JP6501605B2 - 止水ユニット及び止水工法 - Google Patents

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Description

本発明は、建屋同士を連通する連通配管の取付部からの漏水や浸水を防止するための止水ユニット、この止水ユニットを用いた止水工法に関するものである。
例えば、2個の建屋が隣接して設置されるとき、各建屋は、連通配管により連通されており、この連通配管内に排水管やケーブルなどが配置されている。そして、2個の建屋は、地震発生時における互いの干渉を防止するため、建屋間に緩衝材(間詰材)が介装されている。
このような隣接する建屋において、例えば、一方または両方の建屋内に、例えば、作動油、潤滑油、洗浄水、放射性物質を含んだ汚染水などが発生した場合、建屋の縦壁と連通配管との隙間から内部の汚染水が外部に漏洩してしまうおそれがある。また、建屋周囲には地下水がある場合もあり、建屋外部から建屋内に地下水が流入しその排水に費用と労力を要する場合がある。このため、既術の緩衝材の一部を除去して、緩衝材を除去してできる空隙に止水材を新たに設置して建屋内部から建屋周囲への汚染水の流出や、建屋周囲から建屋内への地下水の流入を抑える必要がある。
従来の止水工法としては、例えば、下記特許文献1に記載されたものがある。この特許文献1に記載された止水用ユニットは、環状で中空の注入室と、この注入室に注入材を注入するための注入口とを有する袋体を設け、この袋体を環状空間に配置し、注入室への注入材の注入により膨張させることで、袋体を環状空間の内周面と外周面とに密着させて環状空間の止水を行うものである。
特開2006−052571号公報
建屋の縦壁と連通配管との隙間を止水する場合、緩衝材を一部除去し、隣接する建屋の縦壁間に止水材を充填することが考えられる。ところが、緩衝材を一部除去すると、緩衝材を除去した空間部に地下水が浸入する。すると、水中で止水材を充填することとなり、止水材が空間部に一様に広がらず、また、壁面に対する密着度合いが不十分なまま硬化するため、十分な止水効果を得ることができない。また、特許文献1に記載された止水用ユニットでは、環状空間に配置された袋体内に注入材を注入して膨張させることで、袋体を環状空間の内周面と外周面とに密着させて止水している。ところが、袋体内で硬化した止水材は、経年劣化により環状空間の内周面や外周面に対する面圧が低下することから、耐久性が低下して十分な信頼性を確保することができない。
本発明は、上述した課題を解決するものであり、耐久性及び信頼性の向上を図る止水ユニット及び止水工法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明の止水ユニットは、基端部が開口して先端部が閉塞する弾性変形自在な止水チューブと、基端部が開口して先端部が閉塞すると共に前記止水チューブ内に配置されることで前記止水チューブとの間に止水材充填空間部を区画して内部に加圧流体供給空間部を区画する弾性変形自在な調圧チューブと、を有することを特徴とするものである。
従って、内部に調圧チューブが配置された止水チューブを止水する止水空間部に配置し、止水材充填空間部に止水材を充填すると共に、加圧流体供給空間部に加圧流体を供給する。すると、止水チューブは、止水材充填空間部に隙間なく止水材が充填され、加圧流体供給空間部に供給された加圧流体により調圧チューブが膨張することで、止水材が充填された止水チューブが膨張し、止水チューブの外面が止水空間部の壁面に押圧されて密着することとなり、止水空間部を高い密着力を持って止水することができる。そして、止水チューブによる止水空間部の壁面に対する密着力が低下したとき、調圧チューブの加圧流体供給空間部に加圧流体を補給することで、止水空間部の壁面に対する止水チューブの密着力が高くなり、施工直後の密着力を施工後も都度必要に応じて維持できると共に、信頼性の向上を図ることができる。
本発明の止水ユニットでは、前記止水チューブと前記調圧チューブは、先端部同士が連結されることを特徴としている。
従って、内部に調圧チューブが配置された止水チューブを容易に止水空間部に配置することができ、止水作業を簡素化することができる。
本発明の止水ユニットでは、前記止水チューブと前記調圧チューブは、基端部同士が支持板により連結され、前記支持板に前記止水材充填空間部への止水材注入部と前記加圧流体供給空間部への加圧流体供給部が設けられることを特徴としている。
従って、止水チューブと調圧チューブの基端部同士が支持板に連結されることで、この支持板に設けられた止水材注入部から止水材を止水材充填空間部へ容易に供給することができると共に、加圧流体供給部から加圧流体を加圧流体供給空間部に容易に供給することができ、作業性を向上することができる。
本発明の止水ユニットでは、前記加圧流体供給部は、前記加圧流体供給空間部からの加圧流体の排出を阻止する逆止弁が設けられることを特徴としている。
従って、逆止弁により加圧流体供給空間部からの加圧流体の排出が阻止されることとなり、止水チューブに対する押圧力を容易に維持することができる。
本発明の止水ユニットでは、前記止水チューブは、先端部の外側に牽引部が設けられることを特徴としている。
従って、牽引部に牽引ロープなどの一端部を連結し、他端部を止水空間部を通して外部に引き出し、この牽引ロープを牽引することで、止水チューブと調圧チューブを容易に止水空間部に挿入することができ、作業性を向上することができる。
本発明の止水ユニットでは、前記調圧チューブは、内部に長手方向に沿って押し込みロッドが設けられることを特徴としている。
従って、押し込みロッドにより止水チューブ及び調圧チューブが自立することから、外部から押し込みロッドにより止水チューブと調圧チューブを容易に止水空間部に挿入することができ、作業性を向上することができる。
本発明の止水ユニットでは、前記押し込みロッドは、複数の分割ロッドが屈曲自在な連結部により直列に連結されて構成されることを特徴としている。
従って、止水空間部に屈曲部があっても、押し込みロッドは、分割ロッドが連結部で屈曲して止水空間部に挿入されることとなり、作業性を向上することができる。
本発明の止水ユニットでは、前記止水チューブに対する前記調圧チューブの径方向位置を規制する規制部材が設けられることを特徴としている。
従って、規制部材により止水チューブに対する調圧チューブの径方向位置がほぼ中心部に規制されることとなり、調圧チューブが止水チューブに対して周方向に均等に押圧力を付与することができる。
本発明の止水ユニットでは、前記止水チューブは、前記止水材充填空間の空気を外部に排出する空気排出部が設けられることを特徴としている。
従って、調圧チューブと止水チューブとの間の止水材充填空間部に止水材を充填するとき、内部に残留する空気が空気排出部から外部に排出されることとなり、止水材充填空間部に隙間なく止水材を充填することができる。
本発明の止水ユニットでは、前記空気排出部は、前記止水チューブの先端部に設けられて内部の空気を外部に排出するベント弁であることを特徴としている。
従って、空気排出部を止水チューブの先端部に設けられたベント弁とすることで、構造の簡素化を図ることができる。
本発明の止水ユニットでは、前記空気排出部は、前記調圧チューブ内に配置されて一端部が前記止水材充填空間部の先端部に連通して他端部が外部に連通する空気排出配管であることを特徴としている。
従って、空気排出部を調圧チューブ内に配置された空気排出配管とすることで、止水チューブに対する加工が不要となり、信頼性を向上することができる。
本発明の止水ユニットでは、前記止水チューブと前記調圧チューブは、基端部同士が支持板により連結され、前記支持板に前記止水材充填空間部及び前記加圧流体供給空間部の空気を除去する真空引き装置が設けられることを特徴としている。
従って、事前に真空引き装置により止水材充填空間部内の空気と加圧流体供給空間部内の空気を除去してから、内部に調圧チューブが配置された止水チューブを止水空間部に配置することとなり、止水空間部が浸水していたとしても、調圧チューブ及び止水チューブ挿入時に空隙内に占める両チューブの体積を最小とすることで、調圧チューブ及び止水チューブを止水空間部に容易に挿入することができる。
また、本発明の止水工法は、前記止水ユニットを隣接する建屋における対向する壁面の間に挿入する工程と、前記止水材充填空間部に止水材を充填する工程と、前記加圧流体供給空間部に加圧流体を供給する工程と、を有することを特徴とするものである。
従って、止水チューブは、止水材充填空間部に隙間なく止水材が充填され、調圧チューブが加圧流体供給空間部に供給された加圧流体により膨張することで、止水材が充填された止水チューブが膨張し、止水チューブの外面が建屋における対向する壁面に押圧されて密着することとなり、止水空間部を高い密着力を持って止水することができる。そして、止水チューブによる壁面に対する密着力が低下したとき、調圧チューブの加圧流体供給空間部に加圧流体を補給することで、壁面に対する止水チューブの密着力を高めることで、施工直後の密着力を施工後も都度必要に応じて維持できると共に、信頼性の向上を図ることができる。
本発明の止水工法では、前記止水材充填空間部に止水材を充填する工程と前記加圧流体供給空間部に加圧流体を供給する工程とを同時に実施することを特徴としている。
従って、止水チューブは、止水材充填空間部に止水材が充填されながら、調圧チューブにより押圧されて膨張することとなり、止水材を止水材充填空間部に均一に充填することができる。
本発明の止水工法では、前記止水材充填空間部に充填された前記止水材が硬化した後、前記加圧流体供給空間部における加圧流体の圧力を所要の止水圧より高い圧力に維持することを特徴としている。
従って、止水チューブ内の止水材が硬化した後も、調圧チューブが止水チューブに対して継続して押圧することで、止水チューブは止水空間部の壁面を押圧しながら止水することとなり、信頼性を向上することができる。
本発明の止水工法では、隣接する前記建屋間を連通する連通配管が設けられ、前記建屋における対向する壁面の間に前記連通配管を取り囲むようにU字形状をなすシール材挿入孔を形成し、前記シール材挿入孔に前記止水ユニットを挿入することを特徴としている。
従って、止水ユニットにより、壁部と連通配管との間の隙間を通した建屋外への漏水や外部からこの隙間を通した建屋内への浸水を適正に防止することができる。
本発明の止水工法では、前記シール材挿入孔に複数の前記止水ユニットを挿入することを特徴としている。
従って、止水空間部の形状に拘わらず、複数の前記止水ユニットにより適正に止水することができる。
本発明の止水ユニット及び止水工法によれば、弾性変形自在な止水チューブと、止水チューブ内に配置されることで止水材充填空間部と加圧流体供給空間部を区画する調圧チューブとを設けるので、耐久性、すなわち施工直後の密着力を施工後も都度必要に応じて維持できる機能を具備すると共に、信頼性の向上を図ることができる。
図1は、第1実施形態の止水ユニットが適用される建屋の構造を表す断面図である。 図2は、建屋の縦壁に対する連通配管の取付構造を表す断面図である。 図3は、第1実施形態の止水ユニットによる建屋間の止水状態を表す断面図である。 図4は、図3のIV−IV断面図である。 図5は、第1実施形態の止水工法における止水ユニットの挿入状態を表す概略図である。 図6は、第1実施形態の止水工法における止水材と空気の充填状態を表す概略図である。 図7は、第1実施形態の止水工法における止水ユニットの配置状態を表す概略図である。 図8は、第2実施形態の止水ユニットを表す概略図である。 図9は、第2実施形態の止水工法における止水ユニットの挿入状態を表す概略図である。 図10は、第2実施形態の止水工法における止水ユニットの挿入完了状態を表す概略図である。 図11は、第2実施形態の止水工法における止水ユニットの配置状態を表す概略図である。 図12は、第3実施形態の止水ユニットを表す概略図である。 図13は、第3実施形態の止水工法における止水ユニットの挿入状態を表す概略図である。 図14は、第3実施形態の止水工法における止水ユニットの挿入完了状態を表す概略図である。 図15は、第3実施形態の止水工法における止水材と空気の充填状態を表す概略図である。 図16は、第4実施形態の止水ユニットを表す概略図である。 図17は、第5実施形態の止水ユニットの配置状態を表す概略図である。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る止水ユニット及び止水工法の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の止水ユニットが適用される建屋の構造を表す断面図、図2は、建屋の縦壁に対する連通配管の取付構造を表す断面図である。
第1実施形態において、図1に示すように、建屋11と建屋12は、所定隙間を空けて地盤13上に設置されており、建屋11の縦壁14と建屋11の縦壁15との間に緩衝材としての間詰材16が介装されている。そして、建屋11と建屋12は、各縦壁14,15及び間詰材16を水平に貫通する連通配管17が配置されており、各建屋11,12に配置された各種機器を接続する配管やケーブルがこの連通配管17内に配置されている。
図2に示すように、建屋11の縦壁14と建屋12の縦壁15は、高さ方向及び水平方向におけるほぼ同位置に貫通孔18,19が形成され、間詰材16は、この貫通孔18,19と同位置に貫通孔20が形成されている。連通配管17は、各貫通孔18,19,20を貫通するように挿通され、固定されている。
このような隣接する建屋構造において、建屋11,12内に作動油、潤滑油、洗浄水、放射性物質を含んだ汚染水など建屋から外部への漏えいを避けるべき液体(以下、汚染水と称する)Wa,Wbが発生した場合、縦壁14,15と連通配管17との隙間から内部の汚染水Wa,Wbが外部に漏洩してしまうおそれがある。即ち、連通配管17と各貫通孔18,19とは、施工時にシール材が装着されているものの、経年劣化や地震などにより両者の間に隙間が形成され、この隙間から汚染水Wa,Wbが漏洩する。また、建屋周囲には地下水がある場合もあり、建屋外部から建屋内に地下水が流入しその排水に費用と労力を要する場合がある。
そこで、第1実施形態では、建屋11,12のおける縦壁14,15間に連通配管17を取り囲むように止水ユニットを配置することで、建屋11,12からの汚染水Wa,Wbの漏洩や外部から建屋11,12内への地下水の浸入を防止する。
図3は、第1実施形態の止水ユニットによる建屋間の止水状態を表す断面図、図4は、図3のIV−IV断面図、図5は、第1実施形態の止水工法における止水ユニットの挿入状態を表す概略図、図6は、第1実施形態の止水工法における止水材と空気の充填状態を表す概略図、図7は、第1実施形態の止水工法における止水ユニットの配置状態を表す概略図である。
図3及び図4に示すように、止水ユニット30は、止水チューブ31と調圧チューブ32とを有している。止水チューブ31は、基端部が開口して先端部が閉塞する弾性変形自在なチューブである。調圧チューブ32は、止水チューブ31と同様に、基端部が開口して先端部が閉塞する弾性変形自在なチューブである。止水チューブ31と調圧チューブ32は、先端部が閉塞した円筒形状をなし、調圧チューブ32の外径が止水チューブ31の内径より小径に設定されており、調圧チューブ32が止水チューブ31内に配置されている。そのため、止水チューブ31と調圧チューブ32との間に止水材充填空間部S1が区画されると共に、調圧チューブ32の内部に加圧流体供給空間部S2が区画される。
この止水チューブ31と調圧チューブ32は、基端部同士が支持板33に連結されて支持されており、図5に示すように、この支持板33に止水材充填空間部S1への止水材注入口(止水材注入部)34と加圧流体供給空間部S2への加圧流体供給口(加圧流体供給部)35が設けられている。そして、加圧流体供給口35は、加圧流体供給空間部S2からの加圧流体の排出を阻止する逆止弁36が設けられている。
なお、止水チューブ31と調圧チューブ32は、止水性及び弾力性を有するものであり、ゴムに代表されるような柔軟で破断伸びが大きな部材、あるいは、加圧に対する抵抗が少ないエラストマーなどにより構成することが望ましい。具体的に、ゴムとしては、EPDM(エチレンプロピレンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、NR(天然ゴム)、NBR(ニトリルゴム)、SR(スチレンゴム)、SBR(スチレンブタジエンゴム)、BR(ブタジエンゴム)、IIR(イソプレンゴム)、CSM(クロルスルホン化ポリエチレン)などが好適である。また、エラストマーとしては、ポリエチレンやポリプロピレン構造を含む物質から作られるポリオレフィン系エラストマー、ポリウレタンやポリウレア構造を含む物質から作られるウレタン系エラストマーなどが好適である。また、生ゴムと称される架橋前のゴム混合物など加圧に対する抵抗力が少ない物質が好適であるが、これらの部材は、本実施形態を実現する物質の一例であって、これらの部材により止水チューブ31と調圧チューブ32が限定されるものではない。
また、止水材は、例えば、注入時においては流動性を有し、施工後に硬化を開始して最終的には適度の硬度、弾力を有する物質が望ましく、具体的には、止水材/ハヤシールNS(商品名:中井商工株式会社)や水中硬化型弾性シーリング材/水々シール(商品名:中井商工株式会社)が望ましい。但し、止水材は、これらに限定されるものではない。また、加圧流体は、加圧空気、加圧水、加圧窒素などを用いればよい。
ここで、止水ユニット30を用いた第1実施形態の止水工法について説明する。
第1実施形態の止水工法は、図3及び図4に示すように、止水ユニット30を隣接する建屋11,12における対向する壁面14a,15aの間に挿入する工程と、止水材充填空間部S1に止水材Mを充填する工程と、加圧流体供給空間部S2に加圧流体Aを供給する工程とを有している。このとき、止水材充填空間部S1に止水材Mを充填する工程と、加圧流体供給空間部S2に加圧流体Aを供給する工程とを同時に実施する。そして、止水材充填空間部S1に充填された止水材Mが硬化した後、加圧流体供給空間部S2における加圧流体Aの圧力を止水しようとする止水材周囲の圧力、及び加圧流体が膨張時に止水材から受ける抗力起因の圧力の和よりも高い圧力に維持する。
まず、地下水の水位より高い建屋11,12の上部から除去装置(図示略)を用いて間詰材16を除去し、正面視がU字形状をなすシール材挿入孔(止水空間部)21を形成する。このシール材挿入孔21は、隣接する建屋11,12における対向する縦壁14,15の各壁面14a,15aの間であって、連通配管17を取り囲むようにU字形状に形成する。そして、このシール材挿入孔21は、基端部側と先端部側が外部に連通している。
次に、図5に示すように、止水チューブ31と調圧チューブ32と支持板33が連結された止水ユニット30をシール材挿入孔21における入口部から挿入する。このとき、支持板33をシール材挿入孔21における入口部を閉塞するように設置し、止水チューブ31の先端部をシール材挿入孔21における出口部に位置させて仮固定する。
続いて、図6に示すように、支持板33の止水材注入口34に止水材供給配管22を連結すると共に、加圧流体供給口35に加圧流体供給管23を連結する。そして、図示しない止水材供給装置を作動することで、止水材Mを止水材供給配管22から止水ユニット30に送り、止水材注入口34を通して止水材充填空間部S1に充填する。また、図示しないコンプレッサを作動することで、加圧流体(加圧空気)Aを加圧空気供給配管23から止水ユニット30に送り、加圧流体供給口35を通して加圧流体供給空間部S2に供給する。このとき、止水材充填空間部S1に止水材Mを充填すると同時に、加圧流体供給空間部S2に加圧流体Aを供給することが望ましい。
すると、図7に示すように、止水チューブ31は、止水材充填空間部S1に止水材Mが充填されることで押し広げられる一方、調圧チューブ32は、加圧流体供給空間部S2に加圧流体Aが供給されることで外側に膨張し、止水チューブ31を押圧する。そのため、止水材Mが充填された止水チューブ31は、調圧チューブ32により外側に膨張し、外面が建屋11,12における対向する縦壁14,15の各壁面14a,15aに押圧されて密着する。
ここで、止水チューブ31が各壁面14a,15aに対して所定の密着力で密着すると、止水材充填空間部S1への止水材Mの充填を終了すると共に、加圧流体供給空間部S2への加圧流体Aの供給を終了する。そして、支持板33から止水材供給配管22と加圧流体供給管23を取外す。この場合、支持板33から止水材供給配管22を取外した後、止水材注入口34を閉塞することが望ましく、この状態で止水材充填空間部S1の止水材Mを硬化させる。一方、加圧流体供給口35は、逆止弁36が設けられていることから、加圧流体供給管23を取外しても、加圧流体供給空間部S2における加圧流体Aの圧力が所要の止水圧より高い圧力に維持される。
そして、止水材充填空間部S1に充填された止水材Mが硬化すると、図3及び図4に示すように、止水チューブ31は、調圧チューブ32の押圧力により各壁面14a,15aを高い押圧力で密着することとなり、縦壁14,15と連通配管17との隙間が適正に止水される。なお、ここでは、止水材Mが硬化する、と説明したが、止水材Mの硬化完了後も、相手面の凹凸に入り込むだけの硬度と、加圧流体から受ける圧力により変形するだけの弾力を有する止水材を予め選定しており、硬化完了後も加圧流体から受ける圧力により半径方向外径向きに変形することを阻害しない程度の硬化である。
また、止水チューブ31による各壁面14a,15aに対する密着力(押圧力)が低下すると、加圧流体供給口35に加圧流体供給管23を連結し、加圧流体Aを加圧空気注入口35から加圧流体供給空間部S2に再供給する。すると、調圧チューブ32は、加圧流体供給空間部S2に加圧流体Aが再供給されることで更に外側に膨張し、止水チューブ31の押圧力が増加する。そのため、止水チューブ31は、調圧チューブ32により更に外側に膨張し、縦壁14,15の各壁面14a,15aに押圧されて密着する。そのため、止水チューブ31による各壁面14a,15aに対する密着力(押圧力)が元の密着力に修正される。また、止水チューブ31が劣化して十分な止水ができなくなったときは、調圧チューブ32の加圧流体供給空間部S2にある加圧流体Aを排出することで、止水チューブ31の押圧を解除してから止水ユニット30を取外し、再び前述と同様に新しい止水ユニット30を配置すればよい。
この場合、止水チューブ31における止水材充填空間部S1に充填された止水材Mの体積と、調圧チューブ32における加圧流体供給空間部S2に供給された加圧流体Aの体積との関係は、以下の通りである。即ち、止水材Mの経年変化の多少により2つの場合が考えられる。
1.止水材Mの経年変化が大きく、加圧流体供給空間部S2への加圧流体Aの再供給、所謂、増締めが必要であると予測される場合、調圧チューブ32を加圧したときの止水材Mの変形感度を上げるため、止水材体積<加圧流体体積、となるように各チューブ31,32の径を設定する。
2.止水材Mの経年変化が小さく、加圧流体供給空間部S2への加圧流体Aの再供給、所謂、増締めが不要であると予測される場合、調圧チューブ32を加圧したときの止水材Mの変形感度を上げる必要はないため、止水材体積<加圧流体体積ではなく、止水材体積>加圧流体体積としてもよい。
このように第1実施形態の止水ユニットにあっては、基端部が開口して先端部が閉塞する弾性変形自在な止水チューブ31と、基端部が開口して先端部が閉塞すると共に止水チューブ31内に配置されることで止水チューブ31との間に止水材充填空間部S1を区画して内部に加圧流体供給空間部S2を区画する弾性変形自在な調圧チューブ32とを設けている。
従って、内部に調圧チューブ32が配置された止水チューブ31を止水するシール材挿入孔21に配置し、止水材充填空間部S1に止水材Mを充填すると共に、加圧流体供給空間部S1に加圧流体Aを供給する。すると、止水チューブ31は、止水材充填空間部S1に隙間なく止水材が充填され、調圧チューブ32が加圧流体供給空間部S2に供給された加圧流体Aにより膨張することで止水チューブ31が膨張し、外面が各壁面14a,14bに押圧されて密着することとなり、縦壁14,15の間を高い密着力を持って止水することができる。そして、止水チューブ31による壁面14a,15aに対する密着力が低下したとき、調圧チューブ32の加圧流体供給空間部S2に加圧流体Aを補給することで、各壁面14a,15aに対する止水チューブ31の密着力が高くなり、引き続き所要の機能を維持することができると共に、信頼性の向上を図ることができる。
第1実施形態の止水ユニットでは、止水チューブ31と調圧チューブ32の基端部同士が支持板33に連結され、支持板33に止水材充填空間部S1への止水材注入口34と加圧流体供給空間部S2への加圧流体供給口35を設けている。従って、止水チューブ31と調圧チューブ32の基端部同士が支持板33に連結されることで、この支持板33に設けられた止水材注入口34から止水材Mを止水材充填空間部S1へ容易に供給することができると共に、加圧流体供給口35から加圧流体Aを加圧流体供給空間部S2に容易に供給することができ、作業性を向上することができる。
第1実施形態の止水ユニットでは、加圧流体供給口35に加圧流体供給空間部S2からの加圧流体Aの排出を阻止する逆止弁36を設けている。従って、逆止弁36により加圧流体供給空間部S2からの加圧流体Aの排出が阻止されることとなり、止水チューブ31に対する押圧力を容易に維持することができる。
また、第1実施形態の止水工法にあっては、止水ユニット30を隣接する建屋11,12における対向する壁面14a,15aの間に形成されたシール材挿入孔21に挿入する工程と、止水材充填空間部S1に止水材Mを充填する工程と、加圧流体供給空間部S2に加圧流体Aを供給する工程とを有している。
従って、止水チューブ31は、止水材充填空間部S1に隙間なく止水材Mが充填され、調圧チューブ32が加圧流体供給空間部S2に供給された加圧流体Aにより膨張することで止水チューブ31が膨張し、外面が各壁面14a,14bに押圧されて密着することとなり、縦壁14,15の間を高い密着力を持って止水することができる。そして、止水チューブ31による壁面14a,15aに対する密着力が低下したとき、調圧チューブ32の加圧流体供給空間部S2に加圧流体Aを補給することで、各壁面14a,15aに対する止水チューブ31の密着力が高くなり、耐久性を向上することができると共に、信頼性の向上を図ることができる。
第1実施形態の止水工法にでは、止水材充填空間部S1に止水材Mを充填する工程と加圧流体供給空間部S1に加圧流体Aを供給する工程とを同時に実施する。従って、止水チューブ31は、止水材充填空間部S1に止水材Mが充填されながら、調圧チューブ32により押圧されて膨張することとなり、止水材Mを止水材充填空間部S1に均一に充填することができる。
本実施形態の止水工法では、止水材充填空間部S1に充填された止水材Mが硬化した後、加圧流体供給空間部S2における加圧流体Aの圧力を所要の止水圧より高い圧力に維持する。従って、止水チューブ31内の止水材Mが硬化した後も、調圧チューブ32が止水チューブ31に対して継続して押圧することで、止水チューブ31は壁面14a,15aを押圧しながら止水することとなり、信頼性を向上することができる。
本実施形態の止水工法では、建屋11,12における対向する壁面14a,15aの間に連通配管17を取り囲むようにU字形状をなすシール材挿入孔21を形成し、シール材挿入孔21に止水ユニット30を挿入する。従って、止水ユニット30により、壁部14,15と連通配管17との間の隙間を通した建屋11,12外への漏水や外部からこの隙間を通した建屋11,12内への浸水を適正に防止することができる。
[第2実施形態]
図8は、第2実施形態の止水ユニットを表す概略図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第2実施形態にて、図8に示すように、止水ユニット40は、止水チューブ41と調圧チューブ42とを有している。止水チューブ41と調圧チューブ42は、先端部が閉塞した円筒形状をなし、調圧チューブ42が止水チューブ41内に配置され、止水チューブ41の先端部と調圧チューブ42の先端部が連結されている。そのため、止水チューブ41と調圧チューブ42との間に止水材充填空間部S1が区画されると共に、調圧チューブ42の内部に加圧流体供給空間部S2が区画される。なお、止水チューブ41と調圧チューブ42は、基端部同士が支持板43(図10参照)に連結されて支持されており、前述した第1実施形態と同様に、止水材充填空間部S1への止水材注入口、加圧流体供給空間部S2への加圧流体供給口、逆止弁が設けられている。
止水チューブ41は、先端部に支持部44が固定され、調圧チューブ42は、先端部に支持部45が固定され、各支持部44,45が連結部材46により連結されている。そして、止水チューブ41は、支持部44の外側に牽引フック(牽引部)47が設けられている。調圧チューブ42は、内部に長手方向に沿って押し込みロッド48が設けられており、押し込みロッド48は、先端部が支持部45に連結され、基端部が調圧チューブ42の基端部から外方に突出している。この押し込みロッド48は、複数の分割ロッド49が屈曲自在な連結部50により直列に連結されて構成されている。
また、止水ユニット40は、止水チューブ41に対する調圧チューブ42の径方向位置を規制する規制板(規制部材)51,52が設けられている。止水チューブ41は、支持部45に円板形状をなす規制板51が固定されている。また、各チューブ41,42の先端部から基端部側に所定距離だけ離間した位置にて、調圧チューブ42の外周部にリング形状をなす規制板52が固定されている。この規制板52は、調圧チューブ42の長手方向の所定間隔ごとに設けられている。各規制板51,52は、調圧チューブ42側だけに支持され、止水チューブ41側には支持されていない。また、各規制板51,52は、外径がシール材挿入孔21の内径より小径に設定されており、図示しないが多数の貫通孔が設けられている。
なお、本発明の規制部材は、規制板51,52に限定されるものではない。例えば、規制部材として、調圧チューブ42の外周部に周方向に所定間隔で規制突起や規制ロッドなどを設けてもよい。
ここで、止水ユニット40を用いた第2実施形態の止水工法について説明する。図9は、第2実施形態の止水工法における止水ユニットの挿入状態を表す概略図、図10は、第2実施形態の止水工法における止水ユニットの挿入完了状態を表す概略図、図11は、第2実施形態の止水工法における止水ユニットの配置状態を表す概略図である。
図9に示すように、まず、高い建屋11,12の間に設けられた間詰材16を除去し、正面視がU字形状をなすシール材挿入孔21を形成する。次に、止水チューブ41の先端部に支持部44に牽引フック47を装着し、牽引ロープ53の一端部を連結する。続いて、図示しない走行装置により牽引フック47に連結された牽引ロープ53の他端部をシール材挿入孔21の入口部から出口部まで挿通させる。そして、牽引ロープ53の他端部を牽引することで、図10に示すように、止水チューブ41及び調圧チューブ32をシール材挿入孔21に配置する。
この牽引ロープ53により止水チューブ41及び調圧チューブ42をシール材挿入孔21で牽引するとき、押し込みロッド48により止水チューブ41及び調圧チューブ42をシール材挿入孔21に押し込んでいくことで、止水チューブ41及び調圧チューブ42は、シール材挿入孔21の屈曲部をスムースに曲がることができる。また、止水チューブ41及び調圧チューブ42がシール材挿入孔21の屈曲部を曲がるとき、押し込みロッド48が連結部50で屈曲するため、止水チューブ41及び調圧チューブ42をシール材挿入孔21の屈曲部に適正に案内できる。
そして、止水チューブ41及び調圧チューブ42がシール材挿入孔21に配置されると、支持板43をシール材挿入孔21における入口部を閉塞するように設置し、止水チューブ41の先端部をシール材挿入孔21における出口部に位置させて仮固定する。このとき、止水チューブ41は、調圧チューブ42に固定された規制板51,52により調圧チューブ42との間に所定の空間部が確保される。即ち、止水チューブ41のほぼ中心部に調圧チューブ42が配置される。
その後、前述した第1実施形態と同様に、止水材Mを止水材充填空間部S1に充填すると共に、加圧流体Aを加圧流体供給空間部S2に供給する。すると、図11に示すように、止水チューブ41は、止水材充填空間部S1に止水材Mが充填されることで押し広げられる一方、調圧チューブ42は、加圧流体供給空間部S2に加圧流体Aが供給されることで外側に膨張し、止水チューブ41を押圧する。そのため、止水材Mが充填された止水チューブ41は、調圧チューブ42により外側に膨張し、外面が建屋11,12における対向する壁面14a,15a(図4参照)に押圧されて密着する。
このように第2実施形態の止水ユニットにあっては、止水チューブ41と調圧チューブ42の先端部同士を連結している。従って、内部に調圧チューブ42が配置された止水チューブ41を容易にシール材挿入孔21に配置することができ、止水作業を簡素化することができる。
第2実施形態の止水ユニットでは、止水チューブ41の先端部の外側に牽引フック47を設けている。従って、牽引フック47に牽引ロープ53の一端部を連結し、他端部をシール材挿入孔21を通して外部に引き出し、この牽引ロープ53を牽引することで、止水チューブ41と調圧チューブ42を容易にシール材挿入孔21に挿入することができ、作業性を向上することができる。
第2実施形態の止水ユニットでは、調圧チューブ42の内部に長手方向に沿って押し込みロッド48を設けている。従って、押し込みロッド48により止水チューブ41及び調圧チューブ42が自立することから、外部から押し込みロッド48により止水チューブ41と調圧チューブ42を容易にシール材挿入孔21に挿入することができ、作業性を向上することができる。
第2実施形態の止水ユニットでは、押し込みロッド48は、複数の分割ロッド49が屈曲自在な連結部50により直列に連結されて構成されている。従って、シール材挿入孔21に屈曲部があっても、押し込みロッド48は、分割ロッド49が連結部50で屈曲してシール材挿入孔21部に挿入されることとなり、作業性を向上することができる。
なお、本実施形態では、止水ユニット40に牽引フック47と押し込みロッド48を設けたが、少なくともいずれか一方を設けることで、止水チューブ41と調圧チューブ42をシール材挿入孔21に挿入することができる。
第2実施形態の止水ユニットでは、止水チューブ41に対する調圧チューブ42の径方向位置を規制する規制板51,52を設けている。従って、規制板51,52により止水チューブ41に対する調圧チューブ42の径方向位置をほぼ中心部に規制することとなり、調圧チューブ42が止水チューブ41に対して周方向に均等に押圧力を付与することができる。
[第3実施形態]
図12は、第3実施形態の止水ユニットを表す概略図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第3実施形態にて、図12に示すように、止水ユニット60は、止水チューブ61と調圧チューブ62とを有している。止水チューブ61と調圧チューブ62は、先端部が閉塞した円筒形状をなし、調圧チューブ62が止水チューブ61内に配置され、止水チューブ61の先端部と調圧チューブ62の先端部が連結されている。そのため、止水チューブ61と調圧チューブ62との間に止水材充填空間部S1が区画されると共に、調圧チューブ62の内部に加圧流体供給空間部S2が区画される。なお、止水チューブ61と調圧チューブ62は、基端部同士が支持板63(図13参照)に連結されて支持されており、前述した第1実施形態と同様に、止水材充填空間部S1への止水材注入口、加圧流体供給空間部S2への加圧流体供給口、逆止弁が設けられている。
止水チューブ61は、先端部に止水材充填空間S1の空気を外部に排出する空気排出部としてのベント弁64が設けられている。このベント弁64は、圧力制御弁であり、止水材充填空間S1の圧力が所定圧力以上になると開放し、止水材充填空間S1の残留空気が外部に排出される。また、止水チューブ61は、ベント弁64の位置で調圧チューブ62の先端部と連結部材65により連結されている。そして、止水チューブ61は、先端部の外側に牽引フック(牽引部)66が設けられている。
また、止水ユニット60は、支持板63に止水材充填空間部S1及び加圧流体供給空間部S2の空気を除去する真空引き装置67(図13参照)が設けられている。
ここで、止水ユニット60を用いた第3実施形態の止水工法について説明する。図13は、第3実施形態の止水工法における止水ユニットの挿入状態を表す概略図、図14は、第3実施形態の止水工法における止水ユニットの挿入完了状態を表す概略図、図15は、第3実施形態の止水工法における止水材と空気の充填状態を表す概略図である。
図13に示すように、まず、高い建屋11,12の間に設けられた間詰材16を除去し、正面視がU字形状をなすシール材挿入孔21を形成する。次に、止水チューブ61の先端部にある牽引フック66に牽引ロープ53の一端部を連結する。続いて、図示しない走行装置により牽引フック66に連結された牽引ロープ53の他端部をシール材挿入孔21の入口部から出口部まで挿通させる。そして、牽引ロープ53の他端部を牽引することで、図14に示すように、止水チューブ61及び調圧チューブ62をシール材挿入孔21に配置する。
このとき、シール材挿入孔21が浸水していると、内部に空気があると、止水チューブ61及び調圧チューブ62に浮力が発生し、この止水チューブ61及び調圧チューブ62をシール材挿入孔21に適正に挿入することが困難となる。そのため、真空引き装置67を作動し、止水材充填空間部S1及び加圧流体供給空間部S2の空気を排出する。なお、真空引き装置67の代わりに給水装置を設け、止水材充填空間部S1及び加圧流体供給空間部S2に水を充填して空気を排出してもよい。
そして、図14に示すように、止水チューブ61及び調圧チューブ62がシール材挿入孔21に配置されると、支持板63をシール材挿入孔21における入口部を閉塞するように設置し、止水チューブ61の先端部をシール材挿入孔21における出口部に位置させて仮固定する。
その後、前述した第1実施形態と同様に、止水材Mを止水材充填空間部S1に充填すると共に、加圧流体Aを加圧流体供給空間部S2に供給する。すると、図15に示すように、止水チューブ61は、止水材充填空間部S1に止水材Mが充填されることで押し広げられる一方、調圧チューブ62は、加圧流体供給空間部S2に加圧流体Aが供給されることで外側に膨張し、止水チューブ61を押圧する。このとき、止水材充填空間部S1に空気が残留していると、この空気がベント弁64から外部に排出される。そのため、止水材Mが充填された止水チューブ61は、調圧チューブ62により外側に膨張し、外面が建屋11,12における対向する壁面14a,15a(図4参照)に押圧されて密着する。
このように第3実施形態の止水ユニットにあっては、止水チューブ61における止水材充填空間S1の空気を外部に排出する空気排出部としてのベント弁64を設けている。従って、調圧チューブ62と止水チューブ61との間の止水材充填空間部S1に止水材Mを充填するとき、内部に残留する空気がベント弁64から外部に排出されることとなり、止水材充填空間部S1に隙間なく止水材Mを充填することができる。この場合、ベント弁64とすることで、構造の簡素化を図ることができる。
第3実施形態の止水ユニットでは、止水チューブ61と調圧チューブ62の基端部同士を支持板63に連結し、支持板63に止水材充填空間部S1及び加圧流体供給空間部S2の空気を除去する真空引き装置67を設けている。従って、事前に真空引き装置67により止水材充填空間部S1の空気と加圧流体供給空間部S2内の空気を除去してから、内部に調圧チューブ62が配置された止水チューブ61をシール材挿入孔21に配置することとなり、止水チューブ61が浸水していたとしても、調圧チューブ62及び止水チューブ61を止水チューブ61に容易に挿入することができる。
[第4実施形態]
図16は、第4実施形態の止水ユニットを表す概略図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第4実施形態にて、図16に示すように、止水ユニット70は、止水チューブ71と調圧チューブ72とを有している。止水チューブ71と調圧チューブ72は、先端部が閉塞した円筒形状をなし、調圧チューブ72が止水チューブ71内に配置され、止水チューブ71の先端部と調圧チューブ72の先端部が連結されている。そのため、止水チューブ71と調圧チューブ72との間に止水材充填空間部S1が区画されると共に、調圧チューブ72の内部に加圧流体供給空間部S2が区画される。
止水チューブ71は、先端部の内側に止水材充填空間S1の空気を外部に排出する空気排出部としてのベント弁73が設けられている。調圧チューブ72は、先端部の外側に止水材充填空間S1に止水材Mを吐出する吐出弁74が設けられている。そして、調圧チューブ72は、内部に止水材供給配管75が配置され、先端部が吐出弁74に連結されている。また、調圧チューブ72は、内部に空気排出部としての空気排出配管76が配置され、先端部がベント弁73に連結されている。ベント弁73は、圧力制御弁であり、止水材充填空間S1の圧力が所定圧力以上になると開放し、止水材充填空間S1の残留空気が止水材供給配管75を通って外部に排出される。吐出弁74は、圧力制御弁であり、止水材供給配管75からの止水材供給圧が所定圧力以上になると開放し、止水材Mを止水材充填空間S1に吐出する。
なお、止水ユニット70を用いた第4実施形態の止水工法については、上述した第3実施形態とほぼ同様であることから、説明は省略する。
このように第4実施形態の止水ユニットにあっては、止水チューブ71の止水材充填空間S1の空気を外部に排出する空気排出部としてのベント弁73と空気排出配管76を設けている。従って、調圧チューブ72と止水チューブ71との間の止水材充填空間部S1に止水材Mを充填するとき、内部に残留する空気がベント弁73から空気排出配管76を通して外部に排出されることとなり、止水材充填空間部S1に隙間なく止水材Mを充填することができる。この場合、空気排出配管75を用いることで、止水チューブ71に対する加工が不要となり、信頼性を向上することができる。
[第5実施形態]
図17は、第5実施形態の止水ユニットの配置状態を表す概略図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第5実施形態において、図17に示すように、シール材挿入孔(止水空間部)80は、建屋11,12の上部から除去装置(図示略)を用いて間詰材16を除去して形成された2個の鉛直方向に沿う互いに平行をなす第1、第2挿入孔81,82と、建屋11,12の側部から除去装置(図示略)を用いて間詰材16を除去して形成された水平方向に沿う第3挿入孔83とが連続することで、正面視がU字形状をなすものである。
止水ユニット90は、第1、第2挿入孔81,82に配置される第1、第2止水ユニット91,92と、第3挿入孔83に配置される第3止水ユニット93とを有している。そして、各止水ユニット91,92,93は、止水チューブ内に調圧チューブが配置されて構成されており、各挿入孔81,82,83内で互いに密着するように配置されている。
このように第5実施形態の止水ユニット及び止水工法にあっては、シール材挿入孔80に複数の止水ユニット91,92,93からなる止水ユニット90を配置している。従って、シール材挿入孔80の形状に拘わらず、複数の止水ユニット91,92,93により適正に止水することができる。
なお、上述した実施形態では、止水ユニットをU字形状をなす止水空間部に挿入するものとして説明したが、この形状に限定されるものではなく、直線形状でも、四角形状でも、円形状でもよい。また、止水ユニットにより1個の連通配管を取り囲むように止水したが、複数の連通配管を取り囲むように止水してもよい。
また、上述した実施形態では、止水ユニットを隣接する建屋間の止水に適用したが、この適用部位に限定されるものではない。
11,12 建屋
13 地盤
14,15 縦壁
16 間詰材
17 連通配管
21,80 シール材挿入孔(止水空間部)
30,40,60,70,90 止水ユニット
31,41,61,71 止水チューブ
32,42,62,72 調圧チューブ
33,43,63 支持板
34 止水材注入口(止水材注入部)
35 加圧流体供給口(加圧流体供給部)
36 逆止弁
44,45 支持部
46,65 連結部材
47,66 牽引フック(牽引部)
48 押し込みロッド
49 分割ロッド
50 連結部
51,52 規制板(規制部材)
64,73 ベント弁(空気排出部)
67 真空引き装置
76 空気排出配管(空気排出部)
S1 止水材充填空間部
S2 加圧流体供給空間部

Claims (17)

  1. 基端部が開口して先端部が閉塞する弾性変形自在な止水チューブと、
    基端部が開口して先端部が閉塞すると共に前記止水チューブ内に配置されることで前記止水チューブとの間に止水材充填空間部を区画して内部に加圧流体供給空間部を区画する弾性変形自在な調圧チューブと、
    を有することを特徴とする止水ユニット。
  2. 前記止水チューブと前記調圧チューブは、先端部同士が連結されることを特徴とする請求項1に記載の止水ユニット。
  3. 前記止水チューブと前記調圧チューブは、基端部同士が支持板により連結され、前記支持板に前記止水材充填空間部への止水材注入部と前記加圧流体供給空間部への加圧流体供給部が設けられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の止水ユニット。
  4. 前記加圧流体供給部は、前記加圧流体供給空間部からの加圧流体の排出を阻止する逆止弁が設けられることを特徴とする請求項3に記載の止水ユニット。
  5. 前記止水チューブは、先端部の外側に牽引部が設けられることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の止水ユニット。
  6. 前記調圧チューブは、内部に長手方向に沿って押し込みロッドが設けられることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の止水ユニット。
  7. 前記押し込みロッドは、複数の分割ロッドが屈曲自在な連結部により直列に連結されて構成されることを特徴とする請求項6に記載の止水ユニット。
  8. 前記止水チューブに対する前記調圧チューブの径方向位置を規制する規制部材が設けられることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の止水ユニット。
  9. 前記止水チューブは、前記止水材充填空間部の空気を外部に排出する空気排出部が設けられることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の止水ユニット。
  10. 前記空気排出部は、前記止水チューブの先端部に設けられて内部の空気を外部に排出するベント弁であることを特徴とする請求項9に記載の止水ユニット。
  11. 前記空気排出部は、前記調圧チューブ内に配置されて一端部が前記止水材充填空間部の先端部に連通して他端部が外部に連通する空気排出配管であることを特徴とする請求項9に記載の止水ユニット。
  12. 前記止水チューブと前記調圧チューブは、基端部同士が支持板により連結され、前記支持板に前記止水材充填空間部及び前記加圧流体供給空間部の空気を除去する真空引き装置が設けられることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の止水ユニット。
  13. 請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の止水ユニットを隣接する建屋における対向する壁面の間に挿入する工程と、
    前記止水材充填空間部に止水材を充填する工程と、
    前記加圧流体供給空間部に加圧流体を供給する工程と、
    を有することを特徴とする止水工法。
  14. 前記止水材充填空間部に止水材を充填する工程と前記加圧流体供給空間部に加圧流体を供給する工程とを同時に実施することを特徴とする請求項13に記載の止水工法。
  15. 前記止水材充填空間部に充填された前記止水材が硬化した後、前記加圧流体供給空間部における加圧流体の圧力を所要の止水圧より高い圧力の維持することを特徴とする請求項13または請求項14に記載の止水工法。
  16. 隣接する前記建屋間を連通する連通配管が設けられ、前記建屋における対向する壁面の間に前記連通配管を取り囲むようにU字形状をなすシール材挿入孔を形成し、前記シール材挿入孔に前記止水ユニットを挿入することを特徴とする請求項13から請求項15のいずれか一項に記載の止水工法。
  17. 前記シール材挿入孔に複数の前記止水ユニットを挿入することを特徴とする請求項16に記載の止水工法。
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