JP6499786B2 - 体外循環装置 - Google Patents
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また、気泡を別ルートに排出する手法については、例えば特許文献1の図1に示されるように、血液回路中に切換え手段7を有しており、気泡検出手段6が気泡を検知した場合、切換え手段7で流路を変えることで、気泡を含んだ血液を平常時とは異なる気泡排出ルートに回して、廃液収納容器8に排出している。
一方、チューブクランプを用いてチューブを閉塞する手法の場合、特許文献1のような問題は生じ難いが、気泡を検知して血液の流れを止めた後は、やはり血液回路中から気泡を除去する対処が必要となる。このため術者は、例えばチューブに取り付けられた三方活栓からシリンジで血液を引いて、人手で気泡を除去している。しかしながら、血液回路中のどの位置に気泡が存在するのかが分かり難いため、気泡除去までに相当の時間を費やし、このため、血液循環の再開に手間取って、患者の生命維持に支障をきたす恐れが高まってしまう。
そして、当該血液回路中にはチューブ内の血液流量を検出する流量センサが設けられ、流量センサが気泡を検出した際に測定した血液流量に基づいて、気泡を検出してからチューブを閉塞するまでの時間に、血液が気泡センサからチューブ内を進んだ距離である進行距離を推定する制御部を有している。この点、この気泡検知時からチューブを閉塞するまでにチューブ内を流れる血液の進行距離は、血液の流れによって気泡が気泡センサから流れた距離であると推定できる。
そして、この進行距離に基づいて推定される気泡の位置情報を報知する報知部を有する。従って、例えば、報知部が表示画面である場合は進行距離(即ち、気泡センサから気泡までの推定される距離)を表示するなどして、術者が気泡の位置を把握するために有用な情報を与えることができ、これにより気泡を除去する対処が迅速に行える。
そうすると、気泡センサと人工肺との距離が特定されているので、気泡センサからの進行距離を判断すれば、気泡が人工肺に到達したか否かの推定が可能となる。さらに、人工肺はチューブの長さに換算されるため、チューブの中を進んだ血液の進行距離を判断すれば、気泡が人工肺の中、或いは、それより下流にあるか否かの推定が可能となる。
従って、例えば、報知部が表示部である場合、その表示部に表された目印を見て、それに対応した目印をチューブから探せば(例えば、表示部の目印が「A」であれば、その「A」という目印をチューブから探せば)、その探した目印の位置を気泡の位置として術者に認識させることができる。なお、このようなチューブと報知部との目印を対応させる手法では、チューブに気泡位置把握用のランプを取付けた手法と比べて、気泡を除去する迅速性は若干劣るものの、チューブに悪影響を及ぼす恐れを排除でき、また、ランプをチューブに取付ける手間を排除できる等の優れた効果がある。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下の図において、同一の符号を付した箇所は特に言及がない限り同様の構成である。
本実施形態の体外循環装置は、「補助循環動作」や「体外循環動作」の場合に使用される。「体外循環動作」とは、例えば外科手術によって一時的に心臓での血液循環を止めるような場合に、体外循環装置により血液の循環動作とこの血液に対するガス交換動作(酸素付加および/または二酸化炭素除去)を行うことである。「補助循環動作」とは、患者の心臓が十分な機能を果たせない場合や肺によるガス交換が十分に行えないような状態において、体外循環装置によって血液の循環動作の補助を行うことである。装置によっては血液に対するガス交換動作を行う機能を持つものもある。
この図の体外循環装置1は、患者(被術者)Pの静脈から脱血した後に、この血液を再び患者の動脈に戻すようにした血液の管路を備えた血液回路(「血液循環回路」ともいう)1Rを有している。
血液回路1R中には、患者Pの血管に挿入される静脈側カニューレ5及び動脈側カニューレ6と、体外で管路となるチューブ(脱血チューブ11及び送血チューブ12)と、血液を送る血液ポンプ4と、血液に対するガス交換動作を行う人工肺2と、気泡を検知するための気泡センサ37と、気泡を検知した際にチューブを閉塞するチューブクランプ50と、チューブ内の血液流量を測定するための流量センサ52と、血液回路1R中に配設された各部品を制御するコントローラ10とを有し、心臓と肺の代行を行っている。
脱血チューブ11と送血チューブ12は、例えば塩化ビニル樹脂やシリコーンゴム等の可撓性及び弾力性を有すると共に透明性の高い合成樹脂製の管路が使用できる。
脱血チューブ11内では、血液はV方向(血液ポンプ4側)に流れ、送血チューブ12内では、血液はW方向(患者側)に流れる。脱血チューブ11の途中には、そのチューブ内の気泡を検出する気泡センサ37が配設されている。
血液ポンプ4には既知のポンプを用いることができ、本実施形態では遠心ポンプを利用している。この遠心ポンプである血液ポンプ4は、例えば磁石が埋め込まれた回転子(不図示)を有するポンプヘッド4bと、このポンプヘッド4b側に磁石が取付けられたドライブモータ(駆動源)4aとからなり、ドライブモータ4aが回転すると、磁力により回転子が回転するようになっている。ドライブモータ4aの回転数は、コントローラ10の回転摘み等からなる操作部32により設定される。
本実施形態の血液ポンプ4は、ポンプヘッド4bの中に熱電対等の公知の血液温度センサ(図3参照)が設けられており、この血液温度センサの検出結果は電気信号に変換されてコントローラ10に送信され、血液温度が測定される。
なお、本発明の血液ポンプ4は遠心ポンプに限られるものではなく、例えばローラーポンプや軸流ポンプ等も利用できる。また、血液温度の測定手段も上記に限られるものではなく、他の公知の手段を用いることができる。
気泡センサ37には、既知のセンサを利用することができる。本実施形態の気泡センサ37には超音波式検出センサが用いられ、脱血チューブ11内を流れる血液中に存在する気泡が、送信した超音波の受信強度を変化させることから、気泡を検出できる。
この気泡センサ37が取付けられる脱血チューブ11の位置は予め決められており、その位置にはマークMA1,MA2,MA3が付されている。マークMA1〜3の機能や使用方法等の詳細については後で説明するが、マークMA1〜3は気泡センサ37の血液回路中における位置を特定するための目印である。本実施形態のマークMA1〜3は、チューブの長さ方向に沿って所定間隔で複数配置(例えば10cm毎に配置)され、複数のマークMA1〜3は、夫々、人工肺2から決められた距離に付されている。これにより、複数のマークMA1〜3の内いずれか一つのマークの位置に気泡センサ37が取付けられると、人工肺2と気泡センサ37との距離が特定可能となる。なお、図のマークMA1〜3は、気泡センサ37の取付け位置に自由度を持たせるため3カ所としているが、本発明はこれに限られず、予め決められた一箇所であってもよい。
チューブクランプ50は、図1に示すように、気泡センサ37よりも下流側に配置され、図の場合、人工肺2より下流の送血チューブ12の途中に配置されている。そして、チューブクランプ50の上流にある気泡センサ37が脱血チューブ11内の気泡を検出し、コントローラ10がその検出信号ARを受けると、コントローラ10内のクランプ制御部20はチューブクランプ50に閉塞指示TAを出し、チューブクランプ50は送血チューブ12を緊急に閉塞して、患者Pへの気泡の誤送を阻止するようになっている。
本体部51は全体が直方体であり、上下に移動する押子85が内蔵されている。押子85は、スプリング86の力で送血チューブ12を蓋部52に押し付け、送血チューブ12の内部空間を潰すことで、送血チューブ12の閉塞状態を作る押圧部材である。具体的には、図2の送血チューブ12を押す前の押子85の状態は、スプリング86の力に抗して退避した状態であり、ソレノイド89がクランプ制御部20の指令により、押子85の軸部87と係止されることで、押子85が退避した状態は保持される。そして、図1の気泡センサ37が送血チューブ12内の気泡を検出すると、クランプ制御部20が図2のソレノイド89に閉塞指示TAを出し、軸部87を含む押子85の退避状態が解除されて、押子85はスプリング86の力により、本体部51内をUP方向に移動し、蓋部52に送血チューブ12を押し付けて潰すようになっている。
流量センサ52には既知の流量計を利用でき、本実施形態の場合、超音波伝搬時間差方式センサ(広義では超音波流量センサ)が用いられている。この超音波伝搬時間差方式センサは、血流の向きWとその逆向きの両方に対して超音波を送受信し、この向きに基づく超音波の伝達時間の差から、血液流量を検出している。
図1の流量センサ52は、好ましい形態として、送血チューブ52のラインの内、チューブクランプ50よりも下流に配置されているが、本発明の流量センサ52の態様は、必ずこのような態様に限られるものではなく、チューブクランプ50より上流であっても構わない。
このコントローラ10には回転摘み等からなる操作部32が設けられており、これを使用者が操作することにより、血液ポンプ4の回転数や種々のデータの入力設定が可能とされている。この入力設定されるデータの内、チューブ閉塞時の気泡位置を判断するためのデータ(パラメータ)としては、後で詳細に説明するが、チューブの種類(チューブの断面積)、人工肺の種類、気泡センサの取付け位置(上述したマークMA1〜3の位置)があり、これらはプルダウンメニューでの入力が可能とされている。
また、コントローラ10は環境温度を測定するための公知の環境温度センサ22を有している。環境温度センサ22は、環境温度によって変化するチューブクランプ50の反応時間(気泡センサ37が気泡を検出してから、送血チューブ12が閉塞されるまでの時間)を特定するためのものである。
また、コントローラ10は報知部として表示部35及びスピーカー93を有し、表示部35には操作部32で操作する際の設定用情報(血液ポンプ3の回転数設定、人工肺2の種類、チューブの種類、等)、体外循環装置1の適正な運転や患者の体調などを把握するための各種メッセージ(血液温度、血液流量、血圧、等)、及び異常時に対応するためのメッセージ(チューブを閉塞した際の気泡位置情報、等)が表示される。また、スピーカー93からは、気泡が発生した際の警告音などが鳴らされる。
このようなコントローラ10には、チューブを閉塞した際に気泡位置を推定するための気泡位置推定用の制御部(以下、「制御部」という)100と、チューブクランプ50を制御するためのクランプ制御部20とを有している。
以下、この制御部100、及びクランプ制御部20を中心にした好ましい構成例を、主に図3〜図7を用いて、詳細に説明する。
図3に示すクランプ制御部20は、チューブクランプ50を制御するための回路を構成しており、チューブクランプ50及び気泡センサ37と接続されている。気泡センサ37が気泡を検出すると、その検出結果は電気信号に変換されてクランプ制御部20に入力され、クランプ制御部20は、直ぐにチューブクランプ50に閉塞命令を出して、チューブクランプ50は図2の一点鎖線で示すように、押子85で送血チューブ12を蓋部52に押し付けて、送血チューブ12を閉塞するようにしている。このようなクランプ制御部20は、制御部100と接続されており、チューブクランプ50に閉塞命令を出した後、制御部100に対して、気泡を検出した旨の情報を出力する構成とされている。
進行距離判断プログラム19は、気泡検出時に流量センサ52が測定した血液流量に基づいて、気泡を検出してからチューブを閉塞するまでの時間に、血液が気泡センサからチューブ内を進んだ距離である「進行距離」を算出するためのプログラムが格納されている。このプログラムは、中央処理装置13が気泡検出の情報を受けてからチューブを閉塞するまでの時間と血液流量を乗じた値に基いて、血液がチューブ内を進んだ距離を求めるものであり、具体的には以下の式1、或いはこの式1を利用した式(例えば「(Q×Tc)/(A×60000)」)が格納されている。なお、以下の式1の「L」は進行距離(m)、「Q」は血液流量(L/min)、「A」はチューブ内の断面積(m2)、「Tc」は気泡検出からチューブクランプがチューブを閉塞するまでの時間である反応時間(sec)であり、体積1L=1/1000m3、1sec=1/60minの単位換算を式に含む。
L=(Q/60×Tc)/1000/A・・・・式1
上記式1に基づいて、中央処理装置13が「進行距離」を算出するようになっている。
データ記憶部15には、流量センサ52から血液流量が、血液温度センサ42から血液温度が、環境温度センサ22から環境温度が、それぞれ常時入力されて一時的に記憶され、中央処理装置13がクランプ制御部20から気泡を検出したという情報を受けた時点で、血液流量Q、血液温度Ta、環境温度Tbが確定される。
また、操作部32は、設定時(変更設定時も含む)に、プルダウンメニューにより、チューブクランプで閉塞するチューブの種類を選択可能とされているが、このチューブ型番(チューブの種類)が選択されると、データ記憶部15がそれを記憶しておき、クランプ制御部20から気泡を検出したという情報を受けた時点で当該チューブの種類が確定される。
また、気泡検出時に確定されたチューブ型番、血液温度Ta、環境温度Tbは、チューブクランプの反応時間Tcを判断するためのデータであり、チューブ型番、血液温度Ta、及び環境温度Tbが確定すると、中央処理装置13が例えば図4のデータテーブルが格納された図3のクランプDT33を基準にして、チューブクランプの反応時間Tcを特定するようになっている。そして、この反応時間Tcが、進行距離判断プログラム19に格納された上記式1の「Tc(反応時間)」に代入されることになる。なお、チューブ型番が確定すれば、それに対応したチューブ内の断面積(A)も分かり、その数値が進行距離判断プログラム19に格納された上記式1の「A(断面積)」に代入されることになる。
このように、中央処理装置13は、上記式1「L=(Q/60×Tc)/1000/A」に基づいて、気泡検出時の「Q(血液流量)」「Tc(反応時間)」「A(断面積)」を代入して、「L(進行距離)」を算出している。
そして、この進行距離Lは、気泡を検出してからチューブを閉塞するまでに、血液の流れにのって気泡が気泡センサからチューブ内を進んだ距離と推定できる。
また、操作部32では、上述のように設定時(変更設定時も含む)に、気泡センサの取付け位置(図1のマークMA1〜3のいずれかの位置)も選択されており、このマークMA1〜3の各位置は人工肺から予め決められた距離に付されている。従って、気泡検出時において気泡センサから人工肺までの距離が判断可能されている。
このようにして、本実施形態では、「気泡センサから人工肺までの距離」が特定されると共に、人工肺の「チューブ換算距離」も算出される。従って、上述のように中央処理装置13が算出した「進行距離」(気泡検出後からチューブ閉塞までに気泡センサからチューブ内を流れる血液の距離)に基づいて、気泡が少なくとも「人工肺よりも上流」「人工肺の中」「人工肺よりも下流」のいずれに存在するのかを判断できる。
図8は図1の体外循環装置1の特徴的な動作を示す概略フローチャートである。
体外循環装置1については、血液循環前の準備として、図1及び図2に示すコントローラ10の電源を入れ(図8のステップ1)、その後、操作部を用いて初期設定を行う(図8のステップ2)。初期設定の作業としては、通常の設定作業として血液ポンプ3の回転数設定、等がある。
簡易情報は、設定作業を容易にし、緊急に体外循環が必要な場合に役立つものであり、図6の表示画面例に示すように、推定される気泡位置の気泡センサからの距離を表示するのみである。これを選択した場合、設定作業として、プルダウンメニューによる脱血チューブ11・送血チューブ12の種類の選択のみを行い(図8のステップ4)、その後、体外循環を開始する(図8のステップ5)。なお、本実施形態では脱血チューブ11と送血チューブ12には同様のものを用いているため、一種類のチューブの選択で足りるようにしている(この設定作業で選択した結果は、図3のデータ記憶部15に記憶される)。
なお、この設定作業で選択した各結果は、図3のデータ記憶部15に記憶される。
そして、体外循環を開始する(図8のステップ5)。なお、体外循環の際、図3の流量センサ52、血液温度センサ42、及び環境温度センサ22は、常時、電気信号に変換した血液流量Q、血液温度Ta、及び環境温度Tbのデータを図3のデータ記憶部15に出力する。
次いで、この確定した「チューブの種類」「血液温度Ta」「環境温度Tb」により、図3の中央処理装置13は、クランプDT33(例えば図4のデータテーブル参照)に基づいて、チューブクランプの「反応時間Tc」を特定する(図8のステップ9)。
次いで、この特定・確定した「血液流量Q」「チューブの断面積A」「反応時間Tc」により、図3の中央処理装置13は、進行距離判断プログラム19に格納された上記式1に基づいて、「進行距離L(気泡を検知してからチューブを閉塞するまでの時間に、血液が気泡センサからチューブ内を進んだ距離)」を算出する(図8のステップ10)。例えば、血液流量Qが4L/min、チューブの断面積Aが100mm2(0.0001m2)、反応時間Tcが0.5secであれば、上記式1から、進行距離Lは約0.33mとなる。
これに対して、図8のステップ11で、標準情報のフラグがONになっていれば、図3のデータ記憶部15で記録されている人工肺の種類を確定し、人工肺DT34(例えば図5のデータテーブル参照)に基づいて、人工肺のチューブ換算距離を特定する(図8のステップ12)。
次いで、設定作業の際に選択した気泡センサ37の取付け位置を確定する(図8のステップ13)。即ち、図1の複数のマークMA1〜3内、いずれのマークを選択したかを確定し、その確定したマークと人工肺2との距離を判断する。
次いで、図8のステップ10で算出した「進行距離」に基づいて、図8のステップ12で特定した「チューブ換算距離」、及び図8のステップ13で確定した気泡センサ37の取付け位置を利用して、気泡が「人工肺よりも上流」「人工肺の中」「人工肺よりも下流」のいずれに存在するのかを判断する(図8のステップ14)。なお、血液回路中の遠心ポンプ4については、その中を血液が流れる距離・時間は短く、チューブに換算した際の距離は予め一つに特定しておけばよい。本実施形態の遠心ポンプ4の場合はチューブに換算した際の距離を3cmとし、そして、上記「進行距離」に基づいて、気泡が「人工肺よりも上流」「人工肺の中」「人工肺よりも下流」のいずれに存在するのかを判断している。
その後、表示部35の画面に例えば図7のような人工肺を基準とした気泡の位置情報を表示する。
図9は本実施形態の体外循環装置の第1変形例に係る報知部を説明するための図であり、人工肺2からチューブクランプ50までの概略斜視図である。この図において、図1ないし図8と同一の符号を付した箇所は同様の構成であるから、重複する説明は省略し、以下、相違点を中心に説明する。
第1変形例が上述した体外循環装置と異なるのは、報知部70についてである。
即ち、図9の報知部70は、送血チューブ12に沿って配列された複数のランプ71〜76を有している。
この報知部70は、人工肺2とチューブクランプ50との間の送血チューブ12の長手方向に沿って、送血チューブ12に対して固定された例えばテープライトであり、シリコーン等の可撓性を有するチューブ内に、その長さ方向に沿って所定間隔で複数のランプ(本変形例の場合はLED)71〜76が実装されることで形成されている。この複数のランプ71〜76は、互いの間隔が等間隔であり、その数は多い方が好ましい。図のランプ71〜76は例えば10cm間隔で6個のみを図示しているが、ランプの間隔はそれよりも狭く、数も多い方が好ましい。
なお、本変形例では、報知部70を送血チューブ12にのみ貼付して固定しているが、本発明はこれに限られず、脱血チューブ11(図1参照)に貼付しても構わない。また、報知部70をチューブに貼付するのではなく、他の治具ないし支持手段を利用してチューブに固定しても構わない。
なお、第1変形例では、人工肺2とチューブクランプ50との間の送血チューブ12のややチューブクランプ50側に三方活栓78を配置しているが、三方活栓78の配置はこれに限られるものではない。この際、三方活栓78を人工肺2とチューブクランプ50との中央部に配置するとよく、これにより、気泡が三方活栓78の上流又は下流のいずれにあっても、ほどよく迅速な対処が可能となる。
図10は、本実施形態の体外循環装置1の第2変形例に係る報知部90の図であり、図11は、その第2変形例に係るチューブの図である。なお、図11の吹き出し部分はチューブの部分拡大図である。これらの図において、図1ないし図9と同一の符号を付した箇所は同様の構成であるから、重複する説明は省略し、以下、相違点を中心に説明する。
第2変形例が上述した実施形態及びその第1変形例に係る体外循環装置と異なるのは、報知部90とチューブの構成についてである。
即ち、図11に示すように、送血チューブ12は、その長さ方向に沿って配列された複数の目印A〜Fを有している。この目印A〜Fは、第1変形例のようなランプではなく、送血チューブ12に付された単なる文字・数字・記号・図形等の目印であり、図10の報知部90により報知された気泡位置に対応した目印である。図11の複数の目印A〜Fは、等間隔であるのが好ましく、更に、その数は多い方が詳細な気泡位置が把握できるため好ましい。しかし、当該目印の数が多過ぎると、図9のランプと違って目印を探すのに時間がかかることから、例えば概ね3〜10cm間隔で配置するとよい。なお、図11では送血チューブ12のみ図示しているが、本変形例はこれに限られず、脱血チューブ11(図1参照)に目印を付けても勿論構わない。
なお、チューブに配置された目印はアルファベット文字に限られるものではなく、番号やローマ文字であってもよいし、或いは、その他の図形であってもよい。
また、本発明の報知部90は表示部に限られるものではなく、スピーカーであってもよい。スピーカーの場合は、チューブに付された番号等を音声で報知すればよく、術者は、その音声で報知された番号等を目安にして、気泡位置を探すことができる。
例えば、上記実施形態では、複数種のチューブや人工肺に対応して気泡の位置情報を報知可能にするため、設定時にチューブの種類や人工肺の種類を選択可能にしているが、本発明はこれに限られるものではなく、チューブの種類や人工肺の種類は予め決められた一種類にしても構わない。
また、上記実施形態では、「進行距離」や「チューブ換算距離」は一つの制御部100でその数値を決めているが、複数の制御部を用いて決めるようにしてもよい。
また、本発明の気泡センサやチューブクランプの取付け位置は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、気泡センサ及びチューブクランプの双方を送血チューブ、或いは脱血チューブに配置しても構わない。
Claims (3)
- 血液を被術者の体外へチューブを用いて循環させる血液回路中に、気泡を検出する気泡センサと、前記気泡センサよりも下流側に配置され、前記気泡を検出した際に前記チューブを閉塞するチューブクランプと、前記気泡センサと前記チューブクランプとの間に配置された人工肺と、を備え、
前記血液回路中には前記チューブ内の血液流量を検出する流量センサが設けられ、
前記流量センサが前記気泡を検出した際に測定した血液流量に基づいて、前記気泡を検出してから前記チューブを閉塞するまでの時間に、血液が前記気泡センサから前記チューブ内を進んだ距離である進行距離を推定する制御部を有し、
前記進行距離に基づいて推定される気泡の位置情報を報知する報知部を有し、
前記制御部は、前記気泡センサと前記人工肺との間の距離を特定すると共に、前記人工肺の種類に関するデータに基づきチューブ換算距離を定め、これらのデータを用いて、気泡が前記人工肺中に存在するときに、その気泡の位置を推定することができることを特徴とする体外循環装置。 - 前記チューブ内の血液流量を検出する流量センサを有し、
気泡検出時に前記流量センサが測定した血液流量に基づいて、前記気泡センサが気泡を検出してから前記チューブを閉塞するまでの時間に、血液が前記気泡センサから前記チューブ内を進んだ距離である進行距離、前記チューブ換算距離、前記気泡センサと前記人工肺との間の距離を用いて、気泡が「人工肺より上流」、「人工肺の中」又は「人工肺より下流」のいずれかに存在するかを判断することができる構成となっていることを特徴とする請求項1に記載の体外循環装置。 - 前記チューブは、その長さ方向に沿って配列された複数の目印を有しており、
前記報知部は、前記複数の目印の内、気泡が近接していると推定される目印を報知するようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の体外循環装置。
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