JP6499495B2 - ワーク位置決め移動方法及び加工装置 - Google Patents
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Description
そこで、従来、その振動の影響を回避して高精度の加工を可能にする工夫が提案されている。
例えば、特許文献1では、ワークの移動速度の減速時間及び移動停止後のパンチング開始までの時間(以下、必要遅延時間とも称する)を長くし、振動が収まった状態でパンチング加工を行うことで高精度の加工が可能になるパンチプレスが提案されている。
そのため、ワークの位置決め移動工程を含めた加工全体に要する時間は、短縮が難しく、市場からは、高精度の加工が可能でありつつトータルの加工時間が短いパンチプレスなどの加工装置が求められている。すなわち、振動の影響を回避しながらワークの位置決め移動時間をできるだけ短縮する工夫が必要になっている。
1) ワークテーブルに載置したワークを、制御部の制御によって所定の加工位置に位置決め移動させるワーク位置決め移動方法であって、
前記加工位置が前記ワークの表面又は前記ワークテーブルの表面において予め仮想分割設定された複数の領域のどの領域に含まれるかを判定する領域判定ステップと、
前記判定した領域に対応した移動プロファイルを選択設定する移動プロファイル設定ステップと、
選択設定した前記移動プロファイルに基づいて前記ワークを移動させる移動ステップと、
を含むことを特徴とするワーク位置決め移動方法。
2) 前記領域判定ステップよりも前に、前記ワークの仕様が、予め設定された所定の仕様に該当するか否かを判定するワーク仕様判定ステップを含み、
前記ワーク仕様判定ステップにおいて前記所定の仕様に該当すると判定した場合に、前記領域判定ステップを行うことを特徴とする1)に記載のワーク位置決め移動方法である。
3) 前記複数の領域を、格子状に仮想分割設定することを特徴とする1)又は2)に記載のワーク位置決め移動方法である。
4) 前記ワーク仕様判定ステップは、前記仕様を、外形寸法として判定することを特徴とする2)に記載のワーク位置決め移動方法である。
5) ワークを所定の加工位置に位置決め移動させて加工を行う加工装置であって、
前記ワークが載置されるワークテーブルと、
前記ワークを前記加工位置に位置決め移動させるワーク移動部と、
前記ワーク移動部の動作を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、
前記加工位置が前記ワークの表面又は前記ワークテーブルの表面において予め仮想分割設定された複数の領域のどの領域に含まれるかを判定すると共に判定した前記領域に対応した移動プロファイルを選択設定し、
選択設定した前記移動プロファイルに基づいて前記ワークを移動させるよう前記ワーク移動部を制御することを特徴とする加工装置である。
6) 前記制御部は、
前記ワークの仕様が、予め設定された所定の仕様に該当するか否かを判定するワーク仕様判定部を有し、
前記ワーク仕様判定部によって、前記ワークの仕様が前記所定の仕様に該当すると判定された場合に、
前記加工位置が前記ワークの表面又は前記ワークテーブルの表面において予め仮想分割設定された複数の領域のどの領域に含まれるかを判定すると共に判定した前記領域に対応した移動プロファイルを選択設定し、
選択設定した前記移動プロファイルに基づいて前記ワークを移動させるよう前記ワーク移動部を制御することを特徴とする5)に記載の加工装置である。
7) 前記仕様は、外形寸法であることを特徴とする6)に記載の加工装置である。
ベースキャリッジ7は、X軸方向に延設されモータMXにより回転するボールねじ軸9と、ボールねじ軸9に螺合するキャリッジ11と、を有する。キャリッジ11は、ボールねじ軸9の回転によりX軸方向に移動する。
キャリッジ11は、ワークWを把持するための複数のクランパ13を有している。モータMX及びモータMYの動作は、制御部1Cにより制御される。
ベースキャリッジ7のY軸方向の位置は、エンコーダEyにより検出される。エンコーダEyは、検出したベースキャリッジ7のY軸方向の位置を示す位置情報S2を、制御部1Cに向け出力する。
プレス制御部25は、ラムシリンダ3の動作を制御する。また、ラムシリンダ3からは、パンチDPの位置などを示すシリンダ動作情報などがフィードバックされる。
軸制御部27は、モータMX及びモータMYの動作を制御する。また、エンコーダEx及びエンコーダEyからの位置情報S1及び位置情報S2を受信する。
作業者による操作の指示や、加工プログラムやワーク加工情報などのデータは、外部(又は内部)の入力部31を介してNC部21に送られる。
NC部21は、送られてきたプログラムやデータを、記憶部23に記憶させる。また、NC部21は、パンチプレス1の動作状況や動作結果を、必要に応じて外部(又は内部)の出力部33に出力させる。
データテーブルTBには、ベースキャリッジ7とキャリッジ11とをそれぞれY軸方向とX軸方向に移動させる際の移動プロファイルP−7,P−11が格納されている。以下、移動プロファイルP−7,P−11を総称して移動プロファイルPと称する。
NC部21は、軸制御部27を介し、ワークWがこの移動プロファイルPに基づく移動をするようモータMx,Myを制御する。
この複数の移動プロファイルPについて、図3〜図10を参照して説明する。
図3(a)は、ワークWを複数のクランパ13で把持した図1に示された状態を示す平面図であり、図3(b)はその右側面図である。
(イ)領域分割処理と(ロ)位置依存処理とのいずれを用いるかは、NC部21によって出力部33から出力される処理選択情報(画面表示など)により、使用者が入力部31を介して適宜選択設定できるようになっている。
図3(a)に示されるように、ワークWは矩形を呈し、各辺が、ワーク移動部1BにおけるX軸及びY軸沿う姿勢で複数のクランパ13によって把持されている。この例では、三つのクランパ13により、X軸に沿う一方の辺Wa側が把持されている。
従って、図3(b)にも示されるように、辺Waに対向する辺Wb側は自由端となり、ワークWは、実質的に片持ち梁として振るまう。
そのため、位置決めの移動に起因して振動が生じると、その振幅Haは、基本的に、辺Waから離れるほど大きくなり、辺Wb端で振幅Haは最大振幅Ha1となる。
領域分割処理として、一軸分割処理及び二軸分割処理を説明する。
(イ−1)一軸分割処理
一軸分割処理は、ワークWの表面(加工領域)Wsを一軸方向に複数分割し、分割した領域毎に移動プロファイルPを設定することで、加工位置PTと移動プロファイルとを関連付けする処理である。この場合、ワークWの位置決め移動で用いる移動プロファイルPは、移動後の最初の加工を行う位置を含む領域に設定されたものを用いる。
詳しくは、ワークWの表面WsをY軸方向に分割し、辺Wa側から領域AY1〜AY3を設定する。より詳しくは、位置Yaの分割線LN1及び位置Ybの分割線LN2で三分割する。
領域AY1〜AY3それぞれに移動プロファイルP1〜P3(図5参照)を対応付けする。この対応付けは、ワークWを移動させた場合の振動振幅が大きくなる領域ほど、位置決め移動時の加速度が小さくなるように設定している。
すなわち、図5に示されるように、移動プロファイルP1(ta1,tc1)〔実線〕、移動プロファイルP2(ta2,tc2)〔一点鎖線〕、移動プロファイルP3(ta3,tc3)〔二点鎖線〕としたときに、ta1<ta2<ta3の順とする。また、等速移動の維持終了時間である時間tbを同じとして、さらに、tc1<tc2<tc3の順とする。
もちろん、各移動プロファイルP1〜P3の位置決め移動距離は同じに設定される。
NC部21は、加工プログラムから、位置決めすべき次の加工位置PTの情報を取得する(Stepイ1)。
NC部21は、取得した加工位置PTが領域AY1〜AY3のいずれに含まれるかを判定する(Stepイ2)。
領域AY1に含まれると判定した場合、移動プロファイルPを、データテーブルTBに格納された移動プロファイルP1に設定する(Stepイ3)。
領域AY2に含まれると判定した場合、移動プロファイルPを、データテーブルTBに格納された移動プロファイルP2に設定する(Stepイ4)。
領域AY3に含まれると判定した場合、移動プロファイルPを、データテーブルTBに格納された移動プロファイルP3に設定する(Stepイ5)。
また、分割線LN1,LN2は、直線でなくてもよく、曲線としてもよい。
例えば、分割線LN1,LN2を、X軸方向の中央部位が左右端部よりも辺Waから遠くなるように図4の上方に凸となる曲線で設定してもよい。
図3に示されたワークWの把持態様において、X軸方向にも着目するならば、振動時の振幅は、X軸方向の中央部位よりも、図3における左端部位及び右端部位(X軸方向の端部部位)の方が大きくなり易い。
そこで、二軸分割処理においては、ワークWの表面Wsを、Y軸方向に加えX軸方向にも振幅に応じて分割し、分割した各領域に移動プロファイルPを設定することで、加工位置と移動プロファイルとを関連づけする。この場合も、ワーク移動で用いる移動プロファイルPは、位置決め移動後の最初の加工を行う位置を含む領域に設定されたものを用いる。
ワークWの表面Wsを一軸分割処理でY軸方向に複数分割する。図7に示される例では、位置Ydの分割線LN3により領域AY4と領域AY5とに二分割している。更にX軸方向について、位置Xaの分割線LN4と位置Xbの分割線LN5とにより、領域AX1〜領域AX3に三分割している。
この場合の移動プロファイルP4,P5は、例えば一軸分割処理の場合と同様であり、一例が図5に併せて示されている。また、移動プロファイルP4と移動プロファイルP5との移動距離は同じに設定される。
NC部21は、加工プログラムから、位置決めすべき次の加工位置PTの情報を取得する(Stepロ1)。
NC部21は、取得した加工位置PTが領域A51に含まれるか否かを判定する(Stepロ2)。
領域A51に含まれると判定した場合、移動プロファイルPを、データテーブルTBに格納された移動プロファイルP5に設定する(Stepロ3)。
領域A51に含まれないと判定した場合、領域A53に含まれるか否かを判定する(Stepロ4)。
領域A53に含まれると判定した場合、(Stepロ3)を実行して移動プロファイルPを、データテーブルTBに格納された移動プロファイルP5に設定する。
領域A53に含まれないと判定した場合、移動プロファイルPを、データテーブルTBに格納された移動プロファイルP4に設定する(Stepロ5)。
NC部21は、パンチング加工に先立ち、データテーブルTBに格納され利用可能な分割処理方法(一軸分割処理及び二軸分割処理)及び移動プロファイルPの種類を、使用者が選択可能な態様で出力部33等から出力させる。使用者は、その出力を受け、入力部31から選択内容を入力する。
すなわち、NC部21は、位置決め動作に際し、加工プログラムやワーク加工情報から、位置決め動作後に最初にパンチング加工する位置を求め、その位置が、使用者が選択した分割処理方法においてどの領域に含まれるかを判定する。
NC部21は、判定により得た領域に対応する移動プロファイルPを、データテーブルTBから取得する一方、エンコーダEx,Eyからの位置情報S1,S2によりワークWの現在位置を把握し、ワークWが、現在位置から加工位置までの距離を取得した移動プロファイルPに基づいて移動するようにモータMX及びモータMYの動作を制御して位置決め動作を実行する。
位置依存処理は、領域分割をすることなく、ワークWの表面に設定した基準位置Mに対する加工位置の座標等に応じた特性の移動プロファイルを生成し、移動プロファイルPとして設定することで、加工位置を移動プロファイルとを関連付けする処理である。
図9に示されるように、基準位置Mは、例えばクランパ13に把持される辺Wa上の中点とする。この位置は、Y軸方向ではワークWを片持ち梁とみたときの支持端であり、X軸方向では左右端から遠く、最も振幅が少なくなり得る位置である。
この基準位置Mは、ワークの形状や質量、クランパ13による把持位置などに応じて、振動振幅が最も小さくなると推察される位置に設定するとよい。
このパラメータQの導出式は、例えば、Q=|Xm|+Ym とする。この導出式は、ワークWの材質や形状に応じて予め複数種類設定し、記憶部23に記憶させておく。
詳しくは、原則として、加工位置となる位置Maが基準位置Mから離れるに従って速度変化の度合いを小さくするように設定する。
図10に示されるように、パラメータQに依存する移動プロファイルPQは、速度が0(ゼロ)からv=vaに達するまでの時間を、時間tam1〜時間tam2の間(範囲Na)でパラメータQの値に応じて特性を設定する。また、v=vaなる速度が減少開始する時間をtbで一定としたときに、速度vが0(ゼロ)になる時間を、時間tcm1〜時間tcm2の間(範囲Nc)でパラメータQの値に応じて特性を設定するものである。
また、加工位置である位置Maが最も振幅の大きくなると推察される角部Mb(−Xc/2,Yc)又は角部Mc(+Xc/2,Yc)であった場合、パラメータQは最大値のQ=Xc/2+Ycとなるので、移動プロファイルPQを、加速度が最も小さくなる移動プロファイルPm2とする。
このようにして、任意の位置Maに応じて算出されるパラメータQの値に応じた特性の移動プロファイルPQを生成設定する。
もちろん、設定され得る任意の移動プロファイルPQの移動距離は、すべて同じになるよう設定される。
NC部21は、パンチング加工に先立ち、データテーブルTBに格納された複数の導出方法及び移動プロファイルPQを、使用者が選択可能な態様で出力部33等から出力させる。
この態様に応じて使用者が導出方法及び移動プロファイルPQを選択したら、NC部21は、エンコーダEx,Eyからの位置情報S1,S2によりワークWの現在位置を把握し、ワークWが、現在位置から加工位置までの距離を選択された導出方法及び移動プロファイルPQに基づいて移動するようにモータMX及びモータMYの動作を制御して位置決め動作を実行する。
詳しくは、振動振幅が所定値よりも大きくなる部位の場合、その所定値よりも小さくなる部位の場合よりも移動時の加速度が小さくなる移動プロファイルに基づいて位置決め移動を実行するようになっている。
これにより、振動振幅が小さい部位の場合は、もともと加工精度への影響が小さく高精度の加工が行えるので大きい加速度で移動させて位置決めを短い時間で行い、振動振幅が大きい部位の場合は、加工精度への影響が大きいので、より小さい加速度で移動させて生じる振動の振幅を抑制し、高い加工精度でパンチングなどの加工ができるようになっている。
すなわち、実施例のパンチプレス1によれば、高精度の加工が可能でありながらワークの位置決め時間を短くすることができる。
パンチプレス1は、制御部1Cに置き換えて、図11に示される制御部1CAを備えていてもよい。図11は、図1における制御部1Cに相当する部分のみを抽出し、制御部1CAに置き換えた図である。
図11に示されるように、制御部1CAは、制御部1Cに対しさらにワーク仕様判定部28を有する。ワーク仕様判定部28は、NC部21との間で情報を授受する。
閾値は、予め、必要仕様の各値、各仕様態様を変えた様々な条件で測定をして求め、設定し、必要仕様のデータと共にデータテーブルTBに格納しておく。
閾値の設定基準は、例えば、基準となる加工精度を十分に確保できるか否か、である。
必要仕様は、例えば、ワークWの外形寸法、質量、厚さ、材質、重心位置である。
ワークの外形寸法には、ワークWが定尺材であるか非定尺材であるか、ワークが矩形の場合の短辺寸法及び長辺寸法、などが含まれる。
例えば、外形寸法が大きいほど、質量が大きいほど、或いは厚さが厚いほど、位置決め移動において振動振幅が大きくなり易いので、許容限界となる振動振幅に応じて閾値を設定する。
詳しくは、ワークWをクランパ13で把持した状態で、Y軸方向の長さが閾値未満の場合、移動プロファイルPを適用しない、と判定する。これにより、位置決め移動は、常に加速度が最大となるように実行される。
この判定理由は、求められる加工精度によっては、ワークWの外形寸法においてY軸方向の長さが短い場合、位置決め移動を最大加速度で行っても生じる振動が比較的小さく、実質的に不具合が生じない場合があることによる。
この判定は、領域分割処理と位置依存処理とのいずれにおいても適用し、実行可能である。
ワークWが定尺材の場合、クランパ13による把持状態で、Y軸方向の長さとなる短辺に閾値としてαmmを、測定結果などから例えばα=1000mmと設定する。設定した閾値α(=1000mm)は、必要仕様であるワークの外形寸法と紐付けして、データテーブルTBに予め格納しておく。
そして、加工対象のワークWの短辺寸法とこの閾値αとを比較する。
詳しくは、加工対象のワークWが、短辺寸法914mmで閾値α未満となる定尺3×6材(定尺3×8材も同様)の場合、移動プロファイルPは不適用とし、短辺寸法が閾値α以上となる例えば定尺4×8材などの場合、移動プロファイルPの適用対象にする、と判定する。
また、閾値αは、1000mmというような単に数値で示される寸法(以下数値寸法と称する)で設定するものに限らない。設定加工するワークWが定尺材であるならば、必要仕様をワークの定尺での寸法とし、その定尺での寸法に紐付けする閾値αも定尺での寸法としてよい。
具体的には、必要仕様として、3×6,3×8,4×8,5×10といった定尺表記での寸法(定尺寸法)を設定し、閾値αを例えば3×6の定尺寸法で設定する。
ワークWとして、定尺材と非定尺材との両方を使用する場合、数値寸法と定尺寸法との両方を、予めデータテーブルTBに格納しておくとよい。
必要仕様とそれに紐付けした閾値αとは、数値寸法と定尺寸法とのいずれで設定した場合でも、データテーブルTBに予め格納しておき、判定の際に参照する。
これについて、閾値α=1000mmとして図12を参照して説明する。
ワークテーブル2の外形寸法3050×1525mmに対応し、既述の二軸分割処理によって領域A51及び領域A53(図7参照)が、左上隅部及び右上隅部に設定されている。
領域A51及び領域A53には、それぞれ移動プロファイルPRとして移動プロファイルP4及び移動プロファイルP5が対応づけられている。
また、領域A51及び領域A53以外の領域には、移動プロファイルPRを対応づけせず設定しないものとする。
この場合、ワーク仕様判定部28は、ワークW36に対する最初の加工位置が領域A51に含まれていても、移動プロファイルPRは不適用、と判定する。
すなわち、ワークW36については、Y軸方向の外形寸法となる短辺寸法が閾値α未満であるため、位置決め移動後の最初の加工位置によらず移動プロファイルPRを適用しない、と判定する。
ワーク仕様判定部28は、ワークW48に対する位置決め移動後の最初の加工位置が領域A51又は領域A53に含まれている場合、それぞれ移動プロファイルPRを適用して、ワーク48の位置決め移動を行う。
すなわち、ワークW48については、Y軸方向の外形寸法となる短辺寸法が閾値α以上となるので、位置決め移動後の最初の加工位置に応じて移動プロファイルPRを適用する、と判定する。
図13に示されたフローは、前段の判定ブロックAAと後段の選択ブロックABとの二つのブロックで構成されている。
プロファイル適用判定手順例は、フロー前段の判定ブロックAAに該当する。
また、フロー後段の選択ブロックABは、図6及び図8に示された移動プロファイルの選択手順例に該当する。
選択ブロックABの実行は、ワーク仕様判定部28が判定ブロックAAに引き続いてそのまま受け持ってもよいし、NC部21が判定ブロックAAの結果に基づいて実行してもよい。ここでは、ワーク仕様判定部28が選択ブロックABも受け持つものとして説明する。
(StepA2)で否(No)と判定したら、ワークWを移動プロファイルPRの適用対象とし(StepA5)、選択ブロックABへ移行する。
(StepA6)で、是(Yes)と判定したら、(StepA3)へ移行する。
(StepA6)で、否(No)と判定したら、ワークWを移動プロファイルPRの適用対象とし(StepA7)、選択ブロックABへ移行する。
まず、加工位置PTを加工ブログラムから、位置決め移動後の最初の加工位置PTの情報を取得する(StepA8)。
(StepA9)で、否(No)と判定したら、選択ブロックABを外れ、(StepA4)へ移行し、移動プロファイルPRを設定せずに終了する。
(StepA9)で、是(Yes)と判定したら、加工位置PTが領域A53に含まれるか否かを判定する(StepA10)。
(StepA10)で、是(Yes)と判定したら、移動プロファイルPRを、データテーブルTBに格納された移動プロファイルP5に設定し(Step12)、終了する。
これでプロファイル適用判定及びプロファイルの選択手順を終える。
この場合、プロファイル適用判定後においてワークWに対し行う次加工の加工精度レベルを、判定前に入力部31から入力して記憶部23に記憶させておく。
ワーク仕様判定部28は、判定に際し、記憶部23に記憶された加工精度レベルを参照し、加工精度レベルが高精度であるほど、プロファイルを適用する領域を拡張する、移動プロファイルP,PQ,PRにおける加速度を低下させる、プロファイルを適用する材料寸法を小さくする、などの設定値調整を行う。
これにより、移動プロファイルP,PQ,PRの適用が不要とされる加工において、ワークWの位置決め移動を最高加速度で実行するので、位置決め移動時間をより効果的に短縮することができる。
ここまでデータテーブルTBに格納される必要仕様を外形寸法とした例に説明をしたが、必要寸法を例えば厚さと場合、紐付けする閾値は数値寸法(例えばγmm)で設定しデータテーブルTBに格納しておく。また、材質の場合は、移動プロファイルの適用対象とすべき材質(例えばステンレス)を設定しデータテーブルTBに格納しておく。
そして、ワーク仕様判定部28は、記憶部23に記憶された加工データから取得した板厚や材質の情報と、データテーブルTBから取得した各必要仕様の閾値などと、を比較する。
例えば、取得した板厚情報からワークの板厚が2mmであると把握され、データテーブルTBから取得した閾値γが3mmと設定されている場合、移動プロファイルは適用しない、と判定する。
また、取得した材質情報からワークの材質がステンレスと把握され、必要仕様の適用材質としてステンレスが設定されている場合、移動プロファイルの適用対象にする、と判定する。
ワーク仕様判断部28が行う判定は、一種の必要仕様で行うことに限定されず、複数種の必要仕様を組み合わせて行っても良い。
また必要仕様が質量や重心位置の場合は、記憶部23に記憶された加工データから取得した板厚及び材質の情報、並びに、ワーク寸法情報に基づいて、加工するワークWの質量や重心位置を演算で求める。そして、得られた質量や重心位置と、データテーブルTBに記憶された質量や重心位置の閾値と、を比較し、移動プロファイルを適用するか否かの判定を行うようにする。
上述の移動プロファイルP,PQ,PRは、パンチングなどの加工の開始時間を束縛するものではない。ワークWの速度が0(ゼロ)となった時点で加工を開始してもよいし、速度が0(ゼロ)となってから所定時間を経て加工を開始してもよい。
実施例では、ワーク位置決め移動方法をパンチング加工をするパンチプレス1に適用した例を説明したが、パンチング加工(パンチプレス)に限定されず、他の加工(加工装置)に適用してもよい。例えば、レーザによる切断加工や表面加工に適用できる。
パラメータQの導出式は、上述した式に限定されるものではなく適宜設定してよい。
1A パンチ部、 1B ワーク移動部、 1C 制御部
2 ワークテーブル
3 ラムシリンダ
5 ボールねじ軸
7 ベースキャリッジ
9 ボールねじ軸
11 キャリッジ
13 クランパ
21 NC部
23 記憶部
25 プレス制御部
27 軸制御部
28 ワーク仕様判定部
31 入力部
33 出力部
AA 判定ブロック、 AB 選択ブロック
A51,A53 領域、 AX1〜AX3 領域、 AY1〜AY5 領域
DD ダイ、 DP パンチ
Ex,Ey エンコーダ
Ha 振幅、 Ha1 最大振幅
M 基準位置、 Ma 位置
MX,MY モータ
LN1〜LN5 分割線
P,P−7,P−11,P1〜P5,PQ,Pm1,Pm2,PR 移動プロファイル
PT 加工位置
Q パラメータ
S1,S2 位置情報
TB データテーブル
Xa,Xb 位置、 Ya,Yb 位置
W ワーク、 Wa,Wb 辺、 Ws 表面
α 閾値
Claims (7)
- ワークテーブルに載置したワークを、制御部の制御によって所定の加工位置に位置決め移動させるワーク位置決め移動方法であって、
前記加工位置が前記ワークの表面又は前記ワークテーブルの表面において予め仮想分割設定された複数の領域のどの領域に含まれるかを判定する領域判定ステップと、
前記判定した領域に対応した移動プロファイルを選択設定する移動プロファイル設定ステップと、
選択設定した前記移動プロファイルに基づいて前記ワークを移動させる移動ステップと、
を含むことを特徴とするワーク位置決め移動方法。 - 前記領域判定ステップよりも前に、前記ワークの仕様が、予め設定された所定の仕様に該当するか否かを判定するワーク仕様判定ステップを含み、
前記ワーク仕様判定ステップにおいて前記所定の仕様に該当すると判定した場合に、前記領域判定ステップを行うことを特徴とする請求項1記載のワーク位置決め移動方法。 - 前記複数の領域を、格子状に仮想分割設定することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のワーク位置決め移動方法。
- 前記ワーク仕様判定ステップは、前記仕様を、外形寸法として判定することを特徴とする請求項2記載のワーク位置決め移動方法。
- ワークを所定の加工位置に位置決め移動させて加工を行う加工装置であって、
前記ワークが載置されるワークテーブルと、
前記ワークを前記加工位置に位置決め移動させるワーク移動部と、
前記ワーク移動部の動作を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、
前記加工位置が前記ワークの表面又は前記ワークテーブルの表面において予め仮想分割設定された複数の領域のどの領域に含まれるかを判定すると共に判定した前記領域に対応した移動プロファイルを選択設定し、
選択設定した前記移動プロファイルに基づいて前記ワークを移動させるよう前記ワーク移動部を制御することを特徴とする加工装置。 - 前記制御部は、
前記ワークの仕様が、予め設定された所定の仕様に該当するか否かを判定するワーク仕様判定部を有し、
前記ワーク仕様判定部によって、前記ワークの仕様が前記所定の仕様に該当すると判定された場合に、
前記加工位置が前記ワークの表面又は前記ワークテーブルの表面において予め仮想分割設定された複数の領域のどの領域に含まれるかを判定すると共に判定した前記領域に対応した移動プロファイルを選択設定し、
選択設定した前記移動プロファイルに基づいて前記ワークを移動させるよう前記ワーク移動部を制御することを特徴とする請求項5記載の加工装置。 - 前記仕様は、外形寸法であることを特徴とする請求項6記載の加工装置。
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JP2015221457A (ja) | 2015-12-10 |
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