JP6500067B1 - ガラスびん成形用口型への離型剤塗布装置、ガラスびん成形用口型への離型剤塗布方法、ガラスびん製造装置、および、ガラスびん製造方法 - Google Patents

ガラスびん成形用口型への離型剤塗布装置、ガラスびん成形用口型への離型剤塗布方法、ガラスびん製造装置、および、ガラスびん製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】離型剤塗布に起因するガラス内面への異物混入を抑制でき、製びん作業にかかわる作業者の負担を低減でき、離型剤塗布における安全性をより向上できると共に、ガラスびんの成形の停止時間を短縮し、口型への離型剤の塗布位置の変化や塗布量のばらつきを低減でき、ガラスびんの品質の向上および安定化に貢献できる構成を提供する。
【解決手段】離型剤塗布装置40は、パリソン成形時の口型21の位置A1を基準として、粗型11側のプランジャー16から遠ざかった位置に存在する口型21に離型剤を塗布する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、ガラスびん成形用口型への離型剤塗布装置、ガラスびん成形用口型への離型剤塗布方法、ガラスびん製造装置、および、ガラスびん製造方法に関する。
ガラスびんの製造工程では、通常、粗型および口型でゴブ(高温の溶融状態のガラス塊)がパリソンに成形される。次いで、パリソンが仕上型に移送されて仕上型において圧縮空気で膨らまされることで最終成形される。これにより、ガラスびんの成形が完了成する。口型および仕上型においては、離型性が大きく求められ、離型剤を塗布することが重要である。このため、通常、口型および仕上型には離型剤が塗布される(例えば、特許文献1〜3参照)。離型剤は、離型性の低下を防止するため、例えば数十分毎に定期的に金型内面に塗布される必要がある。
特表2009−538818号公報 特開平9−227135号公報 実開昭64−26344号公報
通常、金型に離型剤を塗布する際には、生産量を低下させないようにするために、製びん機を停止せずに塗布作業が行われる。このため、パリソンが仕上型に移送されたとき、口型はパリソンを保持しており、仕上型側では口型に離型剤を塗布することができない。また、口型は、粗型に対しては当該粗型の下方に配置されるが、仕上型に対しては当該仕上型の上方に配置される。このため、口型のうち離型剤が塗布される箇所は、口型が仕上型側に位置しているときには、仕上型を向く下向きとなってしまう。その結果、口型がパリソンを保持していない状態であっても仕上型側の領域において仕上型の上側から手作業による刷毛での離型剤塗布作業を行い難い。このため、口型への離型剤の塗布に関して、従来は、口型が粗型および仕上型のうちの粗型側に配置された状態で、離型剤を含ませた刷毛を用いて、製びん機による製びん動作の合間に手作業で口型に離型剤が塗布されていた。
すなわち、特許文献1に記載されているように、粗型の下方に配置された口型へ離型剤が塗布されていた。しかしながら、この構成では、口型の下方にパリソン成形用のプランジャーが存在しているため、口型へ塗布するための離型剤がプランジャーにも付着し、ガラスびんの内面汚れや内面異物発生の原因となる。その結果、ガラスびん強度の低下が生じるおそれがある。また、プレスブロー成形やナローネックプレスブロー成形の場合、プランジャーに付着した離型剤によりプランジャーとガラスとの密着性が悪化し、パリソンが十分に固化しないことによる成形不良が生じるおそれがある。さらに、運転中の製びん機に刷毛を差し込む手作業により離型剤を塗布する工程は、安全性の観点から無くされることが好ましい。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、離型剤塗布に起因するガラス内面への異物発生を抑制でき、製びん作業にかかわる作業者の負担を低減でき、離型剤塗布における安全性をより向上できると共に、ガラスびんの成形加工の停止時間を短縮し、口型への離型剤の塗布位置の変化や塗布量のばらつきを低減でき、ガラスびんの品質の向上および安定化に貢献できる構成を提供することを目的とする。
(1)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わるガラスびん成形用口型への離型剤塗布装置は、パリソン成形時の口型の位置を基準として、粗型側のプランジャーから遠ざかった位置に存在する前記口型に離型剤を塗布するように構成されている。
この構成によると、口型へ離型剤を塗布する際に、離型剤が口型以外の意図しない箇所、例えば、粗型の下方に配置されているプランジャーに付着してしまうことを抑制できる。これにより、パリソンの内面汚れや内面異物の発生、すなわち、ガラスびんの内面汚れや内面異物の発生を抑制でき、その結果、ガラスびんの強度低下を防止できる。また、例えば、プレスブロー成形(PB)、またはナローネックプレスブロー成形(NNPB)が行われる場合、プランジャーに付着した離型剤によりプランジャーとガラスとの密着性が悪化し、パリソンが十分に固化しないことによる成形不良を抑制できる。また、口型への離型剤塗布は、塗布装置によって行われることから、作業者の手作業による口型への離型剤塗布作業が不要となり、製びん作業にかかる作業者の負担を低減できると共に離型剤塗布における作業者の安全性をより向上できる。また、機械動作による迅速な離型剤塗布作業を実現できるため、離型剤塗布によるガラスびん成形の停止時間を短縮できる上に、手作業での離型剤の塗布作業と比べて、塗布装置による離型剤の塗布作業であれば、口型への離型剤の塗布位置の変化や塗布量のばらつきを低減でき、ガラスびんの品質の向上および安定化に貢献できる。
(2)前記口型の内面のうちガラスびんの口部を成形する口部成形面と、前記口型の対向面であって、前記粗型の下面および仕上型の天面と対向する対向面に、前記離型剤を塗布するように構成されている場合がある。
この構成によると、口型のうち粗型と摺動する箇所へ、口型内面と併せて離型剤を塗布することができる。
(3)前記口型が前記粗型側および仕上型側のうちの前記仕上型側に位置しているときに前記離型剤を塗布するように構成されている場合がある。
この構成によると、塗布装置から口型に塗布される離型剤が粗型側のプランジャーに付着してしまうことをより確実に抑制できる。
(4)前記口型が前記粗型および仕上型のうち前記仕上型の上方に配置されているときに前記離型剤を塗布することで、前記口型および前記仕上型の少なくとも一部へ同時に前記離型剤を塗布するように構成されている場合がある。
この構成によると、塗布装置は、口型へ離型剤を塗布するときに、併せて仕上型にも離型剤を塗布できる。
(5)前記仕上型と前記口型との間に隙間があけられた状態で前記離型剤を塗布することにより、さらに前記口型と前記仕上型の互いの対向面にも同時に前記離型剤を塗布するように構成されている場合がある。
この構成によると、口型のうち粗型と摺動する箇所へ、仕上型と併せて離型剤を塗布することができる。また、口型と仕上型の互いの対向面に離型剤を塗布する構成であれば、口型および仕上型自体が、フェンスの役割を果たし、塗布装置から塗布された離型剤が不要な箇所へ飛散することをより確実に抑制できる。
(6)前記仕上型を含むガラスびん製造装置においてゴブが投入されず、通常の製びんサイクルとは異なる動作サイクルであるスワブサイクルのうち、前記口型が前記仕上型の上方に配置されたときに、前記仕上型および前記口型に前記離型剤を塗布するように構成されている場合がある。
この構成によると、塗布装置から塗布された離型剤がパリソンに直接付着することを抑制できる。その上、塗布装置は、仕上型へ離型剤を塗布するときに、口型へ離型剤を塗布できる。この構成であれば、塗布装置から口型へ供給される離型剤が粗型側のプランジャーに付着することをより確実に抑制できる。
(7)前記離型剤塗布装置は、前記離型剤を前記口型へ塗布する塗布部と、前記塗布部の動作を制御する制御ユニットと、を備えている場合がある。
この構成によると、制御ユニットは、塗布部を制御することで、実際の離型剤塗布動作を制御できる。
(8)前記塗布部は、前記口型に対して変位機構によって変位されるように構成され、前記制御ユニットは、前記変位機構の動作および前記塗布部からの前記離型剤の供給を制御する制御部、を含んでいる場合がある。
この構成によると、制御ユニットは、変位機構を動作させることで、塗布部の位置を変えながら塗布部から口型に向けて離型剤をより正確に塗布することができる。
(9)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わるガラスびん成形用口型への離型剤塗布方法は、パリソン成形時の口型の位置を基準として、粗型側のプランジャーから遠ざかった位置に存在する前記口型に離型剤を塗布する。
(10)また、上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わるガラスびん製造装置は、前記離型剤塗布装置を備えている。
(11)また、上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わるガラスびん製造方法は、パリソン成形時の口型の位置を基準として、粗型側のプランジャーから遠ざかった位置に存在する前記口型に離型剤を塗布する、離型剤塗布ステップと、前記口型を用いてガラスびんを成形する成形ステップと、を含んでいる。
上記(9)〜(11)の構成によると、口型へ離型剤を塗布する際に、離型剤が口型以外の意図しない箇所、例えば、粗型側のプランジャーに付着してしまうことを抑制できる。これにより、パリソンの内面汚れや内面異物の発生、すなわち、ガラスびんの内面汚れや内面異物の発生を抑制でき、その結果、ガラスびんの強度低下を防止できる。また、例えば、プレスブロー成形(PB)、またはナローネックプレスブロー成形(NNPB)が行われる場合、プランジャーに付着した離型剤によりプランジャーとガラスとの密着性が悪化し、パリソンが十分に固化しないことによる成形不良を抑制できる。また、例えば、口型への離型剤塗布が、塗布装置によって行われる場合、作業者の手作業による口型への離型剤塗布作業が不要となり、製びん作業にかかる作業者の負担を低減できると共に離型剤塗布における作業者の安全性をより向上できる。また、機械動作による迅速な離型剤塗布作業を実現できるため、ガラスびん成形の停止時間を短縮できる上に、手作業での離型剤の塗布作業と比べて、塗布装置による離型剤の塗布作業であれば、口型への離型剤の塗布位置の変化や塗布量のばらつきを低減でき、ガラスびんの品質の向上および安定化に貢献できる。
本発明によると、離型剤塗布に起因するガラス内面への異物付着を抑制でき、製びん作業にかかわる作業者の負担を低減でき、離型剤塗布における安全性をより向上できると共に、ガラスびんの成形加工の停止時間を短縮し、口型への離型剤の塗布位置の変化や塗布量のばらつきを低減でき、ガラスびんの品質の向上および安定化に貢献できる。
本発明の一実施形態にかかるガラスびん製造装置の模式的な側面図であり、一部を断面で示しているとともに一部を省略して示している。 ガラスびん製造装置の模式的な平面図であり、一部を省略して示している。 塗布装置、口型および仕上型等を示す模式的な側面図である。 (A)および(B)は、ガラスびん成形の流れの一例を説明するための図である。 (A)および(B)は、ガラスびん成形の流れの一例を説明するための図である。 塗布装置による離型剤の塗布動作の一例を説明するためのフローチャートである。 スワブサイクル準備動作(ステップS2)の流れの一例を示すフローチャートである。 離型剤塗布動作(ステップS3)の流れの一例を示すフローチャートである。 (A)〜(C)は、塗布装置による離型剤の塗布動作の一例を説明するための図である。 (A)および(B)は、塗布装置による離型剤の塗布動作の一例を説明するための図である。 本発明の第1変形例について説明するための図である。 (A)は、本発明の第2変形例の主要部を示す一部断面側面図である。(B)は、本発明の第3変形例の主要部を示す一部断面側面図である。 本発明の第4変形例の主要部を示す平面図である 本発明の第5変形例について説明するため主要部の一部断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかるガラスびん製造装置1の模式的な側面図であり、一部を断面で示しているとともに一部を省略して示している。図2は、ガラスびん製造装置1の模式的な平面図であり、一部を省略して示している。図3は、塗布装置40、口型21および仕上型31等を示す模式的な側面図である。図4(A)および図4(B)は、ガラスびん成形の流れの一例を説明するための図である。図5(A)および図5(B)は、ガラスびん成形の流れの一例を説明するための図である。
図1〜図5(B)を参照して、ガラスびん製造装置1(以下、単に製造装置1ともいう。)は、ブローブロープロセスによって、ゴブ101(溶融したガラス塊)をパリソン102に成形し、さらに、パリソン102をガラスびん103に成形する。製造装置1には、図示しないゴブ供給機構からゴブ101を供給される。また、本実施形態では、製造装置1は、2つのゴブ101を同時にガラスびん103に成形することができる。なお、製造装置1には、他に1つ、3つ、4つと、ゴブ101を同時にガラスびん103に成形できるものもあり、同時に成形できる数は2つに限らない。
製造装置1は、粗型部10と、口型部20と、仕上型部30と、離型剤の塗布装置40と、を有している。
粗型部10は、口型部20と協働してゴブ101をパリソン102に成形するために用いられる。粗型部10は、前述のゴブ供給機構からゴブ101を供給(充填)される。
粗型部10は、粗型11と、ファンネル13と、バッフル14と、シンブル15と、プランジャー16と、図示しない粗型開閉機構と、を有している。
粗型11は、本実施形態では二つ設けられている。粗型11は、左右に向かい合った一対の割型11a,11bを有している。これらの割型11a,11bが互いに組み合わされることで、ゴブ101が充填されるためのキャビティ17が形成されている。各粗型11の一対の割型11a,11bは、図示しない粗型開閉機構によって、開閉動作される。
粗型11の下面11cは、キャビティ17に対応した箇所において上向きに窪んだ形状に形成されており、この窪んだ部分に、口型部20の口型21が配置されている。口型部20は、ゴブ101から口部103aを成形するために設けられている。また、口型部20は、粗型11で成形されたパリソン102を仕上型部30へ移送するように構成されている。
口型部20は、口型21と、口型21を支持する口型ホルダー22と、口型ホルダー22が取り付けられた回転軸24と、図示しない口型開閉機構と、を有している。
口型21は、本実施形態では二つ設けられている。口型21は、対向面21eを含む一部が、粗型11の下面11cに形成された嵌合面に嵌合される。粗型11側に口型21が配置されているとき、プランジャー16が、口型21の開口部を塞ぐように配置される。口型21は、左右に向かい合った半円筒状の一対の割型21a,21bを有しており、これらの割型21a,21bが互いに組み合わされることで、円筒状の口型21が形成されている。割型21a,21bは、図示しない開閉機構の動作によって、互いに分離した開状態と互いに閉じられた閉状態とに適宜切り替えられる。口型21の軸方向中間部には、ガイドリング23が嵌め込まれている。口部成形面21dには、螺旋状の溝または凹凸部が形成されている。口部成形面21dにゴブ101が押し付けられることで、口部103aが形成される。
口型21のうち粗型11の底側面11c(下面)と向かい合った状態における上面は、対向面21eを含んでいる。本実施形態では、対向面21eは、概ね平坦な面である。口型21は、口型ホルダー22に支持されている。口型ホルダー22は、本実施形態では、L字状に形成されたアーム部材である。口型ホルダー22の基端部は、水平に延びる回転軸24に取付けられており、図示しない回転機構によって、口型ホルダー22および口型21が、回転軸24の中心軸の周りを旋回可能である。この旋回動作によって、口型21は、粗型11の下方の位置(図1の位置)と、仕上型部30の上方の位置(図3の位置)との間を往復移動する。
粗型部10の説明に戻って、ファンネル13は、筒状であり、キャビティ17内へのゴブ101の進入を補助する。また、ファンネル13は、セッツルブロー工程においてバッフル14と協働して粗型11の上端を閉じる。この閉じ動作の後、圧縮空気がバッフル14の通風孔を通ってキャビティ17内のゴブ101に向けて噴射される。
プランジャー16は、図示しないコンプレッサから供給される圧縮空気をキャビティ17内のゴブ101に向けて吹き込むことが可能に構成されている。プランジャー16は、筒状のシンブル15にガイドされており、上下に移動可能である。プランジャー16は、口型21の開口部を通して粗型11側に露呈している。これにより、プランジャー16は、口型21内に到達したゴブ101と直接接触して口内面を成形することができる。
本実施形態では、仕上型部30は、口型ホルダー22が取り付けられた回転軸24を挟んで粗型部10と反対側に配置されている。なお、本実施形態では、口型ホルダー22が取り付けられた回転軸24を基準として、回転軸24を通る仮想の鉛直面P1から粗型部10側の領域を、「粗型側」といい、仮想の鉛直面P1から仕上型部30側の領域を、「仕上型側」という。
仕上型部30は、仕上型31と、底型32と、ブローヘッド34と、図示しない仕上型開閉機構と、を有している。
仕上型31は、本実施形態では、二つ設けられている。仕上型31は、底型32と協働してパリソン102のうち口部103aを除く部分を成形することで、ガラスびん103を成形する。仕上型31は、左右に向かい合った一対の割型31a,31bを有している。これらの割型31a,31bが互いに組み合わされることで、仕上型31が形成されている。
仕上型31の天面は、口型21の対向面21eと対向する対向面31eを有している。対向面31eは、仕上型31の開口部の周囲に形成された略平坦な面である。また、仕上型31の内面は、パリソン102のうち口部103a以外の部分が挿入されるキャビティ35を形成している。本明細書では、仕上型31の内面のうち、キャビティ35を形成している面を仕上型成形面31fという。パリソン102をガラスびん103に成形する領域としての、仕上型31の仕上型成形面31fおよび底型32の後述する底型成形面32fは、カーボンコーティング等によってコーティング層が形成されている。そして、この内面には、さらに、塗布装置40によって定期的に離型剤が塗布される。
仕上型31の内面は、仕上型成形面31fと、仕上型成形面31fの下側に配置された嵌合面31jと、を含んでいる。
仕上型成形面31fは、ガラスびん103の首部103bを成形するための対向面31eに隣接する首部成形面31gと、首部成形面31gの下方に配置されガラスびん103の肩部103cを成形するための肩部成形面31hと、肩部成形面31hの下方に配置されガラスびん103の胴部103dを成形するための胴部成形面31iと、を有している。
首部成形面31gは、例えば、胴部成形面31iの直径よりも小さな直径を有する円筒状面である。本実施形態では、仕上型成形面31fのうちの上部側に首部成形面31gが配置されている。
肩部成形面31hは、首部成形面31gと胴部成形面31iとを接続する面である。肩部成形面31hにおいては、首部成形面31gに連続する上端部が、底側に進むに従い直径が大きくなる湾曲面に形成されており、側面視でキャビティ35の中心側に向けて凸となる形状に形成されている。また、肩部成形面31hの中間部は、テーパ状に形成されており、下方に進むにしたがい直径が大きくなっている。また、肩部成形面31hのうち、胴部成形面31iに連続する下端部は、下方に進むに従い直径が大きくなる湾曲面に形成されており、側面視でキャビティ35の外側に向けて凸となる形状に形成されている。このような構成により、肩部成形面31hは、ガラスびん103のうち首部103bの付け根のR部分から胴部103dに差し掛かる部分までを成形するように構成されている。
胴部成形面31iは、直径が略一定の円筒面であり、当該胴部成形面31iの下部の直径が、胴部成形面31iの中間部の直径よりもわずかに小さく設定されている。胴部成形面31iのうちの底側部分は、裾部成形面でもある。この胴部成形面31iの下部は、底型32の後述する底型成形面32fに突き合わされる。この胴部成形面31iの底側に、嵌合面31jが配置されている。
嵌合面31jは、底型32の後述する凸部37と嵌合する部分として設けられている。嵌合面31jは、胴部成形面31iに隣接する環状溝部分と、この環状溝部分から仕上型31の底面としての平坦な摺動面31kに接続される円筒状部分と、を含んでいる。
底型32は、二つの仕上型31に対応して二つ設けられている。底型32は、仕上型31の底側に配置されて仕上型31と協働してキャビティ35を形成している。
底型32は、ベース部36と、ベース部36から突出する凸部37と、を有している。
ベース部36は、仕上型31の下方に配置されたブロック状部分である。ベース部36の上面は、仕上型31の摺動面31kと摺動可能に接触する摺動面36kを含んでいる。摺動面36kは、仕上型31の底面に形成された摺動面31kと平行な平坦面である。仕上型31が開閉動作するとき、静止した摺動面36kに対して摺動面31kが摺動する。
凸部37は、仕上型31の嵌合面31jに嵌合される部分であり、且つ、底型成形面32fを有する部分である。
凸部37の外周部は、仕上型31の嵌合面31jの形状に対応する形状に形成されており、ベース部36に連続する基端部が円筒状に形成されるとともに、先端側部分が、基端側部分から径方向外方に膨らんだ円板状に形成されている。
凸部37の天面に、底型成形面32fが形成されている。本実施形態では、底型成形面32fは、凸部37の天面の全面に形成されている。本実施形態では、底型成形面32fは、円形状に形成され、この円形状部分の外周縁部が、仕上型成形面31fの胴部成形面31iの下端部と接触している。底型成形面32fは、ガラスびん103の下部の形状に対応する形状に形成されており、平坦面、または、中央が上方に盛り上がった形状等に形成されている。
上記の構成により、仕上型31の一対の割型31a,31bが閉じられているとき、仕上型31の嵌合面31jに、底型32の凸部37が嵌合しているとともに、仕上型31の摺動面31kと底型32の摺動面36kとが接触している。そして、仕上型31の一対の割型31a,31bが開閉されるとき、仕上型31の摺動面31kが底型32の摺動面36kに対してスライドする。このため、底型32の摺動面36kの間には、潤滑剤(離型剤)が塗布されている。仕上型31の一対の割型31a,31bは、仕上型開閉機構によって、開閉動作される。
ブローヘッド34は、図示しないコンプレッサ等の圧縮空気供給源からの高圧空気をパリソン102内に供給するために設けられている。ブローヘッド34は、中空のブロック状に形成されており、中心部にエアを吹き込むためのノズルが内蔵されており、図示しない移動機構によって、仕上型31の対向面31e上に配置される位置と、仕上型31の対向面31eから待避した位置とに移動可能に構成されている。
上記の構成を有する製造装置1によるガラスびん103の成形工程の要点を以下に説明する。図1を参照して、ガラスびん103の成形工程のうちの粗型工程(パリソン成形)に際しては、まず、ファンネル13が取り付けられた状態の粗型11の各キャビティ17に、ゴブ101が充填される。その後、ファンネル13にバッフル14が取り付けられる。次に、バッフル14からキャビティ17に向けて圧縮空気が噴射されるセッツルブロー工程が行われることで、ゴブ101が口型21に押し付けられるように変形する。これにより、口部103aが成形される。
次に、図4(A)に示すように、粗型11の上端がバッフル14によって塞がれた状態で、プランジャー16が下降する。そして、プランジャー16の下部より圧縮空気がプランジャー16の内部を通りゴブ101の内部に向けて矢印で示すように圧縮空気が吹き込まれる。すなわち、カウンターブロー工程が行われる。これにより、ゴブ101が粗型11に押し付けられるとともに、ゴブ101の内部に空洞が形成される。このような工程により、パリソン102が成形される。
次に、バッフル14が粗型11から取り外され、粗型開閉機構によって粗型11の一対の割型11a,11bが開かれる。その後、口型ホルダー22が取り付けられている回転軸24が回転する。これにより、口型21が、粗型11の下方(粗型11側)から図4(B)に示すように仕上型31の上方へ配置される。このとき、仕上型31の一対の割型31a,31bは、開かれている。また、仕上型31の一対の割型31a,31bが閉じた時に、口型21の対向面21eと仕上型31の対向面31eとの間には、1mm程度の僅かな隙間G1ができるようセッティングされている。このような動作により、パリソン102の口部以外は、仕上型31内に配置される。
次に、図示しない仕上型開閉機構によって仕上型31の一対の割型31a,31bが閉じられる。次いで、口型21の一対の割型21a,21bが図示しない口型開閉機構によって開かれることで、図5(A)に示すように、パリソン102は、僅かに落下して仕上型31の対向面31eに受けられる。このとき、口型ホルダー22が取り付けられている回転軸24の旋回動作によって、口型21が粗型11側に戻される。
次に、図5(B)に示すように、仕上型31上面にブローヘッド34が移動し、ブローヘッド34によって口部103aが覆われる。このブローヘッド34は、内蔵されたノズルを通してパリソン102に圧縮空気を供給する。これにより、ファイナルブロー工程が行われ、パリソン102は、仕上型31および底型32の成形面31f,32fに押しつけられるとともに、当該パリソン102内の空間が拡げられる。その結果、ガラスびん103が成形される。ガラスびん103が成形されると、ブローヘッド34が仕上型31から待避するとともに、仕上型31の一対の割型31a,31bが仕上型開閉機構によって開かれる。そして、図示しないテイクアウトアームによってガラスびん103が仕上型31から取り出される。
仕上型31のキャビティ35の内面には、パリソン102との離型性(分離のし易さ)を確保するために、離型剤が定期的に塗布される。離型剤は、ガラスびん103の成形工程の合間に塗布される。この離型剤を塗布するために、図3に示す塗布装置40が用いられる。
塗布装置40が塗布する離型剤として、黒鉛粒子を固体潤滑剤として含有する鉱物油を例示できる。本実施形態では、塗布装置40は、仕上型31および底型32の成形面31f,32f(キャビティ35を形成している内面)の少なくとも一部に離型剤を塗布するように構成されている。
本実施形態では、特に、仕上型31に設けられた仕上型成形面31fのうちの一部、および、この仕上型31の下部に配置される底型32に設けられた底型成形面32fの全面および摺動面に、塗布装置40が離型剤を塗布するように構成されている。さらに、本実施形態では、パリソン成形時の口型21の位置A1(図1参照。粗型11の下側位置)を基準として、粗型11のプランジャー16から遠ざかった位置、すなわち、仕上型31の上方に配置されている口型21に、塗布装置40が離型剤を塗布するように構成されている。
図3を参照して、塗布装置40は、制御部(制御ユニット)41と、変位機構42と、図示しない離型剤供給機構と、二つのノズル43と、を含んでいる。
制御部41は、所定の入力信号に基づいて、所定の出力信号を出力する構成を有し、例えば、プログラマブルコントローラ(PLC)等を用いて形成することができる。なお、制御部41は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)を含むコンピュータ等を用いて形成されていてもよい。また、制御部41は、電気回路を含まない、機械仕掛けによってノズル43に離型剤を噴霧させるとともにノズル43を変位させる構成であってもよい。
制御部41は、変位機構42(ノズル43)の動作と、ノズル43の後述する噴霧口43a,43bからの離型剤の供給量(噴霧量)を制御するように構成されている。成形面31f,32fの各領域への噴霧量の制御(噴霧領域の設定を含む制御)は、ノズル43からの噴霧量自体(液圧)の制御や、噴霧量を固定した状態でのノズル43の上昇・下降速度の制御や、ノズル43からの離型剤の噴霧タイミングの制御によって行うことができる。もちろんノズル43からの離型剤の噴霧のオン−オフ制御でも所望の塗布が可能である。
制御部41は、仕上型31の一対の割型31a,31bの開閉状態を検出可能に構成されている。例えば、一対の割型31a,31bの開閉位置を検出するセンサが制御部41に接続されていることで、制御部41は、一対の割型31a,31bの開閉状態を検出してもよい。また、例えば、一対の割型31a,31bの動作を制御する制御回路が制御部41に接続されていることで、制御部41は、上記制御回路からの信号を受けて一対の割型31a,31bの開閉状態を検出してもよい。また、例えば、制御部41が、一対の割型31a,31bの開閉動作を制御する構成が採用されていてもよい。また、制御部41は、製造装置1の各部を制御可能であってもよい。
変位機構42は、ノズル43を仕上型31および口型21に対して変位させるとともに、ノズル43の位置を維持するために用いられる。変位機構42は、例えば、六軸ロボット等の多関節のロボットを用いて形成されている。なお、変位機構42は、少なくとも、ノズル43を、仕上型31のキャビティ35に出し入れすることが可能であればよく、具体的な機構は限定されない。また、変位機構42は、ガラスびん成形機(ISマシン)の仕上型側を、各セクションに沿って移動可能に構成されていてもよい。
前述の離型剤供給機構は、ノズル43へ離型剤を供給するために用いられ、例えば、ノズル43へ離型剤を輸送するためのホース、ポンプ、および、制御弁を有している。そして、この離型剤供給機構は、制御部41と電気的に接続されており、制御部41の制御によって、ノズル43への離型剤の供給および供給停止が制御されるように構成されている。
ノズル43は、離型剤を噴霧するために用いられる。ノズル43は、細長い棒状に形成されている。ノズル43の基端が変位機構42の先端に支持されている。ノズル43は、少なくとも、キャビティ35のうち、首部成形面31gと水平に向かい合う箇所にまで挿入されることが可能な長さに形成されている。本実施形態では、塗布装置40が離型剤を噴霧する際、ノズル43の先端が、胴部成形面31iと水平に向かい合う箇所に挿入される。ノズル43は、上昇しながら離型剤を噴霧してもよいし、降下しながら離型剤を噴霧してもよいし、キャビティ35内に挿入された後、停止した状態で、離型剤を噴霧してもよい。
本実施形態のノズル43は、多方向ノズルであり、複数の異なる方向に向けて離型剤を噴霧する。具体的には、本実施形態のノズル43は、二方向ノズルであり、互いに異なる二方向へ離型剤を噴霧する。ノズル43には、第1噴霧口(塗布部)43a、および、第2噴霧口(塗布部)43bが形成されている。
第1噴霧口43aおよび第2噴霧口43bは、それぞれ、ノズル43の先端側部分および中間部分に配置されており、スリット等によって形成され離型剤を噴霧するように構成されている。第1噴霧口43aは、仕上型31の軸方向、すなわち、本実施形態では、鉛直方向(下向き)に沿う第1方向に向けて離型剤を噴霧する。一方、第2噴霧口43bは仕上型31の軸方向と直交する方向、すなわち、本実施形態では、水平方向に沿う第2方向に向けて離型剤を噴霧する。
第1噴霧口43aは、例えば、ノズル43の先端に例えば一つ配置されており、離型剤噴霧時において、底型成形面32fと向かい合っている。離型剤は、ノズル43の内部の図示しない経路を通って第1噴霧口43aへ至り、第1噴霧口43aから底型成形面32fの例えば全面へ噴霧される。また、第2噴霧口43bは、第1噴霧口43aの上方(第1噴霧口43aからノズル43の基端側に進んだ位置)に配置されており、例えば、ノズル43の中心軸線を中心としてノズル43の外周面に複数配置されている。
第2噴霧口43bは、離型剤噴霧時の初期段階において、キャビティ35内に配置されており、首部成形面31gおよび肩部成形面31hの少なくとも一部と水平方向に向かい合っている。そして、離型剤は、ノズル43の内部の図示しない経路を通って第2噴霧口43bへ至り、首部成形面31gおよび肩部成形面31hへ噴霧される。例えば、ノズル43の上昇に伴い第2噴霧部43bから離型剤が噴霧されることで、首部成形面31gおよび肩部成形面31hの全面に離型剤が塗布される。
また、離型剤噴霧時の後期段階において、ノズル43が変位機構42によってキャビティ35から抜かれるように上昇する。これに伴い、第2噴霧部43bは、仕上型31の対向面31eと、口型21の対向面21eと、口型21の内面のうち口部成形面21dの全面と、に離型剤が塗布されるように離型剤を噴霧する。
このように、各噴霧口43a,43bは、離型剤を仕上型31、底型32および口型21へ塗布する塗布部としての機能を発揮する。
このような構成により、ノズル43は、口型21が仕上型31の上方に配置されているときに仕上型31に離型剤を塗布することで、口型21の口部成形面21d、仕上型31のうち口型21と対向する対向面31e、および仕上型成形面31fにおける首部成形面31gから肩部成形面31hに掛けての部分と、底型成形面32fの全面と、の少なくとも2箇所に同時に離型剤を塗布する。
なお、ガラスびん103の胴部103d等の側面に文字または模様が形成される場合、仕上型成形面31fのうちこの文字または模様が形成される箇所に、第1噴霧口43aまたは第2噴霧口43bから離型剤が噴霧される。また、胴部成形面31iに離型剤が噴霧されてもよい。
各噴霧口43a,43bからの離型剤の噴霧方法は、ポンプ(例えばプランジャーポンプなど)を使用した方法でもよいし、圧縮空気を使用した二流体混合(離型剤と空気の混合)を使用した方法でもよい。
第1噴霧口43aは、例えばフルコーン状の第1噴霧パターンJ1を形成するように、離型剤を噴霧する。フルコーン状の第1噴霧パターンJ1は、第1噴霧口43aが仕上型31に取り囲まれた位置から例えば下方を向くように形成される。このフルコーン状の第1噴霧パターンJ1が形成される領域は、第1噴霧口43aの形状、第1噴霧口43aの高さ位置、第1噴霧口43aからの離型剤の噴霧圧を設定すること等で、適宜設定される。
また、第2噴霧口43bは、例えば、円周上に噴霧口が多数設けられており、それぞれがフルコーン状の第2噴霧パターンJ2を形成するように、離型剤を噴霧する。フルコーン状の第2噴霧パターンJ2は、略水平方向を向くように形成される。このフルコーン状の第2噴霧パターンJ2が形成される領域は、第2噴霧口43bの形状、第2噴霧口43bの高さ位置、第2噴霧口43bからの離型剤の噴霧圧を設定すること等で、適宜設定される。
ノズル43による離型剤噴霧時、ノズル43が仕上型31に対して変位機構42によって上下に変位されてもよいし、静止されてもよい。また、ノズル43の外周面のうち第2噴霧口43bの近傍に、ノズル43と同軸に配置された環状板を取り付けてもよい。この環状板が設けられている場合、この環状板によって、離型剤が意図しない箇所まで過度に広く飛散することを防止できる。
本実施形態では、塗布装置40による離型剤塗布作業は、製造装置1においてゴブ101が投入されず、通常の製びんサイクルとは異なる動作サイクルであるスワブサイクルにおいて行われる。このスワブサイクルにおいて、口型21が仕上型31の上方に配置されているときに、塗布装置40は、仕上型31および口型21へ離型剤を塗布する。
次に、塗布装置40による離型剤の塗布動作の一例をより具体的に説明する。
図6は、塗布装置40による離型剤の塗布動作の一例を説明するためのフローチャートである。なお、以下では、フローチャートを参照して説明するときは、フローチャート以外の図も適宜参照しながら説明する。
図6を参照して、塗布装置40は、製造装置1によるガラスびん成形動作の合間に離型剤塗布動作を行う。具体的には、まず、制御部41が、定期的に、スワブサイクル指令を発する(ステップS1)。これにより、スワブサイクル準備動作が行われる(ステップS2)。次いで、離型剤塗布動作(ステップS3)が行われる。そして、離型剤塗布動作が完了すると、前述したガラスびん成形動作が再開される(ステップS4)。
次に、スワブサイクル準備動作(ステップS2)、および、離型剤塗布動作(ステップS3)のそれぞれの詳細を説明する。
図7は、スワブサイクル準備動作(ステップS2)の流れの一例を示すフローチャートである。図8は、離型剤塗布動作(ステップS3)の流れの一例を示すフローチャートである。
図7を参照して、スワブサイクル準備動作では、まず、制御部41からの指令を受けたゴブ供給装置(図示せず)が、インターセプター機能を用いることで、ゴブ供給装置から粗型11へのゴブ101の供給を停止する(ステップS21)。次に、仕上型側でファイナルブロー工程を終えた後、ブローヘッド34が制御部41からの指令を受けた駆動機構によって動作され、仕上型31の上面より退避し、その状態のまま停止する(ステップS22)。次に、仕上型31が開き、図示しないテイクアウトアームが仕上型31で成形されたガラスびん103を仕上型31から取り出した後、制御部41からの指令を受けた駆動機構によってそのままの状態(退避状態)で停止する(ステップS23)。
図9(A)に示すように制御部41からの指令を受けた駆動機構により口型ホルダー22が取り付けられた回転軸24の動作に伴い、口型21が、仕上型31の上方に配置される(ステップS24)。この動作はステップS23とほぼ同時に行われる。
次に、制御部41からの指令を受けた仕上型開閉機構の動作により、仕上型31の一対の割型31a,31bが閉じられるとともに、図示しない開閉機構の動作により、口型21の一対の割型21a,21bが閉じられる(ステップS25)。このとき、口型21の対向面21eと仕上型31の対向面31eとの垂直方向の距離(隙間G1の長さ)は、1mm程度になるようセッティングされている。
次に、離型剤塗布動作(ステップS3)を説明する。
図8を参照して、離型剤塗布動作では、まず、制御部41が変位機構42を動作させることで、図9(B)に示すように、ノズル43を口型21および仕上型31に挿入する(ステップS31)。次に、制御部41は、離型剤供給機構を動作させることにより、図9(C)に示すように、ノズル43の第1噴霧口43aおよび第2噴霧口43bから離型剤を噴霧させる。これにより、離型剤が、底型32の底型成形面32fの全面と、仕上型31の肩部成形面31hおよび首部成形面31gと、に噴霧される(ステップS32)。これにより、底型成形面32f、肩部成形面31hおよび首部成形面31gに、離型剤の膜F1が形成される。このように、ノズル43は、仕上型31の一対の割型31a,31bが閉じられた状態のときに離型剤を塗布する。
次に、制御部41は、ノズル43からの離型剤の噴霧を一旦停止させる(ステップS33)。そして、図10(A)に示すように、制御部41は、仕上型開閉機構を動作させることにより、仕上型31の一対の割型31a,31bを一旦開かせる。この時、一時的に噴霧を行い、底型32の摺動面36kに離型剤(潤滑剤)を塗布する。その後、制御部41は、仕上型開閉機構を動作させることにより、仕上型31の一対の割型31a,31bを再び閉じる動作を行わせる(ステップS34)。ステップS33を省略して、ノズル43から離型剤を噴霧したまま仕上型31の一対の割型31a,31bを開閉し、底型32の摺動面36kに離型剤を塗布してもよい。
次に、制御部41は、図10(B)に示すように、変位機構42を動作させることで、ノズル43を上昇変位させる(ステップS35)。次に、制御部41は、離型剤供給機構を動作させることにより、ノズル43の各噴霧口43a,43bからの離型剤の噴霧を再開する(ステップS36)。ステップ35と36の順序は逆になってもよい。首部が長く、全体に塗布する必要のある製品は、塗布再開後にノズル43を変位させ首部成形面31gの全体を塗布してもよい。首部が短く、全面塗布する必要がない製品はノズル43による離型剤の噴霧を停止した状態でノズル43を変位させることで離型剤の供給過多を防止することができる。これにより、制御部41は、第1噴霧口43aによる底型成形面32fへの離型剤の噴霧を再度行うと同時に、第2噴霧口43bを口型21および仕上型31の対向面21e,31eに近傍に配置することで、これらの対向面21e,31eへ離型剤を噴霧する。そして、ノズル43がさらに上昇変位すると、第2噴霧口43bからの離型剤が、口部成形面21dに塗布される。なお、第2噴霧口43bが対向面21e,31e間の隙間G1を向いているときに、ノズル43の上昇変位が一時停止されてもよい。これにより、対向面21e,31eへより多くの離型剤を塗布できる。
そして、第2噴霧口43bによる口型21の口部成形面21dへの離型剤の噴霧が完了すると、制御部41は、離型剤供給機構の動作を停止し、ノズル43からの離型剤の噴霧を停止させる(ステップS37)。そして、制御部41は、変位機構42を動作させることにより、ノズル43を口型21から退避させる(ステップS38)。
以上が、塗布装置40による離型剤の塗布動作の一例である。次に、塗布装置40による離型剤の塗布動作の一変形例を説明する。この一変形例では、口型21が粗型11の下方に配置された状態(位置A1にある状態)で、離型剤塗布動作が行われる点が、上記の離型剤塗布動作との差異である。なお、この一変形例においても、スワブサイクル指令(ステップS1)、スワブサイクル準備動作(ステップS2)、離型剤塗布動作(ステップS3)、および、ガラスびん成形動作再開(ステップS4)が行われる。一方、この一変形例では、スワブサイクル準備動作(ステップS2)の詳細、および、離型剤塗布動作(ステップS3)の詳細が異なっている。以下、上記の実施形態と異なる点について主に説明する。
この一変形例では、図7のステップS24における、口型21を仕上型31の上方へ配置させる動作が行われない。その為、口型21は、パリソン成形時と同様に、図11に示すように粗型11の下方の位置A1に配置されている。
そして、ステップS3の離型剤塗布動作では、ステップS36における、ノズル43による口型21への離型剤噴霧は行わず、ノズル43の第2噴霧口43bによる仕上型31の対向面31eへの離型剤塗布が行われる(ステップS36’)
また、上述の実施形態および一変形例では、離型剤塗布動作(ステップS3)において、一旦、仕上型31の開閉動作が行われる(ステップS34)ことで、底型32の摺動面に離型剤が塗布される形態を例に説明したが、この通りでなくてもよい。上記ステップS34が省略されてもよい。
また、上述の実施形態および一変形例では、ブローブロー成形によってガラスびん103が成形される形態を例に説明したけれども、この通りでなくてもよい。例えば、プレスブロー成形(PB)、またはナローネックプレスブロー成形(NNPB)によってガラスびんが成形されてもよい。
以上説明したように、本実施形態によると、塗布装置40は、仕上型31に設けられた仕上型成形面31f、および、この仕上型31の下部に配置される底型32に設けられた底型成形面32fのうちの一部に離型剤を塗布するように構成されている。この構成によると、仕上型31への離型剤塗布は、塗布装置40によって行われる。すなわち、作業者の手作業による仕上型31への離型剤塗布作業が不要となるため、製びん作業にかかる作業者の負担を低減できる上に、離型剤塗布における作業者の安全性をより向上できる。また、機械動作による迅速な離型剤塗布作業を実現できるので、ガラスびん103の成形の停止時間を短縮できる上に、手作業での離型剤の塗布作業と比べて、塗布装置40による離型剤の塗布作業であれば、仕上型31への離型剤塗布の塗布位置の変化や塗布量等のばらつきを低減できる。さらに、仕上型31に設けられた仕上型成形面31f、および、この仕上型31の下部に配置される底型32に設けられた底型成形面32fのうちの少なくとも一部に、離型剤が塗布される。この構成であれば、仕上型31のうち離型性が特に必要な箇所に離型剤を十分に塗布しつつ、特に必要のない箇所への離型剤塗布を最小限にできる。これにより、離型剤の過多によるガラスびん103への悪影響の発生を防止できるため、仕上型31への離型剤塗布に適した構成を実現でき、その結果、ガラスびんの品質安定化に貢献できる。
また、本実施形態によると、仕上型成形面31fにおける首部成形面31gから肩部成形面31hに掛けての部分と、底型成形面32fの全面と、に離型剤を塗布するよう構成されている。この構成によると、仕上型31のうち、離型性が特に必要とされる箇所へ、より確実に離型剤を塗布することができる。
また、本実施形態によると、仕上型31のうち口型21と対向する対向面31eに離型剤を塗布するように構成されている。この構成によると、上記効果に加えて、ガラスびん103の口部103aと首部103bの境界部にクラックが発生することを抑制することができる。
また、本実施形態によると、塗布装置40の二方向ノズル43が、仕上型成形面31fにおける首部成形面31gから肩部成形面31hに掛けての部分と、底型成形面32fの全面と、に離型剤を同時に塗布する。この構成によると、離型剤の塗布作業をより迅速にできる。また、仕上型成形面31fにおける首部成形面31gから肩部成形面31hに掛けての部分と、底型成形面32fの全面と、の二箇所に、ノズル43の別々の箇所から離型剤が塗布される。これにより、単一ノズルを首部成形面31gから肩部成形面31hに掛けての部分と底型成形面32fの全面のそれぞれに離型剤を塗布する場合と異なり、離型剤塗布時にノズル43の向きを変える動作が不要となり、離型剤の塗布位置の変化や塗布量等のばらつきを低減できる。
また、本実施形態によると、塗布装置40の二方向ノズル43が、仕上型31のうち口型21と対向する対向面31e、仕上型成形面31fにおける首部成形面31gから肩部成形面31hに掛けての部分と、底型成形面32fの全面と、の少なくとも2箇所に離型剤を同時に塗布する。この構成によると、上記効果に加えて、ガラスびん103の口部103aと首部103bの境界部にクラックが発生することを抑制することができる。
また、本実施形態によると、塗布装置40は、仕上型31の一対の割型31a,31bが閉じられた状態のときに離型剤を塗布する。この構成によると、仕上型31内の各部のうち離型剤が塗布される箇所と、ノズル43との距離が、より均等な状態で離型剤を塗布できる。さらに、仕上型31の外部へ離型剤が飛散することをより確実に抑制できる。
また、本実施形態によると、塗布装置40は、パリソン102が仕上型31に挿入されていないタイミングで離型剤を塗布する。この構成によると、塗布装置40から塗布された離型剤がパリソン102に直接付着することを抑制できる。
また、本実施形態によると、塗布装置40は、仕上型31の一対の割型31a,31bが開かれたときに底型32の摺動面36kに、離型剤を塗布する。これにより、仕上型31と底型32とのスムーズな摺動を実現でき、その結果、仕上型31で成形されたガラスびん103に過剰な力が作用することを抑制できる。
また、本実施形態によると、塗布装置40は、口型21が仕上型31の上方に配置されているときに仕上型31に離型剤を塗布することで、口型21および仕上型31へ同時に離型剤を塗布する。この構成によると、塗布装置40は、仕上型31へ離型剤を塗布するときに、併せて口型21にも離型剤を塗布できる。また、この構成であれば、塗布装置40から口型21へ塗布される離型剤が粗型11の下方に配置されているプランジャー16等、離型剤の付着が好ましくない箇所への離型剤の付着をより確実に抑制できる。これにより、パリソン102の内面汚れや内面異物の発生、すなわち、ガラスびん103の内面汚れや内面異物の発生を抑制でき、その結果、ガラスびん103の強度低下を防止できる。また、例えば、プレスブロー成形(PB)、またはナローネックプレスブロー成形(NNPB)が行われる場合、プランジャーに付着した離型剤によりプランジャーとパリソンとの密着性が悪化し、ガラスが十分に固化しないことによる成形不良を抑制できる。
また、本実施形態によると、塗布装置40は、仕上型31と口型21との間に隙間G1が設けられた状態で離型剤を塗布することで、口型21と仕上型31の互いの対向面21e,31eに同時に離型剤を塗布する。この構成によると、口型21のうち粗型11と摺動する箇所へ、仕上型31と併せて離型剤を塗布することができる。また、口型21と仕上型31の互いの対向面21e,31eに離型剤を塗布する構成であれば、口型21および仕上型31自体が、フェンスの役割を果たし塗布装置40から塗布された離型剤が不要な箇所へ飛散することをより確実に抑制できる。
また、本実施形態によると、製造装置1においてゴブ101が投入されず、通常の製びんサイクルとは異なる動作サイクルであるスワブサイクルのうち、口型21が仕上型31の上方に配置されているとき、塗布装置40が仕上型31および口型21に離型剤を塗布する。この構成によると、塗布装置40から塗布される離型剤がパリソン102に直接付着することを抑制できる。その上、塗布装置40は、仕上型31へ離型剤を塗布するときに、口型21へも離型剤を塗布できる。この構成であれば、粗型11の底に配置されているプランジャー16等、離型剤の付着が好ましくない箇所への離型剤の付着をより確実に抑制できる。これにより、パリソン102の内面汚れや内面異物の発生、すなわち、ガラスびん103の内面汚れや内面異物の発生を抑制でき、その結果、ガラスびん103の強度低下を防止できる。また、例えば、プレスブロー成形(PB)、またはナローネックプレスブロー成形(NNPB)が行われる場合、プランジャーに付着した離型剤によりプランジャーとパリソンとの密着性が悪化し、ガラスが十分に固化しないことによる成形不良を抑制できる。
また、本実施形態によると、塗布装置40は、制御部41によってノズル43を制御することで、実際の離型剤の塗布動作を制御できる。より具体的には、制御部41は、変位機構42を動作させることで、ノズル43の位置を変えながらノズル43から口型21および仕上型31に向けて離型剤を塗布することができる。これにより、口型21の内面および仕上型31の内面の所望の箇所へより正確に離型剤を塗布できる。
また、本実施形態によると、塗布装置40は、パリソン成形時の口型21の位置A1を基準として、粗型11側のプランジャー16から遠ざかった位置、つまり本実施形態では仕上型31の上方に口型21が配置されているときに口型21に離型剤を塗布する。この構成によると、口型21へ離型剤を塗布する際に、離型剤が口型21以外の意図しない箇所、例えば、プランジャー16に付着してしまうことを抑制できる。これにより、パリソン102の内面汚れや内面異物の発生、すなわち、ガラスびん103の内面汚れや内面異物の発生を抑制でき、その結果、ガラスびん103の強度低下を防止できる。また、例えば、プレスブロー成形(PB)、またはナローネックプレスブロー成形(NNPB)が行われる場合、プランジャー16に付着した離型剤によりプランジャー16とパリソン102との密着性が悪化し、ガラスが十分に固化しないことによる成形不良を抑制できる。また、口型21への離型剤塗布は、塗布装置40によって行われる。すなわち、作業者の手作業による口型21への離型剤塗布作業が不要となり、離型剤の塗布作業にかかる作業者の負担を低減できると共に、離型剤塗布における作業者の安全性をより向上できる。また、機械動作による迅速な離型剤塗布作業を実現できるため、ガラスびん103の成形を停止させる時間を短縮できる上に、手作業での離型剤の塗布作業と比べて、塗布装置40による離型剤の塗布作業であれば、口型21への離型剤の塗布位置の変化や塗布量のばらつきを低減できる。
また、本実施形態によると、塗布装置40は、口型21の内面のうちガラスびん103の口部103aを成形する口部成形面21dと、口型21の対向面21eであって、粗型11の下面11cおよび仕上型31の対向面31eと対向する対向面21eに、離型剤を塗布する。この構成によると、口型21のうち粗型11と摺動する箇所へ、口型21の内面と併せて離型剤を塗布することができる。
さらに、塗布装置40は、口型21および仕上型31へ同時に離型剤を塗布する。この構成によると、塗布装置40は、口型21へ離型剤を塗布するときに、併せて仕上型31にも離型剤を塗布できる。
以上、本発明の実施形態について説明した。しかしながら、本発明は上記実施形態に限られず、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能である。
(1)上述の実施形態および第1変形例では、ノズル43が二方向ノズルである形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。例えば、本発明の第2変形例の主要部を示す図12(A)に示されているように、ノズル43において第3噴霧口(塗布部)43cを追加することで、ノズル43を三方向ノズルとしてもよい。このノズル43は、第1,第2噴霧口43a,43bに加えて、第3噴霧口43cを有している。
第3噴霧口43cは、ノズル43の中間部分に配置されており、スリット等によって形成され離型剤を噴霧するように構成されている。第3噴霧口43cは、仕上型31の軸方向と直交する方向、すなわち、本実施形態では、水平方向に沿う第3方向であって第2噴霧口43bが向く方向としての第2方向と平行に向けて離型剤を噴霧する。
第3噴霧口43cは、第2噴霧口43bの上方(第2噴霧口43bからノズル43の基端側に進んだ位置)に配置されており、例えば、ノズル43の中心軸線を中心としてノズル43の外周面に複数配置されている。第3噴霧口43cは、離型剤噴霧時の初期段階において、口型21のキャビティ内に配置されており。口部成形面21dと水平方向に向かい合っている。そして、離型剤は、ノズル43の内部の図示しない経路を通って第3噴霧口43cへ至り、口部成形面21dへ噴霧される。
このように、各噴霧口43a,43b,43cは、離型剤を仕上型31、底型32および口型21へ同時に塗布する塗布部としての機能を発揮する。
(2)また、上述の実施形態および各変形例では、ノズル43が仕上型31内に配置されているときに当該ノズル43から離型剤が仕上型31へ噴霧される形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。例えば、本発明の第3変形例の主要部を示す図12(B)に示されているように、仕上型31の一対の割型31a,31bが仕上型開閉機構によって開かれているときで、且つ、口型21が底型32の上方に配置されているときに、ノズル43から離型剤が噴霧されてもよい。このときのノズル43は、例えば、当該ノズル43の先端側に第2噴霧口43bが配置された構成を有している。そして、第2噴霧口43bからの離型剤が、口型21の口部成形面21dへ噴霧される。そして、口部21から離型剤が垂れる場合、この離型剤は、底型32によって受けられる。この場合、底型32の底型成形面32は、離型剤を塗布されてもよいし、塗布されなくてもよい。
(3)また、上述の実施形態および各変形例では、ノズル43から口型21、仕上型31、および、底型32への離型剤噴霧の態様について説明したが、この通りでなくてもよい。ノズル43は、口型21、仕上型31、および、底型32に対して、1箇所ずつ離型剤を噴霧してもよい。また、ノズル43は、仕上型31の対向面31e、仕上型成形面31fにおける首部成形面31gから肩部成形面31hにかけての部分、および、底型成形面32fの全面のうちの少なくとも2箇所に離型剤を同時に噴霧する構成であれば、より好ましい。
(4)また、上述の実施形態および変形例において、一つの塗布装置40で仕上型31および口型21をペアとするセクション44の複数へ離型剤を塗布する構成が採用されてもよい。例えば、本発明の第4変形例の主要部を示す平面図である図13に示されているように、例えば、仕上型31(口型21)が複数セクション44,44,44…に配置されている場合に、複数セクション44の仕上型31、底型32および口型21へ、一つの塗布装置40で離型剤を塗布してもよい。例えば、製びん機は、8〜12セクション(1セクション毎に一組の粗型側と仕上型側がある)で構成され、これらのセクションの合計の長さは約6m〜8m程度である。なお、図13では、一例として4つのセクション44が例示されている。このような構成において、変位機構42は、製びん機45に(全セクション44に対して)例えば一台設置される。そして、変位機構42は、複数のセクション44のそれぞれの側方を通過するレール46上を、図示しない駆動機構からの動力によって往復移動可能に構成されている。これにより、塗布装置40は、各セクション44の側方へ移動し、隣接したセクション44における仕上型31および口型21の少なくとも一方へ離型剤を噴霧する。
(5)上述の実施形態および各変形例では、製造装置1が首長のガラスびんを成形する形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。例えば、粗型11に代えて図示しないプレス成形粗型でパリソンを成形し、このパリソンを、仕上型31に代えて図14に示す仕上型31Aで仕上成形することで、広口びんであるガラスびん103Aが成形されてもよい。図14は、製造装置1の第5変形例を示す主要部の図であり、仕上型31Aおよび底型32の側面を示している。なお、以下では、上述の実施形態と異なる点について主に説明し、同様の構成には図に同様の符号を付して詳細な説明を省略する。
仕上型31Aは、底型32と協働してパリソン102A(右側の仕上型31Aに想像線である二点鎖線で図示)のうち口部103aAを除く部分を成形することで、ガラスびん103A(左側の仕上型31Aに想像線である二点鎖線で図示)を成形する。仕上型31Aの内面のうち、キャビティ35Aを形成している面が仕上型成形面31fAである。
仕上型成形面31fAは、首部成形面31gAと、肩部成形面31hAと、胴部成形面31iAと、を有している。
首部成形面31gAは、例えば、胴部成形面31iAの直径よりも小さな直径を有する円筒面である。首部成形面31gAの上下方向の長さは、胴部成形面31iAの上下方向の長さよりも短い。
また、肩部成形面31hAの上下方向の長さは、胴部成形面31iAの上下方向の長さよりも短い。肩部成形面31hAは、ガラスびん103Aのうち首部103bAの付け根のR部分から胴部103dAに差し掛かる部分までを成形するように構成されている。
胴部成形面31iAは、直径が略一定の円筒面である。この胴部成形面31iAの底側に、嵌合面31jが配置されている。
この仕上型31Aへの離型剤の塗布は、塗布装置40によって行われる。この場合、ノズル43は、離型剤の噴射中、上下に移動してもよいし、上下に移動することなく静止していてもよい。ノズル43の第1噴霧口43aは、底型成形面32fへ離型剤を噴霧し、第2噴霧口43bは、首部成形面31gAおよび肩部成形面31hAへ離型剤を噴霧する。
(6)また、上述の実施形態等では、塗布装置40を用いて離型剤を塗布する形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。例えば、作業者による手作業で離型剤が塗布されてもよい。また、塗布装置40は、ノズル43に代えて、ハケ等の他の塗布部材を用いて離型剤を塗布してもよい。
本発明は、ガラスびん成形用口型への離型剤塗布装置、ガラスびん成形用口型への離型剤塗布方法、ガラスびん製造装置、および、ガラスびん製造方法として、広く適用できる。
1 ガラスびん製造装置
11 粗型
16 プランジャー
21 口型
21d 口部成形面
21e 対向面
31,31A 仕上型
31e 対向面(仕上型の天面)
40 離型剤塗布装置
41 制御部(制御ユニット)
42 変位機構
43a,43b,43c 噴霧口(塗布部)
101 ゴブ
102,102A パリソン
103,103A ガラスびん
103a,103aA 口部
A1 パリソン成形時の口型の位置
G1 隙間

Claims (10)

  1. パリソン成形時の口型の位置を基準として、粗型側のプランジャーから遠ざかった位置に存在する前記口型に離型剤を塗布するように構成され
    前記口型が前記粗型側および仕上型側のうちの前記仕上型側に存在しているときに前記離型剤を塗布するように構成されていることを特徴とする、ガラスびん成形用口型への離型剤塗布装置。
  2. 請求項1に記載のガラスびん成形用口型への離型剤塗布装置であって、
    前記口型の内面のうちガラスびんの口部を成形する口部成形面と、前記口型の対向面であって、前記粗型の下面および仕上型の天面と対向する対向面に、前記離型剤を塗布するように構成されていることを特徴とする、ガラスびん成形用口型への離型剤塗布装置。
  3. 請求項1又は請求項に記載のガラスびん成形用口型への離型剤塗布装置であって、
    前記口型が前記粗型および仕上型のうち前記仕上型の上方に配置されているときに前記離型剤を塗布することで、前記口型および前記仕上型の少なくとも一部へ同時に前記離型剤を塗布するように構成されていることを特徴とする、ガラスびん成形用口型への離型剤塗布装置。
  4. 請求項に記載のガラスびん成形用口型への離型剤塗布装置であって、
    前記仕上型と前記口型との間に隙間が設けられた状態で前記離型剤を塗布することにより、さらに前記口型と前記仕上型の互いの対向面にも同時に前記離型剤を塗布するように構成されていることを特徴とする、ガラスびん成形用口型への離型剤塗布装置。
  5. 請求項1〜請求項の何れか1項に記載のガラスびん成形用口型への離型剤塗布装置であって、
    前記仕上型を含むガラスびん製造装置においてゴブが投入されず、通常の製びんサイクルとは異なる動作サイクルであるスワブサイクルのうち、前記口型が前記仕上型の上方に配置されているときに、前記仕上型および前記口型に前記離型剤を塗布するように構成されていることを特徴とする、ガラスびん成形用口型への離型剤塗布装置。
  6. 請求項1〜請求項の何れか1項に記載のガラスびん成形用口型への離型剤塗布装置であって、
    前記離型剤を前記口型へ塗布する塗布部と、
    前記塗布部の動作を制御する制御ユニットと、
    を備えていることを特徴とする、ガラスびん成形用口型への離型剤塗布装置。
  7. 請求項に記載のガラスびん成形用口型への離型剤塗布装置であって、
    前記塗布部は、前記口型に対して変位機構によって変位されるように構成され、
    前記制御ユニットは、前記変位機構の動作および前記塗布部からの前記離型剤の供給を制御する制御部、を含んでいることを特徴とする、ガラスびん成形用口型への離型剤塗布装置。
  8. パリソン成形時の口型の位置を基準として、粗型側のプランジャーから遠ざかった位置に存在する前記口型に離型剤を塗布し、且つ、
    前記口型が前記粗型側および仕上型側のうちの前記仕上型側に存在しているときに前記離型剤を塗布することを特徴とする、ガラスびん成形用口型への離型剤塗布方法。
  9. 請求項1〜請求項の何れか1項に記載のガラスびん成形用口型への離型剤塗布装置を備えていることを特徴とする、ガラスびん製造装置。
  10. パリソン成形時の口型の位置を基準として、粗型側のプランジャーから遠ざかった位置に存在する前記口型に離型剤を塗布する、離型剤塗布ステップと、
    前記口型を用いてガラスびんを成形する成形ステップと、
    を含み、
    前記離型剤塗布ステップにおいて、前記口型が前記粗型側および仕上型側のうちの前記仕上型側に存在しているときに前記離型剤を塗布することを特徴とする、ガラスびん製造方法。
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