JP6501434B1 - ドームコンタクト - Google Patents

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Abstract

【課題】小判型ないしトラック型のドームコンタクトにおいて、中央ドーム部の反転動作時に、一対のサイドカット部分の応力集中を低減し、ドームコンタクトの寿命を改善する。
【解決手段】ドームコンタクト1において、一対のサイドカット部3により接点ばね材2を小判型ないしトラック型とし、接点ばね材2の中央に、サイドカット部3の幅の内側に納まる大きさで反転復帰動作可能な中央ドーム部4を形成すると共に、中央ドーム部4の外周に、中心側で高く組み付け面に対し緩やかな仰角のフラット部6を環状に形成し、フラット部6の外周でサイドカット部3の両端部に外周立ち上げ角度部7を一体的に形成してなり、中央ドーム部4の反転動作時に、中央ドーム部4の外周部へ広がろうとする板厚方向の力をフラット部6で拘束し、中央ドーム部4の広がりを防止して、サイドカット部3での応力集中を緩和し、サイドカット部3の端面の割れを減少させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、オーディオ機器、ビデオ機器、通信器、測定器などの電子機器の信号入力用スイッチおよびそれらの電源用スイッチの接点として利用されるクリックアクション付きの小判型ないしトラック型(長円型)のドームコンタクトに関する。
電子機器の小型化や高密度化にともない、この種のクリックアクション付きのドームコンタクトは、小判型ないしトラック型として形成されている。
例えば特許文献1は、ドームコンタクトにおいて、反転動作可能なドーム状の膨出部の外周にスカート部を形成するにあたり、膨出部のドーム面の接線方向にほぼ一致させて、スカート部をなだらかな曲面として形成している。したがって、ドーム状の膨出部およびなだらかな曲面のスカート部は、それらの境に曲げ加工部分を形成しておらず、実質的には一体的な曲面として形成されている。
上記のなだらかな曲面のスカート部は、ドームコンタクトの全体を小判型ないしトラック型の輪郭形状とするために、対向位置で一対の切欠部によって予め切り欠かれている。このため、一対の切欠部の切り口、すなわち切断面は、膨出部と同じように、上に凸の曲面の端面となっている。
上記の構成によると、スイッチ動作の過程で、膨出部がスカート部とともに反転動作を行うときに、切欠部は、膨出部およびスカート部の反転動作の影響を受け、上に凸の曲面から下に凸の曲面へと変形する。この変形過程で、小判型ないしトラック型のドームコンタクトは、外周部へ広がろうとする力を受け、長手方向の両端の外周部を中心から離れる方向、つまり長手方向に伸長し、一対の切欠部を偏平な状態として変形する。このため、反転動作毎に、一対の切欠部は、外周部へ広がろうとする伸長方向の力によって、最大の引っ張り応力を受ける。
このように、小判型ないしトラック型のドームコンタクトの反転動作のときに、一対の切欠部に引っ張り応力が集中しやすくなり、一対の切欠部は、スイッチ動作の繰り返し過程で、応力集中位置で割れてしまい、結果的にドームコンタクトは、寿命の短いものとなるという欠点を有している。
小判型ないしトラック型のドームコンタクトの長寿命化のために、中央位置の膨出部を大きく突出させるか、または一対の切欠部を直線でなく大きな円弧にしたりし、膨出部の部分で反転動作の力を受けることによって、反転動作時に切欠部での応力集中を防ぎ、切欠部に対する応力集中を減らすように試みられているが、寿命の観点から、まだ、充分な効果は、得られていない。
特開2012−64401号公報(特許第5647473号公報)
したがって、本発明の解決課題は、小判型ないしトラック型のドームコンタクトにおいて、膨出部としての中央ドーム部の反転動作時に、対向位置の切欠部、すなわちサイドカット部の応力集中を低減し、ドームコンタクトの寿命を改善することである。
上記課題のもとに、本発明は、小判型ないしトラック型のドームコンタクトにおいて、一対のサイドカット部での応力集中を低減させることを目的として、中央ドーム部の外周に、環状の曲げ部を境として所定の緩やかな傾き角度のフラット部を環状に連続状態として形成することによって、中央ドーム部の反転動作時に、中央ドーム部の外周部へ広がろうとする力をフラット部で拘束し、かつ中央ドーム部の外周部へ広がろうとする力をフラット部の板厚方向に働かせ、中央ドーム部の外周部への広がりを防止して、一対のサイドカット部での応力集中を緩和し、サイドカット部の割れを減少させている。
具体的に記載すると、本発明のドームコンタクト(1)は、一対のサイドカット部(3)により接点ばね材(2)を小判型ないしトラック型とし、接点ばね材(2)の中央位置に、一対のサイドカット部(3)の幅の内側に納まる大きさで反転復帰動作可能な曲率半径の中央ドーム部(4)を形成すると共に、中央ドーム部(4)の外周に、中心側で高く外周を基準位置として組み付け面(5)に対し2度ないし7度の範囲の緩やかな仰角のフラット部(6)を環状で連続状態として形成することによって、中央ドーム部(4)とフラット部(6)との境に中央ドーム部(4)の凹面に対し凸の環状の曲げ部(8)を形成し、さらにフラット部(6)の外周で一対のサイドカット部(3)の両端部に組み付け面(5)に当接可能な外周立ち上げ角度部(7)を一体的に形成してなり、中央ドーム部(4)の反転動作時に、中央ドーム部(4)の外周部へ広がろうとする力をフラット部(6)で拘束し、かつ中央ドーム部(4)の外周部へ広がろうとする力をフラット部(6)の板厚方向に働かせ、中央ドーム部(4)の外周部への広がりを防止して、一対のサイドカット部(3)での応力集中を緩和し、一対のサイドカット部(3)の端面の割れを減少させている。
特に、本発明は、中央ドーム部(4)中心位置に中央ドーム部(4)の外径の半分以下の外径で中心位置でスイッチ操作の荷重を受け得る大きさの逆向きドーム(15)を中央ドーム部(4)の凹面に向け凸面として同心的に形成しており、中央ドーム部(4)の反転動作のために、逆向きドーム(15)の中心位置でスイッチ操作の荷重を受けたときに、逆向きドーム(15)に対するスイッチ操作の荷重を逆向きドーム(15)に求心方向の引っ張り力として作用させ、中央ドーム部(4)の中心部分つまり逆向きドーム(15)での動きを少なくし、中央ドーム部(4)の疲労破壊を防止している。なおサイドカット部(3)は、直線、円弧および円弧以外の曲線のいずれかにより構成されている。
本発明によると、中央ドーム部(4)の反転動作時に、中央ドーム部(4)の外周部へ広がろうとする力がフラット部(6)で拘束され、しかも、中央ドーム部(4)の外周部へ広がろうとする力がフラット部(6)の板厚方向に働くため、中央ドーム部(4)の外周部への広がりを効率よく確実に防止できる。これによって、一対のサイドカット部(3)での応力集中が緩和されるため、一対のサイドカット部(3)でのフラット部(6)の反転方向への湾曲変形が抑えられ、フラット部(6)の引っ張り応力の集中が緩和されるから、一対のサイドカット部(3)での端面の割れが減少し、ドームコンタクト(1)の長寿命化が可能となる。また、フラット部(6)が中心側で高く組み付け面(5)に対して2度から7度までの緩やかな仰角の範囲内にあるため、反転動作時の力の伝わり方を板厚方向に一致させて、最大限の応力に耐えられるような効率のよい設計値の設定が可能となる。
中央ドーム部(4)の中心位置に逆向きドーム(15)が中央ドーム部(4)の凹面に向け凸面として形成されているため、中央ドーム部(4)の反転動作時に、中央ドーム部(4)の中心部分の動きが少なくなるため、中央ドーム部(4)の疲労破壊が防止でき、さらに長寿命化が可能となる。サイドカット部(3)が直線、円弧および円弧以外の曲線のいずれかにより構成できるから、組み込み対象の空間に柔軟に対応できる。
本発明の基本となるドームコンタクトの平面図である。 図1のA−A位置での半断面図および半側面図である。 図1のB−B位置での半断面図および半側面図である。 本発明の基本となるドームコンタクトの反転動作および従来例のドームコンタクトの反転動作の説明図である。 本発明の基本となるドームコンタクトおよび従来のドームコンタクトの応力解析結果の説明図である。 本発明の特徴的なドームコンタクトの平面図である。 図6のA−A位置での半断面図および半側面図である。
図1ないし図3において、本発明のドームコンタクト1は、リン青銅またはステンレス製の接点ばね材2により構成されており、接点ばね材2を平行な一対のサイドカット部3によって切り落とし、小判型ないしトラック型として打ち抜かれる。接点ばね材2は、その中央位置で一対のサイドカット部3の幅の内側に納まる大きさで反転復帰動作可能な大きな曲率半径の中央ドーム部4を形成すると共に、中央ドーム部4の外周に、中心側で高く外周を基準位置として組み付け面5に対し2度ないし7度の範囲の緩やかな仰角のフラット部6を環状で連続状態として形成することによって、中央ドーム部4とフラット部6との境に中央ドーム部4の凹面に対し凸の環状の曲げ部8を形成し、さらにフラット部6の外周で一対のサイドカット部3の両端部に組み付け面5に当接可能な外周立ち上げ角度部7を一体的に形成してなり、中央ドーム部4の反転動作時に、中央ドーム部4の外周部へ広がろうとする力をフラット部6で拘束し、かつ中央ドーム部4の外周部へ広がろうとする力をフラット部6の板厚方向に働かせ、中央ドーム部4の外周部への広がりを防止することによって、一対のサイドカット部3での応力集中を緩和し、一対のサイドカット部3の端面の割れを減少させている。
サイドカット部3は、組み込み空間の形状から、平面的に見て、好ましくは直線であるが、ゆるやかな円弧またはその他の曲線として形成することもできる。また、フラット部6は、組み付け面5に対し外周を基準位置として中心側で高くなるように2度ないし7度程度の範囲の緩やかな仰角で形成されるが、好ましくは中央ドーム部4の曲面に滑らかに接合するように、2度程度の仰角として形成される。さらに、外周立ち上げ角度部7は、組み付け面5に対して9度から30度までの範囲として外周で低く曲げ加工される。なお組み付け面5は、ドームコンタクト1をスイッチの可動接点として組み込むときの面であり、この面は、図示しないが、複数の固定接点やプリント回路の基板上に形成される。
接点ばね材2は、例えば厚み30ないし35ミクロンのステンレス製またはリン青銅製の弾性板材である。図示の具体例において、ドームコンタクト1の外径、すなわち製品外径D1は、1.95ミリメートル、フラット部6の外径D2は、1.6ミリメートル(製品外径D1に対して70〜90%)、中央ドーム部4の外径D3は、1.2ミリメートル(下記のサイドカット部3の幅D4に対して60〜95%)、一対のサイドカット部3の間の幅D4は、1.45ミリメートルである。
上記のように、中央ドーム部4の外径D3は、一対のサイドカット部3の幅D4よりも小さい。このためフラット部6は、中央ドーム部4の外周で、完全な環状として連なり、一対のサイドカット部3の部分でも強度上必要な幅を確保しており、中央ドーム部4のフランジとして機能する。また、中央ドーム部4は、例えば曲面であり、その曲率半径は、製品に要求されるスイッチ操作の荷重や、材料厚さ、材料の弾性特性の関連で適切な大きさとして設定される。
中央ドーム部4は、その全外周部分で必ずフラット部6に連なっており、中央ドーム部4とフラット部6とは、それらの環状の境界位置で折り曲げられ、中央ドーム部4の凹面に対して凸の曲げ部8を形成している。この曲げ部8は、曲げ加工部分であり、中央ドーム部4の外周縁で環状に連なり、中央ドーム部4およびフラット部6に剛性を付与している。このように、フラット部6は、中央ドーム部4の外周で完全に連続しており、一対のサイドカット部3の位置で平坦な必要幅を形成し、曲げ部8の剛性によって所定の強度を持っている。
図4の(1)に示すように、本発明のドームコンタクト1がスイッチとして組み込み面5に組み込まれ、中央ドーム部4が中心位置で、スイッチ操作の荷重を矢印方向に受けると、中央ドーム部4は、組み付け面5に対して凸の湾曲変形をしはじめ、湾曲変形の位置を中心から外周の方向に拡大させ、最終的にクリックアクションのもとに、中央ドーム部4とフラット部6と境界の曲げ部8で屈曲方向を反転して、中央ドーム部4の内側の凹面を組み付け面5の図示しない固定接点に接触し、ドームコンタクト1と固定接点との間を電気的に導通状態とする。この後に、スイッチ操作の荷重がなくなると、中央ドーム部4は、接点ばね材2の弾性によって反転復帰し、もとの状態に戻る。このスイッチ操作のときに、外周立ち上げ角度部7は、ドームコンタクト1の必要なストロークを確保するとともに、中央ドーム部4の反転復帰を助ける。
中央ドーム部4がスイッチ操作の荷重を受けて、クリックアクションのもとに反転動作をする過程において、中央ドーム部4は、長手方向の外周部へ広がろうとする。このときフラット部6は、中央ドーム部4の広がろうとする力を全周方向から拘束する。しかも、中央ドーム部4の外周部へ広がろうとする力は、フラット部6の板厚方向に働くため、フラット部6は、その力を効率よく受け止める。このとき、一対のサイドカット部3は、組付け面5に接近する方向に湾曲変形するが、その変形量は、従来のものに比較して僅かである。したがって、サイドカット部3に対する応力集中は、減少している。このようにして、ドームコンタクト1は、中央ドーム部4の外周部への広がりを防止し、一対のサイドカット部3での応力集中を緩和し、一対のサイドカット部3の端面の割れを減少させている。
この結果、図4の(1)に示すように、ドームコンタクト1は、接点ばね材2の長手方向にわずかの変形長さΔdしか変位しない。このことから、サイドカット部3の位置のフラット部6は、サイドカット部3の位置での湾曲変形を緩和し、サイドカット部3の位置での引っ張り応力の集中を大幅に減少させる。したがって、サイドカット部3の位置でのクラックの発生が未然に抑えられ、これによって、ドームコンタクト1の寿命が改善できる。なお、フラット部6の仰角が2度から7度の範囲内とし、反転動作時の力の伝わり方(力の作用方向)が接点ばね材2の板厚方向に一致させているから、最大限の応力に耐えられるような設計値の設定が可能となる。
これに対して、図4の(2)に示すように、小判型ないしトラック型の従来例のドームコンタクト10は、サイドカット部3に相当する切欠部11、中央ドーム部4に相当する膨出部12およびスカート部13、さらに外周立ち上げ角度部7に相当する脚部14を有しているが、本発明のフラット部6に相当するものを具備していない。なお、スカート部13は、膨出部12の曲面に対して滑らかに曲面もしくは円錐面で連接されているため、膨出部12とスカート部13との境に、図面上、線は現れない構造となっている。
図4の(2)において、従来例のドームコンタクト10によると、背景技術の欄で既に記載したように、スイッチ操作の荷重が矢印方向に作用して、膨出部12およびスカート部13が反転動作をするときに、切欠部11は、膨出部12およびスカート部13の反転動作の影響を受けて、上に凸の曲面から下に凸の曲面へと変形する。この変形の過程で、ドームコンタクト10は、外周部で広がろうとする力を受けて、長手方向の両端外周部の脚部14を中心から離れる方向に変形し、前記の変形長さΔdよりも大きな変形長さΔDだけ変位するとともに、スカート部13の傾き角度θを小さく変化させて、偏平な状態となる。このような反転動作たびに、一対の切欠部11は、最大の引っ張り応力の集中を受けやすく、材料の割れとなって寿命の短いものとなる。
図5は、従来例のドームコンタクト10および本発明のドームコンタクト1に関して、スイッチ操作の荷重をかけ、反転動作のときの応力解析結果をドームコンタクト10およびドームコンタクト1の4分割分について示している。従来のドームコンタクト10は、本発明のドームコンタクト1と同じ条件での比較対比のために、材料や、製品外径D1、その他の寸法も同じ値として構成してある。これらの応力解析の図において、Hは最大の応力値(MPa)、hは最大の応力値よりもやや低い応力値(MPa)、Lは最小の応力値(MPa)にそれぞれ対応している。
前記のように、本発明のドームコンタクト1は、サイドカット部3、中央ドーム部4、フラット部6および外周立ち上げ角度部7を有している。これに対して、従来例のドームコンタクト10は、図4の(2)で説明したように、切欠部11、膨出部12、スカート部13および脚部14を有しているが、本発明のフラット部6に相当するものを具備していない。
図5において、本発明のドームコンタクト1によると、中央ドーム部4にスイッチ操作の荷重(押し圧力)がかかったときに、中央ドーム部4は、反転変形するが、フラット部6は、ほとんど変形せず、偏平な方向に動かないため、サイドカット部3の位置に引っ張り応力は、あまり発生しない。このため、サイドカット部3の位置において、高い応力値Hよりもやや低い応力値hの応力分布が狭い範囲で現れているにすぎない。したがって、サイドカット部3の位置での割れは、確実に低減できる。なお、本発明のドームコンタクト1において、フラットな押し棒で従来例のものよりも小さな中央ドーム部4を押し切ると、中央ドーム部4の中心位置に押し圧力が発生し、材料への発生応力は、中央で高く現れている。
これに対し、図5において、従来例のドームコンタクト10では、フラットな押し棒で膨出部12およびスカート部13の全体が押しつぶされて、それらが反転し、偏平に変形すると、膨出部12の中央部分は、低い応力値であるが、両端の脚部14は、長手方向に広がって伸び、偏平に変形する。このため、切欠部11の位置において、材料の面に沿って引っ張り応力が大きく作用し、そこに高い応力値Hが広い範囲で集中的に現れる。これが切欠部11の位置での割れの原因となる。
このような解析結果から、本発明のドームコンタクト1では、従来例のドームコンタクト10に比較して、サイドカット部3の位置において、引っ張り応力の集中が軽減でき、割れの発生防止に有効な構造であることが応力解析から実証によって確認できる。
記構成のドームコンタクト1は、中央ドーム部4の外周部への広がりを防止し、サイドカット部3での応力集中を緩和するとともに、一対のサイドカット部3の端面の割れを減少させ、ドームコンタクト1の寿命を延長させる。
一方で、上記構成のドームコンタクト1によると、寿命試験の過程で、材料の割れやクラックは、サイドカット部3の端面でなく、最終的に中央ドーム部4に現れるという傾向を示すようになった。
発明者は、中央ドーム部4に現れる割れを防止することを目的として、ドームコンタクト1をさらに改良し、中央ドーム部4の領域でも長寿命化に取り組んだ。発明者の観察によると、寿命試験の過程において、中央ドーム部4のある一点の部位で、反転動作により繰り返し疲労が最大となるためであり、その部位を起点として割れが発生していることを究明した。
そこで、本発明は、中央ドーム部4の中心部分の動きを少なくして、中心部分の疲労破壊を防止するために、中央ドーム部4の中心部分の形状を予め逆向きに膨出するドームとして形成することによって、中央ドーム部4の反転動作に、中央ドーム部4の中心部分の動き(変形)を可能な限り少なくなるようにしている。
図6および図7は、ドームコンタクト1において、中央ドーム部4の中心部分に形成した逆向きドーム15を示している。逆向きドーム15は、中央ドーム部4の中心位置に同心的に形成され、中央ドーム部4の膨らみ方向に対して逆方向、つまり中央ドーム部4の凹面の方向の凸面、例えば凸球面として突出している。逆向きドーム15の外径D5は、中央ドーム部4の反転動作の機能を維持するために、中央ドーム部4の外径D3の1/2以下の寸法で、中心位置でスイッチ操作の荷重を受け得る大きさである。そして、中央ドーム部4の球面の曲率半径は、中央ドーム部4の曲率半径に等しいか、それよりも大きくしてある。
図6および図7の構成のドームコンタクト1において、図4の(1)と同様に、逆向きドーム15の中心位置にスイッチ操作の荷重が加えられると、逆向きドーム15は、その荷重を求心方向の引っ張り力として受け、湾曲方向に殆どたわみ変形することなく、その力を外周の部分で中央ドーム部4の内周部分に伝え、中央ドーム部4に遠心方向の圧縮力として作用させる。このため、中央ドーム部4は、組み付け面5に対して凸の湾曲変形を開始し、湾曲変形の位置を外周の方向に拡大させ、最終的にクリックアクションのもとに中央ドーム部4とフラット部6と境界の曲げ部8で屈曲方向を反転して、中央ドーム部4の内側の凹面を組み付け面5の図示しない固定接点に接触し、ドームコンタクト1と固定接点との間を電気的に導通状態とする。中央ドーム部4の反転のときに、遠心方向の圧縮力は、中央ドーム部4の大きな全周囲に分散してしいるため、中央ドーム部4の部分で、応力集中は緩和される。これによって、中央ドーム部4での割れも少なくなり、これが寿命の延長に寄与することになる。
この後、スイッチ操作の荷重がなくなると、中央ドーム部4は、接点ばね材2の弾性によって反転復帰し、もとの状態に戻る。この反転復帰のときにも、逆向きドーム15は、殆どたわみ変形を起こさない。このように、中央ドーム部4の反転動作に、中央ドーム部4の中心部分、つまり逆向きドーム15の動き(変形)が可能な限り少なくなる。したがって、中央ドーム部4の中心部分からの割れの発生も抑え込むことができ、結果的にドームコンタクト1がさらに倍以上の寿命試験に耐えられるようになり、大幅な寿命改善が図られる。
本発明は、主としてスマートフォンや携帯電話などの小型スイッチ用として開発されたため、小判型ないしトラック型で製品径2ミリメートル程度と小さいが、例示に限らず、大きな小判型ないしトラック型として、この種の大型スイッチ用として構成することもできる。
1 本発明のドームコンタクト
2 接点ばね材
3 サイドカット部
4 中央ドーム部
5 組み付け面
6 フラット部
7 外周立ち上げ角度部
8 曲げ部
10 従来例のドームコンタクト
11 切欠部
12 膨出部
13 スカート部
14 脚部
15 逆向きドーム
D1 製品外径
D2 フラット部6の外径
D3 中央ドーム部4の外径
D4 サイドカット部3の幅
D5 逆向きドーム15の外径
Δd 変形長さ
ΔD 変形長さ
θ 傾き角度
H 最大の応力値
h 低い応力値
L 最小の応力値

Claims (2)

  1. 一対のサイドカット部(3)により接点ばね材(2)を小判型ないしトラック型とし、接点ばね材(2)の中央位置に、一対のサイドカット部(3)の幅の内側に納まる大きさで反転復帰動作可能な曲率半径の中央ドーム部(4)を形成すると共に、中央ドーム部(4)の外周に、中心側で高く外周を基準位置として組み付け面5に対し2度ないし7度の範囲の緩やかな仰角のフラット部(6)を環状で連続状態として形成することによって中央ドーム部(4)とフラット部(6)との境に中央ドーム部(4)の凹面に対し凸の環状の曲げ部(8)を形成し、さらにフラット部(6)の外周で一対のサイドカット部(3)の両端部に組み付け面(5)に当接可能な外周立ち上げ角度部(7)を一体的に形成し、さらに中央ドーム部(4)の中心位置に中央ドーム部(4)の外径の半分以下の外径で、中心位置でスイッチ操作の荷重を受け得る大きさの逆向きドーム(15)を中央ドーム部(4)の凹面に向け凸面として同心的に形成してなり、中央ドーム部(4)の反転動作のために、逆向きドーム(15)の中心位置でスイッチ操作の荷重を受けたときに、逆向きドーム(15)に対するスイッチ操作の荷重を逆向きドーム(15)に求心方向の引っ張り力として作用させ、中央ドーム部(4)の中心部分での動きを少なくして、中央ドーム部(4)の中心部分の疲労破壊を防止すると共に、中央ドーム部(4)の反転動作時に、中央ドーム部(4)の外周部へ広がろうとする力をフラット部(6)で拘束し、かつ中央ドーム部(4)の外周部へ広がろうとする力をフラット部(6)の板厚方向に働かせ、中央ドーム部(4)の外周部への広がりを防止して、一対のサイドカット部(3)での応力集中を緩和し、一対のサイドカット部(3)の端面の割れを減少させる、ことを特徴とするドームコンタクト(1)。
  2. サイドカット部(3)を直線、円弧および円弧以外の曲線のいずれかにより構成する、ことを特徴とする請求項1記載のドームコンタクト(1)。
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