもよい。大入賞口20の開閉ないし単位遊技が所定回数、例えば4回または16回繰り返された後、終了デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって通常特別遊技が終了される。通常特別遊技においては、1回の単位遊技あたり9球以上の入球が十分に期待でき、16回分の単位遊技によって十分な賞球(これを「出玉」ともいう)を獲得でき、大きな利益が得られる。16回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「16R大当り」とも称し、4回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「4R大当り」とも称する。なお、単位遊技は16回繰り返されるものの、一部の単位遊技で大入賞口20を通常よりも短い時間(例えば0.2秒)開放させることで実質的に少数回の単位遊技が繰り返されたものと同様の通常特別遊技(「実質nR大当り」と称する場合もある)を実現することもできる。
一方、短縮特別遊技は、開始デモ時間および終了デモ時間が短く、または、ほとんどなく(0.1秒など)、1回の単位遊技で大入賞口20を0.2秒間だけ開放させる。この単位遊技を2回繰り返して短縮特別遊技が終了される。短縮特別遊技では、ごく短時間の大入賞口20の開放を2回繰り返すだけであるため、大入賞口20にはほとんど入球し得ず、実質的に出玉がほぼゼロに等しい特別遊技である。2回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「2R大当り」とも称する。なお、単位遊技の回数は通常特別遊技と同じものの、全ての単位遊技で大入賞口20を通常よりも短い時間開放させることで短縮特別遊技を実現することもできる。
また、上述の図柄変動を経て、停止時の第1特別図柄51または第2特別図柄52および装飾図柄61が所定の小当り態様であった場合、1回の単位遊技で構成される小当り遊技に移行し、大入賞口20の開閉動作が実行される。小当り遊技を構成する1回の単位遊技においては、大入賞口20が約0.2秒間の開放を2回繰り返すので、外観上は2R大当りと区別がつかない、または区別し難い動作態様となる。
特別遊技が発生した場合であってそのときの当り停止図柄が特定の態様(例えば「777」)であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確変がさらに開始される。確変中は、通常の確率状態より当りの確率が高い当否抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生し得る。なお、当否抽選の判定結果が特定大当り、すなわち確変を伴う大当りであったことは外観上明示せず、装飾図柄や演出内容として明示的に報知しない潜伏確変状態としてもよい。その場合、確変中であっても確変であるか非確変であるかが演出表示装置60には明示されない。なお、所定条件が成立した場合に確変であるか非確変であるかを演出表示装置60に明示してもよい。
特別遊技が終了した後の通常遊技において特定遊技状態の一つである入球容易状態が開始される。入球容易状態では、開放抽選の当り確率を通常より高めるとともに、普通電動役物90の拡開時間を長開放とする開放延長を実行する。一定時間あたりの普通図柄の当り回数が増加し得る上、第2始動口12への入球容易性も増すため、第2始動口12への入球数が増加する可能性も高い。したがって、第2始動口12への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉をほとんど減らさないか、あるいは少しずつ持ち玉を増やしながら遊技し続けることが可能となる。
入球容易状態においては、特定遊技状態の一つとして、第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が通常状態よりも短縮される、いわゆる時短がさらに実行される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間は、所定の変動回数、例えば100回の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻されるが、その変動回数に達する前に大当りが発生すれば時短もいったん終了する。時短において第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が短縮されるため、通常の変動時間のまま図柄変動がなされる通常状態の場合と比べて、大当りが発生するまでの時間を短縮することができ、大当りの獲得容易性を相対的に高めることができる。変形例では、入球容易状態において特別図柄の時短を実施しない仕様としてもよい。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ150は、ぱちんこ遊技機100の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板200は、ぱちんこ遊技機100の全体動作を制御し、とくに第1始動口11、第2始動口12へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板300は、液晶ユニット151を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板200による判定結果に応じて演出的な表示内容を変動させる。裏セット機構152は、賞球タンク153や賞球の流路、賞球を払い出す払出装置154等を含む。払出装置154は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク153から供給される遊技球を上球皿105へ払い出す。払出制御基板155は、払出装置154による払出動作を制御する。発射装置156は、上球皿105の貯留球を遊技領域81へ1球ずつ発射する。発射制御基板157は、発射装置156の発射動作を制御する。電源基板158は、ぱちんこ遊技機100の各部へ電力を供給する。
<機能ブロック>
図3は、ぱちんこ遊技機100の機能ブロックを示す。以下、各構成を用いて実現される機能を説明するが、本明細書中では、物理構成と機能構成を整合させるため、例えばメイン基板200、払出制御基板155、発射制御基板157等、物理構成として既に説明している部分については便宜上その用語をそのまま使用する場合がある。
ぱちんこ遊技機100は、遊技機外部から供給される交流電源(AC24V等)に基づいて遊技機内で使用する電源を生成する電源基板158と、遊技の基本動作や遊技の進行を制御する主制御装置としてのメイン基板200と、賞球払出しを制御する枠制御装置としての払出制御基板155と、遊技領域への遊技球の発射を制御する発射制御基板157と、演出的な動作や処理を制御する副制御装置としてのサブ基板300とに機能を分担させた形態で構成される。
メイン基板200は、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口群(第1一般入賞口33a,第2一般入賞口b)、図柄等表示ユニット120、外部情報出力端子160と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。払出制御基板155は、メイン基板200、発射制御基板157、払出装置154と電気的に接続されている。払出制御基板155は、メイン基板200から送信される賞球払出やメイン基板200の制御状態を示す信号等に基づいて発射の許可信号を発射制御基板157に送信して発射制御基板157を間接的に制御するとともに、払出装置154による賞球の払出を制御する。払出装置154は、払出モータ166と球計数センサ167を含む。発射制御基板157は、払出制御基板155、発射装置156、球送装置164と電気的に接続されており、払出制御基板155から送信される発射の許可信号等に基づいて球送装置164および発射装置156を制御して遊技球を発射させる。サブ基板300は、演出表示装置60、可動役物66(駆動モータ67、位置検出センサ68)、スピーカー108、演出用入力操作装置115(演出ボタン109、十字キー110)、装飾ランプ111と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。
メイン基板200とサブ基板300の間におけるデータの送受信はメイン基板200からサブ基板300への一方向となるよう一方向でのデータ送受信にて全体動作を実現するための各構成がメイン基板200とサブ基板300に配置される。メイン基板200からサブ基板300へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板300に含まれる構成からメイン基板200に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、サブ基板300は、メイン基板200で生成された情報が送信されない限りその情報を参照することはできない。また、メイン基板200と払出制御基板155の間、払出制御基板155と発射制御基板157の間は、双方向でデータ送受信がなされる。ただし、メイン基板200とサブ基板300の間と同様、メイン基板200から払出制御基板155への一方向でのデータ送受信とする構成や、払出制御基板155から発射制御基板157への一方向でのデータ送受信とする構成にしてもよい。
なお、以下に説明するメイン基板200、払出制御基板155、発射制御基板157、サブ基板300に含まれる各機能ブロックはあくまで例示にすぎず、変形例として、一部の機能ブロックが他の基板に搭載されてもよい。例えばメイン基板200に含まれる機能ブロックがサブ基板300に搭載される形で構成してもよいし、発射制御基板157に含まれる機能ブロックが払出制御基板155に搭載される形で構成してもよい。また、例えばメイン基板200に含まれる機能ブロックの一部がメイン基板200に搭載される形で構成してもよいし、残りの部分が払出制御基板155に搭載される等、機能ブロックの一部を複数の基板に分割して設け、全体として1つの機能ブロックが構成されるようにしてもよい。
<メイン基板200>
図4は、メイン基板200の機能構成を示すブロック図である。メイン基板200は、入球判定手段201、乱数生成手段202、第1抽選手段211、第2抽選手段212、事前判定手段235、普図抽選手段213、保留制御手段240、メイン表示制御手段250、特別遊技制御手段260、小当り遊技制御手段265、特定遊技制御手段270、開閉制御手段275、特図調整手段276、メイン初期処理実行手段280、メイン電断処理実行手段282、メインエラー検出手段284、コマンド通信手段205を備える。
<入球判定手段201>
入球判定手段201は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段201は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動口11に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動口12に入賞したと判断する。入球判定手段201は、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口20に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口33に入賞したと判断する。入球判定手段201は、通過情報を受け取ると遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断する。
<乱数生成手段202>
乱数生成手段202は、第1抽選手段211、第2抽選手段212、普図抽選手段213での各種決定に用いるための乱数を生成する。具体的には、乱数生成手段202は、第1当否判定手段221、第2当否判定手段222による当否抽選で使用する乱数(「当否抽選値」ともいう)として「0」から「65535」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、第1図柄決定手段226、第2図柄決定手段227による図柄決定(図柄抽選)で使用する乱数(「図柄決定抽選値」ともいう)として「0」から「255」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、第1変動パターン決定手段231、第2変動パターン決定手段232による変動パターンの決定で使用する乱数(「変動パターン決定抽選値」ともいう)として「0」から「255」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、普図抽選手段213による当否抽選で使用する乱数として「0」から「99」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、普通図柄の決定の際に使用する乱数として「0」〜「2」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。なお、ここでいう「乱数」は、乱数生成回路で生成する物理乱数や数学的な意味での真正乱数のほか、16ビットカウンタを利用した乱数や乱数生成アルゴリズムを利用したソフトウェア乱数などの疑似乱数でもよい。またはハードウェア乱数とソフトウェア乱数を組み合わせて生成する乱数でもよい。また、第1抽選手段211および第2抽選手段212で取得する乱数は、同じ生成手段により生成された乱数を取得してもよいし、別の生成手段により生成された乱数を取得してもよい。
<普図抽選手段213>
普図抽選手段213は、第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過したときに、普通図柄の当否抽選に用いる乱数と普通図柄の停止図柄決定に用いる乱数とを乱数生成手段202から取得して抽選を実行する。普図抽選手段213は、普通図柄の当否判定のために参照する普通図柄当否判定テーブル(不図示)と、普通図柄表示部45に表示させる普通図柄の停止図柄決定のために参照する普通図柄判定テーブルとを保持する。普通図柄当否判定テーブルには当否抽選用の抽選値と当りとの対応関係が、普通図柄判定テーブルには停止図柄決定用の抽選値と普通図柄との対応関係がそれぞれ定められており、前述した当り確率と図柄の選択確率に基づいて普通図柄の当否および停止図柄が決定される。普図抽選手段213は、普通図柄の当否抽選用の抽選値が当りに該当する場合、普通図柄判定テーブルを参照して普通図柄の停止図柄を決定し、普通図柄の当否抽選用の抽選値が外れに該当する場合はつねに1の外れ図柄の態様を決定する。普通図柄の当否判定の結果が当りに該当し、普通図柄が所定の図柄(第1の当り態様または第2の当り態様)で停止すると、後述する開閉制御手段275が停止図柄の態様と遊技状態に応じて第2始動口12の普通電動役物90を拡開する。拡開時間は、短開放時が0.1秒で、長開放時で6秒である。普通図柄の抽選値は、後述する保留制御手段240により一時的に保留される。ただし、保留制御手段240により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
<第1抽選手段211および第2抽選手段212>
第1抽選手段211は、第1の遊技に係る第1の抽選を実行する機能として、第1抽選値取得手段216、第1当否判定手段221、第1図柄決定手段226、第1変動パターン決定手段231を含み、第1始動口11への入球に対応する当否抽選として第1当否抽選を実行する。第1抽選手段211による各種の抽選結果に基づき、メイン表示制御手段250により第1特別図柄表示部41において第1特別図柄51の変動表示がなされる。また、コマンド通信手段205から送信される情報に基づき、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示がなされる。第2抽選手段212は、第2抽選値取得手段217、第2当否判定手段222、第2図柄決定手段227、第2変動パターン決定手段232を含み、第2始動口12への入球に対応する当否抽選として第2当否抽選を実行する。第2抽選手段212による各種の抽選結果に基づき、メイン表示制御手段250により第2特別図柄表示部42において第2特別図柄52の変動表示がなされる。また、コマンド通信手段205から送信される情報に基づき、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示がなされる。
<第1抽選値取得手段216および第2抽選値取得手段217>
第1抽選値取得手段216は、第1始動口11への入球を契機に、第1抽選手段211による各種の抽選や決定のための乱数を乱数生成手段202から取得する。具体的には、第1当否判定手段221による当否判定用の第1当否抽選値、第1図柄決定手段226による第1特別図柄51の停止態様決定用の第1図柄抽選値、第1変動パターン決定手段231による第1特別図柄51の変動パターン(変動時間)決定用の第1パターン抽選値をそれぞれ対応する乱数生成手段から取得する。第2抽選値取得手段217は、第2始動口12への入球を契機に、第2抽選手段212による各種の抽選や決定のための乱数を乱数生成手段202から取得する。具体的には、第2当否判定手段222による当否判定用の第2当否抽選値、第2図柄決定手段227による第2特別図柄52の停止態様決定用の第2図柄抽選値、第2変動パターン決定手段232による第2特別図柄52の変動パターン(変動時間)決定用の第2パターン抽選値をそれぞれ対応する乱数生成手段から取得する。
第1当否判定手段221は、第1当否抽選値に基づき、特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。第2当否判定手段222は、第2当否抽選値に基づき、特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。当否判定では、より具体的には、特別遊技へ移行することを示す「大当り」、小当り遊技へ移行することを示す「小当り」、特別遊技および小当り遊技には移行しないことを示す「外れ」、のいずれに該当するかが判定される。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルを保持する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する当否判定を、後述する事前当否判定と区別するために、適宜「本判定としての当否判定」とも呼ぶ。なお、本明細書において「テーブル」や「選択基準」というときは、厳密に抽選値などの第1のパラメータと、選択肢を示す値などの第2のパラメータとの対応関係をテーブル構造で定めたデータを指すだけでなく、そのような対応関係として第1のパラメータから第2のパラメータを導出するプログラム構造で実現する場合も広く含むものとする。それらを含めて実質的に「テーブル」と同義の概念として適宜「選択基準」と称する。また、テーブル構造を用いる場合、実質的に1種類となる選択基準を構造的に細分化された複数のテーブルの組合せで構成してもよいが、「複数種の選択基準」というときはその細分化されたテーブルの数ではなくテーブルの実質的な種類の数を示す。
第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルとして、それぞれの当否判定に対応するテーブルを保持する。具体的には、第1当否判定手段221による当否判定用の当否判定テーブル(「第1当否判定テーブル」ともいう)と、第2当否判定手段222による当否判定用の当否判定テーブル(「第2当否判定テーブル」ともいう)を保持し、実行する当否判定に応じて参照するテーブルを選択する。複数の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた大当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。
図5は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、本判定として当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。第1当否判定手段221による第1当否抽選と第2当否判定手段222による第2当否抽選のいずれにおいても、通常時には当否抽選値が0〜299の範囲に該当したときのみ大当りとなる。確変時には大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜299の範囲に該当する場合だけでなく、300〜2999の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。なお、本図では単一の当否判定テーブルによって通常時と確変時の双方の大当り範囲を示したが、当否判定テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよいし、第1当否抽選用と第2当否抽選用とで別個に用意してもよい。
本実施例においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。本図の例では、第1当否判定手段221が取得する当否抽選値が56500〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなり、第2当否判定手段222が取得する当否抽選値が64000〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。すなわち、第2当否抽選よりも第1当否抽選の方が小当りに該当する範囲が広く、小当りが発生しやすい。このように、大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。すなわち、「当否」を「大当りか否か」の観点で捉える場合は、「小当り」は「大当りではない」という意味で広義の「外れ」に含めて考えてもよい。また、「当否」を「当りか否か」の観点で捉える場合には、「小当り」は「大当り」とともに広義の「当り」に含めて考えてもよい。なお、本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。また、「小当り」については、第1の遊技と第2の遊技の一方のみに設けることとしてもよいし、いずれの遊技にも設けないこととしてもよい。その場合、対応する当否判定テーブルに小当りに対応する値が設定されない。
<第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227>
図4に戻り、第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、乱数生成手段202から取得する図柄抽選値と当否判定の結果に基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄を決定する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照する複数の図柄判定テーブルを保持する。具体的には、第1図柄決定手段226は第1当否判定手段221による当否判定の結果に応じた複数の図柄判定テーブルを保持し、第2図柄決定手段227は第2当否判定手段222による当否判定の結果に応じた複数の図柄判定テーブルを保持する。第1当否判定手段221は、大当り時に参照する大当り時第1図柄判定テーブル、小当り時に参照する小当り時第1図柄判定テーブル、外れ時に参照する外れ時第1図柄判定テーブルを保持する。第2当否判定手段222は、大当り時に参照する大当り時第2図柄判定テーブル、小当り時に参照する小当り時第2図柄判定テーブル、外れ時に参照する外れ時第2図柄判定テーブルを保持する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、当否判定の結果に応じて参照する図柄判定テーブルを選択する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する図柄判定を、後述する事前図柄判定と区別するために、適宜「本判定としての図柄判定」とも呼ぶ。
図6は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図6(a)は当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、図6(b)は当否判定結果が外れであった場合に参照するテーブルであり、図6(c)は当否判定結果が小当りであった場合に参照するテーブルである。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、本判定として図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。各図柄判定テーブルには、特別図柄の種類を示す「0」〜「10」の番号と第1図柄抽選値または第2図柄抽選値との対応関係が定められている。特別図柄の種類はそれぞれ大当り、小当り、外れの当否判定結果と対応付けられており、「0」〜「4」が大当りに対応し、「5」〜「9」が小当りに対応し、「10」が外れに対応する。各種類には複数の特別図柄、すなわちセグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号が複数割り当てられている。
図6(a)に示す通り、特別図柄の種類「0」〜「4」が大当りおよび大当り後の確率変動の有無に対応付けられている。具体的には、種類「0」は特定大当りとして確変を伴う16R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「0〜99」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「0〜144」に対応付けられる。種類「1」は特定大当りとして確変を伴う4R大当り(または「実質4R当り」)を示し、第1図柄抽選値の場合は「100〜149」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「145〜149」に対応付けられる。種類「2」は確変を伴う2R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「150〜189」に種類「2」が対応付けられる。種類「3」は通常大当りとして確変を伴わない16R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「150〜189」に種類「3」が対応付けられる。種類「4」は通常大当りとして確変を伴わない4R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「230〜255」に種類「4」が対応付けられる。このように図柄抽選値の範囲の大きさによって大当り種類(すなわち、大当りの内容とその後の確率変動の有無)ごとの選択確率が定まる。
なお、特別図柄の種類をより多く設けることも可能であり、その場合には複数の特別図柄の種類に対応して1の大当り種類が定まるように構成することで、図柄種類を増やしつつ大当りの種類を少なく設定することができる。あるいは、増加した図柄種類に対応させてより多くの大当りの種類に細分化することも可能である。さらに、第1の抽選時と第2の抽選時とで異なる図柄種類を設けることも可能である。この場合には、第1の抽選時に選択される特別図柄の種類、第2の抽選時に選択される特別図柄の種類のそれぞれに対応するように1の大当り種類が定まるように構成される。ただし、第1の抽選と第2の抽選とで確率変動の割合が同一となるように設定することが望ましい。
図6(b)に示す通り、種類「10」は当否判定結果が外れの場合における全範囲の図柄抽選値に対応付けられている。したがって、外れの場合には必ず同じ特別図柄が停止表示することが決定される。なお、外れの場合に停止表示する特別図柄を複数設けることも可能である。
図6(c)に示す通り、特別図柄の種類「5」〜「9」が小当りに対応付けられている。種類「5」は図柄抽選値の範囲「0〜49」に対応付けられ、種類「6」は図柄抽選値の範囲「50〜99」に対応付けられる。種類「7」は図柄抽選値の範囲「100〜149」に対応付けられ、種類「8」は図柄抽選値の範囲「150〜199」に対応付けられ、種類「9」は図柄抽選値の範囲「200〜255」に対応付けられる。
なお、本実施例においては、メイン基板200における記憶領域を節約するために、事前図柄判定においても図6のテーブルが事前図柄判定テーブルとして参照される。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、事前図柄判定の結果として特別図柄の種類を示す「0」〜「10」の値を第1当否抽選または第2当否抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段303へ送信する。なお、事前図柄判定テーブルとして、さらに細分化し複雑な判定を実施可能としたもの、または同様の特別遊技を実行する大当り図柄の判定範囲をまとめて簡易的にしたものを利用するようにしてもよい。また、本実施例のように外れの際に一律に図柄が定まる場合は、取得した図柄抽選値を参照することなく、また、外れ時用の図柄判定テーブルを用意することなく、特定の図柄を決定してもよい。
<第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232>
図4に戻り、第1変動パターン決定手段231は、第1特別図柄表示部41および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、乱数生成手段202から取得する第1パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第2変動パターン決定手段232は、第2特別図柄表示部42および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、乱数生成手段202から取得する第2パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、それぞれ図柄変動を開始する際に変動パターンテーブルを参照してその図柄変動の変動パターンを決定する。また、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、パターン抽選値がいずれの変動パターン範囲に該当するかの事前パターン判定を実行する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232、メイン基板200の制御手段は、変動開始条件を満たした際に変動パターンを決定するために参照する変動パターンテーブルと、始動口への入球時に先読み処理の実行判定のための情報生成に使用する事前パターン判定テーブルをそれぞれ保持または共有する。変動パターンには、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動時間が定められており、その種類によって長短様々な変動時間をもつ。すなわち、図柄変動の表示過程が定められた各変動パターンには、実質的には、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する変動パターン判定を、特に事前パターン判定と区別するために、適宜「本判定としての変動パターン判定」とも呼ぶ。また、後述する装飾図柄の変動演出パターンの選択に資するため、同一の変動時間でありながら異なる種類の変動パターンとして定義する場合もある。
図7は、変動パターンテーブルを模式的に示す図である。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、通常状態においては本図(a)のテーブルを参照し、時短状態においては本図(b)のテーブルを参照する。
図7(a)の通り、通常状態において当否判定結果が外れとなった場合、パターン抽選値が0〜4であればパターン範囲番号「0」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が5〜9であればパターン範囲番号「1」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が10〜19であればパターン範囲番号「2」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が20〜29であればパターン範囲番号「3」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。パターン抽選値が30〜255であればパターン範囲番号「4」の「リーチなし外れ」を選択する。「リーチなし外れ」としては、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0〜2のときは10秒の変動パターン、保留数が3のときは7秒の変動パターン、保留数が4のときは4秒の変動パターンがそれぞれ選択される。
本図では、変動時間別に主に5種類に分類した例を説明するが、サブ基板300においてそれらの変動パターンごとに複数の変動演出パターンが用意されており、全体で数十種類の変動演出パターンがそれぞれの分類の抽選値範囲に対応付けられていることに等しい。
「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし外れ」に割り当てられたパターン抽選値の範囲もまた保留数に応じて異なる。保留数が0,1のときは本図(a)に示す通りであるが、保留数が増えるほど「ノーマル1」「ノーマル2」の抽選値範囲が狭くなり、「リーチなし外れ」の抽選値範囲が広くなる。保留数が少ないほど変動時間が相対的に長い変動パターンの抽選値範囲が広くされており、変動時間の長い変動パターンが選択される確率が高まる。そのため、保留数が少ないほど平均的な変動時間が長くなり、保留数が多いほど平均的な変動時間が短くなる。保留数ごとにパターン抽選値範囲と変動パターンの対応関係が異なる変動パターンテーブルを用いることにより、保留数が少なくなったときに変動時間の長い変動パターンが選択されやすくなる制御を実現できる。
通常状態において当否判定結果が4R大当りまたは16R大当りとなった場合、パターン抽選値が0〜123であればパターン範囲番号「5」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が124〜248であればパターン範囲番号「6」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が249〜252であればパターン範囲番号「7」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が253〜255であればパターン範囲番号「8」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。
通常状態において当否判定結果が2R大当りまたは小当りとなった場合、パターン抽選値が0〜122であればパターン範囲番号「9」のスーパーリーチである「スーパー3」を選択し、パターン抽選値が123〜255であればパターン範囲番号「10」のノーマルリーチである「ノーマル3」を選択する。
第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、いわゆる先読み結果として事前判定結果を演出決定手段303へ送信する場合は、パターン範囲番号の値(0〜10)を、第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値や保留の個数とともに送信する。なお、図7に示す実施例では、事前パターン判定にて当否判定結果別にテーブルを有するように例示しているが、当否抽選結果にかかわらず1の事前パターン判定テーブルを用いて、乱数値がおよそどの範囲に位置するかに関する情報のみを導き出すようにするとともに、サブ基板300の制御手段側で、事前当否判定結果とともに、いかなる変動が実行されるかを判断するように制御してもよい。
時短状態において参照する図7(b)の変動パターンテーブルは、すべて時短用の変動パターンにパターン抽選値が割り当てられている。ただし、パターン抽選値の範囲と変動時間の対応関係は、外れで選択される「リーチなし外れ短縮」以外はすべて図7(a)と同様である。「リーチなし外れ短縮」は、図7(a)における「リーチなし外れ」と同じ抽選値範囲とパターン範囲番号に対応付けられる、相対的に短い変動時間の変動パターンである。「リーチなし外れ短縮」もまた、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0,1のときは10秒の変動パターン、保留数が2〜4のときは1秒の変動パターンがそれぞれ選択される。なお、第1変動パターン決定手段231と第2変動パターン決定手段232で異なる変動パターンテーブルを参照する仕様としてもよいし、遊技状態に応じて異なる変動パターンテーブルを参照する仕様としてもよい。例えば、第2の抽選を第1の抽選より有利な設定とし、第2の抽選を第1の抽選に優先して処理するような遊技機では、時短に伴う入球容易状態にもかかわらず第2の抽選の保留が枯渇して第1の抽選が連続実行されてしまう状況は遊技者にとって好ましくない。そのため、入球容易状態における第1の抽選における外れ変動では、変動時間を短縮しない長時間(例えば10秒)の変動パターンが保留数に拘らず一律に選択されるような変動パターンテーブルを参照することとしてもよい。
<保留制御手段240>
図4に戻り、保留制御手段240は、特図保留手段241、普図保留手段242を含む。特図保留手段241は、新たに第1当否抽選値または第2当否抽選値が取得されるときに、それ以前に取得されていた第1当否抽選値または第2当否抽選値に対応する図柄変動が表示されている場合、新たに取得された第1当否抽選値または第2当否抽選値に対応する図柄変動の開始を保留し、その当否抽選値を対応する図柄の変動表示開始まで記憶する。ここで、第1特別図柄について、それぞれ4個を上限に、第1当否抽選値、第1図柄抽選値、第1パターン抽選値を記憶し、第2特別図柄について、それぞれ4個を上限に、第2当否抽選値、第2図柄抽選値、第2パターン抽選値を記憶する。普図保留手段242は、普図抽選手段213により取得された普図抽選値を保留球として記憶する。これらの保留数がそれぞれ第1特図保留表示部71、第2特図保留表示部72、普図保留表示部75の点灯数または点滅数により表される。特図保留手段241による保留の数は演出表示装置60にも表示される。
特図保留手段241に保留された第2当否抽選の抽選値は第1当否抽選の抽選値より優先的に消化されて図柄変動が表示される。そのため、第1当否抽選として大当りの抽選値が保留されていても第2当否抽選として抽選値の保留がある限りは第1当否抽選の大当り抽選値に対応する図柄変動は表示されない。したがって、第1当否抽選として大当りの保留があっても、さらに第2当否抽選として大当りの保留が入るまで打ち続けることで、複数回の連続的な大当りを獲得できる可能性がある。
<メイン表示制御手段250>
メイン表示制御手段250は、第1特図制御手段251、第2特図制御手段252、普図制御手段254を含む。第1特図制御手段251は、第1抽選手段211による第1当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第1特別図柄51の変動を第1特別図柄表示部41に表示させる。第1特図制御手段251は、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。第2特図制御手段252は、第2抽選手段212による第2当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第2特別図柄52の変動を第2特別図柄表示部42に表示させる。第2特図制御手段252もまた、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
第1特図制御手段251は、特図保留手段241により第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する。一方、第2特図制御手段252は、特図保留手段241により第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方に抽選値が保留されていた場合、第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて図柄変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその図柄変動も開始しない。
第1特図制御手段251および第2特図制御手段252は、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、後述するコマンド通信手段205により変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出決定手段303(サブメイン)へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、本判定として判定ないし決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。また、演出決定手段303(サブメイン)は、演出制御手段304(サブサブ)による装飾図柄の変動表示を制御するために、変動開始コマンドや変動停止コマンドなどを演出制御手段304へ送信する。これにより、メイン表示制御手段250および演出制御手段304(サブサブ)による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段254は、普図抽選手段213による抽選の判定結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示部45に表示させる。
<特図調整手段276>
特図調整手段276は、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方を変動表示させる間は他方の変動表示の開始を待機させる。特図調整手段276は、第1始動口11および第2始動口12のうちいずれに遊技球が入球したかの順序に関係なく、第2始動口12への入球に基づく第2特別図柄52の変動表示を、第1始動口11への入球に基づく第1特別図柄51の変動表示より優先させる。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、つねに第2当否抽選値を優先的に消化させ、第2特別図柄52を連続的に変動表示させる。
なお、変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、第1始動口11および第2始動口12への入球順序にしたがって選択的に変動表示させてもよい。例えば、第1始動口11、第1始動口11、第2始動口12の順序で入球したときは、第1特別図柄51、第1特別図柄51、第2特別図柄52の順序で変動表示される。この場合、特図調整手段276は保留制御手段240を監視して当否抽選値の保留順序を記憶する。どちらの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順、すなわち保留制御手段240における当否抽選値の保留順序にしたがって決定されるので、遊技者は変動の順序を視覚的に把握しやすい。
別の変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、入球順序にかかわらず予め定められた消化順序にて表示させてもよい。例えば、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを交互に表示することを優先してもよい。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、第1特別図柄51と第2特別図柄52とが交互に変動表示される。いずれの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順に関係なく単純に交互に入れ替わるので、遊技者は変動の順序を感覚的に把握しやすい。
特図調整手段276は、また、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方が当り態様で停止されたときは他方の変動表示の開始を待機させる。この場合、特別遊技を実行する間は特別図柄の変動表示は開始されないので、遊技者は特別遊技に集中することができる。
<事前判定手段235>
事前判定手段235は、第1抽選事前判定手段236と第2抽選事前判定手段237を含む。第1抽選事前判定手段236は、第1当否判定手段221、第1図柄決定手段226、第1変動パターン決定手段231による各種判定の実行前に、第1抽選値取得手段216が取得した各種乱数を用いて第1特図制御手段251による第1特別図柄の変動開始前に当該変動に関する情報を事前に判定する。第2抽選事前判定手段237は、第2当否判定手段222、第2図柄決定手段227、第2変動パターン決定手段232による各種判定の実行前に、第2抽選値取得手段217が取得した各種乱数を用いて第2特図制御手段252による第2特別図柄の変動開始前に当該変動に関する情報を事前に判定する。
第1抽選事前判定手段236は、第1抽選手段211に係る事前判定用の判定テーブルとして、第1事前当否抽選値判定テーブル、第1事前図柄抽選値判定テーブル、第1事前変動パターン乱数値判定テーブルを保持する。第1抽選事前判定手段236は、第1事前当否抽選値判定テーブルを用いて特図保留手段241に記憶される第1当否抽選値が属する乱数グループを判定する。第1抽選事前判定手段236は、第1事前図柄抽選値判定テーブルを用いて特図保留手段241に記憶される第1図柄抽選値が属する乱数グループを判定する。第1抽選事前判定手段236は、第1事前変動パターン判定テーブルを用いて特図保留手段241に記憶される第1変動パターン抽選値が属する乱数グループを判定する。そしてこれらの判定結果を事前判定結果として一時的に記憶して、後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により事前判定結果に関する情報をサブ基板300に送信する。
図8は、事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。第1抽選事前判定手段236(第1の遊技に関する事前当否判定)は、第1始動口11への入球時に図8(a)の第1事前当否抽選値判定テーブルを参照し、当否抽選値が「0〜299」の場合はその旨を示す「1」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「300〜2999」の場合はその旨を示す「2」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「3000〜56499」の場合はその旨を示す「3」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「56500〜65535」の場合はその旨を示す「4」の値を事前当否判定結果として設定する。次に、第1事前図柄抽選値判定テーブル(図示省略)を参照し、第1図柄抽選値が「0〜99」の場合はその旨を示す「0」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「100〜149」の場合はその旨を示す「1」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「150〜189」の場合はその旨を示す「2」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「190〜229」の場合はその旨を示す「3」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「230〜255」の場合はその旨を示す「4」の値を事前図柄判定結果として設定する。さらに、第1事前変動パターン乱数値判定テーブル(図示省略)を参照し、第1パターン抽選値が「0〜9」の場合はその旨を示す「A」の値を事前パターン判定結果として設定する。第1パターン抽選値が「10〜29」の場合はその旨を示す「B」の値を事前パターン判定結果として設定する。第1パターン抽選値が「30〜255」の場合はその旨を示す「C」の値を事前パターン判定結果として設定する。以上のように第1抽選事前判定手段236(第1の遊技に関する事前当否判定)により設定された事前判定情報は、後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により第1始動口11への入球を示す(第1当否抽選であることを示す)情報、保留の個数を示す情報等の送信タイミングにあわせて演出決定手段303に送信される。
第2抽選事前判定手段237(第2の遊技に関する事前当否判定)は、第2始動口12への入球時に図8(b)の、第2事前当否抽選値判定テーブルを参照し、当否抽選値が「0〜299」の場合はその旨を示す「1」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「300〜2999」の場合はその旨を示す「2」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「3000〜63999」の場合はその旨を示す「3」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「64000〜65535」の場合はその旨を示す「4」の値を事前当否判定結果として設定する。次に、第2事前図柄抽選値判定テーブル(図示省略)を参照し、第2図柄抽選値が「0〜144」の場合はその旨を示す「0」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「145〜149」の場合はその旨を示す「1」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「150〜189」の場合はその旨を示す「2」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「190〜229」の場合はその旨を示す「3」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「230〜255」の場合はその旨を示す「4」の値を事前図柄判定結果として設定する。さらに、第2事前変動パターン乱数値判定テーブル(図示省略)を参照し、第2パターン抽選値が「0〜9」の場合はその旨を示す「A」の値を事前パターン判定結果として設定する。第2パターン抽選値が「10〜29」の場合はその旨を示す「B」の値を事前パターン判定結果として設定する。第2パターン抽選値が「30〜255」の場合はその旨を示す「C」の値を事前パターン判定結果として設定する。以上のように第2抽選事前判定手段237(第2の遊技に関する事前当否判定)により設定された事前判定情報は、後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により第2始動口12への入球を示す(第2当否抽選であることを示す)情報、保留の個数を示す情報等の送信タイミングにあわせて演出決定手段303に送信される。
なお、事前判定手段235による事前判定結果として一時記憶された各種情報は、保留記憶数と同様に、それぞれ4個を上限に所定の事前判定結果記憶領域に記憶する。なお、事前判定結果を保留制御手段240が記憶する保留記憶領域を用いて記憶してもよい。事前判定手段235による事前判定結果を後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により演出決定手段303に送信したことに基づいて当該情報を消去するようにしてもよい。このように、他の領域と共用したり、送信完了に基づいて情報を消去することにより、メイン基板200における記憶領域の効率利用が期待できる。また、事前判定用の判定テーブルとして、事前判定専用のテーブルを設けずに、本判定用の判定テーブルを用いてもよく、第1の遊技に関する事前当否判定と第2の遊技機に関する事前判定とで一部または全部が共通の事前判定テーブルを共用してもよい。このように、他の判定テーブルと共用することで、メイン基板200におけるデータ容量の削減が期待できる。なお、事前判定手段235の判定結果として送信する内容は、例えば、当否の判定結果のみを送信するなど、適宜選択することも可能である。また、事前判定手段235により判定することなく、第1抽選値取得手段216、第2抽選値取得手段217で取得した乱数の値を前述のコマンド通信手段205によりサブ基板300に送信し、サブ基板300により事前判定の内容を判断するように構成してもよい。
<特別遊技制御手段260>
特別遊技制御手段260は、第1抽選手段211による第1当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口20を開放させることにより特別遊技を実行する。同様に、特別遊技制御手段260は、第2抽選手段212による第2当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口20を開放させることにより特別遊技を実行する。
特別遊技は、大入賞口20の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、複数回の単位遊技で構成される。特別遊技には、単位遊技を16回繰り返す16R大当りと、単位遊技を4回繰り返す4R大当りと、16R大当りおよび4R大当りより開放時間が短い単位遊技を2回だけ繰り返す2R大当りがある。16R大当りは第2当否抽選での大当りであり、4R大当りは第1当否抽選での大当りである。16R大当りおよび4R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口20を原則として約30秒間開放させる。2R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口20を約0.2秒間だけ開放させる。特別遊技制御手段260は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。なお、2R大当りとなった場合においても、所定の条件を満たした場合には、16R大当りおよび4R大当りと同様の開放態様で大入賞口20を開放させてもよい。
<小当り遊技制御手段265>
小当り遊技制御手段265は、第1抽選手段211による第1の抽選が小当りを示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に大入賞口20を開放させることにより小当り遊技を実行する。同様に、小当り遊技制御手段265は、第2抽選手段212による第2の抽選が小当りを示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に大入賞口20を開放させることにより小当り遊技を実行する。
小当り遊技においては、単位遊技が1回実行され、1回の単位遊技において大入賞口20を2回開閉する。小当り遊技制御手段265は、1回の開閉あたり大入賞口20を約0.2秒間だけ開放させ、小当り遊技全体としては約0.4秒間開放させた後、大入賞口20を閉鎖して小当り遊技を終了させる。
<特定遊技制御手段270>
特定遊技制御手段270は、確変状態、時短状態、および入球容易状態における通常遊技を制御する。特定遊技制御手段270は、特別図柄が確変への移行を伴う特定大当りの図柄であった場合に、特別遊技の終了後に遊技状態を確変状態、時短状態および入球容易状態へ移行させる。確変状態、時短状態および入球容易状態は、次の大当りが発生するまで継続される。時短状態においては、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示時間が概ね短くなるよう、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232が変動時間の短い変動パターンを選択する。ただし、通常状態においては、保留制御手段240による当否抽選値の保留数に応じた変動パターンテーブルを参照し、保留制御手段240による保留数が少なくなるほど変動時間の長い変動パターンが出現しやすくなる。入球容易状態においては、普通図柄の確変および第2始動口12の開放延長の双方、または第2始動口12の開放延長のみが実施される。すなわち、特定遊技制御手段270は、特定大当りとなった場合に第2始動口12を開放延長状態にさせるとともに、その当否抽選が第2当否抽選であった場合に限りさらに開放抽選の当り確率を通常確率状態より高い確変状態へ移行させる。確変状態の間は第1当否判定手段221および第2当否判定手段222による当否判定結果が大当りとなる確率が高い値のまま維持される。
<開閉制御手段275>
開閉制御手段275は、第2始動口12の普通電動役物90や大入賞口20の開閉を制御する。開閉制御手段275は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド91に開放指示を送り、第2始動口12の普通電動役物90を開放させる。開閉制御手段275は、通常状態においては開放抽選の結果に応じて短開放または長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させ、入球容易状態においては長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させる。第2始動口12の入球容易性を高め、遊技者が持ち玉を減らさずに遊技を継続できるようにするものである。開閉制御手段275は、特別遊技において、大入賞口ソレノイド92に開放指示を送り、大入賞口20を開放させる。
<メイン初期処理実行手段280、メイン電断処理実行手段282、メインエラー検出手段284>
メイン初期処理実行手段280は、ぱちんこ遊技機100の電源投入時または電源断復帰時におけるメイン基板200の制御開始処理を実行する。メイン電断処理実行手段282は、電源断などの電源異常発生時にメイン基板200における電源断処理などの異常時対応処理を実行する。メインエラー検出手段284は、メイン基板200における異常検知処理を実行する。なお、メイン基板200の制御開始処理、異常時対応処理、および異常検知処理については後述する。
<コマンド送信手段>
コマンド通信手段205は、払出等の実行に必要な制御コマンドを払出制御基板155に送信する払出制御コマンド通信手段206と、演出制御等の実行に必要な制御コマンドをサブ基板300に送信するサブ制御コマンド送信手段207を含む。払出制御コマンド通信手段206は、入球判定手段201による各入賞口への入球の判定に基づいて各入賞口に対応した数の賞球の払出を指示する払出コマンドを送信し、メイン基板200で発生したエラーの状態等を示すコマンドを送信する。サブ制御コマンド送信手段207は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の判定結果を図柄変動の制御コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。
サブ制御コマンド送信手段207は、第1特図制御手段251および第2特図制御手段252が第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出決定手段303(サブメイン)へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、本判定として判定ないし決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。また、演出決定手段303(サブメイン)は、演出制御手段304(サブサブ)による装飾図柄の変動表示を制御するために、変動開始コマンドや変動停止コマンドなどを演出制御手段304へ送信する。これにより、メイン表示制御手段250および演出制御手段304(サブサブ)による変動表示が同期し、連動が保たれる。また、サブ制御コマンド送信手段207は、事前判定手段235による事前判定結果を演出決定手段303へ送信する。事前判定結果は送信バッファに一時保存された後、その抽選に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず事前判定結果に対応する入賞口(第1始動口11、第2始動口12)の種別情報、保留個数の情報、遊技状態等と併せて演出決定手段303へ送信され、送信バッファから消去または後に上書きされる。これにより、サブ基板300の側にとっては受信した事前判定結果により、図柄変動開始の順番が巡ってくる前にあらかじめ当否結果を推測的に認識できる、いわゆる「先読み」と呼ばれる処理が実現される。なお、サブ基板300が行う事前判定情報に基づく処理等については後述する。サブ制御コマンド送信手段207は、特別遊技制御手段260による特別遊技に関する情報、小当り遊技制御手段265による小当り遊技に関する情報、普通図柄抽選手段による抽選結果の情報をサブ基板300に送信する。また、サブ制御コマンド送信手段207は、メイン初期処理実行手段280およびメインエラー検出手段284等による初期処理に関する情報やエラーに関する情報等、メイン基板200での各種制御、または、メイン基板200に送信される各種信号等に関する情報を適宜、サブ基板300に送信する。
図9は、サブ基板の構成を示すブロック図である。サブ基板300は、図柄態様決定手段301、パターン記憶手段302、演出決定手段303、演出制御手段304、計時手段307、演出設定手段308、サブ初期処理実行手段360、サブ電断処理実行手段362、サブエラー検出手段364、コマンド受信手段370、サブ側事前判定手段371を備える。
パターン記憶手段302は、装飾図柄61の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄61の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを変動表示の停止前に予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。
コマンド受信手段370は、コマンド通信手段205から送信される各種コマンドを受信し、サブ側事前判定手段371は、コマンド通信手段205から送信される事前判定結果を保持する。演出決定手段303は、通常演出決定手段373と先読み演出決定手段374を含む。通常演出決定手段373は、コマンド通信手段205から送信される第1当否抽選の判定結果または第2当否抽選の判定結果の情報に応じて、演出制御手段304によって演出表示装置60へ表示し、スピーカー108、装飾ランプ111等に出力する演出内容を決定する。先読み演出決定手段374は、コマンド通信手段205から送信される事前判定結果に応じて、演出制御手段304によって演出表示装置60へ表示し、スピーカー108、装飾ランプ111等に出力する演出内容を決定する。通常演出決定手段373は、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により決定され、コマンド通信手段205から送信された特別図柄の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンの中からいずれかを選択してパターン記憶手段302から読み出す。通常演出決定手段373は、読み出した変動演出パターンの情報を演出制御手段304へ送る。通常演出決定手段373は、変動演出パターンを選択するために参照すべきパターンテーブルを保持する。なお、コマンド通信手段205から送信される事前判定結果を参照して通常演出決定手段373により変動演出パターンを決定する場合があってもよく、先読み演出決定手段374による先読み演出の内容と併せて変動演出パターンを決定する場合があってもよい。先読み演出決定手段374は、コマンド通信手段205からの事前判定結果と、サブ基板300に保持する過去の事前判定結果や遊技状態情報等に基づいて本判定の結果をより精度よく特定し、その特定した結果に基づいて本判定前から先読み演出を実行するか否か、および、その実行内容を決定する。具体的には、先読み演出決定手段374は、現在の遊技状態が確率変動遊技中であるかを判定した上で、今回受信した事前判定結果より前の事前判定結果に基づいて通常遊技状態に移行するか否かを判定する。その判定結果を踏まえ、今回受信した事前判定結果に係る本判定の当否結果や選択される変動パターン等を特定し、当該特定結果に基づいて先読み演出の実行可否、先読み演出の実行内容を決定する。なお、演出決定手段303は、通常演出決定手段373と先読み演出決定手段374とが協同している部分が多いため、特に必要な部分を除き、両者を包括した演出決定手段303として説明する。
各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
図柄態様決定手段301は、装飾図柄61の停止図柄の組合せとその配置を、第1抽選手段211または第2抽選手段212による抽選の判定結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。図柄態様決定手段301は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出制御手段304へ送信する。図柄態様決定手段301は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
装飾図柄61の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば第1当否判定手段221および第2当否判定手段222による当否判定結果が4R大当りまたは16R大当りの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。当否判定結果が2R大当りの場合や小当りの場合もまた特定の組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択されるが、それらの特定の組合せは必ずしも3つの図柄が揃った組合せでなくてもよい。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せであって、2R大当りや小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が4R大当りや16R大当りではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。
装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち装飾図柄の変動開始から変動停止までの演出過程が定義される。変動演出パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当り図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい装飾図柄の変動演出パターンを選択する。
時短状態において、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により選択された変動パターンが時短用のパターンであった場合、演出決定手段303は時短用の演出内容が定められた変動演出パターンを選択する。時短用の演出内容は、時短または確変により遊技者に有利な状態であることを印象づける背景映像や音声が出力される演出である。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、役物を動作させる演出パターン、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけの通常予告演出や、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。また、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当りへの期待度が高くなるように設定されるステップアップ予告演出がさらに含まれる。
予告演出パターンには、装飾図柄61の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターン(リーチ後予告)と、装飾図柄61が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターン(リーチ前予告)とがある。
演出決定手段303は、当否抽選の判定結果または事前判定結果に応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定して事前演出設定をするとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段303は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の判定結果または事前判定結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選が当りの場合は外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の判定結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当りへの期待度の高さを示唆することができる。
演出制御手段304は、選択された変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60へ装飾図柄61を含む演出画像を変動表示させる。演出制御手段304は、装飾図柄61の変動開始コマンドを受け取ったことを新たな装飾図柄の変動表示の開始条件とする。演出制御手段304は、予告演出を表示させる旨が演出決定手段303により決定された場合、選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を図柄変動の演出に重畳させる形で演出表示装置60へ表示させる。
演出制御手段304は、第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保し、第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方について抽選値が保留されていた場合は第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて装飾図柄の変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその装飾図柄の変動も開始しない。このように演出制御手段304は、装飾図柄61の変動表示を含む図柄変動演出を演出表示装置60に表示させる。
演出制御手段304は、装飾ランプ111の点灯および消灯や、可動役物66の動作をさらに制御する。演出制御手段304は、演出表示制御手段305、音声制御手段306、ランプ制御手段309を有する。演出表示制御手段305は、演出表示装置60への表示を制御し、音声制御手段306は、スピーカー108からの音声出力を制御する。ランプ制御手段309は、装飾ランプ111の点灯および消灯を制御する。
第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動中、演出表示装置60には図柄変動中であることを示す画像を表示する必要がある。通常、ある程度の大きさを持つ通常サイズの装飾図柄61を変動表示させるが、通常サイズの装飾図柄61の変動表示の視認性を阻害する態様で、装飾図柄61の変動以外を主要な演出内容とする特殊な演出を表示させてもよい。この場合、通常サイズの装飾図柄より小さいサイズの装飾図柄である代替図柄を変動表示させることにより図柄変動中であることを遊技者に提示する。以下、単に装飾図柄と呼ぶ場合は通常サイズの装飾図柄を意味するが、代替図柄と区別する場合、通常サイズの装飾図柄を「通常装飾図柄」とも呼ぶ。
代替図柄は、通常装飾図柄の視認性が阻害される間、例えば通常装飾図柄が非表示となる間に表示される。代替図柄は、当否判定結果を演出的に示唆するための装飾図柄の一形態であり、通常装飾図柄よりも簡略化(言い換えれば簡易化、簡素化)された表示形態を有し、通常装飾図柄よりも簡略化された変動過程にて表示される。代替図柄は、通常装飾図柄の図柄種類を示す部分に対応した外観上の表示形態を有し、例えば、図柄種類を示す数字、文字、記号を表す表示形態を有する。また代替図柄は、通常装飾図柄が変動表示される領域よりも狭い領域で変動表示され、典型的には図柄以外の要素によるメイン演出を阻害しにくい位置、例えば演出表示装置60の画面の隅で変動表示される。代替図柄は、通常装飾図柄よりも相対的に小さく表示されるが、少なくとも図柄種類が外観上識別可能となる表示形態を有する。なお代替図柄は、通常装飾図柄をそのまま縮小したものでもよく、サイズ以外は通常装飾図柄と同一であってもよい。
複数の通常装飾図柄の代わりに表示される複数の代替図柄は、変動終了時の停止態様の組合せによって当否抽選の結果が遊技者に有利な状態となる期待度の高さを示唆する。例えば、複数の代替図柄は、3つの代替図柄のうち2つの図柄種類が揃ったリーチ状態となることによって当該変動における大当りの期待度が高いことを示唆する。また、リーチ状態となる左右図柄が「3」や「7」などの期待度が相対的に高いことを示唆する特定種類の図柄となることや、「1」や「2」などの期待度が相対的に低いことを示唆する種類の図柄となることによって、そのリーチ状態の期待度の高低を示唆してもよい。なお代替図柄は、外観上、確定的な停止状態になることはなく、微小な揺れが維持される仮停止状態になる。代替図柄の仮停止後に、代替図柄に代えて通常装飾図柄を表示させ、その通常装飾図柄を確定停止の状態で表示させてもよい。また、通常装飾図柄と代替図柄を排他的に表示するのではなく、表示期間の重複があってもよい。さらにまた、通常装飾図柄の視認性が阻害される所定の演出時に、通常装飾図柄の変動表示を継続するとともに代替図柄の変動を表示させてもよい。
計時手段307は、遊技に使用する時間情報を出力する計時回路である。計時手段307は、電源投入時からの時間をカウンタで計測して時間情報として出力するタイマ回路である。ただし、電池を内蔵してぱちんこ遊技機100の電源オフ時や停電時も電池によって日時を計測し続けられるリアルタイムクロック回路でもよい。リアルタイムクロック回路の場合、個体差や時刻ズレによって遊技台ごとの時刻に微差が生じる可能性があるのに対し、タイマ回路の場合、同時に電源投入する限り複数の遊技台の間で時刻の差が生じる可能性は小さい。
演出決定手段303は、計時手段307により出力される時間情報が所定の時間を示したことを契機とする所定タイミングに開始する同調演出を実行する。同調演出は、図柄変動の変動期間や遊技状態とは実質的に非同期の期間である同調演出期間にて演出表示装置60に表示させる演出である。同調演出期間は数分間に及び、その長さは1回分の図柄変動時間よりも長く、複数回の図柄変動期間を包含し得る。同調演出の演出パターンはパターン記憶手段302に格納されており、その演出パターンには所定の楽曲と映像の再生が定められている。同調演出の演出パターンは複数種類用意され、月、日付、曜日、時刻などの日時によって異なる種類の演出パターンが選択され得る。
同調演出は通常遊技中か特別遊技中かを問わず実行される。ここで「通常遊技中」には、いわゆる待機デモ画面の表示中も含まれる。すなわち「通常遊技中」には、(1)図柄が変動表示されている「変動表示中通常遊技」、(2)図柄の変動表示中ではなく待機デモ画面の表示中でもない「変動停止中通常遊技」、(3)図柄の変動表示中ではなく待機デモ画面の表示中である「待機デモ画面表示中通常遊技」、が含まれる。(1)〜(3)のいずれの期間中も同調演出は実行され得るが、(2)および(3)のときは同調演出における音量低減や輝度低減などの制御をする出力態様が(1)のときとは異なり得る。また、待機デモ画面表示中は、遊技者による演出ボタン109や十字キー110の操作によって後述の携帯連携システムに関する情報を入力でき、その操作入力があったときは同調演出の映像および音声の出力が抑制され、携帯連携システムによる演出カスタマイズなどの画面表示が優先される。
同調演出は、例えば所定の楽曲の演奏や映像を所定の時間(「同調演出開始時間」と呼ぶ)に再生する演出である。同調演出を再生する契機となる時間は、ぱちんこ遊技機100の電源投入時から所定時間間隔を挟んで到達する時間であってもよいし、標準時を基準とした毎正時または正時半の時刻であってもよい。あるいは、日付または曜日によって異なり得る時刻が設定されてもよく、「1時間ごと」のように一定間隔ではなく、最初は1時間後、次は3時間後、というように間隔が異なったり、その間隔が日付や曜日によって異なったりしてもよい。遊技店ごとに遊技店員によって時間を指定できる可変設定であってもよい。ただし、同じ遊技店に設置される複数台の同一機種間において少なくとも同じ時刻で同じ同調演出が実行されるようあらかじめ設定される。例えば、電源投入時から所定時間間隔を挟んで到達する時間を契機とする仕様の場合、遊技店においては複数台を同時に電源投入する。これにより、所定時間となったことを契機にそれら複数の遊技台において一斉に同じ同調演出が実行される。その結果、あたかも複数台で同期しているように同時に演出が表示され、同時に同じ楽曲や映像が流れることでその場でライブ演奏や映画の上映がなされているかの如く臨場感のある相乗的な演出効果が得られる。
同調演出の機能は同じ機種の別の遊技台にも同様に内蔵されており、同じ遊技島における複数の遊技台は毎日遊技店員によって同時に電源投入される。そして、同時に電源投入される複数の遊技台はすべてほぼ同時に同調演出開始時間を迎えることとなり、一斉に同時進行で同調演出を実行し得ることになる。これを複数台同期演出と呼ぶ。その場合、映像の表示が複数台で同調するだけでなく、効果音や背景音楽の出力もまた複数台で同調することとなり、同調する台数が多いほど一斉に演出を実行することによる相乗効果も高まる。
演出設定手段308は、遊技者の遊技履歴を記憶する。遊技履歴とは、遊技結果の履歴および演出結果の履歴を含む。遊技結果の履歴は、打球数、賞球数、大当り回数、確変回数、時短回数といった遊技の結果として遊技者が得られる出玉につながる遊技の結果である。演出結果の履歴は、遊技上の利益とは異なり、演出の内容や種類を変更できる権利や特定種類の演出を出現しやすくできる権利が付与されるといった利益を獲得するために記録される演出上の得点等の情報である。例えば、所定の演出の出現回数やミニゲームの結果などを得点化して遊技者に付与するために、その得点や遊技履歴を示す符号化情報、例えば二次元コードを画面に表示する。その二次元コードを遊技者が自分の携帯端末のカメラで読み取って復号すると、復号により得られた得点や遊技履歴の情報が遊技者の携帯端末に蓄積される。二次元コードを介した遊技機と遊技者の携帯端末との連携システムについては後述する。なお、ここでいう得点は、後述の演出カスタマイズの幅を広げるために必要となるもので、得点が所定の累積値に達すること(例えば1000ポイントに到達することや、100ポイント到達ごと、など)を契機として、カスタマイズ可能な項目が増加する仕様である。
演出設定手段308は、遊技者の選択指示および遊技履歴に基づき、演出カスタマイズとして複数種類の演出内容の選択肢からいずれを選択するかの設定を記憶する。例えば、特別遊技中に表示させる演出パターンとして、表示されるモチーフやキャラクタや楽曲が異なる複数種類の演出パターンがパターン記憶手段302に用意され、そのうちいずれの演出を表示させるかを遊技者に選択させることとする。または、図柄変動させる装飾図柄に含まれる絵柄のデザインとして複数種類のモチーフまたはキャラクタの絵柄がパターン記憶手段302に用意され、そのうちいずれの絵柄を表示させるかを遊技者に選択させることとする。それらの場合に、待機デモ画面の表示中に遊技者による演出ボタン109や十字キー110の操作を受け付け、その操作を介して演出パターンの選択がなされると、演出設定手段308はその選択内容を記憶する。演出決定手段303は、演出設定手段308により記憶された設定に応じて、特別遊技中の演出パターンの種類を選択する。
サブ初期処理実行手段360は、ぱちんこ遊技機100の電源投入時または電源断復帰時におけるサブ基板300の制御開始処理を実行する。サブ電断処理実行手段362は、電源断などの電源異常発生時にサブ基板300における電源断処理などの異常時対応処理を実行する。サブエラー検出手段364は、サブ基板300における異常検知処理を実行する。サブエラー検出手段364が電源断を検出すると、サブ電断処理実行手段362は、電源断処理としてRAMのデータをバックアップ用RAMにバックアップする。
図10は、携帯連携システムの概略を模式的に示す図である。携帯連携システムの前提として、遊技者はあらかじめ携帯端末354で専用サイトが設けられた遊技履歴サーバ358にアカウントおよびパスワードを設定することでユーザ登録しておく。遊技開始時において遊技者により演出ボタン109が押下されたとき、演出表示制御手段305が演出表示装置60の画面に遊技履歴サーバ358の専用サイトのアドレスを符号化した二次元コード350を表示させ、それを遊技者に携帯端末のカメラで読み取らせて遊技履歴サーバ358の専用サイトにアクセスさせる。その専用サイトから遊技者の識別情報や演出得点履歴を符号化した文字情報(これを「パスワード情報」とも呼ぶ)が携帯端末に送信され、携帯端末の画面に表示される。そのパスワード情報の入力画面を演出表示制御手段305が演出表示装置60に表示させ、十字キー110等のボタン操作を介して遊技者に入力させる。入力されたパスワード情報を演出設定手段308が復号して遊技者の識別情報や演出得点履歴として登録することにより、その遊技者の前回までの遊技内容や演出得点状態を引き継ぐことができる。このパスワード情報の入力が、その遊技者の遊技履歴の記録開始指示および各種演出要素を選択する演出カスタマイズの開始指示となる。以降、ぱちんこ遊技機100においては遊技や演出の進行に伴い、演出設定手段308がその遊技者に対して演出上の利益として付与する得点を随時加算して演出得点履歴として累積させるとともに、遊技者は随時、演出カスタマイズを実施して、各種演出要素として好みの要素を選択して設定することができる。演出上の得点付与は、図柄変動ごとに加算することを基本とし、特別遊技への移行期待度が高い演出種類ほど高い得点を付与し、特別遊技へ移行したときも高い得点を付与する。
演出カスタマイズとして、遊技者は累積的に獲得した得点の一部を利用し、その利用するポイント数に応じて、演出表示装置60に表示される演出内容を構成する色、背景、形状、キャラクタ、楽曲などの演出要素を好みの種類に変更することができる。演出設定手段308は、遊技者によるボタン操作を介した演出要素の変更指示を受け取り、その指示に応じて各種演出要素を変更する。カスタマイズできる演出要素は、その要素ごとに複数種類の項目が用意され、項目ごとに必要なポイント数として異なる値が設定されている。したがって、累積された得点が所定値に達することを契機にカスタマイズ可能な項目が増え、あるいはカスタマイズ可能項目を増加させるチャンスが付与されることとなる。遊技者が遊技ないし演出カスタマイズの終了指示としてボタン操作をすると、演出設定手段308は、演出上の特典や演出得点履歴などの情報を符号化した二次元コード350を生成し、これを演出表示制御手段305が演出表示装置60に表示する。その二次元コード350を遊技者が自身の携帯端末のカメラで読み取り、その読み取った二次元コード352を復号することにより情報を取得して携帯端末354に蓄積できる。またその情報は携帯端末354から専用サイトのある遊技履歴サーバ358へネットワーク356を経由して送信され、自身のアカウント情報と紐付けられて管理される。このように、演出上の特典や演出得点履歴などの情報が二次元コード350の表示およびその読み取りという伝送手段を介して携帯端末354へ伝達され、遊技履歴サーバ358にて管理されることで、次回の遊技で遊技や演出の内容を引き継ぐことができる。また、長く遊技を続けることで図柄変動回数や演出回数が増える分、得点を得ることができる。
図11は、メイン基板200およびサブ基板300のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。メイン基板200は、メインCPU290、メインRAM291、メインROM292などの電子部品を含む。メインROM292には、遊技動作全般を制御するためのメイン制御プログラムおよびデータがあらかじめ格納される。メインROM292からメイン制御プログラムまたはデータがメインRAM291へ読み込まれ、メイン制御プログラムがメインCPU290によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。各入球口からの入球信号や払出制御基板155からの払出信号などは図示しない各種インタフェースを介してメインCPU290により取得される。メインCPU290は、図示しない各種駆動回路により各入賞口ソレノイドや第1特別図柄表示部41、第2特別図柄表示部42などの外部装置を駆動制御する。また、メインCPU290からサブ基板300へは、演出制御に必要な命令が当否抽選の結果や図柄の決定結果、変動パターンの決定結果などの情報とともに送信される。メイン基板200からサブ基板300へは、一方向通信で信号が送信される。
メイン基板200からサブ基板300へ送信する命令データは、いわゆるMODEデータと呼ばれる1バイトの命令種別データと、いわゆるEVENTデータと呼ばれる1バイトの命令内容データとの組合せによる2バイト構成である。メイン基板200は、命令種別データおよび命令内容データを対応付けてサブ基板300へ送信することで一命令を送ることができる。命令種別データは、命令の種別を示すビット列であり、あらかじめ命令の種別ごとに開発段階で一意の種別コードを割り当ててある。命令内容データは、命令の内容を示すビット列である。命令種別データおよび命令内容データの最上位ビットは命令種別データと命令内容データのいずれであるかを示す識別ビットであり、最上位ビットが1のときは命令種別データであることを示し、最上位ビットが0のときは命令内容データであることを示す。
メイン基板200からサブ基板300への通信は、1回のデータ送信につき1バイトのデータを送信する仕様のため、2バイトの命令データを送信するために1バイトずつ2回の送信が必要となる。1回目の通信で上位バイトであるMODEデータを送信し、2回目の通信で下位バイトであるEVENTデータを送信する。ノイズ等の影響による通信失敗の可能性を考慮し、メイン基板200は同じデータを連続で送信し、サブ基板300により同じデータが2連続で読み込まれた時点でそのデータの送受信の完了を確定する。2連続で読み込まれるまではメイン基板200は同じデータを繰り返し送信し、最大5回まで送信する。
サブ基板300は、サブCPU310、サブRAM311、サブROM312、演出制御装置313などの電子部品を含む。サブROM312は、演出過程が定義された演出パターンデータや演出表示過程が定義された表示パターンデータなどを含むサブ制御プログラムを保持するデータ格納手段の一つである。サブROM312から演出パターンデータ、表示パターンデータ、音声パターンデータを含むサブ制御プログラムがサブRAM311へ読み込まれ、そのサブ制御プログラムによる演出制御がサブCPU310によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。演出ボタン109などの外部装置からの信号は図示しない各種インタフェースを介してサブCPU310により取得される。サブCPU310は、演出パターンデータにしたがって、演出制御装置313、図示しない各種駆動回路や制御回路により演出表示装置60、スピーカー108、装飾ランプ111、可動役物66などの外部装置を駆動して表示出力、音声出力、ランプ点灯、役物動作による演出を制御する。サブCPU310は、表示パターンデータおよび音声パターンデータを演出制御装置313へ送信する。なお、本実施例ではサブ基板300が演出制御装置313を内包する例を説明するが、サブ基板300と演出制御装置313とは基板として一体化していることを要さず、分離して互いに接続された別個の基板として形成されてもよい。
図12は、演出制御装置313のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。演出制御装置313は、制御CPU320、制御RAM322、データROM324、表示制御回路326、音声制御回路314を含む。データROM324は、演出表示に用いられる演出画像データおよびモーションデータや、音声出力に用いられる音声データなどの素材データをデータ圧縮した状態で保持するデータ格納手段の一つである。演出画像データは、当否抽選の判定結果などを示す演出オブジェクトとして変動表示や演出表示に用いられる画像であり、例えば装飾図柄変動に用いる装飾図柄のスプライト画像、予告演出に用いるスプライト画像、各種演出に用いる動画といった素材画像である。モーションデータは、各種演出に用いる画像に所定タイミングで演出的な動作を加える場合のその動作が定義されたデータである。音声データは、演出中に出力される楽曲、背景音、効果音、キャラクタのセリフといった音声のデータである。
サブCPU310から送られた表示パターンデータに基づいて、その表示パターンデータに指定された演出画像データやモーションデータがデータROM324から制御RAM322へ読み出され、その演出画像データやモーションデータを用いた演出表示が制御CPU320によって実行される。その結果、制御CPU320から表示制御回路326へ演出表示に関するコマンド、演出画像データ、モーションデータが送信され、表示制御回路326により表示制御がなされる。同様にして、制御CPU320から音声制御回路314へ音声出力に関するコマンド、音声データが送信され、音声制御回路314により音声出力制御がなされる。
表示制御回路326は、デコーダ332、描画メモリ334、描画回路336、フレームバッファ338、表示回路340を含み、それぞれがバス330を介して接続される。本図のバス330は、便宜上、システムバス、データバス、アドレスバスなどのバスを包括的に示したものである。
制御CPU320から送られた演出画像データやモーションデータは描画メモリ334に格納され、それらのデータのうち圧縮されたデータはデコーダ332によって復号される。描画メモリ334は、演出画像データやモーションデータをデコーダ332により復号する場合のワークエリアとして用いられたり、描画回路336による描画処理や画像処理を実行する場合のワークエリアとして用いられたりするVRAM(VideoRAM)である。
描画回路336は、描画メモリ334に格納されたデータを用い、制御CPU320から送られたコマンドを順に実行して表示用画像を生成し、その生成された表示用画像を動画像のフレームとしてフレームバッファ338に格納する。フレームバッファ338は、演出表示装置60へ出力すべき動画像のフレームを一時的に格納するバッファメモリとしてのVRAMである。
表示回路340は、フレームバッファ338に格納された表示用画像を格納された順に映像信号の形で演出表示装置60へ出力する。フレームバッファ338は、例えば2フレーム分のメモリ領域を有し、表示回路340が1フレーム分のメモリ領域から表示用画像を出力する間に、描画回路336が次の表示用画像を生成して、もう1フレーム分のメモリ領域に格納する。
なお、データROM324には、表示制御回路326によりなされる表示制御過程が定義された「詳細表示パターンデータ」が保持されている。このとき、サブCPU310から送られる表示パターンデータは、演出表示過程の概要が定義される「概略表示パターンデータ」ということができる。例えば、概略表示パターンデータには、装飾図柄の変動開始および変動停止タイミングや、複数の動画像の再生順序や、再生開始および停止のタイミングなど、一連の演出表示過程の大まかな流れが定義される。一方、詳細表示パターンデータには、装飾図柄の変動表示を実現するためのスプライト画像の表示順序や、モーションデータに基づく動画像を表示するためのフレーム単位での表示処理順序など、細かな表示制御過程が定義される。
演出制御装置313は、サブCPU310から送られた「概略表示パターンデータ」に基づく表示制御をする場合、その処理に必要な「詳細表示パターンデータ」をデータROM324から読み出し、双方の表示パターンデータを用いて表示処理を実行する。したがって、演出制御装置313は、「概略表示パターンデータ」および「詳細表示パターンデータ」を含む表示パターデータに基づいて表示制御処理を実行するということができる。そこで、本明細書においては、明示的に言及しない限り、サブROM312に格納される「概略表示パターンデータ」とデータROM324に格納される「詳細表示パターンデータ」を区別せず、単に「表示パターンデータ」という。例えば、演出制御手段が、データ格納手段に保持される表示パターンデータに基づき特定の処理をするという場合、この表示パターンデータには、「概略表示パターンデータ」と「詳細表示パターンデータ」を含むものとする。なお、変形例においては、表示パターンデータが、「概略表示パターンデータ」と「詳細表示パターンデータ」とに分かれておらず、双方を兼ねる表示パターンデータがサブROM312またはデータROM324に保持されていてもよい。
本実施例では、演出制御装置313のハードウェア構成として、制御CPU320、制御RAM322、データROM324および表示制御回路326が含まれる構成を示している。変形例においては、制御CPU320、制御RAM322、データROM324および表示制御回路326が、それぞれ別の電子部品として構成されるのではなく、一体化されていてもよい。また、表示制御回路326によって実行されるとした処理が、制御CPU320、制御RAM322またはデータROM324により実行されてもよい。例えば、演出制御装置313に含まれる制御CPU320が、表示制御回路326に含まれるデコーダ332、描画回路336、表示回路340により実行されるとした処理を実行してもよい。また、演出制御装置313に含まれる制御RAM322が描画メモリ334やフレームバッファ338の機能を兼ねてもよい。その他、演出制御装置313に表示制御回路326が含まれないハードウェア構成であってもよく、この場合、表示制御回路326により実行されるとした処理が、制御CPU320、制御RAM322またはデータROM324により実行されてもよい。
また、本実施例では、サブ基板300のハードウェア構成として、サブCPU310、サブRAM311およびサブROM312の他に、演出制御装置313が含まれる構成を示している。変形例においては、サブCPU310、サブRAM311、ROM312および演出制御装置313が、それぞれ別の電子部品として構成されるのではなく、一体化されていてもよい。また、演出制御装置313によって実行されるとした処理が、サブCPU310、サブRAM311またはサブROM312により実行されてもよい。例えば、サブCPU310が制御CPU320の処理を実行してもよいし、サブRAM311が制御RAM322の機能を兼ねてもよいし、サブROM312がデータROM324の機能を兼ねてもよい。その他、サブ基板300に演出制御装置313が含まれないハードウェア構成であってもよく、この場合、演出制御装置313により実行されるとした処理が、サブCPU310、サブRAM311またはサブROM312により実行されてもよい。
図13は、ぱちんこ遊技機におけるメイン基板200の制御開始処理を示すフローチャートである。この制御開始処理は、メイン初期処理実行手段280により実行されるが、以降、メイン初期処理実行手段280として機能するメインCPU290が実行するものとして説明する。電源スイッチ150が投入されると、メインCPU290は、スタックポインタを設定し(S100)、メインRAM291へのアクセスを許可し(S102)、メインCPU290の内蔵レジスタの設定などのハードウェアに関する初期設定を実行する(S104)。
つづいて、RAMクリアスイッチの操作状態、電源断情報フラグの値、及びメインRAM291に格納されているデータの状態に応じて、電源断復帰処理又はメインRAM291の初期化処理を実行する。具体的には、RAMクリアスイッチがONされず、かつ、電源断情報フラグの値と、メインRAM291に格納されているデータとの双方が正常であった場合は、電源断復帰時の処理を実行する。それ以外の場合、すなわち、RAMクリアスイッチがONされた場合、又は、RAMクリアスイッチがONされなかった場合でも、電源断情報フラグと、メインRAM291に格納されているデータとのいずれかが正常でなかった場合は、メインRAM291の初期化処理を実行する。
メインCPU290は、RAMクリアスイッチの操作状態を確認し、RAMクリアスイッチがONされた場合(S106のY)、メインRAM291を初期化する(S116)。RAMクリアスイッチがONされなかった場合(S106のN)、メインCPU290は、電源断情報フラグの値を確認する(S108)。電源断情報フラグの値が電源断正常データと一致しなければ(S108のN)、メインRAM291を初期化する(S116)。電源断情報フラグの値が電源断正常データと一致すれば(S108のY)、メインRAM291に格納されているデータを検査する(S110)。後述するように、前回の電源断時に処理が正常に終了していれば、メインRAM291に格納されていたデータのチェックサムがメインRAM291に格納されているので、メインCPU290は、チェックサムを用いてメインRAM291のデータを検査する。メインRAM291に格納されているデータが正常でなければ(S112のN)、メインRAM291のデータを初期化する(S116)。メインRAMに格納されているデータが正常であれば(S112のY)、電源断前の状態に復帰するための処理を実行する(S114)。
電源断復帰処理(S114)において、電源投入が正常に行われたことを示す電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、各種エラーの初期設定及び払出制御基板155との通信初期設定を実行する。つづいて、電源断前の未送信分のコマンド要求をクリアし、遊技状態を示す各種情報のコマンド送信を要求する。つづいて、第1特別図柄及び第2特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。つづいて、第2始動口12及び大入賞口20の開放/閉鎖状態を電源断前の状態に復帰させる。つづいて、特別図柄の確率変動機能の作動状態を報知するための処理を実行する。
RAM初期化処理(S116)において、電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、メインRAM291の全領域を0でクリアし、メインRAM291の初期設定及び演出表示器の初期化を実行する。
電源断復帰処理(S114)又はRAM初期化処理(S116)が終了すると、後述する割込処理を起動するためにカウント値をセットし、割込タイマの動作を開始させる(S118)。これにより、以降、所定の時間(例えば4ミリ秒)ごとにタイマ割込が発生し、後述する割込処理が実行される。つづいて、メインCPU290は、遊技機を管理するためのメイン処理を実行する(S120)。
図14は、図13におけるS120のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。メインCPU290は、タイマ割込をいったん禁止し(S200)、ウォッチドッグタイマの動作を開始させ(S202)、電源断を監視する(S204)。図示しない電源電圧監視回路において電源基板158から供給される電源電圧の低下が検出されると、電源電圧監視回路からメインCPU290に無条件割込要求信号が入力されることにより実行される電源断記憶処理において、電源断確認データが電源断確認フラグに格納される。したがって、メインCPU290は、電源断確認フラグの値を監視し(S204)、電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致する場合は(S206のY)、電源断のための処理を実行するために、S212に進む。電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致しない場合は(S206のN)、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新するため、初期値乱数更新処理を実行し(S208)、タイマ割込を許可して(S210)、S200に戻る。以降、S200〜S210が繰り返される。タイマ割込が禁止されている間(S202〜S208)にタイマ割込が発生した場合、S210においてタイマ割込が許可された後に、後述する割込処理を実行する。
S206において電源断が検知されると(S206のY)、メインCPU290は、ウォッチドッグタイマをリスタートさせ(S212)、電源断情報フラグの内容を確認する(S214)。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致しない場合は(S214のN)、電源投入時のデータが正常に保存されていないと判断し、電源断異常データを電源断情報フラグに格納して(S216)、S222に進む。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致する場合は(S214のY)、電源投入時のデータが正常に保存されていると判断し、電源断正常データを電源断情報フラグに格納する(S218)。つづいて、次回の電源投入時に、バックアップされたメインRAM291のデータを検査するために、メインRAM291に格納されているデータのチェックサムを算出してメインRAM291に格納する(S220)。つづいて、メインRAM291へのアクセスを禁止して(S222)、電源が落ちるまでループする。なお、上記の電源断時の処理は、メインCPU290により実現されるメイン電断処理実行手段282が実行する。
図15は、割込処理の詳細を示すフローチャートである。メイン処理(S120)においてタイマ割込が発生すると、メインCPU290は割込処理を実行する。まず、割込動作条件を設定し(S300)、ウォッチドッグタイマをリスタートさせる(S302)。つづいて、遊技機を管理するため、入力処理(S304)、各種乱数更新処理(S306)、初期値更新型乱数更新処理(S308)、初期値乱数更新処理(S310)、タイマ減算処理(S312)、第2始動口有効期間設定処理(S314)、入賞監視処理(S316)、賞球制御処理(S318)、普通図柄作動ゲート監視処理(S320)、普通図柄制御処理(S322)、普通図柄変動開始監視処理(S324)、始動口監視制御処理(S326)、特別図柄制御処理(S328)、特別電動役物制御処理(S330)、大入賞口有効期間設定処理(S332)、特別図柄変動開始監視制御処理(S334)、異常検知処理(S336)、入球通過時間異常検出処理(S338)、遊技状態表示処理(S340)、ハンドル状態信号検査処理(S342)、LED出力処理(S344)、発射制御信号出力処理(S346)、試験信号出力処理(S348)、ソレノイド出力処理(S350)、演出制御コマンド送信処理(S352)、外部情報出力処理(S354)を順に実行し、次回のタイマ割込を許可して(S356)、リターンする。
入力処理(S304)において、遊技盤面に取り付けられているスイッチ、断線短絡電源異常検知信号、扉・枠の開放信号、磁気検知信号、電波検知信号、及びタッチ状態信号の入力ポートのデータを監視し、入力状態を示すデータを作成してメインRAM291に格納する。なお、この入力状態を示すデータは、レベルデータ(今回の割込時における入力ポートのデータ)と、立ち上がりデータまたは立ち下がりデータ(今回の割込時における入力ポートのデータと前回の割込時における入力ポートのデータを排他的論理和で比較して切り替わりが見られたスイッチを示すデータ)である。
各種乱数更新処理(S306)において、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数を更新する。普通図柄変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値が所定の最大値未満である場合は値をインクリメントして格納し、値が所定の最大値以上である場合は0を格納する。また、変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値から所定値を減算した結果が0以上である場合は減算結果を格納し、0未満である場合は所定の最大値を格納する。これにより、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新される。
初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新する。それぞれの乱数の値、最大値、及び初期値をメインRAM291から読み出し、乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、最大値を超えた場合は、乱数の値を0とする。また、インクリメントした結果が、初期値に一致した場合は、初期値乱数をメインRAM291から読み出し、初期値を更新する。これにより、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新され、乱数の値が初期値に戻ると、すなわち乱数の範囲を一巡すると、新たに初期値を設定し直して乱数が生成される。
初期値乱数更新処理(S310)において、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。メインRAM291の初期値乱数更新テーブルから初期値乱数を読み出し、初期値乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、上限値を超えていた場合は、初期値乱数の値を0とする。メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)においても、同様の処理が実行される。
タイマ減算処理(S312)において、2バイトタイマを更新する。各種制御用のタイマの値をそれぞれテーブルにしたがってメインRAM291から読み出し、タイマの値が0以外である場合、値を順次デクリメントして格納する。タイマの値が0である場合、タイマの更新は実行しない。
第2始動口有効期間設定処理(S314)において、第2始動口12の有効期間を設定する。第2始動口12には、遊技球の入球により賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選が実行される有効期間と、遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選が実行されない無効期間が設定される。後述するように、始動口監視制御処理(S326)において、第2始動口12の無効期間には、第2始動口入賞の監視処理を実行しないので、第2始動口12に遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選は実行されない。第1始動口11、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口33などに、有効期間及び無効期間が設定される場合についても同様である。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」である場合、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有効期間であることを示すデータを格納する。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」でない場合、第2始動口有効延長タイマの値が0でなければ、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有効期間であることを示すデータを格納し、第2始動口有効延長タイマの値が0であれば、第2始動口有効期間フラグに第2始動口が無効期間であることを示すデータを格納する。
入賞監視処理(S316)において、遊技球のスイッチ通過を検査し、遊技球がスイッチを通過したとき、そのスイッチに無効期間がない、又は、現在有効期間である場合で、かつ、賞球払い出しがある場合、入賞カウンタを更新する。また、外部情報出力端子160へ出力するセキュリティの出力要求の作成及びコマンドの送信を要求する。
賞球制御処理(S318)において、払出制御基板155からのデータ受信の監視、払出制御基板155へのコマンド送信要求、払出制御基板155へのコマンド送信、及び払出制御基板155からの受信データの検査を、順に実行する。
普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球の第1作動口31、第2作動口32の通過を監視し、遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断したとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合は、普通図柄の保留数を更新し、普通図柄に係る乱数をメインRAM291に格納する。
普通図柄制御処理(S322)において、普通図柄の状態を監視し、普通図柄制御中と判断した場合、普通図柄表示部45又は普通電動役物90に係る処理を実行する。普通図柄の状態が「普通図柄変動中」である場合、普通図柄変動中処理を実行し、「普通図柄停止図柄表示中」である場合、普通図柄停止図柄表示中処理を実行し、「普通電動役物作動中」である場合、普通電動役物作動中処理を実行し、「普通電動役物作動終了デモ中」である場合、普通電動役物作動終了デモ中処理を実行する。普通図柄変動中処理において、普通図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、普通図柄の変動時間終了と判断した場合、普通図柄の変動停止設定を行って、普通図柄の状態を「普通図柄停止図柄表示中」に設定する。普通図柄停止図柄表示中処理において、普通図柄の停止図柄表示時間を監視し、普通図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した普通図柄の作動終了設定を実行する。当りの場合は、普通図柄の状態を「普通電動役物作動中」に設定し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態を保存し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態に対応した普通電動役物ソレノイド91の作動設定を実行する。はずれの場合は、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。普通電動役物作動中処理において、遊技球の普通電動役物90に係る入賞口の入賞を監視し、普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達したと判断した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達していないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の監視、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定を行い、一連の普通電動役物90の入口の開放が終了したと判断した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。なお、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の終了でないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定は実行しない。普通電動役物作動終了デモ中処理において、普通電動役物90の作動終了デモ時間の監視を行い、普通電動役物90の作動終了デモ時間終了と判断した場合、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。
普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の状態を監視し、「普通図柄変動待機中」であり、かつ、普通図柄作動保留球数の値が0以外である場合、普通図柄の変動を開始させると判断する。普通図柄の変動を開始させると判断した場合、普通図柄作動保留球数をデクリメントし、当り判定、停止図柄の決定、普通図柄の変動パターン番号の設定、及び普通図柄の変動時間の設定を実行する。その後、普通図柄の状態を「普通図柄変動中」に設定し、普通図柄の状態設定、当り判定、及び変動パターン決定に使用したメインRAM291の領域をクリアする。
始動口監視制御処理(S326)において、遊技球の第1始動口11入賞及び第2始動口12入賞を監視する。第1特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合は、内蔵乱数を取得し、取得した内蔵乱数に特別図柄当りソフト乱数の値を加算した値を、大当り判定で使用する特別図柄当り乱数としてバッファに格納する。また、特別図柄に係る乱数として、図柄乱数及び変動パターン乱数を取得して記憶する。第2特別図柄の保留を第1特別図柄の保留に優先して消化する場合は、当該入賞に係る保留の更新のみを実行するが、特別図柄の保留の消化順序が入賞順である場合は、当該入賞に係る保留の更新のほか、合計保留数の更新及び入賞順序の記憶を実行する。つづいて、始動口入賞時に記憶する乱数に対応した予告演出コマンドを要求するため、遊技機の状態を確認し、コマンド送信期間と判断した場合、当り予告演出要求、当り図柄予告演出要求、パターン予告演出要求を順に実行する。ここで、(1)当り待ち中で、かつ、普通図柄の確率変動機能が未作動中に、第1特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(2)当り待ち中で、かつ、普通図柄の確率変動機能が未作動中に、第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(3)大当り中又は小当り中に第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合のいずれかに該当する場合に、コマンド送信期間であると判断する。つづいて、特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の作動保留球数が更新されたことが、サブ基板300に通知される。以上のように、先読みにおいては、事前判定情報(事前当否判定情報、事前図柄判定情報、事前パターン判定情報)、保留球数の4つがセットとしてサブ基板300に送信される。なお、上記の例では、メインCPU290において、事前判定処理のためのコマンドの送信を制御したが、別の例では、始動口への入球がある場合には一様に送信を行い、先読み可能期間であるか否かなどの各種の状況判断は、サブCPU310が行ってもよい。つづいて、第2始動口有効期間フラグの値を検査し、第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が有効期間であることを示すデータである場合、第1始動口入賞の場合と同様に、第2始動口入賞の監視処理を実行する。第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が無効期間であることを示すデータである場合、第2始動口入賞の監視処理は実行しない。なお、保留球数が0であったときに遊技球の入賞を確認した場合には、ここでいったん保留球数を0から1にした上で、後述する変動開始に係る制御処理が実行される。
特別図柄制御処理(S328)において、当り待ち状態の検査を行い、特別電動役物が作動中、すなわち、大当り中又は小当り中である場合、特別図柄制御処理を終了する。特別電動役物が未作動である場合、特別図柄の状態を検査し、「特別図柄変動待機中」であれば、特別図柄制御汎用処理を終了し、「変動開始」であれば、特別図柄変動開始処理を実行し、「特別図柄変動中」であれば、特別図柄変動中処理を実行し、「特別図柄停止図柄表示中」であれば、特別図柄停止図柄表示中処理を実行する。特別図柄変動開始処理において、変動パターン乱数に基づいて特別図柄変動パターンの選択番号を取得し、特別図柄変動パターン番号に対応した変動時間を決定し、サブ基板300に演出表示を開始させるため、変動付加図柄情報、変動パターン、及びキャラクタの情報のコマンドを要求し、特別図柄の状態を「特別図柄変動中」に設定し、特別図柄変動パターンの決定に使用した変動パターン判定領域を0でクリアする。特別図柄変動中処理において、特別図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、特別図柄の変動時間終了と判断した場合、特別図柄の変動停止設定を行って、特別図柄の状態を「特別図柄停止図柄表示中」に設定する。特別図柄停止図柄表示中処理において、特別図柄の停止図柄表示時間を監視し、特別図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した特別図柄の作動終了設定を実行する。大当りの場合は、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、特別電動役物が連続して作動する回数の設定を行い、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能、普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、及び普通電動役物の開放延長機能を未作動にし、遊技機の状態を大入賞口開放準備中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求、及び発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。当り判定の結果が小当りである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、遊技機の状態を小当り開始デモ中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求、及び発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。当り判定の結果がはずれである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。
特別電動役物制御処理(S330)において、特別電動役物に係る処理を実行するため、条件装置及び特別電動役物の作動状態を検査し、条件装置が作動中又は特別電動役物が作動中と判断した場合、特別電動役物に係る処理を実行する。特別電動役物の作動状態に応じて、大入賞口開放準備中処理、特別電動役物作動中処理、大入賞口閉鎖中処理、大当り終了デモ中処理、小当り開始デモ中処理、小当り特電作動中処理、小当り大入賞口閉鎖中処理、小当り終了デモ中処理を実行する。
大入賞口有効期間設定処理(S332)において、大入賞口20の有効期間判定の結果を保存するため、大入賞口有効時間の値が0である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口無効期間データを格納し、0以外である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口有効期間データを格納する。
特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、特別図柄の作動状態を監視し、特別図柄が変動開始できる状態であるか否かを判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、第2特別図柄の優先消化である場合、(1)大当り中又は小当り中でないこと、(2)第1特別図柄が変動待機中であること、(3)第2特別図柄が変動待機中であること、(4)当該特別図柄の作動保留球数が0以外であること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、入賞順である場合、上記(1)〜(3)に加えて、(5)特別図柄の保留球数の合計が0以外であること、(6)当該判定が消化順序すなわち入賞順と一致すること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。
特別図柄が変動開始できる状態であると判定された場合、当該特別図柄の作動保留球数を減算し、第1特別図柄及び第2特別図柄の保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の保留球数が更新されたことがサブ基板300に通知される。
つづいて、特別図柄の当り判定を実行する。当り判定において、特別図柄当り乱数により、大当り、小当り、はずれのいずれであるかが判定され、判定結果が、特別図柄判定フラグに格納される。つづいて、図柄を決定する。図柄の決定において、当り判定が大当りであった場合、特別図柄当り図柄乱数に基づいて大当り図柄が決定され、小当りであった場合、小当り図柄が決定され、はずれであった場合、はずれ図柄が決定される。
当り判定の結果が大当りであった場合、図柄の決定処理において決定された当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて、特別図柄の確率変動機能の作動内容を判定し、特別図柄の変動時間短縮機能の作動内容や、普通図柄の入賞容易状態を設定など、大当り終了後の遊技状態を設定する。つづいて、特別電動役物が連続して作動する回数や、大入賞口の開放時間の内容など、大当り中の設定を実行する。つづいて、当り判定の結果と、普通図柄の確率変動機能の作動状態に基づいて、大当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定する。つづいて、遊技状態及び当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて選択されたテーブルを参照して、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定する。つづいて、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアし、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
当り判定の結果が小当りであった場合、小当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定し、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定し、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。当り判定の結果がはずれであった場合、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
異常検知処理(S336)において、メインエラー検出手段284として機能するメインCPU290は、磁気検知信号、断線短絡電源異常検知信号、電波検知信号、扉・枠の開放信号を検査し、エラー状態に変化があった場合は、エラー状態を記憶して、サブ基板300に遊技機のエラー状態演出の表示を要求する。このとき、制御基板に搭載されたLED等の発光手段の発光態様をエラー状態に応じて制御してもよい。エラー状態に変化がなかった場合は、エラー状態の記憶及びエラー状態演出の表示要求は実行しない。
入球通過時間異常検出処理(S338)において、メインエラー検出手段284として機能するメインCPU290は、入球通過時間異常を検出するため、各スイッチレベルの連続オン時間の監視を行い、連続オン時間(例えば、スイッチがオンであるとき割込み毎にインクリメントするカウンタの値)が異常値であったと判断した場合、入球通過時間異常の設定、コマンドの送信要求、外部情報出力端子160へ出力するセキュリティの出力要求の作成を順に実行する。このとき、制御基板に搭載されたLED等の発光手段の発光態様を入球通過時間異常に応じて制御してもよい。連続オン時間が異常ではないと判断した場合は、セキュリティの出力要求の作成は実行しない。
遊技状態表示処理(S340)において、特別電動役物が連続して作動する回数、エラー状態、普通図柄の作動保留球数、及び特別図柄の作動保留球数の表示を要求するため、それぞれの表示データを作成する。
ハンドル状態信号検査処理(S342)において、ハンドルのタッチ状態を監視するため、ハンドル状態の検査を行い、検査の結果、ハンドル状態に変化ありと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの減算、ハンドル状態の更新、ハンドル状態監視タイマの設定、及びハンドル状態演出のコマンド送信要求を実行する。検査の結果、ハンドル状態に変化なしと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの設定を実行する。ハンドル状態監視タイマの値をデクリメントした結果が0以外の場合、タイマ減算中と判断して、以降の処理は実行しない。
LED出力処理(S344)において、特別図柄の表示、普通図柄の表示、特別図柄の作動保留球数の表示、普通図柄の作動保留球数の表示、遊技状態の表示、特別電動役物が連続して作動する回数の表示、役物連続作動装置未作動時の特別電動役物の作動状態の表示、打ち分けの表示及びエラーの表示を実行するために、表示の初期化、表示データの取得及び出力を順に実行する。
発射制御信号出力処理(S346)において、遊技球の発射の禁止/許可の信号を出力するため、払出制御基板155との通信状態及び断線短絡電源異常に対応した発射の禁止/許可の設定、及び発射の禁止/許可データの取得を行った後、発射の禁止/許可の信号の出力を実行する。
試験信号出力処理(S348)において、試験装置に出力する信号を作成し、対応した出力ポートに出力する。
ソレノイド出力処理(S350)において、普通電動役物ソレノイド91及び大入賞口ソレノイド92の出力データを出力するために、普通電動役物ソレノイド91の出力データの取得、大入賞口ソレノイド92の出力データの取得及び出力データの出力を実行する。それぞれのソレノイドの作動フラグ及び作動タイマを取得し、取得したソレノイド作動フラグ及びソレノイド作動タイマに対応した出力データを取得する。つづいて、ソレノイド作動タイマを更新し、出力データをソレノイド出力ポートへ出力する。
演出制御コマンド送信処理(S352)において、サブ基板300へ送信するコマンドの送信要求の有無を検査し、送信要求があると判断した場合、要求するコマンドデータを取得し、使用したコマンドバッファを0でクリアし、取得したコマンドデータに対応したMODEデータの取得、MODEデータの出力、MODEデータの保持、取得したコマンドデータに対応したEVENTデータの取得、EVENTデータの出力を順に実行する。
外部情報出力処理(S354)において、外部情報出力端子160に出力する信号を作成し、作成した信号を外部情報出力ポートに出力する。
上述したメイン基板200の動作過程において使用される乱数について、より詳細に説明する。メイン基板200において使用される乱数には、主に、普通図柄に係る乱数として、普通図柄当り乱数、及び普通図柄変動パターン乱数があり、特別図柄に係る乱数として、特別図柄当り乱数(ハード乱数)、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数がある。また、初期値更新型乱数である、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数の初期値を与えるための乱数として、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数がある。
普通図柄当り乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄乱数は、普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、当り判定及び停止図柄の決定のために使用される。
普通図柄変動パターン乱数は、例えば0〜232の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、普通図柄の変動パターンの決定のために使用される。
特別図柄当り乱数は、割込処理の始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、内蔵乱数と特別図柄当りソフト乱数の値を取得し、両者を加算することにより生成され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り乱数は、割込処理の特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、大当り判定及び小当り判定を実行するために使用される。
特別図柄当りソフト乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当りソフト乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、上述したように、特別図柄当り乱数を生成するために使用される。
特別図柄当り図柄乱数は、例えば0〜999(図6の例では0〜255)の値をとり、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、割込処理の特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、当り判定が大当りであった場合に、大当り図柄を決定するために用いられる。
変動パターン乱数は、例えば0〜49999(図7の例では0〜255)の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。変動パターン乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。変動パターン乱数は、割込処理の特別図柄制御処理(S328)において、特別図柄変動パターンを決定するために用いられる。
普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、それぞれ、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数と同じ範囲の値をとり、メイン処理(S120)の初期値乱数更新処理(S208)及び割込処理の初期値乱数更新処理(S310)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新するときに、それぞれの乱数の初期値として用いられる。
割込処理は、タイマ割込により一定時間ごとに実行されるので、割込処理に含まれる各種乱数更新処理(S306)及び初期値更新型乱数更新処理(S308)も、一定時間ごとに実行される。すなわち、普通図柄当り乱数、普通図柄変動パターン乱数、特別図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数は、一定時間ごとに更新される。これに対して、メイン処理(S120)は、割込処理が終了してから次のタイマ割込が発生するまでの間、すなわち、タイマにより計測される一定時間から割込処理に要した時間を減じた時間だけ繰り返される。割込処理に要する時間は、遊技状態などに応じて異なるので、メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)は、各種乱数更新処理(S306)や初期値更新型乱数更新処理(S308)と異なり、一定時間ごとに実行されるわけではない。これにより、初期値更新型乱数更新処理(S308)において初期値を設定する際に取得される初期値乱数を毎回ランダムにすることができる。
図16は、ぱちんこ遊技機におけるサブ基板300の制御開始処理を示すフローチャートである。この制御開始処理は、サブ初期処理実行手段360により実行されるが、以降、サブ初期処理実行手段360として機能するサブCPU310が実行するものとして説明する。サブ基板300の制御を開始すると、サブCPU310はスタックポインタを設定し(S500)、各種の初期設定が完了するまですべての割込を禁止し(S502)、サブCPU310のレジスタ設定やポート初期化といったハードウェアに関する初期設定を実行する(S504)。サブROM312から制御プログラムを読み出してサブRAM311に配置するとともに、制御プログラムにおける各種の変数のうち、初期値のある変数については初期値を設定し、初期値のない変数についてはゼロクリアのデータを設定することにより、サブRAM311を初期化する(S506)。なお、サブ基板300における割込処理は、最優先で実行される割込処理として、電源立ち上げ時の処理と、ウォッチドッグ機能が有効な場合における各種異常発生時のリセット処理とがある。次に実行優先度の高い優先レベル7の割込処理として、メイン基板200から受信するコマンド処理があり、その次に優先度の高い優先レベル3の割込処理として、ウォッチドッグタイマによるCPU暴走検知時のリセット処理がある。次に優先される優先レベル2の割込処理として、制御CPU320との間で送受信されるコマンドに係る処理があり、最も優先度の低い優先レベル1の割込処理として、リアルタイムクロックとの通信処理やランプ、ソレノイド、モータ等の各種デバイス制御処理等がある。以上の各種処理に関する割込が仮に同時に発生した場合には、割込の種類ごとにあらかじめ設定された優先度の高いものから優先して実行される。なお、本図に示す処理は、最優先レベルの割込である電源立ち上げ時の処理および各種異常発生時のリセット処理と、優先レベル3の割込であるCPU暴走検知時のリセット処理とを含む。
メイン基板200から受信するコマンド以外の割込(優先レベル7)を禁止し(S510)、あらかじめ記憶された全機種用のすべてのエラー情報から当該機種で使用する各種エラー情報を設定する(S512)。装飾ランプ111などのすべてのランプを消灯し(S514)、ウォッチドッグタイマの動作を開始し(S516)、メイン処理を実行する(S518)。通常はS518のメイン処理から本フローへ戻ることはないが、戻ったときはスリープ(小消費電力モード)へ移行する(S520)。
図17は、図16におけるS518のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。図16のS506においてサブRAM311に配置された制御プログラムが正確に配置されているかを本図のメイン処理内でチェックするためにそのチェックを開始する先頭アドレスを取得し(S530)、以降の処理においてすべての割込を許可し(S532)、モータやソレノイド等のデバイスの初期化動作を実行する(S534)。
ウォッチドッグタイマを使用する設定であればウォッチドッグタイマをクリアし(S536)、装飾図柄の外れの組合せがランダムの組合せになるように装飾図柄のカウンタを更新し(S540)、サブCPU310の入力ポートを監視する(S542)。なお、S540はカウンタを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式における処理であるため、外れ図柄となる全ての図柄組合せを組み込んだ抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式の場合にはS540の処理は実行しない。その抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する処理は、S552で後述する通りメイン基板200から特別図柄の停止図柄を示すコマンドを受信したときに実行する。サブエラー検出手段364として機能するサブCPU310は、エラー状態を監視して各種エラーを検知したときはそのエラーを報知し(S544)、演出ボタン109の入力状態に応じた処理を実行し(S546)、予告抽選を実行する(S548)。なお、S548における予告抽選は、特に図柄変動開始直後に出現させる予告演出のコマンドをできる限り早期に演出制御装置313へ送信するため、抽選処理を1回のループで処理するのではなく複数回のループに分け、図柄変動開始直後に出現させる予告演出を先のループで抽選する。リアルタイムクロック、ランプ、モータ、ソレノイド等のデバイスに対する動作要求があればその動作を実行し(S550)、コマンドバッファに保存されたコマンドを解析し(S552)、コマンド解析直後の場合はS536の処理へ戻り(S554のY)、コマンド解析直後でないときは(S554のN)、空き時間で行えばよい低優先度の処理として抽選用ソフト乱数を更新し(S556)、S536の処理に戻る。なお、S552において、解析するコマンドが特別図柄の変動パターンを示す場合は装飾図柄の変動演出パターンをこのS552の処理にて決定し、解析するコマンドが特別図柄の停止図柄を示す場合は抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式であれば装飾図柄の停止図柄をこのS552の処理にて決定する。
図18は、メイン基板200からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。メイン基板200から受信するメインコマンドは、リセット割込やエラー割込に次いで優先度の高い優先レベル7の割込命令である。メイン基板200から受信したデータを入力ポートへ読みに行き、2回連続で同じデータが読み込まれたときにそのデータを新たなコマンドとして確定し(S600のY)、その確定したコマンドが第1コマンド(MODEデータ)であれば(S602のY)、その第1コマンドを一時記憶領域に保存する(S604)。ハード乱数を後続の処理のために取得し(S606)、元のルーチンに戻る。このようにメイン基板200からメインコマンドの割込があるたびにハード乱数を取得しておくことにより、乱数の取得タイミングに周期性を生じさせず、値のランダム性を高める。S600において読み込まれたデータが2回連続で一致しなければ(最高5回まで読み込み可能)、S602をスキップして元のルーチンに戻る(S600のN)。
S602において、確定したコマンドが第1コマンドではなく第2コマンドの場合は(S602のN)、第1コマンドがすでに適切に受信済みであることが確認できれば(S608のY)、コマンドバッファ(コマンドデータ用のリングバッファ)における読み取り位置であるコマンドライトポインタを取得し(S610)、第1コマンドと第2コマンドとをコマンドバッファに保存する(S612)。コマンドバッファに保存されたコマンドデータは、図17のS552において解析される。コマンドライトポインタを更新し(S614)、一時記憶領域に保存させていた第1コマンドをクリアして(S616)、元のルーチンに戻る。S608において第1コマンドが受信済みでないときはS610以降をスキップして(S608のN)、元のルーチンに戻る。
図19は、演出表示制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、サブCPU310から制御CPU320へ演出表示に関するコマンドを送信するための優先レベル2の割込であり、500μs周期で発生する。この割込では、バッファをチェックし(S620)、バッファに送信用のコマンドデータがあれば(S622のY)、そのコマンドデータを読み込み(S624)、制御CPU320へ送信する(S626)。なお、制御CPU320へのコマンドデータの送信は、制御CPU320側で正常受信された旨を示すコマンドをサブCPU310が制御CPU320から受信するまで所定時間間隔で最大3回まで送信を試みる。送信後、バッファの読み出しアドレスの設定を更新し(S628)、元のルーチンに戻る。バッファに送信用のデータがなければ(S622のN)、S624以降をスキップして元のルーチンに戻る。
図20は、サブCPU310が制御CPU320からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。この割込もまた優先レベル2の割込である。サブCPU310が制御CPU320から受信するコマンドは、主にサブCPU310から制御CPU320へ送信したコマンドが正常受信された旨を示すコマンドである。制御CPU320からコマンドを受信した場合、受信したコマンドデータを読み出し(S630)、コマンドを解析し(S632)、コマンドバッファに保存して(S634)、元のルーチンに戻る。
図21は、各種デバイス制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、装飾ランプ111などのランプ制御、可動役物66を駆動するソレノイドやモータの制御、各種タイマの管理制御のための割込であり、1ms周期で発生する。優先度が最も低い優先レベル1の割込であるため、優先レベル2以上の割込を許可し(S640)、演出ボタン109からの入力を示す信号、エラー検知を示す信号、電断を示す信号、モータやソレノイド等の制御対象デバイスへの駆動信号等を入出力するポートの入出力を処理する(S642)。このとき、電断を示す信号が入力された場合は直ちにバックアップ処理へ移行する。モータやソレノイド等のデバイスの制御パターンに基づくカウント処理やS642でポートにデータを書き込むためのバッファのオンオフ制御など、デバイス制御に係るデータを更新し(S644)、演出のタイミングを計るためのタイマを更新し(S646)、演出ボタン109の入力有効時間を管理するためのタイマを更新し(S648)、装飾ランプ111の点灯切換制御や制御CPU320の暴走監視制御等のためのタスク制御用カウンタを更新して16ms周期を作成する(S650)。
なお、装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位は16msである。画像表示制御の1フレームが16msまたは32msであり、その整数倍を装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位としておくことで、ランプ制御と画像表示制御を同期させやすくできる。また、例えば30秒間のエラー報知といった、比較的長時間の期間をカウントする場合に、仮に1割込(1ms)周期のカウントを用いてしまうとカウント値が必要以上に長くなってしまうが、16ms周期のカウント値とすることによってカウント値を短くすることもできる。
タスク制御には処理0〜15までの16種類のタスクがあり、そのうち1つのタスクが装飾ランプ111の点灯切換制御であり、2つのタスクが制御CPU320の暴走監視制御である。装飾ランプ111の点灯切換制御は、タスク制御用カウンタのカウント値に応じて16割込に1回実行することで16ms周期での切換を実現する。制御CPU320の暴走監視制御は、例えば処理0と処理8に割り当て、タスク制御用カウンタのカウント値が0と8のとき、すなわち8割込に1回、制御CPU320からのトグル信号を監視(S652)することで、8ms周期での監視を実現する。
なお、制御CPU320からは1フレームごとにオンオフ反転するトグル信号が出力されており、このトグル信号が1600ms連続して同じ値のまま変化しない場合に制御CPU320が暴走していると判断し、サブCPU310から制御CPU320へリセット信号を送信し、リセット信号を受信した制御CPU320はリセットを実行する。制御CPU320からは1フレーム(16msまたは32ms)周期でトグル信号を受信するため、その周期より短い8ms周期で監視する。最後に、上述のような例えば30秒間のエラー報知といった比較的長時間のエラー報知期間を管理するタイマを減算し(S654)、そのタイムアウト時にエラー報知が終了する。
図22は、特別図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。第2当否抽選値の保留がなされている場合(S700のY)、第2当否判定手段222が第2当否抽選値を読み出して第2特別図柄52の当否を判定し(S702)、第2当否判定手段222が第2特別図柄52の停止図柄を決定し(S704)、第2変動パターン決定手段232が第2特別図柄52の変動パターンを決定し(S706)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第2特別図柄52の図柄変動を開始する(S716)。
第2当否抽選値の保留がなされていない場合であって(S700のN)、第1当否抽選値の保留がなされている場合(S708のY)、第1当否判定手段221が第1当否抽選値を読み出してあらためて第1特別図柄51の当否を判定し(S710)、第1当否判定手段221が第1特別図柄51の停止図柄を決定し(S712)、第1変動パターン決定手段231が第1特別図柄51の変動パターンを決定し(S714)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第1特別図柄51の図柄変動を開始する(S716)。第1当否抽選値の保留がなされていない場合はS710からS722までの処理をスキップする(S708のN)。
特別図柄の図柄変動表示を処理し(S718)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達するまでS718を繰り返し(S720のN)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S720のY)、変動停止コマンドをサブ基板300へ送信して表示中の図柄変動をあらかじめ決定された停止図柄にて停止し(S722)、特別図柄の変動表示を終了する。
図23は、装飾図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。サブ基板300の演出決定手段303がメイン基板200から変動開始および演出表示内容を示すコマンドを受信し(S750)、受信した特別図柄の停止図柄、変動パターン、当否判定結果に応じて装飾図柄の停止態様を決定し(S752)、変動パターンに対応する変動演出パターンを決定する(S754)。ここで、事前判定により前兆設定がオンになっている場合(S756のY)、すでに決定されている変動演出パターンが、予告演出との重畳表示を回避すべき特定の演出内容が含まれたパターンでない場合であって(S758のN)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動でなければ(S760のN)、所定の予告演出を表示すべき設定を実行し(S764)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動である場合は(S760のY)、前兆設定をオフする(S762)。前兆設定がオンでない場合や(S756のN)、変動演出パターンに特定の演出内容が含まれる場合は(S758のY)、S760からS764の処理をスキップする。
その後、装飾図柄の変動演出表示を開始し(S766)、装飾図柄の変動演出表示処理と(S768)、予告演出の表示処理を実行し(S770)、メイン基板200から変動停止コマンドを受信するまでS768とS770を繰り返し(S772のN)、変動停止コマンドを受信したときに(S772のY)、S752で決定された停止態様にて装飾図柄を停止表示させることで図柄変動表示を停止し(S774)、装飾図柄の変動演出を終了する(S776)。
図24は、特別遊技の過程を示すフローチャートである。まず、演出表示制御手段305が特別遊技の演出処理を開始し(S800)、開閉制御手段275が大入賞口20を開放する(S802)。所定の開放時間が経過せず(S804のN)、大入賞口20への入球数も9球以上に達していなければS804に戻り(S806のN)、所定の開放時間が経過したか(S804のY)、開放時間が経過していないものの(S804のN)、大入賞口20への入球数が9球以上に達した場合(S806のY)、開閉制御手段275が大入賞口20を閉鎖させる(S810)。
単位遊技が最終ラウンドに達していなければ(S810のN)、ラウンド数に1を加算してS802に戻り(S812)、単位遊技が最終ラウンドに達していた場合は(S810のY)、演出表示制御手段305は特別遊技の演出処理を終了させ(S814)、特別遊技制御手段260は特別遊技を終了させ(S816)、特定遊技、すなわち確変、時短、入球容易状態の実行を開始する(S818)。
図25は、小当り遊技の過程を示すフローチャートである。小当り遊技において、1回だけ実行される単位遊技を開始し(S819)、大入賞口20を開放させ(S820)、所定の開放時間を経過するまで開放を継続させ(S822のN)、開放時間を経過した場合(S822のY)、大入賞口20を閉鎖し(S824)、設定回数分の開閉が終了していなければ(S826のN)、開閉回数に1を加算してS820に戻り(S828)、設定回数分の開閉が終了していれば(S826のY)、小当り遊技を終了する。
前提技術においては、第1の遊技における大当りの出玉より、第2の遊技における大当りの出玉の方が概ね多い、すなわち、第1の遊技よりも第2の遊技の方が1回の大当りにおける賞球獲得期待値が多くなるように設計されていたが、別の例では、第1の遊技の方が第2の遊技よりも賞球獲得期待値が多くなるように設計されてもよいし、第1の遊技と第2の遊技の賞球獲得期待値が概ね等しくなるように設計されてもよい。後者の場合、第1の遊技において実行される特別遊技と第2の遊技において実行される特別遊技に含まれる単位遊技の数の平均が等しくなるように設計されてもよい。例えば、第1の遊技においては、100%の確率で単位遊技が10回実行される特別遊技が実行され、第2の遊技においては、50%の確率で単位遊技が4回実行される特別遊技が、50%の確率で単位遊技が16回実行される特別遊技が実行されてもよい。また、いずれの場合においても、大入賞口に特定領域が設けられ、大入賞口に入球した遊技球が特定領域に入球または特定領域を通過した場合に、特別遊技終了後の通常遊技において確変状態などの特定遊技が実施されるように構成されてもよい。この場合、第1の遊技において大当りとなった場合に実行される特別遊技よりも、第2の遊技において大当りとなった場合に実行される特別遊技の方が、特定領域への入球容易性が高く、特別遊技の終了後に確変状態の通常遊技が実行される確率が高くなるように構成されてもよい。例えば、特定領域への入球が相対的に困難となる特別遊技が実行される第1当りと、特定領域への入球が相対的に容易となる特別遊技が実行される第2当りとが設けられ、第1の遊技よりも第2の遊技の方が第2当りとなる確率が高いように構成されてもよい。または、第1の遊技において第2当りとなる確率は100%未満であるが、第2の遊技において第2当りとなる確率は100%であるように構成されてもよい。
(実施例)
以下、本実施例の特徴的な構成について説明する。本実施例のぱちんこ遊技機は、通常遊技中の演出態様として、図柄変動に応じた演出が表示される第1演出モードと、図柄変動によらずに物語性を有する映像が継続して表示される第2演出モードとが用意される。第1演出モードは、上述の前提技術にて説明したような変動演出が実行されるモードであり、図柄変動の表示過程に応じたリーチ演出や予告演出などが実行される。第1演出モードでは、図柄の変動時間に応じた演出を楽しみながら通常遊技を進める。一方、第2演出モードでは、図柄変動よりも相対的に長い時間にわたる映像が図柄変動と並行して表示される。第2演出モードに用いる映像として、物語性を有する10分前後の映像が複数用意され、一つの映像の再生が終了すると次の映像の再生が開始される。第2演出モードでは、あらかじめ用意される映像を順次視聴しながら通常遊技を進める。本実施例では、初回大当りとなるまでの通常遊技において遊技者の操作入力により演出モードを選択できるよう構成されている。遊技者は、初回の大当りとなるまで自身の好みに応じた演出モードにしたがった遊技を楽しむことができる。
図26は、第1演出モードにおける演出表示例を示す。演出表示装置60の画面中央には装飾図柄502が表示され、画面右下には保留状態を示す保留表示504が表示される。第1演出モードは、遊技者の注目が主に装飾図柄502の変動表示に向けられるように設計される演出モードであり、演出のメインとなる装飾図柄501が画面中央に大きく表示される。装飾図柄502は、画面の1/3以上の面積を占めるように表示され、例えば、画面の半分以上の面積を占めるように表示される。装飾図柄502には、図柄種類を識別するための数字、文字または記号に加え、図柄種類に対応する絵柄やキャラクタなどが付随して表示され、キャラクタ画像をアニメーションのように変化させたり、図柄全体にエフェクトを施したりする表示がなされる。第1演出モードでは、装飾図柄502にさまざまな装飾表示を付帯することにより、当否判定結果を演出的に示唆する装飾図柄をメインとした演出表示がなされる。
第1演出モードでは、遊技中にスピーカー108の音量調整および装飾ランプ111の光量調整が可能であり、十字キー110の左右ボタンの押下により音量が変更され、十字キー110の上下ボタンの押下により光量が変更される。音量設定情報および光量設定情報はサブ基板300のサブRAM311に記憶され、十字キー110の押下により更新される。このような操作入力が可能であることを示すため、画面の左下には入力操作を案内するために十字キー110を模した画像510が表示される。
図27は、第1演出モードにおける別の演出表示例を示す。この画面例では、装飾図柄501の表示に代えて代替図柄506が画面左下に表示され、画面中央には図柄以外の要素であるオブジェクト画像508が表示される。例えば、キャラクタ同士がバトルする様子が画面中央に表示され、バトルの勝敗によって当否判定結果が演出的に示唆される。この場合、画面中央に装飾図柄が表示されないが、装飾図柄に代えて当否判定結果を示唆する図柄以外の要素をメインとした演出表示がなされる。第1演出モードでは、図柄の変動時間に応じた変動演出パターンが選択され、その図柄変動に係る当否判定結果を示唆する演出表示がメインとなる。
第1演出モードでは複数のステージが用意されており、各ステージにおける滞在回数(各ステージに滞在する期間になされた図柄変動の回数)や図柄変動時の演出内容が所定条件を満たした場合にステージが切り替えられる。例えば、図柄変動回数が20回に達した場合や20回目以降の図柄変動においてステージチェンジ演出が実行可能な種類の変動パターンが選択された場合に次のステージに切り替えられる。各ステージは、演出表示の背景画像が異なっており、例えば、演出の主役となるキャラクタの滞在場所が異なることが示される。滞在するステージに応じて異なった演出内容の表示が可能であり、例えば滞在場所にちなんだ演出内容が表示される。各ステージは、演出の主役となるキャラクタ別に設定されてもよく、ステージチェンジによってメインキャラクタが切り替えられ、設定されたキャラクタにちなんだ背景画像や演出内容が表示されてもよい。
図28は、第2演出モードにおける演出表示例を示す。第2演出モードでは、画面中央に映画やドラマといった物語性を有する映像を表示するための映像表示領域518が設定され、映像表示領域518とは異なる画面領域に装飾図柄512や保留表示514が表示される。図示する例では、画面左下に装飾図柄512が表示され、画面右下に保留表示514が表示される。第2演出モードにおける映像表示領域518の位置は固定的であり、第2演出モードにて大当りとなるまでの間、物語性を有する映像が継続して映像表示領域518に表示される。また、映像表示領域518の一部(例えば画面左上)には映像情報表示領域520が設けられ、第2演出モードであることを示す「ドラマモード」の文言や、表示中の映像のタイトルや話数(例えば、第2話)などが表示される。
映像表示領域518に表示される映像は、装飾図柄512が変動表示中であるか停止表示中であるかに拘わらずに再生される。映像表示領域518に表示される映像は、原則として図柄変動とは無関係に進行し、図柄の変動開始から変動停止までの変動表示期間であっても、次変動が開始されるまでの図柄変動がなされていない停止表示期間であっても進行していく。より詳細には、次変動の保留があって変動停止後のわずかな時間経過後に次変動が開始される場合であっても、次変動の保留がないためにしばらく変動停止状態が継続される場合であっても映像の再生は継続される。また、映像表示領域518に表示される映像の内容は、図柄の変動パターンや停止図柄の種類等に影響されず、あらかじめサブROM312に記憶される映像データがそのまま再生される。したがって、第2演出モードで表示される映像は、当否判定結果を演出的に示唆するものではなく、当否判定結果との関係性が低い又は当否判定結果とは無関係と言える。
第2演出モードでは、当否判定結果よりも映像表示領域518に表示される映像に注目させるため、装飾図柄512の表示態様を第1演出モードより控えめにしている。第2演出モードでは、第1演出モードと比べて装飾図柄512が相対的に小さく表示され、画面左下の固定された表示領域に装飾図柄512が常時表示される。これは、第1演出モードにて通常装飾図柄と代替図柄の表示が切り替えられるのと対照的である。第2演出モードでは、装飾図柄512の装飾表示も第1演出モードより少なく、図柄種類を識別するための数字、文字または記号を主体とした簡略化された図柄が用いられる。第2演出モードでは、キャラクタ画像を付帯したり、キャラクタ画像をアニメーションのように変化させたり、図柄全体にエフェクトを施したりする図柄表示がなされず、第1演出モードにおける代替図柄506と同様の表示がなされる。したがって、第2演出モードは、装飾図柄の表示領域および表示態様が第1演出モードとは異なり、第1演出モードより装飾図柄512が強調されない態様で表示される。
第2演出モードでは、当該変動または保留に係る当否判定結果の期待度を示唆する予告演出の表示についても第1演出モードより控えめとなる。第2演出モードでは、当否判定結果の期待度を示唆する予告演出の表示頻度が第1演出モードより少なく設定される。例えば、相対的に変動時間の長いリーチ変動パターンが選択される場合、第1演出モードでは、図柄がリーチ態様となる期待度を示唆する予告演出や、リーチ態様となった後に大当りとなる期待度や大当りとなる図柄種類の期待度を示唆する予告演出が高頻度で実行される。一方、第2演出モードでは、これらの予告演出が表示されないか、第1演出モードよりも低頻度で表示される。また、第1演出モードではこれらの予告演出が画面中央の遊技者に注目されやすい表示領域を用いてなされる一方、第2演出モードでは、画面中央ではなく、映像表示領域518の外縁付近といった遊技者に注目されにくい表示領域に予告演出が表示される。例えば、図28に示すように、映像表示領域518の左下に予告演出表示領域522が設定され、「この変動は期待大です」などの文言が予告演出として控えめに表示される。したがって、第2演出モードは、予告演出の表示態様や表示頻度が第1演出モードと異なり、映像表示領域518に表示される映像の視聴が阻害されないように、予告演出があまり強調されない態様で表示される。
第2演出モードでは、映像表示領域518に表示される映像として複数の映像が用意される。例えば、連続テレビドラマのように物語が複数話(例えば全12話)にわたって続く映像が用意され、1話あたりの映像の長さが5分、10分、15分、20分または25分程度となるように編集されている。初期状態では、第1話から映像の再生が開始されるように設定されており、第1話の再生が終了すると、つづいて第2話の再生が開始され、第2話の再生が終了すると、つづいて第3話の再生が開始されるというように順番に話が進んでいく。再生すべき映像の話数情報は、サブRAM311に映像設定情報として記憶されている。RAMクリア後の初期状態では、映像設定情報として第1話が設定されており、第2話の再生が開始されるタイミングで映像設定情報が第2話に更新される。したがって、映像設定情報には現時点で再生されている、または、現時点から再生すべき映像を特定する情報が記憶されており、再生すべき映像が次の映像に切り替えられる際に情報が更新される。
第2演出モードでは、再生される話数を話の途中で変更することが可能であり、例えば十字キーの上下ボタンを押下することで、次の話数または一つ前の話数に切り替えることが可能である。話数を切り替える操作をすると、サブRAM311の映像設定情報も更新される。また、第2演出モードの途中で第1演出モードに切り替えることも可能であり、例えば演出ボタン109を押下することにより第2演出モードを終了し、次の図柄変動から第1演出モードを開始させることができる。この場合、映像設定情報は維持され、第1演出モードに切り替える直前に再生されていた映像の話数情報が保持される。
第2演出モードにおける図柄変動中に第2演出モードの終了を決定した場合、映像表示領域518には「モード変更準備中」などの表示がなされる。その後、図柄変動が停止すると、演出表示装置60の画面が第1演出モードの内容に切り替えられ、第1演出モードにおける図柄変動が開始される。第2演出モードから第1演出モードへ切り替えられる場合、第1演出モードとして用意される複数のステージのうち初期ステージが選択される。このとき、モード変更の操作をした変動において次の図柄変動に対応する保留があり、次変動がすぐに開始可能である場合には、次の図柄変動の開始を契機として第1演出モードの初期ステージに移行されてもよい。一方、モード変更の操作をした変動において次の図柄変動に対応する保留がない場合、当該図柄変動の停止時、当該図柄変動の停止直後(例えば、停止の1秒後や2秒後)、または、当該図柄変動の停止から新たな入球に基づく次の図柄変動が開始されるまでの停止表示中に、第1演出モードの初期ステージに移行されてもよい。
第2演出モードの遊技中の入力操作方法を遊技者に案内するため、映像表示領域518の外縁付近(例えば右下)には入力操作を案内するための画像524が表示される。案内操作のための画像524の一例では、十字キー110の左右ボタンで音量調整が可能であり、十字キー110の上下ボタンで話数変更が可能であり、演出ボタン109でモード終了が可能であることが示される。なお、第2演出モードでは、遊技中の光量調整はできない。
第2演出モードにて図柄変動が停止して大当りとなる場合、映像表示領域518における映像の再生が中断され、大当りとなったことを示す演出表示に切り替えられる。例えば、装飾図柄512が大当りを示す態様で停止表示された後、可動役物66が画面中央に向けて落下する可動役物作動演出が実行され、大当りとなったことが示唆される。その後、可動役物66が撤収され、大当りが確定したことを示す表示や、大当りの種類を示唆する演出表示がなされ、大当り種類に応じた特別遊技が開始される。大当りとなる場合には、映像表示領域518における映像表示が強制的に終了して特別遊技に移行されることから、強制割り込みが発生したことを示す「割り込み御免!」などの文言が表示されてもよい。
可動役物66が作動する可動役物作動演出は、第2演出モードのみならず、第1演出モードにおいても実行される共通演出である。可動役物作動演出は、主に大当りとなること示唆する演出として用いられ、可動役物を特定色(例えば虹色)に点灯させながら作動させることで、確変を伴う大当りの確定や16R大当りの確定などを示唆する高期待度演出として用いられる。この共通演出は、演出モードによって発生タイミングが異なりうる。第2演出モードでは、図柄変動中に高期待度演出を実行すると映像視聴の妨げとなるため、大当りとなる図柄の停止後または停止直前に可動役物作動演出が実行される。一方、第1演出モードでは、図柄変動中の高期待度演出の実行を可能とし、図柄変動中であっても可動役物作動演出が実行される。したがって、第1演出モードより第2演出モードの方が遅いタイミングで可動役物演出が実行され、第1演出モードより第2演出モードの方が図柄の変動停止に近いタイミングで可動役物演出が実行される傾向にある。その他、第1演出モードにおいては、同一変動内で可動役物作動演出が複数回実行されてもよい。例えば、スーパーリーチ演出への発展タイミングや当落分岐タイミングにおいて可動役物作動演出が実行されてもよい。一方、第2演出モードでは、同一変動内で可動役物作動演出が実行されないか、最大で1回しか実行されなくてもよい。
本実施例において特別遊技が終了すると、入球容易状態を伴う通常遊技へ移行される。本実施例では、入球容易状態の終期が図柄変動回数によって決められており、例えば70回の図柄変動がなされるまでに大当りとならない場合、入球容易状態が終了して入球容易状態を伴わない通常遊技へ移行される。また、特別遊技への移行契機となった大当り種類に応じて確率変動状態の有無が決定され、例えば、80%の確率で特別遊技後に確率変動状態を伴う入球容易状態へ移行され、20%の確率で特別遊技後に確率変動状態を伴わない入球容易状態へ移行される。入球容易状態では、上述の第1演出モードおよび第2演出モードとは演出の表示態様が異なる第3演出モードが実行される。第3演出モードは、変動時間が通常状態よりも短縮される時短状態に対応した演出モードであり、図柄変動をメインとした演出表示がなされる。なお、時短状態の演出モードとして、確率変動状態を伴う時短状態(確変時短)と、確率変動状態を伴わない時短状態(通常時短)とで演出モードを共通にしてもよいし、演出モードを異ならせてもよい。後者の場合、確変時短用の第3演出モードの他に、通常時短用の第4演出モードを用意してもよい。
入球容易状態の終期(例えば70回目)となる図柄変動が外れである場合、入球容易状態における第3演出モードが終了し、入球容易状態を伴わない第1演出モードまたは第2演出モードへ移行される。入球容易状態の終期となる図柄変動では、変動時間が長めの固定的な変動パターンが選択され、入球容易状態における大当り回数や入球容易状態の継続により獲得された利益を数値化した総ポイント数などが表示され、入球容易状態を総括する演出表示がなされる。なお、入球容易状態の終期となる図柄変動で大当りとなる場合には、入球容易状態を総括する演出表示の後に大当りとなることを示唆する発展演出が表示され、大当りを示す図柄の停止後に特別遊技へ移行される。
入球容易状態の終期となる図柄変動で外れとなる場合、入球容易状態を総括する演出表示の後、第1演出モードと第2演出モードのいずれに移行するかを遊技者が選択するための選択画面が図柄変動中に表示される。このとき選択できるのは演出モードのみであり、第2演出モードに移行後に再生される映像(例えば話数)を選択することはできない。第1演出モードを選択した場合、図柄停止後に第1演出モードに移行される。一方、第2演出モードを選択した場合には、サブRAM311に記憶される映像設定情報に設定された映像が冒頭から再生される。例えば、大当りとなって入球容易状態へ移行される契機となった図柄変動の停止時に第2演出モードにて第3話が再生されていた場合、映像設定情報として第3話が設定されていることから、入球容易状態の終了後に移行される第2演出モードにて第3話が冒頭から再生される。
入球容易状態を伴わない通常遊技では、遊技者の操作入力により第1演出モードと第2演出モードとを切り替えることが可能である。遊技の開始前や遊技の中断中といった図柄が停止状態にある場合、遊技設定のためのメニュー画面を通じて演出モードの変更が可能である。メニュー画面では、演出モードの設定の他、第2演出モードにて再生する映像の選択も可能である。メニュー画面では、スピーカー108から出力される音量の設定や装飾ランプ111の光量設定も可能である。
図29は、メニュー画面530の表示例を示す。メニュー画面530は、遊技が実行されていない待機デモの表示中や、図柄の停止表示中であって次の図柄変動がしばらく開始されない場合に演出ボタン109を押下することによって表示される。メニュー画面530には、演出モードを選択するためのモード選択画像532、音量調整のための音量設定画像534、光量調整のための光量設定画像536とが表示される。それぞれの画像には、サブメニュー画面に入るための操作方法が図示されている。例えば、演出ボタン109を押下することでモード選択画面に移行し、十字キー110の左右ボタンを押下することで音量設定画面に移行し、十字キー110の上下ボタンを押下することにより光量設定画面に移行する。
図30は、モード選択画面540の表示例を示す。モード選択画面540は、メニュー画面530にて演出ボタン109を押下することにより表示されるサブメニュー画面である。モード選択画面540では、演出モードの選択候補として、第1演出モードに対応する「通常モード」の選択画像542と、第2演出モードに対応する「ドラマモード」の選択画像544とが表示される。選択対象がいずれであるかの視認性を高めるため、選択対象となる一方の画像はハイライト表示され、他方の画像はグレーアウト表示される。図30は、「ドラマモード」の選択画像544がハイライト表示された状態を示している。この状態で、十字キー110の左右ボタンを押下すると選択対象が切り替わり、「通常モード」の選択画像542がハイライト表示され、「ドラマモード」の選択画像544がグレーアウト表示される。それぞれの選択画像には、遊技中の画面イメージや、各演出モードの特徴を示す説明文などが含まれる。
モード選択画面540の表示中に演出ボタン109を押下すると、選択されている演出モードの選択が確定され、サブRAM311に記憶されるモード選択情報が更新される。第1演出モードに対応する「通常モード」を選択した状態で演出ボタン109を押下すると、通常モードに決定された旨を示す画面が表示された後、メニュー画面530の表示に戻る。一方、第2演出モードに対応する「ドラマモード」を選択した状態で演出ボタン109を押下すると、ドラマモードに決定された旨を示す画面が表示された後、話数などを指定するための映像選択画面に移行する。なお、モード選択画面540にて所定時間(例えば、10秒、20秒、30秒、60秒など)にわたって入力操作がなされない場合、図29のメニュー画面530の表示に戻る。この場合、モード選択情報は更新されず、以前に設定されていたモード選択情報が維持される。
図31は、映像選択画面550の表示例を示す。映像選択画面550は、モード選択画面540にて「ドラマモード」に決定した場合に表示されるサブメニュー画面である。映像選択画面550では、第2演出モードにて再生させる映像の選択候補となる選択画像552,554,556が表示され、映像選択画面550の中央に選択対象とする画像552が左右の画像554,56よりも大きく表示される。十字キー110の左右ボタンを押下することで、画面中央に表示される選択対象となる画像が切り替えられる。図31に示す例では、第2演出モードで視聴可能な第1話、第2話などの選択画像に加えて、第2演出モードを終了して第1演出モードに移行するための選択画像も表示される。
映像選択画面550の表示中に左右ボタンを押下して再生すべき映像を選択した後に演出ボタン109を押下すると、再生される映像が確定され、サブRAM311に記憶される映像設定情報が更新される。なお、再生すべき映像を選択した後に演出ボタン109が押下されず、所定時間にわたって入力操作がなされない場合、図29のメニュー画面530の表示に戻る。この場合、映像設定情報は更新されず、以前に設定されていた映像設定情報が維持される。したがって、モード選択画面540および映像選択画面550では、演出ボタン109を押下して変更を確定させなければ、サブRAM311に記憶されるモード選択情報および映像設定情報は更新されずに以前のまま維持される。
映像選択画面550が表示される際、画面中央に表示される選択画像は、サブRAM311に映像設定情報として記憶される話数に対応している。遊技機の電源投入時といった初期状態では、映像設定情報の初期設定として例えば第1話が設定されている。この場合に映像選択画面550を表示させると、第1話に対応する選択画像552が画面中央に表示される。一方、映像選択画面550を通じて映像設定情報を更新した場合や、第2演出モードの遊技進行に伴って映像設定情報が更新された場合には、更新後の話数に対応する選択画像が画面中央にはじめに表示される。
図32は、音量調整画面560の表示例を示す。音量調整画面560は、メニュー画面530にて十字キー110の左右ボタンを押下することにより表示されるサブメニュー画面である。本実施例では、スピーカー108の音量を1〜5の5段階で設定可能であり、十字キー110の左右ボタンを押下することで音量を示す目盛が増減する。例えば、左ボタンを押下すると音量が1段階小さくなり、右ボタンを押下すると音量が1段階大きくなる。設定される音量は、サブRAM311に音量設定情報として記憶される。音量設定情報は、十字キー110の左右ボタンを押下するのみで更新される。したがって、調整後の音量を確定させるために決定ボタン(演出ボタン109)の押下を必要としない。
音量調整画面560にて演出ボタン109を押下すると、図29のメニュー画面530の表示に戻る。また、音量調整画面560にて所定時間にわたって入力操作がなされない場合もメニュー画面530の表示に戻る。この場合、メニュー画面530に戻る前に左右ボタンが押下されていれば、左右ボタンの押下に応じて音量設定情報の更新が反映される。また、音量調整画面560が表示される際、記憶される音量設定情報に対応する音量が表示される。例えば、音量設定情報が「1」であれば、音量調整画面560の表示時には音量の目盛が「1」を示すように表示される。
図33は、光量調整画面570の表示例を示す。光量調整画面570は、メニュー画面530にて十字キー110の上下ボタンを押下することにより表示されるサブメニュー画面である。本実施例では、装飾ランプ111の光量を弱・中・強の3段階で設定可能であり、十字キー110の上下ボタンを押下することで光量を示す目盛が増減する。例えば、下ボタンを押下すると光量が1段階小さくなり、上ボタンを押下すると光量が1段階大きくなる。設定される光量は、サブRAM311に光量設定情報として記憶される。光量設定情報は、十字キー110の上下ボタンを押下するのみで更新される。したがって、調整後の光量を確定させるために決定ボタン(演出ボタン109)の押下を必要としない。
光量調整画面570にて演出ボタン109を押下すると、図29のメニュー画面530の表示に戻る。また、光量調整画面570にて所定時間にわたって入力操作がなされない場合もメニュー画面530の表示に戻る。この場合、メニュー画面530に戻る前に上下ボタンが押下されていれば、上下ボタンの押下に応じて光量設定情報の更新が反映される。また、光量調整画面570が表示される際、記憶される光量設定情報に対応する光量が表示される。例えば、光量設定情報が「中」であれば、光量調整画面570の表示時には光量の目盛が「中」を示すように表示される。
図29〜図33に示すメニュー画面は、遊技を開始しておらず、図柄が変動表示されていない場合に表示可能である。これらのメニュー画面の表示中に第1始動口11または第2始動口12への入球がなされて新たな図柄変動が開始される場合、メニュー画面は非表示となり、装飾図柄の変動表示を含む遊技中画面に切り替えられる。このとき、第1演出モードに設定されていれば、図26に示すような遊技画面に、第2演出モードに設定されていれば、図28に示すような遊技画面に切り替えられる。
図30のモード選択画面540の表示中に新たな図柄変動が開始される場合、直前の十字キー110の操作によっていずれの演出モードが選択されていたとしても、モード選択情報は更新されず、以前の設定が維持される。例えば、モード選択情報に第1演出モードが設定された状態で図30の「ドラマモード」の選択画像544がハイライト表示されているときに新たな図柄変動が開始された場合、モード選択情報は第1演出モードのまま維持される。したがって、図柄変動の開始時に選択候補となっている演出モードは、選択操作のための候補にすぎず、演出ボタン109が押下されなければ確定情報とはならない。
同様にして、図31の映像選択画面550の表示中に新たな図柄変動が開始される場合、直前の十字キー110の操作によっていずれの映像が選択されていたとしても、映像設定情報は更新されず、以前の設定が維持される。例えば、映像設定情報に第1話が設定された状態で図31の「第2話」の選択画像554が中央に位置するように表示されているときに新たな図柄変動が開始された場合、映像設定情報は「第1話」のまま維持される。したがって、図柄変動の開始時に選択候補となっている映像(例えば話数)は、選択操作のための候補にすぎず、演出ボタン109が押下されなければ確定情報とはならない。
一方、図32の音量調整画面560や図33の光量調整画面570の表示中に新たな図柄変動が開始される場合、その直前に選択されている音量または光量が反映される。音量調整および光量調整では、十字キー110を押下するだけで設定情報が更新され、設定情報の更新に演出ボタン109の押下を必要としないためである。
図30〜図33に示すメニュー画面では、演出ボタン109の押下によりサブメニュー画面の表示が終了し、図柄変動開始前の変動待機画面や図29に示すメインメニュー画面に移行する。つまり、サブメニュー画面では、演出ボタン109を押下する復帰操作によって各サブメニュー画面を終了させることができる。なお、演出ボタン109を押下する復帰操作の前に新たな図柄変動が開始した場合、サブメニュー画面の表示が終了して図柄の変動表示を伴う遊技中画面に移行される。図30の演出モード選択画面および図31の映像選択画面の表示中に新たな図柄変動が開始した場合、直前の選択操作は反映されずに次変動が開始される。一方、図32の音量調整画面および図33の光量調整画面の表示中に新たな図柄変動が開始した場合、直前の選択操作が反映された状態で次変動が開始される。
つづいて、図柄停止中の画面遷移について説明する。図34は、図柄停止後の画面遷移の流れを模式的に示す図である。第1演出モードにおいて図柄変動が停止した後、次の図柄変動が開始されない場合、装飾図柄が停止表示された状態の画面が一定時間維持される。図柄の停止後、所定の移行禁止時間が経過するまではメニュー画面への移行が禁止され、演出ボタン109や十字キー110を押下したとしても装飾図柄が停止した状態の画面が維持される。この移行禁止時間は、3秒、5秒、7秒または10秒程度である。ある実施例において、移行禁止時間は5秒に設定される。図柄が停止してから移行禁止時間が経過すると、演出ボタン109などの押下によるメニュー画面への移行が可能となる。メニュー画面への移行が可能となることを示すため、演出ボタン109を点滅させたり、演出ボタン109の押下によりメニュー画面へ移行される旨が演出表示装置60に表示されたりする。
第2演出モードにおいて図柄変動が停止した後、次の図柄変動が開始されない場合、装飾図柄が停止表示された状態が維持される一方、映像表示領域518における映像の再生は継続される。なお、第2演出モードにおいても、図柄の停止後、所定の移行禁止時間が経過するまではメニュー画面への移行が禁止される。第2演出モードにおける移行禁止時間は、第1演出モードと同じ時間に設定されるか、第1演出モードより短い時間に設定される。例えば、第2演出モードにおける移行禁止時間は3秒に設定される。移行禁止時間は5秒などの他の時間であってもよい。図柄が停止してから移行禁止時間が経過すると、演出ボタン109などの押下によるメニュー画面への移行が可能となる。
移行禁止時間の経過後、さらに所定時間が経過するまでに操作入力がなされない場合、メニュー画面が自動的に表示される。例えば、図柄の変動停止から20秒、30秒または40秒が経過するまでに操作入力がなされない場合、メニュー画面が表示される。このとき表示されるメニュー画面は、図26または図28に表示されるような遊技中画面に重畳して表示される。図29に示すメニュー画面では、画面全体にメニュー表示がなされているわけではなく、画面の下方にメニュー表示用の画像が配置されているため、遊技中画面のうち画面上方に位置する表示内容は視認可能なままとなる。第1演出モードであれば、画面上方に位置する装飾図柄502の一部が視認可能な状態となる。第2演出モードであれば、画面上方に位置する映像表示領域518の少なくとも一部が視認可能な状態となる。第2演出モードの場合、図柄停止後も映像表示領域518における映像の再生が継続されるため、図柄停止中にメニュー画面を表示させる場合であっても、物語性を有する映像を継続して視聴することができる。
図柄停止後にさらに時間が経過すると待機デモ画面が表示される。待機デモ画面は、遊技が実行されていない場合に遊技機の遊技方法をデモンストレーションとして表示したり、遊技機の機種名や製造者名などを表示する画面である。待機デモ画面は、通常遊技状態において最後の図柄変動の停止した後、演出ボタン109や十字キー110による入力操作が所定時間なされない場合に表示される。図柄の停止中に演出ボタン109や十字キー110による入力操作がなされた場合、上述のメニュー画面が表示され、待機デモ画面への表示切替条件となる経過時間の計測がリセットされる。また、待機デモ画面の表示中に演出ボタン109や十字キー110による入力操作がなされた場合も上述のメニュー画面が表示される。また、待機デモ画面の表示中に第1始動口11や第2始動口12への入球があり、新たな図柄変動が開始される場合、待機デモ画面の表示が終了し、装飾図柄の変動表示を伴う遊技中画面が表示される。
待機デモ画面は、演出表示装置60の画面全体を用いる表示であるため、それまでに表示されていた遊技中画面は視認不能となる。待機デモ画面の表示前に第2演出モードにおける映像が再生されていた場合、その再生が中断され、画面全体が待機デモの表示に切り替わる。待機デモ画面が表示されると、モード選択情報がリセットされ、初期設定である第1演出モードがモード選択情報として設定される。したがって、待機デモ画面の表示前が第2演出モードであったとしても、いったん待機デモ画面が表示された場合には、第1演出モードに移行される。なお、待機デモ画面が表示されたとしても、第2演出モードにおける映像設定情報はリセットされず、以前の映像設定情報がそのまま維持される。したがって、待機デモ画面の表示後に図31の映像選択画面を表示させた場合、以前に設定された話数がはじめに表示される。サブRAM311に記憶される映像設定情報は、RAMの初期化(ラムクリア)がなされるか、映像選択画面を通じて更新される場合のみ変更され、それ以外では以前の設定が維持される。例えば、RAMクリアを伴わずに電断復帰するような場合には、以前の映像設定情報の設定が維持される。
本実施例では、図柄が変動停止してから待機デモ画面が表示されるまでの時間を第1演出モードと第2演出モードとで異ならせている。具体的には、第1演出モードにて図柄が変動停止してから待機デモ画面が表示されるまでの第1時間よりも、第2演出モードにて図柄が変動停止してから待機デモ画面が表示されるまでの第2時間を短くしている。例えば、第1時間の長さを120秒、180秒、240秒または300秒としているのに対し、第2時間の長さは45秒、60秒、75秒または90秒としている。ある実施例において、第1時間の長さは240秒であり、第2時間の長さは75秒である。したがって、第2時間の長さは、第1時間の1/2以下であり、例えば、第1時間の1/3以下である。
第2演出モードにて待機デモ画面の表示までの時間を短くしている理由は、図柄の停止表示中、つまり、次変動の保留がなくて変動停止状態が継続される場合であっても映像表示領域518にて物語性を有する映像が再生される仕様としているためである。通常遊技中において保留数が少ない場合には、遊技球を連続的に発射させていたとしても始動口にうまく入球せず、図柄変動が連続して実行されないことがある。仮に、図柄の変動停止時に映像表示領域518の映像の再生を中止または中断させたとすると、図柄の停止から次の図柄変動の開始までの時間が数秒程度であったとしても、その間、映像の再生が中断されてしまう。そうすると、映像表示領域518にて映像が中断されながら再生されることとなり、映像表示領域518に表示される映像に没入して映像を楽しむことが難しくなる。一方で、長時間にわたって図柄が停止したまま映像を視聴できてしまうと、遊技がなされないまま映像のみ視聴することが可能となり、遊技機本来の楽しみ方ではなくなってしまう。また、遊技球が使用されないまま映像が視聴可能であると、遊技機の稼働率の低下につながり、好ましくない。そこで、本実施例では、映像表示領域518での継続的な映像再生の担保と、遊技機の稼働率低下の抑制とをバランスさせる目的で、第2演出モードでの待機デモ画面の表示までの時間を短くしている。
本実施例によれば、図柄変動をメインとした第1演出モードの他に、図柄変動にとらわれない第2演出モードを用意することで、従来の遊技機とは異なる楽しみ方を提供することができる。図柄変動をメインとした第1演出モードの場合、場合によっては初回大当りを得るまでに長い時間を必要とするため、外れとなる変動演出ばかりが表示されて遊技者の興趣を低下させるおそれが生じる。一方、図柄変動との関連性を低くした第2演出モードでは、仮に初回大当りを得るまでに長い時間が必要であったとしても、外れとなる当否判定結果とは無関係な映像を視聴しながら楽しむことができる。また、初回大当りまでに相対的に長い時間がかかれば、複数話用意される映像を順次視聴して楽しむこともできる。したがって、本実施例によれば、態様の異なる2種類の演出モードを用意することで、初回大当りまでの時間を図柄変動とは別の要素で楽しむという新たな遊技性を提供できる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、変形例を挙げる。
(変形例1)
図35は、変形例におけるぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。図1に示す前提技術における構造との主な違いは、始動入賞口の構成と演出表示装置60の画面構成の違いである。
遊技領域81において、第1の遊技に対応する第1の始動入賞口としての第1始動口11と、第2の遊技に対応する第2の始動入賞口としての第2始動口12および第3始動口13と、が設けられる。第2始動口12および第3始動口13は、設置位置と構造が異なるが、それらへの入球はともに第2の遊技における入球として扱われる点で同じ役割を果たす。ただし、いわゆる「左打ち」として遊技盤の左側を遊技球発射推奨位置とする通常遊技時の通常状態においては、第2始動口12への入球は正常とみなす一方、第3始動口13へ入球した場合は異常とみなす。また、いわゆる「右打ち」として遊技盤の右側を遊技球発射推奨位置とする特定遊技状態や特別遊技時においては、第2始動口12への入球は異常とみなす一方、第3始動口13へ入球した場合は正常とみなす。
第1始動口11と第2始動口12は、演出表示装置60の下方において略中央に左右に配置される。本実施例では第1始動口11が左、第2始動口12が右に並んで配置されるが、変形例では第1始動口11が右、第2始動口12が左に並んで配置されてもよい。第1始動口11および第2始動口12の上方に振分装置600が設けられる。振分装置600は、振分入球口601、第1通路602、第2通路603、振分機構604で構成される。上部にて開口する振分入球口601から下方に向けて通路が左右に二股に分かれ、一方の第1通路602が左方の第1始動口11の開口部へ向き、他方の第2通路603が右方の第2始動口12の開口部へ向けて形成されることにより、振分装置600は全体として上下を逆にしたY字型をなす。第1通路602と第2通路603とに分かれる位置に可動式の振分機構604が設けられ、振分機構604の位置状態によって、振分入球口601から入球した遊技球が第1通路602または第2通路603のいずれかに振り分けられる。振分機構604は、その中心を軸にして左右へ振り子状に変位するよう設けられ、振分機構604が右側に位置するときは第2通路603が振分機構604で塞がれ、振分入球口601を入球した遊技球が第1通路602へ誘導される。第1通路602へ遊技球が誘導されるとき、その遊技球の重みにより振分機構604が左側へ変位することにより、遊技球が第1始動口11へ流れた後の第1通路602が振分機構604により塞がれる。次に振分入球口601へ入球した遊技球は第2通路603へ誘導され、その遊技球の重みにより振分機構604が右側へ変位することにより、遊技球が第2始動口12へ流れた後の第2通路603が振分機構604により塞がれる。このように、遊技球が第1始動口11または第2始動口12へ入球するたびに振分機構604が振り子状に左右へ変位することによって、遊技球は第1始動口11と第2始動口12へ1球ずつ交互に誘導され、入球する。変形例では、振分機構604が電気的または電子的に制御されて左右へ変位し、例えば所定割合の個数で遊技球を左右に振り分けてもよいし、所定割合の時間で左右に変位してもよい。
遊技領域81において第1始動口11および第2始動口12の右方、大入賞口20の上方に、第3始動口13が設けられる。第3始動口13は、第2始動口12と同様に第2の遊技に対応する第2の始動入賞口として設けられる。第3始動口13は、第3始動入賞検出装置18を備える。第3始動入賞検出装置18は、第3始動口13への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。第3始動口13は、第3始動入賞検出装置18と、拡開機構である普通電動役物90(いわゆる電動チューリップ)と、普通電動役物90を開閉させるための普通電動役物ソレノイド91を備える。
遊技者の意思にしたがった遊技球の発射強弱によって遊技領域81の左方と右方のいずれかへの入球を狙うことが可能である。いわゆる「左打ち」として、主に左方を狙って相対的に弱めに発射した遊技球が第1始動口11または第2始動口12へ入球する。いわゆる「右打ち」として、主に右方を狙って相対的に強め、または、最大の強さで発射した遊技球が第3始動口13へ入球する。ただし、通常状態においては第3始動口13の開口部上方が遊技釘等により遊技球の流入が妨げられることから、第3始動口13の拡開機構が開放されない限り第3始動口13には入球不能ないし入球困難である。したがって、通常状態においては遊技者は主に「左打ち」で略中央の振分装置600を狙って打球することで第1始動口11または第2始動口12に入球させる。確変や時短に伴う入球容易状態においては遊技者は主に「右打ち」で右側の第3始動口13を狙って打球することで、開放された第3始動口13へ多数の遊技球を入球させて効率よく図柄変動をさせる。このように、振分装置600によって遊技球が第1始動口11と第2始動口12に振り分けられる状況とは主に通常状態における遊技を指す。
当否判定に用いる抽選値は、第1始動口11、第2始動口12、または第3始動口13へ入球があるたびに第1抽選値取得手段216または第2抽選値取得手段217により取得され、第1当否判定手段221または第2当否判定手段222により当否判定が実行される。あるいは、その抽選値が特図保留手段241により保持される。この特図保留手段241は、第1保留制御手段および第2保留制御手段の双方を兼ねて一体として機能させてもよいし、変形例としては第1保留制御手段と第2保留制御手段とを別々に機能させてもよい。
演出表示装置60の画面において、例えば、左下方の領域に第1装飾図柄610が変動表示され、右上方の領域に第2装飾図柄611が変動表示され、下部の左方に第1保留表示620が表示され、下部の右方に第2保留表示621が表示される。第1装飾図柄610、第2装飾図柄611、第1保留表示620、第2保留表示621の各表示位置はこれらに限定されないが、通常はいずれも同時並行的に同じ画面上にて、またはメイン演出表示装置とサブ演出表示装置に分けて表示される。第1装飾図柄610は、第1の遊技における第1特別図柄51に対応する装飾図柄の変動表示であり、第2装飾図柄611は、第2の遊技における第2特別図柄52に対応する装飾図柄の変動表示である。第1装飾図柄610の変動表示中であっても第2装飾図柄611は変動表示可能であり、また、第2装飾図柄611が変動表示中であっても第1装飾図柄610は変動表示可能である。
なお、第1装飾図柄610と第2装飾図柄611のいずれかがリーチ演出となった場合、リーチ演出となった一方の装飾図柄が拡大表示され、他方の装飾図柄が縮小表示とされるてもよい。また、変動演出時間が相対的に長い長変動パターンにしたがって長い時間にわたって演出表示されるスーパーリーチ演出の場合、例えばリーチとなった一方の装飾図柄が目立つ位置にて縮小でリーチ表示され、他方の装飾図柄が目立たない位置で縮小表示されてもよい。
第1保留表示620は、特図保留手段241が保持する第1当否抽選値の数を点灯表示する画像であって、第1特図保留表示部71の点灯表示に対応する。第2保留表示621は、特図保留手段241が保持する第2当否抽選値の数を点灯表示する画像であって、第2特図保留表示部72の点灯表示に対応する。第1保留表示620と第2保留表示621は、いずれも点灯上限数が4個である。第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232は、特図保留手段241により保留される第1当否抽選値および第2当否抽選値の数がいずれも4個に達した場合、合計8個の当否抽選値に係る事前判定結果を演出決定手段303へ送信する。この場合、8個分の事前判定結果をすべて送信してもよいし、8個のいずれかに大当りの期待度が高い判定結果が含まれることを示す情報を送信してもよいし、いずれの当否抽選値がそのような判定結果に該当しているかを示す情報を送信してもよい。演出決定手段303は、大当りの期待度が高い判定結果を示す事前判定結果を受信した場合、その旨を示唆する演出を演出表示装置60に表示する。例えば、大当りの期待度が高い結果に該当する当否抽選値に対応する第1保留表示620または第2保留表示621の保留表示を拡大したり、色彩を変更したりするなど、通常の保留表示と異なる態様に変更する視覚的な手法により大当りの期待度が高いことを示唆してもよい。ここでいう「大当りの期待度が高い結果」は、例えば、当否抽選値が大当りに該当して大当りの表示が予定される場合や、期待度の高い予告演出やリーチ演出が実行されることに対応付けられた変動パターンによる図柄変動が予定される場合である。
なお、図35に示す演出表示装置60の画面例は、入球容易状態を伴う通常遊技中の表示例である。入球容易状態を伴わない通常遊技では、演出モードに応じて装飾図柄および保留表示が異なる態様で表示される。
図36は、変形例に係る第1演出モードの演出表示例を示す。第1演出モードでは、画面中央または画面上方に第1装飾図柄610が相対的に大きく表示され、画面下方に第2装飾図柄611が相対的に小さく表示される。また、画面右下には第1保留表示620および第2保留表示621が表示される。第1演出モードでは、並行して変動表示される二つの装飾表示が画面中央の領域を占めるように表示され、図柄変動に遊技者の注目が向けられるような表示とされる。なお、第1装飾図柄610と第2装飾図柄611の表示位置は固定的でなくてもよく、両者が入れ替わって表示されたり、少なくとも一方の図柄変動が代替図柄に置換され、画面中央に図柄以外の要素を用いた予告演出が表示されてもよい。
図37は、変形例に係る第2演出モードの演出表示例を示す。第2演出モードでは、画面中央または画面上方に映像表示領域518が設定され、画面左下に第1装飾図柄610および第1保留表示620が表示され、画面右下に第2装飾図柄611および第2保留表示621が表示される。また、映像表示領域518の左下には第1装飾図柄610の期待度を示唆するための第1予告演出表示領域622が設けられ、映像表示領域518の右下には第2装飾図柄611の期待度を期待度を示唆するための第2予告演出表示領域623が設けられる。第1装飾図柄610と第2装飾図柄611は、第1演出モードにおける装飾図柄と比べて簡略化されて表示される。また、第1装飾図柄610と第2装飾図柄611の区別が容易となるように、それぞれの図柄が異なる態様で表示される。例えば、図柄の数字、文字または記号のフォントや模様を異ならせたり、一方を漢数字で表示し、他方を英数字で表示するといった区別を付けたりする。その他、一方の図柄を通常のイラストのように表示し、他方をLEDのドットマトリックスや7セグメントLEDを模したように表示してもよい。
(変形例2)
上述の実施例では、通常遊技の演出モードとして第1演出モードと第2演出モードの双方を用意し、遊技者の操作入力に応じて演出モードを選択できるようにする場合を示した。変形例においては、遊技状態に応じて、第1演出モードと第2演出モードのいずれかが選択されるようにしてもよい。例えば、入球容易状態を伴わない通常遊技では第2演出モードが実行され、入球容易状態を伴う通常遊技では第1演出モードが実行されるようにしてもよい。また、第1演出モードが設けられず、第2演出モードのみにより通常遊技が進行するようにしてもよい。
(変形例3)
上述の実施例では、入球容易状態を伴わない通常遊技中の演出として第2演出モードを用いる場合を示した。変形例においては、上述の第2演出モードを入球容易状態を伴う通常遊技中の演出として用いてもよい。入球容易状態での演出として必ず第2演出モードが選択されるようにしてもよいし、遊技者の入力操作に応じて入球容易状態の演出を第1演出モードと第2演出モードのいずれかに選択できるようにしてもよい。
(変形例4)
上述の第2演出モードは、特定の遊技状態においてのみ実行可能とされてもよい。上述の実施例では、入球容易状態を伴わない通常遊技(通常入球状態)においてのみ実行可能であるが、変形例では、入球容易状態でのみ実行可能であってもよいし、入球容易状態かつ確率変動状態でのみ実行可能であってもよいし、入球容易状態かつ通常確率状態でのみ実行可能であってもよいし、通常入球状態かつ確率変動状態でのみ実行可能であってもよいし、通常入球状態かつ通常確率状態でのみ実行可能であってもよい。その他、これら4種類の遊技状態のうち任意の複数の遊技状態でのみ実行可能であってもよい。
(変形例5)
上述の実施例では、電断復帰した場合にサブRAM311に記憶されるモード選択情報および映像設定情報が保持され、電断直前と同じ状態が維持される場合について示した。変形例では、電断復帰した場合にモード選択情報および映像設定情報の少なくとも一方がリセットされ、初期状態に設定されてもよい。例えば、電断復帰した場合にはモード選択情報が第1演出モードとなり、第2演出モードにおける映像の再生が中断され、電断復帰後に第1演出モードにおける演出表示が実行されてもよい。また、映像設定情報のみがリセットされる場合、第2演出モードにおける映像の再生が中断され、電断復帰後に初期設定の第1話の映像が冒頭から再生されてもよい。
(変形例6)
上述の実施例では、図柄変動中において第2演出モードから第1演出モードへの変更のみを可能とし、第1演出モードから第2演出モードへ変更する場合には図柄変動の停止中にメニュー画面を表示させてモード変更操作をする場合について示した。変形例においては、図柄変動中に演出ボタン109の操作により第1演出モードから第2演出モードへ変更できるようにしてもよい。この場合、モード変更を受け付けた後、次の図柄変動の開始から演出モードが切り替えられてもよい。また、変形例1に示したように、二つの装飾図柄が並行して変動表示される場合には、いずれか一方の装飾図柄(例えば第1装飾図柄)の変動開始を契機として演出モードが切り替えられてもよい。なお、さらなる変形例においては、演出モードの変更が確定された時点で即時に演出モードが切り替えられてもよく、図柄変動中に演出モードの切替操作がなされた場合に当該図柄変動中に演出モードが切り替えられてもよい。その他、第1演出モードから第2演出モードへの切替時には即時反映を可能とする一方、第2演出モードから第1演出モードへの切替時には次変動開始を契機として演出モードが変更されてもよい。逆に、第1演出モードから第2演出モードへの切替時には次変動開始を契機とする一方、第2演出モードから第1演出モードへの切替時には演出モードの変更が即時反映されてもよい。
(変形例7)
上述の実施例では、通常遊技中において演出モードの変更を可能とする場合について示した。変形例においては、特別遊技中において演出モードの変更または選択ができるように構成されてもよい。例えば、特別遊技の終了後の通常遊技において第1演出モードまたは第2演出モードの実行が可能となるよう構成される場合、特別遊技の実行中に演出モードを選択するための画面を表示してもよい。このとき、第2演出モードの話数選択ができないように構成されてもよいし、話数選択も可能となるように構成されてもよい。
(変形例8)
上述の実施例では、入球容易状態の最後の外れ変動において第2演出モードに移行させる場合に話数選択は不可とする構成とした。変形例においては、話数選択が可能となるようにしてもよい。この場合、演出表示装置60に話数選択のための映像選択画面が表示されるようにしてもよいし、選択画面が表示されない状態で演出ボタン109や十字キー110を操作する、いわゆる「裏コマンド」を通じて話数選択が実現されるようにしてもよい。また、上述の変形例で示したように特別遊技中に演出モードを選択できるようにする場合において、裏コマンドを通じて話数選択が実現されるようにしてもよい。
(変形例9)
上述の実施例では、大当りの発生や待機デモ画面の表示により、第2演出モードの再生が中断された後、再度第2演出モードに戻って映像を再生させる場合に、各映像の冒頭がから再生を開始させる場合について示した。変形例においては、映像の再生が中断された時間位置を映像設定情報として記憶しておき、再度その映像を再生させる場合に中断された時間位置から映像が再開されるようにしてもよい。その他、一つの映像の中に複数の区分(チャプタ)を設定しておき、再度同じ映像を再生させる場合には中断された時間位置を含むチャプタの冒頭から映像が再開されるようにしてもよい。また、一つの映像の中に複数のチャプタが設けられる場合、遊技者の操作入力によりチャプタの選択を可能とし、遊技者の好みのチャプタの冒頭から映像が再生されるようにしてもよい。
(変形例10)
上述の実施例では、第2演出モードにて一つの映像の再生が終了した場合、次の映像の再生を開始させる場合について示した。変形例においては、遊技者の操作入力により、特定の映像を繰り返しループ再生させる設定を可能としてもよい。例えば、映像選択画面において、ループ再生をオンオフする選択画像を用意しておき、ループ再生がオンにされた場合には遊技者が選択した映像が繰り返し再生されるようにしてもよい。なお、ループ再生がオフにされた場合には、上述の実施例と同様に複数の映像が順番に再生されるようにしてもよい。
(変形例11)
上述の実施例では、連続テレビドラマのような連続性のある映像を複数用意する場合について示した。変形例においては、各映像の内容が独立しており、各映像に登場するキャラクタや状況設定が異なる複数の映像が用意されてもよい。また、10話程度の映像でまとめられたシリーズ作品を複数用意し、遊技者の操作入力により再生されるシリーズおよび各シリーズに含まれる映像の話数が選択できるようにしてもよい。
(変形例12)
上述の実施例では、第2演出モードの映像の再生が図柄変動中に終了する場合であっても、時間間隔を空けずに同じ図柄の変動表示中に次の映像を再生させる場合について示した。変形例においては、図柄変動中に映像の再生が終了する場合に次の図柄変動の開始を契機として次の映像が再生されるようにしてもよい。このとき、次の映像が再生されるまでのつなぎとして「次の映像を準備中」などの表示をしてもよい。その他、現在再生されていた映像の要約文や次の映像の見どころの説明文などを含む画像を表示し、次の映像を視聴するための準備がなされるようにしてもよい。また、当該変動の残り時間に応じて次の映像を即時に再生させるか否かを決めてもよい。例えば、当該変動の残り時間が10秒未満であれば、即時再生をせずに次変動から映像が再生されるようにし、当該変動の残り時間が10秒以上であれば、次の映像を即時に再生されるようにしてもよい。
(変形例13)
上述の実施例では、図柄停止中に演出ボタン109や十字キー110の操作をした場合に待機デモ画面表示までの計時をリセットする場合について示した。変形例では、発射ハンドル107の操作を検知した場合に待機デモ画面表示までの計時をリセットするようにしてもよい。ある実施例では、演出ボタン109や十字キー110の操作に対してのみ計時をリセットし、発射ハンドル107の操作に対しては計時をリセットしなくてもよい。逆に、演出ボタン109や十字キー110の操作に対しては計時をリセットせず、発射ハンドル107の操作に対してのみ計時をリセットするようにしてもよい。
また、発射ハンドル107が操作されたことを検知するハンドル検知を契機として、所定の特殊演出が実行されるようにしてもよい。例えば、待機デモ画面の表示中や次の図柄変動に対応する保留がないまま変動停止状態が継続している場合に、ハンドル検知に基づいて「遊技開始!」の表示や音声出力をしたり、停止表示中の装飾図柄の絵柄をアニメーションのように変化させたりする演出を実行してもよい。また、遊技状態に応じてハンドル検知時の特殊演出の実行有無を変えてもよく、例えば、入球容易状態を伴う通常遊技中はハンドル検知による特殊演出を実行せず、入球容易状態を伴わない通常遊技中はハンドル検知による特殊演出を実行してもよい。その他、演出モードに応じてハンドル検知時の特殊演出の実行有無を変えてもよく、例えば、第1演出モードの選択中はハンドル検知時の特殊演出を実行し、第2演出モードの選択中はハンドル検知による特殊演出を実行しなくてもよい。さらには、メニュー画面の表示中はハンドル検知による特殊演出を実行せず、メニュー画面が表示されていない場合、つまり、待機デモ画面の表示中や変動停止状態の装飾図柄の表示中にはハンドル検知による特殊演出を実行することとしてもよい。
(変形例14)
上述の実施例では、メニュー画面の表示中においても第2演出モードの映像が視認可能な状態にすることとした。変形例においては、メニュー画面の表示中において第2演出モードの映像の視認性を図柄変動中と比べて低下させてもよい。例えば、メニュー画面の表示中において映像表示領域518の輝度を下げたり、映像表示領域518の画像をぼやかすなどの表示処理を施したりしてもよい。その他、メニュー画面の表示中において第2演出モードの映像に対応する音声の出力を一時的に停止したりしてもよい。
(変形例15)
上述の実施例では、第2演出モードにて再生される映像を遊技中に切替できる構成について示した。変形例においては、第2演出モードとは異なる演出モード(例えば、第3演出モード)において、スピーカー108から出力される楽曲(BGM)を遊技中に切替できるよう構成されてもよい。本変形例に係る第3演出モードでは、遊技中に再生可能なBGMが複数用意され、例えば、十字キー110の左右ボタンを押下することで、再生されるBGMが切替できるように構成される。第3演出モードの遊技中にBGMを切り替えるための楽曲切替操作をすると、切替前のBGMの再生が中断され、切替後のBGMの再生が開始される。演出表示装置60には、BGMの切替と同期して切替される個別演出と、BGMの切替に拘わらず継続的に表示される共通背景演出とを組み合わせた演出内容が表示される。
図38は、変形例に係る第3演出モードにおける演出の流れを模式的に示す図である。本図では、第3演出モードにおいて複数回の図柄変動がなされる期間における演出表示装置60の演出表示およびスピーカー108の音声出力を示す。演出表示装置60では、第3演出モードの演出内容にちなんだ共通背景演出が継続的に表示されるとともに、共通背景演出に重畳して個別演出と装飾図柄の変動演出が表示される。スピーカー108からは遊技者からの入力操作により切替可能な楽曲が出力される。演出表示装置60には、現在再生中のBGMの楽曲名(タイトル名)が表示され、十字キー110の押下により楽曲が切替可能であることが示される。
第3演出モードの開始時には所定種類の楽曲(例えば、BGM1)が出力され、出力される楽曲に対応した個別演出(例えば、個別演出1)が表示される。第3演出モードの遊技中に楽曲切替操作を行うと、スピーカー108から出力されるBGMが即時に変更されるとともに、共通背景演出に重畳する個別演出の表示も即時に変更される。例えば、BGMがBGM1からBGM2に切り替えられた場合、BGM1に対応する個別演出1の表示が中断され、BGM2に対応する個別演出2の表示が開始される。一方、共通背景演出は、楽曲の切替に拘わらず継続的に表示される。装飾図柄は、楽曲の切替に拘わらず、特別図柄の変動パターンに対応した変動演出パターンにしたがって変動表示される。
演出制御装置313のデータROM324には、複数の楽曲を出力するための複数の楽曲データと、複数の個別演出を表示するための複数の個別演出表示パターンと、共通背景演出を表示するための共通演出表示パターンと、があらかじめ記憶される。楽曲データとして、数分程度の長さの楽曲を再生するための音声データが記憶される。個別演出表示パターンには、対応する楽曲の再生時間に対応する長さの表示過程が定められる。個別演出表示パターンには、例えば、対応する楽曲に含まれる歌詞を楽曲の再生タイミングに合わせて順次表示する過程や、歌詞の一部の文言や単語等を装飾的に表示する過程などが含まれる。また、演出に登場するキャラクタにちなんだ楽曲であれば、そのキャラクタのカットイン画像やキャラクタに関連する演出画像などの表示過程が個別演出表示パターンに含まれる。楽曲データにしたがった楽曲の出力と、その楽曲に対応する個別演出表示パターンにしたがった個別演出の表示を同時に開始させることで、楽曲の再生状況と個別演出の表示状況とが同期して演出が進行する。
共通背景表示パターンには、複数回の図柄変動期間にわたる装飾図柄の変動表示の背景として表示される背景演出の表示過程が定められる。共通背景表示パターンは、複数種類の個別演出のいずれと組み合わせたとしても表示上の齟齬が生じないよう、それぞれの個別演出に固有の内容が含まれないように表示過程が定められる。また、装飾図柄の複数種類の変動演出パターンのいずれと組み合わせたとしても表示上の齟齬が生じないよう、図柄が大当りとなる期待度を示唆する予告演出や、より有利な大当り種類となる期待度を示唆する予告演出が含まれないように表示過程が定められる。例えば、大当り種類を示唆する予告演出において、特別遊技中の実質的なラウンド数(つまり、賞球獲得可能数)の差異が示唆されたり、特別遊技終了後に確変状態が付与されるか否かが示唆されたりしてもよい。
上述の個別演出と共通背景演出を組み合わせた演出表示では、共通背景演出よりも個別演出の方が表示優先度が高く設定される。つまり、共通背景演出の表示レイヤよりも個別演出の表示レイヤが前面側に設定され、共通背景演出の上に個別演出が重畳されて表示される。また、共通背景演出よりも装飾図柄の表示優先度が高く設定され、個別演出よりも装飾図柄の表示優先度が高く設定される。さらなる変形例では、個別演出の表示優先度が装飾図柄の表示優先度よりも高く設定されてもよい。また、遊技球の発射方向を案内する発射方向案内表示は、個別演出および装飾図柄の変動演出よりも表示優先度が高く設定される。例えば、遊技球を右方向に発射すべき旨を案内するいわゆる右打ち報知演出は、個別演出および装飾図柄の表示よりも優先してより前面側の表示レイヤにて表示される。
上述の個別演出と共通背景演出を組み合わせる演出表示では、図柄が大当りとなる期待度を示唆する予告演出がさらに組み合わせて表示されてもよい。予告演出は、例えば、共通背景演出、個別演出および装飾図柄よりも高い表示優先度にて表示される。また、装飾図柄の変動演出パターンとして、スーパーリーチ演出などの期待度が高い演出パターンが選択された場合、個別演出と共通背景演出とを組み合わせた演出表示が中断され、スーパーリーチ演出に定められる期待度の高い予告演出やリーチ演出が優先的に実行されてもよい。例えば、装飾図柄の変動演出パターンが「リーチなし外れ」や「ノーマルリーチ」などの特定の変動演出パターンが選択される場合にのみ個別演出と共通背景演出を組み合わせた演出表示がなされ、スーパーリーチ演出などの別の種類の変動演出パターンが選択された場合には、共通背景演出および個別演出が中断されてもよい。また、スーパーリーチ演出にて外れとなった場合、次の図柄変動の開始を契機として、共通背景演出および個別演出を再開させてもよい。その他、外れとなる図柄の変動停止時または変動停止前の所定タイミング(例えば、変動停止の3秒前や5秒前など)から共通背景演出および個別演出を再開させてもよい。
共通背景表示パターンは、一つのみ用意されてもよいし、複数用意されてもよい。複数の共通背景表示パターンが用意される場合、遊技者の操作入力によって共通背景演出の種類(例えば演出ステージの種類)が選択可能となるよう構成されてもよい。第3演出モードが通常確率状態の通常遊技にて用いられる場合、遊技開始前のメニュー画面を通じて演出ステージの設定が可能であってもよい。一方、第3演出モードが特別遊技終了後に移行される特定遊技状態(確率変動状態および入球容易状態の少なくとも一方が付与される状態)の通常遊技にて用いられる場合、第3演出モードが実行される前の特別遊技中に演出ステージが選択可能であってもよい。この場合、選択したいずれか一つの共通背景表示パターンにしたがった共通背景演出が第3演出モードにて繰り返し実行されてもよいし、一つの共通背景表示パターンにしたがった共通背景演出の終了後、別の共通背景表示パターンにしたがった共通背景演出に切り替えられてもよい。例えば、大当りとなって特別遊技が実行された後に特定遊技状態に再度移行されることを契機として、別の共通背景表示パターンにしたがった共通背景演出に切り替えられてもよい。その他、所定回数の図柄変動がなされたことや、所定回数の図柄変動後に特定の変動パターンが選択されたことを契機として共通背景演出が所定の順序で切り替えられ、演出ステージが順次移行されてもよい。
本変形例によれば、遊技中のBGMの切替を可能にするとともに、選択されたBGMに対応した個別演出を表示させることで、遊技者の好みに合った演出内容を随時提供することができる。また、複数のBGMに対応する個別演出を共通背景演出に重畳して表示させるようにし、BGMの変更に拘わらずに共通背景演出を継続的に表示させることで、BGMの変更に伴って演出表示が一時的に中断されてしまうことを防ぐことができる。逆に言えば、BGMや個別演出の変更処理にある程度の時間がかかる場合であっても、共通背景演出によってそのタイムラグを補うことができる。これにより、演出態様の随時変更と演出表示の連続性とを両立させることができる。
なお、さらなる変形例では、上述のBGM、個別演出および共通背景演出を組み合わせた演出内容を特別遊技中に実行してもよい。例えば、特別遊技の実行中にBGMの変更を可能にし、BGMの変更に合わせて個別演出が変更されるようにしてもよい。一方で、共通背景演出には、特別遊技のラウンド消化に応じた演出内容が含まれるようにしてもよい。
また、遊技中に切替可能となるBGMの種類数は、遊技中に所定条件を充足することで変化してもよい。例えば、遊技中に所定条件が充足されることで選択可能となるBGMの種類数を増やし、所定条件が充足されるまでは選択不可とされていた特別な楽曲を選択可能にしてもよい。例えば、入球容易状態における大当りが連続発生して特別遊技を挟みながら(入球容易状態が終了することなく)入球容易状態が連続的に継続するいわゆる連荘状態において、大当りの連続発生が所定回数に達することや、連荘状態にて累計で獲得した賞球数が所定数に達することなどが所定条件として設定される。具体的には、連荘状態での大当り発生回数(連荘回数)が5回となった場合に選択可能なBGM数が4曲から6曲に増加し、連荘回数が10回となった場合に選択可能なBGM数が8曲に増加するようにしてもよい。その他、連荘状態での累計獲得賞球数が5000個になった場合に選択可能なBGM数が4曲から6曲に増加し、連荘状態での累計獲得賞球数が10000個になった場合に選択可能なBGM数が8曲に増加するようにしてもよい。その他、変動演出や特別遊技演出として、特定の希少性の高い演出(いわゆるプレミアム演出)が実行されたことを条件としてBGM数が増えるようにしてもよい。この希少性の高い演出は、連荘回数が10回などの所定回数に達したことを条件に実行されてもよいし、連荘状態が継続している場合に低頻度で実行されてもよい。選択可能なBGM数が増加した場合、BGM数の増加に応じてBGMに対応する個別演出の種類数も増加する。
また、遊技中に所定条件が充足された場合に、選択可能なBGM数を増加させるだけでなく、個別演出が重畳される共通背景演出の表示を変化させてもよい。例えば、連荘回数が20回に到達することや、連荘状態での累計獲得賞球数が20000個になることを条件として、共通背景演出がそれ以前と異なる内容に変わってもよい。つまり、所定条件が充足されるまでは第1共通背景演出が表示され、所定条件が充足されてからは第2背景演出が表示されてもよい。
(変形例16)
上述の実施例では、第1演出モードに複数のステージが用意され、各ステージにおける滞在回数や図柄変動時の演出内容が所定条件を満たした場合にステージが切り替えられる場合について示した。変形例においては、遊技者の操作入力によって複数のステージが切り替えられるように構成されてもよい。例えば、第1演出モードの遊技中に演出ボタン109を1回押下することで、次の演出ステージに切替可能となるように構成されてもよい。例えば、4つの演出ステージA,B,C,Dが用意される場合、演出ボタン109が1回押下されるごとに演出ステージがA→B→C→D→A→B→・・・というように所定の順序で切り替わるように構成されてもよい。その他、十字キー110の上ボタンを押下することで正順序(例えばA→B→C→D→A→B→・・・)で切り替えられ、十字キー110の下ボタンを押下することで逆順序(例えばA→D→C→B→A→D→・・)で切り替えられるよう構成されてもよい。
各演出ステージは、演出表示の背景画像が互いに異なっており、背景画像の切替により演出ステージが切り替えられたことが分かるように構成される。各演出ステージに対応する背景画像として、例えば、複数回の図柄変動期間にわたって継続する背景演出の表示過程を定める複数の背景表示パターンが用意され、その背景表示パターンにしたがって背景演出が表示される。背景表示パターンは、静止画を表示させるものであってもよいし、動画像を表示させるものであってもよい。背景表示パターンのそれぞれは、10回、20回または30回の図柄変動がなされる比較的長い期間にわたって継続性のある背景演出が表示可能となるように、一つの背景表示パターンがループ再生できるように構成される。例えば、それぞれの背景表示パターンの最初と最後の表示内容を対応させることで、一つの背景表示パターンを繰り返し再生することができる。また、背景表示パターンにしたがった表示過程は図柄の変動表示過程と非同期であり、連続的に実行される図柄の変動開始タイミングと関係なく継続して表示される。つまり、新たな図柄変動の開始を契機として表示がリセットされるのではなく、新たな図柄変動の開始タイミングの前後において、継続的に表示される。なお、各演出ステージ用の背景表示パターンが複数用意され、特定の図柄変動の開始を契機として背景表示パターンが切り替えられてもよい。
各演出ステージは、楽曲(BGM)が異なるように構成されてもよく、演出ステージが切り替えられる場合には、背景画像が切り替えられるだけではなく、BGMも併せて切り替えられてもよい。その他、各演出ステージは、演出に登場するキャラクタが異なってもよいし、リーチ演出の種類、予告演出の種類、予告演出の表示態様が異なってもよい。例えば、演出ステージA、Bでは、先読みによる予告演出の実行頻度が高く設定され、演出ステージCでは、先読みによる予告演出の実行頻度が低く設定され、演出ステージDでは、先読みによる予告演出が全く実行されないように設定されてもよい。また、演出ステージA,Bでは、ステップアップ予告演出が高頻度で実行される一方、演出ステージC,Dでは、ステップ予告演出が低頻度で実行されるか、全く表示されないように設定されてもよい。
各演出ステージにおける予告演出として、先読みを用いた複数回の図柄変動期間にわたる連続予告演出パターンが用意される。例えば、先読みによる事前判定情報として、大当りに対応する事前当否判定情報や、特定のスーパーリーチ変動に対応する事前パターン判定情報が取得された場合に、連続予告演出パターンにしたがった演出表示を開始する。連続予告演出パターンとして、演出の実行期間が異なる複数の演出パターンが用意され、例えば、2回、3回または4回の図柄変動期間のそれぞれに対応する演出パターンが用意される。演出決定手段303は、連続予告演出の実行契機となった保留位置に応じて演出パターンを決定し、当該保留が消化される図柄の変動まで連続予告演出パターンにしたがって演出を実行させる。
連続予告演出では、当該保留が消化される前の一回以上の図柄変動において、装飾図柄を特定の表示態様にて停止表示させたり、特定のキャラクタを登場させたりすることにより高期待度を示唆する演出がなされる。また、当該保留が消化される前に二回以上の図柄変動がなされる場合には、図柄停止のたびに期待度が段階的に高められることを示唆するステップアップ予告演出が表示される。このステップアップ予告演出では、例えば、連続予告演出の開始を契機に特定のキャラクタが登場し、連続予告演出の実行期間にわたってそのキャラクタを継続表示させ、図柄停止のたびにキャラクタの表示態様を変化させることにより期待度が段階的に高まることが示唆される。例えば、キャラクタの表示サイズを段階的に大きくしたり、登場するキャラクタ数を増やしたり、キャラクタのモーションをより大きくしたりすることにより、期待度が段階的に高まることが示唆されてもよい。その他、同一演出ステージ内において背景表示パターンを切り替えることにより、より期待度が高い状態にステップアップしたことを示唆してもよい。
連続予告演出では、連続予告の実行契機となる保留(トリガ保留)よりも先に消化される1以上の保留に係る図柄変動まで特定パターンの予告演出がなされる第1連続予告演出が実行されてもよい。その他、トリガ保留よりも先に消化される1以上の保留に係る図柄変動まで特定パターンの予告演出がなされ、その後、トリガ保留が消化される図柄変動においても特定パターンの予告演出と同じ又は類似する予告演出が実行される第2連続予告演出が実行されてもよい。第1連続予告演出では、トリガ保留よりも先に消化される1以上の保留に係る図柄変動にて、装飾図柄を特定の図柄組合せ(例えば、123の順目や445のずれ目など)で停止させる図柄演出や、保留表示(保留オブジェクト)の表示態様を変化させる保留変化演出がなされてもよい。一方、第2連続予告演出の場合、トリガ保留よりも先に消化される1以上の保留に係る図柄変動では保留表示(保留オブジェクト)の表示態様を変化させる保留変化演出を行い、トリガ保留が消化される図柄変動では保留変化演出と類似した演出である当該変動の期待度を示唆する当該変動オブジェクトの表示態様を変化させる当該変動オブジェクト変化演出を行う一連の連続予告演出が実行されてもよい。その他、第2連続予告演出として、トリガ保留よりも先に消化される1以上の保留に係る図柄変動及びトリガ保留が消化される図柄変動のいずれにも亘って背景演出の表示態様を特殊態様へと変化させる背景先読み演出が実行されてもよい。
複数回の図柄変動期間にわたる連続予告演出では、トリガ保留に対応する入球を契機として複数回の変動演出の内容が一括的に決定されてもよいし、各回の図柄変動の開始時にトリガ保留の位置に応じて各回の変動演出の内容が個別的に決定されてもよい。第1連続予告演出の場合、トリガ保留の入球を契機にトリガ保留の消化時の変動演出も含めて決定されてもよい。一方、第2連続予告演出の場合には、トリガ保留の入球を契機にトリガ保留が消化される前の変動までの変動演出が一括的に決定される一方、トリガ保留の消化時の変動演出はトリガ保留が消化される図柄変動の開始時に決定されてもよい。また、各回の変動演出の内容を個別的に決定する場合、各回の図柄変動の開始時に各回の変動演出の内容が決定されてもよい。
本変形例では、図柄変動中に演出ステージを切り替えるための演出切替操作がなされた場合、演出ステージを即時に切替可能とする第1期間(ステージ切替期間)と、演出ステージの即時の切替を待機して次の図柄変動の開始を契機に演出ステージを切り替える第2期間(ステージ切替待機期間)とが設けられる。第1期間は、装飾図柄の変動が開始して装飾図柄が高速で変動表示される期間に相当し、変動表示される装飾図柄の図柄種類の識別が困難または不能となる程度に高速で変動表示される期間に相当する。一方、第2期間は、第1期間の経過後に装飾図柄が第1期間よりも低速で変動表示されてから停止表示されるまでの期間に相当し、変動表示される装飾図柄の図柄種類の識別が容易または可能となる期間に相当する。装飾図柄が複数の図柄列で構成される場合、第1期間は、複数の図柄列の少なくとも一つの変動が開始され、複数の図柄列の全てが高速で変動表示される期間に相当する。一方、第2期間は、複数の図柄列の少なくとも一つの変動速度が第1期間よりも低速に切り替わるタイミングから、複数の図柄列が停止表示されるまでの期間に相当する。また、図柄停止または図柄停止の直前(例えば、図柄停止の3秒前や5秒前)から次の図柄変動が開始されるまでの期間として、演出切替操作の受け付けを不可とする第3期間(操作不可期間)が設けられる。この第3期間に演出切替操作をした場合、その操作は無効とされる。
なお、上述の第1期間(ステージ切替期間)、第2期間(ステージ切替待機期間)および第3期間(操作不可期間)の定義は例示であり、その他の定義方法によりこれらの期間が決められてもよい。また、図柄の変動時間、変動パターンの種類、実行される演出の種類等に応じて第1期間および第2期間の長さやタイミングが異なっていてもよい。例えば、特定の予告演出が発生しうるタイミングまでを第1期間として定義し、それ以降を第2期間に定義してもよい。また、装飾図柄がリーチ態様となるまでを第1期間と定義し、それ以降を第2期間に定義してもよい。また、第3期間は、図柄変動期間の途中に演出ボタン109を押下することで演出内容が変化しうる演出の実行期間として定められてもよい。例えば、装飾図柄のリーチ成立のタイミングや、リーチ成立後にスーパーリーチ演出に発展する場合の発展タイミングを第3期間の開始タイミングとしてもよい。演出ボタン109を押下により演出内容が変化する演出として、例えば、演出ボタン109の押下により可動役物が作動する演出や、演出ボタン109の連打により表示されるメータが増えていく演出などが挙げられる。
なお、変動開始からの第1期間においても、演出ボタン109を使用したボタン演出(例えば、演出ボタン109を模擬した画像が表示され、演出ボタン109を押下することで期待度を示唆するメッセージやキャラクタのカットイン画像等が表示される予告演出など)が発生することもある。この場合、ボタン押下による演出を有効とする「ボタン演出有効期間」においては、演出ボタン109の押下によるステージ切替が不可となる。このボタン演出の発生頻度は、演出ステージに応じて異なるように設定されてもよい。その結果、演出ステージに応じて第1期間中に演出ステージの切替が可能となる頻度が異なってもよい。例えば、演出ステージAでは第1期間におけるボタン演出の発生頻度が低く設定される一方、演出ステージBでは第1期間におけるボタン演出の発生頻度が高く設定されてもよい。この場合、演出ステージAの第1期間にてステージ切替操作が可能となる確率が高く設定され、演出ステージBの第1期間にてステージ切替操作が可能となる確率が低く設定される。
また、第1期間、第2期間および第3期間の長さの大小関係は、図柄の変動時間、変動パターンの種類、実行される演出の種類等に応じて異なってもよい。例えば、短縮変動ではないリーチを伴わない変動パターンA(例えば、変動時間が12秒)の場合には、第1期間>第2期間>第3期間の大小関係とし、短縮変動であるリーチを伴わない変動パターンB(例えば、変動時間が3秒)の場合は、第2期間>第1期間>第3期間の大小関係としてもよい。スーパーリーチ演出を伴う外れ変動パターンC(例えば、変動時間が30秒)の場合には、第2期間>第1期間>第3期間の大小関係、第3期間>第1期間>第2期間の大小関係、または、第3期間>第2期間>第1期間の大小関係としてもよい。ここで、変動パターンBは、時短状態にて選択されやすい変動パターンであってもよく、非時短状態では選択されない、もしくは、選択されにくい変動パターンであってもよい。また、変動パターンBは、変動開始時の保留数が所定以上(例えば、3個以上)の場合に選択されやすい短縮変動パターンであってもよく、変動開始時の保留数が所定未満(例えば、保留なし)の場合に選択されない、もしくは、選択されにくい変動パターンであってもよい。
図39は、変形例に係る第1演出モードにおける演出表示の流れを模式的に示す図であり、演出切替操作のタイミングと演出ステージの切替反映タイミングとの関係を模式的に示す。表示例1は、ステージ切替期間(第1期間)に演出切替操作を1回した場合の流れを示す。ステージ切替期間に演出切替操作をすると、ステージ変更が即時に反映され、当該変動中に切替後の演出ステージに対応する演出内容に切り替えられる。また、演出ステージの切替と同期して、切替後の演出ステージがいずれであるかを示す表示がなされる。表示例1に示すように、演出ステージAに滞在する状態でステージ切替期間に演出ステージAからBに切り替える操作をすると、切替操作の直後に演出ステージBに対応する演出内容に切り替えられ、演出ステージBに滞在していることを示す表示がなされる。具体的には、画面に表示される背景画像や出力されるBGMが変更され、画面に「ステージB」の文言が一時的に表示される。また、切替前の演出ステージに固有の連続予告演出が実行されている場合には、演出ステージの切替とともに連続予告演出の実行が中断され、切替後の演出ステージにしたがった予告演出が実行される。例えば、演出ステージB用の背景表示パターンにしたがった背景演出が最初から表示され、演出ステージB用のBGMが最初から再生される。つまり、演出切替操作が実行される前の背景演出およびBGMの進行状況がリセットされ、背景演出およびBGMが初期状態から開始される。
表示例2は、ステージ切替期間に演出切替操作を複数回実行した場合の流れを示し、最終的に選択される演出ステージが切替前の演出ステージと同じになる場合を示す。具体的に言えば、4種類の演出ステージが用意されている場合に演出切替操作を4回実行することで、A→B→C→D→Aというように切替操作が一巡して元に戻る場合である。この場合、演出切替操作のたびに演出内容が切り替えられ、演出ステージB,C,Dに対応する背景画像の表示がなされた後に演出ステージAに対応する背景画像が表示される。また、切替後の演出ステージAでは、演出ステージA用の背景表示パターンにしたがった背景演出が最初から表示され、演出ステージA用のBGMが最初から再生される。つまり、演出切替操作が実行される前の背景演出およびBGMの進行状況がリセットされ、背景演出およびBGMが初期状態から開始される。なお、演出内容の切替が完了する前に複数回の演出切替操作が連続して実行される場合には、切替途中の演出ステージに対応する背景画像の表示が省略されてもよい。例えば、A→C→Aというように切替途中の一部の演出ステージCに対応する背景画像のみが切替途中に表示され、切替途中の別の演出ステージB,Dに対応する背景画像が表示されなくてもよい。BGMについても同様に、切替途中の全ての演出ステージに対応するBGMが一時的に再生されてもよいし、切替途中の一部の演出ステージに対応するBGMのみが一時的に再生されてもよい。
表示例3は、ステージ切替期間後の切替待機期間(第2期間)に演出切替操作を実行した場合の流れを示す。切替待機期間に演出切替操作を1回すると、ステージ変更が即時に反映されず、次の図柄変動が開始されるまでステージ変更を待機する状態となる。このとき、切替を予定している演出ステージがいずれであるかを示す表示がなされるとともに、次変動まで演出ステージの切替を待機している状態であることを示す表示がなされる。図示されるように、切替待機期間に演出ステージAからBに変更する演出切替操作がなされた場合、「次変動からステージB」などの文言が表示される切替待機状態となる。切替待機状態となった後にさらなる演出切替操作をすることも可能であり、次変動にて選択される予定の演出ステージを変更することが可能である。例えば、「次変動からステージB」が表示されている間に演出切替操作を実行すると、「次変動からステージC」の表示に変更され、次変動にて選択予定の演出ステージをBからCに変更できる。なお、当該図柄の変動停止までは切替前の演出ステージ(例えば演出ステージA)に対応する演出内容が継続され、次の図柄変動の開始を契機に切替後の演出ステージ(例えば演出ステージC)に対応する演出内容に変更される。例えば、次の図柄変動の開始を契機に、演出ステージC用の背景表示パターンにしたがった背景演出が最初から表示され、演出ステージC用のBGMが最初から再生される。つまり、演出切替操作が実行される前の背景演出およびBGMの進行状況がリセットされ、背景演出およびBGMが初期状態から開始される。
表示例4は、切替待機期間に複数回の演出切替操作を実行した場合の流れを示し、最終的に選択される演出ステージが切替前の演出ステージと同じになる場合を示す。図示されるように、演出切替操作が4回実行されて次変動にて演出ステージAが選択対象となる場合、「次変動からステージA」の文言が表示される切替待機状態となる。しかしながら、この場合には演出ステージの変更を伴わないため、次の図柄変動の開始前後において演出内容が切り替えられず、当該図柄の変動表示中から次の図柄の変動表示中にわたって同じ演出ステージ(例えば演出ステージA)に対応する演出内容が継続して表示される。具体的には、次の図柄変動を契機とした背景画像やBGMのリセットはなされず、背景演出の表示やBGMの再生が連続して実行される。背景表示パターンにしたがった表示過程は図柄の変動表示過程と非同期であり、連続的に実行される図柄の変動開始タイミングと関係なく継続して表示されるためである。表示例4では、背景表示が継続して実行されるため、新たな図柄変動の開始を契機として表示がリセットされず、新たな図柄変動の開始タイミングの前後においても背景演出が継続的に表示される。その結果、切替待機期間に元の演出モードと同じ演出モードを選択した場合、演出切替操作がなされない場合と同様に演出内容が進行する。したがって、切替待機期間に現在と同じ演出ステージが再選択された場合であって、現在の演出ステージに固有の連続予告演出が実行されていれば、次の図柄変動においてもその連続予告演出が継続され、より高い期待度にステップアップした予告演出が実行される。
なお、切替待機期間に演出切替操作をした場合であって、演出切替操作をした図柄変動が大当りとなって特別遊技に移行される場合には、特別遊技終了後に移行される通常遊技の初回変動から切替後の演出ステージが開始されてもよい。また、切替待機期間に演出切替操作をした場合であって、演出切替操作をした図柄変動中に次の変動に対応する保留が記憶されていない場合には、当該変動の停止時に演出ステージが切り替えられてもよいし、当該変動の停止から所定時間(例えば、1秒や2秒)が経過した後に演出ステージが切り替えられてもよい。その他、当該変動の停止時や停止後に演出ステージが切り替わるのではなく、始動口への入球により新たな図柄変動が開始されることを契機として演出ステージが切り替えられてもよい。つまり、切替待機期間に演出切替操作をした場合であって次変動が即座に開始できないような状況の場合、次変動の開始を契機として演出ステージを切り替えてもよいし、次変動の開始とは異なる条件、例えば、当該変動の停止を契機として演出ステージを切り替えてもよい。演出ステージが切り替えられる場合、上述の表示例と同様に、演出切替操作が実行される前の背景演出およびBGMの進行状況がリセットされ、背景演出およびBGMが初期状態から開始される。
また、切替待機期間に演出切替操作をした場合であっても、演出切替操作をした図柄変動が大当りとなって特別遊技に移行される場合には、特別遊技終了後に移行される通常遊技の初回変動において演出切替操作が反映されなくてもよい。この場合、切替待機期間になされた演出切替操作によらず、大当りとなった図柄変動中の演出ステージがそのまま引き継がれてもよいし、特別遊技終了後に移行されるべき演出ステージとして定められる特定の演出ステージに必ず移行されてもよい。その他、大当りとなることを契機として、大当りとなった図柄変動中の演出ステージの次に定められる演出ステージに移行されてもよい。
本変形例によれば、遊技中の演出ステージの切替を可能にすることで、演出のバリエーションを増やすことができる。また、図柄変動期間の前半に相当する第1期間において演出ステージの即時切替を可能にすることで、遊技者の好みに合った演出態様をより迅速に提供することができる。一方、図柄変動期間の後半に相当する第2期間において演出ステージの切替を待機することで、各演出ステージに固有の予告演出やリーチ演出といった高期待度の演出内容の進行が阻害されないようにできる。また、切替待機期間において元の演出モードを再選択した場合に次の図柄変動においても演出内容がそのまま継続されるようにすることで、複数回の図柄変動期間にわたる期待度の高い連続演出予告が中断されるのを防ぐことができる。これにより、高期待度の演出がより多く遊技者に提供されるようにしつつ、より迅速な演出ステージの切替を実現できる。
(変形例17)
上述の実施例では、第1演出モードにおいて図柄変動に応じた演出が表示され、第2演出モードにおいて図柄変動によらずに物語性を有する映像が継続表示される場合について示した。変形例においては、演出傾向の異なる第1演出モードと第2演出モードとがあり、第1演出モードと第2演出モードのいずれにおいても図柄変動に応じた演出が表示されてもよい。つまり、第1演出モードと第2演出モードのいずれも、図柄変動によらずに物語性を有する映像が継続表示されるような演出モードではなくてもよい。
(変形例18)
上述の実施例では、図柄の変動演出として、図26に示す装飾図柄501や図27に示す代替図柄506を用いる場合を示した。さらなる変形例においては、図26に示す装飾図柄501の変動表示および図27に示す代替図柄506の変動表示に加えて、装飾図柄および代替図柄とは別の簡易図柄が変動表示されてもよい。簡易図柄は、装飾図柄の図柄種類を示す部分に対応した外観上の表示形態を有し、図柄種類を示す数字、文字または記号を表す表示形態を有する。簡易図柄は、装飾図柄や代替図柄よりも相対的に小さく表示され、装飾図柄や代替図柄と比べて表示形態が簡略化されているものの図柄種類が外観上識別可能となる表示形態を有する。例えば、装飾図柄が絵柄と数字の組み合わせで構成されている場合、簡易図柄には数字のみが用いられ、絵柄を伴わない表示形態となる。簡易図柄は、装飾図柄または代替図柄の変動表示とともに所定の図柄変動期間(特別図柄の1回の図柄変動期間)にわたって表示画面の隅の方で小さく変動表示(例えば、スクロール表示や回転表示)され、その変動表示によって図柄変動中であることを示唆する。
簡易図柄は、装飾図柄や代替図柄と同様に複数(例えば三つ)の図柄列により構成される。簡易図柄は、図柄変動期間にわたって外れ態様の図柄組合せのまま同一速度で変動表示される。例えば、装飾図柄や代替図柄が1回の図柄変動期間の途中であたかも停止したかのように見せて疑似的に複数回の図柄変動がなされたかのように見せる場合であっても、簡易図柄の変動は継続される。つまり、簡易図柄は、1回の図柄変動期間の途中で停止したかのように見せる仮停止表示がなされることはない。したがって、1回の特図変動期間内において、装飾図柄や代替図柄の変動速度が変化する、又は、変化しやすい傾向にある一方で、簡易図柄の変動速度は変化しない、又は、変化しにくい傾向にある。例えば、装飾図柄や代替図柄については、超高速、高速、中速、低速、仮停止といった複数段階の変動速度に変化するのに対し、簡易図柄については、高速変動と仮停止の2段階の変動速度のみが用いられてもよい。
なお、装飾図柄や代替図柄がリーチ態様となる場合や、装飾図柄や代替図柄が当り態様のまま仮停止される場合、当り態様のまま複数の図柄列全体が同じ速度でゆっくりと変動表示される「全回転リーチ」となる場合には、簡易図柄も同期してリーチ態様や当り態様の仮停止、全回転リーチの表示態様となってもよい。別の変形例では、装飾図柄や代替図柄がリーチ態様、当り態様の仮停止、全回転リーチ態様の少なくともいずれか一つとなる場合であっても、図柄が最終的に停止される前(図柄変動期間の途中)では、三つの図柄列で構成される簡易図柄がリーチ態様、当り態様または全回転リーチ態様となることなく変動表示され、特図の停止タイミングにて停止表示されてもよい。
簡易図柄の表示位置は常時固定されており、装飾図柄や代替図柄のように演出表示の途中で表示態様や表示サイズが変更したり、表示位置が変更されたりすることはない。簡易図柄は、他の演出表示よりも表示優先度が高く設定され、装飾図柄や代替図柄の変動演出の表示や、予告演出の表示などよりも前面側のレイヤに表示される。また、右打ち報知(発射方向案内表示)などの表示優先度が高い他の表示と競合しないよう、右打ち報知がなされる表示領域とは異なる領域に簡易図柄が表示される。なお、上述の装飾図柄や代替図柄は、右打ち報知がなされる領域に表示される可能性があり、その場合、装飾図柄や代替図柄よりも右打ち報知が前面側の表示レイヤに優先して表示される。
簡易図柄は、装飾図柄や代替図柄の変動停止時に同期して停止表示される。この場合、当否結果を分かりやすくする目的で、装飾図柄や代替図柄の停止時の図柄組合せと同じ図柄組合せの簡易図柄が停止表示される。つまり、装飾図柄や代替図柄と、簡易図柄とが同じ数字の組み合わせで停止表示される。簡易図柄は、図柄変動がなされる通常遊技中のみならず、通常遊技にて大当りとなった後に移行される特別遊技中においても表示されてもよい。この場合、大当りとなることを示す図柄組合せ(例えば、222や777など)が特別遊技の実行中に継続して停止表示されてもよい。一方で、装飾図柄や代替図柄は、特別遊技中に非表示となってもよいし、複数の図柄列を表示する代わりに単独図柄(例えば、2や7など)のみが表示されてもよい。
簡易図柄の表示は、上述の変形例15に記載した個別演出および共通背景演出と組み合わせて用いられてもよい。この場合、演出表示装置60における表示優先度は、1)発射方向案内表示(右打ち表示)、2)簡易図柄表示、3)装飾図柄および代替図柄の表示、4)予告表示、5)個別演出表示、6)共通背景演出表示の順に設定されてもよい。つまり、1)の表示優先度が最も高く設定され、最前面の表示レイヤに表示される一方、6)の表示優先度が最も低く設定され、最背面の表示レイヤに表示されてもよい。なお、1)と2)の表示優先度は同じであってもよいし、逆であってもよい。また、3)と4)の表示優先度が同じであってもよいし、逆であってもよい。
また、上述の1)〜6)の表示は、いずれかの表示が互いに重畳可能となるように表示される一方、いずれかの表示が互いに画面の異なる領域に表示されて重畳不可となるように表示されてもよい。例えば、1)の発射方向案内表示は、2)の簡易図柄表示や5)の個別演出表示と重畳しないように、1)の表示領域と、2)および5)の表示領域とを異ならせてもよい。一方、1)の表示領域と、3)、4)、6)の表示領域は少なくとも一部が重複してもよい。同様に、2)の簡易図柄表示は、5)の個別演出表示と重畳しないように、2)の表示領域と5)の表示領域とを異ならせてもよい。一方、2)の表示領域と、3)、4)、6)の表示領域は少なくとも一部が重複してもよい。
また、上述の1)〜6)の表示の少なくとも一部は、透過性を有する画像として表示されてもよい。ここで「透過性を有する画像」とは、別の画像の上に重畳して表示された場合に、重畳される画像が透けて見えるように表示される画像のことをいう。例えば、いずれかの画像の上に重畳して表示される可能性のある、3)装飾図柄および代替図柄の表示、4)予告表示、5)個別演出表示、などの表示のうち少なくとも一つを透過表示させてもよい。例えば、個別演出として透過性を有する画像を使用し、個別演出用の画像の裏側に共通背景演出の表示が透けて見えるようにしてもよい。
(変形例19)
上述の実施例では、遊技者が設定した音量および光量にしたがってスピーカー108の音量が調整され、装飾ランプ111の光量が調整される場合について示した。さらなる変形例においては、エラーが発生するなどの特定の状況下において、音量設定および光量設定の設定値に拘わらず、スピーカー108が最大音量または固定音量となり、装飾ランプ111が最大光量または固定光量となるように制御されてもよい。例えば、不正磁気検知、不正電波検知、不正入賞検知などの不正検知がなされた場合に最大音量および最大光量となってもよい。その他、特定の不正検知がなされた場合、例えば、不正入賞検知がなされた場合にのみ音量および光量が強制的に最大となってもよい。
(変形例20)
上述の実施例の第1演出モードと第2演出モードにおいて、以下のような違いを設けてもよい。例えば、予告演出として用意される演出の種類数や、同一変動内で表示されうる予告の種類数、リーチ演出の種類数、擬似連続変動演出の発生頻度や同一変動内に実行される擬似連続変動の回数、先読み演出の発生頻度、先読み演出の種類数などである。特定種類の演出の発生頻度を変える場合には、一方の演出モードよりも他方の演出モードにおいて発生頻度が高くなるようにしてもよいし、一方の演出モードで特定種類の演出が実行され、他方の演出モードにおいて特定種類の演出が実行されないようにしてもよい。これらの演出モードごとの演出傾向の違いは、変形例16に示した複数の演出ステージに対して適用してもよい。
(変形例21)
上述の実施例では、入球容易状態の終了後に第1演出モードまたは第2演出モードに移行される場合を示した。さらなる変形例においては、入球容易状態が終了してから所定回数の図柄変動がなされるまでの限定的な期間において、上述の演出モードとは異なる演出モード(例えば、第5演出モード)に移行されてもよい。例えば、入球容易状態の終了後に第5演出モードへ移行され、第5演出モードにて所定回数(例えば20回や30回)の図柄変動がなされた後に第1演出モードや第2演出モードに移行されてもよい。その他、所定の図柄変動回数が経過することで入球容易状態を伴う通常遊技が終了し、入球容易状態を伴わない通常遊技に移行することを契機として、上述の演出モードとは異なる演出モード(例えば第5演出モード)に移行されてもよい。
以下に、実施例および変形例の構成例を示す。
[構成1]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられる始動口と、
前記始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
演出が表示される演出表示装置と、を備え、
前記演出表示装置に表示される演出の傾向が異なる第1演出モードと第2演出モードとがあり、
前記図柄の変動停止後、所定条件が充足される場合、遊技待機中に表示される待機デモの表示が開始され、
前記第1演出モードにて前記図柄が変動停止してから前記待機デモが表示されるまでの第1時間よりも、前記第2演出モードにて前記図柄が変動停止してから前記待機デモが表示されるまでの第2時間の方が短い弾球遊技機。
[構成2]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられる始動口と、
前記始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
演出が表示される演出表示装置と、
音声が出力される音声出力装置と、を備え、
前記演出表示装置は、前記図柄の停止表示中、前記演出表示装置に表示させる映像を変更するための映像設定操作および前記音声出力装置の音量を変更するための音量設定操作のためのメニュー画面の表示が可能であり、
前記メニュー画面は、選択中の映像がいずれであるかの表示が可能であり、選択中の音量がいずれであるかの表示が可能であり、前記メニュー画面の表示中に前記図柄の変動表示が開始される場合に非表示となり、
前記映像設定操作では、複数の映像のいずれかを選択する選択操作をし、かつ、選択した映像に決定する決定操作をした場合に映像設定が変更され、
前記音量設定操作では、複数の音量のいずれかを選択する選択操作をした場合に音量設定が変更され、
前記メニュー画面の表示中に選択中の映像を変更する選択操作をした後に前記図柄の変動表示が開始されて前記メニュー画面が非表示となる場合、映像を変更する選択操作によらず映像設定が維持され、
前記メニュー画面の表示中に選択中の音量を変更する選択操作をした後に前記図柄の変動表示が開始されて前記メニュー画面が非表示となる場合、音量を変更する選択操作に応じた音量設定に変更されている弾球遊技機。
[構成3]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられる始動口と、
前記始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
演出が表示される演出表示装置と、
音声が出力される音声出力装置と、
複数の楽曲のいずれかに切り替えるための楽曲切替操作を遊技者から受け付ける操作入力手段と、を備え、
前記複数の楽曲を再生するための複数の楽曲データと、前記複数の楽曲のそれぞれに対応する個別演出を表示するための複数の個別演出表示パターンと、前記個別演出に重畳して表示される共通背景演出を表示するための共通演出表示パターンとを有し、
前記共通演出表示パターンに対応する共通背景演出に前記複数の個別演出表示パターンのいずれかに対応する個別演出が重畳して前記演出表示装置に表示され、かつ、前記複数の楽曲データのいずれかに対応する楽曲が前記音声出力装置から出力され、
遊技者からの楽曲切替操作を受け付けた場合、切替後の楽曲の出力が開始され、かつ、切替後の楽曲に対応する個別演出の表示が開始される一方、共通背景演出が継続して表示される弾球遊技機。
[構成4]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられる始動口と、
前記始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示され、前記図柄の変動表示に伴う演出が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出の傾向が異なるように定められる複数の演出ステージのいずれかに切り替えるための演出切替操作を遊技者から受け付ける操作入力手段と、を備え、
前記演出切替操作では、遊技者の入力操作を契機に選択対象となる演出ステージが所定の切替順序にしたがって順番に切替可能であり、
前記図柄の変動開始から所定のステージ切替期間が経過するまでに前記演出切替操作を受け付けた場合、当該図柄の変動表示中に切替後の演出ステージに応じた演出表示に変更され、
前記図柄の変動表示中であって前記ステージ切替期間の経過後に前記演出切替操作を受け付けた場合、当該図柄変動が停止するまで切替前の演出ステージに応じた演出表示を継続する切替待機状態となり、次の図柄変動の開始を契機として切替後の演出ステージに応じた演出表示に変更される弾球遊技機。
[構成5]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられる始動口と、
前記始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示され、前記図柄の変動表示に伴う演出が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出の傾向が異なるように定められる複数の演出ステージのいずれかに切り替えるための演出切替操作を遊技者から受け付ける操作入力手段と、を備え、
前記演出切替操作では、遊技者の入力操作を契機に選択対象となる演出ステージが所定の切替順序にしたがって順番に切替可能であり、
前記図柄の変動開始から所定のステージ切替期間が経過するまでに前記演出切替操作を受け付けた場合、当該図柄の変動表示中に切替後の演出ステージに対応する背景演出の表示に変更され、
前記図柄の変動表示中であって前記ステージ切替期間の経過後に前記演出切替操作を受け付けた場合に切替前と異なる演出ステージが選択された場合、当該図柄変動が停止するまで切替前の演出ステージに対応する背景表示パターンにしたがった背景演出が継続する切替待機状態となり、次の図柄変動の開始を契機として切替後の演出ステージに対応する背景演出の表示に変更され、
前記図柄の変動表示中であって前記ステージ切替期間の経過後に前記演出切替操作を受け付けた場合に前記演出切替操作が一巡して切替前と同じ演出ステージが選択された場合、当該図柄の変動表示中および次の図柄の変動表示中にわたって同じ演出ステージに対応する背景演出が継続して表示される弾球遊技機。
[構成6]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられる始動口と、
前記始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される演出表示装置と、を備え、
前記演出表示装置に表示される前記図柄の変動表示として、装飾図柄の変動表示と、代替図柄の変動表示と、簡易図柄の変動表示と、があり、
前記装飾図柄は、図柄種類を示す部分と付帯して表示される絵柄部分とを有し、
前記代替図柄は、前記装飾図柄の図柄種類を示す部分に対応した外観上の表示形態を有し、前記図柄変動期間において前記装飾図柄を非表示とする場合に前記装飾図柄が変動表示される領域よりも狭い領域内において前記装飾図柄の代わりに表示され、
前記簡易図柄は、前記装飾図柄の図柄種類を示す部分に対応した外観上の表示形態を有する複数の図柄列で構成され、前記装飾図柄または前記代替図柄のいずれか一方の変動表示とともに所定の図柄変動期間にわたって変動表示され、その変動表示によって変動表示中であることを示唆し、その複数の図柄列のすべてが停止表示されることにより前記当否判定の結果を示唆する弾球遊技機。
以下に、実施例および変形例に係る課題および作用効果の一例を述べる。
1)近年の遊技機では、遊技状態ごとに異なる演出内容が用意されるとともに、同じ遊技状態において選択される演出内容として多種多様な演出内容が用意される。また、液晶画面への演出表示のみならず、表示内容に合わせて多種多様なBGMや効果音等を用意することによっても遊技の興趣が高められている。しかしながら、図柄変動中や特別遊技中ではない期間、つまり、始動口への入球がなされず、図柄変動が開始する前の状態の演出については、演出内容の多様化がなされているとは言えず、遊技者の興趣を高めるための新しい演出を提案する余地があると言える。その一方で、変動開始前の演出にばかり遊技者が注目してしまうと、遊技機本来の遊技がなされないという矛盾した状況に陥りかねない。本実施例および変形例によれば、複数の演出モードを用意しつつ、遊技前でも映像視聴を可能とする第2演出モードにおいて待機デモ表示までの時間を短くすることで遊技機の稼働率低下を防ぐことができる。
2)近年の遊技機では、液晶画面への演出表示として多種多様な演出内容が用意され、表示内容に合わせて多種多様なBGMや効果音等を用意することによって遊技の興趣が高められている。また、遊技者からの入力操作によって好みの演出内容を選択したり、好みに合わせて演出設定を変更したりすることが可能な遊技機も提案されている。できるだけ多くの遊技者が好みの遊技設定を利用できるようにするため、できるだけ簡単で分かりやすく、操作回数の少ない入力設定方法を提供することが望ましい。本実施例および変形例によれば、音量変更および光量変更を即時反映とすることで、入力操作数を減らすことができる。一方、映像設定やモード設定については決定操作を必要とすることで、単に映像や演出モードの種類や内容を参照しているだけにも拘わらず、設定が変更されてしまうという遊技者が意図しない動作を防ぐことができる。
3)近年の遊技機では、液晶画面への演出表示として多種多様な演出内容が用意され、表示内容に合わせて多種多様なBGMや効果音等を用意することによって遊技の興趣が高められている。また、遊技者からの入力操作によって好みの演出内容を選択したり、好みに合わせて演出設定を変更したりすることが可能な遊技機も提案されている。しかしながら、このような演出操作は、遊技開始前のメニュー画面上での操作に限られていることが多く、遊技の途中で演出設定を変えたい場合には、遊技をいったん中断してメニュー画面を操作しなければならなかった。本実施例および変形例によれば、共通背景演出を継続表示することで遊技中の楽曲切替を可能とすることができる。また、切替操作に応じて楽曲のみならず、個別演出の表示切替を実現することにより、演出の興趣をより高めることができる。また、変動中のステージ切替操作を可能とするとともに、所定期間であれば、演出ステージの即時反映を可能にすることで、より柔軟に演出傾向を変更できる。
4)図柄の変動開始から変動停止までの図柄変動期間においては、表示領域の中央付近に装飾図柄が変動表示されるだけでなく、キャラクタ同士がバトルして一方が勝利するようなストーリー性を有する動画像が表示される。また、画面中央に表示される動画像を際立たせるために、変動表示される装飾図柄を一時的に非表示としたり、画面の隅の方に小さく表示したりするように図柄変動の表示態様の切り替えがなされることがあり、変動時間の長い演出では図柄変動の表示態様が複数回切り替えられることもある。その結果、装飾図柄の表示態様だけでは図柄変動が継続中であるのか、図柄変動がいったん終了して次の変動が開始されているのかが把握しづらくなるおそれがあった。本実施例によれば、装飾図柄や代替図柄に加えて、簡易図柄を変動表示させることで、図柄変動を遊技者により分かりやすく示すことができる。
10 始動口、 60 演出表示装置、 80 遊技盤、 81 遊技領域、 220 当否判定手段。

Claims (1)

  1. 遊技領域が形成された遊技盤と、
    前記遊技領域の所定位置に設けられる始動口と、
    前記始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
    前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
    演出が表示される演出表示装置と、
    音声が出力される音声出力装置と、を備え、
    前記演出表示装置は、前記図柄の停止表示中、前記演出表示装置に表示させる映像を変更するための映像設定操作および前記音声出力装置の音量を変更するための音量設定操作のためのメニュー画面の表示が可能であり、
    前記メニュー画面は、選択中の映像がいずれであるかの表示が可能であり、選択中の音量がいずれであるかの表示が可能であり、前記メニュー画面の表示中に前記図柄の変動表示が開始される場合に非表示となり、
    前記映像設定操作では、複数の映像のいずれかを選択する選択操作をし、かつ、選択した映像に決定する決定操作をした場合に映像設定が変更され、
    前記音量設定操作では、複数の音量のいずれかを選択する選択操作をした場合に音量設定が変更され、
    前記メニュー画面の表示中に選択中の映像を変更する選択操作をした後に前記図柄の変動表示が開始されて前記メニュー画面が非表示となる場合、映像を変更する選択操作によらず映像設定が維持され、
    前記メニュー画面の表示中に選択中の音量を変更する選択操作をした後に前記図柄の変動表示が開始されて前記メニュー画面が非表示となる場合、音量を変更する選択操作に応じた音量設定に変更されている弾球遊技機。
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