JP6497994B2 - 電気化学セルの製造方法 - Google Patents
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Description
近年、電子機器の小型化・薄型化に伴い、電気化学セルに対する小型化の要求が益々高まりつつある。しかしながら、上述の電気化学セルを小型化すると、外部に延出する端子同士の距離が縮まり、製造過程において、端子に設けられたフィルム部材同士が重なってしまう。その結果、端子の位置ずれや傾きが生じ、シール部材の封止領域において端子周囲の封止状態が低下することで、電極体を確実に封止することが困難になる。一方で、端子同士の距離を離すために端子の幅寸法を細くすると、端子の取り扱いが困難なることで電気化学セルの製造効率が低下する上、さらに電気抵抗の増大を招くので、所望の充電・放電特性を実現できない。
シート状の正極部材と負極部材とがセパレータを介して互いに積層してなる電極体と、
電極体を内包すると共に該電極体の周囲を封止するシール部材と、
正極部材に接続し、シール部材の封止領域から外部に延出する正極端子と、
負極部材に接続し、封止領域から外部に延出する負極端子とを有し、
正極端子の延出領域の一部と、負極端子の延出領域の一部とが、フィルム部材によって一体化されていることを特徴とする。
封止領域から延出領域に沿って連続的に、正極端子と負極端子とが、フィルム部材によって一体化されていると好適である。
電極体は、正極部材、負極部材及びセパレータとが、積層された状態で捲回されることによって形成されていると好適である。
フィルム部材は熱可塑性を有しており、
正極端子、及び負極端子に対して熱溶着されていると好適である。
電極体の周囲を封止した状態のシール部材において、
正極端子又は負極端子が延出する側の辺の長さ寸法が15mm以下であり、
かつ、正極端子及び負極端子の幅寸法が1mm以上3mm以下であると好適である。
正極端子及び負極端子が接続した電極体を形成する電極体形成工程と、
正極端子及び負極端子の延出領域の一部を前記フィルム部材によって一体化する一体化工程と、
シール部材によって電極体を封止する封止工程と、
を有することを特徴とする。
電極体形成工程の後に、電極体を捲回する捲回工程を有し、捲回工程の後に一体化工程が行われると好適である。
一体化工程の後に、電極体を捲回する捲回工程が行われると好適である。
一体化工程では、正極端子及び負極端子のいずれか一方に取り付けられたフィルム部材に切り込みを形成し、該切り込みに対して他方の端子を挿入した状態で、正極端子及び負極端子の延出領域の一部をフィルム部材によって一体化すると好適である。
一体化工程では、正極端子及び負極端子のいずれか一方に取り付けられたフィルム部材を他方の端子を内包するように折り返した状態で、正極端子及び負極端子の延出領域の一部をフィルム部材によって一体化すると好適である。
正極端子はアルミニウムによって形成されており、
一体化工程では、正極端子に対して予めフィルム部材が取り付けられている状態で、正極端子及び負極端子の延出領域の一部をフィルム部材によって一体化すると好適である。
図1〜図3を参照して本発明の第1実施形態に係る電気化学セル、及びその製造方法について説明する。
ラミネート電池10(電気化学セル)は、正極部材15および負極部材16を有する電極体の周囲を封止するシール部材11と、正極部材15に接続し、シール部材11の封止領域から外部に延出する正極タブ13(正極端子)と、負極部材16に接続し、封止領域から外部に延出する負極タブ14(負極端子)と、フィルム部材12とを備える。
ラミネート電池10は、電極材料の分散工程、分散した電極材料のスラリーの塗工工程、塗工電極のプレス工程、プレスした電極を所定の大きさにするスリット工程、スリットした電極にタブを溶接するタブ付け工程、タブを付けた正極電極、負極電極、セパレータを一体化する一体化工程、電極体をシール部材11に収め2辺を封止する封止工程、電解液の注液工程、エージング工程、化成工程、ガスを抜き余分なシール部材11をカットする封止切断工程、検査工程、の製造プロセスにより作成される。
図2、3を参照して、本実施形態における一体化工程について説明する。
本実施形態における一体化工程では、正極タブ13と、負極タブ14を、フィルム部材12aとフィルム部材12bにより一体化する。なお、フィルム部材12aとフィルム部材12bは同じ材質、同じ厚さを有するものである。
図4を参照して、第2実施形態における一体化工程について説明する。なお、ラミネート電池の構成、各寸法、及び一体化工程以外の製造プロセスは、第1実施形態で説明した構成と同一であるのでここでは説明を省略する。
本実施形態における一体化工程では、1枚のフィルム部材22によって、正極タブ23と、負極タブ24を一体化している。まず、フィルム部材22の所定の位置に正極タブ23を配置し(図4(a))、正極タブ23を内包するようにフィルム部材を折り返し(図4(b))、正極タブ23の周囲を熱溶着する(図4(c))。その後、未接合の領域において、負極タブ24を配置し(図4(d))、負極タブ24の周囲を熱溶着する(図4(e))。これにより、正極タブ23と負極タブ24とを一体化することができる。
図5を参照して、第3実施形態における一体化工程について説明する。なお、ラミネート電池の構成、各寸法、及び一体化工程以外の製造プロセスは、第1実施形態で説明した構成と同一であるのでここでは説明を省略する。
本実施形態における一体化工程では、正極タブ33と、負極タブ34を、フィルム部材32aとフィルム部材32bにより一体化している。まず、フィルム部材32aの所定の位置に正極タブ33を配置し(図5(a))、正極タブ33を内包するように、もう一つのフィルム部材32bによって正極タブ33の周囲覆い(図5(b))、その後、正極タブ33の周囲を熱溶着する(図5(c))。
そして、フィルム部材32aの所定の位置に負極タブ34を配置し(図5(d))、フィルム部材32aの端部を負極タブ34を内包するように折り返す(図5(e))。その後、負極タブ34の周囲を熱溶着する(図5(f))。これにより、正極タブ33と負極タブ34とを一体化することができる。
図6を参照して、第4実施形態における一体化工程について説明する。なお、ラミネート電池の構成、各寸法、及び一体化工程以外の製造プロセスは、第1実施形態で説明した構成と同一であるのでここでは説明を省略する。
本実施形態における一体化工程では、正極タブ43と、負極タブ44を、一枚のフィルム部材42とにより一体化している。まず、フィルム部材42の所定の位置に正極タブ43を配置し(図6(a))、フィルム部材42の一端を正極タブ43を内包するように折り曲げ(図6(b))、正極タブ43の周囲を熱溶着する(図6(c))。
そして、フィルム部材42の所定の位置に負極タブ44を配置し(図6(d))、フィルム部材42の他端を負極タブ44を内包するように折り返す(図6(e))。その後、負極タブ44の周囲を熱溶着する(図6(f))。これにより、正極タブ43と負極タブ44とを一体化することができる。
図7を参照して、第5実施形態における一体化工程について説明する。なお、ラミネート電池の構成、各寸法、及び一体化工程以外の製造プロセスは、第1実施形態で説明した構成と同一であるのでここでは説明を省略する。
第1〜第4実施形態では、一体化工程によって、正極タブと負極タブとを一体化した状態で捲回工程を行っていたが、一体化工程と捲回工程の順序はこれに限られるものではない。
Claims (6)
- シート状の正極部材と負極部材とがセパレータを介して互いに積層してなる電極体と、
前記電極体を内包すると共に該電極体の周囲を封止するシール部材と、
前記正極部材に接続し、前記シール部材の封止領域から外部に延出する正極端子と、
前記負極部材に接続し、前記封止領域から外部に延出する負極端子とを有し、
前記電極体の周囲を封止した状態で、前記シール部材の前記正極端子又は前記負極端子が延出する側の辺の長さ寸法が15mm以下であり、かつ、前記正極端子及び前記負極端子の幅寸法が1mm以上3mm以下である電気化学セルの製造方法であって、
前記正極端子及び前記負極端子の延出領域の一部をフィルム部材によって一体化する一体化工程と、前記シール部材によって前記電極体を封止する封止工程と、を有し、
前記一体化工程では、アルミニウムからなる前記正極端子の周囲にポリプロピレンからなる前記フィルム部材を接合させ、その後、前記負極端子の周囲に前記フィルム部材の未接合の領域を接合させる
ことを特徴とする電気化学セルの製造方法。 - 前記封止領域から前記延出領域に沿って連続的に、前記正極端子と前記負極端子とが、前記フィルム部材によって一体化されていることを特徴とする請求項1に記載の電気化学セルの製造方法。
- 前記電極体は、前記正極部材、前記負極部材、及び前記セパレータが、積層された状態で捲回されることによって形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気化学セルの製造方法。
- 前記フィルム部材は、
前記正極端子、及び前記負極端子に対して熱溶着されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電気化学セルの製造方法。 - 前記一体化工程では、前記正極端子に取り付けられた前記フィルム部材に切り込みを形成し、該切り込みに対して前記負極端子を挿入した状態で、前記正極端子及び前記負極端子の延出領域の一部を前記フィルム部材によって一体化することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電気化学セルの製造方法。
- 前記一体化工程では、前記正極端子に取り付けられた前記フィルム部材を前記負極端子を内包するように折り返した状態で、前記正極端子及び前記負極端子の延出領域の一部を前記フィルム部材によって一体化することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電気化学セルの製造方法。
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