JP6496685B2 - ドラム缶吸引装置及びドラム缶吸引方法 - Google Patents

ドラム缶吸引装置及びドラム缶吸引方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6496685B2
JP6496685B2 JP2016124694A JP2016124694A JP6496685B2 JP 6496685 B2 JP6496685 B2 JP 6496685B2 JP 2016124694 A JP2016124694 A JP 2016124694A JP 2016124694 A JP2016124694 A JP 2016124694A JP 6496685 B2 JP6496685 B2 JP 6496685B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
suction
liquid
drum
vertical
suction pipe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2016124694A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017225943A (ja
Inventor
藤田 典弘
典弘 藤田
昂行 濱村
昂行 濱村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nakakin Co Ltd
Original Assignee
Nakakin Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nakakin Co Ltd filed Critical Nakakin Co Ltd
Priority to JP2016124694A priority Critical patent/JP6496685B2/ja
Publication of JP2017225943A publication Critical patent/JP2017225943A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6496685B2 publication Critical patent/JP6496685B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Cleaning In General (AREA)
  • Filling Of Jars Or Cans And Processes For Cleaning And Sealing Jars (AREA)

Description

本発明は、天板に缶口を有するドラム缶に収容された種々の液を自動的に抜き取るためのドラム缶吸引装置と、この吸引装置を用いたドラム缶吸引方法に関する。
従来、この種ドラム缶からの液抜きには、該ドラム缶をクランプして所定高さに持ち上げ、傾倒ないし反転させることによって缶内液を缶口から流出させ、下位に配置する開放型タンク等の貯留槽へ注ぎ込む方式が汎用されている(例えば、特許文献1)。他に吸引方式として、ハンドロータリーポンプ、手動式ピストンポンプ、エアープレッシャーポンプ等に直結した直管状の吸引管を作業者がドラム缶の缶口に挿入し、ポンプの駆動によって缶内液を吸い上げてホースを通してタンク等へ送る可搬式吸引機(非特許文献1,2)や、吸引部に昇降機構によって昇降動作する垂直吸引管と吸引ポンプが配置され、吸引部に搬入したドラム缶の缶口に、上方に待機する該垂直吸引管を下降させて缶内底付近まで挿入し、吸引ポンプの駆動によって缶内液を垂直吸引管の下端吸引口から吸い上げ、該吸引ポンプに接続するホースや配管を通してタンク等へ排出する自動式吸引装置(例えば、特許文献2の図1)も採用されている。
インターネット・ウエブ・楽天市場・2ページ目ぽんぷやさん>ドラム缶用ポンプ:ぽんぷやさん,検索日:2016年4月15日、http//www.item.rakuten.co.jp/ponpu/c/0000000148/?p=2&s=1#risFil インターネット・ウエブ・エアー式ドラム缶ポンプ/M472LH-200B/測定/包装/物流/専門,検索日:2016年4月15日、http//www.webshiro.com/syouhinsetumei2/M472LH-200B.html
特開2003−146220号公報 特開平6−142627号公報(図1)
しかしながら、前記従来のドラム缶を持ち上げて傾倒ないし反転させる方式では、その傾倒ないし反転時に該ドラム缶の天板上に存在する塵埃やゴミ等が落下し、貯留槽内へ入って液に混ざり込む恐れがあるため、缶内液の種類や用途によっては品質管理面及び安全衛生面で重大な問題を生じる懸念があった。また、前記従来の吸引方式では、缶内液の粘度や比重等の性状に応じて吸引速度をコントロールしたり、吸引量を正確に設定することが困難である上、ドラム缶内に挿入した吸引管外周の広範囲に缶内液が付着し、その液垂れが終わるまで長い待機時間を要すると共に、液の種類によっては付着物が固化して蓄積することから、吸引終了の都度に付着液の拭取りや洗浄等の作業が必要になり、処理能率が悪いという難点があった。なお、特許文献2に開示される自動式吸引装置では、ノズル(吸引管)を側方に設けたノズル洗浄機によって自動洗浄できるが、そのために吸引後のノズルを水平方向に移動させて更に昇降させる必要があり、それだけ能率が悪くなることに加え、構造が複雑化して設備コストが嵩む上、装置の大型化を余儀なくされる。一方、このようなドラム缶の液抜き操作においては、缶内の残液をできるだけ少なくすることが常に課題になる。
本発明は、上述の事情に鑑み、天板に缶口を有するドラム缶の液抜きを吸引方式で自動的に行う手段として、天板上の塵埃やゴミ等が液に混ざり込む懸念がなく、また缶内液の性状に応じて吸引速度を調整して能率よく正確に設定量の液抜きを行え、且つ吸引終了後に余分な作業を要さずに次の吸引操作に迅速に対応でき、しかも装置全体を簡素にコンパクトに構成でき、また缶内液を殆ど残さず吸引排出することも可能とする、吸引装置及び吸引方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するための手段を図面の参照符号を付して示せば、請求項1の発明は、吸引部Sに搬入された液入りドラム缶Dの缶口d1に、上方から垂直吸引管1を挿通して缶内液Lを吸引排出するドラム缶吸引装置であって、吸引部Sに配置されて重量測定手段(ロードセル20)を備える缶載置台2と、昇降機構3によって昇降動作する吸引管支持枠31と、該吸引管支持枠31に上部で支持されて下端を吸引口1aとする垂直吸引管1と、その吸引口1aが缶内液Lに浸漬したのを検知する浸漬検知手段(エアー放出管5)と、垂直吸引管1を通して缶内液lを吸引する吸引ポンプ(ロータリーポンプ)Pと、昇降機構3及び吸引ポンプPの駆動を制御する制御装置4とを備え、制御装置4は、浸漬検知手段5の浸漬検知信号によって吸引ポンプPによる吸引を開始させると共に、重量測定手段20にて測定される缶内液Lの重量減及び液比重とドラム缶D内側の横断面積とから求められる吸引速度に基づいて、垂直吸引管1の下端部のみが缶内液Lに浸漬した状態を維持するように該垂直吸引管1の下降速度を制御する機能を有してなる。
請求項2の発明は、上記請求項1のドラム缶吸引装置において、缶載置台2は、載置したドラム缶Dを缶口d1の芯位置Oを変えずに缶内底d3の周辺部d30が該缶口d1の直下に来るように傾動させる傾動機構6を具備し、制御装置4は、吸引による缶内液Lの残量が所定の少量になった段階で該傾動機構6を作動させる機能を有する構成としている。
請求項3の発明は、上記請求項2のドラム缶吸引装置において、缶載置台2の傾動時における下部側の前限位置を可変調整する傾動調整手段7を備えてなる構成としている。
請求項4の発明は、上記請求項2又は3のドラム缶吸引装置において、垂直吸引管1の吸引口1aが傾動時のドラム缶内底d3の傾斜方向に略沿う斜め切り形態をなす構成としている。
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかのドラム缶吸引装置において、垂直吸引管1の下端部の内側に、吸引時に吸引力で開放して吸引停止時に液重及び自重で閉止する逆流防止弁8が設けられてなる構成としている。
請求項6の発明は、上記請求項1〜5のいずれかのドラム缶吸引装置において、浸漬検知手段5は、垂直吸引管1に沿って配設されて吸引口1a近傍に放出口5aが開口したエアー放出管5と、該エアー放出管5から継続的に放出するエアー圧の変化を検出する圧力検出機構とで構成され、垂直吸引管1の下降時に該エアー圧が液中放出になって増大することで、吸引口1aの液中浸漬を検知するものとしている。
請求項7の発明は、上記請求項1〜6のいずれかのドラム缶吸引装置において、吸引管支持枠31に垂直吸引管1が上動可能に吊支され、吸引時に該吸引管支持枠31と一体に下降する垂直吸引管1の吸引口1aが缶内底d3に当接した際、該垂直吸引管1が吊支部(吊支杆)38において下降する吸引管支持枠31から浮き離れて下降停止するように構成されると共に、この停止を検知する停止センサーC1を備え、制御装置4は、該停止センサーC1の停止検知信号に基づいて吸引管支持枠31の下降を停止させる機能を有してなる。
請求項8の発明は、上記請求項1〜6のいずれかのドラム缶吸引装置において、垂直吸引管1内の上端側で液切れを検知する液切れセンサーC2と、該液切れセンサーC2による液切れの検知に基づいて吸引管路10を閉鎖する自動閉止弁Vとを具備してなる構成としている。
請求項9の発明に係るドラム缶吸引方法は、重量測定手段20を備える缶載置台2上に液入りドラム缶Dを搬入し、その液入りドラム缶Dの缶口d1を昇降可能な垂直吸引管1の直下に合わせたのち、該垂直吸引管1を下降させて缶口d1に挿通し、浸漬検知手段5によって該垂直吸引管1の下端の吸引口1aが缶内液Lに浸漬するのを検知した際に、吸引ポンプPを介して該吸引口1aからの缶内液Lの吸引を開始すると共に、重量測定手段20にて測定される缶内液Lの重量減及び液比重とドラム缶D内側の横断面積とから求められる吸引速度に基づいて、垂直吸引管1の下降速度を制御装置4によって制御することにより、垂直吸引管1の下端部のみが缶内液Lに浸漬した状態を維持しつつ缶内液Lを吸引排出することを特徴としている。
請求項10の発明は、上記請求項9のドラム缶吸引方法において、缶載置台2の傾動機構6を具備し、吸引による缶内液Lの残量が所定の少量になった段階で吸引を一時停止し、傾動機構6によってドラム缶Dを缶口d1の芯位置Oを変えずに缶内底d3の周辺部d30が垂直吸引管1の吸引口1aの直下に来るように傾動させたのち、吸引を再開して残液の略全量を吸引排出することを特徴としている。
次に、本発明の効果について図面を参照して具体的に説明する。請求項1の発明に係るドラム缶吸引装置では、吸引部Sにおいて、缶載置台2上に載せた液入りドラム缶Dの缶口d1に、上方に待機していた垂直吸引管1を下降させて挿通し、その下端の吸引口1aより缶内液Lを吸引排出するが、浸漬検知手段(エアー放出管5)によって下降する該垂直吸引管1の吸引口1aが缶内液Lに浸漬するのを検知した際に吸引を開始すると共に、重量測定手段(ロードセル20)にて測定される缶内液Lの重量減及び液比重から算出される吸引速度とドラム缶D内側の横断面積とから垂直吸引管1の下降速度を演算し、該垂直吸引管1の下端部のみが缶内液Lに浸漬した状態を維持しつつ吸引を行う。従って、缶内液Lの粘度や比重等の性状に応じて吸引速度を適正に調整できて、且つ垂直吸引管1は下端部のみが缶内液Lに浸漬する状態で吸引排出を終了するから、そのまま次のドラム缶に対する吸引排出に供することが可能であり、従来では要していた吸引終了毎の人手による清掃作業や専用の洗浄装置の設置を省略でき、それだけ処理能率が向上して労力も軽減される。また、このドラム缶吸引装置では、垂直吸引管1を吸引部Sにおいて昇降させるだけでよく、洗浄装置を設ける場合のように上下及び水平方向に移動させる必要がないから、装置を簡素に且つコンパクトに構成できると共に、設置スペースも小さくて済む。
請求項2の発明によれば、缶載置台2に設けた傾動機構6により、吸引による缶内液Lの残量が所定の少量になった段階で、吸引途上のドラム缶Dを缶口d1の芯位置Oを変えずに缶内底d3の周辺部d30が該缶口d1の直下に来るように傾動変位できるから、傾動前に缶内に挿入していた垂直吸引管1を入れ直すことなく、そのまま下降させて吸引を行うだけで、傾動によって缶内底d3の周辺部d30に集まった残液を効率よく最後まで吸引排出できる。
請求項3の発明によれば、上記の缶載置台2に傾動機構6を備える構成において、ドラム缶Dの品種よる缶口d1の位置(缶中心からの距離)の違いに対応して、傾動置台変位手段7によって傾動時の缶載置台2下部側の前限位置を調整することにより、缶内底d3の周辺部d30を該缶口d1の直下に位置させることができる。
請求項4の発明によれば、上記の缶載置台2に傾動機構6を備える構成において、垂直吸引管1の吸引口1aが傾動時のドラム缶内底d3の傾斜方向に略沿う斜め切り形態をなすから、傾動後のドラム缶D内の残液を殆ど余すことなく吸引排出できるという利点がある。
請求項5の発明によれば、垂直吸引管1からの吸引を停止した際、その下端部内側の逆流防止弁8が液重及び自重で自動的に閉止して吸引口1aを封鎖するから、該垂直吸引管1内の残留液が流下してドラム缶D内に戻るのを防止でき、もって液戻りによる計量誤差を回避できる。
請求項5の発明によれば、浸漬検知手段5は、垂直吸引管1に沿うエアー放出管5から継続的に放出するエアー圧が液中放出になって増大することを検知するものであり、液面センサーのように高価で且つ液濡れ対策を要するものではないから、検知及び作動の信頼性が高く、且つ安価に装備できて耐久性にも優れる。
請求項7の発明によれば、吸引管支持枠31に垂直吸引管1が吊支され、吸引時に該吸引管支持枠31と一体に下降する垂直吸引管1の吸引口1aが缶内底d3に当接した際、該垂直吸引管1が吸引管支持枠31から浮き離れて下降停止し、次いで停止センサーC1による停止検知信号に基づいて吸引管支持枠31も下降を停止するから、缶内底d3に対する衝当や圧接によって当該吸引管1が曲がったり、吸引口1a近傍が変形したり、吸引管支持枠31に対する取付部分が損傷したりする懸念がない。
請求項8の発明によれば、吸引排出が終了すると、垂直吸引管1内の上端側で液切れセンサーC2が液切れを検知し、そ自動閉止弁Vが吸引管路10を自動的に閉鎖するから、迅速に次のドラム缶Dの吸引排出のための準備を行える。
請求項9の発明に係るドラム缶吸引方法によれば、缶載置台2上に液入りドラム缶Dを搬入し、上方に待機する垂直吸引管1を下降させて缶口d1に挿通し、その下端の吸引口1aが缶内液Lに浸漬すると同時に吸引ポンプPを介して缶内液Lの吸引を開始して、且つ該垂直吸引管1の下端部のみが缶内液Lに浸漬した状態を維持しつつ缶内液Lを吸引排出するから、缶内液Lの性状に応じて吸引速度を適正に調整できて、且つ垂直吸引管1はそのまま次のドラム缶に対する吸引排出に供することが可能であり、従来では要していた吸引終了毎の人手による清掃作業や専用の洗浄装置の設置を省略でき、それだけ処理能率が向上して労力も軽減される。
請求項10の発明によれば、上記のドラム缶吸引方法において、缶内液Lの残量が所定の少量になった段階でドラム缶Dを傾動機構6によって缶載置台2を傾動させることで、缶内底d3の周辺部d30に集まった残液を効率よく最後まで吸引排出できる。
本発明の一実施形態に係るドラム缶吸引装置を示す側面図である。 同ドラム缶吸引装置の正面図である。 同ドラム缶吸引装置の下部側を示す平面図である。 同ドラム缶吸引装置の要部の縦断側面図である。 同ドラム缶吸引装置における缶載置台の傾動機構を示し、(a)は傾動前の側面図、(b)は傾動後の側面図である。 同ドラム缶吸引装置における缶載置台の傾動調整手段を示し、(a)は缶載置台下方位置での横断平面図、(b)は缶載置台を含む下部の正面図である。 同ドラム缶吸引装置における垂直吸引管の先端側を示し、(a)は側面図、(b)は底面図、(c)は(b)のX−X線の矢視断面図である。 同ドラム缶吸引装置によるドラム缶の缶内液の吸引排出状態を示す縦断側面図である。
次に、本発明の一実施形態に係るドラム缶吸引装置と、この吸引装置を用いたドラム缶吸引方法について、図面を参照して具体的に説明する。なお、以下において、前後の方向は、該吸引装置におけるドラム缶の搬出入方向を基準とし、搬出側を前、搬入側を後と表現している。
図1に示すように、ドラム缶Dを載せて手送りするローラーコンベアからなる搬入部B1と搬出部B2の間に、ドラム缶吸引装置Mを設置した吸入部Sが設定されている。このドラム缶吸引装置Mは、図2及び図3でも示すように、水平台座HB上に、上面側が搬入部B1及び搬出部B2と常態において同レベルで続くローラー式搬送路を形成する缶載置台2と、その作業側を前方として後方側に位置した制御装置4を内蔵する制御盤ボックス40と、該制御盤40に隣接した昇降機構3の縦長の昇降ガイド枠30と、制御盤ボックス40の下方に配置する吸引用のロータリーポンプP及びポンプ駆動用ギヤードモーターGM1とが設置されている。また、水平台座HBの側端部より前方へ延出する支持パイプ41を介して、タッチパネル式の操作盤42が設けてあり、支持パイプ41内には制御装置4に接続する電気配線(図示省略)が通されている。なお、制御盤ボックス40の側面には秤表示器43及び電源ランプ44を備えると共に、操作盤42には非常停止スイッチ45が付設されている。
そして、図4に示すように、昇降ガイド枠30の内側には、下部に設けた昇降用ギヤードモーターGM2を介して回転駆動するスクリュー軸32と、その両側のガイド軸33,33とが平行して垂直に配置しており、これら軸32,33,33を介して吸引管支持枠31が昇降自在に取り付けられている。この吸引管支持枠31は、スクリュー軸32が螺挿する雌ねじ筒34ならびに各ガイド軸33が挿通するガイド筒35を有する昇降枠部31aと、該昇降枠部31aに一体化されて昇降ガイド枠30の外側に配置する縦帯板状の支持枠部31bとで構成されており、支持枠部31bの頂端に固着した吊持板36に、吸引管取付枠37が両端部の吊支杆38,38を介して上動可能に吊支されている。そして、吸引管取付枠37は、吸引管路10の水平管部11を両端の下方突出したブラケット37a,37aを介して水平に保持している。
各吊支杆38は、吊持板36を貫通して径大の頭部38aを該吊持板36に係止しており、該吊持板36に対して吸引管取付枠37と一体に上動した際に、その頭部38aが該吊持板36から浮き離れるようになっている。しかして、吊持板36側には、吊支杆38の頭部38aの接近又は当接を検知し、制御装置4に吸引管支持枠31の下降を停止させるための信号を出力する停止センサーC1が設けてある。また、スクリュー軸32の頂端にはロータリーエンコーダ39が設けられ、該スクリュー軸32の回転をパルス信号として捉えて制御装置4のシーケンサーに伝えることにより、昇降ガイド枠30の昇降動作における上下位置を読み取って位置制御を行うようになっている。
吸引管路10は、図2に示すように、水平管部11と、その一端側にチーズ管12を介して垂設された垂直吸引管1と、該水平管部11の他端側にチーズ管13及びエルボ管14を介して接続されてロータリーポンプPに繋がる吸引ホース15とで構成されている。そして、水平管部11と垂直吸引管1側のチーズ管12との間には自動閉止弁Vが介装されると共に、該チーズ管12の上側分岐部には液切れセンサーC2が嵌装されている。また、吸引ホース15側のチーズ管13には、上側分岐部に手動バルブ16を介して呼び液用漏斗17が装着されると共に、吸引ホース15内の残液を排出させるためのエアー押しコック18が設けてある。
缶載置台2は、図1〜図4に示すように、重量測定手段としてのロードセル20上に矩形のローラー式搬送枠2aを載せた形態であり、該ローラー式搬送枠2aの前後方向中間部に位置決めゲート21が立設されている。この位置決めゲート21は、図4で詳細に示すように、各々2本の垂直アングル材よりなる左右一対の脚柱部21a,21aと、両脚柱部21a,21aの頂部間に橋架した頂板部21bとで門形に構成されており、各脚柱部21aの下部寄りの位置に、先端にクッション付きで搬送前後方向に長い押接部を設けたピストンロッド24aを内向きに突出させる缶胴部押接用のエアーシリンダー24が取り付けられると共に、頂板部21bの左右二箇所に、同様のピストンロッド25aを下向きに突出させる缶天板押接用のエアーシリンダー25が取り付けられている。
位置決めゲート21の頂板部21bの中央下部には、該頂板部21bに螺着した4本の高さ調整ボルト26aを介して矩形の水平板26が高さ調整可能に保持され、該水平板2にヒンジ26bを介して缶口位置決め具27が止着されている。この缶口位置決め具27は、図8に示すように、ドラム缶Dの突出した缶口d1を嵌合させる丸穴27aを備えており、図示実線の如く搬送方向後方へ張出した水平状態の使用姿勢と、図示仮想線の如く直立した待機姿勢とに転換可能であり、待機姿勢では頂板部21b側に設けた一対のレバー式の留め具27b,27b(図4参照)の回動操作によって直立状態で保持される。しかして、缶口位置決め具27の水平状態の使用姿勢において、丸穴27aの中心は垂直吸引管1の軸線に一致するように設定されている。
また、図5(a)(b)で詳細に示すように、水平台座HB上には、前部側左右一対の台受け板61,61と、後部側左右一対の台受け板62,62とが各々前後方向に沿って立設されており、これら台受け板61,62に長孔状のガイド孔61a,62aが形成されている。そして、缶載置台2は、下部の前後左右に各々ブラケット22aを介して側方へ突出する水平支軸22を備え、これら水平支軸22を各々台受け板61,62のガイド孔61a,62aに挿嵌した状態で、水平台座HB上に支持されている。なお、長孔状の両ガイド孔61a,62aは缶載置台2上に載せたドラム缶Dの缶口d1の芯位置O(図8参照)を中心とする円周に沿う緩やかな円弧状をなし、前部側のガイド孔61aは前方へ昇り勾配に傾斜し、後部側のガイド孔62aは前方へ僅かに下り勾配に傾斜している。また、各水平支軸22は、ガイド孔61a,62aへの挿嵌部にベアリング(図示省略)を嵌装すると共に、外端に径大の抜止め板22bが固着されている。
そして、缶載置台2の直下には、傾動用エアーシリンダー60が後端側を水平台座HB上の取付突片63に枢着して上下揺動自在に配置すると共に、前端側から突出するピストンロッド60aの先端が缶載置台2の前端側に下向き突設されたブラケット23に枢着連結されており、この傾動用エアーシリンダー60と台受け板61,62のガイド孔61a,62aとで缶載置台2の傾動機構6を構成している。
すなわち、図5(a)で示すように、傾動用シリンダー60のピストンロッド60aが収縮している常態において、缶載置台2は、各水平支軸22をガイド孔61a,62aの後端側に位置させることで、ローラー式搬送枠20が水平になった配置姿勢を保つように設定されている。一方、図5(b)で示すように、傾動用シリンダー60のピストンロッド60aが伸長すれば、缶載置台2は、各水平支軸22がガイド孔61a,62aの前端側へ移動することで、前方へ移動しつつ前端側が高くなるように傾動変位する。この傾動変位は、図8の仮想線で示すように、缶載置台2上に載せたドラム缶Dの缶口d1の芯位置O(図8参照)を中心とする回転運動であり、傾動後のドラム缶Dの缶内底d3の周辺部d30が該缶口d1の直下に来るように設定されている。なお、水平台座HBの中間部の左右両側にはタッチセンサー28が設けられ、缶載置台2の水平姿勢では図5(a)の如く該缶載置台2の底枠2bに設けた突片28に当接し、該缶載置台2の傾動に伴って突片28が離れることで、その傾動を検知するように構成されている。
また、図6(a)(b)に示すように、水平台座HBの後部側には、缶載置台2の傾動調整手段7が設けてある。この傾動調整手段7は、両端部を軸支されて前後方向に沿う中央のガイド軸71と、両端部を軸受70を介して枢支されて前後方向に沿う左右一対のスクリュー軸72,72と、ガイド軸71に外嵌する短筒状のガイド筒73aならびに両スクリュー軸72,72に螺合する雌ねじ筒73b、73bを固着した左右方向に沿う帯板状ストッパー73と、両端部及び中間部複数箇所を軸受70で枢支されて左右方向に沿う回転操作軸74と、該回転操作軸の右端に設けた操作ハンドル75とを備えている。そして、両スクリュー軸72,72の各内端に固着したベベルギヤ72aに回転操作軸74に固着したベベルギヤ74aが螺合しており、操作ハンドル75の回転操作により、両スクリュー軸72,72が同期回転し、これに伴って帯板状ストッパー73が前後に移動するようになっている。一方、缶載置台2の底枠2bの後端には左右一対の当接板28,28が垂設されており、傾動用エアーシリンダー60のピストンロッド60aの伸長作動によって該缶載置台2が傾動する際、前方移動する該缶載置台2の当接板28,28が帯板状ストッパー73に当接することで、該缶載置台2の傾動に伴う前方移動が停止し、もってピストンロッド60aの更なる伸長が強制的に阻止される。従って、帯板状ストッパー73の前後位置の調整により、缶載置台2の傾動角度をガイド孔61a,62aの長さ範囲内で任意に設定できる。
垂直吸引管1は、図7(a)〜(c)に示すように、下端が後方側を低くする斜め切り形態の吸引口1aを構成している。この吸引口1aの角度θは3〜10°程度であり、該吸引口1aが傾動時のドラム缶Dの内底の傾斜方向に略沿うように設定されている。なお、吸引口1aの斜め切り形態における低位側半部の外周面側には、半円弧状の補強枠1bが溶接固着されている。そして、該垂直吸引管1の外周には、溶接によって1本の細いエアー放出管5が長手方向に沿って配設されており、その下端の放出口5aが吸引口1aの近傍に開口している。また、吸引口1aの内側には、自動開閉式の逆流防止弁8が設けられている。
エアー放出管5は、図4に示すように、垂直吸引管1の上端側でエアーチューブ51に接続しており、制御盤ボックス40内に設置したエアーポンプ(図示省略)より該エアーチューブ51を通して供給される低圧のエアーを放出口5aから放出するようになっている。また、制御盤ボックス40内にはエアー放出管5に供給されるエアー圧の変化を検出する圧力センサー(図示省略)を備えている。このような圧力センサーとしては、大気圧との圧力差を検知する差圧センサーが利用される。しかして、エアー放出管5とその圧力検出機構は、垂直吸引管1の吸引口1aがドラム缶D内の液中に浸漬したことを検知する浸漬検知手段を構成しており、該吸引口1aの液中浸漬に伴って該エアー放出管5の放出口5aも液中浸漬することで、放出エアー圧が大きくなるのを圧力検出機構で検出し、その検出信号に基づいて制御装置4がロータリーポンプPに駆動開始つまり垂直吸引管1による液吸引開始を指令するようになっている。
逆流防止弁8は、図7(b)(c)に示すように、環状ホルダー80の内側に、二枚の半円形の弁板81,81が両者を連結するヒンジ83の枢軸82を介して嵌装されている。そして、両弁板81,81は、該ヒンジ83の枢軸82を中心として、図7(c)の実線の如く環状ホルダー80の内周に突設した環状弁座80aに周縁部をメタルタッチで密接する閉弁姿勢と、同図の仮想線の如く相互にV字形をなす開弁姿勢とに転換自在になっており、缶内液Lの吸引時に吸引力で開放して吸引停止時に管内の液重及び自重で閉止する。なお、環状ホルダー80の上縁には枢軸82の一端側の位置で内向きに突出するストッパー片84が設けてあり、開弁姿勢の両弁板81,81が該ストッパー片84に接当することで、相互のV字形を超えて垂直に立ち上がるのを防止している。また、環状ホルダー80は下側周縁で垂直吸引管1の内側に溶接されている。
なお、図1及び図2における符号9は皿形の液垂れ受けであって、昇降ガイド枠30の外側面に取り付けたエアーシリンダ91(図2参照)の伸縮作動により、上限位置にある垂直吸引管1の直下位置と、昇降ガイド枠30側の退避位置とに出退動作するように構成されている。また、缶載置台2のローラー式搬送枠20は、図3に示すように、搬送方向の前後両側部には搬入部B1及び搬出部B2と同様に略全幅に亘る長いローラーR1の各2本が配設されているが、中央部には短いローラーR2が左右各5本ずつ左右に間隔を空ける形で配設されており、缶載置台2上に搬入したドラム缶Dを図示仮想線の如くローラー式搬送枠20の中央部に位置させると、該ドラム缶Dの全体が左右両側の短いローラーR2上に跨がって載り、これらローラーR2が左右で逆回転し得るから、該ドラム缶Dを容易に回動(自転)操作できる。
上記構成のドラム缶吸引装置Mにおいては、液入り(通常は満液状態)のドラム缶Dを缶載置台2上へ運び込むまでは、垂直吸引管1が上限位置で待機すると共に、位置決めゲート21の缶胴部押接用及び缶天板押接用のエアーシリンダー24,25もピストンロッド24a,25aが収縮した待機状態にあり、缶口位置決め具27は直立した待機姿勢に保持されている。無論、缶載置台2もローラー式搬送枠20が搬入部B1及び搬出部B2と同レベルの水平状態になっている。一方、一連の吸引作業の開始前に、操作盤42を操作し、予め判明しているドラム缶Dの缶体重量及び容量と内側の横断面積、缶内液Lの比重と粘度、垂直吸引管1の降下時の液面エアー圧の変化量、缶傾動に切換えるための液残量等の駆動制御に必要な諸元数値を制御装置に入力しておく。
そして、搬入部B1からドラム缶Dを缶載置台2上へ運び込むと、該ドラム缶Dをローラー式搬送枠20の中央部つまり位置決めゲート21下に位置させ、その缶口d1が天板上での搬送方向後方側に来るように向きを調整すると共に、缶口位置決め具27を傾倒させて缶口d1が丸穴27aに合うように位置調整し、該丸穴27aに缶口d1を嵌合させる。なお、ドラム缶Dの缶口d1及び通気口d2(図8参照)は、搬入前に予めキャップを外しておくか、搬入後にキャップを外して開放しておく。
かくしてドラム缶Dの位置決めを終えると、操作盤42にて駆動開始を指令する。この指令により、まず缶胴部押接用及び缶天板押接用のエアーシリンダー24,25が作動し、ピストンロッド24a,25aが伸長してドラム缶Dの胴部を左右両側から挟み付けると共に天板を上から押さえ、もって該ドラム缶Dが缶載置台2上の定位置で固定される。そして、ロードセル20によってドラム缶Dの総重量が計測され、この総重量から缶体重量を差し引いた液重量が制御装置4に入力されると共に、その数値が秤表示器43に表示される。次いで、昇降機構3が作動し、吸引管支持枠31の下動に伴って上限位置に待機していた垂直吸引管1が下降してゆき、缶口d1よりドラム缶D内へ挿入されるが、その下降中にエアー放出管5の放出口5aより低圧のエアーが継続的に放出される。
しかして、下降してゆく垂直吸引管1の吸引口1aが缶内液Lに浸漬すると、略同時にエアー放出管5の放出口5aも浸漬し、その放出エアー圧が液中放出に転換することで増大するから、この圧力変化を検出した圧力検出機構から制御装置4への信号入力により、ロータリーポンプPが駆動して垂直吸引管1の吸引口1aから吸引管路10を通した缶内液Lの吸引が開始される。なお、垂直吸引管1の吸引口1aの内側に設けている逆流防止弁8は、吸引前には二枚の弁板81,81が図7(c)の実線の如く自重で水平姿勢になって閉弁しているが、吸引開始に伴う吸引力で両弁板81,81が同図の仮想線の如くV字形に立ち上がって開弁する。
ロータリーポンプPによる吸液速度は、缶内液Lの粘度等の性状や二次側(排出先)の状況等に応じて予め適正に設定されるが、その吸液速度とドラム缶Dの内側の横断面積に基づいて、図8の実線で示す如く垂直吸引管1の下端部のみが缶内液Lに浸漬する状態を維持しつつ吸引を継続するように、制御装置4によって該垂直吸引管1の下降速度が設定される。これは何らかの要因によって吸引途上でロータリーポンプPによる吸液速度を増減する場合でも同様である。なお、吸液速度はロードセル20にて測定される缶内液Lの重量減及び液比重から算出される。また、吸引開始後もエアー放出管5からのエアー放出を続行し、その放出エアー圧を圧力検出機構によって継続して検出するようにすれば、垂直吸引管1の下降速度が速過ぎる場合にエアー圧は増加し、遅過ぎる場合にエアー圧は減少するから、該放出エアー圧の増減を垂直吸引管1の下降速度の補正に利用できる。
この吸引によって缶内液Lは次第に減少してゆき、その液残量が秤表示器43に継続的に表示され、これに伴って垂直吸引管1の吸引口1aの位置が低くなってゆくが、液残量が予め設定した少量値に達すると、制御装置4の指令によって缶内液Lの吸引及び垂直吸引管1の下降が自動的に停止される。そして、傾動機構6が作動し、傾動用エアーシリンダー60のピストンロッド60aの伸長により、缶載置台2が図5(b)の如く搬送方向前方側へ移動しつつ、該前方側が高くなるように傾動する。これによって缶載置台2上のドラム缶Dも一体に傾くが、該缶載置台2が前方移動を伴って傾動することで、ドラム缶Dは図7の仮想線で示すように缶口d1の位置を変えずに傾く形になり、且つその内底部d3の周辺部d30が傾動後には垂直吸引管1の吸引口1aの略直下に来るように設定されている。従って、該吸引口1aは、ドラム缶Dの傾きによって缶内液Lの残液深さが最大になる位置に臨むと共に、その斜め切り形態の傾斜が傾動後のドラム缶Dの内底部d3の傾斜に略沿うことになる。
缶載置台2の上記傾動が終了すれば、自動的に垂直吸引管1の下降を伴う吸引が再開され、残る缶内液Lも吸引排出されてゆくが、吸引口1aが傾動後のドラム缶Dの内底部d3の傾斜に略沿う斜め切り形態であることで、缶内液Lは殆ど余すことなく最後まで吸引排出される。そして、缶内液Lの残量が殆どゼロになると、垂直吸引管1に缶内の空気が流入するから、液切れセンサーC2によって管路内の液切れ状態が検知され、またロードセル20で計測される吸引液重量の変化幅によっても液切れ状態が検知されるから、これらの検知信号に基づいて自動閉止弁Vが閉止すると共に、ロータリーポンプPも停止して缶内液Lの吸引が止まる。
一方、吸引しつつ下降する垂直吸引管1は、最終的にドラム缶Dの内底部d3に下端が突き当たることになるが、吸引管路10全体を支持している吸引管取付枠37が吸引管支持枠31の吊持板36に対して吊支杆38を介して上動可能に吊支されているため、内底部d3への突き当たりによって下降が停止すると、吊支杆38の頭部38aが吊持板36から浮き離れ、下動する吸引管支持枠31から切り離される。従って、吸引管支持枠31の下動力が垂直吸引管1の先端に及ばず、もって該垂直吸引管1の曲がりや吸引口1aの変形、ドラム缶Dの内底部d3の凹み等が回避される。
そして、垂直吸引管1を含む吸引管路10全体の下降が停止すると、これを検知した停止センサーC1からの信号に基づいて昇降機構3の昇降用ギヤードモーターGM2の駆動が上昇側に切り換わり、吸引管支持枠31が上動するから、この上動に伴って吸引管路10全体が上昇し、垂直吸引管1はドラム缶Dから抜き出されて上限位置へ戻る。なお、垂直吸引管1の下端(吸引口1a)が缶口d1から抜け出すと、その直下に液垂れ受け9が進出し、該下端から垂れる液滴を受け止めるから、液垂れで周辺が汚れるのを回避できる。また、ポンプ停止後の吸引ホース15内に残る液は、エアー押しコック18を開いて配管内の圧力を高めることで二次側へ排出される。
かくして缶内液Lの吸引排出が終了すれば、傾動機構6が復帰作動し、傾動用エアーシリンダー60のピストンロッド60aの収縮によって缶載置台2は水平姿勢に戻るから、空になったドラム缶Dを搬出部B2へ送り出し、次位のドラム缶Dを缶載置台2上に運び込んで同様の吸引排出操作を反復すればよい。
上記液切れ状態の検知によって自動閉止弁Vが閉止した時、垂直吸引管1内には直前まで吸引していた液が残っているが、吸引口1aの内側にある逆流防止弁8の二枚の弁板81,81が管内の残液の液重と自重で水平姿勢になって閉弁するから、その残液が流下するドラム缶D内へ戻ることはなく、もって該残液のドラム缶Dへの戻りによる計量誤差を回避できる。すなわち、吸液量はロードセル20による重量測定によって高精度に計量されるため、吸引停止後に液戻りを生じると、計量値に対して実際の吸引量が戻った残液分だけ不足することになる。しかるに、垂直吸引管1内の残液は次のドラム缶Dに対する吸引時に缶内液Lに先行して二次側へ送られるから、これら残液による吸液量不足を生じない。また、吸引終了が二次側での必要液量に対する最終送液分に対応し、次のドラム缶Dからの吸引を行わない場合は、ロータリーポンプPを駆動して自動閉止弁Vを開放することにより、管内の残液を空気と一緒に吸引して二次側へ送り込めばよい。
しかして、缶内液Lを各種製造プラントの原料液や各種処理工程の処理液として用いる場合、二次側で必要とする液量(設定吸引液量)はドラム缶単位ではないから、吸入部Sに搬入したドラム缶Dに対する吸引途上で設定吸引液量に達するのが普通である。従って、この設定吸引液量に達した時点で吸引を停止することになるが、その吸引停止後の垂直吸引管1内には逆流防止弁8の閉弁に伴う残液が存在する。この残液については、次のドラム缶Dからの吸引を行わない場合、前記のようにロータリーポンプPの駆動によって管内空気と一緒に吸引して二次側へ送り込めばよい。一方、二次側において複数種の液剤を混合して用いる場合、残液が内在する垂直吸引管1をそのまま缶内液Lの種類が異なる次のドラム缶Dからの吸引に用いることで、前記のように該残液を缶内液Lに先行して二次側へ送り込めばよい。
なお、上述したドラム缶Dの直立姿勢での吸引に伴う液残量が傾斜吸引に移行すべき少量に達した際、その設定液残量の全てを吸引したときに二次側での必要液量を超過する場合は、缶載置台2の傾動を行わずに吸引を停止し、垂直吸引管1を上昇させて当該ドラム缶Dより抜出し、そのドラム缶Dを吸引部Sから搬出し、次位のドラム缶Dからの吸引を行う。これは、設定液残量の追加で二次側での必要液量を超過する場合、その超過を防ぐために傾斜吸引の途中で吸引を停止することになるが、缶載置台2の傾斜状態ではロードセル20による正確な計測を行えず、途中での吸引停止では吸引液量を精密に定められないことによる。なお、吸引部Sから搬出した液残量のあるドラム缶Dについては、その液残量の追加が二次側での必要液量の超過に至らない吸引段階において、吸引部Sに再搬入して缶載置台2の傾斜状態での吸引を行えばよい。
上述のように、このドラム缶吸引装置Mによれば、缶載置台2上に載せた液入りドラム缶Dの缶口d1に、上方に待機していた垂直吸引管1を下降させて挿通し、その下端の吸引口1aより缶内液Lを吸引排出するが、下降する該垂直吸引管1の吸引口1aが缶内液Lに浸漬するのを検知した際に吸引を開始して、且つ垂直吸引管1の下降速度の制御により、その下端部のみが缶内液Lに浸漬した状態を維持しつつ吸引を行うから、例えば缶内液Lが高粘性で大きな管流通抵抗を生じるものや、高比重で吸上げ負荷が大きくなるものでは吸引速度を抑え,逆に低粘性や低比重のものでは速める等、缶内液Lの性状に応じて吸引速度を適正に調整して、且つ垂直吸引管1は下端部のみを缶内液Lに浸漬した状態を維持しつつ吸引排出を終了できるから、そのまま次のドラム缶に対する吸引排出に供することが可能であり、従来では要していた吸引終了毎の人手による清掃作業や専用の洗浄装置の設置を省略でき、それだけ処理能率が向上して労力も軽減される。また、このドラム缶吸引装置Mでは、垂直吸引管1を吸引部Sにおいて昇降させるだけでよく、洗浄装置を設ける場合のように上下及び水平方向に移動させる必要がないから、装置を簡素に且つコンパクトに構成できると共に、設置スペースも小さくて済む。
そして、実施形態のように缶載置台2の傾動機構6を備えることにより、吸引による缶内液Lの残量が所定の少量になった段階で、吸引途上のドラム缶Dを缶口d1の位置を変えずに缶内底d3の周辺部d30が該缶口d1の直下に来るように傾動変位できるから、傾動前に缶内に挿入していた垂直吸引管1を入れ直すことなく、そのまま下降させて吸引を行うだけで、傾動によって缶内底d3の周辺部d30に集まった残液を効率よく最後まで吸引排出できる。特に、実施形態の如く垂直吸引管1の吸引口1aを傾動時のドラム缶内底d3の傾斜方向に略沿う斜め切り形態とすれば、傾動後のドラム缶D内の残液を殆ど余すことなく吸引排出できるという利点がある。
垂直吸引管1の吸引口1aがドラム缶D内の液中に浸漬したことを検知する浸漬検知手段としては、例示したエアー放出管5より放出するエアー圧の変化(増大)を捉える方式以外に、液面センサーを始めとする様々な方式を採用可能である。しかるに、実施形態の如きエアー放出管5を用いる方式は、液面センサーのように高価で且つ液濡れ対策を要するものではないから、検知及び作動の信頼性が高く、且つ安価に装備できて耐久性にも優れることに加え、既述のように放出エアー圧の増減を垂直吸引管1の下降速度の補正に利用できるという利点がある。
一方、実施形態の構成では、吸引管支持枠31に垂直吸引管1が吊支され、吸引時に該吸引管支持枠31と一体に下降する垂直吸引管1の吸引口1aが缶内底d3に当接した際、該垂直吸引管1が吸引管支持枠31から浮き離れて下降停止し、次いで停止センサーC1による停止検知信号に基づいて吸引管支持枠31も下降を停止するから、缶内底d3に対する衝当や圧接によって当該吸引管1が曲がったり、吸引口1a近傍が変形したり、吸引管支持枠31に対する取付部分が損傷したりする懸念がない。加えて、実施形態のように垂直吸引管1内の上端側に液切れセンサーC2を設けておけば、吸引排出の完了を液切れによって検知し、これに基づいて自動閉止弁Vで吸引管路10を自動的に閉鎖できるから、迅速に次のドラム缶Dの吸引排出のための準備を行えるという利点がある。
なお、ドラム缶Dは、品種によって天板面における缶口d1の位置(缶中心からの距離)にばらつきがある。従って、傾動機構6によって缶載置台2を傾動させる際、ドラム缶Dを缶口d1の芯位置Oを変えずに缶内底d3の周辺部d30が該缶口d1の直下に来るように傾動変位させる上で、該ドラム缶Dの品種に応じて缶載置台2の前方移動量と傾動角度を調整する必要がある。この点、実施形態のドラム缶吸引装置Mでは、傾動調整手段7によって傾動時の缶載置台2下部側の前限位置を調整することで、市販ドラム缶Dの略全品種に対応できるようにしている。
本発明のドラム缶吸引装置にあっては、垂直吸引管1の昇降機構3、缶載置台2の傾動機構6、垂直吸引管1に続く下流側の管路構成、吸引管支持枠31に対する垂直吸引管1を含む吸引管路10の吊支構造、傾動調整手段7の動作機構、垂直吸引管1の逆流防止弁8の構造、缶載置台2上でのドラム缶Dの位置決め固定方式等、細部構成については実施形態以外に種々設計変更可能である。
1 垂直吸引管
1a 吸引口
10 吸引管路
2 缶載置台
20 ロードセル(重量測定手段)
3 昇降機構
31 吸引管支持枠
38 吊支杆(吊支部)
4 制御装置
5 エアー放出管(浸漬検知手段)
5a 放出口
6 傾動機構
7 傾動調整手段
8 逆流防止弁
C1 停止センサー
C2 液切れセンサー
D ドラム缶
d1 缶口
d3 缶内底
d30 周辺部
L 缶内液
M ドラム缶吸引装置
O 芯位置
P ロータリーポンプ(吸引ポンプ)
S 吸引部
V 自動閉止弁

Claims (10)

  1. 吸引部に搬入された液入りドラム缶の缶口に、上方から垂直吸引管を挿通して缶内液を吸引排出するドラム缶吸引装置であって、
    前記吸引部に配置されて重量測定手段を備える缶載置台と、昇降機構によって昇降動作する吸引管支持枠と、該吸引管支持枠に上部で支持されて下端を吸引口とする垂直吸引管と、その吸引口が缶内液に浸漬したのを検知する浸漬検知手段と、垂直吸引管を通して缶内液を吸引する吸引ポンプと、前記昇降機構及び吸引ポンプの駆動を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、前記浸漬検知手段の浸漬検知信号によって前記吸引ポンプによる吸引を開始させると共に、前記重量測定手段にて測定される缶内液の重量減及び液比重とドラム缶内側の横断面積とから求められる吸引速度に基づいて、垂直吸引管の下端部のみが缶内液に浸漬した状態を維持するように該垂直吸引管の下降速度を制御する機能を有してなるドラム缶吸引装置。
  2. 前記缶載置台は、載置したドラム缶を缶口の芯位置を変えずに缶内底の周辺部が該缶口の直下に来るように傾動させる傾動機構を具備し、
    前記制御装置は、吸引による缶内液の残量が所定の少量になった段階で該傾動機構を作動させる機能を有してなる請求項1に記載のドラム缶吸引装置。
  3. 前記缶載置台の傾動時における下部側の前限位置を可変調整する傾動調整手段を備えてなる請求項2に記載のドラム缶吸引装置。
  4. 前記垂直吸引管の吸引口が傾動時のドラム缶内底の傾斜方向に略沿う斜め切り形態をなす請求項2又は3に記載のドラム缶吸引装置。
  5. 前記垂直吸引管の下端部の内側に、吸引時に吸引力で開放して吸引停止時に液重及び自重で閉止する逆流防止弁が設けられてなる請求項1〜4のいずれかに記載のドラム缶吸引装置。
  6. 前記浸漬検知手段は、前記垂直吸引管に沿って配設されて吸引口近傍に放出口が開口したエアー放出管と、該エアー放出管から継続的に放出するエアー圧の変化を検出する圧力検出機構とで構成され、垂直吸引管の下降時に前記エアー圧が液中放出になって増大することで、前記吸引口の液中浸漬を検知するものである請求項1〜5のいずれかに記載のドラム缶吸引装置。
  7. 前記吸引管支持枠に垂直吸引管が上動可能に吊支され、吸引時に該吸引管支持枠と一体に下降する垂直吸引管の吸引口が缶内底に当接した際、該垂直吸引管が吊支部において下降する吸引管支持枠から浮き離れて停止するように構成されると共に、この停止を検知する停止センサーを備え、
    前記制御装置は、該停止センサーの停止検知信号に基づいて吸引管支持枠の下降を停止させる機能を有してなる請求項1〜のいずれかに記載のドラム缶吸引装置。
  8. 前記垂直吸引管内の上端側で液切れを検知する液切れセンサーと、液切れ時に吸引管路を閉鎖する自動閉止弁とを具備してなる請求項1〜7のいずれかに記載のドラム缶吸引装置。
  9. 重量測定手段を備える缶載置台上に液入りドラム缶を搬入し、その液入りドラム缶の缶口を昇降可能な垂直吸引管の直下に合わせたのち、該吸引管を下降させて缶口に挿通し、浸漬検知手段によって該垂直吸引管の下端の吸引口が缶内液に浸漬するのを検知した際に、吸引ポンプを介して該吸引口からの缶内液の吸引を開始すると共に、前記重量測定手段にて測定される缶内液の重量減及び液比重とドラム缶内側の横断面積とから求められる吸引速度に基づいて、垂直吸引管の下降速度を制御装置によって制御することにより、垂直吸引管の下端部のみが缶内液に浸漬した状態を維持しつつ缶内液を吸引排出することを特徴とするドラム缶吸引方法。
  10. 前記缶載置台の傾動機構を具備し、吸引による缶内液の残量が所定の少量になった段階で吸引を一時停止し、前記傾動機構によってドラム缶を缶口の芯位置を変えずに缶内底の周辺部が垂直吸引管の吸引口の直下に来るように傾動させたのち、吸引を再開して残液の略全量を吸引排出することを特徴とする請求項9に記載のドラム缶吸引方法。
JP2016124694A 2016-06-23 2016-06-23 ドラム缶吸引装置及びドラム缶吸引方法 Expired - Fee Related JP6496685B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016124694A JP6496685B2 (ja) 2016-06-23 2016-06-23 ドラム缶吸引装置及びドラム缶吸引方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016124694A JP6496685B2 (ja) 2016-06-23 2016-06-23 ドラム缶吸引装置及びドラム缶吸引方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017225943A JP2017225943A (ja) 2017-12-28
JP6496685B2 true JP6496685B2 (ja) 2019-04-03

Family

ID=60890563

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016124694A Expired - Fee Related JP6496685B2 (ja) 2016-06-23 2016-06-23 ドラム缶吸引装置及びドラム缶吸引方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6496685B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110228782A (zh) * 2019-07-20 2019-09-13 安徽家思特涂料有限责任公司 一种油漆定量灌装装置
CN113305119A (zh) * 2021-05-31 2021-08-27 尹志燕 一种基于建筑水泥助磨剂的包装筒回收处理装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH061398A (ja) * 1991-03-15 1994-01-11 Asahi Breweries Ltd 飲料自動回収装置
JPH0754158Y2 (ja) * 1993-03-10 1995-12-13 三洋化成工業株式会社 液体取出装置
JP3467223B2 (ja) * 2000-02-07 2003-11-17 株式会社ナカキン 液状物の取り出し方法及びその装置
JP2008254768A (ja) * 2007-04-04 2008-10-23 Lube Corp オイル供給装置及びオイル供給方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017225943A (ja) 2017-12-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6496685B2 (ja) ドラム缶吸引装置及びドラム缶吸引方法
JP2007064688A (ja) 液体定量供給装置
CN209069407U (zh) 一种用于砝码检定的检定装置
CN105622171B (zh) 一种陶瓷坐便器全自动管道施釉系统
JP2002037390A (ja) 充填装置
US20160068797A1 (en) Method and apparatus for filling a plurality of media plates in a self-supporting stack
KR101826309B1 (ko) Cnc머신
US7045721B1 (en) Lifting device for use with drum weighing machine
CN109205239B (zh) 自动割管机上料装置
CN109405950A (zh) 一种砝码检定装置
CN113911420B (zh) 一种电泳涂料的定量灌装装置
JP6719712B2 (ja) 容器リフター
CN209069406U (zh) 砝码检定装置
JP3467238B2 (ja) 容器への液充填方法
JPH0646876Y2 (ja) 自動飲料注出装置
CN210436640U (zh) 一种塑料桶盖与油嘴自动焊接设备的油嘴定位安装机构
JP5452408B2 (ja) 比重測定装置および比重測定方法
GB1596789A (en) Depalletisers and palletisers
JPH07253351A (ja) 流体の充填装置
JP2009107023A (ja) 矯正装置および矯正ロールの搬出入方法
CN111517265A (zh) 一种化工液体灌装机
JP4577725B2 (ja) オイル供給装置
CN210154471U (zh) 压力容器检测支托架
CN216036975U (zh) 一种自动化输送装置
CN117761167B (zh) 一种自动式钢板探伤用超声波检测装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190201

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190204

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190215

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190311

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6496685

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees