JP6497685B1 - シート状物及びテントの傷の修理構造及び修理方法 - Google Patents

シート状物及びテントの傷の修理構造及び修理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】汚れないシート状物やテントの傷の修理構造及び修理方法を提供する。【解決の手段】本発明のシート状物又はテントの傷の修理構造は、補修シートの外周縁がシート面に面一状態と肉眼で視認され、爪で引っ掻けても面一状態と体感でき、補修シートの外周縁の段差高が0.05mm以下に設定されることを特徴とする。本発明のテントの修理方法は、テント面13を傷14が受板3の上側に位置するように配置し、補修シート20をテント面13の上側で傷14を被覆する位置に配置し、補修シート20とプレス板5との間に分離シート30を配置して補修シート20がプレス板5に融着することを防止し、プレス板5を加圧且つ加熱して分離シート30と補修シート20とテント面13を受板3に押圧して補修シート20を傷14が被覆された状態でテント面13に加圧して熱融着させ、補修シート20の外周縁26がテント面13に面一状態に加圧熱融着する。【選択図】図1

Description

本発明は、シート状物及びテントの傷を修理する方法に関し、更に詳細には、シート状物及びテントの傷の修理構造及びテント傷の修理方法に関する。
ターポリン等の防水布を補修するために、特許文献1(特公昭47−518号公報)に記載されたエチレン/酢酸ビニル共重合体を主成分とする接着剤が開発されている。この接着剤をあらかじめ織物又はフィルムに被覆して接着テープを作っておくと、この接着テープを上記防水布にアイロンなどの加熱で貼り合わせて目止め或いは補修を簡単に行うことができる。
特許文献2(実登第3026665号公報)には、本願の図10に示すように印刷部213を有した布製テープ212に接着剤層211を形成した綿製補修用テープ201が記載されている。この綿製補修用テープ201を用いて、ソファー、樹脂張り椅子又はテントの破れや、部屋内の壁面クロスの傷跡を補修するのである。
特許文献3(特開平10−278750号公報)にはシート状物の洗浄補修装置が記載されており、本願の図11に示すように、この装置により、予備洗浄工程306、洗浄剤洗浄工程307、水洗工程308、水切り工程309、乾燥工程310、傷検出工程311、補修工程312、防水加工工程313、乾燥工程314及び折りたたみ工程315が実施される。補修対象物はトラックのホロやテント等のシート状物であり、傷部に接着剤を塗布した補修用布を加圧、加熱などの手段でシート状物に完全に接着させるか、ステイプラー状のもので修理用布を傷部に固定する方法である。
特許文献4(特開2003−170548号公報)には、本願の図12に示すように、熱融着性不織布403に多孔質膜402を張り付けた目張りシート401が開示され、これをミシン目の上に沿って重ね合わせ、加熱・圧着処理よって生地に密に密着させて生地縫合部などを目張りするのである。
特許文献5(特開2008−19664号公報)には、本願の図13に示すように、不透水性シートを有する防水シートにおいて、該不透水性シートの損傷部位を補修する補修用シートと補修方法が開示されている。
一次覆コンクリート511には透水性シート506と損傷部位508のある不透水性シート507を重ねた防水シート505が被着されている。上記損傷部位508を覆うように熱可塑性樹脂層502と耐熱層503からなる補修用シート501を接合し、耐熱層503に加熱機509のコテ510を当接させる。耐熱層側から加熱加圧して補修用シートを上記損傷部位に熱融着させることにより補修する。
特許文献6(特開2011−189962号公報)には、本願の図14に示すように、フレキシブルコンテナバッグの傷部補修方法が図示されている。
バッグ601のバッグ本体602を構成する複合シート部分609aの傷部614の開口627を通して補修シート628を下部盤624の上に載置し、複合シート部分609aの上側に他の補修シート630を配置する。熱溶着機616の上部盤623を下動させ下部盤624とで複合シート部分609aを狭着し、補修シート628、630で熱溶着してバッグ601の補修を行い、開口627を閉鎖する。
特許文献7(特許第6121769号公報)には、本願の図15に示すように、マットゴム面の修繕方法が図示されている。
未加硫ゴムシート702と接着シート706を積層した修繕用シート片732aを使用し、前記修繕用シート片732aの接着シート706がキズ728を被覆して当接するように前記修繕用シート片732aをマット712のゴム面714に配置したマットシート積層体734を形成し、加熱押圧部742と受圧部744を有するプレス装置740の前記加熱押圧部742に前記修繕用シート片732aが対向するように前記マットシート積層体734を前記加熱押圧部742と前記受圧部744の間に配置する。前記受圧部744の受圧面に圧力分散シート750を積層し、前記加熱押圧部742の押圧時に、前記未加硫ゴムシート702に対する押圧力を全面で均一化させ、前記圧力分散シート750の上面に多数の凸点752aを突設したエンボスシート752を積層配置し、前記加熱押圧部742を所定温度に加熱して所定時間だけ前記受圧部744に押圧することにより前記接着シート706を介して前記未加硫ゴムシート702を前記キズ728のあるゴム面714に加熱接着させる。
特公昭47−518号公報 実登第3026665号公報 特開平10−278750号公報 特開2003−170548号公報 特開2008−19664号公報 特開2011−189962号公報 特許第6121769号公報
前述したように、特許文献1〜7に共通するのは、名称は補修用テープ、補修シート或いは修繕用シートと色々であるが、これらを補修シートと統一名称で呼べば、傷を隠すように補修シートを接着テープとして貼るか、傷を隠すように補修シートを加圧熱融着するかのいずれかの方式である。
補修シートの色彩をテント等のシート状物と同色に選べば、補修から日時が立たないうちは、補修シートは殆ど目立たないで補修はほぼ完璧である。しかし、日時が経過すると、補修シートの周囲に塵埃が蓄積して輪郭が次第に黒く浮き上がり、補修跡が次第に目立ってくるという欠点があった。更に、シート状物全体に一定の汚れが目立った場合、ブラシ掛け洗浄もしくは 回転ドラム式洗濯機洗浄を行うが、補修シートの外周縁がシート状物に対し 持つ段差に、洗浄時の物理力が集中して働き、補修シートを剥離させてしまう欠点があった。また、目立った輪郭にペンキを塗って輪郭を隠す方法もあるが、塗着されたペンキの色が周囲の褪色した色彩と合致せず、逆に補修跡を目立たせる結末になることも多くの場合に存在した。
本発明者は、上記原因を追究した結果、補修シートをシート状物又はテントに接着又は融着する従来の補修方法では、補修シートの外周縁がシート状物に対して段差を有し、この段差に微小塵埃が堆積して接着し、黒い輪郭が生じることが分かった。そこで本発明者は、補修シートの外周縁がシート状物又はテントに対して少なくとも肉眼で面一に形成されれば、微小塵埃が外周縁に堆積することは無い、ということを想到するに至った。
そして、肉眼視という個人差を超えて更に物理的に判断するために、爪で前記外周縁を引っ掻いたときに段差を体感しなければ面一と判断できることを想到するに至った。更に、例えばマイクロメータを用いて測定して、前記段差の段差高が0.05mm以下であれば、爪による引っ掻きの段差体感が無いことを確認し、本願発明に至ったものである。従って、本願では臨界段差高を0.05mmと決定した。
従って、本願発明の目的は、補修シートを傷のあるシート状物又はテントに加圧熱融着させる場合に、補修シートの外周縁がシート状物又はテントに肉眼視で面一状態になるように接合し、また面一状態とは爪を立てて引いても段差を体感しない状態であり、更に段差の段差高が0.05mm以下に調整されている傷の修理構造を提供することである。更に、本願発明の他の目的は、補修シートを傷のあるテントに加圧熱融着させる場合に、加圧熱融着の修理方法を提供することである。
本発明のシート状物とは、貨物自動車のホロや運動場・広場で使用されるテントやヨットの帆、壁面・床面のクロス、ソファー・椅子・テーブルなどに張られた樹脂シート、トンネルや建築工事などで使用される防水シート、ヨット等の帆、小さなものではカバンやバッグ等を形成する樹脂皮などのシート状物が含まれる。
本発明は、上記課題を解決するために提案されたものであって、本発明の第1の形態は、表面が樹脂で形成されて傷が生じたシート面を有するシート状物と、表面が樹脂で形成された補修シートから構成され、前記補修シートは、前記傷を被覆するように前記シート面に前記補修シートを当接させて加圧熱融着されて配置されており、前記補修シートの少なくとも外周縁が前記シート面に面一状態と肉眼で視認されるように加圧熱融着された構造を有するシート状物の傷の修理構造である。
本発明の第2の形態は、前記面一状態は、前記外周縁と前記シート面の段差に作業者が爪を立てて移動させても、前記作業者が前記段差を体感しない状態であるシート状物の傷の修理構造である。
本発明の第3の形態は、前記段差の段差高が、段差に作業者が爪を立てて移動させても段差を体感しない臨界段差高である0.05mm以下に調整されるシート状物の傷の修理構造である。
本発明の第4の形態は、合成繊維よりなる布帛の両面が樹脂で被覆されたターポリンからなる補修シートと、前記ターポリンから形成され且つ傷が生じたテント面を有するテントから構成され、前記補修シートは、前記傷を被覆するように前記テント面に前記補修シートを当接させて加圧熱融着されて配置されており、前記補修シートの少なくとも外周縁が前記テント面に面一状態と肉眼で視認されるように加圧熱融着された構造を有するテントの傷の修理構造である。
本発明の第5の形態は、前記面一状態は、前記外周縁と前記テント面の段差に作業者が爪を立てて移動させても、前記作業者が前記段差を体感しない状態であるテントの傷の修理構造である。
本発明の第6の形態は、前記段差の段差高が、段差に作業者が爪を立てて移動させても段差を体感しない臨界段差高である0.05mm以下に調整されるテントの傷の修理構造である。
本発明の第7の形態は、前記樹脂はポリ塩化ビニル樹脂であるテントの傷の修理構造である。
本発明の第8の形態は、上方にプレス板且つ下方に受板を有するプレス装置を配置し、合成繊維よりなる布帛の両面が樹脂で被覆されたターポリンからなる補修シートを用意し、前記ターポリンから形成され且つ傷が生じたテント面を有するテントを用意し、傷を有した前記テント面を前記傷が前記受板の上側に位置するように配置し、前記補修シートを前記テント面の上側で前記傷を被覆する位置に配置し、前記補修シートと前記プレス板との間に分離シートを配置して前記補修シートが前記プレス板に融着することを防止し、前記プレス板を加圧且つ加熱して前記分離シートと前記補修シートと前記テント面を前記受板に押圧して前記補修シートを前記傷が被覆された状態で前記テント面に加圧して熱融着させ、前記補修シートの少なくとも外周縁が前記テント面に面一状態と肉眼で視認されるように加圧熱融着されるテントの傷の修理方法である。
本発明の第9の形態は、前記面一状態は、前記外周縁と前記テント面の段差に作業者が爪を立てて移動させても、前記作業者が前記段差を体感しない状態であるテントの傷の修理方法である。
本発明の第10の形態は、前記段差の段差高が、段差に作業者が爪を立てて移動させても段差を体感しない臨界段差高である0.05mm以下に調整されるテントの傷の修理方法である。
本発明の第11の形態は、前記ターポリンの前記樹脂はポリ塩化ビニル樹脂であり、前記プレス板の加圧による前記補修シートの面圧が16kgf/cm2以上であるテントの傷の修理方法である。
本発明の第12の形態は、前記プレス板の加熱温度が150℃以上であるテントの傷の修理方法である。
本発明の第13の形態は、前記プレス板の加圧時間が1.3分以上であるテントの傷の修理方法である。
本発明の第14の形態は、前記補修シートの中央部よりも外周縁が高い面圧で加圧熱融着されて前記面一状態が形成されるテントの傷の修理方法である。
本発明の第15形態は、前記補修シートは、その全面から外周縁へと複数段階に分けて加圧熱融着されて前記面一状態が形成されるテントの傷の修理方法である。
本発明の第1の形態によれば、表面が樹脂で形成されて傷が生じたシート面を有するシート状物と、表面が樹脂で形成された補修シートから構成され、前記補修シートは、前記傷を被覆するように前記シート面に前記補修シートを当接させて加圧熱融着されて配置されており、前記補修シートの少なくとも外周縁が前記シート面に面一状態と肉眼で視認されるように加圧熱融着された構造を有するシート状物の傷の修理構造が提供される。
シート状物のシート面が樹脂で形成され、補修シートの表面も樹脂で形成されるから、両者を加圧熱融着させることにより、補修シートが厚みを有しても加圧熱融着により相互にほぼ完全に押し潰され、前記補修シートの少なくとも外周縁が前記シート面に面一状態と肉眼で視認されるまで段差が無くなり、面一状態が明瞭に実現できる。この面一状態の実現により補修シートの外周縁の輪郭に微小塵埃が堆積することがなく、その輪郭が長期にわたって外部から視認されることを防止できる。
また、前記段差が肉眼視で面一状態にまで小さくなると、ブラシ掛け洗浄もしくは回転ドラム式洗濯機洗浄を行っても、補修シートの外周縁の段差に、洗浄時の物理力が集中せず、洗浄時に補修シートが剥離することを防止できる。
補修シートをシート状物に対し加圧熱融着させたときに、補修シートの全面が均一に薄層化してその外周縁がシート面に面一状態になっていてもよいし、補修シートの少なくとも外周縁がシート状物のシート面に対し面一状態になっておればよい。例えば、補修シートの中央部が緩く山状に厚くなっていても外周縁が薄層化されてシート面に対し面一状態が実現しておれば本発明の目的を達成することができる。
シート状物のシート面の樹脂と補修シートの表面も樹脂が同一物質である場合だけでなく、相互に異なる物質であっても加圧熱融着により面一状態は確実に実現できる。勿論、両者が同一樹脂であれば、両樹脂の融解浸透は簡単に生起して面一状態はより容易に実現できる。
シート状物のシート面の樹脂や補修シートの表面の樹脂には加熱融解する熱可塑性樹脂が含まれ、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリメタクリル酸メチル(メタクリル樹脂)、ポリフェニレンオキシド(ノリル樹脂)、ポリウレタン、アイオノマー樹脂(サーリンA)、セルロース系プラスチック、ポリエチレン(高密度)、ポリエチレン(低密度)、ポリプロピレン、ポリアミド(ナイロン)、ポリカーボネート、ポリアセタール(ポリオキシメチレン)、ポリフェニレンサルファイド、塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、フッ素樹脂(四フッ化エチレン)などが含まれる。
より具体的には、汎用樹脂(熱可塑性樹脂)としてポリエチレン(PE) 、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル・スチレン樹脂(AS) 、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS) 、ポリ塩化ビニル(PVC) 、メタクリル樹脂(PMMA) 、ポリエチレンテレフタラート(PET) 、ポリビニルアルコール(PVA) がある。
汎用エンジニアリング樹脂(熱可塑性樹脂)として、ナイロン6(PA6) 、ナイロン12(PA12) 、ポリアセタール(POM) 、ポリカーボネート(PC) 、変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE)、ポリブチレンテレフタラート(PBT) 、GF強化ポリエチレンテレフタラート(GF-PET)、超高分子量ポリエチレン(UHPE)がある。
スーパーエンジニアリング樹脂としてはポリフェニレンスルフィド(PPS) 、ポリイミド(PI) 、ポリエーテルイミド(PEI) 、ポリアミドイミド(PAI) 、ポリアリレート(PAR)、ポリスルホン(PSF、PSU) 、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、いわゆるフッ素樹脂 、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)がある。
その他の熱可塑性樹脂として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE、超高分子ポリエチレン(UHMWPE)、ポリメチルテルペン(PMP)、熱可塑性エラストマー、生分解性プラスチック、ポリアクリロニトリル、繊維素系プラスチックがある。
本形態によるシート状物とは、貨物自動車のホロや運動場・広場で使用されるテントやヨットの帆、壁面・床面のクロス、ソファー・椅子・テーブルなどに張られた樹脂シート、トンネルや建築工事などで使用される防水シート、ヨット等の帆、小さなものではカバンやバッグ等を形成する樹脂皮などのシート状物が含まれる。
本発明の第2の形態によれば、前記面一状態は、前記外周縁と前記シート面の段差に作業者が爪を立てて移動させても、前記作業者が前記段差を体感しない状態であるシート状物の傷の修理構造が提供できる。
肉眼による面一状態を物理的に確認する手法として、段差に爪を立てて移動しても、換言すれば爪で引っ掻いても作業者が段差を確認できない程度まで面一であることが本形態では要請される。爪で段差が確認できない程度に面一であれば、その段差に微小塵埃が堆積することは考えられない。従って、この場合には補修シートの外周縁の段差に微小塵埃が堆積して接着することが無く、長期に亘って秀麗な修理構造が実現できる。
また、前記段差が爪確認で面一状態にまで小さくなると、ブラシ掛け洗浄もしくは回転ドラム式洗濯機洗浄を行っても、補修シートの外周縁の段差に、洗浄時の物理力が集中せず、洗浄時に補修シートが剥離することを防止できる。
本発明の第3の形態によれば、前記段差の段差高が、段差に作業者が爪を立てて移動させても段差を体感しない臨界段差高である0.05mm以下に調整されるシート状物の傷の修理構造が提供できる。
本発明者の研究によれば、段差を肉眼で確認不能で且つ爪による引っ掻き体感がない限界値である臨界段差高が0.05mmであることを実験的に確認した。従って、段差高が0.05mm以下であれば体感的にも視覚的にも面一であると結論できる。つまり、段差高が0.05mm以下の修理構造では面一状態であり、加圧熱融着された補修シートの外周縁の輪郭に微小塵埃が堆積せず、長期に亘って秀麗な修理構造を実現することができる。
また、前記段差の段差高が0.05mm以下にまで小さくなると、確実に面一状態と判断でき、ブラシ掛け洗浄もしくは回転ドラム式洗濯機洗浄を行っても、補修シートの外周縁の段差に、洗浄時の物理力が集中せず、洗浄時に補修シートが剥離することを防止できる。
本発明者は、ポリ塩化ビニル樹脂からなる0.35mm厚の補修シートを用い、シート状物としてポリ塩化ビニル樹脂からなる1mm厚のシートを用意し、このシートの傷を被覆するように補修シートを加圧熱融着し、各種の段差高を有する10種類の修理構造を作成した。それら10種の段差高は、0.01mm、0.02mm、0.03mm、0.04mm、0.05mm、0.06mm、0.07mm、0.08mm、0.09mm、0.10mmである。段差高はマイクロメータで測定した。発明者を中心とする3名が、肉眼視及び爪引っ掻き体感により面一状態と判断した段差高は、0.01mm、0.02mm、0.03mm、0.04mm、0.05mmの5種類であった。段差高が0.06mm以上では肉眼視及び/又は爪引っ掻き体感により段差の存在を確認した。従って、本発明では、臨界段差高を0.05mmと決定したのである。
本発明の第4の形態によれば、合成繊維よりなる布帛の両面が樹脂で被覆されたターポリンからなる補修シートと、前記ターポリンから形成され且つ傷が生じたテント面を有するテントから構成され、前記補修シートは、前記傷を被覆するように前記テント面に前記補修シートを当接させて加圧熱融着されて配置されており、前記補修シートの少なくとも外周縁が前記テント面に面一状態と肉眼で視認されるように加圧熱融着された構造を有するテントの傷の修理構造が提供される。
ターポリンとは防水布の普通名称であり、本形態のターポリンは合成繊維よりなる布帛の両面が樹脂で被覆された防水布に限定される。布帛は織物布帛、編物布帛、不織布のいずれでもよいが、合成繊維から構成される布帛に限定されている。そして、補修シートとテントは同一構造のターポリンから形成されており、両面の樹脂も補修シートとテントに共通した樹脂である。
従って、補修シートの樹脂とテントの樹脂が同一物質であるから、両者を加圧熱融着すると、融解した樹脂が相互に流動浸透して固く結合し、しかも加圧するから補修シートの厚さは極限にまで薄層化される。従って、補修シートの少なくとも外周縁はテントの傷を被覆しながら簡単に伸展してテント面に容易に面一状態になり、その面一状態の存否も肉眼で容易に視認されることができる。この面一状態の実現により補修シートの外周縁の輪郭に微小塵埃が堆積することがなく、その輪郭が長期にわたって外部から視認されることを防止できる。そのため、外周縁の輪郭に微小塵埃の堆積付着が防止でき、いつまでも秀麗な修理構造を維持することができる。
また、前記段差が肉眼視で面一状態にまで小さくなると、ブラシ掛け洗浄もしくは回転ドラム式洗濯機洗浄を行っても、補修シートの外周縁の段差に、洗浄時の物理力が集中せず、洗浄時に補修シートが剥離することを防止できる。
テントのシート面の樹脂と補修シートの表面の樹脂には加熱融解する熱可塑性樹脂が利用でき、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリメタクリル酸メチル(メタクリル樹脂)、ポリフェニレンオキシド(ノリル樹脂)、ポリウレタン、アイオノマー樹脂(サーリンA)、セルロース系プラスチック、ポリエチレン(高密度)、ポリエチレン(低密度)、ポリプロピレン、ポリアミド(ナイロン)、ポリカーボネート、ポリアセタール(ポリオキシメチレン)、ポリフェニレンサルファイド、塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、フッ素樹脂(四フッ化エチレン)などが含まれる。
また、第1形態で具体的に列挙された各種の熱可塑性樹脂が利用できるから、ここではそれ等を引用して、記載の重複は省略する。
本発明の第5の形態によれば、前記面一状態は、前記外周縁と前記テント面の段差に作業者が爪を立てて移動させても、前記作業者が前記段差を体感しない状態であるテントの傷の修理構造が提供できる。
肉眼による面一状態を物理的に確認する手法として、段差に爪を立てて移動しても、換言すれば爪で引っ掻いても作業者が段差を確認できない程度まで面一であることが本形態では要請される。爪で段差が確認できない程度に面一であれば、その段差に微小塵埃が堆積することは考えられない。従って、この場合には補修シートの外周縁の段差に微小塵埃が堆積して付着することが無く、長期に亘って秀麗な修理構造が実現できる。
また、前記段差が爪確認で面一状態にまで小さくなると、ブラシ掛け洗浄もしくは回転ドラム式洗濯機洗浄を行っても、補修シートの外周縁の段差に、洗浄時の物理力が集中せず、洗浄時に補修シートが剥離することを防止できる。
本発明の第6の形態によれば、前記段差の段差高が、段差に作業者が爪を立てて移動させても段差を体感しない臨界段差高である0.05mm以下に調整されるテントの傷の修理構造が提供できる。
前述したように、本発明者の研究によれば、段差を体感しない限界値である臨界段差高が0.05mmであることを実験的に確認した。従って、段差高が0.05mm以下であれば体感的にも視覚的にも面一であると結論できる。つまり、段差高が0.05mm以下の修理構造では面一状態であり、加圧熱融着された補修シートの外周縁の輪郭に微小塵埃が堆積せず、長期に亘って秀麗な修理構造を実現することができる。
また、前記段差の段差高が0.05mm以下にまで小さくなると、確実に面一状態と判断でき、ブラシ掛け洗浄もしくは回転ドラム式洗濯機洗浄を行っても、補修シートの外周縁の段差に、洗浄時の物理力が集中せず、洗浄時に補修シートが剥離することを防止できる。
0.05mmは臨界段差高であり、段差高が臨界段差高、即ち0.05mm以下であれば肉眼的にも体感的にも面一状態が実現されている。臨界段差高については、上記第3形態においてその導出方法が記載されており、その全てをここに引用して、再記を省略する。
本発明の第7の形態によれば、前記樹脂はポリ塩化ビニル樹脂であるテントの傷の修理構造が提供される。
前述したように、ターポリンは防水布の普通名称であるが、本発明で使用されるターポリンは、合成繊維よりなる布帛の両面が樹脂で被覆された防水布に限定されている。そして、本形態で限定されるターポリンは、合成繊維よりなる布帛の両面がポリ塩化ビニル樹脂で被覆された防水布であり、上記した樹脂がポリ塩化ビニル樹脂に限定されたターポリンである。
合成繊維よりなる布帛の両面をポリ塩化ビニル樹脂で被覆したターポリンは市場で入手し易く、広範囲に製造販売されている。しかも、この種のターポリンはテント素材としても広範囲に普及している。従って、テントの傷を補修する場合にも、同素材のターポリンの端切れを補修シートとして活用すれば、大量のテントを補修することができ、本発明に係る修理構造と修理方法を大量にかつ安価に提供できる利点を有する。
本発明の第8の形態によれば、上方にプレス板且つ下方に受板を有するプレス装置を配置し、合成繊維よりなる布帛の両面が樹脂で被覆されたターポリンからなる補修シートを用意し、前記ターポリンから形成され且つ傷が生じたテント面を有するテントを用意し、傷を有した前記テント面を前記傷が前記受板の上側に位置するように配置し、前記補修シートを前記テント面の上側で前記傷を被覆する位置に配置し、前記補修シートと前記プレス板との間に分離シートを配置して前記補修シートが前記プレス板に融着することを防止するテントの傷の修理方法が提供される。
テントと補修シートが同一素材のターポリンから構成されているから、補修シートが傷を被覆してテント面に加圧状態で熱融着されて、両者の表面を被覆する同一の樹脂が融解して相互に浸透し合い、強力に結合して一体化し、強力接合が実現できる。しかも両樹脂が融解しているから、加圧により補修シートの少なくとも外周縁の厚さを極端に薄層化して面一状態を実現できる。
また、前記補修シートと前記プレス板との間に分離シートを配置して前記補修シートが前記プレス板に融着することを防止することができ、補修シートが傷を被覆してテント面に加圧熱融着された後、プレス板を単独で簡単に上動させることができる利点を有する。分離シートの具体的素材としては例えばテフロン(登録商標)などのフッ素樹脂、セラミック素材などがある。
また、本発明の第8の形態によれば、前記プレス板を加圧且つ加熱して前記分離シートと前記補修シートと前記テント面を前記受板に一体に押圧して前記補修シートを前記傷が被覆された状態で前記テント面に加圧して熱融着させ、前記補修シートの少なくとも外周縁が前記テント面に面一状態と肉眼で視認されるように加圧熱融着できるテントの傷の修理方法が提供される。従って、補修シートの輪郭に微小塵埃が蓄積されないから黒ずんだ輪郭が生成されず、長期に亘って秀麗な修理構造を実現することができる。
プレス板の加圧力や加熱温度は任意に調整でき、補修シートをテント面に融着接合する加圧時間を自在に調整することができる。しかも、補修シートの外周縁がテント面に面一状態と肉眼で視認されればよいから、短時間で修理を完了できる利点を有する。従って、大量のテント修理を安価に実施できる利点を同時に有する。
本形態と同様の修理方法がシート状物の傷の修理方法に適用することができる。前記ターポリンのテントの代わりに、表面が樹脂で形成されて傷が生じたシート面を有するシート状物を用いる。テント面の代わりにシート面と言い換える。また、ターポリンで形成された補修シートの代わりに、表面が樹脂で形成された補修シートを用いる。この修理方法により、補修シートは、傷を被覆するようにシート面に補修シートを当接させて加圧熱融着され、補修シートの少なくとも外周縁がシート面に面一状態と肉眼で視認されるまで加圧熱融着されるシート状物の傷の修理方法が提供される。シート状物の表面の樹脂と補修シートの表面の樹脂とは同一であっても異なってもよく、前述した広範囲の熱可塑性樹脂が適用される。このシート状物の傷の修理方法の他の作用効果は、前述したテントの傷の修理方法と同様であるから、その再記を省略する。
シート状物としては、貨物自動車のホロや運動場・広場で使用されるテントやヨットの帆、壁面・床面のクロス、ソファー・椅子・テーブルなどに張られた樹脂シート、トンネルや建築工事などで使用される防水シート、小さなものではカバンやバッグ等を形成する樹脂皮などのシート状物が含まれる。
本発明の第9の形態によれば、前記面一状態は、前記外周縁と前記テント面の段差に作業者が爪を立てて移動させても、前記作業者が前記段差を体感しない状態であるシート状物やテントの傷の修理方法が提供できる。
前述したように、肉眼による面一状態を物理的に確認する手法として、段差に爪を立てて移動しても、換言すれば爪で引っ掻いても作業者が段差を確認できない程度まで面一であることが本形態では要請される。爪で段差が確認できない程度に面一であれば、その段差に微小塵埃が堆積することは考えられない。従って、この場合には補修シートの外周縁の段差に微小塵埃が堆積して接着することが無く、長期に亘って秀麗な修理構造が実現できる。
本発明の第10の形態によれば、前記段差の段差高が、段差に作業者が爪を立てて移動させても段差を体感しない臨界段差高である0.05mm以下に調整されるシート状物やテントの傷の修理方法が提供できる。
前述したように、本発明者の研究によれば、段差を体感しない限界値である臨界段差高が0.05mmであることを実験的に確認している。従って、段差高が0.05mm以下であれば体感的にも視覚的にも面一であると結論できる。つまり、段差高が0.05mm以下の修理構造では面一状態であり、加圧熱融着された補修シートの外周縁の輪郭に微小塵埃が堆積せず、黒い輪郭ができないから長期に亘って秀麗な修理構造を実現することができる。
0.05mmは臨界段差高であり、段差高が臨界段差高、即ち0.05mm以下であれば肉眼的にも体感的にも面一状態が実現されている。臨界段差高については、上記第3形態においてその導出方法が記載されており、その全てをここに引用して、再記を省略する。
本発明の第11の形態によれば、前記ターポリンの前記樹脂はポリ塩化ビニル樹脂であり、前記プレス板の加圧による前記補修シートの面圧が16kgf/cm2以上であるテントの傷の修理方法が提供できる。
本発明者は、上記ターポリンからなる初期厚が0.35mmの補修シートをプレス板により加圧・加熱して臨界段差高である0.05mmに到達する加圧時間t(分)で加圧熱融着させる実験を何回も行った。この実験では、プレス板の加熱温度Tは通常のT=200℃に調整されている。プレス板の押圧力F(kgf)で表面積S(cm2)の補修シートを加圧すると、補修シートが受ける面圧P(kgf/cm2)はP=F/Sで与えられる。その結果、P=16(kgf/cm2)ではt=5分、P=32(kgf/cm2)ではt=3分、P=48(kgf/cm2)ではt=1.3分という結果が得られた。以上の実験結果から、テントの傷の修理において、プレス機を効率的に使用できる補修シートへの面圧PはP≧16(kgf/cm2)であることが分かった。面圧をP≧16(kgf/cm2)に設定することによって、多数のテント傷を短時間で効率的に修理することができ、テントの傷の修理サービスを安価に提供することに成功したものである。
また、上述した他のシート状物の修理に対してもこの面圧条件を適用することができ、テントの場合の加圧時間と比較して、シート状物の種類に応じて加圧時間を短縮したり、延長したり自在に可変できることは云うまでもない。
本発明の第12の形態によれば、前記プレス板の加熱温度が150℃以上であるテントの傷の修理方法が提供できる。
プレス板の加熱温度T(℃)は適宜に調整できるが、テント修理を大量にこなすためには150℃以上が必要であり、作業者の安全性と傷のない周辺のテント面への影響を考慮すると300℃以下であり、より好ましくは250℃以下である。従って、温度範囲は150℃≦T≦300℃であり、より好ましくは150℃≦T≦250℃である。加熱温度を高温化するほどシート厚を臨界段差高0.05mmに到達させる加圧時間t(分)は短縮できる。
上記の加熱温度条件は他のシート状物に対しても適用できる。しかし、テントの場合の加圧時間と比較して、シート状物の種類に応じて加圧時間を短縮したり、延長したり自在に可変できることは云うまでもない。
本発明の第13の形態によれば、前記プレス板の加圧時間が1.2分以上であるテントの傷の修理方法が提供できる。
上述したように、プレス板の加熱温度Tが200℃のときには、補修シートの面圧P(kgf/cm2)と初期厚0.35mmから0.05mmにまで到達する加圧時間t(分)との関係は、P=16(kgf/cm2)ではt=5分、P=32(kgf/cm2)ではt=3分、P=48(kgf/cm2)ではt=1.3分であった。従って、本形態では、プレス板の加圧時間が1.3分以上であるテントの傷の修理方法が実現される。即ち、傷を一箇所修理するのに最短でも1.3分であるから、大量のテントの傷を迅速且つ安価に提供することができる。
上記の加圧時間条件は他のシート状物に対しても適用できる。加熱温度が増大すると加圧時間を短縮し、加熱温度が低下すると加圧時間を延長するなど、シート状物の種類に応じて加圧時間を短縮したり、延長したり自在に可変できることは云うまでもない。
本発明の第14の形態によれば、前記補修シートの中央部よりも外周縁が高い面圧で加圧熱融着されて前記面一状態が形成されるテントの傷の修理方法が提供できる。
前述したように、加圧熱融着した後の補修シートの断面は、全断面が0.05mm以下の均一な断面厚である必要はなく、少なくとも外周縁の段差高が0.05mm以下であればテント面に対し面一状態が実現できる。換言すれば、外周縁の段差高が少なくとも0.05mm以下であればよく、補修シートの中央部の断面形状は問わないのである。例えば、補修シートの中央部に向けて緩い山状に形成されていてもよいし、中央部が0.05mm以上の段状に形成されていてもよい等、種々の断面形状が許される。
従って、本形態では、補修シートの中央部よりも外周縁を高い面圧で加圧熱融着することにより、外周縁の段差高を0.05mm以下の面一状態にし、中央部は外周縁よりも面圧が低いから、中央部の断面厚は外周縁の段差高よりも大きく形成される。しかし、本形態では中央部の断面厚の分布は問わないものである。
本発明の第15形態によれば、前記補修シートは、その全面から外周縁へと複数段階に分けて加圧熱融着されて前記面一状態が形成されるテントの傷の修理方法が提供できる。
本形態の一例を2段階方式で説明すると、第1段階として、補修シートの全面をプレス板で加圧熱融着させ、次に第2段階として外周縁だけを加圧する冶具を用いて加圧熱融着すると、外周縁だけが更に加圧熱融着されて、その結果、外周縁の段差高だけが0.05mm以下に調整される。また、2段階方式を3段階方式、4段階方式と上げてゆくなど種々の加圧熱融着が実現できる。
図1は、本発明に係るシート状物及びテントの傷の修理方法を説明する分解断面図である。 図2は、本発明の対象物であるテントの概略説明図である。 図3は、本発明に係るシート状物及びテントの傷の修理方法において、加圧熱融着する直前の断面図である。 図4は、本発明に係るシート状物及びテントの傷の修理方法において、加圧熱融着途中の断面図である。 図5は、本発明に係るシート状物及びテントの傷の修理方法において、加圧熱融着の開始段階から終了段階の工程断面図である。 図6は、本発明に係る補修シートによる補修が完了したシート状物及びテントの要部平面図である。 図7は、本発明における補修シートの面圧と最終厚の関係図であり、表1のデータをプロットしたものである。 図8は、本発明における補修シートの加圧時間と最終厚の関係図であり、表2のデータをプロットしたものである。 図9は、本発明における最終厚0.05mmに到達する加圧時間と面圧の関係図であり、表3のデータをプロットしたものである。 図10は、従来技術である特許文献2(実登第3026665号公報)の綿製補修用テープを示す断面図である。 図11は、従来技術である特許文献3(特開平10−278750号公報)のシート状物の洗浄補修装置の動作工程図である。 図12は、従来技術である特許文献4(特開2003−170548号公報)の生地縫合部などの目張りシートの断面図である。 図13は、従来技術である特許文献5(特開2008−19664号公報)の補修用シート及び補修方法を示す従来説明図である。 図14は、従来技術である特許文献6(特開2011−189962号公報)のフレキシブルコンテナバッグの傷部補修方法を示す従来説明図である。 図15は、従来技術である特許文献7(特許第6121769号公報)のマットゴム面の修繕方法を示す従来説明図である。
以下に、本発明に係るシート状物又はテントの傷の修理構造及び修理方法の実施形態を図面に従って詳細に説明する。
図1は、本発明に係るテントの傷の修理方法を説明する分解断面図である。本発明方法で使用するプレス装置1は、上側にあるプレス板5と下側にある受板3からなり、プレス板5には調整可能な荷重F(kgf)が下向きの矢印方向に印加され、また調整可能な加熱温度T(℃)に加熱されている。プレス板5のプレス板面6と受板3の受板面4の間に補修されるべき素材が配置される。
プレス板面6に分離シート上面32が対面するように分離シート30が配置され、分離シート30の下側に分離シート下面34に補修シート上面22が対面するように補修シート20が配置されている。そして補修シート下面24と受板面4の間に傷14が位置するようにシート状物又はテント10が配置される。
広義には、補修される素材は傷14を有したシート状物であり、シート状物としては、例えば貨物自動車のホロや運動場・広場で使用されるテント、壁面・床面のクロス、ソファー・椅子・テーブルなどに張られた樹脂シート、トンネルや建築工事などで使用される防水シート、小さなものではカバンやバッグ等を形成する樹脂皮などのシート状物が含まれる。
本発明でいう傷14を有するシート状物は、表面が樹脂で形成されたシート面に傷14のあるシート状物である。樹脂は融解可能な熱可塑性樹脂であり、ポリ塩化ビニル樹脂もその一例に過ぎない。また、本発明の傷14を有するテント10とは、合成繊維よりなる布帛の両面が樹脂で被覆されたターポリンから構成されるテントであり、この樹脂とはシート状物の樹脂と同様に、融解可能な熱可塑性樹脂であり、ポリ塩化ビニル樹脂もその一例に過ぎない。上記樹脂としては、第1形態で説明した熱可塑性樹脂の全てが適用できるものであることは云うまでもない。
本実施形態において、シート状物は両面を有するが、補修シート20が融着接合される面を内側のシート面、反対側を外側のシート面と呼ぶ。補修シート20が看者から見て目立たない側の面を内側のシート面と呼んでいるにすぎず、そのための区別であるに過ぎない。同様に、テント10の場合には、テントの外にいる外部者から見える面を外側のテント面12、テントの中にいる内部者から見える面を内側のテント面13と呼ぶ。内側のテント面13に補修シート20が融着接合されると、補修シート20が外部の看者から見て目立たない。
図1では、補修シート20を内側のテント面13に対面させ、内側のテント面13に補修シート20を接合させる配置が示されている。外側のテント面12は受板面4に対面されて補修シートは接合されない。
しかし、この区別は場合に応じて異なり、補修シート20を外側のテント面12に接合してもよく、内側のテント面13、外側のテント面12は仮の区別に過ぎず、適宜自在に変更できるものである。勿論、内側のテント面13と外側のテント面12の両面に補修シートを融着接合してもよいのである。
このことは、シート状物における内側のシート面、外側のシート面の区別も仮の区別に過ぎず、補修シートをどちらの面に融着接合するかは適宜自在に変更できるものである。
図2は、本発明の対象物であるテントの概略説明図である。通常、テント10は地面に立設された複数のポール18、18・・の天幕として配設される。テント10に傷14が生じたとき、その傷14はテントを切り裂いた状態で生じている。従って、外部者から視認できる外側のテント面12からも、内部者だけが視認できる内側のテント面13からも、その傷14は視認される。
外側のテント面12には、所有者の文字が書かれているのが常であり、補修を目立たなくさせるために、前述した補修シート20は内側のテント面13に接合される。
図3は、本発明に係るシート状物又はテントの傷の修理方法において、加圧熱融着する直前の断面図である。
図1の状態から、加熱温度T(℃)のプレス板5に荷重F(kgf)を印加して、分離シート30と補修シート20を一体に押下し、補修シート20を傷14を被覆するようにテント10を一体に受板面4に対し押圧する。補修シート20を加圧熱融着する直前の状態が図示されている。従って、この状態では、補修シート20が狭着された状態が示され、補修シート20は未だ熱融着しておらず、補修シート20の外周縁26は全く潰れておらず、補修シート20の外周縁26の段差高は初期厚のままである。
図4は、本発明に係るシート状物又はテントの傷の修理方法において、加圧熱融着途中の断面図である。
更に、プレス板5に荷重F(kgf)を印加し続けると、プレス板5からの伝熱で補修シート20は融解を開始し、加圧により補修シート20は左右に延出し、補修シート20の厚みは減少し、外周縁26にある段差の段差高は減少を続ける。加圧熱融着を一定時間継続して段差高が一定以上に減少すると傷14が完全に被覆され、荷重F(kgf)の印加を停止し、プレス板5を上動させる。このとき、分離シート30の特性により、分離シート30は熱融着した補修シート20から容易に分離し、分離シート30はプレス板5とともに一体に上動する。この工程完了により、テント10の傷14の補修は完了する。
図5は、本発明に係るシート状物及びテントの傷の修理方法において、加圧熱融着の開始段階から終了段階の工程断面図である。
(5A)は補修シート20の加圧熱融着直前の状態断面図である。補修シート20は補修シート面積S(cm2)を有しており、荷重F(kgf)が印加されている。補修シート20の補修シート上面22が受ける面圧P(kgf/cm2)はP=F/Sで与えられる。補修シート20は融着される前には補修シート初期厚LI(mm)であり、補修シート20の外周縁26の段差29の段差高は補修シート初期厚LI(mm)である。補修シート下面24はテント10の傷14を閉鎖して配置されている。また、補修シート下面24はテント10の内側のテント面13に対面しているが、外側のテント面12に対面させてもよいことは上述した通りである。従って、テント10の上面の符号を13(12)とし、下面の符号を12(13)としているのは、内側のテント面13又は外側のテント面12のいずれでもよいことを意味している。
(5B)は補修シート20の加圧熱融着している途中の状態断面図である。補修シート20は面圧P(kgf/cm2)を受けながら加熱されるから、次第に融解して左右に延伸し、且つ傷14の中にも浸入して融解浸入部28も形成されて圧縮されてゆき、補修シート厚は減少してゆく。特に、補修シート上面22は平坦よりもむしろ緩い山状になり、外周縁26の段差29の段差高は次第に減少してゆく。
(5C)は補修シート20の加圧熱融着が終了した完了の状態断面図である。融解浸入部28は外側のテント面12にまで到達し、補修シート上面22は極めて緩い山状になり、外周縁26の段差29は肉眼視では内側のテント面13とほぼ面一状態になっている。それを確かめるために、作業員が指Yの爪YNを外周縁26の段差29に引っ掛けて爪YNを移動させ、引っ掛かりがあるかどうかで判定するのである。引っ掛かりが無ければ、段差29の段差高LF(mm)は面一状態であると判定できる。
前述したように、爪YNで判定できる臨界段差高LCはLC=0.05mmである。爪YNでの引っ掛かりが無いということは、段差高LFが臨界段差高以下であることを意味し、即ちLF≦LC=0.05mmであることを保証するものである。従って、肉眼視で面一状態であり、爪判定でも面一状態であれば、マイクロメータで段差高を測定しなくても、LF≦LCであると実質的に結論することができる。
図6は、本発明に係る補修シートによる補修が完了したシート状物又はテントの要部平面図である。テント10について図示しているが、シート状物でも同様である。補修されているのは内側のテント面13又は外側のテント面12であり、傷14を被覆して上記シート面13(12)に補修シート20が加圧熱融着されている。補修シート20の外周縁26にはギザギザの融着跡27が形成されている。これは補修シート20から加圧熱融着により外向きに融解流出する樹脂の融着跡である。
[実験1:面圧と最終厚の関係]
実験1で使用されるテント10は、合成繊維よりなる布帛の両面がポリ塩化ビニル樹脂で被覆されたターポリンから構成されており、補修シート20もこのテントと同材質のターポリンから構成され、テント10と補修シート20の樹脂は同一のポリ塩化ビニル樹脂である。テント10に初期厚0.35mmの補修シート20を重ねて、7種類の面圧を3分間だけ作用させて加圧熱融着させ、到達する補修シートの最終厚(mm)を測定した。その詳細と結果は表1に示されている。
Figure 0006497685
表1から分かるように、補修シート初期厚LI=0.35mmであり、これにプレス板5で荷重を印加して、補修シート20に加圧される面圧P(kgf/cm2)は、0、3.5、7.5、11.5、16、23、32(kgf/cm2)の7種類である。プレス板5の加熱温度(プレス温度)T=200℃であり、加圧時間(プレス時間)t=3分である。その結果、加圧熱融着された補修シート20の外周縁26の段差29の段差高LFが最終厚(mm)としてマイクロメータで測定された。上記7種類の面圧に対応して、最終厚(mm)は0.35、0.30、0.25、0.20、0.15、0.10、0.05(mm)となった。
図7は、本発明における補修シートの面圧と最終厚の関係図であり、表1のデータをプロットしたものである。比較的小さな面圧では、面圧と最終厚とは直線関係が成立しているが、面圧が大きくなると面圧と最終厚とは曲線関係に変化していることが分かる。プレス機の性能と作業性の観点から、前記プレス板の加圧による補修シートの面圧は16kgf/cm2以上が本発明に係る修理方法には好ましいと判断した。
[実験2:加圧時間と最終厚の関係]
実験2で使用されるテント10も、合成繊維よりなる布帛の両面がポリ塩化ビニル樹脂で被覆されたターポリンから構成されており、補修シート20もこのテントと同材質のターポリンから構成され、テント10と補修シート20の樹脂は同一のポリ塩化ビニル樹脂である。テント10に初期厚0.35mmの補修シート20を重ねて、加熱温度(プレス温度)200℃で16(kgf/cm2)の面圧を7種類の加圧時間だけ作用させて加圧熱融着させ、到達する補修シートの最終厚(mm)を測定した。その詳細と結果は表2に示されている。
Figure 0006497685
表2から分かるように、補修シート初期厚LI=0.35mmであり、これにプレス板5で荷重を印加して、補修シート20に加圧される面圧P(kgf/cm2)を16(kgf/cm2)に固定した。プレス板5の加熱温度(プレス温度)T=200℃であり、7種類の加圧時間(プレス時間)t(分)=0、0.5、1.2、2、3、4、5(分)である。その結果、加圧熱融着された補修シート20の外周縁26の段差29の段差高LFが最終厚(mm)としてマイクロメータで測定された。上記7種類の加圧時間に対応して、最終厚(mm)は0.35、0.30、0.25、0.20、0.15、0.10、0.05(mm)となった。
図8は、本発明における補修シートの加圧時間と最終厚の関係図であり、表2のデータをプロットしたものである。加圧時間が1.2分以内では、加圧時間と最終厚とは曲線関係が成立しているが、加圧時間が1.2分以上では加圧時間と最終厚とはほぼ直線関係になっていることが分かる。プレス機の性能と上記直線性の観点から、前記プレス板による補修シートへの加圧時間は1.2分以上が妥当であると判断する。
[実験3:面圧と加圧時間の関係]
実験3で使用されるテント10も、合成繊維よりなる布帛の両面がポリ塩化ビニル樹脂で被覆されたターポリンから構成されており、補修シート20もこのテントと同材質のターポリンから構成され、テント10と補修シート20の樹脂は同一のポリ塩化ビニル樹脂である。テント10に初期厚0.35mmの補修シート20を重ねて、加熱温度(プレス温度)200℃で3種類の面圧P(kgf/cm2)を印加して最終厚0.05mmに到達する加圧時間t(分)を測定した。その詳細と結果は表2に示されている。
Figure 0006497685
表3から分かるように、補修シート初期厚LI=0.35mmであり、これにプレス板5で荷重を印加して、補修シート20に加圧される面圧P(kgf/cm2)を16、32、48(kgf/cm2)と変化させた。プレス板5の加熱温度(プレス温度)T=200℃であり、各面圧ごとに補修シートの最終厚が臨界段差高LC=0.05mmになる加圧時間(プレス時間)t(分)を測定した。上記最終厚とは加圧熱融着された補修シート20の外周縁26の段差29の段差高LFである。上記3種類の面圧に対応して、加圧時間(分)は5、3、1.3(分)となった。
図9は、本発明における補修シートの加圧時間と面圧の関係図であり、表3のデータをプロットしたものである。データの範囲内では、加圧時間と面圧とはほぼ直線関係が成立しており、これから加圧時間は1.3分以上が好ましいことが分かる。実験2の図8から直線関係が成立する加圧時間は1.2分以上であり、両実験から加圧時間は1.3分以上との結論が導出される。
[実験4:プレス板の加熱温度(プレス温度)]
実験4で使用されるテント10も、合成繊維よりなる布帛の両面がポリ塩化ビニル樹脂で被覆されたターポリンから構成されており、補修シート20もこのテントと同材質のターポリンから構成され、テント10と補修シート20の樹脂は同一のポリ塩化ビニル樹脂である。
プレス板5の加熱温度(プレス温度)T(℃)についてはプレス機1の性能に大きく依存している。本発明者が使用するプレス機1の性能から、T(℃)=100、150、200、250、300、350、400の7種類で、補修シートの加圧熱融着の実験を行った。100℃では加圧熱融着が生じ難かった。150℃〜300℃の範囲では、加圧熱融着が適正に実行でき、加熱温度が増大するに従って、加圧時間が短縮できることが分かった。350℃及び400℃では、高温すぎるため、作業者また環境に危険であることが分かった。従って、加熱温度T(℃)として150℃≦T≦300℃が適正であると判断した。傷のない周辺のテント面への影響を考慮する250℃以下が好ましい。
これらの事情から、加熱温度は150℃≦T≦250℃と結論された。加熱温度を高温化するほど、シート厚を臨界段差高0.05mmに到達させる加圧時間が短縮できる利点がある。以上から、プレス板の加熱温度が150℃以上であるシート状物及びテントの傷の修理方法が実現した。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含するものであることは云うまでもない。
本発明の修理構造及び修理方法によれば、補修シートを傷のあるシート状物又はテントに加圧熱融着させる場合に、補修シートの外周縁がシート状物又はテントに肉眼視で面一状態になるように接合し、また面一状態とは爪を立てて引いても段差を体感しない状態であり、更に段差の段差高が0.05mm以下に調整されておれば肉眼視でも爪体感でも上記面一状態が物理的に実現できる。また、本発明によれば、補修シートを傷のあるシート状物やテントに加圧熱融着させる修理方法が提供される。
シート状物としては、貨物自動車のホロや運動場・広場で使用されるテント、壁面・床面のクロス、ソファー・椅子・テーブルなどに張られた樹脂シート、トンネルや建築工事などで使用される防水シート、小さなものではカバンやバッグ等を形成する樹脂皮などのシート状物が含まれる。
1 プレス装置
3 受板
4 受板面
5 プレス板
6 プレス板面
10 テント又はシート状物
12 外側のテント面又はシート面
13 内側のテント面又はシート面
14 傷
18 ポール
20 補修シート
22 補修シート上面
24 補修シート下面
26 外周縁
27 融着跡
28 融解浸入部
29 段差
30 分離シート
32 分離シート上面
34 分離シート下面
F(kgf) 荷重
LI(mm) 補修シート初期厚
LF(mm) 段差高
LC(mm) 臨界段差高
S(cm2) 補修シート面積
T(℃) 加熱温度
Y 指
YN 爪
201 綿製補修用テープ
211 接着剤層
212 布製テープ
213 印刷部
306 予備洗浄工程
307 洗浄剤洗浄工程
308 水洗工程
309 水切り工程
310 乾燥工程
311 傷検出工程
312 補修工程
313 防水加工工程
314 乾燥工程
315 折りたたみ工程
401 目張りシート
402 多孔質膜
403 熱融着性不織布
501 補修用シート
502 熱可塑性樹脂層
503 一耐熱層
505 防水シート
506 透水性シート
507 不透水性シート
508 損傷部位
509 加熱機
510 コテ
511 一次覆コンクリート
601 バッグ
602 バッグ本体
609a 複合シート部分
614 傷部
616 熱溶着機
623 上部盤
624 下部盤
627 開口
628 補修シート
630 他の補修シート
702 未加硫ゴムシート
706 接着シート
712 マット
714 ゴム面
728 キズ
732a 修繕用シート片
734 マットシート積層体
740 プレス装置
742 加熱押圧部
744 受圧部
750 圧力分散シート
752 エンボスシート
752a 凸点

Claims (7)

  1. 上方にプレス板且つ下方に受板を有するプレス装置を配置し、合成繊維よりなる布帛の両面が樹脂で被覆されたターポリンからなる補修シートを用意し、表面が前記樹脂で形成されて傷が生じたシート面を有するシート状物を用意し、傷を有した前記シート面を前記傷が前記受板の上側に位置するように配置し、前記補修シートを前記シート面の上側で前記傷を被覆する位置に配置し、前記プレス板を加圧且つ加熱し前記補修シートと前記シート面を前記受板に押圧して前記補修シートを前記傷が被覆された状態で前記シート面に加圧して熱融着させ、前記補修シートの少なくとも外周縁が前記シート面に面一状態加圧熱融着され
    前記面一状態は、前記外周縁と前記シート面の段差の段差高が、0.05mm以下に調整された状態であり、前記補修シートの中央部よりも外周縁が高い面圧で加圧熱融着されて前記面一状態が形成されることを特徴とするシート状物の傷の修理方法。
  2. 上方にプレス板且つ下方に受板を有するプレス装置を配置し、合成繊維よりなる布帛の両面が樹脂で被覆されたターポリンからなる補修シートを用意し、表面が前記樹脂で形成されて傷が生じたシート面を有するシート状物を用意し、傷を有した前記シート面を前記傷が前記受板の上側に位置するように配置し、前記補修シートを前記シート面の上側で前記傷を被覆する位置に配置し、前記プレス板を加圧且つ加熱し前記補修シートと前記シート面を前記受板に押圧して前記補修シートを前記傷が被覆された状態で前記シート面に加圧して熱融着させ、前記補修シートの少なくとも外周縁が前記シート面に面一状態加圧熱融着され
    前記面一状態は、前記外周縁と前記シート面の段差の段差高が、0.05mm以下に調整された状態であり、
    前記補修シートは、その全面から外周縁へと2段階以上の複数の段階に分けて加圧熱融着されて前記面一状態が形成され、前記複数の段階の第1段階では、前記補修シートの全面を前記プレス板で加圧熱融着させ、次に前記複数の段階の第2段階では、前記外周縁だけを加圧する治具を用いて加圧熱融着すると、前記外周縁だけが更に加圧熱融着されることを特徴とするシート状物の傷の修理方法。
  3. 前記シート面を有する前記シート状物が、前記ターポリンから形成され且つ傷が生じたテント面を有するテントであり、前記シート面が前記テント面である請求項1又は2に記載のシート状物の傷の修理方法
  4. 前記補修シートと前記プレス板との間に分離シートを配置して前記補修シートが前記プレス板に融着することを防止する請求項1〜3のいずれかに記載のシート状物の傷の修理方法。
  5. 前記樹脂はポリ塩化ビニル樹脂であり、前記プレス板の加圧による前記補修シートの面圧が16kgf/cm2以上である請求項1〜4のいずれかに記載のシート状物の傷の修理方法。
  6. 前記プレス板の加熱温度が150℃以上である請求項に記載のシート状物の傷の修理方法。
  7. 前記プレス板の加圧時間が1.3分以上である請求項に記載のシート状物の傷の修理方法。
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