JP6503484B2 - インクジェット式記録ヘッド - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、ノズルに連通したインク圧力室にインクを循環させるタイプのインクジェット式記録ヘッドに関する。
インクジェット式記録ヘッドは、インク滴を吐出するノズルと、このノズルが連通するインク圧力室と、このインク圧力室内のインクを加圧するアクチュエータとを備える。このヘッドは、アクチュエータを駆動することでインク圧力室内のインクを加圧してノズルからインク滴を吐出させる。
アクチュエータとして、例えば、圧電素子を用いてインク圧力室の壁面(振動板)を変形変位させることでインク滴を吐出させる圧電型のものが知られている。圧電型のアクチュエータは、圧電素子がインクに直接接触せず、圧電素子の発熱も無視できるため、使用するインクの種類に制約がないという利点がある。よって、半導体プロセス技術を上記圧電型に適用した、いわゆる圧電MEMS型のインクジェット式記録ヘッドが注目されている。
特開2000−263785号公報 特開2008−10528号公報
インク圧力室内のインクを加圧してノズルからインク滴を吐出させる場合、十分な吐出圧力を得るために、インク圧力室内のインクの圧力を保持する必要がある。このため、通常、インク圧力室とインク供給路の間に狭隘部(オリフィス)を設ける。
一方、インク吐出動作中にインク圧力室内で気泡が発生すると、インク滴を吐出させるための圧力が気泡に吸収されて吐出不良を生じる。このため、インク圧力室にインクを循環させて気泡を除去するようにしたヘッドが知られている。
しかし、インクの供給経路にオリフィスを設けると、インクが流れ難くなり、気泡の除去が不十分となる。
よって、十分な吐出圧力でインク滴を良好に吐出させることができるインクジェット式記録ヘッドの開発が望まれている。
実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドは、第1の方向に配列された複数のインク圧力室と、各インク圧力室の第1の方向の中央に連通したノズルと、各インク圧力室の第1の方向の一端に連通して第1の方向と交差する第2の方向に配列され、各インク圧力室へインクを個別に供給する複数の個別インク供給路と、各インク圧力室の第1の方向の他端に連通して第2の方向に配列され、各インク圧力室からインクを個別に排出させる複数の個別インク排出路と、各インク圧力室内のインクを加圧してノズルを介してインク滴を吐出させる複数のアクチュエータと、複数の個別インク供給路の各インク圧力室と反対側の端部に連通した共通インク供給路と、複数の個別インク排出路の各インク圧力室と反対側の端部に連通した共通インク排出路と、を有する。複数の個別インク供給路がインク圧力室に連通した端部の第1の方向に沿った開口幅が、個別インク供給路が共通インク供給路に連通した端部の前記第1の方向に沿った開口幅と同じであり、複数の個別インク排出路がインク圧力室に連通した端部の第1の方向に沿った開口幅が、個別インク排出路が共通インク排出路に連通した端部の第1の方向に沿った開口幅と同じであり、インク圧力室、個別インク供給路、および個別インク排出路をつなげた個別インク流路の長さが、インク滴の吐出時にインク圧力室で発生するインクの圧力変化に基づく振動波が共通インク供給路および共通インク排出路に伝わらない長さである
実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドは、第1の方向に配列された複数のインク圧力室を有する第1基板と、この第1基板の第1面に積層され、各インク圧力室の第1の方向の中央に連通したノズルを各インク圧力室毎に有するノズルプレートと、第1基板の第1面と反対の第2面に積層され、各インク圧力室の第1の方向の一端に連通して対応するインク圧力室へインクを供給する複数の個別インク供給路、および、各インク圧力室の第1の方向の他端に連通して対応するインク圧力室からインクを排出させる複数の個別インク排出路が、その厚さ方向に配列された第2基板と、ノズルプレートの第1基板と反対側の面で各ノズルの周りに設けられ、各インク圧力室内のインクをそれぞれ加圧してノズルを介してインク滴を吐出させる複数のアクチュエータと、第2基板の第1基板と反対側に積層され、複数の個別インク供給路の各インク圧力室と反対側の端部に連通した共通インク供給路、および、複数の個別インク排出路の各インク圧力室と反対側の端部に連通した共通インク排出路を有する第3基板と、を有する。複数の個別インク供給路がインク圧力室に連通した端部の第1の方向に沿った開口幅は、個別インク供給路が共通インク供給路に連通した端部の第1の方向に沿った開口幅と同じであり、複数の個別インク排出路がインク圧力室に連通した端部の第1の方向に沿った開口幅は、個別インク排出路が共通インク排出路に連通した端部の第1の方向に沿った開口幅と同じである。インク圧力室、個別インク供給路、および個別インク排出路をつなげた個別インク流路の長さは、インク滴の吐出時にインク圧力室で発生するインクの圧力変化に基づく振動波が共通インク供給路および共通インク排出路に伝わらない長さである。
図1は、第1の実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドの要部を示す部分拡大断面図である。 図2は、図1の構成を複数備えたインクジェット式記録ヘッドを部分的に示す概略斜視図である。 図3は、図2のインクジェット式記録ヘッドのインク圧力室、個別インク供給路、個別インク排出路、共通インク供給路、および共通インク排出路の重なり具合を示す概略図である。 図4は、インク圧力室の長さとインク滴の体積の関係をシミュレートするためのヘッドのモデルを示す概略断面図である。 図5は、図4のモデルを用いたシミュレーション結果を示すグラフである。 図6は、図1のインクジェット式記録ヘッドの製造方法を説明するための断面図である。 図7は、図1のインクジェット式記録ヘッドの製造方法を説明するための断面図である。 図8は、図1のインクジェット式記録ヘッドの製造方法を説明するための断面図である。 図9は、図1のインクジェット式記録ヘッドの製造方法を説明するための断面図である。 図10は、図1のインクジェット式記録ヘッドの製造方法を説明するための断面図である。 図11は、図1のインクジェット式記録ヘッドの製造方法を説明するための断面図である。 図12は、図1のインクジェット式記録ヘッドの製造方法を説明するための断面図である。 図13は、図1のインクジェット式記録ヘッドの製造方法を説明するための断面図である。 図14は、図1のインクジェット式記録ヘッドの製造方法を説明するための断面図である。 図15は、図1のインクジェット式記録ヘッドのインク圧力室の形状を説明するための図である。 図16は、第2の実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドの要部を示す部分拡大断面図である。 図17は、第3の実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドの要部を示す部分拡大断面図である。 図18は、第4の実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドの要部を示す部分拡大断面図である。
以下、図面を参照しながら実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るインクジェット式記録ヘッド100(以下、単に、ヘッド100と称する)の要部を示す部分拡大断面図である。図2は、図1の構成を複数備えたヘッド100の一部を示す概略斜視図である。図2では、圧電素子50およびその配線構造を見易くするため、絶縁膜60の図示を省略してある。ヘッド100は、図2に示すように、その表面に複数の圧電素子50を行列状に並べて有する。圧電素子50の行の数や列の数は、任意に変更可能である。
本実施形態のヘッド100は、圧電MEMS型のインクジェット式記録ヘッドである。ヘッド100は、例えばSiにより形成した駆動基板10(第1基板)、例えばSiにより形成した流路基板20(第2基板)、例えばSiにより形成した供給基板30(第3基板)、Si酸化膜(熱酸化膜)により形成したノズルプレート40(振動板)、および複数の圧電素子50(アクチュエータ)を有する。複数の圧電素子50を備えたノズルプレート40の駆動基板10から離間した側の表面40a上には絶縁膜60が設けられている。供給基板30の流路基板20から離間した側の背面には、Si酸化膜からなる熱酸化膜70が設けられている。
駆動基板10は、その第1面10a(流路基板20から離間した面)と第2面10b(流路基板20側の面)を連絡して基板を貫通した複数の細長いインク圧力室11を有する。複数のインク圧力室11は、駆動基板10の面方向に沿った第1の方向(以下、長手方向とする場合もある)にそれぞれ延設された長孔であり、この第1の方向と直交する面方向に沿った並び方向に一定のピッチで並べて設けられている。
インク圧力室11は、それぞれ、ヘッド100の表面に設けた圧電素子50に一対一で対応して設けられている。複数の圧電素子50は、図2に示すように、第1の方向に延びた略長円形の外観を有し、複数列(図2では2列のみ図示)に並べて形成されている。各圧電素子50の配線のため、隣接する2列の圧電素子50は、並び方向に1/2ピッチずつ交互にずれてレイアウトされている。つまり、駆動基板10に設けた複数のインク圧力室11も、隣接する2列の間で並び方向に1/2ピッチずつ互いにずれて配置されている。
複数列のインク圧力室11は、それぞれ長手方向の両端が並び方向に揃っている。各インク圧力室11の長手方向に沿った長さは、200μm〜600μm程度であり、各インク圧力室11の並び方向に沿った幅は50〜100μm程度であり、並び方向のピッチは、60〜150μm程度である。本実施形態では、インク圧力室11の断面形状を、圧電素子50より一回り大きい略長円形にした。
駆動基板10は、例えば50〜300μmの厚みを有し、望ましくは30〜200μmの厚みを有する。駆動基板10の厚みは、並び方向に隣接するインク圧力室11間の隔壁に十分な剛性を持たせることができ、インク圧力室11の配列密度をできるだけ高くすることができる厚みであり、且つ各インク圧力室11の容積を適切な値にすることができる厚みに設計される。駆動基板10の厚みは、各インク圧力室11の深さに相当する。
流路基板20は、例えば、駆動基板10の第2面10bに接着剤15を介して貼り合わされている。流路基板20は、その第1面20a(駆動基板10側の面)と第2面20b(駆動基板10から離間した面)を連絡して基板を貫通した複数の個別インク供給路21および複数の個別インク排出路22を有する。複数の個別インク供給路21および複数の個別インク排出路22は、それぞれ、駆動基板10の複数のインク圧力室11に一対一で割り当てられており、既知の方法によって予め流路基板20に形成されている。個別インク供給路21および個別インク排出路22の長さは、それぞれ、流路基板20の厚みに相当する。個別インク供給路21および個別インク排出路22は、インク圧力室11の長手方向と略直交する第2の方向に延設されている。
具体的には、例えば、図2に示すように、図示左側の列のインク圧力室11に連通する個別インク供給路21は、当該インク圧力室11の図示左側の端部に対向する位置に設けられ、当該インク圧力室11に連通する個別インク排出路22は、当該インク圧力室11の図示右側の端部に対向する位置に設けられている。一方、図示右側の列のインク圧力室11(図2では不図示)に連通する個別インク供給路21(図2では不図示)は、当該インク圧力室11の図示右側の端部に対向する位置に設けられ、当該インク圧力室11に連通する個別インク排出路22(図2では不図示)は、当該インク圧力室11の図示左側の端部に対向する位置に設けられている。
つまり、隣接する2列のインク圧力室11にそれぞれ接続した個別インク排出路22(或いは個別インク供給路21)が隣り合うように、個別インク供給路21および個別インク排出路22を第1の方向にそって交互に反転した位置関係でレイアウトしている。これにより、複数の個別インク排出路22(或いは個別インク供給路21)が隣接する列の共通インク排出路32(或いは共通インク供給路31)を共通化することができる。
供給基板30は、例えば、流路基板20の第2面20bに接着剤25を介して貼り合わされている。供給基板30は、複数のインク圧力室11の並び方向に延びた複数本(図2では2本のみ図示)の共通インク供給路31、および並び方向に延びた複数本(図2では1本のみ図示)の共通インク排出路32を第1の方向に沿って交互に有する。共通インク供給路31および共通インク排出路32は、既知の方法によって予め供給基板30の第1面30a側に有底の溝として設けられている。
図3は、インク圧力室11、個別インク供給路21、個別インク排出路22、共通インク供給路31、および共通インク排出路32の重なり具合を示す概略図である。各インク圧力室11の長手方向の両端に対向した個別インク供給路21および個別インク排出路22は、それぞれ、インク圧力室11の長手方向に延びた長円形の断面形状を有する。共通インク供給路31は、並び方向に並んだ複数の個別インク供給路21に重なる位置に形成され、共通インク排出路32は、並び方向に並んだ複数の個別インク排出路22に重なる位置に形成されている。
図2、3では、共通インク供給路31は、並び方向に並んだ各列の複数の個別インク供給路21をつないでおり、共通インク排出路32は、隣接する2列の複数の個別インク排出路22をつないでいる。3列以上のインク圧力室11を並べて設ける場合には、隣接する列の個別インク供給路21或いは個別インク排出路22をそれぞれ1本の共通インク供給路31或いは共通インク排出路32でつなげる。
ノズルプレート40は、駆動基板10の流路基板20から離間した側の第1面10aに接触して、各インク圧力室11の第1面10a側の開口部を塞ぐように設けられている。ノズルプレート40は、各インク圧力室11の長手方向に沿った中央に、各インク圧力室11に連通した複数のノズル41を有する。ノズル41は、各インク圧力室11の長手方向に沿った中央付近、より望ましくは中央に設けられる。
各インク圧力室11に対応して設けた複数のノズル41は、ノズルプレート40を貫通し、後述する圧電素子50を貫通して延びている。つまり、各インク圧力室11は、ノズル41を介してヘッド100の外部に連絡している。各ノズル41から対応するインク圧力室11の長手方向の両端までの距離は、それぞれ100μm〜300μm程度に設計されている。
ノズルプレート40は、例えば、熱酸化ないしはCVD法により作成した、厚さ1〜5μm程度のSi酸化膜(SiO)で形成される。Si酸化膜は、均等な変形が実現できるという観点から、非晶質であることが望ましい。また、安定した組成および特性を備える膜の製造が容易という観点からも、ノズルプレート40をSi酸化膜により形成することが望ましい。さらに、従来の半導体プロセスとの整合性が良いという点からも、ノズルプレート40をSi酸化膜により形成することが望ましい。
複数の圧電素子50は、複数のノズル41をそれぞれ囲むように、ノズルプレート40の表面40aに積層されて形成されている。各圧電素子50は、図1に示すように、ノズルプレート40の表面40aに重ねた下部電極52、下部電極52に重ねた圧電膜54、および圧電膜54に重ねた上部電極56を有する。各圧電素子50の第1の方向に沿った長さは、上述したインク圧力室11の第1の方向に沿った長さより短い。各圧電素子50の並び方向に沿った幅は、上述したインク圧力室11の並び方向に沿った幅より短い。
各圧電素子50の下部電極52の一部は、ノズルプレート40の表面40aに沿って延伸され、個別駆動配線53として機能する。圧電素子50の表面を含むノズルプレート40の表面40a上には、絶縁膜60が形成されている。上部電極56と接する絶縁膜60の一部にはビアホール62が形成され、ビアホール62を介して上部電極56から引出し配線57が引き出されている。絶縁膜60は、ノズル41の内面を部分的に覆う位置まで延びている。
各圧電素子50の圧電膜54には、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr、Ti)O、PZT)などの電歪定数の大きな圧電材料が適している。圧電膜54にPZTを使用した場合、下部電極52や上部電極56には、Pt、Au、Irなどの貴金属や、SrRuOなどの導電性の酸化物が適している。また、圧電膜54として、AlNやZrOなどのシリコンプロセスに適した圧電材料を使用することも可能である。この場合は、下部電極52や上部電極56として、Al、Cuなどの一般の電極材料や配線材料を使用することができる。
以下、上述したヘッド100の動作について説明する。
まず、図示しない外部のインク供給ポンプからヘッド100にインクが供給される。インクは、共通インク供給路31を介して各列の複数の個別インク供給路21へ流入し、対応するインク圧力室11へ流れ込む。各インク圧力室11へ流れ込んだインクは、図示しない外部のインク排出ポンプにより排出される。このとき、複数のインク圧力室11内のインクが、個別インク排出路22を介して共通インク排出路32へ流出される。これにより、複数のインク圧力室11内をインクが循環する。このとき、各インク圧力室11内に発生した気泡等も速やかにインク圧力室11外に排出される。
本実施形態では、インク圧力室11、個別インク供給路21、および個別インク排出路22を1本につなげた個別インク流路がその全長にわたって比較的大きな断面積を有する。つまり、本実施形態では、個別インク流路の途中にオリフィスを設けていない。このため、この個別インク流路を流れるインクの流路抵抗が少なく、インクの粘性抵抗が少なく、インクをインク圧力室11に抵抗なく循環させることができる。具体的には、本実施形態の個別インク流路11、21、22は、その全長にわたって5000μm〜30000μm程度の断面積を有する。
上述したように各インク圧力室11内にインクを循環させた状態で、図示しない外部の駆動回路からの記録信号に従い、各圧電素子50の下部電極52と上部電極56の間に駆動電圧を選択的に印加する。これにより、駆動電圧を印加した圧電素子50の圧電膜54が収縮して圧電素子50が凹状に屈曲変形し、対応するインク圧力室11の体積が増大し、インク圧力室11に個別インク供給路21を介してインクが流入する。次に、駆動電圧を除去すると、当該圧電素子50の屈曲変形が元に戻り、インク圧力室11の体積が減少し、インク圧力室11内の圧力が上がり、ノズル41を介してインク滴が吐出する。
インク滴を十分な吐出圧力で良好に吐出させるためには、インク滴吐出時にインク圧力室11内のインクの圧力を一定以上に保持する必要がある。このため、本実施形態では、各インク圧力室11を個別に流れるインクの流路(個別インク供給路21、インク圧力室11、個別インク排出路22)を十分に長くして、ノズル41から共通インク供給路31までの距離、およびノズル41から共通インク排出路32までの距離を十分に長くした。これにより、各インク圧力室11を満たすインクの慣性質量による慣性抵抗を生じせしめて、インク圧力室11から共通インク供給路31や共通インク排出路32へ圧力が逃げることを抑制するようにした。
言い換えると、本実施形態のヘッド100は、各圧電素子50を屈曲変形させてインク滴を吐出させるのに十分な吐出圧力を得ることができる程度にインク圧力室11、個別インク供給路21、および個別インク排出路22の長さを確保する。具体的には、インク滴吐出時におけるインクの圧力変化に基づく振動の波(以下、圧力波と称する)が共通インク供給路31および共通インク排出路32の手前で十分に減衰し、共通インク供給路31や共通インク排出路32にほとんど振動が伝わらない程度にインク圧力室11、個別インク供給路21、および個別インク排出路22の長さとする。
これにより、インク滴を十分な吐出圧力で吐出させることができるとともに、共通インク供給路31や共通インク排出路32を介して隣接した他のインク圧力室11へ圧力波が伝わる不具合も防止することができ、隣接するインク圧力室11におけるインク滴の吐出動作に悪影響を及ぼすこともない。
インク滴の吐出によって発生する上述した圧力波を十分に減衰させることのできる最適な個別インク流路11、21、22の長さを調べるため、図4に示すタイプのヘッド(個別インク供給路21および個別インク排出路22を持たないヘッド)を用いて、インク圧力室11の長さを種々変更した場合における、ノズル41から吐出されるインク滴の体積変化をコンピュータ上で再現した。そのシミュレーション結果を図5に示す。
これによると、ノズル41を中心としたインク圧力室11(両端は開放)の長さが1mmを超えた場合に、インク滴の体積が理想の体積(インク圧力室11の圧力を完全に閉じ込めた状態でのインク滴の体積)の約8割に達することがわかった。この場合、インク圧力室11の幅や深さ、すなわちインク圧力室11の断面積は、インク滴の体積にほとんど影響を及ぼさないこともわかっている。つまり、この場合、インク圧力室11の長さをノズル41の両側でそれぞれ500μm以上にすることで、インク圧力室11の両端で圧力波を十分に減衰させることができ、十分なサイズのインク滴を安定して吐出させることができることがわかる。
反面、インク圧力室11を長くすると、ヘッド100のサイズアップにつながるため、できるだけ短い方が望ましい。この点から考察すると、図5のシミュレーション結果では、インク圧力室11の長さが2500μmに近付くとインク滴のサイズが飽和し、理想の体積の95%を超える。このため、インク圧力室11の長さは、2500μm以下とすることが望ましい。
しかし、インク圧力室11を図4に示すように単に真っ直ぐ延ばすと、ヘッド100の面方向のサイズが大きくなり、ノズル41を高密度に配置できなくなり、設計の自由度が低くなるとともに、駆動効率も低下する。このため、本実施形態では、各インク圧力室11の長さを短くした上で、インク圧力室11の両端に連通し且つインク圧力室11と交わる方向に延びた個別インク供給路21および個別インク排出路22を設け、個別インク流路の長さをかせぐようにした。
具体的には、本実施形態では、ノズル41からインク圧力室11および個別インク供給路21を介して共通インク供給路31に至る流路長、およびノズル41からインク圧力室11および個別インク排出路22を介して共通インク排出路32に至る流路長を500μm〜1250μm程度に設定した。或いは、本実施形態では、インク圧力室11を設けた駆動基板10の厚さと個別インク供給路21および個別インク排出路22を設けた流路基板20の厚さを足した厚さを500μm以上に設定した。
以上のように、本実施形態のヘッド100によると、ヘッド100の表面に沿って複数の圧電素子50を高い密度で配置することができ、ノズル41をより高密度に配置することができ、装置構成を小型化することができる。
また、本実施形態によると、ヘッド100のサイズを大きくすることなく、ノズル41につながる個別インク流路11、21、22を十分に長くすることができ、インク滴の吐出時にノズル41で発生する圧力波を十分に減衰させることができ、十分なサイズのインク滴を十分な吐出圧力で安定して吐出させることができる。
次に、図6乃至図14を参照して、上述したヘッド100の製造方法を説明する。
まず、図6に示すように、熱酸化により駆動基板10を酸化してSi酸化膜からなるノズルプレート40を形成する。本実施形態では、Si基板の熱酸化によりノズルプレート40を形成したが、熱酸化法以外のプラズマCVD法やTEOSを原材料とするCVD法なども使用することができる。
この後、図6に示すように、ノズルプレート40上に、スパッタリングによりTi/Ptからなる下部電極52の層を形成し、その上にPZTからなる圧電膜54の層を形成し、さらにその上にAuからなる上部電極56の層を形成する。
次に、図7に示すように、フォトリソグラフィーおよびウェットないしはドライエッチングにより上部電極56、圧電膜54、および下部電極52を順にエッチングしてパターニングし、複数の圧電素子50、複数のノズル41の一部、および複数の個別駆動配線53を形成する。
次に、図8に示すように、フォトリソグラフィーおよび反応性イオンエッチングによりノズルプレート40をパターニングし、ノズル41を形成する。
次に、図9に示すように、ノズルプレート40および複数の圧電素子50の上部全体に絶縁膜60を形成し、フォトリソグラフィーおよび反応性イオンエッチングによりパターニングして、上部電極56の上部に複数のビアホール81を形成する。
その後、図9に示すように、スパッタリング成膜、フォトリソグラフィーおよび反応性イオンエッチングによりパターニングして、各ビアホール81に上部電極56とのコンタクト部82を形成し、各コンタクト部82に接続して複数の引出し配線57を形成する。
次に、図10に示すように、絶縁膜60の上に仮固定接着剤83を介して仮固定基板84を固定する。
次に、図11に示すように、駆動基板10を第2面10b側から研削およびCMPにより加工し薄板化する。
次に、図12に示すように、駆動基板10の第2面10b側から裏面フォトリソグラフィーおよび深掘りエッチング(D−RIE)により複数のインク圧力室11を形成する。このとき、駆動基板10のエッチングおよびパッシベーションを数回繰り返して所望の深さの複数のインク圧力室11を形成する。
次に、図13に示すように、予め複数の個別インク供給路21および複数の個別インク排出路22を形成した流路基板20を、駆動基板10の第2面10bに接着剤15を介して接着する。このとき、駆動基板10の各インク圧力室11の長手方向の両端に、それぞれ、対応する個別インク供給路21および個別インク排出路22が対向するように、流路基板20を駆動基板10に対して面方向に位置決めする。これにより、各インク圧力室11の両端に個別インク供給路21および個別インク排出路22がそれぞれ連通される。
さらに、図13に示すように、予め複数の共通インク供給路31および複数の共通インク排出路32を形成した供給基板30を、接着剤25を介して流路基板20の第2面20bに接着する。このとき、第2の方向に並んだ流路基板20の複数の個別インク供給路21に共通インク供給路31が対向し、複数の個別インク排出路22に共通インク排出路32が対向するように、供給基板30を流路基板20に対して面方向に位置決めする。これにより、複数の個別インク供給路21に共通インク供給路31が連通し、複数の個別インク排出路22に共通インク排出路32が連通する。
最後に、図14に示すように、仮固定基板84を剥離する。なお剥離方法として、駆動基板10と流路基板20を接着した接着剤15、および流路基板20と供給基板30を接着した接着剤25は溶解せず、仮固定接着剤83のみ溶解するような有機溶剤を使用してもよいし、加熱による剥離や機械的な剥離等でも良い。
なお、以上説明した一連の膜形成及びエッチングは、一枚のウェハ上に多数のチップを同時に形成し、プロセス終了後、一つ一つのチップに分割する。
以上のように、本実施形態のヘッド100の製造方法によれば、簡単なプロセスによりヘッド100を製造することが可能であり、特に長時間の絶縁耐圧に優れて駆動耐久性及び信頼性が高く、駆動効率も高い圧電MEMS型のインクジェット式記録ヘッド100を提供することが可能となる。
(インク圧力室の形状)
上述した第1の実施形態によると、駆動基板10に形成する複数のインク圧力室11は、駆動基板10の第2面10b側から裏面フォトリソグラフィーおよび深掘りエッチング(D−RIE)により形成する。このとき、駆動基板10のエッチングおよびパッシベーションを数回繰り返して所望の深さの複数のインク圧力室11を形成する。このため、各インク圧力室11のノズルプレート40側(駆動基板10の第1面10a側)の開口形状と、各インク圧力室11の流路基板20側(駆動基板10の第2面10b側)の開口形状がわずかに異なる。
具体的には、駆動基板10の第2面10b側からインク圧力室11をエッチングするため、インク圧力室11の第2面10b側の開口形状を基準にして、第1面10a側のインク圧力室11の開口形状は、第1の方向(長手方向)に沿った長さが短くなり、並び方向(短手方向)に沿った長さが第1の方向に沿った中央部で長くなる。例えば、エッチング深さをさらに大きくしていくと、第2面10b側の開口形状に関係なく、第1面10a側の開口形状は円形に近付く。
一方、ヘッド100の表面において複数の圧電素子50を高密度に配置するためには、駆動基板10の第1面10a側のインク圧力室11の開口形状が長円形に揃っていることが望ましい。このため、本実施形態では、駆動基板10の第1面10aにおける開口形状が長円形になるように、第2面10bの開口形状を決定した。
具体的には、本実施形態では、図15に実線で示すように、駆動基板10の第2面10b側(エッチング開始側)におけるインク圧力室11の開口形状をいわゆるひょうたん形にした。この第2面10b側の開口形状は、図15に破線で示す第1面10a側のインク圧力室11の長円形の開口形状と比較して、長手方向の長さがわずかに長くされており、長手方向の中央部周辺の幅が両端の幅より短く、くびれを有し、両端は弧を有している。このように、第2面10b側のひょうたん形の開口部をエッチングすることで、第1面10aに近付くにつれて開口形状が円形に近付き、理想的な長円形とすることができる。
以上のように、本実施形態によると、駆動基板10の第2面10b側のエッチングを開始する開口形状をひょうたん形、すなわち長手方向の中央部周辺にくびれを有し、両端が弧を有する形状にすることで、第1面10a側のインク圧力室11の開口形状を理想的な長円形にすることができ、複数の圧電素子50の高密度配置が可能となる。
また、本実施形態によると、個別インク供給路21および個別インク排出路22に連通する第2面10b側のインク圧力室11の開口形状をひょうたん形にしたため、個別インク供給路21および個別インク排出路22に対向する部分の開口面積を比較的大きくすることができ、インク圧力室11と個別インク供給路21との間の流路抵抗、およびインク圧力室11と個別インク排出路22との間の流路抵抗を小さくすることができ、インクの循環を良好にすることができる。
(第2の実施形態)
図16は、第2の実施形態に係るインクジェット式記録ヘッド200(以下、単にヘッド200と称する)の要部を示す部分拡大断面図である。本実施形態のヘッド200は、供給基板30の代りに支持基板210を有する以外、上述した第1の実施形態のヘッド100と略同じ構造を有する。よって、ここでは、第1の実施形態と異なる構成について説明し、第1の実施形態と同様に機能する構成については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
支持基板210は、例えばSiにより形成されており、接着剤25を介して流路基板20の第2面20bに接着固定されている。支持基板210は、例えばSiにより平らな板状に形成されている。一方、流路基板20は、複数の個別インク供給路21および複数の個別インク排出路22を有するとともに、複数の個別インク供給路21をつなげた共通インク供給路23および複数の個別インク排出路22をつなげた共通インク排出路24を有する。
共通インク供給路23は、流路基板20の第2面20b側に設けた有底の溝であり、図16で複数の個別インク供給路21の下端左側につながっている。また、共通インク排出路24は、流路基板20の第2面20b側に設けた有底の溝であり、図16で複数の個別インク排出路22の下端右側につながっている。共通インク供給路23および共通インク排出路24は、それぞれインク圧力室11の並び方向に延設され、流路基板20の厚みの範囲内に設けられている。
以上のように、本実施形態のヘッド200は、共通インク供給路23および共通インク排出路24を流路基板20に設けたため、支持基板210を加工する必要がなく、複数の個別インク供給路21および複数の個別インク排出路22を形成するのと同時に共通インク供給路23および共通インク排出路24を形成することができ、ヘッド200の製造工程を簡略化することができ、製造コストを低減することができる。
(第3の実施形態)
図17は、第3の実施形態に係るインクジェット式記録ヘッド300(以下、単にヘッド300と称する)の要部を示す部分拡大断面図である。ヘッド300は、ノズルプレート40のインク圧力室11側に、枠状のテンプレート側壁310を有するとともに、ノズル41をインク圧力室11側に延長した筒状のノズル延長部320を有する。それ以外は、上述した第2の実施形態のヘッド200と同様である。したがって、第2の実施形態と重複する内容については、同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
テンプレート側壁310およびノズル延長部320は、Si酸化膜により形成されている。本実施形態では、テンプレート側壁310およびノズル延長部320を、いずれもノズルプレート40を熱酸化で形成するのと同時に形成した。テンプレート側壁310は、インク圧力室11の外周に沿って設けられ、インク圧力室11のノズルプレート40側の開口形状を規定する。ノズル延長部320は、略円筒形状を有し、ノズル41をインク圧力室11に向けて延長している。
テンプレート側壁310は、インク圧力室11をD−RIEにより形成するときのエッチングストッパーの役割を果たす。つまり、インク圧力室11を駆動基板10の第2面10b側からのエッチングにより形成する際に、テンプレート側壁310がそれ以上のエッチングを阻止する。このため、テンプレート側壁310を設けることで、インク圧力室11の第1面10a側の開口形状を所望する形状により近付けることができる。
また、ノズル延長部320は、ノズル41を介してインク滴を吐出する時の吐出角度の精度を向上し、インク滴の吐出量の階調制御を可能にする。ノズル延長部320を設けてノズル41の全長を長くすると、吐出させるインク滴の量をダイナミックに変更することができ、吐出時にノズル41を介してインク圧力室11内に気泡が入る不具合を抑制することができる。
(第4の実施形態)
図18は、第4の実施形態に係るインクジェット式記録ヘッド400(以下、単にヘッド400と称する)の要部を示す部分拡大断面図である。本実施形態のヘッド400は、駆動基板10を厚くし、個別インク供給路21を供給基板30まで延出させ、個別インク排出路22を供給基板30まで延出させ、且つ共通インク供給路31および共通インク排出路32を面方向にずらした構造を有する。それ以外は、上述した第1の実施形態のヘッド100と略同じ構造を有する。よって、ここでは、第1の実施形態と異なる構成について説明し、第1の実施形態と同様に機能する構成については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
本実施形態のヘッド400を製造するとき、上述した第1の実施形態において図11を用いて説明した駆動基板10の薄板化の工程を省略して、比較的厚い駆動基板10に複数のインク圧力室11を形成した。また、本実施形態では、複数の個別インク供給路21の図示下端側の一部、複数の個別インク排出路22の図示下端側の一部、共通インク供給路31、および共通インク排出路32を、供給基板30に予め形成した。
以上のように本実施形態によると、駆動基板10の厚みを厚くして複数のインク圧力室11の深さを深くするとともに、複数の個別インク供給路21および複数の個別インク排出路22の図示下端側を供給基板30まで延出させたため、ノズル41につながる個別インク流路を十分に長くすることがでる。例えば、本実施形態によると、複数の個別インク供給路21および複数の個別インク排出路22の一部を備えた流路基板20を薄くすることもでき、場合によっては流路基板20を省略することもできる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下、原出願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
第1の方向に配列された複数のインク圧力室と、
前記各インク圧力室に連通したノズルと、
前記各インク圧力室の前記第1の方向の一端に連通して前記第1の方向と交差する第2の方向に配列され、前記各インク圧力室へインクを個別に供給する複数の個別インク供給路と、
前記各インク圧力室の前記第1の方向の他端に連通して前記第2の方向に配列され、前記各インク圧力室からインクを個別に排出させる複数の個別インク排出路と、
前記各インク圧力室内のインクを加圧可能な複数のアクチュエータと、
前記複数の個別インク供給路の前記各インク圧力室と反対側の端部に連通した共通インク供給路と、
前記複数の個別インク排出路の前記各インク圧力室と反対側の端部に連通した共通インク排出路と、
を有するインクジェット式記録ヘッド。
[2]
前記インク圧力室の両端に前記個別インク供給路および前記個別インク排出路を接続した個別インク流路の断面積は、その全長にわたって5000μm〜30000μmである、
[1]のインクジェット式記録ヘッド。
[3]
前記ノズルから前記インク圧力室および前記個別インク供給路を介して前記共通インク供給路に至る流路長、および前記ノズルから前記インク圧力室および前記個別インク排出路を介して前記共通インク排出路に至る流路長は、500μm〜1250μmである、
[2]のインクジェット式記録ヘッド。
[4]
第1の方向に配列された複数のインク圧力室を有する第1基板と、
この第1基板の第1面に積層され、前記各インク圧力室に連通したノズルを前記各インク圧力室毎に有するノズルプレートと、
前記第1基板の前記第1面と反対の第2面に積層され、前記各インク圧力室の前記第1の方向の一端に連通して対応するインク圧力室へインクを供給する複数の個別インク供給路、および、前記各インク圧力室の前記第1の方向の他端に連通して対応するインク圧力室からインクを排出させる複数の個別インク排出路が、その厚さ方向に配列された第2基板と、
前記ノズルプレートの前記第1基板と反対側の面で前記各ノズルの周りに設けられ、前記各インク圧力室内のインクをそれぞれ加圧可能な複数のアクチュエータと、
を有するインクジェット式記録ヘッド。
[5]
前記第2基板の前記第1基板と反対側に積層され、前記複数の個別インク供給路の前記各インク圧力室と反対側の端部に連通した共通インク供給路、および、前記複数の個別インク排出路の前記各インク圧力室と反対側の端部に連通した共通インク排出路を有する第3基板をさらに有する、
[4]のインクジェット式記録ヘッド。
[6]
前記インク圧力室の両端に前記個別インク供給路および前記個別インク排出路を接続した個別インク流路の断面積は、その全長にわたって5000μm〜30000μmである、
[5]のインクジェット式記録ヘッド。
[7]
前記ノズルから前記インク圧力室および前記個別インク供給路を介して前記共通インク供給路に至る流路長、および前記ノズルから前記インク圧力室および前記個別インク排出路を介して前記共通インク排出路に至る流路長は、500μm〜1250μmである、
[6]のインクジェット式記録ヘッド。
[8]
前記複数のインク圧力室は、前記第1基板の前記第1面と前記第2面を連絡して前記第1基板を貫通した孔であり、
前記複数の個別インク供給路および前記複数の個別インク排出路は、前記第2基板を厚さ方向に貫通した孔であり、
前記第1基板の厚さと前記第2基板の厚さを足した厚さは、500μm以上である、
[6]のインクジェット式記録ヘッド。
[9]
前記複数のインク圧力室は、前記第1基板の前記第1面と前記第2面を連絡して前記第1基板を貫通した前記第1の方向に延びた長孔であり、
前記各インク圧力室の前記第1面側の開口形状は、前記第1の方向に長い長円形であり、
前記各インク圧力室の前記第2面側の開口形状は、前記長円形と比較して前記第1の方向の長さが長く、且つ前記第1の方向の中央部の幅が両端の幅より短い、
[4]のインクジェット式記録ヘッド。
[10]
前記個別インク供給路および前記個別インク排出路は、前記インク圧力室の前記第2面側の開口部の幅広の両端に対向して各インク圧力室に連通している、
[9]のインクジェット式記録ヘッド。
[11]
前記第2の基板が、前記複数の個別インク供給路の前記各インク圧力室と反対側の端部に連通した共通インク供給路、および、前記複数の個別インク排出路の前記各インク圧力室と反対側の端部に連通した共通インク排出路を有する、
[4]のインクジェット式記録ヘッド。
[12]
前記複数の個別インク供給路の前記各インク圧力室と反対側の端部、および前記複数の個別インク排出路の前記各インク圧力室と反対側の端部が、前記第3基板まで延びている、
[5]のインクジェット式記録ヘッド。
[13]
第1面とこの第1面と反対の第2面を連絡して第1の方向に配列した複数のインク圧力室を有する第1基板と、
この第1基板の前記第1面に積層され、前記各インク圧力室に連通したノズルを有するノズルプレートと、
前記第1基板の前記第2面に積層され、前記各インク圧力室の前記第1の方向の一端にそれぞれ連通した複数の個別インク供給路、および前記各インク圧力室の前記第1の方向の他端にそれぞれ連通した複数の個別インク排出路を有する第2基板と、
前記ノズルプレートの前記第1基板と反対側の面で前記各ノズルの周りに設けられ、前記各インク圧力室内のインクをそれぞれ加圧可能な複数のアクチュエータと、を有し、
前記各インク圧力室の前記第1面側の開口形状は、前記第1の方向に長い長円形であり、
前記各インク圧力室の前記第2面側の開口形状は、前記長円形と比較して前記第1の方向の長さが長く、且つ前記第1の方向の中央部の幅が両端の幅より短い、
インクジェット式記録ヘッド。
[14]
前記個別インク供給路および前記個別インク排出路は、前記インク圧力室の前記第2面側の開口部の幅広の両端に対向して各インク圧力室に連通している、
[13]のインクジェット式記録ヘッド。
[15]
前記インク圧力室の両端に前記個別インク供給路および前記個別インク排出路を接続した個別インク流路の断面積は、その全長にわたって5000μm〜30000μmである、
[14]のインクジェット式記録ヘッド。
[16]
前記インク圧力室、前記個別インク供給路、および前記個別インク排出路をつなげた個別インク流路の長さは、1000μm〜2500μmである、
[14]のインクジェット式記録ヘッド。
[17]
前記複数の個別インク供給路および前記複数の個別インク排出路は、前記第2基板を厚さ方向に貫通した孔であり、
前記第1基板の厚さと前記第2基板の厚さを足した厚さは、500μm以上である、
[14]のインクジェット式記録ヘッド。
10…駆動基板、11…インク圧力室、20…流路基板、21…個別インク供給路、22…個別インク排出路、30…供給基板、31…共通インク供給路、32…共通インク排出路、40…ノズルプレート、41…ノズル、50…圧電素子、100…インクジェット式記録ヘッド。

Claims (6)

  1. 第1の方向に配列された複数のインク圧力室と、
    前記各インク圧力室の前記第1の方向の中央に連通したノズルと、
    前記各インク圧力室の前記第1の方向の一端に連通して前記第1の方向と交差する第2の方向に配列され、前記各インク圧力室へインクを個別に供給する複数の個別インク供給路と、
    前記各インク圧力室の前記第1の方向の他端に連通して前記第2の方向に配列され、前記各インク圧力室からインクを個別に排出させる複数の個別インク排出路と、
    前記各インク圧力室内のインクを加圧して前記ノズルを介してインク滴を吐出させる複数のアクチュエータと、
    前記複数の個別インク供給路の前記各インク圧力室と反対側の端部に連通した共通インク供給路と、
    前記複数の個別インク排出路の前記各インク圧力室と反対側の端部に連通した共通インク排出路と、を有し、
    前記複数の個別インク供給路が前記インク圧力室に連通した端部の前記第1の方向に沿った開口幅が、当該個別インク供給路が前記共通インク供給路に連通した端部の前記第1の方向に沿った開口幅と同じであり、
    前記複数の個別インク排出路が前記インク圧力室に連通した端部の前記第1の方向に沿った開口幅が、当該個別インク排出路が前記共通インク排出路に連通した端部の前記第1の方向に沿った開口幅と同じであり、
    前記インク圧力室、前記個別インク供給路、および前記個別インク排出路をつなげた個別インク流路の長さが、前記インク滴の吐出時に前記インク圧力室で発生するインクの圧力変化に基づく振動波が前記共通インク供給路および前記共通インク排出路に伝わらない長さである、
    インクジェット式記録ヘッド。
  2. 第1の方向に配列された複数のインク圧力室を有する第1基板と、
    この第1基板の第1面に積層され、前記各インク圧力室の前記第1の方向の中央に連通したノズルを前記各インク圧力室毎に有するノズルプレートと、
    前記第1基板の前記第1面と反対の第2面に積層され、前記各インク圧力室の前記第1の方向の一端に連通して対応するインク圧力室へインクを供給する複数の個別インク供給路、および、前記各インク圧力室の前記第1の方向の他端に連通して対応するインク圧力室からインクを排出させる複数の個別インク排出路が、その厚さ方向に配列された第2基板と、
    前記ノズルプレートの前記第1基板と反対側の面で前記各ノズルの周りに設けられ、前記各インク圧力室内のインクをそれぞれ加圧して前記ノズルを介してインク滴を吐出させる複数のアクチュエータと、
    前記第2基板の前記第1基板と反対側に積層され、前記複数の個別インク供給路の前記各インク圧力室と反対側の端部に連通した共通インク供給路、および、前記複数の個別インク排出路の前記各インク圧力室と反対側の端部に連通した共通インク排出路を有する第3基板と、を有し、
    前記複数の個別インク供給路が前記インク圧力室に連通した端部の前記第1の方向に沿った開口幅が、当該個別インク供給路が前記共通インク供給路に連通した端部の前記第1の方向に沿った開口幅と同じであり、
    前記複数の個別インク排出路が前記インク圧力室に連通した端部の前記第1の方向に沿った開口幅が、当該個別インク排出路が前記共通インク排出路に連通した端部の前記第1の方向に沿った開口幅と同じであり、
    前記インク圧力室、前記個別インク供給路、および前記個別インク排出路をつなげた個別インク流路の長さが、前記インク滴の吐出時に前記インク圧力室で発生するインクの圧力変化に基づく振動波が前記共通インク供給路および前記共通インク排出路に伝わらない長さである、
    インクジェット式記録ヘッド。
  3. 前記個別インク流路の長さは、1mmより長い、
    請求項1または2のインクジェット式記録ヘッド。
  4. 前記インク圧力室の両端に前記個別インク供給路および前記個別インク排出路を接続した前記個別インク流路の断面積は、その全長にわたって5000μm〜30000μmである、
    請求項のインクジェット式記録ヘッド。
  5. 前記複数のインク圧力室は、前記第1基板の前記第1面と前記第2面を連絡して前記第1基板を貫通した孔であり、
    前記複数の個別インク供給路および前記複数の個別インク排出路は、前記第2基板を厚さ方向に貫通した孔であり、
    前記第1基板の厚さと前記第2基板の厚さを足した厚さは、500μm以上である、
    請求項2に従属した請求項3のインクジェット式記録ヘッド。
  6. 前記複数の個別インク供給路の前記各インク圧力室と反対側の端部、および前記複数の個別インク排出路の前記各インク圧力室と反対側の端部が、前記第3基板まで延びている、
    請求項2に従属した請求項3のインクジェット式記録ヘッド。
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