JP6500708B2 - 医療支援装置 - Google Patents

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Description

本発明は、医療行為を支援する医療支援装置に関する。
従来、医療行為を支援する医療支援装置が知られている(特許文献1参照)。
この種の医療支援装置の中には、医療行為の1つである歯科インプラントを支援する医療支援装置が存在する。この医療支援装置は、歯科医療に用いるドリルビットを有したドリルユニットと、そのドリルビットの先端を施術位置へと移動させる多関節ロボットとを備えている。施術位置とは、医療行為を受ける患者の部位の実空間上での位置である。
米国特許第8,808,000号明細書
患者の体動などによって施術位置が変化した場合、医療支援装置においては、多関節ロボットによって、施術位置の変化に応じてドリルビットの先端を移動させることが求められる。この施術位置の変化に応じたドリルビットの先端の移動は、医療行為における安全性をより高める目的から、応答性良く実現することが好ましい。
応答性を高めるためには、多関節ロボットの駆動力を発生する電動機の出力を大きなものとすることが考えられる。しかしながら、出力が大きい電動機は体格が大きいため、多関節ロボット(ひいては医療支援装置)の体格が大きくなるという課題がある。そして、多関節ロボットの体格が大きくなると、術者の行動範囲を確保することが困難となる。
つまり、従来の技術では、医療行為における安全性をより向上させつつ、多関節ロボットの体格が大きくなることを抑制することが困難であるという課題があった。
そこで、本発明の一態様は、医療行為における安全性をより向上させつつ、多関節ロボットの体格が大きくなることを抑制可能な技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様の医療支援装置(1)は、多関節ロボット(32)と、接続機構(60,100,120)と、特定部(52,S140)と、判定部(52,S150,S160)と、接続制御部(52,S210,S220)とを備える。
多関節ロボットは、多関節アーム(34)を有す。
接続機構は、手術ツール(2)を多関節アームの先端部分に取り付ける機構である。接続機構は、多関節アームの先端部分に手術ツールを固定した固定状態と、固定状態を解除した解除状態とを変更可能に構成されている。手術ツールとは、患者への医療行為を実施する道具である。
さらに、特定部は、施術位置を特定する。施術位置とは、医療行為を受ける患者の部位の実空間上での位置を表す。判定部は、特定部で特定した施術位置に基づく患者の状態が異常状態であるか否かを判定する。異常状態とは、異常を表すものとして予め規定された患者の状態である。
接続制御部は、判定部での判定の結果、患者の状態が異常状態であれば、接続機構を解除状態とする安全制御を実行する。
このような医療支援装置によれば、患者の状態が異常状態であれば、接続機構を解除状態とすることができる。
そして、解除状態となると、多関節アームの先端部分への手術ツールの固定が解除される。このため、手術ツールの移動は、多関節ロボットの動作と非連動となる。
例えば、患者の体動に追従するように手術ツールを移動させることが多関節ロボットの動作能力から困難であることを、異常状態として想定する。この場合、医療支援装置によれば、患者の状態が異常状態となった場合に、手術ツールが患者の動きに無理に追従されることを防止できる。
これらのことから、医療支援装置によれば、医療行為における安全性をより高めることができる。
さらに、医療支援装置によれば、医療行為における安全性をより高めるために、多関節ロボットの駆動力を発生する電動機の体格、ひいては、多関節ロボットの体格を大きくする必要がない。よって、医療支援装置によれば、術者の行動範囲を確保できる。
以上説明したように、医療支援装置によれば、医療行為における安全性をより向上させつつ、多関節ロボットの体格が大きくなることを抑制可能な技術を提供できる。
なお、「特許請求の範囲」及び「課題を解決するための手段」の欄に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
医療支援装置の構成を説明する説明図である。 医療支援装置の制御系を説明するブロック図である。 (A)は第1実施形態における接続機構の正面図であり、(B)は第1実施形態における接続機構の側面図である。 (A)は第1実施形態における固定状態での接続機構を示す説明図であり、(B)は第1実施形態における解除状態での接続機構を示す説明図である。 (A)は接続機構が備える位置決め機構の一例を示す説明図であり、(B)は位置決め機構のその他の例を示す説明図である。 医療支援処理の処理手順を示すフローチャートである。 (A)は位置決め機構の変形例を示す説明図であり、(B)は位置決め機構の変形例のバリエーションを示す説明図である。 (A)は位置決め機構の変形例を示す説明図であり、(B)は位置決め機構の変形例のバリエーションを示す説明図である。 (A)は位置決め機構の変形例を示す説明図であり、(B)は位置決め機構の変形例のバリエーションを示す説明図である。 (A)は第2実施形態における固定状態での接続機構を示す説明図であり、(B)は第2実施形態における解除状態での接続機構を示す説明図である。 (A)は第3実施形態における固定状態での接続機構を示す説明図であり、(B)は第3実施形態における解除状態での接続機構を示す説明図である。
以下に本発明の一態様としての実施形態を図面と共に説明する。
[第1実施形態]
<医療支援システム>
図1に示す医療支援システム1は、医療行為を支援するシステムである。医療支援システム1は、医療支援装置の一例である。
本実施形態においては、医療行為として、歯科インプラントを想定する。歯科インプラントは、患者の顎骨にインプラント体を埋め込み、その埋め込まれたインプラント体に補綴物を装着する歯科手術である。以下では、患者の顎骨においてインプラント体を埋入する部位を施術位置と称す。
図1,図2に示すように、医療支援システム1は、手術ツール2と、設置台4と、位置追跡装置12と、医療計画装置18と、入力装置30と、ガイドロボット32と、接続機構60とを備えている。
手術ツール2は、患者への医療行為を実施する道具である。この手術ツール2は、後述する接続機構60を介してガイドロボット32の先端に取り付けられる。
本実施形態における手術ツール2には、歯科医療に用いるドリルユニットを含む。このドリルユニットは、歯科医療に用いる各種のドリルビットと、そのドリルビットを駆動するドリル駆動機構とを有している。なお、ここで言うドリルユニットには、いわゆる歯科用ハンドピースを含む。この歯科用ハンドピースには、ストレート・ギアードアングルハンドピースやコントラハンドピースと称されるものを含む。
医療支援システム1では、ガイドロボット32の先端に取り付けられた手術ツール2により、術者が実施する歯科インプラントを支援する。
ここで言う「歯科インプラントの支援」には、インプラント体を埋入する患者の部位である施術位置への手術ツール2の移動が含まれる。この手術ツール2の移動には、患者の口腔内への手術ツール2の進入や、手術ツール2を交換する交換位置への移動が含まれる。さらに、ここで言う「歯科インプラントの支援」には、手術ツール2としてのドリルユニットによる顎骨への穿孔を含んでもよい。
設置台4は、ガイドロボット32が設置される機構である。
位置追跡装置12は、ガイドロボット32に規定された基準点と、施術位置との相対的な位置関係を特定する装置である。本実施形態における位置追跡装置12は、アーム14と、アタッチメント16とを備える。
アーム14は、アーム基準点から延出された多関節アームである。ここで言うアーム基準点とは、ガイドロボット32においてアーム14の延出が開始される位置である。
アタッチメント16は、アーム14の先端に固定されるマウスピースであり、患者に取り付けられる。実施形態においては、アタッチメント16には、患者の患部がマーキングされている。すなわち、位置追跡装置12は、アタッチメント16のマーキングされた位置を実空間上での施術位置として、アーム基準点からの相対位置によって特定する周知のトラッキングアームである。
医療計画装置18は、施術位置を特定して、その特定した施術位置への医療行為の計画を作成する装置である。この医療計画装置18は、情報取得部20と、記憶部22と、制御部24とを備えている。情報取得部20は、施術位置の特定に必要な情報(以下、「位置特定情報」と称す)を取得する。
本実施形態における情報取得部20は、コンピュータ断層撮影(CT:Computed Tomography)装置によって撮影した複数の断層画像を位置特定情報として取得する。
記憶部22は、データや処理プログラムを記憶する周知の記憶装置である。
制御部24は、少なくともROM,RAM,CPUを備えた周知のマイクロコンピュータを有した周知の制御装置であり、記憶部22に記憶された処理プログラムに従って処理を実行する。
なお、医療計画装置18の記憶部22には、「医療行為の計画」を作成する計画作成処理を制御部24が実行するための処理プログラムが格納されている。
この計画作成処理では、位置特定情報に基づく患者の顎骨の3次元座標情報に従って、「医療行為の計画」を作成する。この「医療行為の計画」の作成は、インプラント体を埋入する施術位置の特定、インプラント体を埋入する角度の特定、インプラント体を埋入する深さの特定を、プランニング座標系において実施することを含む。なお、施術位置には、インプラント体を埋入する顎骨が上顎骨であるか下顎骨であるか、その顎骨における歯の位置を含む。「医療行為の計画」には、施術位置へ医療行為を実施する際のガイドロボット32の動作時における、患者の口腔内への手術ツール2を進入させるタイミングや、その患者の口腔内への手術ツール2の進入角度を含んでもよい。
なお、ここで言うプランニング座標系とは、医療計画装置18にて計画される「医療行為の計画」における座標系(例えば、CT画像における座標系)である。
以下、「医療行為の計画」を医療計画情報と称す。「医療行為の計画」を作成する方法は周知であるため、ここでの詳しい説明は省略する。
また、入力装置30は、情報の入力を受け付ける周知の装置である。この入力装置30には、キーボードやポインティングデバイス、スイッチなどの各種入力機器を含む。ここで言うポインティングデバイスには、タッチパッドやタッチパネルなどの周知の機構を含む。
<ガイドロボット>
ガイドロボット32は、多関節アーム34と、ロボット制御部50とを備えた、周知の垂直多関節ロボットである。
多関節アーム34は、設置台4に固定されるベース部36と、ベース部36から延出するアームを形成する上腕部38及び前腕部40と、前腕部40の先端に位置するハンド取付部42とを備えている。そして、多関節アーム34では、ベース部36と上腕部38とが、上腕部38と前腕部40とが、前腕部40とハンド取付部42とが、それぞれ、関節部を介して接続されている。
この関節部それぞれは、ロボット駆動装置44と、センシング装置46とを備えている。ロボット駆動装置44は、多関節アーム34の各関節を駆動する装置(例えば、電動機)である。センシング装置46は、多関節アーム34の先端(ひいては、手術ツール2)の座標を検出する周知のセンサ(例えば、ロータリーエンコーダ)である。
すなわち、多関節アーム34は、実空間の三次元座標系(X,Y,Z座標系)において、複数の可動部を有する周知のアームである。この多関節アーム34の先端(即ち、ハンド取付部42)には、接続機構60が取り付けられる。
ロボット制御部50は、センシング装置46でのセンシングの結果に従って、ガイドロボット32のロボット駆動装置44を駆動する。このロボット制御部50は、制御部52と、記憶部54とを備えている。
制御部52は、少なくともROM,RAM,CPUを備えた周知のマイクロコンピュータを有した周知の制御装置である。記憶部54は、情報やデータを記憶する周知の装置である。
記憶部54には、術者が実施する医療行為を医療支援システム1にて支援する医療支援処理をロボット制御部50が実行するための処理プログラムが格納されている。
<接続機構>
図3(A),図3(B)に示すように、接続機構60は、ガイドロボット32の多関節アーム34のハンド取付部42に手術ツール2を取り付ける機構である。接続機構60は、多関節アーム34の先端部分に手術ツール2を固定した固定状態と、その固定状態を解除した解除状態とを変更可能に構成されている。
接続機構60は、取付部62と、把持部64と、接続担保部68と、可動部70と、カバー部材80と、位置決め機構82(図5参照)とを備えている。
取付部62は、ハンド取付部42に取り付けられる部材である。
図4(A),図4(B)に示すように、把持部64は、手術ツール2を把持する部材である。把持部64は、基部65と、2つの爪部66とを有し、断面コの字状(若しくはU字状)に形成されている。
爪部66それぞれは、板状の部位である。2つの爪部66は、隙間を形成するように間を空けて、基部65から同一方向へと延出されている。
すなわち、把持部64は、爪部66によって挟むことで手術ツール2を把持する。さらに、把持部64は、ピン67を有している。ピン67は、手術ツール2の脱落を防止するように、爪部66の先端部分に取り付けられる。
接続担保部68は、取付部62と把持部64との接続を担保する部材である。この接続担保部68は、取付部62と把持部64とを接続する紐状の部材である。実施形態における接続担保部68は、非伸縮性を有した材料にて形成されている。ここで言う非伸縮性とは、規定された長さに対して設定された比率で伸縮する特性である。
接続担保部68は、一方の端部が取付部62に固定され、他方の端部が把持部64に固定される。接続担保部68として紐状の部材の個数は、1つであってもよいし、2以上であってもよい。紐状の部材の個数を2以上とする場合は、3以上であることが好ましい。
また、接続担保部68を構成する紐状の部材の長さは、手術ツール2が有するドリルビットのドリル長さよりも長く、かつ、後述する棒状部材74の全長よりも短くなるように設定されている。これにより、取付部62における手術ツール2側の端面(以下、被係合面63と称す)と、把持部64における取付部62側の端面との距離が、ドリルビットのドリル長さよりも長くなる。
可動部70は、本体部72と、棒状部材74とを有したソレノイドである。
本体部72は、通電することで電磁力を発生するコイル76(図2参照)を有している。この本体部72は、把持部64に固定されている。本体部72の把持部64への固定は、把持部64における取付部62側の端部に埋設することで実現すればよい。
棒状部材74は、本体部72から延伸する棒状の部材(即ち、可動鉄心)である。棒状部材74は、一方の端部が固定位置と解除位置との間を直線移動する。
ここで言う固定位置とは、固定状態を維持する位置である。具体的には、固定位置は、棒状部材74における取付部62側の端面(以下、接触面78と称す)が、ハンド取付部42に取り付けられた取付部62の被係合面63を押圧する位置である。
また、ここで言う解除位置とは、解除状態を維持する位置である。具体的には解除位置は、棒状部材74における接触面78が、ハンド取付部42に取り付けられた取付部62の被係合面63と非接触となる位置である。
すなわち、可動部70は、本体部72のコイル76が通電されて電磁力を発生すると、棒状部材74が固定位置へと移動する。すると、図4(A)に示すように、棒状部材74の接触面78が取付部62の被係合面63を押圧し、接続担保部68の張力が高くなる。そして、接続担保部68の張力が高くなることで、取付部62と把持部64とが大きな剛性の部材で固定されたものとみなせる。このように、取付部62と把持部64とが固定されたものとみなせる状態が、固定状態である。
一方、本体部72のコイル76への通電が停止されると、棒状部材74は、重力または本体部72内に内蔵されたバネにより解除位置へと移動する。すると、図4(B)に示すように、棒状部材74の接触面78と取付部62の被係合面63とが非接触となり、接続担保部68の張力は低くなる。そして、接続担保部68の張力が低くなることで、取付部62に対して把持部64が自由に移動可能な状態となる。このように、取付部62に対して把持部64が自由に移動可能な状態が、解除状態である。
カバー部材80は、取付部62と把持部64との間の空間を覆う部材である。カバー部材80は、蛇腹状のカバーによって形成されていてもよい。また、カバー部材は、非伸縮性を有した材料にて形成されていてもよい。
位置決め機構82は、図5(A)に示すように、第1係合部84と第2係合部86を備えている。第1係合部84と第2係合部86とは、固定位置において係合する2つの部位である。
ここで言う第1係合部84は、棒状部材74の接触面78に形成された部位であり、円錐状に形成されている。また、ここで言う第2係合部86は、取付部62の被係合面63に形成された部位であり、第1係合部84と係合する形状に形成されている。
なお、第1係合部84及び第2係合部86は、図5(A)に示す形状に限るものではない。例えば、第2係合部86の形状が、図5(B)に示すように、円錐状に形成されていてもよい。この場合、第1係合部84の形状は、図5(B)に示すように第2係合部86に係合する形状に形成されていてもよい。
<医療支援処理>
次に、ロボット制御部50が実行する医療支援処理について説明する。
医療支援処理は、接続機構60を固定状態とし、予め規定された設置場所に医療支援システム1を設置し、位置追跡装置12にて患者の施術位置を追跡可能な状態とした上で起動される。なお、設置場所の一例として、ベッド(即ち、手術台)に横たわる患者の胸部の少なくとも一部分を、設置台4の天板が覆う位置が考えられる。
そして、医療支援処理が起動されると、ロボット制御部50の制御部52は、図6に示すように、医療計画装置18から医療計画情報を取得する(S110)。
そして、医療支援処理では、制御部52は、位置追跡装置12のアタッチメント16におけるマーキングされた箇所のアーム基準点からの相対位置を位置追跡装置12から取得する(S120)。続いて、医療支援処理では、制御部52は、S120で取得したアタッチメント16のマーキングされた箇所の相対位置に基づいて、実空間の3次元座標系における患者の施術位置の初期位置を登録する(S130)。このS130における施術位置の初期位置の登録は、周知のレジストレーションに従って実行すればよい。レジストレーションは、医療計画装置18にて特定した、プランニング座標系における施術位置を、実空間の3次元座標系における施術位置へと変換して登録する処理である。
このレジストレーションにより、位置追跡装置12にて求めた、アタッチメント16におけるマーキングされた箇所のアーム基準点からの相対位置を、実空間の3次元座標系における施術位置として追尾可能となる。なお、本実施形態においては、キャリブレーションは実行されているものとして説明する。ここで言うキャリブレーションは、ツール先端位置と施術位置との相対的な位置関係を、共通する座標系に配置する処理である。ここで言う共通する座標系とは、実空間の3次元座標系であり、例えば、ガイドロボット32におけるロボット座標系である。
また、ここで言うツール先端位置とは、手術ツール2の先端部分を表す先端位置であり、例えば、ドリルビットの先端の位置である。
続いて、医療支援処理では、制御部52は、位置追跡装置12にて求めた、アタッチメント16におけるマーキングされた箇所のアーム基準点からの相対位置に基づいて、実空間の3次元座標系における施術位置を特定する(S140)。つまり、医療支援処理において繰り返し実行されるS140では、実空間の3次元座標系における施術位置を時間軸に沿って順次特定する。
さらに、医療支援処理では、制御部52は、S140で時間軸に沿って順次特定した施術位置に基づいて、患者の状態を推定する(S150)。ここで言う患者の状態とは、施術位置の変化の状態を表す指標である。この患者の状態には、患者の体動による加速度を含む。患者の加速度は、単位時間当たりのアタッチメント16の速度の変化率である。加速度を算出する手法は周知であるため、ここでの詳しい説明は省略する。
続いて、制御部52は、患者の状態が異常状態であるか否かを判定する(S160)。ここで言う異常状態とは、異常を表すものとして規定された指標である。異常状態の一例として、ガイドロボット32の動作能力を超える患者の加速度が考えられる。
このS160での判定の結果、患者の状態が異常状態であれば(S160:YES)、制御部52は、詳しくは後述するS210へと医療支援処理を移行させる。一方、S160での判定の結果、患者の状態が異常状態でなければ(S160:NO)、制御部52は、医療支援処理をS170へと移行させる。
そのS170では、制御部52は、実空間上の施術位置へとツール先端位置が移動するようにガイドロボット32を駆動する。なお、ここで言うガイドロボット32の駆動は、実空間上の施術位置へとツール先端位置がガイドロボット32の動作だけで移動するように駆動させることでもよいし、実空間上の施術位置へのツール先端位置の移動を術者が行うに当たり、ガイドロボット32が補助するように駆動させることでもよい。
さらに、医療支援処理では、制御部52は、ツール先端位置を特定する(S180)。このツール先端位置を特定する方法として、例えば、多関節アーム34のアーム基準点との相対的な位置関係に従って特定する周知の方法が考えられる。
続いて、制御部52は、S180で特定したツール先端位置と、実空間上の3次元座標系における施術位置とが一致しているか否かを判定する(S190)。そして、S190での判定の結果、ツール先端位置と施術位置とが不一致であれば(S190:NO)、制御部52は、医療支援処理をS140へと戻す。
一方、S190での判定の結果、ツール先端位置と施術位置とが一致していれば(S190:YES)、制御部52は、ドリルを駆動する指令であるドリル指令の入力を受け付ける(S200)。ドリル指令が入力された制御部52は、手術ツール2のドリルビットを回動させる。そして、術者は、手術ツール2を用いて顎骨への穿孔を実施する。
その後、制御部52は、医療支援処理をS140へと戻す。
ところで、S160での判定の結果、患者の状態が異常状態である場合に移行するS210では、制御部52は、接続機構60を解除状態とする。具体的に、本実施形態のS210では、制御部52は、接続機構60における本体部72のコイル76への通電が停止されるように制御する。コイル76への通電が停止された接続機構60では、棒状部材74が解除位置へと移動し、取付部62に対して把持部64が自由に移動可能な状態となる。
さらに、医療支援処理では、制御部52は、手術ツール2が施術位置から離れるようにガイドロボット32を駆動する(S220)。具体的に、本実施形態におけるS220では、手術ツール2におけるドリルビットが、患者の顔を構成する各部に非接触な経路を通り、かつ、施術位置から規定された距離以上離れるようにガイドロボット32を駆動する。なお、ここで言う患者の顔を構成する各部には、例えば、鼻や唇、口腔粘膜などを含む。また、ここで言う規定された距離とは、接続機構60を固定状態とするための作業に必要な空間を確保可能な距離である。
なお、本実施形態におけるS210及びS220にて実行される処理が、安全制御の一例である。
その後、制御部52は、本医療支援処理を終了する。
[第1実施形態の効果]
医療支援処理では、患者の状態が異常状態であれば、接続機構60を解除状態とする。
そして、接続機構60が解除状態となると、多関節アーム34のハンド取付部42への手術ツール2の固定が解除される。このため、手術ツール2の移動は、ガイドロボット32の動作と非連動となる。
よって、医療支援システム1によれば、患者の状態が異常状態となった場合に、手術ツール2を患者の体動に無理に追従させることを防止できる。
したがって、医療支援システム1によれば、医療行為における安全性をより高めることができる。
特に、医療支援処理においては、患者の体動(即ち、患者の加速度)が、ガイドロボット32の動作能力を超えることを異常状態としている。このため、医療支援処理によれば、ガイドロボット32の動作能力を超えて患者に追従するように手術ツール2を移動させることを抑制でき、医療行為における安全性をより高めることができる。
また、医療支援システム1においては、医療行為における安全性をより高めるために、ガイドロボット32の駆動力を発生する電動機の体格、ひいては、ガイドロボット32の体格を大きくする必要がない。よって、医療支援システム1によれば、術者の行動範囲を確保できる。
以上説明したように、医療支援システム1によれば、医療行為における安全性をより向上させつつ、多関節ロボットの体格が大きくなることを抑制可能な技術を提供できる。
また、医療支援処理では、接続機構60を解除状態とした場合、手術ツール2が施術位置から離れるように、ガイドロボット32を駆動している。しかも、ガイドロボット32の駆動は、施術位置から規定された距離以上離れるように実施される。
これにより、医療支援システム1によれば、接続機構60を固定状態へと戻すために必要な空間を確保できる。
さらに言えば、医療支援システム1においては、接続担保部68を構成する紐状の部材の長さが、手術ツール2が有するドリルビットのドリル長さよりも長くなるように設定されている。このため、医療支援システム1によれば、解除状態である場合に、ドリルビットのドリル長さ以上の距離、手術ツール2を移動させることができる。よって、医療支援システム1によれば、解除状態における手術ツール2の移動の自由度を高くすることができ、施術位置からドリルを容易に抜き取ることができる。
また、医療支援処理において、接続機構60を解除状態とした場合のガイドロボット32の駆動では、手術ツール2が患者の顔を構成する各部に非接触な経路を通る。このため、医療支援処理によれば、医療行為における安全性をより高めることができる。
なお、接続機構60においては、取付部62と把持部64とが接続担保部68によって繋がれている。
このため、医療支援システム1によれば、接続機構60が解除状態となった場合であっても、多関節アーム34から手術ツール2が完全に脱落することを抑制できる。
また、接続機構60には、位置決め機構82が設けられている。このため、医療支援システム1によれば、多関節アーム34の先端部分への手術ツール2の接続における位置決めを容易に行うことができる。
[第1実施形態の変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
(1a)上記実施形態の医療支援処理においては、ガイドロボット32の動作能力を超える患者の加速度を異常状態の一例としていたが、異常状態は、これに限るものではない。例えば、施術位置の変位量が規定値以上であることを異常状態としてもよいし、患者が噛む力が規定された値以上であることを異常状態としてもよいし、その他の患者の状態を異常状態としてもよい。すなわち、異常状態は、異常を表すものとして規定された指標であれば、どのようなものであってもよい。
(1b)上記実施形態においては、位置決め機構82を、円錐状に形成された第1係合部84と、第1係合部84と係合する形状に形成された第2係合部86とによって構成していたが、位置決め機構82の構造は、これに限るものではない。
(1b−1)位置決め機構82は、図7(A)に示すように、断面形状が台形状となるように形成された第1係合部84と、第1係合部84と係合する形状に形成された第2係合部86とによって構成されていてもよい。
また、位置決め機構82においては、図7(B)に示すように、第2係合部86の断面形状が、台形状となるように形成され、第1係合部84の断面形状が、第2係合部86と係合する形状に形成されていてもよい。
(1b−2)位置決め機構82は、図8(A)に示すように、断面形状が円錐状である係合突起90を複数有する第1係合部84と、第1係合部84と係合する形状に形成された第2係合部86とによって構成されていてもよい。
また、位置決め機構82においては、図8(B)に示すように、断面形状が円錐状である係合突起90を複数有する第2係合部86と、第2係合部86と係合する形状に形成された第1係合部84とによって構成されていてもよい。
これらの場合の係合突起90は、棒状部材74の接触面78または取付部62の被係合面63の周方向に沿って連続するように形成されていてもよい。
(1b−3)位置決め機構82は、図9(A)に示すように、断面形状が台形状である係合突起92を複数有する第1係合部84と、第1係合部84と係合する形状に形成された第2係合部86とによって構成されていてもよい。
また、位置決め機構82は、図9(B)に示すように、断面形状が台形状である係合突起92を複数有する第2係合部86と、第2係合部86と係合する形状に形成された第1係合部84とによって構成されていてもよい。
これらの場合の係合突起92は、棒状部材74の接触面78または取付部62の被係合面63の周方向に沿って連続するように形成されていてもよい。
すなわち、位置決め機構82は、位置決めを容易に実現可能な構造であれば、どのような構造であってもよい。
(1c)上記実施形態の接続機構60においては、接続担保部68とは別個にカバー部材80を備えていたが、カバー部材80を接続担保部68として機能させてもよい。
(1d)上記実施形態の接続機構60における可動部70は、本体部72のコイル76が通電中に棒状部材74が固定位置に位置するように構成されていたが、可動部70の構造は、これに限るものではない。
例えば、可動部70は、本体部72と、棒状部材74と、コイル76とに加えて付勢部材を備えていてもよい。そして、可動部70は、付勢部材によって、コイル76への通電の停止中に棒状部材74が固定位置に位置し、コイル76への通電中に棒状部材74が解除位置に位置するように構成されていてもよい。
(1e)上記実施形態においては、本体部72を把持部64に固定していたが、本体部72を固定する対象は、これに限るものではない。例えば、本体部72は、取付部62に固定してもよい。
[第2実施形態]
第2実施形態の医療支援システムは、第1実施形態の医療支援システム1とは、接続機構の構造が異なる。このため、本実施形態においては、第1実施形態と同様の構成及び処理には、同一の符号を付して説明を省略し、第1実施形態とは異なる接続機構の構造を中心に説明する。
医療支援システム1は、手術ツール2と、設置台4と、位置追跡装置12と、医療計画装置18と、入力装置30と、ガイドロボット32と、接続機構100(図10(A),図10(B)参照)とを備えている。
<接続機構>
図10(A),図10(B)に示すように、接続機構100は、取付部102と、把持部106と、接続担保部109と、可動部110とを備えている。
取付部102は、ハンド取付部42に取り付けられる部材である。取付部102は、係合凸部103を有する。係合凸部103は、被係合面63から突出する部位である。さらに、取付部102には、切り欠き104が設けられている。
また、把持部106は、手術ツール2を把持する部材である。把持部106は、1つの基部107と、2つの爪部108とを有し、断面コの字状(若しくはU字状)に形成されている。
爪部108それぞれは、板状の部位である。2つの爪部108は、隙間を形成するように間を空けて、基部107から同一方向へと延出されている。
すなわち、把持部106は、爪部108によって挟むことで手術ツール2を把持する。
さらに、把持部106は、取付部102の係合凸部103が嵌入する係合凹部105を有する。なお、把持部106は、ピン119を有していてもよい。ピン119は、手術ツール2の脱落を防止するように、爪部108の先端部分に取り付けられる。
接続担保部109は、取付部102と把持部106との接続を担保する部材である。接続担保部109は、非伸縮性を有した材料にて形成された紐状の部材である。そして、接続担保部109は、一方の端部が取付部102に固定され、他方の端部が把持部106に固定される。
また、接続担保部109を構成する紐状の部材の長さは、手術ツール2が有するドリルビットのドリル長さよりも長くなるように設定されている。これにより、取付部102における被係合面63と、把持部106における取付部102側の端面との距離が、ドリルビットのドリル長さよりも長くなる。
可動部110は、本体部112と、リンク部114とを備える。
本体部112は、手術ツール2に接続される部材である。本実施形態においては、把持部106が本体部112として機能する。
リンク部114は、リンク部材116と、駆動装置118とを有する。
リンク部材116は、3本の棒を有し、1つの棒を互いに平行な2本の棒で挟み込むことで、断面コの字状(若しくはU字状)に形成されている。
そして、リンク部材116は、解除位置と、固定位置との間を回転移動するように、把持部106に軸支されている。
ここで言う解除位置とは、解除状態を維持する位置である。具体的には解除位置は、取付部102に設けられた切り欠き104にリンク部材116が入り込まず、取付部102とリンク部材116とが非係合となる位置である。
また、ここで言う固定位置とは、固定状態を維持する位置である。具体的には固定位置は、取付部102に設けられた切り欠き104にリンク部材116が入り込み、取付部102とリンク部材116とが係合する位置である。
駆動装置118は、リンク部材116を回動させる駆動力を発生する周知の装置である。駆動装置118の一例として電動機が考えられる。駆動装置118は、把持部106に埋入されていてもよいし、その他の場所に固定されていてもよい。
すなわち、可動部110では、駆動装置118が駆動されて、リンク部材116が固定位置へと移動すると、図10(A)に示すように、リンク部材116の先端部分が取付部102の切り欠き104に入り込む。これにより、取付部102とリンク部材116とが係合し、接続機構100においては、ハンド取付部42に手術ツール2を取り付けた状態(即ち、固定した状態)を維持できる。
一方、リンク部材116が解除位置へと移動すると、図10(B)に示すように、リンク部材116の先端部分が取付部102の切り欠き104に入り込まなくなる。これにより、取付部102とリンク部材116とが非係合となり、接続機構100においては、ハンド取付部42から手術ツール2が解放(即ち、固定した状態が解除)される。
なお、本実施形態の接続機構100においては、取付部102に設けられた係合凸部103と、把持部106に形成された係合凹部105とが、位置決め機構として機能する。
[第2実施形態の効果]
本実施形態の医療支援システムであっても、第1実施形態における医療支援システム1と同様の効果を得ることができる。
[第2実施形態の変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
(2a)上記実施形態の接続機構100においては、リンク部材116は把持部106に軸支され、切り欠き104は取付部102に形成されていたが、リンク部材116を軸支する部材、及び切り欠き104を形成する部材は、これに限るものではない。例えば、接続機構100において、リンク部材116は取付部102に軸支され、切り欠き104は把持部106に形成されていてもよい。
[第3実施形態]
第3実施形態の医療支援システムは、第1実施形態の医療支援システム1とは、接続機構の構造が異なる。このため、本実施形態においては、第1実施形態と同様の構成及び処理には、同一の符号を付して説明を省略し、第1実施形態とは異なる接続機構の構造を中心に説明する。
医療支援システム1は、手術ツール2と、設置台4と、位置追跡装置12と、医療計画装置18と、入力装置30と、ガイドロボット32と、接続機構120(図11(A),図11(B)参照)とを備えている。
<接続機構>
図11(A),図11(B)に示すように、接続機構120は、取付部122と、把持部124と、接続担保部128と、電磁石130と、位置決め機構140とを備えている。
取付部122は、ハンド取付部42に取り付けられる部材である。
また、把持部124は、手術ツール2を把持する部材である。把持部124は、1つの基部125と、2つの爪部126とを有し、断面コの字状(若しくはU字状)に形成されている。
爪部126それぞれは、板状の部位である。2つの爪部126は、隙間を形成するように間を空けて、基部125から同一方向へと延出されている。
すなわち、把持部124は、爪部126によって挟むことで手術ツール2を把持する。さらに、把持部124は、ピン127を有していてもよい。ピン127は、手術ツール2の脱落を防止するように、爪部126の先端部分に取り付けられる。
接続担保部128は、取付部122と把持部124との接続を担保する部材である。接続担保部128は、非伸縮性を有した材料にて形成された紐状の部材である。そして、接続担保部128は、一方の端部が取付部122に固定され、他方の端部が把持部124に固定される。
また、接続担保部128を構成する紐状の部材の長さは、手術ツール2が有するドリルビットのドリル長さよりも長くなるように設定されている。これにより、取付部122における被係合面63と、把持部124における取付部122側の端面との距離が、ドリルビットのドリル長さよりも長くなる。
電磁石130は、コイル132と、永久磁石134と、付勢部材136とを備える。
コイル132は、通電すると電磁力を発生する周知のコイルである。コイル132は、取付部122に固定されている。
永久磁石134は、磁力を有する周知の部材である。永久磁石134は、コイル132に通電されると、取付部122と引きつけ合うように把持部124に固定されている。
付勢部材136は、取付部122と把持部124とを離間する付勢力を発揮するように取付部122に設置されている。
すなわち、接続機構120では、コイル132が通電されると、図11(A)に示すように、そのコイル132によって発生する電磁力と永久磁石134とが、取付部122と把持部124とが引きつけ合う。これにより、接続機構120においては、ハンド取付部42に手術ツール2を取り付けた状態(即ち、固定した状態)を維持できる。
一方、コイル132への通電が停止されると、図11(B)に示すように、取付部122と把持部124とが離間する。これにより、接続機構120においては、ハンド取付部42から手術ツール2が解放(即ち、固定した状態が解除)される。
位置決め機構140は、第1係合部142と、第2係合部144とを備えている。
第1係合部142は、把持部124に固定された周知の位置決めピンである。
第2係合部144は、取付部122における被係合面63に穿孔された係止孔を有する取付部122の部位である。係止孔は、第1係合部142と係合する形状に穿孔されている。
[第3実施形態の効果]
このような接続機構120によれば、接続機構の構造を簡易なものとすることができる。
よって、本実施形態の医療支援装置によれば、医療行為における安全性をより向上させつつ、多関節ロボットの体格が大きくなることを抑制することを、低コストで実現できる。
[第3実施形態の変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
(3a)上記実施形態の接続機構120においては、コイル132を取付部122に固定し、永久磁石134を把持部124に固定していたが、コイル132及び永久磁石134を固定する部材は、これに限るものではない。
例えば、接続機構120においては、コイル132を把持部124に固定し、永久磁石134を取付部122に固定してもよい。
(3b)上記実施形態の電磁石130は、付勢部材136を備えていたが、付勢部材136は省略されていてもよい。
(3c)上記実施形態の位置決め機構140においては、第1係合部142を把持部124に設け、取付部122における被係合面63に第2係合部144を設けていたが、第1係合部142及び第2係合部144を形成する部材は、これに限るものではない。
例えば、取付部122における被係合面63に第1係合部142を設け、第2係合部144を把持部124に設けても良い。
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
(4)上記実施形態の医療支援処理におけるS210において、接続機構60,100,120を解除状態としたことを報知してもよい。これを実現するために、医療支援システム1は、報知装置を備えていてもよい。報知装置の一例として、情報を表示する表示装置、及び情報を音声で出力する音声出力装置の少なくとも一方が考えられる。
(5)上記実施形態においては、位置追跡装置12を周知のトラッキングアームによって構成していたが、位置追跡装置12は、これに限るものではない。すなわち、位置追跡装置12は、例えば、指向性を高めた赤外線などの探査波を照射し、施術位置の変化を追跡する装置であってもよいし、その他の方法によって施術位置を特定可能な装置であってもよい。前者の場合、探査波を照射する機構は、医療支援システム1が配置される空間上に配置されてもよいし、患者の患部に配置されてもよい。
換言すると、位置追跡装置12は、ガイドロボット32に規定された基準点と、施術位置との相対的な位置関係を特定可能な装置であれば、どのようなものであってもよい。
(6)上記実施形態における医療計画装置18の情報取得部20は、コンピュータ断層撮影装置から位置特定情報を取得していたが、医療計画装置18の情報取得部20は、その他の装置から位置特定情報を取得してもよい。
(7)上記実施形態においては、医療支援システム1が支援する医療行為として、歯科インプラントを想定していたが、医療支援システム1が支援する医療行為は、歯科インプラントに限るものではない。例えば、医療支援システムが支援する医療行為は、外科手術であってもよいし、内科医療であってもよいし、歯科インプラント以外の歯科医療であってもよいし、その他の医療行為であってもよい。
そして、施術位置は、インプラント体を埋入する患者の顎骨の位置(部位)に限るものではなく、例えば、外科手術が必要な患者の患部や、内科医療が必要な患者の患部、歯科医療が必要な患者の患部であってもよい。
(8)手術ツール2は、歯科医療に用いるドリルユニットに限るものではなく、各種の医療行為に用いられる道具であってもよい。この場合の各種医療行為に用いられる道具は、例えば、メスや鉗子などの手術器具であってもよいし、その他の医療器具であってもよい。
なお、上記実施形態の構成の一部を省略した態様も本発明の実施形態である。また、上記実施形態と変形例とを適宜組み合わせて構成される態様も本発明の実施形態である。また、特許請求の範囲に記載した文言によって特定される発明の本質を逸脱しない限度において考え得るあらゆる態様も本発明の実施形態である。
また、本発明は、前述した医療支援装置の他、多関節ロボットに手術ツールを固定する接続機構等、種々の形態で実現することができる。
なお、医療支援処理のS140を実行することで得られる機能が、特定部の一例である。S150及びS160を実行することで得られる機能が、判定部の一例である。S210及びS220を実行することで得られる機能が、接続制御部の一例である。
1…医療支援システム 2…手術ツール 12…位置追跡装置 18…医療計画装置 30…入力装置 32…ガイドロボット 34…多関節アーム 44…ロボット駆動装置 46…センシング装置 50…ロボット制御部 60,100,120…接続機構 62,102,122…取付部 63…被係合面 64,106,124…把持部 65,107,125…基部 66,108,126…爪部 67,119,127…ピン 68,109,128…接続担保部 70,110…可動部 72,112…本体部 74…棒状部材 76…コイル 78…接触面 80…カバー部材 82,140…位置決め機構 84,142…第1係合部 86,144…第2係合部 103…係合凸部 104…切り欠き 105…係合凹部 114…リンク部 116…リンク部材 118…駆動装置 130…電磁石 132…コイル 134…永久磁石 136…付勢部材

Claims (6)

  1. 多関節アーム(34)を有した多関節ロボット(32)と、
    患者への医療行為を実施する道具である手術ツール(2)を前記多関節アームの先端部分に取り付ける接続機構(60,100,120)であって、前記多関節アームの先端部分に前記手術ツールを固定した固定状態と、前記固定状態を解除した解除状態とを変更可能に構成された接続機構と、
    前記医療行為を受ける患者の部位の実空間上での位置を表す施術位置を特定する特定部(52,S140)と、
    前記特定部で特定した施術位置に基づく前記患者の状態が、異常を表すものとして予め規定された異常状態であるか否かを判定する判定部(52,S150,S160)と、
    前記判定部での判定の結果、前記患者の状態が前記異常状態であれば、前記接続機構を前記解除状態とする安全制御を実行する接続制御部(52,S210,S220)と
    を備え
    前記接続機構は、
    前記解除状態において、前記多関節アームの先端部分と前記手術ツールとの接続を担保する接続担保部(68,109,128)と、
    前記固定状態を維持する固定位置と、前記解除状態を維持する解除位置との間を可動する可動部(70,110)と、を備え、
    前記接続担保部は、前記多関節アームの先端部分と前記手術ツールとを接続する紐状の部材であり、
    前記可動部は、
    前記多関節アームの先端部分または前記手術ツールのいずれかに接続される本体部(72)と、
    前記本体部から延伸する棒状の部材であり、一方の端部が前記固定位置と前記解除位置との間を直線移動する棒状部材(74)と、を有したソレノイド(70)である、医療支援装置(1)。
  2. 多関節アーム(34)を有した多関節ロボット(32)と、
    患者への医療行為を実施する道具である手術ツール(2)を前記多関節アームの先端部分に取り付ける接続機構(60,100,120)であって、前記多関節アームの先端部分に前記手術ツールを固定した固定状態と、前記固定状態を解除した解除状態とを変更可能に構成された接続機構と、
    前記医療行為を受ける患者の部位の実空間上での位置を表す施術位置を特定する特定部(52,S140)と、
    前記特定部で特定した施術位置に基づく前記患者の状態が、異常を表すものとして予め規定された異常状態であるか否かを判定する判定部(52,S150,S160)と、
    前記判定部での判定の結果、前記患者の状態が前記異常状態であれば、前記接続機構を前記解除状態とする安全制御を実行する接続制御部(52,S210,S220)と
    を備え
    前記接続機構は、
    前記解除状態において、前記多関節アームの先端部分と前記手術ツールとの接続を担保する接続担保部(68,109,128)と、
    前記固定状態を維持する固定位置と、前記解除状態を維持する解除位置との間を可動する可動部(70,110)と、を備え、
    前記接続担保部は、前記多関節アームの先端部分と前記手術ツールとを接続する紐状の部材であり、
    前記可動部は、
    前記多関節アームの先端部分または前記手術ツールのいずれかに接続される本体部(112)と、
    前記本体部に軸支され、前記固定位置と前記解除位置との間を回転移動するリンクであるリンク部(114)と、を備える、医療支援装置(1)。
  3. 前記接続機構は、
    前記固定位置において係合する2つの部位である第1係合部(84)と第2係合部(86)とを有した位置決め機構(82)を備える、請求項1または請求項に記載の医療支援装置。
  4. 前記手術ツールは、歯科医療に用いられるハンドピースであって、ドリルビットを有したハンドピースであり、
    前記接続担保部は、
    前記ハンドピースが有するドリルビットのドリル長さよりも長い、請求項から請求項までのいずれか一項に記載の医療支援装置。
  5. 前記判定部は、
    前記特定部で特定した施術位置に基づく前記患者の加速度を、前記患者の状態とし、
    前記多関節ロボットの動作能力を超える前記患者の加速度を前記異常状態として、
    前記患者の状態が前記異常状態であるか否かを判定する、請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の医療支援装置。
  6. 前記接続制御部は、
    前記接続機構を前記解除状態とした場合、前記多関節アームの先端部分が前記施術位置から離れるように前記多関節ロボットを駆動することを、前記安全制御として更に実行する、請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の医療支援装置。
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