JP6499499B2 - 光波回路およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は光波回路及びその製造方法に関し、より詳細には、光ファイバアレイ、または光導波路アレイにおいて、光導波路の偏波を制御するために挿入する領域ごとに分割された波長板が挿入された光波回路及びその製造方法に関するものである。
光導波路の偏波を制御するために、光導波路が形成された基板に溝を掘って、ポリイミド波長板を挿入する方法がよく用いられる。図1は、光導波路が形成された基板に波長板を挿入する様子を示す図である。図1において、Si基板101上には光導波路102を含む光波回路103が形成されている。光波回路103上面の光導波路102の光の導波方向と直交する方向には、一定の深さ及び幅(具体的には深さ150μm〜200μm、幅20μm)の溝104が形成され、溝104には、λ/2波長板105が挿入される。λ/2波長板105は、ポリイミド延伸フィルムにより形成される。ポリイミド延伸フィルムの複屈折Δnは約0.05であるため、通信波長帯である1.5μmの光においては、ポリイミド延伸フィルムは厚さ約15μmとすることにより、λ/2波長板としての役割を果たす。光導波路は、偏波依存性があるため、図1に示すように、基板に形成された溝にポリイミド延伸フィルムであるλ/2波長板105を挿入することにより、光導波路102の偏波を制御することが可能となる。(特許文献1参照)。
ポリイミド延伸フィルムは一定の偏光方向を持つ。従って、基板上に複数の光導波路が形成された光導波路アレイにおいて、隣接光導波路に異なる偏光方向を持つ波長板を挿入するには、各光導波路に別々の偏光方向を有する波長板を挿入する必要がある。
図2は、1つの溝に2つの波長板を挿入した、導波路型偏光ビームスプリッタ200を示す上面図である。導波路型偏光ビームスプリッタ200は、基板201上に、入力光導波路201と、入力光導波路201に接続されたY分岐カプラ203と、Y分岐カプラ203の出力にそれぞれ接続されたTE偏光導波路204及びTM偏光導波路205とが形成されている。また、光導波路型偏光ビームスプリッタ200は、基板201上に、TE偏光導波路204及びTM偏光導波路205に接続された2×2MMI206と、2×2MMI206の出力にそれぞれが接続されたTE偏光出力光導波路207及びTM偏光出力光導波路208とが形成されている。
導波路型偏光ビームスプリッタ200の上面には、TE偏光導波路204及びTM偏光導波路205を横切るように、TE偏光導波路204及びTM偏光導波路205の光の導波方向と直交する方向に一定の深さ(具体的には深さ150μm〜200μm)の溝211が形成されている。溝211には、TE偏光導波路204を横切るようにλ/4波長板(90度)212が挿入され、TM編光導波路205を横切るようにλ/4波長板(0度)213が挿入される。溝211は、ダイシングにより形成される。
図2の導波路型偏光ビームスプリッタ200は、Y分岐カプラ203と2×2MMI206との間に、λ/4波長板(0度)213と、λ/4波長板(90度)212とを挿入し、λ/4波長板(0度)213によりTE波を90度進め、λ/4波長板(90度)212によりTM波を90度進める。Y分岐カプラ203によって分けられた2つの光の位相を+と−に90°シフトさせて2×2MMI206に入力することにより、一方の光導波路(TE偏光出力光導波路207)にはTE偏光のみ、他方の光導波路(TM偏光出力光導波路208)にはTM偏光のみを出力する(非特許文献1参照)。
近年、光波回路で処理するポート数、波長数などの増大に伴い、光導波路の1光波回路について、1つのチップで多数の光処理回路を集積する必要が増大してきた。その中で偏波制御を与える回路が求められており、図2に記載の偏光ビームスプリッタを多ポート分集積することが求められる。偏光ビームスプリッタを多ポート分集積する場合、それぞれの光導波路に異なる波長板を挿入するために、隣接する光導波路の間隔を離す必要があった。
通常、挿入用の溝はダイシングで形成するが、ダイシングにより溝を形成するためには、ダイシングブレードの径の制約から、長手方向に数mm以上の長さの溝を形成することが必要であり、回路レイアウトを制限する要因となっていた。例えば、従来の1/2波長板は、PLCの回路の対象となる場所にダイシングで5mmほどの長さの溝を掘って、数mm角のポリイミド波長板を挿入していた。複雑な集積回路を搭載したPLCでは、対象点は一箇所でないため、5mmの長さのダイシング溝を各所に掘ると、他の光導波路も切断してしまうことになり、回路構成に制約があった。RIE(反応性イオンエッチング)で溝を波長板挿入用に溝を掘ってもよいが(特許文献2参照)、ポリイミド波長板を挿入するためにはPLCの回路に数100μmの深さの溝を掘る必要があり、時間と労力を要した。
さらに、これらの偏光ビームスプリッタ等を多数集積したアレイ構造を形成するには、複数の溝、又は光導波路と直交する一直線の溝に対して、複数の波長板を挿入する必要があるが、15μmの薄い波長板を光導波路間隔に切断し、かつ正確な光導波路位置に置き、固定するという作業が求められ、作業の困難を伴い、結果歩留まり低下やコスト増加につながり、事実上実現不可能となっていた。
これを解決する手法としては、1枚の波長板において、波長板の面内長軸方向に沿った位置に応じて任意に位相差を付与した、領域分割波長板が必要となる。
特許第3501235号公報 特開2014−146004号公報 特許第3885936号公報 特許第3632220号公報 特許第3677632号公報 特許第3842102号公報
Yusuke Nasu, Takayuki Mizuno, Ryoichi Kasahara, Takashi Saida, "Temperature Insensitive and Ultra Wideband Silica-based Dual Polarization Optical Hybrid for Coherent Receiver with Highly Symmetrical Interferometer Design," Tu.3.LeSaleve.4, 37th European Conference and Exhibition on Optical communication 2011 (September 18-22, 2011, Geneva, Switzerland). 株式会社フォトニックラティス、「光通信用 領域分割波長板」、http://www.photonic-lattice.com/ja/products/region-segmentation-polarizer/waveplate-for-digital-coherent-communication-devices/ Nobuhiro Kawatsuki, Tetsuro Kawakami, and Tohei Yamamoto, "A Photoinduced Birefringent Film with a High Orientational Order Obtained from a Novel Polymer Liquid Crystal," Adv. Mater. 2001, 13, No. 17, September 3, p1337-1339. 川月喜弘、小野浩司、「光配向性高分子液晶」、液晶、第7巻、第4号、2003、332(44)
偏光ビームスプリッタを多ポート分集積するアレイにおいて、隣接する光導波路のそれぞれに、異なる偏光方向の波長板を挿入するために、櫛歯状のフィルム型波長板を使用する技術が開示されている(特許文献3参照)。図3は、櫛歯状のフィルム型波長板を挿入した光波回路300を示す斜視図である。光波回路300は、Si基板301と、Si基板上301に形成された複数の光導波路302a〜302hと、複数の光導波路302a〜302hの光の導波方向と直交する方向に挿入されたフィルム形λ/2波長板303とを備える。
図3の光波回路300は、45度方向のポリイミド延伸フィルムをダイシングで櫛歯状にカットして、櫛歯状のフィルム型λ/2波長板303を作成し、複数の光導波路302a〜302hの光の導波方向と直交する方向に挿入している。この場合、フィルム型λ/2波長板303は光波回路300のすべての光導波路に対して挿入されるわけではなく、選択された光導波路のみに挿入される。従って、一部の光導波路のみ偏光され、偏波を90度回転する光導波路と、偏波を回転しない光導波路とを1つの基板内において実現している。
しかし、15μmの薄いポリイミド延伸フィルムを機械加工により櫛歯状にするのは困難であり、また、櫛歯状に形成されているため、機械的な強度に弱く、溝に容易に挿入することが困難であった。さらに、ポリイミドの波長板を切断して、パターン化するには250μmピッチが限界であり、それ以下のピッチのパターン化波長板は作製が困難である。また、単一の偏波の方向しか作成できないため、偏光ビームスプリッタ300に複数の偏波方向を与えることができないという問題点があった。
なお、フォトニック結晶により作成された領域分割波長板もあるが(非特許文献2参照)、基本的に結晶成長により製造されるので、非常に高価である。
一方、ディスプレイの分野では、近年、重合性液晶という配向可能な硬化性樹脂が開発されて、液晶ディスプレイの視覚依存性や色補償する位相差フィルムとして用いられている。また重合性液晶は、マスクを使った分割光配向やラビング配向により、分割パターン化した位相差フィルムを実現できるため、右目用と左目用の画素の偏波を90度回転させることにより、3Dテレビを実現している。
重合性液晶は、光配向膜上に塗布するとその配向方向に従って配向し、主に紫外線を照射するとその配向を保ったまま重合して高分子となるという特徴を持つ。従って配向後硬化させた重合性液晶は液晶と同じく大きな屈折率異方性(Δn=0.1〜0.2)を持つ。ポリイミドの波長板のΔnは0.05程度であるので、非常に大きいことがわかる。
従来の位相差フィルムは、延伸して異方性を持たせ、それを液晶ディスプレイに張り付けていたが、本重合性液晶を用いると基板に直接塗ることによって位相差膜を作製できるため、作業性が非常に上がり、さらにマスクによる分割光配向、マスクによる分割ラビング配向と組み合わせることにより、領域分割波長板を形成することができる。
一方で、波長板が50μm以上の厚さになると光導波路のロスが増大する。したがって、波長板の厚さは50μm以下(望むらくは20μm以下)とする必要があった。しかし、従来は、50μm以下の薄いガラス基板上に、光配向膜及び重合性液晶を塗布しUV硬化させると、変形により光波回路に形成した溝に挿入できない等の問題があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、光導波路に対し光軸を横断するように形成した溝に挿入することができる、50μm以下の薄い領域分割波長板が挿入された光波回路の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様は、ガラス基板上に光配向膜を塗布するステップと、前記光配向膜の第1の領域を第1の偏光方向に配向し、前記光配向膜の第2の領域を第2の偏光方向に配向するステップであって、前記第1の領域と前記第2の領域とは、分割してストライプ状に配置される、ステップと、前記光配向膜が配向された前記ガラス基板を、上面に光導波路が形成された光波回路の、前記光導波路の光軸と直交する方向に、前記光導波路上面から前記光導波路のコアを横断する深さまで形成された溝に挿入するステップであって、前記光導波路のピッチは、前記第1の領域と前記第2の領域とのピッチと一致する、ステップと、前記溝に、重合性液晶を充填するステップと、前記重合性液晶にUV光を照射して、前記重合性液晶を硬化させるステップとを備えたことを特徴とする。
また、本発明の第2の態様は、第1の態様の光波回路の製造方法であって、前記ガラス基板を前記溝に挿入するステップは、前記ガラス基板を、溝位置調整用ガラスに仮固定するステップと、前記溝位置調整用ガラスに仮固定された前記ガラス基板を、前記溝に挿入するステップと、前記溝位置調整用ガラスを動かして、前記溝の内壁に、前記ガラス基板の前記配向膜が塗布されていない面を密着させるステップとを備えたことを特徴とする。
また、本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様の光波回路の製造方法であって、前記ガラス基板には、アライメント用配向膜がさらに形成され、前記光波回路には、前記アライメント用配向膜のピッチに合わせた位置にアライメント用光導波路がさらに形成され、前記ガラス基板を前記溝に挿入するステップは、前記アライメント用光導波路の入力部に所定の偏光を入力し、前記アライメント用光導波路の出射部において所定の偏光子を介して受光した光が最大または最小強度となるように前記ガラス基板の前記溝の長手方向の位置を調整してアライメント調整を行うステップをさらに含むことを特徴とする。
また、本発明の第4の態様は、基板上面に光導波路が形成された光波回路であって、前記光導波路の光軸と直交する方向に、前記光導波路上面から前記光導波路のコアを横断する深さまで形成された溝と、前記溝に挿入される、配向膜が塗布されたガラス基板であって、前記光配向膜の第1の領域は第1の偏光方向に配向され、前記光配向膜の第2の領域は第2の偏光方向に配向され、前記第1の領域と前記第2の領域とは、分割してストライプ状に配置され、前記第1の領域と前記第2の領域とのピッチは、前記光導波路のピッチと一致する、ガラス基板と、前記溝に充填された重合性液晶であって、UV光が照射されることにより硬化される、重合性液晶とを備えることを特徴とする。
また、本発明の第5の態様は、第4の態様の光波回路であって、前記ガラス基板の前記配向膜が塗布されていない面側は、前記溝の内壁に密着され、前記ガラス基板の前記配向膜が塗布されている面側には、前記重合性液晶が充填されることを特徴とする。
波長板の面内長軸方向に沿って、位置毎に任意に位相差を付与した領域分割波長板であって、光導波路への挿入用途に適した透明性と薄型性を有し、機械的信頼性も高い波長板を簡易に実現することができる。
光導波路が形成された基板に波長板を挿入する様子を示す図である。 1つの溝に2つの波長板を挿入した、導波路型偏光ビームスプリッタを示す上面図である。 櫛歯状のフィルム型波長板を挿入した偏光ビームスプリッタを示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態にかかる光波回路に使用される領域分割波長版の製造工程を示す図である。(a)及び(b)は、光波回路の各製造工程を示し、図4(c)は、製造された領域分割波長板の上面図を示している。 図1の領域分割波長板を光波回路に組み込む工程を示す図である。(a)〜(e)は、領域分割波長板を光波回路に組み込む各工程を示している。 本発明の第2の実施形態にかかる光波回路に使用される領域分割波長板を示す図である。 図6に記載の領域分割波長板を光波回路に形成された溝に挿入する様子を示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図4は、本発明の第1の実施形態にかかる光波回路に使用される領域分割波長版の製造工程を示す図である。図4(a)及び(b)は、本発明の第1の実施形態にかかる領域分割波長板の各製造工程を示し、図4(c)は、製造された領域分割波長板の上面図を示している。
まず、工程401において、厚さ5〜15μm程度の極薄ガラス基板411を用意し、スピンコーティングによりガラス基板411に光配向膜412を塗布する(図4(a))。光配向膜は、厚さが40nm程度に形成される。
工程402において、ガラス基板411に塗布した光配向膜412の乾燥・硬化後、光配向膜412にUV直線偏波を照射し、分割光配向させて領域分割波長板410を作成する(図4(b))。分割光配向は250μmストライプピッチのメタルマスク413を用いて、UV直線偏波を90度方向に照射後、メタルマスク413をピッチ方向に250μm移動させて、UV直線偏波を0度方向に照射する。工程401及び402により、図4(c)に記載の領域分割波長板410が作成される。領域分割波長板410は、分割光配向により、90度の偏波方向を有する領域と、0度の偏波方向を有する領域とが、光配向膜上にストライプ状に配列される。90度の偏波方向を有する領域と、0度の偏波方向を有する領域とのピッチは、後述する光波回路の光導波路ピッチと一致している。なお、分割光配向は、ラビング配向により行うこともできる。
次に、領域分割波長板410の分割光配向した光配向膜412上に重合性液晶層を形成し、光波回路に組み込む。ここで、重合性液晶について説明する。重合性液晶は、モノマー状態で通常の液晶配向手段(ラビングした光配向膜あるいはUV照射した光配向膜)の上に塗布することで容易に配向でき、配向状態のまま、その液晶骨格の分子配列をUV光照射などにより固定化してフィルム化することができる(特許文献4〜6参照)。
重合性液晶は、通常の側鎖型高分子液晶と違って重合したポリマーが液晶相を示さず、熱的に安定な硬化物となる。これらの重合性液晶を用いて、液晶骨格がホモジニアス配向、スーパーツイストネマチック(STN)配向、あるいはパターン配向を形成している位相差フィルムや場所によりリターデーションが異なる位相差フィルムなどが実用化されている。特に液晶ディスプレイの位相差補償フィルムとしては、従来延伸フィルムが用いられてきたが、さらに薄く、簡易に塗布できる重合性液晶位相差フィルムが実用化されているし、3Dテレビ用に、パターン化した位相差フィルムも実用化されている。
また、重合性液晶はバルキーな棒状分子を含んでおり、光配向膜上に塗布した場合、光配向膜の配向方向に沿って、棒状分子が整列することが知られている。重合性液晶は、棒状分子の向きに応じて、屈折率異方性が大きく、複屈折性を示す。そのため、UV光を照射すると、異方性を保持したまま、光重合し、硬化する。結果として、形成した配向パターンに応じて、位相差を付与する領域分割波長板を作製できる。
ここで、光波回路の光導波路を横切るように形成した溝は、幅Lが大きいほど損失が大きくなる。したがって、溝の幅Lを20μm以下に制限するのがよい。これにより、極力損失を低減し、解析的には通常の0.35パーセントΔ程度で溝と領域分割波長板による損失を0.5dB以下に抑制するよう設計する。さらに、この溝への領域分割波長板の挿入を実現するために、本発明では、基板を5〜15μmの極薄ガラス板とすると、重合性液晶層の厚みは15μm以下となり、リタデーション(面内位相差)を0またはλ/2、或いはλ/4、−λ/4と制御できる。この結果、溝内において、低損失(通常Δで0.7dB以下)を保ちつつ、狭い導波路ピッチでも、複数の光導波路への位相付与を一括で行うことができる。
光配向膜412を塗布して分割光配向させたガラス基板411に直接重合性液晶膜を形成した領域分割波長板を、光波回路の光導波路内にダイシングまたはリソグラフィなどで形成した溝に挿入すると、領域分割波長板を挿入した光波回路が実現される。
しかし、溝の幅Lを20μmとすると、ガラス基板は5μm〜15μm程度に形成しなければならない。このとき、光配向膜を塗布した5μm〜15μm程度の極薄のガラス基板上に直接重合性液晶を塗布し、UV光を照射して硬化させると、重合性液晶を硬化した際の熱応力や硬化収縮に起因して、ガラス基板に反りが生じることがある。例えば、15μm厚の基板に重合性液晶を塗布して硬化させた場合は、ガラス基板に1μm程度の反りが生じることが実験により明らかとなった。ガラス基板に反りが生じた場合、領域分割波長板を光波回路上の溝に挿入する作業が非常に困難となり、また、光波回路の一部の光のポートが受ける複屈折が、反りに起因して斜入射することとなり、各々のポートの位相制御がずれることになる。
そこで本実施形態においては、光波回路に形成した溝に配向膜を塗布したガラス基板をあらかじめ挿入し、その後溝内に重合性液晶を充填し、UV光を照射して重合性液晶を硬化させる。光配向膜は非常に薄い(40nm)ため、光配向膜のみ塗布したガラス基板は反りが少なく、また、溝とガラス基板とのクリアランスが広いため、ガラス基板の挿入が容易である。さらに、溝の形成をリソグラフィなどで厳密に制御することで、溝幅が所定の値に規定されていることとなり、溝内での反りなどが発生しにくくなる。光配向膜を塗布したガラス基板上に直接重合性液晶を塗布し、UV光を照射して硬化させるよりも、溝幅とガラス基板厚で重合性液用の厚みが一様に決まるため、領域分割波長板の厚みムラが発現しにくい。結果として、より高精度、簡易な光導波路への位相付与が実現できる。以下、重合性液晶層形成の工程及び領域分割波長板の光波回路への組み込みについて、具体的に説明する。
図5は、図1の領域分割波長板を光波回路に組み込む工程を示す図である。図5(a)〜(e)は、領域分割波長板を光波回路に組み込む各工程を示している。工程501において、領域分割波長板410を、溝位置調整用ガラス板521に仮固定する(図4(a))。領域分割波長板410の溝位置調整用ガラス板521への配置方法は、領域分割波長板410の平面方向が、溝位置調整用ガラス板521平面方向と垂直かつ分割光配向された光配向膜412のピッチ方向がガラス板521と平行になるように立てる。仮固定は、ワックスや、水溶性樹脂などを用いればよい。
工程502において、光波回路530を用意する。光波回路530は、基板531上面に複数の光導波路532が形成され、光導波路の光の導波方向と垂直方向に、光導波路532のコアを横断する深さまで溝533が形成されている。溝533はダイシングまたはリソグラフィ等により幅20μmに形成される。次に、溝位置調整用ガラス板521を裏返し、領域分割波長板410を溝533に挿入する(図5(b))。領域分割波長板410を溝に挿入した後、溝位置調整用ガラス板521を溝533壁面の一方に向けて動かし、配向膜512が塗布されていないガラス基板511裏面と、溝533壁面の一方とを密着させる。
工程503において、光波回路530に形成された溝533内に重合性液晶534を充填する(図5(c))。ここで領域分割波長板410の厚みは5〜15μmであり、溝533の幅は、同様20μm程度である。溝533の幅と領域分割波長板410の厚みの差分だけ溝533の間に重合性液晶が充填される。なお、配向膜512が塗布されていないガラス基板411の裏面側にも表面粗さに応じて、わずかに重合性液晶534が充填されるが、これは位相には影響しないほど微小である。溝533に重合性液晶534を充填することにより、光導波路532の光路上には空気が存在しなくなり、空気とのフレネル反射は抑制されている。
工程504において、溝533にUV光を当てる(図5(d))。UV光を照射することにより、重合性液晶534を硬化させる。重合性液晶534が硬化することにより、分割光配向した光配向膜上に重合性液晶層が形成される。
工程505において、ワックス等を溶かして、溝位置調整用ガラス板521を領域分割波長板410から剥がすと(図5(e))、領域分割波長板が溝533内に挿入されたまま残る。必要に応じて、光波回路530上面から波長板保護樹脂等を塗布してもよい。
[第2の実施形態]
図6は、本発明の第2の実施形態にかかる光波回路に使用される領域分割波長板600を示す図である。また、図7は、図6に記載の領域分割波長板600を光波回路700に形成された溝に挿入する様子を示す図である。領域分割波長板600は、ガラス基板601上に光導波路用位相差パターンとなる配向膜602が形成され、90度の偏波方向を有する領域と、0度の偏波方向を有する領域とが、ストライプ状に配列されている。また、光導波路用位相差パターン602のピッチ方向両側に、アライメント用位相差パターンとなるアライメント用配向膜603が形成される。
光波回路700は、基板701上に光導波路702が形成される。ここで、光導波路702にはアライメント用光導波路703も形成されている。溝704は、光導波路703及びアライメント導波路703の光の導波方向と直交して形成される。
配向膜602は、光導波路用位相差パターンが光波回路700の光導波路702のピッチに合わせて形成される。また、アライメント用配向膜603は、光波回路700に形成されたアライメント用光導波路703の位置に合わせて配置される。アライメント用光導波路703は、領域分割波長板600の配向膜602の光導波路用位相差パターンと光波回路700の光導波路702との位置合わせを行うものであり、アライメント用配向膜603は、より高精度にアライメントを実現するため、配向膜602の光導波路用位相差パターンよりもその位相幅が狭く、およそ20μm以下に設計する。なお、アライメント用配向膜603の位相としては、λ/2などが好ましいが、その位相差にこだわらない。また、光を吸収する樹脂を塗布するなど、アライメントができる構造を同時に領域分割波長板に形成してあれば、同様の効果を実現できる。
領域分割波長板600の作成方法は、第1の実施形態(図4)の工程401及び402と同様の方法である。ここで、工程402に使用されるメタルマスク413は、アライメント用配向膜も形成できるようなパターンも形成されている。
領域分割波長板600を光波回路700の溝704に挿入する際には、偏波保持ファイバにより、光波回路700に形成されたアライメント用光導波路703に、TE波またはTM波を入力する。アライメント用光導波路703の出射部において偏光子を介して光パワーを受けて、最大または最小強度が得られる位置に領域分割波長板600の位置を調心する。これにより、各々の光導波路の位置と、光導波路用位相差パターンの中心部とを精密に位置合わせすることができ、位相変化部により、位相差なまりを受ける影響を低減した、高精度な位置合わせを実現することができる。その後、溝704に重合性液晶を充填し、UV光により硬化させる。
[実施例]
第1及び代の実施形態の光波回路これらを利用した例として、デジタルコヒーレント用受信光波回路や、偏波ビームスプリッタ(PBS)アレイなどが挙げられる。PBSとしては、例えば、図2のようにY分岐カプラとλ/2と0の位相差またはY分岐カプラと+λ/4、−λ/4の位相差を付与し、再度2×2MMIカプラに結合させることで実現される。また、全体の回路構成や、空間回路構成に応じては、偏波をTE、TMに分けたのち、どちらか一方を、90°偏波回転させ、その後は同一偏波として処理することも求められる。そのような用途では、本発明の領域分割波長板を2枚挿入し、一方を偏波ビームスプリッタとして機能させ、一方は片方の偏波に位相を0、片方の偏波に位相をλ/2付与することで実現できる。なお、位相差0の配向には、配厚膜を形成しないなどすることで、本発明と同様に実現できる。
101、201、301、531、701 Si基板
102、202、204、205、207、208、302a〜302h、532、702 光導波路
103 光波回路
104、212、433 溝
105、212、213、303 波長板
203 Y分岐カプラ
206 2×2MMI
411、501 ガラス基板
412、502 光配向膜
413 ストライプ状メタルマスク
530、700 光波回路
534 重合性液晶
410、500 領域分割波長版
521 溝位置調整用ガラス板
603 アライメント用配向膜
603 アライメント用光導波路

Claims (5)

  1. ガラス基板上に光配向膜を塗布するステップと、
    前記光配向膜の第1の領域を第1の偏光方向に配向し、前記光配向膜の第2の領域を第2の偏光方向に配向するステップであって、前記第1の領域と前記第2の領域とは、分割してストライプ状に配置される、ステップと、
    前記光配向膜が配向された前記ガラス基板を、上面に光導波路が形成された光波回路の、前記光導波路の光軸と直交する方向に、前記光導波路上面から前記光導波路のコアを横断する深さまで形成された溝に挿入するステップであって、前記光導波路のピッチは、前記第1の領域と前記第2の領域とのピッチと一致する、ステップと、
    前記溝に、重合性液晶を充填するステップと、
    前記重合性液晶にUV光を照射して、前記重合性液晶を硬化させるステップと
    を備えたことを特徴とする光波回路の製造方法。
  2. 前記ガラス基板を前記溝に挿入するステップは、
    前記ガラス基板を、溝位置調整用ガラスに仮固定するステップと、
    前記溝位置調整用ガラスに仮固定された前記ガラス基板を、前記溝に挿入するステップと、
    前記溝位置調整用ガラスを動かして、前記溝の内壁に、前記ガラス基板の前記光配向膜が塗布されていない面を密着させるステップと
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の光波回路の製造方法。
  3. 前記ガラス基板には、アライメント用配向膜がさらに形成され、
    前記光波回路には、前記アライメント用配向膜のピッチに合わせた位置にアライメント用光導波路がさらに形成され、
    前記ガラス基板を前記溝に挿入するステップは、前記アライメント用光導波路の入力部に所定の偏光を入力し、前記アライメント用光導波路の出射部において所定の偏光子を介して受光した光が最大または最小強度となるように前記ガラス基板の前記溝の長手方向の位置を調整してアライメント調整を行うステップをさらに含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の光波回路の製造方法。
  4. 基板上面に光導波路を備える光波回路であって、
    前記光導波路の光軸と直交する方向に、前記光導波路上面から前記光導波路のコアを横断する深さを有する溝と、
    前記溝に挿入される、光配向膜が塗布されたガラス基板であって、前記光配向膜の第1の領域の配向方向を第1の偏光方向とし、前記光配向膜の第2の領域の配向方向を第2の偏光方向とし、前記第1の領域と前記第2の領域との配置は、分割されたストライプ状であって、前記第1の領域と前記第2の領域とのピッチが、前記光導波路のピッチと一致した、ガラス基板と、
    前記溝に充填された重合性液晶であって、紫外線硬化性の重合性液晶と
    を備えることを特徴とする光波回路。
  5. 前記ガラス基板の前記光配向膜が塗布されていない面側は、前記溝の内壁に密着され、前記ガラス基板の前記光配向膜が塗布されている面側には、前記重合性液晶が充填されることを特徴とする請求項4に記載の光波回路。
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